(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-07
(45)【発行日】2025-04-15
(54)【発明の名称】バーリング部材の製造方法
(51)【国際特許分類】
B21D 19/08 20060101AFI20250408BHJP
B21D 28/24 20060101ALI20250408BHJP
B21C 37/29 20060101ALI20250408BHJP
B21D 28/28 20060101ALI20250408BHJP
【FI】
B21D19/08 D
B21D28/24 Z
B21C37/29 B
B21D28/28
(21)【出願番号】P 2023113834
(22)【出願日】2023-07-11
【審査請求日】2024-07-08
(73)【特許権者】
【識別番号】391002498
【氏名又は名称】フタバ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】泉川 大輔
(72)【発明者】
【氏名】若山 実久人
【審査官】豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】特開昭57-028632(JP,A)
【文献】特開2014-193478(JP,A)
【文献】特開2021-087960(JP,A)
【文献】特開昭58-053330(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 19/08
B21D 28/24 - 28/28
B21C 37/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーリング部材の製造方法であって、
軸線に直交する断面が湾曲した板状の湾曲部の内周面を、第1方向に押圧することで、前記湾曲部における第1穴を囲む縁部から前記第1方向に沿って突出する側壁と、前記側壁の先端から広がる座面とを形成することと、
前記座面を貫通する円形状の第2穴を形成すると共に、前記第1穴の前記縁部から前記第1方向に沿って突出し、前記第1穴を囲む壁状の部位であるバーリング部を形成することと、を備え、
前記湾曲部の前記断面の延びる方向を、周方向とし、
前記座面におけるその外縁の周辺の部分を、外縁部とし、
前記座面は、前記周方向の各端部の周辺に位置する2つの頂部を有し、
前記座面は、それぞれの前記頂部から前記周方向の略中央に向かうに従い、座面高さが小さくなるように傾斜
すると共に、前記外縁部は、それぞれの前記頂部から、前記座面の外縁に沿って前記軸線の方向の端部に向かうに従い、前記座面高さが低くなるように傾斜し、さらに、前記座面は、前記周方向に視認すると、前記第1方向に突出するように湾曲し、
前記座面高さとは、前記座面と基準面との間の前記第1方向の長さであり、前記基準面とは、前記第1方向に直交し、且つ、前記座面よりも前記内周面側に位置する仮想的な面であ
り、
前記バーリング部材の製造方法には、内側金型が用いられ、
前記内側金型は、前記座面に対応する形状を有する押圧面を有し、
前記座面の前記頂部は、前記内側金型の前記押圧面が前記湾曲部の前記内周面に当接することで形成される
バーリング部材の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載のバーリング部材の製造方法であって、
前記第2穴は、前記座面を、前記第1方向とは反対の方向である第2方向に押圧することで形成される
バーリング部材の製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載のバーリング部材の製造方法であって、
前記バーリング部材の製造方法には、内側金型と、外側金型とが用いられ、
前記内側金型は、前記外側金型が進入可能な穴部と、前記穴部を囲む外縁部押圧面とを有し、
前記内側金型の前記外縁部押圧面により、前記湾曲部の前記内周面を前記第1方向に押圧することで、前記座面と、前記座面における2つの前記頂部とが形成され、
前記内側金型の前記外縁部押圧面により、前記湾曲部の前記内周面における前記座面の反対側の部分を支持しつつ、前記外側金型により前記座面を押圧し、前記外側金型を前記内側金型の前記穴部に向けて変位させることで、前記第2穴が形成される
バーリング部材の製造方法。
【請求項4】
請求項2に記載のバーリング部材の製造方法であって、
前記バーリング部材の製造方法には、内側金型と、外側金型とが用いられ、
前記内側金型は、前記外側金型が進入可能な穴部と、前記穴部を囲む外縁部押圧面とを有し、
前記内側金型の前記外縁部押圧面により、前記湾曲部の前記内周面を前記第1方向に押圧することで、前記座面が形成され、
前記内側金型の前記外縁部押圧面により、前記湾曲部の前記内周面における前記座面の反対側の部分を支持しつつ、前記外側金型により前記座面を押圧することで、前記座面における2つの前記頂部が形成され、さらに、前記外側金型を前記内側金型の前記穴部に向けて変位させることで、前記第2穴が形成される
バーリング部材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、バーリング部材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属の板材にバーリングを行うことで、板材の穴部を囲み、且つ、該穴部の縁部から突出する壁部(以後、バーリング部)を形成する技術が知られている。一例として、特許文献1に開示されている技術では、金型により金属の平板を押圧して座出しを行い、有底円筒形状の円筒部を形成した後、円筒部の底面(以後、座面)の中央を貫通する円形の下穴を形成することで、バーリングが行われる。
【0003】
しかし、バーリングにより、円筒形状のパイプの外周面からパイプの径方向に突出するバーリング部を形成する場合、バーリング部における径方向の長さ(以後、高さ)は一定ではなくなる場合がある。すなわち、バーリング部の頂部がパイプの軸線に平行な平面に沿って形成されている場合には、パイプの外周面は湾曲しているため、バーリング部は、パイプの周方向の中央から端部に向かうに従い高くなる。そして、このようなバーリング部を形成する場合には、バーリング部におけるパイプの軸線方向の端部周辺の部分(以後、周端部分)で割れが生じる恐れがあり、さらに、バーリング部が高くなるに従い、このような割れが生じる可能性が高くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これを回避するため、パイプの外周面に座出しを行い、外周面から径方向に突出する円形の座面を形成すると共に、該座面に対し、長軸の方向がパイプの軸線の方向と一致する楕円形の下穴を形成することで、バーリングを行うことが考えられる。これにより、下穴が形成された座面におけるパイプの周方向の端部周辺の部分は、相対的に幅広になるため、バーリングの際に周端部分で割れが生じるのを抑制できる。
【0006】
しかし、その反面、下穴の縁部における長軸の各端部の周辺(以後、小R部)は、曲率が高くなる。このため、バーリングの際には、座面における小R部の周辺に応力が集中し、割れが生じる恐れがある。
【0007】
本開示の一態様では、湾曲した部材に対し良好にバーリングを行うことが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様は、バーリング部材の製造方法であって、軸線に直交する断面が湾曲した板状の湾曲部の内周面を、第1方向に押圧することで、湾曲部における第1穴を囲む縁部から第1方向に沿って突出する側壁と、側壁の先端から広がる座面とを形成することと、座面を貫通する円形状の第2穴を形成すると共に、第1穴の縁部から第1方向に沿って突出し、第1穴を囲む壁状の部位であるバーリング部を形成することと、を備える。湾曲部の断面の延びる方向を、周方向とする。座面におけるその外縁の周辺の部分を、外縁部とする。座面は、周方向の各端部の周辺に位置する2つの頂部を有する。また、座面は、それぞれの頂部から周方向の略中央に向かうに従い、座面高さが小さくなるように傾斜し、座面高さとは、座面と基準面との間の第1方向の長さであり、基準面とは、第1方向に直交し、且つ、座面よりも内周面側に位置する仮想的な面である。
【0009】
上記構成によれば、座面における2つの頂部により、バーリング部の形成時にバーリング部における周方向の端部周辺の部分で割れが生じるのを抑制できるため、第2穴の形状を円に近づけることができる。これにより、第2穴の外縁の曲率が部分的に高くなるのを抑制でき、バーリング部を形成する際に割れが生じるのをさらに抑制できる。したがって、湾曲した部材に対し良好にバーリングを行うことができる。
【0010】
本開示の一態様では、第2穴は、座面を、第1方向とは反対の方向である第2方向に押圧することで形成されてもよい。
上記構成によれば、バーリング部を形成する際に割れが生じるのを抑制できる。
【0011】
本開示の一態様では、バーリング部材の製造方法には、内側金型と、外側金型とが用いられてもよい。内側金型は、穴部と、外縁部押圧面とを有してもよい。穴部は、外側金型が進入可能である。外縁部押圧面は、穴部を囲む。内側金型の外縁部押圧面により、湾曲部の内周面を第1方向に押圧することで、座面と、座面における2つの頂部とが形成されてもよい。また、内側金型の外縁部押圧面により、湾曲部の内周面における座面の反対側の部分を支持しつつ、外側金型により座面を押圧し、外側金型を内側金型の穴部に向けて変位させることで、第2穴が形成されてもよい。
【0012】
上記構成によれば、湾曲した部材に対し、良好にバーリングを行うことができる。
本開示の一態様では、バーリング部材の製造方法には、内側金型と、外側金型とが用いられてもよい。内側金型は、穴部と、外縁部押圧面とを有してもよい。穴部は、外側金型が進入可能である。外縁部押圧面は、穴部を囲む。内側金型の外縁部押圧面により、湾曲部の内周面を第1方向に押圧することで、座面が形成されてもよい。また、内側金型の外縁部押圧面により、湾曲部の内周面における座面の反対側の部分を支持しつつ、外側金型により座面を押圧することで、座面における2つの頂部が形成され、さらに、外側金型を内側金型の穴部に向けて変位させることで、第2穴が形成されてもよい。
【0013】
上記構成によれば、湾曲した部材に対し、良好にバーリングを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】軸線の方向に視認した、第1実施形態の座出しの開始前の湾曲部、内側金型、外側金型、内側横型、及び外側横型の説明図である。
【
図3】軸線の方向に視認した、第1実施形態の座出しの際の湾曲部、内側金型、外側金型、内側横型、及び外側横型の説明図である。
【
図4】周方向に視認した、第1実施形態の座出しの際の湾曲部及び内側金型の説明図である。
【
図7】軸線の方向に視認した、第1実施形態の穴抜きの際の湾曲部、内側金型、外側金型、内側横型、及び外側横型の説明図である。
【
図8】第1実施形態における第2穴が形成された座面の正面図である。
【
図9】軸線の方向に視認した、第1実施形態におけるバーリングの際の湾曲部、内側金型、外側金型、内側横型、及び外側横型の説明図である。
【
図10】軸線の方向に視認した、第2実施形態の座出しの際の湾曲部、内側金型、外側金型、内側横型、及び外側横型の説明図である。
【
図11】軸線の方向に視認した、第2実施形態の穴抜きの際の湾曲部、内側金型、外側金型、内側横型、及び外側横型の説明図である。
【
図15】軸線の方向に視認した、第3実施形態の座出しの際の湾曲部、ダイ、座出しパンチ、及びパッドの説明図である。
【
図16】軸線の方向に視認した、第3実施形態の穴抜きの際の湾曲部、穴抜きパンチ、穴抜きダイ、パッド、及びダイの説明図である。
【
図17】軸線の方向に視認した、第3実施形態の穴抜きの際の湾曲部、穴抜きパンチ、穴抜きダイ、パッド、及びダイの説明図である。
【
図18】軸線の方向に視認した、第3実施形態のバーリングの際の湾曲部、外側ダイ、内側パンチ、及びパッドの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本開示の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0016】
[1.第1実施形態]
[(1)概要]
第1実施形態における製造方法では、車両に搭載されるマフラのシェル1が製造される(
図1参照)。シェル1は、板状の部材を湾曲させることで形成された筒状の部材であり、軸線Aに沿って延び、軸線Aに直交する断面(以後、単に断面と記載)は楕円形状となっている。シェル1の両端には、エンドプレートが接合され、シェル1の内部には消音空間が形成される。
【0017】
シェル1は、バーリング部材としての構成を有し、当該シェル1を貫通するバーリング穴14と、シェル1の外周面12におけるバーリング穴14を囲む縁部から外側に突出し、バーリング穴14を囲む壁状の部位であるバーリング部13を有する。より詳しくは、バーリング部13は、シェル1における断面が湾曲した部分である湾曲部10に位置する。また、バーリング部13は、一例として、楕円形状の該断面における長径方向の端部の付近に位置する。
【0018】
第1実施形態のシェル1の製造方法は、座出しと、穴抜きと、バーリングとを含む複数の工程を有し、これらの工程によりシェル1の湾曲部10にバーリング部13が形成される。なお、湾曲部10の板厚は、適宜定められ、板厚が薄いほど座出しの際に湾曲部10が変形し易くなる。また、湾曲部10は、複数の板材を積層した構成(一例として、二重巻き)であってもよい。
【0019】
なお、本製造方法は、断面が湾曲した板状の部分である湾曲部にバーリング部を有する様々な用途のバーリング部材の製造に適用できる。具体的には、バーリング部材とは、例えば、車両の排気管であってもよいし、排気管以外の車載部品であってもよいし、車両に搭載されない部品であってもよい。
【0020】
[(2)金型について]
座出し、穴抜き、及びバーリングは、一例として、内側金型3、外側金型4、内側横型5、及び外側横型6を用いて行われる(
図2~7,9参照)。
【0021】
内側横型5は、シェル1の内周面11におけるバーリング部13が形成される部分以外の部分に当接するよう構成される(
図2,3,7,9参照)。内側横型5には、内側金型3を配置するための円柱状の配置空間50が設けられる。
【0022】
外側横型6は、シェル1の外周面12におけるバーリング部13が形成される部分以外の部分に当接するよう構成される(
図2,3,7,9参照)。外側横型6には、内側金型3及び外側金型4を配置するための円柱状の配置空間60が設けられる。
【0023】
内側金型3は、円筒状の金型であり、内側金型3の端部にてシェル1の湾曲部10の内周面11を押圧するよう構成される(
図2~7,9参照)。内側金型3は、外縁部押圧面30と、穴部33とを備える。
【0024】
外縁部押圧面30は、内側金型3における湾曲部10を押圧する端部の外縁の周辺に位置する帯状に延びる面であり、穴部33を囲むように端部の外縁に沿って延びる。
穴部33は、内側金型3の上記端部に形成されており、円筒状の内側金型3の内部空間に連通する。外側金型4は、穴部33の内部に進入可能となっている。
【0025】
外側金型4は、円柱状の金型であり、端部に位置する押圧面40にてシェル1の湾曲部10の外周面12を押圧する(
図2,3,7,9参照)。なお、押圧面40は、外側金型4の伸長方向に略直交する略平面となっている。
【0026】
[(3)座出し]
座出しでは、上述した金型によりシェル1の湾曲部10の内周面11を押圧することで、有底円筒形状の座出し部2が形成される(
図2~4参照)。
【0027】
座出しでは、まず、内側横型5と外側横型6とにより、シェル1を固定する。具体的には、内側横型5は、シェル1の内側に配置され、内周面11におけるバーリング部13が形成される部分の周辺に当接し、外側横型6は、シェル1の外側に配置され、外周面12におけるバーリング部13が形成される部分の周辺に当接する。そして、内側横型5と外側横型6とによりシェル1を挟持することで、シェル1を固定する(
図2参照)。
【0028】
なお、この時、一例として、内側横型5は下側に配置されると共に、外側横型6は上側に配置される。しかし、これに限らず、内側横型5及び外側横型6の位置は、適宜定められ得る。
【0029】
また、内側金型3は、内側横型5の配置空間50に配置される。この時、内側金型3は、その伸長方向が第1方向D1と一致し、第1及び第2方向D1,D2に変位可能となる。なお、第1方向D1とは、シェル1の内側から外側に向かう方向であり、一例として、湾曲部10の断面の径方向と略一致する方向であってもよい。また、第2方向D2とは、第1方向D1の反対方向である。また、第1及び第2方向D1,D2は、一例として、鉛直方向に平行であってもよい。
【0030】
そして、内側金型3を第1方向D0に変位させることで、シェル1の湾曲部10の内周面11を外縁部押圧面30により押圧する。これにより座出しが行われ、湾曲部10に座出し部2が形成される(
図3,4参照)。
【0031】
[(4)座出し部]
座出し部2は、側壁21と、座部22とを有する(
図3,4参照)。
側壁21は、湾曲部10における円形状の第1穴20を囲む縁部から、第1方向D1(換言すれば、外側)に沿って突出する壁状の部位であり、第1穴20を囲む筒状の部位である。なお、第1穴20とは、換言すれば、筒状の側壁21の端部と湾曲部10との境界により囲まれる開口に相当する。また、円形状とは、例えば、円、略円、楕円、又は略楕円等の形状を意味する。
【0032】
座部22は、側壁21における外側の端部を覆う壁状の部位である。座部22における外側の面は、座面23を形成する。座面23は、側壁21の先端から広がる円形状の面であり、シェル1の外周面12における座出し部2の周辺の部分よりも外側に突出している。また、座面23は、外縁部24と、2つの頂部25と、中央部26とを有する。
【0033】
第1実施形態では、座出しの際の内側金型3の外縁部押圧面30による押圧により、座面23における傾斜、つまり、2つの頂部25と中央部26とが形成される。換言すれば、座面23は、外縁部押圧面30に応じた形状となる。以後、湾曲部10の断面が延びる方向を、周方向D3とする。つまり、軸線Aを中心とする円弧の延びる方向と略一致する方向が、周方向D3となる。また、第1方向D1と直交し、且つ、座面23よりも内周面11側に位置する仮想的な面を、基準面Rとする。また、座面23と基準面Rとの間の第1方向D1の長さを、座面高さH0とする。
【0034】
外縁部24は、座面23における外縁の周辺に位置する帯状の部分であり、外縁に沿って座面23の中央を周回するように延びる。
各頂部25は、座面23における周方向D3の各端部の周辺に位置する。一例として、各頂部25は、座面23における外縁から少し離れた位置に設けられる。しかし、これに限らず、頂部25は、座面23の外縁に設けられていてもよい。各頂部25は、座面23における2つの頂部25以外の部分よりも、座面高さH0が高い。なお、2つの頂部25は、座面高さH0が同じであっても良いし、異なっていても良い。
【0035】
中央部26は、座面23における周方向D3の略中央に位置し、軸線Aに沿って延びる部位である。なお、中央部26における座面高さH0は、一例として、略一定であってもよく、さらに、中央部26における座面高さH0は、座面23における他の部分よりも低くてもよい。
【0036】
座面23は、側面視において、各頂部25から中央部26に向かうに従い、座面高さH0が低くなるように傾斜する(
図3参照)。つまり、座面23は、軸線Aの方向に視認すると、第2方向D2に突出するV字状になる。また、側面視において、座面23における外縁部24は、各頂部25から、座面23の外縁に沿って軸線Aの方向の端部に向かうに従い、座面高さH0が低くなるように傾斜する(
図4参照)。座面23は、周方向D3に視認すると、第1方向D1に突出するように湾曲する。
【0037】
[(5)内側金型]
座面23における上記傾斜は、内側金型3の外縁部押圧面30が湾曲部10の内周面11を押圧することで形成され、座面23の外縁部24は、外縁部押圧面30と同様の形状を有している(
図3~6参照)。つまり、内側金型3の外縁部押圧面30は、2つの頂部31と、中央部32とを有する。各頂部31及び中央部32は、それぞれ、座面23における各頂部25及び中央部26を形成するための部位である。以下では、座出しの際の位置に基づき、外縁部押圧面30について説明する。
【0038】
各頂部31は、外縁部押圧面30における周方向D3の各端部の周辺に位置する。一例として、各頂部31は、外縁部押圧面30の外縁から少し離れた位置に設けられる。しかし、これに限らず、頂部31は、外縁部押圧面30の外縁に設けられていてもよい。また、各頂部31は、外縁部押圧面30における2つの頂部31以外の部分よりも、基準面Rに対する第1方向D1の長さ(以後、内側金型高さH1)が大きい。なお、2つの頂部31は、内側金型高さH1が同じであっても良いし、異なっていても良い。
【0039】
中央部32は、外縁部押圧面30における周方向D3の略中央に位置し、軸線Aに沿って延びる。なお、中央部32の内側金型高さH1は、一例として、略一定であってもよく、さらに、中央部32における内側金型高さH1は、外縁部押圧面30における他の部分よりも低くてもよい。
【0040】
外縁部押圧面30は、座面23と同様、各頂部31から中央部32に向かうに従い、内側金型高さH1が低くなるように傾斜する。つまり、外縁部押圧面30もまた、軸線Aの方向に視認すると、第2方向D2に突出するV字状になる。また、外縁部押圧面30は、座面23の外縁部24と同様、各頂部31から、外縁部押圧面30の外縁に沿って軸線Aの方向の端部に向かうに従い、内側金型高さH1が低くなるように傾斜する。つまり、外縁部押圧面30もまた、周方向D3に視認すると、第1方向D1に突出するように湾曲する。
【0041】
[(6)穴抜き及びバーリング]
穴抜きは、座出しに続いて行われ、穴抜きでは、まず、上述した金型を用いて、座出し部2の座面23を貫通する円形状の第2穴27が形成される(
図7,8参照)。その後、バーリングが行われ、上述した金型を用いて、第2穴27が形成された座出し部2を押圧することで、第1穴20(換言すれば、バーリング穴14)の縁部にバーリング部13が形成される(
図9参照)。
【0042】
穴抜きでは、シェル1は、座出しの際と同様に内側横型5と外側横型6とにより固定されると共に、内側金型3の外縁部押圧面30は、座出し部2の内周面11に当接した状態となる。そして、外側金型4は、伸長方向が第2方向D2と一致するように配置され、外側横型6の配置空間60を通過して第2方向D2に変位する。この時、座出し部2の内周面11は、内側金型3の外縁部押圧面30により支持される。これにより、外側金型4の押圧面40は、座出し部2の座面23を第2方向D2に押圧した後、座部22を貫通し、内側金型3の穴部33に進入する。その結果、座面23を貫通する第2穴27(換言すれば、下穴)が形成される。この時、第2穴27の形成時に生じたスクラップSは、内側金型3の穴部33に落下する。なお、この他にも、例えば、座出し部2の内周面11を金型により第1方向D1に押圧することで、第2穴27が形成されてもよい。
【0043】
第2穴27は、その中心が座面23の中心と略一致する(
図8参照)。なお、第2穴27は、真円により近い形状であることが望ましい。
穴抜きにより座面23に第2穴27が形成されると、外側金型4の第2方向D2の変位が停止する。この時、外側金型4の押圧面40は、内側金型3の穴部33の内部に位置する。その後、バーリングが行われ、内側横型5及び外側横型6が第2方向D2に変位し、これに伴いシェル1も第2方向D2に変位する。これにより、座部22における第2穴27を囲む外縁部24が、外側横型6の配置空間60を囲む内周面61と、内側金型3の外周面34とにより挟まれ、押圧される(
図9参照)。その結果、側壁21及び外縁部24が第1及び第2方向D1,D2に沿って延ばされ、これにより、該部分が、バーリング穴14(換言すれば、第1穴20)を囲むバーリング部13に形成される。
【0044】
[2.第2実施形態]
[(1)概要]
第2実施形態のシェル1の製造方法は、第1実施形態と同様にして、座出しと、穴抜きと、バーリングとにより、シェル1の湾曲部10にバーリング部13が形成される。しかし、第2実施形態の製造方法は、外側金型4の構成と、座面23に傾斜が形成されるタイミングとにおいて第1実施形態と相違する。以下では、第2実施形態の製造方法における第1実施形態との相違点について説明する。
【0045】
[(2)座出し]
第2実施形態の座出しでは、上述した金型によりシェル1の湾曲部10を押圧することで、有底円筒形状の座出し部2が形成される(
図10参照)。この時、湾曲部10の板厚が厚い場合等には、座面23に傾斜が形成されない可能性があり、第2実施形態では、一例として、座面23に傾斜が形成されない場合を例示する。
【0046】
すなわち、座出しでは、まず、第1実施形態と同様にして、内側横型5と外側横型6とによりシェル1を固定すると共に、内側金型3は、内側横型5の配置空間50に配置される。そして、内側金型3を第1方向D0に変位させることで、シェル1の湾曲部10の内周面11を外縁部押圧面30により押圧する。これにより座出しが行われ、湾曲部10に座出し部2が形成される。
【0047】
第2実施形態では、座出しにより形成された座出し部2の座面23は、第1方向D0に略直交する略平面となっている。すなわち、第2実施形態で用いられる内側金型3は、第1実施形態と同様の構成を有しており、外縁部押圧面30に傾斜が形成されている。しかし、湾曲部10の板厚が第1実施形態よりも厚い場合には、座面23は、外縁部押圧面30に応じた形状に変形しない可能性がある。第2実施形態では、このような場合を例示しており、一例として、座面23は略平面状となっている。なお、第2実施形態の内側金型3は、傾斜を有さず、第1方向D1に略直交する略平面状であっても良い。
【0048】
[(3)穴抜き及びバーリング]
座出しに続く穴抜きでは、座出し部2の座面23に第1実施形態と同様の傾斜が形成された後、座面23を貫通する円形状の第2穴27が形成される(
図11参照)。その後、第1実施形態と同様のバーリングにより、第2穴27が形成された座出し部2を押圧することで、第1穴20の縁部にバーリング部13が形成される。
【0049】
穴抜きでは、座出しの際と同様に内側横型5と外側横型6とによりシェル1が固定されると共に、内側金型3の外縁部押圧面30は、座出し部2の内周面11に当接した状態となる。そして、外側金型4は、伸長方向が第2方向D2と一致するように配置され、外側横型6の配置空間60を通過して第2方向D2に変位し、内側金型3の穴部33まで到達する。この時、座出し部2の内周面11は、内側金型3の外縁部押圧面30により支持される。
【0050】
また、第2実施形態の外側金型4の押圧面40には、後述する傾斜が形成されている。このため、第2方向D2に変位する外側金型4の押圧面40が座出し部2の座面23に当接し、座面23を押圧することで、押圧面40と外縁部押圧面30とにより挟まれた座部22が変形し、座面23には、第1実施形態と同様の傾斜が形成される。つまり、座面23は、押圧面40及び外縁部押圧面30に応じた形状に形成され、座面23に、第1実施形態と同様の2つの頂部25及び中央部26が形成される。
【0051】
そして、外側金型4の押圧面40は、座部22を貫通し、外側金型4は、内側金型3の穴部33に進入する。これにより、座面23を貫通する第2穴27が形成される。なお、第2穴27の形成時に生じたスクラップSは、内側金型3の穴部33に落下する。また、第2実施形態の第2穴27は、第1実施形態と同様の形状を有する。
【0052】
その後、穴抜きの終了に伴い外側金型4の第2方向D2の変位が停止し、第1実施形態と同様のバーリングが行われる。すなわち、内側横型5及び外側横型6が第2方向D2に変位し、これにより、バーリング部13が形成される。
【0053】
[(4)外側金型]
外側金型4の押圧面40は、傾斜が形成された座面23と同様の形状を有する(
図11~14参照)。つまり、押圧面40は、2つの頂部形成部41と、中央部42とを有する。各頂部形成部41及び中央部42は、それぞれ、座面23における各頂部25及び中央部26を形成するための部位である。以下では、座出しの際の位置に基づき、押圧面40について説明する。
【0054】
各頂部形成部41は、押圧面40における周方向D3の各端部に位置する。つまり、各頂部形成部41は、押圧面40の外縁に位置する。各頂部形成部41は、押圧面40における2つの頂部形成部41以外の部分よりも、基準面Rに対する第1方向D1の長さ(以後、外側金型高さH2)が大きい。なお、2つの頂部形成部41は、外側金型高さH2が同じであっても良いし、異なっていても良い。
【0055】
中央部42は、押圧面40における周方向D3の略中央に位置し、軸線Aに沿って延びる。なお、中央部42の外側金型高さH2は、一例として、略一定であっても良い。
押圧面40は、各頂部形成部41から中央部42に向かうに従い、外側金型高さH2が低くなるように傾斜する。つまり、押圧面40は、軸線Aの方向に視認すると、中央部42が第2方向D2に突出するV字状となっている。
【0056】
[3.第3実施形態]
[(1)概要]
第3実施形態のシェル1の製造方法は、第1実施形態と同様にして、座出しと、穴抜きと、バーリングとにより、シェル1の湾曲部10にバーリング部13が形成される(
図15~18参照)。しかし、第3実施形態の製造方法は、これらの工程において用いられる金型が第1実施形態と相違する。具体的には、各工程で専用の金型が用いられており、こうすることで、座面23を精度良く形成できる。以下では、第3実施形態の製造方法における第1実施形態との相違点について説明する。
【0057】
[(2)座出し]
座出しでは、ダイ70、座出しパンチ72、及びパッド74が用いられ、ダイ70及びパッド74により固定されたシェル1の湾曲部10の内周面11を、座出しパンチ72により押圧することで、座出し部2が形成される(
図15参照)。
【0058】
座出しパンチ72は、円柱状の部材であり、その端部に、座出し部2に応じた形状を有する押圧面73が設けられている。
ダイ70は、シェル1の外側に配置され、シェル1の湾曲部10の外周面12におけるバーリング部13が形成される部分の周辺に当接する。この時、該部分と、ダイ70の座面形成部71との間には、空間が形成される。なお、座面形成部71は、ダイ70の外周面12への当接面における陥没した部位であり、座出し部2に応じた形状を有する。
【0059】
パッド74は、内側横型5と同様に構成されており、内側横型5と同様の配置空間75を有する。パッド74は、シェル1の内側に配置され、シェル1の内周面11におけるバーリング部13が形成される部分の周辺に当接し、配置空間75は、該部分に対面する。また、配置空間75には、座出しパンチ72が配置される。
【0060】
そして、ダイ70とパッド74とによりシェル1を挟持することで、シェル1を固定する。また、配置空間75に配置された座出しパンチ72を第1方向D1に変位させ、座出しパンチ72の押圧面73により湾曲部10の内周面11を押圧する(
図15参照)。この時、湾曲部10は、座出しパンチ72の押圧面73と、ダイ70の座面形成部71とにより挟まれて押圧され、これにより、座出し部2が形成される。
【0061】
[(3)穴抜き]
穴抜きでは、穴抜きパンチ80、穴抜きダイ82、パッド85、及びダイ88が用いられる。そして、シェル1の湾曲部10における座出し部2を、第1実施形態と同様にして穴抜きパンチ80により押圧することで、座出し部2の座面23に第2穴27が形成される(
図16,17参照)
穴抜きパンチ80は、第1実施形態の外側金型4と同様に構成されており、端部に位置する押圧面81を有する。
【0062】
穴抜きダイ82は、第1実施形態の内側金型3と同様に構成されており、外縁部押圧面83と、穴部84とを備える。
パッド85は、シェル1の外側に配置され、シェル1の湾曲部10の外周面12における座出し部2の周辺に当接する。また、パッド85は、当該パッド85を貫通する貫通孔86と、貫通孔86を囲む周縁部87とを有する。周縁部87は、座出し部2の座面23の外縁部24に応じた形状を有する。パッド85が配置された際、貫通孔86は、座出し部2の座面23における第2穴27が形成される部分に対面し、周縁部87は、座面23の外縁部24に当接する。
【0063】
ダイ88は、内側横型5と同様に構成されており、内側横型5と同様の配置空間89を有する。ダイ88は、シェル1の内側に配置され、シェル1の内周面11における座出し部2の周辺に当接し、配置空間89は、座出し部2に対面する。
【0064】
また、配置空間89には、穴抜きダイ82が配置される。この時、穴抜きダイ82の穴部84は、座出し部2における第2穴27が形成される部分に対面し、外縁部押圧面83は、外縁部24に当接する。
【0065】
そして、穴抜きの際には、第1実施形態と同様、穴抜きパンチ80は、第2方向に変位してパッド85に向い、貫通孔86を通過する(
図17参照)。そして、穴抜きパンチ80の押圧面81は、座出し部2の座面23を押圧した後、座部22を貫通し、穴抜きダイ82の穴部84に進入する。その結果、座面23を貫通する第2穴27が形成される。この時、第2穴27の形成時に生じたスクラップSは、内側金型3の穴部33に落下する。
【0066】
[(4)バーリング]
バーリングでは、外側ダイ90、内側パンチ92、及びパッド94が用いられ、シェル1の湾曲部10における第2穴27が形成された座出し部2を、内側パンチ92により押圧することで、バーリング部13が形成される(
図18参照)。
【0067】
内側パンチ92は、円柱状の部材であり、平面状の端面を有する押圧端部93を有する。
外側ダイ90は、シェル1の外側に配置され、シェル1の湾曲部10の外周面12における座出し部2の周辺に当接する。また、外側ダイ90における外周面12への当接面には、円柱状の穴部であるバーリング形成部91が形成されている。外側ダイ90が配置された際、座出し部2は、バーリング形成部91に収容される。
【0068】
パッド94は、内側横型5と同様に構成されており、内側横型5と同様の配置空間95を有する。パッド94は、シェル1の内側に配置され、シェル1の内周面11における座出し部2の周辺に当接し、配置空間95は、座出し部2に対面する。また、配置空間95には、内側パンチ92が配置される。
【0069】
そして、外側ダイ90とパッド94とによりシェル1を挟持することで、シェル1を固定する。また、配置空間95に配置された内側パンチ92を第1方向D1に変位させ、内側パンチ92に第2穴27を通過させる。この時、外側ダイ90におけるバーリング形成部91の内周面と、内側パンチ92の押圧端部93周辺の外周面とにより、座出し部2の外縁部24が挟まれて押圧され、これにより、バーリング部13が形成される。
【0070】
[4.効果]
(1)上記実施形態によれば、バーリングの際、座面23における2つの頂部25により、バーリング部13における周方向D3の端部周辺の部分で割れが生じるのを抑制できるため、第2穴27の形状を円に近づけることができる。これにより、第2穴27の外縁の曲率が部分的に高くなるのを抑制でき、バーリングの際に割れが生じるのをさらに抑制できる。したがって、湾曲した部材に対し良好にバーリングを行うことができる。
【0071】
(2)また、湾曲部10を第1方向D1に押圧することで座出しが行われ、第2穴27は、第1方向D1の反対方向である第2方向D2に変位する外側金型4が座面23を押圧することで形成される。第1方向D1に変位する外側金型4により第2穴27を形成すると、第2穴27の縁部には、湾曲部10の外側に向かうようにバリが形成される。このようなバリは、バーリング時にさらに外側に向かって引き伸ばされる恐れがあり、その結果、バーリング時に割れが生じやすくなる。これに対し、第2方向D2に変位する外側金型4により第2穴27を形成すると、第2穴27の縁部には、湾曲部10の内側に向かうようにバリが形成される。このようなバリであれば、バーリング時の引き伸ばしがされ難く、その結果、バーリング時の割れを抑制できる。さらに、第2方向D2に変位する外側金型4は、内側金型3の穴部33に進入する。このため、第2穴27の形成時に生じたスクラップSは、内側金型3の穴部33へと落下するため、スクラップSを集めやすくなる。
【0072】
(3)また、第1実施形態では、座面23の傾斜によりシャー角の効果が得られ、外側金型4による押圧により第2穴27を形成する際の騒音を抑制できる。また、第2穴27を形成する際の曲げモーメントが低下するため、第2穴27の周辺にて加工硬化が生じるのを抑制でき、割れを抑制できる。
【0073】
(4)さらに、外側金型4を用いた1回の押圧により、座面23に第2穴27を形成できる。また、穴抜きとバーリングとが、内側金型3及び外側金型4の一連の動作により実現される。このため、ステップ数を増加すること無く、バーリングの際に割れが生じるのを抑制できる。
【0074】
[5.他の実施形態]
(1)第1及び第2実施形態では、座出し、穴抜き、及びバーリングには、内側金型3、外側金型4、内側横型5、及び外側横型6が用いられ、内側金型3及び内側横型5は下側に、外側金型4及び外側横型6は上側に配置される。しかし、これらの工程に用いられる金型は、これに限らず、適宜定められ得ると共に、各金型の位置も適宜定められ得る。このような場合であっても、第1実施形態のように、座出しの際に座面23に2つの頂部31を形成するか、又は、第2実施形態のように、第2穴27の形成と並行して座面23に2つの頂部31を形成することで、良好にバーリングを行うことができる。
【0075】
(2)第1及び第2実施形態において、座面23は、シェル1の外周面12における座出し部2の周辺部分よりも外側に突出している。しかし、これに限らず、例えば、座面23の中心を含む部分は、該周辺部分よりも内側に陥没していてもよい。
【0076】
(3)第2実施形態の穴抜き及びバーリングでは、第1実施形態と同様の内側金型3が用いられ、外縁部押圧面30には2つの頂部31が形成されている。しかし、これに限らず、該内側金型3における外縁部押圧面30は、第1及び第2方向D1,D2に対し略直交する向きに、略平面状に広がっていても良い。
【0077】
(4)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
【符号の説明】
【0078】
A…軸線、R…基準面、H0…座面高さ、H1…内側金型高さ、H2…外側金型高さ、D1…第1方向、D2…第2方向、D3…周方向、1…シェル、10…湾曲部、11…内周面、12…外周面、13…バーリング部、14…バーリング穴、2…座出し部、20…第1穴、21…側壁、22…座部、23…座面、24…外縁部、25…頂部、26…中央部、27…第2穴、3…内側金型、30…外縁部押圧面、31…頂部、32…中央部、33…穴部、34…外周面、4…外側金型、40…押圧面、41…頂部形成部、42…中央部、5…内側横型、50…配置空間、6…外側横型、60…配置空間、61…内周面。