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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-07
(45)【発行日】2025-04-15
(54)【発明の名称】電池管理システム
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/48 20060101AFI20250408BHJP
   H01M 10/42 20060101ALI20250408BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20250408BHJP
【FI】
H01M10/48 P
H01M10/42 P
H02J7/00 P
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022085364
(22)【出願日】2022-05-25
(62)【分割の表示】P 2021072096の分割
【原出願日】2021-04-21
(65)【公開番号】P2022166853
(43)【公開日】2022-11-02
【審査請求日】2024-03-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】繁森 祥吾
(72)【発明者】
【氏名】飯田 剛史
(72)【発明者】
【氏名】沼田 達宏
【審査官】大濱 伸也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/103008(WO,A1)
【文献】特開2016-143113(JP,A)
【文献】特開2020-155400(JP,A)
【文献】特開2019-186692(JP,A)
【文献】国際公開第2016/072002(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00-7/12
H02J 7/34-7/36
H01M 10/42-10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の電池(20、21、22)を収容する筐体(50)内に配置され、前記電池の状態を示す電池情報を監視する複数の監視装置(30)と、
前記複数の監視装置のそれぞれと無線通信を行い、前記電池情報を含むデータを取得して所定の処理を実行する制御装置(40)と、を備え、
前記制御装置は、前記複数の監視装置のそれぞれと無線通信を行うために、前記複数の監視装置が一巡する周期を設定し、
前記制御装置は、所定の条件を満たす場合に、前記周期において前記複数の監視装置とのデータ通信期間を除く期間である非通信期間を、前記条件を満たさない場合よりも長くし、
前記制御装置は、前記非通信期間において、接続が必要な前記監視装置との接続確立処理を実行する、電池管理システム。
【請求項2】
前記非通信期間は、接続が切断されている前記監視装置との通信に割り当てられた期間を含んでおり、
前記制御装置は、前記通信に割り当てられた期間に前記接続確立処理を実行する、請求項1に記載の電池管理システム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記条件を満たす場合に、前記条件を満たさない場合よりも前記周期を長くすることで、前記条件を満たさない場合よりも前記非通信期間を長くする、請求項1または請求項2に記載の電池管理システム。
【請求項4】
前記制御装置は、前記条件を満たす場合に、前記条件を満たさない場合よりも前記周期における前記データ通信期間を短くすることで、前記条件を満たさない場合よりも前記非通信期間を長くする、請求項1~3いずれか1項に記載の電池管理システム。
【請求項5】
前記制御装置は、前記複数の監視装置の一部とデータ通信を行い、前記複数の監視装置の他の一部と接続するためにスキャン動作を実行する場合に、前記複数の監視装置のすべてとデータ通信を行う場合よりも前記非通信期間を長くして、前記非通信期間において前記スキャン動作を実行する、請求項1~4いずれか1項に記載の電池管理システム。
【請求項6】
前記制御装置は、前記電池の内部抵抗および開放電圧の少なくとも一方の算出のために前記複数の監視装置のうちの任意の第1監視装置から前記電池情報を取得する回数が、所定の期間において所定の複数回未満の場合に、前記複数の監視装置のすべてとデータ通信を行う場合よりも前記非通信期間を長くして、前記非通信期間において前記第1監視装置と再接続するためにスキャン動作を実行する、請求項1~5いずれか1項に記載の電池管理システム。
【請求項7】
前記制御装置は、前記電池の状態が大きく変動する可能性が高い場合に、前記電池の状態が大きく変動する可能性が低い場合よりも、前記周期における前記非通信期間を長くする、請求項1~6いずれか1項に記載の電池管理システム。
【請求項8】
前記制御装置は、前記電池情報のうち、前記電池の電圧に基づいて、前記可能性の判定を行い、
前記電圧が所定の第1の閾値を超えている場合、または、前記周期における最大電圧を示す場合に、前記可能性が高いと判断する、請求項7に記載の電池管理システム。
【請求項9】
前記制御装置は、前記電池情報のうち、前記電池の電圧に基づいて、前記可能性の判定を行い、
前記電圧が所定の第2の閾値よりも低い場合、または、前記周期における最小電圧を示す場合、前記可能性が高いと判断する、請求項7または請求項8に記載の電池管理システム。
【請求項10】
前記制御装置は、前記車両の非走行時に、前記非通信期間を走行時よりも長くする、請求項1または請求項2に記載の電池管理システム。
【請求項11】
前記制御装置は、前記車両の非走行時に、前記データ通信期間を走行時と比べて、同じまたは短くする、請求項10に記載の電池管理システム。
【請求項12】
前記周期は、前記データ通信期間と前記非通信期間を備え、
前記制御装置は、前記車両の非走行時に、前記周期における前記非通信期間を長くする、請求項1~11いずれか1項に記載の電池管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この明細書における開示は、電池管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、車両に使用される電池管理システムを開示している。先行技術文献の記載内容は、この明細書における技術的要素の説明として、参照により援用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第8399115号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の電池管理システムは、無線通信の自由度が低い。このため、たとえば通信環境の悪化により切断が生じると、長期にわたって電池情報を取得できない虞がある。たとえば接続確立に時間がかかり、電池情報の取得開始が遅れる虞がある。たとえば電池状態が大きく変動しない期間における電力消費が問題となる。上述の観点において、または言及されていない他の観点において、電池管理システムにはさらなる改良が求められている。
【0005】
開示されるひとつの目的は、通信自由度の高い電池管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここに開示された電池管理システムは、
車両の電池(20、21、22)を収容する筐体(50)内に配置され、電池の状態を示す電池情報を監視する複数の監視装置(30)と、
複数の監視装置のそれぞれと無線通信を行い、電池情報を含むデータを取得して所定の処理を実行する制御装置(40)と、を備え、
制御装置は、複数の監視装置のそれぞれと無線通信を行うために、複数の監視装置が一巡する周期を設定し、
制御装置は、所定の条件を満たす場合に、周期において複数の監視装置とのデータ通信期間を除く期間である非通信期間を、条件を満たさない場合よりも長くし、
制御装置は、非通信期間において、接続が必要な監視装置との接続確立処理を実行する。
【0007】
開示された電池管理システムによれば、制御装置が、複数の監視装置との無線通信の周期を設定する。制御装置は、周期を調整することができる。この結果、通信自由度の高い電池管理システムを提供することができる。
【0008】
この明細書における開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態の部分との対応関係を例示的に示すものであって、技術的範囲を限定することを意図するものではない。この明細書に開示される目的、特徴、および効果は、後続の詳細な説明、および添付の図面を参照することによってより明確になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】電池パックを備える車両を示す図である。
図2】電池パックの概略構成を示す斜視図である。
図3】組電池を示す平面図である。
図4】第1実施形態に係る電池管理システムの構成を示すブロック図である。
図5】監視装置と制御装置との間の通信シーケンスの一例を示す図である。
図6】接続確立処理を示す図である。
図7】制御装置が実行する周期設定処理の一例を示すフローチャートである。
図8】周期の一例を示すタイミングチャートである。
図9】周期切り替えの一例を示すタイミングチャートである。
図10】第2実施形態において、制御装置が設定する周期の一例を示すタイミングチャートである。
図11】第3実施形態において、制御装置が実行する周期設定処理の一例を示すフローチャートである。
図12】周期の一例を示すタイミングチャートである。
図13】周期の変形例を示すタイミングチャートである。
図14】周期の変形例を示すタイミングチャートである。
図15】第4実施形態において、制御装置が実行する周期設定処理の一例を示すフローチャートである。
図16】周期の一例を示すタイミングチャートである。
図17】第5実施形態において、制御装置が実行する周期設定処理の一例を示すフローチャートである。
図18】周期の一例を示すタイミングチャートである。
図19】周期の変形例を示すタイミングチャートである。
図20】第6実施形態において、制御装置が実行する周期設定処理の一例を示すフローチャートである。
図21】電池管理システムの変形例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて複数の実施形態を説明する。なお、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
【0011】
(第1実施形態)
先ず、図1に基づき、本実施形態に係る電池管理システムが搭載される車両、特に、電池管理システムを備える電池パック周辺の構成について説明する。図1は、車両の概略構成を示す図である。車両は、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)などの電動車両である。電池管理システムは、車両以外の移動体、たとえばドローンなどの飛行体、船舶、建設機械、農業機械などへの適用も可能である。
【0012】
<車両>
図1に示すように、車両10は、電池パック(BAT)11と、PCU12と、MG13と、ECU14を備えている。PCUは、Power Control Unitの略称である。MGは、Motor Generatorの略称である。ECUは、Electronic Control Unitの略称である。
【0013】
電池パック11は、後述する組電池20を備えており、充放電可能な直流電圧源を提供する。電池パック11は、車両10の電気負荷に電力を供給する。電池パック11は、PCU12を通じてMG13へ電力を供給する。電池パック11は、PCU12を通じて充電される。電池パック11は、主機バッテリと称されることがある。
【0014】
電池パック11は、たとえば図1に示すように、車両10のフロントコンパートメントに配置される。電池パック11は、リアコンパートメント、座席下、または床下などに配置されてもよい。たとえばハイブリッド自動車の場合、エンジンが配置されるコンパートメントは、エンジンコンパートメント、エンジンルームと称されることがある。
【0015】
PCU12は、ECU14からの制御信号にしたがい、電池パック11とMG13との間で双方向の電力変換を実行する。PCU12は、電力変換器と称されることがある。PCU12は、たとえばインバータを含んでいる。インバータは、直流電圧を交流電圧、たとえば三相交流電圧に変換してMG13へ出力する。インバータは、MG13の発電電力を直流電圧に変換してコンバータへ出力する。PCU12は、コンバータを含んでもよい。コンバータは、電池パック11とインバータとの間の通電経路に配置される。コンバータは、直流電圧を昇降圧する機能を有する。
【0016】
MG13は、交流回転電機、たとえばロータに永久磁石が埋設された三相交流同期電動機である。MG13は、車両10の走行駆動源、すなわち電動機として機能する。MG13は、PCU12により駆動されて回転駆動力を発生する。MG13が発生した駆動力は、駆動輪に伝達される。MG13は、車両10の制動時に発電機として機能し、回生発電を行う。MG13の発電電力は、PCU12を通じて電池パック11に供給され、電池パック11内の組電池20に蓄えられる。
【0017】
ECU14は、プロセッサ、メモリ、入出力インターフェース、およびこれらを接続するバス等を備えたコンピュータを含む構成である。プロセッサは、演算処理のためのハードウェアである。プロセッサは、たとえばコアとしてCPUを含んでいる。CPUは、Central Processing Unitの略称である。メモリは、コンピュータにより読み取り可能なプログラムおよびデータ等を非一時的に格納または格納する非遷移的実体的格納媒体である。メモリは、プロセッサによって実行される種々のプログラムを格納している。
【0018】
ECU14は、たとえば電池パック11から組電池20に関する情報を取得し、PCU12を制御することにより、MG13の駆動および電池パック11の充放電を制御する。ECU14は、電池パック11から、組電池20の電圧、温度、電流、SOC、SOHなどの情報を取得してもよい。ECU14は、組電池20の電圧、温度、電流などの電池情報を取得して、SOCやSOHを算出してもよい。SOCは、State Of Chargeの略称である。SOHは、State Of Healthの略称である。
【0019】
ECU14のプロセッサは、たとえばメモリに格納されたPCU制御プログラムに含まれる複数の命令を実行する。これにより、ECU14は、PCU12を制御するための機能部を複数構築する。ECU14では、メモリに格納されたプログラムが複数の命令をプロセッサに実行させることで、複数の機能部が構築される。ECU14は、EVECUと称されることがある。
【0020】
<電池パック>
次に、図2および図3に基づき、電池パック11の構成の一例について説明する。図2は、電池パック11の内部を模式的に示す斜視図である。図2では、筐体を二点鎖線で示している。図3は、各電池スタックの上面を示す平面図である。
【0021】
図2に示すように、電池パック11は、組電池20と、複数の監視装置30と、制御装置40と、筐体50を備えている。筐体50は、電池パック11を構成する他の要素、つまり組電池20、監視装置30、および制御装置40を収容している。筐体50は、たとえば金属製である。筐体50は、樹脂製でもよいし、金属部分と樹脂部分を含んでもよい。
【0022】
以下では、図2に示すように、略直方体である筐体50の各面のうち、車両10への搭載面において、長手方向をX方向と示し、短手方向をY方向と示す。図2において、下面が搭載面である。そして、搭載面に対して垂直となる上下方向をZ方向と示す。X方向、Y方向、およびZ方向は、互いに直交する位置関係にある。本実施形態では、車両10の左右方向がX方向に相当し、前後方向がY方向に相当し、上下方向がZ方向に相当する。図2および図3の配置は一例にすぎず、車両10に対して電池パック11をどのように配置してもよい。
【0023】
組電池20は、X方向に並んで配置された複数の電池スタック21を有している。電池スタック21は、電池ブロック、電池モジュールと称されることがある。組電池20は、複数の電池スタック21が直列に接続されて構成されている。各電池スタック21は、複数の電池セル22を有している。電池スタック21は、直列に接続された複数の電池セル22を有している。本実施形態の電池スタック21は、Y方向に並んで配置された複数の電池セル22が直列に接続されて構成されている。組電池20は、上記した直流電圧源を提供する。組電池20、電池スタック21、および電池セル22が、電池に相当する。
【0024】
電池セル22は、化学反応によって起電圧を生成する二次電池である。二次電池として、たとえばリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池を採用することができる。リチウムイオン二次電池は、リチウムを電荷担体とする二次電池である。電解質が液体の一般的なリチウムイオン二次電池の他、固体の電解質を用いたいわゆる全固体電池も含み得る。
【0025】
各電池スタック21の上面において、X方向の両端には、直線状のバスバーユニット23が配置されている。つまり各電池スタック21には、一対のバスバーユニット23が配置されている。バスバーユニット23は、複数の電池セル22を電気的に接続している。図3に示すように、各電池セル22は、扁平形状に形成されており、Y方向において側面同士が重なるように積層されている。電池セル22は、X方向の両端に、Z方向、より詳しくは上方を示すZ+方向に突出する正極端子25および負極端子26を有している。電池セル22は、Y方向において、正極端子25および負極端子26が交互に配置されるように積層されている。
【0026】
各バスバーユニット23は、正極端子25および負極端子26を電気的に接続する複数のバスバー24と、複数のバスバー24を覆うバスバーカバー27を有している。バスバー24は、銅などの導電性が良好な金属を材料とする板材である。バスバー24は、Y方向において隣り合う電池セル22の正極端子25と負極端子26とを電気的に接続している。これにより、各電池スタック21において、複数の電池セル22が電気的に直列に接続されている。なお、各電池スタック21において、Y方向の一端側に配置される電池セル22の正極端子25は、所定の正極配線に接続され、他端側に配置される電池セル22の負極端子26は、所定の負極配線に接続されている。
【0027】
バスバーカバー27は、樹脂などの電気絶縁材料を用いて形成されている。バスバーカバー27は、複数のバスバー24を覆うようにY方向に沿って電池スタック21の端から端まで直線状に設けられている。
【0028】
監視装置30は、複数の電池スタック21に対して個別に設けられている。監視装置30は、図2に示すように、各電池スタック21において一対のバスバーユニット23の間に配置されている。監視装置30は、バスバーユニット23にネジ等で固定されている。監視装置30は、後述するように、制御装置40との間で無線通信可能に構成されている。監視装置30が備える後述のアンテナ37は、Z方向において、バスバーユニット23と重ならないように、つまりZ方向においてバスバーユニット23よりも突出するように配置されている。
【0029】
制御装置40は、X方向の一端に配置されている電池スタック21の外側側面に取り付けられている。制御装置40は、各監視装置30と無線通信可能に構成されている。制御装置40が備える後述のアンテナ42は、Z方向において、監視装置30のアンテナ37と同程度の高さに配置されている。つまり制御装置40のアンテナ42は、Z方向において、バスバーユニット23よりも突出するように設けられている。
【0030】
電池パック11において、監視装置30および制御装置40が、後述する電池管理システム60を提供する。つまり電池パック11は、電池管理システム60を備えている。
【0031】
<電池管理システム>
次に、図4に基づいて、電池管理システムの概略構成について説明する。図4は、電池管理システムの構成を示すブロック図である。
【0032】
図4に示すように、電池管理システム60は、複数の監視装置(SBM)30と、制御装置(ECU)40を備えている。以下では、監視装置をSBMと示すことがある。制御装置40は、電池ECU、BMUと称されることがある。BMUは、Battery Management Unitの略称である。電池管理システム60は、無線通信を利用して電池を管理するシステムである。本実施形態の電池管理システム60では、ひとつの制御装置40と複数の監視装置30との間で、無線通信が実行される。この無線通信では、近距離通信で使用される周波数帯、たとえば2.4GHz帯や5GHz帯を用いる。
【0033】
<監視装置>
先ず、監視装置30について説明する。各監視装置30の構成は互いに共通である。監視装置30は、電源回路(PSC)31と、マルチプレクサ(MUX)32と、監視IC(MIC)33と、マイコン(MC)34と、無線IC(WIC)35と、フロントエンド回路(FE)36と、アンテナ(ANT)37を備えている。監視装置30内の各要素間の通信については、有線で行われる。
【0034】
電源回路31は、電池スタック21から供給される電圧を用いて、監視装置30が備える他の回路要素の動作電源を生成する。本実施形態では、電源回路31が、電源回路311、312、313を含んでいる。電源回路311は、電池スタック21から供給される電圧を用いて所定の電圧を生成し、監視IC33に供給する。電源回路312は、電源回路311にて生成された電圧を用いて所定の電圧を生成し、マイコン34に供給する。電源回路313は、電源回路311にて生成された電圧を用いて所定の電圧を生成し、無線IC35に供給する。
【0035】
マルチプレクサ32は、電池パック11が備える複数のセンサ70の検出信号を入力し、ひとつの信号として出力する選択回路である。マルチプレクサ32は、監視IC33からの選択信号にしたがい、入力を選択(切り替え)してひとつの信号として出力する。センサ70は、電池セル22それぞれの物理量を検出するセンサ、および、いずれの電池セル22であるかを判別するためのセンサなどを含んでいる。物理量検出センサは、たとえば電圧センサ、温度センサ、電流センサなどを含んでいる。
【0036】
監視IC33は、マルチプレクサ32を通じて、セル電圧、セル温度、セル判別などの電池情報をセンシング(取得)し、マイコン34に送信する。監視IC33は、セル監視回路(CSC)と称されることがある。CSCは、Cell Supervising Circuitの略称である。監視IC33は、自己を含む監視装置30の回路部分の故障診断を実行し、監視データとして電池情報とともに診断結果を送信する機能を有してもよい。監視IC33は、マイコン34から送信された電池情報の取得を要求するデータを受信すると、マルチプレクサ32を通じて電池情報をセンシングし、電池情報を少なくとも含む監視データをマイコン34に送信する。監視IC33が、監視部に相当する。
【0037】
マイコン34は、プロセッサであるCPU、メモリであるROMおよびRAM、入出力インターフェース、およびこれらを接続するバス等を備えたマイクロコンピュータである。CPUが、RAMの一時格納機能を利用しつつ、ROMに格納された種々のプログラムを実行することで、複数の機能部を構築する。ROMは、Read Only Memoryの略称である。RAMは、Random Access Memoryの略称である。
【0038】
マイコン34は、監視IC33によるセンシングや自己診断のスケジュールを制御する。マイコン34は、監視IC33から送信された監視データを受信し、無線IC35に送信する。マイコン34は、監視IC33に電池情報の取得を要求するデータを送信する。一例として、本実施形態のマイコン34は、無線IC35から送信された電池情報の取得を要求するデータを受信すると、監視IC33に電池情報の取得を要求するデータを送信する。
【0039】
無線IC35は、データを無線で送受信するために、図示しないRF回路およびマイコンを含んでいる。無線IC35は、送信データを変調し、RF信号の周波数で発振する送信機能を有している。無線IC35は、受信データを復調する受信機能を有している。RFは、radio frequencyの略称である。
【0040】
無線IC35は、マイコン34から送信された電池情報を含むデータを変調し、フロントエンド回路36およびアンテナ37を介して制御装置40に送信する。無線IC35は、電池情報を含む送信データに、通信制御情報などの無線通信に必要なデータなどを付与して送信する。無線通信に必要なデータは、たとえば識別子(ID)や誤り検出符号などを含む。無線IC35は、SBM30と制御装置40との間の通信のデータサイズ、通信形式、スケジュール、エラー検知などを制御する。
【0041】
無線IC35は、制御装置40から送信されたデータをアンテナ37およびフロントエンド回路36を介して受信し、復調する。無線IC35は、たとえば電池情報の取得および送信要求を含むデータを受信すると、要求に対する応答として、監視IC33を通じて電池情報を含む監視データを取得して制御装置40に送信する。
【0042】
フロントエンド回路36は、無線IC35とアンテナ37とのインピーダンス整合のための整合回路、および、不要な周波数成分を除去するフィルタ回路を有している。
【0043】
アンテナ37は、電気信号であるRF信号を電波に変換して空間に放射する。アンテナ37は、空間を伝搬する電波を受信して、電気信号に変換する。
【0044】
<制御装置>
次に、図4に基づいて、制御装置40について説明する。制御装置40は、電源回路(PSC)41と、アンテナ(ANT)42と、フロントエンド回路(FE)43と、無線IC(WIC)44と、メインマイコン(MMC)45と、サブマイコン(SMC)46を備えている。制御装置40内の各要素間の通信については、有線で行われる。
【0045】
電源回路41は、バッテリ(BAT)15から供給される電圧を用いて、制御装置40が備える他の回路要素の動作電源を生成する。バッテリ15は、車両10に搭載された、電池パック11とは別の直流電圧源である。バッテリ15は、車両10の補機に電力を供給するため、補機バッテリと称されることがある。本実施形態では、電源回路41が、電源回路411、412を含んでいる。電源回路411は、バッテリ15から供給される電圧を用いて所定の電圧を生成し、メインマイコン45やサブマイコン46に供給する。図の簡略化のため、電源回路411とサブマイコン46との電気的な接続を省略している。電源回路412は、電源回路411にて生成された電圧を用いて所定の電圧を生成し、無線IC44に供給する。
【0046】
アンテナ42は、電気信号であるRF信号を電波に変換して空間に放射する。アンテナ42は、空間を伝搬する電波を受信して、電気信号に変換する。
【0047】
フロントエンド回路43は、無線IC44とアンテナ42とのインピーダンス整合のための整合回路、および、不要な周波数成分を除去するフィルタ回路を有している。
【0048】
無線IC44は、データを無線で送受信するために、RF回路(RF)440およびマイコン(MC)441を有している。無線IC44は、無線IC35同様、送信機能および受信機能を有している。無線IC44は、監視装置30から送信されたデータをアンテナ42およびフロントエンド回路43を介して受信し、復調する。そして、電池情報を含む監視データを、メインマイコン45に送信する。無線IC44は、メインマイコン45から送信されたデータを受信して変調し、フロントエンド回路43およびアンテナ42を介して監視装置30に送信する。無線IC44は、送信データに、通信制御情報などの無線通信に必要なデータなどを付与して送信する。無線通信に必要なデータは、たとえば識別子(ID)や誤り検出符号などを含む。無線IC44は、監視装置30と制御装置40との間の通信のデータサイズ、通信形式、スケジュール、エラー検知などを制御する。
【0049】
無線IC44は、周期設定部(PS)442を有している。周期設定部442は、複数の監視装置30のそれぞれとの間で無線通信を行うために、複数の監視装置30が一巡する周期を設定する。周期は、通信間隔と称されることがある。周期設定部442は、周期を調整することができる。周期設定部442は、たとえば周期を可変可能、つまり一周期の時間を調整してもよい。周期設定部442は、周期において各監視装置30とデータ通信期間および非通信期間を調整してもよい。周期設定部442は、たとえば一周期の時間を変えずに、データ通信期間の時間と非通信期間の時間(割合)を調整してもよい。通信期間は、監視装置30との間で、電池情報を含む監視データなどのデータを通信する期間である。非通信期間は、周期において監視装置30とのデータ通信期間を除く期間である。
【0050】
周期設定部442は、たとえばマイコン441において、CPUが、RAMの一時記憶機能を利用しつつ、ROMに格納された種々のプログラムを実行することで構築される機能部のひとつである。
【0051】
メインマイコン45は、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェース、およびこれらを接続するバス等を備えたマイクロコンピュータである。ROMは、CPUによって実行される種々のプログラムを格納している。メインマイコン45は、監視装置30に対して電池情報を含む監視データの処理を要求するコマンドを生成し、該コマンドを含む送信データを、無線IC44に送信する。本実施形態のメインマイコン45は、電池情報を含む監視データの取得および送信を要求するコマンドを生成する。この明細書に記載の要求は、指示と称されることがある。
【0052】
メインマイコン45は、無線IC44から送信された電池情報を含む監視データを受信し、監視データに基づいて所定の処理を実行する。たとえばメインマイコン45は、取得した電池情報を、ECU14に送信する処理を実行する。メインマイコン45は、電池情報に基づいてSOCおよび/またはSOHを算出し、算出したSOC、SOHを含む電池情報をECU14に送信してもよい。メインマイコン45は、電池情報に基づいて、各電池セル22の電圧を均等化させる均等化処理を実行してもよい。メインマイコン45は、車両10のIG信号を取得し、車両10の駆動状態に応じて上記した処理を実行してもよい。メインマイコン45は、電池情報に基づいて、電池セル22の異常を検出する処理を実行してもよいし、異常検出情報をECU14に送信してもよい。
【0053】
サブマイコン46は、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェース、およびこれらを接続するバス等を備えたマイクロコンピュータである。ROMは、CPUによって実行される種々のプログラムを格納している。サブマイコン46は、制御装置40内の監視処理を実行する。たとえばサブマイコン46は、無線IC44とメインマイコン45との間のデータを監視してもよい。サブマイコン46は、メインマイコン45の状態を監視してもよい。サブマイコン46は、無線IC44の状態を監視してもよい。
【0054】
<無線通信>
次に、図5および図6に基づき、監視装置30と制御装置40との間の無線通信について説明する。図5は、監視装置30と制御装置40との間の通信シーケンスの一例を示す図である。図5では、ひとつの監視装置30と制御装置40との間の無線通信について説明する。図5では、監視IC33をMIC33、無線IC35をWIC35、制御装置40をECU40と示している。図6は、図5に示す接続確立処理の一例を示す図である。
【0055】
図5に示すように、監視装置30の無線IC35および制御装置40は、接続を確立するための処理を実行する(ステップS10)。
【0056】
具体的には、図6に示すように、制御装置40がスキャン動作を実行し(ステップS11)、無線IC35がアドバタイズ動作を実行する(ステップS12)。スキャン動作の開始は、アドバタイズ動作の開始より早くてもよいし、ほぼ同じタイミングでもよい。アドバタイズ動作の開始より遅くてもよい。
【0057】
無線IC35は、自分の存在を制御装置40に伝えるために、アドバタイズ動作を実行し、制御装置40の無線IC44に対してアドバタイズメントパケット(ADV_PKT)を送信する。アドバタイズメントパケットには、自身(監視装置30)と制御装置40のID情報などが含まれる。
【0058】
制御装置40は、スキャン動作によって、アドバタイズメントパケット、つまり無線IC35を検出すると、検出した無線IC35に対して、接続要求(CONNECT_REQ)を送信する(ステップS13)。
【0059】
そして、無線IC35が接続要求を受信すると、ひとつの監視装置30と制御装置40との間において接続が確立する(ステップS14)。接続が確立すると、監視装置30の無線IC35は、アドバタイズメントパケットの送信を停止する。無線IC35は、接続確立するまで、周期的にアドバタイズメントパケットを送信する。
【0060】
監視装置30および制御装置40は、たとえば起動時に接続確立処理を実行する。起動時とは、たとえば動作電源の供給時である。電池スタック21やバッテリ15から常時電源が供給される構成では、車両10の製造工程や修理工場での部品交換後において起動となる。起動時は、IG信号など、起動信号の供給時でもよい。たとえば、ユーザの操作によってIG信号がオフからオンに切り替わると、起動となる。起動時には、制御装置40と、該制御装置40との無線通信の接続対象であるすべての監視装置30との間で、接続確立処理がそれぞれ実行される。
【0061】
監視装置30および制御装置40は、接続状態が切断されると、再び接続確立処理(ステップS10)を実行する。つまり、再接続を実行する。制御装置40は、接続確立している残りの監視装置30とのデータ通信を継続した状態で、切断した監視装置30との再接続(接続確立)を実行する。たとえば通信環境の悪化などにより、切断が生じる。
【0062】
接続が確立すると、制御装置40は、監視装置30との間でデータ通信を周期的に行う。図5に示すように、制御装置40は、接続確立した監視装置30に対して、電池情報を含む監視データの取得要求および送信要求を含む送信データ、つまり要求データを送信する(ステップS20)。
【0063】
監視装置30の無線IC35は、要求データを受信すると、電池情報を含む監視データの取得要求を、監視IC33に対して送信する(ステップS21)。本実施形態では、無線IC35は、取得要求を、マイコン34を介して監視IC33に送信する。
【0064】
監視IC33は、取得要求を受信すると、センシングを実行する(ステップS22)。監視IC33は、センシングを実行し、マルチプレクサ32を通じて各電池セル22の電池情報を取得する。また、監視IC33は、回路の故障診断を実行する。
【0065】
次いで、監視IC33は、電池情報を含む監視データを無線IC35に送信する(ステップS23)。本実施形態では、電池情報とともに故障診断結果を含む監視データを送信する。監視IC33は、マイコン34を介して無線IC35に送信する。
【0066】
無線IC35は、監視IC33が取得した監視データを受信すると、監視データを含む送信データ、つまり応答データを制御装置40に対して送信する(ステップS24)。制御装置40は、応答データを受信する。制御装置40は、接続確立した監視装置30との間で、上記したデータ通信を定期的に行う。
【0067】
制御装置40は、受信した応答データ、つまり監視データに基づいて、所定の処理を実行する(ステップS25)。
【0068】
<周期設定処理>
次に、図7図8、および図9に基づき、周期設定処理について説明する。図7は、制御装置40が実行する周期設定処理の一例を示すフローチャートである。図8は、周期の一例を示すタイミングチャートである。図8では、制御装置40が、3つの監視装置30、具体的にはSBM1、SBM2、SBM3との間で無線通信を行う例を示している。たとえば、図8に示すSBM1は、制御装置40がSBM1とデータ通信を行う期間を示している。
【0069】
図8に示す通常通信時において、制御装置40は3つの監視装置30との間で接続を確立している。制御装置40は、監視装置30のそれぞれとデータ通信を行う。接続必要時において、制御装置40は、一部の監視装置30との間でデータ通信を行い、残りの監視装置30との間で接続確立処理を行う。図8では、SBM2との接続が確立されておらず、SBM2との間で接続確立処理を行う例を示している。図9は、周期切替の一例を示すタイミングチャートである。
【0070】
制御装置40は、監視装置30のひとつ以上との間で接続を確立すると、所定の周期で無線通信を実行する。制御装置40は、接続対象である複数の監視装置30が一巡するように周期を設定する。制御装置40は、図7に示す周期設定処理を実行して、周期を調整する。制御装置40は、周期設定処理を繰り返し実行してもよいし、所定条件を満たすことをトリガとして実行してもよい。たとえば、電池情報の取得を失敗することをトリガとして、周期設定処理を実行してもよい。
【0071】
先ず制御装置40は、接続(接続確立)が必要な監視装置(SBM)30の有無を判定する(ステップS100)。すべての監視装置30とデータ通信を行っている場合、制御装置40は、接続が必要な監視装置30はないと判定し、一連の処理を終了する。
【0072】
制御装置40は、たとえば監視装置30のうちの一部との通信が切断されると、再び接続が必要な監視装置30があると判定する。制御装置40は、たとえば取得した監視データに基づいて、再接続が必要な監視装置30の有無を判断してもよい。具体的には、セル電圧などの電池情報を、所定の回数または所定の時間取得できなかった場合に、再接続が必要と判断する。制御装置40は、たとえば通信エラー回数、データの再送発生回数、受信信号強度(RSSI)などの通信実績情報に基づいて、再接続が必要な監視装置30の有無を判断してもよい。制御装置40は、自身が取得した通信実績情報を用いてもよいし、監視装置30から取得した応答データに含まれる通信実績情報を用いてもよい。RSSIは、Received Signal Strength Indicatorの略称である。
【0073】
制御装置40は、たとえば起動時において、接続確立された監視装置30とデータ通信を行いつつ、別の監視装置30と接続確立処理を実行する場合に、接続が必要な監視装置30があると判定する。ここでは、SBM2との接続が必要であるため、制御装置40は、接続が必要な監視装置30があると判定する。
【0074】
ステップS100において接続が必要な監視装置30があると判定すると、次いで制御装置40は、周期の拡大処理を実行する(ステップS110)。制御装置40は、接続必要時に、通常通信時に対して周期を拡大する。
【0075】
図8に示すように、制御装置40は、通常通信時において周期T11で監視装置30と無線通信を行う。周期T11は、監視装置(SBM)30とのデータ通信期間と、マージン期間を有している。マージン期間は、空き期間、予備期間と称されることがある。通常通信時において、マージン期間が、監視装置30との定期的なデータ通信を行わないである非通信期間NCPである。データ通信期間は、複数の監視装置30それぞれとのデータ通信に割り当てられた期間を合計した期間である。各監視装置30とのデータ通信に割り当てられた期間は、互いに等しい。本実施形態において、マージン期間は、各監視装置30とのデータ通信に割り当てられた期間よりも短い。各監視装置30とのデータ通信の期間は、連続的に設定される。図8に示す例では、SBM1、SBM2、SBM3の順で連続して設定される。マージン期間は、周期T11において最後に設定される。期間は、区間、時間と称されることがある。制御装置40は、周期T11において、SBM1、SBM2、SBM3の順にデータ通信を行う。
【0076】
制御装置40は、ステップS110の処理を実行することにより、通常通信時に対して周期を拡大する。図8に示すように、制御装置40は、接続必要時において周期T12で監視装置30と無線通信を行う。周期T12において、各監視装置30とのデータ通信のために割り当てられた期間は、周期T11と等しい。本実施形態では、周期を変更しても、各監視装置30とのデータ通信に割り当てられた期間は、一定である。制御装置40は、通常通信時同様、SBM1およびSBM3とデータ通信を行う。
【0077】
周期T12は、周期T11よりも長い。これにより、接続必要時のマージン期間は、通常通信時のマージン期間よりも長い。マージン期間は、各監視装置30とのデータ通信に割り当てられた期間よりも長い。また、SBM2との接続が切断されており、SBM2とのデータ通信のために割り当てられた期間も、データ通信を行わない期間となる。つまり、接続必要時の非通信期間NCPは、通常通信時よりも長いマージン期間と、SBM2とのデータ通信のために割り当てられた期間を含む。非通信期間NCPは、通常通信時の非通信期間NCPよりも長い。
【0078】
制御装置40は、図8に示すように、周期T12の非通信期間NCPのうちのマージン期間において、SBM2との接続を確立すべく上記したスキャン動作(ステップS11)を実行する。同様に、SBM2は、非通信期間NCPにおいて、アドバタイズ動作(ステップS12)を実行する。このように、制御装置40は、SBM1およびSBM3とのデータ通信を維持しつつ、SBM2との接続確立を行う。
【0079】
次いで制御装置40は、通信対象であるすべての監視装置30との間に接続が確立しているか否かを判定する(ステップS120)。すべての監視装置30との接続が確立するまで、制御装置40は、ステップS120の処理を実行する。
【0080】
すべての監視装置30との接続が確立したと判定すると、次いで制御装置40は、周期の縮小処理を実行し(ステップS130)、一連の処理を終了する。制御装置40は、接続必要時に対して周期を縮小する。制御装置40は、縮小処理を実行して図9に示す周期T13を設定する。制御装置40は、縮小後の周期T13として、たとえばステップS110の周期拡大処理を実行する前に設定していた周期T11と同じ値(時間)を設定してもよい。制御装置40は、ステップS110の周期拡大処理を実行する前に設定していた周期T11とは異なる値(時間)を、新たな通常通信時の周期として設定してもよい。つまり、通常通信時の周期を更新してもよい。周期T13の非通信期間NCP(マージン期間)は、周期T12のマージン期間よりも短い。
【0081】
図9では、SBM2との接続が切断された後に、再接続を行う例を示している。図9に示す周期T11において、SBM2との接続が切断される。これによりSBM2との接続確立が必要となり、制御装置40は周期を拡大する。周期T12を設定することで、非通信期間NCP、特にマージン期間が長くなる。非通信期間NCPのうちのマージン期間において、制御装置40は、SBM2との間で、スキャン動作を含む接続確立処理(ステップS10)を実行する。接続確立処理によりSBM2と再接続すると、制御装置40は周期を縮小する。制御装置40は、周期T13で、SBM1、SBM2、SBM3のそれぞれとデータ通信を行う。
【0082】
図9では、周期T12をひとつのみ示しているが、制御装置40は、SBM2との接続が確立するまで、周期T12を繰り返し実行する。
【0083】
図9では、接続が切断された周期の次の周期で接続確立処理が実行される例を示したが、これに限定されない。切断された周期と、接続確立が実行される周期との間に、周期の変更情報を接続確立されている監視装置30であるSBM1、SBM3に伝える周期を設けてもよい。たとえば周期T11のまま、SBM1、SBM3に対して送信するデータに周期情報を含ませてもよい。周期情報は、たとえば周期の変更指示でもよいし、変更する周期でもよい。
【0084】
図9では、接続が確立した周期の次の周期で、周期が縮小される例を示したがこれに限定されない。接続が確立した周期と、縮小された周期との間に、周期の変更情報を接続確立されている監視装置30であるSBM1、SBM2、SBM3に伝える周期を設けてもよい。たとえば周期T12のまま、SBM1、SBM2、SBM3に対して送信するデータに周期情報を含ませてもよい。もちろん、制御装置40が管理し、監視装置30に変更情報を送信しない構成としてもよい。
【0085】
制御装置40は、上記したように周期を設定する。制御装置40は、設定した周期で無線通信を管理する。周期は、たとえばメモリに格納されていてもよいし、関数を用いた演算により算出してもよい。
【0086】
<第1実施形態のまとめ>
無線通信の周期を調整できない場合、つまり周期が一定(固定)の場合、たとえば通信環境の悪化により切断が生じると、再接続に時間がかかり、電池情報を含む監視データを長期にわたって取得できない虞がある。たとえば起動時の接続確立に時間がかかり、電池情報の取得開始が遅れる虞がある。たとえば電池状態が大きく変動しないときに一定の周期でデータ通信を行うことで、電力消費が問題となる虞がある。
【0087】
これに対し、本実施形態では、制御装置40が、複数の監視装置30との無線通信の周期を設定する。制御装置40は、周期を調整することができる。この結果、通信自由度の高い電池管理システム60を提供することができる。つまり、車両10において上記したような問題が生じるのを抑制することができる。
【0088】
本実施形態において、制御装置40は、条件を満たす場合に、条件を満たさない場合よりも周期を長くすることで、条件を満たさない場合よりも非通信期間NCPを長くする。これにより、ひとつの監視装置30に対する1回の通信量を落とさずに、周期を長くすることができる。具体的には、制御装置40は、複数の監視装置30の一部とデータ通信を行い、複数の監視装置30の他の一部と接続するためにスキャン動作を実行する接続必要時に、複数の監視装置30のすべてとデータ通信を行う通常通信時よりも非通信期間NCPを長くする。このように、接続必要時には、一周期中においてスキャン動作などの接続確立処理に使える時間が長くなる。たとえば、図8に示した周期T11のままで、マージン期間を接続確立処理に使う場合よりも、接続確立処理に使える時間が長くなる。したがって、通信環境の悪化により切断が生じたときの再接続にかかる時間を短縮することができる。また、起動時の接続確立にかかる時間を短縮することができる。これにより、特定の監視装置30から送信される監視データが欠落するのを抑制することができる。
【0089】
無線通信の場合、有線通信に対して通信速度が遅く、通信頻度が少ない場合が多い。このため、電圧などの物理量の少なくともひとつに異常が生じた場合、または、故障診断情報により異常が検出された場合、監視データの欠落が生じると、値が急激に変更される可能性がある。値が急激に変更されると、制御が急激に変更されることとなり、安全性に問題はないものの、操作性に影響が生じる虞がある。本実施形態によれば、異常を示す監視データの欠落を抑制することができる。これにより、操作性への影響を抑制することができる。
【0090】
また、監視データの欠落を抑制することで、監視データの累積で推定する要素、たとえば電池ダメージの累積などを精度よく推定することが可能となる。また、異常の検出を、閾値を超えた回数によって行う場合がある。この場合も、監視データの欠落を抑制することで、異常の検出タイミングを早めることが可能となる。
【0091】
制御装置40が、接続必要時に、非通信期間NCPのうちのマージン期間のみにおいてスキャン動作を実行する例を示したが、これに限定されない。制御装置40は、たとえば非通信期間NCPの全期間において、スキャン動作を実行してもよい。つまりマージン期間と、切断している監視装置30との通信に割り当てられた期間との両方において、スキャン動作を実行してもよい。これによれば、接続確立をより早めることができる。また、一の監視装置30との通信に割り当てられた期間のほうが、通常通信時におけるマージン期間よりも長い場合、制御装置40は、非通信期間NCPのうちの切断している監視装置30との通信に割り当てられた期間のみにおいてスキャン動作を実行してもよい。
【0092】
(第2実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例であり、先行実施形態の記載を援用できる。先行実施形態では、通常通信時の周期がマージン期間を含んでいた。これに代えて、通常通信時の周期がマージン期間を含まない構成としてもよい。
【0093】
本実施形態の制御装置40は、先行実施形態に記載した制御装置40と同様の周期設定処理(図7参照)を実行する。図10は、本実施形態において、周期の一例を示すタイミングチャートである。図10は、図8に対応している。図10でも、制御装置40が、3つの監視装置30、具体的にはSBM1、SBM2、SBM3との間で無線通信を行う例を示している。接続必要時には、SBM2との通信が切断された状態を示している。
【0094】
図10に示すように、制御装置40が通常通信時に設定する周期T21は、先行実施形態に示した周期T11のようにマージン期間を有していない。周期T21は、データ通信期間のみを有している。
【0095】
一方、制御装置40が接続必要時に設定する周期T22は、周期T22の末尾にマージン期間を有している。周期T22は、データ通信期間と、マージン期間を含む非通信期間NCPを有している。図10に示す例でも、非通信期間NCPは、SBM2とのデータ通信のために割り当てられた期間を含む。このように、制御装置40は、周期として、通常通信時にマージン期間を設定せず、接続必要時にマージン期間を設定する。制御装置40は、非通信期間NCPの少なくとも一部において、SBM2との接続を確立するためにスキャン動作を実行する。制御装置40は、周期T22の非通信期間NCPのうち、マージン期間においてスキャン動作を実行する。
【0096】
<第2実施形態のまとめ>
本実施形態によれば、先行実施形態に記載の構成と同等の効果を奏することができる。
【0097】
上記した例では、制御装置40が、マージン期間においてスキャン動作を実行する例を示したが、これに限定されない。スキャン動作を実行する時間として、非通信期間NCP全体を使ってもよいし、SBM2とのデータ通信のために割り当てられた期間のみを使ってもよい。
【0098】
(第3実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例であり、先行実施形態の記載を援用できる。先行実施形態では、周期を長くすることでスキャン時間が長くなるようにした。これに代えて、データ通信期間を縮小することでスキャン時間が長くなるようにしてもよい。
【0099】
図11は、本実施形態の制御装置40が実行する周期設定処理の一例を示すフローチャートである。図12は、周期の一例を示すタイミングチャートである。図12は、図8に対応している。図12でも、制御装置40が、3つの監視装置30、具体的にはSBM1、SBM2、SBM3との間で無線通信を行う例を示している。接続必要時には、SBM2との通信が切断された状態を示している。
【0100】
図12に示すように、制御装置40が通常通信時に設定する周期T31は、マージン期間を有している。周期T31は、上記した周期T11と同様である。通常通信時において、制御装置40は、監視装置30のそれぞれとデータ通信を行う。
【0101】
先行実施形態同様、先ず制御装置40は、ステップS100の処理を実行する。すべての監視装置30とデータ通信を行っている場合、制御装置40は、接続が必要な監視装置30はないと判定し、一連の処理を終了する。
【0102】
ステップS100において接続が必要な監視装置30があると判定すると、次いで制御装置40は、データ通信期間の縮小処理を実行する(ステップS110A)。制御装置40は、接続必要時に、通常通信時に対してデータ通信期間を縮小する。
【0103】
図12に示すように、制御装置40は、接続必要時において周期T31と同じ時間を有し、通常通信時に対してデータ通信期間および非通信期間NCPが異なる周期T32を設定する。制御装置40は、周期T32のデータ通信期間を、通常通信時の周期T31のデータ通信期間よりも短くする。図12に示す例では、各監視装置30とのデータ通信のために割り当てられた期間のそれぞれを、通常通信時よりも短くする。つまり、データ通信期間であるSBM1、SBM3との期間だけでなく、切断されたSBM2との期間も短くする。また、データ通信期間を短くした分、マージン期間を通常通信時よりも長くする。
【0104】
接続必要時において、制御装置40は、非通信期間NCPの少なくとも一部において、SBM2との接続を確立するためにスキャン動作を実行する。図12に示す例において、制御装置40は、非通信期間NCPのうち、マージン期間においてスキャン動作を実行する。同様に、SBM2は、非通信期間NCP(マージン期間)において、アドバタイズ動作を実行する。このように、制御装置40は、SBM1およびSBM3とのデータ通信を維持しつつ、SBM2との接続確立を行う。
【0105】
次いで制御装置40は、先行実施形態同様、ステップS120の処理を実行する。制御装置40は、すべての監視装置30との接続が確立するまで、ステップS120の処理を実行する。
【0106】
すべての監視装置30との接続が確立したと判定すると、次いで制御装置40は、データ通信期間の拡大処理を実行し(ステップS130A)、一連の処理を終了する。制御装置40は、接続必要時に対してデータ通信期間を拡大する。ここでは、周期T31と同じ時間を維持したまま、データ通信期間を拡大する。制御装置40は、拡大処理により、データ通信期間をステップS110Aの処理を実行する前の設定に戻してもよいし、ステップS110Aの処理を実行する前の設定とは異なる値としてもよい。
【0107】
<第3実施形態のまとめ>
本実施形態によれば、先行実施形態に記載の構成と同等の効果を奏することができる。
【0108】
先行実施形態同様、制御装置40は、所定の条件を満たす場合に、周期において非通信期間NCPを、条件を満たさない場合よりも長くする。制御装置40は、条件を満たす場合に、条件を満たさない場合よりも周期におけるデータ通信期間を短くすることで、条件を満たさない場合よりも非通信期間NCPを長くする。これにより、周期を変えずに、非通信期間NCPを長くすることができる。具体的には、接続必要時に、通常通信時よりもデータ通信期間を短くすることで、非通信期間NCPを長くする。そして、制御装置40は、非通信期間NCPにおいてスキャン動作などの接続確立処理を実行する。
【0109】
このように、接続必要時には、一周期中においてスキャン動作などの接続確立処理に使える時間が長くなる。したがって、通信環境の悪化により切断が生じたときの再接続にかかる時間を短縮することができる。また、起動時の接続確立にかかる時間を短縮することができる。これにより、監視データが欠落するのを抑制することができる。本実施形態では、周期全体の長さ(時間)を変えることなく、接続確立にかかる時間を短縮することができる。
【0110】
制御装置40が、接続必要時に、非通信期間NCPのうちのマージン期間のみにおいてスキャン動作を実行する例を示したが、これに限定されない。制御装置40は、たとえば非通信期間NCPの全期間において、スキャン動作を実行してもよい。一の監視装置30との通信に割り当てられた期間のほうが、通常通信時におけるマージン期間よりも長い場合、制御装置40は、非通信期間NCPのうちの切断している監視装置30との通信に割り当てられた期間のみにおいてスキャン動作を実行してもよい。
【0111】
<変形例>
図12に示した例では、切断された監視装置30とのデータ通信に割り当てられた期間についても、データ通信を維持する監視装置30の期間同様、期間を短縮する例を示した。しかしながら、図13に示すように、制御装置40は、接続必要時において、切断された監視装置30に割り当てられた期間については短縮せず、データ通信期間のみを短縮した周期T32Aを設定してもよい。図13に示す通常通信時の周期T31Aは、上記した周期T31と同様である。図13では、マージン期間においてスキャン動作を実行する例を示しているが、上記したように、非通信期間NCPの全期間において、スキャン動作を実行してもよいし、SBM2に割り当てられた期間のみにおいてスキャン動作を実行してもよい。
【0112】
第2実施形態に示したように、通常通信時の周期がマージン期間を含まない構成としてもよい。たとえば図14に示す例において、制御装置40は、通常通信時にマージン期間を含まない周期T31Bを設定する。周期T31Bは、上記した周期T21と同様である。通常通信時に設定される周期T31Bは、非通信期間NCPを有さない。接続必要時に、制御装置40は、切断された監視装置30に割り当てられた期間を通常通信時に対して拡大し、且つ、データ通信期間を短縮した周期T32Bを設定する。制御装置40は、SBM2に割り当てられた期間である非通信期間NCPにおいて、スキャン動作を実行する。よって、接続確立にかかる時間を短縮することができる。この場合にも、周期全体の長さを変えることなく、接続確立にかかる時間を短縮することができる。
【0113】
本実施形態に記載の構成は、第1実施形態に記載の構成、第2実施形態の記載の構成のいずれとも組み合わせが可能である。制御装置40は、接続必要時に、周期の長さ(時間)を拡大しつつデータ通信時間を短縮するように周期を調整してもよい。この場合、より長いスキャン時間を確保することができる。
【0114】
(第4実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例であり、先行実施形態の記載を援用できる。先行実施形態では、接続が必要な監視装置30がある場合に、一律に周期を拡大した。これに代えて、電池状態が大きく変動する可能性に基づいて、周期の拡大量に差を設けてもよい。
【0115】
図15は、本実施形態の制御装置40が実行する周期設定処理の一例を示すフローチャートである。図16は、周期の一例を示すタイミングチャートである。図16は、図8に対応している。図16でも、制御装置40が、SBM1、SBM2、SBM3との間で無線通信を行う例を示している。接続必要時には、SBM2との通信が切断された状態を示している。
【0116】
図16に示すように、制御装置40が通常通信時に設定する周期T41は、マージン期間を有している。周期T41は、上記した周期T11と同様である。通常通信時において、制御装置40は、監視装置30のそれぞれとデータ通信を行う。
【0117】
先行実施形態同様、先ず制御装置40は、ステップS100の処理を実行する。すべての監視装置30とデータ通信を行っている場合、制御装置40は、接続が必要な監視装置30はないと判定し、一連の処理を終了する。
【0118】
接続が必要な監視装置30があると判定すると、次いで制御装置40は、車両10が走行中か否かを判定する(ステップS102)。制御装置40は、車速センサなどの車両10に搭載されたセンサ信号を取得して、走行中か否かを判定してもよい。制御装置40は、IGスイッチやSMRのオンオフに基づいて、走行中か否かを判定してもよい。制御装置40は、車両10に搭載された他の制御装置(ECU)からの信号に基づいて、走行中か否かを判定してもよい。SMRは、System Main Relayの略称である。
【0119】
走行中と判定すると、次いで制御装置40は、取得した電池情報を確認し(ステップS104)、電池状態が大きく変動する可能性が高いか否かを判定する(ステップS106)。
【0120】
電池の状態は、充電または放電により大きく変動する。制御装置40は、電池情報として、データ通信を維持できている監視装置30から取得した電池情報、および/または、再接続が必要な監視装置30から切断前に取得した電池情報を用いる。具体的には、セル電圧情報および/または電流情報を用いる。制御装置40は、セル電圧情報に基づいて、電池状態が大きく変動する可能性が高いか否かを判定することができる。セル電圧が第1の閾値を超えている場合、または、セル電圧が所定期間における最大電圧Vmaxを示す場合、電池が放電する可能性が高い。また、セル電圧が第1の閾値よりも低い第2の閾値を下回る場合、または、セル電圧が所定期間における最小電圧Vminを示す場合、電池が充電する可能性が高い。また、電流値が所定の閾値を超える場合にも、閾値以下の場合に較べて電池状態が大きく変動する可能性が高い。
【0121】
以上のように、制御装置40は、取得した電池情報に基づいて、電池状態が大きく変動する可能性が高いか否かを判定する。
【0122】
大きく変動する可能性が高いと判定すると、制御装置40は、周期を拡大する第1拡大処理を実行する(ステップS110B)。第1拡大処理において、制御装置40は、通常通信時に対して周期を拡大するとともに、その拡大量が後述する周期T42Sよりも大きくなるように、周期T42Bを設定する。つまり制御装置40は、拡大量を大として周期を設定する。図16に示すように、周期T42Bにおいて、各監視装置30とのデータ通信のために割り当てられた期間は、周期T41と等しい。周期の拡大により、非通信期間NCP、特にマージン期間が長くなる。非通信期間NCPのうちのマージン期間において、制御装置40は、SBM2との間で、スキャン動作を含む接続確立処理を実行する。
【0123】
一方、大きく変動する可能性が低いと判定すると、制御装置40は、周期を拡大する第2処理を実行する(ステップS110C)。第2処理において、制御装置40は、通常通信時に対して周期を拡大するとともに、その拡大量が周期T42Bよりも小さくなるように、周期T42Sを設定する。つまり制御装置40は、拡大量を小として周期を設定する。図16に示すように、周期T42Sにおいて、各監視装置30とのデータ通信のために割り当てられた期間は、周期T41と等しい。周期の拡大により、非通信期間NCP、特にマージン期間が長くなる。しかしながら、その拡大量は、周期T42Bよりも小さい。非通信期間NCPのうちのマージン期間において、制御装置40は、SBM2との間で、スキャン動作を含む接続確立処理を実行する。
【0124】
なお、ステップS102において、走行中ではないと判定した場合にも、制御装置40は、ステップS110Cの処理を実行する。非走行中の場合には、電池状態が大きく変動することがないため、制御装置40は、ステップS110Cの処理を実行する。以上のように、制御装置40は、接続必要時の周期を設定する。
【0125】
制御装置40は、ステップS110BまたはステップS110Cの処理が終了すると、次いでステップS120以降の処理を実行する。ステップS120以降の処理については、図8に示した例と同じであるため、説明を省略する。
【0126】
<第4実施形態のまとめ>
本実施形態によれば、先行実施形態に記載の構成と同等の効果を奏することができる。
【0127】
本実施形態において、制御装置40は、電池の状態の変動可能性が大きい場合に、電池の状態の変動可能性が小さい場合よりも、周期における非通信期間NCPを長くする。これにより、電池の状態が大きく変動する可能性が高い場合により長いスキャン時間を確保し、接続を早めることができる。たとえば、電池の状態が大きく変動する際に、電池情報を含む監視データの欠落が生じるのを抑制することができる。
【0128】
図15に示した例では、制御装置40が、接続必要時において、走行中かつ電池状態が大きく変動する可能性が高い場合に周期拡大量を大きくし、非走行中または電池状態が大きく変動する可能性が低い場合に周期拡大量を小さくした。しかしながら、この例に限定されない。
【0129】
たとえば、ステップS102の処理を排除してもよい。つまり、制御装置40は、電池状態が大きく変動する可能性が高い場合に周期拡大量を大きくし、電池状態が大きく変動する可能性が低い場合に周期拡大量を小さくしてもよい。また、ステップS104、S106の処理を排除してもよい。つまり、制御装置40は、走行中の場合に周期拡大量を大きくし、非走行中の場合に周期拡大量を小さくしてもよい。いずれの場合も、電池の状態が大きく変動する可能性が高い場合により長いスキャン時間を確保し、接続を早めることができる。
【0130】
本実施形態に記載の構成は、第1実施形態に記載の構成、第2実施形態の記載の構成、第3実施形態に記載の構成のいずれとも組み合わせが可能である。たとえば、周期拡大量に差を設けることに代えて、データ通信期間の縮小量に差を設けるようにしてもよい。つまり、電池の状態が大きく変動する可能性が低い場合には、接続必要時におけるデータ通信期間の縮小量を小さくする。一方、電池の状態が大きく変動する可能性が高い場合には、データ通信期間の縮小量を、可能性が低い場合よりも大きくする。これにより、電池の状態が大きく変動する可能性が高い場合に非通信期間NCPをより長くすることができる。
【0131】
(第5実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例であり、先行実施形態の記載を援用できる。先行実施形態では、接続確立を早めるために非通信期間を長くした。これに代えて、電力消費を低減するために非通信期間を長くしてもよい。
【0132】
図17は、本実施形態の制御装置40が実行する周期設定処理の一例を示すフローチャートである。図18は、周期の一例を示すタイミングチャートである。図18でも、制御装置40が、SBM1、SBM2、SBM3との間で無線通信を行う例を示している。
【0133】
制御装置40は、周期設定処理を、所定の周期で繰り返し実行する。図17に示すように、先ず制御装置40は、車両10が非走行中か否かを判定する(ステップS200)。制御装置40は、第4実施形態に記載したように、たとえば車速センサなどのセンサ信号、IGスイッチやSMRのオンオフなどに基づいて、非走行中か否かを判定する。
【0134】
非走行中であると判定した場合、制御装置40は、周期の非通信期間が長くなるように、周期を設定する(ステップS210)。一方、非走行中ではない、つまり走行中であると判定した場合、制御装置40は、周期の非通信期間がステップS210で設定される非通信期間よりも短くなるように、周期を設定する(ステップS220)。ステップS210またはステップS220の処理を終了すると、制御装置40は一連の処理を終了する。
【0135】
図18に示すように、走行時において、制御装置40は、非通信期間NCPの短い周期T51を設定する。非走行時において、制御装置40は、走行時よりも非通信期間NCPの長い周期T52を設定する。図18に示す例では、走行時、非走行時ともに、非通信期間NCPが、周期の末尾に設けられたマージン期間である。監視装置30とのデータ通信期間は、走行時と非走行時とで互いに等しい。制御装置40は、非走行時において、走行時に設定する周期T51よりも長い周期T52を設定する。
【0136】
<第5実施形態のまとめ>
本実施形態によれば、非走行時において、制御装置40が周期T52を設定することで、走行時よりも非通信期間NCPが長くなる。非通信期間NCPは、制御装置40と監視装置30との間でデータ通信を行わない通信の休止期間である。これにより、制御装置40と各監視装置30との通信機会が減少する。したがって、非走行時においても電池情報を監視しつつ、電池管理システム60による電力消費を低減することができる。非走行時に監視を停止しないため、電池セル22の異常を検出することができる。
【0137】
非走行時に異常を検出した場合、制御装置40は、周期を非通信期間NCPが短い周期T51に切り替えて、監視装置30との通信機会を増やしてもよい。周期T51を所定の時間設定し、電池セル22の状態を注視した結果、問題ないと判定した場合、制御装置40は、周期を非通信期間NCPが長い周期T52に切り替えてもよい。
【0138】
<変形例>
周期を長くすることで、非走行時における非通信期間NCPを長くする例を示したが、これに限定されない。図19に示す例では、非走行時に設定する周期T52Aが、走行時に設する周期T51Aと同じ時間を有している。周期T52Aのデータ通信期間は、周期T51Aのデータ通信期間に対して短い。これにより、非走行時の非通信期間NCPが、走行時よりも長くなっている。このような周期を設定した場合でも、単位時間当たりの通信機会が減少するため、非走行時において電池情報を監視しつつ、電池管理システム60による電力消費を低減することができる。
【0139】
図17に示す例では、車両10の走行状態に応じて非通信期間に差を設ける例を示した。これに代えて、電池状態が大きく変動する可能性に応じて非通信期間に差を設けてもよい。車両10の走行時には、電池状態が大きく変動する可能性がある。一方、駐停車中など、車両10の非走行時には、電池状態が大きく変動する可能性がほとんどない。制御装置40は、ステップS200の処理に代えて、図15に示したステップS104、S106の同様の処理を実行してもよい。
【0140】
制御装置40は、電池状態が大きく変動する可能性が低い場合に、ステップS210の処理を実行して非通信期間NCPの長い周期T52を設定する。制御装置40は、電池状態が大きく変動する可能性が高い場合に、ステップS220の処理を実行して非通信期間NCPの短い周期T51を設定する。これにより、電池状態が大きく変動しない場合に、電池情報を監視しつつ、電池管理システム60による電力消費を低減することができる。
【0141】
(第6実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例であり、先行実施形態の記載を援用できる。先行実施形態では、接続が必要な監視装置の有無を判定し、接続が必要な場合に、非通信期間を長くした。これに代えて、電池の内部抵抗および開放電圧の少なくとも一方を算出するためのデータの取得回数が所定期間において所定数に到達しない場合に、非通信期間を長くしてもよい。
【0142】
制御装置40は、取得した電池情報に基づいて電池の内部抵抗および開放電圧の少なくとも一方を算出する。電池が劣化すると、内部抵抗が増大し、出力電圧が下がる。制御装置40は、算出した内部抵抗に基づいて、電池劣化の検知を行う。開放電圧は、電池に負荷をかけていない状態の電圧である。つまり、電流が流れていない状態の電圧である。制御装置40は、算出した開放電圧に基づいて、電池異常の検知を行う。制御装置40は、たとえば隣り合う電池セル22の開放電圧の差が所定値を超えると、異常を検知する。
【0143】
制御装置40は、所定期間(所定時間)に得られた複数回の電池情報を用いて、内部抵抗および開放電圧の少なくとも一方を算出する。制御装置40は、たとえば取得したセル電圧と、電流値とを用いて、内部抵抗および開放電圧の少なくとも一方を算出する。制御装置40は、たとえば最小二乗法を用いて、内部抵抗および開放電圧の少なくとも一方を算出する。最小二乗法などにより内部抵抗や開放電圧を算出するには、たとえば十数周期~数十周期分の時間(所定期間)において、数回~数十回(所定回数)のデータの取得が必要である。制御装置40は、電池セル22ごとに、内部抵抗および開放電圧のすくなとも一方を算出する。
【0144】
図20は、本実施形態の制御装置40が実行する周期設定処理の一例を示すフローチャートである。先ず制御装置40は、所定期間中に取得した電池情報の回数が、所定の複数回未満であるか否かを判定する(ステップS100A)。制御装置40は、監視装置30ごとに、電池情報の取得回数の判定を行う。すべての監視装置30について電池情報の取得回数が所定の複数回を下回っていないと判定すると、制御装置40は、一連の処理を終了する。
【0145】
ステップS100Aにおいて取得回数が所定回数(複数回)を下回っている監視装置30があると判定すると、制御装置40は、図7に示した処理と同様の処理を実行する。具体的には、制御装置40は、周期の拡大処理を実行する。この処理により、先行実施形態に記載したように、非通信期間NCPが長くなる。制御装置40は、先行実施形態同様、非通信期間NCPの少なくとも一部において、接続確立のためにスキャン動作を実行する。制御装置40は、取得回数が所定回数を下回った監視装置30と再接続するために、非通信期間NCPにおいてスキャン動作を実行する。
【0146】
たとえば、監視装置30としてSBM1、SBM2、SBM3を備える構成において、SBM2が所定回数を下回ったとすると、制御装置40は、SBM1およびSBM3とのデータ通信を維持しつつ、SBM2との接続確立を行う。SBM2が、複数の監視装置のうちの任意の第1監視装置に相当する。
【0147】
次いで制御装置40は、先行実施形態同様、ステップS120の処理を実行する。制御装置40は、すべての監視装置30との接続が確立するまで、ステップS120の処理を実行する。すべての監視装置30との接続が確立したと判定すると、次いで制御装置40は、ステップS130の処理を実行して周期を縮小し、一連の処理を終了する。
【0148】
<第6実施形態のまとめ>
本実施形態によれば、先行実施形態に記載の構成と同等の効果を奏することができる。
【0149】
本実施形態では、電池の内部抵抗および開放電圧の少なくとも一方の算出のために必要なデータが不足する場合に、非通信期間を長くして、再接続のタイミングを早める。これにより、内部抵抗や開放電圧を算出できない期間を短くすることができる。したがって、電池劣化を早期に検知することが可能となる。また、電池劣化の検出精度を高めることができる。また、電池異常を早期に検知することが可能となる。
【0150】
本実施形態では、周期拡大により非通信期間NCPを長くする例を示した。つまり、第1実施形態に示した構成との組み合わせを示したが、これに限定されない。第2実施形態に記載の構成、第3実施形態に記載の構成、第4実施形態に記載の構成のいずれとも組み合わせが可能である。たとえば、周期拡大に代えてデータ通信期間を短くし、これにより非通信期間NCPを長くして再接続を早めるようにしてもよい。
【0151】
(他の実施形態)
この明細書および図面等における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。たとえば開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、請求の範囲の記載によって示され、さらに請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものと解されるべきである。
【0152】
明細書および図面等における開示は、請求の範囲の記載によって限定されない。明細書および図面等における開示は、請求の範囲に記載された技術的思想を包含し、さらに請求の範囲に記載された技術的思想より多様で広範な技術的思想に及んでいる。よって、請求の範囲の記載に拘束されることなく、明細書および図面等の開示から、多様な技術的思想を抽出することができる。
【0153】
ある要素または層が「上にある」、「連結されている」、「接続されている」または「結合されている」と言及されている場合、それは、他の要素、または他の層に対して、直接的に上に、連結され、接続され、または結合されていることがあり、さらに、介在要素または介在層が存在していることがある。対照的に、ある要素が別の要素または層に「直接的に上に」、「直接的に連結されている」、「直接的に接続されている」または「直接的に結合されている」と言及されている場合、介在要素または介在層は存在しない。要素間の関係を説明するために使用される他の言葉は、同様のやり方で(例えば、「間に」対「直接的に間に」、「隣接する」対「直接的に隣接する」など)解釈されるべきである。この明細書で使用される場合、用語「および/または」は、関連する列挙されたひとつまたは複数の項目に関する任意の組み合わせ、およびすべての組み合わせを含む。
【0154】
空間的に相対的な用語「内」、「外」、「裏」、「下」、「低」、「上」、「高」などは、図示されているような、ひとつの要素または特徴の他の要素または特徴に対する関係を説明する記載を容易にするためにここでは利用されている。空間的に相対的な用語は、図面に描かれている向きに加えて、使用または操作中の装置の異なる向きを包含することを意図することができる。例えば、図中の装置をひっくり返すと、他の要素または特徴の「下」または「真下」として説明されている要素は、他の要素または特徴の「上」に向けられる。したがって、用語「下」は、上と下の両方の向きを包含することができる。この装置は、他の方向に向いていてもよく(90度または他の向きに回転されてもよい)、この明細書で使用される空間的に相対的な記述子はそれに応じて解釈される。
【0155】
本開示に記載の装置、システム、並びにそれらの手法は、コンピュータプログラムにより具体化されたひとつ以上の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、本開示に記載の装置およびその手法は、専用ハードウェア論理回路を用いて実現されてもよい。さらに、本開示に記載の装置およびその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサとひとつ以上のハードウェア論理回路との組み合わせにより構成されたひとつ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。つまりプロセッサ等が提供する手段および/または機能は、実体的なメモリ装置に記録されたソフトウェアおよびそれを実行するコンピュータ、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの組合せによって提供できる。たとえばプロセッサが備える機能の一部または全部はハードウェアとして実現されても良い。或る機能をハードウェアとして実現する態様には、ひとつ以上のICなどを用いて実現する態様が含まれる。プロセッサは、CPUの代わりに、MPUやGPU、DFPを用いて実現されていてもよい。プロセッサは、CPUや、MPU、GPUなど、複数種類の演算処理装置を組み合せて実現されていてもよい。プロセッサは、システムオンチップ(SoC)として実現されていても良い。さらに、各種処理部は、FPGAや、ASICを用いて実現されていても良い。各種プログラムは、非遷移的実体的記録媒体に格納されていればよい。プログラムの保存媒体としては、HDDやSSD、フラッシュメモリ、SDカードなど、多様な記憶媒体を採用可能であるDFPは、Data Flow Processorの略称である。SoCは、System on Chipの略称である。FPGAは、Field Programmable Gate Arrayの略称である。ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略称である。HDDは、Hard disk Driveの略称である。SSDは、Solid State Driveの略称である。SDは、Secure Digitalの略称である。
【0156】
たとえば監視装置30がマイコン34を備える例を示したが、これに限定されるものではない。図21に示すように、監視装置30がマイコン34を備えない構成の電池管理システム60を採用してもよい。図21は、図4に対応している。この構成では、無線IC35が、監視IC33との間でデータの送受信を行う。監視IC33によるセンシングや自己診断のスケジュール制御については、無線IC35が実行してもよいし、制御装置40のメインマイコン45が実行してもよい。
【0157】
組電池20を構成する電池スタック21および電池セル22の配置や個数は上記した例に限定されない。電池パック11において、監視装置30および/または制御装置40の配置は、上記した例に限定されない。
【0158】
電池パック11が、ひとつの制御装置40を備える例を示したが、これに限定されない。複数の制御装置40を備えてもよい。電池パック11は、複数の監視装置30とひとつ以上の制御装置40を備えればよい。電池管理システム60は、制御装置40と複数の監視装置30との間に構築される無線通信システムを複数組備えてもよい。
【0159】
監視装置30が、監視IC33をひとつ備える例を示したが、これに限定されない。複数の監視IC33を備えてもよい。この場合において、監視IC33ごとに無線IC35を設けてもよいし、複数の監視IC33に対して、ひとつの無線IC35を設けてもよい。
【0160】
電池スタック21ごとに監視装置30を配置する例を示したが、これに限定されない。たとえば複数の電池スタック21に対して、ひとつの監視装置30を配置してもよい。ひとつの電池スタック21に対して、複数の監視装置30を配置してもよい。
【0161】
無線IC44が、マイコン441を備える例を示したが、これに限定されない。マイコン441を備えない構成としてもよい。メインマイコン45が、上記した無線IC44の機能の一部を提供してもよい。たとえば、無線IC35が、マイコンを備えない構成としてもよい。マイコン34が、上記した無線IC35の機能の一部を提供してもよい。
【符号の説明】
【0162】
10…車両、11…電池パック、12…PCU、13…MG、14…ECU、15…バッテリ、20…組電池、21…電池スタック、22…電池セル、23…バスバーユニット、24…バスバー、25…正極端子、26…負極端子、27…バスバーカバー、30…監視装置、31、311、312、313…電源回路、32…マルチプレクサ、33…監視IC、34…マイコン、35…無線IC、36…フロントエンド回路、37…アンテナ、40…制御装置、41、411、412…電源回路、42…アンテナ、43…フロントエンド回路、44…無線IC、440…RF回路、441…マイコン、442…周期設定部、45…メインマイコン、46…サブマイコン、50…筐体、60…電池管理システム、70…センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
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図19
図20
図21