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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-07
(45)【発行日】2025-04-15
(54)【発明の名称】超音波探触子及び超音波診断装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/00 20060101AFI20250408BHJP
【FI】
A61B8/00
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021192180
(22)【出願日】2021-11-26
(65)【公開番号】P2023078870
(43)【公開日】2023-06-07
【審査請求日】2024-06-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】門倉 雅彦
【審査官】井海田 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-201550(JP,A)
【文献】特開2008-253578(JP,A)
【文献】特開2011-217903(JP,A)
【文献】特開2007-293(JP,A)
【文献】特開2007-159651(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 - 8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波を送受信する振動子ユニットと、
前記振動子ユニットを揺動する揺動機構部と、
前記振動子ユニットの超音波の送信方向側に配置され、超音波及び光の透過性を有する音響ウィンドウと、
前記振動子ユニットの前記送信方向の逆方向側の位置に固定的に設置され、当該振動子ユニットを介して前記音響ウィンドウへ光を出射する光源部と、を備える超音波探触子。
【請求項2】
前記振動子ユニットは、揺動の原点位置において、前記光源部から入射された光を前記音響ウィンドウへ出射する光透過部を有する請求項1に記載の超音波探触子。
【請求項3】
前記光透過部は、
前記光源部から光が入射される受光部と、
前記振動子ユニットの外形に対応する形状を有し、前記受光部から入射された光を出射する発光部と、を有する請求項2に記載の超音波探触子。
【請求項4】
前記光透過部は、前記受光部及び前記発光部以外の表面が遮光性を有する請求項3に記載の超音波探触子。
【請求項5】
前記発光部は、粗面加工が施されている請求項3又は4に記載の超音波探触子。
【請求項6】
前記振動子ユニットは、複数の振動子が一方向に配列された振動子アレイを有し、
前記光源部は、前記振動子アレイの振動子の配列方向に対応する方向に配列された複数の光源を有する請求項1から5のいずれか一項に記載の超音波探触子。
【請求項7】
前記光源部は、複数の色の光を出射可能な光源を有する請求項1から6のいずれか一項に記載の超音波探触子。
【請求項8】
前記光源部は、面光源を有する請求項1から7のいずれか一項に記載の超音波探触子。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の超音波探触子と、
前記超音波探触子からの受信信号に基づいて、超音波画像データを生成する画像処理部と、を備える超音波診断装置。
【請求項10】
前記超音波診断装置の動作状態に応じて、前記光源部の点灯又は点滅の状態を変更する制御部を備える請求項9に記載の超音波診断装置。
【請求項11】
請求項7に記載の超音波探触子と、
前記超音波探触子からの受信信号に基づいて、超音波画像データを生成する画像処理部と、を備える超音波診断装置であって、
前記超音波診断装置の動作状態に応じて、前記光源部から出射する光の色を変更する制御部を備える超音波診断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波探触子及び超音波診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波探触子により、超音波を被検体内部に照射し、その反射波を受信して解析することにより被検体内部の検査を行う超音波診断装置が普及している。超音波診断装置は、被検体を非破壊、非侵襲で調べることができるので、医療目的の検査や建築構造物内部の検査、種々の用途に広く用いられている。
【0003】
また、超音波探触子本体(ヘッド部)の筐体に収容される、複数の振動子を有する振動子ユニット及びその揺動機構部を有し、揺動機構部により、円弧上の所定範囲で振動子ユニットを揺動(往復回転運動)し、3次元の超音波画像の受信信号を得る機械走査式の超音波探触子が知られている。しかし、従来の機械走査式の超音波探触子において、医師などの操作者が、超音波探触子本体の筐体の音響ウィンドウに対する振動子ユニットの位置を、外側から確認することが難しく、また、揺動時にどの範囲を振動子ユニットが動いているか分からず、超音波探触子を患者の体表に当てる箇所が分かりにくかった。
【0004】
このため、LED(Light Emitting Diode)アレイの位置表示器(電子的なインジケーター)が筐体としてのケースの側面に設けられ、位置表示器において、振動子ユニットの現在の位置に相当するLEDが発光する超音波探触子が知られている(特許文献1参照)。
【0005】
また、振動子ユニットとしての音響素子に発光体が取付られ、音響素子の揺動とともに発光体から出力される光が筐体の音響ウィンドウを透過し、音響素子の揺動範囲が音響ウィンドウ表面に映し出される超音波探触子が知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2008-253578号公報
【文献】特開2009-201550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1の超音波探触子では、振動子ユニットの実際の位置を直接示したものではなく、位置のイメージを見せているものであり、振動子ユニットの正確な位置を示す要請がある。
【0008】
また、特許文献2の超音波探触子では、可動部としての振動子ユニットに発光体を設置するには、可動の配線を新たに振動子ユニットへ設置する必要があり、発光体及び配線に揺動での耐久性などが求められる。また、実際は発光体のみが強く音響ウィンドウに映し出され、振動子ユニット自体の外形は認識できにくい。
【0009】
本発明の課題は、超音波探触子の外側から振動子ユニットの位置を正確に目視により認識することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の超音波探触子は、
超音波を送受信する振動子ユニットと、
前記振動子ユニットを揺動する揺動機構部と、
前記振動子ユニットの超音波の送信方向側に配置され、超音波及び光の透過性を有する音響ウィンドウと、
前記振動子ユニットに対して前記送信方向の逆側の位置に固定的に設けられ、当該振動子ユニットを介して前記音響ウィンドウへ光を出射する光源部と、を備える。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の超音波探触子において、
前記振動子ユニットは、揺動の原点位置において、前記光源部から入射された光を前記音響ウィンドウへ出射する光透過部を有する。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の超音波探触子において、
前記光透過部は、
前記光源部から光が入射される受光部と、
前記振動子ユニットの外形に対応する形状を有し、前記受光部から入射された光を出射する発光部と、を有する。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の超音波探触子において、
前記光透過部は、前記受光部及び前記発光部以外の表面が遮光性を有する。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の超音波探触子において、
前記発光部は、粗面加工が施されている。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の超音波探触子において、
前記振動子ユニットは、複数の振動子が一方向に配列された振動子アレイを有し、
前記光源部は、前記振動子アレイの振動子の配列方向に対応する方向に配列された複数の光源を有する。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の超音波探触子において、
前記光源部は、複数の色の光を出射可能な光源を有する。
【0017】
請求項8に記載の発明は、請求項1から7のいずれか一項に記載の超音波探触子において、
前記光源部は、面光源を有する。
【0018】
請求項9に記載の発明の超音波診断装置は、
請求項1から8のいずれか一項に記載の超音波探触子と、
前記超音波探触子からの受信信号に基づいて、超音波画像データを生成する画像処理部と、を備える。
【0019】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の超音波診断装置において、
前記超音波診断装置の動作状態に応じて、前記光源部の点灯又は点滅の状態を変更する制御部を備える。
【0020】
請求項11に記載の発明の超音波診断装置は、
請求項7に記載の超音波探触子と、
前記超音波探触子からの受信信号に基づいて、超音波画像データを生成する画像処理部と、を備える超音波診断装置であって、
前記超音波診断装置の動作状態に応じて、前記光源部から出射する光の色を変更する制御部を備える。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、超音波探触子の外側から振動子ユニットの位置を正確に目視により認識できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の第1の実施の形態の超音波診断装置の内部構成を示すブロック図である。
図2】(a)は、第1の実施の形態の超音波探触子本体の外観を示す正面図である。(b)は、第1の実施の形態の超音波探触子本体の一部断面を含む透過側面図である。
図3】(a)は、光源部が発光され、振動子ユニットが左側に回転した位置の第1の実施の形態の超音波探触子本体の外観を示す正面図である。(b)は、光源部が発光され、振動子ユニットが左側に回転した位置の第1の実施の形態の超音波探触子本体の一部断面を含む透過側面図である。(c)は、光源部が発光され、振動子ユニットが原点位置の第1の実施の形態の超音波探触子本体の外観を示す正面図である。(d)は、光源部が発光され、振動子ユニットが原点位置の第1の実施の形態の超音波探触子本体の一部断面を含む透過側面図である。(e)は、光源部が発光され、振動子ユニットが右側に回転した位置の第1の実施の形態の超音波探触子本体の外観を示す正面図である。(f)は、光源部が発光され、振動子ユニットが右側に回転した位置の第1の実施の形態の超音波探触子本体の一部断面を含む透過側面図である。
図4】第2の実施の形態の超音波探触子本体の一部断面を含む透過側面図である。
図5】音響ウィンドウを除く第2の実施の形態の超音波探触子本体を示す斜視図である。
図6】(a)は、光源部が発光され、振動子ユニットが左側に回転した位置の第2の実施の形態の超音波探触子本体の外観を示す正面図である。(b)は、光源部が発光され、振動子ユニットが左側に回転した位置の第2の実施の形態の超音波探触子本体の一部断面を含む透過側面図である。(c)は、光源部が発光され、振動子ユニットが原点位置の第2の実施の形態の超音波探触子本体の外観を示す正面図である。(d)は、光源部が発光され、振動子ユニットが原点位置の第2の実施の形態の超音波探触子本体の一部断面を含む透過側面図である。(e)は、光源部が発光され、振動子ユニットが右側に回転した位置の第2の実施の形態の超音波探触子本体の外観を示す正面図である。(f)は、光源部が発光され、振動子ユニットが右側に回転した位置の第2の実施の形態の超音波探触子本体の一部断面を含む透過側面図である。
図7】音響ウィンドウを除く第1の変形例の超音波探触子本体を示す正面図である。
図8】音響ウィンドウを除く第2の変形例の超音波探触子本体を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
添付図面を参照して本発明に係る第1、第2の実施の形態及び変形例を順に詳細に説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
【0024】
(第1の実施の形態)
図1図3(f)を参照して、本発明に係る第1の実施の形態を説明する。まず、図1を参照して、本実施の形態の超音波診断装置100の概略構成を説明する。図1は、本実施の形態の超音波診断装置100の内部構成を示すブロック図である。
【0025】
本実施の形態の超音波診断装置100は、病院などの医療施設に設置され、超音波により患者の生体などの被検体をスキャンして超音波画像データを取得する装置である。図1に示すように、超音波診断装置100は、超音波診断装置本体1と、超音波探触子2と、を備える。超音波探触子2は、超音波画像としての3次元(3D)画像(ボリューム画像)を得るための振動子ユニットの揺動機構を有する機械走査方式の超音波探触子である。超音波探触子2は、超音波診断装置本体1との制御信号やデータの送受信、及び超音波診断装置本体1からの電力供給を可能にするため、超音波診断装置本体1に接続されている。
【0026】
超音波診断装置本体1は、制御部11、送受信部12、画像処理部13、表示制御部14、表示部15、操作入力部16、記憶部17などを備える。超音波探触子2は、超音波探触子本体2aと、ケーブル2bと、コネクター2cと、を備える。超音波探触子本体2aは、超音波探触子2の本体(ヘッド部)である。ケーブル2bは、超音波探触子本体2aとコネクター2cとの間を接続する信号線、給電線のケーブルである。コネクター2cは、超音波探触子2側のコネクターユニットであり、プラグのコネクターを有し、超音波診断装置本体1に設けられたレセプタクルのコネクター(図示略)に電気的に接続される。
【0027】
超音波探触子本体2aは、振動子ユニット22、揺動機構部23、位置検出部24、光源部25などを備える。振動子ユニット22は、振動子アレイ221を含み、バッキング材、接地電極、振動子アレイ221、電極、音響整合層、音響レンズが順に積層され、回転軸を中心に揺動可能な構成を有する。コネクター2cは、駆動回路部26、揺動制御部27などを備える。振動子アレイ221は、複数の振動子(音響素子)が所定の配列方向(走査方向、アジマス方向)に一次元配列されて固定されたものである。
【0028】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)を備え、超音波診断装置100の全体動作を制御する。CPUは、超音波診断装置100の各部を制御する。RAMは、各種情報を書き込み及び読み出し可能に一時的に記憶する揮発性のメモリーである。ROMは、各種情報及びプログラムが読み出し可能に記憶された不揮発性のメモリーである。より具体的には、制御部11は、CPUにより、ROMに記憶された各種プログラムから指定されたプログラムを読み出してRAMに展開し、展開されたプログラムとの協働で各種処理を実行する。
【0029】
例えば、制御部11は、操作入力部を介する医師、技師などの操作者からの操作入力に応じて、揺動制御部27を介して光源部25を点灯し振動子ユニット22を揺動しつつ、送受信部12を介して振動子ユニット22(振動子アレイ221)から3次元画像用の超音波を送受信し、画像処理部13、表示制御部14を制御して、送受信部12を介して得られた受信信号から3次元の超音波画像データを生成して表示部15に3次元の超音波画像として表示させる。
【0030】
送受信部12は、制御部11の制御に基づいて、振動子ユニット22の振動子アレイ221の各振動子を走査させ、順次所望の振動子に超音波を発生、出射(送信)させる駆動信号を生成して振動子アレイ221に出力するとともに、超音波が患者などの被検体で反射され当該振動子に入射した(受信)超音波(エコー)に係る電気信号を振動子アレイ221から取得する。送受信部12は、例えば、振動子ごとに超音波を送受信するタイミングを調整、遅延させたりするといった各種処理を行う。また、送受信部12は、受信した信号を増幅して所定のサンプリング周波数でデジタル変換し、また、振動子ごとに所望のタイミングずつ遅延させて整相加算し音線データを生成する処理などを行う。
【0031】
画像処理部13は、制御部11の制御に基づいて、送受信部12から取得された音線データに基づいて診断用の超音波画像データを生成する処理を行う。画像処理部13で生成される超音波画像データには、表示部15にほぼリアルタイムで表示させるライブのB(Brightness)モード画像データやその一連の動画データが含まれ、特に、3次元のBモード画像生成用の超音波探触子2を用いて取得された3次元構造に係る超音波画像データ(3次元のBモード画像データ)が含まれる。3次元のBモード画像データの生成には、制御部11から取得された超音波探触子2の振動子ユニット22の位置データが利用される。
【0032】
表示制御部14は、制御部11の制御に基づいて、画像処理部13から出力された超音波画像データの座標変換などを行って画像信号を生成し、当該画像信号により表示部15に超音波画像(特に、3次元のBモード画像)を表示させる。
【0033】
表示部15は、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro-Luminescent
)ディスプレイ、無機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイといった種々の表示方式のうち、何れかを用いた表示画面とその駆動部を備える。表示部15は、制御部11から入力された表示情報や、表示制御部14で生成された超音波画像データの画像信号に従って表示画面(各表示画素)を表示し、表示画面上に超音波診断に係るメニュー、ステータスや、受信された超音波に基づく計測データの表示を行う。また、一又は複数のランプ(LEDランプなど)が設けられて、点灯状態により電源のオンオフなどの表示を行わせる構成としてもよい。
【0034】
操作入力部16は、押しボタンスイッチ、キーボード、マウス、トラックボール若しくはタッチパッド、又はこれらの組み合わせなどの操作デバイスであり、超音波診断装置100のユーザーである操作者の操作入力を受け付けて当該操作入力に応じた操作信号を制御部11に出力する。あるいは、操作入力部16は、上述の構成に加えて又は代えて表示部15の表示画面に設けられたタッチセンサー(タッチパネル)を備え、表示部15の表示画面に対するタッチ動作を検出して動作種別を位置に係る操作信号を出力してもよい。
【0035】
これらの操作入力部16や表示部15は、超音波診断装置本体1の筐体に一体となって設けられたものであってもよいし、RGBケーブル、USB(Universal Serial Bus)ケーブルやHDMI(High-Definition Multimedia Interface)(HDMIは登録商標)ケーブルなどを介して外部に取り付けられるものであってもよい。また、超音波診断装置本体1には、操作入力端子や表示出力端子のみが設けられ、これらの端子に従来の操作用及び表示用の周辺機器を接続して利用するものであってもよい。
【0036】
記憶部17は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などで構成され、超音波画像データなどの各種情報を読み出し及び書き込み可能に記憶する。
【0037】
揺動機構部23は、モーター231と、モーター231の回転を振動子ユニット22の揺動に変換する機構(プーリー、ベルトなど)と、を備え、揺動制御部27の制御により駆動回路部26を介して入力された駆動信号により、モーター231を駆動し、モーター231の回転力を振動子ユニット22に伝達して振動子ユニット22を揺動させる。モーター231は、例えば、回転量が制御可能なステッピングモーターで構成される。
【0038】
位置検出部24は、振動子ユニット22(モーター231)の回転位置を検出し、検出した回転の位置情報を揺動制御部27に出力する。位置検出部24は、例えば、相対的な回転角度がわかるロータリエンコーダーと、絶対的な固定位置がわかる原点センサなどと、を有する。
【0039】
光源部25は、揺動制御部27の制御に基づいて、発光するLEDの光源を有する。本実施の形態において、光源部25は、後述するように2つの光源251,252を有するものとする。
【0040】
駆動回路部26は、揺動制御部27の制御に基づいて、モーター231の駆動信号を生成してモーター231に出力する回路部である。
【0041】
揺動制御部27は、例えばCPU、RAM、ROMなどを有する電子回路であり、制御部11の制御に基づいて、駆動回路部26及び光源部25を制御する。この電子回路は、MPU(Micro Processing Unit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)としてもよい。揺動制御部27は、CPUにより、ROMに記憶された各種プログラムから指定されたプログラムを読み出してRAMに展開し、展開されたプログラムとの協働で各種処理を実行する。例えば、揺動制御部27は、位置検出部24から取得した振動子ユニット22の位置情報に基づいて、振動子ユニット22を所定の回転範囲で揺動するように、モーター231の回転方向及び回転量を駆動回路部26に指示してその駆動信号を生成させ、生成させた駆動信号に応じてモーター231を回転させる。
【0042】
また、揺動制御部27は、少なくとも振動子ユニット22の走査時(揺動時)に、光源部25を点灯させる。なお、揺動制御部27は、コネクター2cが超音波診断装置本体1に接続されると、光源部25を常時点灯させる構成としてもよい。
【0043】
超音波診断装置100が備える各部について、各々の機能ブロックの一部又は全部の機能は、集積回路などのハードウェア回路として実現することができる。集積回路とは、例えばLSI(Large Scale Integration)であり、LSIは集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサーで実現してもよいし、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)やLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。また、各々の機能ブロックの一部又は全部の機能をソフトウェアにより実行するようにしてもよい。この場合、このソフトウェアは一つ又はそれ以上のROMなどの記憶媒体、光ディスク、又はハードディスクなどに記憶されており、このソフトウェアが演算処理器により実行される。
【0044】
ついで、図2(a)、図2(b)を参照して、超音波探触子本体2aの内部構成を説明する。図2(a)は、超音波探触子本体2aの外観を示す正面図である。図2(b)は、超音波探触子本体2aの一部断面を含む透過側面図である。
【0045】
図2(a)、図2(b)に示すように、超音波探触子本体2aは、振動子ユニット22、揺動機構部23、位置検出部24、光源部25に加えて、筐体21を有する。なお、図2(a)、図2(b)において、超音波探触子本体2aに基づくx軸、y軸、z軸をとるものとし、以降の図面でも同様である。
【0046】
図2(b)において、振動子ユニット22がz軸方向に延在する回転位置を、振動子ユニット22の原点位置とする。振動子ユニット22は、振動子ユニット本体220と、側板222,223と、を有する。振動子ユニット本体220は、振動子アレイ221などを含む振動子ユニット22の本体部である。側板222は、原点位置の振動子ユニット本体220の-x方向の端部に設けられた板部である。側板223は、原点位置の振動子ユニット本体220の+x方向の端部に設けられた板部である。側板222,223の材質は、プラスチック材(アクリル板)などの樹脂などであり、本実施の形態では可視光の遮光性を有するものとする。
【0047】
筐体21は、振動子ユニット22、揺動機構部23、位置検出部24、光源部25を内部に収納する。筐体21は、音響ウィンドウ211と、グリップ部212と、フレーム213と、を有する。音響ウィンドウ211は、筐体21の+z方向側の部分であり、振動子ユニット22の正面側(振動子ユニット22の超音波の送信方向側、+z方向側)に配置され、超音波を透過し、かつ光(可視光)を透過する(例えば、可視光透過度10%以上)樹脂などの材質からなる。このため、音響ウィンドウ211は、振動子ユニット22から出射され、後述するカップリング液214を伝搬された超音波を透過して被検体に伝搬し、被検体で反射された超音波を透過し、後述するカップリング液214を介して振動子ユニット22に伝搬する。また、音響ウィンドウ211は、光源部25から出射された光を透過し、振動子ユニット22の外形(超音波が出射される面(音響レンズの面)の外形、輪郭)を映し出す。また、音響ウィンドウ211は、円弧状の振動子ユニット22に対応した形状であり、例えば振動子ユニット22の揺動を邪魔しないドーム状の形状を有する。
【0048】
グリップ部212は、筐体21の-z方向側の部分であり、操作者が把持する部分である。フレーム213は、揺動機構部23を保持する。音響ウィンドウ211及びフレーム213は、振動子ユニット22と揺動機構部23の一部とを収納する内部空間を形成している。この内部空間には、振動子ユニット22と揺動機構部23の一部とともに、カップリング液214が満たされている。このため、振動子ユニット22は、カップリング液214中を揺動される。
【0049】
カップリング液214は、基本的に光(可視光)を透過する性質(可視光透過性)を有する液体などの材質からなる。カップリング液214の材質は、例えば、ブタンジオールであるものとするが、これに限定されるものではなく、シリコーンオイルなどのオイルや、他の材料としてもよい。このため、カップリング液214は、光源部25から出射された光を透過する。
【0050】
光源部25は、振動子ユニット22とは別体の光源251,252を有する。光源251,252は、1色の光(可視光)を出射するLEDの光源である。光源251,252の可視光の色は、例えば青色や白色とするが、これに限定されるものではない。光源251は、振動子ユニット22の-x方向側かつ背面側(振動子ユニット22の超音波の送信方向の逆方向側、-z方向側)のフレーム213に固定的に設けられており、正面側(振動子ユニット22の超音波の送信方向側、+z方向側)に可視光を出射する。光源252は、振動子ユニット22の+x方向側かつ背面側(-z方向側)のフレーム213に固定的に設けられており、正面側(+z方向側)に可視光を出射する。
【0051】
揺動機構部23は、振動子ユニット22の-z方向側に回転軸を有し、図2(b)に示す両矢印のように、当該回転軸を中心としてxz平面に垂直に振動子ユニット22を回転して揺動する。
【0052】
つぎに、図3(a)~図3(f)を参照して、超音波診断装置100の動作を説明する。図3(a)は、光源部25が発光され、振動子ユニット22が左側に回転した位置の超音波探触子本体2aの外観を示す正面図である。図3(b)は、光源部25が発光され、振動子ユニット22が左側に回転した位置の超音波探触子本体2aの一部断面を含む透過側面図である。図3(c)は、光源部25が発光され、振動子ユニット22が原点位置の超音波探触子本体2aの外観を示す正面図である。図3(d)は、光源部25が発光され、振動子ユニット22が原点位置の超音波探触子本体2aの一部断面を含む透過側面図である。図3(e)は、光源部25が発光され、振動子ユニット22が右側に回転した位置の超音波探触子本体2aの外観を示す正面図である。図3(f)は、光源部25が発光され、振動子ユニット22が右側に回転した位置の超音波探触子本体2aの一部断面を含む透過側面図である。
【0053】
被検体の3次元のBモード画像をスキャンする場合に、超音波診断装置100において、操作入力部16を介する操作者の入力に応じて、制御部11は、揺動制御部27を介して、超音波探触子本体2aの光源部25を点灯し振動子ユニット22を揺動しつつ、送受信部12、画像処理部13、表示制御部14の制御により、振動子ユニット22から超音波を送受信して3次元のBモード画像データを生成させて、表示部15に表示する。このとき、図3(b)に示すように、振動子ユニット22が左側(-x方向側)に回転した位置にある状態で光源部25の光源251,252が発光されると、振動子ユニット22により可視光が遮られ、可視光が太線の矢印の方向に進行し、図3(a)に示すように、音響ウィンドウ211上に1つの光像La1が映し出される。音響ウィンドウ211上において、光像La1を除く暗部Da1が、振動子ユニット22の外形及び位置を示す。
【0054】
図3(d)に示すように、振動子ユニット22が原点位置にある状態で光源251,252が発光されると、振動子ユニット22により可視光が遮られ、可視光が太線の矢印の方向に進行し、図3(c)に示すように、音響ウィンドウ211上に2つの光像La2が映し出される。音響ウィンドウ211上において、光像La2を除く暗部Da2が、振動子ユニット22の外形及び位置を示す像となる。
【0055】
図3(f)に示すように、振動子ユニット22が右側(+x方向側)に回転した位置にある状態で光源251,252が発光されると、振動子ユニット22により可視光が遮られ、可視光が太線の矢印の方向に進行し、図3(e)に示すように、音響ウィンドウ211上に光像La3が映し出される。音響ウィンドウ211上において、光像La3を除く暗部Da3が、振動子ユニット22の外形及び位置を示す。このように、振動子ユニット22の揺動に応じて、光源251,252の可視光の光像La1~La3(暗部Da1~Da3)により示された振動子ユニット22の外形及び位置を、操作者が目視により認識できる。
【0056】
以上、本実施の形態によれば、超音波探触子2は、超音波を送受信する振動子ユニット22と、振動子ユニット22を揺動する揺動機構部23と、振動子ユニット22の超音波の送信方向側(+z方向側、正面側)に配置され、超音波及び光の透過性を有する音響ウィンドウ211と、振動子ユニット22の超音波の送信方向の逆方向側(-z方向側、背面側)の位置に固定的に設置され、振動子ユニット22を介して音響ウィンドウ211へ光を出射する光源部25と、を備える。超音波診断装置100は、超音波探触子2と、超音波探触子2からの受信信号に基づいて、超音波画像データを生成する画像処理部13と、を備える。
【0057】
このため、光源部25から出射される可視光により、振動子ユニット22の外形が光像La1,La2,La3の暗部Da1,Da2,Da3として音響ウィンドウ211上に写し出されるので、操作者が、超音波探触子2の外側から振動子ユニット22の外形及び位置を正確に目視により認識できる。
【0058】
(第2の実施の形態)
図4図6(f)を参照して、本発明に係る第2の実施の形態を説明する。まず、図4図5を参照して、本実施の形態の装置構成を説明する。図4は、超音波探触子本体2dの一部断面を含む透過側面図である。図5は、音響ウィンドウ211を除く超音波探触子本体2aを示す斜視図である。
【0059】
本実施の形態の装置構成としての超音波診断装置100は、上記第1の実施の形態の超音波探触子2の超音波探触子本体2aを、本実施の形態の超音波探触子本体2dに代えた構成を有する。このため、超音波診断装置100において、上記第1の実施の形態と同様の部分には、同じ符号を付して、その説明を省略し、異なる部分(超音波探触子本体2d)を主に説明する。
【0060】
図4図5に示すように、超音波探触子本体2dは、筐体21と、振動子ユニット22dと、揺動機構部23と、位置検出部24(図4で図示略)と、光源部25と、を備える。振動子ユニット22dは、上記第1の実施の形態の振動子ユニット22において、側板222,223を、本実施の形態の光透過部としての側板222d,223dに代えた構成である。
【0061】
側板222dは、原点位置の振動子ユニット本体220の-x方向の端部に設けられた板部である。側板223dは、原点位置の振動子ユニット本体220の+x方向の端部に設けられた板部である。側板222d,223dの材質は、プラスチック材(アクリル板)などの樹脂などであり、本実施の形態では可視光の透過性を有するものとする。
【0062】
側板222dは、受光部224と、発光部226と、を有する。受光部224は、側板222dの下側(-z方向側)の突起状の端部であって、原点位置の振動子ユニット22dにおいて、光源251に対向する位置に配置されており、光源251から出射された光(可視光)を受光する。図5に示すように、受光部224で受光(入射)された可視光は、太線の矢印で示すように、側板222dの内部を進行する。
【0063】
発光部226は、側板222dの上側(+z方向側)の円弧状の端部であって、光源251に受光部224から入射された可視光を、対向する位置に配置されており、原点位置の振動子ユニット22dにおいて、受光部224から入射された光(可視光)を正面方向(+z方向)へ出射する。また、発光部226は、サンドブラスト加工などの粗面加工が施されており、可視光を拡散反射するものとする。
【0064】
また、側板222dのうち、受光部224及び発光部226を除く構成面は、遮光されており、側板222dでの外部への可視光の漏れを防ぐ。例えば、側板222dの当該構成面には、プラスチック用の遮光性のある塗料としての遮光材料が塗布されている。
【0065】
側板223dは、受光部224、発光部226と同様の、受光部225と、発光部227と、を有する。受光部225は、原点位置の振動子ユニット22dにおいて、光源252に対向する位置に配置されている。
【0066】
つぎに、図6(a)~図6(f)を参照して、超音波診断装置100の動作を説明する。図6(a)は、光源部25が発光され、振動子ユニット22dが左側に回転した位置の超音波探触子本体2dの外観を示す正面図である。図6(b)は、光源部25が発光され、振動子ユニット22dが左側に回転した位置の超音波探触子本体2dの一部断面を含む透過側面図である。図6(c)は、光源部25が発光され、振動子ユニット22dが原点位置の超音波探触子本体2dの外観を示す正面図である。図6(d)は、光源部25が発光され、振動子ユニット22dが原点位置の超音波探触子本体2dの一部断面を含む透過側面図である。図6(e)は、光源部25が発光され、振動子ユニット22dが右側に回転した位置の超音波探触子本体2dの外観を示す正面図である。図6(f)は、光源部25が発光され、振動子ユニット22dが右側に回転した位置の超音波探触子本体2dの一部断面を含む透過側面図である。
【0067】
被検体の3次元のBモード画像データをスキャンする場合に、超音波診断装置100において、操作入力部16を介する操作者の入力に応じて、制御部11は、揺動制御部27を介して、超音波探触子本体2dの光源部25を点灯し振動子ユニット22dを揺動しつつ、送受信部12、画像処理部13、表示制御部14の制御により、振動子ユニット22dから超音波を送受信して3次元のBモード画像データを生成させて、表示部15に表示する。このとき、図6(b)に示すように、振動子ユニット22dが左側(-x方向側)に回転した位置にある状態で光源部25の光源251,252が発光されると、振動子ユニット22により可視光が遮られ、可視光が太線の矢印の方向に進行し、図6(a)に示すように、音響ウィンドウ211上に1つの光像Ld1が映し出される。音響ウィンドウ211上において、光像Ld1を除く暗部Dd1が、振動子ユニット22の外形及び位置を示す。
【0068】
図6(d)に示すように、振動子ユニット22が原点位置にある状態で光源251,252が発光されると、振動子ユニット22により可視光が遮られ、可視光が太線の矢印の方向に進行し、かつ側板222d,223dにおいて、受光部224,225で入射された可視光が発光部226,227から出射される。図6(c)に示すように、音響ウィンドウ211上に2つの光像Ld2が映し出される。2つの光像Ld2は、発光部226,227に対応する位置に、+z方向から見てy軸方向に延在する明るい線状の光像を含む。音響ウィンドウ211上において、光像Ld2を除く暗部Dd2が、振動子ユニット22の外形及び位置を示す像となり、特に光像Ld2の線状の光像により、暗部Dd2との境界(振動子ユニット22の外形)が、より明確になる。
【0069】
図6(f)に示すように、振動子ユニット22が右側(+x方向側)に回転した位置にある状態で光源251,252が発光されると、振動子ユニット22により可視光が遮られ、可視光が太線の矢印の方向に進行し、図6(e)に示すように、音響ウィンドウ211上に光像Ld3が映し出される。音響ウィンドウ211上において、光像Ld3を除く暗部Dd3が、振動子ユニット22の外形及び位置を示す。このように、振動子ユニット22の揺動に応じて、光源251,252の可視光の光像Ld1~Ld2(暗部Dd1~Dd3)により明確に示された振動子ユニット22の外形及び位置を、操作者が目視により認識できる。
【0070】
以上、本実施の形態によれば、振動子ユニット22dは、揺動の原点位置において、光源部25から入射された光を音響ウィンドウ211へ出射する側板222d,223dを有する。このため、揺動の原点位置において、光源部25から出射される可視光により、振動子ユニット22の外形が光像Ld2の暗部Dd2として音響ウィンドウ211上に写し出されるので、操作者が、超音波探触子2の外側から、揺動の原点位置と、振動子ユニット22の外形及び位置と、を正確かつ明確に目視により認識できる。
【0071】
また、側板222d,223dは、光源部25から光が入射される受光部224,225と、振動子ユニット22dの外形に対応する形状を有し、受光部224,225から入射された光を出射する発光部226,227と、を有する。このため、操作者が、超音波探触子2の外側から、揺動の原点位置と、振動子ユニット22の外形及び位置と、を正確かつより明確に目視により認識できる。
【0072】
また、側板222d,223dは、受光部224,225及び発光部226,227以外の表面が遮光性を有する。このため、受光部224,225から入射された光を漏れることなく発光部226,227に出射するので、揺動の原点位置における振動子ユニット22の外形(輪郭)を効果的に光らせることができる。
【0073】
また、発光部226,227は、粗面加工が施されている。このため、発光部226,227から効果的に光を出射して、揺動の原点位置における振動子ユニット22の外形(輪郭)を効果的に光らせることができる。
【0074】
(第1の変形例)
図7を参照して、上記の第1の実施の形態の第1の変形例を説明する。図7は、音響ウィンドウ211を除く超音波探触子本体2eを示す正面図である。
【0075】
まず、図7を参照して、本変形例の装置構成を説明する。本実施の形態の装置構成としての超音波診断装置100は、上記第1の実施の形態の超音波探触子2の超音波探触子本体2aを、本変形例の超音波探触子本体2eに代えた構成を有する。このため、超音波診断装置100において、上記第1の実施の形態と同様の部分には、同じ符号を付して、その説明を省略し、異なる部分(超音波探触子本体2e)を主に説明する。
【0076】
図7に示すように、超音波探触子本体2eは、上記第1の実施の形態の超音波探触子本体2aにおいて、光源部25を、本変形例の光源部25eに代えた構成を有する。光源部25eは、光源251e,252eを有する。光源251eは、振動子ユニット22の背面側(-z方向側)でかつ側板222に沿ってy軸方向に配列された複数のLEDの光源である。光源252eは、振動子ユニット22の背面側(-z方向側)でかつ側板223に沿ってy軸方向に配列された複数のLEDの光源である。つまり、振動子ユニット22の原点位置において、+z方向から見て、振動子アレイ221の複数の素子の配列方向(走査方向)と、光源251e又は252eの複数の光源の配列方向と、が平行である。
【0077】
つぎに、本変形例の超音波診断装置100の動作を説明する。被検体の3次元のBモード画像データをスキャンする場合に、超音波診断装置100において、操作入力部16を介する操作者の入力に応じて、制御部11は、揺動制御部27を介して、超音波探触子本体2eの光源部25eを点灯し振動子ユニット22を揺動しつつ、送受信部12、画像処理部13、表示制御部14の制御により、振動子ユニット22から超音波を送受信して3次元のBモード画像データを生成させて、表示部15に表示する。このとき、制御部11は、揺動制御部27を介して、超音波探触子本体2eの光源部25eの光源251e,252eを一様に点灯し、振動子ユニット22の全体を均一に照らす。
【0078】
あるいは、制御部11は、揺動制御部27を介して、光源251e,252eの各光源うち、超音波診断装置本体1の表示部15に表示される超音波画像の表示向きに対応する振動子アレイ221の表示チャネル(例えば、振動子アレイ221の一端のチャネルとして1ch)に対応する振動子側の1つの光源のみを点灯させてもよい。また、制御部11は、揺動制御部27を介して、光源251e,252eの各光源うち、超音波診断装置本体1の表示チャネルに対応する振動子付近の複数の光源を点灯させることとしてもよい。
【0079】
以上、本変形例によれば、振動子ユニット22は、複数の振動子が一方向に配列された振動子アレイ221を有する。光源部25eは、振動子アレイ221の振動子の配列方向に対応する方向に配列された光源251e,252eを有する。このため、振動子ユニット22の全体を均一に照らすので、操作者が、超音波探触子2の外側から振動子ユニット22の外形及び位置をより正確に目視により認識できる。
【0080】
(第2の変形例)
図8を参照して、上記の第1の実施の形態の第2の変形例を説明する。図8は、音響ウィンドウ211を除く超音波探触子本体2fを示す正面図である。
【0081】
まず、図8を参照して、本変形例の装置構成を説明する。本実施の形態の装置構成としての超音波診断装置100は、上記第1の実施の形態の超音波探触子2の超音波探触子本体2aを、本変形例の超音波探触子本体2fに代えた構成を有する。このため、超音波診断装置100において、上記第1の実施の形態と同様の部分には、同じ符号を付して、その説明を省略し、異なる部分(超音波探触子本体2f)を主に説明する。
【0082】
図8に示すように、超音波探触子本体2fは、上記第1の実施の形態の超音波探触子本体2aにおいて、光源部25を、本変形例の光源部25fに代えた構成を有する。光源部25fは、光源251f,252fを有する。光源251fは、振動子ユニット22の背面側(-z方向側)でかつ側板222に沿ってy軸方向に配列されたLEDの複数の光源である。光源252fは、振動子ユニット22の背面側(-z方向側)でかつ側板223に沿ってy軸方向に配列されたLEDの複数の光源である。
【0083】
また、光源251f,252fの各光源は、複数の色のうちの1色の可視光を出射する。例えば、光源251f,252fの各光源は、青色、黄色又は赤色の可視光を出射可能であるものとする。なお、光源251f,252fの各光源の可視光の出射可能な色のパターンと、色の数とは、この例に限定されるものではない。
【0084】
このように、振動子ユニット22の原点位置において、+z方向から見て、振動子アレイ221の複数の素子の配列方向(走査方向)と、光源251f,252fの複数の光源の配列方向と、が平行である。
【0085】
つぎに、本変形例の超音波診断装置100の動作を説明する。被検体の3次元のBモード画像データをスキャンする場合に、超音波診断装置100において、操作入力部16を介する操作者の入力に応じて、制御部11は、揺動制御部27を介して、超音波探触子本体2fの光源部25fを点灯し振動子ユニット22を揺動しつつ、送受信部12、画像処理部13、表示制御部14の制御により、振動子ユニット22から超音波を送受信して3次元のBモード画像データを生成させて、表示部15に表示する。このとき、制御部11は、揺動制御部27を介して、超音波診断装置100の動作状態に応じて、超音波探触子本体2fから出射する可視光の色を変更する。
【0086】
例えば、超音波診断装置100において、制御部11は、揺動制御部27を介して、超音波診断装置100による振動子ユニット22の揺動を伴う被検体のスキャン(走査)の動作状態中に、光源251f,252fを青色に点灯(青色の可視光を出射)し、超音波診断装置100によるフリーズの動作状態中に、光源251f,252fを黄色に点灯(黄色の可視光を出射)し、超音波診断装置100の故障の動作状態中に、光源251f,252fを赤色に点灯(赤色の可視光を出射)する。
【0087】
動作状態の種類と、光源から出射する可視光の色と、の組合せは、上記の例に限定されない。なお、制御部11は、揺動制御部27を介して、超音波診断装置100の1つの動作状態に対応して、光源251f,252fの発光色を変化させて点灯する構成としてもよい。
【0088】
以上、本変形例によれば、光源部25fは、複数の色の光を出射可能な光源251f,252fを有する。超音波診断装置100は、超音波探触子2と、超音波探触子2からの受信信号に基づいて、超音波画像データを生成する画像処理部13と、超音波診断装置100の動作状態に応じて、光源部25fから出射する光の色を変更する制御部11と、を備える。このため、操作者が、音響ウィンドウ211の光像の色に応じて、超音波診断装置100の動作状態を目視により認識できる。
【0089】
なお、上記実施の形態及び変形例における記述は、本発明に係る好適な超音波探触子、超音波診断装置の一例であり、これに限定されるものではない。
【0090】
例えば、上記実施の形態及び変形例では、超音波診断装置100において、制御部11が超音波探触子2の光源を点灯する構成としたが、これに限定されるものではなく、光源を点滅する構成としてもよい。例えば、超音波診断装置100において、あらかじめ超音波診断装置100の動作状態の種類(例えば、スキャン、フリーズ、故障)に応じて、点滅中の点灯時間長さ及び間隔と消灯時間の長さとを変更設定し、制御部11は、超音波診断装置100の動作状態に応じて、揺動制御部27を介して、変更設定された点灯時間及び消灯時間の長さに応じて、光源を点灯又は点滅する構成としてもよい。この構成によれば、光像を点滅させて振動子ユニットに対応する外形及び位置を効果的に表示でき、超音波探触子の外側から振動子ユニットの外形及び位置を正確かつ効果的に目視により認識できる。また、操作者が、音響ウィンドウ211の光像の点灯、点滅に応じて、超音波診断装置100の動作状態を目視により認識できる。
【0091】
また、上記実施の形態及び変形例では、超音波診断装置100の超音波探触子2の光源部が、LEDの光源を有する構成としたが、これに限定されるものではなく、光源としては、LED以外の光源を用いる構成としてもよい。特に、光源は、LEDなどの発光面積が小さい光源に限定されるものではなく、有機EL(OLED(Organic Light Emitting Diode)などの面光源としてもよい。この構成によれば、超音波探触子2の光源部の面光源により、面として広い範囲を光らすことができ、音響ウィンドウ211の光像のムラを低減して、振動子ユニットに対応する暗部以外の光像の範囲を広げることができ、操作者が、超音波探触子2の外側から、振動子ユニット22の外形及び位置とを正確かつより明確に目視により認識できる。また、面光源の消費電力が少ないので、超音波探触子2(超音波診断装置100)を省電力化できる。
【0092】
また、上記実施の形態及び変形例の少なくとも2つを組み合わせる構成としてもよい。例えば、上記第1、第2の実施の形態や、第1、第2の実施の形態において、光源部の光源を点滅する構成としたり、当該光源に面光源を用いる構成としてもよい。
【0093】
また、以上の実施の形態及び変形例における超音波診断装置100を構成する各部の細部構成及び細部動作に関して本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0094】
100 超音波診断装置
1 超音波診断装置本体
11 制御部
12 送受信部
13 画像処理部
14 表示制御部
15 表示部
16 操作入力部
17 記憶部
2 超音波探触子
2a,2d,2e,2f 超音波探触子本体
21 筐体
211 音響ウィンドウ
212 グリップ部
213 フレーム
214 カップリング液
22,22d 振動子ユニット
220 振動子ユニット本体
221 振動子アレイ
222,223,222d,223d 側板
224,225 受光部
226,227 発光部
23 揺動機構部
231 モーター
24 位置検出部
25,25e,25f 光源部
251,252,251e,252e,251f,252f 光源
2b ケーブル
2c コネクター
26 駆動回路部
27 揺動制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8