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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-07
(45)【発行日】2025-04-15
(54)【発明の名称】超音波診断装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/00 20060101AFI20250408BHJP
【FI】
A61B8/00
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021182511
(22)【出願日】2021-11-09
(65)【公開番号】P2023070380
(43)【公開日】2023-05-19
【審査請求日】2024-06-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】千原 達史
(72)【発明者】
【氏名】白石 貴彦
(72)【発明者】
【氏名】中村 恭大
【審査官】井海田 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-62446(JP,A)
【文献】特開平9-285463(JP,A)
【文献】実開昭63-201517(JP,U)
【文献】特開2013-172777(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0289841(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 - 8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部、ディスプレイ、操作卓、プローブポート、バッテリー、カートのそれぞれがユニットとして分離可能に構成され、
前記本体部に、前記ディスプレイ、前記操作卓、前記プローブポート及び前記バッテリーが着脱可能に構成され、
前記カートに、前記本体部、前記ディスプレイ、前記操作卓が着脱可能に構成され、
前記プローブポート及び前記バッテリーが装着された前記本体部と、前記ディスプレイと、前記操作卓とを前記カートに装着することで、カートスタイルを構成し、
前記ディスプレイ及び前記操作卓を、前記プローブポート及び前記バッテリーが装着された前記本体部と分離した状態とすることで、デスクトップスタイルを構成し、
前記ディスプレイ、前記操作卓、前記プローブポート及び前記バッテリーを前記本体部に装着して一体的に接続することで、ハンドキャリースタイルを構成する、超音波診断装置。
【請求項2】
前記ディスプレイと前記カート、及び前記ディスプレイと前記本体部は、ラッチ構造で着脱可能に構成されている請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記操作卓と前記カート、及び前記操作卓と前記本体部は、ラッチ構造で着脱可能に構成されている請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
分離された前記本体部と前記ディスプレイ、及び前記本体部と前記操作卓は、ケーブルを介して又は無線通信により接続可能である請求項1~3のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項5】
前記プローブポートは、向きを変えて前記本体部に装着可能に構成されている請求項1~4のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯型超音波診断装置をカートに搭載したままの状態で使用することと、携帯型超音波診断装置をカートから取り外して使用することを可能とした超音波診断装置用カートが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2013/046907号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
超音波診断装置の使用環境は、使用する現場の状況に応じて様々であり、卓上、カートスタイル、ベット脇での使用、壁掛けでの使用など多岐にわたり使い勝手を要求される。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ディスプレイ、操作卓を本体から分離して使用することはできない為、使用する現場の状況に適したスタイルで使用することが出来ず、使い勝手が悪い。
【0005】
本発明の課題は、使用する現場の状況に適したスタイルで使用することが可能な超音波診断装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の超音波診断装置は、
本体部、ディスプレイ、操作卓、プローブポート、バッテリー、カートのそれぞれがユニットとして分離可能に構成され、
前記本体部に、前記ディスプレイ、前記操作卓、前記プローブポート及び前記バッテリーが着脱可能に構成され、
前記カートに、前記本体部、前記ディスプレイ、前記操作卓が着脱可能に構成され、
前記プローブポート及び前記バッテリーが装着された前記本体部と、前記ディスプレイと、前記操作卓とを前記カートに装着することで、カートスタイルを構成し、
前記ディスプレイ及び前記操作卓を、前記プローブポート及び前記バッテリーが装着された前記本体部と分離した状態とすることで、デスクトップスタイルを構成し、
前記ディスプレイ、前記操作卓、前記プローブポート及び前記バッテリーを前記本体部に装着して一体的に接続することで、ハンドキャリースタイルを構成する。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記ディスプレイと前記カート、及び前記ディスプレイと前記本体部は、ラッチ構造で着脱可能に構成されている。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記操作卓と前記カート、及び前記操作卓と前記本体部は、ラッチ構造で着脱可能に構成されている。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1~3のいずれか一項に記載の発明において、
分離された前記本体部と前記ディスプレイ、及び前記本体部と前記操作卓は、ケーブルを介して又は無線通信により接続可能である。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1~4のいずれか一項に記載の発明において、
前記プローブポートは、向きを変えて前記本体部に装着可能に構成されている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、使用する現場の状況に適したスタイルで使用することが可能な超音波診断装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A】カートスタイルの超音波診断装置の側面図である。
図1B】カートスタイルの超音波診断装置の背面側斜視図である。
図2】デスクトップスタイルの超音波診断装置の斜視図である。
図3A】ハンドキャリースタイルの超音波診断装置の前面側斜視図である。
図3B】ハンドキャリースタイルの超音波診断装置の背面側斜視図である。
図4A】本体部の前面側斜視図である。
図4B】本体部の背面側斜視図である。
図5】バッテリーのフックと本体部のバッテリーフック受けの係合を示す模式図である。
図6A】プローブポートの前面側斜視図である。
図6B】プローブポートの背面側斜視図である。
図7】バッテリーの前面側斜視図である。
図8】ディスプレイの背面側斜視図及び他のユニットとディスプレイとの接続を模式的に示す図である。
図9A】操作卓の上面斜視図及び操作卓と本体部との接続を模式的に示す図である。
図9B】操作卓の上面斜視図及び操作卓とカートとの接続を模式的に示す図である。
図10】カートと本体部との接続部分を模式的に示す図である。
図11】プローブポートの向き及びバッテリーの容量を変更して本体部に装着した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、本発明の技術的範囲は、以下の実施形態及び図示例に限定されるものではない。
【0014】
(超音波診断装置100の全体構成)
図1A図3Bは、本発明に係る超音波診断装置100の外観構成例を示す図である。
超音波診断装置100は、病院などの医療施設の診察室などで使用される装置であり、本体部1、プローブポート2、バッテリー3、ディスプレイ4、操作卓5、カート6の各ユニットを備えて構成されている。超音波診断装置100の各ユニットは分離可能であり、プローブポート2、バッテリー3、ディスプレイ4、及び操作卓5は、本体部1に着脱可能である。また、本体部1、ディスプレイ4、操作卓5は、カート6に着脱可能である。そして、超音波診断装置100は、各ユニットを結合したり分離したりすることで、図1A図1Bに示すカートスタイルの超音波診断装置、図2に示すデスクトップスタイルの超音波診断装置、図3A図3Bに示すハンドキャリースタイルの超音波診断装置、の3つのスタイルの超音波診断装置に変換することが可能となっている。
【0015】
(本体部1の構成)
本体部1は、超音波診断装置100の各ユニットを制御して、プローブポート2に装着された超音波探触子(超音波プローブ)7による被検体への超音波送受信、受信した超音波に基づく超音波画像データの生成、画像処理、表示制御等を行う。すなわち、本体部1は、プローブポート2を介して超音波探触子7に電気信号の駆動信号を送信することによって、超音波探触子7により図示しない被検体に対して送信超音波を送信させるとともに、超音波探触子7にて受信した被検体内からの反射超音波に応じて、超音波探触子7で生成された電気信号である受信信号に基づいて被検体内の内部状態を超音波画像データとして画像化する。
【0016】
本体部1が実施する機能の一部又は全部の機能は、集積回路などのハードウェア回路として実現することができる。集積回路とは、例えばLSI(Large Scale Integration)であり、LSIは集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサーで実現してもよいし、FPGA(Field Programmable Gate Array)やLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。また、各々の機能ブロックの一部又は全部の機能をソフトウェアにより実行するようにしてもよい。
【0017】
図4Aは、本体部1の前面側斜視図である。
図4Aに示すように、本体部1の筐体11の前面には、ディスプレイ4と接続するためのディスプレイ接続部12と、カート6と接続するためのカート接続部13と、操作卓5と接続するための操作卓接続部14と、が備えられている。
【0018】
ディスプレイ接続部12は、例えば、本体部1の前面上部に設けられ、コネクター12a、ラッチ受け穴12b、ボタン嵌合部12cを備えて構成されており、ディスプレイ4と本体部1を電気的及び機械的に接続する。
コネクター12aは、ディスプレイ4のコネクター42a(図8参照)、ディスプレイ用ケーブル9のコネクター92a(図8参照)又はカート6のコネクター63c(図10参照)と接続するためのコネクターである。ここで、ディスプレイ用ケーブル9は、ディスプレイ4と本体部1とを接続するためのケーブルであり、ディスプレイ接続部12と同様の構造を有する接続部91と、ディスプレイ4の接続部42と同様の構造を有する接続部92を有する(図8参照)。
ラッチ受け穴12bは、コネクター42a、コネクター92a、又はコネクター63cをコネクター12aに差し込んだときに、ラッチ42b(図8参照)、ラッチ92b(図8参照)、又はラッチ63d(図10参照)と係合し、ディスプレイ4、ディスプレイ用ケーブル9、又はカート6を本体部1に固定する。
ボタン嵌合部12cは、コネクター42a、コネクター92a、又はコネクター63cをコネクター12aに差し込んだときに、ラッチ解除ボタン42c(図8参照)、ラッチ解除ボタン92c(図8参照)、又はラッチ解除ボタン63e(図10参照)と嵌合する。
【0019】
カート接続部13は、本体部1の前面中央部に設けられ、本体部1をカート6に装着(固定)するためのものである。カート接続部13は、カート6の支柱63に設けられたガイド63a(図10参照)よりも大きい開口部13aと、開口部13aの上に開口部13aに連通して設けられた、ガイド63aよりも幅の狭い、上方向に延びる開口部13bとを有し、開口部13aにガイド63aを挿入した後、開口部13bの両端をガイド63aの溝に差し込んで本体部1を下方向にスライドさせることで、本体部1をカート6に装着できるようになっている。
【0020】
操作卓接続部14は、例えば、本体部1の前面下部に設けられ、コネクター14a、ラッチ受け穴14b、ボタン嵌合部14cを備えて構成されており、操作卓5と本体部1を電気的及び機械的に接続する。
コネクター14aは、操作卓5のコネクター52a(図9A参照)、操作卓用ケーブル8のコネクター81a(図9A参照)、又はカート6のコネクター64a(図10参照)と接続するためのコネクターである。ここで、操作卓用ケーブル8は、操作卓5と本体部1とを接続するためのケーブルであり、操作卓5の接続部52と同様の構造を有する接続部81と、操作卓接続部14と同様の構造を有する接続部82と、を有する。
ラッチ受け穴14bは、コネクター52a、コネクター81a、又はコネクター64aをコネクター14aに差し込んだときに、ラッチ52b(図9A参照)、ラッチ81b(図9A参照)、カート6に設けられたラッチ(図示せず)と係合し、操作卓5、操作卓用ケーブル8、又はカート6を本体部1に固定する。
ボタン嵌合部14cは、コネクター52a、コネクター81a、コネクター64aをコネクター14aに差し込んだときに、ラッチ解除ボタン52c(図9A参照)、ラッチ解除ボタン81c(図9A参照)、カート6に設けられたラッチ解除ボタン(図示せず)と嵌合する。
【0021】
図4Bは、本体部1の背面側斜視図である。
図4Bに示すように、本体部1の筐体11の背面には、プローブポート2と接続するためのポート接続部15と、バッテリー3と接続するためのバッテリー接続部16と、が備えられている。
【0022】
ポート接続部15は、プローブポート2と本体部1を電気的及び機械的に接続する。例えば、ポート接続部15は、本体部1の背面上側に設けられ、コネクター15a、ラッチ15b、ラッチ解除ボタン15c、回転止め15dを備えて構成されている。ラッチ15bは、プローブポート2の本体部接続部23の凸部23e(図6B参照)と嵌合する凹部15eに設けられ、コネクター15aは、凹部15eの下方に設けられている。
コネクター15aは、プローブポート2のコネクター23a(図6B参照)と接続するためのコネクターである。
ラッチ15bは、プローブポート2のコネクター23aをコネクター15aに差し込んだときに、プローブポート2のラッチ受け穴23b(図6B参照)と係合し、プローブポート2を本体部1に固定する。
ラッチ解除ボタン15cは、押下されることによりラッチ15bとプローブポート2のラッチ受け穴23bの係合を解除して、コネクター15aからコネクター23aを取り外し可能とする。
回転止め15dは、凹形状であり、プローブポート2の筐体21の凸形状の回転止め23dと嵌合することで、筐体21の回転を抑止する。
【0023】
バッテリー接続部16は、バッテリー3と本体部1を電気的及び機械的に接続する。例えば、バッテリー接続部16は、本体部1の背面下側に設けられ、コネクター16a、バッテリーフック受け16b、ストッパー16c、ストッパー固定/解除ボタン16dを備えて構成されている。
コネクター16aは、バッテリー3のコネクター32a(図7参照)と接続するためのコネクターである。
バッテリーフック受け16bは、図5に示すように、開口部となっており、バッテリー3のフック32bを挿入してコネクター16aにコネクター32aを差し込むと、フック32bと係合することが可能となっている。
ストッパー16cは、ストッパー固定/解除ボタン16dを右側にスライドさせると本体部1の筐体11から突出し、左側にスライドさせると本体部1の筐体11内に収容されるようになっており、バッテリー3のストッパー受け32c(図7参照)と嵌合することで、バッテリー3を本体部1に固定することが可能となっている。
【0024】
また、図1Aに示すように、本体部1の側面には、AC電源と接続する電源ケーブル10を差し込むためのコネクター17が設けられている。
【0025】
また、本体部1には、図4Aに示すように、WiFiやBluetooth(共に登録商標)等により無線通信を行うための無線通信ユニット20を収納するための収納部18が設けられている。収納部18は、本体部1の筐体11(本実施形態では前面と側面)を凹ませることで形成されている。収納部18には、無線通信ユニット20のコネクター20aと接続するための汎用コネクター18aが設けられている。収納部18は、汎用コネクター18aに無線通信ユニット20のコネクター20aが差し込まれた状態で、無線通信ユニット20が収納部18の凹みに収まるように形成されている。また、収納部18には、蓋18bが設けられており、蓋18bを閉じることで、無線通信ユニット20を本体部1に容易に取り出し可能に内蔵することができる。汎用コネクター18aに無線通信ユニット20のコネクター20aが差し込まれると、本体部1は、無線通信可能な外部機器と無線通信ユニット20を介して無線接続可能となる。
このように、収納部18に無線通信ユニット20を収納することで、無線通信ユニット20の本体部1からの出っ張りを防止することができ、引っ掛かりや、無線通信ユニット20への水こぼし等を防止することができる。また、無線通信ユニット20の規格が更新された際や、国別の規格に対応させる際に、無線通信ユニット20を容易に本体部1から取り出して交換することが可能となる。
【0026】
(プローブポート2の構成)
プローブポート2は、本体部1に装着され、超音波探触子7を本体部1に電気的に接続する機器である。超音波探触子7は、プローブ71、プローブコネクター72、ケーブル73を備えて構成され(図1B参照)、患者の生体などの被検体内に対して超音波(送信超音波)を送信するとともに、この被検体内で反射した超音波の反射波(反射超音波:エコー)を受信する。
【0027】
図6Aは、プローブポート2の前面側斜視図である。
図6Aに示すように、プローブポート2の筐体21は、前面及び背面が正方形の直方体形状をしており、その前面には、複数(本実施形態では3つ)のポート22が備えられている。各ポート22には、超音波探触子7のプローブコネクター72が接続可能に構成され、超音波探触子7を本体部1に接続する(図1B図3B図11等参照)。
【0028】
図6Bは、プローブポート2の背面側斜視図である。図6Bに示すように、プローブポート2の筐体21の背面には、本体部接続部23が設けられている。
本体部接続部23は、コネクター23a、ラッチ受け穴23b、円盤23c、回転止め23d、凸部23eを備えて構成されている。ラッチ受け穴23bは、本体部1の凹部15eと嵌合する凸部23eに設けられ、コネクター23aは、凸部23eの下部に設けられている。
コネクター23aは、本体部1のコネクター15a(図4B参照)と接続するためのコネクターである。
ラッチ受け穴23bは、コネクター15aにコネクター23aが差し込まれたときに、本体部1のラッチ15bと係合し、プローブポート2を本体部1に固定する。
凸部23eは、プローブポート2の筐体21の背面中央部に設けられた図示しない軸を介して筐体21に平行に取り付けられた円盤23cに固定されている。上記軸は円盤23cの中心に取り付けられており、円盤23cと筐体21は、上記軸を中心として相対的に回転可能に構成されている。凸部23eには、コネクター23a及びラッチ受け穴23bが設けられている。コネクター23aをコネクター15aに差し込んで凸部23eを凹部15eに嵌合させた状態でプローブポート2の筐体21を円盤23cに対して90度きざみで回転させることで、ポート22の向きを変えることが可能となっている(図3B図11参照)。具体的には、ポート22の長手方向の向きを上下方向(プローブコネクター72のプローブ71側が上方向又は下方向)又は左右方向(プローブコネクター72のプローブ71側が右方向又は左方向)の4方向のいずれかに変えることが可能となっている。
回転止め23dは、凸形状であり、本体部1の凹形状の回転止め15dに嵌合することで、プローブポート2の筐体21の回転を抑止して、ポート22の向きを固定する。
【0029】
なお、コネクター23a及びラッチ受け穴23bを有する凸部23eを筐体21に固定し、ポート22を筐体21に対して回転可能に取り付けることで、ポート22の向きを変更可能となるように構成してもよい。
【0030】
(バッテリー3の構成)
バッテリー3は、本体部1に装着され、本体部1に接続された電源ケーブル10がAC電源(商用電源)のコンセントに差し込まれている場合に本体部1の充電回路により充電され、本体部1の電源ケーブル10がAC電源のコンセントに差し込まれていない場合に、本体部1からの制御に従って本体部1に電力を供給する。
【0031】
図7は、バッテリー3の前面側斜視図である。図7に示すように、バッテリー3は、筐体31の背面側に、コネクター32a、フック32b、ストッパー受け32cを備え、筐体31の前面側に固定ラッチ受け32dを備えて構成されている。
コネクター32aは、本体部1のコネクター16a(図4B参照)と接続するためのコネクターである。
フック32bは、L字状であり、図5に示すように、本体部1のバッテリーフック受け16bと係合し、バッテリー3を本体部1に装着する。
ストッパー受け32cは、凹形状であり、本体部1のストッパー16cと嵌合することで、バッテリー3を本体部1に固定する。
固定ラッチ受け32dは、カート6の固定ラッチ64b(図10参照)と係合し、バッテリー3が装着された本体部1をカート6に固定する。
【0032】
ここで、上述のように、本体部1にはバッテリー3が着脱可能に構成されていることから、ユーザーのニーズに応じて、例えば、本体部1に装着するバッテリー3を大容量のバッテリー3に交換するなど、容量の異なるバッテリー3に適宜変更することが可能である。
【0033】
(ディスプレイ4の構成)
ディスプレイ4は、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、本体部1から入力される制御信号に基づいて、超音波画像等を表示する。
【0034】
図8は、ディスプレイ4の背面側斜視図及び他のユニットとディスプレイ4との接続を模式的に示す図である。図8に示すように、ディスプレイ4の背面には、コネクター42a、ラッチ42b、ラッチ解除ボタン42c、ネジ穴42dが備えられている。また、ディスプレイ4は、図示しないバッテリーを有している。
【0035】
コネクター42aは、本体部1のコネクター12a(図4A参照)、ディスプレイ用ケーブル9のコネクター91a、又はカート6のディスプレイアーム61内に設けられたコネクター61aと接続するためのコネクターである。
ラッチ42bは、コネクター42aを本体部1のコネクター12a、コネクター91a、又はコネクター61aに差し込んだときに、ラッチ受け穴12b、ラッチ受け穴91b、又はラッチ受け穴61bと係合し、ディスプレイ4を本体部1、ディスプレイ用ケーブル9又はディスプレイアーム61に固定する。
ラッチ解除ボタン42cは、押下されることによりラッチ受け穴12b、91b、又は61bとラッチ42bとの係合を解除して、コネクター42aをコネクター12a、91a又は61aから取り外し可能とする。
ネジ穴42dは、例えば、VESA規格に準じており、一般的な壁掛け金具やスタンドにディスプレイ4を取り付けることができる。
【0036】
(操作卓5の構成)
操作卓5は、例えば、押しボタン、エンコーダー(回転つまみ)、レバースイッチ、ジョイスティック、トラックボール、キーボードや、それらを組み合わせたマルチファンクションスイッチ等により構成され、操作者からの操作入力を受け付け、その操作情報を本体部1に出力する。
【0037】
図9Aは、操作卓5の斜視図、及び本体部1と操作卓5との接続を模式的に示す図、図9Bは、操作卓5の斜視図、及びカート6と操作卓5との接続を模式的に示す図である。図9A図9Bに示すように、操作卓5の本体部1及びカート6側に向ける端部には、コネクター52a、ラッチ52b、ラッチ解除ボタン52cを有する接続部52が設けられている。接続部52は、操作卓5の長手方向を軸として回転可能に操作卓5取り付けられており、コネクター52aの向きを変更可能となっている。また、操作卓5の左右側面には、ピン受け53が設けられている。また、操作卓5は、図示しないバッテリーを有している。
【0038】
コネクター52aは、本体部1のコネクター14a、操作卓用ケーブル8のコネクター82a、又はカート6の操作卓載置部62に設けられたコネクター62aと接続するためのコネクターである。
ラッチ52bは、コネクター52aをコネクター14a、コネクター82a、又はコネクター62aに差し込んだときに、ラッチ受け穴14b、ラッチ受け穴82b、又はラッチ受け穴62bと係合し、操作卓5を本体部1、操作卓用ケーブル8又はカート6に固定する。
ラッチ解除ボタン52cは、押下されることによりラッチ受け穴14b、82b、又は62bとラッチ42bとの係合を解除して、コネクター52aをコネクター14a、81a又は62aから取り外し可能とする。
ピン受け53は、カート6の操作卓受けピン62dと係合し、操作卓5をカート6に装着する。
【0039】
ここで、上述のように、本体部1には操作卓5が着脱可能に構成されている。操作卓5のレイアウトは、診療科等によって変えたいという要望があることから、レイアウトが異なる複数の操作卓5を用意しておくことにより、本体部1やディスプレイ4に装着する操作卓5のレイアウトをユーザーに応じて適宜変更することが可能となる。
【0040】
(カート6の構成)
カート6は、図1A図1Bに示すように、ディスプレイアーム61、操作卓載置部62、支柱63、本体部載置部64、キャスター65等を備えて構成され、超音波診断装置100の各ユニットを搭載して、一体的に移動可能とするものである。
【0041】
ディスプレイアーム61は、図8に示すように、コネクター61a、ラッチ受け穴61b、ボタン嵌合部61cを備えており、ディスプレイ4に接続するとともにディスプレイ4を保持する。
コネクター61aは、ディスプレイ4のコネクター42aと接続するためのコネクターである。
ラッチ受け穴61bは、ラッチ42bと係合し、ディスプレイ4をディスプレイアーム61に固定する。
ボタン嵌合部61cは、ラッチ解除ボタン42cに嵌合する。
【0042】
操作卓載置部62は、図9Bに示すように、コネクター62a、ラッチ受け穴62b、ボタン嵌合部62c、操作卓受けピン62dを備えており、操作卓5を接続するとともに、操作卓5を保持する。
コネクター62aは、操作卓5のコネクター52aと接続するためのコネクターである。
ラッチ受け穴62bは、ラッチ52bと係合し、操作卓5をカート6に固定する。
ボタン嵌合部62cは、ラッチ解除ボタン52cに嵌合する。操作卓受けピン62dは、凸形状をしており、操作卓5の側面に設けられた溝であるピン受け53に係合して操作卓5を保持する。
【0043】
支柱63は、図10に示すように、本体部1を取り付けるためのガイド63aが設けられている。ガイド63aは、本体部1のガイド受け13の開口部13bに嵌合し、本体部1を支柱63に固定する。また、支柱63には、ディスプレイアーム61のコネクター61a(図8参照)とコネクター63c(ディスプレイ4のコネクター42aと同様の構成を有する)を結んでいるケーブルを支柱63から引き出すための開口部63bが設けられており、ディスプレイ4のコネクター42aをコネクター61aに接続するとともに、コネクター63cをコネクター12aに接続することで、ディスプレイ4と本体部1を電気的に接続することができるようになっている。
【0044】
本体部載置部64は、本体部1を載置する台であり、コネクター64a、固定ラッチ64b、キャスター65が設けられている。コネクター64aは、操作卓5のコネクター52aと同様の構成を有し、図9Bに示すコネクター62aと図示しないケーブルで接続されており、コネクター64aを本体部1のコネクター14aに接続することで、操作卓5と本体部1を電気的に接続することができるようになっている。また、固定ラッチ64bは、バッテリー3に設けられたラッチ受け32dと係合することで、バッテリー3を搭載した本体部1をカート6に固定することができる。
【0045】
以上の構成の各ユニットを有する超音波診断装置100は、以下のカートタイプ、デスクトップタイプ、ハンドキャリータイプの3つのスタイルに変換することができる。
【0046】
(超音波診断装置100のスタイル)
プローブポート2及びバッテリー3が装着された本体部1をカート6の本体部載置部64に装着し、ディスプレイアーム61にディスプレイ4を装着し、操作卓載置部62に操作卓5を装着することで、図1A図1Bに示すカートスタイルの超音波診断装置100を構成可能である。
【0047】
プローブポート2及びバッテリー3を本体部1に装着し、ディスプレイ4と操作卓5を本体部1から分離して、それぞれをディスプレイ用ケーブル9と操作卓用ケーブル8を介して本体部1に接続することで、図2に示すデスクトップタイプの超音波診断装置100を構成可能である。
なお、ディスプレイ4と操作卓5に無線通信ユニットを備える構成とし、本体部1とディスプレイ4、本体部1と操作卓5が無線により接続されることとしてもよい。
【0048】
プローブポート2及びバッテリー3を本体部1に装着するとともに、ディスプレイ4及び操作卓5を本体部1に装着して一体的に構成することで、図3A図3Bに示すハンドキャリータイプの超音波診断装置100を構成可能である。
【0049】
このように、超音波診断装置100は、カートスタイル、デスクトップスタイル、ハンドキャリースタイルの3つのスタイルのうちいずれかのスタイルに自在に変換することができるため、卓上での使用、回診での使用、ベット脇での使用、壁掛けでの使用等、使用する現場の状況に適したスタイルで使用することが可能となる。
【0050】
また、上述のように、プローブポート2のポート22の向きは、図11に示すように変更して本体部1に取り付けることが可能である。これにより、ユーザーが使いやすい方向に超音波探触子7のプローブコネクター72の向きを変えられるため、使い勝手が向上する。
また、上述のように、バッテリー3や操作卓5は、容量やレイアウトが異なるものに付け替えることができるため、図11に示すように、ユーザーのニーズや診療科のニーズに応じてバッテリー3の容量や操作卓5のレイアウトを変更することができる。
【0051】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態における記述内容は、本発明に係る超音波診断装置の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
また、超音波診断装置を構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0052】
100 超音波診断装置
1 本体部
11 筐体
12 ディスプレイ接続部
13 カート接続部
14 操作卓接続部
15 ポート接続部
16 バッテリー接続部
2 プローブポート
21 筐体
22 ポート
23 本体部接続部
3 バッテリー
31
4 ディスプレイ
5 操作卓
6 カート
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11