IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ KDDI株式会社の特許一覧

特許7662911情報端末、情報処理装置、情報処理システム及び情報送信方法
<>
  • 特許-情報端末、情報処理装置、情報処理システム及び情報送信方法 図1
  • 特許-情報端末、情報処理装置、情報処理システム及び情報送信方法 図2
  • 特許-情報端末、情報処理装置、情報処理システム及び情報送信方法 図3
  • 特許-情報端末、情報処理装置、情報処理システム及び情報送信方法 図4
  • 特許-情報端末、情報処理装置、情報処理システム及び情報送信方法 図5
  • 特許-情報端末、情報処理装置、情報処理システム及び情報送信方法 図6
  • 特許-情報端末、情報処理装置、情報処理システム及び情報送信方法 図7
  • 特許-情報端末、情報処理装置、情報処理システム及び情報送信方法 図8
  • 特許-情報端末、情報処理装置、情報処理システム及び情報送信方法 図9
  • 特許-情報端末、情報処理装置、情報処理システム及び情報送信方法 図10
  • 特許-情報端末、情報処理装置、情報処理システム及び情報送信方法 図11
  • 特許-情報端末、情報処理装置、情報処理システム及び情報送信方法 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-07
(45)【発行日】2025-04-15
(54)【発明の名称】情報端末、情報処理装置、情報処理システム及び情報送信方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/00 20220101AFI20250408BHJP
   H04B 7/15 20060101ALI20250408BHJP
   H04W 48/12 20090101ALI20250408BHJP
【FI】
H04L67/00
H04B7/15
H04W48/12
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2025002929
(22)【出願日】2025-01-08
【審査請求日】2025-01-08
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西原 隆浩
(72)【発明者】
【氏名】古河 応教
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 真
(72)【発明者】
【氏名】宮永 直幸
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-011341(JP,A)
【文献】特開平10-290191(JP,A)
【文献】特開平05-300061(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2024/0064495(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第113993091(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/00
H04B 7/15
H04W 48/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地上局との通信接続が可能であるか否かを判定する接続判定部と、
前記地上局との通信接続が可能であると前記接続判定部が判定した場合に、所定の第1アプリに対応する第1通信プロトコルで第1宛先へ第1所定情報を送信し、前記地上局との通信接続が可能ではないと前記接続判定部が判定した場合に、前記第1アプリとは異なる第2アプリに対応する第2通信プロトコルで衛星局を介して、前記第1所定情報に対応する第2所定情報と当該第2所定情報の転送先として前記第1宛先を指定する情報とを前記第1宛先と異なる第2宛先へ送信する送信制御部と、
を備える情報端末。
【請求項2】
前記送信制御部は、前記地上局との通信接続が可能であると前記接続判定部が判定した場合に、前記第1宛先として前記第1アプリに対応する第1サーバに送信するためのサーバアドレスへ前記第1所定情報を送信する、
請求項1に記載の情報端末。
【請求項3】
前記送信制御部は、前記地上局との通信接続が可能ではないと前記接続判定部が判定した場合に、前記第2所定情報と前記第1宛先を指定する情報とを、前記第2宛先として前記第1アプリを管理する事業者とは異なる事業者が管理する第2サーバに送信するためのサーバアドレスへ送信する、
請求項1又は2に記載の情報端末。
【請求項4】
前記送信制御部は、前記地上局との通信接続が可能ではないと前記接続判定部が判定した場合に、前記第2通信プロトコルとしてショートメッセージサービス又はリッチコミュニケーションサービスで前記第2所定情報と前記第1宛先を指定する情報とを前記第2宛先へ送信する、
請求項1又は2に記載の情報端末。
【請求項5】
前記送信制御部は、前記第1所定情報を前記第1通信プロトコルで定期的に送信する、
請求項1又は2に記載の情報端末。
【請求項6】
前記送信制御部は、前記第1所定情報として自機の位置を示す端末位置情報を送信する、
請求項1又は2に記載の情報端末。
【請求項7】
前記地上局との通信接続が可能ではないと前記接続判定部が判定した場合に、衛星局を介して前記第2所定情報を送信することが可能であることを案内するメッセージを表示する表示制御部をさらに備える、
請求項1又は2に記載の情報端末。
【請求項8】
所定情報と、当該所定情報の宛先を指定するための第1宛先情報とをユーザの情報端末から衛星局を介して取得する取得部と、
前記第1宛先情報において指定された前記宛先が予め登録されているか否かを判定する判定部と、
前記宛先が予め登録されていると前記判定部が判定した場合に、前記所定情報を前記宛先へ送信する送信制御部と、
を備える情報処理装置。
【請求項9】
前記送信制御部は、地上局を介して前記所定情報を前記宛先へ送信する、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記取得部は、所定のアプリにおいて指定された前記所定情報と、当該所定情報の宛先として当該アプリのアプリサーバを指定する前記第1宛先情報とを前記情報端末から取得する、
請求項8又は9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記取得部は、前記所定情報として前記情報端末の位置を示す位置情報を取得し、
前記判定部は、前記所定情報が示す位置が地上局との通信接続が可能な圏内であるか否かをさらに判定し、
前記送信制御部は、前記所定情報が示す位置が地上局との通信接続が可能な圏内であると前記判定部が判定した場合に、前記所定情報を前記宛先へ送信せず、前記所定情報が示す位置が地上局との通信接続が可能ではない圏外であり、且つ、前記宛先が予め登録されていると前記判定部が判定した場合に、前記所定情報を前記宛先へ送信する、
請求項8又は9に記載の情報処理装置。
【請求項12】
情報端末と、当該情報端末と通信可能な情報処理装置とを備える情報処理システムであって、
前記情報端末は、
地上局との通信接続が可能であるか否かを判定する接続判定部と、
前記地上局との通信接続が可能であると前記接続判定部が判定した場合に、所定の第1アプリに対応する第1通信プロトコルで第1宛先へ第1所定情報を送信し、前記地上局との通信接続が可能ではないと前記接続判定部が判定した場合に、前記第1アプリとは異なる第2アプリに対応する第2通信プロトコルで衛星局を介して、前記第1所定情報に対応する第2所定情報と当該第2所定情報の転送先として前記第1宛先を指定する情報とを第2宛先である前記情報処理装置へ送信する送信制御部と、
を有し、
前記情報処理装置は、
前記第2所定情報と、前記第1宛先を指定する情報とを前記情報端末から取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記第2所定情報を前記第1宛先へ送信する送信制御部と、を備える、
情報処理システム。
【請求項13】
コンピュータが実行する、
地上局との通信接続が可能であるか否かを判定するステップと、
前記地上局との通信接続が可能であると判定した場合に、所定の第1アプリに対応する第1通信プロトコルで第1宛先へ第1所定情報を送信し、前記地上局との通信接続が可能ではないと判定した場合に、前記第1アプリとは異なる第2アプリに対応する第2通信プロトコルで衛星局を介して、前記第1所定情報に対応する第2所定情報と当該第2所定情報の転送先として前記第1宛先を指定する情報とを前記第1宛先と異なる第2宛先へ送信するステップと、
を備える情報送信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地上局又は衛星局を介して通信する情報端末、情報処理装置、情報処理システム及び情報送信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザの安否を確認するための各種のサービスが提案されている。例えば、特許文献1には、登山中のユーザが遭難しているか否かを早期に察知するために、ユーザの情報をサーバに送信することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-49065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された技術では、モバイル通信ネットワークにアクセス可能ではない圏外にユーザがいる場合には、ユーザの情報をサーバに送信することはできないという問題があった。
【0005】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、モバイル通信ネットワークにアクセス可能ではない圏外にユーザがいる場合においてもユーザの情報を送信することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報端末は、地上局との通信接続が可能であるか否かを判定する接続判定部と、前記地上局との通信接続が可能であると前記接続判定部が判定した場合に、所定の第1アプリに対応する第1通信プロトコルで第1宛先へ第1所定情報を送信し、前記地上局との通信接続が可能ではないと前記接続判定部が判定した場合に、前記第1アプリとは異なる第2アプリに対応する第2通信プロトコルで衛星局を介して、前記第1所定情報に対応する第2所定情報と当該第2所定情報の転送先として前記第1宛先を指定する情報とを前記第1宛先と異なる第2宛先へ送信する送信制御部と、を備える。
【0007】
前記送信制御部は、前記地上局との通信接続が可能であると前記接続判定部が判定した場合に、前記第1宛先として前記第1アプリに対応する第1サーバに送信するためのサーバアドレスへ前記第1所定情報を送信してもよい。前記送信制御部は、前記地上局との通信接続が可能ではないと前記接続判定部が判定した場合に、前記第2所定情報と前記第1宛先を指定する情報とを、前記第2宛先として前記第1アプリを管理する事業者とは異なる事業者が管理する第2サーバに送信するためのサーバアドレスへ送信してもよい。
【0008】
前記送信制御部は、前記地上局との通信接続が可能ではないと前記接続判定部が判定した場合に、前記第2通信プロトコルとしてショートメッセージサービス又はリッチコミュニケーションサービスで前記第2所定情報と前記第1宛先を指定する情報とを前記第2宛先へ送信してもよい。前記送信制御部は、前記第1所定情報を前記第1通信プロトコルで定期的に送信してもよい。
【0009】
前記送信制御部は、前記第1所定情報として自機の位置を示す端末位置情報を送信してもよい。前記情報端末は、前記地上局との通信接続が可能ではないと前記接続判定部が判定した場合に、衛星局を介して前記第2所定情報を送信することが可能であることを案内するメッセージを表示する表示制御部をさらに備えてもよい。
【0010】
本発明の第2の態様の情報処理装置は、所定情報と、当該所定情報の宛先を指定するための第1宛先情報とをユーザの情報端末から衛星局を介して取得する取得部と、前記第1宛先情報において指定された前記宛先が予め登録されているか否かを判定する判定部と、前記宛先が予め登録されていると前記判定部が判定した場合に、前記所定情報を前記宛先へ送信する送信制御部と、を備える。
【0011】
前記送信制御部は、地上局を介して前記所定情報を前記宛先へ送信してもよい。前記取得部は、所定のアプリにおいて指定された前記所定情報と、当該所定情報の宛先として当該アプリのアプリサーバを指定する前記第1宛先情報とを前記情報端末から取得してもよい。
【0012】
前記取得部は、前記所定情報として前記情報端末の位置を示す位置情報を取得し、前記判定部は、前記所定情報が示す位置が地上局との通信接続が可能な圏内であるか否かをさらに判定し、前記送信制御部は、前記所定情報が示す位置が地上局との通信接続が可能な圏内であると前記判定部が判定した場合に、前記所定情報を前記宛先へ送信せず、前記所定情報が示す位置が地上局との通信接続が可能ではない圏外であり、且つ、前記宛先が予め登録されていると前記判定部が判定した場合に、前記所定情報を前記宛先へ送信してもよい。
【0013】
本発明の第3の態様の情報処理システムは、情報端末と、当該情報端末と通信可能な情報処理装置とを備える情報処理システムであって、前記情報端末は、地上局との通信接続が可能であるか否かを判定する接続判定部と、前記地上局との通信接続が可能であると前記接続判定部が判定した場合に、所定の第1アプリに対応する第1通信プロトコルで第1宛先へ第1所定情報を送信し、前記地上局との通信接続が可能ではないと前記接続判定部が判定した場合に、前記第1アプリとは異なる第2アプリに対応する第2通信プロトコルで衛星局を介して、前記第1所定情報に対応する第2所定情報と当該第2所定情報の転送先として前記第1宛先を指定する情報とを第2宛先である前記情報処理装置へ送信する送信制御部と、を有し、前記情報処理装置は、前記第2所定情報と、前記第1宛先を指定する情報とを前記情報端末から取得する取得部と、前記取得部が取得した前記第2所定情報を前記第1宛先へ送信する送信制御部と、を備える。
【0014】
本発明の第4の態様の情報送信方法は、コンピュータが実行する、地上局との通信接続が可能であるか否かを判定するステップと、前記地上局との通信接続が可能であると判定した場合に、所定の第1アプリに対応する第1通信プロトコルで第1宛先へ第1所定情報を送信し、前記地上局との通信接続が可能ではないと判定した場合に、前記第1アプリとは異なる第2アプリに対応する第2通信プロトコルで衛星局を介して、前記第1所定情報に対応する第2所定情報と当該第2所定情報の転送先として前記第1宛先を指定する情報とを前記第1宛先と異なる第2宛先へ送信するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、モバイル通信ネットワークにアクセス可能ではない圏外にユーザがいる場合においてもユーザの情報を送信するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1の実施形態の情報処理システムの構成を示す。
図2】情報端末の構成を示す。
図3】表示制御部が表示するメッセージの例を示す。
図4】送信制御部による圏外所定情報の送信の例を示す。
図5】情報処理装置の構成を示す。
図6】情報処理システムによる圏内所定情報の送信の処理手順を示す。
図7】外部装置が生成するユーザ関連情報の例を示す。
図8】情報処理システムによる圏外所定情報の送信の処理手順を示す。
図9】第2の実施形態の情報端末の構成を示す。
図10】案内処理部が第2アプリの利用をユーザに案内する例を示す。
図11】第2アプリによる宛先の設定の例を示す。
図12】第2アプリによる圏内所定情報又は圏外所定情報の送信の処理手順を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第1の実施形態>
[情報処理システムSの概要]
図1は、第1の実施形態の情報処理システムSの構成を示す。情報処理システムSでは、情報端末100がモバイル通信ネットワークに含まれる地上局B1と通信接続できない場合に、情報端末100が衛星局B2を経由して情報処理装置200と通信し、この情報処理装置200は、情報端末100と外部装置300との通信を中継する。情報処理システムSは、情報端末100、情報処理装置200、外部装置300及び情報端末400を備える。情報端末100は、例えば、スマートフォンである。図1の例では、情報端末100のユーザは、地上局B1への通信接続ができなくなる圏外エリアを訪問する。圏外エリアは、例えば、山岳地帯である。
【0018】
情報端末100は、地上局B1を介して、外部装置300と通信する。情報端末100は、地上局B1と通信接続できない場合には、衛星局B2と直接通信(Direct to Cell, D2C)により接続する。情報端末100は、衛星局B2を介して、情報処理装置200と通信する。
【0019】
情報処理装置200は、衛星局B2を介して、情報端末100と通信する。情報処理装置200は、ネットワークを介して、外部装置300と通信する。情報処理装置200は、情報端末100と外部装置300との間の通信を中継する中間サーバである。
【0020】
外部装置300は、ネットワークを介して、情報端末100、情報処理装置200及び情報端末400と通信する。情報端末400は、例えば、スマートフォンである。情報端末400は、情報端末100のユーザの家族などの関係者が所有する。情報端末400は、情報端末100のユーザに関するユーザ関連情報を情報端末400に通知する。ユーザ関連情報は、例えば、ユーザの現在位置及び移動経路を示す情報である。ユーザ関連情報は、例えば、ユーザの遭難時にユーザの位置を特定するために利用される。
【0021】
以下、情報処理システムSの処理の概要について説明する。情報端末100は、地上局B1との通信接続が可能であるか否かを判定する(図1中の(1))。情報端末100は、地上局B1との通信接続が可能ではないと判定した場合に、衛星局B2を介して、圏外所定情報(第2所定情報に相当)を情報処理装置200へ送信する(図1中の(2))。圏外所定情報は、例えば、自機の位置を示す端末位置情報である。情報端末100は、圏外所定情報とともに、この圏外所定情報の転送先として第1宛先を指定する第1宛先情報を情報処理装置200へ送信する。
【0022】
情報端末100は、地上局B1との通信接続が可能であると判定した場合に、図1中の破線の矢印で示すように、地上局B1を介して、圏内所定情報(第1所定情報に相当)を外部装置300へ送信する(図1中の(2’))。圏内所定情報は、例えば、自機の位置を示す端末位置情報である。
【0023】
情報処理装置200は、複数の宛先を記憶部に登録している。情報処理装置200は、情報端末100から受信した第1宛先情報が示す第1宛先が宛先データに登録されている複数の宛先のいずれかと一致するか否かを判定する(図1中の(3))。情報処理装置200は、第1宛先情報が示す第1宛先が宛先データに登録されている宛先と一致すると判定した場合に、受信した圏外所定情報をこの第1宛先へ送信する。図1の例では、第1宛先は、外部装置300のサーバアドレスである(図1中の(4))。
【0024】
外部装置300は、受信した圏外所定情報に基づいて、ユーザ関連情報を生成する。外部装置300は、生成したユーザ関連情報をユーザの関係者の情報端末400へ送信する(図1中の(5))。このようにして、情報処理システムSでは、地上局B1に通信接続することができない圏外に情報端末100のユーザが所在する場合においても、圏外所定情報を情報処理装置200へ送信することができる。このため、情報処理システムSでは、圏内所定情報又は圏外所定情報に基づいて生成されるユーザ関連情報がユーザの関係者の情報端末400に提供されなくなることを抑制することができる。
【0025】
なお、情報処理システムSは、1台の情報処理装置200に複数の宛先が登録されている例に限定されない。例えば、情報処理システムSでは、複数の宛先がそれぞれ異なる情報処理装置200に登録されていてもよい。また、情報処理装置200は、情報端末100から送信される圏外所定情報の種類に応じて異なる情報処理装置200を備えてもよい。例えば、第1の情報処理装置200には、圏外所定情報として端末位置情報を送信するための1又は複数の宛先が登録される。第2の情報処理装置200には、圏外所定情報として画像を送信するための1又は複数の宛先が登録される。このようにして、情報処理装置200は、それぞれの外部装置300の宛先へ圏外所定情報を送信するためにそれぞれ異なる情報処理装置200を備えることにより、サーバ内の情報処理又は情報管理を最適化しやすくなる。
【0026】
[情報端末100の構成]
図2は、情報端末100の構成を示す。情報端末100は、表示部1、通信部2、GNSS(Global Navigation Satellite System)センサ3、操作部4、衛星通信部5、記憶部6及び制御部7を備える。制御部7は、取得部71、操作受付部72、接続判定部73、表示制御部74及び送信制御部75を備える。
【0027】
表示部1は、例えば、液晶ディスプレイである。表示部1は、表示制御部74が生成した画像を表示する。通信部2は、地上局B1を介して、外部装置300との間で通信するための無線通信モジュールである。通信部2は、例えば、LTE(Long Term Evolution)又は5Gにより外部装置300と通信する。
【0028】
GNSSセンサ3は、複数のGNSS衛星からGNSS信号を受信することにより、情報端末100の位置を測定する。情報端末100の位置は、例えば、情報端末100の緯度及び経度により表現される。GNSSセンサ3は、測定した情報端末100の位置を示す位置情報を取得部71に入力する。
【0029】
操作部4は、表示部1の表示面に形成されたタッチパネル又は操作キーに対するユーザの操作を検出する。操作部4は、検出したユーザの操作を示す操作情報を操作受付部72に入力する。
【0030】
衛星通信部5は、衛星局B2とD2Cにより接続する。衛星局B2は、例えば、携帯電話基地局として運用されているスターリンク衛星である。衛星通信部5は、衛星局B2を介して、情報処理装置200と通信する。
【0031】
記憶部6は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を含む記憶媒体である。記憶部6は、制御部7が実行するプログラムを記憶している。制御部7は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。制御部7は、記憶部6に記憶されているプログラムを実行することにより、取得部71、操作受付部72、接続判定部73、表示制御部74及び送信制御部75として機能する。
【0032】
取得部71は、自機の位置を示す位置情報をGNSSセンサ3から取得する。取得部71は、位置情報を周期的に取得する。例えば、取得部71が位置情報を取得する周期は、後述する送信制御部75の第1アプリ751が圏内所定情報を送信する周期に応じて定められる。取得部71は、取得した位置情報を第1アプリ751及び第2アプリ752へ出力する。
【0033】
操作受付部72は、操作部4を介して、ユーザの操作を受け付ける。例えば、操作受付部72は、情報処理装置200へ圏外所定情報を送信することを指示するユーザの操作を受け付ける。圏外所定情報は、例えば、ユーザの緯度、経度等の位置を示す情報を含む。圏外所定情報は、ユーザが入力したメッセージを含んでもよく、画像を含んでもよい。この圏外所定情報は、宛先として外部装置300を指定する情報と、ユーザIDとをさらに含む。操作受付部72は、受け付けたユーザの操作を示す操作情報を送信制御部75へ出力する。
【0034】
接続判定部73は、地上局B1との通信接続が可能であるか否かを判定する。例えば、接続判定部73は、地上局B1が発する電波を通信部2が所定期間内に受信した場合に、地上局B1との通信接続が可能であると判定する。接続判定部73は、地上局B1が発する電波を通信部2が所定期間内に受信することができない場合に、地上局B1との通信接続が可能ではないと判定する。所定期間は、例えば、地上局B1を管理する通信事業者又は情報端末100の製造者により定められる。接続判定部73は、判定結果を示す情報を表示制御部74又は送信制御部75へ出力する。
【0035】
表示制御部74は、地上局B1との通信接続が可能ではないと接続判定部73が判定した場合に、衛星局B2を介して圏外所定情報を送信することが可能であることを案内するメッセージを表示部1に表示する。図3は、表示制御部74が表示するメッセージの例を示す。図3の例では、表示制御部74は、メッセージ「地上局に接続できません。圏外所定情報をD2C通信で送信しますか?」を表示部1に表示する。
【0036】
[各種の情報の送信]
送信制御部75は、通信部2を介して、外部装置300と通信する。送信制御部75は、衛星通信部5を介して、情報処理装置200と通信する。送信制御部75は、所定の第1アプリ751と、第2アプリ752とを備える。第1アプリ751は、例えば登山用の地図アプリである。第2アプリ752は、第1アプリ751とは異なるアプリである。第2アプリは、例えばショートメッセージサービスアプリ又はリッチコミュニケーションサービスアプリである。
【0037】
送信制御部75の第1アプリ751は、地上局B1との通信接続が可能であると接続判定部73が判定した場合に、この第1アプリ751に対応する第1通信プロトコルで第1宛先へ圏内所定情報を送信する。圏内所定情報は、例えば自機の位置を示す端末位置情報である。自機の位置は、一例としては緯度、経度及び高度で表現される。圏内所定情報は、ユーザが入力したメッセージを含んでもよく、画像を含んでもよい。圏内所定情報は、ユーザIDをさらに含む。
【0038】
第1通信プロトコルは、例えば、第1アプリ751と、第1アプリサーバである外部装置300との間で通信するための通信プロトコルである。第1通信プロトコルは、例えば、外部装置300の管理者により定められる。第1宛先は、例えば、第1サーバに送信するためのサーバアドレスである。第1サーバは、第1アプリ751に対応するサーバである。例えば、第1サーバは、第1アプリ751を管理する管理者が所有する外部装置300である。送信制御部75の第1アプリ751は、圏内所定情報を第1通信プロトコルで定期的に送信する。送信制御部75による圏内所定情報の送信の周期は、例えば、ユーザ又は外部装置300の管理者により指定される。
【0039】
送信制御部75の第2アプリ752は、地上局B1との通信接続が可能ではないと接続判定部73が判定した場合に、第2通信プロトコルで衛星局B2を介して、圏外所定情報と、この圏外所定情報の転送先として第1宛先を指定する第1宛先情報とを第2宛先へ送信する。第2通信プロトコルは、第2アプリ752に対応するものである。例えば、第2通信プロトコルは、例えば、ショートメッセージサービス又はリッチコミュニケーションサービスである。
【0040】
圏外所定情報は、例えば、第1アプリ751が送信する圏内所定情報に対応する情報である。この圏外所定情報は、圏内所定情報と同一内容の情報であってもよいが、これに限定されない。例えば、この圏内所定情報は、圏内所定情報と共通の内容の情報であるが、圏内所定情報に比べてデータ量を削減した内容の情報であってよい。一例としては、圏外所定情報は、圏内所定情報が情報端末100の緯度及び経度を示す場合に、情報端末100の緯度及び経度を圏内所定情報に比べて少ない桁数で示すものである。
【0041】
第2宛先は、第1宛先と異なる。第2宛先は、所定の第2サーバに送信するためのサーバアドレスである。第2サーバは、第1アプリ751を管理する事業者とは異なる事業者が管理する。例えば、第2サーバは、情報処理装置200である。
【0042】
図4(a)及び図4(b)は、送信制御部75による圏外所定情報の送信の例を示す。図4(a)は、圏外所定情報として情報端末100の位置を示す端末位置情報が送信制御部75により送信される直前の様子を示す。図4(a)には、表示部1の下側の表示領域を示す。図4(a)においてショートメッセージサービスアプリである第2アプリ752が起動され、この第2アプリ752においてメッセージ入力欄に情報端末100の位置を示す文字列が自動入力された状態である。
【0043】
図4(a)の状態において送信ボタンT1を操作するユーザの操作を操作受付部72が受け付けると、送信制御部75は、圏外所定情報として情報端末100の位置を示す端末位置情報をD2Cにより第2宛先である情報処理装置200へ送信する。図4(b)には、送信制御部75が端末位置情報を情報処理装置200へ送信した後の様子を示す。図4(b)の例では、端末位置情報の送信が完了したことを示す画像T2が表示制御部74により表示されている。
【0044】
[情報処理装置200の構成]
図5は、情報処理装置200の構成を示す。情報処理装置200は、通信部21、記憶部22及び制御部23を備える。制御部23は、取得部231、判定部232及び送信制御部233を備える。
【0045】
通信部21は、ネットワークを介して、外部装置300と通信するためのインターフェースである。通信部21は、衛星局B2を経由するD2C通信により、情報端末100と通信する。
【0046】
記憶部22は、ROM及びRAM等を含む記憶媒体である。記憶部22は、制御部23が実行するプログラムを記憶している。記憶部22には、圏外所定情報の複数の宛先が記憶されている。記憶部22には、モバイルネットワークを構成する複数の地上局B1のいずれかに通信接続することが可能な位置を示す圏内マップが記憶されていてもよい。圏内マップは、情報端末100の位置が地上局B1に通信接続することが可能な位置であるか否かを判定するために判定部232により参照される。
【0047】
制御部23は、例えば、CPUである。制御部23は、記憶部22に記憶されているプログラムを実行することにより、取得部231、判定部232及び送信制御部233として機能する。
【0048】
取得部231は、通信部21を介して、情報端末100と通信する。取得部231は、圏外所定情報と、この圏外所定情報の第1宛先を指定するための第1宛先情報とをユーザの情報端末100から衛星局B2を介して取得する。このとき、取得部231は、D2Cにより圏外所定情報及び第1宛先情報を取得する。この圏外所定情報は、所定の第1アプリ751において指定されたデータである。圏外所定情報は、例えば、情報端末100の位置を示す端末位置情報である。第1宛先情報は、圏外所定情報の宛先として第1アプリ751のアプリサーバを指定するものである。図5の例では、第1アプリ751のアプリサーバは、外部装置300である。
【0049】
[宛先及び端末位置の判定]
判定部232は、取得部231が取得した第1宛先情報において指定された第1宛先が予め登録されているか否かを判定する。判定部232は、記憶部22に記憶されている複数の宛先のいずれかと、取得部231が取得した第1宛先情報において指定された宛先とが一致するか否かを判定する。判定部232は、宛先が登録されているか否かの判定結果を示す情報を送信制御部233へ出力する。
【0050】
判定部232は、圏外所定情報として情報端末100の位置を示す端末位置情報を取得部231が取得した場合には、圏外所定情報が示す位置が地上局との通信接続が可能な圏内であるか否かをさらに判定してもよい。判定部232は、複数の地上局B1のいずれかに通信接続することが可能な位置を示す圏内マップを記憶部22から読み出す。判定部232は、読み出した圏内マップを参照して、取得部231が取得した圏外所定情報が示す位置が圏内であるか否かを判定する。判定部232は、圏外所定情報が示す位置が圏内であるか否かの判定結果を示す情報を送信制御部233へ出力する。
【0051】
[外部装置300との通信]
送信制御部233は、通信部21を介して、外部装置300と通信する。送信制御部233は、取得部231が取得した圏外所定情報を第1宛先情報において指定された第1宛先へ送信する。例えば、送信制御部233は、圏外所定情報において指定された第1宛先が予め登録されていると判定部232が判定した場合に、圏外所定情報をこの宛先へ送信する。送信制御部233は、地上局を介して、圏外所定情報を宛先へ送信する。一方、送信制御部233は、宛先が予め登録されていないと判定部232が判定した場合に、圏外所定情報を送信しない。このようにして、送信制御部233は、予め登録されている宛先のみへ圏外所定情報を送信するので、情報端末100から受信した圏外所定情報を転送する際の情報処理装置200の負荷を低減することができる。
【0052】
情報端末100が地上局B1と通信接続することが可能である状態では、情報端末100は、地上局B1を介して外部装置300と通信することが可能である。この場合、情報処理装置200は、情報端末100と外部装置300との間の通信を中継する中間サーバとして機能する必要はない。このため、送信制御部233は、圏外所定情報が示す位置が地上局B1との通信接続が可能な圏内であると判定部232が判定した場合に、圏外所定情報において指定された第1宛先へ圏外所定情報を送信しなくてもよい。
【0053】
一方、送信制御部233は、圏外所定情報が示す位置が地上局B1との通信接続が可能ではない圏外であり、且つ、第1宛先情報において指定された宛先が予め登録されていると判定部232が判定した場合に、圏外所定情報を宛先へ送信してもよい。このようにして、送信制御部233は、圏外所定情報が示す位置が地上局B1との通信接続が可能ではない圏外であることを条件として、圏外所定情報を外部装置300へ送信するので、中間サーバとして機能する場合の処理負荷を軽減することができる。
【0054】
[圏内所定情報の送信の処理手順]
図6は、情報処理システムSによる圏内所定情報の送信の処理手順を示す。この処理手順は、地上局B1との通信接続が可能であると情報端末100の接続判定部73が判定した場合に開始される。
【0055】
まず、送信制御部75の第1アプリ751は、地上局B1を介して、圏内所定情報を外部装置300へ送信する。外部装置300は、受信した圏内所定情報に基づいて、情報端末100のユーザに関するユーザ関連情報を生成する(S101)。外部装置300は、ユーザの関係者の情報端末400からユーザ関連情報を要求する要求情報を受信した場合、ユーザ関連情報を情報端末400へ送信する。情報端末400は、受信したユーザ関連情報を表示し(S102)、処理を終了する。
【0056】
図7は、外部装置300が生成するユーザ関連情報の例を示す。図7には、圏内所定情報が情報端末100の位置を示す端末位置情報である場合の例を示す。外部装置300は、受信した端末位置情報に基づいて、情報端末100のユーザが山岳地帯において移動した経路をマップ上で示す画像をユーザ関連情報として生成する。このユーザ関連情報は、情報端末400により表示される。図7中の丸印は、ユーザが経由した経由地点を示す。図7中には、ユーザが12月13日の11時20分に緯度「XX.XXXXX」、経度「YY.YYYYYY」の地点に到達したことを示す。
【0057】
[圏外所定情報の送信の処理手順]
図8は、情報処理システムSによる圏外所定情報の送信の処理手順を示す。この処理手順は、地上局B1との通信接続が可能ではないと情報端末100の接続判定部73が判定した場合に開始される。
【0058】
まず、送信制御部75の第2アプリ752は、衛星局B2を介して、圏外所定情報と、この圏外所定情報の転送先として第1宛先を指定する第1宛先情報とを情報処理装置200へD2Cにより送信する。情報処理装置200の判定部232は、取得部231が取得した第1宛先情報において指定された第1宛先が予め登録されているか否かを判定する(S201)。
【0059】
情報処理装置200の判定部232は、取得部231が取得した第1宛先情報において指定された宛先が予め登録されていると判定した場合に(S201のYES)、第1宛先情報において指定された第1宛先である外部装置300へ圏外所定情報を送信する。ステップS101以降の処理については、図6と同様であるため、説明を省略する。
【0060】
情報処理装置200の判定部232は、取得部231が取得した第1宛先情報において指定された宛先が予め登録されていないと判定した場合に(S201のNO)、第1宛先情報において指定された宛先へ圏外所定情報を送信しない。この場合、判定部232は、登録されている宛先が指定された第1宛先情報を取得部231が取得するまで、S201の判定を繰り返す。
【0061】
[第1の実施形態の情報端末100による効果]
送信制御部75の第2アプリ752は、地上局B1との通信接続が可能ではないと接続判定部73が判定した場合に、衛星局を介して、圏外所定情報及び第1宛先情報を第2宛先の情報処理装置200へ送信する。情報処理装置200の送信制御部233は、圏外所定情報を第1宛先情報が示す宛先へ送信する。このようにして、送信制御部75は、モバイル通信ネットワークにアクセス可能ではない圏外にユーザがいる場合においてもユーザの情報をこの宛先へ送信することができる。このため、情報処理システムSでは、圏内所定情報又は圏外所定情報に基づいて生成されるユーザ関連情報がユーザの関係者の情報端末400に提供されなくなることを抑制することができる。
【0062】
<第2の実施形態>
第2の実施形態では、地上局B1との通信接続が可能ではないと接続判定部73が判定したことを条件として、第2アプリを起動させる場合の例について説明する。図9は、第2の実施形態の情報端末500の構成を示す。情報端末500の制御部7は、案内処理部501、起動処理部502及び第2アプリ503を備える点において図2の情報端末100と異なる。
【0063】
記憶部6には、モバイルネットワークを構成する複数の地上局B1のいずれかに通信接続することが可能な位置を示す圏内マップが記憶されていてもよい。圏内マップは、情報端末100の位置が地上局B1に通信接続することが可能な位置であるか否かを判定するために接続判定部73により参照される。
【0064】
接続判定部73は、図2の接続判定部と同様に、地上局B1との通信接続が可能であるか否かを判定する。例えば、接続判定部73は、第1アプリ751が起動された状態において地上局B1との通信接続が可能であるか否かを判定する。
【0065】
接続判定部73は、取得部71が取得した位置情報に基づいて、地上局B1との通信接続が可能であるか否かを判定してもよい。例えば、接続判定部73は、モバイルネットワークを構成する複数の地上局B1のいずれかに通信接続することが可能な位置を示す記憶部6の圏内マップを参照して、取得部71が取得した位置情報が示す位置において地上局B1との通信接続が可能であるか否かを判定する。
【0066】
接続判定部73は、地上局B1との通信接続が可能ではないと判定した場合に、衛星局B2との通信接続が可能であるか否かをさらに判定する。例えば、接続判定部73は、第1アプリ751が起動された状態において衛星局B2との通信接続が可能であるか否かを判定する。接続判定部73は、衛星局B2が発する電波を通信部2が所定期間内に受信した場合に、衛星局B2との通信接続が可能であると判定する。接続判定部73は、衛星局B2が発する電波を通信部2が所定期間内に受信することができない場合に、衛星局B2との通信接続が可能ではないと判定する。所定期間は、例えば、衛星局B2を管理する通信事業者又は情報端末500の製造者により定められる。
【0067】
案内処理部501は、衛星局B2を介した第2通信プロトコルによる通信により圏内所定情報に対応する圏外所定情報を送信可能な第2アプリ503の利用をユーザに案内する。第2通信プロトコルは、例えば、ショートメッセージサービス又はリッチコミュニケーションサービスである。圏内所定情報に対応する圏外所定情報は、圏内所定情報と同一内容の情報であってもよく、圏内所定情報とほぼ同じ内容の情報であるが圏内所定情報に比べてデータ量を削減した内容の情報であってよい。例えば、案内処理部501は、地上局B1との通信接続が可能ではなく、かつ、衛星局B2との通信接続が可能であると接続判定部73が判定した場合に、第2アプリ503の利用をユーザに案内する。
【0068】
図10は、案内処理部501が第2アプリ503の利用をユーザに案内する例を示す。地上局B1との通信接続が可能ではなく、かつ、衛星局B2との通信接続が可能であると接続判定部73が判定した場合に、図10に示す画像が表示される。図10中には、第2アプリ503を起動するための起動ボタンT3が表示されている。起動ボタンT3に対するユーザの操作を操作受付部72が受け付けた場合に、後述する起動処理部502により第2アプリ503が起動される。案内処理部501は、地上局B1との通信接続が可能ではなく、かつ、衛星局B2との通信接続も可能ではないと接続判定部73が判定した場合に、地上局B1及び衛星局B2との通信接続がいずれもできないことを示すエラーを通知するメッセージを表示部1に表示する。
【0069】
[第2アプリ503の起動処理]
起動処理部502は、衛星局B2を介した第2通信プロトコルによる通信により圏内所定情報に対応する圏外所定情報を送信可能な第2アプリ503を起動させる。起動処理部502は、第2アプリ503を起動させるユーザの操作を操作受付部72が受け付けた場合に、第2アプリ503を起動させる。例えば、起動処理部502は、図10中に示す起動ボタンT3に対するユーザ操作を操作受付部72が受け付けた場合に、第2アプリ503を起動させる。
【0070】
起動処理部502は、地上局B1との通信接続が可能ではなく、かつ、衛星局B2との通信接続が可能であると接続判定部73が判定した場合に、第2アプリ503を起動させるためのユーザの操作を操作受付部72が受け付けていない状態において第2アプリ503を起動させてもよい。このようにして、起動処理部502が自動的に第2アプリ503を起動させるので、ユーザは、第2アプリ503を起動させる操作を省略することができる。
【0071】
[第1アプリ751、第2アプリ503による情報の送信]
送信制御部75の第1アプリ751は、図2の第1アプリ751と同様に動作する。送信制御部75の第1アプリ751は、地上局B1との通信接続が可能であると接続判定部73が判定した場合に、所定の第1アプリに対応する第1通信プロトコルで第1宛先へ第1所定情報を送信する。
【0072】
第2アプリ503は、例えば、テキストメッセージ送信アプリである。具体的には、第2アプリ503は、ショートメッセージサービスアプリ又はリッチコミュニケーションサービスアプリである。第2アプリ503は、衛星局B2を介して圏外所定情報を送信する。第2アプリ503は、地上局B1を経由することなく衛星局B2と接続するD2Cにより、圏外所定情報を送信する。第2アプリ503は、図2の第2アプリ752と同様に動作する。
【0073】
起動処理部502が起動させた第2アプリ503は、衛星局B2を介して、圏外所定情報と、圏外所定情報の宛先として第1宛先を指定する情報と、を第2宛先へ送信する。第2宛先は、第1宛先と異なる。例えば、起動処理部502が起動させた第2アプリ503は、圏外所定情報の宛先を指定するためのユーザの操作を操作受付部72が受け付けていない状態において圏外所定情報の宛先を所定の第2宛先に設定する。第2宛先は、例えば、情報処理装置200を宛先として指定するものである。
【0074】
図11は、第2アプリ503による宛先の設定の例を示す。起動処理部502が第2アプリ503を起動させた場合に、図11の画像が表示される。図11の例では、圏外所定情報の宛先を指定するためのユーザの操作を操作受付部72が受け付けていない状態において圏外所定情報の宛先として第2宛先が設定された状態となっている。図11の例では、圏外所定情報は、情報端末100の位置を示す端末位置情報である。
【0075】
図11中には、端末位置情報を送信するための送信ボタンT4が表示されている。この送信ボタンT4に対するユーザの操作を操作受付部72が受け付けた場合に、第2アプリ503は、端末位置情報を第2宛先へ送信する。このようにして、第2アプリ503は、圏外所定情報の宛先を自動的に設定するので、ユーザは、圏外所定情報の宛先を設定するための操作を省略することができる。
【0076】
起動処理部502が起動させた第2アプリ503は、圏外所定情報を送信するためのユーザの操作を操作受付部72が受け付けていない状態において圏外所定情報を送信してもよい。第2アプリ503は、圏外所定情報を第2宛先へ送信する。このようにして、第2アプリ503は、圏外所定情報を自動的に送信するので、ユーザは、圏外所定情報を送信するための操作を省略することができる。
【0077】
起動処理部502が起動させた第2アプリ503は、バックグラウンドで起動した状態において圏外所定情報を自動的に送信してもよい。この場合、ユーザは、他のアプリで作業をしている場合に、圏外所定情報を送信するために作業を中断する必要がない。
【0078】
[第2アプリ503による圏内所定情報又は圏外所定情報の送信の処理手順]
図12は、第2アプリ503による圏内所定情報又は圏外所定情報の送信の処理手順を示す。この処理手順は、第1アプリ751が起動された状態において開始する。
【0079】
接続判定部73は、地上局B1との通信接続が可能であるか否かを判定する(S301)。接続判定部73は、地上局B1との通信接続が可能ではないと判定した場合に(S301のNO)、衛星局B2との通信接続が可能であるか否かを判定する(S302)。
【0080】
起動処理部502は、衛星局B2との通信接続が可能であると接続判定部73が判定した場合に(S302のYES)、第2アプリ503を起動させる(S303)。起動処理部502が起動させた第2アプリ503は、圏外所定情報の宛先を所定の第2宛先に設定する(S304)。第2アプリ503は、圏外所定情報を送信するためのユーザの操作を操作受付部72が受け付けたか否かを判定する(S305)。
【0081】
第2アプリ503は、圏外所定情報を送信するためのユーザの操作を操作受付部72が受け付けたと判定した場合に(S305のYES)、設定した第2宛先へ圏外所定情報を送信し(S306)、処理を終了する。第1アプリ751は、地上局B1との通信接続が可能であると接続判定部73が判定した場合に(S301のYES)、第1宛先へ圏内所定情報を送信する(S307)。
【0082】
案内処理部501は、S302の判定において衛星局B2との通信接続が可能ではないと接続判定部73が判定した場合に(S302のNO)、地上局B1及び衛星局B2への通信接続がいずれもできないことを示すエラーをユーザに通知する(S308)。第2アプリ503は、S305の判定において圏外所定情報を送信するためのユーザの操作を操作受付部72が受け付けていないと判定した場合に(S305のNO)、S305の判定を繰り返す。
【0083】
[第2の実施形態の情報端末500による効果]
案内処理部501は、地上局B1との通信接続が可能ではないと接続判定部73が判定した場合に、衛星局B2を介した第2通信プロトコルによる通信により圏内所定情報に対応する圏外所定情報を送信可能な第2アプリ503の利用をユーザに案内する。このようにして、案内処理部501は、圏内所定情報及び圏外所定情報がいずれも外部装置300に送信されていない状態において情報端末500のユーザが放置してしまうことを抑制することができる。
【0084】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0085】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0086】
1 表示部
2 通信部
3 GNSSセンサ
4 操作部
5 衛星通信部
6 記憶部
7 制御部
21 通信部
22 記憶部
23 制御部
71 取得部
72 操作受付部
73 接続判定部
74 表示制御部
75 送信制御部
100 情報端末
200 情報処理装置
231 取得部
232 判定部
233 送信制御部
300 外部装置
400 情報端末
500 情報端末
501 案内処理部
502 起動処理部
503,752 第2アプリ
751 第1アプリ
【要約】
【課題】モバイル通信ネットワークにアクセス可能ではない圏外にユーザがいる場合においてもユーザの情報を送信する。
【解決手段】地上局との通信接続が可能であるか否かを判定する接続判定部73と、地上局との通信接続が可能であると接続判定部73が判定した場合に、所定の第1アプリに対応する第1通信プロトコルで第1宛先へ第1所定情報を送信し、地上局との通信接続が可能ではないと接続判定部73が判定した場合に、第1アプリ751とは異なる第2アプリ752に対応する第2通信プロトコルで衛星局を介して、第1所定情報に対応する第2所定情報と当該第2所定情報の転送先として第1宛先を指定する情報とを第1宛先と異なる第2宛先へ送信する送信制御部75と、を備える。
【選択図】図2

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12