(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-07
(45)【発行日】2025-04-15
(54)【発明の名称】表示制御システム、センター装置、店舗装置、センター装置の処理方法、及び店舗装置の処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20250408BHJP
G06Q 30/02 20230101ALI20250408BHJP
【FI】
G06Q30/0601 340
G06Q30/02
(21)【出願番号】P 2022551841
(86)(22)【出願日】2021-09-06
(86)【国際出願番号】 JP2021032682
(87)【国際公開番号】W WO2022065014
(87)【国際公開日】2022-03-31
【審査請求日】2024-08-06
(31)【優先権主張番号】P 2020160506
(32)【優先日】2020-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】井上 淳子
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-294289(JP,A)
【文献】特開2018-160069(JP,A)
【文献】特開2006-218030(JP,A)
【文献】パナソニック株式会社コネクティッドソリューションズ社,電子棚札(ESL)ソリューション カタログ,2017年07月12日,p.1-4,第3頁中段
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部端末からメーカー識別情報を含む認証情報を取得し、前記認証情報に基づく認証を行う認証手段と、
前記認証に成功した場合、前記外部端末から、店舗に設置された表示端末の中の少なくとも1つを指定する表示端末指定情報、及び指定した前記表示端末に表示させるコンテンツを指定するコンテンツ情報を含む制御情報を取得する制御情報取得手段と、
前記制御情報に従って、前記制御情報を示す情報を出力する出力手段と、
を有
し、
前記表示端末は電子棚札であり、
前記店舗において、複数の前記電子棚札が複数の商品各々に紐付けて設置されており、
前記表示端末指定情報は、紐付いている前記商品を識別する情報を、前記表示端末を指定する情報として含むセンター装置。
【請求項2】
前記制御情報取得手段は、前記コンテンツを表示させる前記店舗を指定する店舗指定情報をさらに含む前記制御情報を取得する請求項1に記載のセンター装置。
【請求項3】
前記制御情報取得手段は、前記表示端末指定情報で指定された前記表示端末に前記コンテンツを表示させる表示条件をさらに含む前記制御情報を取得する請求項1又は2に記載のセンター装置。
【請求項4】
前記表示端末指定情報は、前記店舗内での設置位置を示す情報を、前記表示端末を指定する情報として含む請求項1から
3のいずれか1項に記載のセンター装置。
【請求項5】
前記制御情報に基づく前記表示端末の表示制御内容に応じて、メーカーに請求する前記表示端末の利用料を算出する算出手段をさらに有する請求項1から
4のいずれか1項に記載のセンター装置。
【請求項6】
請求項1から
5のいずれか1項に記載のセンター装置から、店舗に設置された表示端末の中の少なくとも1つを指定する表示端末指定情報、及び指定した前記表示端末に表示させるコンテンツを指定するコンテンツ情報を含む制御情報を取得する店舗取得手段と、
前記制御情報に基づき、前記店舗に設置された前記表示端末の表示を制御する表示制御手段と、
を有する店舗装置。
【請求項7】
請求項1から
5のいずれか1項に記載のセンター装置と、
請求項
6に記載の店舗装置と、
を有する表示制御システム。
【請求項8】
センター装置が、
外部端末からメーカー識別情報を含む認証情報を取得し、前記認証情報に基づく認証を行い、
前記認証に成功した場合、前記外部端末から、店舗に設置された表示端末の中の少なくとも1つを指定する表示端末指定情報、及び指定した前記表示端末に表示させるコンテンツを指定するコンテンツ情報を含む制御情報を取得し、
前記制御情報に従って、前記制御情報を示す情報を出力
し、
前記表示端末は電子棚札であり、
前記店舗において、複数の前記電子棚札が複数の商品各々に紐付けて設置されており、
前記表示端末指定情報は、紐付いている前記商品を識別する情報を、前記表示端末を指定する情報として含むセンター装置の処理方法。
【請求項9】
店舗装置が、
請求項1から
5のいずれか1項に記載のセンター装置から、店舗に設置された表示端末の中の少なくとも1つを指定する表示端末指定情報、及び指定した前記表示端末に表示させるコンテンツを指定するコンテンツ情報を含む制御情報を取得し、
前記制御情報に基づき、前記店舗に設置された前記表示端末の表示を制御する店舗装置の処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御システム、センター装置、店舗装置、センター装置の処理方法、店舗装置の処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に関連する技術が、特許文献1乃至4に開示されている。
【0003】
特許文献1は、小売店に導入された印刷装置が、メーカーサーバから送信された更新情報で更新後の広告媒体を印刷する技術を開示している。特許文献2乃至4は、電子棚札に関する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-106249号公報
【文献】特開2001-222632号公報
【文献】特開2008-123046号公報
【文献】特表2014-519638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年の電子棚札は、商品名や価格のみならず各種情報を表示可能な表示媒体となっている。そして、電子棚札は商品毎に設置される。このため、店舗に、各種情報を表示可能な表示媒体が多数設置されることとなっている。このような電子棚札を、単に店舗側が決定した情報を表示する表示媒体として利用するのでなく、より有効活用することが望まれている。
【0006】
本発明の課題は、従来にない手法で店舗に設置された電子棚札等の表示端末を有効活用する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、
外部端末からメーカー識別情報を含む認証情報を取得し、前記認証情報に基づく認証を行う認証手段と、
前記認証に成功した場合、前記外部端末から、店舗に設置された表示端末の中の少なくとも1つを指定する表示端末指定情報、及び指定した前記表示端末に表示させるコンテンツを指定するコンテンツ情報を含む制御情報を取得する制御情報取得手段と、
前記制御情報に従って、前記制御情報を示す情報を出力する出力手段と、
を有するセンター装置が提供される。
【0008】
また、本発明によれば、
前記センター装置から、店舗に設置された表示端末の中の少なくとも1つを指定する表示端末指定情報、及び指定した前記表示端末に表示させるコンテンツを指定するコンテンツ情報を含む制御情報を取得する店舗取得手段と、
前記制御情報に基づき、前記店舗に設置された前記表示端末の表示を制御する表示制御手段と、
を有する店舗装置が提供される。
【0009】
また、本発明によれば、前記センター装置と、前記店舗装置とを有する表示制御システムが提供される。
【0010】
また、本発明によれば、
センター装置が、
外部端末からメーカー識別情報を含む認証情報を取得し、前記認証情報に基づく認証を行い、
前記認証に成功した場合、前記外部端末から、店舗に設置された表示端末の中の少なくとも1つを指定する表示端末指定情報、及び指定した前記表示端末に表示させるコンテンツを指定するコンテンツ情報を含む制御情報を取得し、
前記制御情報に従って、前記制御情報を示す情報を出力するセンター装置の処理方法が提供される。
【0011】
また、本発明によれば、
店舗装置が、
前記センター装置から、店舗に設置された表示端末の中の少なくとも1つを指定する表示端末指定情報、及び指定した前記表示端末に表示させるコンテンツを指定するコンテンツ情報を含む制御情報を取得し、
前記制御情報に基づき、前記店舗に設置された前記表示端末の表示を制御する店舗装置の処理方法が提供される。
【0012】
また、本発明によれば、
センター装置のコンピュータを、
外部端末からメーカー識別情報を含む認証情報を取得し、前記認証情報に基づく認証を行う認証手段、
前記認証に成功した場合、前記外部端末から、店舗に設置された表示端末の中の少なくとも1つを指定する表示端末指定情報、及び指定した前記表示端末に表示させるコンテンツを指定するコンテンツ情報を含む制御情報を取得する制御情報取得手段、
前記制御情報に従って、前記制御情報を示す情報を出力する出力手段、
として機能させるプログラムが提供される。
【0013】
また、本発明によれば、
店舗装置のコンピュータを、
前記センター装置から、店舗に設置された表示端末の中の少なくとも1つを指定する表示端末指定情報、及び指定した前記表示端末に表示させるコンテンツを指定するコンテンツ情報を含む制御情報を取得する店舗取得手段、
前記制御情報に基づき、前記店舗に設置された前記表示端末の表示を制御する表示制御手段、
として機能させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、従来にない手法で店舗に設置された電子棚札等の表示端末を有効活用する技術が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本実施形態の表示制御システムの全体像を説明するための図である。
【
図2】本実施形態の装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
【
図3】本実施形態のセンター装置の機能ブロック図の一例である。
【
図4】本実施形態の表示制御システムが処理する情報の一例を模式的に示す図である。
【
図5】本実施形態の表示制御システムが処理する情報の一例を模式的に示す図である。
【
図6】本実施形態の表示制御システムが処理する情報の一例を模式的に示す図である。
【
図7】本実施形態のセンター装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】本実施形態の店舗装置の機能ブロック図の一例である。
【
図9】本実施形態の表示制御システムの処理の具体例を説明するための図である。
【
図10】本実施形態の店舗装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図11】本実施形態の表示制御システムが処理する情報の一例を模式的に示す図である。
【
図12】本実施形態のセンター装置の機能ブロック図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0017】
<第1の実施形態>
「概要」
本実施形態の表示制御システムは、電子棚札等の表示端末を利用する小売店で利用される。そして、表示制御システムによれば、小売店で扱っている商品(販売している商品)のメーカーがその小売店の店舗に設置されている表示端末に所望の情報を表示させることが可能となる。表示制御システムは、このような作用効果を実現する構成を有する。
【0018】
「全体像」
次に、
図1を用いて、本実施形態の表示制御システムの全体像を説明する。表示制御システムは、センター装置10と店舗装置20とを有する。表示制御システムは、さらに表示端末30を含んでもよい。なお、本実施形態では、表示端末30は電子棚札であることを前提とするが、以下で変形例を説明する。
【0019】
センター装置10は、複数の店舗を管理する本部に設置される。店舗装置20は、複数の店舗各々に設置される。表示端末30は、複数の店舗各々に設置される。表示端末30は、各店舗で扱っている商品各々に紐付けて陳列棚の所定位置に設置される。外部端末40は、店舗で扱っている商品のメーカーが操作する端末である。
【0020】
センター装置10と複数の店舗装置20各々とは、有線及び/又は無線で通信可能になっている。また、各店舗に設置された店舗装置20と複数の表示端末30各々とは、有線及び/又は無線で通信可能になっている。また、センター装置10と複数のメーカー各々の外部端末40とは、有線及び/又は無線で通信可能になっている。
【0021】
これらの装置により実現される処理の概要は次の通りである。まず、メーカーは、外部端末40を操作してセンター装置10にアクセスし、メーカー識別情報を含む認証情報をセンター装置10に送信する。そして、認証に成功した後、メーカーは、店舗に設置された表示端末30の中の少なくとも1つを指定する表示端末指定情報、及び指定した表示端末30に表示させるコンテンツを指定するコンテンツ情報を含む制御情報を、外部端末40を介してセンター装置10に送信する。
【0022】
センター装置10は、認証に成功した正当な権限を有するメーカーにより送信された上記制御情報を受信する。そして、センター装置10は、受信した制御情報を所定の店舗装置20に送信する。制御情報を受信した店舗装置20は、制御情報に基づき、所定の表示端末30に所定のコンテンツを表示させる。
【0023】
「ハードウエア構成」
次に、センター装置10及び店舗装置20のハードウエア構成の一例を説明する。
図2は、センター装置10及び店舗装置20のハードウエア構成例を示す図である。センター装置10及び店舗装置20が備える各機能部は、任意のコンピュータのCPU(Central Processing Unit)、メモリ、メモリにロードされるプログラム、そのプログラムを格納するハードディスク等の記憶ユニット(あらかじめ装置を出荷する段階から格納されているプログラムのほか、CD(Compact Disc)等の記憶媒体やインターネット上のサーバ等からダウンロードされたプログラムをも格納できる)、ネットワーク接続用インターフェイスを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。
【0024】
図2に示すように、センター装置10及び店舗装置20各々は、プロセッサ1A、メモリ2A、入出力インターフェイス3A、周辺回路4A、バス5Aを有する。周辺回路4Aには、様々なモジュールが含まれる。センター装置10及び店舗装置20の少なくとも一方は、周辺回路4Aを有さなくてもよい。
【0025】
なお、センター装置10及び店舗装置20各々は物理的及び/又は論理的に分かれた複数の装置で構成されてもよいし、物理的及び論理的に一体となった1つの装置で構成されてもよい。前者の場合、各装置が上記ハードウエア構成を備えることができる。
【0026】
バス5Aは、プロセッサ1A、メモリ2A、周辺回路4A及び入出力インターフェイス3Aが相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。プロセッサ1Aは、例えばCPU、GPU(Graphics Processing Unit)などの演算処理装置である。メモリ2Aは、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリである。入出力インターフェイス3Aは、入力装置、外部装置、外部サーバ、外部センサ等から情報を取得するためのインターフェイスや、出力装置、外部装置、外部サーバ等に情報を出力するためのインターフェイスなどを含む。入力装置は、例えばキーボード、マウス、マイク等である。出力装置は、例えばディスプレイ、スピーカ、プリンター、メーラ等である。プロセッサ1Aは、各モジュールに指令を出し、それらの演算結果をもとに演算を行うことができる。
【0027】
「機能構成」
-センター装置10-
図3の機能ブロック図に示すように、センター装置10は、認証部11と、制御情報取得部12と、出力部13と、記憶部14とを有する。なお、センター装置10は記憶部14を有さなくてもよい。この場合、センター装置10と通信可能に構成された外部装置が記憶部14を備える。
【0028】
認証部11は、外部端末40からメーカー識別情報を含む認証情報を取得し、認証情報に基づく認証を行う。認証部11が行う認証処理には、従来のあらゆる認証技術を採用することができる。
【0029】
例えば、センター装置10は、通信ネットワークを介してアクセスしてきた外部端末40にログインページを提供する。外部端末40は、当該ログインページを自端末のディスプレイに表示し、当該ログインページ上でメーカー識別情報を含む認証情報の入力を受付ける。そして、外部端末40は、入力された認証情報をセンター装置10に送信する。センター装置10は、受信した認証情報と、予め記憶部14に記憶されている参照情報(各メーカーの認証情報)とを照合して、認証処理を行う。
【0030】
メーカー識別情報は、複数のメーカーを互いに識別する情報である。認証情報は、メーカー識別情報の他、パスワード、ワンタイムパスワード、メーカーの担当者の生体情報(顔情報、指紋情報、虹彩情報、声紋情報等)、キーワード等を含んでもよい。
【0031】
制御情報取得部12は、認証部11による認証に成功した場合、外部端末40から、店舗に設置された表示端末30の表示を制御するための制御情報を取得する。
【0032】
例えば、センター装置10は、認証部11による認証に成功した後、制御情報を入力するためのユーザページを外部端末40に提供する。外部端末40は、当該ページを自端末のディスプレイに表示し、当該ページ上で制御情報の入力を受付ける。そして、外部端末40は、入力された制御情報をセンター装置10に送信する。
【0033】
制御情報は、店舗指定情報、表示端末指定情報、コンテンツ情報及び表示条件の中の少なくとも1つを含む。
【0034】
「店舗指定情報」は、表示端末30の表示制御の対象となる店舗を指定する情報である。店舗指定情報により、複数の店舗の中の少なくとも1つが指定される。制御情報がこのような店舗指定情報を含まない場合、全ての店舗が表示端末30の表示制御の対象として指定されてもよい。以下、店舗指定の例を説明する。
【0035】
-店舗指定例1-
店舗指定情報は、例えば、店舗名等の店舗識別情報で所望の店舗を指定する情報であってもよい。この場合、メーカーは、所望の店舗の店舗識別情報を、店舗指定情報として外部端末40に入力する。
【0036】
-店舗指定例2-
その他、店舗指定情報は、店舗属性で所望の店舗を指定する情報であってもよい。店舗属性は、店舗の所在地、店舗の周辺環境、店舗の扱い商品、運営形態(本部直営店/フランチャイズ店)等が例示されるがこれらに限定されない。
【0037】
この場合、メーカーは、所望の店舗属性を、店舗指定情報として外部端末40に入力する。そして、センター装置10は、予め生成された店舗情報に基づき、指定された店舗属性に該当する店舗を検索し、検索した店舗を表示端末30の表示制御の対象として特定する。上記店舗情報は、複数の店舗各々の店舗属性を示す情報であり、記憶部14及び/又は各店舗装置20の記憶部23に記憶されている。
【0038】
メーカーによる店舗属性の指定の例としては、「所在地が東京都の店舗」、「周辺100m以内に駅がある店舗」、「商品Aを扱っている店舗」、「本部直営店」等の条件や、このような条件の複数を所定の論理演算子で繋いだ条件等が例示される。なお、この例示はあくまで一例であり、これに限定されない。
【0039】
-店舗指定例3-
その他、店舗指定情報は、全ての店舗を指定する情報であってもよい。この場合、メーカーは、店舗指定情報として、全ての店舗を指定する入力を外部端末40に対して行う。
【0040】
「表示端末指定情報」は、表示制御の対象となる表示端末30を指定する情報である。表示端末指定情報により、店舗に設置された複数の表示端末30の中の少なくとも1つが指定される。制御情報がこのような表示端末指定情報を含まない場合、全ての表示端末30、又は、各メーカーの商品に紐付けられる全ての表示端末30が表示制御の対象として指定されてもよい。なお、メーカーによる表示端末指定情報の入力は、店舗毎に行えてもよいし、複数の店舗をまとめて行えてもよい。以下、表示端末指定の例を説明する。
【0041】
-表示端末指定例1-
表示端末指定情報は、例えば、紐付いている商品を識別する情報(商品名や商品コード等の商品識別情報)を、表示端末30を指定する情報として含んでもよい。店舗においては、複数の表示端末30が複数の商品各々に紐付けて設置され、各商品に紐付いた各表示端末30には、紐付いた商品の情報(商品名、単価等)が表示される。このため、商品識別情報により表示端末30を指定することができる。
【0042】
この場合、メーカーは、所望の商品識別情報を、表示端末指定情報として外部端末40に入力する。そして、センター装置10及び店舗装置20の少なくとも一方は、予め生成された表示端末属性情報に基づき、表示端末指定情報(商品識別情報)に紐付いている表示端末30を表示制御の対象として特定する。上記表示端末属性情報は、
図4に示すように、複数の表示端末30各々と商品との紐付け関係を示す情報であり、記憶部14及び/又は各店舗装置20の記憶部23に記憶される。表示端末属性情報は、店舗毎に生成される。
図4に示す表示端末属性情報は、表示端末識別情報と商品識別情報とを互いに紐付けている。
【0043】
-表示端末指定例2-
その他、表示端末指定情報は、店舗内での設置位置を示す情報を、表示端末30を指定する情報として含んでもよい。この場合、メーカーは、所望の設置位置を、表示端末指定情報として外部端末40に入力する。そして、センター装置10及び店舗装置20の少なくとも一方は、予め生成された表示端末属性情報に基づき、表示端末指定情報(設置位置)に合致する表示端末30を表示制御の対象として特定する。上記表示端末属性情報は、
図4に示すように、複数の表示端末30各々の設置位置を示す情報であり、記憶部14及び/又は各店舗装置20の記憶部23に記憶される。表示端末属性情報は、店舗毎に生成される。
図4に示す表示端末属性情報は、表示端末識別情報と各表示端末30の設置位置を示す位置情報とを互いに紐付けている。
【0044】
図示する例の場合、表示端末30の設置位置が、通路番号、棚番号、棚段により示されているが、その他の手法で示されてもよい。図示しないが、さらに各陳列棚や各通路の属性(レジ前、入口付近、レジに繋がる通路等)を示す情報が含まれてもよい。
【0045】
メーカーによる設置位置の指定の例としては、「陳列棚の上から2段目の陳列エリア」、「レジに繋がる通路に面する陳列エリア」、「レジ前の陳列棚」、「入口付近の陳列棚」等の条件や、このような条件の複数を所定の論理演算子で繋いだ条件等が例示される。なお、この例示はあくまで一例であり、これに限定されない。
【0046】
-表示端末指定例3-
また、センター装置10は、各店舗の店内レイアウト(陳列棚のレイアウトを示す)を示す画像を外部端末40に送信し、表示させてもよい。そして、メーカーは、この店内レイアウト上で、所望の設置位置を指定する入力(陳列棚を指定する入力、段を指定する入力等)を行ってもよい。
【0047】
-表示端末指定例4-
なお、各メーカーは、各メーカーの商品に紐付けられた表示端末30のみを指定できてもよい。すなわち、各メーカーが入力する表示端末指定情報は、各メーカーの商品に紐付けられた表示端末30の中の少なくとも1つを指定する情報であってもよい。この場合、制御情報取得部12は、上記表示端末指定例1乃至3のいずれかで取得した表示端末指定情報が当該条件を満たすか否かを判断する。そして、当該条件を満たさない場合、エラー情報を外部端末40に返信する。
【0048】
例えば、表示端末指定情報として商品識別情報を取得した場合、制御情報取得部12は、予め記憶部14及び/又は各店舗装置20の記憶部23に記憶された商品情報(
図5参照)に基づき、取得した商品識別情報で識別される商品がそのメーカーの商品であるか判断する。そして、取得した商品識別情報で識別される商品がそのメーカーの商品でない場合、エラー情報を外部端末40に返信する。
図5に示す商品情報では、商品識別情報と、商品名と、メーカー識別
情報と、単価とが互いに紐付けられている。
【0049】
その他、例えば、表示端末指定情報として店舗内での設置位置を示す情報を取得した場合、制御情報取得部12は、上述した表示端末属性情報(
図4参照)と商品情報(
図5参照)とに基づき、取得した表示端末指定情報で指定された位置にそのメーカーの商品が陳列されているか判断する。そして、取得した表示端末指定情報で指定された位置にそのメーカーの商品が陳列されていない場合、エラー情報を外部端末40に返信する。
【0050】
-表示端末指定例5-
なお、メーカーが入力する表示端末指定情報は、各メーカーの商品に紐付けられた全ての表示端末30を指定する情報であってもよい。この場合、メーカーは、表示端末指定情報として、自メーカーの商品に紐付けられた全ての表示端末30を指定する入力を外部端末40に対して行う。
【0051】
「コンテンツ情報」は、表示制御の対象として指定された表示端末30に表示させるコンテンツを指定する情報である。コンテンツは、例えば広告、キャンペーン情報、クーポン、商品関連情報等である。商品関連情報は、メーカーが用意した商品に関連するウェブページ(商品紹介ページ等)のURLを含んでもよい。当該URLは、QRコード(登録商標)で表示されてもよい。なお、商品Aのコンテンツを、商品Aに紐付いた表示端末30のみならず、他の商品に紐付いた表示端末30に表示できてもよい。
【0052】
なお、メーカーによるコンテンツ情報の入力は、店舗毎に行えてもよいし、複数の店舗をまとめて行えてもよい。また、メーカーによるコンテンツ情報の入力は、表示制御の対象として指定された表示端末30毎に行えてもよいし、複数の表示端末30をまとめて行えてもよい。以下、コンテンツ指定の例を説明する。
【0053】
-コンテンツ指定例1-
コンテンツ情報は、コンテンツのファイル(静止画ファイル、動画ファイル、音声ファイル等)そのものであってもよい。この場合、メーカーは、コンテンツを自身で用意(生成)し、コンテンツ情報として外部端末40からセンター装置10に送信(アップロード)させる。
【0054】
-コンテンツ指定例2-
その他、コンテンツ情報は、予め記憶部14に記憶されているコンテンツのファイルの中のいずれかを指定する情報(ファイル名等)であってもよい。この場合、メーカーは、自身で用意(生成)したコンテンツのファイル(静止画ファイル、動画ファイル、音声ファイル等)を、予め外部端末40からセンター装置10に送信(アップロード)させ、記憶部14に登録させておいてもよい。その他、以前にコンテンツ情報としてセンター装置10に送信したコンテンツのファイルが、そのまま記憶部14に保存されていてもよい。メーカーは、例えばこのようにして予め記憶部14に記憶されたコンテンツのファイルの中からいずれかを指定する。
【0055】
「表示条件」は、表示制御の対象として指定された表示端末30に、コンテンツ情報で指定されたコンテンツを表示させる条件(以降、「表示条件」という)である。表示条件に合致したタイミングで、その表示端末30にそのコンテンツが表示される。
【0056】
なお、メーカーによる表示条件の入力は、店舗毎に行えてもよいし、複数の店舗をまとめて行えてもよい。また、メーカーによる表示条件の入力は、表示制御の対象として指定された表示端末30毎に行えてもよいし、複数の表示端末30をまとめて行えてもよい。
【0057】
例えば、表示条件では、「2020年3月1日から2020年3月14日まで」のようにコンテンツを表示する期間を指定できてもよい。
【0058】
その他、表示条件では、コンテンツを表示する曜日を指定できてもよい。
【0059】
その他、表示条件では、「11時00分から17時00分まで」のようにコンテンツを表示する時間帯を指定できてもよい。
【0060】
その他、表示条件では、コンテンツを表示する日の天気、気温、店舗の混雑状況等を指定できてもよい。
【0061】
制御情報取得部12は、取得した制御情報を、メーカー毎にまとめて記憶部14に記憶させてもよい。
図6に、記憶部14に登録された制御情報の一例を模式的に示す。図示する例では、取得した制御情報を互いに識別する制御情報番号と、各制御情報がセンター装置10に登録された日時を示す登録日時と、店舗指定情報と、表示端末指定情報と、表示条件と、コンテンツ情報とが互いに紐付けられている。
【0062】
図3に戻り、出力部13は、制御情報に従って、店舗装置20に、制御情報を示す情報を出力する。例えば、出力部13は、制御情報を、その制御情報に含まれる店舗指定情報で指定される店舗の店舗装置20に送信する。
【0063】
次に、
図7のフローチャートを用いて、センター装置10が行う処理の流れの一例を説明する。図示するように、センター装置10は、外部端末40から制御情報を取得し、記憶部14に登録すると(S10)
、その制御情報を店舗装置20に送信する(S11)。なお、センター装置10は、外部端末40から制御情報を取得し、記憶部14に登録されたことに応じてリアルタイムにS11の処理を行ってもよい。その他、S11の処理は、所定時間毎に行われてもよい。この場合、センター装置10は、前回の送信タイミングから今回の送信タイミングまでに記憶部14に登録された制御情報をまとめて店舗装置20に送信する。
【0064】
-店舗装置20-
図8の機能ブロック図に示すように、店舗装置20は、店舗取得部21と、表示制御部22と、記憶部23とを有する。なお、店舗装置20は記憶部23を有さなくてもよい。この場合、店舗装置20と通信可能に構成された外部装置が記憶部23を備える。
【0065】
店舗取得部21は、センター装置10から制御情報を取得する。また、店舗取得部21は、取得した制御情報に含まれるコンテンツ情報で指定されるコンテンツのファイルをセンター装置10から取得する。なお、店舗装置20は、そのコンテンツ情報で指定されるコンテンツのファイルのみをセンター装置10から取得してもよいし、センター装置10の記憶部14に記憶されているコンテンツのファイルの全てを取得してもよい。
【0066】
表示制御部22は、制御情報に基づき、店舗に設置された表示端末30の表示を制御する。すなわち、表示制御部22は、制御情報に含まれる表示端末指定情報で指定される表示端末30に、その制御情報に含まれるコンテンツ情報で指定されるコンテンツを表示させる。また、表示制御部22は、その制御情報に含まれる表示条件に合致するタイミングで、そのコンテンツ情報で指定されるコンテンツを表示させる。
【0067】
なお、表示制御部22は、1つの表示端末30に表示させるコンテンツが複数存在する場合、予め定められた優先順位に基づき、その表示端末30に表示させるコンテンツを決定することができる。当該処理の具体例を説明する。なお、あくまで一例でありこれに限定されない。
【0068】
当該具体例では、表示端末30の制御は
図9に示す5つのパターンに分類される。
【0069】
「1.通常表示」は、メーカー制御や臨時制御がない通常時の制御パターンである。この制御時のコンテンツの決定は、小売店本部が行う。なお、各商品のメーカーがこの制御時のコンテンツを決定してもよい。この制御時には、例えば各商品の商品名、単価、簡単なポップ情報等を含み、販促情報がないか又は少なく、比較的シンプルなコンテンツが表示される。他の制御パターンに基づく制御がない場合、当該通常時の制御パターンで表示端末30にコンテンツが表示される。
【0070】
「2.条件販促表示」は、メーカー制御の1つのパターンである。メーカーは、比較的長い期間を指定して、当該制御を行う。この制御時のコンテンツの決定は、メーカーが行う。メーカーは、例えば図示するような各種表示条件を設定して、当該制御を行う。
【0071】
「3.計画的販促表示切替」は、メーカー制御の1つのパターンである。メーカーは、比較的短い期間を指定して、当該制御を行う。この制御時のコンテンツの決定は、メーカーが行う。メーカーは、例えば図示するような各種表示条件を設定して、当該制御を行う。
【0072】
「4.メーカー即時販促表示」は、メーカー制御の1つのパターンである。当該制御は、メーカーが表示端末30に表示されているコンテンツを即時に変更させる制御である。この制御時のコンテンツの決定は、メーカーが行う。メーカーは、例えば図示するような理由に基づき、表示端末30に表示されているコンテンツを即時に変更させる制御を行う。
【0073】
「5.店舗即時販促表示」は、各店舗の店長や店員、又は小売店本部が表示端末30に表示されているコンテンツを即時に変更させる制御である。例えば、制御情報では、各表示端末30に表示するコンテンツとして複数の選択肢が指定されていてもよい。そして、各店舗の店長や店員、又は小売店本部は、その選択肢の中からいずれかを指定して表示させたり、表示中のコンテンツを他のコンテンツ(選択肢)に変更したりできてもよい。また、各店舗の店長や店員、又は小売店本部は、表示中のある制御パターンのコンテンツを、他の制御パターンのコンテンツに変更できてもよい。店長や店員、又は小売店本部によるこれらの制御の入力は、店舗装置20の入力装置を介して行われてもよいし、表示端末30を介して行われてもよいし、その他の装置を介して行われてもよい。
【0074】
そして、当該例では、
図9に示すように、5つの制御パターンに優先順位が付与されている。表示制御部22は、1つの表示端末30に表示させるコンテンツとして、複数の制御パターンのコンテンツが存在する場合、より優先順位が高い制御パターンのコンテンツをその時に表示させる。
【0075】
次に、
図10のフローチャートを用いて、店舗装置20が行う処理の流れの一例を説明する。図示するように、店舗装置20は、センター装置10から制御情報を取得すると(S20)、その制御情報に基づき表示端末30の表示を制御する(S21)。
【0076】
「作用効果」
本実施形態の表示制御システムによれば、小売店で扱っている商品(販売している商品)のメーカーがその小売店の店舗に設置されている表示端末30に所望の情報を表示させることが可能となる。結果、従来にない手法で店舗に設置された表示端末30を有効活用することが可能となる。
【0077】
<第2の実施形態>
本実施形態の店舗装置20は、制御情報に基づくコンテンツの表示を行っている表示端末30を店長や店員に通知する機能を有する。例えば、店舗装置20は、制御情報に基づくコンテンツの表示を行っている表示端末30に、その旨を示す出力を実行させてもよい。例えば、店舗装置20は、表示端末30が有するライトを点灯させたり、点滅させたり所定の色で点灯/点滅させてもよい。
【0078】
その他、店舗装置20は、その他の出力装置に、制御情報に基づくコンテンツの表示を行っている表示端末30のリストを表示させてもよい。また、店舗装置20は、その他の出力装置に、制御情報に基づくコンテンツの表示を開始したタイミングで、そのコンテンツの表示を開始した表示端末30に関する情報(表示端末30の位置、紐付く商品の識別情報、メーカー名等)を表示させてもよい。また、店舗装置20は、その他の出力装置に、制御情報に基づくコンテンツの表示を終了したタイミングで、そのコンテンツの表示を終了した表示端末30に関する情報(表示端末30の位置、紐付く商品の識別情報、メーカー名等)を表示させてもよい。
【0079】
その他の出力装置は、店舗に設置されたPOS(point of sales)レジスターや、店舗に設置されたコンピュータ等が例示される。これらの装置と店舗装置20は、有線及び/又は無線で通信可能に構成される。その他の出力装置は、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話、スマートウォッチ等の可搬型の装置であってもよい。そして、店舗装置20は、電子メールやアプリ等を利用して、上記情報をこれらの装置に送信してもよい。
【0080】
表示制御システムのその他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0081】
本実施形態の表示制御システムによれば、第1の実施形態と同様の作用効果が実現される。また、本実施形態の表示制御システムによれば、店長や店員は、どの表示端末30がメーカー制御でコンテンツを表示しているかを把握することができる。
【0082】
<第3の実施形態>
本実施形態の表示制御システムでは、メーカーは、自社商品の単価を変更し、変更後の単価を表示端末30に表示させることができる。メーカーは、制御情報の入力と同様にして、店舗の指定、及び、商品の指定(表示端末30の指定)を行った後、さらに指定した商品の単価を指定し、それらを示す制御情報をセンター装置10に送信する。センター装置10は、当該制御情報を指定された店舗の店舗装置20に送信する。
【0083】
店舗装置20は、受信した制御情報に基づき、記憶部23に記憶されている商品マスタを更新する。具体的には、店舗装置20は、受信した制御情報で指定される商品の単価を、受信した制御情報で指定される単価に変更する。そして、店舗装置20は、その商品に紐付けられた表示端末30に表示されている単価を、変更後の単価に変更する。
【0084】
表示制御システムのその他の構成は、第1及び第2の実施形態と同様である。
【0085】
本実施形態の表示制御システムによれば、第1及び第2の実施形態と同様の作用効果が実現される。また、本実施形態の表示制御システムによれば、メーカーは、自社商品の単価を自由に設定することが可能となる。
【0086】
<第4の実施形態>
本実施形態の店舗装置20は、制御情報に基づき表示端末30の表示を制御した履歴を示す履歴情報を、メーカー毎にまとめて記憶部23に記憶させることができる。
図11に、当該履歴情報の一例を示す。図示する例では、制御情報に基づく表示端末30の表示制御(コンテンツの表示)を開始した日時(制御開始日時)及び当該表示制御を終了した日時(制御終了日時)と、その制御情報を識別する制御情報番号と、表示を制御した表示端末30を識別する表示端末識別情報と、表示したコンテンツの種別を示すコンテンツ種別とが互いに紐付けられている。
【0087】
コンテンツ種別は、広告、キャンペーン情報、商品関連情報、単価変更等のようにコンテンツの内容に応じた分類であってもよい。その他、コンテンツ種別は、
図9を用いて説明した制御パターンを示してもよい。
【0088】
そして、
図12に示すように、本実施形態のセンター装置10は、算出部15をさらに有する。算出部15は、制御情報に基づく表示端末30の表示制御内容に基づき、メーカーに請求する表示端末30の利用料を算出する。メーカーは、ここで算出された利用料を、表示端末30の利用に対する対価として小売店に支払うことになる。算出部15は、例えば
図11に示す履歴情報に基づき当該利用料を算出することができる。
【0089】
なお、算出部15は、利用した表示端末30の個数に基づき利用料を算出してもよい。この場合、個数が多くなるほど利用料は高くなる。その他、算出部15は、表示端末30の制御時間(コンテンツの表示時間)に基づき利用料を算出してもよい。この場合、制御時間が長くなるほど利用料は高くなる。個数当たりの料金や、時間当たりの料金は、表示したコンテンツ種別に応じたものであってもよい。また、個数当たりの料金や、時間当たりの料金は、表示端末30の設置位置に応じて、表示端末30毎に異なってもよい。例えば、レジ前、入口付近、人の目線の高さ等、顧客の目につきやすい位置に設置された表示端末30ほど、個数当たりの料金や時間当たりの料金を高くすることができる。
【0090】
その他、算出部15は、表示端末30の制御により実現された効果に基づき利用料を算出してもよい。例えば、通常時の販売実績(単位時間当たりの売上金額、売上個数、利益率等)と、表示端末30のメーカー制御を行っている時の販売実績とに基づき、販売実績が通常時からどれだけ増加したかを示す指標(増加分、増加率等)を算出してもよい。そして、算出部15は、この指標に基づき利用料を算出してもよい。この場合、表示端末30の制御により実現された効果がより好ましいほど(増加分や増加率が大きいほど)、利用料は高くなる。
【0091】
その他、算出部15は、制御情報で商品の単価が変更された場合、変更前後の単価の差分に基づき利用料を算出してもよい。例えば、算出部15は、当該差分に、その間に販売された商品の個数をかけた値を利用料として算出してもよい。
【0092】
また、算出部15は、メーカー制御で表示端末30に表示されたQRコード(登録商標)からのメーカーサイトへのアクセス数に基づき、利用料を算出してもよい。この場合、アクセス数が多いほど利用料は高くなる。なお、所定のサイトへのアクセス数を把握する手段は特段制限されず、あらゆる技術を採用できる。
【0093】
また、算出部15は、当該メーカーサイトからの商品購入実績に基づき、利用料を算出してもよい。この場合、購入実績(購入数、購入金額、利益等)が大きいほど利用料は高くなる。
【0094】
また、算出部15は、メーカー制御で表示端末30に表示されたクーポンの利用状況に基づき、利用料を算出してもよい。この場合、当該クーポンの利用頻度(利用回数等)が高いほど利用料は高くなる。
【0095】
表示制御システムのその他の構成は、第乃至第3の実施形態と同様である。
【0096】
本実施形態の表示制御システムによれば、第1乃至第3の実施形態と同様の作用効果が実現される。また、本実施形態の表示制御システムによれば、メーカーによる表示端末30の利用に対する対価(利用料)を算出することが可能となる。小売店が当該利用料をメーカーから取得することで、メーカーによる表示端末30の利用により、メーカー及び小売店の双方が利益を得ることができるようになる。
【0097】
<変形例>
ここで、すべての実施形態に適用可能な変形例を説明する。上記実施形態では、店舗に設置された表示端末30が電子棚札であることを前提にした。変形例として、表示端末30は、電子棚札以外の装置、例えばデジタルシェルフ(棚札、店舗内の表示端末など)であってもよい。また、表示端末30は、電子棚札と、電子棚札以外の装置とを含んでもよい。当該変形例においても、上記実施形態と同様の処理により、同様の作用効果が実現される。
【0098】
また、上記実施形態では、センター装置10が店舗装置20に制御情報を送信し、店舗装置20が当該制御情報に基づき所定の表示端末30の表示を制御した。変形例として、センター装置10が、店舗装置20を介さずに、制御情報に基づき所定の表示端末30の表示を制御してもよい。すなわち、センター装置10は、店舗装置20を介さずに、表示端末30にコンテンツのファイルを送信してもよい。そして、センター装置10の出力部13が、上述した店舗装置20の表示制御部22の機能を備えてもよい。
【0099】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0100】
なお、本明細書において、「取得」とは、ユーザ入力に基づき、又は、プログラムの指示に基づき、「自装置が他の装置や記憶媒体に格納されているデータを取りに行くこと(能動的な取得)」、たとえば、他の装置にリクエストまたは問い合わせして受信すること、他の装置や記憶媒体にアクセスして読み出すこと等、および、ユーザ入力に基づき、又は、プログラムの指示に基づき、「自装置に他の装置から出力されるデータを入力すること(受動的な取得)」、たとえば、配信(または、送信、プッシュ通知等)されるデータを受信すること、また、受信したデータまたは情報の中から選択して取得すること、及び、「データを編集(テキスト化、データの並び替え、一部データの抽出、ファイル形式の変更等)などして新たなデータを生成し、当該新たなデータを取得すること」の少なくともいずれか一方を含む。
【0101】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
1. 外部端末からメーカー識別情報を含む認証情報を取得し、前記認証情報に基づく認証を行う認証手段と、
前記認証に成功した場合、前記外部端末から、店舗に設置された表示端末の中の少なくとも1つを指定する表示端末指定情報、及び指定した前記表示端末に表示させるコンテンツを指定するコンテンツ情報を含む制御情報を取得する制御情報取得手段と、
前記制御情報に従って、前記制御情報を示す情報を出力する出力手段と、
を有するセンター装置。
2. 前記制御情報取得手段は、前記コンテンツを表示させる前記店舗を指定する店舗指定情報をさらに含む前記制御情報を取得する1に記載のセンター装置。
3. 前記制御情報取得手段は、前記表示端末指定情報で指定された前記表示端末に前記コンテンツを表示させる表示条件をさらに含む前記制御情報を取得する1又は2に記載のセンター装置。
4. 前記表示端末は電子棚札であり、
前記店舗において、複数の前記電子棚札が複数の商品各々に紐付けて設置されており、
前記表示端末指定情報は、紐付いている前記商品を識別する情報を、前記表示端末を指定する情報として含む1から3のいずれかに記載のセンター装置。
5. 前記表示端末指定情報は、前記店舗内での設置位置を示す情報を、前記表示端末を指定する情報として含む1から4のいずれかに記載のセンター装置。
6. 前記表示端末は電子棚札であり、
前記店舗において、複数の前記電子棚札が複数の商品各々に紐付けて設置されており、
各メーカーが入力する前記表示端末指定情報は、各メーカーの前記商品に紐付けられた前記表示端末の中の少なくとも1つを指定する情報である1から5のいずれかに記載のセンター装置。
7. 前記制御情報に基づく前記表示端末の表示制御内容に応じて、メーカーに請求する前記表示端末の利用料を算出する算出手段をさらに有する1から6のいずれかに記載のセンター装置。
8. 1から7のいずれかに記載のセンター装置から、店舗に設置された表示端末の中の少なくとも1つを指定する表示端末指定情報、及び指定した前記表示端末に表示させるコンテンツを指定するコンテンツ情報を含む制御情報を取得する店舗取得手段と、
前記制御情報に基づき、前記店舗に設置された前記表示端末の表示を制御する表示制御手段と、
を有する店舗装置。
9. 前記表示制御手段は、1つの前記表示端末に表示させるコンテンツが複数存在する場合、予め定められた優先順位に基づき、前記表示端末に表示させるコンテンツを決定する8に記載の店舗装置。
10. 1から7のいずれかに記載のセンター装置と、8又は9に記載の店舗装置と、を有する表示制御システム。
11. センター装置が、
外部端末からメーカー識別情報を含む認証情報を取得し、前記認証情報に基づく認証を行い、
前記認証に成功した場合、前記外部端末から、店舗に設置された表示端末の中の少なくとも1つを指定する表示端末指定情報、及び指定した前記表示端末に表示させるコンテンツを指定するコンテンツ情報を含む制御情報を取得し、
前記制御情報に従って、前記制御情報を示す情報を出力するセンター装置の処理方法。
12. 店舗装置が、
1から7のいずれか1項に記載のセンター装置から、店舗に設置された表示端末の中の少なくとも1つを指定する表示端末指定情報、及び指定した前記表示端末に表示させるコンテンツを指定するコンテンツ情報を含む制御情報を取得し、
前記制御情報に基づき、前記店舗に設置された前記表示端末の表示を制御する店舗装置の処理方法。
13. センター装置のコンピュータを、
外部端末からメーカー識別情報を含む認証情報を取得し、前記認証情報に基づく認証を行う認証手段、
前記認証に成功した場合、前記外部端末から、店舗に設置された表示端末の中の少なくとも1つを指定する表示端末指定情報、及び指定した前記表示端末に表示させるコンテンツを指定するコンテンツ情報を含む制御情報を取得する制御情報取得手段、
前記制御情報に従って、前記制御情報を示す情報を出力する出力手段、
として機能させるプログラム。
14. 店舗装置のコンピュータを、
1から7のいずれかに記載のセンター装置から、店舗に設置された表示端末の中の少なくとも1つを指定する表示端末指定情報、及び指定した前記表示端末に表示させるコンテンツを指定するコンテンツ情報を含む制御情報を取得する店舗取得手段、
前記制御情報に基づき、前記店舗に設置された前記表示端末の表示を制御する表示制御手段、
として機能させるプログラム。
【0102】
この出願は、2020年9月25日に出願された日本出願特願2020-160506号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0103】
10 センター装置
11 認証部
12 制御情報取得部
13 出力部
14 記憶部
15 算出部
20 店舗装置
21 店舗取得部
22 表示制御部
23 記憶部
30 表示端末
40 外部端末