(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-08
(45)【発行日】2025-04-16
(54)【発明の名称】冷却装置
(51)【国際特許分類】
F25D 21/06 20060101AFI20250409BHJP
【FI】
F25D21/06 D
F25D21/06 G
(21)【出願番号】P 2021092409
(22)【出願日】2021-06-01
【審査請求日】2024-05-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】中村 新吾
(72)【発明者】
【氏名】鶴羽 健
(72)【発明者】
【氏名】大野 陽史
(72)【発明者】
【氏名】木下 卓
(72)【発明者】
【氏名】滝口 浩司
【審査官】庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-131879(JP,A)
【文献】特開2021-016518(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 1/00-31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒を圧縮する圧縮機と、
前記圧縮機から吐出された冷媒を凝縮する凝縮器と、
前記凝縮器が凝縮した冷媒を蒸発させる主蒸発器および副蒸発器と、
前記主蒸発器が内部に設けられる第1空気流路と、
前記副蒸発器が内部に設けられるとともに、前記第1空気流路とは分離して設けられる第2空気流路とを備え、
前記主蒸発器の冷却運転と除霜運転とが切り替えられるように構成されており、
前記第1空気流路に設けられる前記主蒸発器の冷却運転時において、前記第2空気流路内に設けられる前記副蒸発器を流れる冷媒の温度を、前記主蒸発器を流れる冷媒の温度および前記副蒸発器に着霜が発生する温度よりも高くした状態で、商品が収容される冷却空間を冷却するように構成されて
おり、
前記第1空気流路から流出した空気と、前記第2空気流路から流出した空気とを混合する混合領域をさらに備える、冷却装置。
【請求項2】
前記主蒸発器および前記副蒸発器は、前記第1空気流路と前記第2空気流路とが隣り合う方向から見て、オーバーラップしないように配置されている、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項3】
前記主蒸発器が内部に設けられる前記第1空気流路は、前記副蒸発器が内部に設けられる前記第2空気流路よりも、前記冷却空間側に配置されている、請求項1または2に記載の冷却装置。
【請求項4】
前記主蒸発器および前記副蒸発器によって冷却された空気を吐出する吐出部と、
前記冷却空間の背面側で、かつ、前記冷却空間と前記第1空気流路との間に設けられる背面空気流路と、
をさらに備え、
前記混合領域は、前記第1空気流路から流出した空気と、前記第2空気流路から流出した空気とを混合し、前記吐出部側の流路と、前記背面空気流路とに分配す
る、請求項1~3のいずれか1項に記載の冷却装置。
【請求項5】
前記混合領域の下流側に設けられ、前記混合領域によって混合される前記第1空気流路および前記第2空気流路から流出した空気の一部を遮るように設けられた壁部をさらに備える、請求項
1に記載の冷却装置。
【請求項6】
前記第1空気流路および前記第2空気流路の少なくとも一方から流出した空気を、前記混合領域に誘導するための誘導部をさらに備える、請求項
1に記載の冷却装置。
【請求項7】
前記混合領域と前記吐出部との間の空気の流路を、外側空気流路と、前記外側空気流路よりも前記冷却空間側に配置される内側空気流路とに分割するための分割部材をさらに備え、
前記吐出部は、冷却した空気を上方から下方に向かって吐出するように構成されるとともに、前記内側空気流路に連通して設けられ、前記冷却空間を外気から遮断する内側エアカーテンを形成するための内側吐出部と、前記外側空気流路に連通して設けられ、前記冷却空間を外気から遮断する外側エアカーテンを前記内側エアカーテンより外側に形成するための外側吐出部とを含み、
前記外側空気流路および前記第2空気流路は、前記冷却空間に対して、それぞれ前記内側空気流路および前記第1空気流路よりも外側に設けられている、請求項
4に記載の冷却装置。
【請求項8】
前記冷却空間の背面側、かつ、前記冷却空間と前記背面空気流路との間において、上下方向に沿って延びるように設けられるとともに、前記混合領域によって混合された空気を、前記背面空気流路から前記冷却空間に向かって、水平方向に沿って吐出するための背面吹き孔を有する板状の背面板と、
前記第1空気流路において前記主蒸発器によって冷却された空気を、前記第1空気流路から前記背面空気流路に向かって、水平方向に沿って吐出するための水平吐出孔とをさらに備える、請求項
4に記載の冷却装置。
【請求項9】
前記主蒸発器の除霜運転時における前記副蒸発器に流れる冷媒の温度を、前記主蒸発器の冷却運転時における前記主蒸発器を流れる冷媒の温度よりも低くするように構成されており、
前記副蒸発器は、前記主蒸発器よりも伝熱面積が大きくなるように構成されている、請求項1~8のいずれか1項に記載の冷却装置。
【請求項10】
前記第1空気流路および前記第2空気流路は、冷却する空気が下方から上方に流れるように上下方向に沿って延びるように形成されており、
前記第1空気流路の前記主蒸発器の上方において、上方に向かうにしたがって内側に傾斜する傾斜部をさらに備える、請求項1~9のいずれか1項に記載の冷却装置。
【請求項11】
前記第1空気流路内において、前記主蒸発器の下流と、前記主蒸発器の外表面とのうち、少なくとも一方に設けられ、温度を検出する温度センサをさらに備える、請求項1~10のいずれか1項に記載の冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、冷却装置に関し、特に、蒸発器の冷却運転と除霜運転とが切り替えられるように構成されている冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、蒸発器の冷却運転と除霜運転とが切り替えられるように構成されている冷凍・冷蔵ショーケース(冷却装置)が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、複数の蒸発器を備え、複数の蒸発器の冷却運転と除霜運転とが切り替えられる冷却装置が開示されている。上記特許文献1に記載の冷却装置は、複数の蒸発器の冷却運転と除霜運転とを交互に切り替えることによって、蒸発器による庫内の冷却と、蒸発器の着霜の除去(除霜)とを並行して行うように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のような冷却装置では、複数の蒸発器の冷却運転と除霜運転とを交互に切り替えることによって、蒸発器による庫内の冷却と、蒸発器の着霜の除去(除霜)とを並行して行うので、蒸発器の除霜の際には、複数の蒸発器のうち、除霜運転を行っていない蒸発器のみで、庫内の温度を維持させるための空気の冷却(冷却運転)を行う必要がある。そのため、上記特許文献1に記載のような冷却装置では、蒸発器の除霜の際に庫内の冷却温度を維持するために必要な熱量(熱負荷)が大きい場合には、除霜運転を行っていない蒸発器のみでは、十分な冷却を行うことができなくなり、庫内温度の維持を容易に行うことができなくなってしまう。すなわち、蒸発器の除霜の際の熱負荷が増大すると、庫内温度の維持を容易に行うことができないという問題がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、蒸発器の除霜の際の熱負荷の増大を抑制して、庫内温度維持を容易に行うことが可能な冷却装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による冷却装置は、冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮機から吐出された冷媒を凝縮する凝縮器と、凝縮器が凝縮した冷媒を蒸発させる主蒸発器および副蒸発器と、主蒸発器が内部に設けられる第1空気流路と、副蒸発器が内部に設けられるとともに、第1空気流路とは分離して設けられる第2空気流路とを備え、主蒸発器の冷却運転と除霜運転とが切り替えられるように構成されており、第1空気流路に設けられる主蒸発器の冷却運転時において、第2空気流路内に設けられる副蒸発器を流れる冷媒の温度を、主蒸発器を流れる冷媒の温度および副蒸発器に着霜が発生する温度よりも高くした状態で、商品が収容される冷却空間を冷却するように構成されており、第1空気流路から流出した空気と、第2空気流路から流出した空気とを混合する混合領域をさらに備える。
【0008】
上記一の局面による冷却装置では、上記のように、第1空気流路に設けられる主蒸発器の冷却運転時において、第2空気流路内に設けられる副蒸発器を流れる冷媒の温度を、主蒸発器を流れる冷媒の温度および副蒸発器に着霜が発生する温度よりも高くした状態で、商品が収容される冷却空間を冷却するように構成されている。これにより、主蒸発器の冷却運転時において、副蒸発器の着霜を防止しながら、主蒸発器による空気の冷却の補助を副蒸発器によって行うことができる。その結果、副蒸発器の除霜のための運転を行う必要がないとともに、主蒸発器のみで空気の冷却を行う場合と比べて、主蒸発器の着霜量を低減することができるので、主蒸発器の除霜を短時間かつ低熱負荷で行うことができる。また、主蒸発器および副蒸発器が、互いに分離して設けられる第1空気流路および第2空気流路のそれぞれに設けられている。これにより、主蒸発器と副蒸発器とを同一の空気流路内に設ける場合に比べて、主蒸発器の除霜の際に、副蒸発器による空気の冷却を効率よく行うことができる。その結果、主蒸発器と副蒸発器とを同一の空気流路内に設ける場合に比べて、主蒸発器の除霜の際の冷却空間(庫内)の温度の上昇を抑制することができる。これらの結果、蒸発器(主蒸発器)の除霜の際の熱負荷の増大を抑制して、庫内温度維持を容易に行うことができる。
【0009】
上記一の局面による冷却装置において、好ましくは、主蒸発器および副蒸発器は、第1空気流路と第2空気流路とが隣り合う方向から見て、オーバーラップしないように配置されている。このように構成すれば、主蒸発器および副蒸発器が、第1空気流路と第2空気流路が隣り合う方向から見て、オーバーラップする場合に比べて、第1空気流路と第2空気流路とが隣り合う方向における冷却装置の大きさが増大することを抑制することができる。
【0010】
上記一の局面による冷却装置において、好ましくは、主蒸発器が内部に設けられる第1空気流路は、副蒸発器が内部に設けられる第2空気流路よりも、冷却空間側に配置されている。このように構成すれば、主蒸発器が内部に設けられる第1空気流路が、副蒸発器が内部に設けられる第2空気流路よりも、冷却空間側に配置されることによって、主蒸発器の冷却運転時において、流れる冷媒の温度が副蒸発器を流れる冷媒温度よりも低い主蒸発器を冷却空間側に配置することができる。その結果、冷却空間(庫内)の冷却温度を効率的に維持することができる。
【0011】
上記一の局面による冷却装置において、好ましくは、主蒸発器および副蒸発器によって冷却された空気を吐出する吐出部と、冷却空間の背面側で、かつ、冷却空間と第1空気流路との間に設けられる背面空気流路と、をさらに備え、混合領域は、第1空気流路から流出した空気と、第2空気流路から流出した空気とを混合し、吐出部側の流路と、背面空気流路とに分配する。このように構成すれば、混合領域によって、第1空気流路および第2空気流路の各々から流出した空気を混合し、吐出部側の流路および背面空気流路の各々に分配することができる。その結果、主蒸発器の冷却運転時および除霜運転時において、主蒸発器および副蒸発器の各々を流れる冷媒の温度が変化する場合でも、各運転時における吐出部側の流路および背面空気流路の各々に分配される空気の温度のばらつきを抑制することができるので、冷却空間(庫内)の温度維持を容易に行うことができる。
【0012】
上記一の局面による冷却装置において、好ましくは、混合領域の下流側に設けられ、混合領域によって混合される第1空気流路および第2空気流路から流出した空気の一部を遮るように設けられた壁部をさらに備える。このように構成すれば、壁部が、混合領域の下流側において、第1空気流路および第2空気流路から流出した空気の一部を遮ることによって、混合領域において第1空気流路および第2空気流路の各々から流出した空気を、渦を巻くように循環させることができる。その結果、混合領域において、第1空気流路および第2空気流路の各々から流出した空気を効率よく混合することができる。
【0013】
上記一の局面による冷却装置において、好ましくは、第1空気流路および第2空気流路の少なくとも一方から流出した空気を、混合領域に誘導するための誘導部をさらに備える。このように構成すれば、誘導部によって、第1空気流路および第2空気流路の少なくとも一方から流出した空気が、混合領域に誘導されるので、第1空気流路および第2空気流路の各々から流出した空気を混合領域において、より効率よく混合することができる。その結果、吐出部側の流路および背面空気流路の各々に分配される空気の温度のばらつきをより効率よく抑制することができる。
【0014】
上記混合領域が第1空気流路から流出した空気と、第2空気流路から流出した空気とを混合し、吐出部側の流路と、背面空気流路とに分配する構成において、好ましくは、混合領域と吐出部との間の空気の流路を、外側空気流路と、外側空気流路よりも冷却空間側に配置される内側空気流路とに分割するための分割部材をさらに備え、吐出部は、冷却した空気を上方から下方に向かって吐出するように構成されるとともに、内側空気流路に連通して設けられ、冷却空間を外気から遮断する内側エアカーテンを形成するための内側吐出部と、外側空気流路に連通して設けられ、冷却空間を外気から遮断する外側エアカーテンを内側エアカーテンより外側に形成するための外側吐出部とを含み、外側空気流路および第2空気流路は、冷却空間に対して、それぞれ内側空気流路および第1空気流路よりも外側に設けられている。このように構成すれば、主蒸発器の冷却運転時において、混合領域における空気の混合が十分に行われない場合でも、流れる冷媒の温度が主蒸発器よりも高い副蒸発器によって冷却された空気が、第2空気流路から外側空気流路に流入しやすくなる。その結果、主蒸発器の冷却運転時において、混合領域における空気の混合が十分に行われない場合でも、外側エアカーテンの温度よりも内側エアカーテンの温度を低くすることができる。これにより、主蒸発器の冷却運転時において、冷却空間側(庫内側)のエアカーテンの温度を低くすることができるので、冷却空間(庫内)の温度維持を容易に行うことができる。
【0015】
上記混合領域が第1空気流路から流出した空気と、第2空気流路から流出した空気とを混合し、吐出部側の流路と、背面空気流路とに分配する構成において、好ましくは、冷却空間の背面側、かつ、冷却空間と背面空気流路との間において、上下方向に沿って延びるように設けられるとともに、混合領域によって混合された空気を、背面空気流路から冷却空間に向かって、水平方向に沿って吐出するための背面吹き孔を有する板状の背面板と、第1空気流路において主蒸発器によって冷却された空気を、第1空気流路から背面空気流路に向かって、水平方向に沿って吐出するための水平吐出孔とをさらに備える。このように構成すれば、第1空気流路において主蒸発器によって冷却された空気を、第1空気流路から背面空気流路に向かって、水平方向に沿って吐出することによって、背面空気流路を流れる空気を背面吹き孔から押し出すことができる。その結果、主蒸発器および副蒸発器による冷却後に混合領域において混合され、背面空気流路を流れる空気を、背面吹き孔から冷却空間に容易に送り込むことができるので、冷却空間(庫内)をより効果的に冷却することができる。
【0016】
上記一の局面による冷却装置において、好ましくは、主蒸発器の除霜運転時における副蒸発器に流れる冷媒の温度を、主蒸発器の冷却運転時における主蒸発器を流れる冷媒の温度よりも低くするように構成されており、副蒸発器は、主蒸発器よりも伝熱面積が大きくなるように構成されている。このように構成すれば、副蒸発器は、第1空気流路に設けられる主蒸発器よりも伝熱面積が大きいので、主蒸発器および副蒸発器の伝熱面積が同程度の場合に比べて、副蒸発器の伝熱効率が向上する。その結果、主蒸発器の除霜運転時において副蒸発器が空気の冷却を行う場合においても、冷却空間S(庫内)の冷却(温度維持)を安定して行うことができる。
【0017】
上記一の局面による冷却装置において、好ましくは、第1空気流路および第2空気流路は、冷却する空気が下方から上方に流れるように上下方向に沿って延びるように形成されており、第1空気流路の主蒸発器の上方において、上方に向かうにしたがって内側に傾斜する傾斜部をさらに備える。このように構成すれば、第1空気流路を流れる空気に含まれる水分が傾斜部に当たり、結露することによって、傾斜部の下流側に流れる空気の水分量を低減することができる。その結果、第1空気流路から流出する空気の湿度が増加することを抑制することができる。
【0018】
上記一の局面による冷却装置において、好ましくは、第1空気流路内において、主蒸発器の下流と、主蒸発器の外表面とのうち、少なくとも一方に設けられ、温度を検出する温度センサをさらに備える。このように構成すれば、温度センサを主蒸発器の下流に設ける場合には、主蒸発器によって冷却された空気の温度変化を温度センサによって検出することができるので、主蒸発器の除霜の完了を容易に検出することができる。また、温度センサを主蒸発器の外表面に設ける場合には、主蒸発器の外表面の温度変化を温度センサによって検出することができるので、主蒸発器の除霜の完了を容易に検出することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、上記のように、蒸発器の除霜の際の熱負荷の増大を抑制して、庫内温度維持を容易に行うことが可能な冷却装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の第1実施形態による冷却装置の概略的な構成の一例を示した図である。
【
図2】第1実施形態による冷却装置の断面図である。
【
図3】第1空気流路および第2空気流路を示した断面図である。
【
図4】
図3の傾斜部周辺を拡大した部分拡大図である。
【
図5】
図3の混合領域周辺を拡大した部分拡大図である。
【
図6】第2実施形態による冷却装置の傾斜部周辺の部分断面図である。
【
図7】第3実施形態による冷却装置の吐出孔周辺の部分断面図である。
【
図8】第4実施形態による冷却装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
[第1実施形態]
図1および
図2を参照して、本発明の第1実施形態による冷却装置100の全体構成について説明する。
【0023】
図1に示すように、冷却装置100は、圧縮機10と、凝縮器20とを備える。圧縮機10は、冷媒を圧縮するように構成されている。圧縮機10は、インバータ(図示せず)により制御されている。これにより、圧縮機10は、圧縮機10から吐出される冷媒の流量を調整可能に構成されている。なお、冷媒は、たとえば、R410A、R404A、R32および二酸化炭素(CO
2)などである。凝縮器20は、圧縮機10から吐出された冷媒を凝縮するように構成されている。また、凝縮器20には、送風ファン21が設けられている。送風ファン21は、凝縮器20に空気を送るように構成されている。そして、凝縮器20の冷媒から、送風ファン21により送られた空気に熱が伝達される。
【0024】
また、冷却装置100は、第1膨張弁31および32と、蒸発器41および42とを備える。第1膨張弁31および32は、凝縮器20により凝縮された冷媒を膨張させるように構成されている。そして、圧縮機10および凝縮器20は、蒸発器41および蒸発器42に対して共通に設けられている。また、第1膨張弁31および32は、たとえば、ニードル弁から構成されている。また、第1膨張弁31および32の開度は、第1膨張弁31および32に取り付けられたステッピングモータ(図示せず)により調整される。また、第1膨張弁31および32の開度が調整されることにより、それぞれの下流に設けられた蒸発器41および42への冷媒の流量が調整される。
【0025】
蒸発器41および42は、凝縮器20が凝縮した冷媒を蒸発させるように構成されている。蒸発器41および42は、それぞれ第1膨張弁31および32によって膨張された冷媒を蒸発させるように構成されている。蒸発器41および42は、互いに並列に設けられている。また、蒸発器41および42は、冷媒が流れる冷媒流路と、冷媒の温度を伝熱させる伝熱表面とを含む。具体的には、蒸発器41および42は、互いに平行に配置され、アルミニウムなどの金属から構成される複数の平板を含む。また、平板は、たとえば、アルミニウムなどの金属から構成されている。また、平板の表面および裏面が伝熱表面となる。そして、冷媒流路は、複数の平板を貫通するとともに、蛇行するように設けられている。なお、蒸発器41および蒸発器42は、それぞれ特許請求の範囲の「主蒸発器」および「副蒸発器」の一例である。
【0026】
蒸発器42は、蒸発器41よりも伝熱面積が大きくなるように構成されている。すなわち、蒸発器42は、前述したように伝熱表面の面積(表面積)が、蒸発器41よりも大きくなるように構成されている。
【0027】
また、冷却装置100は、送風ファン43を備える。送風ファン43は、蒸発器41および42に空気を送るように構成されている。また、送風ファン43は、吸入した外気を後述する第1空気流路A1および第2空気流路A2に空気を流通させるために設けられている。すなわち、送風ファン43は、蒸発器41および42(第1空気流路A1および第2空気流路A2)に対して共通に設けられている。
【0028】
また、冷却装置100は、蒸発器42から流出する冷媒を膨張させる第2膨張弁51を備える。第2膨張弁51は、たとえば、第1膨張弁31および32と同様に、ニードル弁から構成される。そして、第2膨張弁51の開度は、第2膨張弁51に取り付けられたステッピングモータ(図示せず)により調整される。また、第2膨張弁51の開度が調整されることにより、上流に設けられた蒸発器42への冷媒の流量が調整(制御)される。すなわち、第2膨張弁51の開度に応じて蒸発器42内の冷媒圧力(冷媒量)が制御される。また、第2膨張弁51は、通過する冷媒を絞って圧力損失(圧力差)を付与する。すなわち、圧縮機10の回転数により決定された低圧圧力(吸入圧力)に対して、第2膨張弁51が生じさせる圧力損失分だけ上流側の蒸発器42内の蒸発圧力(蒸発温度)および冷媒温度は上昇する。
【0029】
また、冷却装置100は、温度センサ61および62を備える。温度センサ61は、後述する第1空気流路A1内において、温度を検出するように構成されている。また、温度センサ62は、後述する第2空気流路A2の下流側において、温度を検出するように構成されている。また、温度センサ61および62の検出結果に基づく信号(検出信号)は、制御部70に送信されるように構成されている。
【0030】
また、冷却装置100は、制御部70を備える。制御部70は、冷却装置100の全体を制御するように構成されている。具体的には、制御部70は、第1膨張弁31、第1膨張弁32および第2膨張弁51の開度の制御を行うように構成されている。また、制御部70は、圧縮機10、送風ファン21および送風ファン43の動作制御を行うように構成されている。制御部70は、CPU(Central Processing Unit)と、メモリとを含んでいる。
【0031】
冷却装置100は、
図2に示すように、上下方向(Z方向)に沿って延びる板状の背面板80と、商品が載置される複数の棚板81とを備える縦型ショーケースである。また、冷却装置100は、複数の棚板81が配置され、商品が収容される冷却空間S(庫内)をチルド温度帯に冷却する冷蔵ショーケースである。たとえば、冷却装置100は、冷却空間Sを-2℃~6℃の範囲で冷却するように構成されている。なお、本明細書では、上下方向をZ方向とし、前後方向をX方向とし、左右方向をY方向としている。また、上方向をZ1方向、下方向をZ2方向としている。そして、冷却装置100の前面側をX1方向側、冷却装置100の背面側(後ろ側)をX2方向側としている。また、冷却装置100の前面側(X1方向側)から見て、右側をY1方向側とし、左側をY2方向側としている。
【0032】
冷却装置100は、
図2に示すように、吸込口91および吐出口92を備える。冷却装置100は、吸込口91から吸入した外気(空気)を蒸発器41および42によって、冷却するように構成されている。そして、吐出口92は、蒸発器41および蒸発器42によって冷却された空気を上方から下方(Z2方向側)に向かって吐出するように構成されている。なお、吐出口92は、特許請求の「吐出部」の一例である。
【0033】
冷却装置100は、
図2に示すように、蒸発器41が内部に設けられる第1空気流路A1と、蒸発器42が内部に設けられる第2空気流路A2とを備える。第2空気流路A2は、第1空気流路A1とは分離して設けられる。
【0034】
また、冷却装置100は、
図2に示すように、背面空気流路A3を備える。背面空気流路A3は、冷却空間Sの背面側(X2方向側)で、かつ、冷却空間Sと第1空気流路A1との間に設けられる。
【0035】
また、背面板80は、冷却空間Sの背面側(X2方向側)、かつ、冷却空間Sと背面空気流路A3との間において、上下方向(Z方向)に沿って延びるように設けられる。
【0036】
また、送風ファン43は、
図2に示すように、吸込口91と、第1空気流路A1(第2空気流路A2)との間の流路に設けられている。そして、送風ファン43は、前述したように、蒸発器41および42(第1空気流路A1および第2空気流路A2)に対して共通に設けられている。なお、送風ファン43は、蒸発器41および42(第1空気流路A1および第2空気流路A2)の各々に対応して設けられてもよい。また、送風ファン43は、左右方向(Y方向)において隣り合うように複数設けられてもよい。
【0037】
また、冷却装置100は、
図2に示すように、分割部材93、94および95を備える。分割部材93、94および95は、吸込口91(送風ファン43)と、吐出口92との間の流路に設けられている。
【0038】
分割部材93は、蒸発器41と蒸発器42との間に設けられている。分割部材93は、吸込口91と、吐出口92との間の流路において空間を分割し、吸込口91が吸入された外気を第1空気流路A1と、第2空気流路A2とに分岐させるように構成されている。
【0039】
また、分割部材94は、蒸発器41と背面板80との間に設けられている。分割部材94は、背面板80と、分割部材93(蒸発器41)との間の空間を分割し、分割部材93とともに、第1空気流路A1を形成するように構成されている。また、分割部材94は、背面板80とともに、背面空気流路A3を形成するように構成されている。
【0040】
そして、蒸発器41が内部に設けられる第1空気流路A1は、蒸発器42が内部に設けられる第2空気流路A2よりも、冷却空間S側(X1方向側)に配置されている。
【0041】
また、第1空気流路A1および第2空気流路A2は、冷却する空気が下方から上方に流れるように上下方向(Z方向)に沿って延びるように形成されている。
【0042】
そして、分割部材95は、内側空気流路A4および外側空気流路A5を形成するように構成されている。分割部材95は、
図2に示すように、後述する混合領域Mと吐出口92との間の空気の流路を、外側空気流路A5と、外側空気流路A5よりも冷却空間S側に配置される内側空気流路A4とに分割するように構成されている。また、外側空気流路A5および第2空気流路A2は、冷却空間Sに対して、それぞれ内側空気流路A4および第1空気流路A1よりも外側(内側空気流路A4および第1空気流路A1のそれぞれに対して、冷却空間Sが配置される側とは反対側)に設けられている。
【0043】
また、蒸発器41および蒸発器42は、
図2に示すように、第1空気流路A1と第2空気流路A2とが隣り合う方向(X1方向側またはX2方向側)から見て、オーバーラップしないように配置されている。そして、蒸発器41は、蒸発器42よりも下方(Z2方向側)に配置されている。また、蒸発器41および蒸発器42は、上方(Z1方向側)または下方(Z2方向側)から見て、一部がオーバーラップするように配置されている。
【0044】
また、吐出口92は、
図2に示すように、内側吐出口92aと、外側吐出口92bとを含む。内側吐出口92aは、内側空気流路A4に連通して設けられている。そして、内側吐出口92aから吐出される空気が、冷却空間Sを外気から遮断するインナーエアカーテンC1を形成する。また、外側吐出口92bは、外側空気流路A5に連通して設けられている。そして、外側吐出口92bから吐出される空気が、冷却空間Sを外気から遮断するアウターエアカーテンC2を形成する。アウターエアカーテンC2は、インナーエアカーテンC1より外側(X1方向側)に形成される。具体的には、アウターエアカーテンC2は、インナーエアカーテンC1に対して、冷却空間Sが配置される側とは反対側(X1方向側)に形成される。なお、内側吐出口92aは、特許請求の範囲の「内側吐出部」の一例であり、外側吐出口92bは、特許請求の範囲の「外側吐出部」の一例である。また、なお、インナーエアカーテンC1は、特許請求の範囲の「内側エアカーテン」の一例であり、アウターエアカーテンC2は、特許請求の範囲の「外側エアカーテン」の一例である。
【0045】
また、背面板80は、後述する混合領域Mによって混合された空気を、背面空気流路A3から冷却空間Sに向かって、水平方向(X方向)に沿って吐出するための背面吹き孔80a(
図2および
図3参照)を有する。背面吹き孔80aは、背面板80に複数設けられている。
【0046】
冷却装置100は、蒸発器41および42によって冷却した空気を、吐出口92(内側吐出口92aおよび外側吐出口92b)および背面板80に設けられた背面吹き孔80aから吐出することによって、商品が収容される冷却空間S(庫内)の温度維持(冷却)を行っている。
【0047】
(傾斜部)
図4に示すように、第1空気流路A1は、蒸発器41が配置される部分の流路幅W1よりも、下流側(Z1方向側)の流路幅W2が小さくなる(狭くなる)ように構成されている。そして、冷却装置100は、第1空気流路A1の蒸発器41の上方(Z1方向側)において、上方に向かうにしたがって内側に傾斜する傾斜部93aおよび94aを備える。具体的には、分割部材93および94は、蒸発器41の下流側(Z1方向側)において、互いの間隔が狭まるように、上方に向かうにしたがって内側に傾斜する傾斜部93aおよび94aをそれぞれ有している。
【0048】
また、第1空気流路A1において蒸発器41が配置される部分の流路幅W1は、第2空気流路A2において蒸発器42が配置される部分よりも上流側(Z2方向側)の流路幅W3よりも大きくなる(広くなる)ように構成されている。また、第1実施形態では、流路幅W3は、流路幅W2よりも大きくなる(広くなる)ように構成されている。
【0049】
第1実施形態では、前述したように、第1空気流路A1および第2空気流路A2に対して、送風ファン43が共通に設けられている。そのため、冷却装置100では、第1空気流路A1および第2空気流路A2の各々の流路幅(ダクト幅)によって、第1空気流路A1および第2空気流路A2を流れる空気の流量を調整(風量比率を調整)している。たとえば、第1空気流路A1および第2空気流路A2のうち、一方の流路に空気が流れ過ぎる場合には、一方の流路幅を他方の流路幅より小さく(狭く)して圧損を付けることにより、風量比率を調整する。
【0050】
また、温度センサ61は、
図4に示すように、第1空気流路A1内において、蒸発器41の外表面に設けられている。具体的には、温度センサ61は、蒸発器41の外表面のうち、第1空気流路A1の下流側(Z1方向側)の外表面(外表面41a)に設けられる。そして、温度センサ61は、蒸発器41の外表面(外表面41a)の温度を検出する。
【0051】
(混合領域)
図5に示すように、冷却装置100には、混合領域Mが設けられている。混合領域Mは、第1空気流路A1から流出した空気と、第2空気流路A2から流出した空気とを混合する領域である。そして、混合領域Mにおいて、混合された空気は、吐出口92側の流路(内側空気流路A4および外側空気流路A5)と、背面空気流路A3とに分配される。
【0052】
また、
図5に示すように、分割部材94は、誘導部94bを含む。誘導部94bは、分割部材94の上方端部近傍において、冷却空間Sが配置される側とは反対側のX2方向側(第2空気流路A2側)に向かって延びるように形成されている。また、誘導部94bは、第1空気流路A1および第2空気流路A2の少なくとも一方から流出した空気を、混合領域Mに誘導するように構成されている。
【0053】
第1実施形態では、誘導部94bは、第1空気流路A1から流出した空気を、X2方向側(第2空気流路A2側)に誘導することによって、第2空気流路A2から流出した空気を、混合領域Mに誘導するように構成されている。また、誘導部94bは、蒸発器42の下流側(Z1方向側)から見て、蒸発器42および第2空気流路A2の一部を覆うように形成されている。これにより、誘導部94bは、第2空気流路A2の分割部材93側(X1方向側)から流出した空気を、X2方向側に誘導する。
【0054】
また、分割部材95は、壁部95aを含む。壁部95aは、分割部材95の下方端部近傍において、冷却空間S側(X1方向側)に向かって延びるように形成されている。壁部95aは、混合領域Mの下流側(Z1方向側)に設けられ、混合領域Mによって混合される第1空気流路A1および第2空気流路A2から流出した空気の一部を遮るように設けられている。これにより、第1空気流路A1および第2空気流路A2から流出した空気を、渦を巻くように循環させ、効率よく混合させることができる。
【0055】
また、温度センサ62は、蒸発器42の外表面に設けられている。具体的には、温度センサ62は、蒸発器42の外表面のうち、第2空気流路A2の下流側(Z1方向側)の外表面(外表面42a)に設けられる。そして、温度センサ62は、蒸発器42の外表面の温度を検出する。
【0056】
(冷却運転)
冷却装置100は、制御部70の制御によって冷却運転を切り替えるように構成されている。具体的には、冷却装置100は、蒸発器41および42による冷却を行う第1冷却運転と、蒸発器41の除霜を行いながら、蒸発器42による冷却を行う第2冷却運転とを行うように構成されている。すなわち、冷却装置100は、蒸発器41の冷却運転と除霜運転とが切り替えられるように構成されている。
【0057】
第1冷却運転は、第2冷却運転よりも運転時間の長い運転である。たとえば、第1冷却運転の運転時間は、1時間~2時間程度であり、第2冷却運転の運転時間は、10分~15分程度である。すなわち、第1冷却運転は、冷却装置100の冷却運転において主となる運転である。なお、第1冷却運転では、空気の冷却とともに蒸発器42の除霜が行われ、第2冷却運転では、空気の冷却とともに蒸発器41の除霜が行われる。
【0058】
冷却装置100は、第1冷却運転時(第1空気流路A1に設けられる蒸発器41の冷却運転時)において、第2空気流路A2内に設けられる蒸発器42を流れる冷媒の温度を、蒸発器41を流れる冷媒の温度および蒸発器42に着霜が発生する温度よりも高くした状態で、商品が収容される冷却空間Sを冷却するように構成されている。
【0059】
具体的には、制御部70が、第1空気流路A1に設けられる蒸発器41の冷却運転時(第1冷却運転時)において、蒸発器42を流れる冷媒の圧力を、第2膨張弁51によって、蒸発器41を流れる冷媒の圧力よりも高くし、第2空気流路A2内に設けられる蒸発器42を流れる冷媒の温度を、蒸発器41を流れる冷媒の温度および蒸発器42に着霜が発生する温度よりも高くする。
【0060】
(第1冷却運転)
第1実施形態における第1冷却運転の一例について説明する。第1冷却運転において、制御部70は、第1膨張弁31によって、蒸発器41の蒸発温度(冷媒温度)を-7℃程度に制御する。また、制御部70は、第1膨張弁32と、第2膨張弁51との開度バランスによって、蒸発器42の蒸発温度(冷媒温度)を1℃程度に制御する。
【0061】
そして、送風ファン43の送風によって、吸込口91から流入した空気(10℃程度の外気)は、第1空気流路A1と、第2空気流路A2とに分岐する。第1空気流路A1において、吸込口91から流入した空気は、蒸発器41によって、-2℃程度に冷却される。また、第2空気流路A2において、吸込口91から流入した空気は、蒸発器42によって、除湿されるとともに、2℃程度に冷却される。この際、蒸発器42は着霜なく、吸込口91から流入した空気を冷却する。
【0062】
第1空気流路A1において(蒸発器41によって)-2℃程度に冷却された空気と、第2空気流路A2において(蒸発器42によって)除湿されるとともに、2℃程度に冷却された空気は、混合領域M(
図5参照)によって、混合される。混合領域Mでは、壁部95aおよび誘導部94bによって、第1空気流路A1から流出した空気と、第2空気流路A2から流出した空気とが効率よく混合される。
【0063】
混合領域Mにおいて混合され、0℃程度になった空気は、外側空気流路A5および内側空気流路A4に流入し、吐出口92から、それぞれアウターエアカーテンC2およびインナーエアカーテンC1として吐出されるとともに、背面空気流路A3に流入し、背面吹き孔80aを介して、冷却空間S内(庫内)に背面吹きとして吐出される。
【0064】
また、第1実施形態では、第2冷却運転時(蒸発器41の除霜運転時)における蒸発器42に流れる冷媒の温度を、第1冷却運転時(蒸発器41の冷却運転時)における蒸発器41を流れる冷媒の温度よりも低くするように構成されている。
【0065】
(第2冷却運転)
第1実施形態における第2冷却運転の一例について説明する。第1実施形態では、第2冷却運転時(蒸発器41の除霜運転時)において蒸発器42に流れる冷媒の温度を、第1冷却運転時(蒸発器41の冷却運転時)において蒸発器42に流れる冷媒の温度よりも低くするように構成されている。
【0066】
第2冷却運転において、制御部70は、第1膨張弁31を閉じ、蒸発器41への冷媒の供給を停止する。そして、蒸発器41内の冷媒の温度は、5℃程度になる。また、制御部70は、第1冷却運転よりも第2膨張弁51の開度を大きくし、冷媒の流路抵抗を低減させ、冷媒温度を低下させる。第2冷却運転においては、蒸発器42の冷媒温度を、第1冷却運転における冷媒温度よりも下げる。たとえば、冷媒温度を第1冷却運転の1℃程度から-10℃程度に下げる。
【0067】
そして、送風ファン43の送風によって、吸込口91から流入した空気(10℃程度の外気)は、第1空気流路A1と、第2空気流路A2とに分岐する。第1空気流路A1において、吸込口91から流入した空気は、蒸発器41によって、6℃程度に冷却される。また、第2空気流路A2において、吸込口91から流入した空気は、蒸発器42によって、-6℃程度に冷却される。なお、第2冷却運転時における冷媒温度の低下により、蒸発器42には霜が付着する(着霜する)が、第2冷却運転時において蒸発器42に付着した霜は、第1冷却運転時において融解して取り除かれる(除去される)。
【0068】
そして、第1冷却運転時と同様に、第1空気流路A1から流出した空気(6℃程度の空気)と、第2空気流路A2から流出した空気(-6℃程度の空気)とが、混合領域M(
図5参照)において混合される。混合領域Mにおいて混合され、0℃程度になった空気は、外側空気流路A5および内側空気流路A4に流入し、吐出口92から、それぞれアウターエアカーテンC2およびインナーエアカーテンC1として吐出されるとともに、背面空気流路A3に流入し、背面吹き孔80aを介して、冷却空間S内(庫内)に背面吹きとして吐出される。これにより、蒸発器41の除霜を行いながら、第1冷却運転時と同様に冷却空間Sを冷却(冷却空間Sの温度維持)が可能である。
【0069】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0070】
第1実施形態では、第1空気流路A1に設けられる蒸発器41の冷却運転時(第1冷却運転時)において、第2空気流路A2内に設けられる蒸発器42を流れる冷媒の温度を、蒸発器41を流れる冷媒の温度および蒸発器42に着霜が発生する温度よりも高くした状態で、商品が収容される冷却空間Sを冷却するように構成されている。これにより、蒸発器41の冷却運転時(第1冷却運転時)において、蒸発器42の着霜を防止しながら、蒸発器41による空気の冷却の補助を蒸発器42によって行うことができる。その結果、蒸発器42の除霜のための運転を行う必要がないとともに、蒸発器41のみで空気の冷却を行う場合と比べて、蒸発器41の着霜量を低減することができるので、蒸発器41の除霜を短時間かつ低熱負荷で行うことができる。また、蒸発器41および42が、互いに分離して設けられる第1空気流路A1および第2空気流路A2のそれぞれに設けられている。これにより、蒸発器41と蒸発器42とを同一の空気流路内に設ける場合に比べて、蒸発器41の除霜の際に、蒸発器42による空気の冷却を効率よく行うことができる。その結果、蒸発器41と蒸発器42とを同一の空気流路内に設ける場合に比べて、蒸発器41の除霜の際の冷却空間S(庫内)の温度の上昇を抑制することができる。これらの結果、蒸発器41の除霜の際の熱負荷の増大を抑制して、庫内温度維持を容易に行うことができる。
【0071】
また、第1実施形態では、上記のように、蒸発器41および42は、第1空気流路A1と第2空気流路A2とが隣り合う方向(X1方向側またはX2方向側)から見て、オーバーラップしないように配置されている。これにより、蒸発器41および42が、第1空気流路A1と第2空気流路A2が隣り合う方向から見て、オーバーラップする場合に比べて、第1空気流路A1と第2空気流路A2とが隣り合う方向(X方向)における冷却装置100の大きさが増大することを抑制することができる。
【0072】
また、第1実施形態では、上記のように、蒸発器41が内部に設けられる第1空気流路A1は、蒸発器42が内部に設けられる第2空気流路A2よりも、冷却空間S側(X1方向側)に配置されている。これにより、蒸発器41が内部に設けられる第1空気流路A1が、蒸発器42が内部に設けられる第2空気流路A2よりも、冷却空間S側(X1方向側)に配置されることによって、蒸発器41の冷却運転時(第1冷却運転時)において、流れる冷媒の温度が蒸発器42を流れる冷媒温度よりも低い蒸発器41を冷却空間S側に配置することができる。その結果、冷却空間S(庫内)の冷却温度を効率的に維持することができる。
【0073】
また、第1実施形態では、上記のように、蒸発器41および42によって冷却された空気を吐出する吐出口92と、冷却空間Sの背面側(X2方向側)で、かつ、冷却空間Sと第1空気流路A1との間に設けられる背面空気流路A3とを備える。そして、混合領域Mが、第1空気流路A1から流出した空気と、第2空気流路A2から流出した空気とを混合し、吐出口92側の流路(内側空気流路A4および外側空気流路A5)と、背面空気流路A3とに分配するように設けられている。これにより、混合領域Mによって、第1空気流路A1および第2空気流路A2の各々から流出した空気を混合し、吐出口92側の流路(内側空気流路A4および外側空気流路A5)および背面空気流路A3側の流路の各々に分配することができる。その結果、蒸発器41の冷却運転時および除霜運転時(第1冷却運転時および第2冷却運転時)において、蒸発器41および42の各々を流れる冷媒の温度が変化する場合でも、各運転時における吐出口92側の流路(内側空気流路A4および外側空気流路A5)および背面空気流路A3の各々に分配される空気の温度のばらつきを抑制することができるので、冷却空間S(庫内)の温度維持を容易に行うことができる。
【0074】
また、第1実施形態では、上記のように、壁部95aが、混合領域Mの下流側(Z1方向側)において、混合領域Mによって混合される第1空気流路A1および第2空気流路A2から流出した空気の一部を遮るように設けられている。これにより、壁部95aが、混合領域Mの下流側(Z1方向側)において、第1空気流路A1および第2空気流路A2から流出した空気の一部を遮ることによって、混合領域Mにおいて第1空気流路A1および第2空気流路A2の各々から流出した空気を、渦を巻くように循環させることができる。その結果、混合領域Mにおいて、第1空気流路A1および第2空気流路A2の各々から流出した空気を効率よく混合することができる。
【0075】
また、第1実施形態では、上記のように、誘導部94bが、第1空気流路A1および第2空気流路A2の各々から流出した空気を、混合領域Mに誘導するように構成されている。これにより、誘導部94bによって、第1空気流路A1および第2空気流路A2の各々から流出した空気が、混合領域Mに誘導されるので、第1空気流路A1および第2空気流路A2の各々から流出した空気を混合領域Mにおいて、より効率よく混合することができる。その結果、吐出部側の流路(内側空気流路A4および外側空気流路A5)および背面空気流路A3の各々に分配される空気の温度のばらつきをより効率よく抑制することができる。
【0076】
また、第1実施形態では、上記のように、外側空気流路A5および第2空気流路A2は、冷却空間Sに対して、それぞれ内側空気流路A4および第1空気流路A1よりも外側に設けられている。これにより、蒸発器41の冷却運転時(第1冷却運転時)において、混合領域Mにおける空気の混合が十分に行われない場合でも、流れる冷媒の温度が蒸発器41よりも高い蒸発器42によって冷却された空気が、第2空気流路A2から外側空気流路A5に流入しやすくなる。その結果、蒸発器41の冷却運転時(第1冷却運転時)において、混合領域Mにおける空気の混合が十分に行われない場合でも、アウターエアカーテンC2の温度よりもインナーエアカーテンC1の温度を低くすることができる。これにより、蒸発器41の冷却運転時(第1冷却運転時)において、冷却空間S側(庫内側)のエアカーテンの温度を低くすることができるので、冷却空間S(庫内)の温度維持を容易に行うことができる。
【0077】
また、第1実施形態では、上記のように、蒸発器41の除霜運転時(第2冷却運転時)における蒸発器42に流れる冷媒の温度を、蒸発器41の冷却運転時(第1冷却運転時)における蒸発器41を流れる冷媒の温度よりも低くするように構成されている。そして、蒸発器42は、蒸発器41よりも伝熱面積が大きくなるように構成されている。これにより、蒸発器42は、第1空気流路A1に設けられる蒸発器41よりも伝熱面積が大きいので、蒸発器41および蒸発器42の伝熱面積が同程度の場合に比べて、蒸発器42の伝熱効率が向上する。その結果、蒸発器41の除霜運転時(第2冷却運転時)において蒸発器42が空気の冷却を行う場合においても、冷却空間S(庫内)の冷却(温度維持)を安定して行うことができる。
【0078】
また、第1実施形態では、上記のように、第1空気流路A1および第2空気流路A2は、冷却する空気が下方から上方に流れるように上下方向(Z方向)に沿って延びるように形成されていている。そして、傾斜部93aおよび94aが、第1空気流路A1の蒸発器41の上方において、上方に向かうにしたがって内側に傾斜するように構成されている。これにより、第1空気流路A1を流れる空気に含まれる水分が傾斜部93aおよび94aに当たり、結露することによって、傾斜部93aおよび94aの下流側に流れる空気の水分量を低減することができる。その結果、第1空気流路A1から流出する空気の湿度が増加することを抑制することができる。
【0079】
また、第1実施形態では、上記のように、温度センサ61は、第1空気流路A1内において、蒸発器41の外表面(外表面41a)に設けられ、温度を検出するように構成されている。これにより、蒸発器41の外表面(外表面41a)の温度変化を温度センサ61によって検出することができるので、蒸発器41の除霜の完了を容易に検出することができる。
【0080】
[第2実施形態]
図6を参照して、第2実施形態による冷却装置200の構成について説明する。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成の部分には、同一の符号を付している。
【0081】
第2実施形態における冷却装置200では、第1空気流路A1内において、蒸発器41の外表面(外表面41a)に設けられる第1実施形態による冷却装置100とは異なり、温度センサ261が、第1空気流路A1内において、蒸発器41と離間するように、蒸発器41の下流に設けられている。そして、温度センサ261は、蒸発器41の下流において蒸発器41によって冷却された空気の温度を検出するように構成されている。
【0082】
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0083】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0084】
第2実施形態では、上記第1実施形態と同様に、蒸発器41の除霜の際の熱負荷の増大を抑制して、庫内温度維持を容易に行うことができる。
【0085】
また、第2実施形態では、上記のように、温度センサ261が、第1空気流路A1内において、蒸発器41の下流に設けられ、温度を検出するように構成されている。これにより、蒸発器41によって冷却された空気の温度変化を温度センサ261によって検出することができるので、蒸発器41の除霜の完了を容易に検出することができる。
【0086】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0087】
[第3実施形態]
図7を参照して、第3実施形態による冷却装置300の構成について説明する。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成の部分には、同一の符号を付している。
【0088】
冷却装置300は、上記第1実施形態と同様に、混合領域Mによって混合された空気を、背面空気流路A3から冷却空間Sに向かって、水平方向に沿って吐出するための背面吹き孔80aを有する板状の背面板80を備える。また、冷却装置300は、第1空気流路A1において蒸発器41によって冷却された空気を、第1空気流路A1から背面空気流路A3(X1方向側)に向かって、水平方向に沿って吐出するための吐出孔394cを備える。吐出孔394cは、第1空気流路A1から背面空気流路A3に連通するように分割部材94に設けられた孔である。なお、吐出孔394cは、特許請求の範囲の「水平吐出孔」の一例である。また、吐出孔394cは、分割部材94に複数設けられている。
【0089】
第3実施形態では、第1空気流路A1において蒸発器41によって冷却され、吐出孔394cから吐出した空気が、背面空気流路A3を流れる空気を押し出すようにして、背面吹き孔80aからの空気の吹き出しを補助するように構成されている。
【0090】
なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0091】
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0092】
第3実施形態では、上記第1実施形態と同様に、蒸発器41の除霜の際の熱負荷の増大を抑制して、庫内温度維持を容易に行うことができる。
【0093】
また、第3実施形態では、上記のように、混合領域Mによって混合された空気を、背面空気流路A3から冷却空間Sに向かって、水平方向に沿って吐出するための背面吹き孔80aを有する板状の背面板80を備える。そして、第1空気流路A1において蒸発器41によって冷却された空気を、第1空気流路A1から背面空気流路A3に向かって、水平方向に沿って吐出するための吐出孔394cを備える。これにより、第1空気流路A1において蒸発器41によって冷却された空気を、第1空気流路A1から背面空気流路A3に向かって、水平方向に沿って吐出することによって、背面空気流路A3を流れる空気を背面吹き孔80aから押し出すことができる。その結果、蒸発器41および蒸発器42による冷却後に混合領域Mにおいて混合され、背面空気流路A3を流れる空気を、背面吹き孔80aから冷却空間Sに容易に送り込むことができるので、冷却空間S(庫内)をより効果的に冷却することができる。
【0094】
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0095】
[第4実施形態]
図8を参照して、第4実施形態による冷却装置400の構成について説明する。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成の部分には、同一の符号を付している。
【0096】
第4実施形態における冷却装置400では、混合領域Mを備える第1実施形態による冷却装置100とは異なり、蒸発器41および42によって冷却された空気を混合せずに、それぞれ吐出するように構成されている。冷却装置400では、吸込口91(送風ファン43)と吐出口92との間の空気の流路が、分割部材493によって、蒸発器41が設けられる第1空気流路B1と、蒸発器42が設けられる第2空気流路B2とに分割されている。そして、冷却装置400では、蒸発器41が、蒸発器42よりも下方(Z2方向側)に配置されている。また、冷却装置400は、第1空気流路B1の蒸発器41の上方(Z1方向側)において、上方に向かうにしたがって内側に傾斜する傾斜部493aを備える。具体的には、分割部材493は、第1空気流路B1の蒸発器41の上方(Z1方向側)において、冷却空間S側(X1方向側)に傾斜する傾斜部493aを有している。傾斜部493aは、蒸発器41の上方(Z1方向側)かつ蒸発器42の下方(Z2方向側)に設けられている。
【0097】
また、第2空気流路B2は、第1空気流路B1に対して、冷却空間Sが配置される側とは反対側に配置される。すなわち、蒸発器41が内部に設けられる第1空気流路B1が、蒸発器42が内部に設けられる第2空気流路B2よりも、冷却空間S側(X1方向側)に配置される。そして、蒸発器41が設けられる第1空気流路B1において冷却された空気が、内側吐出口92aから、インナーエアカーテンC1として吐出されるとともに、背面吹き孔80a(
図3参照)を介して、冷却空間S内(庫内)に背面吹きとして吐出される。また、蒸発器42が設けられる第2空気流路B2において冷却された空気が、外側吐出口92bから、アウターエアカーテンC2として吐出される。
【0098】
(冷却運転)
冷却装置400は、制御部70の制御によって冷却運転を切り替えるように構成されている。具体的には、冷却装置400は、第1実施形態による冷却装置100と同様に、蒸発器41および42による冷却を行う第1冷却運転と、蒸発器41の除霜を行いながら、蒸発器42による冷却を行う第2冷却運転とを行うように構成されている。すなわち、冷却装置400は、蒸発器41の冷却運転と除霜運転とが切り替えられるように構成されている。
【0099】
(第1冷却運転)
第4実施形態(冷却装置400)における第1冷却運転の一例について説明する。第1冷却運転において、制御部70は、第1膨張弁31によって、蒸発器41の蒸発温度(冷媒温度)を-7℃に制御する。また、制御部70は、第1膨張弁32と、第2膨張弁51との開度バランスによって、蒸発器42の蒸発温度(冷媒温度)を1℃に制御する。
【0100】
そして、送風ファン43の送風によって、吸込口91から流入した空気(12℃程度の外気)は、第1空気流路B1と、第2空気流路B2とに分岐する。第1空気流路B1において、吸込口91から流入した空気は、蒸発器41によって、-2℃程度に冷却される。蒸発器41によって、-2℃程度に冷却された空気は、内側吐出口92aから、インナーエアカーテンC1として吐出されるとともに、背面吹き孔80aを介して、冷却空間S内(庫内)に背面吹きとして吐出される。
【0101】
また、第2空気流路B2において、吸込口91から流入した空気は、蒸発器42によって、除湿されるとともに、2℃程度に冷却される。この際、蒸発器42は着霜なく、吸込口91から流入した空気を冷却する。蒸発器42によって、除湿されるとともに、2℃程度に冷却された空気は、外側吐出口92bから、アウターエアカーテンC2として吐出される。
【0102】
(第2冷却運転)
第4実施形態(冷却装置400)における第2冷却運転の一例について説明する。第4実施形態では、第2冷却運転時(蒸発器41の除霜運転時)において蒸発器42に流れる冷媒の温度を、第1冷却運転時(蒸発器41の冷却運転時)において蒸発器42に流れる冷媒の温度よりも低くするように構成されている。
【0103】
第2冷却運転において、制御部70は、第1膨張弁31を閉じ、蒸発器41への冷媒の供給を停止する。そして、蒸発器41内の冷媒の温度は、5℃程度になる。また、制御部70は、第1冷却運転よりも第2膨張弁51の開度を大きくし、冷媒の流路抵抗を低減させ、冷媒温度を低下させる。第2冷却運転においては、蒸発器42の冷媒温度を、第1冷却運転における冷媒温度よりも下げる。たとえば、冷媒温度を第1冷却運転の1℃程度から-7℃程度に下げる。
【0104】
そして、送風ファン43の送風によって、吸込口91から流入した空気(10℃程度の外気)は、第1空気流路B1と、第2空気流路B2とに分岐する。第1空気流路B1において、吸込口91から流入した空気は、蒸発器41を除霜しながら、6℃程度に冷却される。蒸発器41によって、6℃程度に冷却された空気は、内側吐出口92aから、インナーエアカーテンC1として吐出されるとともに、背面吹き孔80aを介して、冷却空間S内(庫内)に背面吹きとして吐出される。
【0105】
また、第2空気流路B2において、吸込口91から流入した空気は、蒸発器42によって、-2℃程度に冷却される。蒸発器42によって、-2℃程度に冷却された空気は、外側吐出口92bから、アウターエアカーテンC2として吐出される。なお、第2冷却運転時において、蒸発器42に付着した霜は、第1冷却運転時において融解して取り除かれる(除去される)。
【0106】
なお、第4実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0107】
(第4実施形態の効果)
第4実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0108】
第4実施形態では、上記第1実施形態と同様に、蒸発器41の除霜の際の熱負荷の増大を抑制して、庫内温度維持を容易に行うことができる。
【0109】
[変形例]
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であり制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
【0110】
たとえば、上記第1~第4実施形態では、冷却装置100、200、300および400は、縦型ショーケースである例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、冷却装置は、冷却した空気を水平方向に沿った方向に吐き出し、エアカーテンを形成する平型ショーケースであってもよい。
【0111】
また、上記第1~第4実施形態では、蒸発器41および42(主蒸発器および副蒸発器)は、第1空気流路A1と第2空気流路A2とが隣り合う方向(X1方向側またはX2方向側)から見て、オーバーラップしないように配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、主蒸発器および副蒸発器は、第1空気流路と第2空気流路とが隣り合う方向から見て、オーバーラップしてもよい。
【0112】
また、上記第1~第3実施形態では、蒸発器41(主蒸発器)が内部に設けられる第1空気流路A1は、蒸発器42(副蒸発器)が内部に設けられる第2空気流路A2よりも、冷却空間S側(X1方向側)に配置されている例を示した。すなわち、蒸発器41(主蒸発器)が内部に設けられる第1空気流路A1と、蒸発器42(副蒸発器)が内部に設けられる第2空気流路A2とが、冷却装置100の前後方向(X方向)に配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、主蒸発器が内部に設けられる第1空気流路と、副蒸発器が内部に設けられる第2空気流路とが、冷却装置の前後方向(X方向)ではなく、左右方向(Y方向)に隣り合うように配置されてもよい。
【0113】
また、上記第4実施形態では、蒸発器41(主蒸発器)が内部に設けられる第1空気流路B1を、蒸発器42(副蒸発器)が内部に設けられる第2空気流路B2よりも、冷却空間S側(X1方向側)に配置するとともに、混合領域Mを設けないように構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、
図9に示す変形例による冷却装置500のように、蒸発器42(副蒸発器)が内部に設けられる第2空気流路D2を、蒸発器41(主蒸発器)が内部に設けられる第1空気流路D1よりも、冷却空間S側(X1方向側)に配置するとともに、混合領域Mを設けないように構成してもよい。冷却装置500では、吸込口91(送風ファン43)と吐出口92との間の空気の流路が、分割部材593によって、蒸発器41が設けられる第1空気流路D1と、蒸発器42が設けられる第2空気流路D2とに分割されている。そして、冷却装置500では、蒸発器41が、蒸発器42よりも上方(Z1方向側)に配置されている。さらに、冷却装置500では、上記第1~第4実施形態と同様に、第2冷却運転時(蒸発器41の除霜運転時)において蒸発器42に流れる冷媒の温度を、蒸発器41に流れる冷媒の温度よりも低く、かつ、第1冷却運転時(蒸発器41の冷却運転時)において蒸発器42に流れる冷媒の温度よりも低くするように構成されている。これにより、蒸発器42が内部に設けられる第2空気流路D2が、蒸発器41が内部に設けられる第1空気流路D1よりも、冷却空間S側(X1方向側)に配置されることによって、第2冷却運転時(蒸発器41の除霜運転時)において、流れる冷媒の温度が蒸発器41を流れる冷媒温度よりも低い蒸発器42を冷却空間S側に配置することができる。その結果、第2冷却運転時(蒸発器41の除霜運転時)における冷却空間S(庫内)の冷却温度を効率的に維持することができる。
【0114】
また、上記第1実施形態では、混合領域Mと吐出口92(吐出部)との間の空気の流路を、外側空気流路A5と、内側空気流路A4とに分割する分割部材95が、壁部95aを含む例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、混合領域によって混合される第1空気流路および第2空気流路から流出した空気の一部を遮るように設けられた壁部と、混合領域と吐出部との間の空気の流路を分割するための分割部材とを別個に設けてもよい。
【0115】
また、上記第1~第3実施形態では、第1空気流路A1および第2空気流路A2の各々から流出した空気を、混合領域Mに誘導するための誘導部94bを備える例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、誘導部は、第1空気流路および第2空気流路のうち、第1空気流路から流出した空気を、混合領域に誘導するように構成されてもよい。これにより、誘導部94bによって、第1空気流路から流出した空気が、混合領域に誘導されるので、第1空気流路および第2空気流路の各々から流出した空気を混合領域において、より効率よく混合することができる。また、本発明では、誘導部は、第1空気流路および第2空気流路のうち、第2空気流路から流出した空気を、混合領域に誘導するように構成されてもよい。これにより、誘導部94bによって、第2空気流路から流出した空気が、混合領域に誘導されるので、第1空気流路および第2空気流路の各々から流出した空気を混合領域において、より効率よく混合することができる。
【0116】
また、上記第1~第3実施形態では、混合領域Mと吐出口92(吐出部)との間の空気の流路を、外側空気流路A5と、外側空気流路A5よりも冷却空間S側に配置される内側空気流路A4とに分割する分割部材95を備える例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、混合領域と吐出部との間の空気の流路を分割するための分割部材を設けないように構成して、混合領域によって混合された空気を分岐させずに、吐出部からそのまま吐出させてもよい。
【0117】
また、上記第1~第4実施形態では、蒸発器42(副蒸発器)は、蒸発器41(主蒸発器)よりも伝熱面積が大きくなるように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、副蒸発器の伝熱面積は、主蒸発器の伝熱面積よりも小さくてもよいし、主蒸発器および副蒸発器の伝熱面積が同程度であってもよい。
【0118】
また、上記第1実施形態では、温度センサ62が、蒸発器42(副蒸発器)の外表面42aに設けられる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、副蒸発器によって冷却された空気の温度を検出する温度センサを、副蒸発器(第2空気流路)の下流において、副蒸発器とは離間して設けてもよい。
【0119】
また、上記第1実施形態では、第1空気流路A1内には、1つの蒸発器41(主蒸発器)が設けられる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1空気流路内には、主蒸発器が複数(2つ以上)設けられてもよい。
【0120】
また、上記第1実施形態では、第2空気流路A2内には、1つの蒸発器42(副蒸発器)が設けられる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第2空気流路内には、副蒸発器が複数(2つ以上)設けられてもよい。
【符号の説明】
【0121】
10 圧縮機
20 凝縮器
41 蒸発器(主蒸発器)
42 蒸発器(副蒸発器)
61、261 温度センサ
80 背面板
80a 背面吹き孔
92 吐出口(吐出部)
92a 内側吐出口(内側吐出部)
92b 外側吐出口(外側吐出部)
93a、94a、493a 傾斜部
94b 誘導部
95 分割部材
95a 壁部
100、200、300、400、500 冷却装置
394c 吐出孔(水平吐出孔)
A1、B1、D1 第1空気流路
A2、B2、D2 第2空気流路
A3 背面空気流路
A4 内側空気流路
A5 外側空気流路
C1 インナーエアカーテン(内側エアカーテン)
C2 アウターエアカーテン(外側エアカーテン)
M 混合領域
S 冷却空間