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特許7661981情報処理装置、情報処理方法、及びコンピュータプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-07
(45)【発行日】2025-04-15
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/783 20190101AFI20250408BHJP
   G06F 16/683 20190101ALI20250408BHJP
【FI】
G06F16/783
G06F16/683
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022572838
(86)(22)【出願日】2020-12-28
(86)【国際出願番号】 JP2020049173
(87)【国際公開番号】W WO2022144992
(87)【国際公開日】2022-07-07
【審査請求日】2023-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【弁理士】
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(74)【代理人】
【識別番号】100131015
【弁理士】
【氏名又は名称】三輪 浩誉
(72)【発明者】
【氏名】海老原 章記
(72)【発明者】
【氏名】宮川 大輝
【審査官】甲斐 哲雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-245314(JP,A)
【文献】国際公開第2018/179301(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
系列データに含まれる複数の要素を取得する取得手段と、
前記複数の要素のうち少なくとも2つの連続する要素に基づいて、前記系列データが所定のデータと同一対象由来であることの尤もらしさを示す尤度比を算出する算出手段と、
前記尤度比に基づいて、前記系列データが所定のデータと同一対象由来であるか否かを判定する判定手段と
を備え、
前記算出手段は、前記系列データから抽出した第1特徴量と、前記所定のデータから抽出した第2特徴量との差分である差分特徴量に対して特徴ベクトルを算出する第3処理を行い、前記第3処理の処理結果に基づいて前記尤度比を算出する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記算出手段は、複数の前記所定のデータの各々に対応する複数の前記尤度比を算出し、
前記判定手段は、複数の前記尤度比に基づいて、前記系列データが複数の前記所定のデータのいずれと同一対象由来であるか否かを判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記判定手段は、前記系列データと同一対象由来であると判定した1つの前記所定のデータ、又は前記系列データと同一対象由来である可能性が高いと判定した2つ以上の前記所定のデータを判定結果として出力することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
複数の前記所定のデータに対して絞り込み処理を行い、前記判定手段の判定対象となる前記所定のデータが少なくなるように限定する限定手段を更に備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記系列データは、対象の画像データ及び音声データの少なくとも一方を含み、
前記算出手段は、前記系列データが所定のデータと同一対象由来であることの尤もらしさを示す尤度比を算出する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記算出手段は、前記特徴ベクトルを、前記系列データと前記所定のデータとが同一対象由来であること、及び前記系列データと前記所定のデータとが同一対象由来でないことを表す2値に変換する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記算出手段は、2値に変換した特徴ベクトルを用いて前記尤度比を算出する、
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
少なくとも1つのコンピュータが、
系列データに含まれる複数の要素を取得し、
前記複数の要素のうち少なくとも2つの連続する要素に基づいて、前記系列データが所定のデータと同一対象由来であることの尤もらしさを示す尤度比を算出し、
前記尤度比に基づいて、前記系列データが所定のデータと同一対象由来であるか否かを判定し、
前記尤度比を算出する際に、前記系列データから抽出した第1特徴量と、前記所定のデータから抽出した第2特徴量との差分である差分特徴量に対して特徴ベクトルを算出する第3処理を行い、前記第3処理の処理結果に基づいて前記尤度比を算出する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
系列データに含まれる複数の要素を取得し、
前記複数の要素のうち少なくとも2つの連続する要素に基づいて、前記系列データが所定のデータと同一対象由来であることの尤もらしさを示す尤度比を算出し、
前記尤度比に基づいて、前記系列データが所定のデータと同一対象由来であるか否かを判定し、
前記尤度比を算出する際に、前記系列データから抽出した第1特徴量と、前記所定のデータから抽出した第2特徴量との差分である差分特徴量に対して特徴ベクトルを算出する第3処理を行い、前記第3処理の処理結果に基づいて前記尤度比を算出する
ようにコンピュータを動作させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項10】
系列データに含まれる複数の要素を取得する取得手段と、
前記複数の要素のうち少なくとも2つの連続する要素に基づいて、前記系列データが所定のデータと同一対象由来であることの尤もらしさを示す尤度比を算出する算出手段と、
前記尤度比に基づいて、前記系列データが所定のデータと同一対象由来であるか否かを判定する判定手段と
を備え、
前記算出手段は、前記系列データから抽出した第1特徴量と、前記所定のデータから抽出した第2特徴量とを結合した結合特徴量に対して特徴ベクトルを抽出する第1処理を行い、前記第1処理の処理結果に基づいて前記尤度比を算出する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
前記算出手段は、前記特徴ベクトルを、前記系列データと前記所定のデータとが同一対象由来であること、及び前記系列データと前記所定のデータとが同一対象由来でないことを表す2値に変換する、
ことを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、例えばクラス分類に関する情報を処理する情報処理装置、情報処理方法、及びコンピュータプログラムの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置として、生体の照合処理を実行するものが知られている。例えば特許文献1では、取得した生体情報と複数の登録生体情報との類似度に基づいて尤度比を算出することで、本人か否かの判定を行うことが開示されている。特許文献2では、生体情報に対応する照合スコアを用いて、本人分布及び他人分布の対数尤度比を求めることが開示されている。特許文献3では、入力された顔画像と登録者全員の顔画像とを照合することでスコアの分布を取得し、最も高いスコアが得られた登録者を本人であると推定することが開示されている。
【0003】
その他の関連する技術として、例えば特許文献4では、第1の尤度比及び第2の尤度比から統合尤度比を算出すること、及び顔姿勢候補群を構成する顔姿勢候補の確からしさを表す統合尤度を算出することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-120580号公報
【文献】特開2008-299589号公報
【文献】特開2008-040874号公報
【文献】国際公開2009/091029号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この開示は、上述した関連する技術を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この開示の情報処理装置の一の態様は、系列データに含まれる複数の要素を取得する取得手段と、前記複数の要素のうち少なくとも2つの連続する要素に基づいて、前記系列データが所定のデータと同一対象由来であることの尤もらしさを示す尤度比を算出する算出手段と、前記尤度比に基づいて、前記系列データが所定のデータと同一対象由来であるか否かを判定する判定手段とを備え、前記算出手段は、前記系列データと前記所定のデータとの類似度又は相違度を加味して、前記尤度比を算出する。
【0007】
この開示の情報処理方法の一の態様は、系列データに含まれる複数の要素を取得し、前記複数の要素のうち少なくとも2つの連続する要素に基づいて、前記系列データが所定のデータと同一対象由来であることの尤もらしさを示す尤度比を算出し、前記尤度比に基づいて、前記系列データが所定のデータと同一対象由来であるか否かを判定し、前記尤度比を算出する際に、前記系列データと前記所定のデータとの類似度又は相違度を加味する。
【0008】
この開示のコンピュータプログラムの一の態様は、系列データに含まれる複数の要素を取得し、前記複数の要素のうち少なくとも2つの連続する要素に基づいて、前記系列データが所定のデータと同一対象由来であることの尤もらしさを示す尤度比を算出し、前記尤度比に基づいて、前記系列データが所定のデータと同一対象由来であるか否かを判定し、前記尤度比を算出する際に、前記系列データと前記所定のデータとの類似度又は相違度を加味するようにコンピュータを動作させる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2】第1実施形態に係る情報処理装置の機能的構成を示すブロック図である。
図3】第1実施形態に係る情報処理装置の動作の流れを示すフローチャートである。
図4】第1実施形態に係る情報処理装置で算出される尤度比の一例を示すグラフである。
図5】第2実施形態に係る情報処理装置で扱われる画像データの一例を示す図である。
図6】第2実施形態に係る情報処理装置で扱われる音声データの一例を示す図である。
図7】第2実施形態に係る情報処理装置の動作の流れを示すフローチャートである。
図8】第3実施形態に係る情報処理装置の機能的構成を示すブロック図である。
図9】第3実施形態に係る情報処理装置の動作の流れを示すフローチャートである。
図10】第3実施形態に係る情報処理装置の具体的な動作例を示す概念図である。
図11】第4実施形態に係る情報処理装置の機能的構成を示すブロック図である。
図12】第4実施形態に係る情報処理装置の動作の流れを示すフローチャートである。
図13】第4実施形態に係る情報処理装置の具体的な動作例を示す概念図である。
図14】第5実施形態に係る情報処理装置の機能的構成を示すブロック図である。
図15】第5実施形態に係る情報処理装置の動作の流れを示すフローチャートである。
図16】第5実施形態に係る情報処理装置の具体的な動作例を示す概念図である。
図17】第6実施形態に係る情報処理装置の機能的構成を示すブロック図である。
図18】第6実施形態に係る情報処理装置の動作の流れを示すフローチャートである。
図19】第6実施形態の変形例に係る情報処理装置の機能的構成を示すブロック図である。
図20】第6実施形態の変形例に係る情報処理装置の動作の流れを示すフローチャートである。
図21】第7実施形態に係る情報処理装置における複数の登録データを対象とする判定を概念的に示す図である。
図22】第7実施形態の変形例に係る情報処理装置の動作の流れを示すフローチャートである。
図23】第8実施形態に係る情報処理装置の機能的構成を示すブロック図である。
図24】第8実施形態に係る情報処理装置の動作の流れを示すフローチャートである。
図25】第9実施形態に係る情報処理装置の機能的構成を示すブロック図である。
図26】第9実施形態に係る情報処理装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、情報処理装置、情報処理方法、及びコンピュータプログラムの実施形態について説明する。
【0011】
<第1実施形態>
第1実施形態に係る情報処理装置について、図1から図4を参照して説明する。
【0012】
(ハードウェア構成)
まず、図1を参照しながら、第1実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成について説明する。図1は、第1実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0013】
図1に示すように、第1実施形態に係る情報処理装置10は、プロセッサ11と、RAM(Random Access Memory)12と、ROM(Read Only Memory)13と、記憶装置14とを備えている。情報処理装置10は更に、入力装置15と、出力装置16とを備えていてもよい。プロセッサ11と、RAM12と、ROM13と、記憶装置14と、入力装置15と、出力装置16とは、データバス17を介して接続されている。
【0014】
プロセッサ11は、コンピュータプログラムを読み込む。例えば、プロセッサ11は、RAM12、ROM13及び記憶装置14のうちの少なくとも一つが記憶しているコンピュータプログラムを読み込むように構成されている。或いは、プロセッサ11は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体が記憶しているコンピュータプログラムを、図示しない記録媒体読み取り装置を用いて読み込んでもよい。プロセッサ11は、ネットワークインタフェースを介して、情報処理装置10の外部に配置される不図示の装置からコンピュータプログラムを取得してもよい(つまり、読み込んでもよい)。プロセッサ11は、読み込んだコンピュータプログラムを実行することで、RAM12、記憶装置14、入力装置15及び出力装置16を制御する。本実施形態では特に、プロセッサ11が読み込んだコンピュータプログラムを実行すると、プロセッサ11内には、尤度比を用いた判定処理を実行ための機能ブロックが実現される。なお、プロセッサ11の一例として、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(field-programmable gate array)、DSP(Demand-Side Platform)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)が挙げられる。プロセッサ11は、上述した一例のうち一つを用いてもよいし、複数を並列で用いてもよい。
【0015】
RAM12は、プロセッサ11が実行するコンピュータプログラムを一時的に記憶する。RAM12は、プロセッサ11がコンピュータプログラムを実行している際にプロセッサ11が一時的に使用するデータを一時的に記憶する。RAM12は、例えば、D-RAM(Dynamic RAM)であってもよい。
【0016】
ROM13は、プロセッサ11が実行するコンピュータプログラムを記憶する。ROM13は、その他に固定的なデータを記憶していてもよい。ROM13は、例えば、P-ROM(Programmable ROM)であってもよい。
【0017】
記憶装置14は、情報処理装置10が長期的に保存するデータを記憶する。記憶装置14は、プロセッサ11の一時記憶装置として動作してもよい。記憶装置14は、例えば、ハードディスク装置、光磁気ディスク装置、SSD(Solid State Drive)及びディスクアレイ装置のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0018】
入力装置15は、情報処理装置10のユーザからの入力指示を受け取る装置である。入力装置15は、例えば、キーボード、マウス及びタッチパネルのうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。入力装置15は、専用のコントローラ(操作端末)であってもよい。また、入力装置15は、ユーザが保有する端末(例えば、スマートフォンやタブレット端末等)を含んでいてもよい。入力装置15は、例えばマイクを含む音声入力が可能な装置であってもよい。
【0019】
出力装置16は、情報処理装置10に関する情報を外部に対して出力する装置である。例えば、出力装置16は、情報処理装置10に関する情報を表示可能な表示装置(例えば、ディスプレイ)であってもよい。ここでの表示装置は、テレビモニタ、パソコンモニタ、スマートフォンのモニタ、タブレット端末のモニタ、その他の携帯端末のモニタであってよい。また、表示装置は、店舗等の各種施設に設置される大型モニタやデジタルサイネージ等であってよい。また、出力装置16は、画像以外の形式で情報を出力する装置であってもよい。例えば、出力装置16は、情報処理装置10に関する情報を音声で出力するスピーカであってもよい。
【0020】
(機能的構成)
次に、図2を参照しながら、第1実施形態に係る情報処理装置10の機能的構成について説明する。図2は、第1実施形態に係る情報処理装置の機能的構成を示すブロック図である。
【0021】
図2に示すように、第1実施形態に係る情報処理装置10は、その機能を実現するための処理ブロックとして、データ取得部50と、尤度比算出部100と、判定部200とを備えている。データ取得部50、尤度比算出部100、及び判定部200の各々は、例えば上述したプロセッサ11(図1参照)によって実現されてよい。
【0022】
データ取得部50は、系列データに含まれる複数の要素を取得可能に構成されている。データ取得部50は、任意のデータ取得装置(例えば、カメラやマイク等)から直接データを取得するものであってもよいし、あらかじめデータ取得装置で取得されストレージ等に記憶されているデータを読み出すものであってもよい。カメラからデータを取得する場合、データ取得部50は複数のカメラの各々からデータを取得するように構成されていてもよい。データ取得部50で取得された系列データの要素は、尤度比算出部100に出力される構成となっている。なお、系列データとは、所定の順番で並んだ複数の要素を含むデータであり、例えば時系列データが一例として挙げられる。系列データのより具体的な例としては、動画データや音声データが挙げられるが、これに限られるものではない。
【0023】
尤度比算出部100は、データ取得部50で取得された複数の要素のうち少なくとも2つの連続する要素に基づいて、尤度比を算出可能に構成されている。なお、ここでの「尤度比」とは、系列データが所定の登録データと同一対象由来であることの尤もらしさを示す指標である。尤度比は、例えば対数尤度費(LLR:Log Likehood Ratio)として算出されてもよい。また、尤度比は、2つの連続する要素から算出される個別尤度比を統合した統合尤度比として算出されてもよい。
【0024】
また、尤度比算出部100は、登録データを記憶する登録データ記憶部300から、適宜登録データに関する情報を読み出し可能とされている。そして本実施形態に係る尤度比算出部100は特に、系列データと登録データとの類似度又は相違度を加味して、尤度比を算出可能に構成されている。このような尤度比の具体的な算出方法については、後述する他の実施形態において詳しく説明する。
【0025】
判定部200は、尤度比算出部100で算出された尤度比に基づいて、系列データが登録データと同一対象由来であるか否かを判定する。判定部200は、算出された尤度比が所定の閾値に到達した場合に、系列データと登録データとが同一対象由来であると判定してもよい。また、判定部200は、算出された尤度比が所定の他の閾値に到達した場合に、系列データが登録データとが同一対象由来でないと判定してもよい。
【0026】
(動作の流れ)
次に、図3を参照しながら、第1実施形態に係る情報処理装置10の動作の流れについて説明する。図3は、第1実施形態に係る情報処理装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【0027】
図3に示すように、第1実施形態に係る情報処理装置10の動作が開始されると、まずデータ取得部50が、系列データに含まれる要素を取得する(ステップS11)。データ取得部50は、取得した系列データの要素を、尤度比算出部100に出力する。
【0028】
続いて、尤度比算出部100は、取得された2つ以上の要素に基づいて尤度比を算出する。この際、尤度比算出部100は、系列データと登録データとの類似度又は相違度を加味して、尤度比を算出する(ステップS12)。即ち、尤度比は、取得される系列データだけでなく、登録データについても考慮した値として算出される。
【0029】
続いて、判定部200が、算出された尤度比に基づいて、系列データと登録データとが同一対象由来であるか否かを判定する(ステップS13)。判定部200は、判定結果をディスプレイ等に出力するようにしてもよい。また、判定部200は、判定結果を、スピーカ等を介して音声で出力するようにしてもよい。
【0030】
なお、判定部200が系列データと登録データとが同一対象由来であるか否かを判定できない場合(例えば、尤度比が判定に用いる閾値に到達していない場合等)、上述した一連の処理は繰り返し実行されてよい。具体的には、系列データから新たな要素を取得し、新たに取得した要素を考慮した尤度比が算出する処理が繰り返されてもよい。
【0031】
(具体的な判定例)
次に、図4を参照しながら、第1実施形態に係る情報処理装置10による具体的な判定例について説明する。図4は、第1実施形態に係る情報処理装置で算出される尤度比の一例を示すグラフである。なお、図4の例では、尤度比が対数尤度費(LLR)として算出されているものとする。
【0032】
図4に示す尤度比は、例えば下記式(1)のように表すことができる。なお、y=1は、系列データと登録データとが同一対象由来であるクラスであり、y=0は、系列データと登録データとが同一対象由来であるクラスである。
【0033】
LLR=p(X|y=1)/p(X|y=0) …(1)
【0034】
この尤度比は、上述した一連の処理(図3参照)が繰り返し実行されることにより、初期値から徐々に変化していく。判定部200は、例えば系列データと登録データとが同一対象由来である状態に対応する第1閾値と、系列データと登録データとが同一対象由来でない状態に対応する第2閾値とを用いて判定を行う。具体的には、判定部200は、尤度比が第1閾値に到達した場合、系列データと登録データとが同一対象由来であると判定する。一方で、判定部200は、尤度比が第2閾値に到達した場合、系列データと登録データとが同一対象由来でないと判定する。
【0035】
(技術的効果)
次に、第1実施形態に係る情報処理装置10によって得られる技術的効果について説明する。
【0036】
図1から図4で説明したように、第1実施形態に係る情報処理装置10では、尤度比を算出する際に、系列データと登録データとの類似度又は相違度を加味される。このようにすれば、系列データから算出される尤度比を用いて、系列データと登録データとが同一対象由来であるかを判定することが可能となる。より具体的には、入力される系列データが、系列データと登録データとが同一対象由来であるクラスと、系列データと登録データとが同一対象由来でないクラスとのいずれに属するかを判定することができる。
【0037】
<第2実施形態>
第2実施形態に係る情報処理装置10について、図5から図7を参照して説明する。なお、第2実施形態は、上述した第1実施形態で扱われる系列データ及び登録データの具体例を説明するものであり、例えば装置構成(図1及び図2参照)については、第1実施形態と同様であってよい。このため、以下では、第1実施形態と異なる部分について詳しく説明し、他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0038】
(データの具体例)
まず、図5及び図6を参照しながら、第2実施形態に係る情報処理装置10で扱われる系列データ及び登録データについて説明する。図5は、第2実施形態に係る情報処理装置で扱われる画像データの一例を示す図である。図6は、第2実施形態に係る情報処理装置で扱われる音声データの一例を示す図である。
【0039】
図5に示すように、第2実施形態に係る情報処理装置10で扱われる系列データ(以下、適宜「クエリ」と称することがある)及び登録データ(以下、適宜「ターゲット」と称することがある)は、それぞれ画像データであってよい。より具体的には、系列データ及び登録データは、人物を含む画像データ(例えば、人物の顔を撮像した顔画像データ)であってよい。或いは、系列データ及び登録データは、人物に加えて又は代えて、蛇や犬等の動物、ロボット等の物体を含む画像データであってよい。系列データは、例えば時系列の複数の画像データ(即ち、動画データ)として入力されてよい。登録データは、少なくとも1枚の画像データとして登録されていればよい。また、登録データは、動画データであってもよいし、3D画像であってもよい。このように人物を含む画像データを利用すれば、算出される尤度比に基づいて、系列データと登録データとが同一人物由来であるか否かを判定することが可能である。
【0040】
図5に示すように、第2実施形態に係る情報処理装置10で扱われる系列データ及び登録データは、それぞれ音声データであってよい。より具体的には、系列データ及び登録データは、人物が発する音声を含むデータであってよい。或いは、系列データ及び登録データは、蛇や犬等の動物、ロボット等の物体が発する音声データであってよい。系列データは、例えば人物や動物等が発する時系列の音声データとして入力されてよい。登録データは、例えば固定長の声紋データとして登録されていればよい。このように人物等が発する音声データを利用すれば、算出される尤度比に基づいて、系列データと登録データとが同一人物由来(即ち、同一対象由来)であるか否かを判定することが可能である。
【0041】
(動作の流れ)
次に、図7を参照しながら、第2実施形態に係る情報処理装置10の動作の流れについて説明する。図7は、第2実施形態に係る情報処理装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【0042】
図7に示すように、第2実施形態に係る情報処理装置10の動作が開始されると、まずデータ取得部50が、系列データに含まれる画像データ又は音声データを取得する(ステップS21)。データ取得部50は、取得した画像データ又は音声データを、尤度比算出部100に出力する。
【0043】
続いて、尤度比算出部100は、取得され画像データ又は音声データから、特徴量を抽出する(ステップS22)。なお、特徴量の具体的な抽出手法については、既存の技術を適宜採用することができるため、ここでの詳しい説明は省略するものとする。その後、尤度比算出部100は、抽出した特徴量に基づいて尤度比を算出する。この際、尤度比算出部100は、系列データと登録データとの類似度又は相違度を加味して、尤度比を算出する(ステップS23)。
【0044】
続いて、判定部200が、算出された尤度比に基づいて、系列データと登録データとが同一人物由来であるか否かを判定する(ステップS24)。判定部200は、判定結果をディスプレイやスピーカ等に出力するようにしてもよい。また、判定部200は、判定結果に応じて所定の処理(例えば、本人認証を条件として実行される処理等)を実行するようにしてもよい。
【0045】
(技術的効果)
次に、第2実施形態に係る情報処理装置10によって得られる技術的効果について説明する。
【0046】
図5から図7で説明したように、第2実施形態に係る情報処理装置10では、系列データ及び登録データが、画像データ又は音声データを含んでいる。画像データを利用する場合、画像に含まれる人物が、登録されている人物と同一人物であるか否かを判定することができる。よって、第2実施形態に係る情報処理装置10は、例えば顔認証を行う装置に適用することが可能である。また、音声データを利用する場合、音声を発した人物が、登録されている人物と同一人物であるか否かを判定することができる。よって、第2実施形態に係る情報処理装置10は、例えば音声認証を行う装置に適用することが可能である。
【0047】
<第3実施形態>
第3実施形態に係る情報処理装置10について、図8から図10を参照して説明する。なお、第3実施形態は、上述した第1及び第2実施形態と一部の構成及び動作が異なるのみで、その他の部分については第1及び第2実施形態と同様であってよい。このため、以下では、すでに説明した各実施形態と異なる部分について詳しく説明し、他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0048】
(機能的構成)
まず、図8を参照しながら、第3実施形態に係る情報処理装置10の機能的構成について説明する。図8は、第3実施形態に係る情報処理装置の機能的構成を示すブロック図である。なお、図8では、図2に示した構成要素と同様のものに同一の符号を付している。
【0049】
図8に示すように、第3実施形態に係る情報処理装置10は、その機能を実現するための処理ブロックとして、データ取得部50と、尤度比算出部100と、判定部200とを備えている。そして、第3実施形態に係る尤度比算出部100は特に、結合部110を備えて構成されている。結合部110は、例えば上述したプロセッサ11(図1参照)によって実現されてよい。
【0050】
結合部110は、系列データから抽出される特徴ベクトル(以下、適宜「クエリベクトル」と称する)と、登録データから抽出される特徴ベクトル(以下、適宜「ターゲットベクトル」と称する)とを結合可能に構成されている。結合部110は、クエリベクトルとターゲットベクトルとを結合して結合ベクトルを生成する。結合ベクトルの長さは、クエリベクトルの長さとターゲットベクトルの長さとを足したものとなる。結合部110で生成された結合ベクトルは、尤度比の算出に用いられる。
【0051】
(動作の流れ)
次に、図9を参照しながら、第3実施形態に係る情報処理装置10の動作の流れについて説明する。図9は、第3実施形態に係る情報処理装置の動作の流れを示すフローチャートである。なお、図9では、図3で示した処理と同様の処理に同一の符号を付している。
【0052】
図9に示すように、第3実施形態に係る情報処理装置10の動作が開始されると、まずデータ取得部50が、系列データに含まれる要素を取得する(ステップS11)。データ取得部50は、取得した系列データの要素を、尤度比算出部100に出力する。
【0053】
続いて、尤度比算出部100は、取得された系列データの要素から特徴ベクトル(即ち、クエリベクトル)を抽出する(ステップS31)。クエリベクトルが抽出されると、結合部110が、クエリベクトルとターゲットベクトルとを結合して、結合ベクトルを生成する(ステップS32)。なお、ターゲットベクトルは、登録データを登録する際等に、予め抽出されていてもよい。この場合、ターゲットベクトルは、登録データと共に登録データ記憶部300に記憶されていればよく、結合部110は、登録データ記憶部300からターゲットベクトルを読み出して、クエリベクトルと結合する。あるいは、ターゲットベクトルは、結合ベクトルを生成する際に、登録データから新たに抽出されてもよい。この場合、結合部110は、登録データ記憶部300から登録データを読み出し、登録データからターゲットベクトルを抽出する処理を実行する。そして、結合部110は、抽出したターゲットベクトルをクエリベクトルと結合する。
【0054】
続いて、尤度比算出部100は、結合ベクトルを用いて、時系列統合を行い、特徴ベクトルを抽出する(ステップS33)。尤度比算出部100は、例えば結合ベクトルをLSTM(Long Short Term Memory)に入力し、その出力として特徴ベクトルを取得する。なお、ここでのLSTMは一例であり、任意の再帰的ニューラルネットワークを用いて同様の処理を実行するようにしてもよい。例えば、RNN(Recurrent Neural Network)を用いて、特徴ベクトルを抽出してもよい。
【0055】
続いて、尤度比算出部100は、特徴ベクトルを変換行列で2値に変換する(ステップS34)。具体的には、尤度比算出部100は、特徴ベクトルを、系列データと登録データとが同一対象由来であること、及び系列データと登録データとが同一対象由来でないことを表す2値に変換する。また、尤度比算出部100は、2値それぞれの値域を[0,1]に変換(即ち、スケーリング)する。
【0056】
続いて、尤度比算出部100は、変換した値から尤度比を算出する(ステップS35)。このようにして算出された尤度比は、系列データ及び登録データの類似度又は相違度を加味した値となる。具体的には、系列データから抽出したクエリベクトルと、登録データから抽出したターゲットベクトルを結合し、その結合ベクトルに基づいて尤度比を算出しているため、算出される尤度比は、結果的に系列データ及び登録データの類似度又は相違度を加味したものとなっている。
【0057】
最後に、判定部200は、算出された尤度比に基づいて、系列データと登録データとが同一対象由来であるか否かを判定する(ステップS13)。
【0058】
(具体的な動作例)
次に、図10を参照しながら、第3実施形態に係る情報処理装置10の具体的な動作例を説明する。図10は、第3実施形態に係る情報処理装置の具体的な動作例を示す概念図である。なお、図10に示す動作例では、第2実施形態で説明したように(図5から図7を参照)、系列データと登録データとが同一人物由来であるか否かを判定している。
【0059】
図10において、クエリベクトルは、X={x ,x ,…,x }、ターゲットベクトルはtとして表されている。この場合、結合部110は、各要素に対応するクエリベクトルと、ターゲットベクトルとを順次結合していく。
【0060】
具体的には、結合部110は、まずクエリベクトルx と、ターゲットベクトルtとを結合して、結合ベクトルt を生成する。そして、その結合ベクトルt をLSTMに入力して特徴ベクトルを抽出し、特徴ベクトルを変換した値から尤度比を算出する。続いて、結合部110は、クエリベクトルx と、ターゲットベクトルtとを結合して、結合ベクトルt を生成する。そして、その結合ベクトルt をLSTMに入力して特徴ベクトルを抽出し、特徴ベクトルを変換した値から尤度比を算出する。このような処理を同様に繰り返していき、最終的に結合部110は、クエリベクトルx と、ターゲットベクトルtとを結合して、結合ベクトルt を生成する。そして、その結合ベクトルt をLSTMに入力して特徴ベクトルを抽出し、特徴ベクトルを変換した値から尤度比を算出する。
【0061】
図10に示す例では、上述した処理によって算出される尤度比と、本人閾値(即ち系列データと登録データとが同一人物由来である状態に対応する閾値)及び他人閾値(即ち系列データと登録データとが同一人物由来でない状態に対応する閾値)とを比較することで判定が行われる。図10に示す例では、尤度比が徐々に本人閾値の方向に変化していき、最終的には本人閾値に到達している。このため、判定部200は、系列データと登録データとが同一人物由来であると判定する。
【0062】
(技術的効果)
次に、第3実施形態に係る情報処理装置10によって得られる技術的効果について説明する。
【0063】
図8から図10で説明したように、第3実施形態に係る情報処理装置10では、クエリベクトルとターゲットベクトルとを結合して結合ベクトルを生成し、その結合ベクトルを用いて尤度比を算出する処理が行われる。このようにして算出される尤度比は、系列データ及び登録データの類似度又は相違度を加味した値となる。よって、第3実施形態に係る情報処理装置10によれば、算出される尤度比に基づいて、系列データと登録データとが同一対象由来であるかを判定することが可能となる。
【0064】
<第4実施形態>
第4実施形態に係る情報処理装置10について、図11から図13を参照して説明する。なお、第4実施形態は、上述した第1から第3実施形態と一部の構成動作が異なるのみで、その他の部分については第1から第3実施形態と同様であってよい。このため、以下では、すでに説明した各実施形態と異なる部分について詳しく説明し、他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0065】
(機能的構成)
まず、図11を参照しながら、第4実施形態に係る情報処理装置10の機能的構成について説明する。図11は、第4実施形態に係る情報処理装置の機能的構成を示すブロック図である。なお、図11では、図2に示した構成要素と同様のものに同一の符号を付している。
【0066】
図11に示すように、第4実施形態に係る情報処理装置10は、その機能を実現するための処理ブロックとして、データ取得部50と、尤度比算出部100と、判定部200とを備えている。そして、第4実施形態に係る尤度比算出部100は特に、比較部120を備えて構成されている。比較部120は、例えば上述したプロセッサ11(図1参照)によって実現されてよい。
【0067】
比較部120は、系列データから抽出されるクエリベクトルに所定の処理を実行して生成される特徴ベクトルと、ターゲットベクトルとを比較可能に構成されている。より具体的には、比較部120は、クエリベクトルから生成される特徴量ベクトルと、ターゲットベクトルとの類似度を算出可能に構成されている。比較部120は、クエリベクトルから生成される特徴量ベクトルと、ターゲットベクトルとのコサイン類似度を算出してもよい。ただし、比較部120は、コサイン類似度以外の類似度を算出するようにしてもよい。比較部120で算出される類似度は、尤度比の算出に用いられる。
【0068】
(動作の流れ)
次に、図12を参照しながら、第4実施形態に係る情報処理装置10の動作の流れについて説明する。図12は、第4実施形態に係る情報処理装置の動作の流れを示すフローチャートである。なお、図12では、図3で示した処理と同様の処理に同一の符号を付している。
【0069】
図12に示すように、第4実施形態に係る情報処理装置10の動作が開始されると、まずデータ取得部50が、系列データに含まれる要素を取得する(ステップS11)。データ取得部50は、取得した系列データの要素を、尤度比算出部100に出力する。
【0070】
続いて、尤度比算出部100は、取得された系列データの要素から特徴ベクトル(即ち、クエリベクトル)を抽出する(ステップS41)。クエリベクトルが抽出されると、尤度比算出部100は、クエリベクトルを用いて、時系列統合を行い、特徴ベクトルを抽出する(ステップS42)。尤度比算出部100は、例えばクエリベクトルをLSTMに入力し、その出力として特徴ベクトルを取得する。なお、ここでのLSTMは一例であり、任意の再帰的ニューラルネットワークを用いて同様の処理を実行するようにしてもよい。例えば、RNNを用いて、特徴ベクトルを抽出してもよい。
【0071】
続いて、比較部120が、クエリベクトルから抽出された特徴量ベクトルと、ターゲットベクトルとを比較して、それらのベクトルの類似度を算出する(ステップS43)。なお、ターゲットベクトルは、登録データを登録する際等に、予め抽出されていてもよい。この場合、ターゲットベクトルは、登録データと共に登録データ記憶部300に記憶されていればよく、比較部120は、登録データ記憶部300からターゲットベクトルを読み出して、類似度を算出する。あるいは、ターゲットベクトルは、類似度を算出する際に、登録データから新たに抽出されてもよい。この場合、比較部120は、登録データ記憶部300から登録データを読み出し、登録データからターゲットベクトルを抽出する処理を実行する。そして、比較部120は、抽出したターゲットベクトルをクエリベクトルから抽出された特徴量ベクトルと比較して、類似度を算出する。
【0072】
続いて、尤度比算出部100は、算出した類似度の値域を確率の値域に変換する(ステップS44)。例えば、類似度としてコサイン類似度が算出されている場合、尤度比算出部100は、コサイン類似度の値域[-1,1]を、確率の値域[0,1]に変換する
【0073】
続いて、尤度比算出部100は、変換した値から尤度比を算出する(ステップS45)。このようにして算出された尤度比は、系列データ及び登録データの類似度又は相違度を加味した値となる。具体的には、クエリベクトルから抽出された特徴量ベクトルと、ターゲットベクトルとの類似度が算出され、その類似度を変換した値に基づいて尤度比を算出しているため、算出される尤度比は、結果的に系列データ及び登録データの類似度又は相違度を加味したものとなっている。
【0074】
最後に、判定部200は、算出された尤度比に基づいて、系列データと登録データとが同一対象由来であるか否かを判定する(ステップS13)。
【0075】
(具体的な動作例)
次に、図13を参照しながら、第4実施形態に係る情報処理装置10の具体的な動作例を説明する。図13は、第4実施形態に係る情報処理装置の具体的な動作例を示す概念図である。なお、図13に示す動作例では、第2実施形態で説明したように(図5から図7を参照)、系列データと登録データとが同一人物由来であるか否かを判定している。
【0076】
図13において、クエリベクトルは、X={x ,x ,…,x }、ターゲットベクトルはtとして表されている。この場合、比較部120は、各要素に対応するクエリベクトルから抽出される特徴ベクトルと、ターゲットベクトルとの類似度を順次算出していく。
【0077】
具体的には、尤度比算出部100が、まずクエリベクトルx をLSTMに入力して特徴ベクトルを抽出する。そして、比較部120は、クエリベクトルx から抽出された特徴ベクトルと、ターゲットベクトルtとの類似度を算出する。その後、尤度比算出部100は、算出された類似度を変換して、尤度比を算出する。続いて、尤度比算出部100は、クエリベクトルx をLSTMに入力して特徴ベクトルを抽出する。そして、比較部120は、クエリベクトルx から抽出された特徴ベクトルと、ターゲットベクトルtとの類似度を算出する。その後、尤度比算出部100は、算出された類似度を変換して、尤度比を算出する。このような処理を同様に繰り返していき、最終的には、尤度比算出部100が、クエリベクトルx をLSTMに入力して特徴ベクトルを抽出する。そして、比較部120は、クエリベクトルx から抽出された特徴ベクトルと、ターゲットベクトルtとの類似度を算出する。その後、尤度比算出部100は、算出された類似度を変換して、尤度比を算出する。
【0078】
図13に示す例では、上述した処理によって算出される尤度比と、本人閾値及び他人閾値とを比較することで判定が行われる。図13に示す例では、尤度比が徐々に本人閾値の方向に変化していき、最終的には本人閾値に到達している。このため、判定部200は、系列データと登録データとが同一人物由来であると判定する。
【0079】
(技術的効果)
次に、第4実施形態に係る情報処理装置10によって得られる技術的効果について説明する。
【0080】
図11から図13で説明したように、第4実施形態に係る情報処理装置10では、クエリベクトルから特徴ベクトルを抽出し、抽出した特徴ベクトルとターゲットベクトルとを比較することで類似度を算出する。そして、算出された類似度に基づいて、尤度比を算出する処理が行われる。このようにして算出される尤度比は、系列データ及び登録データの類似度又は相違度を加味した値となる。よって、第4実施形態に係る情報処理装置10によれば、算出される尤度比に基づいて、系列データと登録データとが同一対象由来であるかを判定することが可能となる。
【0081】
<第5実施形態>
第5実施形態に係る情報処理装置10について、図14から図16を参照して説明する。なお、第5実施形態は、上述した第1から第4実施形態と一部の構成動作が異なるのみで、その他の部分については第1から第4実施形態と同様であってよい。このため、以下では、すでに説明した各実施形態と異なる部分について詳しく説明し、他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0082】
(機能的構成)
まず、図14を参照しながら、第5実施形態に係る情報処理装置10の機能的構成について説明する。図14は、第5実施形態に係る情報処理装置の機能的構成を示すブロック図である。なお、図14では、図2に示した構成要素と同様のものに同一の符号を付している。
【0083】
図14に示すように、第5実施形態に係る情報処理装置10は、その機能を実現するための処理ブロックとして、データ取得部50と、尤度比算出部100と、判定部200とを備えている。そして、第5実施形態に係る尤度比算出部100は特に、差分演算部130を備えて構成されている。差分演算部130は、例えば上述したプロセッサ11(図1参照)によって実現されてよい。
【0084】
差分演算部130は、系列データから抽出されるクエリベクトルと、登録データから抽出されるターゲットベクトルとの差分を演算可能に構成されている。差分演算部130は、クエリベクトルとターゲットベクトルとの差分として差分ベクトルを算出する。差分演算部130で算出された差分ベクトルは、尤度比の算出に用いられる。
【0085】
(動作の流れ)
次に、図15を参照しながら、第5実施形態に係る情報処理装置10の動作の流れについて説明する。図15は、第5実施形態に係る情報処理装置の動作の流れを示すフローチャートである。なお、図15では、図3で示した処理と同様の処理に同一の符号を付している。
【0086】
図15に示すように、第5実施形態に係る情報処理装置10の動作が開始されると、まずデータ取得部50が、系列データに含まれる要素を取得する(ステップS11)。データ取得部50は、取得した系列データの要素を、尤度比算出部100に出力する。
【0087】
続いて、尤度比算出部100は、取得された系列データの要素から特徴ベクトル(即ち、クエリベクトル)を抽出する(ステップS51)。クエリベクトルが抽出されると、差分演算部130が、クエリベクトルとターゲットベクトルとの差分として、差分ベクトルを算出する(ステップS52)。なお、ターゲットベクトルは、登録データを登録する際等に、予め抽出されていてもよい。この場合、ターゲットベクトルは、登録データと共に登録データ記憶部300に記憶されていればよく、差分演算部130は、登録データ記憶部300からターゲットベクトルを読み出して、クエリベクトルとの差分を算出する。あるいは、ターゲットベクトルは、差分ベクトルを算出する際に、登録データから新たに抽出されてもよい。この場合、差分演算部130は、登録データ記憶部300から登録データを読み出し、登録データからターゲットベクトルを抽出する処理を実行する。そして、差分演算部130は、抽出したターゲットベクトルとクエリベクトルとの差分を算出する。
【0088】
続いて、尤度比算出部100は、差分ベクトルを用いて、時系列統合を行い、特徴ベクトルを抽出する(ステップS53)。尤度比算出部100は、例えば差分ベクトルをLSTMに入力し、その出力として特徴ベクトルを取得する。なお、ここでのLSTMは一例であり、任意の再帰的ニューラルネットワークを用いて同様の処理を実行するようにしてもよい。例えば、RNNを用いて、特徴ベクトルを抽出してもよい。
【0089】
続いて、尤度比算出部100は、特徴ベクトルを変換行列で2値に変換する(ステップS54)。具体的には、尤度比算出部100は、特徴ベクトルを、系列データと登録データとが同一対象由来であること、及び系列データと登録データとが同一対象由来でないことを表す2値に変換する。また、尤度比算出部100は、2値それぞれの値域を[0,1]に変換(即ち、スケーリング)する。
【0090】
続いて、尤度比算出部100は、変換した値から尤度比を算出する(ステップS55)。このようにして算出された尤度比は、系列データ及び登録データの類似度又は相違度を加味した値となる。具体的には、系列データから抽出したクエリベクトルと、登録データから抽出したターゲットベクトルとの差分を算出し、差分ベクトルに基づいて尤度比を算出しているため、算出される尤度比は、結果的に系列データ及び登録データの類似度又は相違度を加味したものとなっている。
【0091】
最後に、判定部200は、算出された尤度比に基づいて、系列データと登録データとが同一対象由来であるか否かを判定する(ステップS13)。
【0092】
(具体的な動作例)
次に、図16を参照しながら、第5実施形態に係る情報処理装置10の具体的な動作例を説明する。図16は、第5実施形態に係る情報処理装置の具体的な動作例を示す概念図である。なお、図15に示す動作例では、第2実施形態で説明したように(図5から図7を参照)、系列データと登録データとが同一人物由来であるか否かを判定している。
【0093】
図16において、クエリベクトルは、X={x ,x ,…,x }、ターゲットベクトルはtとして表されている。この場合、差分演算部130は、各要素に対応するクエリベクトルと、ターゲットベクトルとの差分を順次算出していく。
【0094】
具体的には、差分演算部130は、まずクエリベクトルx と、ターゲットベクトルtとの差分を算出して、差分ベクトルt-x を生成する。そして、その差分ベクトルt-x をLSTMに入力して特徴ベクトルを抽出し、特徴ベクトルを変換した値から尤度比を算出する。続いて、差分演算部130は、クエリベクトルx と、ターゲットベクトルtとの差分を算出して、差分ベクトルt-x を生成する。そして、その差分ベクトルt-x をLSTMに入力して特徴ベクトルを抽出し、特徴ベクトルを変換した値から尤度比を算出する。このような処理を同様に繰り返していき、最終的に差分演算部130は、クエリベクトルx と、ターゲットベクトルtとの差分を算出して、差分ベクトルt-x を生成する。そして、その差分ベクトルt-x をLSTMに入力して特徴ベクトルを抽出し、特徴ベクトルを変換した値から尤度比を算出する。
【0095】
図16に示す例では、上述した処理によって算出される尤度比と、本人閾値及び他人閾値とを比較することで判定が行われる。図16に示す例では、尤度比が徐々に本人閾値の方向に変化していき、最終的には本人閾値に到達している。このため、判定部200は、系列データと登録データとが同一人物由来であると判定する。
【0096】
(技術的効果)
次に、第5実施形態に係る情報処理装置10によって得られる技術的効果について説明する。
【0097】
図14から図16で説明したように、第5実施形態に係る情報処理装置10では、クエリベクトルとターゲットベクトルとの差分として差分ベクトルを算出し、その差分ベクトルを用いて尤度比を算出する処理が行われる。このようにして算出される尤度比は、系列データ及び登録データの類似度又は相違度を加味した値となる。よって、第5実施形態に係る情報処理装置10によれば、算出される尤度比に基づいて、系列データと登録データとが同一対象由来であるかを判定することが可能となる。
【0098】
<第6実施形態>
第6実施形態に係る情報処理装置10について、図17及び図18を参照して説明する。なお、第6実施形態は、上述した第3から第5実施形態を組み合わせて選択的に利用するものであり、その構成や動作は概ね第3から第5実施形態と同様であってよい。このため、以下では、すでに説明した各実施形態と異なる部分について詳しく説明し、他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0099】
(機能的構成)
まず、図17を参照しながら、第6実施形態に係る情報処理装置10の機能的構成について説明する。図17は、第6実施形態に係る情報処理装置の機能的構成を示すブロック図である。なお、図17では、図8図11及び図14に示した構成要素と同様のものに同一の符号を付している。
【0100】
図17に示すように、第6実施形態に係る情報処理装置10は、その機能を実現するための処理ブロックとして、データ取得部50と、尤度比算出部100と、判定部200とを備えている。そして、第6実施形態に係る尤度比算出部100は特に、結合部110、比較部120、差分演算部130、及び選択部140を備えて構成されている。即ち、第6実施形態に係る尤度比算出部100は、第3実施形態で説明した結合部110、第4実施形態で説明した比較部120、及び第5実施形態で説明した差分演算部130をいずれも備えており、それらに加えて選択部140を更に備えて構成されている。なお、選択部140は、例えば上述したプロセッサ11(図1参照)によって実現されてよい。
【0101】
選択部140は、尤度比を算出する際に、結合部110、比較部120、及び差分演算部130のいずれを用いるかを選択可能に構成されている。即ち、選択部140は、第3実施形態で説明した結合ベクトルを用いて尤度比を算出する手法(図8から図10参照)、第4実施形態で説明した類似度を用いて尤度比を算出する手法(図11から図13参照)、及び第5実施形態で説明した差分ベクトルを用いて尤度比を算出する手法(図14から図16参照)のうち、いずれの手法を用いて尤度比を算出するかを選択可能とされている。
【0102】
選択部140は、予め取得される条件情報に基づいて、結合部110、比較部120、及び差分演算部130のいずれを用いるかを選択する。条件情報は、結合部110、比較部120、及び差分演算部130のいずれを用いて尤度比を算出するのが最適かを判定するための情報である。条件情報は、例えば系列データや登録データの種別に関する情報であってよい。例えば、系列データ及び登録データが画像データであることを示す情報や、系列データ及び登録データが音声データであることを示す情報が条件情報として取得されてよい。また、条件情報は、例えば系列データや登録データの品質に関する情報であってよい。例えば、系列データ及び登録データが画像データや音声データである場合には、その鮮明度を示す情報が条件情報として取得されてよい。また、条件情報は、系列データや登録データが取得された環境に関する情報であってよい。例えば、系列データ及び登録データが画像データや音声データである場合には、それらのデータが取得された場所及び周辺環境に関する情報や、画像データを取得するのに用いられたカメラに関する情報、音声データを取得するのに用いられたマイクに関する情報等が、条件情報として取得されてよい。
【0103】
(動作の流れ)
次に、図18を参照しながら、第6実施形態に係る情報処理装置10の動作の流れについて説明する。図18は、第6実施形態に係る情報処理装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【0104】
図18に示すように、第6実施形態に係る情報処理装置10の動作が開始されると、まず選択部140が条件情報を取得する(ステップS61)。そして、選択部140は、条件情報に基づいて、尤度比を算出する際に、結合部110、比較部120、及び差分演算部130のいずれを用いるかを選択する(ステップS62)。
【0105】
その後、情報処理装置10は、選択部140が選択した手法を用いて判定処理(即ち、尤度比を算出して系列データと登録データとが同一対象由来であるか否かを判定する処理)を実行する(ステップS63)。具体的には、選択部140が結合部110を選択した場合、第3実施形態で説明した判定処理(図9参照)が実行される。選択部140が比較部120を選択した場合、第4実施形態で説明した判定処理(図12参照)が実行される。選択部140が差分演算部130を選択した場合、第5実施形態で説明した判定処理(図15参照)が実行される。
【0106】
なお、上述した例では、判定処理が実行される前に、条件情報が取得され、尤度比の算出手法が選択される例を説明したが、判定処理の途中で、条件情報が取得され、尤度比の算出手法が選択されてもよい。例えば、データ取得部が系列データから要素を取得した後(即ち、ステップS11の後)に、条件情報が取得され、尤度比の算出手法が選択されてもよい。また、結合部110によって結合ベクトルが生成される直前(即ち、図9におけるステップS32の直前)に、条件情報が取得され、尤度比の算出手法が選択されてもよい。比較部120によって類似度が算出される直前(即ち、図12のステップS43の直前)に、条件情報が取得され、尤度比の算出手法が選択されてもよい。差分演算部130で差分ベクトルが算出される直前(即ち、図15におけるステップS52の直前)に、条件情報が取得され、尤度比の算出手法が選択されてもよい。
【0107】
(技術的効果)
次に、第6実施形態に係る情報処理装置10によって得られる技術的効果について説明する。
【0108】
図17及び図18で説明したように、第6実施形態に係る情報処理装置10では、選択部140によって、尤度比を算出する際に、結合部110、比較部120、及び差分演算部130のいずれを用いるかが選択される。このようにすれば、結合部110、比較部120、及び差分演算部130の3つの中から、最適な手法を選択して尤度比を算出することができる。よって、系列データと登録データとが同一対象由来であるかを精度よく判定することが可能となる。
【0109】
<第6実施形態の変形例>
第6実施形態の変形例に係る情報処理装置10について、図19及び図20を参照して説明する。なお、第6実施形態の変形例は、上述した第6実施形態と一部の構成及び動作が異なるのみであり、その他の部分については第6実施形態と同様であってよい。このため、以下では、すでに説明した各実施形態と異なる部分について詳しく説明し、他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0110】
(機能的構成)
まず、図19を参照しながら、第6実施形態の変形例に係る情報処理装置10の機能的構成について説明する。図19は、第6実施形態の変形例に係る情報処理装置の機能的構成を示すブロック図である。なお、図19では、図8図11及び図14に示した構成要素と同様のものに同一の符号を付している。
【0111】
図19に示すように、第6実施形態の変形例に係る情報処理装置10は、その機能を実現するための処理ブロックとして、データ取得部50と、尤度比算出部100と、判定部200とを備えている。そして、第6実施形態の変形例に係る尤度比算出部100は特に、結合部110、比較部120、差分演算部130、及び操作検出部150を備えて構成されている。即ち、第6実施形態の変形例に係る尤度比算出部100は、第3実施形態で説明した結合部110、第4実施形態で説明した比較部120、及び第5実施形態で説明した差分演算部130をいずれも備えており、それらに加えて操作検出部150を更に備えて構成されている。なお、操作検出部150は、例えば上述したプロセッサ11(図1参照)によって実現されてよい。
【0112】
操作検出部150は、ユーザによる操作を検出可能に構成されている。具体的には、操作検出部150は、尤度比を算出する際に、結合部110、比較部120、及び差分演算部130のいずれを用いるかを選択する操作(以下、適宜「選択操作」と称する)を検出可能に構成されている。言い換えれば、操作検出部150は、第3実施形態で説明した結合ベクトルを用いて尤度比を算出する手法(図8から図10参照)、第4実施形態で説明した類似度を用いて尤度比を算出する手法(図11から図13参照)、及び第5実施形態で説明した差分ベクトルを用いて尤度比を算出する手法(図14から図16参照)のうち、いずれの手法を用いて尤度比を算出するかを選択する操作を検出可能とされている。操作検出部150は、例えば入力装置15(図1参照)によるユーザの選択操作を検出してよい。
【0113】
(動作の流れ)
次に、図20を参照しながら、第6実施形態の変形例に係る情報処理装置10の動作の流れについて説明する。図20は、第6実施形態の変形例に係る情報処理装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【0114】
図20に示すように、第6実施形態の変形例に係る情報処理装置10の動作が開始されると、まず操作検出部150がユーザによる選択操作を検出する(ステップS65)。そして、操作検出部150は、検出した選択操作に基づいて、尤度比を算出する際に、結合部110、比較部120、及び差分演算部130のいずれを用いるかを選択する(ステップS66)。
【0115】
なお、ユーザの選択操作を受け付ける際には、ユーザに選択操作を行うことを促す通知等が行われてよい。例えば、スピーカ等を介して、音声で選択操作を行うように通知をしてもよい。また、ディスプレイ等を用いて、画面表示で選択操作を行うように通知してもよい。画面表示を行う場合、ユーザは画面をタッチして選択操作を行ってもよい。例えば、画面上に結合部110、比較部120、及び差分演算部130の各々に対応する3つの領域が表示され、ユーザがそのいずれかの領域をタッチする操作を、選択操作として検出してもよい。
【0116】
その後、情報処理装置10は、ユーザの選択操作に対応する手法を用いて判定処理(即ち、尤度比を算出して系列データと登録データとが同一対象由来であるか否かを判定する処理)を実行する(ステップS67)。具体的には、ユーザが結合部110を選択する操作を行った場合、第3実施形態で説明した判定処理(図9参照)が実行される。ユーザが比較部120を選択する操作を行った場合場合、第4実施形態で説明した判定処理(図12参照)が実行される。ユーザが差分演算部130を選択する操作を行った場合、第5実施形態で説明した判定処理(図15参照)が実行される。
【0117】
なお、上述した例では、判定処理が実行される前に、ユーザによる選択操作を検出する例を説明したが、判定処理の途中で選択操作が検出されてもよい。例えば、データ取得部が系列データから要素を取得した後(即ち、ステップS11の後)に、選択操作が検出されてもよい。また、結合部110によって結合ベクトルが生成される直前(即ち、図9におけるステップS32の直前)に、選択操作が検出されてもよい。比較部120によって類似度が算出される直前(即ち、図12のステップS43の直前)に、選択操作が検出されてもよい。差分演算部130で差分ベクトルが算出される直前(即ち、図15におけるステップS52の直前)に、選択操作が検出されてもよい。
【0118】
(技術的効果)
次に、第6実施形態の変形例に係る情報処理装置10によって得られる技術的効果について説明する。
【0119】
図19及び図20で説明したように、第6実施形態の変形例に係る情報処理装置10では、ユーザの操作に応じて、尤度比を算出する際に、結合部110、比較部120、及び差分演算部130のいずれを用いるかが選択される。このようにすれば、結合部110、比較部120、及び差分演算部130の3つの中から、最適な手法を選択して尤度比を算出することができる。よって、系列データと登録データとが同一対象由来であるかを精度よく判定することが可能となる。
【0120】
なお、上述した第6実施形態及び第6実施形態の変形例では、結合部110、比較部120、及び差分演算部130の3つを選択的に利用する例を挙げたが、結合部110、比較部120、及び差分演算部130のうち2つを選択的に利用するようにしてもよい。例えば、結合部110及び比較部120を選択的に利用するようにしてもよい。結合部110及び差分演算部130を選択的に利用するようにしてもよい。比較部120及び差分演算部130を選択的に利用するようにしてもよい。
【0121】
<第7実施形態>
第7実施形態に係る情報処理装置10について、図21及び図22を参照して説明する。なお、第7実施形態は、上述した第1から第6実施形態と一部の構成及び動作が異なるのみであり、その他の部分については第1から第6実施形態と同様であってよい。このため、以下では、すでに説明した各実施形態と異なる部分について詳しく説明し、他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0122】
(複数の登録データを対象とする判定)
まず、図21を参照しながら、第7実施形態に係る情報処理装置10が実行する、複数の登録データを対象とする判定について説明する。図21は、第7実施形態に係る情報処理装置における複数の登録データを対象とする判定を概念的に示す図である。
【0123】
図21に示すように、第7実施形態に係る情報処理装置10では、入力される系列データに対して、複数の登録データが判定対象なっている。即ち、1つのクエリが、複数のターゲットと同一対象由来であるか否かを判定される構成となっている。例えば、図21に示すように、複数の登録データとして複数の人物の顔画像が登録されているとする。この場合、系列データとして入力される画像の人物と、登録された複数の人物のいずれが同一人物であるかが判定される。このように、複数の登録データを判定対象とする場合、系列データと、複数の登録データの各々とを考慮した尤度比が算出されればよい。具体的には、系列データと、複数の登録データの各々との類似度又は相違度を加味して、複数の尤度比が算出されればよい。
【0124】
(動作の流れ)
次に、図22を参照しながら、第7実施形態に係る情報処理装置10の動作の流れについて説明する。図22は、第7実施形態に係る情報処理装置の動作の流れを示すフローチャートである。なお、図22では、図3で示した処理と同様の処理に同一の符号を付している。
【0125】
図22に示すように、第7実施形態に係る情報処理装置10の動作が開始されると、まずデータ取得部50が、系列データに含まれる要素を取得する(ステップS11)。データ取得部50は、取得した系列データの要素を、尤度比算出部100に出力する。
【0126】
続いて、尤度比算出部100は、取得された2つ以上の要素に基づいて尤度比を算出する。この際、尤度比算出部100は、系列データと複数の登録データとの類似度又は相違度を加味して、複数の尤度比を算出する(ステップS71)。即ち、尤度比は、判定対象の数(即ち、登録データの数)に応じた複数の尤度比を算出する。
【0127】
続いて、判定部200が、算出された複数の尤度比に基づいて、系列データと登録データとが同一対象由来であるか否かを判定する(ステップS72)。例えば、第1の尤度比が本人閾値に到達している場合、判定部200は、系列データと、第1の尤度比に対応する登録データとが同一人物由来であると判定する。同様に、第2の尤度比が本人閾値に到達している場合、判定部200は、系列データと、第2の尤度比に対応する登録データとが同一人物由来であると判定する。
【0128】
(技術的効果)
次に、第7実施形態に係る情報処理装置10によって得られる技術的効果について説明する。
【0129】
図21及び図22で説明したように、第7実施形態に係る情報処理装置10では、系列データと、複数の登録データの各々との類似度又は相違度を加味して、複数の尤度比が算出される。このようにすれば、複数の登録データが存在する場合(即ち、判定対象が複数存在する場合)であっても、系列データと、どの登録データとが同一対象由来であるのかを判定することができる。
【0130】
<第8実施形態>
第8実施形態に係る情報処理装置10について、図23及び図24を参照して説明する。なお、第8実施形態は、上述した第7実施形態と一部の構成及び動作が異なるのみであり、その他の部分については第7実施形態と同様であってよい。このため、以下では、すでに説明した各実施形態と異なる部分について詳しく説明し、他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0131】
(機能的構成)
まず、図23を参照しながら、第8実施形態に係る情報処理装置10の機能的構成について説明する。図23は、第8実施形態に係る情報処理装置の機能的構成を示すブロック図である。なお、図23では、図2に示した構成要素と同様のものに同一の符号を付している。
【0132】
図23に示すように、第8実施形態に係る情報処理装置10は、その機能を実現するための処理ブロックとして、データ取得部50と、尤度比算出部100と、判定部200と、出力部400とを備えている。即ち、第8実施形態に係る情報処理装置10は、第1実施形態の構成(図2参照)に加えて、出力部400を更に備えて構成されている。出力部400は、例えば上述したプロセッサ11(図1参照)によって実現されてよい。また、出力部400は、上述した出力装置(図1参照)を含んで構成されてもよい。
【0133】
出力部400は、判定部200による判定結果を出力可能に構成されている。即ち、出力部400は、系列データと登録データとが同一対象由来であるか否かの判定結果を出力可能に構成されている。また、出力部400は特に、判定結果として、系列データと同一対象由来である1つの登録データだけでなく、系列データと同一対象由来である可能性が高い複数の登録データを出力可能に構成されている。出力部400は、判定結果をディスプレイ等に出力するようにしてもよい。また、出力部400は、判定結果を、スピーカ等を介して音声で出力するようにしてもよい。
【0134】
(動作の流れ)
次に、図24を参照しながら、第8実施形態に係る情報処理装置10の動作の流れについて説明する。図24は、第8実施形態に係る情報処理装置の動作の流れを示すフローチャートである。なお、図24では、図22で示した処理と同様の処理に同一の符号を付している。
【0135】
図24に示すように、第8実施形態に係る情報処理装置10の動作が開始されると、まずデータ取得部50が、系列データに含まれる要素を取得する(ステップS11)。データ取得部50は、取得した系列データの要素を、尤度比算出部100に出力する。
【0136】
続いて、尤度比算出部100は、取得された2つ以上の要素に基づいて尤度比を算出する。この際、尤度比算出部100は、系列データと複数の登録データとの類似度又は相違度を加味して、複数の尤度比を算出する(ステップS71)。即ち、尤度比は、判定対象の数(即ち、登録データの数)に応じた複数の尤度比を算出する。
【0137】
続いて、判定部200が、算出された複数の尤度比に基づいて、系列データと登録データとが同一対象由来であるか否かを判定する(ステップS72)。そして、出力部400が、判定部200による判定結果として、1つ又は複数の登録のデータに関する情報を出力する(ステップS81)。
【0138】
例えば、複数の登録データの各々に対応する複数の尤度比のうち、本人閾値に到達した尤度比が1つだけであった場合(即ち、1つの登録データのみが同一対象由来であると判定された場合)、出力部400は、その尤度比に対応する1つの登録データに関する情報のみを判定結果として出力すればよい。一方で、複数の登録データの各々に対応する複数の尤度比のうち、本人閾値に到達した尤度比が複数あった場合、出力部400は、それら複数の尤度比に対応する複数の登録データに関する情報を判定結果として出力してもよい。また、複数の登録データの各々に対応する複数の尤度比のうち、本人閾値に到達した尤度比がなかった場合、出力部400は、最終的な値が本人閾値に近い順に所定個数の尤度比を選択し、選択した尤度比に対応する複数の登録データに関する情報を判定結果として出力してもよい。あるいは、本人閾値に到達した尤度比がなかった場合、出力部400は、最終的な値が本人閾値よりも低い選択閾値を超えている複数の尤度比を選択し、選択した尤度比に対応する複数の登録データに関する情報を判定結果として出力してもよい。
【0139】
(技術的効果)
次に、第8実施形態に係る情報処理装置10によって得られる技術的効果について説明する。
【0140】
図23及び図24で説明したように、第7実施形態に係る情報処理装置10では、系列データと同一対象由来である1つの登録データ、又は系列データと同一対象由来である可能性が高い複数の登録データを出力可能に構成されている。このようにすれば、系列データと同一対象由来である登録データを正確に1つに絞り込めないような場合であっても、複数の候補を判定結果として出力することができる。
【0141】
<第9実施形態>
第9実施形態に係る情報処理装置10について、図25及び図26を参照して説明する。なお、第9実施形態は、上述した第7実施形態と一部の構成及び動作が異なるのみであり、その他の部分については第7実施形態と同様であってよい。このため、以下では、すでに説明した各実施形態と異なる部分について詳しく説明し、他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0142】
(機能的構成)
まず、図25を参照しながら、第9実施形態に係る情報処理装置10の機能的構成について説明する。図25は、第9実施形態に係る情報処理装置の機能的構成を示すブロック図である。なお、図25では、図2に示した構成要素と同様のものに同一の符号を付している。
【0143】
図25に示すように、第9実施形態に係る情報処理装置10は、その機能を実現するための処理ブロックとして、データ取得部50と、尤度比算出部100と、判定部200と、判定対象限定部500とを備えている。即ち、第9実施形態に係る情報処理装置10は、第1実施形態の構成(図2参照)に加えて、判定対象限定部500を更に備えて構成されている。判定対象限定部500は、例えば上述したプロセッサ11(図1参照)によって実現されてよい。
【0144】
判定対象限定部500は、登録データ記憶部300に記憶された複数の登録データに対して絞り込み処理を実行することで、判定対象を限定可能に構成されている。即ち、判定対象限定部500は、判定対象の数を減らすための処理を実行可能に構成されている。例えば、登録画像として顔画像データが記憶されている場合、判定対象限定部500が実行する絞り込み処理は、処理負荷の低い顔認証処理であってよい。この場合の顔認証処理は、そこまで精度の高いものでなくてよい(例えば、他人許容率が多少高いものであってもよい)。このような顔認証処理を実行すれば、仮に系列データと同一人物由来の登録データを1つに絞り込めなかったとしても、判定対象を、系列データと同一人物由来の可能性がある登録データのみ(即ち、記憶されているすべての登録データよりも少ない数の登録データ)に絞り込むことができる。
【0145】
(動作の流れ)
次に、図26を参照しながら、第9実施形態に係る情報処理装置10の動作の流れについて説明する。図26は、第9実施形態に係る情報処理装置の動作の流れを示すフローチャートである。なお、図26では、図22で示した処理と同様の処理に同一の符号を付している。
【0146】
図26に示すように、第9実施形態に係る情報処理装置10の動作が開始されると、まずデータ取得部50が、系列データに含まれる要素を取得する(ステップS11)。データ取得部50は、取得した系列データの要素を、尤度比算出部100に出力する。
【0147】
続いて、判定対象限定部500が、取得された系列データの要素を用いて絞り込み処理を実行し、判定対象の数を限定する(ステップS91)。これにより、以降の処理は、限定された判定対象に対してのみ実行されることになる。即ち、登録データ記憶部300に記憶されているすべての登録データに対してではなく、絞り込み処理によって数が減らされた登録データに対して実行されることになる。
【0148】
尤度比算出部100は、取得された2つ以上の要素に基づいて尤度比を算出する。この際、尤度比算出部100は、系列データと限定された登録データとの類似度又は相違度を加味して、複数の尤度比を算出する(ステップS92)。そして、判定部200は、算出された複数の尤度比に基づいて、系列データと登録データとが同一対象由来であるか否かを判定する(ステップS93)。
【0149】
(技術的効果)
次に、第9実施形態に係る情報処理装置10によって得られる技術的効果について説明する。
【0150】
図25及び図26で説明したように、第9実施形態に係る情報処理装置10では、絞り込み処理によって判定対象である登録データが限定される(即ち、判定対象の数が少なくされる)。このようにすれば、もともとの判定対象の数が膨大であったとしても、実際に尤度比を算出する判定対象の数を少なくすることが可能である。よって、情報処理装置10の処理負荷や処理に要する時間を効果的に抑制することができる。
【0151】
上述した各実施形態の機能を実現するように該実施形態の構成を動作させるプログラムを記録媒体に記録させ、該記録媒体に記録されたプログラムをコードとして読み出し、コンピュータにおいて実行する処理方法も各実施形態の範疇に含まれる。すなわち、コンピュータ読取可能な記録媒体も各実施形態の範囲に含まれる。また、上述のプログラムが記録された記録媒体はもちろん、そのプログラム自体も各実施形態に含まれる。
【0152】
記録媒体としては例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、磁気テープ、不揮発性メモリカード、ROMを用いることができる。また該記録媒体に記録されたプログラム単体で処理を実行しているものに限らず、他のソフトウェア、拡張ボードの機能と共同して、OS上で動作して処理を実行するものも各実施形態の範疇に含まれる。
【0153】
この開示は、請求の範囲及び明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う情報処理装置、情報処理方法、及びコンピュータプログラムもまたこの開示の技術思想に含まれる。
【0154】
<付記>
以上説明した実施形態に関して、更に以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0155】
(付記1)
付記1に記載の情報処理装置は、系列データに含まれる複数の要素を取得する取得手段と、前記複数の要素のうち少なくとも2つの連続する要素に基づいて、前記系列データが所定のデータと同一対象由来であることの尤もらしさを示す尤度比を算出する算出手段と、前記尤度比に基づいて、前記系列データが所定のデータと同一対象由来であるか否かを判定する判定手段とを備え、前記算出手段は、前記系列データと前記所定のデータとの類似度又は相違度を加味して、前記尤度比を算出することを特徴とする情報処理装置である。
【0156】
(付記2)
付記2に記載の情報処理装置は、前記算出手段は、前記系列データから抽出した第1特徴量と、前記所定のデータから抽出した第2特徴量とを結合した結合特徴量に対して第1処理を行い、前記第1処理の処理結果に基づいて前記尤度比を算出することで、前記系列データと前記所定のデータとの類似度又は相違度を加味することを特徴とする付記1に記載の情報処理装置である。
【0157】
(付記3)
付記3に記載の情報処理装置は、前記算出手段は、前記系列データから抽出した第1特徴量に対して第2処理を行い、前記第2処理後の前記第1特徴量と前記所定のデータから抽出した第2特徴量との比較結果に基づいて前記尤度比を算出することで、前記系列データと前記所定のデータとの類似度又は相違度を算出することを特徴とする付記1に記載の情報処理装置である。
【0158】
(付記4)
付記4に記載の情報処理装置は、前記算出手段は、前記系列データから抽出した第1特徴量と、前記所定のデータから抽出した第2特徴量との差分である差分特徴量に対して第3処理を行い、前記第3処理の処理結果に基づいて前記尤度比を算出することで、前記系列データと前記所定のデータとの類似度又は相違度を算出することを特徴とする付記1に記載の情報処理装置である。
【0159】
(付記5)
付記5に記載の情報処理装置は、前記算出手段は、複数の前記所定データの各々に対応する複数の前記尤度比を算出し、前記判定手段は、複数の前記尤度比に基づいて、前記系列データが複数の前記所定のデータのいずれと同一対象由来であるか否かを判定することを特徴とする付記1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置である。
【0160】
(付記6)
付記6に記載の情報処理装置は、前記判定手段は、前記系列データと同一対象由来であると判定した1つの前記所定のデータ、又は前記系列データと同一対象由来である可能性が高いと判定した2つ以上の前記所定のデータを判定結果として出力することを特徴とする付記5に記載の情報処理装置である。
【0161】
(付記7)
付記7に記載の情報処理装置は、複数の前記所定データに対して絞り込み処理を行い、前記判定手段の判定対象となる前記所定のデータが少なくなるように限定する限定手段を更に備えることを特徴とする付記5又は6に記載の情報処理装置である。
【0162】
(付記8)
付記8に記載の情報処理装置は、前記系列データは、対象の画像データ及び音声データの少なくとも一方を含み、前記算出手段は、前記系列データが所定のデータと同一対象由来であることの尤もらしさを示す尤度比を算出することを特徴とする付記1から7のいずれか一項に記載の情報処理装置である。
【0163】
(付記9)
付記9に記載の情報処理方法は、系列データに含まれる複数の要素を取得し、前記複数の要素のうち少なくとも2つの連続する要素に基づいて、前記系列データが所定のデータと同一対象由来であることの尤もらしさを示す尤度比を算出し、前記尤度比に基づいて、前記系列データが所定のデータと同一対象由来であるか否かを判定し、前記尤度比を算出する際に、前記系列データと前記所定のデータとの類似度又は相違度を加味することを特徴とする情報処理方法である。
【0164】
(付記10)
付記10に記載のコンピュータプログラムは、系列データに含まれる複数の要素を取得し、前記複数の要素のうち少なくとも2つの連続する要素に基づいて、前記系列データが所定のデータと同一対象由来であることの尤もらしさを示す尤度比を算出し、前記尤度比に基づいて、前記系列データが所定のデータと同一対象由来であるか否かを判定し、前記尤度比を算出する際に、前記系列データと前記所定のデータとの類似度又は相違度を加味するようにコンピュータを動作させることを特徴とするコンピュータプログラムである。
【0165】
(付記11)
付記11に記載の記録媒体は、付記10に記載のコンピュータプログラムが記録されていることを特徴とする記録媒体である。
【符号の説明】
【0166】
10 情報処理装置
11 プロセッサ
14 記憶装置
50 データ取得部
100 尤度比算出部
110 結合部
120 比較部
130 差分演算部
140 選択部
150 操作検出部
200 判定部
300 登録データ記憶部
400 出力部
500 判定対象限定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26