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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-08
(45)【発行日】2025-04-16
(54)【発明の名称】可変型構造物
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/02 20180101AFI20250409BHJP
   A01G 18/62 20180101ALI20250409BHJP
   A01G 31/06 20060101ALI20250409BHJP
   A01K 1/00 20060101ALI20250409BHJP
   A01K 63/00 20170101ALI20250409BHJP
   H05K 7/18 20060101ALI20250409BHJP
【FI】
A01G9/02 B
A01G18/62
A01G31/06
A01K1/00 A
A01K63/00 C
H05K7/18 A
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2024179520
(22)【出願日】2024-10-15
【審査請求日】2024-12-24
(31)【優先権主張番号】P 2024147867
(32)【優先日】2024-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】724009459
【氏名又は名称】Agriit株式会社
(72)【発明者】
【氏名】金 亨泰
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-217392(JP,A)
【文献】特開2011-072281(JP,A)
【文献】特開2011-024768(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第112346494(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 9/02
A01G 18/62
A01G 31/06
A01K 1/00
A01K 63/00
H05K 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の構造物の内部に設けられる可変型構造物であり、内側(I1、I2、I4、I5、I7、I8、I10、I11、I12、I13)において、植物(P)又はキノコ(M)が栽培されるか、家畜(L)が飼育されるか、水棲生物(Q)が養殖されるか、商品(G)が保管されるか、サーバー(SV)が設置される、可変型構造物であって、
態様を変えられ、前記内部に立てられる前壁(110、210、310、410)と、
前記前壁に接する天井(150、250、350、450)と、
前記内部に立てられ、前記前壁に対向し、前記天井に接する後壁(140、240、340、440)と、
前記内部に立てられ、前記前壁と前記天井と前記後壁とに接する左側壁(120、220、320、420)と、
前記内部に立てられ、前記左側壁に対向し、前記前壁と前記天井と前記後壁とに接する右側壁(130、230、330、430)と、
を備え、
前記内側は、前記前壁と、前記天井と、前記後壁と、前記左側壁と、前記右側壁とが囲うことにより形成され、
前記外側の空気調和機(11)から、空調調和された空気を前記内側へ、供給する開口であって、前記空気調和機と通じるホース(111、115、116)と連通される開口が、前記前壁と、前記天井と、前記後壁と、前記左側壁と、前記右側壁との少なくとも何れかに設けられ、
前記前壁の態様が変えられることにより、前記可変型構造物の外側と前記内側とが遮断された状態から、前記外側と前記内側とが連通される状態に変えられる、
可変型構造物。
【請求項2】
前記前壁は、
前記植物又は前記キノコと、前記家畜と、前記水棲生物と、前記商品と、前記サーバーと、の何れかに対する人又は装置による作業が行われる場合に前記人又は前記装置に用いられる、前記外側の通路(102)、
に面し、
前記前壁の態様が変えられることにより、前記通路と前記内側とが遮断された状態から、前記通路と前記内側とが連通される状態に変えられる、
請求項1に記載の可変型構造物。
【請求項3】
前記内部の床(F)に対して略垂直に設けられる第1ガイドレール(112)と、
前記第1ガイドレールに対向し、前記床に対して略垂直に設けられる第2ガイドレール(113)と、
をさらに備え、
前記前壁が前記第1ガイドレール及び前記第2ガイドレールにガイドされてスライドされることにより、前記前壁の態様が変えられる、
請求項1又は請求項2に記載の可変型構造物。
【請求項4】
前記内部の床に対して略平行に設けられる第3ガイドレール(211、311)と、
前記第3ガイドレールに対向し、前記床に対して略平行に設けられる第4ガイドレール(212、312)と、
をさらに備え、
前記前壁が前記第3ガイドレール及び前記第4ガイドレールにガイドされてスライドされることにより、前記前壁の態様が変えられる、
請求項1又は請求項2に記載の可変型構造物。
【請求項5】
記天井の端部に沿って設けられる回転軸(AX)、
をさらに備え、
前記天井は、前記前壁に連結され、
前記天井が前記回転軸を軸に回転される場合、前記前壁も前記天井に連れられて回転されることにより、前記前壁の態様が変えられる、
請求項1又は請求項2に記載の可変型構造物。
【請求項6】
前記前壁と、前記天井と、前記後壁と、前記左側壁と、前記右側壁と、の少なくとも何れかは、前記外側の光を前記内側へ透過させる、
請求項1又は請求項2に記載の可変型構造物。
【請求項7】
前記供給する開口は、前記可変型構造物の略鉛直方向の中央よりも略鉛直下方に設けられる、
請求項1又は請求項2に記載の可変型構造物。
【請求項8】
前記供給する開口は、前記可変型構造物の略鉛直方向の中央よりも略鉛直上方に設けられる、
請求項1又は請求項2に記載の可変型構造物。
【請求項9】
前記供給する開口には、前記可変型構造物の略鉛直方向の中央よりも略鉛直下方に設けられる第1開口(221)と、前記可変型構造物の略鉛直方向の中央よりも略鉛直上方に設けられる第2開口(222)と、が含まれ
前記第1開口は、前記空気調和機から暖められた空気を前記内側へ、供給する開口であり、
前記第2開口は、前記空気調和機から冷やされた空気を前記内側へ、供給する開口である、
請求項1又は請求項2に記載の可変型構造物。
【請求項10】
前記供給する開口には、前記可変型構造物の略鉛直方向の中央よりも略鉛直下方に設けられる第1開口と、前記可変型構造物の略鉛直方向の中央よりも略鉛直上方に設けられる第2開口と、が含まれ
前記第1開口は、前記空気調和機から加湿された空気を前記内側へ、供給する開口であり、
前記第2開口は、前記空気調和機から除湿された空気を前記内側へ、供給する開口である、
請求項1又は請求項2に記載の可変型構造物。
【請求項11】
前記内側の空気を前記内側から前記外側へ排出する開口
がさらに設けられる請求項1又は請求項2に記載の可変型構造物。
【請求項12】
前記排出する開口は、
前記の供給する開口が設けられる、前記可変型構造物の構成要素に対向する、
前記可変型構造物の構成要素に設けられる、
請求項11に記載の可変型構造物。
【請求項13】
前記供給する開口が前記可変型構造物の略鉛直方向の中央よりも略鉛直下方に設けられる場合、前記排出する開口は、前記可変型構造物の略鉛直方向の中央よりも略鉛直上方に設けられ、
前記供給する開口が前記可変型構造物の略鉛直方向の中央よりも略鉛直上方に設けられる場合、前記排出する開口は、前記可変型構造物の略鉛直方向の中央よりも略鉛直下方に設けられる、
請求項11に記載の可変型構造物。
【請求項14】
前記排出する開口は、前記空気調和機の吸込口に連通されるホースと、連通される。
請求項11に記載の可変型構造物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、可変型構造物に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【文献】特開2024-009511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1には、果菜植物を栽培するための照明装置が設けられた温室が開示されている。本開示の目的は、植物の栽培などが行われる可変型の構造物にかかる省エネルギーを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の観点の可変型構造物は、他の構造物の内部に設けられる可変型構造物であり、内側において、植物又はキノコが栽培されるか、家畜が飼育されるか、水棲生物が養殖されるか、商品が保管されるか、サーバーが設置される、可変型構造物であって、態様を変えられる第1構成要素、を備える。第1構成要素の態様が変えられることにより、可変型構造物の外側と内側とが遮断された状態から、外側と内側とが連通される状態に変えられる。
【0005】
第2の観点の可変型構造物は、第1の観点の可変型構造物であって、第1構成要素が、植物又はキノコと、家畜と、水棲生物と、商品と、サーバーと、の何れかに対する人又は装置による作業が行われる場合に人又は装置に用いられる、外側の通路、に面する。第1構成要素の態様が変えられることにより、通路と内側とが遮断された状態から、通路と内側とが連通される状態に変えられる。
【0006】
第3の観点の可変型構造物は、第1の観点又は第2の観点の可変型構造物であって、内部の床に対して略垂直に設けられる第1ガイドレールと、第1ガイドレールに対向し、床に対して略垂直に設けられる第2ガイドレールと、をさらに備える。第1構成要素が第1ガイドレール及び第2ガイドレールにガイドされてスライドされることにより、第1構成要素の態様が変えられる。
【0007】
第4の観点の可変型構造物は、第1の観点又は第2の観点の可変型構造物であって、内部の床に対して略平行に設けられる第3ガイドレールと、第3ガイドレールに対向し、床に対して略平行に設けられる第4ガイドレールと、をさらに備える。第1構成要素が第3ガイドレール及び第4ガイドレールにガイドされてスライドされることにより、第1構成要素の態様が変えられる。
【0008】
第5の観点の可変型構造物は、第1の観点又は第2の観点の可変型構造物であって、内部の床に対向し、第1構成要素に連結され、動かせる天井と、天井の端部に沿って設けられる回転軸と、をさらに備える。天井が回転軸を軸に回転される場合、第1構成要素も天井に連れられて回転されることにより、第1構成要素の態様が変えられる。
【0009】
第6の観点の可変型構造物は、第1の観点から第5の観点の何れかの観点の可変型構造物であって、第1構成要素が、内部の床に立てられる前壁である。第6の観点の可変型構造物は、床に対向し、前壁に接する天井と、床に立てられ、前壁に対向し、天井に接する後壁と、床に立てられ、前壁と天井と後壁とに接する左側壁と、床に立てられ、左側壁に対向し、前壁と天井と後壁とに接する右側壁と、をさらに備える。天井に対向する、床の領域を、前壁と、天井と、後壁と、左側壁と、右側壁と、が囲うことにより、内側が形成される。
【0010】
第7の観点の可変型構造物は、第6の観点の可変型構造物であって、前壁と、天井と、後壁と、左側壁と、右側壁と、の少なくとも何れかが、外側の光を内側へ透過させる。
【0011】
第8の観点の可変型構造物は、第1の観点又は第2の観点の可変型構造物であって、内側が、少なくとも、第1構成要素と、他の構造物の縦壁と、他の構造物の天井と、の少なくとも何れかと、が、植物又はキノコが栽培されるか、家畜が飼育されるか、水棲生物が養殖されるか、商品が保管されるか、サーバーが設置される、内部の床の領域、を囲うことにより形成される。
【0012】
第9の観点の可変型構造物は、第1の観点から第8の観点の何れかの観点の可変型構造物であって、外側の空気調和機から、空調調和された空気を内側へ、供給するための供給部、がさらに設けられる。
【0013】
第10の観点の可変型構造物は、第9の観点の可変型構造物であって、供給部が、可変型構造物の略鉛直方向の中央よりも略鉛直下方に設けられる。
【0014】
第11の観点の可変型構造物は、第9の観点の可変型構造物であって、供給部が、可変型構造物の略鉛直方向の中央よりも略鉛直上方に設けられる。
【0015】
第12の観点の可変型構造物は、第9の観点の可変型構造物であって、供給部が、可変型構造物の略鉛直方向の中央よりも略鉛直下方に設けられる第1開口と、可変型構造物の略鉛直方向の中央よりも略鉛直上方に設けられる第2開口と、を含み、第1開口が、空気調和機から暖められた空気を内側へ、供給するための開口であり、第2開口が、空気調和機から冷やされた空気を内側へ、供給するための開口である。
【0016】
第13の観点の可変型構造物は、第9の観点の可変型構造物であって、供給部が、可変型構造物の略鉛直方向の中央よりも略鉛直下方に設けられる第1開口と、可変型構造物の略鉛直方向の中央よりも略鉛直上方に設けられる第2開口と、を含み、第1開口が、空気調和機から加湿された空気を内側へ、供給するための開口であり、第2開口が、空気調和機から除湿された空気を内側へ、供給するための開口である。
【0017】
第14の観点の可変型構造物は、第9の観点から第13の観点の何れかの観点の可変型構造物であって、内側の空気を内側から外側へ排出するための排出部、がさらに設けられる。
【0018】
第15の観点の可変型構造物は、第14の観点の可変型構造物であって、排出部が、供給部が設けられる、可変型構造物の構成要素に対向する可変型構造物の構成要素、に設けられる。
【0019】
第16の観点の可変型構造物は、第14の観点又は第15の観点の可変型構造物であって、供給部が可変型構造物の略鉛直方向の中央よりも略鉛直下方に設けられる場合、排出部が、可変型構造物の略鉛直方向の中央よりも略鉛直上方に設けられる。供給部が可変型構造物の略鉛直方向の中央よりも略鉛直上方に設けられる場合、排出部は、可変型構造物の略鉛直方向の中央よりも略鉛直下方に設けられる。
【0020】
第17の観点の可変型構造物は、第14の観点から第16観点の何れかの観点の可変型構造物であって、排出部が、空気調和機の吸込口に連通されるホースと、連通される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】設備1の全体構成を示す概略構成図である。
図2】構造物100Aの詳細構成を示す斜視図である。
図3】構造物100Aの詳細構成を示す正面図である。
図4】構造物100Aの詳細構成を示す背面図である。
図5】構造物100Aの詳細構成を示す左側面図である。
図6】構造物100Aの詳細構成を示す右側面図である。
図7】構造物100Aの詳細構成を示す平面図である。
図8】構造物100Aの詳細構成を示す斜視図である。
図9】構造物100Aの詳細構成を示す正面図である。
図10】構造物100Aの詳細構成を示す背面図である。
図11】構造物100Aの詳細構成を示す斜視図である。
図12】構造物100Aの詳細構成を示す正面図である。
図13】構造物100Aの詳細構成を示す背面図である。
図14】設備1の動作を示すフローチャートである。
図15】構造物100Aの詳細構成を示す斜視図である。
図16】構造物100Aの詳細構成を示す斜視図である。
図17】設備1の全体構成を示す概略構成図である。
図18】構造物100Aの詳細構成を示す斜視図である。
図19】構造物100Aの詳細構成を示す正面図である。
図20】構造物100Aの詳細構成を示す背面図である。
図21】構造物100Aの詳細構成を示す左側面図である。
図22】構造物100Aの詳細構成を示す右側面図である。
図23】構造物100Aの詳細構成を示す平面図である。
図24】設備1の全体構成を示す概略構成図である。
図25】設備1の全体構成を示す概略構成図である。
図26】構造物100Aの詳細構成を示す斜視図である。
図27】構造物100Aの詳細構成を示す正面図である。
図28】構造物100Aの詳細構成を示す背面図である。
図29】構造物100Aの詳細構成を示す左側面図である。
図30】構造物100Aの詳細構成を示す右側面図である。
図31】構造物100Aの詳細構成を示す平面図である。
図32】設備1の全体構成を示す概略構成図である。
図33】設備1の全体構成を示す概略構成図である。
図34】設備1の全体構成を示す概略構成図である。
図35】設備2の全体構成を示す概略構成図である。
図36】構造物200Aの詳細構成を示す斜視図である。
図37】構造物200Aの詳細構成を示す正面図である。
図38】構造物200Aの詳細構成を示す背面図である。
図39】構造物200Aの詳細構成を示す左側面図である。
図40】構造物200Aの詳細構成を示す右側面図である。
図41】構造物200Aの詳細構成を示す平面図である。
図42】構造物200Aの詳細構成を示す斜視図である。
図43】構造物200Aの詳細構成を示す正面図である。
図44】構造物200Aの詳細構成を示す背面図である。
図45】構造物200Aの詳細構成を示す斜視図である。
図46】構造物200Aの詳細構成を示す正面図である。
図47】構造物200Aの詳細構成を示す背面図である。
図48】設備2の動作を示すフローチャートである。
図49】設備2の全体構成を示す概略構成図である。
図50】設備2の全体構成を示す概略構成図である。
図51】設備2の全体構成を示す概略構成図である。
図52】設備2の全体構成を示す概略構成図である。
図53】設備2の全体構成を示す概略構成図である。
図54】設備2の全体構成を示す概略構成図である。
図55】設備3の全体構成を示す概略構成図である。
図56】構造物300Aの詳細構成を示す斜視図である。
図57】構造物300Aの詳細構成を示す正面図である。
図58】構造物300Aの詳細構成を示す背面図である。
図59】構造物300Aの詳細構成を示す左側面図である。
図60】構造物300Aの詳細構成を示す右側面図である。
図61】構造物300Aの詳細構成を示す平面図である。
図62】構造物300Aの詳細構成を示す斜視図である。
図63】構造物300Aの詳細構成を示す正面図である。
図64】構造物300Aの詳細構成を示す背面図である。
図65】構造物300Aの詳細構成を示す斜視図である。
図66】構造物300Aの詳細構成を示す正面図である。
図67】構造物300Aの詳細構成を示す背面図である。
図68】設備3の動作を示すフローチャートである。
図69】設備3の全体構成を示す概略構成図である。
図70】設備3の全体構成を示す概略構成図である。
図71】設備3の全体構成を示す概略構成図である。
図72】設備3の全体構成を示す概略構成図である。
図73】設備3の全体構成を示す概略構成図である。
図74】設備3の全体構成を示す概略構成図である。
図75】設備4の全体構成を示す概略構成図である。
図76】構造物400Aの詳細構成を示す斜視図である。
図77】構造物400Aの詳細構成を示す正面図である。
図78】構造物400Aの詳細構成を示す背面図である。
図79】構造物400Aの詳細構成を示す左側面図である。
図80】構造物400Aの詳細構成を示す右側面図である。
図81】構造物400Aの詳細構成を示す平面図である。
図82】構造物400Aの詳細構成を示す斜視図である。
図83】構造物400Aの詳細構成を示す正面図である。
図84】構造物400Aの詳細構成を示す背面図である。
図85】構造物400Aの詳細構成を示す左側面図である。
図86】構造物400Aの詳細構成を示す右側面図である。
図87】構造物400Aの詳細構成を示す平面図である。
図88】設備4の動作を示すフローチャートである。
図89】設備4の全体構成を示す概略構成図である。
図90】設備4の全体構成を示す概略構成図である。
図91】設備4の全体構成を示す概略構成図である。
図92】設備4の全体構成を示す概略構成図である。
図93】設備4の全体構成を示す概略構成図である。
図94】設備4の全体構成を示す概略構成図である。
図95】設備5の全体構成を示す概略構成図である。
図96】構造物500Aの詳細構成を示す斜視図である。
図97】構造物500Aの詳細構成を示す正面図である。
図98】構造物500Aの詳細構成を示す背面図である。
図99】構造物500Aの詳細構成を示す左側面図である。
図100】構造物500Aの詳細構成を示す右側面図である。
図101】構造物500Aの詳細構成を示す平面図である。
図102】構造物500Aの詳細構成を示す斜視図である。
図103】構造物500Aの詳細構成を示す正面図である。
図104】構造物500Aの詳細構成を示す背面図である。
図105】構造物500Aの詳細構成を示す斜視図である。
図106】構造物500Aの詳細構成を示す正面図である。
図107】構造物500Aの詳細構成を示す背面図である。
図108】設備5の動作を示すフローチャートである。
図109】設備5の全体構成を示す概略構成図である。
図110】設備5の全体構成を示す概略構成図である。
図111】設備5の全体構成を示す概略構成図である。
図112】設備5の全体構成を示す概略構成図である。
図113】設備5の全体構成を示す概略構成図である。
図114】設備5の全体構成を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<現状>
近年、内部において、植物又はキノコが栽培されるか、家畜が飼育されるか、水棲生物が養殖されるか、商品が保管されるか、サーバーが設置される、構造物が用いられている。植物又はキノコと、家畜と、水棲生物と、商品と、サーバーとが存在する構造物の内部を所定の環境(温度、湿度など)にするために、構造物の内部に対する空気調和が行われている。そのため、構造物の内部に対する空気調和に多くのエネルギーが使われるとの問題が生じている。以下、上記問題の解決に貢献する可変型構造物の一例の実施形態について説明する。
【0023】
以下の実施形態において、前はX方向、後はマイナスX方向、左はマイナスZ方向、右はZ方向、下はマイナスY方向、上はY方向を意味する。奥行きは、X方向の長さである。横幅は、Z方向の長さである。高さは、床FからのY方向の距離である。
【0024】
以下の実施形態において、床は、略水平である。そのため、床に対して略垂直であると、略鉛直である。床に対して略平行であると、略水平である。斜視図は、斜め上から見た図である。正面図は、前からの見た図である。背面図は、後から見た図である。左側面図は、左から見た図である。右側面図は、右から見た図である。平面図は、上から見た図である。
【0025】
以下の実施形態において、構造物は、建築物と、工作物とを含む。建築物は、土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するものである。工作物は、土地に定着する人工物である。
【0026】
以下の実施形態において、平面の構成要素は、平面の全域又は一部が曲面の構成要素であってもよい。遮断とは、完全に遮られることだけでなく、通過しにくくなることも含む。例えば、AとBとが遮断されることは、AとBとの間が壁で覆われることにより、BからAに通過しにくくなることを含む。
【0027】
<第1実施形態>
(1)全体構成
第1実施形態に係る設備1の全体構成について説明する。図1は、設備1の全体構成を示す概略構成図である。設備1は、ビニールハウス10と、空気調和機11とを主に備える。
【0028】
(1-1)ビニールハウス
ビニールハウス10は、植物Pを栽培するために、骨組みを組み、その上部をビニールなどで覆った構造物をいう。ビニールハウス10の内部において植物Pが栽培される。
【0029】
ビニールハウス10の内部には、構造物100Aと、構造物100Bとが主に設けられる。構造物100A及び構造物100Bにより、ビニールハウス10の内部は、構造物100Aの内側I1と、構造物100Bの内側I2と、構造物100A及び構造物100Bの外側であってビニールハウス10の内部である空間I3に分けられる。構造物100A及び構造物100Bの詳細については後述する。ビニールハウス10は、出入口101と、通路102と、一つ又は複数の照明(図示せず)とを主に有する。
【0030】
なお、設備1は、ビニールハウス10の代わりに、温室(ガラス温室、プラスチックフィルム温室など)を備えてもよい。なお、ビニールハウス10は、建築物であっても、建築物でなくてもよい。
【0031】
(1-1-1)出入口
出入口101は、農作業を行う予定の人又は装置がビニールハウス10の外部からビニールハウス10の内部へ移動するための入口である。また、出入口101は、農作業を行った人又は装置がビニールハウス10の内部からビニールハウス10の外部へ移動するための出口である。出入口101は、開閉可能な構造(開閉口)であっても、開いている構造(開口)であってもよい。なお、ビニールハウス10は、複数の出入口101を有してもよい。
【0032】
農作業とは、植物Pに対する人又は装置による作業である。農作業の例としては、植物Pの種又は苗を植える作業である播種作業と、植物Pの成長のために行われる作業(水やり、農薬散布、剪定、肥料散布、虫除けなど)である栽培作業と、植物Pの全部又は一部を収穫する作業である収穫作業と、土づくりや耕起を行う作業である土作業と、養液を溜めるか交換する作業である養液作業と、その他の農作業などが挙げられる。
【0033】
(1-1-2)通路
通路102は、農作業が行われる場合に人又は装置に用いられる通路であり、構造物100A及び構造物100Bの外側の通路である。
【0034】
(1-2)空気調和機
空気調和機11は、内側I1及び内側I2の空気調和を行う。空気調和の例としては、冷房、暖房、換気、空気清浄、除湿、加湿などが挙げられる。空気調和機11は、ホース111により内側I1と通じる。また、空気調和機11は、ホース111とは異なるホース(図示せず)により内側I2と通じる。空気調和機11により空気調和された空気は、ホース111などを介して内側I1及び内側I2へ供給される。
【0035】
なお、空気調和機11が設けられる場所は、ビニールハウス10の外部に限定されない。空気調和機11は、内側I1と、内側I2と、空間I3との少なくとも何れかの空間に設けられてもよい。
【0036】
(2)詳細構成
構造物100A及び構造物100Bの詳細構成について説明する。構造物100Aは、構造物100Aの動作により、構造物100Aの態様を変えられる可変型構造物である。構造物100Bは、構造物100Bの動作により、構造物100Bの態様を変えられる可変型構造物である。可変型構造物とは、態様を変えられる構造物である。構造物100Aの構造と、構造物100Bの構造とは、Y方向及びZ方向に伸びる面に対する略面対称である。構造物100Aの機能と、構造物100Bの機能とは同様である。以下、構造物100Aの構造と機能を説明する。
【0037】
図2は、構造物100Aの詳細構成を示す斜視図である。図3は、構造物100Aの詳細構成を示す正面図である。図4は、構造物100Aの詳細構成を示す背面図である。図5は、構造物100Aの詳細構成を示す左側面図である。図6は、構造物100Aの詳細構成を示す右側面図である。図7は、構造物100Aの詳細構成を示す平面図である。図2図3図4図5図6図7において、植物Pは成長をし終えた状態である。
【0038】
構造物100Aは、前壁110と、第1ガイドレール112と、第2ガイドレール113と、ケース114と、左側壁120と、右側壁130と、後壁140と、天井150とを主に有する。
【0039】
第1ガイドレール112は、床Fに対して略垂直に設けられる。第2ガイドレール113は、第1ガイドレール112に対向し、床Fに対して略垂直に設けられる。
【0040】
前壁110は、主に複数のスラットSLにより構成される。例えば、前壁110は、主に9つのスラットSLにより構成される。スラットSLは、床Fに対して略垂直である。スラットSLは、隣り合う他のスラットSLと連結される。スラットSLは、第1ガイドレール112及び第2ガイドレール113にガイドされて、Y方向又はマイナスY方向(第1ガイドレール112及び第2ガイドレール113が伸びる方向)にスライドされ得る。スラットSLが第1ガイドレール112及び第2ガイドレール113にガイドされてスライドされることにより、前壁110の態様が変えられる。
【0041】
前壁110は、第1構成要素の一例であり、床Fに対して略垂直に立てられる。前壁110は、通路102に面する。
【0042】
ケース114は、前壁110の上側、且つ、第1ガイドレール112及び第2ガイドレール113の後側、に設けられる。ケース114は、Y方向にスライドされたスラットSLを収容する。ケース114は、前壁110を構成する全てのスラットSLを収容できるように設けられる。なお、ケース114は、前壁110の下側に設けられてもよい。
【0043】
左側壁120は、右側壁130に対向し、床Fに対して略垂直に立てられる。左側壁120は、前壁110と、後壁140と、天井150とに接する。左側壁120には、ホース111と連通される開口121が設けられる。
【0044】
開口121は、供給部の一例である。空気調和機11により空気調和された空気は、開口121を介して内側I1に供給される。開口121は、左側壁120の略鉛直方向の中央よりも略鉛直下方に設けられる。言い換えると、開口121は、構造物100Aの略鉛直方向の中央よりも略鉛直下方に設けられる。開口121は、構造物100Aの略X方向の中央よりも後方に設けられる。
【0045】
なお、開口121は、左側壁120の代わりに、前壁110と、右側壁130と、後壁140と、天井150との何れかに設けられてもよい。なお、開口121は、左側壁120に加えて、前壁110と、右側壁130と、後壁140と、天井150との少なくとも何れかにも設けられてもよい。なお、開口121は、構造物100Aの略鉛直方向の中央よりも略鉛直上方に設けられてもよい。なお、開口121は、構造物100Aの略X方向の中央よりも前方に設けられてもよい。
【0046】
右側壁130は、左側壁120に対向し、床Fに対して略垂直に立てられる。右側壁130は、前壁110と、後壁140と、天井150とに接する。右側壁130には、構造物100Aの外側と連通される開口131が設けられる。
【0047】
開口131は、排出部の一例である。開口131は、開口121が設けられる左側壁120、に対向する右側壁130に設けられる。開口131は、右側壁130の略鉛直方向の中央よりも略鉛直上方に設けられる。言い換えると、開口131は、構造物100Aの略鉛直方向の中央よりも略鉛直上方に設けられる。開口131は、構造物100Aの略X方向の中央よりも前方に設けられる。
【0048】
内側I1の空気は、開口131により内側I1から構造物100Aの外側へ排出される。例えば、開口131は、空気調和機11の吸入口に連通されるホース(図示せず)と、連通される。内側I1の空気は、開口131とホースとを介して空気調和機11の吸入口に流れる。
【0049】
なお、開口131は、右側壁130の代わりに、前壁110と、左側壁120と、後壁140と、天井150との何れかに設けられてもよい。なお、開口131は、右側壁130に加えて、前壁110と、左側壁120と、後壁140と、天井150との少なくとも何れかにも設けられてもよい。なお、開口131は、構造物100Aの略鉛直方向の中央よりも略鉛直下方に設けられてもよい。なお、開口131は、構造物100Aの略X方向の中央よりも後方に設けられてもよい。なお、開口131は、ビニールハウス10の外部であって空気調和機11の吸込口以外の場所と連通されるホース(図示せず)と、連通されてもよい。
【0050】
後壁140は、前壁110に対向し、床Fに対して略垂直に立てられる。後壁140は、左側壁120と、右側壁130と、天井150とに接する。
【0051】
天井150は、床Fに対向し、床Fに対して略平行であり、略水平である。天井150は、前壁110と、左側壁120と、右側壁130と、後壁140とに接する。
【0052】
天井150に対向する、床Fの領域を、前壁110と、左側壁120と、右側壁130と、後壁140と、天井150と、が囲うことにより、内側I1が形成される。具体的には、植物Pが栽培される、床Fの領域の前側を前壁110が囲う。植物Pが栽培される、床Fの領域の左側を左側壁120が囲う。植物Pが栽培される、床Fの領域の右側を右側壁130が囲う。植物Pが栽培される、床Fの領域の後側を後壁140が囲う。植物Pが栽培される、床Fの領域の上側を天井150が囲う。
【0053】
内側I1は、前壁110と、左側壁120と、右側壁130と、後壁140と、天井150と、により構造物100Aの外側及び通路102から遮断される。
内側I1と、構造物100Aの外側及び通路102との間は、前壁110と、左側壁120と、右側壁130と、後壁140と、天井150とで覆われる。人、装置、空気は、構造物100Aの外側及び通路102から内側I1に通過しにくくなる。そのため、開口121により内側I1に供給された空気は、内側I1から構造物100Aの外側へ流れにくい。空間I3の空気も内側I1に流れにくい。人又は装置は、内側I1に接近しにくい。人又は装置は、作業空間を確保できない。作業空間とは、農作業に必要な空間である。
【0054】
内側I1には植物Pが栽培される。内側I1における一部又は全域の床Fには植物Pを植えられる土(図示せず)又は植物Pを浸すことができる養液(図示せず)が溜められる。内側I1において、植物Pは土に植えられるか養液に浸される。なお、内側I1において植物Pが栽培されるとは、常に内側I1において植物Pが存在することを意味しない。植物Pが収穫された後、内側I1には植物Pが存在しない場合もあり得る。また、内側I1において植物Pが存在するが、植物Pが植えられた直後であるため、内側I1において植物Pを肉眼で確認できない場合もあり得る。
【0055】
左側壁120と、右側壁130と、後壁140と、天井150と、スラットSLの構成の例としては、骨組みと骨組みを覆うビニールとの構成、骨組みと骨組みを覆うガラスとの構成、骨組みと骨組みを覆うプラスチックフィルムとの構成、骨組みと骨組みを覆う面とが一体化された構成などが挙げられるが、これに限定されない。
【0056】
前壁110(9つのスラットSL)と、左側壁120と、右側壁130と、後壁140と、天井150と、は空間I3の照明の光が内側I1に透過されるように、透明又は半透明のビニール、ガラス、プラスチックフィルムを含む。前壁110(9つのスラットSL)と、左側壁120と、右側壁130と、後壁140と、天井150と、が透明又は半透明であるため、構造物100Aの外側から内側I1の植物Pが透けて見える状態である。なお、ケース114は、透明又は半透明のビニール、ガラス、プラスチックフィルムを含まなくてもよい。
【0057】
構造物100Aの奥行き(言い換えると、天井150の奥行き)は、D1及びD2が確保される値である。D1は、植物Pが成長し終えた状態において、植物Pから前壁110までのX方向の最短距離である。D1は、1センチメートルから10センチメートルが望ましいが、これに限定されない。D2は、植物Pが成長し終えた状態において、植物Pから後壁140までのマイナスX方向の最短距離である。D2は、1センチメートルから10センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0058】
構造物100Aの高さ(言い換えると、前壁110と左側壁120と右側壁130と後壁140との高さ)は、D3が確保される値である。D3は、植物Pが成長し終えた状態において、植物Pから天井150までのY方向の最短距離である。D3は、1センチメートルから10センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0059】
構造物100Aの横幅(言い換えると、前壁110と後壁140と天井150との横幅)は、D4及びD5が確保される値である。D4は、植物Pが成長し終えた状態において、植物Pから左側壁120までのマイナスZ方向の最短距離である。D4は、1センチメートルから10センチメートルが望ましいが、これに限定されない。D5は、植物Pが成長し終えた状態において、植物Pから右側壁130までのZ方向の最短距離である。D5は、1センチメートルから10センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0060】
左側壁120と、右側壁130と、後壁140と、天井150とは、態様を変えられない構成要素である。前壁110は、態様を変えられる構成要素である。そのため、構造物100Aは、可変型構造物である。なお、左側壁120と、右側壁130と、後壁140と、天井150との少なくとも何れかが態様を変えられる構成要素であってもよい。以下、構造物100Aの様々な態様について説明する。
【0061】
図8は、構造物100Aの詳細構成を示す斜視図である。図9は、構造物100Aの詳細構成を示す正面図である。図10は、構造物100Aの詳細構成を示す背面図である。図8図9図10の構造物100Aの態様は、図2図3図4図5図6図7の構造物100Aの態様から、スラットSLがY方向にスライドされた態様である。この場合における、構造物100Aの詳細構成を示す左側面図と、右側面図と、平面図とについては図5図6図7と同様であるため省略する。
【0062】
9つのスラットSLのうち、5つのスラットSLは、ケース114に収容されている。構造物100Aの前側により、構造物100Aの外側及び通路102と内側I1とが連通されている。前壁110の態様が変えられたことにより、構造物100Aの外側及び通路102と内側I1とが遮断された状態から、構造物100Aの外側及び通路102と内側I1とが連通される状態に変えられている。作業空間が確保されているため、人又は装置は、構造物100Aの前側を介して、植物Pに対する農作業を行うことができる。
【0063】
図11は、構造物100Aの詳細構成を示す斜視図である。図12は、構造物100Aの詳細構成を示す正面図である。図13は、構造物100Aの詳細構成を示す背面図である。図11図12図13の構造物100Aの態様は、図8図9図10の構造物100Aの態様から、スラットSLがY方向にスライドされた態様である。この場合における、構造物100Aの詳細構成を示す左側面図と、右側面図と、平面図とについては図5図6図7と同様であるため省略する。
【0064】
9つのスラットSLは、ケース114に収容されている。構造物100Aの前側を介して、構造物100Aの外側及び通路102と内側I1とが連通されている。作業空間が確保されているため、農作業を行う人又は装置は、構造物100Aの前側を介して、植物Pに対する農作業を行うことができる。
【0065】
なお、図8図9図10の構造物100Aの態様は、図11図12図13の構造物100Aの態様から、スラットSLがマイナスY方向にスライドされた態様でもある。なお、図2図3図4図5図6図7の構造物100Aの態様は、図8図9図10の構造物100Aの態様から、スラットSLがマイナスY方向にスライドされた態様でもある。前壁110の態様が変えられたことにより、構造物100Aの外側及び通路102と内側I1とが連通された状態から、構造物100Aの外側及び通路102と内側I1とが遮断される状態に変えられる。
【0066】
(3)動作
人又は装置が収穫作業を行う場合における、設備1の動作について説明する。構造物100Aの動作と、構造物100Bの動作とは同様であるため、構造物100Aの動作を中心に説明する。図14は、設備1の動作を示すフローチャートである。空気調和機11により暖められた空気は、ホース111と開口121を介して内側I1に供給されている。構造物100Aの態様は、図2図3図4図5図6図7の構造物100Aの態様である。
【0067】
前壁110(9つのスラットSL)は、構造物100Aの前側を覆う。そのため、構造物100Aの外側及び通路102と内側I1とは遮断されている。内側I1に供給されている暖められた空気は、構造物100Aの外側に流れにくい。内側I1の温度は、空間I3の温度より高く維持されている。そのため、内側I1は、植物Pの栽培に適した環境になっている。植物Pは、収穫に適した状態(成長をし終えた状態)になっている。作業空間は確保されていない。
【0068】
人又は装置は、ビニールハウス10の外部から、出入口101を介して、ビニールハウス10の内部に移動する。人又は装置は、構造物100Aの前側の通路102に移動する。人又は装置は、1つ又は複数のスラットSLに対してY方向の力を加える。スラットSLが隣り合う他のスラットSLと連結されているため、9つのスラットSLにY方向の力が伝えられる。そのため、9つのスラットSLは、第1ガイドレール112及び第2ガイドレール113にガイドされてY方向にスライドされる(ステップS1)。
【0069】
スラットSLがY方向にスライドされるため、9つのスラットSLのうち、上のスラットSLからケース114に収納される。5つのスラットSLがケース114に収納されると、構造物100Aの態様は、図8図9図10の構造物100Aの態様に変えられる(ステップS2)。図3の前壁110の態様は、図9の前壁110の態様に変えられる。人又は装置は、引き続き、1つ又は複数のスラットSLに対してY方向の力を加える。
【0070】
スラットSLがY方向にスライドされるため、9つのスラットSLは、ケース114に収納される。構造物100Aの態様は、図11図12図13の構造物100Aの態様に変えられる(ステップS3)。図9の前壁110の態様は、図12の前壁110の態様に変えられる。構造物100Aの前側により、構造物100Aの外側及び通路102と内側I1とは連通される。作業空間が確保されたため、人又は装置は、植物Pに対して収穫作業を行うことができる。人又は装置は、植物Pに対して収穫作業を開始する。
【0071】
収穫作業が終了されると、人又は装置は、ケース114に収納されている9つのスラットSLのうち、1つ又は複数のスラットSLに対してマイナスY方向の力を加える。スラットSLが隣り合う他のスラットSLと連結されているため、9つのスラットSLにマイナスY方向の力が伝えられる。そのため、9つのスラットSLは、第1ガイドレール112及び第2ガイドレール113にガイドされてマイナスY方向にスライドされる(ステップS4)。
【0072】
スラットSLは、ケース114の下に降ろされる。4つのスラットSLがケース114から下に降ろされると、構造物100Aの態様は、図8図9図10の構造物100Aの態様に変えられる(ステップS5)。図12の前壁110の態様は、図9の前壁110の態様に変えられる。人又は装置は、引き続き、1つ又は複数のスラットSLに対してマイナスY方向の力を加える。9つのスラットSLは、第1ガイドレール112及び第2ガイドレール113にガイドされてマイナスY方向にスライドされる。
【0073】
9つのスラットSLがケース114から下に降ろされると、構造物100Aの態様は、図2図3図4図5図6図7の構造物100Aの態様に変えられる(ステップS6)。図9の前壁110の態様は、図3の前壁110の態様に変えられる。構造物100Aの前側は、9つのスラットSLにより覆われる。そのため、構造物100Aの外側及び通路102と内側I1とは遮断される。
【0074】
(4)特徴
(4-1)
可変型構造物は、他の構造物の内部に設けられる可変型構造物であり、内側I1及び内側I2において、植物Pが栽培される、可変型構造物であって、態様を変えられる第1構成要素、を備える。第1構成要素の態様が変えられることにより、可変型構造物の外側と内側I1及び内側I2とが遮断された状態から、外側と内側I1及び内側I2とが連通される状態に変えられる。
【0075】
構造物の内部で植物を栽培する場合、構造物の内部を植物の栽培に適した環境とするために、構造物の内部について空気調和が行われる。空気調和に必要なエネルギー量は、構造物の内部の体積に相関する。植物の栽培には植物に対する農作業を要するため、構造物の内部は、農作業に必要な空間が確保されている。態様を変えられない非可変型の構造物では、農作業が行われていない場合でも、農作業に必要な空間が確保されている。そのため、農作業が行われていない時間において、不要な空間に対して空気調和が行われる。これは、構造物の内部での植物の栽培に要するエネルギー量を増加させ、植物の栽培にかかるコスト増加を招く。
【0076】
可変型構造物は、他の構造物の内部に設けられ、内側I1及び内側I2において植物Pが栽培される。可変型構造物は、空気調和の対象を、他の構造物の内部から内側I1及び内側I2に縮小できる。そのため、可変型構造物は、植物Pの栽培にかかる省エネルギーを実現でき、植物Pの栽培にかかるコストを削減できる。
【0077】
可変型構造物の外側と内側I1及び内側I2とが遮断された状態は、可変型構造物の外側と内側I1及び内側I2とが連通される状態に変えられる。作業空間が確保されていない状態は、作業空間が確保される状態に変えられる。そのため、可変型構造物は、内側I1及び内側I2における植物Pに対する人又は装置の作業を可能にする。
【0078】
構造物の態様を変えられる場合、構造物が物理的な外力に脆弱な場合がある。そのため、強風や台風による外力、積雪による外力により、構造物が破損される場合がある。可変型構造物は、他の構造物の内部に設けられる。そのため、可変型構造物は、物理的な外力から植物Pを保護できる。また、内側I1及び内側I2は、外部から二重の断熱状態になる。そのため、可変型構造物は、植物Pの栽培にかかる省エネルギーを実現でき、植物Pの栽培にかかるコストを削減できる。
【0079】
(4-2)
可変型構造物は、第1構成要素が、植物Pに対する人又は装置による作業が行われる場合に人又は装置に用いられる、外側の通路102、に面する。第1構成要素の態様が変えられることにより、通路102と内側I1及び内側I2とが遮断された状態から、通路102と内側I1及び内側I2とが連通される状態に変えられる。
【0080】
第1構成要素は、通路102の人又は装置から力を受けやすくなる。そのため、可変型構造物は、人又は装置により、第1構成要素の態様を容易に変えられる。また、可変型構造物は、通路102からの人又は装置による植物Pに対する接近を容易にする。そのため、可変型構造物は、植物Pに対する人又は装置の作業を容易にする。
【0081】
(4-3)
可変型構造物は、内部の床Fに対して略垂直に設けられる第1ガイドレール112と、第1ガイドレール112に対向し、床Fに対して略垂直に設けられる第2ガイドレール113と、をさらに備える。第1構成要素が第1ガイドレール112及び第2ガイドレール113にガイドされてスライドされることにより、第1構成要素の態様が変えられる。
【0082】
第1ガイドレール112及び第2ガイドレール113により第1構成要素がガイドされるため、第1構成要素が受ける力は、不特定の方向に分散されにくくなる。第1構成要素は、床Fに対して略垂直の方向に効率よくスライドされる。そのため、可変型構造物は、人又は装置により、第1構成要素の態様を容易に変えられる。
【0083】
(4-4)
可変型構造物は、第1構成要素が、内部の床Fに立てられる前壁110である。可変型構造物は、床Fに対向し、前壁110に接する天井150と、床Fに立てられ、前壁110に対向し、天井150に接する後壁140と、床Fに立てられ、前壁110と天井150と後壁140とに接する左側壁120と、床Fに立てられ、左側壁120に対向し、前壁110と天井150と後壁140とに接する右側壁130と、をさらに備える。天井150に対向する、床Fの領域を、前壁110と、天井150と、後壁140と、左側壁120と、右側壁130と、が囲うことにより、内側I1及び内側I2が形成される。
【0084】
可変型構造物は、天井150に対向する底面の構成要素を備えなくても、床Fの領域を囲い、内側I1及び内側I2を形成できる。可変型構造物は、他の構造物の床Fにおいて、植物Pが既に栽培されている場合においても、後付けで設けられる。そのため、可変型構造物は、設置にかかる手間及びコストを削減できる。
【0085】
(4-5)
可変型構造物は、前壁110と、天井150と、後壁140と、左側壁120と、右側壁130と、の少なくとも何れかが、外側の光を内側I1及び内側I2へ透過させる。
【0086】
可変型構造物が設けられる他の構造物において、光源が設けられている場合がある。可変型構造物は、可変型構造物の外側の光を内側I1及び内側I2へ透過させる。そのため、可変型構造物は、可変型構造物の外側の光を内側I1及び内側I2の植物Pに照らすことができる。
【0087】
(4-6)
可変型構造物は、外側の空気調和機11から、空調調和された空気を内側I1及び内側I2へ、供給するための供給部、がさらに設けられる。
【0088】
そのため、可変型構造物は、内側I1及び内側I2に空気調和機を設けなくても、供給部により、内側I1及び内側I2の空気調和を行うことができる。また、可変型構造物は、内側I1及び内側I2に空気調和機を設けなくてもよいため、植物Pの栽培のために内側I1及び内側I2をより広く利用できる。
【0089】
(4-7)
可変型構造物は、供給部が、可変型構造物の略鉛直方向の中央よりも略鉛直下方に設けられる。
【0090】
植物の栽培に適する環境にするため、植物が存在する空間に暖房又は加湿が行われる場合がある。暖められた空気は、暖められていない空気より軽いため、下から上に移動する。また、加湿された空気も、加湿されていない空気より軽いため、下から上に移動する。
【0091】
可変型構造物は、供給部が、可変型構造物の略鉛直方向の中央よりも略鉛直下方に設けられる。暖められた空気又は加湿された空気が供給部に供給される場合、暖められた空気又は加湿された空気は、略鉛直下方から略鉛直上方に移動する。可変型構造物は、内側I1及び内側I2に気流を形成し、内側I1及び内側I2に温度ムラや湿度ムラを生じにくくする。そのため、可変型構造物は、内側I1及び内側I2を植物Pの栽培により適する環境にする。
【0092】
(4-8)
可変型構造物は、内側I1及び内側I2の空気を内側I1及び内側I2から外側へ排出するための排出部、がさらに設けられる。
【0093】
構造物の内側に空気が供給されるため、構造物の隙間などを通じて構造物の内側の空気が排出される場合がある。この場合、空気が円滑に排出されずに内側の気圧が上昇する問題が生じ得る。また、時間の経過とともに構造物の隙間が開く問題も生じ得る。さらに、構造物の隙間の場所により内側の空気の流れがランダムになり、温度ムラ又は湿度ムラも生じ得る。
【0094】
可変型構造物は、内側I1及び内側I2の空気を内側I1及び内側I2から可変型構造物の外側へ排出する。そのため、可変型構造物は、内側I1及び内側I2の気圧及び気流を安定的に保つことができる。また、可変型構造物は、より長く可変型構造物の密閉性を維持できる。
【0095】
(4-9)
可変型構造物は、排出部が、供給部が設けられる、可変型構造物の構成要素に対向する可変型構造物の構成要素、に設けられる。
【0096】
構造物の外側から内側への開口の近傍に、構造物の内側から外側への開口が設けられる場合がある。この場合、構造物の外側から内側へ供給された空気が、構造物の内側から外側へすぐに排出され得る。そのため、構造物の外側から内側への開口の近傍と、遠方とで温度ムラ又は湿度ムラが生じ得る。
【0097】
可変型構造物は、排出部が、供給部が設けられる、可変型構造物の構成要素に対向する可変型構造物の構成要素、に設けられる。可変型構造物は、内側I1及び内側I2に気流を形成し、内側I1及び内側I2に温度ムラ又は湿度ムラが生じにくくする。そのため、可変型構造物は、内側I1及び内側I2を植物Pの栽培により適する環境にする。
【0098】
(4-10)
可変型構造物は、供給部が可変型構造物の略鉛直方向の中央よりも略鉛直下方に設けられる場合、排出部が、可変型構造物の略鉛直方向の中央よりも略鉛直上方に設けられる。
【0099】
可変型構造物は、内側I1及び内側I2に気流を形成し、内側I1及び内側I2に温度ムラ又は湿度ムラが生じにくくする。そのため、可変型構造物は、内側I1及び内側I2を植物Pの栽培により適する環境にする。
【0100】
(4-11)
可変型構造物は、排出部が、空気調和機11の吸込口に連通されるホースと、連通される。
【0101】
空気調和機11から供給部を介して内側I1及び内側I2に供給された空気は、空気調和機11の吸込口に再び排出される。空気調和機11と内側I1及び内側I2とを循環する空気は、空間I3に流れにくい。空気調和機11は、空気調和の対象となる空気を、空気調和機11と内側I1及び内側I2とを循環する空気に限定することができる。そのため、可変型構造物は、植物Pの栽培にかかる省エネルギーを実現でき、植物Pの栽培にかかるコストを削減できる。
【0102】
(5)変形例
第1実施形態の変形例について、第1実施形態と同様な点については説明を省略して、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0103】
(5-1)変形例1A
ケース114は、天井150を兼ねるように設けられてもよい。図15は、変形例1Aにかかる、構造物100Aの詳細構成を示す斜視図である。例えば、変形例1Aのケース114は、第1実施形態の天井150の位置に設けられてもよい。変形例1Aにおいて、ケース114は、天井150の一例となる。ケース114は、床Fに対向し、前壁110と、左側壁120と、右側壁130と、後壁140とに接する。変形例114は、床Fと略平行であり、略水平である。植物Pが栽培される、床Fの領域の上側をケース114が囲う。
【0104】
(5-2)変形例1B
ケース114は、第1ガイドレール112及び第2ガイドレール113の前側に設けられてもよい。図16は、変形例1Bにかかる、構造物100Aの詳細構成を示す斜視図である。
【0105】
(5-3)変形例1C
(5-3-1)構造
第1実施形態と、変形例1Aと、変形例1Bとの何れかの、構造物100A及び構造物100Bは、ビニールハウス10の内部の代わりにキノコ栽培施設20の内部に設けられてもよい。キノコ栽培施設20とは、キノコMが栽培される建築物又はビニールハウスをいう。図17は、変形例1Cにかかる、設備1の全体構成を示す概略構成図である。
【0106】
内側I1及び内側I2においては、ラックRが設けられる。ラックRには、菌糸瓶Bが置かれる。菌糸瓶BでキノコMが栽培される。菌糸瓶BとキノコMとを合わせてセットMSと称する。なお、キノコMは、菌糸瓶Bの代わりに菌床バッグで栽培されてもよい。通路102は、キノコ作業(キノコ栽培施設20でキノコMに対して一般的に行われる作業)が行われる場合に人又は装置に用いられる、空間I3の通路である。
【0107】
キノコ作業とは、キノコMに対する人又は装置による作業である。キノコ作業の例としては、キノコMの種菌を植える植菌作業と、キノコMの培養のために行われる作業である培養作業と、キノコMの全部又は一部を収穫する作業である収穫作業と、その他のキノコ作業などが挙げられる。作業空間とは、キノコ作業に必要な空間である。
【0108】
図18は、変形例1Cにかかる、構造物100Aの詳細構成を示す斜視図である。図19は、変形例1Cにかかる、構造物100Aの詳細構成を示す正面図である。図20は、変形例1Cにかかる、構造物100Aの詳細構成を示す背面図である。図21は、変形例1Cにかかる、構造物100Aの詳細構成を示す左側面図である。図22は、変形例1Cにかかる、構造物100Aの詳細構成を示す右側面図である。図23は、変形例1Cにかかる、構造物100Aの詳細構成を示す平面図である。
【0109】
ラックRは、床Fに対して略垂直に並ぶ複数の台180を有する。例えば、ラックRは、床Fに対して略垂直に並ぶ3つの台180を有する。各台180の上においてキノコMが栽培される。
【0110】
構造物100Aの奥行き(言い換えると、天井150の奥行き)は、D6及びD7が確保される値である。D6は、台180から前壁110までのX方向の最短距離である。D6は、1センチメートルから5センチメートルが望ましいが、これに限定されない。D7は、台180から後壁140までのマイナスX方向の最短距離である。D7は、1センチメートルから5センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0111】
構造物100Aの高さ(言い換えると、前壁110と左側壁120と右側壁130と後壁140との高さ)は、D8が確保される値である。D8は、キノコMが成長し終えた状態において、最上の台180のキノコMから天井150までのY方向の最短距離である。D8は、1センチメートルから10センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0112】
構造物100Aの横幅(言い換えると、前壁110と後壁140と天井150との横幅)は、D9及びD10が確保される値である。D9は、台180から左側壁120までのマイナスZ方向の最短距離である。D9は、1センチメートルから5センチメートルが望ましいが、これに限定されない。D10は、台180から右側壁130までのZ方向の最短距離である。D10は、1センチメートルから5センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0113】
(5-3-2)特徴
(5-3-2-1)
可変型構造物は、他の構造物の内部に設けられる可変型構造物であり、内側I1及び内側I2において、キノコMが栽培される、可変型構造物であって、態様を変えられる第1構成要素、を備える。第1構成要素の態様が変えられることにより、可変型構造物の外側と内側I1及び内側I2とが遮断された状態から、外側と内側I1及び内側I2とが連通される状態に変えられる。
【0114】
構造物の内部でキノコを栽培する場合、構造物の内部をキノコの栽培に適した環境とするために、構造物の内部について空気調和が行われる。キノコの栽培にはキノコに対するキノコ作業を要するため、構造物の内部は、キノコ作業に必要な空間が確保されている。態様を変えられない非可変型の構造物では、キノコ作業が行われていない場合でも、キノコ作業に必要な空間が確保されている。そのため、キノコ作業が行われていない時間において、不要な空間に対して空気調和が行われる。これは、構造物の内部でのキノコの栽培に要するエネルギー量を増加させ、キノコの栽培にかかるコスト増加を招く。
【0115】
可変型構造物は、他の構造物の内部に設けられ、内側I1及び内側I2において、キノコMが栽培される。そのため、可変型構造物は、キノコMの栽培にかかる省エネルギーを実現でき、キノコMの栽培にかかるコストを削減できる。
【0116】
可変型構造物は、内側I1及び内側I2におけるキノコMに対する人又は装置の作業を可能にする。また、可変型構造物は、物理的な外力からキノコMを保護できる。さらに、可変型構造物は、二重の断熱により、キノコMの栽培にかかる省エネルギーを実現でき、キノコMの栽培にかかるコストを削減できる。
【0117】
(5-3-2-2)
可変型構造物は、第1構成要素が、キノコMに対する人又は装置による作業が行われる場合に人又は装置に用いられる、外側の通路102、に面する。第1構成要素の態様が変えられることにより、通路102と内側I1及び内側I2とが遮断された状態から、通路102と内側I1及び内側I2とが連通される状態に変えられる。
【0118】
そのため、可変型構造物は、キノコMに対する人又は装置の作業を容易にする。
【0119】
(5-4)変形例1D
第1実施形態と、変形例1Aと、変形例1Bとの何れかの、構造物100A及び構造物100Bは、ビニールハウス10の内部の代わりに植物工場30の内部に設けられてもよい。植物工場30とは、植物Pが栽培される建築物をいう。図24は、変形例1Dにかかる、設備1の全体構成を示す概略構成図である。
【0120】
内側I1及び内側I2においては、ラックRが設けられる。ラックRでは、植物Pが栽培される。植物Pは、ラックR上の土(図示せず)に植えられるか、ラックR上の養液(図示せず)に浸される。構造物100A及び構造物100B、又はラックRには植物Pの光源となる照明装置(図示せず)が設けられてもよい。ラックRの構成については、変形例1Cと同様であるため説明を省略する。
【0121】
変形例1Dの構造物100Aの奥行き、横幅は、変形例1Cの構造物100Aの奥行き、横幅と同様であるため、説明を省略する。構造物100Aの高さ(言い換えると、前壁110と左側壁120と右側壁130と後壁140との高さ)は、D11(図示せず)が確保される値である。D11は、植物Pが成長し終えた状態において、植物Pから天井150までのY方向の最短距離である。D11は、1センチメートルから10センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0122】
(5-5)変形例1E
(5-5-1)構造
第1実施形態と、変形例1Aと、変形例1Bとの何れかの、構造物100A及び構造物100Bは、ビニールハウス10の内部の代わりにサーバールーム40の内部に設けられてもよい。サーバールーム40とは、サーバーが設置されるルームである。サーバールーム40は、他の建築物(データーセンター、商業用建築物、工業用建築物、農業用建築物、住居用建築物など)の内部に設けられてもよい。図25は、変形例1Eにかかる、設備1の全体構成を示す概略構成図である。
【0123】
内側I1及び内側I2においては、植物Pの栽培の代わりに、サーバーSVの設置が行われる。通路102は、サーバー作業(サーバーエンジニアがサーバーSVに対して遂行する作業)が行われる場合に人又は装置に用いられる、空間I3の通路である。
【0124】
サーバー作業は、サーバーSVに対する人又は装置よる作業である。サーバー作業の例としては、サーバーSVを保守する保守作業と、サーバーSVの全部又は一部を交換する交換作業と、サーバーSVをテストするテスト作業と、その他のサーバー作業などが挙げられる。作業空間とは、サーバー作業に必要な空間である。
【0125】
なお、構造物100A及び構造物100Bの外部であってサーバールーム40の内部である空間I3には、デスクや椅子が置かれて、業務用空間として用いられてもよい。なお、構造物100Aと構造物100Bとの何れかの代わりに、デスクや椅子が置かれて、業務用空間として用いられてもよい。なお、内側I1及び内側I2には、サーバーSVに加えて、又はサーバーSVに代えて、空気調和を要する他の機械が設置されてもよい。
【0126】
図26は、変形例1Eにかかる、構造物100Aの詳細構成を示す斜視図である。図27は、変形例1Eにかかる、構造物100Aの詳細構成を示す正面図である。図28は、変形例1Eにかかる、構造物100Aの詳細構成を示す背面図である。図29は、変形例1Eにかかる、構造物100Aの詳細構成を示す左側面図である。図30は、変形例1Eにかかる、構造物100Aの詳細構成を示す右側面図である。図31は、変形例1Eにかかる、構造物100Aの詳細構成を示す平面図である。
【0127】
開口121は、左側壁120の略鉛直方向の中央よりも略鉛直上方に設けられる。言い換えると、開口121は、構造物100Aの略鉛直方向の中央よりも略鉛直上方に設けられる。
【0128】
開口131は、右側壁130の略鉛直方向の中央よりも略鉛直下方に設けられる。言い換えると、開口131は、構造物100Aの略鉛直方向の中央よりも略鉛直下方に設けられる。
【0129】
構造物100Aの奥行き(言い換えると、天井150の奥行き)は、D12及びD13が確保される値である。D12は、サーバーSVから前壁110までのX方向の最短距離である。D12は、5センチメートルから20センチメートルが望ましいが、これに限定されない。D13は、サーバーSVから後壁140までのマイナスX方向の最短距離である。D13は、15センチメートルから40センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0130】
構造物100Aの高さ(言い換えると、前壁110と左側壁120と右側壁130と後壁140との高さ)は、D14が確保される値である。D14は、サーバーSVから天井150までのY方向の最短距離である。D14は、5センチメートルから20センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0131】
構造物100Aの横幅(言い換えると、前壁110と後壁140と天井150との横幅)は、D15及びD16が確保される値である。D15は、サーバーSVから左側壁120までのマイナスZ方向の最短距離である。D15は、5センチメートルから20センチメートルが望ましいが、これに限定されない。D16は、サーバーSVから右側壁130までのZ方向の最短距離である。D16は、5センチメートルから20センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0132】
(5-5-2)特徴
(5-5-2-1)
可変型構造物は、他の構造物の内部に設けられる可変型構造物であり、内側I1及び内側I2において、サーバーSVが設置される、可変型構造物であって、態様を変えられる第1構成要素、を備える。第1構成要素の態様が変えられることにより、可変型構造物の外側と内側I1及び内側I2とが遮断された状態から、外側と内側I1及び内側I2とが連通される状態に変えられる。
【0133】
構造物の内部にサーバーを設置する場合、構造物の内部をサーバーの運用に適した環境とするために、構造物の内部について空気調和が行われる。サーバーの運用にはサーバーに対するサーバー作業を要するため、構造物の内部は、サーバー作業に必要な空間が確保されている。態様を変えられない非可変型の構造物では、サーバー作業が行われていない場合でも、サーバー作業に必要な空間が確保されている。そのため、サーバー作業が行われていない時間において、不要な空間に対して空気調和が行われる。これは、構造物の内部でのサーバーの運用に要するエネルギー量を増加させ、サーバーの運用にかかるコスト増加を招く。
【0134】
可変型構造物は、他の構造物の内部に設けられ、内側I1及び内側I2において、サーバーSVが設置される。そのため、可変型構造物は、サーバーSVの運用にかかる省エネルギーを実現でき、サーバーSVの運用にかかるコストを削減できる。
【0135】
可変型構造物は、内側I1及び内側I2におけるサーバーSVに対する人又は装置の作業を可能にする。また、可変型構造物は、物理的な外力からサーバーSVを保護できる。さらに、可変型構造物は、二重の断熱により、サーバーSVの運用にかかる省エネルギーを実現でき、サーバーSVの運用にかかるコストを削減できる。
【0136】
(5-5-2-2)
可変型構造物は、第1構成要素が、サーバーSVに対する人又は装置による作業が行われる場合に人又は装置に用いられる、外側の通路102、に面する。第1構成要素の態様が変えられることにより、通路102と内側I1及び内側I2とが遮断された状態から、通路102と内側I1及び内側I2とが連通される状態に変えられる。
【0137】
そのため、可変型構造物は、サーバーSVに対する人又は装置の作業を容易にする。
【0138】
(5-5-2-3)
可変型構造物は、供給部が、可変型構造物の略鉛直方向の中央よりも略鉛直上方に設けられる。
【0139】
サーバーの運用に適する環境にするため、サーバーが設置される空間に冷房又は除湿が行われる場合がある。冷やされた空気は、冷やされていない空気より重いため、上から下に移動する。また、除湿された空気も、除湿されていない空気より重いため、上から下に移動する。
【0140】
可変型構造物は、供給部が、可変型構造物の略鉛直方向の中央よりも略鉛直上方に設けられる。冷やされた空気又は除湿された空気が供給部に供給される場合、冷やされた空気又は除湿された空気は、略鉛直上方から略鉛直下方に移動する。可変型構造物は、内側I1及び内側I2に気流を形成し、内側I1及び内側I2に温度ムラや湿度ムラを生じにくくする。そのため、可変型構造物は、内側I1及び内側I2をサーバーSVの運用により適する環境にする。
【0141】
(5-5-2-4)
可変型構造物は、供給部が可変型構造物の略鉛直方向の中央よりも略鉛直上方に設けられる場合、排出部が、可変型構造物の略鉛直方向の中央よりも略鉛直下方に設けられる。
【0142】
可変型構造物は、内側I1及び内側I2に気流を形成し、内側I1及び内側I2に温度ムラ又は湿度ムラを生じにくくする。そのため、可変型構造物は、内側I1及び内側I2をサーバーSVの運用により適する環境にする。
【0143】
(5-6)変形例1F
(5-6-1)構造
第1実施形態と、変形例1Aと、変形例1Bとの何れかの、構造物100A及び構造物100Bは、ビニールハウス10の内部の代わりに倉庫50の内部に設けられてもよい。倉庫50の例としては、冷凍倉庫と、冷蔵倉庫などが挙げられるが、これに限定されない。図32は、変形例1Fにかかる、設備1の全体構成を示す概略構成図である。内側I1及び内側I2においては、植物Pの栽培の代わりに、商品Gの保管が行われる。
【0144】
具体的には、内側I1及び内側I2においてラックRが設けられ、ラックRにおける商品Gの保管が行われる。なお、商品Gとは、段ボール箱などにより包装された商品を含む。ラックRについては、変形例1Cと同様であるため説明を省略する。通路102は、倉庫作業が行われる場合に人又は装置に用いられる、空間I3の通路である。
【0145】
倉庫作業は、商品Gに対する人又は装置(ロボット、車両など)よる作業である。倉庫作業の例としては、商品GをラックRへ載積する載積作業と、商品GをラックRからピッキングするピッキング作業と、商品Gの数量や状態を確認する確認作業と、その他の倉庫作業などが挙げられる。作業空間は、倉庫作業に必要な空間である。なお、倉庫50の内部には商品Gを運搬するローラコンベア(図示せず)が設けられてもよい。
【0146】
構造物100Aの奥行き、横幅は、変形例1Cと同様であるため、説明を省略する。構造物100Aの高さ(言い換えると、前壁110と左側壁120と右側壁130と後壁140との高さ)は、D17(図示せず)が確保される値である。D17は、ラックRの最上の台180に保管される商品Gから、天井150までのY方向の最短距離である。D17は、5センチメートルから10センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0147】
開口121及び開口131については、変形例1Eと同様であるため、説明を省略する。
【0148】
(5-6-2)特徴
(5-6-2-1)
可変型構造物は、他の構造物の内部に設けられる可変型構造物であり、内側I1及び内側I2において、商品Gが保管される、可変型構造物であって、態様を変えられる第1構成要素、を備える。第1構成要素の態様が変えられることにより、可変型構造物の外側と内側I1及び内側I2とが遮断された状態から、外側と内側I1及び内側I2とが連通される状態に変えられる。
【0149】
構造物の内部で商品を保管する場合、構造物の内部を商品の保管に適した環境とするために、構造物の内部について空気調和が行われる。商品の保管には商品に対する倉庫作業を要するため、構造物の内部は、倉庫作業に必要な空間が確保されている。態様を変えられない非可変型の構造物では、倉庫作業が行われていない場合でも、倉庫作業に必要な空間が確保されている。そのため、倉庫作業が行われていない時間において、不要な空間に対して空気調和が行われる。これは、構造物の内部での商品の保管に要するエネルギー量を増加させ、商品の保管にかかるコスト増加を招く。
【0150】
可変型構造物は、他の構造物の内部に設けられ、内側I1及び内側I2において、商品Gが保管される。そのため、可変型構造物は、商品Gの保管にかかる省エネルギーを実現でき、商品Gの保管にかかるコストを削減できる。
【0151】
可変型構造物は、内側I1及び内側I2における商品Gに対する人又は装置の作業を可能にする。また、可変型構造物は、物理的な外力から商品Gを保護できる。さらに、可変型構造物は、二重の断熱により、商品Gの保管にかかる省エネルギーを実現でき、商品Gの保管にかかるコストを削減できる。
【0152】
(5-6-2-2)
可変型構造物は、第1構成要素が、商品Gに対する人又は装置による作業が行われる場合に人又は装置に用いられる、外側の通路102、に面する。第1構成要素の態様が変えられることにより、通路102と内側I1及び内側I2とが遮断された状態から、通路102と内側I1及び内側I2とが連通される状態に変えられる。
【0153】
そのため、可変型構造物は、商品Gに対する人又は装置の作業を容易にする。
【0154】
(5-7)変形例1G
(5-7-1)構成
第1実施形態と、変形例1Aと、変形例1Bとの何れかの、構造物100A及び構造物100Bは、ビニールハウス10の内部の代わりに畜舎60の内部に設けられてもよい。図33は、変形例1Gにかかる、設備1の全体構成を示す概略構成図である。内側I1及び内側I2においては、植物Pの栽培の代わりに、家畜Lの飼育が行われる。図33の家畜Lは牛であるが、これに限定されない。通路102は、畜産作業が行われる場合に人又は装置に用いられる、空間I3の通路である。
【0155】
畜産作業は、家畜Lに対する人又は装置よる作業である。畜産作業の例としては、家畜Lへの給餌作業と、家畜Lの糞尿などを除去する掃除作業と、家畜Lの治療、予防、繁殖などを行う保健作業と、家畜Lの卵、毛、肉、乳などの収穫を行う収穫作業と、その他の畜産作業などが挙げられる。作業空間は、畜産作業に必要な空間である。
【0156】
構造物100Aの奥行きは、家畜Lの奥行き(家畜Lの顔からお尻までの水平方向の長さ)と、30cmから1mとを加算した値であるが、これに限定されない。構造物100Aの横幅は、構造物100Aに収容される全ての家畜Lの横幅(水平面において家畜Lの奥行きと直角の方向における、家畜Lの最長の長さ)の総和に、50cmから2mを加算した値であるが、これに限定されない。構造物100Aの高さは、畜産作業を行う人の高さと、10cmから30cmとを加算した値であるが、これに限定されない。
【0157】
(5-7-2)特徴
(5-7-2-1)
可変型構造物は、他の構造物の内部に設けられる可変型構造物であり、内側I1及び内側I2において、家畜Lが飼育される、可変型構造物であって、態様を変えられる第1構成要素、を備える。第1構成要素の態様が変えられることにより、可変型構造物の外側と内側I1及び内側I2とが遮断された状態から、外側と内側I1及び内側I2とが連通される状態に変えられる。
【0158】
構造物の内部で家畜を飼育する場合、構造物の内部を家畜の飼育に適した環境とするために、構造物の内部について空気調和が行われる。家畜の飼育には家畜に対する畜産作業を要するため、構造物の内部は、畜産作業に必要な空間が確保されている。態様を変えられない非可変型の構造物では、畜産作業が行われていない場合でも、畜産作業に必要な空間が確保されている。そのため、畜産作業が行われていない時間において、不要な空間に対して空気調和が行われる。これは、構造物の内部での家畜の飼育に要するエネルギー量を増加させ、家畜の飼育にかかるコスト増加を招く。
【0159】
可変型構造物は、他の構造物の内部に設けられ、内側I1及び内側I2において、家畜Lが飼育される。そのため、可変型構造物は、家畜Lの飼育にかかる省エネルギーを実現でき、家畜Lの飼育にかかるコストを削減できる。
【0160】
可変型構造物は、内側I1及び内側I2における家畜Lに対する人又は装置の作業を可能にする。また、可変型構造物は、物理的な外力から家畜Lを保護できる。さらに、可変型構造物は、二重の断熱により、家畜Lの飼育にかかる省エネルギーを実現でき、家畜Lの飼育にかかるコストを削減できる。
【0161】
(5-7-2-2)
可変型構造物は、第1構成要素が、家畜Lに対する人又は装置による作業が行われる場合に人又は装置に用いられる、外側の通路102、に面する。第1構成要素の態様が変えられることにより、通路102と内側I1及び内側I2とが遮断された状態から、通路102と内側I1及び内側I2とが連通される状態に変えられる。
【0162】
そのため、可変型構造物は、家畜Lに対する人又は装置の作業を容易にする。
【0163】
(5-8)変形例1H
(5-8-1)構成
第1実施形態と、変形例1Aと、変形例1Bとの何れかの、構造物100A及び構造物100Bは、ビニールハウス10の内部の代わりに陸上養殖場70の内部に設けられてもよい。図34は、変形例1Hにかかる、設備1の全体構成を示す概略構成図である。内側I1及び内側I2においては、植物Pの栽培の代わりに、水棲生物Qの養殖が行われる。具体的には、内側I1及び内側I2において水槽Aが設けられ、水槽Aに貯められた水Wで水棲生物Qの養殖が行われる。図34の水棲生物Qは魚であるが、これに限定されない。通路102は、養殖作業が行われる場合に人又は装置に用いられる、空間I3の通路である。
【0164】
養殖作業は、水棲生物Qに対する人又は装置よる作業である。養殖作業の例としては、水棲生物Qへの給餌作業と、水棲生物Qの糞尿などの除去や水槽Aの掃除を行う掃除作業と、水Wの供給、水Wの入れ替え、水Wの水質の検査などを行う水作業と、水棲生物Qの治療、予防、繁殖などを行う保健作業と、水棲生物Qの卵、身などの収穫を行う収穫作業と、その他の養殖作業などが挙げられる。作業空間は、養殖作業に必要な空間である。
【0165】
構造物100Aの奥行きは、水槽Aの奥行きと、5cmから30cmとを加算した値であるが、これに限定されない。構造物100Aの横幅は、水槽Aの横幅と、5cmから30cmとを加算した値であるが、これに限定されない。構造物100Aの高さは、養殖作業を行う人の高さと、10cmから30cmとを加算した値であるが、これに限定されない。
【0166】
(5-8-2)特徴
(5-8-2-1)
可変型構造物は、他の構造物の内部に設けられる可変型構造物であり、内側I1及び内側I2において、水棲生物Qが養殖される、可変型構造物であって、態様を変えられる第1構成要素、を備える。第1構成要素の態様が変えられることにより、可変型構造物の外側と内側I1及び内側I2とが遮断された状態から、外側と内側I1及び内側I2とが連通される状態に変えられる。
【0167】
構造物の内部で水棲生物を養殖する場合、構造物の内部を水棲生物の養殖に適した環境とするために、構造物の内部について空気調和が行われる。水棲生物の養殖には水棲生物に対する養殖作業を要するため、構造物の内部は、養殖作業に必要な空間が確保されている。態様を変えられない非可変型の構造物では、養殖作業が行われていない場合でも、養殖作業に必要な空間が確保されている。そのため、養殖作業が行われていない時間において、不要な空間に対して空気調和が行われる。これは、構造物の内部での水棲生物の養殖に要するエネルギー量を増加させ、水棲生物の養殖にかかるコスト増加を招く。
【0168】
可変型構造物は、他の構造物の内部に設けられ、内側I1及び内側I2において、水棲生物Qが養殖される。そのため、可変型構造物は、水棲生物Qの養殖にかかる省エネルギーを実現でき、水棲生物Qの養殖にかかるコストを削減できる。
【0169】
可変型構造物は、内側I1及び内側I2における水棲生物Qに対する人又は装置の作業を可能にする。また、可変型構造物は、物理的な外力から水棲生物Qを保護できる。さらに、可変型構造物は、二重の断熱により、水棲生物Qの養殖にかかる省エネルギーを実現でき、水棲生物Qの養殖にかかるコストを削減できる。
【0170】
(5-8-2-2)
可変型構造物は、第1構成要素が、水棲生物Qに対する人又は装置による作業が行われる場合に人又は装置に用いられる、外側の通路102、に面する。第1構成要素の態様が変えられることにより、通路102と内側I1及び内側I2とが遮断された状態から、通路102と内側I1及び内側I2とが連通される状態に変えられる。
【0171】
そのため、可変型構造物は、水棲生物Qに対する人又は装置の作業を容易にする。
【0172】
(5-9)変形例1I
第1実施形態、変形例1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1H、の前壁110は、制御装置(図示せず)の制御により、態様が変えられてもよい。言い換えると、スラットSLは、制御装置の制御により、第1ガイドレール112及び第2ガイドレール113をスライドされてもよい。
【0173】
<第2実施形態>
(1)全体構成
第2実施形態に係る設備2の全体構成について説明する。以下、第1実施形態と第2実施形態とが同様な点については説明を省略して、第1実施形態と第2実施形態とが相違な点を中心に説明する。図35は、第2実施形態に係る設備2の全体構成を示す概略構成図である。設備2は、ビニールハウス10と、空気調和機11とを主に備える。
【0174】
(1-1)ビニールハウス
ビニールハウス10の内部には、構造物200Aと、構造物200Bとが主に設けられる。構造物200A及び構造物200Bにより、ビニールハウス10の内部は、構造物200Aの内側I4と、構造物200Bの内側I5と、構造物200A及び構造物200Bの外側であってビニールハウス10の内部である空間I6に分けられる。構造物200A及び構造物200Bの詳細については後述する。
【0175】
なお、設備2は、ビニールハウス10の代わりに、温室(ガラス温室、プラスチックフィルム温室など)を備えてもよい。
【0176】
(1-2)空気調和機
空気調和機11は、ホース115及びホース116により内側I4と通じる。また、空気調和機11は、ホース115及びホース116とは異なる2つのホース(図示せず)により内側I5と通じる。空気調和機11により空気調和された空気は、ホース115及びホース116などを介して内側I4及び内側I5へ供給される。
【0177】
(2)詳細構成
構造物200A及び構造物200Bの詳細構成について説明する。構造物200Aは、構造物200Aの動作により、構造物200Aの態様を変えられる可変型構造物である。構造物200Bは、構造物200Bの動作により、構造物200Bの態様を変えられる可変型構造物である。構造物200Aの構造と、構造物200Bの構造とは、Y方向及びZ方向に伸びる面に対する略面対称である。構造物200Aの機能と、構造物200Bの機能とは同様である。以下、構造物200Aの構造と機能を説明する。
【0178】
図36は、構造物200Aの詳細構成を示す斜視図である。図37は、構造物200Aの詳細構成を示す正面図である。図38は、構造物200Aの詳細構成を示す背面図である。図39は、構造物200Aの詳細構成を示す左側面図である。図40は、構造物200Aの詳細構成を示す右側面図である。図41は、構造物200Aの詳細構成を示す平面図である。図36図37図38図39図40図41において、植物Pは成長をし終えた状態である。
【0179】
構造物200Aは、前壁210と、第3ガイドレール211と、第4ガイドレール212と、ケース213と、左側壁220と、右側壁230と、後壁240と、天井250とを主に有する。
【0180】
第3ガイドレール211は、床Fに対して略平行に設けられる。第4ガイドレール212は、第3ガイドレール211に対向し、床Fに対して略平行に設けられる。
【0181】
前壁210は、主に複数のスラットSLにより構成される。例えば、前壁210は、主に14つのスラットSLにより構成される。スラットSLは、隣り合う他のスラットSLと連結される。スラットSLは、床Fに対して略垂直である。スラットSLは、第3ガイドレール211及び第4ガイドレール212にガイドされて、Z方向又はマイナスZ方向(第3ガイドレール211及び第4ガイドレール212が伸びる方向)にスライドされ得る。スラットSLが第3ガイドレール211及び第4ガイドレール212にガイドされてスライドされることにより、前壁210の態様が変えられる。
【0182】
前壁210は、第1構成要素の一例であり、床Fに対して略垂直に立てられる。前壁210は、通路102に面する。
【0183】
ケース213は、前壁210の右側、且つ、第3ガイドレール211及び第4ガイドレール212の後側、に設けられる。ケース213は、Z方向にスライドされたスラットSLを収容する。ケース213は、前壁210を構成する全てのスラットSLを収容できるように設けられる。なお、ケース213は、前壁210の左側に設けられてもよい。
【0184】
左側壁220は、右側壁230に対向し、床Fに対して略垂直に立てられる。左側壁220は、前壁210と、後壁240と、天井250とに接する。左側壁220には、ホース115と連通される第1開口221と、ホース116と連通される第2開口222が設けられる。第1開口221及び第2開口222は、供給部に含まれる。
【0185】
第1開口221は、左側壁220の略鉛直方向の中央よりも略鉛直下方に設けられる。言い換えると、第1開口221は、構造物200Aの略鉛直方向の中央よりも略鉛直下方に設けられる。第1開口221は、構造物200Aの略X方向の中央よりも後方に設けられる。第1開口221は、空気調和機11から暖められた空気を内側I4へ供給するための開口である。また、第1開口221は、空気調和機11から加湿された空気を内側I4へ供給するための開口である。
【0186】
第2開口222は、左側壁220の略鉛直方向の中央よりも略鉛直上方に設けられる。言い換えると、第2開口222は、構造物200Aの略鉛直方向の中央よりも略鉛直上方に設けられる。第2開口222は、構造物200Aの略X方向の中央よりも後方に設けられる。第2開口222は、空気調和機11から冷やされた空気を内側I4へ供給するための開口である。また、第1開口221は、空気調和機11から除湿された空気を内側I4へ供給するための開口である。
【0187】
なお、第1開口221及び第2開口222は、左側壁220の代わりに、前壁210と、右側壁230と、後壁240と、天井250との何れかに設けられてもよい。なお、第1開口221及び第2開口222は、左側壁220に加えて、前壁210と、右側壁230と、後壁240と、天井250との少なくとも何れかにも設けられてもよい。なお、第1開口221及び第2開口222は、構造物200Aの略X方向の中央よりも前方に設けられてもよい。なお、第1開口221及び第2開口222は、互いに異なる壁に設けられてもよい。
【0188】
右側壁230は、左側壁220に対向し、床Fに対して略垂直に立てられる。右側壁230は、前壁210と、後壁240と、天井250とに接する。右側壁230には、構造物200Aの外側と連通される開口231が設けられる。
【0189】
開口231は、排出部の一例である。開口231は、第1開口221及び第2開口222が設けられる左側壁220に対向する右側壁230に設けられる。開口231は、右側壁230の略鉛直方向の略中央に設けられる。言い換えると、開口231は、構造物200Aの略鉛直方向の略中央に設けられる。開口231は、構造物200Aの略X方向の中央よりも後方に設けられる。
【0190】
内側I4の空気は、開口231により内側I4から構造物200Aの外側へ排出される。例えば、開口231は、空気調和機11の吸入口に連通されるホース(図示せず)と、連通される。内側I4の空気は、開口231とホースとを介して空気調和機11の吸入口に流れる。
【0191】
なお、開口231は、右側壁230の代わりに、前壁210と、左側壁220と、後壁240と、天井250との何れかに設けられてもよい。なお、開口231は、右側壁230に加えて、前壁210と、左側壁220と、後壁240と、天井250との少なくとも何れかにも設けられてもよい。なお、開口231は、構造物200Aの略X方向の中央よりも前方に設けられてもよい。なお、開口231は、ビニールハウス10の外部であって空気調和機11の吸込口以外の場所と連通されるホース(図示せず)と、連通されてもよい。
【0192】
後壁240は、前壁210に対向し、床Fに対して略垂直に立てられる。後壁240は、左側壁220と、右側壁230と、天井250とに接する。
【0193】
天井250は、床Fに対向し、床Fに対して略平行であり、略水平である。天井250は、前壁210と、左側壁220と、右側壁230と、後壁240とに接する。
【0194】
天井250に対向する、床Fの領域を、前壁210と、左側壁220と、右側壁230と、後壁240と、天井250と、が囲うことにより、内側I4が形成される。具体的には、植物Pが栽培される、床Fの領域の前側を前壁210が囲う。植物Pが栽培される、床Fの領域の左側を左側壁220が囲う。植物Pが栽培される、床Fの領域の右側を右側壁230が囲う。植物Pが栽培される、床Fの領域の後側を後壁240が囲う。植物Pが栽培される、床Fの領域の上側を天井250が囲う。
【0195】
内側I4は、前壁210と、左側壁220と、右側壁230と、後壁240と、天井250と、により構造物200Aの外側及び通路102から遮断される。
内側I4と、構造物200Aの外側及び通路102との間は、前壁210と、左側壁220と、右側壁230と、後壁240と、天井250とで覆われる。人、装置、空気は、構造物200Aの外側及び通路102から内側I4に通過しにくくなる。そのため、第1開口221及び第2開口222により内側I4に供給された空気は、内側I4から構造物200Aの外側へ流れにくい。空間I6の空気も内側I4に流れにくい。人又は装置は、内側I4に接近しにくい。人又は装置は、作業空間を確保できない。
【0196】
内側I4には植物Pが栽培される。内側I4における一部又は全域の床Fには植物Pを植えられる土(図示せず)又は植物Pを浸すことができる養液(図示せず)が溜められる。内側I4において、植物Pは土に植えられるか養液に浸される。なお、内側I4において植物Pが栽培されるとは、常に内側I4において植物Pが存在することを意味しない。植物Pが収穫された後、内側I4には植物Pが存在しない場合もあり得る。また、内側I4において植物Pが存在するが、植物Pが植えられた直後であるため、内側I4において植物Pを肉眼で確認できない場合もあり得る。
【0197】
左側壁220と、右側壁230と、後壁240と、天井250と、スラットSLの構成の例としては、骨組みと骨組みを覆うビニールとの構成、骨組みと骨組みを覆うガラスとの構成、骨組みと骨組みを覆うプラスチックフィルムとの構成、骨組みと骨組みを覆う面とが一体化された構成などが挙げられるが、これに限定されない。
【0198】
前壁210(14つのスラットSL)と、左側壁220と、右側壁230と、後壁240と、天井250と、は空間I6の照明の光が内側I4に透過されるように、透明又は半透明のビニール、ガラス、プラスチックフィルムを含む。前壁210(14つのスラットSL)と、左側壁220と、右側壁230と、後壁240と、天井250と、が透明又は半透明であるため、構造物200Aの外側から内側I4の植物Pが透けて見える状態である。なお、ケース213は、透明又は半透明のビニール、ガラス、プラスチックフィルムを含まなくてもよい。
【0199】
構造物200Aの奥行き(言い換えると、天井250の奥行き)は、D18及びD19が確保される値である。D18は、植物Pが成長し終えた状態において、植物Pから前壁210までのX方向の最短距離である。D18は、1センチメートルから10センチメートルが望ましいが、これに限定されない。D19は、植物Pが成長し終えた状態において、植物Pから後壁240までのマイナスX方向の最短距離である。D19は、1センチメートルから10センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0200】
構造物200Aの高さ(言い換えると、前壁210と左側壁220と右側壁230と後壁240との高さ)は、D20が確保される値である。D20は、植物Pが成長し終えた状態において、植物Pから天井250までのY方向の最短距離である。D20は、1センチメートルから10センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0201】
構造物200Aの横幅(言い換えると、前壁210と後壁240と天井250との横幅)は、D21及びD22が確保される値である。D21は、植物Pが成長し終えた状態において、植物Pから左側壁220までのマイナスZ方向の最短距離である。D21は、1センチメートルから10センチメートルが望ましいが、これに限定されない。D22は、植物Pが成長し終えた状態において、植物Pから右側壁230までのZ方向の最短距離である。D22は、1センチメートルから10センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0202】
左側壁220と、右側壁230と、後壁240と、天井250とは、態様を変えられない構成要素である。前壁210は、態様を変えられる構成要素である。そのため、構造物200Aは、可変型構造物である。なお、左側壁220と、右側壁230と、後壁240と、天井250と、の少なくとも何れかが態様を変えられる構成要素であってもよい。以下、構造物200Aの様々な態様について説明する。
【0203】
図42は、構造物200Aの詳細構成を示す斜視図である。図43は、構造物200Aの詳細構成を示す正面図である。図44は、構造物200Aの詳細構成を示す背面図である。図42図43図44の構造物200Aの態様は、図36図37図38図39図40図41の構造物200Aの態様から、スラットSLがZ方向にスライドされた態様である。この場合における、構造物200Aの詳細構成を示す左側面図と、右側面図と、平面図と、については図39図40図41と同様であるため省略する。
【0204】
14つのスラットSLのうち、7つのスラットSLは、ケース213に収容されている。構造物200Aの前側を介して、構造物200Aの外側及び通路102と内側I4とが連通されている。前壁210の態様が変えられたことにより、構造物200Aの外側及び通路102と内側I4とが遮断された状態から、構造物200Aの外側及び通路102と内側I4とが連通される状態に変えられている。作業空間が確保されているため、農作業を行う人又は装置は、構造物200Aの前側を介して、植物Pに対する農作業を行うことができる。
【0205】
図45は、構造物200Aの詳細構成を示す斜視図である。図46は、構造物200Aの詳細構成を示す正面図である。図47は、構造物200Aの詳細構成を示す背面図である。図45図46図47の構造物200Aの態様は、図42図43図44の構造物200Aの態様から、スラットSLがZ方向にスライドされた態様である。この場合における、構造物200Aの詳細構成を示す左側面図と、右側面図と、平面図と、については図39図40図41と同様であるため省略する。
【0206】
14つのスラットSLは、ケース213に収容されている。構造物200Aの前側を介して、構造物200Aの外側及び通路102と内側I4とが連通されている。作業空間が確保されているため、農作業を行う人又は装置は、構造物200Aの前側を介して、植物Pに対する農作業を行うことができる。
【0207】
なお、図42図43図44の構造物200Aの態様は、図45図46図47の構造物200Aの態様から、スラットSLがマイナスZ方向にスライドされた態様でもある。なお、図36図37図38図39図40図41の構造物200Aの態様は、図42図43図44の構造物200Aの態様から、スラットSLがマイナスZ方向にスライドされた態様でもある。前壁210の態様が変えられたことにより、構造物200Aの外側及び通路102と内側I4とが連通された状態から、構造物200Aの外側及び通路102と内側I4とが遮断される状態に変えられる。
【0208】
(3)動作
人又は装置が収穫作業を行う場合における、設備2の動作について説明する。構造物200Aの動作と、構造物200Bの動作とは同様であるため、構造物200Aの動作を中心に説明する。図48は、設備2の動作を示すフローチャートである。空気調和機11により暖められた空気がホース115と第1開口221を介して内側I4に供給されている。構造物200Aの態様は、図36図37図38図39図40図41の構造物200Aの態様である。
【0209】
14つのスラットSLが構造物200Aの前側を覆っているため、構造物200Aの外側及び通路102と内側I4とは遮断されている。内側I4に供給されている暖められた空気は、構造物200Aの外側に流れにくい。内側I4の温度は、空間I6の温度より高く維持されている。そのため、内側I4は、植物Pの栽培に適した環境になっている。植物Pは、収穫に適した状態になっている。作業空間は確保されていない。
【0210】
人又は装置は、ビニールハウス10の外部から、出入口101を介して、ビニールハウス10の内部に移動する。人又は装置は、構造物200Aの前側の通路102に移動する。人又は装置は、14つのスラットSLのうち、1つ又は複数のスラットSLに対してZ方向の力を加える。スラットSLが隣り合う他のスラットSLと連結されているため、14つのスラットSLにZ方向の力が伝えられる。そのため、14つのスラットSLは、第3ガイドレール211及び第4ガイドレール212にガイドされてZ方向にスライドされる(ステップS11)。
【0211】
スラットSLがZ方向にスライドされるため、14つのスラットSLのうち、右のスラットSLからケース213に収納される。7つのスラットSLがケース213に収納されると、構造物200Aの態様は、図42図43図44の構造物200Aの態様に変えられる(ステップS12)。図37の前壁210の態様は、図43の前壁210の態様に変えられる。人又は装置は、引き続き、1つ又は複数のスラットSLに対してZ方向の力を加える。
【0212】
スラットSLがZ方向にスライドされるため、14つのスラットSLは、ケース213に収納される。構造物200Aの態様は、図45図46図47の構造物200Aの態様に変えられる(ステップS13)。図43の前壁110の態様は、図46の前壁210の態様に変えられる。構造物200Aの前側により、構造物200Aの外側及び通路102と内側I4とは連通される。作業空間が確保されたため、人又は装置は、植物Pに対して収穫作業を行うことができる。人又は装置は、植物Pに対して収穫作業を開始する。
【0213】
収穫作業が終了されると、人又は装置は、ケース213に収納されている、1つ又は複数のスラットSLに対してマイナスZ方向の力を加える。スラットSLが隣り合う他のスラットSLと連結されているため、14つのスラットSLにマイナスZ方向の力が伝えられる。そのため、14つのスラットSLは、第3ガイドレール211及び第4ガイドレール212にガイドされてマイナスZ方向にスライドされる(ステップS14)。
【0214】
スラットSLは、ケース213の左に引き出される。7つのスラットSLがケース213から左に引き出されると、構造物200Aの態様は、図42図43図44の構造物200Aの態様に変えられる(ステップS15)。図46の前壁210の態様は、図43の前壁210の態様に変えられる。人又は装置は、引き続き、1つ又は複数のスラットSLに対してマイナスZ方向の力を加える。14つのスラットSLは、第3ガイドレール211及び第4ガイドレール212にガイドされてマイナスZ方向にスライドされる。
【0215】
14つのスラットSLがケース213から左に引き出されると、構造物200Aの態様は、図36図37図38図39図40図41の構造物200Aの態様に変えられる(ステップS16)。図43の前壁210の態様は、図37の前壁210の態様に変えられる。構造物200Aの前側は、14つのスラットSLにより覆われる。そのため、構造物200Aの外側及び通路102と内側I4とは遮断される。
【0216】
人又は装置は、通路102及び出入口101を介して、ビニールハウス10の外部に移動する。人又は装置は、空気調和機11が、暖房を停止して除湿を開始するように、空気調和機11を操作する。ホース115及び第1開口221からの暖められた空気の内側I4への供給は、停止される。空気調和機11は、ホース116及び第2開口222を介して、除湿された空気を内側I4へ供給する。内側I4の湿度は下がり、構造物200Aの外側より湿度が低くなる。そのため、内側I4は、播種作業に適する環境になる。
【0217】
(4)特徴
(4-1)
可変型構造物は、内部の床Fに対して略平行に設けられる第3ガイドレール211と、第3ガイドレール211に対向し、床Fに対して略平行に設けられる第4ガイドレール212と、をさらに備える。第1構成要素が第3ガイドレール211及び第4ガイドレール212にガイドされてスライドされることにより、第1構成要素の態様が変えられる。
【0218】
第3ガイドレール211及び第4ガイドレール212により第1構成要素がガイドされるため、第1構成要素が受ける力は、不特定の方向に分散されにくくなる。第1構成要素は、床Fに対して略平行の方向に効率よくスライドされる。そのため、可変型構造物は、人又は装置により、第1構成要素の態様を容易に変えられる。
【0219】
(4-2)
可変型構造物は、供給部が、可変型構造物の略鉛直方向の中央よりも略鉛直下方に設けられる第1開口221と、可変型構造物の略鉛直方向の中央よりも略鉛直上方に設けられる第2開口222と、を含み、第1開口221が、空気調和機11から暖められた空気を内側I4及び内側I5へ、供給するための開口であり、第2開口222が、空気調和機11から冷やされた空気を内側I4及び内側I5へ、供給するための開口である。
【0220】
植物の栽培に適する環境にするため、植物が栽培される空間に暖房及び冷房が行われる場合がある。暖められた空気は、暖められていない空気より軽い。しかし、冷やされた空気は、冷やされていない空気より重い。そのため、暖房及び冷房が同一の開口を介して行われると、暖房と冷房との少なくとも何れかが行われる場合に温度ムラが生じ得る。
【0221】
可変型構造物には、暖められた空気を内側I4及び内側I5へ供給する第1開口221と、冷やされた空気を内側I4及び内側I5へ供給する第2開口222とが設けられる。そのため、可変型構造物は、暖房及び冷房の場合において、内側I4及び内側I5に温度ムラを生じにくくする。そのため、可変型構造物は、内側I4及び内側I5を植物Pの栽培により適する環境にする。
【0222】
(4-3)
可変型構造物は、供給部が、可変型構造物の略鉛直方向の中央よりも略鉛直下方に設けられる第1開口221と、可変型構造物の略鉛直方向の中央よりも略鉛直上方に設けられる第2開口222と、を含み、第1開口221が、空気調和機11から加湿された空気を内側I4及び内側I5へ、供給するための開口であり、第2開口222が、空気調和機11から除湿された空気を内側I4及び内側I5へ、供給するための開口である。
【0223】
植物の栽培に適する環境にするため、植物が栽培される空間に加湿及び除湿が行われる場合がある。加湿された空気は、加湿されていない空気より軽い。しかし、除湿された空気は、除湿されていない空気より重い。そのため、加湿及び除湿が同一の開口を介して行われると、加湿と除湿との少なくとも何れかが行われる場合に湿度ムラが生じ得る。
【0224】
可変型構造物には、加湿された空気を内側I4及び内側I5へ供給する第1開口221と、除湿された空気を内側I4及び内側I5へ供給する第2開口222とが設けられる。そのため、可変型構造物は、加湿及び除湿の場合において、内側I4及び内側I5に湿度ムラを生じにくくする。そのため、可変型構造物は、内側I4及び内側I5を植物Pの栽培により適する環境にする。
【0225】
(5)変形例
第2実施形態の変形例について、第2実施形態と同様な点については説明を省略して、第2実施形態との相違点を中心に説明する。
【0226】
(5-1)変形例2A
構造物200A及び構造物200Bは、ビニールハウス10の内部の代わりにキノコ栽培施設20の内部に設けられてもよい。図49は、変形例2Aにかかる、設備2の全体構成を示す概略構成図である。内側I4及び内側I5においては、植物Pの栽培の代わりに、キノコMの栽培が行われる。具体的には、内側I4及び内側I5においてラックRが設けられ、ラックRにおけるキノコMの栽培が行われる。ラックRについては、変形例1Cと同様であるため説明を省略する。
【0227】
構造物200Aの奥行き(言い換えると、天井250の奥行き)は、D23(図示せず)及びD24(図示せず)が確保される値である。D23は、台180から前壁210までのX方向の最短距離である。D23は、1センチメートルから5センチメートルが望ましいが、これに限定されない。D24は、台180から後壁240までのマイナスX方向の最短距離である。D24は、1センチメートルから5センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0228】
構造物200Aの高さ(言い換えると、前壁210と左側壁220と右側壁230と後壁240との高さ)は、D25(図示せず)が確保される値である。D25は、キノコMが成長し終えた状態において、最上の台180のキノコMから天井250までのY方向の最短距離である。D25は、1センチメートルから10センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0229】
構造物200Aの横幅(言い換えると、前壁210と後壁240と天井250との横幅)は、D26(図示せず)及びD27(図示せず)が確保される値である。D26は、台180から左側壁220までのマイナスZ方向の最短距離である。D26は、1センチメートルから5センチメートルが望ましいが、これに限定されない。D27は、台180から右側壁230までのZ方向の最短距離である。D27は、1センチメートルから5センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0230】
(5-2)変形例2B
構造物200A及び構造物200Bは、ビニールハウス10の内部の代わりに植物工場30の内部に設けられてもよい。図50は、変形例2Bにかかる、設備2の全体構成を示す概略構成図である。内側I4及び内側I5にはラックRが設けられる。具体的には、内側I4及び内側I5においてラックRが設けられ、ラックRにおける植物Pの栽培が行われる。ラックRについては、変形例1Dと同様であるため説明を省略する。
【0231】
変形例2Bの構造物200Aの奥行き、横幅は、変形例2Aの構造物200Aの奥行き、横幅と同様であるため説明を省略する。構造物200Aの高さ(言い換えると、前壁210と左側壁220と右側壁230と後壁240との高さ)は、D28(図示せず)が確保される値である。D28は、植物Pが成長し終えた状態において、植物Pから天井250までのY方向の最短距離である。D28は、1センチメートルから10センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0232】
(5-3)変形例2C
構造物200A及び構造物200Bは、ビニールハウス10の内部の代わりにサーバールーム40の内部に設けられてもよい。図51は、変形例2Cにかかる、設備2の全体構成を示す概略構成図である。内側I4及び内側I5においては、植物Pの栽培の代わりに、サーバーSVの設置が行われる。
【0233】
構造物200Aの奥行き(言い換えると、天井250の奥行き)は、D29(図示せず)及びD30(図示せず)が確保される値である。D29は、サーバーSVから前壁210までのX方向の最短距離である。D29は、5センチメートルから20センチメートルが望ましいが、これに限定されない。D30は、サーバーSVから後壁240までのマイナスX方向の最短距離である。D30は、15センチメートルから40センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0234】
構造物200Aの高さ(言い換えると、前壁210と左側壁220と右側壁230と後壁240との高さ)は、D31(図示せず)が確保される値である。D31は、サーバーSVから天井250までのY方向の最短距離である。D31は、5センチメートルから20センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0235】
構造物200Aの横幅(言い換えると、前壁210と後壁240と天井250との横幅)は、D32(図示せず)及びD33(図示せず)が確保される値である。D32は、サーバーSVから左側壁220までのマイナスZ方向の最短距離である。D32は、5センチメートルから20センチメートルが望ましいが、これに限定されない。D33は、サーバーSVから右側壁230までのZ方向の最短距離である。D33は、5センチメートルから20センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0236】
(5-4)変形例2D
構造物200A及び構造物200Bは、ビニールハウス10の内部の代わりに倉庫50の内部に設けられてもよい。図52は、変形例2Dにかかる、設備2の全体構成を示す概略構成図である。内側I4及び内側I5においては、植物Pの栽培の代わりに、商品Gの保管が行われる。具体的には、内側I4及び内側I5においてラックRが設けられ、ラックRにおける商品Gの保管が行われる。ラックRについては、変形例1Cと同様であるため説明を省略する。
【0237】
構造物200Aの奥行き、横幅は、変形例2Aと同様であるため、説明を省略する。構造物200Aの高さ(言い換えると、前壁210と左側壁220と右側壁230と後壁240との高さ)は、D34(図示せず)が確保される値である。D34は、ラックRの最上の台180に保管される商品Gから、天井250までのY方向の最短距離である。D34は、5センチメートルから10センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0238】
(5-5)変形例2E
構造物200A及び構造物200Bは、ビニールハウス10の内部の代わりに畜舎60の内部に設けられてもよい。図53は、変形例2Eにかかる、設備2の全体構成を示す概略構成図である。内側I4及び内側I5においては、植物Pの栽培の代わりに、家畜Lの飼育が行われる。
【0239】
構造物200Aの奥行きは、家畜Lの奥行きと、30cmから1mとを加算した値であるが、これに限定されない。構造物200Aの横幅は、構造物200Aに収容される全ての家畜Lの横幅の総和に、50cmから2mを加算した値であるが、これに限定されない。構造物200Aの高さは、畜産作業を行う人の高さと、10cmから30cmとを加算した値であるが、これに限定されない。
【0240】
(5-6)変形例2F
構造物200A及び構造物200Bは、ビニールハウス10の内部の代わりに陸上養殖場70の内部に設けられてもよい。図54は、変形例2Fにかかる、設備2の全体構成を示す概略構成図である。内側I4及び内側I5においては、植物Pの栽培の代わりに、水棲生物Qの養殖が行われる。具体的には、内側I4及び内側I5において水槽Aが設けられ、水槽Aに貯められた水Wで水棲生物Qの養殖が行われる。
【0241】
構造物200Aの奥行きは、水槽Aの奥行きと、5cmから30cmとを加算した値であるが、これに限定されない。構造物200Aの横幅は、水槽Aの横幅と、5cmから30cmとを加算した値であるが、これに限定されない。構造物200Aの高さは、養殖作業を行う人の高さと、10cmから30cmとを加算した値であるが、これに限定されない。
【0242】
(5-7)変形例2G
第2実施形態、変形例2A、2B、2C、2D、2E、2F、の前壁210は、制御装置(図示せず)の制御により、態様が変えられてもよい。言い換えると、スラットSLは、制御装置の制御により、第3ガイドレール211及び第4ガイドレール212をスライドされてもよい。
【0243】
<第3実施形態>
(1)全体構成
第3実施形態に係る設備3の全体構成について説明する。以下、第2実施形態と第3実施形態とが同様な点については説明を省略して、第2実施形態と第3実施形態とが相違な点を中心に説明する。図55は、第3実施形態に係る設備3の全体構成を示す概略構成図である。設備3は、ビニールハウス10と、空気調和機11とを主に備える。
【0244】
(1-1)ビニールハウス
ビニールハウス10の内部には、構造物300Aと、構造物300Bとが主に設けられる。構造物300A及び構造物300Bにより、ビニールハウス10の内部は、構造物300Aの内側I7と、構造物300Bの内側I8と、構造物300A及び構造物300Bの外側であってビニールハウス10の内部である空間I9に分けられる。構造物300A及び構造物300Bの詳細については後述する。
【0245】
なお、設備3は、ビニールハウス10の代わりに、温室(ガラス温室、プラスチックフィルム温室など)を備えてもよい。
【0246】
(1-2)空気調和機
空気調和機11は、ホース(図示せず)により内側I7と通じ、他のホース(図示せず)により内側I8と通じる。空気調和機11により空気調和された空気は、ホースなどを介して内側I7及び内側I8へ供給される。
【0247】
(2)詳細構成
構造物300A及び構造物300Bの詳細構成について説明する。構造物300Aは、構造物300Aの動作により、構造物300Aの態様を変えられる可変型構造物である。構造物300Bは、構造物300Bの動作により、構造物300Bの態様を変えられる可変型構造物である。構造物300Aの構造と、構造物300Bの構造とは、Y方向及びZ方向に伸びる面に対する略面対称である。構造物300Aの機能と、構造物300Bの機能とは同様である。以下、構造物300Aの構造と機能を説明する。
【0248】
図56は、構造物300Aの詳細構成を示す斜視図である。図57は、構造物300Aの詳細構成を示す正面図である。図58は、構造物300Aの詳細構成を示す背面図である。図59は、構造物300Aの詳細構成を示す左側面図である。図60は、構造物300Aの詳細構成を示す右側面図である。図61は、構造物300Aの詳細構成を示す平面図である。図56図57図58図59図60図61において、植物Pは成長をし終えた状態である。
【0249】
構造物300Aは、前壁310と、第3ガイドレール311と、第4ガイドレール312と、左側壁320と、右側壁330と、後壁340と、天井350とを主に有する。
【0250】
第3ガイドレール311は、床Fに対して略平行に設けられる。第3ガイドレール311は、X方向に並び、Z方向に伸びる2列のレールを含む。2列のレールのうち、前のレールを「第3前レール」と称する。2列のレールのうち、後のレールを「第3後レール」と称する。
【0251】
第4ガイドレール312は、第3ガイドレール311に対向し、床Fに対して略平行に設けられる。第4ガイドレール312は、X方向に並び、Z方向に伸びる2列のレールを含む。2列のレールのうち、前のレールを「第4前レール」と称する。2列のレールのうち、後のレールを「第4後レール」と称する。第3前レールと、第4前レールとは対向する。第3後レールと、第4後レールとは対向する。
【0252】
前壁310は、主に2つのスラットSLにより構成される。2つのスラットSLは、床Fに対して略垂直である。2つのスラットSLは、第3ガイドレール311及び第4ガイドレール312にガイドされて、Z方向又はマイナスZ方向(第3ガイドレール311及び第4ガイドレール312が伸びる方向)にスライドされ得る。2つのスラットSLが第3ガイドレール311及び第4ガイドレール312にガイドされてスライドされることにより、前壁310の態様が変えられる。
【0253】
前壁310を構成する2つのスラットSLのうち、左のスラットSLを「左のスラットSL」と称し、右のスラットSLを「右のスラットSL」と称する。左のスラットSLは、第3前レールと、第4前レールとをスライドされることにより、左右方向に移動できる。右のスラットSLは、第3後レールと、第4後レールとをスライドされることにより、左右方向に移動できる。2つのスラットSLは、互いに連結されておらず、互いに独立してスライドされ得る。2つのスラットSLは、左右方向に移動しても互いに重複しない(衝突しない)ように設けられる。
【0254】
前壁310は、第1構成要素の一例であり、床Fに対して略垂直に立てられる。前壁310は、通路102に面する。
【0255】
左側壁320は、右側壁330に対向し、床にF対して略垂直に立てられる。左側壁320は、前壁310と、後壁340と、天井350とに接する。
【0256】
右側壁330は、左側壁320に対向し、床Fに対して略垂直に立てられる。右側壁330は、前壁310と、後壁340と、天井350とに接する。
【0257】
後壁340は、前壁310に対向し、床Fに対して略垂直に立てられる。後壁340は、左側壁320と、右側壁330と、天井350とに接する。後壁340には、ホースと連通される開口341が設けられる。また、後壁340には、構造物300Aの外側と連通される開口342が設けられる。
【0258】
開口341は、供給部の一例である。空気調和機11により空気調和された空気は、開口341を介して内側I7に供給される。開口341は、後壁340の略鉛直方向の中央よりも略鉛直下方に設けられる。言い換えると、開口341は、構造物300Aの略鉛直方向の中央よりも略鉛直下方に設けられる。開口341は、構造物300Aの略Z方向の中央よりも左方に設けられる。
【0259】
なお、開口341は、後壁340に代えて、前壁310と、左側壁320と、右側壁330と、天井350との何れかに設けられてもよい。なお、開口341は、後壁340に加えて、前壁310と、左側壁320と、右側壁330と、天井350との何れかにも設けられてもよい。なお、開口341は、後壁340の略鉛直方向の中央よりも略鉛直上方に設けられてもよい。なお、開口341は、構造物300Aの略Z方向の中央よりも右方に設けられてもよい。
【0260】
開口342は、排出部の一例である。開口342は、後壁340の略鉛直方向の中央よりも略鉛直上方に設けられる。言い換えると、開口342は、構造物300Aの略鉛直方向の中央よりも略鉛直上方に設けられる。開口342は、構造物300Aの略Z方向の中央よりも右方に設けられる。
【0261】
内側I7の空気は、開口342により内側I7から構造物300Aの外側へ排出される。例えば、開口342は、空気調和機11の吸入口に連通されるホース(図示せず)と、連通される。内側I7の空気は、開口342とホースとを介して空気調和機11の吸入口に流れる。
【0262】
なお、開口342は、後壁340の代わりに、前壁310と、左側壁320と、右側壁330と、天井350との何れかに設けられてもよい。なお、開口342は、後壁340に加えて、前壁310と、左側壁320と、右側壁330と、天井350との少なくとも何れかにも設けられてもよい。なお、開口342は、後壁340の略鉛直方向の中央よりも略鉛直下方に設けられてもよい。なお、開口342は、構造物300Aの略Z方向の中央よりも左方に設けられてもよい。なお、開口342は、ビニールハウス10の外部であって空気調和機11の吸込口以外の場所と連通されるホース(図示せず)と、連通されてもよい。
【0263】
天井350は、床Fに対向し、床Fに対して略平行であり、略水平である。天井350は、前壁310と、左側壁320と、右側壁330と、後壁340とに接する。
【0264】
天井350に対向する、床Fの領域を、前壁310と、左側壁320と、右側壁330と、後壁340と、天井350と、が囲うことにより、内側I7が形成される。具体的には、植物Pが栽培される、床Fの領域の前側を前壁310が囲う。植物Pが栽培される、床Fの領域の左側を左側壁320が囲う。植物Pが栽培される、床Fの領域の右側を右側壁330が囲う。植物Pが栽培される、床Fの領域の後側を後壁340が囲う。植物Pが栽培される、床Fの領域の上側を天井350が囲う。
【0265】
内側I7は、前壁310と、左側壁320と、右側壁330と、後壁340と、天井350と、により構造物300Aの外側及び通路102から遮断される。内側I7と、構造物300Aの外側及び通路102との間は、前壁310と、左側壁320と、右側壁330と、後壁340と、天井350とで覆われる。人、装置、空気は、構造物300Aの外側及び通路102から内側I7に通過しにくくなる。そのため、開口341により内側I7に供給された空気は、内側I7から構造物300Aの外側へ流れにくい。空間I9の空気も内側I7に流れにくい。人又は装置は、内側I7に接近しにくい。人又は装置は、作業空間を確保できない。
【0266】
内側I7には植物Pが栽培される。内側I7における一部の床Fには植物Pを植えられる土(図示せず)又は植物Pを浸すことができる養液(図示せず)が溜められる。内側I7において、植物Pは土に植えられるか養液に浸される。なお、内側I7において植物Pが栽培されるとは、常に内側I7において植物Pが存在することを意味しない。植物Pが収穫された後、内側I7には植物Pが存在しない場合もあり得る。また、内側I7において植物Pが存在するが、植物Pが植えられた直後であるため、内側I7において植物Pを肉眼で確認できない場合もあり得る。
【0267】
左側壁320と、右側壁330と、後壁340と、天井350と、スラットSLの構成の例としては、骨組みと骨組みを覆うビニールとの構成、骨組みと骨組みを覆うガラスとの構成、骨組みと骨組みを覆うプラスチックフィルムとの構成、骨組みと骨組みを覆う面とが一体化された構成などが挙げられるが、これに限定されない。
【0268】
前壁310(2つのスラットSL)と、左側壁320と、右側壁330と、後壁340と、天井350と、は空間I9の照明の光が内側I7に透過されるように、透明又は半透明のビニール、ガラス、プラスチックフィルムを含む。前壁310(2つのスラットSL)と、左側壁320と、右側壁330と、後壁340と、天井350と、が透明又は半透明であるため、構造物300Aの外側から内側I7の植物Pが透けて見える状態である。
【0269】
構造物300Aの奥行き(言い換えると、天井350の奥行き)は、D35及びD36が確保される値である。D35は、植物Pが成長し終えた状態において、植物Pから前壁310までのX方向の最短距離である。D35は、1センチメートルから10センチメートルが望ましいが、これに限定されない。D36は、植物Pが成長し終えた状態において、植物Pから後壁340までのマイナスX方向の最短距離である。D36は、1センチメートルから10センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0270】
構造物300Aの高さ(言い換えると、前壁310と左側壁320と右側壁330と後壁340との高さ)は、D37が確保される値である。D37は、植物Pが成長し終えた状態において、植物Pから天井350までのY方向の最短距離である。D37は、1センチメートルから10センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0271】
構造物300Aの横幅(言い換えると、前壁310と後壁340と天井350との横幅)は、D38及びD39が確保される値である。D38は、植物Pが成長し終えた状態において、植物Pから左側壁320までのマイナスZ方向の最短距離である。D38は、1センチメートルから10センチメートルが望ましいが、これに限定されない。D39は、植物Pが成長し終えた状態において、植物Pから右側壁330までのZ方向の最短距離である。D39は、1センチメートルから10センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0272】
左側壁320と、右側壁330と、後壁340と、天井350とは、態様を変えられない構成要素である。前壁310は、態様を変えられる構成要素である。そのため、構造物300Aは、可変型構造物である。なお、左側壁320と、右側壁330と、後壁340と、天井350と、の少なくとも何れかが態様を変えられる構成要素であってもよい。以下、構造物300Aの様々な態様について説明する。
【0273】
図62は、構造物300Aの詳細構成を示す斜視図である。図63は、構造物300Aの詳細構成を示す正面図である。図64は、構造物300Aの詳細構成を示す背面図である。図62図63図64の構造物300Aの態様は、図56図57図58図59図60図61の構造物300Aの態様から、左のスラットSLがZ方向にスライドされた態様である。この場合における、構造物300Aの詳細構成を示す左側面図と、右側面図と、平面図と、については図59図60図61と同様であるため省略する。
【0274】
左のスラットSLは、Z方向にスライドされたため、右のスラットSLと概ねX方向に並ぶ。構造物300Aの左の前側を介して、内側I7と構造物300Aの外側及び通路102とが連通されている。前壁310の態様が変えられたことにより、構造物300Aの外側及び通路102と内側I7とが遮断された状態から、構造物300Aの外側及び通路102と内側I7とが連通される状態に変えられている。作業空間が確保されたため、農作業を行う人又は装置は、構造物300Aの前側を介して、植物Pに対する農作業を行うことができる。
【0275】
図65は、構造物300Aの詳細構成を示す斜視図である。図66は、構造物300Aの詳細構成を示す正面図である。図67は、構造物300Aの詳細構成を示す背面図である。図65図66図67の構造物300Aの態様は、図56図57図58図59図60図61の構造物300Aの態様から、右のスラットSLがマイナスZ方向にスライドされた態様である。この場合における、構造物300Aの詳細構成を示す左側面図と、右側面図と、平面図と、については図59図60図61と同様であるため省略する。
【0276】
右のスラットSLは、マイナスZ方向にスライドされたため、左のスラットSLと概ねX方向に並ぶ。構造物300Aの右の前側を介して、内側I7と構造物300Aの外側及び通路102とが連通されている。前壁310の態様が変えられたことにより、構造物300Aの外側及び通路102と内側I7とが遮断された状態から、構造物300Aの外側及び通路102と内側I7とが連通される状態に変えられている。作業空間が確保されたため、農作業を行う人又は装置は、構造物300Aの前側を介して、植物Pに対する農作業を行うことができる。
【0277】
なお、図56図57図58図59図60図61の構造物300Aの態様は、図62図63図64の構造物300Aの態様から、左のスラットSLがマイナスZ方向にスライドされた態様でもある。前壁310の態様が変えられたことにより、構造物300Aの外側及び通路102と内側I7とが連通された状態から、構造物300Aの外側及び通路102と内側I7とが遮断される状態に変えられる。
【0278】
なお、図56図57図58図59図60図61の構造物300Aの態様は、図65図66図67の構造物300Aの態様から、右のスラットSLがZ方向にスライドされた態様でもある。前壁310の態様が変えられたことにより、構造物300Aの外側及び通路102と内側I7とが連通された状態から、構造物300Aの外側及び通路102と内側I7とが遮断される状態に変えられる。
【0279】
(3)動作
人又は装置が収穫作業を行う場合における、設備3の動作について説明する。構造物300Aの動作と、構造物300Bの動作とは同様であるため、構造物300Aの動作を中心に説明する。図68は、設備3の動作を示すフローチャートである。空気調和機11により暖められた空気がホースと開口341を介して内側I7に供給されている。構造物300Aの態様は、図56図57図58図59図60図61に示す構造物300Aの態様である。
【0280】
2つのスラットSLが構造物300Aの前側を覆っているため、構造物300Aの外側及び通路102と内側I7とは遮断されている。内側I7に供給されている暖められた空気は、構造物300Aの外側に流れにくい。内側I7の温度は、空間I9の温度より高く維持されている。そのため、内側I7は、植物Pの栽培に適した環境になっている。植物Pは、収穫に適した状態になっている。
【0281】
人又は装置は、ビニールハウス10の外部から、出入口101を介して、ビニールハウス10の内部に移動する。人又は装置は、構造物300Aの前側の通路102に移動する。人又は装置は、2つのスラットSLのうち、左のスラットSLに対して、Z方向の力を加える。左のスラットSLと右のスラットSLとは独立されているため、左のスラットSLのみがZ方向の力を受ける。左のスラットSLは、第3ガイドレール311及び第4ガイドレール312にガイドされてZ方向にスライドされる(ステップS21)。
【0282】
左のスラットSLがZ方向にスライドされたため、左のスラットSLは、右のスラットSLとX方向に概ね並ぶ。構造物300Aの態様は、図62図63図64の構造物300Aの態様に変えられる(ステップS22)。図57の前壁310の態様は、図63の前壁310の態様に変えられる。構造物300Aの左の前側により、構造物300Aの外側及び通路102と内側I7とは連通される。作業空間が確保されたため、人又は装置は、左側の植物Pに対して収穫作業を行うことができる。人又は装置は、左側の植物Pに対して収穫作業を開始する。
【0283】
左側の植物Pに対する収穫作業が終了されると、人又は装置は、左のスラットSLに対して、マイナスZ方向の力を加える。左のスラットSLと右のスラットSLとは独立されているため、左のスラットSLのみがマイナスZ方向の力を受ける。左のスラットSLは、第3ガイドレール311及び第4ガイドレール312にガイドされてマイナスZ方向にスライドされる(ステップS23)。
【0284】
左のスラットSLがマイナスZ方向にスライドされたため、構造物300Aの態様は、図56図57図58図59図60図61の構造物300Aの態様に変えられる(ステップS24)。図63の前壁310の態様は、図57の前壁310の態様に変えられる。構造物300Aの左の前側が左のスラットSLにより覆われるため、構造物300Aの外側及び通路102と内側I7とは遮断される。
【0285】
人又は装置は、2つのスラットSLのうち、右のスラットSLに対して、マイナスZ方向の力を加える。右のスラットSLと左のスラットSLとは独立されているため、右のスラットSLのみがマイナスZ方向の力を受ける。右のスラットSLは、第3ガイドレール311及び第4ガイドレール312にガイドされてマイナスZ方向にスライドされる(ステップS25)。
【0286】
右のスラットSLがマイナスZ方向にスライドされたため、右のスラットSLは、左のスラットSLとX方向に概ね並ぶ。構造物300Aの態様は、図65図66図67の構造物300Aの態様に変えられる(ステップS26)。図57の前壁310の態様は、図66の前壁310の態様に変えられる。構造物300Aの右の前側により、構造物300Aの外側及び通路102と内側I7とは連通される。作業空間が確保されたため、人又は装置は、右側の植物Pに対して収穫作業を行うことができる。人又は装置は、右側の植物Pに対して収穫作業を開始する。
【0287】
右側の植物Pに対する収穫作業が終了されると、人又は装置は、右のスラットSLに対して、Z方向の力を加える。右のスラットSLと左のスラットSLとは独立されているため、右のスラットSLのみがZ方向の力を受ける。右のスラットSLは、第3ガイドレール311及び第4ガイドレール312にガイドされてZ方向にスライドされる(ステップS27)。
【0288】
右のスラットSLがZ方向にスライドされたため、構造物300Aの態様は、図56図57図58図59図60図61の構造物300Aの態様に変えられる(ステップS28)。図66の前壁310の態様は、図57の前壁310の態様に変えられる。構造物300Aの右の前側が右のスラットSLにより覆われるため、構造物300Aの外側及び通路102と内側I7とは遮断される。
【0289】
(4)変形例
第3実施形態の変形例について、第3実施形態と同様な点については説明を省略して、第3実施形態との相違点を中心に説明する。
【0290】
(4-1)変形例3A
構造物300A及び構造物300Bは、ビニールハウス10の内部の代わりにキノコ栽培施設20の内部に設けられてもよい。図69は、変形例3Aにかかる、設備3の全体構成を示す概略構成図である。内側I7及び内側I8においては、植物Pの栽培の代わりに、キノコMの栽培が行われる。具体的には、内側I7及び内側I8においてラックRが設けられ、ラックRにおけるキノコMの栽培が行われる。ラックRについては、変形例2Aと同様であるため説明を省略する。作業空間は、キノコ作業に必要な空間である。
【0291】
構造物300Aの奥行き(言い換えると、天井350の奥行き)は、D40(図示せず)及びD41(図示せず)が確保される値である。D40は、台180から前壁310までのX方向の最短距離である。D40は、1センチメートルから5センチメートルが望ましいが、これに限定されない。D41は、台180から後壁340までのマイナスX方向の最短距離である。D41は、1センチメートルから5センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0292】
構造物300Aの高さ(言い換えると、前壁310と左側壁320と右側壁330と後壁340との高さ)は、D42(図示せず)が確保される値である。D42は、キノコMが成長し終えた状態において、最上の台180のキノコMから天井350までのY方向の最短距離である。D42は、1センチメートルから10センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0293】
構造物300Aの横幅(言い換えると、前壁310と後壁340と天井350との横幅)は、D43(図示せず)及びD44(図示せず)が確保される値である。D43は、台180から左側壁320までのマイナスZ方向の最短距離である。D43は、1センチメートルから5センチメートルが望ましいが、これに限定されない。D44は、台180から右側壁330までのZ方向の最短距離である。D44は、1センチメートルから5センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0294】
(4-2)変形例3B
構造物300A及び構造物300Bは、ビニールハウス10の内部の代わりに植物工場30の内部に設けられてもよい。図70は、変形例3Bにかかる、設備3の全体構成を示す概略構成図である。内側I7及び内側I8においては、植物Pの栽培が行われる。具体的には、内側I7及び内側I8においてラックRが設けられ、ラックRにおける植物Pの栽培が行われる。ラックRについては、変形例2Bと同様であるため説明を省略する。
【0295】
変形例3Bの構造物300Aの奥行き、横幅は、変形例3Aの構造物300Aの奥行き、横幅と同様であるため説明を省略する。構造物300Aの高さ(言い換えると、前壁310と左側壁320と右側壁330と後壁340との高さ)は、D45(図示せず)が確保される値である。D45は、植物Pが成長し終えた状態において、植物Pから天井350までのY方向の最短距離である。D45は、1センチメートルから10センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0296】
(4-3)変形例3C
構造物300A及び構造物300Bは、ビニールハウス10の内部の代わりにサーバールーム40の内部に設けられてもよい。図71は、変形例3Cにかかる、設備3の全体構成を示す概略構成図である。内側I7及び内側I8においては、植物Pの栽培の代わりに、サーバーSVの設置が行われる。作業空間は、サーバー作業に必要な空間である。
【0297】
構造物300Aの奥行き(言い換えると、天井350の奥行き)は、D46(図示せず)及びD47(図示せず)が確保される値である。D46は、サーバーSVから前壁310までのX方向の最短距離である。D46は、5センチメートルから20センチメートルが望ましいが、これに限定されない。D47は、サーバーSVから後壁340までのマイナスX方向の最短距離である。D47は、15センチメートルから40センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0298】
構造物300Aの高さ(言い換えると、前壁310と左側壁320と右側壁330と後壁340との高さ)は、D48(図示せず)が確保される値である。D48は、サーバーSVから天井350までのY方向の最短距離である。D48は、5センチメートルから20センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0299】
構造物300Aの横幅(言い換えると、前壁310と後壁340と天井350との横幅)は、D49(図示せず)及びD50(図示せず)が確保される値である。D49は、サーバーSVから左側壁320までのマイナスZ方向の最短距離である。D49は、5センチメートルから20センチメートルが望ましいが、これに限定されない。D50は、サーバーSVから右側壁330までのZ方向の最短距離である。D50は、5センチメートルから20センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0300】
(4-4)変形例3D
構造物300A及び構造物300Bは、ビニールハウス10の内部の代わりに倉庫50の内部に設けられてもよい。図72は、変形例3Dにかかる、設備3の全体構成を示す概略構成図である。内側I7及び内側I8においては、植物Pの栽培の代わりに、商品Gの保管が行われる。具体的には、内側I7及び内側I8においてラックRが設けられ、ラックRにおける商品Gの保管が行われる。ラックRについては、変形例2Dと同様であるため説明を省略する。作業空間は、倉庫作業に必要な空間である。
【0301】
構造物300Aの奥行き、横幅は、変形例3Aと同様であるため、説明を省略する。構造物300Aの高さ(言い換えると、前壁310と左側壁320と右側壁330と後壁340との高さ)は、D51(図示せず)が確保される値である。D51は、ラックRの最上の台180に保管される商品Gから、天井350までのY方向の最短距離である。D51は、5センチメートルから10センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0302】
(4-5)変形例3E
構造物300A及び構造物300Bは、ビニールハウス10の内部の代わりに畜舎60の内部に設けられてもよい。図73は、変形例3Eにかかる、設備3の全体構成を示す概略構成図である。内側I7及び内側I8においては、植物Pの栽培の代わりに、家畜Lの飼育が行われる。作業空間は、畜産作業に必要な空間である。
【0303】
構造物300Aの奥行きは、家畜Lの奥行きと、30cmから1mとを加算した値であるが、これに限定されない。構造物300Aの横幅は、構造物300Aに収容される全ての家畜Lの横幅の総和に、50cmから2mを加算した値であるが、これに限定されない。構造物300Aの高さは、畜産作業を行う人の高さと、10cmから30cmとを加算した値であるが、これに限定されない。
【0304】
(4-6)変形例3F
構造物300A及び構造物300Bは、ビニールハウス10の内部の代わりに陸上養殖場70の内部に設けられてもよい。図74は、変形例3Fにかかる、設備3の全体構成を示す概略構成図である。内側I7及び内側I8においては、植物Pの栽培の代わりに、水棲生物Qの養殖が行われる。具体的には、内側I7及び内側I8において水槽Aが設けられ、水槽Aに貯められた水Wで水棲生物Qの養殖が行われる。作業空間は、養殖作業に必要な空間である。
【0305】
構造物300Aの奥行きは、水槽Aの奥行きと、5cmから30cmとを加算した値であるが、これに限定されない。構造物300Aの横幅は、水槽Aの横幅と、5cmから30cmとを加算した値であるが、これに限定されない。構造物300Aの高さは、養殖作業を行う人の高さと、10cmから30cmとを加算した値であるが、これに限定されない。
【0306】
(4-7)変形例3G
第3実施形態、変形例3A、3B、3C、3D、3E、3F、の前壁310は、制御装置(図示せず)の制御により、態様が変えられてもよい。言い換えると、スラットSLは、制御装置の制御により、第3ガイドレール311及び第4ガイドレール312をスライドされてもよい。
【0307】
<第4実施形態>
(1)全体構成
第4実施形態に係る設備4の全体構成について説明する。以下、第1実施形態と第4実施形態とが同様な点については説明を省略して、第1実施形態と第4実施形態とが相違な点を中心に説明する。図75は、第4実施形態に係る設備4の全体構成を示す概略構成図である。設備4は、ビニールハウス10と、空気調和機11とを主に備える。
【0308】
(1-1)ビニールハウス
ビニールハウス10の内部には、構造物400Aと、構造物400Bと、構造物400Cと、構造物400Dとが主に設けられる。構造物400Aと、構造物400Bと、構造物400Cと、構造物400Dとにより、ビニールハウス10の内部は、構造物400Aの内側I10と、構造物400Bの内側I11と、構造物400Cの内側I12と、構造物400Dの内側I13と、構造物400Aと構造物400Bと構造物400Cと構造物400Dとの外側であってビニールハウス10の内部である空間I14に分けられる。構造物400Aと、構造物400Bと、構造物400Cと、構造物400Dとの詳細については後述する。
【0309】
なお、設備4は、ビニールハウス10の代わりに、温室(ガラス温室、プラスチックフィルム温室など)を備えてもよい。
【0310】
(1-2)空気調和機
空気調和機11は、ホース111により内側I10と通じる。また、空気調和機11は、他のホース(図示せず)により内側I11と通じ、他のホース(図示せず)により内側I12と通じ、他のホース(図示せず)により内側I13と通じる。空気調和機11により空気調和された空気は、ホース111などを介して内側I10と内側I11と内側I12と内側I13とへ供給される。
【0311】
(2)詳細構成
構造物400Aと、構造物400Bと、構造物400Cと、構造物400Dとの詳細構成について説明する。構造物400Aは、構造物400Aの動作により、構造物400Aの態様を変えられる可変型構造物である。構造物400Bは、構造物400Bの動作により、構造物400Bの態様を変えられる可変型構造物である。構造物400Cは、構造物400Cの動作により、構造物400Cの態様を変えられる可変型構造物である。構造物400Dは、構造物400Dの動作により、構造物400Dの態様を変えられる可変型構造物である。
【0312】
構造物400Aの構造と、構造物400Bの構造とは、Y方向及びX方向に伸びる面に対する略面対称である。構造物400Aの構造と、構造物400Cの構造とは、Y方向及びZ方向に伸びる面に対する略面対称である。構造物400Cの構造と、構造物400Dの構造とは、Y方向及びX方向に伸びる面に対する略面対称である。構造物400Aの機能と、構造物400Bの機能と、構造物400Cの機能と、構造物400Dの機能とは同様である。以下、構造物400Aの構造と機能を説明する。
【0313】
図76は、構造物400Aの詳細構成を示す斜視図である。図77は、構造物400Aの詳細構成を示す正面図である。図78は、構造物400Aの詳細構成を示す背面図である。図79は、構造物400Aの詳細構成を示す左側面図である。図80は、構造物400Aの詳細構成を示す右側面図である。図81は、構造物400Aの詳細構成を示す平面図である。図76図77図78図79図80図81において、植物Pは成長をし終えた状態である。
【0314】
構造物400Aは、前壁410と、左側壁420と、右側壁430と、後壁440と、天井450と、回転軸AXを主に有する。
【0315】
前壁410は、第1構成要素の一例であり、床Fに対して略垂直に立てられる。前壁410は、通路102に面する。前壁410の上端部は、天井450の前端部と連結される。
【0316】
左側壁420は、右側壁430に対向し、床Fに対して略垂直に立てられる。左側壁420は、前壁410と、後壁440と、天井450とに接する。左側壁420には、ホース111と連通される開口421が設けられる。
【0317】
開口421は、供給部の一例である。空気調和機11により空気調和された空気は、開口421を介して内側I10に供給される。開口421は、左側壁420の略鉛直方向の中央よりも略鉛直下方に設けられる。言い換えると、開口421は、構造物400Aの略鉛直方向の中央よりも略鉛直下方に設けられる。開口421は、構造物400Aの略X方向の中央よりも後方に設けられる。
【0318】
なお、開口421は、左側壁420に代えて、前壁410と、右側壁430と、後壁440と、天井450とに設けられてもよい。なお、開口421は、左側壁420に加えて、前壁410と、右側壁430と、後壁440と、天井450とにも設けられてもよい。なお、開口421は、構造物400Aの略鉛直方向の中央よりも略鉛直上方に設けられてもよい。なお、開口421は、構造物400Aの略X方向の中央よりも前方に設けられてもよい。
【0319】
右側壁430は、左側壁420に対向し、床Fに対して略垂直に立てられる。右側壁430は、前壁410と、後壁440と、天井450とに接する。右側壁430には、構造物400Aの外側と連通される開口431が設けられる。
【0320】
開口431は、排出部の一例である。開口431は、右側壁430の略鉛直方向の中央よりも略鉛直上方に設けられる。言い換えると、開口431は、構造物400Aの略鉛直方向の中央よりも略鉛直上方に設けられる。開口431は、構造物400Aの略X方向の中央よりも前方に設けられる。
【0321】
内側I10の空気は、開口431により内側I10から構造物400Aの外側へ排出される。例えば、開口431は、空気調和機11の吸入口に連通されるホース(図示せず)と、連通される。内側I10の空気は、開口431とホースとを介して空気調和機11の吸入口に流れる。
【0322】
なお、開口431は、右側壁430の代わりに、前壁410と、左側壁420と、後壁440と、天井450との何れかに設けられてもよい。なお、開口431は、右側壁430に加えて、前壁410と、左側壁420と、後壁440と、天井450との少なくとも何れかにも設けられてもよい。なお、開口431は、構造物400Aの略鉛直方向の中央よりも略鉛直下方に設けられてもよい。なお、開口431は、構造物400Aの略X方向の中央よりも後方に設けられてもよい。なお、開口431は、ビニールハウス10の外部であって空気調和機11の吸込口以外の場所と連通されるホース(図示せず)と、連通されてもよい。
【0323】
後壁440は、前壁410に対向し、床Fに対して略垂直に立てられる。後壁440は、左側壁420と、右側壁430と、天井450とに接する。後壁440には、回転部材441と、固定部材442とが設けられる。
【0324】
回転部材441は、天井450が回転された状態において天井450を固定するための部材である。回転部材441は、後壁440の略Z方向の略中央に設けられ、後壁440の前側に設けられる。回転部材441は、回転部材441における略Y方向の略中央且つ略Z方向の略中央、を回転中心として、Y方向及びZ方向に伸びる面において回転可能に設けられる。なお、後壁440には、複数の回転部材441が設けられてもよい。
【0325】
固定部材442は、天井450が回転された状態において天井450を固定するための部材である。固定部材442は、後壁440の略水平方向の略中央に設けられ、後壁440の後側に設けられる。固定部材442は、後壁440に固定される。固定部材442は、回転部材441と対向し得るように設けられる。なお、後壁440には、複数の固定部材442が設けられてもよい。
【0326】
回転軸AXは、天井450の後端部に沿って設けられ、床Fに対して略平行である。
【0327】
天井450は、床Fに対向し、床Fに対して略平行であり、略水平である。天井450は、前壁410と、左側壁420と、右側壁430と、後壁440とに接する。天井450は、回転軸AXを軸に回転されることにより、動かせる。天井450は、回転軸AXを回転中心として、X方向及びY方向に伸びる面において回転可能に設けられる。天井450の前端部は、前壁410の上端部と連結される。そのため、天井450が回転軸AXを軸に回転される場合、前壁410も天井450に連れられて回転される。これにより、前壁410の態様が変えられる。
【0328】
天井450に対向する、床Fの領域を、前壁410と、左側壁420と、右側壁430と、後壁440と、天井450と、が囲うことにより、内側I10が形成される。具体的には、植物Pが栽培される、床Fの領域の前側を前壁410が囲う。植物Pが栽培される、床Fの領域の左側を左側壁420が囲う。植物Pが栽培される、床Fの領域の右側を右側壁430が囲う。植物Pが栽培される、床Fの領域の後側を後壁440が囲う。植物Pが栽培される、床Fの領域の上側を天井450が囲う。
【0329】
内側I10は、前壁410と、左側壁420と、右側壁430と、後壁440と、天井450と、により構造物400Aの外側及び通路102から遮断される。
内側I10と、構造物400Aの外側及び通路102との間は、前壁410と、左側壁420と、右側壁430と、後壁440と、天井450とで覆われる。人、装置、空気は、構造物400Aの外側及び通路102から内側I10に通過しにくくなる。そのため、開口421により内側I10に供給された空気は、内側I10から構造物400Aの外側へ流れにくい。空間I14の空気も内側I10に流れにくい。人又は装置は、内側I10に接近しにくい。人又は装置は、作業空間を確保できない。
【0330】
内側I10には植物Pが栽培される。内側I10における一部の床Fには植物Pを植えられる土(図示せず)又は植物Pを浸すことができる養液(図示せず)が溜められる。内側I10において、植物Pは土に植えられるか養液に浸される。なお、内側I10において植物Pが栽培されるとは、常に内側I10において植物Pが存在することを意味しない。植物Pが収穫された後、内側I10には植物Pが存在しない場合もあり得る。また、内側I10において植物Pが存在するが、植物Pが植えられた直後であるため、内側I10において植物Pを肉眼で確認できない場合もあり得る。
【0331】
前壁410と、左側壁420と、右側壁430と、後壁440と、天井450と、の構成の例としては、骨組みと骨組みを覆うビニールとの構成、骨組みと骨組みを覆うガラスとの構成、骨組みと骨組みを覆うプラスチックフィルムとの構成、骨組みと骨組みを覆う面とが一体化された構成などが挙げられるが、これに限定されない。
【0332】
前壁410と、左側壁420と、右側壁430と、後壁440と、天井450と、は空間I14の照明の光が内側I10に透過されるように、透明又は半透明のビニール、ガラス、プラスチックフィルムを含む。前壁410と、左側壁420と、右側壁430と、後壁440と、天井450と、が透明又は半透明であるため、構造物400Aの外側から内側I10の植物Pが透けて見える状態である。
【0333】
構造物400Aの奥行き(言い換えると、天井450の奥行き)は、D52及びD53が確保される値である。D52は、植物Pが成長し終えた状態において、植物Pから前壁410までのX方向の最短距離である。D52は、1センチメートルから10センチメートルが望ましいが、これに限定されない。D53は、植物Pが成長し終えた状態において、植物Pから後壁440までのマイナスX方向の最短距離である。D53は、1センチメートルから10センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0334】
構造物400Aの高さ(言い換えると、前壁410と左側壁420と右側壁430と後壁440との高さ)は、D54が確保される値である。D54は、植物Pが成長し終えた状態において、植物Pから天井450までのY方向の最短距離である。D54は、1センチメートルから10センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0335】
構造物400Aの横幅(言い換えると、前壁410と後壁440と天井450との横幅)は、D55及びD56が確保される値である。D55は、植物Pが成長し終えた状態において、植物Pから左側壁420までのマイナスZ方向の最短距離である。D55は、1センチメートルから10センチメートルが望ましいが、これに限定されない。D56は、植物Pが成長し終えた状態において、植物Pから右側壁430までのZ方向の最短距離である。D56は、1センチメートルから10センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0336】
左側壁420と、右側壁430と、後壁440とは、態様を変えられない構成要素である。前壁410及び天井450は、態様を変えられる構成要素である。そのため、構造物400Aは、可変型構造物である。なお、左側壁420と、右側壁430と、後壁440と、の少なくとも何れかが態様を変えられる構成要素であってもよい。例えば、左側壁420と、右側壁430との少なくとも何れかが天井450と連結されてもよい。この場合、天井450と連結された、左側壁420と、右側壁430との少なくとも何れかは、天井450に連れられて回転される。以下、図76図77図78図79図80図81の構造物400Aの態様とは異なる、構造物400Aの態様について説明する。
【0337】
図82は、構造物400Aの詳細構成を示す斜視図である。図83は、構造物400Aの詳細構成を示す正面図である。図84は、構造物400Aの詳細構成を示す背面図である。図85は、構造物400Aの詳細構成を示す左側面図である。図86は、構造物400Aの詳細構成を示す右側面図である。図87は、構造物400Aの詳細構成を示す平面図である。
【0338】
図82図83図84図85図86図87の構造物400Aの態様は、図76図77図78図79図80図81の構造物400Aの態様から、天井450が回転軸AXを軸に回転された態様である。天井450は、回転軸AXを回転中心として、X方向及びY方向に伸びる面において、90度弱回転されている。天井450が回転されたため、前壁410も天井450に連れられて回転されている。
【0339】
回転部材441は、回転部材441における略Y方向の略中央且つ略Z方向の略中央、を回転中心として、Y方向及びZ方向に伸びる面において90度弱回転されている。天井450は、天井450の前側の回転部材441と、天井450の後側の固定部材442と、により挟まれて固定されている。これにより、天井450及び前壁410は、回転軸AXを軸に回転された状態で固定されている。
【0340】
構造物400Aの内側I10は、前側及び上側を介して、構造物400Aの外側及び通路102と連通される状態である。天井450及び前壁410の態様が変えられたことにより、構造物400Aの外側及び通路102と内側I10とが遮断された状態から、構造物400Aの外側及び通路102と内側I10とが連通される状態に変えられている。作業空間が確保されたため、農作業を行う人又は装置は、構造物400Aの前側及び上側を介して、植物Pに対する農作業を行うことができる。
【0341】
なお、図76図77図78図79図80図81の構造物400Aの態様は、図82図83図84図85図86図87の構造物400Aの態様から、天井450が回転軸AXを軸に回転された態様でもある。天井450は、回転軸AXを回転中心として、X方向及びY方向に伸びる面において、90度弱回転されている。天井450が回転されたため、前壁410も天井450に連れられて回転されている。
【0342】
天井450及び前壁410の態様が変えられたことにより、構造物400Aの外側及び通路102と内側I10とが連通された状態から、構造物400Aの外側及び通路102と内側I10とが遮断される状態に変えられている。
【0343】
(3)動作
人又は装置が収穫作業を行う場合における、設備4の動作について説明する。構造物400Aの動作と、構造物400Bの動作と、構造物400Cの動作と、構造物400Dの動作とは同様であるため、構造物400Aの動作を中心に説明する。図88は、設備4の動作を示すフローチャートである。空気調和機11により暖められた空気がホースと開口421を介して内側I10に供給されている。構造物400Aの態様は、図76図77図78図79図80図81に示す構造物400Aの態様である。
【0344】
前壁410が構造物400Aの前側を覆っており、天井450が構造物400Aの上側を覆っている。そのため、構造物400Aの外側及び通路102と内側I10とは遮断されている。内側I10に供給されている暖められた空気は、構造物400Aの外側に流れにくい。内側I10の温度は、空間I14の温度より高く維持されている。そのため、内側I10は、植物Pの栽培に適した環境になっている。植物Pは、収穫に適した状態になっている。
【0345】
人又は装置は、ビニールハウス10の外部から、出入口101を介して、ビニールハウス10の内部に移動する。人又は装置は、構造物400Aの前側の通路102に移動する。人又は装置は、前壁410と、天井450との少なくとも何れかに対して、Y方向及びマイナスX方向の力を加える。天井450は、Y方向及びマイナスX方向の力を受けて、回転軸AXを軸に回転される。具体的には、天井450は、回転軸AXを回転中心として、X方向及びY方向に伸びる面において回転される。また、天井450に連結された前壁410も、天井450に連れられて回転される(ステップS31)。
【0346】
天井450が回転され続けると、天井450は固定部材442とぶつかる。固定部材442とぶつかった天井450は、固定部材442からX方向の力を受ける。これにより、前壁410及び天井450の回転が止まる(ステップS32)。天井450は、回転軸AXを回転中心として、X方向及びY方向に伸びる面において90度弱回転されたことになる。
【0347】
人又は装置は、回転部材441を回転させる。回転部材441は、回転部材441における略Y方向の略中央且つ略Z方向の略中央、を回転中心として、Y方向及びZ方向に伸びる面において90度弱回転される。天井450は、天井450の前側の回転部材441と、天井450の後側の固定部材442と、に挟まれて固定される。前壁410及び天井450は、回転軸AXを軸に回転された状態で固定される。構造物400Aの態様は、図82図83図84図85図86図87の態様で変えられる(ステップS33)。
【0348】
構造物400Aの前側及び上側により、構造物400Aの外側及び通路102と内側I10とは連通される。作業空間が確保されたため、人又は装置は、植物Pに対して収穫作業を行うことができる。人又は装置は、植物Pに対して収穫作業を開始する。
【0349】
収穫作業が終了されると、人又は装置は、回転部材441を回転させる。回転部材441は、回転部材441における略Y方向の略中央且つ略Z方向の略中央、を回転中心として、Y方向及びZ方向に伸びる面において90度弱回転される。天井450は、回転部材441と、固定部材442とにより挟まれた状態から解放される。天井450は、重力により、マイナスY方向の力を受ける。そのため、天井450は、回転軸AXを軸に回転される。具体的には、天井450は、回転軸AXを回転中心として、X方向及びY方向に伸びる面において回転される。また、天井450に連結された前壁410も、天井450に連れられて回転される(ステップS34)。なお、人又は装置は、前壁410と天井450との少なくとも何れかに対して、マイナスY方向及びX方向の力を加えてもよい。
【0350】
前壁410及び天井450が回転され続けると、前壁410は、床Fとぶつかる。床Fにぶつかった前壁410は、床FからY方向の力を受ける。これにより、前壁410及び天井450の回転が止まる。天井450は、回転軸AXを回転中心として、X方向及びY方向に伸びる面において90度弱回転されたことになる。
【0351】
天井450は、構造物400Aの上側を覆う。また、前壁410は、構造物400Aの前側を覆う。構造物400Aの態様は、図76図77図78図79図80図81の態様に変えられる(ステップS35)。構造物400Aの外側及び通路102と内側I10とは遮断される。
【0352】
(4)特徴
可変型構造物は、内部の床Fに対向し、第1構成要素に連結され、動かせる天井450と、天井450の端部に沿って設けられる回転軸AXと、をさらに備える。天井450が回転軸AXを軸に回転される場合、第1構成要素も天井450に連れられて回転されることにより、第1構成要素の態様が変えられる。
【0353】
第1構成要素は、天井450に連れられて回転される。第1構成要素に加えられる力は、不特定の方向に分散されにくくなる。第1構成要素は、回転軸AXにより一定方向に動作される。そのため、可変型構造物は、人又は装置により、第1構成要素の態様を容易に変えられる。
【0354】
(5)変形例
第4実施形態の変形例について、第4実施形態と同様な点については説明を省略して、第4実施形態との相違点を中心に説明する。
【0355】
(5-1)変形例4A
構造物400Aと、構造物400Bと、構造物400Cと、構造物400Dとは、ビニールハウス10の内部の代わりにキノコ栽培施設20の内部に設けられてもよい。図89は、変形例4Aにかかる、設備4の全体構成を示す概略構成図である。内側I10と内側I11と内側I12と内側I13とにおいては、原木T(キノコMの種菌が植えられる木)が置かれる。原木TでキノコMが栽培される。なお、キノコMは、原木Tの代わりに菌床ブロックで栽培されてもよい。作業空間は、キノコ作業に必要な空間である。
【0356】
構造物400Aの奥行き(言い換えると、天井450の奥行き)は、D57(図示せず)及びD58(図示せず)が確保される値である。D57は、原木T及び成長し終えた状態のキノコM、から前壁410までのX方向の最短距離である。D57は、1センチメートルから10センチメートルが望ましいが、これに限定されない。D58は、原木T及び成長し終えた状態のキノコM、後壁440までのマイナスX方向の最短距離である。D58は、1センチメートルから10センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0357】
構造物400Aの高さ(言い換えると、前壁410と左側壁420と右側壁430と後壁440との高さ)は、D59(図示せず)が確保される値である。D59は、原木T及び成長し終えた状態のキノコM、から天井450までのY方向の最短距離である。D59は、1センチメートルから10センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0358】
構造物400Aの横幅(言い換えると、前壁410と後壁440と天井450との横幅)は、D60(図示せず)及びD61(図示せず)が確保される値である。D60は、原木T及び成長し終えた状態のキノコM、から左側壁420までのマイナスZ方向の最短距離である。D60は、1センチメートルから10センチメートルが望ましいが、これに限定されない。D61は、原木T及び成長し終えた状態のキノコM、から右側壁430までのZ方向の最短距離である。D61は、1センチメートルから10センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0359】
(5-2)変形例4B
構造物400Aと、構造物400Bと、構造物400Cと、構造物400Dとは、ビニールハウス10の内部の代わりに植物工場30の内部に設けられてもよい。図90は、変形例4Bにかかる、設備4の全体構成を示す概略構成図である。変形例4Bの構造物400Aについては、第4実施形態の構造物400Aと同様であるため説明を省略する。
【0360】
(5-3)変形例4C
構造物400Aと、構造物400Bと、構造物400Cと、構造物400Dとは、ビニールハウス10の内部の代わりにサーバールーム40の内部に設けられてもよい。図91は、変形例4Cにかかる、設備4の全体構成を示す概略構成図である。内側I10と内側I11と内側I12と内側I13とにおいては、植物Pの栽培の代わりに、サーバーSVの設置が行われる。作業空間は、サーバー作業に必要な空間である。
【0361】
構造物400Aの奥行き(言い換えると、天井450の奥行き)は、D62(図示せず)及びD63(図示せず)が確保される値である。D62は、サーバーSVから前壁410までのX方向の最短距離である。D62は、5センチメートルから20センチメートルが望ましいが、これに限定されない。D63は、サーバーSVから後壁440までのマイナスX方向の最短距離である。D63は、15センチメートルから40センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0362】
構造物400Aの高さ(言い換えると、前壁410と左側壁420と右側壁430と後壁440との高さ)は、D64(図示せず)が確保される値である。D64は、サーバーSVから天井450までのY方向の最短距離である。D64は、5センチメートルから20センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0363】
構造物400Aの横幅(言い換えると、前壁410と後壁440と天井450との横幅)は、D65(図示せず)及びD66(図示せず)が確保される値である。D65は、サーバーSVから左側壁420までのマイナスZ方向の最短距離である。D65は、5センチメートルから20センチメートルが望ましいが、これに限定されない。D66は、サーバーSVから右側壁430までのZ方向の最短距離である。D66は、5センチメートルから20センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0364】
(5-4)変形例4D
構造物400Aと、構造物400Bと、構造物400Cと、構造物400Dとは、ビニールハウス10の内部の代わりに倉庫50の内部に設けられてもよい。図92は、変形例4Dにかかる、設備4の全体構成を示す概略構成図である。内側I10と内側I11と内側I12と内側I13とにおいては、植物Pの栽培の代わりに、商品Gの保管が行われる。作業空間は、倉庫作業に必要な空間である。
【0365】
構造物400Aの奥行き(言い換えると、天井450の奥行き)は、D67(図示せず)及びD68(図示せず)が確保される値である。D67は、商品Gから前壁410までのX方向の最短距離である。D67は、5センチメートルから10センチメートルが望ましいが、これに限定されない。D68は、商品Gから後壁440までのマイナスX方向の最短距離である。D68は、5センチメートルから10センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0366】
構造物400Aの高さ(言い換えると、前壁410と左側壁420と右側壁430と後壁440との高さ)は、D69(図示せず)が確保される値である。D69は、商品Gから天井450までのY方向の最短距離である。D69は、5センチメートルから10センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0367】
構造物400Aの横幅(言い換えると、前壁410と後壁440と天井450との横幅)は、D70(図示せず)及びD71(図示せず)が確保される値である。D70は、商品Gから左側壁420までのマイナスZ方向の最短距離である。D70は、5センチメートルから10センチメートルが望ましいが、これに限定されない。D71は、商品Gから右側壁430までのZ方向の最短距離である。D71は、5センチメートルから10センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0368】
(5-5)変形例4E
構造物400Aと、構造物400Bと、構造物400Cと、構造物400Dとは、ビニールハウス10の内部の代わりに畜舎60の内部に設けられてもよい。図93は、変形例4Eにかかる、設備4の全体構成を示す概略構成図である。内側I10と内側I11と内側I12と内側I13とにおいては、植物Pの栽培の代わりに、家畜Lの飼育が行われる。図93の家畜Lは鶏であるが、これに限定されない。作業空間は、畜産作業に必要な空間である。
【0369】
構造物400Aの奥行きは、家畜Lの奥行きと、20cmから50cmとを加算した値であるが、これに限定されない。構造物400Aの横幅は、構造物400Aに収容される全ての家畜Lの横幅の総和に、20cmから50cmを加算した値であるが、これに限定されない。構造物400Aの高さは、家畜Lの高さと、3cmから20cmとを加算した値であるが、これに限定されない。
【0370】
(5-6)変形例4F
構造物400Aと、構造物400Bと、構造物400Cと、構造物400Dとは、ビニールハウス10の内部の代わりに陸上養殖場70の内部に設けられてもよい。図94は、変形例4Fにかかる、設備4の全体構成を示す概略構成図である。内側I10と内側I11と内側I12と内側I13とにおいては、植物Pの栽培の代わりに、水棲生物Qの養殖が行われる。具体的には、内側I10と内側I11と内側I12と内側I13とにおいて水槽Aが設けられ、水槽Aに貯められた水Wで水棲生物Qの養殖が行われる。図94の水棲生物Qはエビであるが、これに限定されない。作業空間は、養殖作業に必要な空間である。
【0371】
構造物400Aの奥行きは、水槽Aの奥行きと、5cmから30cmとを加算した値であるが、これに限定されない。構造物400Aの横幅は、水槽Aの横幅と、5cmから30cmとを加算した値であるが、これに限定されない。構造物400Aの高さは、水槽Aの高さと、5cmから30cmとを加算した値であるが、これに限定されない。
【0372】
(5-7)変形例4G
第4実施形態、変形例4A、4B、4C、4D、4E、4F、の前壁410及び天井450は、制御装置(図示せず)の制御により、態様が変えられてもよい。言い換えると、前壁410及び天井450は、制御装置の制御により、回転軸AXを軸に回転されてもよい。
【0373】
<第5実施形態>
(1)全体構成
第5実施形態に係る設備5の全体構成について説明する。以下、第3実施形態と第5実施形態とが同様な点については説明を省略して、第3実施形態と第5実施形態とが相違な点を中心に説明する。図95は、第5実施形態に係る設備5の全体構成を示す概略構成図である。設備5は、ビニールハウス10と、空気調和機11とを主に備える。
【0374】
(1-1)ビニールハウス
ビニールハウス10の内部には、構造物500Aと、構造物500Bとが主に設けられる。構造物500A及び構造物500Bにより、ビニールハウス10の内部は、構造物500Aの内側I15と、構造物500Bの内側I16と、構造物500A及び構造物500Bの外側であってビニールハウス10の内部である空間I17に分けられる。構造物500A及び構造物500Bの詳細については後述する。
【0375】
なお、設備5は、ビニールハウス10の代わりに、温室(ガラス温室、プラスチックフィルム温室など)を備えてもよい。
【0376】
(1-2)空気調和機
空気調和機11は、ホース(図示せず)により内側I15と通じ、他のホース(図示せず)により内側I16と通じる。空気調和機11により空気調和された空気は、ホースなどを介して内側I15及び内側I16へ供給される。
【0377】
(2)詳細構成
構造物500A及び構造物500Bの詳細構成について説明する。構造物500Aは、構造物500Aの動作により、構造物500Aの態様を変えられる可変型構造物である。構造物500Bは、構造物500Bの動作により、構造物500Bの態様を変えられる可変型構造物である。構造物500Aの構造と、構造物500Bの構造とは、Y方向及びZ方向に伸びる面に対する略面対称である。構造物500Aの機能と、構造物500Bの機能とは同様である。以下、構造物500Aの構造と機能を説明する。
【0378】
図96は、構造物500Aの詳細構成を示す斜視図である。図97は、構造物500Aの詳細構成を示す正面図である。図98は、構造物500Aの詳細構成を示す背面図である。図99は、構造物500Aの詳細構成を示す左側面図である。図100は、構造物500Aの詳細構成を示す右側面図である。図101は、構造物500Aの詳細構成を示す平面図である。図96図97図98図99図100図101において、植物Pは成長をし終えた状態である。
【0379】
構造物500Aは、前壁510と、第3ガイドレール511と、第4ガイドレール512と、天井550とを主に有する。
【0380】
第3ガイドレール511は、床Fに対して略平行に設けられる。第3ガイドレール511の左端及び右端は、ビニールハウス10の縦壁Vに固定される。第3ガイドレール511は、X方向に並び、Z方向に伸びる2列のレールを含む。2列のレールのうち、前のレールを「第3前レール」と称する。2列のレールのうち、後のレールを「第3後レール」と称する。
【0381】
第4ガイドレール512は、第3ガイドレール511に対向し、床Fに対して略平行に設けられる。第4ガイドレール512の左端及び右端は、ビニールハウス10の縦壁Vに固定される。第4ガイドレール512は、X方向に並び、Z方向に伸びる2列のレールを含む。2列のレールのうち、前のレールを「第4前レール」と称する。2列のレールのうち、後のレールを「第4後レール」と称する。第3前レールと、第4前レールとは対向する。第3後レールと、第4後レールとは対向する。
【0382】
前壁510は、主に2つのスラットSLにより構成される。2つのスラットSLは、床Fに対して略垂直である。2つのスラットSLは、第3ガイドレール511及び第4ガイドレール512にガイドされて、Z方向又はマイナスZ方向(第3ガイドレール511及び第4ガイドレール512が伸びる方向)にスライドされ得る。2つのスラットSLが第3ガイドレール511及び第4ガイドレール512にガイドされてスライドされることにより、前壁510の態様が変えられる。
【0383】
前壁510を構成する2つのスラットSLのうち、左のスラットSLを「左のスラットSL」と称し、右のスラットSLを「右のスラットSL」と称する。左のスラットSLは、第3前レールと、第4前レールとをスライドされることにより、左右方向に移動できる。右のスラットSLは、第3後レールと、第4後レールとをスライドされることにより、左右方向に移動できる。2つのスラットSLは、互いに連結されておらず、互いに独立してスライドされ得る。2つのスラットSLは、左右方向に移動しても互いに重複しない(衝突しない)ように設けられる。
【0384】
前壁510は、第1構成要素の一例であり、床Fに対して略垂直に立てられる。前壁510は、通路102に面する。前壁510の左端部及び右端部は、縦壁Vと接し得る。言い換えると、左のスラットSLの左端部は縦壁Vと接し得る。右のスラットSLの右端部は縦壁Vと接し得る。
【0385】
天井550は、床Fに対向し、床Fに対して略平行であり、略水平である。天井350は、前壁310に接する。天井550の左端部と、右端部と、後端部とは、縦壁Vに固定される。天井550には、ホースと連通される開口551が設けられる。また、天井550には、構造物500Aの外側と連通される開口552が設けられる。
【0386】
開口551は、供給部の一例である。空気調和機11により空気調和された空気は、開口551を介して内側I15に供給される。開口551は、構造物500Aの略Z方向の中央よりも左方に設けられる。また、開口551は、構造物500Aの略X方向の中央よりも後方に設けられる。
【0387】
なお、開口551は、天井550の代わりに、前壁510に設けられてもよい。なお、開口551は、天井550に加えて、前壁510にも設けられてもよい。なお、開口551は、構造物500Aの略Z方向の中央よりも右方に設けられてもよい。なお、開口551は、構造物500Aの略X方向の中央よりも前方に設けられてもよい。
【0388】
開口552は、排出部の一例である。開口552は、構造物500Aの略Z方向の中央よりも右方に設けられる。また、開口552は、構造物500Aの略X方向の中央よりも前方に設けられる。
【0389】
内側I15の空気は、開口552により内側I15から構造物500Aの外側へ排出される。例えば、開口552は、空気調和機11の吸入口に連通されるホース(図示せず)と、連通される。内側I15の空気は、開口552とホースとを介して空気調和機11の吸入口に流れる。
【0390】
なお、開口552は、天井550の代わりに、前壁510に設けられてもよい。なお、開口552は、天井550に加えて、前壁510にも設けられてもよい。なお、開口552は、構造物500Aの略Z方向の中央よりも左方に設けられてもよい。なお、開口552は、構造物500Aの略X方向の中央よりも後方に設けられてもよい。
【0391】
植物Pが栽培される、床Fの領域を、前壁510と、天井550と、ビニールハウス10の縦壁Vが囲うことにより、内側I15が形成される。具体的には、植物Pが栽培される、床Fの領域の前側を前壁510が囲う。植物Pが栽培される、床Fの領域の左側と、右側と、後側とを縦壁Vが囲う。植物Pが栽培される、床Fの領域の上側を天井550が囲う。
【0392】
内側I15は、前壁510と、天井550と、縦壁Vにより構造物500Aの外側及び通路102から遮断される。内側I15と、構造物500Aの外側及び通路102との間は、前壁510と、天井550と、縦壁Vとで覆われる。人、装置、空気は、構造物500Aの外側及び通路102から内側I15に通過しにくくなる。そのため、開口551により内側I15に供給された空気は、内側I15から構造物500Aの外側へ流れにくい。空間I17の空気も内側I15に流れにくい。人又は装置は、内側I15に接近しにくい。人又は装置は、作業空間を確保できない。
【0393】
内側I15には植物Pが栽培される。内側I15における一部の床Fには植物Pを植えられる土(図示せず)又は植物Pを浸すことができる養液(図示せず)が溜められる。内側I15において、植物Pは土に植えられるか養液に浸される。なお、内側I15において植物Pが栽培されるとは、常に内側I15において植物Pが存在することを意味しない。植物Pが収穫された後、内側I15には植物Pが存在しない場合もあり得る。また、内側I15において植物Pが存在するが、植物Pが植えられた直後であるため、内側I15において植物Pを肉眼で確認できない場合もあり得る。
【0394】
天井550と、スラットSLの構成の例としては、骨組みと骨組みを覆うビニールとの構成、骨組みと骨組みを覆うガラスとの構成、骨組みと骨組みを覆うプラスチックフィルムとの構成、骨組みと骨組みを覆う面とが一体化された構成などが挙げられるが、これに限定されない。
【0395】
前壁510(2つのスラットSL)と、天井550と、は空間I17の照明の光が内側I15に透過されるように、透明又は半透明のビニール、ガラス、プラスチックフィルムを含む。前壁510(2つのスラットSL)と、天井550と、が透明又は半透明であるため、構造物500Aの外側から内側I15の植物Pが透けて見える状態である。
【0396】
構造物500Aの奥行き(言い換えると、天井550の奥行き)は、D72が確保される値である。D72は、植物Pが成長し終えた状態において、植物Pから前壁510までのX方向の最短距離である。D72は、1センチメートルから10センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0397】
構造物500Aの高さ(言い換えると、前壁510の高さ)は、D73が確保される値である。D73は、植物Pが成長し終えた状態において、植物Pから天井550までのY方向の最短距離である。D73は、1センチメートルから10センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0398】
構造物500Aの横幅(言い換えると、前壁510と天井550との横幅)は、ビニールハウス10の内部の横幅と同様である。
【0399】
天井550は、態様を変えられない構成要素である。前壁510は、態様を変えられる構成要素である。そのため、構造物500Aは、可変型構造物である。なお、天井550が態様を変えられる構成要素であってもよい。
【0400】
なお、構造物500Aは、天井550を備えなくてもよい。この場合、前壁510の上端部は、ビニールハウス10の天井に接して固定される。植物Pが栽培される、床Fの領域を、前壁510と、ビニールハウス10の縦壁Vと、ビニールハウス10の天井が囲うことにより、内側I15が形成される。具体的には、植物Pが栽培される、床Fの領域の前側を前壁510が囲う。植物Pが栽培される、床Fの領域の左側と、右側と、後側とを縦壁Vが囲う。植物Pが栽培される、床Fの領域の上側をビニールハウス10の天井が囲う。
【0401】
なお、構造物500Aは、左側壁と、右側壁と、後壁との何れかを備えてもよい。植物Pが栽培される、床Fの領域を、前壁510と、ビニールハウス10の縦壁Vと、左側壁と右側壁と後壁との何れかと、が囲うことにより、内側I15が形成される。
【0402】
以下、構造物500Aの様々な態様について説明する。図102は、構造物500Aの詳細構成を示す斜視図である。図103は、構造物500Aの詳細構成を示す正面図である。図104は、構造物500Aの詳細構成を示す背面図である。図102図103図104の構造物500Aの態様は、図96図97図98図99図100図101の構造物500Aの態様から、左のスラットSLがZ方向にスライドされた態様である。この場合における、構造物500Aの詳細構成を示す左側面図と、右側面図と、平面図と、については図99図100図101と同様であるため省略する。
【0403】
左のスラットSLは、Z方向にスライドされたため、右のスラットSLと概ねX方向に並ぶ。構造物500Aの左の前側を介して、内側I15と構造物500Aの外側及び通路102とが連通されている。前壁510の態様が変えられたことにより、構造物500Aの外側及び通路102と内側I15とが遮断された状態から、構造物500Aの外側及び通路102と内側I15とが連通される状態に変えられている。作業空間が確保されたため、農作業を行う人又は装置は、構造物500Aの前側を介して、植物Pに対する農作業を行うことができる。
【0404】
図105は、構造物500Aの詳細構成を示す斜視図である。図106は、構造物500Aの詳細構成を示す正面図である。図107は、構造物500Aの詳細構成を示す背面図である。図105図106図107の構造物500Aの態様は、図96図97図98図99図100図101の構造物500Aの態様から、右のスラットSLがマイナスZ方向にスライドされた態様である。この場合における、構造物500Aの詳細構成を示す左側面図と、右側面図と、平面図と、については図99図100図101と同様であるため省略する。
【0405】
右のスラットSLは、マイナスZ方向にスライドされたため、左のスラットSLと概ねX方向に並ぶ。構造物500Aの右の前側を介して、内側I15と構造物500Aの外側及び通路102とが連通されている。前壁510の態様が変えられたことにより、構造物500Aの外側及び通路102と内側I15とが遮断された状態から、構造物500Aの外側及び通路102と内側I15とが連通される状態に変えられている。作業空間が確保されたため、農作業を行う人又は装置は、構造物500Aの前側を介して、植物Pに対する農作業を行うことができる。
【0406】
なお、図96図97図98図99図100図101の構造物500Aの態様は、図102図103図104の構造物500Aの態様から、左のスラットSLがマイナスZ方向にスライドされた態様でもある。前壁510の態様が変えられたことにより、構造物500Aの外側及び通路102と内側I15とが連通された状態から、構造物500Aの外側及び通路102と内側I15とが遮断される状態に変えられる。
【0407】
なお、図96図97図98図99図100図101の構造物500Aの態様は、図105図106図107の構造物500Aの態様から、右のスラットSLがZ方向にスライドされた態様でもある。前壁510の態様が変えられたことにより、構造物500Aの外側及び通路102と内側I15とが連通された状態から、構造物500Aの外側及び通路102と内側I15とが遮断される状態に変えられる。
【0408】
(3)動作
人又は装置が収穫作業を行う場合における、設備5の動作について説明する。構造物500Aの動作と、構造物500Bの動作とは同様であるため、構造物500Aの動作を中心に説明する。図108は、設備5の動作を示すフローチャートである。空気調和機11により暖められた空気がホースと開口551を介して内側I15に供給されている。構造物500Aの態様は、図96図97図98図99図100図101に示す構造物500Aの態様である。
【0409】
2つのスラットSLが構造物500Aの前側を覆っているため、構造物500Aの外側及び通路102と内側I15とは遮断されている。内側I15に供給されている暖められた空気は、構造物500Aの外側に流れにくい。内側I15の温度は、空間I17の温度より高く維持されている。そのため、内側I15は、植物Pの栽培に適した環境になっている。植物Pは、収穫に適した状態になっている。
【0410】
人又は装置は、ビニールハウス10の外部から、出入口101を介して、ビニールハウス10の内部に移動する。人又は装置は、構造物500Aの前側の通路102に移動する。人又は装置は、2つのスラットSLのうち、左のスラットSLに対して、Z方向の力を加える。左のスラットSLと右のスラットSLとは独立されているため、左のスラットSLのみがZ方向の力を受ける。左のスラットSLは、第3ガイドレール511及び第4ガイドレール512にガイドされてZ方向にスライドされる(ステップS41)。
【0411】
左のスラットSLがZ方向にスライドされたため、左のスラットSLは、右のスラットSLとX方向に概ね並ぶ。構造物500Aの態様は、図102図103図104の構造物500Aの態様に変えられる(ステップS42)。図97の前壁510の態様は、図103の前壁510の態様に変えられる。構造物500Aの左の前側により、構造物500Aの外側及び通路102と内側I15とは連通される。作業空間が確保されたため、人又は装置は、左側の植物Pに対して収穫作業を行うことができる。人又は装置は、左側の植物Pに対して収穫作業を開始する。
【0412】
左側の植物Pに対する収穫作業が終了されると、人又は装置は、左のスラットSLに対して、マイナスZ方向の力を加える。左のスラットSLと右のスラットSLとは独立されているため、左のスラットSLのみがマイナスZ方向の力を受ける。左のスラットSLは、第3ガイドレール511及び第4ガイドレール512にガイドされてマイナスZ方向にスライドされる(ステップS43)。
【0413】
左のスラットSLがマイナスZ方向にスライドされたため、構造物500Aの態様は、図96図97図98図99図100図101の構造物500Aの態様に変えられる(ステップS44)。図103の前壁510の態様は、図97の前壁510の態様に変えられる。構造物500Aの左の前側が左のスラットSLにより覆われるため、構造物500Aの外側及び通路102と内側I15とは遮断される。
【0414】
人又は装置は、2つのスラットSLのうち、右のスラットSLに対して、マイナスZ方向の力を加える。右のスラットSLと左のスラットSLとは独立されているため、右のスラットSLのみがマイナスZ方向の力を受ける。右のスラットSLは、第3ガイドレール511及び第4ガイドレール512にガイドされてマイナスZ方向にスライドされる(ステップS45)。
【0415】
右のスラットSLがマイナスZ方向にスライドされたため、右のスラットSLは、左のスラットSLとX方向に概ね並ぶ。構造物500Aの態様は、図105図106図107の構造物500Aの態様に変えられる(ステップS46)。図97の前壁510の態様は、図106の前壁510の態様に変えられる。構造物500Aの右の前側により、構造物500Aの外側及び通路102と内側I15とは連通される。作業空間が確保されたため、人又は装置は、右側の植物Pに対して収穫作業を行うことができる。人又は装置は、右側の植物Pに対して収穫作業を開始する。
【0416】
右側の植物Pに対する収穫作業が終了されると、人又は装置は、右のスラットSLに対して、Z方向の力を加える。右のスラットSLと左のスラットSLとは独立されているため、右のスラットSLのみがZ方向の力を受ける。右のスラットSLは、第3ガイドレール511及び第4ガイドレール512にガイドされてZ方向にスライドされる(ステップS47)。
【0417】
右のスラットSLがZ方向にスライドされたため、構造物500Aの態様は、図96図97図98図99図100図101の構造物500Aの態様に変えられる(ステップS48)。図106の前壁510の態様は、図97の前壁510の態様に変えられる。構造物500Aの右の前側が右のスラットSLにより覆われるため、構造物500Aの外側及び通路102と内側I15とは遮断される。
【0418】
(4)特徴
可変型構造物は、内側I15及び内側I16が、少なくとも、第1構成要素と、他の構造物の縦壁Vと、他の構造物の天井と、の少なくとも何れかとが、植物Pが栽培される、内部の床Fの領域、を囲うことにより形成される。
【0419】
他の構造物の縦壁Vなどが床Fの領域を囲うため、可変型構造物はより少ない構成要素により、床Fの領域を囲うことができる。そのため、可変型構造物は、より少ない構成要素により、植物Pの栽培にかかる省エネルギーを実現でき、植物Pの栽培にかかるコストを削減できる。
【0420】
(5)変形例
第5実施形態の変形例について、第5実施形態と同様な点については説明を省略して、第5実施形態との相違点を中心に説明する。
【0421】
(5-1)変形例5A
(5-1-1)構成
構造物500A及び構造物500Bは、ビニールハウス10の内部の代わりにキノコ栽培施設20の内部に設けられてもよい。図109は、変形例5Aにかかる、設備5の全体構成を示す概略構成図である。内側I15及び内側I16においては、植物Pの栽培の代わりに、キノコMの栽培が行われる。具体的には、内側I15及び内側I16においてラックRが設けられ、ラックRにおけるキノコMの栽培が行われる。ラックRについては、変形例3Aと同様であるため説明を省略する。作業空間は、キノコ作業に必要な空間である。
【0422】
構造物500Aの奥行き(言い換えると、天井550の奥行き)は、D74(図示せず)が確保される値である。D74は、台180から前壁510までのX方向の最短距離である。D74は、1センチメートルから5センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0423】
構造物500Aの高さ(言い換えると、前壁510の高さ)は、D75(図示せず)が確保される値である。D75は、キノコMが成長し終えた状態において、最上の台180のキノコMから天井550までのY方向の最短距離である。D75は、1センチメートルから10センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0424】
構造物300Aの横幅(言い換えると、前壁510と天井550との横幅)は、ビニールハウス10の内部の横幅と同様である。
【0425】
(5-1-2)特徴
可変型構造物は、内側I15及び内側I16が、少なくとも、第1構成要素と、他の構造物の縦壁Vと、他の構造物の天井と、の少なくとも何れかとが、キノコMが栽培される、内部の床Fの領域、を囲うことにより形成される。
【0426】
他の構造物の縦壁Vなどが床Fの領域を囲うため、可変型構造物はより少ない構成要素により、床Fの領域を囲うことができる。そのため、可変型構造物は、より少ない構成要素により、キノコMの栽培にかかる省エネルギーを実現でき、キノコMの栽培にかかるコストを削減できる。
【0427】
(5-2)変形例5B
構造物500A及び構造物500Bは、ビニールハウス10の内部の代わりに植物工場30の内部に設けられてもよい。図110は、変形例5Bにかかる、設備5の全体構成を示す概略構成図である。内側I15及び内側I16においては、植物Pの栽培が行われる。具体的には、内側I15及び内側I16においてラックRが設けられ、ラックRにおける植物Pの栽培が行われる。ラックRについては、変形例3Bと同様であるため説明を省略する。
【0428】
変形例5Bの構造物500Aの奥行き、横幅は、変形例5Aの構造物500Aの奥行き、横幅と同様であるため説明を省略する。構造物500Aの高さ(言い換えると、前壁510の高さ)は、D76(図示せず)が確保される値である。D76は、植物Pが成長し終えた状態において、植物Pから天井550までのY方向の最短距離である。D76は、1センチメートルから10センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0429】
(5-3)変形例5C
(5-3-1)構成
構造物500A及び構造物500Bは、ビニールハウス10の内部の代わりにサーバールーム40の内部に設けられてもよい。図111は、変形例5Cにかかる、設備5の全体構成を示す概略構成図である。内側I15及び内側I16においては、植物Pの栽培の代わりに、サーバーSVの設置が行われる。作業空間は、サーバー作業に必要な空間である。
【0430】
構造物500Aの奥行き(言い換えると、天井550の奥行き)は、D77(図示せず)が確保される値である。D77は、サーバーSVから前壁510までのX方向の最短距離である。D77は、5センチメートルから20センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0431】
構造物500Aの高さ(言い換えると、前壁510の高さ)は、D78(図示せず)が確保される値である。D78は、サーバーSVから天井550までのY方向の最短距離である。D78は、5センチメートルから20センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0432】
構造物500Aの横幅(言い換えると、前壁510と天井550との横幅)は、ビニールハウス10の内部の横幅と同様である。
【0433】
(5-3-2)特徴
可変型構造物は、内側I15及び内側I16が、少なくとも、第1構成要素と、他の構造物の縦壁Vと、他の構造物の天井と、の少なくとも何れかとが、サーバーSVが設置される、内部の床Fの領域、を囲うことにより形成される。
【0434】
他の構造物の縦壁Vなどが床Fの領域を囲うため、可変型構造物はより少ない構成要素により、床Fの領域を囲うことができる。そのため、可変型構造物は、より少ない構成要素により、サーバーSVの運用にかかる省エネルギーを実現でき、サーバーSVの運用にかかるコストを削減できる。
【0435】
(5-4)変形例5D
(5-4-1)構成
構造物500A及び構造物500Bは、ビニールハウス10の内部の代わりに倉庫50の内部に設けられてもよい。図112は、変形例5Dにかかる、設備5の全体構成を示す概略構成図である。内側I15及び内側I16においては、植物Pの栽培の代わりに、商品Gの保管が行われる。具体的には、内側I15及び内側I16においてラックRが設けられ、ラックRにおける商品Gの保管が行われる。ラックRについては、変形例3Dと同様であるため説明を省略する。作業空間は、倉庫作業に必要な空間である。
【0436】
構造物500Aの奥行き、横幅は、変形例5Aと同様であるため、説明を省略する。構造物500Aの高さ(言い換えると、前壁510の高さ)は、D79(図示せず)が確保される値である。D79は、ラックRの最上の台180に保管される商品Gから、天井550までのY方向の最短距離である。D79は、5センチメートルから10センチメートルが望ましいが、これに限定されない。
【0437】
(5-4-2)特徴
可変型構造物は、内側I15及び内側I16が、少なくとも、第1構成要素と、他の構造物の縦壁Vと、他の構造物の天井と、の少なくとも何れかとが、商品Gが保管される、内部の床Fの領域、を囲うことにより形成される。
【0438】
他の構造物の縦壁Vなどが床Fの領域を囲うため、可変型構造物はより少ない構成要素により、床Fの領域を囲うことができる。そのため、可変型構造物は、より少ない構成要素により、商品Gの保管にかかる省エネルギーを実現でき、商品Gの保管にかかるコストを削減できる。
【0439】
(5-5)変形例5E
(5-5-1)構成
構造物500A及び構造物500Bは、ビニールハウス10の内部の代わりに畜舎60の内部に設けられてもよい。図113は、変形例5Eにかかる、設備5の全体構成を示す概略構成図である。内側I15及び内側I16においては、植物Pの栽培の代わりに、家畜Lの飼育が行われる。作業空間は、畜産作業に必要な空間である。
【0440】
構造物500Aの奥行きは、家畜Lの奥行きと、30cmから1mとを加算した値であるが、これに限定されない。構造物500Aの横幅は、構造物500Aに収容される全ての家畜Lの横幅の総和に、50cmから2mを加算した値であるが、これに限定されない。構造物500Aの高さは、畜産作業を行う人の高さと、10cmから30cmとを加算した値であるが、これに限定されない。
【0441】
(5-5-2)特徴
可変型構造物は、内側I15及び内側I16が、少なくとも、第1構成要素と、他の構造物の縦壁Vと、他の構造物の天井と、の少なくとも何れかとが、家畜Lが飼育される、内部の床Fの領域、を囲うことにより形成される。
【0442】
他の構造物の縦壁Vなどが床Fの領域を囲うため、可変型構造物はより少ない構成要素により、床Fの領域を囲うことができる。そのため、可変型構造物は、より少ない構成要素により、家畜Lの飼育にかかる省エネルギーを実現でき、家畜Lの飼育にかかるコストを削減できる。
【0443】
(5-6)変形例5F
(5-6-1)構成
構造物500A及び構造物500Bは、ビニールハウス10の内部の代わりに陸上養殖場70の内部に設けられてもよい。図114は、変形例5Fにかかる、設備5の全体構成を示す概略構成図である。内側I15及び内側I16においては、植物Pの栽培の代わりに、水棲生物Qの養殖が行われる。具体的には、内側I15及び内側I16において水槽Aが設けられ、水槽Aに貯められた水Wで水棲生物Qの養殖が行われる。作業空間は、養殖作業に必要な空間である。
【0444】
構造物500Aの奥行きは、水槽Aの奥行きと、5cmから30cmとを加算した値であるが、これに限定されない。構造物500Aの横幅は、水槽Aの横幅と、5cmから30cmとを加算した値であるが、これに限定されない。構造物500Aの高さは、養殖作業を行う人の高さと、10cmから30cmとを加算した値であるが、これに限定されない。
【0445】
(5-6-2)特徴
可変型構造物は、内側I15及び内側I16が、少なくとも、第1構成要素と、他の構造物の縦壁Vと、他の構造物の天井と、の少なくとも何れかとが、水棲生物Qが養殖される、内部の床Fの領域、を囲うことにより形成される。
【0446】
他の構造物の縦壁Vなどが床Fの領域を囲うため、可変型構造物はより少ない構成要素により、床Fの領域を囲うことができる。そのため、可変型構造物は、より少ない構成要素により、水棲生物Qの養殖にかかる省エネルギーを実現でき、水棲生物Qの養殖にかかるコストを削減できる。
【0447】
(5-7)変形例5G
第5実施形態、変形例5A、5B、5C、5D、5E、5F、の前壁510は、制御装置(図示せず)の制御により、態様が変えられてもよい。言い換えると、スラットSLは、制御装置の制御により、第3ガイドレール511及び第4ガイドレール512をスライドされてもよい。
【0448】
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0449】
11 空気調和機
102 通路
110 前壁
112 第1ガイドレール
113 第2ガイドレール
114 ケース
120 左側壁
130 右側壁
140 後壁
150 天井
210 前壁
211 第3ガイドレール
212 第4ガイドレール
220 左側壁
221 第1開口
222 第2開口
230 右側壁
240 後壁
250 天井
310 前壁
311 第3ガイドレール
312 第4ガイドレール
320 左側壁
330 右側壁
340 後壁
350 天井
410 前壁
420 左側壁
430 右側壁
440 後壁
450 天井
510 前壁
511 第3ガイドレール
512 第4ガイドレール
550 天井
AX 回転軸
F 床
G 商品
M キノコ
L 家畜
I1 内側
I2 内側
I4 内側
I5 内側
I7 内側
I8 内側
I10 内側
I11 内側
I12 内側
I13 内側
I15 内側
I16 内側
P 植物
SV サーバー
Q 水棲生物
V 縦壁

【要約】
【課題】 可変型構造物における省エネルギーを実現する。
【解決手段】 可変型構造物は、他の構造物の内部に設けられる可変型構造物であり、内側において、植物又はキノコが栽培されるか、家畜が飼育されるか、水棲生物が養殖されるか、商品が保管されるか、サーバーが設置される、可変型構造物であって、態様を変えられる第1構成要素、を備える。第1構成要素の態様が変えられることにより、可変型構造物の外側と内側とが遮断された状態から、外側と内側とが連通される状態に変えられる。
【選択図】図1

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
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図22
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図24
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図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
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図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
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図49
図50
図51
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図53
図54
図55
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図60
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図102
図103
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図108
図109
図110
図111
図112
図113
図114