(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-07
(45)【発行日】2025-04-15
(54)【発明の名称】機械式駐車装置の操作方法及び操作装置
(51)【国際特許分類】
E04H 6/18 20060101AFI20250408BHJP
E04H 6/42 20060101ALI20250408BHJP
【FI】
E04H6/18 601G
E04H6/42 F
E04H6/18 601F
(21)【出願番号】P 2020133144
(22)【出願日】2020-08-05
【審査請求日】2023-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000198363
【氏名又は名称】IHI運搬機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118267
【氏名又は名称】越前 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】巽 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】曽我 隆之
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-212516(JP,A)
【文献】特開2005-171606(JP,A)
【文献】特開平10-102804(JP,A)
【文献】特開2009-091799(JP,A)
【文献】特開2017-002535(JP,A)
【文献】特開平08-086109(JP,A)
【文献】特開2005-076288(JP,A)
【文献】特開2017-053113(JP,A)
【文献】特開2018-123556(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0284771(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 6/00 - 6/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を入庫又は出庫させるバースの出入口扉の開閉を利用者が操作する操作盤を備えた機械式駐車装置の操作方法であって、
前記利用者が入庫又は出庫の処理開始の合図を送る操作、前記利用者が入庫又は出庫後に前記バース内に人が残っていないことを確認した合図を送る操作及び前記利用者が出入口扉を閉鎖する合図を送る操作を含む、前記出入口扉の開閉に関する全ての操作を前記利用者が前記操作盤に触れることなく携帯するデバイスを所定の受信部にかざす行為によって処理できるようにする
とともに、
前記出入口扉の開閉に関する全ての操作を前記操作盤に配置された操作ボタンによっても処理できるようにした、
ことを特徴とする機械式駐車装置の操作方法。
【請求項2】
前記デバイスと前記受信部との間は近距離無線通信を介して接続される、請求項1に記載の機械式駐車装置の操作方法。
【請求項3】
前記デバイスは、ICカード又はスマートフォンである、請求項1に記載の機械式駐車装置の
操作方法。
【請求項4】
前記機械式駐車装置が前記出入口扉の外部に配置されたターンテーブルを有する場合に、前記ターンテーブルに関する全ての操作を前記利用者が前記操作盤に触れることなく
前記デバイスと同一のデバイスで処理できるようにした、請求項1に記載の機械式駐車装置の操作方法。
【請求項5】
車両を入庫又は出庫させるバースの出入口扉の開閉を利用者が操作する操作盤を備えた機械式駐車装置の操作装置であって、
前記操作盤は、前記利用者が入庫又は出庫の処理開始の合図を送る操作、前記利用者が入庫又は出庫後に前記バース内に人が残っていないことを確認した合図を送る操作及び前記利用者が出入口扉を閉鎖する合図を送る操作を含む、前記出入口扉の開閉に関する全ての操作を前記利用者が前記操作盤に触れることなく携帯するデバイスをかざす行為によって処理可能な受信部を有する
とともに、前記出入口扉の開閉に関する全ての操作を処理可能な操作ボタンを備えている、
ことを特徴とする機械式駐車装置の操作装置。
【請求項6】
前記デバイスと前記受信部との間は近距離無線通信を介して接続される、請求項5に記載の機械式駐車装置の操作装置。
【請求項7】
前記デバイスは、ICカード又はスマートフォンである、請求項5に記載の機械式駐車装置の操作装置。
【請求項8】
前記機械式駐車装置が、前記出入口扉の外部に配置されたターンテーブルと、該ターンテーブルを前記利用者が操作するターンテーブル操作盤と、を備え、前記ターンテーブル操作盤は、前記ターンテーブルに関する全ての操作を前記利用者が前記ターンテーブル操作盤に触れることなく
前記デバイスと同一のデバイスで処理可能な受信部を有する、請求項5に記載の機械式駐車装置の操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械式駐車装置の操作方法及び操作装置に関し、特に、車両の入出庫時の操作に適した機械式駐車装置の操作方法及び操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
立体空間を効率的に利用する大規模な機械式駐車装置として、水平循環方式、エレベータ方式、垂直循環方式等、種々の駐車装置が既に開発されている。これらの機械式駐車装置は、車両を入庫又は出庫させるバース(乗降室とも称する。)と、該バースの出入口扉の開閉を操作する操作盤と、を備えていることが多い。
【0003】
例えば、特許文献1には、格納庫へ搬送されるパレットに車両が載置され、前記車両の運転者が前記車両に乗降可能な乗降室が設けられる機械式駐車装置であって、前記乗降室内を撮像する複数のカメラと、前記乗降室内の外側に設けられる操作盤又は該操作盤の近傍に設けられ、前記カメラで撮像された画像を表示するモニタと、前記乗降室内の外側に設けられる操作盤又は該操作盤の近傍に設けられ、人による安全確認の実施状態が入力される入力手段と、を備えた構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1に記載された発明のように、従来の機械式駐車装置では、操作盤がボタン式又はタッチパネル式の構成を有しており、所望の操作を進めるためには乗員がボタンやタッチパネルに触れる必要があった。機械式駐車装置は、多数の利用者が使用することから、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のように接触感染する感染症に対して、ウイルス感染を引き起こすリスクがある。
【0006】
本発明はかかる問題点に鑑み創案されたものであり、利用者が操作盤に触れることなく入出庫操作を行うことができる、機械式駐車装置の操作方法及び操作装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、車両を入庫又は出庫させるバースの出入口扉の開閉を利用者が操作する操作盤を備えた機械式駐車装置の操作方法であって、前記利用者が入庫又は出庫の処理開始の合図を送る操作、前記利用者が入庫又は出庫後に前記バース内に人が残っていないことを確認した合図を送る操作及び前記利用者が出入口扉を閉鎖する合図を送る操作を含む、前記出入口扉の開閉に関する全ての操作を前記利用者が前記操作盤に触れることなく携帯するデバイスを所定の受信部にかざす行為によって処理できるようにするとともに、前記出入口扉の開閉に関する全ての操作を前記操作盤に配置された操作ボタンによっても処理できるようにした、ことを特徴とする機械式駐車装置の操作方法が提供される。
【0008】
前記デバイスと前記受信部との間は近距離無線通信を介して接続されていてもよい。
【0009】
前記機械式駐車装置の操作方法に使用される前記デバイスは、ICカードであってもよいし、スマートフォンであってもよい。
【0010】
前記機械式駐車装置が前記出入口扉の外部に配置されたターンテーブルを有する場合に、前記ターンテーブルに関する全ての操作を前記利用者が前記操作盤に触れることなく前記デバイスと同一のデバイスで処理できるようにしてもよい。
【0011】
また、本発明によれば、車両を入庫又は出庫させるバースの出入口扉の開閉を利用者が操作する操作盤を備えた機械式駐車装置の操作装置であって、前記操作盤は、前記利用者が入庫又は出庫の処理開始の合図を送る操作、前記利用者が入庫又は出庫後に前記バース内に人が残っていないことを確認した合図を送る操作及び前記利用者が出入口扉を閉鎖する合図を送る操作を含む、前記出入口扉の開閉に関する全ての操作を前記利用者が前記操作盤に触れることなく携帯するデバイスをかざす行為によって処理可能な受信部を有するとともに、前記出入口扉の開閉に関する全ての操作を処理可能な操作ボタンを備えている、ことを特徴とする機械式駐車装置の操作装置が提供される。
【0012】
前記デバイスと前記受信部との間は近距離無線通信を介して接続されていてもよい。
【0013】
前記機械式駐車装置の操作装置に使用される前記デバイスは、ICカードであってもよいし、スマートフォンであってもよい。
【0014】
前記機械式駐車装置が、前記出入口扉の外部に配置されたターンテーブルと、該ターンテーブルを前記利用者が操作するターンテーブル操作盤と、を備え、前記ターンテーブル操作盤は、前記ターンテーブルに関する全ての操作を前記利用者が前記ターンテーブル操作盤に触れることなく前記デバイスと同一のデバイスで処理可能な受信部を有していてもよい。
【発明の効果】
【0015】
上述した本発明に係る機械式駐車装置の操作方法及び操作装置によれば、バースの出入口扉の開閉に関する全ての操作を利用者が操作盤に触れることなく携帯するデバイスで処理できるようにしたことから、利用者が操作盤に触れることなく入出庫操作を行うことができ、接触感染のリスクを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態に係る機械式駐車装置の操作装置を示す概略構成図である。
【
図3】操作盤を示す図であり、(A)は利用者認証工程、(B)は処理開始合図工程、を示している。
【
図4】操作盤を示す図であり、(A)は無人確認合図工程、(B)は閉扉処理開始合図工程、を示している。
【
図6】機械式駐車装置がターンテーブルを有する場合の説明図であり、(A)は外観図、(B)はターンテーブル操作盤の正面図、を示している。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について
図1~
図6(B)を用いて説明する。ここで、
図1は、本発明の一実施形態に係る機械式駐車装置の操作装置を示す概略構成図である。なお、説明の便宜上、
図1には入出庫バース付近の構成のみを示してある。
【0018】
本発明の一実施形態に係る機械式駐車装置の操作装置1は、
図1に示したように、車両Cを入庫又は出庫させる入出庫バース2の出入口扉21の開閉を利用者が操作する操作盤3を備えた機械式駐車装置に配置される。
【0019】
機械式駐車装置は、例えば、水平循環方式、エレベータ方式、垂直循環方式等の大規模な機械式駐車装置である。かかる機械式駐車装置は、例えば、パレットP上に車両Cを載置した状態で所定の棚(車室)に格納するように構成されている。
【0020】
出入口扉21は、入出庫バース2の正面に配置されている。出入口扉21は、例えば、上方に移動させることにより開放され、下方に移動させることにより閉鎖される。なお、出入口扉21の構成は図示した構成に限定されるものではない。また、出入口扉21は、利用者が操作盤3を操作することにより、開放及び閉鎖される。
【0021】
操作盤3は、例えば、出入口扉21の横に位置する入出庫バース2の正面の壁面22に配置される。操作盤3は、壁面22から離れた位置に独立して立設されていてもよい。ただし、操作盤3は、出入口扉21を目視で確認できる範囲内に配置されていることが好ましい。
【0022】
また、操作盤3は、例えば、タッチパネル方式の画面31、利用者が押下可能な操作ボタン32、出入口扉21の開閉に関する全ての操作を利用者が操作盤3に触れることなく携帯するデバイス(図示せず)で処理可能な受信部33等を備えている。また、図示しないが、操作盤3の内部又は近傍には、利用者の操作に応じて操作盤3及び機械式駐車装置を制御する制御装置が配置されている。
【0023】
画面31には操作工程に応じて必要な情報が表示される。操作ボタン32は、本実施形態において必須の構成要素ではないが、出入口扉21の操作を緊急停止させたい場合や感染リスクが低い状況下である場合等を考慮し、補助的な操作手段として付設しておいてもよい。
【0024】
操作ボタン32は、例えば、処理を確定する確定ボタン、安全を確認する安全確認ボタン、出入口扉21を閉鎖する扉閉ボタン、入庫処理を開始するスタートボタン、操作を取り消す取消ボタン、出庫時に警報を鳴らす出庫警報ボタン等の種類を含んでいる。なお、操作ボタン32は、これらのボタンに限定されるものではない。
【0025】
受信部33は、いわゆるカードリーダであり、ICカードを近づけるとICカードに記憶された情報を読み取る機器である。すなわち、本実施形態において、利用者が携帯するデバイスはICカードである。
【0026】
かかる操作盤3は、例えば、
図2に示した操作手順によって操作される。ここで、
図2は、入庫時の操作手順を示す図である。
図3は、操作盤を示す図であり、(A)は利用者認証工程、(B)は処理開始合図工程、を示している。
図4は、操作盤を示す図であり、(A)は無人確認合図工程、(B)は閉扉処理開始合図工程、を示している。
【0027】
入庫手順は、
図2に示したように、操作盤3の画面31に初期画面を表示する初期画面表示工程Step1と、利用者の認証を行う利用者認証工程Step2と、利用者が入庫処理開始の合図を送る処理開始合図工程Step3と、所定のパレットPを入出庫バース2に搬送するパレット搬送工程Step4と、入出庫バース2の出入口扉21を開放する開扉工程Step5と、利用者が入出庫バース2に車両Cを入庫させる入庫工程Step6と、利用者が入出庫バース2内に人が残っていないことを確認する無人確認工程Step7と、利用者が入庫後に入出庫バース2内に人が残っていないことを確認した合図を送る無人確認合図工程Step8と、利用者が出入口扉21を閉鎖する合図を送る閉扉処理開始合図工程Step9と、利用者の認証を行う利用者認証工程Step10と、入出庫バース2の出入口扉21を閉鎖する閉扉工程Step11と、を備えている。
【0028】
初期画面表示工程Step1は、機械式駐車装置に車両Cを入庫しようとする利用者に対して操作盤3の画面31に表示する最初の画面である。初期画面には、例えば、車室状況、出入口部操作、パレット操作、暗証番号入力等に関する情報が表示される。
【0029】
利用者認証工程Step2は、利用者が携帯する認証用のICカードを受信部33で読み取って認証する工程である。例えば、
図3(A)に示したように、画面31には「カードをかざしてください」のメッセージが表示される。利用者が受信部33にICカードをかざすと、受信部33がICカードを読み取って利用者認証を行う。
【0030】
処理開始合図工程Step3は、入庫処理を開始してもよいことを機械式駐車装置に認識させる工程である。例えば、
図3(B)に示したように、画面31には「カードをかざすか/スタートボタンを押してください」のメッセージが表示される。利用者が受信部33にICカードをかざし、受信部33がICカードを認識すると、機械式駐車装置に入庫処理を開始してもよい旨の信号を発信する。なお、利用者がスタートボタンを押した場合にも械式駐車装置に入庫処理を開始してもよい旨の信号が発信される。
【0031】
パレット搬送工程Step4は、所定の車室からパレットPを入出庫バース2に搬送する工程である。利用者ごとに車室が予め割り当てられている場合には、利用者認証することにより車室が選択される。予め車室が割り当てられていない場合には、空きの車室を任意に選択するようにしてもよい。
【0032】
開扉工程Step5は、入出庫バース2にパレットPが所定の位置に搬送されたことを確認した後、出入口扉21を開放する工程である。出入口扉21を開放した後、操作盤3の画面31には利用者に入庫を促すメッセージが表示される。
【0033】
入庫工程Step6は、利用者が車両Cを運転してパレットP上で停車させる工程である。具体的には、操作盤3の画面31に表示されたメッセージを利用者が確認した後、利用者が車両Cを入庫させる。
【0034】
無人確認工程Step7は、車両Cを入庫して降車した利用者が入出庫バース2内(車両C内を含む)に人が残っていないことを確認する工程である。無人確認は、利用者の目視によって確認してもよいし、入出庫バース2内に監視カメラが設置されている場合には、監視カメラの映像により無人であることを確認してもよい。
【0035】
無人確認合図工程Step8は、入出庫バース2内に人が残っていないことを確認したことを機械式駐車装置に認識させる工程である。例えば、
図4(A)に示したように、操作盤3の画面31には「カードをかざすか/安全確認ボタンを押してください」のメッセージが表示される。利用者が受信部33にICカードをかざし、受信部33がICカードを認識すると、機械式駐車装置に無人確認が完了した旨の信号を発信する。なお、利用者が安全確認ボタンを押した場合にも械式駐車装置に無人確認が完了した旨の信号が発信される。
【0036】
閉扉処理開始合図工程Step9は、出入口扉21を閉鎖してもよいことを機械式駐車装置に認識させる工程である。例えば、
図4(B)に示したように、操作盤3の画面31には「カードをかざすか/扉閉ボタンを押してください」のメッセージが表示される。利用者が受信部33にICカードをかざし、受信部33がICカードを認識すると、機械式駐車装置に出入口扉21を閉鎖してよい旨の信号を発信する。なお、利用者が扉閉ボタンを押した場合にも械式駐車装置に出入口扉21を閉鎖してよい旨の信号が発信される。
【0037】
利用者認証工程Step10は、入庫操作を終了しようとしている利用者が入庫操作を開始した利用者と同一人物であるか否かを確認する工程である。かかる認証により、機械式駐車装置の誤操作を防止することができる。具体的には、利用者がICカードを受信部33にかざすことによって認証する。
【0038】
閉扉工程Step11は、利用者認証が終了した後、出入口扉21を閉鎖する工程である。かかる工程により、入庫操作は終了する。
【0039】
上述した実施形態によれば、従来の入庫処理に使用していたボタン(例えば、スタートボタン、安全確認ボタン、扉閉ボタン)に加えて、ICカードで入庫処理を操作することができるため、利用者が操作盤3に触れることなく携帯するデバイス(本実施形態では、ICカード)で入庫処理を完遂することができる。
【0040】
また、上述した実施形態では、操作ボタン32を併設していることから、出入口扉21の操作を緊急停止させたい場合や感染リスクが低い状況下である場合には、従来と同様にボタンを使用して入庫処理を行うこともできる。なお、上述した、スタートボタン、安全確認ボタン及び扉閉ボタン以外のボタン(例えば、確定ボタン、取消ボタン、出庫警報ボタン等)についても、ICカードで処理できるように構成した場合には、操作ボタン32を省略してもよい。
【0041】
例えば、所定の工程において、一定時間内にICカードが再度かざされた場合は、処理を確定したり、処理を停止したりさせるようにしてもよい。また、長時間(例えば、数秒以上)に渡ってICカードが受信部33にかざされた場合には、警報を鳴らすようにしてもよい。
【0042】
次に、機械式駐車装置に駐車された車両Cを出庫させる場合の手順について、
図5を参照しつつ説明する。ここで、
図5は、出庫時の操作手順を示す図である。
【0043】
出庫手順は、
図5に示したように、操作盤3の画面31に初期画面を表示する初期画面表示工程Step21と、利用者の認証を行う利用者認証工程Step22と、利用者が出庫処理開始の合図を送る処理開始合図工程Step23と、所定の車両Cを搭載したパレットPを入出庫バース2に搬送するパレット搬送工程Step24と、入出庫バース2の出入口扉21を開放する開扉工程Step25と、利用者が入出庫バース2から車両Cを出庫させる出庫工程Step26と、利用者が入出庫バース2内に人が残っていないことを確認する無人確認工程Step27と、利用者が出庫後に入出庫バース2内に人が残っていないことを確認した合図を送る無人確認合図工程Step28と、利用者が出入口扉21を閉鎖する合図を送る閉扉処理開始合図工程Step29と、利用者の認証を行う利用者認証工程Step30と、入出庫バース2の出入口扉21を閉鎖する閉扉工程Step31と、を備えている。
【0044】
上述した初期画面表示工程Step21、利用者認証工程Step22、処理開始合図工程Step23、無人確認工程Step27、無人確認合図工程Step28、閉扉処理開始合図工程Step29、利用者認証工程Step30及び閉扉工程Step31は、入庫手順と実質的に同じ内容であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0045】
パレット搬送工程Step24は、利用者の車両Cが格納された車室からパレットPと一緒に車両Cを入出庫バース2に搬送する工程である。
【0046】
開扉工程Step25は、入出庫バース2に車両Cを搭載したパレットPが所定の位置に搬送されたことを確認した後、出入口扉21を開放する工程である。出入口扉21を開放した後、操作盤3の画面31には利用者に出庫を促すメッセージが表示される。
【0047】
出庫工程Step26は、利用者が車両Cを運転して入出庫バース2から車両Cを外部に移動させる工程である。具体的には、操作盤3の画面31に表示されたメッセージを利用者が確認した後、利用者が車両Cを出庫させる。
【0048】
本実施形態によれば、従来の出庫処理に使用していたボタン(例えば、スタートボタン、安全確認ボタン、扉閉ボタン)に加えて、ICカードで出庫処理を操作することができるため、利用者が操作盤3に触れることなく携帯するデバイス(本実施形態では、ICカード)で出庫処理を完遂することができる。
【0049】
なお、上述した実施形態では、機械式駐車装置が、入庫と出庫を同じバースで処理する入出庫バース2を備える場合について説明しているが、機械式駐車装置は、入庫処理のみを行う入庫バースと出庫処理のみを行う出庫バースとを別々に備えていてもよい。
【0050】
次に、機械式駐車装置がオプション設備であるターンテーブル4を有する場合について、
図6(A)及び
図6(B)を参照しつつ説明する。ここで、
図6は、機械式駐車装置がターンテーブルを有する場合の説明図であり、(A)は外観図、(B)はターンテーブル操作盤の正面図、を示している。
【0051】
機械式駐車装置を設置した建物の構造上、入出庫バース2の前方に車両Cの方向転換を行うスペースが不十分な場合がある。そのような場合には、入出庫バース2の前方に
図6(A)に示したようなターンテーブル4が配置される。
【0052】
かかる機械式駐車装置は、出入口扉21の外部に配置されたターンテーブル4と、ターンテーブル4を利用者が操作するターンテーブル操作盤5と、を備えている。ターンテーブル操作盤5は、例えば、ターンテーブル4に近い位置に配置された柱や壁等の構造物に設置される。
【0053】
ターンテーブル操作盤5は、
図6(B)に示したように、ターンテーブル4を起動させる電源ボタン51と、ターンテーブル4を右旋回させる右旋回ボタン52と、ターンテーブル4を左旋回させる左旋回ボタン53と、を備えている。
【0054】
また、ターンテーブル操作盤5は、ターンテーブル4を起動させる第一受信部54と、ターンテーブル4を右旋回させる第二受信部55と、ターンテーブル4を左旋回させる第三受信部56と、を備えている。第一受信部54~第三受信部56は、例えば、カードリーダであり、利用者が携帯するICカードを読み取ることにより、それぞれ電源ボタン51~左旋回ボタン53と同じ動作を行うように構成されている。
【0055】
すなわち、本実施形態に係るターンテーブル操作盤5は、ターンテーブル4に関する全ての操作を利用者がターンテーブル操作盤5に触れることなくデバイス(例えば、ICカード)で処理可能な受信部(第一受信部51~第三受信部53)を有している。
【0056】
なお、ターンテーブル4を起動後に一定時間操作されない場合は、ターンテーブル4は初期状態に戻った後、自動的に電源が落とされる。
【0057】
図6(A)及び
図6(B)に示した実施形態では、電源ボタン51、右旋回ボタン52及び左旋回ボタン53に対応した三つの受信部を配置しているが、受信部を一つにして、初回のカード読取によりターンテーブル4を起動させ、二回目のカード読取によりターンテーブル4を右旋回させ、二回目のカード読取から短時間の間に行われた三回目のカード読取によりターンテーブル4を左旋回させるようにしてもよい。
【0058】
本明細書に記載した実施形態において、デバイスがICカードの場合について説明しているが、デバイスは予め利用者に配布されたリモコンや利用者が保有するスマートフォンであってもよい。デバイスがリモコンの場合には、受信部33及び第一受信部54~第三受信部56はリモコンの信号を受信可能な赤外線受信器等であればよい。また、デバイスがスマートフォンの場合には、近距離無線通信やインターネットを介してスマートフォンと操作盤3及びターンテーブル操作盤5を接続し、スマートフォンにインストールされたアプリケーションによって操作するようにしてもよい。
【0059】
本発明は、上述した実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0060】
1 操作装置
2 入出庫バース
3 操作盤
4 ターンテーブル
5 ターンテーブル操作盤
21 出入口扉
22 壁面
31 画面
32 操作ボタン
33 受信部
51 電源ボタン
52 右旋回ボタン
53 左旋回ボタン
54 第一受信部
55 第二受信部
56 第三受信部
Step1,Step21 初期画面表示工程
Step2,Step22 利用者認証工程
Step3,Step23 処理開始合図工程
Step4,Step24 パレット搬送工程
Step5,Step25 開扉工程
Step6 入庫工程
Step26 出庫工程
Step7,Step27 無人確認工程
Step8,Step28 無人確認合図工程
Step9,Step29 閉扉処理開始合図工程
Step10,Step30 利用者認証工程
Step11,Step31 閉扉工程