(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-07
(45)【発行日】2025-04-15
(54)【発明の名称】ネットワーク装置、方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 92/02 20090101AFI20250408BHJP
H04W 80/06 20090101ALI20250408BHJP
H04W 92/24 20090101ALI20250408BHJP
【FI】
H04W92/02
H04W80/06
H04W92/24
(21)【出願番号】P 2023508372
(86)(22)【出願日】2021-03-26
(86)【国際出願番号】 JP2021012883
(87)【国際公開番号】W WO2022201494
(87)【国際公開日】2022-09-29
【審査請求日】2023-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】星野 佳彦
【審査官】玉田 恭子
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-513422(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0315867(US,A1)
【文献】国際公開第2020/051508(WO,A1)
【文献】特表2017-510176(JP,A)
【文献】特表2021-536696(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0268232(US,A1)
【文献】国際公開第2016/102516(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0365322(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コアネットワーク
に含まれるネットワーク装置であって、
端末のポリシを管理するポリシ管理機能部を
備え、
前記ポリシ管理機能部は
、前記端末の接続指示を受け取ったセッション管理機能部から送信された制御信号をTCP(Transmission Control Protocol)ベースのインタフェース又はSCTP(Stream Control Transmission Protocol)ベースのインタフェースを介して受け取ったときに、前記ポリシを、TCPベースのインタフェース又はSCTPベースのインタフェースを介して、前記コアネットワークとインターネットとの間に位置するLAN(Local Area Network)に通知する、
ネットワーク装置。
【請求項2】
前記セッション管理機能部は、前記コアネットワークに含まれる、
請求項1に記載のネットワーク装置。
【請求項3】
前記コアネットワークは、5Gコアネットワークであり、
前記ポリシ管理機能部は、TCPベースのサービスベースインタフェースを介して前記ポリシを前記LANに通知する、
請求項1
又は2に記載のネットワーク装置。
【請求項4】
前記ポリシ管理機能部は、PCF(Policy Control Function)である、
請求項1
から3のいずれか1項に記載のネットワーク装置。
【請求項5】
前記セッション管理機能部は、SMF(Session Management Function)である、
請求項1から4のいずれか1項に記載のネットワーク装置。
【請求項6】
前記制御信号は、ポリシ制御リクエストメッセージである、
請求項1から
5のいずれか1項に記載のネットワーク装置。
【請求項7】
前記コアネットワークは、EPC(Evolved Packet Core)であり、
前記ポリシ管理機能部は、SCTPベースのDiameterインタフェースを介して前記ポリシを前記LANに通知する、
請求項1
又は2に記載のネットワーク装置。
【請求項8】
前記ポリシ管理機能部は、PCRF(Policy and Charging Rules Function)である、
請求項
1、2、7のいずれか1項に記載のネットワーク装置。
【請求項9】
前記セッション管理機能部は、MME(Mobility Management Entity)である、
請求項1、2、7、8のいずれか1項に記載のネットワーク装置。
【請求項10】
前記制御信号は、クレジット制御メッセージである、
請求項1、
2、7、8、9のいずれか1項に記載のネットワーク装置。
【請求項11】
前記コアネットワークは、5GコアネットワークとEPC(Evolved Packet Core)が相互に接続されたものである、
請求項1又は2に記載のネットワーク装置。
【請求項12】
前記コアネットワークは、SMF(Session Management Function)とP-GW(Packet Data Network Gateway)の組み合わせを含む、
請求項11に記載のネットワーク装置。
【請求項13】
コアネットワーク
に含まれるネットワーク装置によって実行される方法であって、
前記ネットワーク装置は、端末のポリシを管理するポリシ管理機能部を
備え、
前記方法は、前記ポリシ管理機能部が、
前記端末の接続指示を受け取ったセッション管理機能部から送信された制御信号をTCP(Transmission Control Protocol)ベースのインタフェース又はSCTP(Stream Control Transmission Protocol)ベースのインタフェースを介して受け取ったときに、前記ポリシを、TCPベースのインタフェース又はSCTPベースのインタフェースを介して、前記コアネットワークとインターネットとの間に位置するLAN(Local Area Network)に通知することを含む、
方法。
【請求項14】
前記セッション管理機能部は、前記コアネットワークに含まれる、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
コアネットワーク
に含まれるネットワーク装置に処理を実行させるプログラムであって、
前記ネットワーク装置は、端末のポリシを管理するポリシ管理機能部を
備え、
前記処理は、
前記ポリシ管理機能部が、
前記端末の接続指示を受け取ったセッション管理機能部から送信された制御信号をTCP(Transmission Control Protocol)ベースのインタフェース又はSCTP(Stream Control Transmission Protocol)ベースのインタフェースを介して受け取ったときに、前記ポリシを、TCPベースのインタフェース又はSCTPベースのインタフェースを介して、前記コアネットワークとインターネットとの間に位置するLAN(Local Area Network)に通知すること
を含む、
プログラム。
【請求項16】
前記セッション管理機能部は、前記コアネットワークに含まれる、
請求項15に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ネットワーク装置、方法、及び、プログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
EPC(Evolved Packet Core)では、ユーザパケットを外部のインターネットとの間で転送する構成要素(機能部)として、P-GW(Packet Data Network Gateway)が設けられている(例えば、特許文献1)。そして、EPCとインターネットとの間には、Gi-LAN(Local Area Network)が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、EPCには、ポリシを管理する機能部(ポリシ管理機能部)として、PCRF(Policy and Charging Rules Function)が設けられている。そして、P-GWがMME(Mobility Management Entity)から送信されたUE(User Equipment)の接続指示(Attach等)をS-GW(Serving Gateway)経由で受け取ると、P-GWは、Gi-LANに接続指示を送信する。そして、Gi-LANは、P-GWから接続指示を受信すると、PCRFからポリシを取得するための手順を実行する。このポリシは、ユーザとキャリアとの間の契約で定義したポリシである。
【0005】
しかしながら、P-GWがGi-LANに接続指示を送信する際に用いられるプロトコルは、Radius(Remote Authentication Dial In User Service)が事実上の標準である。Radiusは、UDP(User Datagram Protocol)を用いるため、信頼性に欠ける。このため、P-GWがGi-LANに送信した接続指示がGi-LANに届かず、結果として、Gi-LANにPCRFからポリシが通知されない可能性がある。この場合、Gi-LANにポリシが反映されず、ユーザ又はキャリアのいずれかが課金に関わる不利益を被る可能性がある。この問題は、EPCに限らず、5Gシステムのコアネットワーク(5Gコア(5GC))、並びに、EPC及び5GCが共存するネットワークにおいても生じる可能性がある。ここで、EPCのMME、P-GW、及び、S-GW(Serving Gateway)は、5GCのSMF(Session Management Function)及びAMF(Access and Mobility Management Function)に対応し、EPCのPCRFは、5GCのPCF(Policy control Function)に対応する。
【0006】
本開示の目的は、コアネットワークとインターネットとの間に位置するLANに確実にポリシを反映させることができる、ネットワーク装置、方法、及び、プログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様にかかるネットワーク装置は、コアネットワークのネットワーク装置であって、
端末のポリシを管理するポリシ管理機能部を含み、
前記ポリシ管理機能部は、
前記端末の接続指示を受け取ったセッション管理機能部から送信された制御信号をTCP(Transmission Control Protocol)ベースのインタフェース又はSCTP(Stream Control Transmission Protocol)ベースのインタフェースを介して受け取ったときに、前記ポリシを、TCPベースのインタフェース又はSCTPベースのインタフェースを介して、前記コアネットワークとインターネットとの間に位置するLAN(Local Area Network)に通知する。
【0008】
第2の態様にかかる方法は、コアネットワークのネットワーク装置によって実行される方法であって、
前記ネットワーク装置は、端末のポリシを管理するポリシ管理機能部を含み、
前記方法は、前記ポリシ管理機能部が、端末の接続指示を受け取ったセッション管理機能部から送信された制御信号をTCP(Transmission Control Protocol)ベースのインタフェース又はSCTP(Stream Control Transmission Protocol)ベースのインタフェースを介して受け取ったときに、前記ポリシを、TCPベースのインタフェース又はSCTPベースのインタフェースを介して、前記コアネットワークとインターネットとの間に位置するLAN(Local Area Network)に通知すること、を含む。
【0009】
第3の態様にかかる非一時的なコンピュータ可読媒体は、コアネットワークのネットワーク装置に処理を実行させるプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
前記ネットワーク装置は、端末のポリシを管理するポリシ管理機能部を含み、
前記処理は、ポリシ管理機能部が、端末の接続指示を受け取ったセッション管理機能部から送信された制御信号をTCP(Transmission Control Protocol)ベースのインタフェース又はSCTP(Stream Control Transmission Protocol)ベースのインタフェースを介して受け取ったときに、前記ポリシを、TCPベースのインタフェース又はSCTPベースのインタフェースを介して、前記コアネットワークとインターネットとの間に位置するLAN(Local Area Network)に通知すること、を含む。
【発明の効果】
【0010】
本開示により、コアネットワークとインターネットとの間に位置するLANに確実にポリシを反映させることができる、ネットワーク装置、方法、及び、プログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態におけるコアネットワークのネットワーク装置の一例を示すブロック図である。
【
図3】第2実施形態における5Gコアのネットワーク装置の一例を示すブロック図である。
【
図4】第2実施形態における5Gコアのネットワーク装置の処理動作の説明に供するシーケンス図である。
【
図6】第3実施形態におけるEPCのネットワーク装置の一例を示すブロック図である。
【
図7】第3実施形態におけるEPCのネットワーク装置の処理動作の説明に供するシーケンス図である。
【
図8】ネットワーク装置のハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ、実施形態について説明する。なお、実施形態において、同一又は同等の要素には、同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0013】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態におけるコアネットワークのネットワーク装置の一例を示すブロック図である。
図1においてネットワーク装置10は、ポリシ管理機能部11を有している。
【0014】
ポリシ管理機能部11は、端末(不図示)のポリシを管理する。例えば、ポリシ管理機能部11は、端末(不図示)の接続指示(例えば、Attach等)を受け取ったセッション管理機能部(不図示)から送信された制御信号を受け取ったときに、端末(不図示)についてのポリシを、コアネットワークとインターネットとの間に位置する「LAN(Local Area Network)」(不図示)に通知する。具体的には、ポリシ管理機能部11は、このポリシを、TCP(Transmission Control Protocol)ベースのインタフェース又はSCTP(Stream Control Transmission Protocol)ベースのインタフェースを介して、上記「LAN(Local Area Network)」に通知してもよい。このLANは、Gi-LANと呼ばれることがある。
【0015】
なお、ポリシ管理機能部11は、通常、上記の制御信号を、TCP(Transmission Control Protocol)ベースのインタフェース又はSCTP(Stream Control Transmission Protocol)ベースのインタフェースを介して受け取る。
【0016】
ここで、セッション管理機能部(不図示)がRadius(Remote Authentication Dial In User Service)を用いて制御信号をGi-LANに送信し、この制御信号に応答してGi-LANがポリシ管理機能部11からポリシを取得する手順を実行することも考えられる。しかしながら、Radiusは、UDP(User Datagram Protocol)を用いるため、信頼性に欠ける。このため、P-GWがGi-LANに送信した接続指示がGi-LANに届かず、結果として、Gi-LANにPCRFからポリシが通知されない可能性がある。この場合、Gi-LANにポリシが反映されず、ユーザ又はキャリアのいずれかが課金に関わる不利益を被る可能性がある。
【0017】
これに対して、ネットワーク装置10においてポリシ管理機能部11は、端末(不図示)の接続指示(例えば、Attach等)を受け取ったセッション管理機能部(不図示)から送信された制御信号を受け取ったときに、端末(不図示)についてのポリシを、Gi-LANに通知する。ポリシ管理機能部11は、上記の制御信号を、TCP(Transmission Control Protocol)ベースのインタフェース又はSCTP(Stream Control Transmission Protocol)ベースのインタフェースを介して受け取る。また、この通知には、TCPベースのインタフェース又はSCTPベースのインタフェースが用いられる。このように、通信の信頼性を保証するプロトコルベースのインタフェースを介してセッション管理機能部(不図示)から制御信号を受け取ることをトリガとして、ポリシ管理機能部11が、端末(不図示)についてのポリシを、通信の信頼性を保証するプロトコルベースのインタフェースを介してGi-LANに通知するので、Gi-LANに確実にポリシを反映させることができる。
【0018】
<第2実施形態>
第2実施形態は、より具体的な実施形態に関する。第2実施形態は、特に、コアネットワークが5Gシステムのコアネットワーク(5Gコア(5GC))である場合について説明する。
【0019】
<5Gコアの概要>
図2は、5Gコアの概略図である。
図2において5Gコア20は、AMF(Access and Mobility Management Function)21と、SMF(Session Management Function)22と、PCF(Policy control Function)23とを有している。
【0020】
AMF21は、登録管理(Registration Management)、接続管理(Connection Management)、及び、移動管理(Mobility Management)を行う機能部である。
【0021】
SMF22は、セッション管理(Session Management)を行う機能部である。
【0022】
PCF23は、ポリシやルールを管理する機能部である。
【0023】
図2に示すように、5Gコア20とインターネット40との間には、Gi-LAN30が設けられている。
【0024】
<ネットワーク装置の構成例>
図3は、第2実施形態における5Gコアのネットワーク装置の一例を示すブロック図である。
図3においてネットワーク装置50は、ポリシ管理機能部51を有している。ポリシ管理機能部51は、
図2のPCF23に対応する。
【0025】
ポリシ管理機能部51は、第1実施形態のポリシ管理機能部11と同様に、端末(不図示)の接続指示(例えば、Attach等)を受け取ったセッション管理機能部(上記のSMF22に対応)から送信された制御信号を受け取ったときに、端末(不図示)についてのポリシを、Gi-LAN30に通知する。具体的には、ポリシ管理機能部51は、このポリシを、TCP(Transmission Control Protocol)ベースのサービスベースインタフェース(SBI)を介してGi-LAN30に通知する。また、上記の「制御信号」は、ポリシ制御リクエストメッセージ(例えば、Npcf_SMPolicyControl_Request)であってもよい。
【0026】
<5Gコアの動作例>
図4は、第2実施形態における5Gコアのネットワーク装置の処理動作の説明に供するシーケンス図である。
【0027】
図4に示すように、端末は、5Gのエリアに位置しており、NG-RAN(Radio Access Network)に接続している(ステップS101)。そして、端末は、AUSF(Authentication Server Function)によって認証されている(ステップS102)。この認証には、UDM(Unified Data Management)に保持されている加入者契約情報や認証情報が用いられる。そして、AMF21は、端末の位置登録を行う(ステップS103)。
【0028】
AMF21は、Nsmf_PDUSession_CreateSMContext Requestメッセージを、SMF22に送信する(ステップS104)。例えば、Nsmf_PDUSession_CreateSMContext Requestメッセージが、SMF22が受け取る上記の端末(不図示)の接続指示に対応する。
【0029】
SMF22は、Nudm_SubscriberDataManagement_GETメッセージをUDMに送信し(ステップS105)、UDMは、AckをSMF22に送信する(ステップS106)。これにより、SMF22は、端末についての加入者情報等を取得することができる。
【0030】
SMF22は、Access RequestをRadiusに送信し(ステップS107)、Radiusは、AckをSMF22に送信する(ステップS108)。
【0031】
SMF22は、Npcf_SMPolicyControl_RequestメッセージをPCF23に送信する(ステップS109)。例えば、Npcf_SMPolicyControl_Requestメッセージが、SMF22がPCF23(つまり、ポリシ管理機能部51)に送信する上記の制御信号に対応する。
【0032】
PCF23は、ポリシ通知をGi-LAN30に送信する(ステップS110)。Gi-LAN30は、AckをPCF23に送信する(ステップS111)。PCF23は、AckをSMF22に送信する(ステップS112)。
【0033】
SMF22は、Accounting RequestをRadiusに送信し(ステップS113)、Radiusは、AckをSMF22に送信する(ステップS114)。
【0034】
SMF22は、AckをAMF21に送信する(ステップS115)。AMF21は、NG-RANを介してAckを端末に送信する(ステップS116,S117)。
【0035】
<第3実施形態>
第3実施形態は、より具体的な実施形態に関する。第3実施形態は、特に、コアネットワークがEPCである場合について説明する。
【0036】
<EPCの概要>
図5は、EPCの概略図である。
図5においてEPC60は、MME(Mobility Management Entity)61と、S-GW(Serving Gateway)62と、P-GW(Packet Data Network Gateway)63と、PCRF(Policy and Charging Rules Function)64とを有している。
【0037】
MME61は、モビリティ管理、セッション管理を行う機能部である。
【0038】
S-GW62は、E-UTRANとEPC60との間のUプレーンを接続し、ユーザパケットのルーティング、転送を行う機能部である。
【0039】
P-GW63は、外部IPネットワークとの接続点として機能し、ユーザパケットを外部IPネットワークとの間で転送する機能部である。
【0040】
PCRF64は、ポリシや課金を管理する機能部である。
【0041】
<ネットワーク装置の構成例>
図6は、第3実施形態におけるEPCのネットワーク装置の一例を示すブロック図である。
図6においてネットワーク装置70は、ポリシ管理機能部71を有している。ポリシ管理機能部71は、
図5のPCRF64に対応する。
【0042】
ポリシ管理機能部71は、第1実施形態のポリシ管理機能部11と同様に、端末(不図示)の接続指示(例えば、Attach等)を受け取ったセッション管理機能部(上記のMME61に対応)から送信された制御信号を受け取ったときに、端末(不図示)についてのポリシを、Gi-LAN30に通知する。具体的には、ポリシ管理機能部71は、このポリシを、SCTPベースのDiameterインタフェースを介してGi-LAN30に通知する。例えば、この通知には、Re-Auth-Request (RAR)が用いられてもよい。また、上記の「制御信号」は、クレジット制御メッセージ(例えば、Credit Control (CC) Request)であってもよい。
【0043】
<EPCの動作例>
図7は、第3実施形態におけるEPCのネットワーク装置の処理動作の説明に供するシーケンス図である。
【0044】
図7に示すように、端末は、4Gのエリアに位置しており、E-UTRANに接続している(ステップS151)。そして、端末は、HSS(Home Subscriber Server)に保持されている加入者契約情報や認証情報を用いて認証されている(ステップS152)。そして、MME61は、端末の位置登録を行う(ステップS153)。
【0045】
MME61は、Create Session Requestメッセージを、S-GW62に送信する(ステップS154)。そして、S-GW62は、Create Session Requestメッセージを、P-GW63に送信する(ステップS155)。例えば、Create Session Requestメッセージが、PCRF64が受け取る上記の端末(不図示)の接続指示に対応する。
【0046】
P-GW63は、Access RequestをRadiusに送信し(ステップS156)、Radiusは、AckをP-GW63に送信する(ステップS157)。
【0047】
P-GW63は、Credit Control (CC) RequestメッセージをPCRF64に送信する(ステップS158)。例えば、Credit Control (CC) Requestメッセージが、PCRF64が受け取る上記の制御信号に対応する。
【0048】
PCRF64は、Re-Auth-Request(ポリシ通知)をGi-LAN30に送信する(ステップS159)。Gi-LAN30は、AckをPCRF64に送信する(ステップS160)。PCRF64は、AckをP-GW63に送信する(ステップS161)。
【0049】
P-GW63は、Accounting RequestをPCRF64に送信し(ステップS162)、PCRF64は、AckをP-GW63に送信する(ステップS163)。
【0050】
P-GW63は、AckをS-GW62に送信する(ステップS164)。S-GW62は、AckをMME61に送信する(ステップS165)。MME61は、E-UTRANを介してAckを端末に送信する(ステップS166,S167)。
【0051】
<他の実施形態>
<1>第2実施形態では、5Gコア単独について説明し、第3実施形態では、EPC単独について説明したが、本開示はこれに限定されるものではなく、当然のことながら5GコアとEPCとが共存して相互接続していてもよい。この場合、SMFとP-GWとの組み合わせ(SMF-P-GW)が5Gコアの1つの構成要素とされてもよい。この場合、端末が5Gのエリアに存在しているときには、AMFから接続指示がSMF-P-GWに送信され、SMF-P-GWが制御信号をPCFに送信し、PCFがポリシをGi-LANに通知する。一方、端末が4Gのエリアに存在しているときには、MMEから接続指示がSMF-P-GWに送信され、SMF-P-GWが制御信号をPCRFに送信し、PCRFがポリシをGi-LANに通知する。
【0052】
<2>
図8は、ネットワーク装置のハードウェア構成例を示す図である。
図8においてネットワーク装置100は、プロセッサ101と、メモリ102とを有している。プロセッサ101は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU(Micro Processing Unit)、又はCPU(Central Processing Unit)であってもよい。プロセッサ101は、複数のプロセッサを含んでもよい。メモリ102は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ102は、プロセッサ101から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ101は、図示されていないI/Oインタフェースを介してメモリ102にアクセスしてもよい。
【0053】
第1実施形態から第3実施形態のネットワーク装置10,50,70は、それぞれ、
図8に示したハードウェア構成を有することができる。第1実施形態から第3実施形態のネットワーク装置10,50,70のポリシ管理機能部11,51,71は、プロセッサ101がメモリ102に記憶されたプログラムを読み込んで実行することにより実現されてもよい。プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、ネットワーク装置10,50,70に供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)を含む。さらに、非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/Wを含む。さらに、非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、半導体メモリを含む。半導体メモリは、例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory)を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってネットワーク装置10,50,70に供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをネットワーク装置10,50,70に供給できる。
【0054】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0055】
10 ネットワーク装置
11 ポリシ管理機能部
20 5Gコア
21 AMF
22 SMF
23 PCF
30 Gi-LAN
40 インターネット
50 ネットワーク装置
51 ポリシ管理機能部
60 EPC
61 MME
62 S-GW
63 P-GW
64 PCRF
70 ネットワーク装置
71 ポリシ管理機能部