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特許7662641頭痛原因判定システム、頭痛原因判定方法、プログラム、及びデータ構造
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-07
(45)【発行日】2025-04-15
(54)【発明の名称】頭痛原因判定システム、頭痛原因判定方法、プログラム、及びデータ構造
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/20 20180101AFI20250408BHJP
【FI】
G16H50/20
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022536455
(86)(22)【出願日】2021-07-15
(86)【国際出願番号】 JP2021026681
(87)【国際公開番号】W WO2022014689
(87)【国際公開日】2022-01-20
【審査請求日】2023-01-16
【審判番号】
【審判請求日】2024-04-25
(31)【優先権主張番号】P 2020123104
(32)【優先日】2020-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005887
【氏名又は名称】三井化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 誠一
(72)【発明者】
【氏名】竹内 義人
【合議体】
【審判長】山澤 宏
【審判官】野崎 大進
【審判官】富澤 哲生
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0036103(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0044254(US,A1)
【文献】特開2014-216004号公報(JP,A)
【文献】特開2014-215722号公報(JP,A)
【文献】特開2019-32862(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
片頭痛症状を有するユーザの片頭痛症状が生じる原因が光過敏に基づくものである可能性の有無を判定する頭痛原因判定システムであって、
コンピュータを備えており、
前記コンピュータはCPUと、記憶部と、前記CPUによって実行される判定部とを備えており、
前記記憶部には、ユーザの片頭痛症状に関する質問情報と、前記ユーザによる前記質問情報への回答情報とに基づいて、前記ユーザの片頭痛症状の原因が光過敏に基づくものである可能性があるか否かを判定することのできるデータが記憶され、
前記判定部は、前記ユーザによる前記質問情報への回答情報と、前記記憶部に記憶されているデータとに基づいて、前記ユーザの片頭痛症状の原因が光過敏に基づくものである可能性があるか否かを判定し、
前記質問情報は、質問ごとに当該質問への自覚症状の合致レベル又は頻度に応じてポイントが設定されており、
前記判定部は、複数の前記質問情報への前記ポイントに応じて前記ユーザの片頭痛症状の原因が光に基づくものである可能性があるか否かを判定し、出力し、
前記記憶部は、前記判定部より前記ユーザの片頭痛症状の原因が光過敏に基づくものである可能性があると判定された場合に、その片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズに関するレンズ情報がさらに記憶され、
前記判定部は、前記ユーザの片頭痛症状の原因が光過敏に基づくものである可能性があると判定した場合には、その判定結果を出力するとともに、前記レンズ情報からユーザの片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズであって、480nm付近の光を選択的にカットする眼用レンズを決定し、出力し、
前記質問情報は、前記ユーザの片頭痛症状が生じている状態に関する質問、前記ユーザの片頭痛症状が生じる原因に関する質問、又は、前記ユーザの片頭痛症状が生じる前後の状態に関する質問であり、
前記ユーザの片頭痛症状が生じている状態に関する質問は、片頭痛症状がある際に、光が片頭痛症状を悪化させることがあるか、又は、光を眩しく感じたり不快と感じたりすることがあるか、を主旨とするものであり、
前記ユーザの片頭痛症状が生じている状態に関する質問は、片頭痛症状がある際に光が眼の内部や周辺に痛みを生じさせることがあるか、を主旨とするものを更に含み、
前記ユーザの片頭痛症状が生じる原因に関する質問は、光が片頭痛症状を引き起こすことがあるか、を主旨とするものであり、
前記ユーザの片頭痛症状が生じる前後の状態に関する質問は、片頭痛症状が治まり次の片頭痛症状が生じるまでの間に、光に敏感となることがあるか、を主旨とするものである、頭痛原因判定システム。
【請求項2】
前記判定部は、前記質問情報への回答情報のいずれか1つが、予め定められた回答情報である場合に、前記ユーザの片頭痛症状の原因が光過敏に基づくものである可能性があるか否かを判定し、出力する、請求項1に記載の頭痛原因判定システム。
【請求項3】
前記記憶部は、前記ユーザの居住地に関する情報を含むユーザ情報と、前記ユーザの片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズを販売する店舗に関する販売店情報とをさらに記憶し、
前記判定部は、前記ユーザの片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズを決定し、出力する際に、前記ユーザの居住地に関する情報と、前記販売店情報とに基づいて、前記ユーザの片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズを販売する店舗の候補を決定し、出力する、請求項1又は2に記載の頭痛原因判定システム。
【請求項4】
コンピュータの記憶部に記憶された、ユーザの片頭痛症状に関する質問情報と前記ユーザによる前記質問情報への回答情報とに基づいて前記ユーザの片頭痛症状の原因が光過敏に基づくものである可能性があるか否かを判定することのできるデータと、前記ユーザによる前記質問情報への回答情報とに基づいて前記ユーザの片頭痛症状の原因が光過敏に基づくものである可能性があるか否かを判定し、出力する、処理を前記コンピュータに実行させ、
前記質問情報は、質問ごとに当該質問への自覚症状の合致レベル又は頻度に応じてポイントが設定されており、
前記コンピュータは、複数の前記質問情報への前記ポイントに応じて前記ユーザの片頭痛症状の原因が光過敏に基づくものである可能性があるか否かを判定し、出力し、
前記記憶部は、前記ユーザの片頭痛症状の原因が光過敏に基づくものである可能性があると判定された場合に、その片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズに関するレンズ情報がさらに記憶され、
前記コンピュータは、前記ユーザの片頭痛症状の原因が光過敏に基づくものである可能性があると判定した場合には、その判定結果を出力するとともに、前記レンズ情報からユーザの片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズであって、480nm付近の光を選択的にカットする眼用レンズを決定し、出力し、
前記質問情報は、前記ユーザの片頭痛症状が生じている状態に関する質問、前記ユーザの片頭痛症状が生じる原因に関する質問、又は、前記ユーザの片頭痛症状が生じる前後の状態に関する質問であり、
前記ユーザの片頭痛症状が生じている状態に関する質問は、片頭痛症状がある際に、光が片頭痛症状を悪化させることがあるか、又は、光を眩しく感じたり不快と感じたりすることがあるか、を主旨とするものであり、
前記ユーザの片頭痛症状が生じている状態に関する質問は、片頭痛症状がある際に光が眼の内部や周辺に痛みを生じさせることがあるか、を主旨とするものを更に含み、
前記ユーザの片頭痛症状が生じる原因に関する質問は、光が片頭痛症状を引き起こすことがあるか、を主旨とするものであり、
前記ユーザの片頭痛症状が生じる前後の状態に関する質問は、片頭痛症状が治まり次の片頭痛症状が生じるまでの間に、光に敏感となることがあるか、を主旨とするものである、頭痛原因判定方法。
【請求項5】
前記記憶部は、前記ユーザの居住地に関する情報を含むユーザ情報と、前記ユーザの片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズを販売する店舗に関する販売店情報とをさらに記憶し、
前記ユーザの片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズを決定し、出力する際に、前記ユーザの居住地に関する情報と、前記販売店情報とに基づいて、前記ユーザの片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズを販売する店舗の候補を決定し、出力する、処理をコンピュータに実行させる請求項に記載の頭痛原因判定方法。
【請求項6】
コンピュータを、
記憶部と、判定部とを備える頭痛原因判定システムにおいて、
当該コンピュータの記憶部に記憶された、ユーザの片頭痛症状に関する質問情報と前記ユーザによる前記質問情報への回答情報とに基づいて前記ユーザの片頭痛症状の原因が光過敏に基づくものである可能性があるか否かを判定することのできるデータと、前記ユーザによる前記質問情報への回答情報と前記記憶部に記憶されているデータに基づいて前記ユーザの片頭痛症状の原因が光過敏に基づくものである可能性があるか否かを判定し、出力する判定部として機能させ、
前記質問情報は、質問ごとに当該質問への自覚症状の合致レベル又は頻度に応じてポイントが設定されており、
前記判定部は、複数の前記質問情報への前記ポイントに応じて前記ユーザの片頭痛症状の原因が光過敏に基づくものである可能性があるか否かを判定し、出力する、プログラムであって、
前記記憶部は、前記判定部より前記ユーザの片頭痛症状の原因が光過敏に基づくものである可能性があると判定された場合に、その片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズに関するレンズ情報がさらに記憶され、
前記判定部は、前記ユーザの片頭痛症状の原因が光過敏に基づくものである可能性があると判定した場合には、その判定結果を出力するとともに、前記レンズ情報からユーザの片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズであって、480nm付近の光を選択的にカットする眼用レンズを決定し、出力し、
前記質問情報は、前記ユーザの片頭痛症状が生じている状態に関する質問、前記ユーザの片頭痛症状が生じる原因に関する質問、又は、前記ユーザの片頭痛症状が生じる前後の状態に関する質問であり、
前記ユーザの片頭痛症状が生じている状態に関する質問は、片頭痛症状がある際に、光が片頭痛症状を悪化させることがあるか、又は、光を眩しく感じたり不快と感じたりすることがあるか、を主旨とするものであり、
前記ユーザの片頭痛症状が生じている状態に関する質問は、片頭痛症状がある際に光が眼の内部や周辺に痛みを生じさせることがあるか、を主旨とするものを更に含み、
前記ユーザの片頭痛症状が生じる原因に関する質問は、光が片頭痛症状を引き起こすことがあるか、を主旨とするものであり、
前記ユーザの片頭痛症状が生じる前後の状態に関する質問は、片頭痛症状が治まり次の片頭痛症状が生じるまでの間に、光に敏感となることがあるか、を主旨とするものである、プログラム。
【請求項7】
前記記憶部は、前記ユーザの居住地に関する情報を含むユーザ情報と、前記ユーザの片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズを販売する店舗に関する販売店情報とをさらに記憶し、
前記判定部は、前記ユーザの片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズを決定し、出力する際に、前記ユーザの居住地に関する情報と、前記販売店情報とに基づいて、前記ユーザの片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズを販売する店舗の候補を決定し、出力する、請求項に記載のプログラム。
【請求項8】
ユーザの片頭痛症状に関する質問情報と、
前記ユーザによる前記質問情報への回答情報と、
前記質問情報と前記回答情報とに基づいて、前記ユーザの片頭痛症状の原因が光過敏に基づくものである可能性があるか否かを判定することのできるデータと、
を含み、
前記質問情報は、質問ごとに当該質問への自覚症状の合致レベル又は頻度に応じてポイントが設定されており、
コンピュータに、
前記ユーザによる前記質問情報への回答情報と、前記データとに基づいて、前記ユーザの片頭痛症状の原因が光過敏に基づくものである可能性があるか否かを判定させ、出力させるものであって、複数の前記質問情報への前記ポイントに応じて前記ユーザの片頭痛症状の原因が光過敏に基づくものである可能性があるか否かを判定し、出力する、データ構造であって、
前記ユーザの片頭痛症状の原因が光過敏に基づくものである可能性があると判定された場合に、その片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズに関するレンズ情報がさらに記憶され、
前記コンピュータは、前記ユーザの片頭痛症状の原因が光過敏に基づくものである可能性があると判定した場合には、その判定結果を出力するとともに、前記レンズ情報からユーザの片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズであって、480nm付近の光を選択的にカットする眼用レンズを決定し、出力し、
前記質問情報は、前記ユーザの片頭痛症状が生じている状態に関する質問、前記ユーザの片頭痛症状が生じる原因に関する質問、又は、前記ユーザの片頭痛症状が生じる前後の状態に関する質問であり、
前記ユーザの片頭痛症状が生じている状態に関する質問は、片頭痛症状がある際に、光が片頭痛症状を悪化させることがあるか、又は、光を眩しく感じたり不快と感じたりすることがあるか、を主旨とするものであり、
前記ユーザの片頭痛症状が生じている状態に関する質問は、片頭痛症状がある際に光が眼の内部や周辺に痛みを生じさせることがあるか、を主旨とするものを更に含み、
前記ユーザの片頭痛症状が生じる原因に関する質問は、光が片頭痛症状を引き起こすことがあるか、を主旨とするものであり、
前記ユーザの片頭痛症状が生じる前後の状態に関する質問は、片頭痛症状が治まり次の片頭痛症状が生じるまでの間に、光に敏感となることがあるか、を主旨とするものである、データ構造。
【請求項9】
前記ユーザの居住地に関する情報を含むユーザ情報と、
前記ユーザの片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズを販売する店舗に関する販売店情報と、をさらに含み、
コンピュータに、
前記ユーザの片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズを決定させ、出力させる際に、前記ユーザの居住地に関する情報と、前記販売店情報とに基づいて、前記ユーザの片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズを販売する店舗の候補を決定させ、出力させる、請求項に記載のデータ構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、頭痛原因判定システム、頭痛原因判定方法、プログラム、及びデータ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レンズの着色に関する着色情報に基づいて、レンズを着色するシステムに関する特開2000-325840号公報の技術がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
レンズは、レンズを組み込む眼鏡を装用するユーザの用途及び心身の状態に合わせて適切な材料、色相、コーティングの種類などを選択することが望ましい。例えば、様々な頭痛の症状がある人のうち、片頭痛がある人の眼鏡のレンズは、片頭痛が緩和できるようなレンズを選択できることが好ましい。片頭痛は、健康寿命を短縮させる疾患としてWHOからも報告されており、このような疾患を持つユーザのニーズに応じたレンズ加工は、健康寿命を延ばすためにも必要な社会的な課題ともいえる。
【0004】
片頭痛は様々な原因によって引き起こされ、複合的な原因によって引き起こされる場合もあり、その原因を特定することは困難である。片頭痛の一因が光であると認められる場合には、片頭痛に対応したレンズの選択をサポート又は提案するシステムが求められる。
【0005】
本開示の課題は、複数の質問への回答を考慮して、ユーザの片頭痛症状の原因が光によるものであるかを判定することができる頭痛原因判定システム、プログラム、及びデータ構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の頭痛原因判定システムは、片頭痛症状を有するユーザの片頭痛症状が生じる原因が光に基づくものである可能性の有無を判定する頭痛原因判定システムであって、コンピュータを備えており、前記コンピュータはCPUと、記憶部と、前記CPUによって実行される判定部とを備えており、前記記憶部には、ユーザの片頭痛症状に関する質問情報と、前記ユーザによる前記質問情報への回答情報とに基づいて、前記ユーザの片頭痛症状の原因が光に基づくものである可能性があるか否かを判定することのできるデータが記憶され、前記判定部は、前記ユーザによる前記質問情報への回答情報と、前記記憶部に記憶されているデータとに基づいて、前記ユーザの片頭痛症状の原因が光に基づくものである可能性があるか否かを判定し、出力する頭痛原因判定システムである。
【0007】
また、本開示の頭痛原因判定システムは、前記記憶部は、前記判定部より前記ユーザの片頭痛症状の原因が光に基づくものである可能性があると判定された場合に、その片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズに関するレンズ情報がさらに記憶され、前記判定部は、前記ユーザの片頭痛症状の原因が光に基づくものである可能性があると判定した場合には、その判定結果を出力するとともに、前記レンズ情報からユーザの片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズを決定し、出力する頭痛原因判定システムである。
【0008】
また、本開示の頭痛原因判定システムは、前記記憶部は、前記ユーザの居住地に関する情報を含むユーザ情報と、前記ユーザの片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズを販売する店舗に関する販売店情報とをさらに記憶し、前記判定部は、前記ユーザの片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズを決定し、出力する際に、前記ユーザの居住地に関する情報と、前記販売店情報とに基づいて、前記ユーザの片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズを販売する店舗の候補を決定し、出力する頭痛原因判定システムである。
【0009】
また、本開示の頭痛原因判定システムは、前記質問情報は、前記ユーザの片頭痛症状が生じている状態に関する質問、前記ユーザの片頭痛症状が生じる原因に関する質問、又は、前記ユーザの片頭痛症状が生じる前後の状態に関する質問である頭痛原因判定システムである。
【0010】
また、本開示の頭痛原因判定システムは、前記ユーザの片頭痛症状が生じている状態に関する質問は、片頭痛症状がある際に、光が片頭痛症状を悪化させることがあるか、又は、光を眩しく感じたり不快と感じたりすることがあるか、を主旨とするものである頭痛原因判定システムである。
【0011】
また、本開示の頭痛原因判定システムは、前記ユーザの片頭痛症状が生じている状態に関する質問は、片頭痛症状がある際に光が眼の内部や周辺に痛みを生じさせることがあるか、を主旨とするものを更に含む頭痛原因判定システムである。
【0012】
また、本開示の頭痛原因判定システムは、前記ユーザの片頭痛症状が生じる原因に関する質問は、光が片頭痛症状を引き起こすことがあるか、を主旨とするものである頭痛原因判定システムである。
【0013】
また、本開示の頭痛原因判定システムは、前記ユーザの片頭痛症状が生じる前後の状態に関する質問は、片頭痛症状が治まり次の片頭痛症状が生じるまでの間に、光に敏感となることがあるか、を主旨とするものである頭痛原因判定システムである。
【0014】
また、本開示の頭痛原因判定方法は、コンピュータの記憶部に記憶された、ユーザの片頭痛症状に関する質問情報と前記ユーザによる前記質問情報への回答情報とに基づいて前記ユーザの片頭痛症状の原因が光に基づくものである可能性があるか否かを判定することのできるデータと、前記ユーザによる前記質問情報への回答情報と前記記憶部に記憶されているデータに基づいて前記ユーザの片頭痛症状の原因が光に基づくものである可能性があるか否かを判定し、出力する、処理をコンピュータに実行させる頭痛原因判定方法である。
【0015】
また、本開示の頭痛原因判定方法は、前記記憶部は、前記ユーザの居住地に関する情報を含むユーザ情報と、前記ユーザの片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズを販売する店舗に関する販売店情報とをさらに記憶し、前記ユーザの片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズを決定し、出力する際に、前記ユーザの居住地に関する情報と、前記販売店情報とに基づいて、前記ユーザの片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズを販売する店舗の候補を決定し、出力する、処理をコンピュータに実行させる頭痛原因判定方法である。
【0016】
また、本開示の頭痛原因判定方法は、前記質問情報は、前記ユーザの片頭痛症状が生じている状態に関する質問、前記ユーザの片頭痛症状が生じる原因に関する質問、又は、前記ユーザの片頭痛症状が生じる前後の状態に関する質問である頭痛原因判定方法である。
【0017】
また、本開示のプログラムは、コンピュータを、記憶部と、判定部とを備える頭痛原因判定システムにおいて、当該コンピュータの記憶部に記憶された、ユーザの片頭痛症状に関する質問情報と前記ユーザによる前記質問情報への回答情報とに基づいて前記ユーザの片頭痛症状の原因が光に基づくものである可能性があるか否かを判定することのできるデータと、前記ユーザによる前記質問情報への回答情報と前記記憶部に記憶されているデータに基づいて前記ユーザの片頭痛症状の原因が光に基づくものである可能性があるか否かを判定し、出力する判定部として機能させるためのプログラムである。
【0018】
また、本開示のプログラムは、前記記憶部は、前記ユーザの居住地に関する情報を含むユーザ情報と、前記ユーザの片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズを販売する店舗に関する販売店情報とをさらに記憶し、前記判定部は、前記ユーザの片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズを決定し、出力する際に、前記ユーザの居住地に関する情報と、前記販売店情報とに基づいて、前記ユーザの片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズを販売する店舗の候補を決定し、出力するプログラムである。
【0019】
また、本開示のプログラムは、前記質問情報は、前記ユーザの片頭痛症状が生じている状態に関する質問、前記ユーザの片頭痛症状が生じる原因に関する質問、又は、前記ユーザの片頭痛症状が生じる前後の状態に関する質問であるプログラムである。
【0020】
また、本開示のデータ構造は、ユーザの片頭痛症状に関する質問情報と、前記ユーザによる前記質問情報への回答情報と、前記質問情報と前記回答情報とに基づいて、前記ユーザの片頭痛症状の原因が光に基づくものである可能性があるか否かを判定することのできるデータと、を含み、コンピュータに、前記ユーザによる前記質問情報への回答情報と、前記データとに基づいて、前記ユーザの片頭痛症状の原因が光に基づくものである可能性があるか否かを判定させ、出力させる、データ構造である。
【0021】
また、本開示のデータ構造は、前記ユーザの居住地に関する情報を含むユーザ情報と、前記ユーザの片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズを販売する店舗に関する販売店情報と、をさらに含み、コンピュータに、前記ユーザの片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズを決定し、出力する際に、前記ユーザの居住地に関する情報と、前記販売店情報とに基づいて、前記ユーザの片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズを販売する店舗の候補を決定し、出力するデータ構造である。
【0022】
また、本開示のデータ構造は、前記質問情報は、前記ユーザの片頭痛症状が生じている状態に関する質問、前記ユーザの片頭痛症状が生じる原因に関する質問、又は、前記ユーザの片頭痛症状が生じる前後の状態に関する質問であるデータ構造である。
【発明の効果】
【0023】
本開示の頭痛原因判定システム、頭痛原因判定方法、プログラム、及びデータ構造によれば、複数の質問への回答を考慮して、ユーザの片頭痛症状の原因が光によるものであるかを判定することができる、という効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】第一の実施形態の頭痛原因判定システムのシステム構成を示すブロック図である。
図2】第一の実施形態の頭痛原因判定装置として機能するコンピュータの概略ブロック図である。
図3】第一の実施形態の質問情報と回答情報との一例を示す図である
図4A】端末の入力インターフェースの画面の一例を示す図である。
図4B】端末の入力インターフェースの画面の一例を示す図である。
図4C】端末の入力インターフェースの画面の一例を示す図である。
図4D】端末の入力インターフェースの画面の一例を示す図である。
図4E】端末の入力インターフェースの画面の一例を示す図である。
図4F】端末の入力インターフェースの画面の一例を示す図である。
図4G】端末の入力インターフェースの画面の一例を示す図である。
図4H】端末の入力インターフェースの画面の一例を示す図である。
図5】第一の実施形態の頭痛原因判定装置によって実行される処理ルーチンの一例を示す図である。
図6A】第二の実施形態の質問情報と回答情報との一例を示す図である。
図6B】第二の実施形態の質問情報と回答情報との一例を示す図である。
図7A】第三の実施形態の質問情報と回答情報との一例を示す図である。
図7B】第三の実施形態の質問情報と回答情報との一例を示す図である。
図8】第四の実施形態の頭痛原因判定装置のシステム構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本実施形態について詳細に説明する。本実施の形態の頭痛原因判定装置200は、入力された回答情報に基づいて、頭痛原因を判定し、出力する。なお、本実施形態のユーザは、例えば、片頭痛症状を有し、眼鏡を販売する店舗でレンズを購入しようとする顧客である。
【0026】
<第一の実施形態に係るシステム構成>
【0027】
図1は、第一の実施形態の頭痛原因判定システム10のシステム構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、頭痛原因判定システム10は、複数の端末と頭痛原因判定装置200とが、ネットワークNを介して接続されている。
【0028】
図1に示す端末100は、ユーザが所有するスマートフォン端末、又は、眼鏡を販売する店舗に割り当てられたタブレット端末等の装置である。端末100は、後述する図4A図4Hに示すようにインターフェースを有する。当該インターフェースにより、ユーザの片頭痛症状に関する質問情報の表示、当該質問情報への回答情報の入力及びユーザの居住地に関する情報を含むユーザ情報の入力が行われる。また、当該インターフェースにより、頭痛原因判定装置200から受信した眼用レンズに関する情報や、当該眼用レンズを販売する店舗に関する販売店情報などが表示される。端末100は、当該端末100に割り当てられた識別情報と共に回答情報やユーザ情報を、頭痛原因判定装置200に送信する。識別情報は、当該端末100の識別情報、及び情報を取得したユーザの識別情報である。
【0029】
図1に示す構成の頭痛原因判定装置200は、CPUと、RAMと、後述する各処理ルーチンを実行するためのプログラム及び各種データを記憶したROMと、を含むコンピュータで構成することが出来る。
【0030】
例えば、頭痛原因判定装置200は、図2に示すコンピュータ250で実現することができる。コンピュータ250はCPU251、一時記憶領域としてのメモリ252、及び不揮発性の記憶部220を備える。また、コンピュータ250は、入出力装置等(図示省略)が接続される入出力interface(I/F)254、及び記録媒体に対するデータの読み込み及び書き込みを制御するread/write(R/W)部255を備える。また、コンピュータ250は、インターネット等のネットワークに接続されるネットワークI/F256を備える。CPU251、メモリ252、記憶部220、入出力I/F254、R/W部255、及びネットワークI/F256は、バス257を介して互いに接続される。
【0031】
記憶部220は、Hard Disk Drive(HDD)、solid state drive(SSD)、フラッシュメモリ等によって実現できる。記憶媒体としての記憶部220には、ユーザの片頭痛症状の原因が光に基づくものである可能性があるか否かを判定することのできるデータや、コンピュータ250を機能させるためのプログラムが記憶されている。CPU251は、プログラムを記憶部220から読み出してメモリ252に展開し、プログラムが有するプロセスを順次実行する。
【0032】
以上が、図2におけるコンピュータの電気的な構成の一例の説明である。
【0033】
ここで、記憶部220は、質問情報、回答情報、データ、ユーザのユーザ情報、レンズ情報及び販売店情報が記憶されている。質問情報は、ユーザの片頭痛症状に関する情報である。回答情報は、ユーザにより入力された質問情報への情報である。データは、ユーザの片頭痛症状の原因が光に基づくものである可能性があるか否かを判定することのできるプログラムである。レンズ情報は、片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズに関する情報である。販売店情報は、ユーザの片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズを販売する店舗に関する情報である。
【0034】
なお、後述する判定部230によるユーザの片頭痛症状の原因が光に基づくものである可能性があるか否かの判定の後に、全ての回答情報及びユーザ情報が記憶部220に記憶される場合の他、一部の回答情報及び一部のユーザ情報を記憶し、他の回答情報及びユーザ情報は消去又は匿名化されて記憶されようにしても良い。また、回答情報及びユーザ情報は、暗号化されて記憶されるようにしても良い。
また、記憶部220に記憶される情報は、一時的に記憶されるものを含む。すなわち、ユーザにより入力された回答情報及びユーザ情報が一時的に記憶され、当該情報を元に、判定部230によって、ユーザの片頭痛症状の原因が光に基づくものである可能性があるか否かを判定される。そして、判定部230による判定の後に、判定に使用された回答情報及びユーザ情報が消去される。
【0035】
図3を用いて、ユーザの片頭痛症状に関する質問情報について説明する。
質問情報としては、ユーザの片頭痛症状が生じている状態に関する質問、ユーザの片頭痛症状が生じる原因に関する質問、及びユーザの片頭痛症状が生じる前後の状態に関する質問がある。
【0036】
ユーザの片頭痛症状が生じている状態に関する質問は、片頭痛症状がある際に、光が片頭痛症状を悪化させることがあるか、又は、光を眩しく感じたり不快と感じたりすることがあるか、を主旨とする質問内容である。
例えば、図3に示す質問情報のうち、質問1の「片頭痛症状がある際に、光が片頭痛症状を悪化させることがあるか」、「片頭痛症状がある際に、光を眩しく感じたり不快と感じたりすることがあるか」という質問内容が該当する。
【0037】
ユーザの片頭痛症状が生じている状態に関する質問は、片頭痛症状がある際に光が眼の内部や周辺に痛みを生じさせることがあるか、を主旨とする質問内容を更に含む。
例えば、図3に示す質問情報のうち、質問3の「片頭痛症状がある際に、光が眼の内部や周辺に痛みを生じさせることがあるか」という質問内容が該当する。
【0038】
ユーザの片頭痛症状が生じる原因に関する質問は、光が片頭痛症状を引き起こすことがあるか、を主旨とする質問内容である。
例えば、図3に示す質問情報のうち、質問4の「光が片頭痛症状を引き起こすことがあるか」という質問内容が該当する。
【0039】
ユーザの片頭痛症状が生じる前後の状態に関する質問は、片頭痛症状が治まり次の片頭痛症状が生じるまでの間に、光に敏感となることがあるか、を主旨とする質問内容を更に含む。
例えば、図3に示す質問情報のうち、質問5の「片頭痛が生じるまでの間に光に敏感となることがあるか」という質問内容が該当する。
【0040】
なお、質問情報としては、図3に示すものに限定されず、他の質問情報があっても良いし、図3に示すものの全てを備えなくても良い。
【0041】
ユーザにより入力された質問情報への回答情報としては、図3に示すように、質問1の回答として「はい」又は「いいえ」の情報が記憶される。また、質問2の回答として「はい」又は「いいえ」の情報が記憶される。また、質問3の回答として「はい」又は「いいえ」の情報が記憶される。また、質問4の回答として「はい」又は「いいえ」の情報が記憶される。また、質問5の回答として「はい」又は「いいえ」の情報が記憶される。ここで、図3では、「はい」又は「いいえ」のうち、選択された回答の欄に「○(丸)」を入力しており、選択された回答の欄以外は空欄となっている。例えば、本例では、質問1についてのみ「はい」が選択され、その他の質問2~質問5は「いいえ」が選択されたことを記憶している。
なお、図3における回答情報の「○(丸)」が付いている欄が、ユーザにより選択されたものであることを示している。
【0042】
ユーザの片頭痛症状の原因が光に基づくものである可能性があるか否かを判定することのできるデータとしては、後述するように、図3に示す質問情報の回答情報が、1つでも「はい」である場合に、ユーザの片頭痛症状の原因が光に基づくものである可能性があると判定するプログラムなどがある。
【0043】
ユーザ情報としては、図示しないが、例えば、ユーザの居住地に関する情報、年齢に関する情報、性別に関する情報、職業に関する情報、生活環境に関する情報などがある。
なお、ユーザ情報としては、上述したものに限定されず、他の情報、例えば、医師の処方箋などを含んでも良い。
【0044】
また、ユーザ情報の履歴を記録した顧客データベースを有しても良い。また、顧客データベースには、回答情報も記録しておく。
【0045】
片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズに関するレンズ情報としては、図示しないが、480nm付近の光を選択的にカットする眼用レンズに関する情報などがある。
【0046】
ここで、480nm付近の光を選択的にカットする眼用レンズは、光過敏性片頭痛に効果があることが分かっている。
すなわち、哺乳類の網膜上には、S錐体、M錐体、L錐体の3つの錐体、桿体、さらに近年新たに発見された光受容体である、内因性光感受性網膜神経節細胞(intrinsically photosensitive retinal ganglion cell: ipRGC)が存在する。そして、それぞれ、420nm(S錐体)、530nm(M錐体)、560nm(L錐体)、500nm(桿体)、480nm(ipRGC)の波長光に感度ピークを有する。
例えば、ipRGCは、波長480nm前後の青色成分光に強く反応することから、本開示の光学材料のように、上記(2)の波長域における青色成分光の透過率が低い光学材料を有する眼鏡やサングラスなどのアイウェアを使用することで、使用者の光過敏性片頭痛の予防・軽減、眼精疲労等の予防・軽減の効果が得られると考えられる。
【0047】
また、記憶部220に記憶されるレンズ情報には、片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズに加え、デジタルデバイスユーザ向けの460nm付近の光を選択的にカットする眼用レンズ及び他の波長をカットする眼用レンズなどが含まれても良い。
【0048】
ユーザの片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズを販売する店舗に関する販売店情報としては、図示しないが、店舗の名称、住所や連絡先(電話番号、メールアドレス)などがある。
【0049】
以下、図1の頭痛原因判定装置200における各処理部について説明する。頭痛原因判定装置200は、機能的には、図1に示されるように、収集部210と、記憶部220と、判定部230と、送信部240とを備えている。
【0050】
収集部210は、端末から入力された回答情報、ユーザ情報を取得する。また、収集部210は、ユーザ情報のうちユーザの居住地に関する情報の入力がない場合又は入力があった場合であっても、端末のGPS(Global Positioning System)情報を読み取るようにしても良い。
【0051】
判定部230は、ユーザによる質問情報への回答情報と、記憶部220に記憶されているデータに基づいて、ユーザの片頭痛症状の原因が光に基づくものである可能性があるか否かを判定し、出力する。
具体的には、判定部230は、ユーザの片頭痛症状の原因が光に基づくものである可能性があると判定した場合には、その判定結果を出力する。そして、記憶部220に記憶されるレンズ情報からユーザの片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズとして、480nm付近の光を選択的にカットする眼用レンズを決定し、送信部240により端末に出力する。
【0052】
また、判定部230は、ユーザの片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズを決定し、出力する際に、ユーザの居住地に関する情報と、記憶部220に記憶されている販売店情報とに基づいて、ユーザの片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズを販売する店舗の候補を決定する。そして、決定結果を送信部240により端末100に出力する。決定される候補は、ユーザの居住地又は勤務先などの近くに存在する店舗であることが好適である。
【0053】
ここで、ユーザの片頭痛症状の原因が光に基づくものである可能性があるか否かの判定は、図3に示す質問情報毎の回答情報が、1つでも「はい」である場合に、ユーザの片頭痛症状の原因が光に基づくものである可能性があると判定するようにしている。
【0054】
なお、ユーザの片頭痛症状の原因が光に基づくものである可能性があるか否かの判定は、図3に示す質問情報の回答情報が、1つでも「はい」である場合に、ユーザの片頭痛症状の原因が光に基づくものである可能性があると判定するようにしている場合に限定されず、質問ごとに重み付けを設定しても良い。例えば、質問1~質問3は、回答情報が1つでも「はい」である場合に、ユーザの片頭痛症状の原因が光に基づくものである可能性があると判定し、質問4と質問5とは、回答情報が両方とも「はい」である場合に、ユーザの片頭痛症状の原因が光に基づくものである可能性があると判定するなどとしても良い。また、質問1~質問3のいずれかの回答情報が「はい」であっても場合に、質問4又は質問5の回答情報が「はい」である場合にのみ、ユーザの片頭痛症状の原因が光に基づくものである可能性があると判定するなどとしても良い。
【0055】
送信部240は、識別情報が割り当てられている端末100に、当該識別情報について判定部230により判定された結果として、眼用レンズに関する情報や、当該眼用レンズを販売する店舗の候補に関する情報を送信するものである。
かかる送信された眼用レンズに関する情報や、当該眼用レンズを販売する店舗の候補に関する情報が端末100のインターフェースにより表示される。
ここで、表示される販売する店舗の候補は、例えば、ユーザの居住地に近い順に表示されることが好適である。
【0056】
つぎに、図4A図4Hを用いて、端末のインターフェースの画面の一例について説明する。図4A図4Hに示すように、端末のインターフェースは、ユーザによる各項目の入力が可能なタッチパネルなどのインターフェースである。
【0057】
図4Aに示すインターフェース画面では、「片頭痛があるか」という質問について肯定的である「はい」又は否定的である「いいえ」の選択が可能となっている。ユーザにより「いいえ」が選択された場合は、ユーザ情報からパソコン(Personal Computer)を使用する生活をしている場合などに応じて、レンズ情報から、460nm付近の光を選択的にカットする眼用レンズを推奨する画面などを表示する。一方、図4Aに示すように「はい」が選択された場合は、図4Bのインターフェース画面に遷移する。ここで、図面上では選択されている項目を白抜き文字で表している。
【0058】
図4Bに示すインターフェース画面では、質問情報のうち、質問1が「片頭痛症状がある際に、光が片頭痛症状を悪化させることがあるか」と表示され、ユーザにより肯定的である「はい」又は否定的である「いいえ」の選択がされる。この際に、記憶部220に回答情報が記憶される。本例では、ユーザにより「いいえ」が選択された場合について説明するが、「はい」が選択された場合であっても「いいえ」が選択された場合と同様に、図4Cのインターフェース画面に遷移する。
【0059】
図4Cに示すインターフェース画面では、質問情報のうち、質問2が「片頭痛症状がある際に、光が眼の内部や周辺に痛みを生じさせることがあるか」と表示され、ユーザにより肯定的である「はい」又は否定的である「いいえ」の選択がされる。この際に、記憶部220に回答情報が記憶される。本例では、ユーザにより「はい」が選択された場合について説明する。そして、次の図4Dのインターフェース画面に遷移する。
【0060】
図4Dに示すインターフェース画面では、質問情報のうち、質問3が「片頭痛症状がある際に、光を眩しく感じたり不快と感じたりすることがあるか」と表示され、ユーザにより肯定的である「はい」又は否定的である「いいえ」の選択がされる。この際に、記憶部220に回答情報が記憶される。本例では、ユーザにより「はい」が選択された場合について説明する。そして、次の図4Eのインターフェース画面に遷移する。
【0061】
図4Eに示すインターフェース画面では、質問情報のうち、質問4が「光が片頭痛症状を引き起こすことがあるか」と表示され、ユーザにより肯定的である「はい」又は否定的である「いいえ」の選択がされる。この際に、記憶部220に回答情報が記憶される。本例では、ユーザにより「はい」が選択された場合について説明する。そして、次の図4Fのインターフェース画面に遷移する。
【0062】
図4Fに示すインターフェース画面では、質問情報のうち、質問5が「片頭痛が生じるまでの間に光に敏感となることがあるか」と表示され、ユーザにより肯定的である「はい」又は否定的である「いいえ」の選択がされる。この際に、記憶部220に回答情報が記憶される。本例では、ユーザにより「いいえ」が選択された場合について説明する。そして、次の図4Gのインターフェース画面に遷移する。
【0063】
図4Gに示すインターフェース画面では、判定部230により判定された結果の「光過敏性片頭痛患者向けのレンズをおすすめします」などの表示と共に、ユーザの居住地に関する情報に基づいて、ユーザの片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズを販売する店舗の候補の一覧が表示される。
【0064】
また、質問1~質問5の全ての回答情報が否定的である「いいえ」であった場合は、図4Fに示すインターフェース画面から、図4Gに示すインターフェース画面ではなく、図4Hに示すインターフェース画面に遷移する。
図4Hに示すインターフェース画面では、デジタルデバイスユーザ向けの460nm付近の光を選択的にカットする眼用レンズを推奨する「ブルーライトカットレンズをおすすめします」などの表示と共に、ユーザの居住地に関する情報に基づいて、当該眼用レンズを販売する店舗の候補の一覧が表示される。
【0065】
ここで、上述したように、ユーザの片頭痛症状の原因が光に基づくものである可能性があるか否かの判定は、図に示す質問情報の回答情報が、1つでも肯定的である「はい」である場合に、ユーザの片頭痛症状の原因が光に基づくものである可能性があると判定するようにしている。そのため、質問1~質問5までの回答の途中で、「はい」が選択された場合は、その段階で質問の表示を終了し、図4Gのインターフェース画面に遷移しても良い。
【0066】
また、質問の表示は、図4B図4Fに示すようなインターフェース画面に限定されず、例えば、質問1~質問5までを同時に表示するようにしても良い。
【0067】
<第一の実施形態に係る作用>
【0068】
図5は、頭痛原因判定装置200によって実行される処理ルーチンの一例を示す図である。図5を参照して、頭痛原因判定装置200の作用を説明する。
【0069】
ステップS100では、収集部210により、端末100のインターフェース画面により入力されたユーザ情報を収集する。ユーザ情報の取得後、次のステップS102に進む。
【0070】
ステップS102では、片頭痛症状を有するユーザであるか否かの質問を端末100のインターフェース画面に表示させる(図4A参照)。そして、次のステップS104に進む。
【0071】
ステップS104では、収集部210により、上述したステップS102で表示された質問への回答を収集し、当該回答情報が「はい」、すなわち、片頭痛症状を有するユーザであるか否かが判定され、片頭痛症状を有するユーザである場合は、次のステップS106に進む。
【0072】
ステップS106では、5つの質問が端末100のインターフェース画面に表示される(図4B図4C図4D図4E図4F参照)。そして、次のステップS108に進む。
【0073】
ステップS108では、5つの質問に全て回答されたか否かが判定される。5つの質問に全て回答されたと判定された場合は、次のステップS110に進み、5つの質問に全て回答されたと判定されない場合は、ステップS106の処理を継続する。
【0074】
ステップS110では、収集部210により、ステップS106で表示された質問情報への回答情報を収集し、当該回答情報のうち、1つでも「はい」の回答があるか否かが判定される。1つでも「はい」の回答がある場合は、次のステップS112に進む。
【0075】
ステップS112では、光過敏性片頭痛患者向け眼用レンズを推奨する結果と、ユーザ情報に基づいた当該眼用レンズを販売する店舗の候補とを表示する(図4G参照)。そして、処理を終了する。
【0076】
一方、上述したステップS104において、片頭痛症状を有するユーザではないと判定された場合は、ステップS114に進み、ユーザ情報に基づいて、光過敏性片頭痛患者向け眼用レンズ以外の眼用レンズを推奨する結果と、当該眼用レンズを販売する店舗の候補とを表示する(図4H参照)。また、ステップS110において、1つでも「はい」の回答があると判定されない場合は、同様にステップS114に進み、光過敏性片頭痛患者向け眼用レンズ以外の眼用レンズを推奨する結果と、当該眼用レンズを販売する店舗の候補とを表示する(図4H参照)。そして、処理を終了する。
【0077】
以上説明したように、第一の実施形態に係る頭痛原因判定システム10によれば、複数の質問への回答を考慮して、ユーザの片頭痛症状の原因が光によるものであるかを判定することができる。そして、当該ユーザに推奨される眼用レンズと当該眼用レンズを販売する店舗とを提示することができる。
【0078】
<第二の実施形態に係るシステム構成>
【0079】
第二の実施形態について図6A図6Bを用いて説明する。上述した第一の実施形態では、質問1~質問5のうち、1つでも「はい」が選択された場合は、ユーザの片頭痛症状の原因が光に基づくものである可能性があると判定し、ユーザの片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズを決定するようにしている。第二の実施形態は、質問情報への回答情報を「はい」又は「いいえ」を選択させるのではなく、質問への自覚症状の合致のレベルを選択させることでポイント化し、ポイントが所定の閾値を超える場合に、ユーザの片頭痛症状の原因が光に基づくものである可能性があると判定し、ユーザの片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズを決定するようにするものである。
【0080】
上述した第1の実施の形態と異なる部分を中心に説明し、重複する部分については説明を簡略又は省略する。
【0081】
図6Aは、質問情報と、回答情報と示す図である。具体的には、質問情報が、質問1「片頭痛症状がある際に、光が片頭痛症状を悪化させることがあるか」である場合に、回答の候補として「はい」又は「いいえ」ではなく、「レベル1」~「レベル5」がインターフェース画面に表示され、ユーザが、自覚症状に基づいて「レベル1」~「レベル5」のいずれかを選択することとなる。そして、例えば、「レベル5」には「4ポイント」が、「レベル4」には「3ポイント」が、「レベル3」には「2ポイント」が、「レベル2」には「1ポイント」が、「レベル1」には「0ポイント」が、それぞれ設定されている。本例では、「レベル5」が選択されたものとして説明する。このため、「4ポイント」が回答情報として記憶部220に記憶される(図6B参照)。
なお、図6Aにおける回答情報の「○(丸)」が付いている欄が、ユーザにより選択されたものであることを示している。
【0082】
また、質問2「片頭痛症状がある際に、光を眩しく感じたり不快と感じたりすることがあるか」である場合に、回答の候補として「レベル1」~「レベル5」がインターフェース画面に表示され、ユーザが、自覚症状に基づいて「レベル1」~「レベル5」のいずれかを選択する。そして、例えば、「レベル5」には「4ポイント」が、「レベル4」には「3ポイント」が、「レベル3」には「2ポイント」が、「レベル2」には「1ポイント」が、「レベル1」には「0ポイント」が、それぞれ設定されている。本例では、「レベル1」が選択されたものとして説明する。このため、「0ポイント」が回答情報として記憶部220に記憶される(図6B参照)。
【0083】
また、質問3「片頭痛症状がある際に、光が眼の内部や周辺に痛みを生じさせることがあるか」である場合に、回答の候補として「レベル1」~「レベル5」がインターフェース画面に表示され、ユーザが、自覚症状に基づいて「レベル1」~「レベル5」のいずれかを選択する。そして、例えば、「レベル5」には「4ポイント」が、「レベル4」には「3ポイント」が、「レベル3」には「2ポイント」が、「レベル2」には「1ポイント」が、「レベル1」には「0ポイント」が、それぞれ設定されている。本例では、「レベル2」が選択されたものとして説明する。このため、「1ポイント」が回答情報として記憶部220に記憶される(図6B参照)。
【0084】
また、質問4「光が片頭痛症状を引き起こすことがあるか」である場合に、回答の候補として「レベル1」~「レベル5」がインターフェース画面に表示され、ユーザが、自覚症状に基づいて「レベル1」~「レベル5」のいずれかを選択する。そして、例えば、「レベル5」には「4ポイント」が、「レベル4」には「3ポイント」が、「レベル3」には「2ポイント」が、「レベル2」には「1ポイント」が、「レベル1」には「0ポイント」が、それぞれ設定されている。本例では、「レベル4」が選択されたものとして説明する。このため、「3ポイント」が回答情報として記憶部220に記憶される(図6B参照)。
【0085】
また、質問5「片頭痛が生じるまでの間に光に敏感となることがあるか」である場合に、回答の候補として「レベル1」~「レベル5」がインターフェース画面に表示され、ユーザが、自覚症状に基づいて「レベル1」~「レベル5」のいずれかを選択する。そして、例えば、「レベル5」には「4ポイント」が、「レベル4」には「3ポイント」が、「レベル3」には「2ポイント」が、「レベル2」には「1ポイント」が、「レベル1」には「0ポイント」が、それぞれ設定されている。本例では、「レベル4」が選択されたものとして説明する。このため、「3ポイント」が回答情報として記憶部220に記憶される(図6B参照)。
【0086】
判定部230は、記憶部220に記憶されている回答情報のポイントを計数し、合計のポイントを算出する。本例では、図6Bに示すように、「11」ポイントとなる。そして、所定の閾値、例えば、「10ポイント」以上であるか否かが判定され、本例では、「10ポイント」以上であるため、ユーザの片頭痛症状の原因が光に基づくものである可能性があると判定し、ユーザの片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズを決定する。
【0087】
なお、質問1~質問5の全てにおいて、レベルとポイントとが同じに設定されているが、これに限定されず、質問1~質問3については、例えば、「レベル5」では「10ポイント」、「レベル4」では「9ポイント」となるように、質問4や質問5に比べ、ポイントの配分を高く設定しても良い。
【0088】
また、所定の閾値は、「10ポイント」に限定されず、他のポイントでも良いし、又、所定の閾値は、ユーザ情報によって増減しても良い。これは、特に20代から40代の女性は、片頭痛症状を有しやすいことが分かっており、このようなユーザの場合は、他のユーザに比べ、所定の閾値を低いポイントにするようにしても良い。
【0089】
また、判定部230は、回答情報を元にポイントを計数して、ユーザの片頭痛症状の原因が光に基づくものである可能性があると判定する場合に限定されない。例えば、回答情報の重みと、過去の他のユーザなどの正解データとを学習データとして学習された学習済みモデルに対して、回答情報を入力して、ユーザの片頭痛症状の原因が光に基づくものである可能性があると判定するようにしても良い。
【0090】
以上説明したように、第二の実施形態に係る頭痛原因判定システム10によれば、複数の質問への回答を考慮して、ユーザの片頭痛症状の原因が光によるものであるかを判定することができる。そして、当該ユーザに推奨される眼用レンズと当該眼用レンズを販売する店舗とを提示することができる。
【0091】
<第三の実施形態に係るシステム構成>
【0092】
第三の実施形態について図7A図7Bを用いて説明する。上述した第一の実施形態では、質問1~質問5のうち、1つでも「はい」が選択された場合は、ユーザの片頭痛症状の原因が光に基づくものである可能性があると判定し、ユーザの片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズを決定するようにしている。第三の実施形態は、質問情報への回答情報として「はい」又は「いいえ」を選択させるのではなく、質問への自覚症状の頻度を選択させることでポイント化し、ポイントが所定の閾値を超える場合に、ユーザの片頭痛症状の原因が光に基づくものである可能性があると判定し、ユーザの片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズを決定するようにするものである。
【0093】
上述した第一の実施形態と異なる部分を中心に説明し、重複する部分については説明を簡略又は省略する。
【0094】
図7Aは、質問情報と、回答情報と示す図である。具体的には、質問情報が、質問1「片頭痛症状がある際に、光が片頭痛症状を悪化させることがあるか」である場合に、回答の候補として「はい」又は「いいえ」ではなく、「よくある」、「ときどきある」、「たまにある」、「ほとんどない」、「ない」がインターフェース画面に表示され、ユーザが、自覚症状に基づいて「よくある」、「ときどきある」、「たまにある」、「ほとんどない」、「ない」のいずれかを選択することとなる。そして、例えば、「よくある」には「4ポイント」が、「ときどきある」には「3ポイント」が、「たまにある」には「2ポイント」が、「ほとんどない」には「1ポイント」が、「レベル1」には「0ポイント」が、それぞれ設定されている。本例では、「ほとんどない」が選択されたものとして説明する。このため、「1ポイント」が回答情報として記憶部220に記憶される(図7B参照)。
なお、図7Aにおける回答情報の「○(丸)」が付いている欄が、ユーザにより選択されたものであることを示している。
【0095】
また、質問2「片頭痛症状がある際に、光を眩しく感じたり不快と感じたりすることがあるか」である場合に、回答の候補として「よくある」、「ときどきある」、「たまにある」、「ほとんどない」、「ない」がインターフェース画面に表示され、ユーザが、自覚症状に基づいて「よくある」、「ときどきある」、「たまにある」、「ほとんどない」、「ない」のいずれかを選択する。そして、例えば、「よくある」には「4ポイント」が、「ときどきある」には「3ポイント」が、「たまにある」には「2ポイント」が、「ほとんどない」には「1ポイント」が、「レベル1」には「0ポイント」が、それぞれ設定されている。本例では、「ない」が選択されたものとして説明する。このため、「0ポイント」が回答情報として記憶部220に記憶される(図7B参照)。
【0096】
また、質問3「片頭痛症状がある際に、光が眼の内部や周辺に痛みを生じさせることがあるか」である場合に、回答の候補として「よくある」、「ときどきある」、「たまにある」、「ほとんどない」、「ない」がインターフェース画面に表示され、ユーザが、自覚症状に基づいて「よくある」、「ときどきある」、「たまにある」、「ほとんどない」、「ない」のいずれかを選択する。そして、例えば、「よくある」には「4ポイント」が、「ときどきある」には「3ポイント」が、「たまにある」には「2ポイント」が、「ほとんどない」には「1ポイント」が、「レベル1」には「0ポイント」が、それぞれ設定されている。本例では、「ほとんどない」が選択されたものとして説明する。このため、「1ポイント」が回答情報として記憶部220に記憶される(図7B参照)。
【0097】
また、質問4「光が片頭痛症状を引き起こすことがあるか」である場合に、回答の候補として「よくある」、「ときどきある」、「たまにある」、「ほとんどない」、「ない」がインターフェース画面に表示され、ユーザが、自覚症状に基づいて「よくある」、「ときどきある」、「たまにある」、「ほとんどない」、「ない」のいずれかを選択する。そして、例えば、「よくある」には「4ポイント」が、「ときどきある」には「3ポイント」が、「たまにある」には「2ポイント」が、「ほとんどない」には「1ポイント」が、「レベル1」には「0ポイント」が、それぞれ設定されている。本例では、「ときどきある」が選択されたものとして説明する。このため、「3ポイント」が回答情報として記憶部220に記憶される(図7B参照)。
【0098】
また、質問5「片頭痛が生じるまでの間に光に敏感となることがあるか」である場合に、回答の候補として「よくある」、「ときどきある」、「たまにある」、「ほとんどない」、「ない」がインターフェース画面に表示され、ユーザが、自覚症状に基づいて「よくある」、「ときどきある」、「たまにある」、「ほとんどない」、「ない」のいずれかを選択する。そして、例えば、「よくある」には「4ポイント」が、「ときどきある」には「3ポイント」が、「たまにある」には「2ポイント」が、「ほとんどない」には「1ポイント」が、「レベル1」には「0ポイント」が、それぞれ設定されている。本例では、「ときどきある」が選択されたものとして説明する。このため、「3ポイント」が回答情報として記憶部220に記憶される(図7B参照)。
【0099】
判定部230は、記憶部220に記憶されている回答情報のポイントを計数し、合計のポイントを算出する。本例では、図7Bに示すように、「8」ポイントとなる。そして、所定の閾値、例えば、「10ポイント」以上であるか否かが判定される。本例では、「10ポイント」以上ではないため、ユーザの片頭痛症状の原因が光に基づくものである可能性があるとは判定されない。そのため、ユーザの片頭痛症状を予防または低減するために使用することが推奨される眼用レンズではなく、デジタルデバイスユーザ向けの460nm付近の光を選択的にカットする眼用レンズを推奨することが決定される。
【0100】
なお、質問1~質問5の全てにおいて、自覚症状の頻度とポイントとが同じに設定されているが、これに限定されない。質問1~質問3については、例えば、「よくある」では「10ポイント」、「ときどきある」では「9ポイント」となるように、質問4や質問5に比べ、ポイントの配分を高く設定しても良い。
【0101】
また、所定の閾値は、「10ポイント」に限定されず、他のポイントでも良いし、又、所定の閾値は、ユーザ情報によって増減しても良い。これは、特に20代から40代の女性は、片頭痛症状を有しやすいことが分かっており、このようなユーザの場合は、他のユーザに比べ、所定の閾値を低いポイントにするようにしても良い。
【0102】
また、判定部230は、回答情報を元にポイントを計数して、ユーザの片頭痛症状の原因が光に基づくものである可能性があると判定する場合に限定されない。例えば、回答情報の重みと、過去の他のユーザなどの正解データとを学習データとして学習された学習済みモデルに対して、回答情報を入力して、ユーザの片頭痛症状の原因が光に基づくものである可能性があると判定するようにしても良い。
【0103】
以上説明したように、第三の実施形態に係る頭痛原因判定システム10によれば、複数の質問への回答を考慮して、ユーザの片頭痛症状の原因が光によるものであるかを判定することができる。そして、当該ユーザに推奨される眼用レンズと当該眼用レンズを販売する店舗とを提示することができる。
【0104】
<第四の実施形態に係るシステム構成>
【0105】
第四の実施形態について図8を用いて説明する。
図8は、第四の実施形態の頭痛原因判定装置300のシステム構成を示すブロック図である。図8に示す構成の頭痛原因判定装置300は、取得部310と、記憶部220と、判定部230と、表示部320とを有する。
【0106】
上述した第一の実施形態では、収集部210によって複数の端末から送信されるユーザ情報や回答情報を収集し、判定部230により判定された結果を端末に出力するものである。第四の実施形態は、取得部310がユーザ情報は回答情報を取得し、判定部230により判定された結果を表示部320に表示させるようにするものである。
【0107】
上述した第一の実施形態~第三の実施形態と異なる部分を中心に説明し、重複する部分については説明を簡略又は省略する。
【0108】
図8に示す頭痛原因判定装置の取得部310は、頭痛原因判定装置300に接続された入力装置、例えば、タッチパネル(図4A図4H参照)などから入力されたユーザ情報と回答情報とを取得し、記憶部220に記憶させる。
【0109】
図8に示す頭痛原因判定装置300の記憶部220と、判定部230とは、第一の実施形態と同様の機能を有する。
【0110】
図8に示す頭痛原因判定装置300の表示部320は、例えば、液晶ディスプレイであり、CPUの制御に基づき各種の情報を表示する。第四の実施形態では、表示部320は、判定部230により判定された結果として、眼用レンズに関する情報や、当該眼用レンズを販売する店舗の候補を表示する。また、表示部320は、タッチパネル方式を採用して、入力装置として機能しても良い。
【0111】
以上説明したように、第四の実施形態に係る頭痛原因判定システム10によれば、複数の質問への回答を考慮して、ユーザの片頭痛症状の原因が光によるものであるかを判定することができる。そして、当該ユーザに推奨される眼用レンズと当該眼用レンズを販売する店舗とを提示することができる。
【0112】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【0113】
例えば、本願明細書中において、プログラムが予めインストールされている実施形態として説明したが、当該プログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して提供することも可能である。
【0114】
また、医師や眼用レンズを販売する店舗の店員などが、ユーザの頭痛症状に関する質問情報を出力し、質問情報への回答情報を取得し、取得された回答情報に基づいて、前記ユーザの片頭痛症状の原因が光に基づくものである可能性があるか否かを判定するようにしても良い。
【0115】
2020年7月17日に出願された日本国特許出願2020-123104の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
【0116】
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8