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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-07
(45)【発行日】2025-04-15
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20250408BHJP
   H10D 30/66 20250101ALI20250408BHJP
   H10D 30/01 20250101ALI20250408BHJP
   H01L 23/50 20060101ALI20250408BHJP
【FI】
H01L21/60 311Z
H10D30/66 201A
H10D30/66 103Q
H10D30/01 301Z
H01L23/50 U
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021150488
(22)【出願日】2021-09-15
(65)【公開番号】P2023043017
(43)【公開日】2023-03-28
【審査請求日】2023-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】高田 賢治
【審査官】庄司 一隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-069019(JP,A)
【文献】特開2007-250868(JP,A)
【文献】特開2017-112153(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0042525(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/60
H10D 30/66
H10D 30/01
H01L 23/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1表面と、前記第1表面とは反対側の第2表面と、前記第1表面と前記第2表面とをつなぐ4つの側面と、前記4つの側面のうちの2つが接する角と、前記4つの側面と前記第2表面とが接する4つの辺と、を有する半導体チップであって、前記第1表面側に設けられた第1電極および第2電極と、前記第2表面上に設けられた導電層と、を有し、前記導電層を介して前記第1電極と前記第2電極との間に流れる電流を制御する前記半導体チップと、
前記半導体チップの前記第2表面側に接続され、前記半導体チップの前記第2表面に接続された第3表面と、前記第3表面とは反対側の第4表面と、を有し、前記第4表面から前記第3表面につながる貫通孔もしくは切り欠きを有する金属板と、
を備え、
前記金属板は、前記貫通孔もしくは前記切り欠きを介して、前記半導体チップの少なくとも2つの前記角、または、前記4つの辺のうちの少なくとも2つの辺のそれぞれの一部が前記第4表面側から目視可能に設けられる、半導体装置。
【請求項2】
第1表面と、前記第1表面とは反対側の第2表面と、前記第1表面と前記第2表面とをつなぐ4つの側面と、前記4つの側面のうちの2つが接する角と、前記4つの側面と前記第2表面とが接する4つの辺と、を有する半導体チップであって、前記第1表面側に設けられた第1電極および第2電極と、前記第2表面上に設けられた導電層と、を有し、前記導電層を介して前記第1電極と前記第2電極との間に流れる電流を制御する前記半導体チップと、
前記半導体チップの前記第2表面側に接続され、前記半導体チップの前記第2表面に接続された第3表面と、前記第3表面とは反対側の第4表面と、を有し、前記第4表面から前記第3表面につながる貫通孔もしくは切り欠きを有する金属板と、
を備え、
前記金属板は、前記半導体チップの2つの前記角をそれぞれ目視可能な2つの前記貫通孔もしくは2つの前記切り欠きを有する、半導体装置。
【請求項3】
第1表面と、前記第1表面とは反対側の第2表面と、前記第1表面と前記第2表面とをつなぐ4つの側面と、前記4つの側面のうちの2つが接する角と、前記4つの側面と前記第2表面とが接する4つの辺と、を有する半導体チップであって、前記第1表面側に設けられた第1電極および第2電極と、前記第2表面上に設けられた導電層と、を有し、前記導電層を介して前記第1電極と前記第2電極との間に流れる電流を制御する前記半導体チップと、
前記半導体チップの前記第2表面側に接続され、前記半導体チップの前記第2表面に接続された第3表面と、前記第3表面とは反対側の第4表面と、を有し、前記第4表面から前記第3表面につながる貫通孔もしくは切り欠きを有する金属板と、
を備え、
前記金属板は、前記半導体チップの前記4つの辺のうちの2つを部分的に目視可能な2つの貫通孔もしくは2つの切り欠きを有する、半導体装置。
【請求項4】
第1表面と、前記第1表面とは反対側の第2表面と、前記第1表面と前記第2表面とをつなぐ4つの側面と、前記4つの側面のうちの2つが接する角と、前記4つの側面と前記第2表面とが接する4つの辺と、を有する半導体チップであって、前記第1表面側に設けられた第1電極および第2電極と、前記第2表面上に設けられた導電層と、を有し、前記導電層を介して前記第1電極と前記第2電極との間に流れる電流を制御する前記半導体チップと、
前記半導体チップの前記第2表面側に接続され、前記半導体チップの前記第2表面に接続された第3表面と、前記第3表面とは反対側の第4表面と、を有し、前記第4表面から前記第3表面につながる貫通孔もしくは切り欠きを有する金属板と、
を備え、
前記金属板は、前記貫通孔もしくは前記切り欠きを介して、前記半導体チップの少なくとも1つの前記角、および、前記半導体チップの少なくとも1つの前記角につながる2つの辺が前記第4表面側から目視可能に設けられる、半導体装置。
【請求項5】
前記貫通孔もしくは切り欠きは、前記金属板の前記第4表面内において、非回転対称となるように配置される請求項1~4のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項6】
前記金属板は、前記第3表面側において、前記半導体チップの前記4つの辺に対応する位置に設けられた溝を有する請求項1~5のいずれか1つに記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体チップの表面側に設けられた電極を実装基板上のマウントパッドに接続する、所謂、フリップチップボンディングでは、半導体チップの裏面を基準として、実装基板のマウントパッド上に半導体チップを位置合わせする。しかしながら、半導体チップの裏面側に金属板を接続した構造を有する半導体装置では、実装基板のマウントパッドに半導体チップを位置合せすることが難しくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-112153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態は、半導体チップとマウントパッドとの位置合わせ精度を向上させることが可能な半導体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る半導体装置は、半導体チップと、金属板と、を備える。前記半導体チップは、第1表面と、前記第1表面とは反対側の第2表面と、前記第1表面と前記第2表面とをつなぐ4つの側面と、前記4つの側面のうちの2つが接する角と、前記4つの側面と前記第2表面とが接する4つの辺と、を有する。前記半導体チップは、前記第1表面側に設けられた第1および第2電極と、前記第2表面上に設けられた導電層と、を有し、前記導電層を介して前記第1電極と前記第2電極との間に流れる電流を制御する。前記金属板は、前記半導体チップの前記第2表面側に接続され、前記半導体チップの前記第2表面に接続された第3表面と、前記第3表面とは反対側の第4表面と、を有する。前記金属板は、前記第4表面から前記第3表面につながる貫通孔もしくは切り欠きを有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態に係る半導体装置を示す模式断面図である。
図2】実施形態に係る半導体装置の製造過程を示す模式平面図である。
図3】実施形態に係る半導体装置の実装過程を示す模式断面図である。
図4】実施形態に係る半導体装置を示す模式平面図である。
図5】実施形態の変形例に係る半導体装置を示す模式平面図である。
図6】実施形態の変形例に係る半導体装置を示す別の模式平面図である。
図7】実施形態の第2の変形例に係る半導体装置を示す模式図である。
図8】実施形態の第3の変形例に係る半導体装置を示す模式平面図である。
図9】実施形態の第4の変形例に係る半導体装置を示す模式平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。図面中の同一部分には、同一番号を付してその詳しい説明は適宜省略し、異なる部分について説明する。なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
【0008】
さらに、各図中に示すX軸、Y軸およびZ軸を用いて各部分の配置および構成を説明する。X軸、Y軸、Z軸は、相互に直交し、それぞれX方向、Y方向、Z方向を表す。また、Z方向を上方、その反対方向を下方として説明する場合がある。
【0009】
図1は、実施形態に係る半導体装置1を示す模式断面図である。図1は、半導体装置1を回路基板30の上に実装した状態を表す断面図である。
【0010】
半導体装置1は、半導体チップ10と、金属板20と、を備える。半導体チップ10は、第1表面1sおよび第2表面2sを有する。第2表面2sは、第1表面1sの反対側に位置する。金属板20は、半導体チップ10の第2表面2sに接続される。金属板20は、例えば、銅を含む。
【0011】
半導体チップ10は、半導体部11と、導電層13と、第1電極15aと、第2電極15bと、を含む。第1電極15aおよび第2電極15bは、第1表面1s側に設けられる。導電層13は、第2表面2s上に設けられる。半導体部11は、例えば、シリコンである。導電層13は、例えば、ニッケル(Ni)、チタニウム(Ti)等を含む金属層である。第1電極15aおよび第2電極15bは、例えば、アルミニウム(Al)等を含む。
【0012】
半導体チップ10は、MOSゲート構造17aおよび17bをさらに含む。MOSゲート構造17aは、半導体部11と第1電極15aとの間に設けられる。MOSゲート構造17bは、半導体部11と第2電極15bとの間に設けられる。MOSゲート構造17aおよび17bは、半導体部11および導電層13を介して、第1電極15aと第2電極15bとの間に流れる電流を制御する。
【0013】
金属板20は、第3表面3sおよび第4表面4sを含む。第3表面3sは、接続部材23を介して、半導体チップ10の導電層13に接続される。接続部材23は、例えば、はんだ材もしくは導電性ペーストである。第4表面4sは、第3表面3sの反対側に位置する。金属板20は、第4表面4sから第3表面3sに連通する貫通孔25をさらに有する。
【0014】
半導体装置1では、第1電極15aと第2電極15bとの間のオン抵抗を小さくするために、第1表面1sから第2表面2sに向かう方向(以下、Z方向)における半導体部11の厚さを薄くすることが好ましい。これにより、導電層13を介して流れる電流成分が増加し、第1電極15aと第2電極15bとの間のオン抵抗を低減することができる。しかしながら、半導体部11の厚さを薄くすると、半導体チップ10に反りが生じ易い。また、半導体チップ10の機械的強度も低下する。このため、半導体チップ10の第2表面2s側に金属板20を接続することにより、反りを防ぎ、機械的強度を向上させることが好ましい。
【0015】
図1に示すように、半導体装置1は、半導体チップ10の第1表面1sが回路基板30に向き合うように実装される。回路基板30は、例えば、マウントパッド33aおよび33bを有する。第1電極15aは、接続部材19aを介して、マウントパッド33aに接続される。第2電極15bは、接続部材19bを介して、マウントパッド33bに接続される。接続部材19aおよび19bは、例えば、はんだ材である。
【0016】
図2(a)および(b)は、実施形態に係る半導体装置1の製造過程を示す模式平面図である。
【0017】
図2(a)に示すように、フレーム100上に複数の半導体チップ10をマウントする。フレーム100は、複数のリードを介して相互につながった金属板20を含む。金属板20は、それぞれ、貫通孔25を有する。半導体チップ10は、それぞれ、接続部材23(図1参照)を介して、金属板20上にマウントされる。
【0018】
接続部材23として、例えば、はんだ材を用いる場合、半導体チップ10は、金属板20の上にクリーム状のはんだ材を供給した後、金属板20の上にマウントされる。半導体チップ10は、はんだ材を介して金属板20に密着するように載置される。その後、所定の温度に設定された電気炉内においてはんだ材を溶融させ、続いて、電気炉外において冷却する。これにより、半導体チップ10を金属板20に接続する。
【0019】
また、接続部材23として、例えば、導電ペーストを用いる場合には、半導体チップ10は、金属板20の上に導電ペーストを供給した後、金属板20の上にマウントされる。半導体チップは、導電ペーストを介して金属板20に密着するように載置される。その後、所定の温度に設定されたオーブン内において導電ペーストを硬化させ、半導体チップ10を金属板20に接続する。
【0020】
続いて、図2(b)に示すように、隣り合う金属板20をつなぐリードを切断することにより、複数の半導体装置1を個片化する。フレーム100のリードは、例えば、ダイシングブレードを用いて切断される。
【0021】
図3(a)および(b)は、実施形態に係る半導体装置1の実装過程を示す模式断面図である。半導体装置1は、回路基板30の上にフリップチップボンディングされる。
【0022】
図3(a)に示すように、半導体装置1は、回路基板30のマウントパッド33aおよび33bの上方において位置合わせされる。回路基板30は、所定の温度に昇温されている。一方、第1電極15aおよび第2電極15bの上には、接続部材19aおよび接続部材19bが設けられている。接続部材19aおよび19bは、例えば、半導体チップ10の製造プロセスの最終段階において、第1電極15aおよび第2電極15bの上にそれぞれ設けられる。
【0023】
図3(b)に示すように、半導体装置1を回路基板30に圧着させる。第1電極15aは、接続部材19aを介してマウントパッド33aに接続される。第2電極15bは、接続部材19bを介してマウントパッド33bに接続される。
【0024】
図3(a)に示すように、金属板20のX方向のサイズLMは、半導体チップ10のX方向のサイズLCよりも大きい。また、金属板20のY方向のサイズについても同様である(図2(b)参照)。例えば、金属板20が貫通孔25を有しない場合、金属板20の第4表面4s側から半導体チップ10を目視することはできない。したがって、半導体装置1は、回路基板30上の位置合わせパターンに金属板20の外縁を一致させるように位置合わせされる。このため、半導体チップ10と金属板20との間の相対位置の精度が、第1電極15aとマウントパッド33aとの間、および、第2電極15bとマウントパッド33bとの間に求められる位置合わせ精度よりも低い場合には、第1電極15aおよび第2電極15bをマウントパッド33aおよび33bに適性に接続できない場合が生じる。言い換えれば、回路基板30に対する半導体チップ10の位置ずれが生じる。
【0025】
図4(a)および(b)は、実施形態に係る半導体装置1を示す模式平面図である。図4(a)および(b)は、金属板20の第4表面4s側から見た半導体装置1を表している。
【0026】
半導体チップ10の第1表面1sおよび第2表面2sは、例えば、正方形の形状を有する(図2(b)参照)。半導体チップ10は、第1表面1sおよび第2表面2sにつながる4つの側面10s(図1参照)を有する。また、金属板20の平面形状は、例えば、正方形である(図2(b)参照)。
【0027】
図4(a)に示すように、金属板20は、4つの隅にそれぞれ設けられた貫通孔25を有する。半導体チップ10は、4つの側面10sのうちの2つがつながった角10cを有する。金属板20は、貫通孔25を介して、第4表面4s側から半導体チップ10の角10cを目視できるように設けられる。これにより、回路基板30の上方に半導体装置1を位置合わせする時(図3(a)参照)、回路基板30に対して半導体チップ10の位置を直接合わせることができる。したがって、半導体チップ10の回路基板30に対する位置ずれを防ぐことができる。
【0028】
図4(b)に示すように、金属板20は、例えば、4つの隅にそれぞれ設けられた切り欠き27を有する。このように、貫通孔25に代えて、切り欠き27を設けても良い。金属板20は、切り欠き27を介して、第4表面4s側から半導体チップ10の角10cを目視できるように設けられる。これにより、半導体チップ10の回路基板30に対する位置ずれを防ぐことができる。
【0029】
図5(a)~(d)は、実施形態の変形例に係る半導体装置1を示す模式平面図である。図5(a)~(d)は、金属板20の第4表面4s側から見た半導体装置1を表している。
【0030】
図5(a)に示すように、金属板20は、第4表面4sの4つの隅のうちの3つの隅にそれぞれ設けられた貫通孔25を有する。金属板20は、半導体チップ10の4つの角10cのうちの3つがそれぞれ貫通孔25を介して第4表面4s側から目視できるように設けられる。
【0031】
図5(b)に示すように、金属板20は、第4表面4sの4つの隅のうちの3つの隅に、貫通孔25に代えて設けられた切り欠き27を有する。金属板20は、半導体チップ10の4つの角10cのうちの3つがそれぞれ切り欠き27を介して第4表面4s側から目視できるように設けられる。
【0032】
図5(c)に示すように、金属板20は、第4表面4sの4つの隅のうちの2つの隅にそれぞれ設けられた貫通孔25を有する。金属板20は、半導体チップ10の4つの角10cのうちの2つがそれぞれ貫通孔25を介して第4表面4s側から目視できるように設けられる。
【0033】
図5(d)に示すように、金属板20は、第4表面4sの4つの隅のうちの2つの隅に、貫通孔25に代えて設けられた切り欠き27を有する。金属板20は、半導体チップ10の4つの角10cのうちの2つがそれぞれ切り欠き27を介して第4表面4s側から目視できるように設けられる。
【0034】
図6(a)および(b)は、実施形態の変形例に係る半導体装置1を示す別の模式平面図である。図6(a)および(b)は、金属板20の第4表面4s側から見た半導体装置1を表している。さらに、半導体チップ10の第1表面1a側に設けられた、複数の第1電極15aと、複数の第2電極15bと、制御パッド18aと、制御パッド18bと、を破線で表している。
【0035】
制御パッド18aおよび制御パッド18bは、それぞれ、MOSゲート構造17aおよび17bのゲート電極に電気的に接続される。半導体装置1は、外部のゲート制御回路から制御パッド18aおよび制御パッド18bを介してMOSゲート構造17aおよび17bに供給されるゲート信号により、第1電極15aと第2電極15bとの間に流れる電流を制御する。
【0036】
図6(a)に示すように、金属板20は、第4表面4sの4つの隅のうちの3つの隅にそれぞれ設けられた切り欠き27を有する。金属板20は、半導体チップ10の4つの角10cのうちの3つがそれぞれ切り欠き27を介して第4表面4s側から目視できるように設けられる。金属板20における切り欠き27の配置は、非回転対称である。
【0037】
図6(b)は、金属板20の第4表面4sに平行な平面内において、半導体装置1を右回りに90度回転した状態を示す平面図である。金属板20の切り欠き27の配置が非回転対称であるため、3つの切り欠き27の位置を確認することにより、半導体チップ10の第1表面1s側における第1電極15a、第2電極15b、制御パッド18aおよび制御パッド18bの並び方向が90度回転していることを知ることができる。
【0038】
図7(a)~(c)は、実施形態の第2の変形例に係る半導体装置2を示す模式図である。図7(a)は、金属板20の第3表面3sを表す平面図である。図7(b)および(c)は、X-Z平面に平行な断面を表す部分断面図である。
【0039】
図7(a)に示すように、金属板20は、例えば、4つの貫通孔25を有する。4つの貫通孔25は、第3表面3sの4つの隅にそれぞれ設けられる。金属板20は、さらに、第3表面3s側に設けられた溝29を含む。溝29は、半導体チップ10の4つの辺に対応する位置に設けられる。すなわち、半導体チップ10を金属板20の上にマウントした時(図2(a)参照)、溝29は、半導体チップ10の外縁に沿って延在するように設けられる。これにより、溝29の内部に接続部材23の余分な部分を収容し、外周部への広がることを抑制できる。溝29は、例えば、貫通孔25につながるように設けられる。
【0040】
図7(b)に示すように、半導体チップ10は、導電層13のバリ13pを含むことがある。導電層13は、第1電極15aと第2電極15bとの間のオン抵抗を小さくするために、厚く設けられることが好ましい。このため、ダイサーを用いて半導体チップ10を個片化する時、導電層13の外縁に沿ってバリ13pが形成されることがある。
【0041】
このようなバリ13pは、半導体チップ10の第2表面2sに垂直な方向に突出するように形成される。このため、、半導体チップ10が金属板20上に傾いてマウントされ、半導体チップ10が金属板20に密着しない等の不具合が生じる場合がある。
【0042】
半導体装置2では、半導体チップ10の4つの辺に対応した位置に、溝29が設けられるため、バリ13pの先端を溝29内に収容し、半導体チップ10が傾いてマウントされることを回避できる。これにより、半導体チップ10と金属板20との間の接続部材23を介した密着性を向上させることができる。
【0043】
さらに、図7(c)に示すように、金属板20は、溝29よりも外側に位置する外周部の厚さTm1が溝29よりも内側に位置する部分のZ方向の厚さTm2よりも薄くなるように設けることができる。これにより、接続部材23の半導体チップ10の側面への這い上がりを抑制することができる。
【0044】
図8(a)~(d)は、実施形態の第3の変形例に係る半導体装置3を示す模式図である。図8(a)~(d)は、金属板20の第4表面4s側から見た半導体装置3を表している。
【0045】
図8(a)に示すように、金属板20は、4つの貫通孔25を有し、貫通孔25は、それぞれ、第4表面4sの4つの辺に近接した位置に設けられる。金属板20は、半導体チップ10の4つの辺のそれぞれの一部が貫通孔25を介して第4表面4s側から目視できるように設けられる。これにより、回路基板30の上方に半導体装置3を位置合わせする時、回路基板30に対して半導体チップ10の位置を直接合わせることができる。したがって、半導体チップ10の回路基板30に対する位置ずれを防ぐことができる。
【0046】
図8(b)に示すように、金属板20は、2つの貫通孔25を有するように設けられても良い。貫通孔25は、それぞれ、第4表面4sの4つの辺のうちの2つに近接した位置に設けられる。金属板20は、半導体チップ10の4つの辺のうちの2つを貫通孔25を介して部分的に目視できるように設けられる。これにより、半導体チップ10の回路基板30に対する位置ずれを防ぐことができる。
【0047】
図8(c)に示すように、金属板20は、貫通孔25に代えて、4つの切り欠き27を有しても良い。切り欠き27は、第4表面4sの4つの辺にそれぞれ設けられる。金属板20は、半導体チップ10の4つの辺のそれぞれの一部が切り欠き27を介して第4表面4s側から目視できるように設けられる。
【0048】
図8(d)に示すように、金属板20は、2つの切り欠き27を有するように設けられても良い。切り欠き27は、第4表面4sの4つの辺のうちの2つにそれぞれ設けられる。金属板20は、半導体チップ10の4つの辺のうちの2つを切り欠き27を介して部分的に目視できるように設けられる。
【0049】
図9(a)および(b)は、実施形態の第4の変形例に係る半導体装置4を示す模式図である。半導体装置1は、金属板20に代えて、金属板40を備える。図9(a)および(b)は、金属板40の第4表面4s側から見た半導体装置4を表している。
【0050】
図9(a)に示すように、金属板40は、例えば、4つの貫通孔45を含む。4つの貫通孔45は、第4表面4sの4つの隅に設けられる。金属板40は、貫通孔45のそれぞれにおいて、半導体チップ10の1つの角10cおよびそれにつながる2つの辺10sd1および10sd2の一部を、第4表面4s側から目視できるように設けられる。
【0051】
貫通孔45は、2つの辺10sd1および10sd2のそれぞれに沿って延在するように設けられる。第4表面4sにおいて、貫通孔45は、各辺を露出させた部分の各辺に垂直な方向の幅Lop1が、各辺に沿った方向の長さLop2よりも狭くなるように設けられる。
【0052】
この例では、第4表面4s側において、半導体チップ10の外縁がより明確に目視できる。このため、回路基板30に対する半導体チップ10の位置合わせが容易になる。
【0053】
図9(b)に示すように、金属板40に代えて、金属板50を用いても良い。金属板50は、例えば、4つの切り欠き57を含む。4つの切り欠き57は、第4表面4sの4つの隅に設けられる。金属板50は、切り欠き57のそれぞれにおいて、半導体チップ10の1つの角10cおよびそれにつながる2つの辺10sd1および10sd2の一部を、第4表面4s側から目視できるように設けられる。
【0054】
切り欠き57を介して目視できる半導体チップ10の一部は、例えば、各辺に沿った方向の長さLs1および各辺に垂直な方向の幅Ls2を有する。金属板50は、幅Ls2が長さLs1よりも狭くなるように設けられる。
【0055】
なお、上記の実施例は、金属板40および50に限定される訳ではない。例えば、貫通孔45もしくは切り欠き57は、第4表面4sに少なくとも1つ設けられれば良く、4つに限定される訳ではない。
【0056】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0057】
1、2、3、4…半導体装置、 1s…第1表面、 2s…第2表面、 3s…第3表面、 4s…第4表面、 10…半導体チップ、 10c…角、 10s…側面、 10sd1、10sd2…辺、 11…半導体部、 13…導電層、 13p…バリ、 15a…第1電極、 15b…第2電極、 17a、17b…MOSゲート構造、 18a、18b…制御パッド、 19a、19b、23…接続部材、 20、40、50…金属板、 25、45…貫通孔、 27、57…切り欠き、 29…溝、 30…回路基板、 33a、33b…マウントパッド、 100…フレーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9