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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-07
(45)【発行日】2025-04-15
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20250408BHJP
   G06Q 10/00 20230101ALI20250408BHJP
【FI】
G06Q30/06
G06Q10/00
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2025007856
(22)【出願日】2025-01-20
【審査請求日】2025-01-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】茂木 信二
(72)【発明者】
【氏名】原澤 孝明
【審査官】佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-045332(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2024/0185331(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第4394689(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2023/0222136(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品に関する情報である商品情報、又はサービスに関する情報であるサービス情報を記憶する記憶部と、
所定の商品の前記商品情報又は所定のサービスの前記サービス情報に対する追加情報の入力をユーザが使用する端末から受け付ける第1受付部と、
所定の商品の前記商品情報又は所定のサービスの前記サービス情報と、前記追加情報とに基づいて、前記ユーザが前記追加情報を入力した意図である入力意図を推定する推定部と、
推定された入力意図が正しいかを前記端末から受け付ける第2受付部と、
推定された入力意図が正しいと前記第2受付部が受け付けると、当該入力意図を、前記所定の商品の前記商品情報又は前記所定のサービスの前記サービス情報に関連付けて前記記憶部に記憶させる記憶制御部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記推定部は、大規模言語モデルに前記入力意図を推定させるための定型文と、前記追加情報と、前記商品情報又は前記サービス情報とを含む、前記大規模言語モデルに対する指示情報を前記大規模言語モデルに入力し、前記大規模言語モデルから出力された回答に含まれる入力意図を取得することにより、前記追加情報に対応する前記入力意図を推定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記推定部は、前記商品情報又は前記サービス情報と、追加情報と、入力意図とを教師データとして学習した、前記商品情報又は前記サービス情報と、追加情報との入力に対して入力意図を出力する学習モデルに、前記所定の商品の前記商品情報又は前記所定のサービスの前記サービス情報と、前記第1受付部が受け付けた前記追加情報とを入力し、前記学習モデルから出力された前記入力意図を取得することにより、前記追加情報に対応する前記入力意図を推定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記推定部は、前記入力意図を複数推定し、
前記第2受付部は、推定された複数の入力意図それぞれに対し、入力意図が正しいかを前記端末から受け付け、
前記記憶制御部は、推定された複数の入力意図のうち、前記第2受付部が正しいと受け付けた入力意図を、前記所定の商品の前記商品情報又は前記所定のサービスの前記サービス情報に関連付けて前記記憶部に記憶させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記商品情報又は前記サービス情報には、商品又はサービスが属するカテゴリを示すカテゴリ情報が関連付けられており、
前記第2受付部は、前記所定の商品又は前記所定のサービスが属するカテゴリと同じカテゴリに属する他の商品又は他のサービスに対し、正しいと受け付けた入力意図を適用できるかを前記端末から受け付け、
前記記憶制御部は、他の商品又は他のサービスに対し、正しいと受け付けた入力意図を適用できると前記第2受付部が受け付けると、当該入力意図を、当該他の商品の商品情報又は当該他のサービスのサービス情報に関連付けて前記記憶部に記憶させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記記憶部は、前記商品情報又は前記サービス情報と、前記商品情報に対応する商品又は前記サービス情報に対応するサービスを扱うユーザを識別するためのユーザ識別情報とを関連付けて記憶し、
前記記憶制御部は、前記追加情報を入力したユーザのユーザ識別情報が、前記所定の商品の前記商品情報又は前記所定のサービスの前記サービス情報に関連付けられていることを条件として、当該商品情報又は当該サービス情報に、正しいと受け付けた入力意図を関連付けて前記記憶部に記憶させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記追加情報を入力したユーザを評価する評価部をさらに有し、
前記記憶制御部は、前記ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、前記評価部による前記ユーザの評価結果とを関連付けて前記記憶部に記憶させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記評価部は、前記ユーザによる前記追加情報の入力回数、及び前記記憶制御部により当該追加情報に対応する入力意図が記憶された回数の少なくともいずれかに基づいて、当該ユーザを評価する、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが実行する、
所定の商品に関する情報である商品情報又は所定のサービスに関する情報であるサービス情報に対する追加情報の入力をユーザが使用する端末から受け付けるステップと、
記憶部に記憶されている所定の商品の前記商品情報又は所定のサービスの前記サービス情報と、受け付けた前記追加情報とに基づいて、前記ユーザが当該追加情報を入力した意図である入力意図を推定するステップと、
推定された入力意図が正しいかを前記端末から受け付けるステップと、
推定された入力意図が正しいと受け付けると、当該入力意図を、前記所定の商品の前記商品情報又は前記所定のサービスの前記サービス情報に関連付けて前記記憶部に記憶させるステップと、
を有する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、従業員が得たノウハウを企業内で共有するナレッジマネジメントが行われている。例えば、特許文献1には、記憶装置に知識を蓄積させておき、蓄積されている知識を検索できるようにするシステムが開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-123271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従業員が有する情報を蓄積するために、従業員に、記憶装置に対して情報を入力させることがある。しかしながら、従業員が入力する情報が断片的であったり、表現に乏しかったりすることにより、入力された情報を活用しにくいという問題が生じていた。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、活用しやすい形式で情報を蓄積することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、情報処理装置である。この情報処理装置は、商品に関する情報である商品情報、又はサービスに関する情報であるサービス情報を記憶する記憶部と、所定の商品の前記商品情報又は所定のサービスの前記サービス情報に対する追加情報の入力をユーザが使用する端末から受け付ける第1受付部と、所定の商品の前記商品情報又は所定のサービスの前記サービス情報と、前記追加情報とに基づいて、前記ユーザが前記追加情報を入力した意図である入力意図を推定する推定部と、推定された入力意図が正しいかを前記端末から受け付ける第2受付部と、推定された入力意図が正しいと前記第2受付部が受け付けると、当該入力意図を、前記所定の商品の前記商品情報又は前記所定のサービスの前記サービス情報に関連付けて前記記憶部に記憶させる記憶制御部と、を有する。
【0007】
前記推定部は、大規模言語モデルに前記入力意図を推定させるための定型文と、前記追加情報と、前記商品情報又は前記サービス情報とを含む、前記大規模言語モデルに対する指示情報を前記大規模言語モデルに入力してもよく、前記大規模言語モデルから出力された回答に含まれる入力意図を取得することにより、前記追加情報に対応する前記入力意図を推定してもよい。
【0008】
前記推定部は、前記商品情報又は前記サービス情報と、追加情報と、入力意図とを教師データとして学習した、前記商品情報又は前記サービス情報と、追加情報との入力に対して入力意図を出力する学習モデルに、前記所定の商品の前記商品情報又は前記所定のサービスの前記サービス情報と、前記第1受付部が受け付けた前記追加情報とを入力してもよく、前記学習モデルから出力された前記入力意図を取得することにより、前記追加情報に対応する前記入力意図を推定してもよい。
【0009】
前記推定部は、前記入力意図を複数推定してもよく、前記第2受付部は、推定された複数の入力意図それぞれに対し、入力意図が正しいかを前記端末から受け付けてもよく、前記記憶制御部は、推定された複数の入力意図のうち、前記第2受付部が正しいと受け付けた入力意図を、前記所定の商品の前記商品情報又は前記所定のサービスの前記サービス情報に関連付けて前記記憶部に記憶させてもよい。
【0010】
前記商品情報又は前記サービス情報には、商品又はサービスが属するカテゴリを示すカテゴリ情報が関連付けられていてもよく、前記第2受付部は、前記所定の商品又は前記所定のサービスが属するカテゴリと同じカテゴリに属する他の商品又は他のサービスに対し、正しいと受け付けた入力意図を適用できるかを前記端末から受け付けてもよく、前記記憶制御部は、他の商品又は他のサービスに対し、正しいと受け付けた入力意図を適用できると前記第2受付部が受け付けると、当該入力意図を、当該他の商品の商品情報又は当該他のサービスのサービス情報に関連付けて前記記憶部に記憶させてもよい。
【0011】
前記記憶部は、前記商品情報又は前記サービス情報と、前記商品情報に対応する商品又は前記サービス情報に対応するサービスを扱うユーザを識別するためのユーザ識別情報とを関連付けて記憶してもよく、前記記憶制御部は、前記追加情報を入力したユーザのユーザ識別情報が、前記所定の商品の前記商品情報又は前記所定のサービスの前記サービス情報に関連付けられていることを条件として、当該商品情報又は当該サービス情報に、正しいと受け付けた入力意図を関連付けて前記記憶部に記憶させてもよい。
【0012】
前記追加情報を入力したユーザを評価する評価部をさらに有してもよく、前記記憶制御部は、前記ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、前記評価部による前記ユーザの評価結果とを関連付けて前記記憶部に記憶させてもよい。
【0013】
前記評価部は、前記ユーザによる前記追加情報の入力回数、及び前記記憶制御部により当該追加情報に対応する入力意図が記憶された回数の少なくともいずれかに基づいて、当該ユーザを評価してもよい。
【0014】
本発明の第2の態様は、情報処理方法である。この情報処理方法は、コンピュータが実行する、所定の商品に関する情報である商品情報又は所定のサービスに関する情報であるサービス情報に対する追加情報の入力をユーザが使用する端末から受け付けるステップと、記憶部に記憶されている所定の商品の前記商品情報又は所定のサービスの前記サービス情報と、受け付けた前記追加情報とに基づいて、前記ユーザが当該追加情報を入力した意図である入力意図を推定するステップと、推定された入力意図が正しいかを前記端末から受け付けるステップと、推定された入力意図が正しいと受け付けると、当該入力意図を、前記所定の商品の前記商品情報又は前記所定のサービスの前記サービス情報に関連付けて前記記憶部に記憶させるステップと、を有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、活用しやすい形式で情報を蓄積することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】情報処理装置の概要を示す図である。
図2】情報処理装置の機能構成を示す図である。
図3】受付画面の一例を示す図である。
図4】大規模言語モデルに入力するプロンプトの一例を示す図である。
図5】第1選択画面の一例を示す図である。
図6】第2選択画面の一例を示す図である。
図7】情報処理装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[情報処理装置1の概要]
図1は、情報処理装置1の概要を示す図である。情報処理装置1は、従業員等による接客に関する知識を蓄積するためのコンピュータである。情報処理装置1は、従業員等による接客に関する知識を蓄積するにあたり、情報処理装置1のユーザとしての、店舗の従業員等が使用するユーザ端末2に通信可能に接続されている。ユーザ端末2は、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等のコンピュータである。
【0018】
まず、情報処理装置1は、ユーザが追加情報の入力を希望する所定の商品の指定をユーザ端末2から受け付け、指定された所定の商品の商品情報をユーザ端末2に表示させる(図1における(1))。情報処理装置1は、ユーザ端末2から、所定の商品の商品情報に対する追加情報の入力を受け付ける(図1における(2))。
【0019】
情報処理装置1は、入力を受け付けた追加情報と、予め記憶している所定の商品の商品情報とに基づいて、ユーザが追加情報を入力した意図である入力意図を推定する(図1における(3))。そして、情報処理装置1は、推定した入力意図をユーザ端末2に表示させ(図1における(4))、当該入力意図の正否をユーザ端末2から受け付ける(図1における(5))。情報処理装置1は、入力意図が正しい場合、すなわち、入力意図が正しいことをユーザ端末2から受け付けると、当該入力意図を所定の商品の商品情報に関連付けて記憶させる(図1における(6))。
【0020】
このように、情報処理装置1は、追加情報と商品情報とに基づいて追加情報の入力意図を推定することにより、従業員が入力した追加情報が断片的であったり、表現に乏しかったりした場合であっても、不足している情報を補うことができるので、活用しやすい形式で情報を蓄積することができる。
【0021】
[情報処理装置1の機能構成]
続いて、情報処理装置1の機能について説明する。図2は、情報処理装置1の機能構成を示す図である。情報処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを有する。
【0022】
通信部11は、インターネットや携帯電話回線等の通信ネットワークを介してユーザ端末2等の外部装置とデータを送受信するための通信インターフェースである。
記憶部12は、各種のデータを記憶する記憶媒体であり、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びハードディスク等を有する。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶する。記憶部12は、制御部13を、第1受付部131、推定部132、第2受付部133、記憶制御部134及び評価部135として機能させるプログラムを記憶する。
【0023】
また、記憶部12は、商品を識別するための商品識別情報と、商品に関する情報である商品情報とを関連付けて記憶する。商品識別情報は、例えば、商品名や商品コードである。商品情報は、商品の価格、サイズ、商品の説明文、商品の画像である。
【0024】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、第1受付部131、推定部132、第2受付部133、記憶制御部134及び評価部135として機能する。
【0025】
第1受付部131は、所定の商品の商品情報に対する追加情報の入力をユーザが使用するユーザ端末2から受け付ける。例えばまず、第1受付部131は、ユーザ端末2から、所定の商品の商品識別情報を受け付けることにより、所定の商品の指定を受け付ける。そして、第1受付部131は、指定された所定の商品の商品情報を表示するとともに、当該所定の商品の商品情報に対する追加情報の入力を受け付ける受付画面をユーザ端末2に表示させ、当該所定の商品の商品情報に対する追加情報の入力をユーザ端末2から受け付ける。
【0026】
図3は、受付画面の一例を示す図である。図3に示す例では、ユーザにより所定の商品として中華セイロが指定され、追加情報として、「肉まんなら2つ、シューマイなら6つ入ります。」という文が入力されていることが確認できる。第1受付部131は、受付画面に追加情報が入力された状態で受付画面に設けられているOKボタンが押下されると、当該追加情報を受け付ける。
【0027】
推定部132は、所定の商品の商品情報と、第1受付部131が受け付けた追加情報とに基づいて、ユーザが追加情報を入力した意図である入力意図を推定する。具体的には、推定部132は、大規模言語モデルに入力意図を推定させるための定型文と、追加情報と、商品情報とを含む、大規模言語モデルに対する指示情報であるプロンプトを大規模言語モデルに入力する。そして、推定部132は、大規模言語モデルから出力された回答に含まれる入力意図を取得することにより、追加情報に対応する入力意図を一以上推定する。
【0028】
図4は、大規模言語モデルに入力するプロンプトの一例を示す図である。図4に示す例では、「ECサイトに掲載予定の以下の商品情報に対して、ベテラン社員は以下の情報を追加しました。ベテラン社員がなぜその情報を追加したのか推測してください。」という定型の命令文が含まれていることが確認できる。また、図4に示す例では、図3において入力された追加情報と、図3の受付画面に表示された商品情報とがプロンプトに含まれていることが確認できる。
【0029】
なお、推定部132は、大規模言語モデルにプロンプトを入力し、大規模言語モデルから出力された回答に含まれる入力意図を取得することにより、追加情報に対応する入力意図を推定したが、これに限らない。
【0030】
推定部132は、商品情報と、過去に追加された追加情報と、当該追加情報の入力意図とを教師データとして予め学習した、商品情報と、追加情報との入力に対して入力意図を出力する学習モデルを用いて、追加情報に対応する入力意図を推定してもよい。この場合、推定部132は、所定の商品の商品情報と、第1受付部131が受け付けた追加情報とを当該学習モデルに入力し、当該学習モデルから出力された入力意図を取得することにより、追加情報に対応する入力意図を推定してもよい。このようにすることで、情報処理装置1は、大規模言語モデルを用いる場合と同様に入力意図を推定することができる。
【0031】
第2受付部133は、推定部132により推定された入力意図が正しいかをユーザ端末2から受け付ける。第2受付部133は、推定部132により推定された一以上の入力意図それぞれに対し、入力意図が正しいかをユーザ端末2から受け付ける。
【0032】
例えば、第2受付部133は、推定部132により推定された一以上の入力意図のそれぞれが正しいかの選択を受け付ける第1選択画面をユーザ端末2に表示させ、当該第1選択画面を介して、一以上の入力意図それぞれに対し、入力意図が正しいかをユーザ端末2から受け付ける。
【0033】
図5は、第1選択画面の一例を示す図である。図5に示す第1選択画面では、推定部132により推定された4つの入力意図のそれぞれにチェックボックスが設けられているとともに、OKボタンが設けられていることが確認できる。第2受付部133は、第1選択画面に設けられているOKボタンが押下されると、チェックボックスにおいてチェックマークが入力された入力意図を、正しい入力意図としてユーザ端末2から受け付ける。
【0034】
記憶制御部134は、推定された入力意図が正しいと第2受付部133が受け付けると、当該入力意図を、所定の商品の商品情報に関連付けて記憶部12に記憶させる。具体的には、記憶制御部134は、推定された複数の入力意図のうち、第2受付部133が正しいと受け付けた入力意図と、追加情報とを、所定の商品の商品情報に関連付けて記憶部12に記憶させる。
【0035】
図5に示す例では、記憶制御部134は、所定の商品の商品情報に関連付けて、「肉まんなら2つ、シューマイなら6つ入ります。」という追加情報と、「抽象的な「蒸し料理」という概念を、具体的な「肉まん2個」、「シューマイ6個」という数字に置き換えることで、消費者がより商品の使いやすさをイメージしやすくなります。」という入力意図とを記憶させる。
【0036】
なお、情報処理装置1は、所定の商品と同じカテゴリに属する他の商品に対して、正しい入力意図を適用するようにしてもよい。この場合、記憶部12は、商品の商品情報に、当該商品が属する一以上のカテゴリを示すカテゴリ情報と、当該商品が属する当該カテゴリの下位のカテゴリを示す下位カテゴリ情報とを関連付けて記憶する。
【0037】
第2受付部133は、記憶部12を参照し、第1受付部131が受け付けた所定の商品が属するカテゴリを特定し、当該カテゴリと同じカテゴリに属する他の商品を一以上特定する。第2受付部133は、記憶部12を参照し、一以上の他の商品それぞれの下位カテゴリを特定する。そして、第2受付部133は、特定した他の商品に対し、正しいと受け付けた入力意図を適用できるかをユーザ端末2から受け付ける。
【0038】
第2受付部133は、一以上の他の商品を下位カテゴリごとにまとめ、下位カテゴリごとに、正しいと受け付けた入力意図を適用できるかをユーザ端末2から受け付ける。例えば、第2受付部133は、第2受付部133が受け付けた正しい入力意図を適用させる他の商品の選択を受け付ける第2選択画面をユーザ端末2に表示させ、当該第2選択画面を介して、下位カテゴリごとに、他の商品に対し、正しい入力意図を適用できるかをユーザ端末2から受け付ける。
【0039】
図6は、第2選択画面の一例を示す図である。図6に示す例では、中華セイロが属するカテゴリとして「鍋」が特定され、第2選択画面において、「鍋」と同じカテゴリに属し、「鍋」の下位カテゴリの他の商品それぞれに対して、選択された入力意図を適用させるか否かを受け付けるチェックボックスと、OKボタンとが設けられていることが確認できる。第2受付部133は、第2選択画面に設けられているOKボタンが押下されると、チェックボックスにおいてチェックマークが入力された下位カテゴリに対応する他の商品を、正しい入力意図を適用させる他の商品として受け付ける。
【0040】
そして、記憶制御部134は、他の商品に対し、正しいと受け付けた入力意図を適用できると第2受付部133が受け付けると、当該入力意図を、チェックマークが入力された下位カテゴリの他の商品の商品情報に関連付けて記憶部12に記憶させる。図6に示す例では、第2受付部133は、中華セイロが属するカテゴリ「鍋」に関連付けられている他の商品のうち、「鍋」の下位カテゴリである「片手鍋」に属する他の商品を、正しいと受け付けた入力意図を適用できる他の商品として受け付ける。このため、記憶制御部134は、下位カテゴリである「片手鍋」に属する他の商品の商品情報に対し、追加情報と、正しいと受け付けた入力意図とを関連付けて記憶させる。
【0041】
また、ユーザの中には、商品の取扱期間が長く、商品に詳しい従業員や、商品の取扱期間が短く、商品に詳しくない従業員が存在する。そして、商品に詳しい従業員の追加情報及び当該追加情報に対応する入力意図が有効である確率が高い。これに対し、記憶制御部134は、所定の商品に詳しい確率が高い従業員が入力した追加情報に対応する入力意図を、所定の商品の商品情報に関連付けて記憶させてもよい。
【0042】
この場合、記憶部12は、商品に対応する商品情報と、当該商品を扱うユーザを識別するためのユーザ識別情報としてのユーザIDとを関連付けて記憶する。第1受付部131は、ユーザ端末2から、追加情報を受け付けるとともに、当該追加情報を入力したユーザのユーザIDを取得する。記憶制御部134は、追加情報を入力したユーザのユーザIDが、所定の商品の商品情報に関連付けられて記憶部12に記憶されていることを条件として、当該商品情報に、第2受付部133が正しいと受け付けた入力意図を関連付けて記憶部12に記憶させる。
【0043】
また、記憶部12は、ユーザのユーザIDと、ユーザが扱う商品のカテゴリとを関連付けて記憶してもよい。そして、記憶制御部134は、所定の商品の商品情報に関連付けられているカテゴリが、追加情報を入力したユーザのユーザIDに関連付けられているカテゴリに含まれていることを条件として、当該商品情報に、第2受付部133が正しいと受け付けた入力意図を関連付けて記憶部12に記憶させてもよい。このようにすることで、情報処理装置1は、商品に詳しい従業員が入力した、他の従業員に対して共有する価値が高い確率が高い追加情報及び入力意図を商品情報に追加することができる。
【0044】
なお、記憶部12は、商品に詳しい従業員の追加情報及び入力意図を商品情報に追加することとしたが、これに限らず、商品に詳しくない従業員の追加情報及び入力意図についても商品情報に追加するようにしてもよい。
【0045】
この場合、例えば、記憶部12に、ユーザIDと、商品又は商品が属するカテゴリと、当該商品又はカテゴリに対するユーザが詳しい確率を示す熟練度とを関連付けて記憶させておく。熟練度は、例えばユーザによる商品の取扱期間、追加情報の入力に対する他のユーザからの評価、ユーザの店舗における職位の等級に基づいて定められてもよい。ここで、追加情報及び入力意図の評価を他のユーザから受け付け、良い評価を受け付けた数に基づいて熟練度が決定されてもよいし、追加情報及び入力意図の閲覧数に基づいて熟練度が決定されてもよい。
【0046】
そして、記憶制御部134は、商品情報の情報量が所定量以下である場合には、ユーザIDに対応する熟練度にかかわらず、追加情報及び入力意図を商品情報に関連付けて記憶させるようにしてもよい。この場合、記憶制御部134は、商品情報に追加情報及び入力意図を関連付けて記憶させるとともに、当該追加情報を入力したユーザのユーザID又はユーザの熟練度を関連付けて記憶させる。記憶制御部134は、商品情報の情報量が所定量以上であり、商品情報に追加情報及び入力意図が既に関連付けられている場合には、既に関連付けられている追加情報に対応するユーザの熟練度を特定する。
【0047】
記憶制御部134は、新たに追加情報を入力するユーザの熟練度が、特定した熟練度に比べて高いことを条件として、既に関連付けられている追加情報及び入力意図に代えて、新たな追加情報及び入力意図を商品情報に関連付けて記憶させる。また、記憶制御部134は、新たに追加情報を入力するユーザの熟練度が、特定した熟練度以下である場合には、新たな追加情報及び入力意図を商品情報に関連付けて記憶させる。このようにすることで、商品情報に関連付ける追加情報を、他の従業員に対して共有する価値が高い確率が高い追加情報に更新することができる。
【0048】
また、記憶制御部134は、ユーザに対応する熟練度が所定の閾値よりも低い場合には、他の商品の商品情報に対し、追加情報及び入力意図を関連付けて記憶させないようにしてよい。この場合、第2受付部133は、第2選択画面をユーザ端末2に表示させずに、正しい入力意図を適用させる他の商品を受け付けないようにしてもよい。また、記憶制御部134は、ユーザに対応する熟練度が所定の閾値よりも低い場合には、所定の商品の商品情報に対し、追加情報及び入力意図を参考情報として関連付けるようにしてもよい。
【0049】
評価部135は、追加情報を入力したユーザを評価する。例えば、評価部135は、ユーザによる追加情報の入力回数、及び記憶制御部134により当該追加情報に対応する入力意図が記憶部12に記憶された回数の少なくともいずれかに基づいて、当該ユーザを評価する。そして、記憶制御部134は、ユーザのユーザIDと、評価部135による当該ユーザの評価結果とを関連付けて記憶部12に評価情報として記憶させる。このようにすることで、追加情報の入力によりユーザの評価が高まるので、情報処理装置1は、ユーザが自身の評価を高めるために追加情報を入力する意欲を高め、ユーザの知識の蓄積を促進することができる。
【0050】
[情報処理装置1における処理の流れ]
続いて、情報処理装置1における処理の流れについて説明する。図7は、情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
【0051】
まず、第1受付部131は、ユーザ端末2から所定の商品の指定を受け付ける(S1)。第1受付部131は、指定された所定の商品の商品情報を表示するとともに、当該所定の商品の商品情報に対する追加情報の入力を受け付ける受付画面をユーザ端末2に表示させ、当該所定の商品の商品情報に対する追加情報の入力をユーザ端末2から受け付ける(S2)。
【0052】
続いて、推定部132は、所定の商品の商品情報と、第1受付部131が受け付けた追加情報とに基づいて、ユーザが追加情報を入力した意図である入力意図を一以上推定する(S3)。続いて、第2受付部133は、推定部132により推定された一以上の入力意図それぞれが正しいかを受け付ける第1選択画面をユーザ端末2に表示させ、一以上の入力意図の中から正しい入力意図の選択を受け付ける(S4)。
【0053】
続いて、記憶制御部134は、第2受付部133が受け付けた内容に基づいて、正しい入力意図があるかを判定する(S5)。記憶制御部134は、正しい入力意図があると判定すると(S5のYES)、S6に処理を移し、記憶部12に、第2受付部133が正しいと受け付けた入力意図と追加情報とを、所定の商品の商品情報に関連付けて記憶させる。記憶制御部134は、正しい入力意図がないと判定すると(S5のNO)、本フローチャートに係る処理を終了する。
【0054】
[変形例]
上述の実施の形態では、情報処理装置1は、所定の商品の商品情報に対する追加情報の入力意図を推定し、当該入力意図が正しいことを受け付けたことに応じて、所定の商品の商品情報に、当該入力意図を関連付けて記憶させることとしたが、これに限らない。情報処理装置1は、ユーザ端末2から、ユーザが追加情報の入力を希望する所定のサービスの指定を受け付け、指定された所定のサービスに関する情報であるサービス情報をユーザ端末2に表示させてもよい。情報処理装置1は、ユーザから、所定のサービスのサービス情報に対する追加情報の入力を受け付けてもよい。そして、情報処理装置1は、入力された追加情報の入力意図を推定し、当該入力意図が正しいことを受け付けたことに応じて、所定のサービスのサービス情報に、当該入力意図を関連付けて記憶させてもよい。
【0055】
[情報処理装置1による効果]
以上説明したように、本実施の形態に係る情報処理装置1は、所定の商品の商品情報又は所定のサービスのサービス情報に対する追加情報の入力をユーザ端末2から受け付け、所定の商品の商品情報又は所定のサービスのサービス情報と、追加情報とに基づいて、ユーザが追加情報を入力した意図である入力意図を推定する。そして、情報処理装置1は、推定された入力意図が正しいと受け付けると、当該入力意図を、所定の商品の商品情報又は所定のサービスのサービス情報に関連付けて記憶部12に記憶させる。このようにすることで、情報処理装置1は、活用しやすい形式で情報を蓄積することができる。
【0056】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0057】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0058】
1 情報処理装置
2 ユーザ端末
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 第1受付部
132 推定部
133 第2受付部
134 記憶制御部
135 評価部
【要約】
【課題】活用しやすい形式で情報を蓄積する。
【解決手段】情報処理装置1は、商品に関する情報である商品情報、又はサービスに関する情報であるサービス情報を記憶する記憶部12と、所定の商品の商品情報又は所定のサービスのサービス情報に対する追加情報の入力をユーザが使用するユーザ端末2から受け付ける第1受付部131と、所定の商品の商品情報又は所定のサービスのサービス情報と、追加情報とに基づいて、ユーザが追加情報を入力した意図である入力意図を推定する推定部132と、推定された入力意図が正しいかをユーザ端末2から受け付ける第2受付部133と、推定された入力意図が正しいと第2受付部133が受け付けると、当該入力意図を、所定の商品の商品情報又は所定のサービスのサービス情報に関連付けて記憶部12に記憶させる記憶制御部134と、を有する。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7