(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-07
(45)【発行日】2025-04-15
(54)【発明の名称】後処理装置
(51)【国際特許分類】
B65H 29/60 20060101AFI20250408BHJP
B65H 29/58 20060101ALI20250408BHJP
【FI】
B65H29/60 D
B65H29/58 B
(21)【出願番号】P 2021023640
(22)【出願日】2021-02-17
【審査請求日】2024-01-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 理智
【審査官】藤村 聖子
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-035409(JP,A)
【文献】特開2018-034972(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 29/54-27/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流側から順次搬送されてくる用紙を搬送する搬送路と、
前記搬送路から搬送される用紙を第1の方向に搬送する第1搬送経路と、
前記搬送路から搬送される用紙を第2の方向に搬送する第2搬送経路と、
前記搬送路から搬送される用紙を第3の方向に搬送する第3搬送経路と、
前記搬送路から搬送される用紙を前記第1、第2、及び第3搬送経路のいずれかに案内する案内機構と、を有し、
前記案内機構は、1つの切替機構により構成され
、
前記切替機構は、第1ゲート部材及び前記第1ゲート部材を動作させる駆動部材と、前記第1ゲート部材と連動して動作する第2ゲート部材と、を有し
前記切替機構は、用紙を前記第1搬送経路に搬送する場合には前記第1ゲート部材および前記第2ゲート部材を前記第2搬送経路側に移動させ、用紙を前記第2搬送経路および前記第3搬送経路に搬送する場合には前記第1ゲート部材および第2ゲート部材を前記第1搬送経路側に移動させる後処理装置。
【請求項2】
前記第2ゲート部材を通過した用紙を逆走させることで前記第3搬送経路に用紙を搬送する請求項1記載の後処理装置。
【請求項3】
前記第2ゲート部材は、前記第1ゲート部材が設けられた方向に弾性部材により付勢され、前記搬送路から搬送されてきた用紙と接触することにより押し下げられて用紙を通過させるための平面部を有する請求項2記載の後処理装置。
【請求項4】
前記第2ゲート部材を前記第1ゲート部材が設けられている方向に付勢する付勢力は、前記搬送路から搬送されてきた用紙が前記平面部と接触した際の搬送圧力により前記第2ゲート部材が押し下げられるような力以下で、かつ前記第2ゲート部材を前記第1ゲート部材と接触する位置まで持ち上げることが可能な力以上に設定されている請求項3記載の後処理装置。
【請求項5】
前記第2ゲート部材には、前記第1ゲート部材と接触するための接触面が設けられている請求項2記載の後処理装置。
【請求項6】
前記第1ゲート部材の前記第2ゲート部材との接触面には、前記第2ゲート部材の接触面と接触した際の音を消音するための消音部材が設けられている請求項5記載の後処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、後処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ゲート部材をリブ構造の樹脂により構成し、先端部には、搬送されてきた印刷用紙により押されるとともに搬送路構成部材に接触する平面部が設けられている構成として、このゲート部材の平面部が上流から搬送されて来た印刷用紙と接触することにより押し下げられて印刷用紙を通過させ、一旦押し下げられた後は、印刷用紙が通過中は平面部よりも支点からの距離が遠い複数の突起部が印刷用紙と接触することにより印刷用紙を通過可能な状態に保持されるようにした後処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像が形成された用紙に対して、折り処理、ステイプル処理、冊子作製処理等の各種後処理を実行する後処理装置では、搬送されてきた用紙を様々な搬送方向に案内するための案内機構が用いられる。このような案内機構として、搬送方向の切り替えのためのゲート部材を設け、このゲート部材の位置をソレノイド等により駆動することによって、搬送されてきた用紙を2つの搬送方向に切り替えることができる。
【0005】
しかし、搬送されてきた用紙を3つの搬送方向に切り替えるような場合、このようなゲート部材を2ケ所に配置して、2つのゲート部材をそれぞれ駆動するための2つの駆動機構が必要となる。また、2つのゲート部材をそれぞれ異なる場所に設けたのでは、それぞれの設置場所が必要となり装置が大型化してしまう。
【0006】
本発明の目的は、用紙の搬送方向の切り替えを行う切替機構を1つのみ設けるだけで、搬送されてきた用紙を3つの搬送方向に切り替えることが可能な後処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1態様の後処理装置は、上流側から順次搬送されてくる用紙を搬送する搬送路と、
前記搬送路から搬送される用紙を第1の方向に搬送する第1搬送経路と、
前記搬送路から搬送される用紙を第2の方向に搬送する第2搬送経路と、
前記搬送路から搬送される用紙を第3の方向に搬送する第3搬送経路と、
前記搬送路から搬送される用紙を前記第1、第2、及び第3搬送経路のいずれかに案内する案内機構と、を有し、
前記案内機構は、1つの切替機構により構成される。
【0008】
本発明の第2態様の後処理装置は、第1態様の後処理装置において、前記切替機構は、第1ゲート部材及び前記第1ゲート部材を動作させる駆動部材と、前期第1ゲート部材と連動して動作する第2ゲート部材と、を有する。
【0009】
本発明の第3態様の後処理装置は、第2態様の後処理装置において、前記第2ゲート部材は、前記第1ゲート部材が設けられた方向に弾性部材により付勢され、前記搬送路から搬送されてきた用紙と接触することにより押し下げられて用紙を通過させるための平面部を有する。
【0010】
本発明の第4態様の後処理装置は、第3態様の後処理装置において、前記第2ゲート部材を前記第1ゲート部材が設けられている方向に付勢する付勢力は、前記搬送路から搬送されてきた用紙が前記平面部と接触した際の搬送圧力により前記第2ゲート部材が押し下げられるような力以下で、かつ前記第2ゲート部材を前記第1ゲート部材と接触する位置まで持ち上げることが可能な力以上に設定されている。
【0011】
本発明の第5態様の後処理装置は、第2態様の後処理装置において、前記第2ゲート部材には、前記第1ゲート部材と接触するための接触面が設けられている。
【0012】
本発明の第6態様の後処理装置は、第5態様の後処理装置において、前記第1ゲート部材の前記第2ゲート部材との接触面には、前記第2ゲート部材の接触面と接触した際の音を消音するための消音部材が設けられている。
【発明の効果】
【0013】
本発明の第1態様の後処理装置によれば、用紙の搬送方向の切り替えを行う切替機構を1つのみ設けるだけで、搬送されてきた用紙を3つの搬送方向に切り替えることができる。
【0014】
本発明の第2態様の後処理装置によれば、2つのゲート部材を用いて用紙の搬送方向の切り替えを行う場合でも、必要となる駆動部材を1つとすることができる。
【0015】
本発明の第3態様の後処理装置によれば、第2ゲート部材を駆動するための駆動部材を不要とすることができる。
【0016】
本発明の第4態様の後処理装置によれば、搬送路から用紙が搬送されてきた場合にのみ第2ゲート部材が押し下げられるような構成を実現することができる。
【0017】
本発明の第5態様の後処理装置によれば、第1ゲート部材が駆動された際に第2ゲート部材も連動して駆動することができる。
【0018】
本発明の第6態様の後処理装置によれば、消音部材を設けない場合と比較して、第1ゲート部材と第2ゲート部材とが接触した際の音を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態の画像形成システムを示す図である。
【
図2】後処理装置20の構造の概要を説明するための図である。
【
図5】ゲート部材31、32の切り替え機構を説明するための図である。
【
図6】切替機構27がフィニッシャートレイ22の方向に用紙を切り替える際の動作を説明するための図である。
【
図7】ゲート部材32が、画像形成装置10から搬送されてきた用紙を通過させる際の動作を説明するための図である。
【
図8】切替機構27が、中綴じユニット26の方向に用紙を切り替える際の動作を説明するための図である。
【
図13】ゲート部材31とゲート部材32との位置関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態の画像形成システムを示す図である。
【0022】
本実施形態の画像形成システムは、
図1に示されるように、画像形成装置10と後処理装置20を有する。
【0023】
画像形成装置10は、電子写真方式のプリンタであり、操作者からの操作に応じて、帯電、露光、現像、転写、定着などの工程を経て印刷用紙等の記録媒体上に画像を印刷する。そして、画像が形成された記録媒体は、後処理装置20に送出される。
【0024】
後処理装置20は、複数の後処理ユニットを有し、画像形成装置10により画像が形成された印刷用紙等の記録媒体に対して後処理を施す。
【0025】
ここで、後処理とは、画像形成された後の印刷用紙等に対して施される処理であり、例えば、ステイプル処理、パンチ処理、製本処理、折り処理などである。
【0026】
次に、このような後処理装置20の構造の概要について
図2を参照して説明する。
【0027】
後処理装置20は、
図2に示されるように、上流側である画像形成装置10から順次搬送されてくる用紙を搬送する搬送路を有し、この搬送路上から搬送されてきた用紙にパンチ処理を行う穿孔ユニット24、搬送されてきた用紙を複数枚の用紙束とした後にステイプル処理を行う端綴じユニット25、搬送されてきた用紙を複数枚の用紙束とした後に製本処理を行う中綴じユニット26を備えている。
【0028】
そして、後処理装置20は、穿孔ユニット24、端綴じユニット25、中綴じユニット26により後処理が実行された後の用紙を、排出するための排出先として、排出トレイ21、フィニッシャートレイ22、製本トレイ23という3つの排出先を備えている。
【0029】
後処理装置20がこのような構成となっているため、後処理装置20の内部には、搬送路から搬送される用紙を第1の方向である排出トレイ21方向に搬送する第1搬送経路と、搬送路から搬送される用紙を第2の方向である端綴じユニット25及びフィニッシャートレイ22方向に搬送する第2搬送経路と、搬送路から搬送される用紙を第3の方向である中綴じユニット26方向に搬送する第3搬送経路とが設けられている。
【0030】
例えば、搬送されてきた用紙に穿孔ユニット24によるパンチ処理のみを行う場合、又はいずれの後処理も行わない場合には、その用紙は第1搬送経路を経由して排出トレイ21に排出される。また、穿孔ユニット24を通過後に端綴じユニット25においてステイプル処理を実行する用紙は第2搬送経路を経由してフィニッシャートレイ22に排出される。さらに、穿孔ユニット24を通過後に中綴じユニット26において製本処理を実行する用紙は第3搬送経路を経由して製本トレイ23に排出される。
【0031】
このように後処理装置20には、3つの搬送経路が設けられているため、搬送路から搬送される用紙を第1、第2、及び第3搬送経路のいずれかに案内する案内機構として、1つの切替機構27が設けられている。
【0032】
【0033】
切替機構27は、上流側の画像形成装置10から用紙が順次搬送されてくる搬送路上に設けられており、画像形成装置10から搬送されてきた用紙の搬送方向を、排出トレイ21方向、端綴じユニット25及びフィニッシャートレイ22方向、中綴じユニット26方向のうちのいずれかに切り替える。
【0034】
なお、端綴じユニット25は、搬送されてきた用紙を重ねて用紙束とするためのコンパイルトレイ29を備えており、切替機構27経由で搬送されてきた用紙は搬送ロール28によりコンパイルトレイ29に搬送されるようになっている。この搬送ロール28は、搬送路上において用紙の搬送を行う搬送手段として機能する。
【0035】
そして、中綴じユニット26方向に用紙を搬送する場合には、切替機構27からコンパイルトレイ29方向に用紙を搬送した後に搬送ロール28の搬送方向を逆転させることにより用紙が中綴じユニット26方向に搬送されるような構成となっている。
【0036】
そして、この切替機構27の拡大図を
図4に示す。
図4を参照すると、切替機構27は、ゲート部材31、ゲート部材31を動作させる駆動部材(不図示)と、ゲート部材31と連動して動作するゲート部材32とを有する。
【0037】
ゲート部材32は、ゲート部材31が設けられた方向にバネ等の弾性部材により付勢され、搬送路から搬送されてきた用紙と接触することにより押し下げられて用紙を通過させるための平面部を有する。
【0038】
そして、ゲート部材32をゲート部材31が設けられている方向に付勢する付勢力は、搬送路から搬送されてきた用紙が平面部と接触した際の搬送圧力によりゲート部材32が押し下げられるような力以下で、かつゲート部材32をゲート部材31と接触する位置まで持ち上げることが可能な力以上に設定されている。
【0039】
また、ゲート部材32には、ゲート部材31と接触するための接触面が設けられている。そして、ゲート部材31のゲート部材32との接触面には、ゲート部材32の接触面と接触した際の音を消音するためのウレタンクッション材が消音部材として設けられている。なお、このゲート部材31、32の構造の詳細については後述する
【0040】
まず、ゲート部材31、32の切り替え機構について
図5を参照して説明する。
【0041】
ゲート部材31は、ある回転軸を中心として回転可能に設置されている。そして、ゲート部材31は、ソレノイド41とリンク機構により接続されており、ソレノイド41のオン/オフ状態に伴って鉛直方向上側の位置と下側の位置との間で切り替わって動作するように構成されている。ソレノイド41は、制御部40により制御されており、制御部40が、用紙を搬送しようとする方法に応じてソレノイド41をオン状態又はオフ状態とするよう制御する。
【0042】
ゲート部材32も、ある回転軸を中心として回転可能に設置されている。そして、ゲート部材32は、バネ42により鉛直方向上側、つまりゲート部材31が設けられている側に付勢されている。
【0043】
そのため、ゲート部材32は、ゲート部材31と連動して動作するように構成されていて、ゲート部材31が上側の位置に切り替えられている状態では、ゲート部材31と接触する位置まで上側に回転し、ゲート部材31が下側の位置に切り替えられることによりゲート部材31により押し下げられて下側に回転する。
【0044】
切替機構27はこのような構成となっており、画像形成装置10から搬送されてきた用紙を下記のようにして3つの搬送方向に切り替えている。
【0045】
まず、切替機構27が、排出トレイ21の方向に用紙を切り替える際の動作について
図4を参照して説明する。
【0046】
排出トレイ21の方向に用紙を切り替える場合、制御部40は、
図4に示すように、ソレノイド41の状態を切り替えてゲート部材31を下側の位置に移動させる。そのため、ゲート部材32は、ゲート部材31により押し下げられて下側方向に回転する。
【0047】
その結果、
図4に示されるように、画像形成装置10から搬送されてきた用紙はゲート部材31の上面により案内されて搬送方向が排出トレイ21方向に切り替えられる。
【0048】
次に、切替機構27が、フィニッシャートレイ22の方向に用紙を切り替える際の動作について
図6を参照して説明する。
【0049】
フィニッシャートレイ22の方向に用紙を切り替える場合、制御部40は、
図6に示すように、ソレノイド41の状態を切り替えてゲート部材31を上側の位置に移動させる。そのため、ゲート部材32も、ゲート部材31と連動して動いて上側方向に回転する。
【0050】
その結果、
図6に示されるように、画像形成装置10から搬送されてきた用紙の搬送路は塞がれた状態となる。ただし、画像形成装置10から用紙が搬送されてくると、
図7に示すように、ゲート部材32には、搬送されてきた用紙の搬送圧力により下側方向の力が加わる。そのため、ゲート部材32は、用紙の搬送圧力と自重により下側方向に回転する。その結果、画像形成装置10から搬送されてきた用紙はゲート部材32を通過して、フィニッシャートレイ22方向に搬送されることになる。
【0051】
最後に、切替機構27が、中綴じユニット26の方向に用紙を切り替える際の動作について
図8を参照して説明する。
【0052】
図7において示したような状態において用紙がゲート部材32を通過した後に、制御部40は、搬送ロール28を逆回転させる。すると、ゲート部材32を通過した用紙はゲート部材32方向に搬送されてゲート部材32に突き当たる。しかし、搬送ロール28側から見たゲート部材32の形状は下側方向に用紙を案内するような形状となっているため、逆走してきた用紙はゲート部材32を通過することはなく下側方向に案内されることになる。その結果、搬送ロール28により逆走された用紙は、中綴じユニット26方向に搬送されることになる。
【0053】
次に、上記で説明したゲート部材31、32の詳細な構成について説明する。
【0054】
まず、本実施形態の後処理装置20におけるゲート部材31の斜視図を
図9に示す。また、このゲート部材31の側面図を
図10に示す。
【0055】
ゲート部材31は、複数のリブにより補強されているリブ構造の樹脂により構成されている。そして、ゲート部材31の先端部は、搬送されてきた用紙を鉛直方向の上側に案内するような曲面が構成されている。このゲート部材31は、
図10に示すように回転軸51を中心に回転可能に取り付けられる。そして、このゲート部材31には、ゲート部材32と接触する2つの接触面52、53が設けられている。接触面52は、ゲート部材31が下側の位置に切り替えられた状態においてゲート部材32と接触する際の接触面である。また、接触面53は、ゲート部材31が上側の位置に切り替えられた状態においてゲート部材32と接触する際の接触面である。
【0056】
そして、接触面53には、ゲート部材32の接触面と接触した際の音を消音するためのウレタンクッション材54が設けられている。
【0057】
次に、本実施形態の後処理装置20におけるゲート部材32の斜視図を
図11に示す。また、このゲート部材32の側面図を
図12に示す。
【0058】
ゲート部材32も、ゲート部材31と同様に複数のリブにより補強されているリブ構造の樹脂により構成されている。そして、このゲート部材32は、
図12に示すように回転軸61を中心に回転可能に取り付けられる。そして、このゲート部材32には、ゲート部材31と接触するための接触面62が設けられている。また、ゲート部材32には、搬送されてきた用紙と接触する平面部63を有している。図面の左方向から搬送されてきた用紙が平面部63と接触して搬送圧力がゲート部材32に加えられるとゲート部材32は、時計方向の回転することになる。そして、図面の右方向から用紙が逆走してきた場合は、この用紙は、ゲート部材32の面に沿ってした方向に案内されることになる。なお、ゲート部材32にも、他の部材と接触した際の音を消音するためのウレタンクッション材64が設けられている。
【0059】
上記で説明したゲート部材31とゲート部材32との位置関係を
図13に示す。なお、
図13では、ゲート部材31とゲート部材32との位置関係を分かり良くするための周辺に存在する他の構造については省略して図示している。
図13を参照すると、ゲート部材32の上側にゲート部材31が覆いかぶされるように配置されているのが分かる。そして、
図13では、ゲート部材31が上側方向に移動した状態となっていることにより、画像形成装置10から搬送されてきた用紙が、ゲート部材31とゲート部材32との間に侵入する様子が示されている。
【0060】
上記で説明したような構造となっていることにより、ゲート部材31は、搬送路の上流側から搬送されてきた用紙を排出トレイ21への搬送方向に切り替えるよう案内する。
【0061】
また、ゲート部材32は、ゲート部材31が設けられている方向にバネ42により付勢され、ゲート部材31が排出トレイ21への搬送方向に用紙を案内している状態では、ゲート部材31により押し下げられる。そして、ゲート部材32は、ゲート部材31が排出トレイ21への搬送方向に用紙を案内していない状態では、バネ42の付勢力により搬送路を遮断する状態に位置し、搬送されてきた用紙の搬送圧力により押し下げられることにより搬送されてきた用紙を通過させてフィニッシャートレイ22への搬送方向に案内する。さらに、ゲート部材32は、フィニッシャートレイ22への搬送方向ら逆走してきた用紙を中綴じユニット26への搬送方向に案内する。
【0062】
そして、制御部40は、排出トレイ21への搬送方向に用紙を搬送する際には、ソレノイド41を切り替えてゲート部材31が排出トレイ21への搬送方向に用紙を案内するような位置となるよう制御する。また、制御部40は、フィニッシャートレイ22への搬送方向に用紙を搬送する際には、ソレノイド41を切り替えてゲート部材31が排出トレイ21への搬送方向に用紙を案内しないような位置となるよう制御する。また、制御部40は、中綴じユニット26への搬送方向に用紙を搬送する際には、用紙の後端がゲート部材32を通過後に、搬送ロール28を逆転させるよう制御する。
【0063】
本実施形態における後処理装置20では、搬送されてきた用紙の搬送方向を、1つの切替機構27のみで3方向に切り替えている。そのため、2つ以上の切替機構をそれぞれ別の場所に設けて搬送方向を3つの搬送方向に切り替える場合と比較して、本実施形態の後処理装置20の小型化が図られることになる。
【符号の説明】
【0064】
10 画像形成装置
20 後処理装置
21 排出トレイ
22 フィニッシャートレイ
23 製本トレイ
24 穿孔ユニット
25 端綴じユニット
26 中綴じユニット
27 切替機構
28 搬送ロール
31 ゲート部材
32 ゲート部材
40 制御部
41 ソレノイド
42 バネ
51 回転軸
52、53 接触面
54 ウレタンクッション部材
61 回転軸
62 接触面
63 平面部
64 ウレタンクッション部材