(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-07
(45)【発行日】2025-04-15
(54)【発明の名称】受注管理装置、受注管理方法、及び受注管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20250408BHJP
【FI】
G06Q30/0601
(21)【出願番号】P 2021083476
(22)【出願日】2021-05-17
【審査請求日】2023-10-19
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 豪
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-025668(JP,A)
【文献】特開昭62-221066(JP,A)
【文献】特開2009-026030(JP,A)
【文献】特開2004-110494(JP,A)
【文献】特開2003-237946(JP,A)
【文献】特開2005-038259(JP,A)
【文献】特開平06-149848(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部及び制御部を備え、複数の得意先からの商品の受注を纏めて商品の供給元である請求先に商品を発注する受注管理装置であって、
前記記憶部には、
商品及び請求先毎に、受注限度数を関連づけて登録したマスタが格納されており、
前記制御部は、
受注番号、受注納期、店舗である得意先、商品、受注数を含む受注データを入力する受注入力手段と、
商品及び請求先が同じである対象の受注データについて、受注数が当該商品及び請求先をキーとして前記マスタから取得した受注限度数を越える場合には、当該受注限度数の範囲内で受注数を自動で按分処理して更新する按分処理手段と、
を備えたことを特徴とする受注管理装置。
【請求項2】
前記按分処理手段は、前記対象の受注データを受注数が多い順に並び替え、前記受注限度数の範囲内で受注数が大きい受注番号順に割当数量を均等にカウントアップし、受注数量=カウントアップ値に達した時点で、当該受注番号についてのカウントアップを終了することを特徴とする請求項1に記載の受注管理装置。
【請求項3】
前記制御部は、さらに、
按分処理後の対象の受注データの受注数をオペレータの操作に応じて変更する変更手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の受注管理装置。
【請求項4】
前記商品は、日配品であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の受注管理装置。
【請求項5】
制御部及び記憶部を備え、複数の得意先からの商品の受注を纏めて商品の供給元である請求先に商品を発注する受注管理装置が実行する受注管理方法であって、
前記記憶部には、
商品及び請求先毎に、受注限度数を関連づけて登録したマスタが格納されており、
前記制御部において実行される、
受注番号、受注納期、店舗である得意先、商品、受注数を含む受注データを入力する受注入力工程と、
商品及び請求先が同じである対象の受注データについて、受注数が当該商品及び請求先をキーとして前記マスタから取得した受注限度数を越える場合には、当該受注限度数の範囲内で受注数を自動で按分処理して更新する按分処理工程と、
を含むことを特徴とする受注管理方法。
【請求項6】
制御部及び記憶部を備え、複数の得意先からの商品の受注を纏めて商品の供給元である請求先に商品を発注する受注管理装置
に実行させるための受注管理プログラムであって、
前記記憶部には、
商品及び請求先毎に、受注限度数を関連づけて登録したマスタが格納されており、
前記制御部
に、
受注番号、受注納期、店舗である得意先、商品、受注数を含む受注データを入力する受注入力工程と、
商品及び請求先が同じである対象の受注データについて、受注数が当該商品及び請求先をキーとして前記マスタから取得した受注限度数を越える場合には、当該受注限度数の範囲内で受注数を自動で按分処理して更新する按分処理工程と、
を実行させるための受注管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受注管理装置、受注管理方法、及び受注管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、複数店舗の日配品の発注を纏めてメーカーに依頼する場合がある。従来、受注・発注を行うシステムとして、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1では、複数店舗からまとめて注文がきた場合に、欠品が発生した際の業務負担を軽減することに関して何等記載されていない。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、複数店舗からまとめて注文がきた場合に、欠品が発生した際の業務負担を軽減することが可能な受注管理装置、受注管理方法、及び受注管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、記憶部及び制御部を備えた受注管理装置であって、前記記憶部には、商品及び請求先毎に、受注限度数を関連づけて登録したマスタが格納されており、前記制御部は、受注番号、受注納期、店舗である得意先、商品、受注数を含む受注データを入力する受注入力手段と、商品及び請求先が同じである対象の受注データについて、受注数が当該商品及び請求先をキーとして前記マスタから取得した受注限度数を越える場合には、当該受注限度数の範囲内で受注数を自動で按分処理して更新する按分処理手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様によれば、前記按分処理手段は、前記対象の受注データを受注数が多い順に並び替え、前記受注限度数の範囲内で受注数が大きい受注番号順に割当数量を均等にカウントアップし、受注数量=カウントアップ値に達した時点で、当該受注番号についてのカウントアップを終了することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の一態様によれば、前記制御部は、さらに、前記按分処理後の対象の受注データの受注数をオペレータの操作に応じて変更する変更手段を備えることにしてもよい。
【0009】
また、本発明の一態様によれば、前記商品は、日配品であることにしてもよい。
【0010】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部及び記憶部を備えた情報処理装置で実行される受注管理方法であって、前記記憶部には、商品及び請求先毎に、受注限度数を関連づけて登録したマスタが格納されており、前記制御部において実行される、受注番号、受注納期、店舗である得意先、商品、受注数を含む受注データを入力する受注入力工程と、商品及び請求先が同じである対象の受注データについて、受注数が当該商品及び請求先をキーとして前記マスタから取得した受注限度数を越える場合には、当該受注限度数の範囲内で受注数を自動で按分処理して更新する按分処理工程と、を含むことにしてもよい。
【0011】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部及び記憶部を備えた情報処理装置で実行するための受注管理プログラムであって、前記記憶部には、商品及び請求先毎に、受注限度数を関連づけて登録したマスタが格納されており、前記制御部において、受注番号、受注納期、店舗である得意先、商品、受注数を含む受注データを入力する受注入力工程と、商品及び請求先が同じである対象の受注データについて、受注数が当該商品及び請求先をキーとして前記マスタから取得した受注限度数を越える場合には、当該受注限度数の範囲内で受注数を自動で按分処理して更新する按分処理工程と、をコンピュータで実行するための受注管理プログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数店舗からまとめて注文がきた場合に、欠品が発生した際の業務負担を軽減することが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本実施の形態に係る受注管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、受注割当マスタの構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、本実施の形態に係る受注管理装置の制御部の全体の処理の流れを説明するためのフローを示す図である。
【
図4】
図4は、本実施の形態に係る受注管理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図5】
図5は、本実施の形態に係る受注管理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図6】
図6は、本実施の形態に係る受注管理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施の形態により限定されるものではない。
【0015】
[1.概要]
例えば、店舗毎の日配品の発注を纏めてメーカーに依頼したため、欠品が発生した際には、人の手を介する、また、それを割り出すのに時間がかかっていた。
【0016】
そこで、本実施の形態は、複数店舗からまとめて注文がきた場合に、欠品が発生した際に、事前に設定した数量に応じて自動で割り振りを行う。これにより、複数店舗からまとめて注文がきた場合に、欠品が発生した際の業務負担を軽減して、店舗毎の在庫のバラツキを少なくすことができる。
【0017】
本実施の形態の受注管理装置は、例えば、日配品業界等に適用可能であり、例えば、取り扱う商品としては、食品だけでなく、ドラッグストアや100円ショップ等に商品にも広く適用可能である。
【0018】
[2.構成]
図1を参照して、本実施の形態に係る受注管理装置の一例について説明する。
図1は、本実施の形態に係る受注管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図1において、受注管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、受注管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0019】
受注管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。受注管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0020】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、受注管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、受注管理装置100とサーバ200等とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0021】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、および、マイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114として記載する場合がある。
【0022】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、および、ファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等を用いることができる。また、記憶部106は、受注割当マスタ106aと、データファイル106bを備えている。
図2は、受注割当マスタ106aの構成例を示す図である。
【0023】
受注割当マスタ106aは、
図2に示すように、商品コード、例えばメーカー等の請求先(取引先)コード、受注限度数のデータを関連づけて登録するテーブル等で構成することができる。
図2に示す例では、商品コード「A-01」、請求先コード「S00001」、受注限度数「311」となっている。
【0024】
データファイル106bは、受注データ等の各種データを格納するためのファイルである。受注データは、受注番号、受注行番号、受注納期、請求先コード、得意先コード、商品コード、受注数等のデータを含んでいてもよい(
図3参照)。
【0025】
図1に戻り、制御部102は、受注管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、受注入力部102aと、按分処理部102bと、変更処理部102cと、マスタメンテ部102dと、画面表示制御部102eと、を備えている。
【0026】
受注入力部102aは、例えば、モニタ114に表示される不図示の受注入力画面上でのオペレータの操作に応じて、受注番号、受注納期、店舗である得意先、商品、受注数を含む受注データを入力して、データファイル106bに登録する。商品は、例えば、日配品であることにしてもよい。
【0027】
按分処理部102bは、データファイル106bに登録されている、商品及び請求先が同じである対象の受注データについて、受注数が当該商品及び請求先をキーとして受注割当マスタ106aから取得した受注限度数を越える場合には、当該受注限度数の範囲内で受注数を按分処理して更新する。
【0028】
また、按分処理部102bは、対象の受注データを受注数が多い順に並び替え、受注限度数の範囲内で受注数が大きい受注番号順に割当数量を均等にカウントアップし、受注数量=カウントアップ値に達した時点で、当該受注番号についてのカウントアップを終了することにしてもよい。
【0029】
また、按分処理部102bは、対象の受注データを受注限度数の範囲内で優先順位に従って受注数の割当を按分することにしてもよい。
【0030】
変更処理部102cは、例えば、モニタ114に表示される不図示の画面上でのオペレータの操作に応じて、按分処理後の対象の受注データの受注数を変更する。
【0031】
マスタメンテ部102dは、例えば、モニタ114に表示される不図示のマスタメンテ画面上でのオペレータの操作に応じて、受注割当マスタ106aに対するデータの登録・追加・更新等の編集を行うためのものである。
【0032】
画面表示制御部102eは、例えば、モニタ114に表示する各種画面(例えば、受注入力画面、受注数変更画面等)の表示及びその入力の受付を制御する。
【0033】
[3.具体例]
本実施の形態に係る受注管理装置100の処理の具体例について、
図1~
図6を参照して説明する。
図3は、本実施の形態に係る受注管理装置100の全体の処理の流れを説明するためのフローを示す図である。
図4~
図6は、本実施の形態に係る受注管理装置100の制御部の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
【0034】
(3-1.全体の処理)
図3を参照して、本実施の形態に係る受注管理装置100の全体の処理の流れを説明する。
【0035】
図3において、マスタメンテ部102dは、受注割当マスタメンテ処理を実行する(ステップS1)。具体的には、受注割当マスタメンテ処理では、マスタメンテ部102dは、例えば、モニタ114に表示される不図示のマスタメンテ画面上でのオペレータの操作に応じて、受注割当マスタ106aにデータを設定する。
【0036】
受注入力部102aは、受注入力処理を実行する(ステップS2)。具体的には、受注入力処理では、受注入力部102a、例えば、モニタ114に表示される不図示の受注入力画面上でのオペレータの操作に応じて、受注番号、受注納期、店舗である得意先、商品、受注数を含む受注データを入力して、データファイル106bに登録する。商品は、例えば、日配品であることにしてもよい。
【0037】
按分処理部102bは、按分処理を実行する(ステップS3)。具体的には、按分処理では、按分処理部102bは、データファイル106bに登録されている、商品及び請求先が同じである対象の受注データについて、受注数が当該商品及び請求先をキーとして受注割当マスタ106aから取得した受注限度数を越える場合には、当該受注限度数の範囲内で受注数を自動で按分処理して更新する。
【0038】
また、按分処理部102bは、対象の受注データを受注数が多い順に並び替え、受注限度数の範囲内で受注数が大きい受注番号順に割当数量を均等にカウントアップし、受注数量=カウントアップ値に達した時点で、当該受注番号についてのカウントアップを終了することにしてもよい。
【0039】
変更処理部102cは、受注数量変更処理を実行する(ステップS4)。具体的には、受注数量変更処理では、変更処理部102cは、例えば、モニタ114に表示される不図示の受注調整画面上でのオペレータの操作に応じて、按分処理後の対象の受注データの受注数を変更する。
【0040】
(3-2.サンプルデータ)
図4~
図6のサンプルデータを参照して、本実施の形態に係る受注管理装置100の全体の処理の流れを説明する。
【0041】
(受注割当マスタメンテ処理S1)
マスタメンテ部102dは、例えば、モニタ114に表示される不図示のマスタメンテ画面上でのオペレータの操作に応じて、受注割当マスタ106aにデータを設定する。
【0042】
図4(A)は、受注割当マスタ106aのデータ設定例を示している。
図4(A)に示す受注割当マスタ106aの例では、商品コード「A-01」、請求先コード「S00001」、受注限度数「311」となっている。
【0043】
(受注入力処理S2)
受注入力部102aは、例えば、モニタ114に表示される不図示の受注入力画面上でのオペレータの操作に応じて、受注番号、受注納期、店舗である得意先、商品、受注数を含む受注データを入力して、データファイル106bに登録する。
【0044】
図4(B)は、受注データの例を示している。
図4(B)に示す受注データの例では、1行目は、受注番号「J00001」、受注行番号「1」、受注納期「2020/09/30」、請求先コード「S00001」、得意先コード「T00001」、商品コード「A-01」、受注数「60」、2行目は、受注番号「J00002」、受注行番号「1」、受注納期「2020/09/30」、請求先コード「S00001」、得意先コード「T00001」、商品コード「A-01」、受注数「80」、3行目は、受注番号「J00003」、受注行番号「1」、受注納期「2020/09/30」、請求先コード「S00001」、得意先コード「T00002」、商品コード「A-01」、受注数「95」となっている。
【0045】
4行目は、受注番号「J00004」、受注行番号「1」、受注納期「2020/09/30」、請求先コード「S00001」、得意先コード「T00003」、商品コード「A-01」、受注数「100」、5行目は、受注番号「J00005」、受注行番号「1」、受注納期「2020/09/30」、請求先コード「S00002」、得意先コード「T00004」、商品コード「A-01」、受注数「60」となっている。
【0046】
(按分処理S3)
按分処理部102bは、データファイル106bに登録されている、商品及び請求先が同じである対象の受注データについて、受注数が当該商品及び請求先をキーとして受注割当マスタ106aから取得した受注限度数を越える場合には、当該受注限度数の範囲内で受注数を自動で按分処理して更新する。
【0047】
受注データは、発注仕入がされていない(受発注データでない)かつ、引当処理がされていない受注残が対象である。商品コード及び請求先コードが同じものが処理対象となる。商品コード及び請求先コードをキーとして、受注割当マスタ106aから受注限度数を取得し、対象の受注データの受注数の合計が取得した受注限度数より大きい場合に按分処理を行う。
【0048】
図4(B)の例では、請求先コード「S00001」及び商品コード「A-01」の受注番号「J00001」~「J00004」の4つが按分処理の対象となる。受注番号「J00001」~「J00004」の受注数の合計が「335(=60+80+95+100)」で受注割当マスタ106aの商品コード「A-01」及び請求先コード「S00001」の受注限度数「311」より大きいので、按分処理を行う。
【0049】
図4(C)は、受注数を按分後の受注データの例を示している。
図4(C)に示すように、按分後は、受注番号「J00001」は受注数「60」、受注番号「J00002」は受注数「80」、受注番号「J00003」は受注数「85」、受注番号「J00004」は受注数「86」となっている。
【0050】
按分処理の具体的方法を、
図5を参照して説明する。
図5は、按分処理の具体的方法を説明するための図である。
【0051】
(1)按分対象の受注データを、数量が大きい順に並べ替える。
図5に示す例では、受注数が多い順に、受注番号「J00004」(受注数「100」)、受注番号「J00003」(受注数「95」)、受注番号「J00002」(受注数「80」)、受注番号「J00001」(受注数「60」)の順に並び替える。
【0052】
(2)受注割当マスタ106aを元に受注数を按分する。対象の受注データに対して、
受注限度数(
図5に示す例では「311」)に達するまで、受注数が大きい受注番号順に「1」単位で、割当数量を均等にカウントアップする。受注数量=カウントアップ値に達した時点で、該当明細のカウントアップを終える。
図5の場合は、受注番号「J00001」については「60」でカウントアップを終える。受注番号「J00002」については「80」でカウントアップを終える。
【0053】
受注数量>割当後受注数量かつ受注限度数に達していない場合は、残りの明細にて按分
する。端数は受注数量が最大の明細に割り当てる。変更前受注数<変更後受注数の場合は、変更前受注数のままで出力する。
図5の場合は、受注番号「J00003」については「85」、受注番号「J00004」については「86」でカウントアップを終える。
【0054】
手動で割当を行うには各得意先に対しての受注数の確認などの業務が発生し、部門間でのやり取りが必要になる。本実施の形態のように、自動で按分を行うことで受注数に応じた量を得意先に対して一律で算出できるため、そのような説明も得意先に対して行うことができる。
【0055】
なお、按分処理部102bは、受注数の按分は、均等にカウントアップするだけではなく、受注限度数の範囲内で優先順位を設定して、設定した優先順位に基づいて行うことにしてもよい。
【0056】
(受注数量変更処理S4)
変更処理部102cは、例えば、モニタ114に表示される不図示の画面上でのオペレータの操作に応じて、受注限度数の範囲内で按分処理後の対象の受注データの受注数を変更することができる。
図6は、受注数量変更処理の一例を説明するための図である。
【0057】
図6において、例えば、受注データを所定形式のファイル(例えば、Excelファイル)で出力し、出力された受注データの所定形式のファイル(例えば、Excelファイル)に対して、受注数量をメンテナンスすることができる。
図6(A)は、受注データの出力例(例えば、Excelデータ)を示している。
図6(B)は、受注数変更後の受注データの例を示している(例えば、Excelで修正)。
図6(B)に示す例では、受注番号「J00002」について、受注数量が「80」から「82」に修正(+2)されており、受注番号「J00003」について、受注数量が「85」から「83」に修正(-2)されている。取込ファイルのメンテナンスした変更後受注数に対して、受注番号+受注行番号をキーにして受注数の一括更新を行うことができる。
図6(C)に示すように、変更後の受注データの所定形式のファイルを取り込むと、受注データの受注数が更新される。自動で按分しても調整がつかない得意先がある場合の対応策となる。
【0058】
以上説明したように、本実施の形態によれば、商品及び請求先毎に、受注限度数を関連づけて登録した受注割当マスタ106aと、受注番号、受注納期、店舗である得意先、商品、受注数を含む受注データを入力する受注入力部102aと、商品及び請求先が同じである対象の受注データについて、受注数が当該商品及び請求先をキーとして受注割当マスタ106aから取得した受注限度数を越える場合には、当該受注限度数の範囲内で受注数を自動で按分処理して更新する按分処理部102bと、を備えているので、複数店舗からまとめて注文がきた場合に、欠品が発生した際の業務負担を軽減することが可能になる。
【0059】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0060】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0061】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0062】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0063】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0064】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0065】
また、受注管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0066】
例えば、受注管理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて受注管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部106などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部102を構成する。
【0067】
また、このコンピュータプログラムは、受注管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0068】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0069】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0070】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0071】
また、受注管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、受注管理装置100は、当該情報処理装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0072】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能付加に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【符号の説明】
【0073】
100 受注管理装置
102 制御部
102a 受注入力部
102b 按分処理部
102c 変更処理部
102d マスタメンテ部
102e 画面表示制御部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 受注割当マスタ
106b データファイル
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク