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特許7662263通信制御システム、通信制御端末、通信制御方法及びプログラム
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  • 特許-通信制御システム、通信制御端末、通信制御方法及びプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-07
(45)【発行日】2025-04-15
(54)【発明の名称】通信制御システム、通信制御端末、通信制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 45/121 20220101AFI20250408BHJP
【FI】
H04L45/121
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021011223
(22)【出願日】2021-01-27
(65)【公開番号】P2022114790
(43)【公開日】2022-08-08
【審査請求日】2024-01-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000102717
【氏名又は名称】NTTテクノクロス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】生駒 勝幸
【審査官】田中 秀樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-172158(JP,A)
【文献】特開2015-119227(JP,A)
【文献】特開2019-169783(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00-12/66
H04L 41/00-101/695
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが操作する第1の端末と、前記第1の端末からリモートで利用可能な第2の端末とが含まれる通信制御システムであって、
前記第1の端末からWeb会議サーバまでの通信経路を特定する特定部と、
前記特定部によって特定された通信経路が、前記第2の端末を経由する通信経路である場合、前記第2の端末を経由しない通信経路変更する経路制御部と、
を有する通信制御システム。
【請求項2】
前記特定部によって特定された通信経路が、前記第2の端末を経由する通信経路である場合、前記第2の端末を経由しない通信経路への変更を促す通知を前記ユーザに提示する通知部、を有し、
前記経路制御部は、
前記提示に応じて前記ユーザにより通信経路の変更が指示された場合、前記ユーザから指示された通信経路に変更する、請求項1に記載の通信制御システム。
【請求項3】
前記第2の端末は、前記第1の端末からVPNで接続可能なローカルネットワーク内に存在し、
前記特定部は、
前記第1の端末からWeb会議サーバまでの通信経路が、前記ローカルネットワークを経由しない第1の通信経路と、前記ローカルネットワークを経由し、かつ、前記第2の端末は経由しない第2の通信経路と、前記第2の端末を経由する第3の通信経路とのいずれであるかを特定し、
前記通知部は、
前記特定部によって特定された通信経路が前記第3の通信経路である場合、前記第1の通信経路又は前記第2の通信経路への変更を促す通知を前記ユーザに提示する、請求項に記載の通信制御システム。
【請求項4】
前記特定部は、
前記第1の端末からWeb会議サーバまでの通信経路で用いられているIPアドレスに基づいて、前記第1の端末からWeb会議サーバまでの通信経路が、前記第1の通信経路と前記第2の通信経路と前記第3の通信経路とのいずれであるかを特定する、請求項に記載の通信制御システム。
【請求項5】
前記特定部は、
更に、前記第1の端末又は前記第2の端末のいずれでWeb会議アプリケーションが起動されているかを表す起動状況、又は、前記第1の端末から前記第2の端末をリモートで利用するためのアプリケーションの利用状況、のいずれかにも基づいて、前記第1の端末からWeb会議サーバまでの通信経路が、前記第1の通信経路と前記第2の通信経路と前記第3の通信経路とのいずれであるかを特定する、請求項3又は4に記載の通信制御システム。
【請求項6】
リモートで利用可能な端末と通信可能な通信制御端末であって、
前記通信制御端末からWeb会議サーバまでの通信経路を特定する特定部と、
前記特定部によって特定された通信経路が、前記端末を経由する通信経路である場合、前記端末を経由しない通信経路変更する経路制御部と、
を有する通信制御端末。
【請求項7】
ユーザが操作する第1の端末と、前記第1の端末からリモートで利用可能な第2の端末とが含まれる通信制御システムが、
前記第1の端末からWeb会議サーバまでの通信経路を特定する特定手順と、
前記特定手順によって特定された通信経路が、前記第2の端末を経由する通信経路である場合、前記第2の端末を経由しない通信経路変更する経路制御手順と、
を実行する通信制御方法。
【請求項8】
コンピュータを、請求項1乃至の何れか一項に記載の通信制御システムとして機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信制御システム、通信制御端末、通信制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレワーク等の増加により、Web会議の利用が増加している。また、リモートデスクトップ等と呼ばれる技術も知られており(例えば、非特許文献1)、テレワーク等ではリモートデスクトップ等を利用して自宅の端末から会社の端末に接続して業務が行われることが多い。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】MagicConnect,インターネット<URL:https://www.magicconnect.net/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、テレワーク時にWeb会議を利用する場合、通信経路と通信状況によっては通信遅延等が発生する可能性がある。例えば、テレワーク時に自宅の端末上でWeb会議アプリケーションが利用可能であるにも関わらず、リモートデスクトップ上のWeb会議アプリケーションを利用する場合、不必要に冗長な通信経路でWeb会議を行うことになり、通信状況によっては通信遅延等が発生することがある。
【0005】
本発明の一実施形態は、上記の点に鑑みてなされたもので、テレワーク時にWeb会議を利用する際の通信遅延を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、一実施形態に係る通信制御システムは、ユーザが操作する第1の端末と、前記第1の端末からリモートで利用可能な第2の端末とが含まれる通信制御システムであって、前記第1の端末からWeb会議サーバまでの通信経路を特定する特定部と、前記特定部によって特定された通信経路が、前記第2の端末を経由する通信経路である場合、前記第2の端末を経由しない通信経路への変更を促す通知を前記ユーザに提示する通知部と、前記提示に応じて前記ユーザにより通信経路の変更が指示された場合、前記ユーザから指示された通信経路に変更する経路制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
テレワーク時にWeb会議を利用する際の通信遅延を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る通信制御システムの全体構成の一例を示す図である。
図2】本実施形態に係る制御アプリケーションの機能構成の一例を示す図である。
図3】Web会議を主催者として参加する場合において自宅端末の制御アプリケーションが実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図4】通信経路の変更を促す通知の一例を示す図である。
図5】Web会議に参加者として参加する場合において会社端末の制御アプリケーションが実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6】Web会議に参加者として参加する場合において自宅端末の制御アプリケーションが実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について説明する。本実施形態では、テレワーク時にWeb会議を利用する際に、Web会議サーバまでの通信経路が不必要に冗長である場合はその変更を促すことで、通信遅延を防止することができる通信制御システム1について説明する。なお、テレワークとの用語を使用しているが、本実施形態は、非テレワーク時に業務を行う場所とは異なる遠隔地でリモートデスクトップ等を利用して業務を行う時に、Web会議を利用する際にも同様に適用可能である。このため、テレワークとの用語の代わりに、例えば、リモートワークや在宅勤務、モバイルワーク等の用語が使用されても本実施形態を同様に適用可能である。
【0010】
<通信制御システム1の全体構成>
図1は、本実施形態に係る通信制御システム1の全体構成の一例を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る通信制御システム1には、自宅端末10と、会社端末20と、アドレス管理サーバ30とが含まれる。
【0011】
自宅端末10はユーザがテレワーク時に利用するPC(パーソナルコンピュータ)等であり、リモートデスクトップ等により会社端末20を利用することができる。一方で、会社端末20は非テレワーク時に業務を行う場所(例えば、会社等)に存在するPC等であり、社内ネットワークN1に接続されている。社内ネットワークN1内には、インターネット等の外部のネットワーク環境との接続点となるGW(ゲートウェイ)40が設置されている。また、ユーザはISP(Internet Service Provider)と契約しており、自宅端末10でリモートデスクトップ等により会社端末20を利用する際には、ISPネットワークN2及びGW40を介して、会社端末20を利用する。なお、リモートデスクトップを利用する際にはVPN(Virtual Private Network)が利用されることが一般的であるため、本実施形態でも、自宅端末10がリモートデスクトップにより会社端末20を利用する際にはVPNを利用するものとする。また、リモートデスクトップを利用するためのサーバ(例えば、自宅端末10と会社端末20の間のセッション確立や操作情報の送受信等を行うサーバ、VPNサーバ等)が存在する場合には、自宅端末10がリモートデスクトップにより会社端末20を利用する際には、これらのサーバも経由することになる。
【0012】
なお、本実施形態ではリモートデスクトップを想定するが、これに限られず、例えば、仮想デスクトップやDaaS(Desktop as a Service)等と呼ばれる技術又はサービスが使用されてもよい。すなわち、リモートデスクトップとの用語の代わりに、例えば、仮想デスクトップやDaaS等の用語が使用されても本実施形態を同様に適用可能である。
【0013】
ここで、自宅端末10及び会社端末20は、制御アプリケーション110と、Web会議アプリケーション120とを有している。自宅端末10及び会社端末20はWeb会議アプリケーション120を利用して、Web会議サーバ50に接続することで、例えば、顧客PC等の対抗端末60との間でWeb会議を行うことができる。本実施形態では、テレワーク時に、ユーザが自宅端末10を操作してWeb会議を行う場合を想定する。このとき、ユーザは、以下の3つの方法でWeb会議を行うことができる。
【0014】
方法1:自宅端末10のWeb会議アプリケーション120を用いて、通信経路R1によりWeb会議サーバ50に接続する。これは、ISPネットワークN2を介して自宅端末10からWeb会議サーバ50に直接接続する方法であり、通信経路R1では自宅端末10からWeb会議サーバ50までをグローバルなIP(Internet Protocol)アドレスを用いることになる。
【0015】
方法2:自宅端末10のWeb会議アプリケーション120を用いて、通信経路R2によりWeb会議サーバ50に接続する。これは、自宅端末10からVPNで社内ネットワークN1にアクセスし、社内ネットワークN1を経由してWeb会議サーバ50に接続する方法である。通信経路R2では、自宅端末10からGW40まではVPNで接続されるためローカルなIPアドレスが用いられ、GW40からWeb会議サーバ50まではグローバルなIPアドレスが用いられる。なお、この方法では、上記の方法1と異なり、例えば、社内ネットワークN1内のファイルサーバ等をWeb会議中に利用することが可能となる。
【0016】
方法3:リモートデスクトップにより自宅端末10から会社端末20のWeb会議アプリケーション120を用いて、通信経路R3によりWeb会議サーバ50に接続する。これは、リモートデスクトップにより自宅端末10から会社端末20を利用し、会社端末20がWeb会議サーバ50に接続する方法である。通信経路R3では、自宅端末10からGW40まではVPNで接続されるためローカルなIPアドレスが用いられ、GW40からWeb会議サーバ50まではグローバルなIPアドレスが用いられる。なお、GW40と会社端末20との間は社内ネットワークN1内であるため、ローカルなIPアドレスが用いられる。この方法でも、上記の方法2と同様に、例えば、社内ネットワークN1内のファイルサーバ等をWeb会議中に利用することが可能となる。
【0017】
ここで、通信経路R1は自宅端末10からWeb会議サーバ50までを最短経路で通信できるため、最も通信遅延等が少ない効率的な経路であると期待される。一方で、通信経路R2及びR3は、通信経路R1と比較して通信遅延等が大きく非効率な経路(つまり、不必要に冗長な経路)であると考えられる。特に、通信経路R3は、会社端末20(及びリモートデスクトップを利用するためのサーバ等)にも接続する必要があるため、最も通信遅延等が大きいと考えられる。ただし、上述したように、通信経路R2及びR3は、社内ネットワークN1内のファイルサーバ等を利用可能であるという利点が存在する。
【0018】
そこで、上記の点を考慮して、本実施形態では、通信経路R3でWeb会議を行おうとしている場合に、通信経路R1又はR2でWeb会議を行うことを促すものとする。これにより、より効率的で通信遅延が少ない通信経路でWeb会議を行うことが可能となる。
【0019】
自宅端末10の制御アプリケーション110は、Web会議を行う際にその通信経路が通信経路R1~R3のいずれであるかを特定した上で、通信経路R3である場合は通信経路の変更をユーザに促す通知を行う。また、自宅端末10の制御アプリケーション110は、通信経路を変更する旨の操作がユーザによって行われた場合、この操作に応じて通信経路の変更も行う。
【0020】
一方で、会社端末20の制御アプリケーション110は、Web会議に参加者として参加する場合に、参加用URL(uniform resource locator)をアドレス管理サーバ30に格納する。なお、一般に、Web会議には主催者として参加する場合と参加者として参加する場合とがあり、参加者として参加する場合には参加用URLを用いてWeb会議に参加することが一般的である。
【0021】
アドレス管理サーバ30は自宅端末10からアクセス可能なサーバであり、会社端末20によって格納された参加用URLを管理する。これは、例えば、通信経路をR3からR1に変更した場合、会社端末20のWeb会議アプリケーション120に入力された参加用URLを、自宅端末10のWeb会議アプリケーション120に入力する必要があるため、その参加用URLを自宅端末10がアドレス管理サーバ30から取得可能とするためである。一般に、参加用URLは複雑で長い文字列であることが多いため手作業による直接入力が困難であり、またリモートデスクトップでは会社端末20から自宅端末10へのコピーアンドペーストができないことが多いため、アドレス管理サーバ30から参加用URLを取得可能とすることで、参加用URLを手作業で直接入力する必要がなくなる。なお、参加用URLを会社端末20から自宅端末10へメール等で参加用URLを送信することも可能であるが、アドレス管理サーバ30を用いることで、メール等の作成や開封等の手間をなくすことができる。
【0022】
<制御アプリケーション110の機能構成>
図2は、本実施形態に係る制御アプリケーション110の機能構成の一例を示す図である。図2に示すように、本実施形態に係る制御アプリケーション110には、通信経路特定部111と、通知部112と、経路制御部113と、アドレス管理部114とが含まれる。これら各部は、制御アプリケーション110が、プロセッサ等の演算装置に実行させる処理により実現される。
【0023】
通信経路特定部111は、自宅端末10からWeb会議サーバ50までの通信経路が、通信経路R1~通信経路R3のいずれであるかを特定する。
【0024】
通知部112は、通信経路特定部111によって自宅端末10からWeb会議サーバ50までの通信経路が通信経路R3であると特定された場合、通信経路R1又はR2への変更を促す通知をユーザに提示する。
【0025】
経路制御部113は、通知部112による通知に応じて通信経路の変更がユーザから指示された場合、当該ユーザによって指示された通信経路に変更する。
【0026】
アドレス管理部114は、会社端末20のWeb会議アプリケーション120により参加者としてWeb会議に参加する場合、その参加用URLをアドレス管理サーバ30に格納する。なお、この際、アドレス管理部114は、ユーザを識別する識別情報(例えば、ユーザID等)と対応付けて参加用URLをアドレス管理サーバ30に格納する。
【0027】
<処理の流れ>
以下、テレワーク時にユーザが自宅端末10を利用しているものとして、Web会議を主催者として参加する場合と参加者として参加する場合のそれぞれで制御アプリケーション110が実行する処理の流れについて説明する。なお、一般に、Web会議に参加者として参加する場合は参加用URLが用いられる一方で、主催者として参加する場合は参加用URLが用いられない点が異なる。Web会議アプリケーション120の種類によって異なり得るが、Web会議に主催者として参加する場合は、Web会議サーバ50にログインした上で自身が主催するWeb会議の開始操作等が行われることが多い。
【0028】
≪Web会議に主催者として参加する場合≫
図3は、Web会議を主催者として参加する場合において自宅端末10の制御アプリケーション110が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下では、ユーザが自宅端末10又は会社端末20のWeb会議アプリケーション120によりWeb会議の開始操作等を行ったものとする。なお、会社端末20のWeb会議アプリケーション120によりWeb会議の開始操作等を行う場合は、上述したように、ユーザは、リモートデスクトップにより自宅端末10から会社端末20のWeb会議アプリケーション120を操作するものとする。
【0029】
まず、自宅端末10の制御アプリケーション110の通信経路特定部111は、自宅端末10からWeb会議サーバ50までの通信経路が、通信経路R1~通信経路R3のいずれであるかを特定する(ステップS101)。これは、例えば、Web会議アプリケーション120の起動状況と、自宅端末10からWeb会議サーバ50までの通信経路で使用されているIPアドレスの種類とによって特定することが可能である。
【0030】
すなわち、例えば、自宅端末10からWeb会議サーバ50までの全ての通信経路でグローバルなIPアドレスである場合は通信経路R1であると特定される。なお、この場合、Web会議アプリケーション120は自宅端末10で起動されている。
【0031】
一方で、自宅端末10からGW40まではVPN(つまり、ローカルなIPアドレス)であり、GW40からWeb会議サーバ50までがグローバルなIPアドレスである場合は、Web会議アプリケーション120が自宅端末10で起動されているときは通信経路R2であると特定され、Web会議アプリケーション120が会社端末20で起動されているときは通信経路R3であると特定される。
【0032】
なお、上記の通信経路の特定方法は一例であって、これに限られない。例えば、IPアドレスのみから通信経路を特定してもよいし、IPアドレスの種類とリモートデスクトップの利用有無により通信経路を特定してもよい。又は、例えば、VPNの利用有無とリモートデスクトップの利用有無により通信経路を特定してもよい。
【0033】
上記のステップS101で通信経路R3(つまり、リモートデスクトップにより会社端末20を経由する通信経路)であると特定された場合(ステップS102でYES)、自宅端末10の制御アプリケーション110の通知部112は、通信経路R1又はR2への変更を促す通知をユーザに提示する(ステップS103)。ここで、通知部112による通知の一例を図4に示す。例えば、図4に示す通知1000は自宅端末10の画面上にポップアップ表示され、「直接接続の通信経路に変更」ボタン1001と、「会社端末を経由しないVPN経路に変更」ボタン1002と、「変更しない」ボタン1003とが含まれる。「直接接続の通信経路に変更」ボタン1001は通信経路R1への変更を指示するためのボタンであり、「会社端末を経由しないVPN経路に変更」ボタン1002は通信経路R2への変更を指示するためのボタンである。一方で、「変更しない」ボタン1003は通信経路を変更しないことを指示するためのボタンである。
【0034】
上記のステップS103で提示された通知にてユーザによって通信経路の変更が指示された場合(ステップS104でYES)、自宅端末10の制御アプリケーション110の経路制御部113は、ユーザによって指示された通信経路に変更する(ステップS105)。例えば、図4に示す通知1000で「直接接続の通信経路に変更」ボタン1001がユーザによって選択された場合、経路制御部113は、通信経路R1に変更する。一方で、例えば、図4に示す通知1000で「会社端末を経由しないVPN経路に変更」ボタン1002が選択された場合、経路制御部113は、通信経路R2に変更する。
【0035】
なお、通信経路R3から通信経路R1に変更するには、例えば、会社端末20のWeb会議アプリケーション120を終了させると共に、自宅端末10のWeb会議アプリケーション120を起動し、グローバルなIPアドレスを用いてWeb会議サーバ50に接続すればよい。また、通信経路R3から通信経路R2に変更するには、例えば、会社端末20のWeb会議アプリケーション120を終了させると共に、自宅端末10のWeb会議アプリケーション120を起動し、VPN接続により社内ネットワークN1を経由してWeb会議サーバ50に接続すればよい。
【0036】
一方で、上記のステップS101で通信経路R1又はR2であると特定された場合(ステップS102でNO)、自宅端末10の制御アプリケーション110は何もしない。また、上記のステップS103で提示された通知にてユーザによって通信経路の変更が指示されなかった場合(ステップS104でNO)、自宅端末10の制御アプリケーション110は何もしない。なお、通信経路の変更が指示されなかった場合とは、例えば、図4に示す通知1000で「変更しない」ボタン1003がユーザによって選択された場合等である。
【0037】
≪Web会議に参加者として参加する場合≫
・会社端末20の制御アプリケーション110が実行する処理
ユーザがリモートデスクトップにより会社端末20のWeb会議アプリケーション120を利用してWeb会議に参加する場合、図5に示す処理が実行される。図5は、Web会議に参加者として参加する場合において会社端末20の制御アプリケーション110が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0038】
Web会議の参加用URLがユーザによって押下された場合(ステップS201でYES)、アドレス管理部114は、この参加用URLをアドレス管理サーバ30に格納する(ステップS202)。この際、アドレス管理部114は、当該ユーザを識別する識別情報と対応付けて参加用URLをアドレス管理サーバ30に格納する。なお、参加用URLがユーザによって押下された場合に限られず、例えば、参加用URLがコピーアンドペーストによりWebブラウザ等に入力された場合も同様に、参加用URLがアドレス管理サーバ30に格納される。
【0039】
一方で、会社端末20のWeb会議アプリケーション120が利用されない場合には、当該会社端末20の制御アプリケーション110は特に何もしない。
【0040】
・自宅端末10の制御アプリケーション110が実行する処理
図6は、Web会議に参加者として参加する場合において自宅端末10の制御アプリケーション110が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下では、ユーザが自宅端末10又は会社端末20で参加用URLの押下操作を行ったものとする。これにより、自宅端末10又は会社端末20でWeb会議アプリケーション120が起動される。なお、会社端末20で参加用URLの押下操作が行われた場合は、上記の図5に示す処理が実行されることになる。
【0041】
まず、自宅端末10の制御アプリケーション110の通信経路特定部111は、図3のステップS101と同様に、自宅端末10からWeb会議サーバ50までの通信経路が、通信経路R1~通信経路R3のいずれであるかを特定する(ステップS301)。
【0042】
上記のステップS301で通信経路R3であると特定された場合(ステップS302でYES)、図3のステップS103と同様に、自宅端末10の制御アプリケーション110の通知部112は、通信経路R1又はR2への変更を促す通知をユーザに提示する(ステップS303)。
【0043】
上記のステップS303で提示された通知にてユーザによって通信経路の変更が指示された場合(ステップS304でYES)、自宅端末10の制御アプリケーション110の経路制御部113は、図3のステップS105と同様に、ユーザによって指示された通信経路に変更する(ステップS305)。
【0044】
上記のステップS305で直接接続の通信経路(つまり、通信経路R1)に変更された場合(ステップS306でYES)、自宅端末10の制御アプリケーション110のアドレス管理部114は、ユーザの識別情報と対応付けられている参加用URLをアドレス管理サーバ30から取得する(ステップS307)。
【0045】
一方で、上記のステップS305で直接接続の通信経路に変更されなかった場合(ステップS306でNO)、自宅端末10の制御アプリケーション110のアドレス管理部114は、参加用URLを会社端末20から取得する(ステップS308)。この場合は、上記のステップS305で通信経路R3から通信経路R2に変更された場合に該当し、自宅端末10から会社端末20にアクセスすることができるためである。
【0046】
そして、自宅端末10の制御アプリケーション110のアドレス管理部114は、上記のステップS307又はステップS308で取得した参加用URLをWeb会議アプリケーション120に渡す(ステップS309)。これにより、自宅端末10のWeb会議アプリケーション120が起動され、当該参加用URLを用いてWeb会議に参加者として参加することが可能となる。
【0047】
一方で、上記のステップS301で通信経路R1又はR2であると特定された場合(ステップS302でNO)、自宅端末10の制御アプリケーション110は何もしない。また、上記のステップS303で提示された通知にてユーザによって通信経路の変更が指示されなかった場合(ステップS304でNO)、自宅端末10の制御アプリケーション110は何もしない。
【0048】
<まとめ>
以上のように、本実施形態に係る通信制御システム1は、テレワーク時に自宅端末10でWeb会議を行う際に、Web会議サーバ50までの通信経路が不必要に冗長である場合(つまり、通信経路R3である場合)にはその変更を促す通知をユーザに提示する。これにより、ユーザはより効率的な通信経路でWeb会議を行うことが可能となり、通信遅延等によって品質の低いWeb会議が行われてしまう事態を防止することが可能となる。
【0049】
なお、本実施形態では、自宅端末10からWeb会議サーバ50までの通信経路が通信経路R3である場合に、ユーザの選択により通信経路を通信経路R1又はR2に変更したが、これに限られず、例えば、自動的に通信経路R1又はR2に変更してもよい。このとき、通信経路R1又はR2のいずれに変更するかは、例えば、予め設定しておくこと等が考えられる。
【0050】
本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載から逸脱することなく、種々の変形や変更、既知の技術との組み合わせ等が可能である。
【符号の説明】
【0051】
1 通信制御システム
10 自宅端末
20 会社端末
30 アドレス管理サーバ
40 GW
50 Web会議サーバ
60 対抗端末
110 制御アプリケーション
111 通信経路特定部
112 通知部
113 経路制御部
114 アドレス管理部
120 Web会議アプリケーション
N1 社内ネットワーク
N2 ISPネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6