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特許7662922無人搬送車用のフリーアクセスフロアシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-08
(45)【発行日】2025-04-16
(54)【発明の名称】無人搬送車用のフリーアクセスフロアシステム
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/43 20240101AFI20250409BHJP
【FI】
G05D1/43
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021030639
(22)【出願日】2021-02-26
(65)【公開番号】P2022131614
(43)【公開日】2022-09-07
【審査請求日】2023-12-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000110011
【氏名又は名称】トーヨーカネツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110559
【弁理士】
【氏名又は名称】友野 英三
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 誠
【審査官】大古 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-290712(JP,A)
【文献】特開2000-329386(JP,A)
【文献】特開2010-242386(JP,A)
【文献】特開2003-315003(JP,A)
【文献】特開平10-283031(JP,A)
【文献】特開平03-053304(JP,A)
【文献】特開平11-219215(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/00 - 1/87
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面上に設けられたフリーアクセスフロア上にタイル状マットが敷き詰められ、前記タイル状マットの上面および/もしくは内部および/もしくは下面に無人搬送車を走行制御するためのグリッド部が設けられ、
前記グリッド部のX軸方向、Y軸方向のいずれか一方が磁気テープ、光反射テープ、バーコード、二次元コード、ARマーカ、ICタグのうちから選択されるいずれかである第1の素材が設けられ、他方が磁気テープ、光反射テープ、バーコード、二次元コード、ARマーカ、ICタグのうちから選択されるいずれかであって前記第1の素材でない第2の素材が設けられ、
前記グリッド部で、ICタグが前記タイル状マットの下面の中央付近に設けられることを特徴とするフリーアクセスフロアシステム。
【請求項2】
前記グリッド部で磁気テープまたは光反射テープのいずれかが、平面視十字状に配置されることを特徴とする請求項1に記載のフリーアクセスフロアシステム。
【請求項3】
前記フリーアクセスフロアシステムは前記タイル状マット上を走行する無人搬送車をさらに備え、
前記グリッド部で磁気テープが用いられ、磁気テープの情報を前記無人搬送車に設けた磁気センサで読み取って前記無人搬送車の移動制御を可能とした制御手段をさらに備えることを特徴とすることを特徴とする請求項1もしくは2に記載のフリーアクセスフロアシステム。
【請求項4】
前記フリーアクセスフロアシステムは前記タイル状マット上を走行する無人搬送車をさらに備え、
前記グリッド部で光反射テープが用いられ、光反射テープの反射光の情報を前記無人搬送車に設けた受光センサで読み取って前記無人搬送車の移動制御を可能とした制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項1もしくは2に記載のフリーアクセスフロアシステム。
【請求項5】
前記タイル状マットは、持ち運びできるサイズを一つのユニットとするフリーアクセスフロアの構成要素のひとつであることを特徴とする請求項1乃至のうちのいずれか1項に記載のフリーアクセスフロアシステム。
【請求項6】
前記タイル状マットは、グリッド部に設けられ、磁気テープ、光反射テープ、二次元コード、ARマーカ、ICタグのうちから選択される前記第1の素材及び前記第2の素材を無人搬送車の走行から守るため表面を透明な樹脂またはガラスとすることを特徴とする請求項1乃至のうちのいずれか1項に記載のフリーアクセスフロアシステム。
【請求項7】
前記床面とフリーアクセスフロアとの間に電力ケーブルを収容可能な空間が設けられることを特徴とする請求項1乃至のうちのいずれか1項に記載のフリーアクセスフロアシステム。
【請求項8】
前記制御手段は、前記無人搬送車は内蔵する前記受光センサによって感知する前記光反射テープの面積が相対的に左右にずれるとこれを前記受光センサの中央の規定位置に戻すように無人搬送車の左右モータの速度差を変えるよう制御することを特徴とする請求項4に記載のフリーアクセスフロアシステム。
【請求項9】
前記制御手段は、前記無人搬送車は内蔵する前記磁気センサによって感知する前記磁気テープの情報を読み取って前記無人搬送車の移動の制御を可能としたことを特徴とする請求項3に記載のフリーアクセスフロアシステム。
【請求項10】
前記制御手段は、前記磁気センサによって感知する前記磁気テープの面積が相対的に左右にずれるとこれを前記磁気センサの中央の規定位置に戻すように前記無人搬送車の左右モータの速度差を変えるよう制御することを特徴とする請求項3に記載のフリーアクセスフロアシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物流センターなどで用いられる無人搬送車を走行させる制御機構を設けた床面パネルを用いるフリーアクセスフロアシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、物流・配送センターにおける荷物の搬送には取り扱う商品の入庫から出庫までの長い経路のコンベヤラインを用いて配設する場合が多い。これらの物流センターで、特に床面積が中小規模のセンターの多くは、狭いフロア面積を有効活用するため、コンベヤラインを階層構造に配設することから、壁や柱が至る所にあり、時間当たり大量の商品の取扱いを一度に実施しようとすると商品を待機させるためのバッファーコンベヤラインを設けるなど、レイアウトがしにくく、搬送経路が遠回りになる場合がある。しかも、消防法の許可をとるのも大変で、このような固定設備では費用も掛かってしまう。そこで近年では、コンベヤラインの代わりにAGV(AUTOMATIC GUIDED VEHICLE)やAMR(AUTONOMOUS MOBILE ROBOT)などの無人搬送車を使用し、小型で多段の引き出し棚の中に商品を格納し、これらをフロア部の棚の待機場所に多数並べ、無人搬送車に作業者がピッキングするステーション(以下にGTPステーションと称す)まで棚ごと持ち上げて運搬させてピッキングし、ピッキングが完了したら元の待機場所などに戻る方式の無人搬送車搬送システムも提案されている。この場合、無人搬送車の走行用の目印として、床面に一定間隔でQRコード(登録商標)などを付したグリッドが設けられる場合が多い。
【0003】
また、既設のコンベヤラインを配設した物流センターにおいて、コンベヤラインを取り払い、前述のような無人搬送車が走行するシステムに変更しようとする場合が増えているが、このような場合に、床面の施工は既設のコンベヤ固定用の柱の跡や壁の跡などが多数存在するデコボコ状態となるため、無人搬送車が棚を持ち上げて滑らかに走行できるようなフラットな床面を構築するためには、実質的に新設時と同様の複雑な施工工程を経なければ難しい問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特になし
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、出願人は、既存のコンベヤラインを配設した物流センターを無人搬送車方式に変更する場合などにおいて、床面の施工工程を簡素化し、大幅に工期を短縮できるようなフリーアクセスフロア方式を考えた。さらに、フロアに予め無人搬送車の搬送用にグリッドなどの走行用の目印を設け、全体として持ち運び容易なサイズのフロアパネルをプレハブ方式で用意し、それを改造施工中の床面に多数並べて短期間に施工する方式を考えた。
【0006】
そして、出願人は、前記フロアパネル中のグリッドとして、磁気テープや光反射テープを配置することと、従来のグリッド方式として多用されているQRコードの代わりに、ICタグ(以下にRFIDと称す)を設ける方式を考えた。
【0007】
従来、無人搬送車を磁気テープや光反射テープを床面に直接貼付して走行運用させるためには、テープからの磁気情報や反射光を的確にとらえるようにしなければならないため、床面全体を平坦な面とするために床の正確な平面だしが必要である。
【0008】
従来、これら平面出し作業は、物流センターの現場施工で実施していたが、予め工場で持ち運び容易なサイズに加工されたフロアパネルを製作し、それを工事中の床面に多数敷き揃えて施工するフリーアクセスフロア方式とすれば、このような凹凸面が生じる問題も事前に回避することが可能となる。
【0009】
また、磁気テープや光反射テープをフロアパネルの表面に直接貼付せずに、テープの表面に個々のフロアパネル全体を、例えば硬質樹脂でカバーする構造とすることで、無人搬送車走行の目印となるグリッド機能に係るテープが、汚れたり削れたりして、センサで読み取れなくなる虞があることを回避できるようになる。
【0010】
また、出願人は、前記フロアパネル中にRFIDを埋め込む構造とすることで、物流センター内での無人搬送車の相対的な位置関係を正確に把握することができるようにした。
【0011】
本発明は、叙上のような従来存した諸事情に鑑み案出されたもので、無人搬送車の走行するフロアパネルを持ち運び容易なサイズのプレハブ方式で敷き揃えて施工できるフリーアクセスフロア方式とし、かつ当該パネルに無人搬送車走行制御用のグリッド機能として磁気テープや光反射テープとRFIDを設けることにより、フロアパネルの施工とともに無人搬送車走行の目印となるグリッドシステムの施工も同時に完了する無人搬送車用のフリーアクセスフロアシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決するために、本発明の第1の態様においては、床面上に設けられたフリーアクセスフロア上にタイル状マットをひき詰め、この上面に無人搬送車を走行制御するためのグリッド部を設けることを特徴とする無人搬送車用のフリーアクセスフロアシステム。
【0013】
本発明の第2の態様として、上記第1の態様において、前記グリッド部は、磁気テープ、光反射テープ、バーコード、二次元コード(QRコード)、ARマーカ、ICタグのいずれかを設けることを特徴としても良い。
【0014】
本発明の第3の態様として、上記第1乃至2の態様において、前記グリッド部で磁気テープまたは光反射テープのいずれかを配置する場合は前記タイル状マットの上面および/もしくは内部および/もしくは下面で平面視十字状に配置することを特徴としても良い。
【0015】
本発明の第4の態様として、上記第1乃至第3の態様において、前記グリッド部で磁気テープを用いる場合の制御は、磁気テープの情報を無人搬送車に設けた磁気センサで読み取って前記無人搬送車の移動制御を可能とした制御手段とを備えることを特徴としても良い。
【0016】
本発明の第5の態様として、上記第1乃至第3の態様において、前記グリッド部で光反射テープを用いる場合の制御は、光反射テープの反射光の情報を無人搬送車に設けた受光センサで読み取って前記無人搬送車の移動制御を可能とした制御手段とを備えることを特徴としても良い。
【0017】
本発明の第6の態様として、上記第1乃至第5の態様において、前記グリッド部のICタグは、前記タイル状マットの下面の中央付近に設けることを特徴としても良い。
【0018】
本発明の第7の態様として、上記第1乃至第6の態様において、前記タイル状マットは、持ち運びできるサイズを一つのユニットとするフリーアクセスフロアの構成要素のひとつであることを特徴としても良い。
【0019】
本発明の第8の態様として、上記第1乃至第7の態様において、前記タイル状マットは、グリッド部に設けられる磁気テープ、光反射テープ、QRコード、ARマーカ、ICタグを無人搬送車の走行から守るため表面を透明な樹脂またはガラスとすることを特徴としても良い。
【0020】
本発明の第9の態様として、上記第1乃至第8の態様において、前記床面とフリーアクセスフロアとの間の空間部内に電力ケーブルを設けることを特徴としても良い。
【0021】
本発明の第10の態様として、上記第1乃至第3の態様において、前記制御手段の反射テープを用いる場合では、無人搬送車は内蔵する受光センサによって感知するテープ配置手段の光反射テープの面積が相対的に左右にずれるとこれを前記受光センサの中央の規定位置に戻すように無人搬送車の左右モータの速度差を変えるよう制御することを特徴としても良い。
【0022】
本発明の第11態様として、上記第1乃至第4または第6乃至第10の態様において、前記制御手段の磁気テープを用いる場合では、無人搬送車は内蔵する磁気センサによって感知する磁気テープの情報を読み取って前記無人搬送車の移動の制御を可能としたことを特徴としても良い。
【0023】
本発明の第12の態様として、上記第1乃至第4または第6乃至第11の態様において、前記磁気テープを用いる制御手段で、磁気センサによって感知するテープ配置手段の磁気テープの面積が相対的に左右にずれるとこれを前記磁気センサの中央の規定位置に戻すように無人搬送車の左右モータの速度差を変えるよう制御することを特徴としても良い。
【発明の効果】
【0024】
本発明の各態様によれば、無人搬送車の走行するフロアパネルを持ち運び容易なサイズのプレハブ方式で敷き揃えて施工できるフリーアクセスフロア方式とし、かつ当該パネルに無人搬送車走行制御用の磁気テープとRFIDを設けることにより、フロアパネルの施工とともに無人搬送車走行の目印となるグリッドシステムの施工も完了する無人搬送車用のフリーアクセスフロアシステムを提供する。
【0025】
すなわち、本発明では、予め工場で持ち運び容易なサイズに加工されたフロアパネルを製作し、それを工事中の床面に多数敷き揃えて施工するフリーアクセスフロア方式とし、このような凹凸面が生じる問題を事前に回避することが可能となる。
【0026】
さらに、前記フロアパネル中にRFIDを埋め込む構造とすることで、無人搬送車が走行している場所を正確に把握することができる。
【0027】
また、個々のフロアパネル全体を硬質樹脂のタイル状マットでカバーする構造とし、このタイル状マットの上面にグリッド部を設けたことで、無人搬送車の走行の目印となるグリッド機能が、汚れたり削れたりして、センサで読み取れなくなっても、このタイル状マットを交換することで回避できるようになる。
【0028】
また、フリーアクセスフロア上に、タイル状マットをひき詰め、この上面に光反射テープを貼着したテープ配置手段と、無人搬送車は前記テープ配置手段の光反射テープを受光センサで読み取って前記無人搬送車の移動の制御を可能とした制御手段とを備えるので、タイル状マット上面の光反射テープが汚れたり削れたりした場合、このタイルを交換することで、無人搬送車を自体の光センサで正確に読み取ることができ、無人搬送車の進路が規定経路に沿って高速走行することができる。
【0029】
また、前記テープ配置手段の光反射テープは、タイル状マットの上面で平面視十字状に配されているので、左折または右折する無人搬送車の位置を正確に読み取り、無人搬送車の方向転換の移動の制御を容易にする。
【0030】
また、前記タイル状マットの下面の中央ポイントにRFセンサを設けているので、無人搬送車のRFIDリーダによって、高速走行中であっても正確にID(番地)を読み込むことができる。
【0031】
また、前記タイル状マットの中央のポイントに無人搬送車の走行の目印となるグリッドを設けているので、複数の無人搬送車が互いに近接しても、これをすぐに回避することができ、また高速走行中の無人搬送車同士の衝突を事前に回避することができる。
【0032】
また、磁気テープをフロアパネルの表面に直接貼付せずに、磁気テープの表面に個々のフロアパネル全体を硬質樹脂のタイル状マットでカバーする構造としたことで、無人搬送車の走行の目印となるグリッド機能に係るテープ、QRコードなどが、汚れたり削れたりして、センサで読み取れなくなる虞があることを回避できるようになる。
【0033】
前記制御手段は、受光センサによって感知するテープ配置手段の光反射テープの面積が相対的に左右にずれるとこれを前記受光センサの中央の規定位置に戻すように無人搬送車の左右モータの速度差を変えるよう制御するので、光反射テープが汚れたり削れたりすることなく、無人搬送車を自体の光センサできめ細かく正確に読み取ることができる。
【0034】
グリッドシステムのフリーアクセスフロア上に、タイル状マットをひき詰め、この内部もしくは下面に磁気テープを設けたテープ配置手段と、無人搬送車は前記磁気テープを磁気センサで読み取って前記無人搬送車の移動の制御を可能とした制御手段とを備えるので、磁気テープが汚れたり削れたりすることなく、無人搬送車を自体の磁性センサできめ細かく正確に読み取ることができる。
【0035】
前記制御手段は、磁気センサによって感知する前記テープ配置手段の磁気テープの面積が相対的に左右にずれるとこれを前記磁気センサの中央の規定位置に戻すように無人搬送車の左右モータの速度差を変えるよう制御するので、高速走行中の無人搬送車の進路が規定経路よりも左右にずれても即座に元の復帰位置に戻すことができる。
【0036】
また、前記磁気テープは、タイル状マットの内部もしくは下面で平面視十字状に配されているので、左右回転する無人搬送車の位置を正確に読み取り、無人搬送車の方向転換の移動の制御を容易にする。
【0037】
また、前記タイル状マットの平面視十字状の磁気テープの交わるポイントの下面にRFセンサを設けているので、無人搬送車のRFIDリーダによって、高速走行中であっても正確にIDを読み込むことができ、複数の自走体が互いに近接しても、これをすぐに回避することができ、また高速走行中の自走体同士の衝突を事前に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本発明の一実施形態に係るシステムにおけるタイル状マットが敷設されたフリーアクセスフロアの斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係るシステムにおけるタイル状マットが敷設されたフリーアクセスフロアの断面図である。
図3】本実施形態の他例に係るタイル状マットが敷設されたフリーアクセスフロアの斜視図である。
図4】本実施形態の他例に係るシステムにおけるタイル状マットが敷設されたフリーアクセスフロアの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係るシステムについて詳細に説明する。
【0040】
本実施形態では、図1に示すように、床面部Rの上に配置されるグリッドシステムのフリーアクセスフロアF上には、例えば750mm×750mmのタイル状マット1を敷き詰め、これらタイル状マット1の各上面に例えば平面視十字状にグリッド部2である磁気テープまたは光反射テープを貼着したテープ配置手段Pを備えている。
【0041】
磁気テープの場合、制御手段Qは無人搬送車下部の磁気センサ4で、前記テープ配置手段Pの磁気テープを感知して前記無人搬送車の移動の制御を可能とする。
【0042】
また、光反射テープの場合、無人搬送車下部からのレーザ光の射出により、前記テープ配置手段Pの光反射テープから反射光を受光センサ3で読み取って前記無人搬送車の移動の制御を可能とした制御手段Qを備える。
【0043】
テープ配置手段Pは、それぞれのタイル状マット1の上面にグリッド部2ある細長い磁気テープや光反射テープを平面視十字状となって貼着されていて、これらタイル状マット1が縦横に敷き詰められると、これらグリッド部2は縦方向および横方向につながって縦横格子状となって配置される。なお、無人搬送車が横方向に曲がる箇所では、磁気テープや光反射テープをタイル状マット1の上面の角部に配されていても良い。
【0044】
図2に示すように、前記タイル状マット1下面の中央ポイント付近には、無人搬送車に配したRFIDリーダ7によって読み取られるRFセンサ5を設けており、無人搬送車が高速走行する際の番地を追跡できるものとしている。なお、RFセンサ5によって読み取られるのは、バーコード、二次元コード、QRコードであっても良い。
【0045】
このとき、前記制御手段Qは、磁気センサ4または受光センサ3によって感知するテープ配置手段Pの磁気テープまたは光反射テープの面積が相対的に左右にずれるとこれを前記磁気センサ4または受光センサ3の中央の規定位置に戻すように無人搬送車の不図示の左右モータの速度差を変えるよう制御する。
【0046】
前記テープ配置手段Pは、平面視十字状に配されたグリッド部2、すなわちX軸方向、Y軸方向のいずれか一方が磁気テープで他方が光反射テープにしてあるので、無人搬送車が方向転換する際の移動がスムーズに行えるようにしてある。
【0047】
次に、本実施形態の他の例について、図3により説明すると、床面部Rの上に配置されるグリッドシステムのフリーアクセスフロアF上には、例えば750mm×750mmのタイル状マット1を敷き詰め、これらタイル状マット1の内部もしくは下面にグリッド部2としての、例えば平面視十字状に磁気テープを貼着したテープ配置手段Pを備え、無人搬送車は前記磁気テープを磁気センサ4で読み取って前記無人搬送車の移動の制御を可能とした制御手段Qとを備える。
【0048】
テープ配置手段Pは、それぞれのタイル状マット1の内部もしくは下面にグリッド部2である細長い磁気テープを平面視十字状となって貼着されて上面に露出していないため、磁気テープが汚れたり削れたりすることなく、無人搬送車を自体の磁性センサ4できめ細かく正確に読み取ることができる。
【0049】
また、これらタイル状マット1が縦横に敷き詰められると、これら磁気テープは縦方向および横方向につながって縦横格子状となって配置される。
【0050】
前記制御手段Qは、磁気センサ4によって感知するテープ配置手段Pの磁気テープの面積が相対的に左右にずれるとこれを前記磁気センサ4の中央の規定位置に戻すように無人搬送車の不図示の左右モータの速度差を変えるよう制御する。
【0051】
また、本実施形態の他例について図4にて説明すると、無人搬送車を走行させるための床構造において、床面部Rの上に無人搬送車を走行させるための持ち運びできるサイズを一つのユニットとしたフリーアクセスフロアFを設け、前記フリーアクセスフロアF上に無人搬送車の走行の目印となる制御手段Qのグリッド部2及び/又はICタグ6を設けている。
【0052】
なお、前記グリッド部2は無人搬送車用のグリッドとして機能すれば、磁気テープ、光反射テープ、QRコード、ARマーカ、RFIDなどのいずれを用いてもよく、前記フリーアクセスフロアFは、前記グリッド部2が当該フリーアクセスフロアF表面に露出しないように、透明な硬質樹脂または透明な硬質ガラスのタイル状マット1(カバー部)によりカバーされる構造としてもよい。
【0053】
また、前記グリッド部2の磁気テープおよび光反射テープは、フリーアクセスフロアFの中央上面で平面視十字状に配されるテープ配置手段Pを備える。テープ配置手段Pは、無人搬送車が直進する方向に沿って光反射テープが配されており、無人搬送車が曲がる方向では磁気テープが配されていても良い。
【0054】
すなわち、前記テープ配置手段Pは、平面視十字状に配されたグリッド部2のうち、X軸方向、Y軸方向のいずれか一方が磁気テープ、他方が光反射テープにしてあるので、無人搬送車が方向転換する際の移動がスムーズに行えるようにしてある。また、テープ配置手段Pは、十字の一方のグリッド部2が中央で交わらずに、左右片方に寄っていても良い。
【0055】
また、前記床面部Rと前記フリーアクセスフロアFとの間に形成される空間部に不図示の電力ケーブルを設ける。このように前記フリーアクセスフロアFのサイズを一つのユニットとすることで、床面部Rに凹凸面が生じる問題を事前に回避することが可能となる。
【0056】
これらタイル状マット1(カバー部)が縦横に敷き詰められ、タイル状マット1を通して、グリッド部2は縦方向および横方向につながって縦横格子状となって配置される。なお、無人搬送車が横方向に曲がる箇所では、グリッド部2を各々タイル状マット1の上面の角部に配されていても良い
【0057】
前記制御手段Qは、無人搬送車の下部からのレーザ光の射出により、前記テープ配置手段Pのグリッド部2である光反射テープから反射光を受光センサ3で読み取って前記無人搬送車の移動の制御を可能とする。
【0058】
また、前記平面視十字状の磁気テープの交わるポイントにRFID(RFセンサ)5を設けており、無人搬送車が高速走行する際の番地を追跡できるものとしている。
【0059】
次に、以上のように構成された形態についての使用・動作の一例について説明する。
【0060】
前記制御手段Qの磁気テープを用いる場合では、無人搬送車は内蔵する磁気センサ4によって感知する磁気テープの情報を読み取って前記無人搬送車の移動の制御を可能とする。すなわち、磁気センサ4によって感知するテープ配置手段Pの磁気テープの面積が相対的に左右にずれるとこれを前記磁気センサ4の中央の規定位置に戻すように無人搬送車の不図示の左右モータの速度差を変えるよう制御する。
【0061】
前記制御手段Qの反射テープを用いる場合では、無人搬送車は内蔵する受光センサ3によって感知するテープ配置手段Pの光反射テープの面積が相対的に左右にずれるとこれを前記受光センサ3の中央の規定位置に戻すように無人搬送車の不図示の左右モータの速度差を変えるよう制御する。
【0062】
次に、本実施形態のグリッド部2が磁気テープである場合の実施例について説明する。
【0063】
グリッドシステムのフリーアクセスフロアF上には、例えば750mm×750mmのタイル状マット1を敷き詰め、これらタイル状マット1の内部もしくは下面に例えば平面視十字状にグリッド部2の磁気テープを貼着したテープ配置手段Pを備え、無人搬送車は前記磁気テープを磁気センサ4で読み取って前記無人搬送車の移動の制御を可能とした制御手段Qとを備える。
【0064】
テープ配置手段Pは、それぞれのタイル状マット1の内部もしくは下面に細長い磁気テープを平面視十字状となって貼着されて上面に露出していないため、磁気テープが汚れたり削れたりすることなく、無人搬送車の自体の磁性センサ4できめ細かく正確に読み取ることができる。
【0065】
また、これらタイル状マット1が縦横に敷き詰められると、これらグリッド部2の磁気テープは縦方向および横方向につながって縦横格子状となって配置される。
【0066】
前記制御手段Qは、磁気センサ4によって感知するテープ配置手段Pのグリッド部2の面積が相対的に左右にずれるとこれを前記磁気センサ4の中央の規定位置に戻すように無人搬送車の不図示の左右モータの速度差を変えるよう制御する。
【0067】
以上、説明したように、本実施形態では、無人搬送車の走行するフロアパネルを持ち運び容易なサイズのプレハブ方式で敷き揃えて施工できるフリーアクセスフロア方式とし、かつ当該パネルに無人搬送車走行制御用の磁気テープとRFIDを設けることにより、フロアパネルの施工とともに無人搬送車走行の目印となるグリッドシステムの施工も完了する無人搬送車用のフリーアクセスフロアシステムを提供することができる。
【符号の説明】
【0068】
P テープ配置手段
Q 制御手段
R 床面部
F フリーアクセスフロア
1 タイル状マット
2 グリッド部
3 受光センサ
4 磁気センサ
5 RFセンサ
6 ICタグ
7 RFIDリーダ

図1
図2
図3
図4