(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-07
(45)【発行日】2025-04-15
(54)【発明の名称】位相検出ピクセルを含むイメージセンサ
(51)【国際特許分類】
H10F 39/12 20250101AFI20250408BHJP
H10F 39/18 20250101ALI20250408BHJP
G02B 3/00 20060101ALI20250408BHJP
H04N 25/70 20230101ALI20250408BHJP
【FI】
H10F39/12 D
H10F39/18 A
G02B3/00 A
H04N25/70
(21)【出願番号】P 2020176720
(22)【出願日】2020-10-21
【審査請求日】2023-08-08
(31)【優先権主張番号】10-2019-0131579
(32)【優先日】2019-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】金 弘基
(72)【発明者】
【氏名】金 旻更
(72)【発明者】
【氏名】金 ▲みん▼寛
(72)【発明者】
【氏名】▲蒋▼ ▲みん▼▲ほ▼
(72)【発明者】
【氏名】趙 寅成
【審査官】渡邊 佑紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-207035(JP,A)
【文献】特開2018-014476(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0027539(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0273906(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第109661727(CN,A)
【文献】特開2016-001682(JP,A)
【文献】特開2017-054984(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0157329(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0352199(US,A1)
【文献】特開2018-201015(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109390361(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10F 39/12
H10F 39/18
G02B 3/00
H04N 25/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピクセルアレイを含むイメージセンサであって、
前記ピクセルアレイは、
基板内に形成される複数のイメージセンシングピクセルと、
前記基板内に形成され、並んで配置される2個の位相検出サブピクセルを含む位相検出共有ピクセルと、
前記複数のイメージセンシングピクセルと前記位相検出共有ピクセルとの上に配置され、複数のカラーフィルタ空間を含むカラーフィルタフェンスと、
前記複数のイメージセンシングピクセルと前記位相検出共有ピクセルとの上で、前記複数のカラーフィルタ空間内にそれぞれ配置される複数のカラーフィルタ層と、
前記複数のイメージセンシングピクセルのそれぞれの上に配置され、第1高さを有する第1マイクロレンズと、
前記位相検出共有ピクセル上で、前記2個の位相検出サブピクセルと垂直方向にオーバーラップされるように配置され、前記第1高さよりさらに高い第2高さを有する第2マイクロレンズと、を含み、
前記第1マイクロレンズの曲率と前記第2マイクロレンズの曲率とが異なり、前記第1マイクロレンズ及び前記第2マイクロレンズは
両方とも同じ単一の材料で構成される、ことを特徴とするイメージセンサ。
【請求項2】
前記カラーフィルタフェンスは、
バリア金属パターンと、
前記バリア金属パターン上に配置され、第1屈折率を有する低屈折率物質層パターンと、を含むことを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項3】
前記第1屈折率は、1.0より大きく、1.4より小さいか、あるいはそれと同じであることを特徴とする請求項2に記載のイメージセンサ。
【請求項4】
前記2個の位相検出サブピクセルは、前記基板の上面に平行な第1方向に互いに隣接するように配置され、
前記カラーフィルタフェンスは、第1フェンス部と第2フェンス部とを含み、
前記第1フェンス部は、前記複数のイメージセンシングピクセル間の境界と垂直方向にオーバーラップされ、
前記第2フェンス部は、複数の前記位相検出共有ピクセルのうち一つと、前記第1方向にその位相検出共有ピクセルのうち一つに隣接したイメージセンシングピクセルとの境界と垂直方向にオーバーラップされ、
前記第1フェンス部は、前記第1方向に沿って第1幅を有し、前記第2フェンス部は、前記第1方向に沿って前記第1幅よりさらに広い第2幅を有することを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項5】
前記複数のカラーフィルタ空間は、
前記複数のイメージセンシングピクセル上に配置され、前記第1フェンス部によって限定される第1カラーフィルタ空間と、
前記位相検出共有ピクセル上に配置され、前記第1フェンス部と前記第2フェンス部とによって限定される第2カラーフィルタ空間と、を含み、
前記第2カラーフィルタ空間は、前記2個の位相検出サブピクセルと垂直方向にオーバーラップされることを特徴とする請求項4に記載のイメージセンサ。
【請求項6】
前記第2カラーフィルタ空間は、上面視において、前記第1カラーフィルタ空間の面積よりさらに広い面積を有することを特徴とする請求項5に記載のイメージセンサ。
【請求項7】
複数のイメージセンシングピクセルは、複数のイメージセンシング共有ピクセルを含み、
前記複数のイメージセンシング共有ピクセルのそれぞれは、複数のイメージセンシングサブピクセルを含み、前記複数のイメージセンシングサブピクセル上に同一色相のカラーフィルタ層が配置され、
前記複数のイメージセンシングサブピクセルは、2×2マトリックス形状に配列されることを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項8】
前記基板を貫通し、前記複数のイメージセンシングピクセル間に配置されるピクセル分離膜構造物をさらに含み、
前記ピクセル分離膜構造物の一部は、前記位相検出共有ピクセルの前記2個の位相検出サブピクセル間に配置されることを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項9】
前記第2マイクロレンズは、
前記カラーフィルタ層上に配置される下部マイクロレンズ部と、
前記下部マイクロレンズ部上に配置される上部マイクロレンズ部と、を含み、
前記下部マイクロレンズ部の曲率と前記上部マイクロレンズ部の曲率は、異なることを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージセンサに係り、さらに詳細には、位相検出ピクセルを含むイメージセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
イメージセンサは、イメージ生成のために、光情報を撮影し、撮影された光情報を電気的信号に変換させる場合に使用される装置である。イメージセンサは、多様な装置内に存在する。例えば、それらイメージセンサは、カメラ、電話機、医療用映像装置、熱映像装置及び夜間映像装置に使用される。
【0003】
一部の場合において、イメージセンサは、入射する光を受光し、電気信号に転換するイメージセンシングピクセルを含む。イメージセンサは、多数のフォトダイオード領域も含み、そこにおいて、画像撮影を短時間に正確に行うことができるように、オートフォーカシング機能を遂行することができる。
【0004】
マイクロレンズは、イメージセンシングピクセル上に位置する小レンズである。マイクロレンズは、イメージセンサに良質の光学特性を提供するためにも使用される。イメージセンシングピクセル上のマイクロレンズは、同時に、例えば、同一製造工程間においても製造される。しかし、マイクロレンズの同時製造は、最適化され得ないレンズを誘発してしまう。例えば、製造される全てのレンズは、均一でもある。他のイメージセンシングピクセルのためのマイクロレンズの最適化が、イメージセンサのための向上した光学特性のためにも提供される。従って、イメージセンサの他のイメージセンシングピクセルのための他のマイクロレンズを製造することが可能な製造工程が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の技術的思想が解決すべき技術的課題は、オートフォーカシング機能を、迅速であって正確に遂行する一方、イメージセンシングピクセルの感度を向上させることができるイメージセンサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記技術的課題を達成するための本発明の技術的思想によるイメージセンサは、ピクセルアレイを含み、前記ピクセルアレイは、基板内に形成される複数のイメージセンシングピクセルと、前記基板内に形成され、並んで配置される2個の位相検出サブピクセルを含む位相検出共有ピクセルと、前記複数のイメージセンシングピクセルと前記位相検出共有ピクセルとの上に配置され、複数のカラーフィルタ空間を含むカラーフィルタフェンスと、前記複数のイメージセンシングピクセルと前記位相検出共有ピクセルとの上で、前記複数のカラーフィルタ空間内にそれぞれ配置される複数のカラーフィルタ層と、前記複数のイメージセンシングピクセルのそれぞれの上に配置され、第1高さを有する第1マイクロレンズと、前記位相検出共有ピクセル上で、前記2個の位相検出サブピクセルと垂直方向にオーバーラップされるように配置され、前記第1高さよりさらに高い第2高さを有する第2マイクロレンズと、を含む。
【0007】
前記技術的課題を達成するための本発明の技術的思想によるイメージセンサは、ピクセルアレイを含み、前記ピクセルアレイは、それぞれ同一色相のカラーフィルタ層に対応する複数のイメージセンシングサブピクセルを含む複数のイメージセンシング共有ピクセルと、それぞれのイメージ間の位相差を算出するための位相信号を生成する2個の位相検出サブピクセルを含む複数の位相検出共有ピクセルと、前記複数のイメージセンシング共有ピクセルと前記複数の位相検出共有ピクセルとの上に配置されるマイクロレンズ構造を含み、前記マイクロレンズ構造は、前記複数のイメージセンシングサブピクセルのそれぞれの上に配置され、第1高さを有する第1マイクロレンズと、前記2個の位相検出サブピクセル上に配置され、前記第1高さよりさらに高い第2高さを有する第2マイクロレンズと、を含む。
【0008】
前記技術的課題を達成するための本発明の技術的思想によるイメージセンサは、ピクセルアレイを含み、前記ピクセルアレイは、基板内に形成される複数のイメージセンシングピクセルと、前記基板内に形成され、それぞれのイメージ間の位相差を算出するための位相信号を生成し、前記基板の上面に平行な第1方向に並んで配置される2個の位相検出サブピクセルを含む位相検出共有ピクセルと、前記基板を貫通し、前記複数のイメージセンシングピクセル間、前記2個の位相検出サブピクセル間、及び前記位相検出共有ピクセルと、それに隣接したイメージセンシングピクセルとの間に配置されるピクセル分離膜構造物と、前記複数のイメージセンシングピクセルと前記位相検出共有ピクセルとの上に配置され、複数のカラーフィルタ空間を含むカラーフィルタフェンスと、前記複数のイメージセンシングピクセルと前記位相検出共有ピクセルとの上で、前記複数のカラーフィルタ空間内にそれぞれ配置される複数のカラーフィルタ層と、前記複数のイメージセンシングピクセルのそれぞれの上に配置され、第1高さを有する第1マイクロレンズと、前記2個の位相検出サブピクセル上に配置され、前記第1高さよりさらに高い第2高さを有する第2マイクロレンズと、を含み、前記第2マイクロレンズの前記第1方向に沿う中心線が、前記2個の位相検出サブピクセル間に配置される前記ピクセル分離膜構造物の一部と垂直方向にオーバーラップされる。
【0009】
前記技術的課題を達成するための本発明の技術的思想によるイメージセンサの製造方法は、基板上に複数のピクセルを提供するが、前記複数のピクセルは、1以上の第1ピクセルと、1以上の第2ピクセルとを含む、複数のピクセルを提供する段階と、第1工程を使用し、前記1以上の第1ピクセルのそれぞれの上に、第1マイクロレンズを提供する段階と、第2工程を使用し、前記1以上の第2ピクセルのそれぞれの上に、第2マイクロレンズを提供する段階と、を含み、前記第1マイクロレンズは、前記第2マイクロレンズと異なる形状を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明の技術的思想によれば、イメージセンシングピクセル上の第1マイクロレンズと、位相検出共有ピクセル上の第2マイクロレンズは、互いに異なる高さを有することができ、イメージセンシングピクセルと位相検出共有ピクセルとにおいて、それぞれマイクロレンズの曲率を最適化させることができる。また、位相検出共有ピクセル上のカラーフィルタフェンス部分は、イメージセンシングピクセル上のカラーフィルタフェンス部分よりさらに広幅を有し、それにより、位相検出共有ピクセルの分離比特性が向上しうる。前記イメージセンサは、オートフォーカシング機能を迅速であって正確に遂行する一方、イメージセンシングピクセルの感度が向上しうる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】例示的な実施形態によるイメージ処理装置を概略的に示すブロック図である。
【
図2】例示的な実施形態によるイメージセンサを概略的に示すブロック図である。
【
図3】例示的な実施形態によるイメージセンサを示すレイアウト図である。
【
図4】
図3のA1-A1’線に沿った断面図である。
【
図5】
図3のCX1部分を、
図4の第1レベルLV1で切った水平断面図である。
【
図7】例示的な実施形態によるイメージセンサの複数ピクセルの等価回路図である。
【
図8】例示的な実施形態によるイメージセンサを示す断面図である。
【
図9】
図3のCX1に対応する部分の水平断面図である。
【
図10】例示的な実施形態によるイメージセンサを示す断面図である。
【
図11】例示的な実施形態によるイメージセンサを示す断面図である。
【
図12】例示的な実施形態によるイメージセンサを示すレイアウト図である。
【
図14】例示的な実施形態によるイメージセンサを示すレイアウト図である。
【
図15】例示的な実施形態によるイメージセンサの製造方法を示す断面図である。
【
図16】例示的な実施形態によるイメージセンサの製造方法を示す断面図である。
【
図17】例示的な実施形態によるイメージセンサの製造方法を示す断面図である。
【
図18】例示的な実施形態によるイメージセンサの製造方法を示す断面図である。
【
図19】例示的な実施形態によるイメージセンサの製造方法を示す断面図である。
【
図20】例示的な実施形態によるイメージセンサの製造方法を示す断面図である。
【
図21】例示的な実施形態によるイメージセンサの製造方法を示す断面図である。
【
図22】例示的な実施形態によるイメージセンサの製造方法を示す断面図である。
【
図23】例示的な実施形態によるイメージセンサの製造方法を示す断面図である。
【
図24】例示的な実施形態によるイメージセンサの製造方法を示す断面図である。
【
図25】例示的な実施形態によるイメージセンサの製造方法を示す断面図である。
【
図26】例示的な実施形態によるイメージセンサの製造方法を示す断面図である。
【
図27】例示的な実施形態によるイメージセンサの製造方法を示す断面図である。
【
図28】例示的な実施形態によるイメージセンサの製造方法を示す断面図である。
【
図29】例示的な実施形態によるイメージセンサの製造方法を示す断面図である。
【
図30】例示的な実施形態によるイメージセンサの製造方法を示す断面図である。
【
図31】例示的な実施形態によるイメージセンサの製造方法を示す断面図である。
【
図32】例示的な実施形態によるイメージセンサの製造方法を示す断面図である。
【
図33】例示的な実施形態によるイメージセンサの製造方法を示す断面図である。
【
図34】例示的な実施形態によるイメージセンサの製造方法を示す断面図である。
【
図35】例示的な実施形態によるイメージセンサの製造方法を示す断面図である。
【
図36】例示的な実施形態によるイメージセンサの製造方法を示す断面図である。
【
図37】例示的な実施形態によるイメージセンサの製造方法を示す断面図である。
【
図38】例示的な実施形態によるイメージセンサの製造方法を示す断面図である。
【
図39】例示的な実施形態によるイメージセンサの製造方法を示す断面図である。
【
図40】例示的な実施形態によるイメージセンサの製造方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示は、一般的に、イメージセンサ内のイメージセンシングピクセルのマイクロレンズに係わるものである。一般的な方法は、同一製造工程の間、他ピクセルのためのマイクロレンズを形成する。例えば、工程は、同一製造条件に基づいて、同時に、第1ピクセルのマイクロレンズと、第2ピクセルのマイクロレンズとを製造することができる。従って、第1ピクセルの第1マイクロレンズの高さが、第2ピクセルの第2マイクロレンズの高さと同一でもある。しかし、第1マイクロレンズの曲率と、第2マイクロレンズの曲率とが最適化されないのである。その結果、第1ピクセル及び第2ピクセルの分離比(separation ratio)特性、感度、信号対ノイズ(SNR:signal-to-noise)特性が最適化されないのである。
【0013】
従って、本開示の実施形態は、イメージセンサ内の他ピクセルに対し、他のマイクロレンズを製造するための工程について説明する。例えば、第1ピクセルのための第1マイクロレンズと、第2ピクセルのための第2マイクロレンズとが異なる工程を介しても形成される。従って、第1マイクロレンズの曲率と、第2マイクロレンズの曲率とが最適化され、それにより、ピクセル特性が向上するのである。さらには、第1ピクセルのグリッドサイズと、第2ピクセルのマイクロレンズのグリッドサイズとが独立しても設定される。従って、第1ピクセルのための分離比特性が向上しうる。
【0014】
以下、添付された図面を参照し、本発明の技術的思想の望ましい実施形態について詳細に説明する。
【0015】
図1は、例示的な実施形態によるイメージ処理装置1000を概略的に示すブロック図である。
【0016】
図1を参照すれば、イメージ処理装置1000は、オートフォーカシング(AF:auto-focusing)機能を遂行するデジタル撮像装置でもある。イメージ処理装置1000は、撮像部1100、イメージセンサ100及びプロセッサ1200を含んでもよい。イメージ処理装置1000は、オートフォーカシング機能のために、焦点検出機能を具備することができる。
【0017】
撮像部1100は、レンズ1110、レンズ駆動部1120、絞り1130、絞り駆動部1140を含んでもよい。
【0018】
レンズ駆動部1120は、プロセッサ1200と、焦点検出に係わる情報を通信することができ、プロセッサ1200によって提供された制御信号により、レンズ1110の位置を調節することができる。それにより、レンズ1110と被写体2000との距離が調節され、レンズ1110の位置により、被写体2000に対する焦点が合ったり、合わなかったりする。例えば、レンズ1110と被写体2000との距離が相対的に短い場合、レンズ1110は、被写体2000に対する焦点を合わせるための焦点位置(in-focus position)から外れ、イメージセンサ100に撮像されたイメージ間に位相差が発生してしまう。そのような場合、レンズ駆動部1120は、プロセッサ1200から提供された制御信号に基づいて、レンズ1110を、被写体2000からの距離が増大する方向に移動させることができる。
【0019】
イメージセンサ100は、入射する光を、イメージ信号に変換することができる。イメージセンサ100は、ピクセルアレイPXA、制御部210及び信号処理部220を含んでもよい。レンズ1110及び絞り1130を通過した光学信号が、ピクセルアレイPXAの受光面に達し、被写体2000の像を結像させることができる。ピクセルアレイPXAは、
図2で説明されるように、複数のピクセルPXを含み、複数のピクセルPXは、複数のイメージセンシングピクセルIPXと、複数の位相検出ピクセルPPXと、を含んでもよい。
【0020】
プロセッサ1200は、信号処理部220からピクセル情報を受信し、位相差演算を遂行することができ、位相差演算は、複数のピクセルのカラム信号の相関演算を実施して求めることができる。プロセッサ1200は、位相差演算結果として、焦点の位置、焦点の方向、または被写体2000とイメージセンサ100との距離などを求めることができる。プロセッサ1200は、位相差演算結果を基にし、レンズ1110の位置を移動させるために、レンズ駆動部1120に制御信号を出力することができる。
【0021】
図2は、例示的な実施形態によるイメージセンサ100を概略的に示すブロック図である。
【0022】
図2を参照すれば、イメージセンサ100は、ピクセルアレイPXA、制御部210、信号処理部220、ロウドライバ230及び信号読み取り部240を含んでもよい。
【0023】
ピクセルアレイPXAは、ピクセル単位にも形成され、複数のピクセルPXを含んでもよい。複数のピクセルPXは、それぞれ対応する光電変換領域、例えば、フォトダイオードを含んでもよい。複数のピクセルPXは、光を吸収して電荷を生成し、生成された電荷による電気的信号(出力電圧)は、信号読み取り部240にも提供される。
【0024】
ピクセルアレイPXAは、複数のイメージセンシングピクセルIPX、及び複数の位相検出ピクセルPPXを含んでもよい。複数のイメージセンシングピクセルIPXは、被写体2000(
図1)に対応するイメージ信号を生成することができる。複数の位相検出ピクセルPPXは、映像間の位相差を算出するために利用される位相信号を生成することができる。
【0025】
イメージセンサ100に含まれる複数の位相検出ピクセルPPXは、被写体に対する焦点を合わせるためにも利用される。位相信号は、イメージセンサ100に結ばれたイメージの位置に係わる情報を含んでもよい。従って、位相信号は、イメージ間の位相差を算出するためにも利用される。算出された位相差に基づいて、レンズ1110(
図1)の焦点位置が算出されうる。例えば、位相差を0にするレンズ1110の位置が焦点位置でもある。
【0026】
例示的な実施形態において、複数の位相検出ピクセルPPXは、被写体に対する焦点合わせだけではなく、被写体2000とイメージセンサ100との距離の測定にも利用される。被写体2000とイメージセンサ100との距離を測定するために、イメージセンサ100に結ばれたイメージ間の位相差、レンズ1110とイメージセンサ100との距離、レンズ1110の大きさ、レンズ1110の焦点位置のような追加の情報が参照されうる。
【0027】
制御部210は、ピクセルアレイPXAを使用して、光を吸収して電荷を蓄積させたり、蓄積された電荷を臨時に保存させたりし、保存された電荷による電気的信号を、ピクセルアレイPXAの外部に出力させるように、ロウドライバ230を制御することができる。また、制御部210は、ピクセルアレイPXAが提供する出力電圧を測定するように、信号読み取り部240を制御することができる。
【0028】
ロウドライバ230は、ピクセルアレイPXAを制御するための信号RSs,TXs,SELSsを生成し、ピクセルアレイPXAに含まれた複数のピクセルPXに提供することができる。ロウドライバ230は、AF機能を遂行するか否かということに基づいて、複数の位相検出ピクセルPPXに対するリセット制御信号RSs、伝送制御信号TXs、選択信号SELSsの活性化及び非活性化のタイミングを決定することができる。
【0029】
信号読み取り部240は、相関二重サンプラ(CDS)242、アナログ・デジタルコンバータ(ADC)244及びバッファ246を含んでもよい。相関二重サンプラ242は、ピクセルアレイPXAで提供した出力電圧を、サンプリング及びホールドすることができる。相関二重サンプラ242は、特定ノイズレベルと、生成された出力電圧によるレベルとを二重にサンプリングし、その差に該当するレベルを出力することができる。また、相関二重サンプラ242は、ランプ信号生成器248が生成したランプ信号を入力され、互いに比較し、比較結果を出力することができる。アナログ・デジタルコンバータ244は、相関二重サンプラ242から受信するレベルに対応するアナログ信号をデジタル信号に変換することができる。バッファ246は、デジタル信号をラッチ(latch)し、ラッチされた信号は、順次に、信号処理部220またはイメージセンサ100の外部にも出力される。
【0030】
信号処理部220は、受信される複数のピクセルPXのデータに対して、信号処理を行うことができる。信号処理部220は、ノイズ低減処理、ゲイン調整、波形定型化処理、補間処理、ホワイトバランス処理、ガンマ処理、エッジ強調処理などを行うことができる。また、信号処理部220は、位相差AF時、複数のピクセルPX情報をプロセッサ1200に出力し、位相差演算を行うように構成される。例えば、複数のピクセルPXは、位相差AF駆動内においても得られる。
【0031】
図3は、例示的な実施形態によるイメージセンサ100を示すレイアウト図である。
図4は、
図3のA1-A1線に沿った断面図である。
図5は、
図3のCX1部分を、
図4の第1レベルLV1で切った水平断面図であり、
図6は、
図3のCX1部分の平面図である。
【0032】
図3を参照すれば、イメージセンサ100は、ピクセルアレイPXAを含み、ピクセルアレイPXAは、複数のイメージセンシングピクセルIPXと、複数の位相検出共有ピクセルPPXとを含んでもよい。
【0033】
複数のイメージセンシングピクセルIPXは、基板110の第1面110F1に平行な第1方向(X方向)と、第2方向(Y方向)とにも配列される。ここで、該第1方向は、ピクセルアレイPXAのカラム方向であり、第2方向は、ピクセルアレイPXAのロウ方向でもある。複数の位相検出共有ピクセルPPXは、第1方向(X方向)に隣接するようにも配置される第1位相検出サブピクセルPPXa及び第2位相検出サブピクセルPPXbを含んでもよい。複数の位相検出共有ピクセルPPXは、複数のイメージセンシングピクセルIPX間において、所定間隔で離隔されても配置され、例えば、全体ピクセルPXの数に対して、1/16、1/32または1/64の密度にも配置される。例えば、
図3に図示されているように、ピクセルアレイPXAは、第1方向(X方向)に16個、及び第2方向(Y方向)に16個のピクセルPXを具備するように構成されるとき、複数の位相検出共有ピクセルPPXは、8個のピクセルPXを占めることができ、1/32の密度にも配置される。
【0034】
図4に例示的に図示されているように、複数のイメージセンシングピクセルIPXと、複数の位相検出共有ピクセルPPXは、基板110内において、ピクセル分離膜構造物150によって互いに離隔されても配置され、複数のイメージセンシングピクセルIPXと、複数の位相検出共有ピクセルPPXとのそれぞれ内に、光電変換領域120が配置されうる。
【0035】
基板110は、第1面110F1と第2面110F2を含んでもよい。ここにおいては、上部にマイクロレンズ構造180が配置される基板110の表面を、第2面110F2と、第2面110F2と反対になる面を、第1面110F1と称した。例示的な実施形態において、半導体基板110は、P型半導体基板を含んでもよい。例えば、半導体基板110は、P型シリコン基板からもなる。例示的な実施形態において、半導体基板110は、P型バルク基板と、その上に成長されたP型またはN型のエピ層と、を含んでもよい。他の実施形態において、半導体基板110は、N型バルク基板と、その上に成長されたP型またはN型のエピ層と、を含んでもよい。または、半導体基板110は、有機プラスチック基板によっても構成される。光電変換領域120は、基板110内部に形成されたフォトダイオード領域(図示せず)と、ウェル領域(図示せず)とを含んでもよい。
【0036】
図4に図示されていないが、基板110の第1面110F1上には、活性領域(図示せず)及びフローティング拡散領域FD(floating diffusion region)(
図7)を定義する素子分離膜(図示せず)がさらに形成されうる。
【0037】
基板110の第1面110F1上には、前面構造物(front side structure)130が配置されうる。前面構造物130は、ゲート電極132、配線層134及び絶縁層136を含んでもよい。
【0038】
ゲート電極132は、基板110の第1面110F1上に配置され、複数のトランジスタを構成することができる。例えば、前記複数のトランジスタは、光電変換領域120で生成された電荷を、フローティング拡散領域FDに伝送するように構成される伝送トランジスタTX、フローティング拡散領域FDに保存されている電荷を、周期的にリセットさせるように構成されるリセットトランジスタRX、ソースフォロワバッファ増幅器(source follower buffer amplifier)の役割を行い、前記フローティング拡散領域に充電された電荷による信号をバッファリングするように構成されるドライブトランジスタDX、及び複数のイメージセンシングピクセルIPXを選択するためのスイッチング及びアドレッシングの役割を行う選択トランジスタSXを含んでもよい。しかし、前記複数のトランジスタは、それらに限定されるものではない。
【0039】
図4には、ゲート電極132が基板110の第1面110F1上に平板形態に形成されているように例示的に図示されているが、一部のゲート電極132は、基板110の第1面110F1から基板110内部に延長されるリセスゲートタイプにも形成される。
【0040】
配線層134は、ゲート電極132または前記活性領域とも電気的に連結される。配線層134は、タングステン、アルミニウム、銅、タングステンシリサイド、チタンシリサイド、タングステン窒化物、チタン窒化物、ドーピングされたポリシリコンなどを含んでもよい。絶縁層136は、基板110の第1面110F1上において、配線層134をカバーすることができ、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物のような絶縁物質を含んでもよい。
【0041】
選択的には、前面構造物130上には、支持基板140が配置されうる。支持基板140と前面構造物130との間には、接着部材(図示せず)がさらに配置されうる。
【0042】
ピクセル分離膜構造物150は、基板110を貫通するように配置され、1つのイメージセンシングピクセルIPXを、それに隣接したイメージセンシングピクセルIPXと、物理的及び電気的に分離させることができる。平面図において、ピクセル分離膜構造物150は、メッシュ形状またはグリッド形状にも配置される。
図4に図示されているように、ピクセル分離膜構造物150は、基板110の第1面110F1から第2面110F2まで延長され、基板110の第1面110F1と同一レベルでの幅が、基板110の第2面110F2と同一レベルでの幅よりさらに広くなりもするが、それに限定されるものではない。
【0043】
ピクセル分離膜構造物150は、導電層152と絶縁ライナ154とを含み、導電層152と基板110との間に、絶縁ライナ154が介在されてもよい。例示的な実施形態において、導電層152は、ポリシリコン、金属のような導電物質を含んでもよい。絶縁ライナ154は、ハフニウム酸化物、アルミニウム酸化物、タンタル酸化物のような金属酸化物を含み、そのような場合、絶縁ライナ154は、負の固定電荷層(negative fixed charge layer)として作用することができる。他の実施形態において、絶縁ライナ154は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物のような絶縁物質を含んでもよい。
【0044】
基板110の第2面110F2上には、カラーフィルタフェンス160が配置されてもよい。
図5に例示的に図示されているように、カラーフィルタフェンス160は、平面的に、グリッド形状またはメッシュ形状を有することができ、カラーフィルタフェンス160は、ピクセル分離膜構造物150と垂直方向にオーバーラップされるようにも配置される。カラーフィルタフェンス160は、内部にカラーフィルタ層170が配置される複数のカラーフィルタ空間160Sを定義することができる。
【0045】
複数のカラーフィルタ空間160Sは、複数のイメージセンシングピクセルIPXとオーバーラップされる位置に配置される第1カラーフィルタ空間160S1と、複数の位相検出共有ピクセルPPXとオーバーラップされる位置に配置される第2カラーフィルタ空間160S2と、を含んでもよい。第1カラーフィルタ空間160S1内に、複数のイメージセンシングピクセルIPXに対応するカラーフィルタ層170が配置され、第2カラーフィルタ空間160S2内に、複数の位相検出共有ピクセルPPXに対応するカラーフィルタ層170が配置されうる。第2カラーフィルタ空間160S2は、第1位相検出サブピクセルPPXa及び第2位相検出サブピクセルPPXbのいずれとも垂直方向にオーバーラップされるようにも配置され、第2カラーフィルタ空間160S2は、上面視において、第1カラーフィルタ空間160S1より広い平面面積を有することができる。
【0046】
カラーフィルタフェンス160は、バリア金属パターン162と、バリア金属パターン162上に配置される低屈折率物質層パターン164と、を含んでもよい。例えば、低屈折率物質層パターン164は、約1.0より大きく、約1.4より小さいか、あるいはそれと同じ第1屈折率を有することができる。例示的な実施形態において、低屈折率物質層パターン164は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、シリコンアクリレート、セルロースアセテートブチレート(CAB)、シリカ及びフルオロシリコンアクリテート(FSA)のうち少なくとも一つを含んでもよい。例えば、低屈折率物質層パターン164は、シリカ(SiOx)粒子が分散されたポリマー物質を含んでもよい。
【0047】
低屈折率物質層パターン164が相対的に低い第1屈折率を有することにより、カラーフィルタフェンス160に向けて入射する光が全反射され、複数のイメージセンシングピクセルIPX中心部方向に向かうようにも指向される。カラーフィルタフェンス160は、1つのイメージセンシングピクセルIPX上に配置されるカラーフィルタ層170内部に傾斜角度を有しながら入射する光が、隣接したイメージセンシングピクセルIPX上に配置されるカラーフィルタ層170に進入することを防止することができ、それにより、複数のイメージセンシングピクセルIPX間の干渉現象が防止されうる。
【0048】
カラーフィルタフェンス160は、第1フェンス部160Iと第2フェンス部160Pとを含んでもよい。第1フェンス部160Iは、複数のイメージセンシングピクセルIPX間の境界(例えば、複数のイメージセンシングピクセルIPX間のピクセル分離膜構造物150の部分)と垂直方向にオーバーラップされ、第2フェンス部160Pは、複数の位相検出共有ピクセルPPXのうち一つと、第1方向(X方向)に、その位相検出共有ピクセルPPXのうち一つに隣接したイメージセンシングピクセルIPXとの境界とも垂直方向にオーバーラップされる。例えば、第1カラーフィルタ空間160S1は、第1フェンス部160Iによっても限定され(または、平面図において、第1カラーフィルタ空間160S1は、第1フェンス部160Iによっても取り囲まれる)、第2カラーフィルタ空間160S2は、第1フェンス部160I及び第2フェンス部160Pによっても限定される(または、平面図において、第2カラーフィルタ空間160S2は、第1フェンス部160Iと第2フェンス部160Pろによっても取り囲まれる)。
【0049】
第1フェンス部160Iは、第1方向(X方向)に沿い、第1幅w11を有し、第2フェンス部160Pは、第1方向(X方向)に沿い、第1幅w11より広い第2幅w12を有することができる。第2フェンス部160Pの第2幅w12は、第1幅w11の1.5倍ないし10倍でもあるが、それに限定されるものではない。第2フェンス部160Pが相対的に広幅に形成されることにより、複数の位相検出共有ピクセルPPXの位相差の分離比特性が向上しうる。
【0050】
選択的には、基板110の第2面110F2と、カラーフィルタフェンス160との間には、背面絶縁層166が配置され、カラーフィルタフェンス160の上面と側面との上には、パッシベーション層168がコンフォーマルにも配置される。背面絶縁層166は、ハフニウム酸化物、アルミニウム酸化物、タンタル酸化物のような金属酸化物;シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、低誘電率物質などの絶縁物質を含んでもよい。パッシベーション層168は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、低誘電率物質などの絶縁物質を含んでもよい。
【0051】
カラーフィルタフェンス160及びパッシベーション層168の上には、カラーフィルタ空間160Sを充填するカラーフィルタ層170が配置されうる。カラーフィルタ層170は、カラーフィルタ層170に含まれる物質の種類により、緑色光、青色光及び赤色光をセンシングすることができる。ここでは、便宜上、緑色をセンシングするカラーフィルタ層170は、緑色カラーフィルタ層G、青色をセンシングするカラーフィルタ層170は、青色カラーフィルタ層B、赤色をセンシングするカラーフィルタ層170は、赤色カラーフィルタ層Rと指称する。
【0052】
カラーフィルタフェンス160及びカラーフィルタ層170の上には、マイクロレンズ構造180が配置されうる。マイクロレンズ構造180上には、キャッピング層190が配置されうる。
【0053】
マイクロレンズ構造180は、第1マイクロレンズ182と第2マイクロレンズ184とを含んでもよい。第1マイクロレンズ182は、複数のイメージセンシングピクセルIPX上にも配置され、第2マイクロレンズ184は、複数の位相検出共有ピクセルPPX上にも配置される。例えば、第2マイクロレンズ184は、第1方向(X方向)に並んで配置された第1位相検出サブピクセルPPXa及び第2位相検出サブピクセルPPXbのいずれとも垂直方向にオーバーラップされるようにも配置され、それにより、第1方向(X方向)に、第1マイクロレンズ182幅の約2倍である幅を有することができる。
【0054】
例示的な実施形態において、第2マイクロレンズ184の第1方向(X方向)による中心線は、ピクセル分離膜構造物150とも垂直方向にオーバーラップされる。特に、第2マイクロレンズ184の曲率中心が、第1位相検出サブピクセルPPXaと第2位相検出サブピクセルPPXbとの間に配置されるピクセル分離膜構造物150の部分とも垂直方向にオーバーラップされる。それにより、第2マイクロレンズ184の中心線を基準に、左側から入る光は、第2位相検出サブピクセルPPXbに受光され、右側から入る光は、第1位相検出サブピクセルPPXaにも受光される。従って、第1位相検出サブピクセルPPXa及び第2位相検出サブピクセルPPXbに受光される光量の差を基に、被写体2000(
図1)が焦点位置(in-focus position)に位置するか否かということが決定されうる。
【0055】
例示的な実施形態において、第1マイクロレンズ182は、第1高さh11を有することができ、第2マイクロレンズ184は、第1高さh11よりさらに高い第2高さh12を有することができる。一部例示において、第2高さh12は、第1高さh11の約110%ないし300%でもあるが、それに限定されるものではない。第2マイクロレンズ184の第2高さh12が、第1マイクロレンズ182の第1高さh11よりさらに高いので、位相検出共有ピクセルPPXは、優秀なAF分離比特性を示すことができる。
【0056】
例えば、位相検出共有ピクセルPPXが、ピクセルアレイPXA内部に分散されて配置されるので、一般的に、イメージセンシングピクセルIPXのためのマイクロレンズと、位相検出共有ピクセルPPXのためのマイクロレンズとが同一フォトレジストパターニング工程及びエッチバック工程によって形成されてきた。しかし、同一フォトレジストパターニング工程及びエッチバック工程によれば、イメージセンシングピクセルIPXのためのマイクロレンズと、位相検出共有ピクセルPPXのためのマイクロレンズとが同一高さに形成される。もしマイクロレンズがイメージセンシングピクセルIPXの受光のために最適条件を有する高さ(または、曲率)を有するように形成する場合、そのような高さのマイクロレンズにより、位相検出共有ピクセルPPXのAF分離比特性が低下してしまう。もしマイクロレンズが、位相検出共有ピクセルPPXのAF分離比特性のために、最適条件を有する高さ(または、曲率)を有するように形成する場合、そのような高さのマイクロレンズにより、イメージセンシングピクセルIPXのSNR特性が低下する問題がある。
【0057】
例示的な実施形態によれば、第2マイクロレンズ184は、第1マイクロレンズ182よりさらに高い第2高さh12を有するように形成され、それにより、第1マイクロレンズ182は、イメージセンシングピクセルIPXのSNR特性のために最適化された曲率(または、高さ)を有する一方、第2マイクロレンズ184は、位相検出共有ピクセルPPXのAF分離比特性のために最適化された曲率(または、高さ)を有することができる。
【0058】
また、前述のように、第2マイクロレンズ184下に配置されるカラーフィルタフェンス160の第2フェンス部160Pは、第1マイクロレンズ182下に配置されるカラーフィルタフェンス160の第1フェンス部160Iよりさらに広い第2幅w12を有することができる。第2フェンス部160Pが相対的に広幅に形成されることにより、第2マイクロレンズ184を介して、第1位相検出サブピクセルPPXa及び第2位相検出サブピクセルPPXbに入る光量の差がさらに大きくなり、すなわち、AF分離比特性がさらに向上する。
【0059】
図3及び
図5に例示的に図示されているように、複数のイメージセンシングピクセルIPXは、複数のイメージセンシング共有ピクセルSIPXを含んでもよい。例えば、複数のイメージセンシング共有ピクセルSIPXは、第1方向に隣接した2個のピクセルと、第2方向に隣接した2個のピクセルと、を含んでもよい。例えば、
図3において、1つのイメージセンシング共有ピクセルSIPXは、2×2マトリックス形状に配列された第1イメージセンシングサブピクセルIPX1ないし第4イメージセンシングサブピクセルIPX4を含んでもよい。しかし、本発明の技術的思想は、それに限定されるものではなく、1つのイメージセンシング共有ピクセルSIPXは、3×3マトリックス形状に配列された合計9個のサブピクセルを含んだり、4×4マトリックス形状に配列された合計16個のサブピクセルを含んだりもする。
【0060】
1つのイメージセンシング共有ピクセルSIPX内に含まれた第1イメージセンシングサブピクセルIPX1ないし第4イメージセンシングサブピクセルIPX4の上には、同一色相をセンシングするカラーフィルタ層170が配置されうる。例えば、
図3において、点線で表示された第1イメージセンシングサブピクセルIPX1ないし第4イメージセンシングサブピクセルIPX4の上に、緑色カラーフィルタ層Gが配置されうる。例えば、第1方向(X方向)に沿って配列される複数のイメージセンシング共有ピクセルSIPX上には、青色カラーフィルタ層Bと緑色カラーフィルタ層Gとが相互に配置され、第2方向(Y方向)に沿って配列される複数のイメージセンシング共有ピクセルSIPX上には、赤色カラーフィルタ層Rと緑色カラーフィルタ層Gが相互に配置されうる。しかし、カラーフィルタ層170の色相配列は、前述のところに限定されるものではない。他の実施形態において、緑色カラーフィルタ層Gのうち少なくとも一部は、白色をセンシングするカラーフィルタ層170にも代替される。
【0061】
図5に図示された1つの共有ピクセルSIPX_Bにおいて、青色カラーフィルタ層Bは、カラーフィルタフェンス160の第1フェンス部160Iによって限定される第1カラーフィルタ空間160S1内にも配置される。例えば、1つの共有ピクセルSIPX_Bにおいて、第1イメージセンシングサブピクセルIPX1ないし第4イメージセンシングサブピクセルIPX4の上に、それぞれ青色カラーフィルタ層Bが配置され、それに隣接した1つの共有ピクセルSIPX_Gにおいて、第1イメージセンシングサブピクセルIPX1ないし第4イメージセンシングサブピクセルIPX4の上に、それぞれ緑色カラーフィルタ層Gが配置されうる。
【0062】
図4に図示された1つの位相検出共有ピクセルPPXにおいて、カラーフィルタフェンス160の第1フェンス部160Iと第2フェンス部160Pとによって限定される第2カラーフィルタ空間160S2内に、緑色カラーフィルタ層Gが配置されうる。他の実施形態において、複数の位相検出共有ピクセルPPX上に、白色をセンシングするカラーフィルタ層170が配置されうる。さらに他の実施形態において、複数の位相検出共有ピクセルPPXのうち一部上に、緑色カラーフィルタ層Gが配置され、他の一部上に、白色をセンシングするカラーフィルタ層170が配置されうる。
【0063】
位相検出共有ピクセルPPXは、隣接した2個のイメージセンシング共有ピクセルSIPXのサブピクセルの位置にも配置され、それにより、位相検出共有ピクセルPPXに隣接するように配置される周辺共有ピクセルSIPX_P1,SIPX_P2は、それぞれ第1イメージセンシングサブピクセルIPX1、第2イメージセンシングサブピクセルIPX2及び第3イメージセンシングサブピクセルIPX3を含んでもよい。例えば、
図5に図示された位相検出共有ピクセルPPXの左側に配置された周辺共有ピクセルSIPX_P1は、青色カラーフィルタ層Bに対応する3個のサブピクセルによって構成され、位相検出共有ピクセルPPXの右側に配置された周辺共有ピクセルSIPX_P2は、赤色カラーフィルタ層Rに対応する3個のサブピクセルによっても構成される。しかし、位相検出共有ピクセルPPXの配置は、それらに限定されるものではない。
【0064】
例示的な実施形態において、低照度動作モードにおいて、複数のイメージセンシング共有ピクセルSIPX内の複数の光電変換領域120を介して光を感知し、ピクセル信号が生成されるようにも制御される。また、高解像度動作モードにおいて、複数のイメージセンシング共有ピクセルSIPX内のイメージセンシングサブピクセルIPX1~IPX4それぞれに対して、ピクセル信号を個別的に生成するようにも制御される。すなわち、低照度条件において、4個のイメージセンシングサブピクセルIPX1~IPX4のうち一部またはいずれをも1つの単位にしてピクセル信号が生成され、高解像度条件において、イメージセンシングサブピクセルIPX1~IPX4それぞれを1つの単位にし、ピクセル信号が生成されうる。それにより、イメージセンサ100のスケールダウンにより、単位ピクセルのサイズが縮まり、サブピクセル1つの受光容量(または、受光面積)が減少しても、広いダイナミックレンジが確保されうる。
【0065】
また、前述のイメージセンサ100によれば、第2マイクロレンズ184は、第1マイクロレンズ182よりさらに高い第2高さh12を有するようにも形成され、それにより、第1マイクロレンズ182は、イメージセンシングピクセルIPXのSNR特性のために最適化された曲率(または、高さ)を有する一方、第2マイクロレンズ184は、位相検出共有ピクセルPPXのAF分離比特性のために最適化された曲率(または、高さ)を有することができる。また、カラーフィルタフェンス160の第2フェンス部160Pの第2幅w12が、第1フェンス部160Iの第1幅w11よりさらに広く形成されることにより、位相検出共有ピクセルPPXのAF分離比特性が向上しうる。従って、イメージセンサ100は、オートフォーカシング機能を、迅速であって正確に遂行する一方、イメージセンシングピクセルの感度が向上しうる。
【0066】
図7は、例示的な実施形態によるイメージセンサ100の複数ピクセルPXの等価回路図である。
【0067】
図7を参照すれば、複数のピクセルPXは、マトリックス形態にも配列される。複数のピクセルPXのそれぞれは、伝送トランジスタTXとロジックトランジスタRX,SX,DXとを含んでもよい。ここで、該ロジックトランジスタは、リセットトランジスタRX、選択トランジスタSX及びドライブトランジスタDX(または、ソースフォロワトランジスタ)を含んでもよい。リセットトランジスタRXは、リセットゲートRGを含み、選択トランジスタSXは、選択ゲートSGを含み、伝送トランジスタTXは、伝送ゲートTGを含んでもよい。
【0068】
複数のピクセルPXのそれぞれは、光電変換素子PD及びフローティング拡散領域FDをさらに含んでもよい。光電変換素子PDは、
図3ないし
図6で説明した光電変換領域120にも対応する。光電変換素子PDは、外部から入射された光の量に比例し、光電荷を生成及び蓄積することができ、フォトダイオード、フォトトランジスタ、フォトゲート、ピンドフォトダイオード(PPD:pinned photo diode)、及びそれらの組み合わせが使用されうる。
【0069】
伝送ゲートTGは、光電変換素子PDで生成された電荷をフローティング拡散領域FDに伝送することができる。フローティング拡散領域FDは、光電変換素子PDで生成された電荷を伝送され、累積として保存することができる。フローティング拡散領域FDに蓄積された光電荷の量により、ドライブトランジスタDXが制御されうる。
【0070】
リセットトランジスタRXは、フローティング拡散領域FDに蓄積された電荷を周期的にリセットさせることができる。リセットトランジスタRXのドレイン電極は、フローティング拡散領域FDと連結され、ソース電極は、電源電圧VDDに連結される。リセットトランジスタRXがターンオンされれば、リセットトランジスタRXのソース電極と連結された電源電圧VDDが、前記フローティング拡散領域FDに伝達される。リセットトランジスタRXがターンオンされるとき、フローティング拡散領域FDに蓄積された電荷が排出され、フローティング拡散領域FDがリセットされうる。
【0071】
ドライブトランジスタDXは、複数のピクセルPX外部に位置する電流源(図示せず)と連結され、ソースフォロワバッファ増幅器として機能し、フローティング拡散領域FDにおける電位変化を増幅し、それを出力ラインVOUTに出力する。
【0072】
選択トランジスタSXは、行単位で複数のピクセルPXを選択することができ、選択トランジスタSXがターンオンされるとき、電源電圧VDDがドライブトランジスタDXのソース電極にも伝達される。
【0073】
図8は、例示的な実施形態によるイメージセンサ100Aを示す断面図であり、
図9は、
図3のCX1に対応する部分の水平断面図である。
図8及び
図9において、
図1ないし
図7と同一参照符号は、同一構成要素を意味する。
【0074】
図8及び
図9を参照すれば、マイクロレンズ構造180Aは、第1マイクロレンズ182と第2マイクロレンズ184Aとを含み、第2マイクロレンズ184Aは、下部マイクロレンズ部184ABと上部マイクロレンズ部184ATを含んでもよい。下部マイクロレンズ部184ABは、カラーフィルタフェンス160とカラーフィルタ層170との上に配置され、上部マイクロレンズ部184ATは、下部マイクロレンズ部184AB上にも配置される。
【0075】
例示的な実施形態において、下部マイクロレンズ部184ABと上部マイクロレンズ部184ATは、一体に形成され、1つの物質層によっても構成される。下部マイクロレンズ部184ABと上部マイクロレンズ部184ATは、互いに異なる曲率半径(または、曲率中心)を有する半球状構造物の一部でもある。下部マイクロレンズ部184ABと上部マイクロレンズ部184ATとの境界線184ACは、第2マイクロレンズ184Aの曲率が急激に変化する地点の連結線にも対応し、境界線184AC上部の第2マイクロレンズ184Aの一部を、上部マイクロレンズ部184ATと称し、境界線184AC下部の第2マイクロレンズ184Aの一部を、下部マイクロレンズ部184BTと称することができる。
図9に図示されているように、上部マイクロレンズ部184ATは、第1方向(X方向)に長く延長される半球形状を有することができる。平面図において、境界線184ACは、第1方向(X方向)に長く延長される楕円形状を有することができる。
【0076】
例示的な実施形態において、第2マイクロレンズ184Aは、第1マイクロレンズ182の第1高さh11よりさらに高い第2高さh12aを有することができる。従って、第1マイクロレンズ182は、イメージセンシングピクセルIPXのSNR特性のために最適化された曲率(または、高さ)を有する一方、第2マイクロレンズ184Aは、位相検出共有ピクセルPPXのAF分離比特性のために最適化された曲率(または、高さ)を有することができる。また、第2マイクロレンズ184Aが互いに異なる曲率を有する下部マイクロレンズ部184ABと上部マイクロレンズ部184ATとを具備するように形成されることにより、位相検出共有ピクセルPPXのAF分離比特性のために最適化された特性を有することができる。
【0077】
図10は、例示的な実施形態によるイメージセンサ100Bを示す断面図である。
図10は、
図3のCX1に対応する部分の平面図である。
図10において、
図1ないし
図9と同一参照符号は、同一構成要素を意味する。
【0078】
マイクロレンズ構造180Bは、第1マイクロレンズ182と第2マイクロレンズ184Bとを含み、第2マイクロレンズ184Bは、下部マイクロレンズ部184BBと上部マイクロレンズ部184BTとを含んでもよい。下部マイクロレンズ部184BBと上部マイクロレンズ部184BTは、互いに異なる曲率半径(または、曲率中心)を有する半球状構造物の一部でもある。
図9に図示されているように、上部マイクロレンズ部184BTは、第2方向(Y方向)への幅と、第1方向(X方向)への幅とが類似した半球形状を有することができる。平面図において、境界線184BCは、第1位相検出サブピクセルPPXaとオーバーラップされる一部と、第2位相検出サブピクセルPPXbとオーバーラップされる一部と、を含んでもよい。第2マイクロレンズ184Bは、位相検出共有ピクセルPPXのAF分離比特性のために最適化された曲率(または、高さ)または形状を有することができる。
【0079】
図11は、例示的な実施形態によるイメージセンサ100Cを示す断面図である。
図11は、
図3のA1-A1’部分に対応する部分の断面図である。
図11において、
図1ないし
図10と同一参照符号は、同一構成要素を意味する。
【0080】
図11を参照すれば、マイクロレンズ構造180Cは、第1マイクロレンズ182と第2マイクロレンズ184Cとを含み、第2マイクロレンズ184Cは、下部マイクロレンズ部184CBと上部マイクロレンズ部184CTとを含んでもよい。下部マイクロレンズ部184CBと上部マイクロレンズ部184CTは、互いに異なる物質を含んでもよい。
【0081】
例えば、下部マイクロレンズ部184CBは、光透過性有機物質を含み、上部マイクロレンズ部184CTは、フォトレジスト物質を含んでもよい。下部マイクロレンズ部184CBは、光透過性有機物質層をエッチバックすることによって形成され、上部マイクロレンズ部184CTは、フォトレジストパターンをリフローすることによっても形成される。
【0082】
例示的な実施形態において、第1マイクロレンズ182は、第1高さh11を有することができ、下部マイクロレンズ部184CBは、第2高さh22aを有することができ、上部マイクロレンズ部184CTは、第3高さh22bを有することができる。第2高さh22aは、第1高さh11と実質的に同一であったり、類似したりするが、それに限定されるものではない。
【0083】
図12は、例示的な実施形態によるイメージセンサ100Dを示すレイアウト図であり、
図13は、
図12のCX2部分の水平断面図である。
図12及び
図13において、
図1ないし
図11と同一参照符号は、同一構成要素を意味する。
【0084】
図12及び
図13を参照すれば、位相検出共有ピクセルPPXは、1つのイメージセンシング共有ピクセルSIPXのサブピクセルの位置にも配置され、位相検出共有ピクセルPPXに隣接するように配置される周辺共有ピクセルSIPX_Pは、それぞれ第1イメージセンシングサブピクセルIPX1及び第2イメージセンシングサブピクセルIPX2を含んでもよい。例えば、
図13に図示された位相検出共有ピクセルPPXの下に配置された共有ピクセルSIPX_Pは、緑色カラーフィルタ層Gに対応する(または、上部に緑色カラーフィルタ層Gが置かれる)2個のサブピクセルによって構成される。位相検出共有ピクセルPPXの右側に配置された1つの共有ピクセルSIPX_Rは、赤色カラーフィルタ層Rに対応する4個のサブピクセルによっても構成される。しかし、位相検出共有ピクセルPPXの配置は、それらに限定されるものではない。
【0085】
図14は、例示的な実施形態によるイメージセンサ100Eを示すレイアウト図である。
【0086】
図14を参照すれば、第1位相検出共有ピクセルPPXE1は、第1方向(X方向)に並んで配置される第1位相検出サブピクセルPPXa1と第2位相検出サブピクセルPPXb1とを含み、第2位相検出共有ピクセルPPXE2は、第2方向(Y方向)に並んで配置される第3位相検出サブピクセルPPXa2と第4位相検出サブピクセルPPXb2とを含んでもよい。
【0087】
一部例示において、第1位相検出共有ピクセルPPXE1は、水平方向(X方向)にの焦点の位置を算出し、第2位相検出共有ピクセルPPXE2は、垂直方向(Y方向)での焦点の位置を算出するようにも制御される。第1位相検出共有ピクセルPPXE1と第2位相検出共有ピクセルPPXE2は、ランダムに分散されても配置され、第1位相検出共有ピクセルPPXE1と第2位相検出共有ピクセルPPXE2との個数は、同一でもある。他の実施形態において、第1位相検出共有ピクセルPPXE1と第2位相検出共有ピクセルPPXE2との個数と配置とが異なりもする。
【0088】
図15ないし
図25は、例示的な実施形態によるイメージセンサ100の製造方法を示す断面図である。
図15ないし
図25としては、
図3のA1-A1’断面に対応する断面を工程順序によって図示した。
図15ないし
図25において、
図1ないし
図14と同一参照符号は、同一構成要素を意味する。
【0089】
図15を参照すれば、互いに反対になる第1面110F1と第2面110F2とを具備する基板110を準備する。基板110の第1面110F1上に、マスクパターン(図示せず)を形成し、前記マスクパターンを使用し、基板110の第1面110F1から基板110の一部を除去し、トレンチ150Tを形成することができる。
【0090】
その後、トレンチ150T内に、絶縁ライナ154と導電層152とを順次に形成し、基板110の第1面110F1上に配置される絶縁ライナ154と導電層152との部分を平坦化工程などによって除去し、トレンチ150T内に、ピクセル分離膜構造物150を形成することができる。
【0091】
その後、基板110の第1面110F1から、イオン注入工程によってフォトダイオード領域(図示せず)とウェル領域(図示せず)とを含む光電変換領域120が形成されうる。例えば、前記フォトダイオード領域は、N型不純物をドーピングして形成され、前記ウェル領域は、P型不純物をドーピングしても形成される。
【0092】
図16を参照すれば、基板110の第1面110F1上に、前面構造物130を形成することができる。まず、基板110の第1面110F1上に、ゲート電極132を形成し、基板110の第1面110F1上の一部領域に、イオン注入工程を遂行し、フローティング拡散領域(図示せず)及び活性領域(図示せず)を形成することができる。その後、基板110の第1面110F1上に導電層(図示せず)を形成し、前記導電層をパターニングし、前記パターニングされた導電層を覆うように、絶縁層(図示せず)を形成する段階を反復的に遂行するにより、基板110上に、配線層134と絶縁層136とを形成することができる。
【0093】
その後、絶縁層136上に、支持基板140を接着させることができる。
【0094】
図17を参照すれば、基板110の第2面110F2が上に向くように、基板110を逆さまにする。ここで、トレンチ150Tの底面は、第2面110F2に露出されていない状態でもある。
【0095】
図18を参照すれば、導電層152が露出されるまで、CMP工程またはエッチバック工程のような平坦化工程により、基板110の第2面110F2から基板110の一部を除去することができる。前記除去工程が遂行されることにより、基板110の第2面110F2のレベルは、低くなる。このとき、ピクセル分離膜構造物150によって取り囲まれる1つのイメージセンシングピクセルIPXは、それに隣接したイメージセンシングピクセルIPXと、物理的及び電気的にも分離される。
【0096】
図19を参照すれば、基板110の第2面110F2上に、背面絶縁層166を形成することができる。
【0097】
その後、背面絶縁層166上に、バリア金属層(図示せず)と低屈折率物質層(図示せず)とを順次に形成し、前記バリア金属層と前記低屈折率物質層とをパターニングし、バリア金属パターン162と低屈折率物質層パターン164とを形成することができる。バリア金属パターン162と低屈折率物質層パターン164は、カラーフィルタフェンス160とも指称され、平面図において、グリッド形状を有し、ピクセル分離膜構造物150とも垂直方向にオーバーラップされる。
【0098】
前記パターニング工程において、カラーフィルタフェンス160は、相対的に狭幅の第1フェンス部160Iと、相対的に広幅の第2フェンス部160Pとを含むようにもパターニングされる。ここで、カラーフィルタフェンス160により、カラーフィルタ空間160Sが定義され、第1カラーフィルタ空間160S1は、イメージセンシングピクセルIPXとオーバーラップされ、第2カラーフィルタ空間160S2は、位相検出共有ピクセルPPXともオーバーラップされる。
【0099】
その後、カラーフィルタ空間160Sの内壁上に、コンフォーマルにパッシベーション層168を形成することができる。
【0100】
図20を参照すれば、カラーフィルタ空間160S内に、カラーフィルタ層170が形成されうる。
【0101】
図21を参照すれば、カラーフィルタ層170上に、マイクロレンズ物質層180Lが形成されうる。例えば、マイクロレンズ物質層180Lは、光透過性有機物質を使用し、スピンコーティング工程または化学気相蒸着(CVD)工程などによっても形成される。
【0102】
図22を参照すれば、複数のイメージセンシングピクセルIPXとオーバーラップされる位置において、マイクロレンズ物質層180L上に、複数の第1マスクパターン322P1を形成することができる。第1マスクパターン322P1は、フォトレジストパターンを含んでもよい。例えば、第1マスクパターン322P1を形成するために、フォトレジスト物質をスピンコーティングし、その後、露光工程、ベーキング工程及び現像工程を順次に遂行することができる。
【0103】
図23を参照すれば、位相検出共有ピクセルPPXとオーバーラップされる位置において、マイクロレンズ物質層180L上に、複数の第2マスクパターン324P1を形成することができる。第2マスクパターン324P1は、フォトレジストパターンを含んでもよい。第2マスクパターン324P1は、第1マスクパターン322P1よりさらに大きい高さと幅とを有するようにも形成される。また、第2マスクパターン324P1は、第1位相検出サブピクセルPPXa及び第2位相検出サブピクセルPPXbのいずれとも垂直方向にオーバーラップされる位置にも配置される。
【0104】
図24を参照すれば、リフロー工程を遂行し、複数の第1マスクパターン322P1、及び複数の第2マスクパターン324P1を、複数の第1リフローパターン322R1と複数の第2リフローパターン324R1とに変換させることができる。
【0105】
例示的な実施形態において、前記リフロー工程において供給された熱により、複数の第1マスクパターン322P1及び複数の第2マスクパターン324P1が半球状に変形され、それにより、複数の第1リフローパターン322R1と複数の第2リフローパターン324R1とが形成されうる。
【0106】
例示的な実施形態において、前記リフロー工程は、約100℃ないし200℃の温度で、数秒ないし数十分の間遂行されるが、それに限定されるものではない。
【0107】
図25を参照すれば、複数の第1リフローパターン322R1と複数の第2リフローパターン324R1とをエッチングマスクとして使用し、マイクロレンズ物質層180Lをエッチングすることにより、複数の第1リフローパターン322R1と、複数の第2リフローパターン324R1との形状が、第1マイクロレンズ182と第2マイクロレンズ184とに転写されうる。そのとき、第1マイクロレンズ182のエッジ部と、第2マイクロレンズ184のエッジ部は、互いに連結されうる。
【0108】
その後、第1マイクロレンズ182と第2マイクロレンズ184とを含むマイクロレンズ構造180上に、キャッピング層190を形成することができる。
【0109】
前述の例示的な実施形態によれば、複数の第1マスクパターン322P1をまず形成した後、複数の第2マスクパターン324P1を相対的にさらに高い高さに形成することができる。その後、複数の第1マスクパターン322P1、及び複数の第2マスクパターン324P1をリフローし、エッチング工程を遂行し、マイクロレンズ構造180を形成することができる。前述の方法によって製造されたイメージセンサ100は、オートフォーカシング機能を、迅速であって正確に遂行する一方、イメージセンシングピクセルの感度が向上しうる。
【0110】
次に、本技術的思想の実施形態によれば、イメージセンサの製造方法について説明される。前記方法は、基板上に複数のピクセルを提供するが、前記複数のピクセルは、1以上の第1ピクセルと、1以上の第2ピクセルとを含む、複数のピクセルを提供する段階と、第1工程を使用し、前記1以上の第1ピクセルのそれぞれの上に、第1マイクロレンズを提供する段階と、第2工程を使用し、前記1以上の第2ピクセルのそれぞれの上に、第2マイクロレンズを提供する段階と、を含み、前記第1マイクロレンズは、前記第2マイクロレンズと異なる形状を含む。
【0111】
一部の場合において、前記方法は、複数のイメージセンシングピクセル上にマイクロレンズ物質層を形成する段階をさらに含み、前記第1工程は、第1マスクパターンを形成する段階と、前記第1マスクパターンに基づいて、第1リフローパターンを形成する段階と、前記第1リフローパターンに基づいて、前記マイクロレンズ物質層から前記第1マイクロレンズを形成する段階と、を含み、前記第2工程は、第2マスクパターンを形成する段階と、前記第2マスクパターンに基づいて、第2リフローパターンを形成する段階と、前記第2リフローパターンに基づいて、前記第2マイクロレンズを形成する段階と、を含む。
【0112】
一部の場合において、前記1以上の第1ピクセルは、イメージセンシングピクセルを含み、前記1以上の第2ピクセルは、イメージ間の位相差を演算するための位相信号を生成するように構成される位相差共有ピクセルを含む。一部の場合において、第2マイクロレンズの高さは、第1マイクロレンズの高さよりさらに高い。
【0113】
図26ないし
図28は、例示的な実施形態によるイメージセンサ100の製造方法を示す断面図である。
【0114】
【0115】
図26を参照すれば、位相検出共有ピクセルPPXとオーバーラップされる位置において、マイクロレンズ物質層180L上に、複数の第2マスクパターン324P2をまず形成することができる。
【0116】
図27を参照すれば、複数のイメージセンシングピクセルIPXとオーバーラップされる位置において、マイクロレンズ物質層180L上に、複数の第1マスクパターン322P2を形成することができる。第1マスクパターン322P2は、第2マスクパターン324P2よりさらに小さい高さと幅とを有するようにも形成される。
【0117】
図28を参照すれば、リフロー工程を遂行し、複数の第1マスクパターン322P2、及び複数の第2マスクパターン324P2を、複数の第1リフローパターン322R2と、複数の第2リフローパターン324R2とに変換させることができる。
【0118】
その後、
図25を参照して説明した工程を遂行し、イメージセンサ100を完成することができる。
【0119】
図29ないし
図32は、例示的な実施形態によるイメージセンサ100の製造方法を示す断面図である。
【0120】
【0121】
図29を参照すれば、複数のイメージセンシングピクセルIPXとオーバーラップされる位置において、マイクロレンズ物質層180L上に、複数の第1マスクパターン322P3を形成することができる。
【0122】
図30を参照すれば、第1リフロー工程を遂行し、複数の第1マスクパターン322P3を、複数の第1リフローパターン322R3に変換させることができる。
【0123】
図31を参照すれば、位相検出共有ピクセルPPXとオーバーラップされる位置において、マイクロレンズ物質層180L上に、複数の第2マスクパターン324P3を形成することができる。
【0124】
図32を参照すれば、第2リフロー工程を遂行し、複数の第2マスクパターン324P3を、複数の第2リフローパターン324R3に変換させることができる。一方、複数の第1リフローパターン322R3は、第1リフロー工程において、すでに半球状に変形されたので、第2リフロー工程において、複数の第1リフローパターン322R3の形状が大きく変わらない。
【0125】
その後、
図25を参照して説明した工程を遂行し、イメージセンサ100を完成することができる。
【0126】
図33ないし
図36は、例示的な実施形態によるイメージセンサ100Aの製造方法を示す断面図である。
【0127】
【0128】
図33を参照すれば、複数のイメージセンシングピクセルIPXとオーバーラップされる位置において、マイクロレンズ物質層180L上に、複数の第1マスクパターン332P1を形成し、位相検出共有ピクセルPPXとオーバーラップされる位置において、マイクロレンズ物質層180L上に、複数の第2マスクパターン334P1を形成することができる。複数の第1マスクパターン332P1、及び複数の第2マスクパターン334P1は、同一フォトレジストパターニング工程において形成されるので、同一高さを有するようにも形成される。
【0129】
図34を参照すれば、位相検出共有ピクセルPPXとオーバーラップされる位置において、複数の第2マスクパターン334P1上に、複数の第3マスクパターン334P2を形成することができる。複数の第3マスクパターン334P2の幅と高さは、後続工程で形成する第2マイクロレンズ184Aの曲率及び形状を考慮しても決定される。例えば、
図34に図示されているように、複数の第3マスクパターン334P2が、複数の第2マスクパターン334P1より狭幅に形成される場合、第2マイクロレンズ184Aは、その下側と上側との曲率(または、曲率半径)が異なるようにも形成される。それとは異なり、複数の第3マスクパターン334P2が、複数の第2マスクパターン334P1と実質的に同一幅に形成される場合、
図4に図示されているように、第2マイクロレンズ184は、その全体表面が実質的に同一曲率中心を有する半球形を有するようにも形成される。
【0130】
図35を参照すれば、リフロー工程を遂行し、複数の第1マスクパターン332P1、及び複数の第2マスクパターン334P1を、複数の第1リフローパターン332R1と、複数の第2リフローパターン334R1とに変換させることができる。
【0131】
図36を参照すれば、複数の第1リフローパターン332R1と、複数の第2リフローパターン334R1とをエッチングマスクとして使用し、マイクロレンズ物質層180Lをエッチングすることにより、複数の第1リフローパターン332R1と、複数の第2リフローパターン334R1との形状が、第1マイクロレンズ182と第2マイクロレンズ184Aとに転写されうる。
【0132】
図37ないし
図40は、例示的な実施形態によるイメージセンサ100Bの製造方法を示す断面図である。
【0133】
【0134】
図37を参照すれば、複数のイメージセンシングピクセルIPXとオーバーラップされる位置において、マイクロレンズ物質層180L上に、複数の第1マスクパターン342P1を形成し、位相検出共有ピクセルPPXとオーバーラップされる位置において、マイクロレンズ物質層180L上に、複数の第2マスクパターン344P1を形成することができる。複数の第1マスクパターン342P1、及び複数の第2マスクパターン344P1は、同一フォトレジストパターニング工程で形成されるので、同一高さを有するようにも形成される。
【0135】
図38を参照すれば、リフロー工程を遂行し、複数の第1マスクパターン342P1、及び複数の第2マスクパターン344P1を、複数の第1リフローパターン342R1と、複数の第2リフローパターン344R1とに変換させることができる。
【0136】
図39を参照すれば、複数の第1リフローパターン342R1と、複数の第2リフローパターン344R1とをエッチングマスクとして使用し、マイクロレンズ物質層180Lをエッチングすることにより、複数の第1リフローパターン342R1と、複数の第2リフローパターン344R1との形状が、第1マイクロレンズ182と下部マイクロレンズ部184CBとにも転写される。
【0137】
下部マイクロレンズ部184CBは、第1マイクロレンズ182の高さh11と実質的に同一であるか、あるいは類似した第2高さh22aを有するようにも形成される。
【0138】
その後、下部マイクロレンズ部184CB上に、複数の第3マスクパターン344P2を形成することができる。
【0139】
図40を参照すれば、リフロー工程を遂行し、複数の第3マスクパターン344P2を、複数の上部マイクロレンズ部184CTに変換させることができる。前記リフロー工程により、下部マイクロレンズ部184CBは、第3高さh22bを有する半球状にも形成される。
【0140】
その後、第1マイクロレンズ182と第2マイクロレンズ184Cとを含むマイクロレンズ構造180上に、キャッピング層190を形成することができる。
【0141】
前述の例示的な実施形態によれば、第1マイクロレンズ182と第2マイクロレンズ184,184A,184B,184Cとが互いに異なる高さを有するようにも形成される。従って、第1マイクロレンズ182は、イメージセンシングピクセルIPXのSNR特性のために最適化された曲率(または、高さ)を有する一方、第2マイクロレンズ184,184A,184B,184Cは、位相検出共有ピクセルPPXのAF分離比特性のために最適化された曲率(または、高さ)を有することができる。前述の方法によって製造されたイメージセンサ100~100Eは、オートフォーカシング機能を、迅速であって正確に遂行する一方、イメージセンシングピクセルの感度が向上しうる。
【0142】
以上のように、図面及び明細書でもって、例示的な実施形態が開示された。本明細書において、特定用語を使用して実施形態について説明されたが、それらは、ただ本開示の技術的思想について説明するための目的で使用されたものであるのみ、意味限定や、特許請求の範囲に記載された本開示の範囲制限のために使用されたものではない。従って、本技術分野の当業者であるならば、それらから多様な変形、及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解するであろう。従って、本開示の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって定められるものである。
【符号の説明】
【0143】
100 イメージセンサ
120 光電変換領域
160 カラーフィルタフェンス
180 マイクロレンズ構造
IPX イメージセンシングピクセル
PPX 位相検出共有ピクセル