(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-07
(45)【発行日】2025-04-15
(54)【発明の名称】処理装置、処理システム、処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20230101AFI20250408BHJP
【FI】
G06Q10/10
(21)【出願番号】P 2024504314
(86)(22)【出願日】2022-03-04
(86)【国際出願番号】 JP2022009459
(87)【国際公開番号】W WO2023166719
(87)【国際公開日】2023-09-07
【審査請求日】2024-08-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】稲村 恭介
(72)【発明者】
【氏名】山本 譲
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 洋
(72)【発明者】
【氏名】濱谷 具英
(72)【発明者】
【氏名】早川 友也
【審査官】樋口 龍弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-057075(JP,A)
【文献】特開2007-094935(JP,A)
【文献】特開2004-171343(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理対象ユーザ各々の現在の状況を登録した状況情報を管理する状況情報管理手段と、
前記管理対象ユーザ各々に紐付けて、所定の同意事項に同意するか否かを想定状況毎に登録した同意情報を管理する同意情報管理手段と、
前記同意情報及び前記状況情報に基づき、前記管理対象ユーザの中の第1の管理対象ユーザの現在の状況を特定し、特定した状況において前記第1の管理対象ユーザが前記同意事項に同意しているか否かを判定し、判定の結果に応じて所定の権限を発行する判定手段と、
を有
し、
前記同意事項は、監視カメラが生成した監視カメラ画像内での前記管理対象ユーザの特定に関する第3の同意事項を含み、
前記判定手段は、
権限要求ユーザからの要求に応じて、前記第1の管理対象ユーザが現在の状況下で前記第3の同意事項に同意しているか否かを判定し、
前記第1の管理対象ユーザが現在の状況下で前記第3の同意事項に同意していると判定した場合、前記第1の管理対象ユーザを前記監視カメラ画像内で特定する権限を発行する処理を行う処理装置。
【請求項2】
管理対象ユーザ各々の現在の状況を登録した状況情報を管理する状況情報管理手段と、
前記管理対象ユーザ各々に紐付けて、所定の同意事項に同意するか否かを想定状況毎に登録した同意情報を管理する同意情報管理手段と、
前記同意情報及び前記状況情報に基づき、前記管理対象ユーザの中の第1の管理対象ユーザの現在の状況を特定し、特定した状況において前記第1の管理対象ユーザが前記同意事項に同意しているか否かを判定し、判定の結果に応じて所定の権限を発行する判定手段と、
を有
し、
前記状況情報管理手段は、正当権限を有する状況変更要求ユーザからの要求に応じて、前記状況情報に登録された前記管理対象ユーザの現在の状況を更新し、
更新内容毎に、正当権限を有する前記状況変更要求ユーザが異なり、
前記判定手段は、更新内容毎に正当権限を有する前記状況変更要求ユーザを示す情報に基づき、前記状況変更要求ユーザが正当権限を有するか判定する処理装置。
【請求項3】
管理対象ユーザ各々の現在の状況を登録した状況情報を管理する状況情報管理手段と、
前記管理対象ユーザ各々に紐付けて、所定の同意事項に同意するか否かを想定状況毎に登録した同意情報を管理する同意情報管理手段と、
前記同意情報及び前記状況情報に基づき、前記管理対象ユーザの中の第1の管理対象ユーザの現在の状況を特定し、特定した状況において前記第1の管理対象ユーザが前記同意事項に同意しているか否かを判定し、判定の結果に応じて所定の権限を発行する判定手段と、
を有
し、
前記想定状況は、119番で救助要請された状況、又は警察に捜索願が提出された状況を含む処理装置。
【請求項4】
前記同意事項は、前記管理対象ユーザの第1の個人情報の利用に関する第1の同意事項を含み、
前記判定手段は、
権限要求ユーザからの要求に応じて、前記第1の管理対象ユーザが現在の状況下で前記第1の同意事項に同意しているか否かを判定し、
前記第1の管理対象ユーザが現在の状況下で前記第1の同意事項に同意していると判定した場合、前記第1の管理対象ユーザの前記第1の個人情報を利用する権限を発行する処理を行う請求項1
から3のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項5】
前記同意事項は、前記第1の同意事項に加えて、前記管理対象ユーザの第2の個人情報の利用に関する第2の同意事項を含み、
前記同意情報では、前記第1の同意事項及び前記第2の同意事項別々に、同意するか否かを前記想定状況毎に登録している請求項
4に記載の処理装置。
【請求項6】
前記同意情報は、複数の前記同意事項各々に同意するか否かを前記想定状況毎に示し、
前記想定状況は、前記同意事項毎に異なる請求項1から
5のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項7】
前記同意情報では、複数の前記同意事項各々において、同意するか否かを前記想定状況毎に登録しており、
前記判定手段は、正当権限を有する権限要求ユーザからの要求に応じて、前記第1の管理対象ユーザが現在の状況下で前記同意事項に同意しているか否かを判定し、
前記同意事項毎に、正当権限を有する前記権限要求ユーザが異なり、
前記判定手段は、前記同意事項毎に正当権限を有する前記権限要求ユーザを示す情報に基づき、前記権限要求ユーザが正当権限を有するか判定する請求項1から
6のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項8】
コンピュータが、
管理対象ユーザ各々の現在の状況を登録した状況情報を管理し、
前記管理対象ユーザ各々に紐付けて、所定の同意事項に同意するか否かを想定状況毎に登録した同意情報を管理し、
前記同意情報及び前記状況情報に基づき、前記管理対象ユーザの中の第1の管理対象ユーザの現在の状況を特定し、特定した状況において前記第1の管理対象ユーザが前記同意事項に同意しているか否かを判定し、判定の結果に応じて所定の権限を発行
し、
前記同意事項は、監視カメラが生成した監視カメラ画像内での前記管理対象ユーザの特定に関する第3の同意事項を含み、
前記判定の結果に応じて前記所定の権限を発行する処理において、
権限要求ユーザからの要求に応じて、前記第1の管理対象ユーザが現在の状況下で前記第3の同意事項に同意しているか否かを判定し、
前記第1の管理対象ユーザが現在の状況下で前記第3の同意事項に同意していると判定した場合、前記第1の管理対象ユーザを前記監視カメラ画像内で特定する権限を発行する処理を行う処理方法。
【請求項9】
コンピュータが、
管理対象ユーザ各々の現在の状況を登録した状況情報を管理し、
前記管理対象ユーザ各々に紐付けて、所定の同意事項に同意するか否かを想定状況毎に登録した同意情報を管理し、
前記同意情報及び前記状況情報に基づき、前記管理対象ユーザの中の第1の管理対象ユーザの現在の状況を特定し、特定した状況において前記第1の管理対象ユーザが前記同意事項に同意しているか否かを判定し、判定の結果に応じて所定の権限を発行
し、
前記状況情報を管理する処理において、正当権限を有する状況変更要求ユーザからの要求に応じて、前記状況情報に登録された前記管理対象ユーザの現在の状況を更新し、
更新内容毎に、正当権限を有する前記状況変更要求ユーザが異なり、
前記判定の結果に応じて前記所定の権限を発行する処理において、更新内容毎に正当権限を有する前記状況変更要求ユーザを示す情報に基づき、前記状況変更要求ユーザが正当権限を有するか判定する処理方法。
【請求項10】
コンピュータが、
管理対象ユーザ各々の現在の状況を登録した状況情報を管理し、
前記管理対象ユーザ各々に紐付けて、所定の同意事項に同意するか否かを想定状況毎に登録した同意情報を管理し、
前記同意情報及び前記状況情報に基づき、前記管理対象ユーザの中の第1の管理対象ユーザの現在の状況を特定し、特定した状況において前記第1の管理対象ユーザが前記同意事項に同意しているか否かを判定し、判定の結果に応じて所定の権限を発行
し、
前記想定状況は、119番で救助要請された状況、又は警察に捜索願が提出された状況を含む処理方法。
【請求項11】
コンピュータを、
管理対象ユーザ各々の現在の状況を登録した状況情報を管理する状況情報管理手段、
前記管理対象ユーザ各々に紐付けて、所定の同意事項に同意するか否かを想定状況毎に登録した同意情報を管理する同意情報管理手段、
前記同意情報及び前記状況情報に基づき、前記管理対象ユーザの中の第1の管理対象ユーザの現在の状況を特定し、特定した状況において前記第1の管理対象ユーザが前記同意事項に同意しているか否かを判定し、判定の結果に応じて所定の権限を発行する判定手段、
として機能させ
、
前記同意事項は、監視カメラが生成した監視カメラ画像内での前記管理対象ユーザの特定に関する第3の同意事項を含み、
前記判定手段は、
権限要求ユーザからの要求に応じて、前記第1の管理対象ユーザが現在の状況下で前記第3の同意事項に同意しているか否かを判定し、
前記第1の管理対象ユーザが現在の状況下で前記第3の同意事項に同意していると判定した場合、前記第1の管理対象ユーザを前記監視カメラ画像内で特定する権限を発行する処理を行うプログラム。
【請求項12】
コンピュータを、
管理対象ユーザ各々の現在の状況を登録した状況情報を管理する状況情報管理手段、
前記管理対象ユーザ各々に紐付けて、所定の同意事項に同意するか否かを想定状況毎に登録した同意情報を管理する同意情報管理手段、
前記同意情報及び前記状況情報に基づき、前記管理対象ユーザの中の第1の管理対象ユーザの現在の状況を特定し、特定した状況において前記第1の管理対象ユーザが前記同意事項に同意しているか否かを判定し、判定の結果に応じて所定の権限を発行する判定手段、
として機能させ
、
前記状況情報管理手段は、正当権限を有する状況変更要求ユーザからの要求に応じて、前記状況情報に登録された前記管理対象ユーザの現在の状況を更新し、
更新内容毎に、正当権限を有する前記状況変更要求ユーザが異なり、
前記判定手段は、更新内容毎に正当権限を有する前記状況変更要求ユーザを示す情報に基づき、前記状況変更要求ユーザが正当権限を有するか判定するプログラム。
【請求項13】
コンピュータを、
管理対象ユーザ各々の現在の状況を登録した状況情報を管理する状況情報管理手段、
前記管理対象ユーザ各々に紐付けて、所定の同意事項に同意するか否かを想定状況毎に登録した同意情報を管理する同意情報管理手段、
前記同意情報及び前記状況情報に基づき、前記管理対象ユーザの中の第1の管理対象ユーザの現在の状況を特定し、特定した状況において前記第1の管理対象ユーザが前記同意事項に同意しているか否かを判定し、判定の結果に応じて所定の権限を発行する判定手段、
として機能させ
、
前記想定状況は、119番で救助要請された状況、又は警察に捜索願が提出された状況を含むプログラム。
【請求項14】
管理対象ユーザ各々の現在の状況を登録した状況情報を管理する状況情報管理手段と、
前記管理対象ユーザ各々に紐付けて、所定の同意事項に同意するか否かを想定状況毎に登録した同意情報を管理する同意情報管理手段と、
前記同意情報及び前記状況情報に基づき、前記管理対象ユーザの中の第1の管理対象ユーザが現在の状況下で前記同意事項に同意しているか否かを判定し、判定の結果に応じて所定の権限を発行する判定手段と、
前記所定の権限に基づき所定の処理を実行する処理手段と、
を有
し、
前記同意事項は、監視カメラが生成した監視カメラ画像内での前記管理対象ユーザの特定に関する第3の同意事項を含み、
前記判定手段は、
権限要求ユーザからの要求に応じて、前記第1の管理対象ユーザが現在の状況下で前記第3の同意事項に同意しているか否かを判定し、
前記第1の管理対象ユーザが現在の状況下で前記第3の同意事項に同意していると判定した場合、前記第1の管理対象ユーザを前記監視カメラ画像内で特定する権限を発行する処理を行う処理システム。
【請求項15】
管理対象ユーザ各々の現在の状況を登録した状況情報を管理する状況情報管理手段と、
前記管理対象ユーザ各々に紐付けて、所定の同意事項に同意するか否かを想定状況毎に登録した同意情報を管理する同意情報管理手段と、
前記同意情報及び前記状況情報に基づき、前記管理対象ユーザの中の第1の管理対象ユーザが現在の状況下で前記同意事項に同意しているか否かを判定し、判定の結果に応じて所定の権限を発行する判定手段と、
前記所定の権限に基づき所定の処理を実行する処理手段と、
を有
し、
前記状況情報管理手段は、正当権限を有する状況変更要求ユーザからの要求に応じて、前記状況情報に登録された前記管理対象ユーザの現在の状況を更新し、
更新内容毎に、正当権限を有する前記状況変更要求ユーザが異なり、
前記判定手段は、更新内容毎に正当権限を有する前記状況変更要求ユーザを示す情報に基づき、前記状況変更要求ユーザが正当権限を有するか判定する処理システム。
【請求項16】
管理対象ユーザ各々の現在の状況を登録した状況情報を管理する状況情報管理手段と、
前記管理対象ユーザ各々に紐付けて、所定の同意事項に同意するか否かを想定状況毎に登録した同意情報を管理する同意情報管理手段と、
前記同意情報及び前記状況情報に基づき、前記管理対象ユーザの中の第1の管理対象ユーザが現在の状況下で前記同意事項に同意しているか否かを判定し、判定の結果に応じて所定の権限を発行する判定手段と、
前記所定の権限に基づき所定の処理を実行する処理手段と、
を有
し、
前記想定状況は、119番で救助要請された状況、又は警察に捜索願が提出された状況を含む処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理装置、処理システム、処理方法、および記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に関連する技術が特許文献1に開示されている。特許文献1には、予めユーザが所定の送信先に自身の健康状態に関する情報を送信することについて同意している場合には、ユーザに緊急を要する症状が発生した際にその送信先にそのユーザの健康状態に関する情報を送信する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザは、個人情報の利用や監視カメラ画像内での特定などの自身のプライバシーに関係する各種同意事項に同意するか否かの選択が求められる。それら同意事項に同意することでより手厚いサービスが受けられるようになる可能性がある一方で、自身の個人情報が流出するリスクが高まる。自身のプライバシーに関係する各種同意事項に対して同意するか否かは非常に難しい選択であり、単に「同意/不同意」の選択でなく、より柔軟な態様で選択できるようにする技術が求められている。
【0005】
特許文献1に開示の技術の場合、ユーザは送信先毎に自身の情報を送信することについて同意するか否かを選択できる。しかし、単に送信先毎に「同意/不同意」を選択できるだけでは不十分に感じるユーザが存在するという問題点があった。
【0006】
本発明の目的の一例は、上述した課題を鑑み、自身のプライバシーに関係する各種同意事項に対して同意するか否かをより柔軟な態様で選択できるようにする処理装置、処理システム、処理方法、および記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、
管理対象ユーザ各々の現在の状況を登録した状況情報を管理する状況情報管理手段と、
前記管理対象ユーザ各々に紐付けて、所定の同意事項に同意するか否かを想定状況毎に登録した同意情報を管理する同意情報管理手段と、
前記同意情報及び前記状況情報に基づき、前記管理対象ユーザの中の第1の管理対象ユーザの現在の状況を特定し、特定した状況において前記第1の管理対象ユーザが前記同意事項に同意しているか否かを判定し、判定の結果に応じて所定の権限を発行する判定手段と、
を有する処理装置が提供される。
【0008】
また、本発明の一態様によれば、
コンピュータが、
管理対象ユーザ各々の現在の状況を登録した状況情報を管理し、
前記管理対象ユーザ各々に紐付けて、所定の同意事項に同意するか否かを想定状況毎に登録した同意情報を管理し、
前記同意情報及び前記状況情報に基づき、前記管理対象ユーザの中の第1の管理対象ユーザの現在の状況を特定し、特定した状況において前記第1の管理対象ユーザが前記同意事項に同意しているか否かを判定し、判定の結果に応じて所定の権限を発行する、
処理方法が提供される。
【0009】
また、本発明の一態様によれば、
コンピュータを、
管理対象ユーザ各々の現在の状況を登録した状況情報を管理する状況情報管理手段、
前記管理対象ユーザ各々に紐付けて、所定の同意事項に同意するか否かを想定状況毎に登録した同意情報を管理する同意情報管理手段、
前記同意情報及び前記状況情報に基づき、前記管理対象ユーザの中の第1の管理対象ユーザの現在の状況を特定し、特定した状況において前記第1の管理対象ユーザが前記同意事項に同意しているか否かを判定し、判定の結果に応じて所定の権限を発行する判定手段、
として機能させるプログラムを記録した記録媒体が提供される。
【0010】
また、本発明の一態様によれば、
管理対象ユーザ各々の現在の状況を登録した状況情報を管理する状況情報管理手段と、
前記管理対象ユーザ各々に紐付けて、所定の同意事項に同意するか否かを想定状況毎に登録した同意情報を管理する同意情報管理手段と、
前記同意情報及び前記状況情報に基づき、前記管理対象ユーザの中の第1の管理対象ユーザが現在の状況下で前記同意事項に同意しているか否かを判定し、判定の結果に応じて所定の権限を発行する判定手段と、
前記所定の権限に基づき所定の処理を実行する処理手段と、
を有する処理システムが提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、自身のプライバシーに関係する各種同意事項に対して同意するか否かをより柔軟な態様で選択できるようにする処理装置、処理システム、処理方法、および記録媒体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
【0013】
【
図1】処理装置の機能ブロック図の一例を示す図である。
【
図2】処理システムの全体像の一例を示す図である。
【
図3】処理装置及び外部装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
【
図4】処理システムの機能ブロック図の一例を示す図である。
【
図5】状況情報管理部の機能ブロック図の一例を示す図である。
【
図7】正当権限を有する状況変更要求ユーザを示す情報の一例を模式的に示す図である。
【
図8】処理装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図9】同意情報管理部の機能ブロック図の一例を示す図である。
【
図11】正当権限を有する権限要求ユーザを示す情報の一例を模式的に示す図である。
【
図12】処理装置の他の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図13】処理システムの全体像の他の一例を示す図である。
【
図14】処理システムの全体像の他の一例を示す図である。
【
図15】処理システムの全体像の他の一例を示す図である。
【
図16】処理システムの全体像の他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0015】
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係る処理装置100の概要を示す機能ブロック図である。
図1に示すように、処理装置100は、状況情報管理部110と、同意情報管理部120と、判定部130とを有する。状況情報管理部110は、管理対象ユーザ各々の現在の状況を登録した状況情報を管理する。同意情報管理部120は、管理対象ユーザ各々に紐付けて、所定の同意事項に同意するか否かを想定状況毎に登録した同意情報を管理する。判定部130は、同意情報及び状況情報に基づき、管理対象ユーザの中の第1の管理対象ユーザの現在の状況を特定し、特定した状況において第1の管理対象ユーザが同意事項に同意しているか否かを判定し、判定の結果に応じて所定の権限を発行する。
【0016】
この処理装置100によれば、ユーザは自身のプライバシーに関係する各種同意事項に対して同意するか否かをより柔軟な態様で(想定状況毎に)選択できるようになる。
【0017】
<第2の実施形態>
「処理装置100の概要」
第2の実施形態の処理装置100の概要を説明する。
【0018】
処理装置100は、管理対象ユーザ各々に紐付けて、所定の同意事項に同意するか否かを想定状況毎に登録した同意情報を管理する。「所定の同意事項」の詳細は以下で説明するが、例えば「個人情報の利用」等である。「想定状況」の詳細は以下で説明するが、例えば「要救助」、「要捜索」、「要避難」、「通常」等である。
【0019】
管理対象ユーザは、自身が各想定状況の時に所定の同意事項に同意するか否かを判断する。例えば、管理対象ユーザは、「自身が要救助な状況の時に個人情報の利用に同意するか否か」、「自身が要捜索な状況の時に個人情報の利用に同意するか否か」、「自身が要避難な状況の時に個人情報の利用に同意するか否か」、「自身が通常な状況の時に個人情報の利用に同意するか否か」等を判断する。そして、管理対象ユーザは、判断の結果を処理装置100に登録する。
【0020】
また、処理装置100は、管理対象ユーザ各々の現在の状況を登録した状況情報を管理する。状況情報で示される管理対象ユーザの現在の状況は、例えば「要救助」、「要捜索」、「要避難」、「通常」等である。
【0021】
そして、処理装置100は、同意情報及び状況情報に基づき所定の処理を実行する。具体的には、処理装置100は、状況情報に基づき、管理対象ユーザの中の第1の管理対象ユーザの現在の状況を特定する。次いで、処理装置100は、特定した状況において第1の管理対象ユーザが所定の同意事項に同意しているか否かを、同意情報に基づき判定する。そして、処理装置100は、判定の結果に応じて所定の権限を発行する。具体的には、特定した状況において第1の管理対象ユーザが所定の同意事項に同意している場合、処理装置100は、所定の権限を発行する。一方、特定した状況において第1の管理対象ユーザが所定の同意事項に同意していない場合、処理装置100は、所定の権限を発行しない。所定の権限は、第1の管理対象ユーザのプライバシーに関係するものであり、例えば第1の管理対象ユーザの個人情報を利用する権限等である。「所定の権限の発行」は、所定の主体に所定の権限を付与することである。
【0022】
「処理装置100を含む処理システム1の全体像」
次に、
図2を用いて、処理装置100を含む処理システム1の全体像を説明する。処理システム1は、処理装置100と外部装置200とを含む。
【0023】
処理装置100は、第1の主体に管理される。第1の主体は、管理対象ユーザ各々の状況情報及び同意情報を管理し、各管理対象ユーザの状況に応じて各管理対象ユーザのプライバシーに関係する各種権限を発行する主体である。第1の主体は、国や、国から上記業務を委託された団体等が想定されるが、これらに限定されない。
【0024】
状況情報を管理する業務、同意情報を管理する業務、及び各種権限を発行する業務は、1つの主体により実行されてもよいし、各々が別々の主体により実行されてもよい。上記3つの業務が複数の主体により実行される場合、処理装置100は、物理的及び/又は論理的に分かれた複数の装置で構成される。そして、当該複数の装置の各々が、状況情報管理部110、同意情報管理部120及び判定部130の中の一部(1つの装置が2つの機能部を備えてもよい)を備え、互いに通信しながら協働し、処理装置100の機能を実現する。
【0025】
外部装置200は、第2の主体に管理される。第2の主体は、管理対象ユーザに対して各種サービスを提供する主体である、第2の主体は、提供するサービスの充実化のため、管理対象ユーザの個人情報の利用等を希望する場合がある。第2の主体は、例えば要救助者を救助する消防署、要捜索者を捜索する警察署、要避難者の避難を支援する地方自治体や地方自治会等が想定されるが、これらに限定されない。
【0026】
処理システム1の処理の流れの概要は以下の通りである。
【0027】
(1)第2の主体が、管理対象ユーザの中の第1の管理対象ユーザを処置対象として特定する。処置は、救助、捜索、避難支援等である。
【0028】
(2)次に、第2の主体が、第1の主体に対し、第1の管理対象ユーザの状況更新、及び第1の管理対象ユーザに関する所定の権限発行の要求を行う。第2の主体は、外部装置200を介して当該要求を行う。当該要求は、外部装置200から処理装置100に送信される。「第1の管理対象ユーザの状況更新」は、例えば「通常」から「要救助」への変更などである。「第1の管理対象ユーザに関する所定の権限」は、例えば個人情報の利用などである。
【0029】
(3)次に、第1の主体の処理装置100が、第2の主体からの要求に応じて、第1の管理対象ユーザの状況(状況情報)を更新する。そして、処理装置100が、最新の状況情報に基づき第1の管理対象ユーザの現在の状況を特定するとともに、特定した状況において第1の管理対象ユーザが所定の同意事項に同意しているか否かを、同意情報に基づき判定する。
【0030】
(4)次に、第1の主体の処理装置100は、(3)の判定の結果に応じて所定の権限を発行し、発行した権限を第2の主体に付与する。権限の付与は、処理装置100から外部装置200への所定の情報の送信で実現される。
【0031】
(5)次に、第2の主体は、付与された権限に基づく処理を行う。
【0032】
なお、第1の管理対象ユーザの状況更新の要求は、第2の主体でなく、その他の主体が行うようにしてもよい。その他の主体は、例えば、第1の管理対象ユーザの親族や予め登録された人物等が想定される。
【0033】
「ハードウエア構成」
次に、処理装置100及び外部装置200のハードウエア構成の一例を説明する。処理装置100及び外部装置200の各機能部は、任意のコンピュータのCPU(Central Processing Unit)、メモリ、メモリにロードされるプログラム、そのプログラムを格納するハードディスク等の記憶ユニット(あらかじめ装置を出荷する段階から格納されているプログラムのほか、CD(Compact Disc)等の記録媒体やインターネット上のサーバ等からダウンロードされたプログラムをも格納できる)、ネットワーク接続用インターフェイスを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。
【0034】
図3は、処理装置100及び外部装置200のハードウエア構成を例示するブロック図である。
図3に示すように、処理装置100及び外部装置200は、プロセッサ1A、メモリ2A、入出力インターフェイス3A、周辺回路4A、バス5Aを有する。周辺回路4Aには、様々なモジュールが含まれる。処理装置100及び外部装置200は周辺回路4Aを有さなくてもよい。なお、処理装置100及び外部装置200は物理的及び/又は論理的に分かれた複数の装置で構成されてもよい。この場合、複数の装置各々が上記ハードウエア構成を備えることができる。
【0035】
バス5Aは、プロセッサ1A、メモリ2A、周辺回路4A及び入出力インターフェイス3Aが相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。プロセッサ1Aは、例えばCPU、GPU(Graphics Processing Unit)などの演算処理装置である。メモリ2Aは、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリである。入出力インターフェイス3Aは、入力装置、外部装置、外部サーバ、外部センサ、カメラ等から情報を取得するためのインターフェイスや、出力装置、外部装置、外部サーバ等に情報を出力するためのインターフェイスなどを含む。入力装置は、例えばキーボード、マウス、マイク、物理ボタン、タッチパネル等である。出力装置は、例えばディスプレイ、スピーカ、プリンター、メーラ等である。プロセッサ1Aは、各モジュールに指令を出し、それらの演算結果をもとに演算を行うことができる。
【0036】
「処理システム1の機能構成」
図4は、第2の実施形態の処理システム1の機能ブロック図の一例である。処理システム1は、処理装置100と、外部装置200とを有する。
【0037】
-処理装置100-
図4に示すように、処理装置100は、状況情報管理部110と、同意情報管理部120と、判定部130とを有する。
【0038】
状況情報管理部110は、管理対象ユーザ各々の現在の状況を登録した状況情報を管理する。以下、詳細に説明する。
【0039】
「管理対象ユーザ」は、状況情報及び同意情報を管理する対象となるユーザである。
【0040】
「現在の状況」は、予め定義された複数の想定状況の中のいずれかである。
【0041】
「想定状況」は、管理対象ユーザがなり得る状況であって、所定の同意事項に同意するか否かの選択結果に影響し得る状況である。予め複数の状況が想定状況として定義される。想定状況は、例えば、「要救助」、「要捜索」、「要避難」、「通常」等であるが、これらに限定されない。その他、想定状況は、「119番で救助要請された状況」、「警察に捜索願が提出された状況」、「居住地において避難勧告が出された状況」等のように、より具体化されてもよい。
【0042】
状況情報管理部110は、
図5に示すように、状況情報更新部111と状況情報記憶部112とを有する。
【0043】
状況情報記憶部112は、管理対象ユーザ各々の現在の状況を登録した状況情報を記憶する。
図6に、状況情報の一例を模式的に示す。図示する例では、管理対象ユーザ識別情報と、現在の状況とが紐付けられている。
【0044】
状況情報更新部111は、正当権限を有する状況変更要求ユーザからの要求に応じて、状況情報記憶部112が記憶する状況情報に登録された管理対象ユーザの現在の状況を更新する。
【0045】
「状況変更要求ユーザ」は、第1の管理対象ユーザの状況情報の更新を要求するユーザである。
【0046】
正当権限を有する状況変更要求ユーザは、更新内容毎に異なってもよい。例えば、「要救助」への変更における正当権限を有する状況変更
要求ユーザは消防署であり、「要捜索」への変更における正当権限を有する状況変更
要求ユーザは警察署であり、「要避難」への変更における正当権限を有する状況変更
要求ユーザは各管理対象ユーザの居住地の地方自治体等が想定されるが、これらに限定されない。この場合、
図7に示すように、予め、更新内容毎に、正当権限を有する状況変更要求ユーザを示す情報が処理装置100に登録される。そして、状況情報更新部111は、当該情報に基づき、状況変更要求ユーザが正当権限を有するか判定する。
【0047】
その他、正当権限を有する状況変更要求ユーザは、管理対象ユーザ毎に異なってもよい。すなわち、第1の管理対象ユーザの状況情報を更新する正当権限を有する状況変更要求ユーザと、第2の管理対象ユーザの状況情報を更新する正当権限を有する状況変更要求ユーザとは異なってもよい。例えば、第1の管理対象ユーザの状況情報を更新する正当権限を有する状況変更要求ユーザは、第1の管理対象ユーザ自身に加えて、予め第1の管理対象ユーザに紐付けて登録された状況変更要求ユーザであってもよい。例えば、第1の管理対象ユーザは、自身の親族や職場の監督者等を、正当権限を有する状況変更要求ユーザとして登録しておくことができる。そして、状況情報更新部111は、当該情報に基づき、状況変更要求ユーザが正当権限を有するか判定する。
【0048】
ここで、
図8のフローチャートを用いて、状況情報更新部111による処理の流れの一例を説明する。
【0049】
まず、状況情報更新部111は、状況変更要求待ちとなっている(S10)。状況情報更新部111は、ウェブページやアプリケーション等を介して、状況変更要求ユーザから状況変更要求を受信する。
【0050】
受信する状況変更要求は、「状況変更要求ユーザを特定する情報」、「状況情報を更新する対象である管理対象ユーザを特定する情報」及び「更新後の状況の内容を示す情報」を含む。
【0051】
状況変更要求を受信すると(S10のYes)、状況情報更新部111は、当該状況変更要求が正当な要求であるか判定する(S11)。例えば、状況情報更新部111は、「状況変更要求ユーザを特定する情報」で特定される状況変更要求ユーザが、「状況情報を更新する対象である管理対象ユーザを特定する情報」で特定される管理対象ユーザの状況情報を「更新後の状況の内容を示す情報」で示される内容に更新する正当権限を有するか否か等を判定する。この場合、状況情報更新部111は、正当権限を有すると判定した場合に正当な要求であると判定し、正当権限を有さないと判定した場合に正当な要求でないと判定する。
【0052】
そして、受信した状況変更要求が正当な要求であると判定した場合(S11のYes)、状況情報更新部111は、「状況情報を更新する対象である管理対象ユーザを特定する情報」で特定される管理対象ユーザの状況情報を「更新後の状況の内容を示す情報」で示される内容に更新する(S12)。一方、受信した状況変更要求が正当な要求でないと判定した場合(S11のNo)、状況情報更新部111はS12の処理を行わない。
【0053】
S10で取得される「状況変更要求ユーザを特定する情報」は、例えば上述したウェブページやアプリケーションのログイン情報であってもよい。この場合、状況変更要求ユーザは、自身の所属先(消防署、警察署、地方自治体等)が取得したログイン情報(処理装置100において所属先に紐付けられているログイン情報)を利用してログインし、上記要求を行うことで、自身の所属先を処理装置100に通知してもよい。その他、状況変更要求ユーザは、自身が取得したログイン情報(処理装置100において自身に紐付けられているログイン情報)を利用してログインし、上記要求を行うことで、自身の識別情報を処理装置100に通知してもよい。この場合、処理装置100は、予め記憶している状況変更要求ユーザの識別情報と所属先とを紐付けた情報に基づき、状況変更要求ユーザの所属先を特定してもよい。なお、ログイン情報の利用に代えて、ログイン後の入力画面において、状況変更要求ユーザを特定する情報(所属先、自身の識別情報、氏名、住所、電話番号、生年月日等)の入力を受付けるようにしてもよい。
【0054】
また、S10で取得される「状況情報を更新する対象である管理対象ユーザを特定する情報」は、例えば国から付与されたマイナンバーであってもよいし、氏名、住所、電話番号、生年月日等の事前に登録された個人を特定するための情報の組み合わせであってもよい。
【0055】
図4に戻り、同意情報管理部120は、管理対象ユーザ各々に紐付けて、所定の同意事項に同意するか否かを想定状況毎に登録した同意情報を管理する。以下、詳細に説明する。
【0056】
「同意事項」は、例えば各管理対象ユーザのプライバシーに関係するものである。同意事項は、1つであってもよいし、複数であってもよい。同意事項は、例えば「個人情報の利用に関する同意事項」、及び「監視カメラが生成した監視カメラ画像内での管理対象ユーザの特定に関する同意事項」の中の少なくとも1つを含んでもよい。なお、個人情報は多岐に渡る。このため、「個人情報の利用に関する同意事項」は、「第1の個人情報の利用に関する同意事項」、「第2の個人情報の利用に関する同意事項」のように、個人情報の内容に応じて複数に分かれてもよい。例えば、第1の個人情報は医療に関する情報(レセプト情報、カルテ情報等)であり、第2の個人情報はその他の所定の情報等である。
【0057】
「想定状況」は、管理対象ユーザがなり得る状況であって、所定の同意事項に同意するか否かの選択結果に影響し得る状況である。予め複数の状況が想定状況として定義される。想定状況は、例えば、「要救助」、「要捜索」、「要避難」、「通常」等であるが、これらに限定されない。その他、想定状況は、「119番で救助要請された状況」、「警察に捜索願が提出された状況」、「居住地において避難勧告が出された状況」等のように、より具体化されてもよい。
【0058】
同意情報管理部120は、
図9に示すように、同意情報更新部121と、同意情報記憶部122とを有する。
【0059】
同意情報記憶部122は、管理対象ユーザ各々に紐付けて、所定の同意事項に同意するか否かを想定状況毎に登録した同意情報を記憶する。
図10に、同意情報の一例を模式的に示す。図示する例では、管理対象ユーザ識別情報と、複数の同意事項各々に同意するか否かを想定状況毎に示した情報とが紐付けられている。
【0060】
なお、想定状況は、同意事項毎に異なってもよい。例えば、第1の同意事項の想定状況は「通常」及び「要救助」の2つであり、第2の同意事項の想定状況は「通常」及び「要捜索」の2つであり、第3の同意事項の想定状況は「通常」、「要救助」及び「要避難」の3つのような場合が例示される。
【0061】
同意情報更新部121は、ウェブページやアプリケーション等を介して、管理対象ユーザ自身から、同意情報を登録したり、更新したりする指示を受付ける。そして、同意情報更新部121は、当該ユーザ入力に基づき、同意情報記憶部122が記憶する同意情報を更新する。
【0062】
図4に戻り、判定部130は、上述した同意情報及び状況情報に基づき、管理対象ユーザの中の第1の管理対象ユーザの現在の状況を特定し、特定した状況において第1の管理対象ユーザが所定の同意事項に同意しているか否かを判定する。そして、判定部130は、判定の結果に応じて所定の権限を発行する。以下、詳細に説明する。
【0063】
判定部130は、正当権限を有する権限要求ユーザからの要求に応じて、「第1の管理対象ユーザの現在の状況の特定」、「特定した状況において第1の管理対象ユーザが所定の同意事項に同意しているか否かの判定」及び「判定結果に応じた権限付与」を行う。
【0064】
「権限要求ユーザ」は、第1の管理対象ユーザに関係する所定の権限の付与を要求するユーザである。
【0065】
正当権限を有する権限要求ユーザは、同意事項毎、すなわち同意している場合に付与される権限毎に異なってもよい。例えば、「第1の管理対象ユーザが第1の個人情報の利用(同意事項)に同意しているか否かの判定、及び、判定結果に応じた第1の個人情報の利用権限の付与」を要求する正当権限を有する権限要求ユーザは消防署であり、「第1の管理対象ユーザが第2の個人情報の利用(同意事項)に同意しているか否かの判定、及び、判定結果に応じた第2の個人情報の利用権限の付与」を要求する正当権限を有する権限要求ユーザは消防署と各管理対象ユーザの居住地の地方自治体であり、「第1の管理対象ユーザが監視カメラ画像内での特定(同意事項)に同意しているかの判定、及び、判定結果に応じた当該特定を行う権限の付与」を要求する正当権限を有する権限要求ユーザは警察署等の例が想定されるが、これらに限定されない。この場合、
図11に示すように、予め、同意事項毎(すなわち、付与される権限毎)に、正当権限を有する権限要求ユーザを示す情報が処理装置100に登録される。そして、判定部130は、当該情報に基づき、権限要求ユーザが正当権限を有するか判定する。
【0066】
ここで、
図12のフローチャートを用いて、判定部130による処理の流れの一例を説明する。
【0067】
まず、判定部130は、権限要求待ちとなっている(S20)。判定部130は、ウェブページやアプリケーション等を介して、権限要求ユーザから権限要求を受信する。
【0068】
受信する権限要求は、「権限要求ユーザを特定する情報」、「要求する権限を特定する情報」及び「その権限に関係する管理対象ユーザを特定する情報」を含む。
【0069】
権限要求を受信すると(S20のYes)、判定部130は、当該権限要求が正当な要求であるか判定する(S21)。例えば、判定部130は、「権限要求ユーザを特定する情報」で特定される権限要求ユーザが、「要求する権限を特定する情報」で特定される権限の付与を要求する正当権限を有するか判定する。この場合、判定部130は、正当権限を有すると判定した場合に正当な要求であると判定し、正当権限を有さないと判定した場合に正当な要求でないと判定する。
【0070】
そして、受信した権限要求が正当な要求であると判定した場合(S21のYes)、判定部130は、「その権限に関係する管理対象ユーザを特定する情報」で特定される第1の管理対象ユーザの状況情報(
図6参照)に基づき、その第1の管理対象ユーザの現在の状況を特定する(S22)。
【0071】
次いで、判定部130は、その第1の管理対象ユーザの同意情報(
図10参照)に基づき、その第1の管理対象ユーザが、S22で特定した状況において「要求する権限を特定する情報」で特定される権限の付与に関係する同意事項に同意しているか否かを判定する(S23)。
【0072】
同意していると判定した場合(S23のYes)、判定部130は、「権限要求ユーザを特定する情報」で特定される権限要求ユーザに「要求する権限を特定する情報」で特定される権限を付与する処理を行う(S24)。具体的には、判定部130は、所定の権限を付与したことを示す情報を権限要求ユーザの端末に送信したりする。所定の権限を付与したことを示す情報は、ワンタイムパスワード等であってもよいし、その他のパスワードであってもよいし、単に、所定の権限を付与したことを示すテキスト情報や画像情報等であってもよい。
【0073】
一方、受信した権限要求が正当な要求でないと判定した場合(S21のNo)、判定部130は、S22乃至S24の処理を行わない。また、同意していないと判定した場合(S23のNo)、判定部130は、S24の処理を行わない。
【0074】
S20で取得される「権限要求ユーザを特定する情報」は、例えば上述したウェブページやアプリケーションのログイン情報であってもよい。この場合、権限要求ユーザは、自身の所属先(消防署、警察署、地方自治体等)が取得したログイン情報(処理装置100において所属先に紐付けられているログイン情報)を利用してログインし、上記要求を行うことで、自身の所属先を処理装置100に通知してもよい。その他、権限要求ユーザは、自身が取得したログイン情報(処理装置100において自身に紐付けられているログイン情報)を利用してログインし、上記要求を行うことで、自身の識別情報を処理装置100に通知してもよい。この場合、処理装置100は、予め記憶している権限要求ユーザの識別情報と所属先とを紐付けた情報に基づき、権限要求ユーザの所属先を特定してもよい。なお、ログイン情報の利用に代えて、ログイン後の入力画面において、権限要求ユーザを特定する情報(所属先、自身の識別情報、氏名、住所、電話番号、生年月日等)の入力を受付けるようにしてもよい。
【0075】
また、S20で取得される「その権限に関係する管理対象ユーザを特定する情報」は、例えば国から付与されたマイナンバーであってもよいし、氏名、住所、電話番号、生年月日等の事前に登録された個人を特定するための情報の組み合わせであってもよい。
【0076】
図4に戻り、外部装置200の処理部210は、判定部130により付与された所定の権限に基づき所定の処理を行う。所定の処理は、所定の主体への第1の管理対象ユーザの第1の個人情報の要求や、所定の主体への第1の管理対象ユーザの第2の個人情報の要求や、所定の主体への監視カメラ画像の要求や、所定の主体への監視カメラ画像の解析(第1の監視対象ユーザの検索)の要求等が例示されるが、これらに限定されない。
【0077】
「作用効果」
第2の実施形態の処理装置100は、管理対象ユーザ各々に紐付けて所定の同意事項に同意するか否かを想定状況毎に登録した同意情報を管理するとともに、管理対象ユーザ各々の現在の状況を示す状況情報を管理する。そして、処理装置100は、当該同意情報と当該状況情報に基づき、管理対象ユーザ各々が現在の状況において所定の同意事項に同意しているか否かを判定し、判定結果に応じて所定の主体に管理対象ユーザ各々に関する各種権限を付与することができる。この処理装置100によれば、ユーザは自身のプライバシーに関係する各種同意事項に対して同意するか否かをより柔軟な態様で(想定状況毎に)選択できるようになる。
【0078】
また、処理装置100は、正当権限を有する状況変更要求ユーザからの要求に応じて、管理対象ユーザの状況を示す状況情報を更新することができる。このように構成することで、状況情報が不適切に更新され、各種権限が不要に発行される不都合を抑制できる。
【0079】
また、処理装置100は、正当権限を有する権限要求ユーザからの要求に応じて、各種権限を発行する処理を行うことができる。このように構成することで、不適切な対象に各種権限を付与する不都合を抑制できる。
【0080】
<第3の実施形態>
第3の実施形態では、処理システム1の利用場面が具体化される。
【0081】
「第1の利用場面」
図13に示すように、処理装置100を管理する第1の主体は、国、又は国から業務を委託された団体等である。外部装置200を管理する第2の主体は、消防署である。
【0082】
処理システム1の処理の流れの概要は以下の通りである。
【0083】
(1)消防署は、管理対象ユーザの中の第1の管理対象ユーザを処置対象として特定する。処置は救助であり、処置対象の第1の管理対象ユーザは被救助者である。例えば、119番で救助を求めた人物や、事故や災害などの現場で被害にあい救助が必要な人物が被救助者となる。そして、消防署は、被救助者を特定する情報(管理対象ユーザ識別情報、又は氏名、住所、電話番号、生年月日等の事前に登録された個人を特定するための情報の組み合わせ等)を取得する。例えば、消防署は、被救助者自身から又はその付添人等から被救助者を特定する情報を聞いてもよいし、被救助者の所持物の中から被救助者を特定する情報を見つけてもよい。
【0084】
(2)次に、消防署が、第1の主体に対し、被救助者の状況更新、及び被救助者に関する所定の権限発行の要求を行う。被救助者の状況更新は、例えば「要救助」への変更である。所定の権限は、被救助者の第1の個人情報(医療に関する情報(レセプト情報、カルテ情報等))を利用する権限である。具体的には、消防署は、外部装置200を操作して、状況変更要求及び権限要求を処理装置100に送信する。例えば、消防署の救急隊員が、救急車で被救助者の元に駆け付けている間、又は、現場で被救助者に対する処置を行っている間、又は、救急車で被救助者を所定の病院に搬送している間等に、(2)乃至(8)の処理を行うことが想定される。
【0085】
(3)次に、処理装置100が、消防署からの要求に応じて、被救助者(第1の管理対象ユーザ)の状況(状況情報)を更新する。例えば、処理装置100は、被救助者の状況を「要救助」に変更する。そして、処理装置100が、最新の状況情報に基づき被救助者の現在の状況を特定するとともに、特定した状況において被救助者が所定の同意事項に同意しているか否かを、同意情報に基づき判定する。ここで判定する同意事項は「第1の個人情報の利用」である。処理装置100によるこれらの処理の詳細は、第2の実施形態で説明した通りである。
【0086】
(4)次に、処理装置100は、(3)の判定の結果に応じて所定の権限を発行し、発行した権限を消防署に付与する。具体的には、処理装置100は、所定の権限を付与したことを示す情報を外部装置200に送信する。所定の権限は、被救助者の第1の個人情報(医療に関する情報(レセプト情報、カルテ情報等))を利用する権限である。処理装置100によるこれらの処理の詳細は、第2の実施形態で説明した通りである。
【0087】
(5)次に、消防署は、付与された権限に基づき、被救助者の居住地の地方自治体に被救助者のレセプト情報を要求する。
【0088】
(6)次に、被救助者の居住地の地方自治体は、(5)の要求に応じて、被救助者のレセプト情報を消防署に提示する。
【0089】
(5)及び(6)のやり取りは、地方自治体が管理するコンピュータと、消防署が管理するコンピュータとの間のデータのやり取りで実現されてもよい。例えば、地方自治体が提供するウェブページやアプリケーションを介した処理で実現されてもよい。その他、(5)及び(6)のやり取りは、電話、FAX、電子メール等による人同士の対話により実現されてもよい。
【0090】
なお、(5)及び(6)のやり取りにおいて、消防署は所定の権限を付与されたことを地方自治体に示すとともに、地方自治体は消防署が所定の権限を付与されていることを確認することが好ましい。これらを実現する手段は様々であり、あらゆる技術を利用して実現することができる。例えば、処理装置100から送信された「所定の権限を付与したことを示す情報」の提示等が一例として考えられる。
【0091】
(7)次に、消防署は、取得したレセプト情報に基づき、被救助者の病歴や、かかりつけ医院や、最近通院した病院等を把握する。そして、消防署は、把握した内容に基づき、所定の病院に被救助者のカルテを要求する。
【0092】
(8)次に、病院は、(7)の要求に応じて、被救助者のカルテを消防署に提示する。
【0093】
(7)及び(8)のやり取りは、病院が管理するコンピュータと、消防署が管理するコンピュータとの間のデータのやり取りで実現されてもよい。例えば、病院が提供するウェブページやアプリケーションを介した処理で実現されてもよい。その他、(7)及び(8)のやり取りは、電話、FAX、電子メール等による人同士の対話により実現されてもよい。
【0094】
なお、(7)及び(8)のやり取りにおいて、消防署は所定の権限を付与されたことを病院に示すとともに、病院は消防署が所定の権限を付与されていることを確認することが好ましい。これらを実現する手段は様々であり、あらゆる技術を利用して実現することができる。例えば、処理装置100から送信された「所定の権限を付与したことを示す情報」の提示等が一例として考えられる。
【0095】
消防署は、取得したカルテに基づき、被救助者の持病、最近の病歴、健康状態等を把握し、把握した内容に応じた適切な処置を行うことができる。また、消防署は、搬送先の病院にそれらの情報を提示することができる。
【0096】
「第2の利用場面」
図14に示すように、処理装置100を管理する第1の主体は、国、又は国から業務を委託された団体等である。外部装置200を管理する第2の主体は、警察署である。
【0097】
処理システム1の処理の流れの概要は以下の通りである。
【0098】
(1)警察署は、管理対象ユーザの中の第1の管理対象ユーザを処置対象として特定する。処置は捜索であり、処置対象の第1の管理対象ユーザは行方不明や迷子等になった被捜索者である。例えば、捜索願を出された人物等が被捜索者となる。そして、警察署は、被捜索者を特定する情報(管理対象ユーザ識別情報、又は氏名、住所、電話番号、生年月日等の事前に登録された個人を特定するための情報の組み合わせ等)を取得する。例えば、警察署は、被捜索者の親族や知人、また捜索願を出した人物等から被捜索者を特定する情報を聞いてもよいし、被捜索者の所持物の中から被捜索者を特定する情報を見つけてもよい。
【0099】
(2)次に、警察署が、第1の主体に対し、被捜索者の状況更新、及び被捜索者に関する所定の権限発行の要求を行う。被捜索者の状況更新は、例えば「要捜索」への変更である。所定の権限は、監視カメラ画像内で被捜索者を特定する権限である。具体的には、警察署は、外部装置200を操作して、状況変更要求及び権限要求を処理装置100に送信する。
【0100】
(3)次に、処理装置100が、警察署からの要求に応じて、被捜索者(第1の管理対象ユーザ)の状況(状況情報)を更新する。例えば、処理装置100は、被捜索者の状況を「要捜索」に変更する。そして、処理装置100が、最新の状況情報に基づき被捜索者の現在の状況を特定するとともに、特定した状況において被捜索者が所定の同意事項に同意しているか否かを、同意情報に基づき判定する。ここで判定する同意事項は「監視カメラ画像内での特定」である。処理装置100によるこれらの処理の詳細は、第2の実施形態で説明した通りである。
【0101】
(4)次に、処理装置100は、(3)の判定の結果に応じて所定の権限を発行し、発行した権限を警察署に付与する。具体的には、処理装置100は、所定の権限を付与したことを示す情報を外部装置200に送信する。所定の権限は、監視カメラ画像内で被捜索者を特定する権限である。処理装置100によるこれらの処理の詳細は、第2の実施形態で説明した通りである。
【0102】
(5)次に、警察署は、付与された権限に基づき、監視カメラ管理者に監視カメラ画像を要求する。監視カメラ管理者は、監視カメラを管理し、監視カメラが生成した監視カメラ画像を所持している。
【0103】
(6)次に、監視カメラ管理者は、(5)の要求に応じて、監視カメラ画像を警察署に提示する。
【0104】
(5)及び(6)のやり取りは、監視カメラ管理者が管理するコンピュータと、警察署が管理するコンピュータとの間のデータのやり取りで実現されてもよい。例えば、監視カメラ管理者が提供するウェブページやアプリケーションを介した処理で実現されてもよい。その他、(5)及び(6)のやり取りは、電話、FAX、電子メール等による人同士の対話により実現されてもよい。
【0105】
なお、(5)及び(6)のやり取りにおいて、警察署は所定の権限を付与されたことを監視カメラ管理者に示すとともに、監視カメラ管理者は警察署が所定の権限を付与されていることを確認することが好ましい。これらを実現する手段は様々であり、あらゆる技術を利用して実現することができる。例えば、処理装置100から送信された「所定の権限を付与したことを示す情報」の提示等が一例として考えられる。
【0106】
その後、警察署は、監視カメラ管理者から提供された監視カメラ画像を解析し、監視カメラ画像の中で被捜索者を検索する。
【0107】
「第3の利用場面」
図15に示すように、処理装置100を管理する第1の主体は、国、又は国から業務を委託された団体等である。外部装置200を管理する第2の主体は、警察署である。
【0108】
処理システム1の処理の流れの概要は以下の通りである。
【0109】
(1)警察署は、管理対象ユーザの中の第1の管理対象ユーザを処置対象として特定する。処置は捜索であり、処置対象の第1の管理対象ユーザは行方不明や迷子等になった被捜索者である。例えば、捜索願を出された人物等が被捜索者となる。そして、警察署は、被捜索者を特定する情報(管理対象ユーザ識別情報、又は氏名、住所、電話番号、生年月日等の事前に登録された個人を特定するための情報の組み合わせ等)を取得する。例えば、警察署は、被捜索者の親族や知人、また捜索願を出した人物等から被捜索者を特定する情報を聞いてもよいし、被捜索者の所持物の中から被捜索者を特定する情報を見つけてもよい。
【0110】
(2)次に、警察署が、第1の主体に対し、被捜索者の状況更新、及び被捜索者に関する所定の権限発行の要求を行う。被捜索者の状況更新は、例えば「要捜索」への変更である。所定の権限は、監視カメラ画像内で被捜索者を特定する権限である。具体的には、警察署は、外部装置200を操作して、状況変更要求及び権限要求を処理装置100に送信する。
【0111】
(3)次に、処理装置100が、警察署からの要求に応じて、被捜索者(第1の管理対象ユーザ)の状況(状況情報)を更新する。例えば、処理装置100は、被捜索者の状況を「要捜索」に変更する。そして、処理装置100が、最新の状況情報に基づき被捜索者の現在の状況を特定するとともに、特定した状況において被捜索者が所定の同意事項に同意しているか否かを、同意情報に基づき判定する。ここで判定する同意事項は「監視カメラ画像内での特定」である。処理装置100によるこれらの処理の詳細は、第2の実施形態で説明した通りである。
【0112】
(4)次に、処理装置100は、(3)の判定の結果に応じて所定の権限を発行し、発行した権限を警察署に付与する。具体的には、処理装置100は、所定の権限を付与したことを示す情報を外部装置200に送信する。所定の権限は、監視カメラ画像内で被捜索者を特定する権限である。処理装置100によるこれらの処理の詳細は、第2の実施形態で説明した通りである。
【0113】
(5)次に、警察署は、付与された権限に基づき、監視カメラ管理者に監視カメラ画像内で被捜索者を検索する依頼を行う。この依頼において、警察署は、被捜索者の画像を監視カメラ管理者に提示する。監視カメラ管理者は、監視カメラを管理し、監視カメラが生成した監視カメラ画像を所持している。当該依頼は、監視カメラ管理者が管理するコンピュータと、警察署が管理するコンピュータとの間のデータのやり取りで実現されてもよい。例えば、監視カメラ管理者が提供するウェブページやアプリケーションを介した処理で実現されてもよい。その他、当該依頼は、電話、FAX、電子メール等による人同士の対話により実現されてもよい。
【0114】
なお、当該依頼において、警察署は所定の権限を付与されたことを監視カメラ管理者に示すとともに、監視カメラ管理者は警察署が所定の権限を付与されていることを確認することが好ましい。これらを実現する手段は様々であり、あらゆる技術を利用して実現することができる。例えば、処理装置100から送信された「所定の権限を付与したことを示す情報」の提示等が一例として考えられる。
【0115】
(6)次に、監視カメラ管理者は、(5)の要求に応じて、所持している監視カメラ画像内で被捜索者を検索する。当該検索は、あらゆる画像解析技術を利用して実現される。
【0116】
(7)次に、監視カメラ管理者は、(6)の検索の結果を警察署に提示する。当該結果の提示は、監視カメラ管理者が管理するコンピュータと、警察署が管理するコンピュータとの間のデータのやり取りで実現されてもよい。例えば、監視カメラ管理者が提供するウェブページやアプリケーションを介した処理で実現されてもよい。その他、当該結果の提示は、電話、FAX、電子メール等による人同士の対話により実現されてもよい。
【0117】
「第4の利用場面」
図16に示すように、処理装置100を管理する第1の主体は、国、又は国から業務を委託された団体等である。外部装置200を管理する第2の主体は、地方自治会である。処理システム1の処理の流れの概要は以下の通りである。
【0118】
(1)地方自治体は、災害等発生時に所定の地域の住民に避難勧告等を発令する。地方自治体は、地方を統括する行政機関である。そして、地方自治体は、管理対象ユーザの中の第1の管理対象ユーザを処置対象として特定する。処置は避難誘導であり、処置対象の第1の管理対象ユーザは避難勧告等を発令した地域の住民、または避難勧告等を発令した地域の住民の中の所定条件(例:80歳以上)を満たす住民である。そして、地方自治体は、管理している住民の情報に基づき、被誘導者を特定する情報(管理対象ユーザ識別情報、又は氏名、住所、電話番号、生年月日等の事前に登録された個人を特定するための情報の組み合わせ等)を取得する。
【0119】
(2)次に、地方自治体が、第1の主体に対し、被誘導者の状況更新、及び被誘導者に関する所定の権限発行の要求を行う。被誘導者の状況更新は、例えば「要誘導」への変更である。所定の権限は、被誘導者の第1の個人情報(医療に関する情報(レセプト情報、カルテ情報等))を利用する権限である。具体的には、地方自治体は、所定のコンピュータを操作して、状況変更要求及び権限要求を処理装置100に送信する。ちなみに、当該例では、地方自治体は、上記所定の権限を地方自治体でなく、地方自治会に付与する要求を行う。地方自治会は、地方自治体が統括する地域の一部の地域の住民で結成された団体であり、その一部の地域に関連する各種業務を行う。当該例では、地方自治会が被誘導者の避難誘導を行う。
【0120】
(3)次に、処理装置100が、地方自治体からの要求に応じて、被誘導者(第1の管理対象ユーザ)の状況(状況情報)を更新する。例えば、処理装置100は、被誘導者の状況を「要誘導」に変更する。そして、処理装置100が、最新の状況情報に基づき被誘導者の現在の状況を特定するとともに、特定した状況において被誘導者が所定の同意事項に同意しているか否かを、同意情報に基づき判定する。ここで判定する同意事項は「第1の個人情報の利用」である。処理装置100によるこれらの処理の詳細は、第2の実施形態で説明した通りである。
【0121】
(4)次に、処理装置100は、(3)の判定の結果に応じて所定の権限を発行し、発行した権限を地方自治会に付与する。具体的には、処理装置100は、所定の権限を付与したことを示す情報を外部装置200に送信する。例えば、(2)の権限要求時に、地方自治体が、処理装置100に、「所定の権限を付与したことを示す情報」の送信先を通知してもよい。所定の権限は、被誘導者の第1の個人情報(医療に関する情報(レセプト情報、カルテ情報等))を利用する権限である。処理装置100によるこれらの処理の詳細は、第2の実施形態で説明した通りである。
【0122】
(5)次に、地方自治会は、付与された権限に基づき、被誘導者の居住地の地方自治体に被誘導者のレセプト情報を要求する。
【0123】
(6)次に、被救助者の居住地の地方自治体は、(5)の要求に応じて、被救助者のレセプト情報を地方自治会に提示する。
【0124】
(5)及び(6)のやり取りは、地方自治体が管理するコンピュータと、地方自治会が管理するコンピュータとの間のデータのやり取りで実現されてもよい。例えば、地方自治体が提供するウェブページやアプリケーションを介した処理で実現されてもよい。その他、(5)及び(6)のやり取りは、電話、FAX、電子メール等による人同士の対話により実現されてもよい。
【0125】
なお、(5)及び(6)のやり取りにおいて、地方自治会は所定の権限を付与されたことを地方自治体に示すとともに、地方自治体は地方自治会が所定の権限を付与されていることを確認することが好ましい。これらを実現する手段は様々であり、あらゆる技術を利用して実現することができる。例えば、処理装置100から送信された「所定の権限を付与したことを示す情報」の提示等が一例として考えられる。
【0126】
その後、地方自治会は、取得したレセプト情報に基づき、被誘導者の病歴等を把握する。そして、地方自治会は、適切な避難先を決定し、決定した避難先に被誘導者を誘導する。
【0127】
図示していないが、その後、地方自治会は、被誘導者の避難が完了したこと及び避難先を地方自治体に報告してもよい。そして、地方自治体は、被誘導者の避難が完了したこと及び避難先を国に報告してもよい。
【0128】
次いで、地方自治体は、上記と同様の手法で、被誘導者の避難先で避難者の支援を行う団体に被誘導者の第1の個人情報(医療に関する情報(レセプト情報、カルテ情報等))を利用する権限を付与する要求を処理装置100に対して行ってもよい。そして、当該権限を付与された団体は、被誘導者の第1の個人情報に基づき必要な物資や支援を把握することができる。
【0129】
第3の実施形態の処理システム1のその他の構成は、第1及び第2の実施形態の処理システム1の構成と同様である。第3の実施形態の処理システム1によれば、第1及び第2の実施形態の処理システム1と同様の作用効果が実現される。
【0130】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0131】
また、上述の説明で用いた複数のフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、各実施形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。各実施形態では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。また、上述の各実施形態は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
【0132】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
1. 管理対象ユーザ各々の現在の状況を登録した状況情報を管理する状況情報管理手段と、
前記管理対象ユーザ各々に紐付けて、所定の同意事項に同意するか否かを想定状況毎に登録した同意情報を管理する同意情報管理手段と、
前記同意情報及び前記状況情報に基づき、前記管理対象ユーザの中の第1の管理対象ユーザの現在の状況を特定し、特定した状況において前記第1の管理対象ユーザが前記同意事項に同意しているか否かを判定し、判定の結果に応じて所定の権限を発行する判定手段と、
を有する処理装置。
2. 前記同意事項は、前記管理対象ユーザの第1の個人情報の利用に関する第1の同意事項を含み、
前記判定手段は、
権限要求ユーザからの要求に応じて、前記第1の管理対象ユーザが現在の状況下で前記第1の同意事項に同意しているか否かを判定し、
前記第1の管理対象ユーザが現在の状況下で前記第1の同意事項に同意していると判定した場合、前記第1の管理対象ユーザの前記第1の個人情報を利用する権限を発行する処理を行う1に記載の処理装置。
3. 前記同意事項は、前記第1の同意事項に加えて、前記管理対象ユーザの第2の個人情報の利用に関する第2の同意事項を含み、
前記同意情報では、前記第1の同意事項及び前記第2の同意事項別々に、同意するか否かを前記想定状況毎に登録している2に記載の処理装置。
4. 前記同意事項は、監視カメラが生成した監視カメラ画像内での前記管理対象ユーザの特定に関する第3の同意事項を含み、
前記判定手段は、
権限要求ユーザからの要求に応じて、前記第1の管理対象ユーザが現在の状況下で前記第3の同意事項に同意しているか否かを判定し、
前記第1の管理対象ユーザが現在の状況下で前記第3の同意事項に同意していると判定した場合、前記第1の管理対象ユーザを前記監視カメラ画像内で特定する権限を発行する処理を行う1から3のいずれかに記載の処理装置。
5. 前記同意情報は、複数の前記同意事項各々に同意するか否かを前記想定状況毎に示し、
前記想定状況は、前記同意事項毎に異なる1から4のいずれかに記載の処理装置。
6. 前記同意情報では、複数の前記同意事項各々において、同意するか否かを前記想定状況毎に登録しており、
前記判定手段は、正当権限を有する権限要求ユーザからの要求に応じて、前記第1の管理対象ユーザが現在の状況下で前記同意事項に同意しているか否かを判定し、
前記同意事項毎に、正当権限を有する前記権限要求ユーザが異なり、
前記判定手段は、前記同意事項毎に正当権限を有する前記権限要求ユーザを示す情報に基づき、前記権限要求ユーザが正当権限を有するか判定する1から5のいずれかに記載の処理装置。
7. 前記状況情報管理手段は、正当権限を有する状況変更要求ユーザからの要求に応じて、前記状況情報に登録された前記管理対象ユーザの現在の状況を更新し、
更新内容毎に、正当権限を有する前記状況変更要求ユーザが異なり、
前記判定手段は、更新内容毎に正当権限を有する前記状況変更要求ユーザを示す情報に基づき、前記状況変更要求ユーザが正当権限を有するか判定する1から6のいずれかに記載の処理装置。
8. コンピュータが、
管理対象ユーザ各々の現在の状況を登録した状況情報を管理し、
前記管理対象ユーザ各々に紐付けて、所定の同意事項に同意するか否かを想定状況毎に登録した同意情報を管理し、
前記同意情報及び前記状況情報に基づき、前記管理対象ユーザの中の第1の管理対象ユーザの現在の状況を特定し、特定した状況において前記第1の管理対象ユーザが前記同意事項に同意しているか否かを判定し、判定の結果に応じて所定の権限を発行する、
処理方法。
9. コンピュータを、
管理対象ユーザ各々の現在の状況を登録した状況情報を管理する状況情報管理手段、
前記管理対象ユーザ各々に紐付けて、所定の同意事項に同意するか否かを想定状況毎に登録した同意情報を管理する同意情報管理手段、
前記同意情報及び前記状況情報に基づき、前記管理対象ユーザの中の第1の管理対象ユーザの現在の状況を特定し、特定した状況において前記第1の管理対象ユーザが前記同意事項に同意しているか否かを判定し、判定の結果に応じて所定の権限を発行する判定手段、
として機能させるプログラムを記録した記録媒体。
10. 管理対象ユーザ各々の現在の状況を登録した状況情報を管理する状況情報管理手段と、
前記管理対象ユーザ各々に紐付けて、所定の同意事項に同意するか否かを想定状況毎に登録した同意情報を管理する同意情報管理手段と、
前記同意情報及び前記状況情報に基づき、前記管理対象ユーザの中の第1の管理対象ユーザが現在の状況下で前記同意事項に同意しているか否かを判定し、判定の結果に応じて所定の権限を発行する判定手段と、
前記所定の権限に基づき所定の処理を実行する処理手段と、
を有する処理システム。
【符号の説明】
【0133】
100 処理装置
110 状況情報管理部
111 状況情報更新部
112 状況情報記憶部
120 同意情報管理部
121 同意情報更新部
122 同意情報記憶部
130 判定部
200 外部装置
210 処理部
1A プロセッサ
2A メモリ
3A 入出力I/F
4A 周辺回路
5A バス