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特許7662208コンタクトアセンブリの弾性アームをスタッビングから保護するための保護部材
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-07
(45)【発行日】2025-04-15
(54)【発明の名称】コンタクトアセンブリの弾性アームをスタッビングから保護するための保護部材
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/6473 20110101AFI20250408BHJP
   H01R 24/38 20110101ALN20250408BHJP
【FI】
H01R13/6473
H01R24/38
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022547190
(86)(22)【出願日】2021-02-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-30
(86)【国際出願番号】 IB2021051006
(87)【国際公開番号】W WO2021156843
(87)【国際公開日】2021-08-12
【審査請求日】2023-11-13
(31)【優先権主張番号】16/784,626
(32)【優先日】2020-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518345815
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ソリューソンズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】シュロール,ニール,フランクリン
(72)【発明者】
【氏名】スワンガー,ネイサン,ウィリアム
【審査官】高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0173243(US,A1)
【文献】特開2006-318788(JP,A)
【文献】米国特許第05066249(US,A)
【文献】特開2021-051871(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R12/00-12/91
H01R13/56-13/72
H01R24/00-24/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルを終端させるためのケーブルアセンブリ(10)であって、
ケーブルアセンブリ嵌合端部130およびケーブルアセンブリケーブル受入端部131と、
前記ケーブルアセンブリ110の前記ケーブルアセンブリ嵌合端部130に近接して位置決めされ、相手側コンタクト係合部136を有する金属外殻132と、
誘電体材料から形成され、前記金属外殻132に位置決めされたハウジング150であって、ハウジング嵌合端部152と、反対側を向くハウジング導体受入端部154とを有し、端子受入開口部156)が、前記ハウジング嵌合端部152から延び、前記ハウジング150は、前記ケーブルアセンブリ嵌合端部130の直近から前記ケーブルアセンブリケーブル受入端部131に向かって延びている、ハウジングと、
前記金属外殻132の前記相手側コンタクト係合部136に設けられている弾性コンタクトアーム186であって、前記弾性コンタクトアーム186は、前記ケーブルアセンブリ嵌合端部130)の直近から延び、前記弾性コンタクトアーム186の前端部194)が、前記ケーブルアセンブリ嵌合端部130に近接し、前記ケーブルアセンブリ110の保護部188と協働する、弾性コンタクトアームと
を備え
前記ケーブルアセンブリ(110)の前記保護部(188)は、前記ハウジング(150)に設けられており、
前記保護部(188)は、前記弾性コンタクトアーム(186)の前記前端部(194)が受け入れられる弾性アーム受入キャビティ(193)を画定する肩部(191)を有する、ケーブルアセンブリ。
【請求項2】
前記ハウジング(150)は、前記保護部(188)から前記ケーブルアセンブリケーブル受入端部(131)に向かって延びる弾性コンタクトアーム受入凹部(166)を有する、請求項に記載のケーブルアセンブリ。
【請求項3】
前記弾性コンタクトアーム(186)の前記前端部(194)は、前記弾性コンタクトアーム受入凹部(166)に位置決めされている、請求項に記載のケーブルアセンブリ。
【請求項4】
記肩部(191)は、前記弾性コンタクトアーム受入凹部(166)の一部および前記弾性コンタクトアーム(86)の前記前端部(194)の上に延在している、請求項に記載のケーブルアセンブリ。
【請求項5】
相手側アセンブリコンタクト部(196)が、前記弾性コンタクトアーム(186)の前記前端部(194)に近接して設けられ、前記相手側アセンブリコンタクト部(196)は、前記ハウジング(150)の前記保護部(188)よりも、前記ケーブルアセンブリ(110)の長手方向軸(192)からさらに離間している、請求項に記載のケーブルアセンブリ。
【請求項6】
露出した導体を有するケーブルを終端させるためのインピーダンス制御ケーブルアセンブリである、請求項1に記載のケーブルアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性コンタクトアームを有するコンタクトスリーブまたはコンタクトアセンブリに関する。特に、本発明は、接地のための改良された電気経路を提供しつつ、コンタクトアームのスタッビング(スタビング、ぶつかり、stubbing)を防ぐための保護部材を有するコンタクトアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
コネクタ、特に同軸コネクタは、同軸ケーブルを解放可能に接続するように機能する。同軸コネクタは、同軸ケーブルの利点を有し、具体的には、電磁的影響が少なく、電気シールドが良好である。また、同軸コネクタは、同軸コネクタと同軸ケーブルとの移行点における反射現象を避けるために、接続された同軸ケーブルのインピーダンスに対応するインピーダンスを有する。
【0003】
同軸コネクタは、高周波信号の無反射伝送を保証するために、所定の特性インピーダンスをもたらすように設計されている。同軸コネクタを相手側同軸コネクタに嵌合させるときに、インピーダンス不整合が生じることが多く、コネクタ間で伝送される信号が劣化する。加えて、多く既知のコネクタでは、同軸コネクタを相手側同軸コネクタに嵌合させると、スタッビングなどの問題により、コネクタまたは相手側コネクタに損傷を与えるおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決すべき課題は、相手側コネクタとの接地のための改良された電気経路を提供する同軸コネクタを提供することである。解決すべき別の課題は、コネクタを相手側コネクタに嵌合させるときに、スタッビングの可能性が少ない同軸コネクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
これらの課題は、ケーブルを終端させるためのケーブルアセンブリによって解決される。ケーブルアセンブリは、ケーブルアセンブリ嵌合端部とケーブルアセンブリケーブル受入端部とを備える。金属外殻が、ケーブルアセンブリのケーブルアセンブリ嵌合端部に近接して位置決めされている。金属外殻は、相手側コンタクト係合部を有する。誘電体材料から形成されたハウジングが、金属外殻に位置決めされている。ハウジングは、ハウジング嵌合端部と、反対側を向くハウジング導体受入端部とを有する。端子受入開口部が、ハウジング嵌合端部から延びている。ハウジングは、ケーブルアセンブリ嵌合端部の直近からケーブルアセンブリケーブル受入端部に向かって延びている。弾性コンタクトアームが、金属外殻の相手側コンタクト係合部に設けられている。
弾性コンタクトアームは、ケーブルアセンブリ嵌合端部の直近から延びている。弾性コンタクトアームの前端部が、ケーブルアセンブリ嵌合端部に近接して設けられ、ケーブルアセンブリの保護部と協働する。この保護部は、ケーブルアセンブリ嵌合端部から延びて、ケーブルアセンブリを相手側アセンブリに嵌合させるときに、弾性コンタクトアームの前端部のスタッビングを防ぐ。
【0006】
以下で、添付図面を参照しながら、本発明について例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明による例示的な金属外殻を有する例示的な電気コネクタアセンブリの斜視図である。
図2図1の電気コネクタアセンブリの分解図である。
図3図1の金属外殻の拡大斜視図である。
図4図1の線4-4に沿って取った断面図である。
図5】本発明による例示的な第1の代替金属外殻を有する例示的な第1の代替電気コネクタアセンブリの斜視図である。
図6図5の電気コネクタアセンブリの分解図である。
図7図5の線7-7に沿って取った断面図である。
図8】本発明による例示的な第2の代替金属外殻を有する例示的な第2の代替電気コネクタアセンブリの斜視図である。
図9図8の電気コネクタアセンブリの分解図である。
図10図8の線10-10に沿って取った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1および図4に示すように、電気コネクタアセンブリ10が、ケーブル12に電気的および機械的に接続されている。ケーブル12は、記憶デバイス、スイッチ、ルータ、プリント回路基板(PCB)、アナログデジタル変換器、コネクタ、および他のデバイスの間でデータを転送することができる。様々な実施形態において、ケーブル12は、100Mbps以上のデータ転送速度をサポートすることができる。いくつかの実施形態において、ケーブル12は、約4.25Gbps~約25Gbpsのデータ転送速度をサポートすることができる。ケーブル12は、これらの例示的な速度を上回るまたは下回るデータ転送速度で使用されてもよい。図4に示すように、ケーブル12は、ケーブルジャケット14と、編組シールド16と、金属化箔18と、2つの中央導体20、22とを有する。
ケーブル12の端部は、ケーブルジャケット14が取り除かれている。導体20、22の誘電体24、26も取り除かれることにより、導体20、22の一部を露出させている。
【0009】
電気コネクタアセンブリ10は、ケーブルアセンブリ嵌合端部30とケーブルアセンブリケーブル受入端部31とを有する。コネクタアセンブリ10は、第1の金属外殻32と、第2の金属外殻34と、第3の金属外殻35とを備える。第1の金属外殻32は、相手側コネクタ受入部36と第2の金属外殻受入部40とを有する。第2の金属外殻34は、第1の金属外殻受入部42と導体移行部44とを有する。
【0010】
誘電体ハウジング50が、電気コネクタアセンブリ10に位置決めされている。ハウジング50は、誘電体材料から形成されている。図4に示すように、ハウジング50は、嵌合端部52と、反対側を向く導体受入端部54とを有する。端子受入開口部56が、嵌合端部52から導体受入端部54へ延びている。端子受入開口部56は、導体受入端部54を通して端子60(図2および図4)を受け入れるように寸法決めされている。端子60は、ケーブル12の導体20、22の露出端部に電気的に接続されている。図示の実施形態において、2つの端子受入開口部56が設けられているが、他の数および構成の端子受入開口部を使用してもよい。
【0011】
誘電体ハウジング50は、側面72から延びる取付突起70を有する。取付突起は各々、第1の外殻係合面74と第2の外殻係合面76とを有する。
【0012】
図4に示すように組み立てられると、誘電体ハウジング50は、第1の金属外殻32の相手側コネクタ受入部36および第2の金属外殻受入部40に位置決めされる。取付突起70の第1の外殻係合面74は、相手側コネクタ受入部36の内側移行壁78に係合して、ハウジング50を適切に位置決めし、ハウジング50が相手側コネクタ受入部36内へさらに移動することを防ぐ。
【0013】
第2の金属外殻34の第1の金属外殻受入部42の端部80が、第1の金属外殻32の第2の金属外殻受入部40内に位置決めされる。第1の金属外殻32の1つまたは複数のラッチ82が、第2の金属外殻34の1つまたは複数の開口部84と協働して、第2の金属外殻34を第1の金属外殻32に固定する。あるいは、第2の金属外殻34は、接着または他の既知の取付方法によって、第1の金属外殻32に固定される。この位置で、第2の金属外殻34の端部80は、取付突起70の第2の外殻係合面76に係合して、ハウジング50を適切に位置決めし、ハウジング50が第2の金属外殻34内へ移動することを防ぐ。
【0014】
図2および図4に示すように、電気コネクタアセンブリ10の端子60は、圧着などによって、ケーブル12の導体20、22の端部に終端される。しかしながら、端子60を導体20、22に終端させる他の方法を使用してもよい。図示の例示的な実施形態において、端子60は、レセプタクル部62を有する雌端子である。しかしながら、限定されないが、雌ソケット端子を含む他の構成の端子を使用してもよい。端子60が導体20、22に適切に終端された状態で、端子60は、導体移行部44を通って端子受入開口部56内に挿入される。
【0015】
図3を参照すると、第1の金属外殻32の相手側コネクタ受入部36は、第2の金属外殻受入部40から相手側コネクタ受入部36の導電性保護部材または保護部88へ延びる弾性コンタクトアーム86を有する。保護部材88は、ケーブルアセンブリ嵌合端部30に近接して位置決めされ、ケーブルアセンブリ嵌合端部30から延びている。保護部材88は、ハウジング50の嵌合端部52を囲むが、端子受入開口部56は覆わない。保護部材88は、ケーブルアセンブリ10の長手方向軸92に向かってテーパ状の外面90を有する。外面90のテーパ形状は、相手側コネクタをコネクタアセンブリ10に嵌合させるときに導入面として作用する。
【0016】
弾性コンタクトアーム86は前端部94を有し、この前端部94は、ケーブルアセンブリ嵌合端部30に近接し、保護部材88と協働する。図3に示すように、弾性コンタクトアーム86の前端部94は、第1の金属外殻32の相手側コネクタ受入部36の保護部材88と一体に形成され、保護部材88に一体に取り付けられている。弾性コンタクトアーム86の後端部95は、ケーブルアセンブリ嵌合端部30から離れて位置決めされ、相手側コネクタ受入部36の内側移行壁78と一体に形成され、内側移行壁78に一体に取り付けられている。弾性コンタクトアーム86は弓形であり、弾性コンタクトアーム86の中央部96が、弾性コンタクトアーム86の前端部94または保護部材88よりも、ケーブルアセンブリ10の長手方向軸92からさらに離間している。
様々な実施形態において、中央部96は拡大コンタクト部を有し、この拡大コンタクト部は、相手側コネクタをコネクタアセンブリ10に嵌合させるときに、相手側コネクタに係合するためのより大きい表面積を提供する。
【0017】
弾性コンタクトアーム86と弓形中央部96とを使用することにより、相手側コネクタ(図示せず)とコネクタアセンブリ10との接続を強める。加えて、弾性コンタクトアーム86が両端部で支持されているので、弾性コンタクトアーム86は、第1の金属外殻32の相手側コネクタ受入部36の構造的完全性を高める。
【0018】
コネクタアセンブリ10を相手側コネクタに嵌合させると、弾性コンタクトアーム86の弓形中央部96は、相手側コネクタのキャビティ(図示せず)に係合し、弓形中央部96は、ケーブルアセンブリ10の長手方向軸92に向かって弾性変形する。前端部94および後端部95が固定されているので、弓形中央部96は、弓形中央部96の内方への移動に抵抗し、それにより、相手側コネクタに力が加わる。また、固定された前端部94および後端部95により、弓形中央部96の中央が弓形中央部96の端部よりも変形して、弓形中央部96は、より平坦になる。それにより、相手側コネクタとコネクタアセンブリ10との間の電気的接続または電気経路のための接続点および接続面が増える。
加えて、前端部94が導電性保護部材88に接続されているので、弾性コンタクトアーム86と導電性保護部材88との全長が電気経路となり、それにより、高速伝送および良好なEMI性能が容易になる。これは、コンタクトアームが固定され、または変形不能であり、両端部で導電性部材に接続していないため、コンタクトアームが電気的に絶縁され、したがってEMI性能が向上しない、従来のコネクタとは対照的である。
【0019】
弾性コンタクトアーム86の前端部94が保護部材88に一体に取り付けられているので、前端部94の自由縁部は自由ではなく、または露出しておらず、したがって、相手側コネクタをコネクタアセンブリ10に嵌合させるときに、相手側コネクタに係合することができない。加えて、自由浮動端面を持つコンタクトアーム86を有する従来技術と比較して、一体に形成された保護部材88の外面90は、相手側コネクタを最初にコネクタアセンブリ10に嵌合させ、相手側コネクタが外面90およびコンタクトアーム86上を移動するときに、導入面として作用する。それにより、弾性コンタクトアーム86への相手側コネクタのスタッビングを最小限に抑えるまたは防ぐ。
【0020】
図5図7に、電気コネクタ110の代替実施形態が示されている。電気コネクタアセンブリ110は、ケーブル12に電気的および機械的に接続されている。電気コネクタアセンブリ110は、ケーブルアセンブリ嵌合端部130とケーブルアセンブリケーブル受入端部131とを有する。コネクタアセンブリ110は、第1の金属外殻132と、第2の金属外殻134と、第3の金属外殻135とを備える。図6に示すように、第1の金属外殻132は、ハウジング保持部でもある相手側コネクタ受入部136と、第2の金属外殻受入部140とを有する。第2の金属外殻134は、第1の金属外殻受入部142と、導体移行部144と、第3の金属外殻協働部146とを有する。
【0021】
誘電体ハウジング150が、電気コネクタアセンブリ110に位置決めされている。ハウジング150は、誘電体材料から形成されている。図6および図7に示すように、ハウジング150は、嵌合端部152と、反対側を向く導体受入端部154とを有する。端子受入開口部156が、嵌合端部152から導体受入端部154へ延びている。端子受入開口部156は、導体受入端部154を通して端子160(図2)を受け入れるように寸法決めされている。端子160は、ケーブル12の導体20、22の露出端部に電気的に接続されている。図示の実施形態において、2つの端子受入開口部156が設けられているが、他の数および構成の端子受入開口部を使用してもよい。
【0022】
誘電体ハウジング150は、嵌合端部152の直近から導体受入端部154に向かって延びる凹部166を有する。隆起した突起または領域167(図7)が、凹部166に近接して設けられている。保護部材188が、ハウジング150の嵌合端部152に設けられている。保護部材188は、誘電体材料から形成され、ハウジング150と一体に成形されている。保護部材188は、ハウジング150の嵌合端部152を囲むが、端子受入開口部156は覆わない。図7に示すように、保護部材188は外面190を有し、この外面190は、弾性アーム受入キャビティ193を画定する肩部191を有する。
【0023】
第1の金属外殻132の相手側コネクタ受入部136は、第2の金属外殻受入部140から延びる弾性コンタクトアーム186を有する。弾性コンタクトアーム186は前端部194を有し、この前端部194は、ケーブルアセンブリ嵌合端部130に近接し、保護部材188と協働する。弾性コンタクトアーム186の前端部194は、湾曲または弧状コンタクト部196を有し、弾性コンタクトアーム186の湾曲コンタクト部196は、弾性コンタクトアーム186の前端部194または保護部材188よりも、ケーブルアセンブリ110の長手方向軸192からさらに離間している。
【0024】
誘電体ハウジング150を第1の金属外殻132に組み付ける際に、第1の金属外殻132の弾性コンタクトアーム186の前端部194は、ハウジング150の隆起領域167によって、長手方向軸192から離れるように弾性変形する。挿入を続けると、前端部194は隆起領域167を越えることができ、弾性コンタクトアーム186は応力を受けない位置に戻ることができる。この位置で、前端部194は凹部166に位置決めされ、それにより、ハウジング150を第1の金属外殻132に保持する。この位置で、前端部194は、保護部材188の弾性アーム受入キャビティ193にも位置決めされ、肩部191は弾性コンタクトアーム186の前端部194上に位置決めされる。
【0025】
弾性コンタクトアーム186と湾曲コンタクト部196とを使用することにより、相手側コネクタ(図示せず)とコネクタアセンブリ110との接続を強める。加えて、弾性コンタクトアーム186の自由端194がハウジング150によって支持されているので、弾性コンタクトアーム186がケーブルアセンブリ110の長手方向軸192に向かう移動が制限され、それにより、第1の金属外殻132の相手側コネクタ受入部136の構造的完全性を高める。
【0026】
コネクタアセンブリ110を相手側コネクタに嵌合させると、弾性コンタクトアーム186の湾曲コンタクト部196は、相手側コネクタのキャビティ(図示せず)に係合し、湾曲コンタクト部196は、ケーブルアセンブリ110の長手方向軸192に向かって変形する。前端部194がハウジング150によって支持されているので、湾曲コンタクト部196の内方への移動が防止され、それにより、湾曲コンタクト部196によって相手側コネクタに力が加わる。前端部194の移動が防止されるので、嵌合が行われると、湾曲コンタクト部196は変形する。湾曲コンタクト部196が変形すると、湾曲コンタクト部196は、より平坦になる。それにより、相手側コネクタとコネクタアセンブリ110との間の電気的接続または電気経路のための接続点および接続面が増える。
【0027】
弾性コンタクトアーム186の前端部194が保護部材188によって保護され、または覆われているので、前端部194の自由縁部は自由ではなく、または露出しておらず、したがって、相手側コネクタをコネクタアセンブリ110に嵌合させるときに、相手側コネクタに係合することができない。それにより、コネクタアセンブリ110を相手側コネクタに嵌合させるときに、弾性コンタクトアーム186のスタッビングを最小限に抑えるまたは防ぐ。
【0028】
図8図10に、電気コネクタ210の第2の代替実施形態が示されている。電気コネクタアセンブリ210は、ケーブル12に電気的および機械的に接続されている。電気コネクタアセンブリ210は、ケーブルアセンブリ嵌合端部230とケーブルアセンブリケーブル受入端部231とを有する。コネクタアセンブリ210は、第1の金属外殻232と第2の金属外殻234とを備える。図9に示すように、第1の金属外殻232は、相手側コネクタ受入部236と第2の金属外殻受入部240とを有する。第2の金属外殻234は、第1の金属外殻受入部242を有する。
【0029】
誘電体ハウジング250が、電気コネクタアセンブリ210に位置決めされている。ハウジング250は、誘電体材料から形成されている。図9および図10に示すように、ハウジング250は、嵌合端部252と、反対側を向く導体受入端部254とを有する。端子受入開口部256が、嵌合端部252から導体受入端部254へ延びている。端子受入開口部256は、導体受入端部254を通して端子260(図9)を受け入れるように寸法決めされている。端子260は、ケーブル12の導体20、22の露出端部に電気的に接続されている。図示の実施形態において、2つの端子受入開口部256が設けられているが、他の数および構成の端子受入開口部を使用してもよい。
【0030】
誘電体ハウジング250は、嵌合端部252の直近から導体受入端部254に向かって延びる凹部266を有する。図10に示すように、隆起した突起または領域267が、凹部266に近接して設けられている。保護部材288が、ハウジング250の嵌合端部252に設けられている。保護部材288は、誘電体材料から形成され、ハウジング250と一体に成形されている。保護部材288は、ハウジング250の嵌合端部252を囲むが、端子受入開口部256は覆わない。保護部材288は、ケーブルアセンブリ10の長手方向軸292に向かってテーパ状の外面290を有する。外面290のテーパ形状は、相手側コネクタをコネクタアセンブリ210に嵌合させるときに導入面として作用する。
【0031】
第1の金属外殻232の相手側コネクタ受入部236は、第2の金属外殻受入部240から延びる弾性コンタクトアーム286を有する。弾性コンタクトアーム286は前端部294を有し、この前端部294は、ケーブルアセンブリ嵌合端部230に近接し、保護部材288と協働する。一実施形態において、前端部294は、保護部材288の凹部266に受け入れられている。弾性コンタクトアーム286の前端部294は、湾曲または弧状コンタクト部296を有する。弾性コンタクトアーム286の湾曲コンタクト部296は、弾性コンタクトアーム286の前端部294または保護部材288よりも、ケーブルアセンブリ210の長手方向軸292からさらに離間している。
【0032】
誘電体ハウジング250を第1の金属外殻232に組み付ける際に、弾性コンタクトアーム286の前端部294は、ハウジング250によって、長手方向軸292から離れるように弾性変形する。これは、ハウジング250の幅が、弾性コンタクトアーム286の前端部294間の開口部よりも大きいからである。挿入を続けると、前端部294は凹部266に入ることができ、弾性コンタクトアーム286は応力を受けない位置に戻ることができる。この位置で、前端部294は凹部266に位置決めされ、それにより、ハウジング250を第1の金属外殻232に保持する。
【0033】
弾性コンタクトアーム286と湾曲コンタクト部296とを使用することにより、相手側コネクタ(図示せず)とコネクタアセンブリ210との接続を強める。加えて、弾性コンタクトアーム286の自由端294がハウジング250によって支持されているので、弾性コンタクトアーム286がケーブルアセンブリ210の長手方向軸292に向かう移動が制限され、それにより、第1の金属外殻232の相手側コネクタ受入部236の構造的完全性を高める。
【0034】
コネクタアセンブリ210を相手側コネクタに嵌合させると、弾性コンタクトアーム286の湾曲コンタクト部296は、相手側コネクタのキャビティ(図示せず)に係合し、湾曲コンタクト部296は、ケーブルアセンブリ210の長手方向軸292に向かって変形する。前端部294がハウジング250によって支持されているので、湾曲コンタクト部296の内方への移動が防止され、それにより、湾曲コンタクト部296によって相手側コネクタに力が加わる。前端部294の移動が防止されるので、嵌合が行われると、湾曲コンタクト部296は変形する。湾曲コンタクト部296が変形すると、湾曲コンタクト部296は、より平坦になる。それにより、相手側コネクタとコネクタアセンブリ210との間の電気的接続または電気経路のための接続点および接続面が増える。
【0035】
弾性コンタクトアーム286の前端部294が保護部材288によって覆われるように保護されているので、前端部294の自由縁部は自由ではなく、または露出しておらず、したがって、相手側コネクタをコネクタアセンブリ210に嵌合させるときに、相手側コネクタに係合することができない。加えて、相手側コネクタをコネクタアセンブリ210に嵌合させるときに、外面290が導入面として作用するので、弾性コンタクトアーム86のスタッビングを最小限に抑えるまたは防ぐ。
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図10