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特許7662396バッテリ端子とバッテリ端子台の接続構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-07
(45)【発行日】2025-04-15
(54)【発明の名称】バッテリ端子とバッテリ端子台の接続構造
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/553 20210101AFI20250408BHJP
   H01M 50/50 20210101ALI20250408BHJP
   H01M 50/567 20210101ALI20250408BHJP
   H01M 50/583 20210101ALI20250408BHJP
   H01M 50/543 20210101ALI20250408BHJP
【FI】
H01M50/553
H01M50/50 101
H01M50/567
H01M50/583
H01M50/543
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021071690
(22)【出願日】2021-04-21
(65)【公開番号】P2022166469
(43)【公開日】2022-11-02
【審査請求日】2024-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】青木 達也
【審査官】式部 玲
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/135024(WO,A1)
【文献】特開2020-173174(JP,A)
【文献】特開2016-219133(JP,A)
【文献】特開平06-084511(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50-50/598
H01R 9/00- 9/28
H01H 85/00-85/62
B60R 16/00-16/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボルトと前記ボルトを中心として周方向に立設された複数の位置決め突起とを有するバッテリ端子と、
前記ボルトが挿通されるボルト締結孔及び前記位置決め突起が挿通される突起挿通孔が形成されたバスバーを有する複数のバッテリ端子台と、
を備えるバッテリ端子とバッテリ端子台の接続構造。
【請求項2】
前記バッテリ端子台は、一側に第1のガイドレールを有し、他側に隣接するバッテリ端子台の第1のガイドレールと前記ボルト及び前記位置決め突起の立設方向に摺動可能に係合する第2のガイドレールを有する、請求項1に記載のバッテリ端子とバッテリ端子台の接続構造。
【請求項3】
前記第1のガイドレールは、隣接するバッテリ端子台の第2のガイドレールの底面を受ける底壁を有する、請求項2に記載のバッテリ端子とバッテリ端子台の接続構造。
【請求項4】
前記バッテリ端子台は、バッテリ直付けヒュージブルリンクであり、ヒューズを一体形成したバスバーと、前記バスバーをインサート成形してなる樹脂ハウジングと、を備え、
前記第1のガイドレール及び前記第2のガイドレールは、前記樹脂ハウジングに形成されている、請求項2又は3に記載のバッテリ端子とバッテリ端子台の接続構造。
【請求項5】
前記バッテリ端子は、バッテリのバッテリポストが挿通される接続孔と前記ボルトを有する金属製のバッテリ端子本体と、前記バッテリ端子本体をインサート成形してなる樹脂ハウジングと、を備え、
前記複数の位置決め突起は、前記樹脂ハウジングに立設されている、請求項1から4のいずれか1項に記載のバッテリ端子とバッテリ端子台の接続構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリに取り付けられ、バッテリからの電力供給を中継するバッテリ端子とバッテリ端子台の接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車のバッテリに接続されて、バッテリからの電力供給を中継するヒューズボックスとして、特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1に記載されたヒューズボックスは、バッテリに接続される主電源ボックスと、副電源ボックスとに分割されて合体する構成になっている。そして、ヒューズボックスは、主電源ボックスと副電源ボックスとを機械的に結合する手段と電気的に接続する手段とを分離して設けているため、組み付けが容易にでき、かつ、信頼性の高い電気的接続状態を確保することができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平6-84447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の自動車のバッテリに接続されるヒューズボックスでは、主電源ボックスと副電源ボックスの組み付け方向に自由度がなく、2部品以上の複数部品を組み合わせることができない。
【0005】
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、1つのバッテリにバッテリ端子を介して複数のバッテリ端子台を組み合わせて接続することができるバッテリ端子とバッテリ端子台の接続構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に係るバッテリ端子とバッテリ端子台の接続構造は、ボルトと前記ボルトを中心として周方向に立設された複数の位置決め突起とを有するバッテリ端子と、前記ボルトが挿通されるボルト締結孔及び前記位置決め突起が挿通される突起挿通孔が形成されたバスバーを有する複数のバッテリ端子台と、を備えるものである。
【0007】
前記バッテリ端子台は、一側に第1のガイドレールを有し、他側に隣接するバッテリ端子台の第1のガイドレールと前記ボルト及び前記位置決め突起の立設方向に摺動可能に係合する第2のガイドレールを有することが好ましい。
【0008】
前記第1のガイドレールは、隣接するバッテリ端子台の第2のガイドレールの底面を受ける底壁を有することが好ましい。
【0009】
前記バッテリ端子台は、バッテリ直付けヒュージブルリンクであり、ヒューズを一体形成したバスバーと、前記バスバーをインサート成形してなる樹脂ハウジングと、を備え、前記第1のガイドレール及び前記第2のガイドレールは、前記樹脂ハウジングに形成されていることが好ましい。
【0010】
前記バッテリ端子は、バッテリのバッテリポストが挿通される接続孔と前記ボルトを有する金属製のバッテリ端子本体と、前記バッテリ端子本体をインサート成形してなる樹脂ハウジングと、を備え、前記複数の位置決め突起は、前記樹脂ハウジングに立設されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、1つのバッテリにバッテリ端子を介して複数のバッテリ端子台を組み合わせて接続することができるバッテリ端子とバッテリ端子台の接続構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係るバッテリ端子とバッテリ端子台の接続構造の一例を示す斜視図である。
図2】上記バッテリ端子とバッテリ端子台の接続構造の組付け前の状態を示す斜視図である。
図3】上記バッテリ端子の斜視図である。
図4】上記バッテリ端子台の斜視図である。
図5】上記バッテリ端子台の平面図である。
図6】上記バッテリ端子台の正面図である。
図7】上記バッテリ端子のバッテリ端子本体の斜視図である。
図8】上記バッテリ端子台のバスバーの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を用いて本発明の実施形態に係るバッテリ端子とバッテリ端子台の接続構造について詳細に説明する。
【0014】
図1は本発明の実施形態に係るバッテリ端子とバッテリ端子台の接続構造の一例を示す斜視図である。図2はバッテリ端子とバッテリ端子台の接続構造の組付け前の状態を示す斜視図である。図3はバッテリ端子の斜視図である。図4はバッテリ端子台の斜視図である。図5はバッテリ端子台の平面図である。図6はバッテリ端子台の正面図である。図7はバッテリ端子のバッテリ端子本体の斜視図である。図8はバッテリ端子台のバスバーの斜視図である。
【0015】
図1に示すように、バッテリ端子とバッテリ端子台の接続構造1は、自動車のバッテリ2の陽極側のバッテリポスト4に組み付けられるバッテリ端子10と、バッテリ直付けヒュージブルリンク(FL)である複数のバッテリ端子台30と、を備えている。
【0016】
図1図3に示すように、バッテリ端子10は、バッテリ2のバッテリポスト4が挿通される接続孔12と端子ボルト(ボルト)18を有するバッテリ端子本体11と、このバッテリ端子本体11をインサート成形してなる樹脂ハウジング21と、を備えている。
【0017】
図1図3図7に示すように、バッテリ端子本体11は、導電性金属で概ね直方体形状に形成された端子である。このバッテリ端子本体11は、一端側の中央にバッテリポスト(棒状電極)4が挿通する接続孔12を有すると共に、スリット13a付きの周壁13を縮径させてバッテリポスト4に締結するためのネジ締結部としてのナット14を有している。すなわち、ナット14に螺合される締結ネジ15が捩じ込まれることでスリット13aの間隔が狭められ、接続孔12の内縁によってバッテリポスト4が締め付けられる。この締め付けにより、バッテリ端子本体11がバッテリポスト4に電気的に接続されると共に固定されるようになっている。
【0018】
また、図1図2に示すように、バッテリ端子本体11は、バッテリポスト4に取り付けられた状態で、バッテリポスト4からバッテリ2の端子取付け面3の外縁へ向かう方向に延出した姿勢となる。そして、バッテリ端子本体11における端子取付け面3の外縁側の端部に、複数のバッテリ端子台30が電気的に接続されると共に固定される端子ボルト(ボルト)18が立設されている。つまり、図3図7に示すように、バッテリ端子本体11は、他端側のボルト保持板部16に端子ボルト18が立設されている。このボルト保持板部16には、端子ボルト18を立設状態に保持するための保持構造部17が設けられている。
【0019】
図1図3に示すように、バッテリ端子本体11にインサート成形された樹脂ハウジング21は、端子ボルト18を中心として周方向Xに複数(この実施形態では5本)の位置決め突起22を有する。この樹脂ハウジング21の上面21aに立設された複数の位置決め突起22は、樹脂ハウジング21に円柱状に一体形成されて等間隔に配置されている。また、隣接する各位置決め突起22,22間の間隔は、後述するバスバー31の幅の半分より広くなるように設定されている。さらに、樹脂ハウジング21のL字状の側部23がバッテリ2の側面に当たることで、バッテリ端子本体11が回り止めされた状態でバッテリ2の端子取付け面3に取り付けられるようになっている。
【0020】
図1図2図4図6に示すように、バッテリ直付けヒュージブルリンク(ヒューズユニット)であるバッテリ端子台30は、ヒューズ36を一体形成したバスバー31と、このバスバー31をインサート成形してなる樹脂ハウジング41と、を備えている。
【0021】
図4図6図8に示すように、バスバー31は、導電性を有する板状の導体でL字形に折り曲げ形成された上片32と下片33を有する。このバスバー31の上片32は、端子ボルト18が挿通される大円形のボルト締結孔34と位置決め突起22が挿通される小円形の突起挿通孔35を有する。なお、バッテリ端子10の端子ボルト18にボルト締結孔34を挿通させた各バスバー31が端子ボルト18に螺合されるナット39で締結されることで、1つのバッテリ端子10に複数のバッテリ端子台30が固定されて電気的に接続されるようになっている。
【0022】
また、図8に示すように、バスバー31の下片33は、上側中央に上片32側から下片33側に流れる電流が許容値を超えた(過電流が流れた)ときに溶断し該当する電流経路(回路経路)を遮断する可溶部36aを持ったヒューズ36が形成されている。このヒューズ36の定格は任意に変更することが可能になっている。さらに、バスバー31の下片33は、中央に回路締結用の接続ネジ38が挿通される円形のネジ貫通孔37を有している。このネジ貫通孔37に貫通される接続ネジ38には、バッテリ2と車載機器に繋がる電線の接続端子がナット(いずれも図示省略)を介して接続されるようになっている。
【0023】
図1図2図4図6に示すように、樹脂ハウジング41は、両側面の上側の一側に第1のガイドレール42を有している。また、樹脂ハウジング41は、両側面の上側の他側に隣接するバッテリ端子台30の第1のガイドレール42と端子ボルト18及び位置決め突起22の立設方向Yに摺動可能に係合する第2のガイドレール43を互い違いの向きに有する。第1のガイドレール42は、隣接するバッテリ端子台30の第2のガイドレール43の底面43aを受ける底壁42aを有する。
【0024】
また、図1図2図4図6に示すように、樹脂ハウジング41は、正面上側中央にバスバー31のヒューズ36を露出させる矩形の開口部44を有している。さらに、樹脂ハウジング41は、正面中央から下端にバスバー31の下片33の下側と接続ネジ38を露出させる正面逆U字溝状の凹部45を有している。
【0025】
以上実施形態のバッテリ端子とバッテリ端子台の接続構造1によれば、複数のバッテリ端子台30を1つのバッテリ端子10に接続する際に、図2に示すように、バッテリ端子10の端子ボルト18にバッテリ端子台30のボルト締結孔34を合わせて組み付ける。この場合、バッテリ端子10の複数ある位置決め突起22に合わせて任意の数のバッテリ端子台30を配置することができる。また、バッテリ端子台30の第2のガイドレール43は、隣接するバッテリ端子台30の第1のガイドレール42に摺動可能に係合し、第1のガイドレール42の底壁42aで第2のガイドレール43の底面43aを受けて外れることがない。
【0026】
このように、1つのバッテリ2にバッテリ端子10を介して複数のバッテリ端子台30を組み合わせて接続することができる。すなわち、バッテリ端子10の位置決め突起22の分だけ複数のバッテリ端子台30を自由に接続することができる。また、回路配索に合わせた自由な配置でのバッテリ直付けヒュージブルリンクのユニットを構成することができる。
【0027】
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
【0028】
すなわち、前記実施形態によれば、位置決め突起をバッテリ端子の樹脂ハウジング側に設けたが、位置決め突起をバッテリ端子本体側に設けても良い。
【0029】
また、前記実施形態によれば、ヒューズを開口部で露出させたが、開口部にカバーを設けてヒューズを閉塞しても良い。
【符号の説明】
【0030】
1 バッテリ端子とバッテリ端子台の接続構造
10 バッテリ端子
11 バッテリ端子本体
12 接続孔
18 端子ボルト(ボルト)
21 樹脂ハウジング
22 位置決め突起
30 バッテリ端子台
31 バスバー
34 ボルト締結孔
35 突起挿通孔
36 ヒューズ
41 樹脂ハウジング
42 第1のガイドレール
42a 底壁
43 第2のガイドレール
43a 底面
X 周方向
Y ボルト及び位置決め突起の立設方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8