(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-08
(45)【発行日】2025-04-16
(54)【発明の名称】ラックシステム、制御装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
A01G 9/00 20180101AFI20250409BHJP
A01G 9/02 20180101ALI20250409BHJP
A01G 18/62 20180101ALI20250409BHJP
B65G 1/10 20060101ALI20250409BHJP
【FI】
A01G9/00 C
A01G9/02 B
A01G18/62
B65G1/10 G
(21)【出願番号】P 2024190189
(22)【出願日】2024-10-30
【審査請求日】2024-12-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】724009459
【氏名又は名称】Agriit株式会社
(72)【発明者】
【氏名】金 亨泰
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3210278(JP,U)
【文献】実開平04-019150(JP,U)
【文献】特開2003-052252(JP,A)
【文献】特開2002-154611(JP,A)
【文献】国際公開第2015/162466(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 9/00
A01G 9/02
A01G 18/62
B65G 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物(P)又はキノコ(M)が栽培されるか、商品(G)が保管される、3つ以上のラック(100A、100B、100C、100D、100E、200A、200B、200C、200D、300A、300B、300C、300D)、を備
え、
前記ラックは、他の構造物の内部(I1、I2、I3、I4)に存在し、且つ、前記他の構造物の第1縦壁に対して略平行であり、
前記3つ以上のラック、のうち少なくとも何れかのラックは、前記第1縦壁に対して略垂直方向に移動できるラックである可動ラックであり、
前記可動ラックが前記第1縦壁に対して略垂直方向に移動されても、前記3つ以上のラック、のうち少なくとも何れかのラックは、
前記植物と、前記キノコと、前記商品と、の何れかに対する人又は装置の作業である第1作業、が行われる場合に前記人又は前記装置に用いられる通路(A)であって、前記第1縦壁に対して略平行である通路、
が確保されていないラックである第1ラックであり、
前記可動ラックが前記第1縦壁に対して略垂直方向に移動されることにより、前記3つ以上のラックのうち、1つ以上の前記第1ラックが、前記通路が確保されているラックである第2ラックに変わる、
ラックシステム(10、20、30)において、前記可動ラックが前記第1縦壁に対して略垂直方向に移動されるように制御する移動制御部(192、292、392)、
を備え、
前記他の構造物の壁(11、12、13、14)と、前記他の構造物の天井(15)との少なくとも何れかには、空気調和された空気を供給する開口(O、O1、O2)が存在し、
前記移動制御部は、前記第1作業が終了された後に、前記3つ以上のラックが前記開口に対面しないように、前記可動ラックが前記第1縦壁に対して略垂直方向に移動されるようにさらに制御する、
制御装置。
【請求項2】
前記可動ラックが前記第1縦壁に対して略垂直方向に移動されることにより、前記3つ以上のラックのうち、1つ以上の前記第1ラックが前記第2ラックに変わる場合、前記3つ以上のラックのうち、1つ以上の前記第2ラックが前記第1ラックに変わる、
請求項1に記載の
制御装置。
【請求項3】
前記ラックシステムは、
前記他の構造物の床(F)に固定され、前記第1縦壁に対して略垂直方向に伸びる、第1ガイドレール(171A、171B)、
をさらに備え、
前記可動ラックは、前記第1ガイドレールにガイドされてスライドされることにより、前記第1縦壁に対して略垂直方向に移動される、
請求項1に記載の
制御装置。
【請求項4】
前記ラックシステムは、
前記他の構造物の天
井に固定され、前記第1縦壁に対して略垂直方向に伸びる、第2ガイドレール(172A、172B)、
をさらに備え、
前記可動ラックは、前記第1ガイドレール(171C、171D)及び前記第2ガイドレールにガイドされてスライドされることにより、前記第1縦壁に対して略垂直方向に移動される、
請求項3に記載の
制御装置。
【請求項5】
前記可動ラックには、前記他の構造物の床に接する第1車輪(181A、181B、181C、181D)が付いており、
前記可動ラックは、前記第1車輪が回転されることにより、前記第1縦壁に対して略垂直方向に移動される、
請求項1に記載の
制御装置。
【請求項6】
前記第1車輪の回転軸は、前記第1縦壁に対して略平行である、
請求項5に記載の
制御装置。
【請求項7】
前記可動ラックには、前記他の構造物の天井に接する第2車輪(182A、182B、182C、182D)がさらに付いており、
前記可動ラックは、前記第1車輪及び前記第2車輪が回転されることにより、前記第1縦壁に対して略垂直方向に移動される、
請求項5に記載の
制御装置。
【請求項8】
前記第1縦壁から、前記第1縦壁に対して略垂直方向に最短距離に存在するラックは、前記可動ラックではなく、
前記第1縦壁に対向する、前記他の構造物の第2縦壁から、前記第2縦壁に対して略垂直方向に最短距離に存在するラックは、前記可動ラックではない、
請求項1に記載の
制御装置。
【請求項9】
前記第1縦壁から、前記第1縦壁に対して略垂直方向に最短距離に存在するラックと、
前記第1縦壁に対向する、前記他の構造物の第2縦壁から、前記第2縦壁に対して略垂直方向に最短距離に存在するラックと、
は、
前記3つ以上のラックのうち、前記第1縦壁に対して略垂直方向に最短距離に存在するラック及び前記第2縦壁に対して略垂直方向に最短距離に存在するラック、以外のラック、
より、前記第1縦壁が伸びる略水平方向に長い、
請求項1に記載の
制御装置。
【請求項10】
前記可動ラックのうち、少なくとも1つのラックは、
前記第1縦壁側と、前記第1縦壁に対向する、前記他の構造物の第2縦壁側と、の両側から、前記通路を要するラックである第3ラック、
である、
請求項1に記載の
制御装置。
【請求項11】
前記第1縦壁から、前記第1縦壁に対して略垂直方向に最短距離に存在するラックは、前記第3ラックではなく、
前記第2縦壁から、前記第2縦壁に対して略垂直方向に最短距離に存在するラックは、前記第3ラックではない、
請求項10に記載の
制御装置。
【請求項12】
前記移動制御部は、前記第1作業の開始される時刻である開始時刻の前に、前記可動ラックが前記第1縦壁に対して略垂直方向に移動されて、前記3つ以上のラックのうち、前記第1作業の対象のラック、に対する前記通路を確保するようにさらに制御する、
請求項1から請求項11の何れか1項に記載の制御装置。
【請求項13】
前記3つ以上のラックにおいて栽培される前記植物と、
前記3つ以上のラックにおいて栽培される前記キノコと、
前記3つ以上のラックにおいて保管される前記商品と、
の少なくとも何れかに対する購入注文を受け付ける受付部(291)、
をさらに備え、
前記移動制御部は、前記受付部が前記購入注文を受け付けた場合、前記可動ラックが前記第1縦壁に対して略垂直方向に移動されて、前記3つ以上のラックのうち、前記購入注文にかかる前記通路を確保するようにさらに制御する、
請求項1から請求項11の何れか1項に記載の制御装置。
【請求項14】
前記通路における前記人又は前記装置の存在を検知するセンサー(Y1、Y2)から、前記通路における前記人又は前記装置の存在を示す検知情報を受信する受信部(390)、
をさらに備え、
前記移動制御部は、前記検知情報を受信した場合、前記可動ラックが前記第1縦壁に対して略垂直方向に移動されないようにさらに制御する、
請求項1から請求項11の何れか1項に記載の制御装置。
【請求項15】
前記他の構造物には、複数の前記開口が存在し、
前記移動制御部は、前記第1作業が終了された後に、前記3つ以上のラックが前記複数の開口に対面しないように、前記可動ラックが前記第1縦壁に対して略垂直方向に移動されるようにさらに制御する、
請求項1から請求項11の何れか1項に記載の制御装置。
【請求項16】
植物又はキノコが栽培されるか、商品が保管される、3つ以上のラック、を備え、
前記ラックは、他の構造物の内部に存在し、且つ、前記他の構造物の第1縦壁に対して略平行であり、
前記3つ以上のラック、のうち少なくとも何れかのラックは、前記第1縦壁に対して略垂直方向に移動できるラックである可動ラックであり、
前記可動ラックが前記第1縦壁に対して略垂直方向に移動されても、前記3つ以上のラック、のうち少なくとも何れかのラックは、
前記植物と、前記キノコと、前記商品と、の何れかに対する人又は装置の作業である第1作業、が行われる場合に前記人又は前記装置に用いられる通路であって、前記第1縦壁に対して略平行である通路、
が確保されていないラックである第1ラックであり、
前記可動ラックが前記第1縦壁に対して略垂直方向に移動されることにより、前記3つ以上のラックのうち、1つ以上の前記第1ラックが、前記通路が確保されているラックである第2ラックに変わる、
ラックシステムにおいて、前記可動ラックが前記第1縦壁に対して略垂直方向に移動されるように制御する移動制御ステップ、
を有し、
前記他の構造物の壁と、前記他の構造物の天井との少なくとも何れかには、空気調和された空気を供給する開口が存在し、
前記移動制御ステップにおいて、前記第1作業が終了された後に、前記3つ以上のラックが前記開口に対面しないように、前記可動ラックが前記第1縦壁に対して略垂直方向に移動されるようにさらに制御する、
制御方法。
【請求項17】
植物又はキノコが栽培されるか、商品が保管される、3つ以上のラック、を備えるラックシステムであって、
前記ラックは、他の構造物の内部に存在し、且つ、前記他の構造物の第1縦壁に対して略平行であり、
前記3つ以上のラック、のうち少なくとも何れかのラックは、前記第1縦壁に対して略垂直方向に移動できるラックである可動ラックであり、
前記可動ラックが前記第1縦壁に対して略垂直方向に移動されても、前記3つ以上のラック、のうち少なくとも何れかのラックは、
前記植物と、前記キノコと、前記商品と、の何れかに対する人又は装置の作業である第1作業、が行われる場合に前記人又は前記装置に用いられる通路であって、前記第1縦壁に対して略平行である通路、
が確保されていないラックである第1ラックであり、
前記可動ラックが前記第1縦壁に対して略垂直方向に移動されることにより、前記3つ以上のラックのうち、1つ以上の前記第1ラックが、前記通路が確保されているラックである第2ラックに変わり、
前記可動ラックが前記第1縦壁に対して略垂直方向に移動されるように制御する移動制御部、
を備え、
前記他の構造物の壁と、前記他の構造物の天井との少なくとも何れかには、空気調和された空気を供給する開口が存在し、
前記移動制御部は、前記第1作業が終了された後に、前記3つ以上のラックが前記開口に対面しないように、前記可動ラックが前記第1縦壁に対して略垂直方向に移動されるようにさらに制御する、
ラックシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ラックシステム、制御装置及び制御方法に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1には、植物栽培装置が開示されている。本開示の目的は、植物などの栽培又は商品の保管にかかる省スペースを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の観点のラックシステムは、植物又はキノコが栽培されるか、商品が保管される、3つ以上のラック、を備える。ラックは、他の構造物の内部に存在し、且つ、他の構造物の第1縦壁に対して略平行である。3つ以上のラック、のうち少なくとも何れかのラックは、第1縦壁に対して略垂直方向に移動できるラックである可動ラックである。可動ラックが第1縦壁に対して略垂直方向に移動されても、3つ以上のラック、のうち少なくとも何れかのラックは、植物と、キノコと、商品と、の何れかに対する人又は装置の作業である第1作業、が行われる場合に人又は装置に用いられる通路であって、第1縦壁に対して略平行である通路、が確保されていないラックである第1ラックである。可動ラックが第1縦壁に対して略垂直方向に移動されることにより、3つ以上のラックのうち、1つ以上の第1ラックが、通路が確保されているラックである第2ラックに変わる。
【0005】
第2の観点のラックシステムは、第1の観点のラックシステムであって、可動ラックが第1縦壁に対して略垂直方向に移動されることにより、3つ以上のラックのうち、1つ以上の第1ラックが第2ラックに変わる場合、3つ以上のラックのうち、1つ以上の第2ラックが第1ラックに変わる。
【0006】
第3の観点のラックシステムは、第1の観点又は第2の観点のラックシステムであって、他の構造物の床に固定され、第1縦壁に対して略垂直方向に伸びる、第1ガイドレール、をさらに備える。可動ラックは、第1ガイドレールにガイドされてスライドされることにより、第1縦壁に対して略垂直方向に移動される。
【0007】
第4の観点のラックシステムは、第3の観点のラックシステムであって、他の構造物の天井に固定され、第1縦壁に対して略垂直方向に伸びる、第2ガイドレール、をさらに備える。可動ラックは、第1ガイドレール及び第2ガイドレールにガイドされてスライドされることにより、第1縦壁に対して略垂直方向に移動される。
【0008】
第5の観点のラックシステムは、第1の観点又は第2の観点のラックシステムであって、可動ラックには、他の構造物の床に接する第1車輪が付いている。可動ラックは、第1車輪が回転されることにより、第1縦壁に対して略垂直方向に移動される。
【0009】
第6の観点のラックシステムは、第5の観点のラックシステムであって、第1車輪の回転軸が、第1縦壁に対して略平行である。
【0010】
第7の観点のラックシステムは、第5の観点又は第6の観点のラックシステムであって、可動ラックには、他の構造物の天井に接する第2車輪がさらに付いている。可動ラックは、第1車輪及び第2車輪が回転されることにより、第1縦壁に対して略垂直方向に移動される。
【0011】
第8の観点のラックシステムは、第1の観点から第7の観点の何れかの観点のラックシステムであって、第1縦壁から、第1縦壁に対して略垂直方向に最短距離に存在するラックが、可動ラックではない。第1縦壁に対向する、他の構造物の第2縦壁から、第2縦壁に対して略垂直方向に最短距離に存在するラックは、可動ラックではない。
【0012】
第9の観点のラックシステムは、第1の観点から第8の観点の何れかの観点のラックシステムであって、第1縦壁から、第1縦壁に対して略垂直方向に最短距離に存在するラックと、第1縦壁に対向する、他の構造物の第2縦壁から、第2縦壁に対して略垂直方向に最短距離に存在するラックと、が、3つ以上のラックのうち、第1縦壁に対して略垂直方向に最短距離に存在するラック及び第2縦壁に対して略垂直方向に最短距離に存在するラック、以外のラック、より、第1縦壁が伸びる略水平方向に長い。
【0013】
第10の観点のラックシステムは、第1の観点から第9の観点の何れかの観点のラックシステムであって、可動ラックのうち、少なくとも1つのラックが、第1縦壁側と、第1縦壁に対向する、他の構造物の第2縦壁側と、の両側から、通路を要するラックである第3ラック、である。
【0014】
第11の観点のラックシステムは、第10の観点のラックシステムであって、第1縦壁から、第1縦壁に対して略垂直方向に最短距離に存在するラックが、第3ラックではない。第2縦壁から、第2縦壁に対して略垂直方向に最短距離に存在するラックは、第3ラックではない。
【0015】
第12の観点の制御装置は、第1の観点から第11の観点の何れかの観点のラックシステムにおいて、可動ラックが第1縦壁に対して略垂直方向に移動されるように制御する移動制御部、を備える。
【0016】
第13の観点の制御装置は、第12の観点の制御装置であって、移動制御部が、第1作業の開始される時刻である開始時刻の前に、可動ラックが第1縦壁に対して略垂直方向に移動されて、3つ以上のラックのうち、第1作業の対象のラック、に対する通路を確保するようにさらに制御する。
【0017】
第14の観点の制御装置は、第12の観点又は第13の観点の制御装置であって、3つ以上のラックにおいて栽培される植物と、3つ以上のラックにおいて栽培されるキノコと、3つ以上のラックにおいて保管される商品と、の少なくとも何れかに対する購入注文を受け付ける受付部、をさらに備える。移動制御部は、受付部が購入注文を受け付けた場合、可動ラックが第1縦壁に対して略垂直方向に移動されて、3つ以上のラックのうち、購入注文にかかる通路を確保するようにさらに制御する。
【0018】
第15の観点の制御装置は、第12の観点から第14の観点の何れかの観点の制御装置であって、通路における人又は装置の存在を検知するセンサーから、通路における人又は装置の存在を示す検知情報を受信する受信部、をさらに備える。移動制御部は、検知情報を受信した場合、可動ラックが第1縦壁に対して略垂直方向に移動されないようにさらに制御する。
【0019】
第16の観点の制御装置は、第12の観点から第15の観点の何れかの観点の制御装置であって、他の構造物には、空気調和された空気を供給するための開口が存在する。移動制御部は、第1作業が終了された後に、3つ以上のラックが開口に対面しないように、可動ラックが第1縦壁に対して略垂直方向に移動されるようにさらに制御する。
【0020】
第17の観点の制御装置は、第16の観点の制御装置であって、他の構造物には、複数の開口が存在する。移動制御部は、第1作業が終了された後に、3つ以上のラックが複数の開口に対面しないように、可動ラックが第1縦壁に対して略垂直方向に移動されるようにさらに制御する。
【0021】
第18の観点の制御方法は、第1の観点から第11の観点の何れかの観点のラックシステムにおいて、可動ラックが第1縦壁に対して略垂直方向に移動されるように制御する移動制御ステップ、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図2】ラック100Aの詳細構成を示す斜視図である。
【
図3】ラック100Bの詳細構成を示す斜視図である。
【
図4】ラックシステム10の詳細構成を示す正面図である。
【
図5】ラックシステム10の詳細構成を示す背面図である。
【
図6】ラックシステム10の詳細構成を示す左側面図である。
【
図7】ラックシステム10の詳細構成を示す右側面図である。
【
図8】ラックシステム10の詳細構成を示す平面図である。
【
図10】ラックシステム10の全体構成を示す斜視図である。
【
図11】ラックシステム10の詳細構成を示す左側面図である。
【
図12】ラックシステム10の詳細構成を示す右側面図である。
【
図13】ラックシステム10の詳細構成を示す平面図である。
【
図14】設備1の一部構成を示す概略構成図である。
【
図15】ラックシステム10の全体構成を示す斜視図である。
【
図16】ラックシステム10の詳細構成を示す左側面図である。
【
図17】ラックシステム10の詳細構成を示す右側面図である。
【
図18】ラックシステム10の詳細構成を示す平面図である。
【
図19】設備1の一部構成を示す概略構成図である。
【
図21】設備1の動作を示すフローチャートである。
【
図26】ラック200Aの詳細構成を示す斜視図である。
【
図27】ラック200Bの詳細構成を示す斜視図である。
【
図28】ラックシステム20の詳細構成を示す正面図である。
【
図29】ラックシステム20の詳細構成を示す背面図である。
【
図30】ラックシステム20の詳細構成を示す左側面図である。
【
図31】ラックシステム20の詳細構成を示す右側面図である。
【
図32】ラックシステム20の詳細構成を示す平面図である。
【
図33】設備2の一部構成を示す概略構成図である。
【
図35】ラックシステム20の詳細構成を示す左側面図である。
【
図36】ラックシステム20の詳細構成を示す右側面図である。
【
図37】ラックシステム20の詳細構成を示す平面図である。
【
図38】設備2の一部構成を示す概略構成図である。
【
図40】ラックシステム20の詳細構成を示す左側面図である。
【
図41】ラックシステム20の詳細構成を示す右側面図である。
【
図42】ラックシステム20の詳細構成を示す平面図である。
【
図43】設備2の一部構成を示す概略構成図である。
【
図45】設備2の動作を示すフローチャートである。
【
図46】設備2の動作を示すフローチャートである。
【
図48】ラック300Aの詳細構成を示す斜視図である。
【
図49】ラック300Bの詳細構成を示す斜視図である。
【
図50】ラックシステム30の詳細構成を示す正面図である。
【
図51】ラックシステム30の詳細構成を示す背面図である。
【
図52】ラックシステム30の詳細構成を示す左側面図である。
【
図53】ラックシステム30の詳細構成を示す右側面図である。
【
図54】ラックシステム30の詳細構成を示す平面図である。
【
図55】設備3の一部構成を示す概略構成図である。
【
図57】ラックシステム30の詳細構成を示す左側面図である。
【
図58】ラックシステム30の詳細構成を示す右側面図である。
【
図59】ラックシステム30の詳細構成を示す平面図である。
【
図60】設備3の一部構成を示す概略構成図である。
【
図62】ラックシステム30の詳細構成を示す左側面図である。
【
図63】ラックシステム30の詳細構成を示す右側面図である。
【
図64】ラックシステム30の詳細構成を示す平面図である。
【
図65】設備3の一部構成を示す概略構成図である。
【
図67】設備3の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<現状>
近年、構造物の内部において、植物又はキノコが栽培されるか、商品が保管される、ラックが用いられている。植物又はキノコの栽培と、商品の保管には、植物又はキノコと、商品とに対する人又は装置の作業を要する。構造物の内部には、人又は装置の作業に用いられる通路が確保されている。そのため、構造物の内部において通路に広くのスペースを占められるとの問題が生じている。以下、上記問題の解決に貢献する設備の一例の実施形態について説明する。
【0024】
以下の実施形態において、前はX方向、後はマイナスX方向、左はマイナスZ方向、右はZ方向、下はマイナスY方向、上はY方向を意味する。奥行きは、X方向の長さである。横幅は、Z方向の長さである。高さは、床FからのY方向の距離である。
【0025】
以下の実施形態において、床は、略水平である。斜視図は、斜め上から見た図である。正面図は、前からの見た図である。背面図は、後から見た図である。左側面図は、左から見た図である。右側面図は、右から見た図である。平面図は、上から見た図である。不透明の構成要素を示す図面において、当該構成要素の内部の視認性のために、当該構成要素を透明に示す場合がある。
【0026】
以下の実施形態において、構造物は、建築物と、工作物とを含む。建築物は、土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するものである。工作物は、土地に定着する人工物である。以下の実施形態において、平面の構成要素は、平面の全域又は一部が曲面の構成要素であってもよい。
【0027】
<第1実施形態>
(1)全体構成
第1実施形態に係る設備1の全体構成について説明する。
図1は、設備1の全体構成を示す斜視図である。設備1は、植物工場1000と、制御装置19とを主に備える。
【0028】
(1-1)植物工場
植物工場1000は、植物Pが栽培される建築物又は植物Pが栽培される建築物の一室である。植物工場1000の内部I1には、ラックシステム10が主に設けられる。ラックシステム10の詳細については後述する。植物工場1000は、前壁11と、左側壁12と、右側壁13と、後壁14と、天井15と、一つ又は複数の照明(図示せず)とを主に有する。
【0029】
前壁11は、第1縦壁の一例であり、床Fに対して略垂直である。前壁11は、後壁14に対して略平行であり、左側壁12と、右側壁13と、天井15とに接する。
【0030】
左側壁12は、床Fに対して略垂直である。左側壁12は、前壁11と、後壁14と、天井15とに接する。左側壁12には、出入口121が設けられる。
【0031】
出入口121は、第1作業を行う予定の人又は装置が植物工場1000の外部から内部I1に移動するための入口である。また、出入口121は、第1作業を行った人又は装置が内部I1から植物工場1000の外部に移動するための出口である。出入口121は、開閉可能な構造(開閉口)であっても、開いている構造(開口)であってもよい。なお、左側壁12には、複数の出入口121が設けられてもよい。
【0032】
第1作業とは、植物Pに対する人又は装置による農作業である。農作業の例としては、植物Pの種又は苗を植える作業である播種作業と、植物Pの成長のために行われる作業(水やり、農薬散布、剪定、肥料散布、虫除けなど)である栽培作業と、植物Pの全部又は一部を収穫する作業である収穫作業と、土づくりや耕起を行う作業である土作業と、養液を溜めるか交換する作業である養液作業と、その他の農作業などが挙げられる。
【0033】
右側壁13は、床Fに対して略垂直である。右側壁13は、左側壁12に対向し、前壁11と、後壁14と、天井15とに接する。なお、右側壁13にも、出入口121と同様な出入口が設けられてもよい。
【0034】
後壁14は、第2縦壁の一例であり、床Fに対して略垂直である。後壁14は、前壁11に対して略平行であり、左側壁12と、右側壁13と、天井15とに接する。
【0035】
天井15は、床Fに対向し、床Fに対して略平行であり、略水平である。天井15は、前壁11と、左側壁12と、右側壁13と、後壁14とに接する。天井15には、開口Oが設けられる。
【0036】
開口Oは、空気調和機(図示せず)から空気調和された空気を内部I1に供給するための開口である。空気調和の例としては、冷房、暖房、換気、空気清浄、除湿、加湿などが挙げられる。
【0037】
なお、開口Oは、前壁11と、左側壁12と、右側壁13と、後壁14との少なくとも何れかにも設けられてもよい。なお、開口Oは設けられなくてもよい。なお、開口Oは、植物工場1000の構成要素に設けられる孔により形成される態様だけでなく、内部I1に存在する空気調和機に設けられる孔により形成されてもよい。言い換えると、開口Oは、内部I1に存在する空気調和機の吹出口であってもよい。
【0038】
天井15に対向する、床Fの領域を、前壁11と、左側壁12と、右側壁13と、後壁14と、天井15とが囲うことにより、内部I1が形成される。
【0039】
(1-2)制御装置
制御装置19は、ラックシステム10を主に制御する。制御装置19は、有線又は無線により、ラックシステム10に接続する。制御装置19の詳細については後述する。なお、制御装置19は、内部I1に設けられてもよい。なお、制御装置19は、サーバーやクラウド上に設けられてもよい。なお、制御装置19は、複数の植物工場1000に設けられたラックシステム10と接続してもよい。
【0040】
(2)詳細構成
(2-1)ラックシステム
ラックシステム10の詳細構成について説明する。ラックシステム10は、ラック100Aと、ラック100Bと、ラック100Cと、ラック100Dと、ラック100Eと、第1ガイドレール171Aと、第1ガイドレール171Bとを主に備える。なお、ラックシステム10が備えるラックの数は、3つ以上であればよく、5つに限定されない。
【0041】
ラック100Aの構造と、ラック100Eの構造とは、Y方向及びZ方向に伸びる面に対する略面対称である。ラック100Bの構造と、ラック100Cの構造と、ラック100Dの構造とは、同様である。ラック100Aの機能と、ラック100Eの機能とは、同様である。ラック100Bの機能と、ラック100Cの機能と、ラック100Dの機能とは、同様である。以下、ラック100Aの構造及び機能と、ラック100Bの構造及び機能について説明する。
【0042】
(2-1-1)ラック100A
図2は、ラック100Aの詳細構成を示す斜視図である。ラック100Aは、床Fに対して略垂直に並ぶ複数の台Sを有する。例えば、ラック100Aは、床Fに対して略垂直に並ぶ5つの台Sを有する。各台Sの上において植物Pが栽培される。植物Pは、ラック100A上の土(図示せず)に植えられるか、ラック100A上の養液(図示せず)に浸される。ラック100Aには植物Pの光源となる照明装置(図示せず)が設けられてもよい。
【0043】
ラック100Aは、可動ラックではない。可動ラックは、前壁11に対して略垂直方向(略X方向及び略マイナスX方向)に移動されるラックである。
【0044】
(2-1-2)ラック100B
図3は、ラック100Bの詳細構成を示す斜視図である。ラック100Bは、床Fに対して略垂直に並ぶ複数の台Sを有する。例えば、ラック100Bは、床Fに対して略垂直に並ぶ5つの台Sを有する。各台Sの上において植物Pが栽培される。植物Pは、ラック100B上の土(図示せず)に植えられるか、ラック100B上の養液(図示せず)に浸される。ラック100Bには植物Pの光源となる照明装置(図示せず)が設けられてもよい。
【0045】
ラック100Bは、第1ガイドレール171A及び第1ガイドレール171Bにガイドされてスライドされることにより、前壁11に対して略垂直方向に移動される。ラック100Bは、可動ラックである。
【0046】
(2-1-3)ラックシステムの様々な態様
ラックシステム10の様々な態様について説明する。
図4は、ラックシステム10の詳細構成を示す正面図である。
図5は、ラックシステム10の詳細構成を示す背面図である。
図6は、ラックシステム10の詳細構成を示す左側面図である。
図7は、ラックシステム10の詳細構成を示す右側面図である。
図8は、ラックシステム10の詳細構成を示す平面図である。
図9は、設備1のうち、5つのラック(ラック100A、ラック100B、ラック100C、ラック100D、ラック100E)を除く構成を示す概略構成図である。
【0047】
ラック100Aは、前壁11及び後壁14に対して略平行である。ラック100Aは、後壁14に対して略垂直方向に最短距離に存在するラックである。ラック100Aは、ラック100Bと、ラック100Cと、ラック100Dとにより、前壁11が伸びる略水平方向(略Z方向)に長い。
【0048】
ラック100Aは、左側壁12からラック100Aまでの最短距離が0cm以上5cm以下の値になるように設けられるが、これに限定されない。ラック100Aは、右側壁13からラック100Aまでの最短距離が0cm以上5cm以下の値になるように設けられるが、これに限定されない。ラック100Aは、後壁14からラック100Aまでの最短距離が0cm以上5cm以下の値になるように設けられるが、これに限定されない。
【0049】
ラック100Aの前には、通路Aが存在する。ラック100Aは通路Aが確保されているラックである。ラック100Aは、第2ラックである。第2ラックは、通路Aが確保されているラックである。
【0050】
通路Aは、第1作業が行われる場合に人又は装置に用いられる。通路Aは、前壁11及び後壁14に対して略平行である。通路Aの奥行きは、40cmから80cmであるが、これに限定されない。通路Aは、出入口121と、通路Aの奥行き以上の幅の道により連通される。ラックに通路Aが確保されていることは、当該ラックと他のラックとの最短距離又は当該ラックと縦壁との最短距離、が通路Aの奥行き以上であることを含む。ラックに通路Aが確保されていることは、ラックの全域に対して第1作業が可能なことである。
【0051】
ラック100Bは、前壁11及び後壁14に対して略平行である。ラック100Bの移動方向は、前壁11に対して略垂直方向である。そのため、ラック100Bは、移動されても、前壁11及び後壁14に対して略平行である。ラック100Bは、ラック100A及びラック100Eにより、前壁11が伸びる略水平方向に短い。
【0052】
ラック100Bは、左側壁12からラック100Bまでの最短距離が通路Aの奥行き以上となるように設けられる。ラック100Bは、右側壁13からラック100Bまでの最短距離が0cm以上5cm以下の値になるように設けられるが、これに限定されない。
【0053】
ラック100Bの後には、通路Aが存在する。ラック100Bは、通路Aが確保されているラックである。ラック100Bは、第2ラックである。
【0054】
ラック100Cは、前壁11及び後壁14に対して略平行である。ラック100Cの移動方向は、前壁11に対して略垂直方向である。そのため、ラック100Cは、移動されても、前壁11及び後壁14に対して略平行である。ラック100Cは、ラック100A及びラック100Eにより、前壁11が伸びる略水平方向に短い。
【0055】
ラック100Cは、左側壁12からラック100Cまでの最短距離が通路Aの奥行き以上となるように設けられる。ラック100Cは、右側壁13からラック100Cまでの最短距離が0cm以上5cm以下の値になるように設けられるが、これに限定されない。
【0056】
ラック100Cの前及びラック100Cの後には、通路Aが存在しない。ラック100Cは、通路Aが確保されていないラックである。ラック100Cは、第1ラックである。第1ラックは、通路Aが確保されていないラックである。
【0057】
ラック100Dは、前壁11及び後壁14に対して略平行である。ラック100Dの移動方向は、前壁11に対して略垂直方向である。そのため、ラック100Dは、移動されても、前壁11及び後壁14に対して略平行である。ラック100Dは、ラック100A及びラック100Eにより、前壁11が伸びる略水平方向に短い。
【0058】
ラック100Dは、左側壁12からラック100Cまでの最短距離が通路Aの奥行き以上となるように設けられる。ラック100Dは、右側壁13からラック100Dまでの最短距離が0cm以上5cm以下の値になるように設けられるが、これに限定されない。
【0059】
ラック100Dの前及びラック100Dの後には、通路Aが存在しない。ラック100Dは、第1ラックである。
【0060】
ラック100Eは、前壁11及び後壁14に対して略平行である。ラック100Eは、前壁11に対して略垂直方向に最短距離に存在するラックである。ラック100Eは、ラック100Bと、ラック100Cと、ラック100Dとにより、前壁11が伸びる略水平方向に長い。
【0061】
ラック100Eは、左側壁12からラック100Eまでの最短距離が0cm以上5cm以下の値になるように設けられるが、これに限定されない。ラック100Eは、右側壁13からラック100Eまでの最短距離が0cm以上5cm以下の値になるように設けられるが、これに限定されない。ラック100Eは、前壁11からラック100Eまでの最短距離が0cm以上5cm以下の値になるように設けられるが、これに限定されない。
【0062】
ラック100Eの前及びラック100Eの後には、通路Aが存在しない。ラック100Eは、第1ラックである。
【0063】
第1ガイドレール171A及び第1ガイドレール171Bは、床Fに固定される。なお、第1ガイドレール171A及び第1ガイドレール171Bは、床Fの凹形状の凹んだ部分に固定されてもよい。この場合、第1ガイドレール171A及び第1ガイドレール171Bが床Fに存在しても、床Fの段差が生じにくい。
【0064】
第1ガイドレール171A及び第1ガイドレール171Bは、前壁11及び後壁14に対して略垂直方向に伸びる。第1ガイドレール171A及び第1ガイドレール171Bは、可動ラック(ラック100B、ラック100C、ラック100D)がガイドされてスライドされるように設けられる。
【0065】
第1ガイドレール171A及び第1ガイドレール171Bは、第1ガイドレール171Aの後側の端部及び第1ガイドレール171Bの後側の端部から、ラック100Aまでの最短距離が0cm以上5cm以下の値になるように設けられるが、これに限定されない。言い換えると、第1ガイドレール171A及び第1ガイドレール171Bは、ラック100Bがラック100Aからの最短距離が0cm以上5cm以下の値になり得るように設けられる。
【0066】
第1ガイドレール171A及び第1ガイドレール171Bは、第1ガイドレール171Aの前側の端部及び第1ガイドレール171Bの前側の端部から、ラック100Eまでの最短距離が0cm以上5cm以下の値になるように設けられるが、これに限定されない。言い換えると、第1ガイドレール171A及び第1ガイドレール171Bは、ラック100Dがラック100Eからの最短距離が0cm以上5cm以下の値になり得るように設けられる。
【0067】
第1ガイドレール171Aの奥行き及び第1ガイドレール171Bの奥行きは、通路Aの奥行きと、ラック100Bの奥行きと、ラック100Cの奥行きと、ラック100Dの奥行きと、0cm以上20cm以下の値とを加算した値であるが、これに限定されない。
【0068】
ラック100Aからラック100Bまでの最短距離は通路Aの奥行き以上である。ラック100Bからラック100Cまでの最短距離は0cm以上5cm以下の値であるが、これに限定されない。ラック100Cからラック100Dまでの最短距離は0cm以上5cm以下の値であるが、これに限定されない。ラック100Dからラック100Eまでの最短距離は0cm以上5cm以下の値であるが、これに限定されない。
【0069】
図1及び
図4から
図9までのラックシステム10の態様において、通路Aは、開口Oに対面する。
図1及び
図4から
図9までのラックシステム10の態様において、ラック100Aと、ラック100Bと、ラック100Cと、ラック100Dと、ラック100Eとは、開口Oと対面しない。
【0070】
ラック100Bと、ラック100Cと、ラック100Dとから、左側壁12まで通路Aの奥行き以上の最短距離が確保されるため、通路Aから出入口121までの道も確保されている。
【0071】
図1及び
図4から
図9までのラックシステム10の態様とは異なる、ラックシステム10の態様について説明する。
図10は、設備1の全体構成を示す斜視図である。
図11は、ラックシステム10の詳細構成を示す左側面図である。
図12は、ラックシステム10の詳細構成を示す右側面図である。
図13は、ラックシステム10の詳細構成を示す平面図である。
図14は、設備1のうち、5つのラック(ラック100A、ラック100B、ラック100C、ラック100D、ラック100E)を除く構成を示す概略構成図である。ラックシステム10の詳細構成を示す正面図及び背面図については、
図4及び
図5と同様であるため省略する。
【0072】
ラック100Aの前及びラック100Aの後には、通路Aが存在しない。ラック100Aは、第1ラックである。ラック100Bの前及びラック100Bの後には、通路Aが存在しない。ラック100Bは、第1ラックである。ラック100Cの前には、通路Aが存在する。ラック100Cは、第2ラックである。ラック100Dの後には、通路Aが存在する。ラック100Dは、第2ラックである。ラック100Eの前及びラック100Eの後には、通路Aが存在しない。ラック100Eは、第1ラックである。
【0073】
ラック100Aからラック100Bまでの最短距離は0cm以上5cm以下の値であるが、これに限定されない。ラック100Bからラック100Cまでの最短距離は0cm以上5cm以下の値であるが、これに限定されない。ラック100Cからラック100Dまでの最短距離は通路Aの奥行き以上である。ラック100Dからラック100Eまでの最短距離は0cm以上5cm以下の値であるが、これに限定されない。
【0074】
通路Aと、ラック100Aと、ラック100Cと、ラック100Dと、ラック100Eとは、開口Oに対面しない。ラック100Bは、開口Oに対面する。
【0075】
ラック100Bと、ラック100Cと、ラック100Dとから、左側壁12まで通路Aの奥行き以上の最短距離が確保されるため、通路Aから出入口121までの道も確保されている。
【0076】
図1及び
図4から
図9までのラックシステム10の態様及び
図10から
図14までのラックシステム10の態様とは異なる、ラックシステム10の態様について説明する。
図15は、設備1の全体構成を示す斜視図である。
図16は、ラックシステム10の詳細構成を示す左側面図である。
図17は、ラックシステム10の詳細構成を示す右側面図である。
図18は、ラックシステム10の詳細構成を示す平面図である。
図19は、設備1のうち、5つのラック(ラック100A、ラック100B、ラック100C、ラック100D、ラック100E)を除く構成を示す概略構成図である。ラックシステム10の詳細構成を示す正面図及び背面図については、
図4及び
図5と同様であるため省略する。
【0077】
ラック100Aの前及びラック100Aの後には、通路Aが存在しない。ラック100Aは、第1ラックである。ラック100Bの前及びラック100Bの後には、通路Aが存在しない。ラック100Bは、第1ラックである。ラック100Cの前及びラック100Cの後には、通路Aが存在しない。ラック100Cは、第1ラックである。ラック100Dの前には、通路Aが存在する。ラック100Dは、第2ラックである。ラック100Eの後には、通路Aが存在する。ラック100Eは、第2ラックである。
【0078】
ラック100Aからラック100Bまでの最短距離は0cm以上5cm以下の値であるが、これに限定されない。ラック100Bからラック100Cまでの最短距離は0cm以上5cm以下の値であるが、これに限定されない。ラック100Cからラック100Dまでの最短距離は0cm以上5cm以下の値であるが、これに限定されない。ラック100Dからラック100Eまでの最短距離は通路Aの奥行き以上である。
【0079】
通路Aと、ラック100Aと、ラック100Cと、ラック100Dと、ラック100Eとは、開口Oに対面しない。ラック100Bは、開口Oに対面する。
【0080】
ラック100Bと、ラック100Cと、ラック100Dとから、左側壁12まで通路Aの奥行き以上の最短距離が確保されるため、通路Aから出入口121までの道も確保されている。
【0081】
(2-2)制御装置
制御装置19の詳細構成について説明する。
図20は、制御装置19の機能ブロック図である。制御装置19は、受付部191と、移動制御部192とを主に備える。
【0082】
(2-2-1)受付部
受付部191は、入力装置(図示せず)を介して、人又は装置から作業情報と、終了情報とを受け付ける。作業情報は、第1作業の対象を示す情報である。終了情報は、第1作業が終了した旨を示す情報である。なお、受付部191は、ネットワークを介してサーバー又はクラウドから、作業情報と、終了情報との少なくとも何れかを受け付けてもよい。
【0083】
(2-2-2)移動制御部
移動制御部192は、作業情報に基づいて、ラック100Bと、ラック100Cと、ラック100Dとが前壁11に対して略垂直方向に移動されるように制御する。また、移動制御部192は、終了情報に基づいて、ラック100Aと、ラック100Bと、ラック100Cと、ラック100Dと、ラック100Eとが開口Oに対面しないように、ラック100Bと、ラック100Cと、ラック100Dとが前壁11に対して略垂直方向に移動されるように制御する。以下、移動制御部192の制御について、作業情報に基づく制御と、終了情報に基づく制御とに分けて説明する。
【0084】
(2-2-2-1)作業情報に基づく制御
第1作業の対象がラック100A又はラック100Bであることを示す作業情報が受け付けられた場合、移動制御部192は、
図1及び
図4から
図9までのラックシステム10の態様が実現されるように、ラック100Bと、ラック100Cと、ラック100Dとを制御する。
【0085】
図1及び
図4から
図9までのラックシステム10の態様が既に実現されている場合、移動制御部192は、ラック100Bと、ラック100Cと、ラック100Dとを移動させない。ラック100Cと、ラック100Dと、ラック100Eとは、第1ラックのまま変わらない。ラック100A及びラック100Bは、第2ラックのまま変わらない。
【0086】
図10から
図14までのラックシステム10の態様である場合、移動制御部192は、ラック100B及びラック100Cを略X方向に移動させる。これにより、第1ラックである、ラック100A及びラック100Bは、第2ラックに変わる。第2ラックである、ラック100C及びラック100Dは、第1ラックに変わる。ラック100Eは、第1ラックであるまま変わらない。
【0087】
図15から
図19までのラックシステム10の態様である場合、移動制御部192は、ラック100Bと、ラック100Cと、ラック100Dとを略X方向に移動させる。これにより、第1ラックである、ラック100A及びラック100Bは、第2ラックに変わる。第2ラックである、ラック100D及びラック100Eは、第1ラックに変わる。ラック100Cは、第1ラックであるまま変わらない。
【0088】
第1作業の対象がラック100Cであると示す作業情報が受け付けられた場合、移動制御部192は、
図10から
図14までのラックシステム10の態様が実現されるように、ラック100Bと、ラック100Cと、ラック100Dとを制御する。
【0089】
図1及び
図4から
図9までのラックシステム10の態様である場合、移動制御部192は、ラック100B及びラック100Cを略マイナスX方向に移動させる。これにより、第1ラックである、ラック100C及びラック100Dは、第2ラックに変わる。第2ラックである、ラック100A及びラック100Bは、第1ラックに変わる。ラック100Eは、第1ラックであるまま変わらない。
【0090】
図10から
図14までのラックシステム10の態様が既に実現されている場合、移動制御部192は、ラック100Bと、ラック100Cと、ラック100Dとを移動させない。ラック100Aと、ラック100Bと、ラック100Eとは、第1ラックのまま変わらない。ラック100C及びラック100Dは、第2ラックのまま変わらない。
【0091】
図15から
図19までのラックシステム10の態様である場合、移動制御部192は、ラック100Dを略X方向に移動させる。これにより、第1ラックである、ラック100Cは、第2ラックに変わる。第2ラックである、ラック100Eは、第1ラックに変わる。ラック100Dは、第2ラックであるまま変わらない。ラック100A及びラック100Bは、第1ラックであるまま変わらない。
【0092】
第1作業の対象がラック100Dであると示す作業情報が受け付けられた場合、移動制御部192は、
図10から
図14までのラックシステム10の態様又は
図15から
図19までのラックシステム10の態様が実現されるように、ラック100Bと、ラック100Cと、ラック100Dとを制御する。
【0093】
図1及び
図4から
図9までのラックシステム10の態様である場合、移動制御部192は、ラック100B及びラック100Cを略マイナスX方向に移動させる。これにより、第1ラックである、ラック100C及びラック100Dは、第2ラックに変わる。第2ラックである、ラック100A及びラック100Bは、第1ラックに変わる。ラック100Eは、第1ラックであるまま変わらない。
【0094】
図10から
図14までのラックシステム10の態様が既に実現されている場合、移動制御部192は、ラック100Bと、ラック100Cと、ラック100Dとを移動させない。ラック100Aと、ラック100Bと、ラック100Eとは、第1ラックであるまま変わらない。ラック100C及びラック100Dは、第2ラックであるまま変わらない。
【0095】
図15から
図19までのラックシステム10の態様が既に実現されている場合、移動制御部192は、ラック100Bと、ラック100Cと、ラック100Dとを移動させない。ラック100Aと、ラック100Bと、ラック100Cとは、第1ラックであるまま変わらない。ラック100D及びラック100Eは、第2ラックであるまま変わらない。
【0096】
第1作業の対象がラック100Eであると示す作業情報が受け付けられた場合、移動制御部192は、
図15から
図19までのラックシステム10の態様が実現されるように、ラック100Bと、ラック100Cと、ラック100Dとを制御する。
【0097】
図1及び
図4から
図9までのラックシステム10の態様である場合、移動制御部192は、ラック100Bと、ラック100Cと、ラック100Dとを略マイナスX方向に移動させる。第1ラックである、ラック100D及びラック100Eは、第2ラックに変わる。第2ラックである、ラック100A及びラック100Bは、第1ラックに変わる。ラック100Cは、第1ラックであるまま変わらない。
【0098】
図10から
図14までのラックシステム10の態様である場合、移動制御部192は、ラック100Dを略マイナスX方向に移動させる。第1ラックである、ラック100Eは、第2ラックに変わる。第2ラックである、ラック100Cは、第1ラックに変わる。ラック100Dは、第2ラックであるまま変わらない。ラック100A及びラック100Bは、第1ラックであるまま変わらない。
【0099】
図15から
図19までのラックシステム10の態様が既に実現されている場合、移動制御部192は、ラック100Bと、ラック100Cと、ラック100Dとを移動させない。ラック100Aと、ラック100Bと、ラック100Cとは、第1ラックであるまま変わらない。ラック100D及びラック100Eは、第2ラックであるまま変わらない。
【0100】
ラックシステム10において、可動ラック(ラック100B、ラック100C、ラック100D)がどこに移動されても、常に、第1ラックが存在する。なお、ラックシステム10の態様は、
図1及び
図4から
図19までのラックシステム10の態様に限定されない。可動ラックが第1ガイドレール171A及び第1ガイドレール171Bにガイドされてスライドされることにより、様々な態様が実現され得る。
【0101】
(2-2-2-2)終了情報に基づく制御
終了情報が受け付けられた場合、移動制御部192は、
図1及び
図4から
図9までのラックシステム10の態様が実現されるように、ラック100Bと、ラック100Cと、ラック100Dとを前壁11に対して略垂直方向に移動させる。言い換えると、移動制御部192は、第1作業が終了された後に、
図1及び
図4から
図9までのラックシステム10の態様が実現されるように、ラック100Bと、ラック100Cと、ラック100Dとを前壁11に対して略垂直方向に移動させる。これにより、第1作業が終了された後に、ラック100Aと、ラック100Bと、ラック100Cと、ラック100Dと、ラック100Eとは、開口Oに対面しなくなる。
【0102】
図1及び
図4から
図9までのラックシステム10の態様が既に実現されている場合、移動制御部192は、ラック100Bと、ラック100Cと、ラック100Dとを移動させない。
図10から
図14までのラックシステム10の態様である場合、移動制御部192は、ラック100B及びラック100Cを略X方向に移動させる。
図15から
図19までのラックシステム10の態様である場合、移動制御部192は、ラック100Bと、ラック100Cと、ラック100Dとを略X方向に移動させる。
【0103】
(3)動作
人又は装置が第1作業を行う場合における、設備1の動作について説明する。第1作業は、ラック100Aから、ラック100B、ラック100C、ラック100D、ラック100Eの順に行われる。
図21は、設備1の動作を示すフローチャートである。ラックシステム10の態様は、
図1及び
図4から
図9までのラックシステム10の態様である。
【0104】
開口Oから暖められた空気が内部I1に供給されている。そのため、内部I1は植物工場1000の外部より高い温度を維持している。内部I1は、植物Pの栽培に適する環境になっている。
【0105】
ラック100Aの通路Aは、既に確保されている。人又は装置は、出入口121及び通路Aによりラック100Aの前に移動する。人又は装置は、ラック100Aに対する第1作業を開始する。ラック100Aに対する第1作業が終了された後、ラック100Bの通路Aも既に確保されているため、人又は装置は、ラック100Bに対する第1作業を開始する。ラック100Bに対する第1作業が終了された後、人又は装置は通路Aから離れる。
【0106】
人又は装置は、第1作業の対象がラック100Cであることを示す作業情報を制御装置19に入力する。受付部191は、第1作業の対象がラック100Cであることを示す作業情報を受け付ける。移動制御部192は、ラック100B及びラック100Cを略マイナスX方向に移動させる(ステップS1)。これにより、移動制御部192は、
図10から
図14までのラックシステム10の態様を実現させる。
【0107】
人又は装置は、通路Aによりラック100Cの前に移動する。人又は装置は、ラック100Cに対する第1作業を開始する。ラック100Cに対する第1作業が終了された後、ラック100Dの通路Aも既に確保されているため、人又は装置は、ラック100Dに対する第1作業を開始する。ラック100Dに対する第1作業が終了された後、人又は装置は通路Aから離れる。
【0108】
人又は装置は、第1作業の対象がラック100Eであることを示す作業情報を制御装置19に入力する。受付部191は、第1作業の対象がラック100Eであることを示す作業情報を受け付ける。移動制御部192は、ラック100Dを略マイナスX方向に移動させる(ステップS2)。これにより、移動制御部192は、
図15から
図19までのラックシステム10の態様を実現させる。
【0109】
人又は装置は、通路Aによりラック100Eの後に移動する。人又は装置は、ラック100Eに対する第1作業を開始する。ラック100Eに対する第1作業が終了された後、人又は装置は通路Aから離れる。
【0110】
人又は装置は、終了情報を制御装置19に入力する。受付部191は、終了情報を受け付ける。移動制御部192は、ラック100Bと、ラック100Cと、ラック100Dとを略X方向に移動させる(ステップS3)。これにより、移動制御部192は、
図1及び
図4から
図9までのラックシステム10の態様を実現させる。開口Oは、5つのラック(ラック100A、ラック100B、ラック100C、ラック100D、ラック100E)と対面しなくなる。
【0111】
(4)特徴
(4-1)
ラックシステム10は、植物Pが栽培される3つ以上のラック(ラック100A、ラック100B、ラック100C、ラック100D、ラック100E)、を備える。ラックは、他の構造物の内部I1に存在し、且つ、他の構造物の第1縦壁に対して略平行である。3つ以上のラック、のうち少なくとも何れかのラックは、第1縦壁に対して略垂直方向に移動できるラックである可動ラックである。可動ラックが第1縦壁に対して略垂直方向に移動されても、3つ以上のラック、のうち少なくとも何れかのラックは、植物Pに対する人又は装置の作業である第1作業、が行われる場合に人又は装置に用いられる通路Aであって、第1縦壁に対して略平行である通路A、が確保されていないラックである第1ラックである。可動ラックが第1縦壁に対して略垂直方向に移動されることにより、3つ以上のラックのうち、1つ以上の第1ラックが、通路Aが確保されているラックである第2ラックに変わる。
【0112】
構造物の内部において、植物が栽培されるラックが用いられている。植物の栽培には、植物に対する人又は装置の作業を要する。構造物の内部には、人又は装置の作業に用いられる通路が確保される。そのため、構造物の内部において通路に広くのスペースを占められ、植物を栽培できるスペースが縮小される。これにより、植物の栽培に対するスペースのコストを増加させる。また、構造物の内部を植物の栽培に適する環境にするため、構造物の内部について空気調和が行われる。空気調和に要するエネルギー量は、体積に相関する。構造物の内部における広い通路は、植物の栽培に要するエネルギー量を増加させる。これにより、植物の栽培にかかる空気調和のコストを増加させる。
【0113】
ラックシステム10において、可動ラックがどこに移動されても、通路Aが確保されないラックが存在する。通路Aが確保されないラックが存在するため、ラックシステム10は、通路Aにかかる省スペースを実現できる。これにより、ラックシステム10は、植物Pの栽培にかかる省スペース及び省エネルギーを実現できる。
【0114】
ラックシステム10は、可動ラックが移動されることにより、第1ラックが第2ラックに変わる。これにより、ラックシステム10は、第1ラックについても通路Aを確保でき、植物Pに対する第1作業を可能にする。
【0115】
ラックシステム10のラック(ラック100A、ラック100B、ラック100C、ラック100D、ラック100E)は、第1縦壁に対して略平行である。また、可動ラックは、第1縦壁に対して略垂直方向に移動される。これにより、ラックシステム10は、可動ラックが移動されても、内部I1における、各ラック及び通路A、以外の無駄なスペースを縮小できる。
【0116】
(4-2)
ラックシステム10は、可動ラックが第1縦壁に対して略垂直方向に移動されることにより、3つ以上のラックのうち、1つ以上の第1ラックが第2ラックに変わる場合、3つ以上のラックのうち、1つ以上の第2ラックが第1ラックに変わる。
【0117】
ラックシステム10は、第1ラックが第2ラックに変わっても、他の第2ラックが第1ラックに変わる。ラックシステム10には、通路Aが確保されないラックが存在する。そのため、ラックシステム10は、通路Aにかかる省スペースを実現できる。これにより、ラックシステム10は、植物Pの栽培にかかる省スペース及び省エネルギーを実現できる。
【0118】
(4-3)
ラックシステム10は、他の構造物の床Fに固定され、第1縦壁に対して略垂直方向に伸びる、第1ガイドレール171A及び第1ガイドレール171B、をさらに備える。可動ラックは、第1ガイドレール171A及び第1ガイドレール171Bにガイドされてスライドされることにより、第1縦壁に対して略垂直方向に移動される。
【0119】
可動ラック(ラック100B、ラック100C、ラック100D)は、第1ガイドレール171A及び第1ガイドレール171Bにガイドされてスライドされる。そのため、可動ラックが受ける力が分散されず、可動ラックは、第1縦壁に対して略垂直方向に効率よく移動される。これにより、ラックシステム10は、各ラックの通路Aをより容易に確保できるようにする。
【0120】
(4-4)
ラックシステム10は、第1縦壁から、第1縦壁に対して略垂直方向に最短距離に存在するラックが、可動ラックではない。第1縦壁に対向する、他の構造物の第2縦壁から、第2縦壁に対して略垂直方向に最短距離に存在するラックは、可動ラックではない。
【0121】
縦壁は、通路を要しない。通路は、両側(人又は装置が進む方向に対する横方向の両側)に対して通路としての役割を果たす。縦壁に対して略垂直方向に最短距離に存在するラックと、縦壁と、の間に通路が確保されると、通路の片側(縦壁側)は通路としての役割を果たせない。そのため、当該最短距離に存在するラックが移動されて当該通路を確保すると、片側の無駄な通路が確保される。片側の無駄な通路は、スペースの無駄になり、人又は装置の作業における動線を長くする。
【0122】
ラックシステム10において、前壁11から略垂直方向に対して最短距離に存在するラック100Eは、可動ラックではない。また、後壁14から略垂直方向に対して最短距離に存在するラック100Aも、可動ラックではない。そのため、ラックシステム10は、通路として両側とも役割を果たすことのできる通路Aを確保できる。ラックシステム10は、可動ラックを一部に限定することができ、可動ラックの可動距離と、人又は装置の動線とを短くすることができる。これにより、ラックシステム10は、植物Pの栽培にかかる省エネルギーをさらに実現できる。
【0123】
(4-5)
ラックシステム10は、第1縦壁から、第1縦壁に対して略垂直方向に最短距離に存在するラックと、第1縦壁に対向する、他の構造物の第2縦壁から、第2縦壁に対して略垂直方向に最短距離に存在するラックと、が、3つ以上のラックのうち、第1縦壁に対して略垂直方向に最短距離に存在するラック及び第2縦壁に対して略垂直方向に最短距離に存在するラック、以外のラック、より、第1縦壁が伸びる略水平方向に長い。
【0124】
縦壁に近接するスペースに通路が設けられる場合、通路の片側が無駄になる。そのため、縦壁に近接するスペースは、ラックが存在するスペースとして活用されるのが望ましい。
【0125】
ラックシステム10は、ラック100A及びラック100Eが、ラック100Bと、ラック100Cと、ラック100Dとにより、第1縦壁が伸びる略水平方向に長い。これにより、ラックシステム10は、内部I1において植物Pが栽培されるスペースを広く確保でき、植物Pの栽培にかかる省スペース及び省エネルギーを実現できる。
【0126】
(4-6)
制御装置19は、ラックシステム10において、可動ラックが第1縦壁に対して略垂直方向に移動されるように制御する移動制御部192、を備える。
【0127】
重量の重いラック又は大きさの大きいラックについては、人力で移動させるのが困難な場合がある。また、ラックを移動させることには手間がかかる。制御装置19は、ラック100Bと、ラック100Cと、ラック100Dとを移動させる。そのため、制御装置19は、重量の重いラック又は大きさの大きいラックについても移動させることができ、移動にかかる手間を減らすことができる。
【0128】
(4-7)
制御装置19は、他の構造物には、空気調和された空気を供給するための開口Oが存在する。移動制御部192は、第1作業が終了された後に、3つ以上のラックが開口Oに対面しないように、可動ラックが第1縦壁に対して略垂直方向に移動されるようにさらに制御する。
【0129】
空気調和された空気を供給する開口からは、空気が吹き出される。ラックと開口とが対面する場合、開口と対面するラックの周辺と遠方とは、空気調和の程度が大きく異なり得る。そのため、開口と対面するラックと、開口から遠いラックと、の少なくとも何れかで栽培される植物に対して、栽培に適した環境を提供できない。また、開口から吹き出された空気は、開口と対面するラックにぶつかり、歪な気流を形成され得る。そのため、内部において温度ムラ又は湿度ムラが発生し得る。
【0130】
制御装置19は、第1作業が終了された後に、3つ以上のラックが開口Oに対面しないように、可動ラックを移動させる。そのため、制御装置19は、温度ムラ又は湿度ムラの発生可能性を低くすることができ、内部I1を植物Pの栽培により適する環境にすることができる。
【0131】
(4-8)
制御方法は、ラックシステム10において、可動ラックが第1縦壁に対して略垂直方向に移動されるように制御する移動制御ステップ、を有する。
【0132】
そのため、制御方法は、制御方法が実施される場合、重量の重いラック又は大きさの大きいラックについても移動させることができ、移動にかかる手間を減らすことができる。
【0133】
(5)変形例
第1実施形態の変形例について、第1実施形態と同様な点については説明を省略して、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0134】
(5-1)変形例1A
受付部191は、入力装置(図示せず)を介して、人又は装置から移動情報を受け付けてもよい。移動情報は、可動ラック(ラック100B、ラック100C、ラック100D)の移動方向及び移動距離と、移動する場所との少なくとも何れかを示す情報である。移動する場所は、X軸及びZ軸の2次元座標系における2次元座標又はX軸とY軸とZ軸との3次元座標系における3次元座標で表される場所であってもよい。なお、受付部191は、ネットワークを介してサーバー又はクラウドから、移動情報を受け付けてもよい。
【0135】
(5-2)変形例1B
設備1は、制御装置19を備えなくてもよい。この場合、可能ラックは人力により、前壁11に対して略垂直方向に移動される。
【0136】
(5-3)変形例1C
設備1は、植物工場1000の代わりに、ビニールハウス2000を備えてもよい。
図22は、変形例1Cにかかる設備1の全体構成を示す斜視図である。ビニールハウス2000は、植物Pを栽培するために、骨組みを組み、その上部をビニールなどで覆った構造物をいう。ビニールハウス2000の内部において植物Pが栽培される。
【0137】
なお、設備1は、ビニールハウス2000の代わりに、温室(ガラス温室、プラスチックフィルム温室など)を備えてもよい。なお、ビニールハウス2000は、建築物であっても、建築物でなくてもよい。
【0138】
ビニールハウス2000の内部I2には、ラックシステム10が主に設けられる。ラックシステム10は、第1実施形態と、変形例1Aの実施形態と、変形例1Bの実施形態との何れかのラックシステム10と同様である。
【0139】
ビニールハウス2000は、前壁11と、左側壁12と、右側壁13と、後壁14と、天井15と、一つ又は複数の照明(図示せず)とを主に有する。ビニールハウス2000の構成要素の構造及び機能については、天井15の形状を除き、第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0140】
(5-4)変形例1D
(5-4-1)構造
設備1は、植物工場1000の代わりに、キノコ栽培施設3000を備えてもよい。
図23は、変形例1Dにかかる設備1の全体構成を示す斜視図である。キノコ栽培施設3000とは、キノコMが栽培される建築物又はビニールハウスをいう。
【0141】
キノコ栽培施設3000の内部I3には、ラックシステム10が主に設けられる。ラックシステム10は、ラックにおいて植物Pの代わりにキノコMが栽培される点を除き、第1実施形態と、変形例1Aの実施形態と、変形例1Bの実施形態との何れかのラックシステム10と同様である。
【0142】
キノコ栽培施設3000は、前壁11と、左側壁12と、右側壁13と、後壁14と、天井15と、一つ又は複数の照明(図示せず)とを主に有する。キノコ栽培施設3000の構成要素の構造及び機能については、第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0143】
5つのラック(ラック100A、ラック100B、ラック100C、ラック100D、ラック100E)には、菌糸瓶Bが置かれる。菌糸瓶BでキノコMが栽培される。菌糸瓶BとキノコMとを合わせてセットMSと称する。なお、キノコMは、菌糸瓶Bの代わりに菌床バッグで栽培されてもよい。なお、キノコMは、菌糸瓶Bの代わりに木で栽培されてもよい。
【0144】
第1作業とは、キノコMに対する人又は装置によるキノコ作業である。キノコ作業の例としては、キノコMの種菌を植える植菌作業と、キノコMの培養のために行われる作業である培養作業と、キノコMの全部又は一部を収穫する作業である収穫作業と、その他のキノコ作業などが挙げられる。
【0145】
(5-4-2)特徴
ラックシステム10は、キノコMが栽培される3つ以上のラック、を備える。ラックは、他の構造物の内部に存在し、且つ、他の構造物の第1縦壁に対して略平行である。3つ以上のラック、のうち少なくとも何れかのラックは、第1縦壁に対して略垂直方向に移動できるラックである可動ラックである。可動ラックが第1縦壁に対して略垂直方向に移動されても、3つ以上のラック、のうち少なくとも何れかのラックは、キノコMに対する人又は装置の作業である第1作業、が行われる場合に人又は装置に用いられる通路Aであって、第1縦壁に対して略平行である通路A、が確保されていないラックである第1ラックである。可動ラックが第1縦壁に対して略垂直方向に移動されることにより、3つ以上のラックのうち、1つ以上の第1ラックが、通路Aが確保されているラックである第2ラックに変わる。
【0146】
構造物の内部において、キノコが栽培されるラックが用いられている。キノコの栽培には、キノコに対する人又は装置の作業を要する。構造物の内部には、人又は装置の作業に用いられる通路が確保される。そのため、構造物の内部において通路に広くのスペースを占められ、キノコを栽培できるスペースが縮小される。これにより、キノコの栽培に対するスペースのコストを増加させる。また、構造物の内部をキノコの栽培に適する環境にするため、構造物の内部について空気調和が行われる。空気調和に要するエネルギー量は、体積に相関する。構造物の内部における広い通路は、キノコの栽培に要するエネルギー量を増加させる。これにより、キノコの栽培にかかる空気調和のコストを増加させる。
【0147】
ラックシステム10は、キノコMの栽培にかかる省スペース及び省エネルギーを実現できる。また、ラックシステム10は、第1ラックについても通路Aを確保でき、キノコMに対する第1作業を可能にする。
【0148】
(5-5)変形例1E
(5-5-1)構造
設備1は、植物工場1000の代わりに、倉庫4000を備えてもよい。
図24は、変形例1Eにかかる設備1の全体構成を示す斜視図である。倉庫4000の例としては、常温倉庫と、低温倉庫と、冷凍倉庫と、冷蔵倉庫などが挙げられるが、これに限定されない。
【0149】
倉庫4000の内部I4には、ラックシステム10が主に設けられる。ラックシステム10は、ラックにおいて植物Pが栽培される点の代わりに商品Gが保管される点を除き、第1実施形態と、変形例1Aの実施形態と、変形例1Bの実施形態との何れかのラックシステム10と同様である。なお、商品Gとは、段ボール箱などにより包装された商品を含む。
【0150】
倉庫4000は、前壁11と、左側壁12と、右側壁13と、後壁14と、天井15と、一つ又は複数の照明(図示せず)とを主に有する。倉庫4000の構成要素の構造及び機能については、第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0151】
第1作業とは、商品Gに対する人又は装置(ロボット、車両など)よる倉庫作業である。倉庫作業の例としては、商品Gをラックへ載積する載積作業と、商品Gをラックからピッキングするピッキング作業と、商品Gの数量や状態を確認する確認作業と、その他の倉庫作業などが挙げられる。なお、倉庫4000の内部には商品Gを運搬するローラコンベア(図示せず)が設けられてもよい。
【0152】
(5-5-2)特徴
ラックシステム10は、商品Gが保管される3つ以上のラック、を備える。ラックは、他の構造物の内部に存在し、且つ、他の構造物の第1縦壁に対して略平行である。3つ以上のラック、のうち少なくとも何れかのラックは、第1縦壁に対して略垂直方向に移動できるラックである可動ラックである。可動ラックが第1縦壁に対して略垂直方向に移動されても、3つ以上のラック、のうち少なくとも何れかのラックは、商品Gに対する人又は装置の作業である第1作業、が行われる場合に人又は装置に用いられる通路Aであって、第1縦壁に対して略平行である通路A、が確保されていないラックである第1ラックである。可動ラックが第1縦壁に対して略垂直方向に移動されることにより、3つ以上のラックのうち、1つ以上の第1ラックが、通路Aが確保されているラックである第2ラックに変わる。
【0153】
構造物の内部において、商品が保管されるラックが用いられている。商品の保管には、商品に対する人又は装置の作業を要する。構造物の内部には、人又は装置の作業に用いられる通路が確保される。そのため、構造物の内部において通路に広くのスペースを占められ、商品を保管できるスペースが縮小される。これにより、商品の保管に対するスペースのコストを増加させる。また、構造物の内部を商品の保管に適する環境にするため、構造物の内部について空気調和が行われる場合がある。空気調和に要するエネルギー量は、体積に相関する。構造物の内部における広い通路は、商品の保管に要するエネルギー量を増加させる。これにより、商品の保管にかかる空気調和のコストを増加させる。
【0154】
ラックシステム10は、商品Gの保管にかかる省スペース及び省エネルギーを実現できる。また、ラックシステム10は、第1ラックについても通路Aを確保でき、商品Gに対する第1作業を可能にする。
【0155】
<第2実施形態>
(1)全体構成
第2実施形態に係る設備2の全体構成について説明する。以下、第1実施形態と第2実施形態とが同様な点については説明を省略して、第1実施形態と第2実施形態とが相違な点を中心に説明する。
図25は、設備2の全体構成を示す斜視図である。設備2は、植物工場1000と、制御装置29とを主に備える。
【0156】
(1-1)植物工場
植物工場1000の内部I1には、ラックシステム20が主に設けられる。ラックシステム20の詳細については後述する。植物工場1000の構成については、開口Oの位置を除き、第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0157】
左側壁12には、開口Oが設けられる。なお、開口Oは、前壁11と、左側壁12と、右側壁13と、後壁14との少なくとも何れかにも設けられてもよい。なお、開口Oは設けられなくてもよい。
【0158】
(1-2)制御装置
制御装置29は、ラックシステム20を主に制御する。制御装置29は、有線又は無線により、ラックシステム20に接続する。制御装置29の詳細については後述する。なお、制御装置29は、内部I1に設けられてもよい。なお、制御装置29は、サーバーやクラウド上に設けられてもよい。なお、制御装置29は、複数の植物工場1000に設けられたラックシステム20と接続してもよい。
【0159】
(2)詳細構成
(2-1)ラックシステム
ラックシステム20の詳細構成について説明する。ラックシステム20は、ラック200Aと、ラック200Bと、ラック200Cと、ラック200Dと、第1ガイドレール171Cと、第1ガイドレール171Dと、第2ガイドレール172Aと、第2ガイドレール172Bとを主に備える。なお、ラックシステム20が備えるラックの数は、3つ以上であればよく、4つに限定されない。
【0160】
ラック200Aの構造と、ラック200Dの構造とは、Y方向及びZ方向に伸びる面に対する略面対称である。ラック200Bの構造と、ラック200Cの構造とは、同様である。ラック200Aの機能と、ラック200Dの機能とは、同様である。ラック200Bの機能と、ラック200Cの機能とは、同様である。以下、ラック200Aの構造及び機能と、ラック200Bの構造及び機能について説明する。
【0161】
(2-1-1)ラック200A
図26は、ラック200Aの詳細構成を示す斜視図である。ラック200Aは、床Fに対して略垂直に並ぶ複数の台Sを有する。例えば、ラック200Aは、床Fに対して略垂直に並ぶ6つの台Sを有する。各台Sの上において植物Pが栽培される。植物Pは、ラック200A上の土(図示せず)に植えられるか、ラック200A上の養液(図示せず)に浸される。ラック200Aには植物Pの光源となる照明装置(図示せず)が設けられてもよい。ラック200Aは、可動ラックではない。
【0162】
(2-1-2)ラック200B
図27は、ラック200Bの詳細構成を示す斜視図である。ラック200Bは、床Fに対して略垂直に並ぶ複数の台Sを有する。例えば、ラック200Bは、床Fに対して略垂直に並ぶ6つの台Sを有する。各台Sの上において植物Pが栽培される。植物Pは、ラック200B上の土(図示せず)に植えられるか、ラック200B上の養液(図示せず)に浸される。ラック200Bには植物Pの光源となる照明装置(図示せず)が設けられてもよい。
【0163】
ラック200Bは、第1ガイドレール171C及び第1ガイドレール171Dと、第2ガイドレール172A及び第2ガイドレール172Bとにガイドされてスライドされることにより、前壁11に対して略垂直方向に移動される。ラック200Bは、可動ラックである。
【0164】
ラック200Bの奥行きは、片側(前壁11側又は後壁14側)から第1作業が可能な奥行きと、1以上2以下の数値とを乗算した値であるが、これに限定されない。ラック200Bの奥行きは、ラック200A及びラック200D、の奥行きより長い。ラック200Bは、ラック200Bの前側及びラック200Bの後側、の両側の通路Aを要する。言い換えると、ラック200Bは、前壁11側及び後壁14側の両側から、通路Aを要するラックである。ラック200Bは、第3ラックである。第3ラックは、前壁11側と、後壁14側と、の両側から、通路Aを要するラックである。
【0165】
(2-1-3)ラックシステムの様々な態様
ラックシステム20の様々な態様について説明する。
図28は、ラックシステム20の詳細構成を示す正面図である。
図29は、ラックシステム20の詳細構成を示す背面図である。
図30は、ラックシステム20の詳細構成を示す左側面図である。
図31は、ラックシステム20の詳細構成を示す右側面図である。
図32は、ラックシステム20の詳細構成を示す平面図である。
図33は、設備2のうち、4つのラック(ラック200A、ラック200B、ラック200C、ラック200D)を除く構成を示す概略構成図である。
【0166】
ラック200Aは、前壁11及び後壁14に対して略平行である。ラック200Aは、後壁14に対して略垂直方向に最短距離に存在するラックである。ラック200Aは、ラック200B及びラック200Cにより、前壁11が伸びる略水平方向に長い。
【0167】
ラック200Aは、左側壁12からラック200Aまでの最短距離が0cm以上5cm以下の値になるように設けられるが、これに限定されない。ラック200Aは、右側壁13からラック200Aまでの最短距離が0cm以上5cm以下の値になるように設けられるが、これに限定されない。ラック200Aは、後壁14からラック200Aまでの最短距離が0cm以上5cm以下の値になるように設けられるが、これに限定されない。
【0168】
ラック200Aの前には、通路Aが存在する。ラック200Aは通路Aが確保されているラックである。ラック200Aは、第2ラックである。
【0169】
ラック200Bは、前壁11及び後壁14に対して略平行である。ラック200Bの移動方向は前壁11に対して略垂直方向である。そのため、ラック200Bは、移動されても、前壁11及び後壁14に対して略平行である。ラック200Bは、ラック200A及びラック200Dにより、前壁11が伸びる略水平方向に短い。
【0170】
ラック200Bは、左側壁12からラック200Bまでの最短距離が通路Aの奥行き以上となるように設けられるが、これに限定されない。ラック200Bは、右側壁13からラック200Bまでの最短距離が0cm以上5cm以下の値になるように設けられるが、これに限定されない。
【0171】
ラック200Bの前には、通路Aが存在しない。ラック200Bの後には、通路Aが存在する。ラック200Bは、両側の通路Aを要するが、片側(200Bの後側)の通路Aのみが確保されている。
【0172】
ラック200Cは、前壁11及び後壁14に対して略平行である。ラック200Cの移動方向は、前壁11に対して略垂直方向である。そのため、ラック200Cは、移動されても、前壁11及び後壁14に対して略平行である。ラック200Cは、ラック200A及びラック200Dにより、前壁11が伸びる略水平方向に短い。
【0173】
ラック200Cは、左側壁12からラック200Cまでの最短距離が通路Aの奥行き以上となるように設けられるが、これに限定されない。ラック200Cは、右側壁13からラック200Cまでの最短距離が0cm以上5cm以下の値になるように設けられるが、これに限定されない。
【0174】
ラック200Cの前及びラック200Cの後には、通路Aが存在しない。ラック200Cは、第1ラックである。
【0175】
ラック200Dは、前壁11及び後壁14に対して略平行である。ラック200Dは、前壁11に対して略垂直方向に最短距離に存在するラックである。ラック200Dは、ラック200Bと、ラック200Cとにより、前壁11が伸びる略水平方向に長い。
【0176】
ラック200Dは、左側壁12からラック200Dまでの最短距離が0cm以上5cm以下の値になるように設けられるが、これに限定されない。ラック200Dは、右側壁13からラック200Dまでの最短距離が0cm以上5cm以下の値になるように設けられるが、これに限定されない。ラック200Dは、前壁11からラック200Dまでの最短距離が0cm以上5cm以下の値になるように設けられるが、これに限定されない。
【0177】
ラック200Dの前及びラック200Dの後には、通路Aが存在しない。ラック200Dは、第1ラックである。
【0178】
第1ガイドレール171C及び第1ガイドレール171Dは、床Fに固定される。なお、第1ガイドレール171C及び第1ガイドレール171Dは、床Fの凹形状の凹んだ部分に固定されてもよい。この場合、第1ガイドレール171C及び第1ガイドレール171Dが床Fに存在しても、床Fの段差が生じにくい。
【0179】
第1ガイドレール171C及び第1ガイドレール171Dは、前壁11及び後壁14に対して略垂直方向に伸びる。第1ガイドレール171C及び第1ガイドレール171Dは、可動ラック(ラック200B、ラック200D)がガイドされてスライドされるように設けられる。
【0180】
第1ガイドレール171C及び第1ガイドレール171Dは、第1ガイドレール171Cの後側の端部及び第1ガイドレール171Dの後側の端部から、ラック200Aまでの最短距離が0cm以上5cm以下の値になるように設けられるが、これに限定されない。言い換えると、第1ガイドレール171C及び第1ガイドレール171Dは、ラック200Bがラック200Aからの最短距離が0cm以上5cm以下の値になり得るように設けられる。
【0181】
第1ガイドレール171C及び第1ガイドレール171Dは、第1ガイドレール171Cの前側の端部及び第1ガイドレール171Dの前側の端部から、ラック200Dまでの最短距離が0cm以上5cm以下の値になるように設けられるが、これに限定されない。言い換えると、第1ガイドレール171C及び第1ガイドレール171Dは、ラック200Cがラック200Dからの最短距離が0cm以上5cm以下の値になり得るように設けられる。
【0182】
第1ガイドレール171Cの奥行き及び第1ガイドレール171Dの奥行きは、通路Aの奥行きと、ラック200Bの奥行きと、ラック200Cの奥行きと、0cm以上15cm以下の値とを加算した値であるが、これに限定されない。
【0183】
ラック200Aからラック200Bまでの最短距離は、通路Aの奥行き以上である。ラック200Bからラック200Cまでの最短距離は、0cm以上5cm以下の値であるが、これに限定されない。ラック200Cからラック200Dまでの最短距離は0cm以上5cm以下の値であるが、これに限定されない。
【0184】
第2ガイドレール172A及び第2ガイドレール172Bは、天井15に固定される。第2ガイドレール172A及び第2ガイドレール172Bは、前壁11及び後壁14に対して略垂直方向に伸びる。第2ガイドレール172A及び第2ガイドレール172Bは、可動ラック(ラック200B、ラック200D)がガイドされてスライドされるように設けられる。
【0185】
第2ガイドレール172Aは、第1ガイドレール171Cに対向するように設けられるが、これに限定されない。第2ガイドレール172Bは、第1ガイドレール171Dに対向するように設けられるが、これに限定されない。
【0186】
図25及び
図28から
図33までのラックシステム20の態様において、ラック200Aと、ラック200Bと、ラック200Cと、ラック200Dとは、開口Oと対面しない。
【0187】
ラック200B及びラック200Cから、左側壁12まで通路Aの奥行き以上の最短距離が確保されるため、通路Aから出入口121までの道も確保されている。
【0188】
図25及び
図28から
図33までのラックシステム20の態様とは異なる、ラックシステム20の態様について説明する。
図34は、設備2の全体構成を示す斜視図である。
図35は、ラックシステム20の詳細構成を示す左側面図である。
図36は、ラックシステム20の詳細構成を示す右側面図である。
図37は、ラックシステム20の詳細構成を示す平面図である。
図38は、設備2のうち、4つのラック(ラック200A、ラック200B、ラック200C、ラック200D)を除く構成を示す概略構成図である。ラックシステム20の詳細構成を示す正面図及び背面図については、
図28及び
図29と同様であるため省略する。
【0189】
ラック200Aの前及びラック200Aの後には、通路Aが存在しない。ラック200Aは、第1ラックである。ラック200Bの前には、通路Aが存在する。しかし、ラック200Bの後には、通路Aが存在しない。ラック200Cの後には、通路Aが存在する。しかし、ラック200Cの前には、通路Aが存在しない。ラック200Dの前及びラック200Dの後には、通路Aが存在しない。ラック200Dは、第1ラックである。
【0190】
ラック200Aからラック200Bまでの最短距離は、0cm以上5cm以下の値であるが、これに限定されない。ラック200Bからラック200Cまでの最短距離は、通路Aの奥行き以上である。ラック200Cからラック200Dまでの最短距離は、0cm以上5cm以下の値であるが、これに限定されない。
【0191】
ラック200Aと、ラック200Cと、ラック200Dとは、開口Oに対面しない。ラック200Bは、開口Oに対面する。
【0192】
ラック200B及びラック200Cから、左側壁12まで通路Aの奥行き以上の最短距離が確保されるため、通路Aから出入口121までの道も確保されている。
【0193】
図25及び
図28から
図33までのラックシステム20の態様及び
図34から
図38までのラックシステム20の態様とは異なる、ラックシステム20の態様について説明する。
図39は、設備2の全体構成を示す斜視図である。
図40は、ラックシステム20の詳細構成を示す左側面図である。
図41は、ラックシステム20の詳細構成を示す右側面図である。
図42は、ラックシステム20の詳細構成を示す平面図である。
図43は、設備2のうち、4つのラック(ラック200A、ラック200B、ラック200C、ラック200D)を除く構成を示す概略構成図である。ラックシステム20の詳細構成を示す正面図及び背面図については、
図28及び
図29と同様であるため省略する。
【0194】
ラック200Aの前及びラック200Aの後には、通路Aが存在しない。ラック200Aは、第1ラックである。ラック200Bの前及びラック200Bの後には、通路Aが存在しない。ラック200Bは、第1ラックである。ラック200Cの前には、通路Aが存在する。しかし、ラック200Cの後には、通路Aが存在しない。ラック200Dの後には、通路Aが存在する。ラック200Dは、第2ラックである。
【0195】
ラック200Aからラック200Bまでの最短距離は、0cm以上5cm以下の値であるが、これに限定されない。ラック200Bからラック200Cまでの最短距離は、0cm以上5cm以下の値であるが、これに限定されない。ラック200Cからラック200Dまでの最短距離は、通路Aの奥行き以上である。
【0196】
ラック200Aと、ラック200Cと、ラック200Dとは、開口Oに対面しない。ラック200Bは、開口Oに対面する。
【0197】
ラック200B及びラック200Cから、左側壁12まで通路Aの奥行き以上の最短距離が確保されるため、通路Aから出入口121までの道も確保されている。
【0198】
(2-2)制御装置
制御装置29の詳細構成について説明する。
図44は、制御装置29の機能ブロック図である。制御装置29は、受付部291と、移動制御部292とを主に備える。
【0199】
(2-2-1)受付部
受付部291は、入力装置(図示せず)を介して人又は装置から、作業情報と、終了情報とを受け付ける。また、受付部291は、購入注文を受け付ける。購入注文とは、購入する植物Pの位置を示す情報である。例えば、受付部291は、端末から購入注文を受け付ける。端末の例としては、移動体端末(スマートフォン、携帯端末、タブレット端末、ノートパソコン、ウェアラブル端末など)と、デスクトップパーソナルコンピューターと、タッチパネルと、POS(Point of Sales)端末などが挙げられるが、これに限定されない。
【0200】
なお、受付部291は、ネットワークを介してサーバー又はクラウドから、作業情報と、終了情報と、購入注文との少なくとも何れかを受け付けてもよい。
【0201】
(2-2-2)移動制御部
移動制御部292は、作業情報に基づいて、ラック200B及びラック200Cが前壁11に対して略垂直方向に移動されるように制御する。また、移動制御部292は、終了情報に基づいて、ラック200Aと、ラック200Bと、ラック200Cと、ラック200Dとが開口Oに対面しないように、ラック200B及びラック200Cが前壁11に対して略垂直方向に移動されるように制御する。さらに、移動制御部292は、購入注文に基づいて、ラック200B及びラック200Cが前壁11に対して略垂直方向に移動されて、購入注文にかかる通路Aを確保するようにさらに制御する。
【0202】
以下、移動制御部292の制御について、作業情報に基づく制御と、終了情報に基づく制御と、購入注文に基づく制御とに分けて説明する。
【0203】
(2-2-2-1)作業情報に基づく制御
第1作業の対象がラック200A又はラック200Bの後側であることを示す作業情報が受け付けられた場合、移動制御部192は、
図25及び
図28から
図33までのラックシステム20の態様が実現されるように、ラック200B及びラック200Cを制御する。
【0204】
図25及び
図28から
図33までのラックシステム20の態様が既に実現されている場合、移動制御部292は、ラック200B及びラック200Cを移動させない。ラック200C及びラック200Dは、第1ラックのまま変わらない。ラック200Aは、第2ラックのまま変わらない。
【0205】
図34から
図38までのラックシステム20の態様である場合、移動制御部292は、ラック200Bを略X方向に移動させる。これにより、第1ラックである、ラック100Aは、第2ラックに変わる。ラック200Dは第1ラックであるまま変わらない。
【0206】
図39から
図43までのラックシステム20の態様である場合、移動制御部292は、ラック200B及びラック200Cを略X方向に移動させる。これにより、第1ラックである、ラック200Aは、第2ラックに変わる。第2ラックである、ラック200Dは、第1ラックに変わる。
【0207】
第1作業の対象がラック200Bの前側又はラック200Cの後側であることを示す作業情報が受け付けられた場合、移動制御部292は、
図34から
図38までのラックシステム20の態様が実現されるように、ラック200B及びラック200Cを制御する。
【0208】
図25及び
図28から
図33までのラックシステム20の態様である場合、移動制御部292は、ラック200Bを略マイナスX方向に移動させる。これにより、第2ラックである、ラック200Aは、第1ラックに変わる。ラック200Dは、第1ラックであるまま変わらない。
【0209】
図34から
図38までのラックシステム20の態様が既に実現されている場合、移動制御部292は、ラック200B及びラック200Cを移動させない。ラック200A及びラック200Dは、第1ラックのまま変わらない。
【0210】
図39から
図43までのラックシステム20の態様である場合、移動制御部292は、ラック200Cを略X方向に移動させる。これにより、第2ラックである、ラック200Dは、第1ラックに変わる。ラック200Aは、第1ラックであるまま変わらない。
【0211】
第1作業の対象がラック200Cの前側又はラック200Dであると示す作業情報が受け付けられた場合、移動制御部292は、
図39から
図43までのラックシステム20の態様が実現されるように、ラック200B及びラック200Cを制御する。
【0212】
図25及び
図28から
図33までのラックシステム20の態様である場合、移動制御部292は、ラック200B及びラック200Cを略マイナスX方向に移動させる。第1ラックである、ラック200Dは、第2ラックに変わる。第2ラックである、ラック200Aは、第1ラックに変わる。
【0213】
図34から
図38までのラックシステム20の態様である場合、移動制御部292は、ラック200Cを略マイナスX方向に移動させる。第1ラックである、ラック200Dは、第2ラックに変わる。ラック200Aは、第1ラックであるまま変わらない。
【0214】
図39から
図43までのラックシステム20の態様が既に実現されている場合、移動制御部292は、ラック200B及びラック200Cを移動させない。ラック200A及びラック200Bは、第1ラックであるまま変わらない。ラック200Dは、第2ラックであるまま変わらない。
【0215】
ラックシステム20においては、可動ラック(ラック200B、ラック200C)がどこに移動されても、常に、第1ラックが存在する。なお、ラックシステム20の態様は、
図25及び
図28から
図43までのラックシステム20の態様に限定されない。可動ラックが、第1ガイドレール171C及び第1ガイドレール171Dと、第2ガイドレール172A及び第2ガイドレール172Bとにガイドされてスライドされることにより、様々な態様が実現され得る。
【0216】
(2-2-2-2)終了情報に基づく制御
終了情報が受け付けられた場合、移動制御部292は、
図25及び
図28から
図33までのラックシステム20の態様が実現されるように、ラック200B及びラック200Cを前壁11に対して略垂直方向に移動させる。言い換えると、移動制御部292は、第1作業が終了された後に、
図25及び
図28から
図33までのラックシステム20の態様が実現されるように、ラック200B及びラック200Cを前壁11に対して略垂直方向に移動させる。これにより、ラック200Aと、ラック200Bと、ラック200Cと、ラック200Dとは、開口Oに対面しなくなる。
【0217】
図25及び
図28から
図33までのラックシステム20の態様が既に実現されている場合、移動制御部292は、ラック200B及びラック200Cを移動させない。
図34から
図38までのラックシステム20の態様である場合、移動制御部292は、ラック200Bを略X方向に移動させる。
図39から
図43までのラックシステム20の態様である場合、移動制御部292は、ラック200B及びラック200Cを略X方向に移動させる。
【0218】
(2-2-2-3)購入注文に基づく制御
購入する植物Pの位置がラック200A又はラック200Bの後側であることを示す購入注文が受け付けられた場合、移動制御部292は、
図25及び
図28から
図33までのラックシステム20の態様が実現されるように、ラック200B及びラック200Cを制御する。
【0219】
購入する植物Pの位置がラック200Bの前側又はラック200Cの後側であることを示す購入注文が受け付けられた場合、移動制御部292は、
図34から
図38までのラックシステム20の態様が実現されるように、ラック200B及びラック200Cを制御する。
【0220】
購入する植物Pの位置がラック200Cの前側又はラック200Dであることを示す購入注文が受け付けられた場合、移動制御部292は、
図39から
図43までのラックシステム20の態様が実現されるように、ラック200B及びラック200Cを制御する。
【0221】
(3)動作
人又は装置が第1作業を行う場合と、購入注文が受け付けられた場合と、における設備2の動作について説明する。以下の動作において、ラックシステム20の態様は、
図25及び
図28から
図33までのラックシステム20の態様である。開口Oから暖められた空気が内部I1に供給されている。そのため、内部I1は植物工場1000の外部より高い温度を維持している。内部I1は、植物Pの栽培に適する環境になっている。
【0222】
(3-1)人又は装置が第1作業を行う場合
図45は、人又は装置が第1作業を行う場合における、設備2の動作を示すフローチャートである。第1作業は、ラック200Aから、ラック200Bの後側、ラック200Bの前側、ラック200Cの後側、ラック200Cの前側、ラック200Dの順に行われる。
【0223】
ラック200Aの通路Aは、既に確保されている。人又は装置は、出入口121及び通路Aによりラック200Aの前に移動する。人又は装置は、ラック200Aに対する第1作業を開始する。ラック200Aに対する第1作業が終了された後、ラック200Bの後側の通路Aも既に確保されているため、人又は装置は、ラック200Bの後側に対する第1作業を開始する。ラック200Bの後側に対する第1作業が終了された後、人又は装置は通路Aから離れる。
【0224】
人又は装置は、第1作業の対象がラック200Bの前側であることを示す作業情報を制御装置29に入力する。受付部291は、第1作業の対象がラック200Bの前側であることを示す作業情報を受け付ける。移動制御部292は、ラック200Bを略マイナスX方向に移動させる(ステップS11)。これにより、移動制御部292は、
図34から
図38までのラックシステム20の態様を実現させる。
【0225】
人又は装置は、通路Aによりラック200Bの前に移動する。人又は装置は、ラック200Bの前側に対する第1作業を開始する。ラック200Bの前側に対する第1作業が終了された後、ラック200Cの後側の通路Aも既に確保されているため、人又は装置は、ラック200Cの後側に対する第1作業を開始する。ラック200Cの後側に対する第1作業が終了された後、人又は装置は通路Aから離れる。
【0226】
人又は装置は、第1作業の対象がラック200Cの前側であることを示す作業情報を制御装置29に入力する。受付部291は、第1作業の対象がラック200Cの前側であることを示す作業情報を受け付ける。移動制御部292は、ラック200Cを略マイナスX方向に移動させる(ステップS12)。これにより、移動制御部292は、
図39から
図43までのラックシステム20の態様を実現させる。
【0227】
人又は装置は、通路Aによりラック200Cの前に移動する。人又は装置は、ラック200Cの前側に対する第1作業を開始する。ラック200Cの前側に対する第1作業が終了された後、ラック200Dの通路Aも既に確保されているため、人又は装置は、ラック200Dに対する第1作業を開始する。ラック200Dに対する第1作業が終了された後、人又は装置は通路Aから離れる。
【0228】
人又は装置は、終了情報を制御装置29に入力する。受付部291は、終了情報を受け付ける。移動制御部292は、ラック200B及びラック200Cを略X方向に移動させる(ステップS13)。これにより、移動制御部292は、
図25及び
図28から
図33までのラックシステム20の態様を実現させる。開口Oは、4つのラック(ラック200A、ラック200B、ラック200C、ラック200D)と対面しなくなる。
【0229】
(3-2)購入注文が受け付けられた場合
図46は、購入注文が受け付けられた場合における、設備2の動作を示すフローチャートである。植物Pを購入するユーザは、端末に植物Pの購入注文を入力する。購入注文は、購入する植物Pの位置がラック200Cの前側であることを示す。購入注文は、端末から制御装置29に送信される。受付部291は、購入注文を受け付ける(ステップS21)。
【0230】
移動制御部292は、
図39から
図43までのラックシステム20の態様が実現されるように、ラック200B及びラック200Cを略マイナスX方向に移動させる(ステップS22)。
【0231】
人又は装置は、出入口121及び通路Aによりラック200Cの前に移動する。人又は装置は、購入注文にかかる植物Pに対する収穫作業を開始する。人又は装置は、購入注文にかかる植物Pを収穫する。購入注文にかかる植物Pの収穫作業が終了された後、人又は装置は通路Aから離れる。
【0232】
人又は装置は、終了情報を制御装置29に入力する。受付部291は、終了情報を受け付ける。移動制御部292は、
図25及び
図28から
図33までのラックシステム20の態様が実現されるように、ラック200B及びラック200Cを略X方向に移動させる(ステップS23)。開口Oは、4つのラック(ラック200A、ラック200B、ラック200C、ラック200D)と対面しなくなる。
【0233】
(4)特徴
(4-1)
ラックシステム20は、他の構造物の天井15に固定され、第1縦壁に対して略垂直方向に伸びる、第2ガイドレール172A及び第2ガイドレール172B、をさらに備える。可動ラックは、第1ガイドレール171C及び第1ガイドレール171Dと、第2ガイドレール172A及び第2ガイドレール172Bとにガイドされてスライドされることにより、第1縦壁に対して略垂直方向に移動される。
【0234】
縦方向(Y方向)のスペースを活用するため、高さの高い可動ラックが用いられる。高さの高い可動ラックは、移動時に構造的に不安定な場合がある。ラックシステム20は、天井15に固定された、第2ガイドレール172A及び第2ガイドレール172Bも用いて可動ラックを移動させる。ラックシステム20は、縦方向のスペースの活用を容易にし、植物Pの栽培にかかる省スペース及び省エネルギーを実現できる。
【0235】
(4-2)
ラックシステム20は、可動ラックのうち、少なくとも1つのラックが、第1縦壁側と、第1縦壁に対向する、他の構造物の第2縦壁側と、の両側から、通路Aを要するラックである第3ラック、である。
【0236】
可動ラックが可動ラックの前方向に移動すると、可動ラックの前側の通路がなくなり、可動ラックの後側の通路が確保される。可動ラックの前側及び可動ラックの後側、の両側のスペースの態様が変化する。そのため、可動ラックの片側(例えば、当該可動ラックの前側)から通路が確保されている状態で、当該可動ラックを移動させると、他の片側(例えば、当該可動ラックの後側)から当該可動ラックの通路が再度確保される場合がある。当該通路は無駄となり得る。
【0237】
ラックシステム20は、ラック200B及びラック200Cが、前壁11側と、後壁14側と、の両側から通路Aを要する第3ラックである。そのため、ラックシステム20は、可動ラックの移動を効率化することができ、植物Pにかかる省エネルギーをより実現できる。
【0238】
(4-3)
ラックシステム20は、第1縦壁から、第1縦壁に対して略垂直方向に最短距離に存在するラックが、第3ラックではない。第2縦壁から、第2縦壁に対して略垂直方向に最短距離に存在するラックは、第3ラックではない。
【0239】
縦壁に対して最短距離に存在するラックが第3ラックである場合、縦壁と当該ラックの間に通路を要する。しかし、縦壁は通路を要しないため、当該通路の片側が無駄になる。
【0240】
ラックシステム20は、前壁11に対して最短距離のラック200D及び後壁14に対して最短距離のラック200Aが、第3ラックではない。そのため、ラックシステム20は、通路として両側とも役割を果たせる通路Aを確保できる。また、ラックシステム20は、可動ラックを一部に限定することができ、可動ラックの可動距離を短くすることができる。従って、ラックシステム20は、省エネルギーをさらに実現できる。
【0241】
(4-4)
制御装置29は、3つ以上のラックにおいて栽培される植物Pに対する購入注文を受け付ける受付部291、をさらに備える。移動制御部292は、受付部291が購入注文を受け付けた場合、可動ラックが第1縦壁に対して略垂直方向に移動されて、3つ以上のラックのうち、購入注文にかかる通路Aを確保するようにさらに制御する。
【0242】
ラックで栽培される植物の購入注文に対して即時の対応を要する場合がある。人が購入注文の内容を確認して、購入注文の内容に基づいて可動ラックを制御すると、制御に時間を要し、手間もかかる。
【0243】
制御装置29は、購入注文が受け付けられた場合、購入注文にかかる通路Aを確保するように制御する。そのため、制御装置29は、購入注文にかかる作業時間を短縮し、手間を減らすことができる。
【0244】
(5)変形例
第2実施形態の変形例について、第2実施形態と同様な点については説明を省略して、第2実施形態との相違点を中心に説明する。
【0245】
(5-1)変形例2A
受付部291は、入力装置(図示せず)を介して、人又は装置から移動情報を受け付けてもよい。なお、受付部291は、ネットワークを介してサーバー又はクラウドから、移動情報を受け付けてもよい。
【0246】
(5-2)変形例2B
設備2は、制御装置29を備えなくてもよい。この場合、可能ラックは人力により、前壁11に対して略垂直方向に移動される。
【0247】
(5-3)変形例2C
設備2は、植物工場1000の代わりに、ビニールハウス2000を備えてもよい。なお、設備2は、ビニールハウス2000の代わりに、温室(ガラス温室、プラスチックフィルム温室など)を備えてもよい。なお、ビニールハウス2000は、建築物であっても、建築物でなくてもよい。
【0248】
ビニールハウス2000の内部I2には、ラックシステム20が主に設けられる。ラックシステム20は、第2実施形態と、変形例2Aの実施形態と、変形例2Bの実施形態との何れかのラックシステム20と同様である。
【0249】
ビニールハウス2000は、前壁11と、左側壁12と、右側壁13と、後壁14と、天井15と、一つ又は複数の照明(図示せず)とを主に有する。ビニールハウス2000の構成要素の構造及び機能については、天井15の形状を除き、第2実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0250】
(5-4)変形例2D
(5-4-1)構造
設備2は、植物工場1000の代わりに、キノコ栽培施設3000を備えてもよい。キノコ栽培施設3000の内部I3には、ラックシステム20が主に設けられる。ラックシステム20は、ラックで植物Pの代わりにキノコMが栽培される点を除き、第2実施形態と、変形例2Aの実施形態と、変形例2Bの実施形態との何れかのラックシステム20と同様である。
【0251】
キノコ栽培施設3000は、前壁11と、左側壁12と、右側壁13と、後壁14と、天井15と、一つ又は複数の照明(図示せず)とを主に有する。キノコ栽培施設3000の構成要素の構造及び機能については、第2実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0252】
4つのラック(ラック200A、ラック200B、ラック200C、ラック200D)には、菌糸瓶Bが置かれる。菌糸瓶BでキノコMが栽培される。なお、キノコMは、菌糸瓶Bの代わりに菌床バッグで栽培されてもよい。なお、キノコMは、菌糸瓶Bの代わりに木で栽培されてもよい。
【0253】
第1作業とは、キノコMに対する人又は装置によるキノコ作業である。通路Aは、キノコ作業が行われる場合に人又は装置に用いられる。購入注文とは、購入するキノコMの位置を示す情報である。
【0254】
(5-4-2)特徴
制御装置29は、3つ以上のラックにおいて栽培されるキノコMに対する購入注文を受け付ける受付部291、をさらに備える。移動制御部292は、受付部291が購入注文を受け付けた場合、可動ラックが第1縦壁に対して略垂直方向に移動されて、3つ以上のラックのうち、購入注文にかかる通路Aを確保するようにさらに制御する。
【0255】
ラックで栽培されるキノコの購入注文に対して即時の対応を要する場合がある。制御装置29は、購入注文にかかる作業時間を短縮し、手間を減らすことができる。
【0256】
(5-5)変形例2E
(5-5-1)構造
設備2は、植物工場1000の代わりに、倉庫4000を備えてもよい。倉庫4000の内部I4には、ラックシステム20が主に設けられる。ラックシステム20は、ラックで植物Pが栽培される点の代わりに商品Gが保管される点を除き、第2実施形態と、変形例2Aの実施形態と、変形例2Bの実施形態との何れかのラックシステム20と同様である。なお、商品Gとは、段ボール箱などにより包装された商品を含む。
【0257】
倉庫4000は、前壁11と、左側壁12と、右側壁13と、後壁14と、天井15と、一つ又は複数の照明(図示せず)とを主に有する。倉庫4000の構成要素の構造及び機能については、第2実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0258】
第1作業とは、商品Gに対する人又は装置(ロボット、車両など)よる倉庫作業である。通路Aは、倉庫作業が行われる場合に人又は装置に用いられる。購入注文とは、購入する商品Gの位置を示す情報である。
【0259】
(5-5-2)特徴
制御装置29は、3つ以上のラックにおいて保管される商品Gに対する購入注文を受け付ける受付部291、をさらに備える。移動制御部292は、受付部291が購入注文を受け付けた場合、可動ラックが第1縦壁に対して略垂直方向に移動されて、3つ以上のラックのうち、購入注文にかかる通路Aを確保するようにさらに制御する。
【0260】
ラックで保管される商品の購入注文に対して即時の対応を要する場合がある。制御装置29は、購入注文にかかる作業時間を短縮し、手間を減らすことができる。
【0261】
<第3実施形態>
(1)全体構成
第3実施形態に係る設備3の全体構成について説明する。以下、第1実施形態と第3実施形態とが同様な点については説明を省略して、第1実施形態と第3実施形態とが相違な点を中心に説明する。
図47は、設備3の全体構成を示す斜視図である。設備3は、植物工場1000と、センサーY1及びセンサーY2と、制御装置39とを主に備える。
【0262】
(1-1)植物工場
植物工場1000の内部I1には、ラックシステム30が主に設けられる。ラックシステム30の詳細については後述する。植物工場1000の構成については、開口O1及び開口O2を除き、第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0263】
左側壁12には、開口O1及び開口O2が設けられる。開口O1及び開口O2は、空気調和機(図示せず)から空気調和された空気を内部I1に供給するための開口である。
【0264】
なお、開口O1及び開口O2は、前壁11と、左側壁12と、右側壁13と、後壁14との少なくとも何れかにも設けられてもよい。なお、開口O1及び開口O2は設けられなくてもよい。なお、開口O1及び開口O2は、植物工場1000の構成要素に設けられる孔により形成される態様だけでなく、内部I1に存在する空気調和機に設けられる孔により形成されてもよい。言い換えると、開口O1及び開口O2は、内部I1に存在する空気調和機の吹出口であってもよい。なお、開口の数は、2つ(開口O1及び開口O2)に限定されない。開口は、3つ以上であってもよい。
【0265】
(1-2)センサー
センサーY1及びセンサーY2は、通路Aにおける人又は装置の存在を検知して、検知情報を生成する。センサーY1及びセンサーY2の例としては、赤外線センサー、画像センター、熱センサー、電磁センサーなどが挙げられるが、これに限定されない。検知情報は、通路Aにおける人又は装置の存在を示す情報である。なお、検知情報は、通路Aにおいて人又は装置が存在するか否かを示す情報であってもよい。
【0266】
センサーY1及びセンサーY2は、左側壁12に設けられるが、これに限定されない。センサーY1及びセンサーY2は、通路Aにおける人又は装置の存在を検知できる他の場所に設けられてもよい。例えば、センサーY1及びセンサーY2は、床Fと、右側壁13と、天井15と、ラックシステム30の各ラックとの少なくとも何れかに設けられてもよい。
【0267】
(1-3)制御装置
制御装置39は、ラックシステム30を主に制御する。制御装置39は、有線又は無線により、ラックシステム30に接続する。制御装置39の詳細については後述する。なお、制御装置39は、内部I1に設けられてもよい。なお、制御装置39は、サーバーやクラウド上に設けられてもよい。なお、制御装置39は、複数の植物工場1000に設けられたラックシステム30と接続してもよい。
【0268】
(2)詳細構成
(2-1)ラックシステム
ラックシステム30の詳細構成について説明する。ラックシステム30は、ラック300Aと、ラック300Bと、ラック300Cと、ラック300Dとを主に備える。なお、ラックシステム30が備えるラックの数は、3つ以上であればよく、4つに限定されない。
【0269】
ラック300Aの構造と、ラック300Dの構造とは、Y方向及びZ方向に伸びる面に対する略面対称である。ラック300Bの構造と、ラック300Cの構造とは、同様である。ラック300Aの機能と、ラック300Dの機能とは、同様である。ラック300Bの機能と、ラック300Cの機能とは、同様である。以下、ラック300Aの構造及び機能と、ラック300Bの構造及び機能について説明する。
【0270】
(2-1-1)ラック300A
図48は、ラック300Aの詳細構成を示す斜視図である。ラック300Aは、床Fに対して略垂直に並ぶ複数の台Sを有する。例えば、ラック300Aは、床Fに対して略垂直に並ぶ6つの台Sを有する。各台Sの上において植物Pが栽培される。植物Pは、ラック300A上の土(図示せず)に植えられるか、ラック300A上の養液(図示せず)に浸される。ラック300Aには植物Pの光源となる照明装置(図示せず)が設けられてもよい。ラック300Aは、可動ラックではない。
【0271】
(2-1-2)ラック300B
図49は、ラック300Bの詳細構成を示す斜視図である。ラック300Bは、床Fに対して略垂直に並ぶ複数の台Sを有する。例えば、ラック300Bは、床Fに対して略垂直に並ぶ6つの台Sを有する。各台Sの上において植物Pが栽培される。植物Pは、ラック300B上の土(図示せず)に植えられるか、ラック300B上の養液(図示せず)に浸される。ラック300Bには植物Pの光源となる照明装置(図示せず)が設けられてもよい。
【0272】
また、ラック300Bには、第1車輪181Aと、第1車輪181Bと、第1車輪181Cと、第1車輪181Dと、第2車輪182Aと、第2車輪182Bと、第2車輪182Cと、第2車輪182Dとが付いている。
【0273】
第1車輪181Aと、第1車輪181Bと、第1車輪181Cと、第1車輪181Dとは、床Fに接する車輪である。第1車輪181Aと、第1車輪181Bと、第1車輪181Cと、第1車輪181Dとの回転軸(図示せず)は、前壁11に対して略平行である。
【0274】
第2車輪182Aと、第2車輪182Bと、第2車輪182Cと、第2車輪182Dとは、天井15に接する車輪である。第2車輪182Aと、第2車輪182Bと、第2車輪182Cと、第2車輪182Dとの回転軸(図示せず)は、前壁11に対して略平行である。
【0275】
第1車輪181Aと、第1車輪181Bと、第1車輪181Cと、第1車輪181Dと、第2車輪182Aと、第2車輪182Bと、第2車輪182Cと、第2車輪182Dとが回転されることにより、ラック300Bは、前壁11に対して略垂直方向に移動される。ラック300Bは、可動ラックである。
【0276】
なお、ラック300Bに付いている車輪(第1車輪181A、第1車輪181B、第1車輪181C、第1車輪181D、第2車輪182A、第2車輪182B、第2車輪182C、第2車輪182D)の数は上記の例に限定されない。
【0277】
(2-1-3)ラックシステムの様々な態様
ラックシステム30の様々な態様について説明する。
図50は、ラックシステム30の詳細構成を示す正面図である。
図51は、ラックシステム30の詳細構成を示す背面図である。
図52は、ラックシステム30の詳細構成を示す左側面図である。
図53は、ラックシステム30の詳細構成を示す右側面図である。
図54は、ラックシステム30の詳細構成を示す平面図である。
図55は、設備3のうち、4つのラック(ラック300A、ラック300B、ラック300C、ラック300D)を除く構成を示す概略構成図である。
【0278】
ラック300Aは、前壁11及び後壁14に対して略平行である。ラック300Aは、後壁14に対して略垂直方向に最短距離に存在するラックである。ラック300Aは、ラック300B及びラック300Cにより、前壁11が伸びる略水平方向に長い。
【0279】
ラック300Aは、左側壁12からラック300Aまでの最短距離が0cm以上5cm以下の値になるように設けられるが、これに限定されない。ラック300Aは、右側壁13からラック300Aまでの最短距離が0cm以上5cm以下の値になるように設けられるが、これに限定されない。ラック300Aは、後壁14からラック300Aまでの最短距離が0cm以上5cm以下の値になるように設けられるが、これに限定されない。
【0280】
ラック300Aの前においては、スペースが存在するが、通路Aの奥行きまでは確保されていない。そのため、ラック300Aの前には通路Aは存在しない。ラック100Aは、第1ラックである。
【0281】
ラック300Bは、前壁11及び後壁14に対して略平行である。ラック300Bの移動方向は、前壁11に対して略垂直方向である。そのため、ラック300Bは、移動されても、前壁11及び後壁14に対して略平行である。ラック300Bは、ラック300A及びラック300Dにより、前壁11が伸びる略水平方向に短い。
【0282】
ラック300Bは、左側壁12からラック300Bまでの最短距離が通路Aの奥行き以上となるように設けられるが、これに限定されない。ラック300Bは、右側壁13からラック300Bまでの最短距離が0cm以上5cm以下の値になるように設けられるが、これに限定されない。
【0283】
ラック300Bの前に通路Aは存在しない。ラック300Bの後においては、スペースが存在するが、通路Aの奥行きまでは確保されていない。そのため、ラック300Bの後にも通路Aは存在しない。ラック300Bは、第1ラックである。
【0284】
ラック300Cは、前壁11及び後壁14に対して略平行である。ラック300Cの移動方向は、前壁11に対して略垂直方向である。そのため、ラック300Cは、移動されても、前壁11及び後壁14に対して略平行である。ラック300Cは、ラック300A及びラック300Dにより、前壁11が伸びる略水平方向に短い。
【0285】
ラック300Cは、左側壁12からラック300Cまでの最短距離が通路Aの奥行き以上となるように設けられるが、これに限定されない。ラック300Cは、右側壁13からラック300Cまでの最短距離が0cm以上5cm以下の値になるように設けられるが、これに限定されない。
【0286】
ラック300Cの後に通路Aは存在しない。ラック300Cの前においては、スペースが存在するが、通路Aの奥行きまでは確保されていない。そのため、ラック300Cの前にも通路Aは存在しない。ラック300Cは、第1ラックである。
【0287】
ラック300Dは、前壁11及び後壁14に対して略平行である。ラック300Dは、前壁11に対して略垂直方向に最短距離に存在するラックである。ラック300Dは、ラック300B及びラック300Cにより、前壁11が伸びる略水平方向に長い。
【0288】
ラック300Dは、左側壁12からラック300Dまでの最短距離が0cm以上5cm以下の値になるように設けられるが、これに限定されない。ラック300Dは、右側壁13からラック300Dまでの最短距離が0cm以上5cm以下の値になるように設けられるが、これに限定されない。ラック300Dは、前壁11からラック300Dまでの最短距離が0cm以上5cm以下の値になるように設けられるが、これに限定されない。
【0289】
ラック300Dの後においては、スペースが存在するが、通路Aの奥行きまでは確保されていない。そのため、ラック300Dには通路Aが存在しない。ラック300Dは、第1ラックである。
【0290】
ラック300Bからラック300Cまでの最短距離は0cm以上5cm以下の値であるが、これに限定されない。
【0291】
ラック300Aと、ラック300Bと、ラック300Cと、ラック300Dとは、開口O1及び開口O2と対面しない。
【0292】
ラック300B及びラック300Cから、左側壁12まで通路Aの奥行き以上の最短距離が確保されるため、通路Aから出入口121までの道も確保されている。
【0293】
図47及び
図50から
図55までのラックシステム30の態様とは異なる、ラックシステム30の態様について説明する。
図56は、設備3の全体構成を示す斜視図である。
図57は、ラックシステム30の詳細構成を示す左側面図である。
図58は、ラックシステム30の詳細構成を示す右側面図である。
図59は、ラックシステム30の詳細構成を示す平面図である。
図60は、設備3のうち、4つのラック(ラック300A、ラック300B、ラック300C、ラック300D)を除く構成を示す概略構成図である。ラックシステム30の詳細構成を示す正面図及び背面図については、
図50及び
図51と同様であるため省略する。
【0294】
ラック300Aの前には、通路Aが存在する。ラック300Aは、第2ラックである。ラック300Bの後には、通路Aが存在する。ラック300Bは、第2ラックである。ラック300Cの前及びラック300Cの後には、通路Aが存在しない。ラック300Cは、第1ラックである。ラック300Dの前及びラック300Dの後には、通路Aが存在しない。ラック300Dは、第1ラックである。
【0295】
ラック300Aからラック300Bまでの最短距離は、通路Aの奥行き以上である。ラック300Bからラック300Cまでの最短距離は0cm以上5cm以下の値であるが、これに限定されない。ラック300Cからラック300Dまでの最短距離は0cm以上5cm以下の値であるが、これに限定されない。
【0296】
ラック300Aと、ラック300Bと、ラック300Cと、ラック300Dとは、開口O1に対面しない。ラック300Aと、ラック300Bと、ラック300Dとは、開口O2に対面しない。ラック300Cは、開口O2に対面する。
【0297】
ラック300B及びラック300Cから、左側壁12まで通路Aの奥行き以上の最短距離が確保されるため、通路Aから出入口121までの道も確保されている。
【0298】
図47及び
図50から
図55までのラックシステム30の態様及び
図56から
図60までのラックシステム30の態様とは異なる、ラックシステム30の態様について説明する。
図61は、設備3の全体構成を示す斜視図である。
図62は、ラックシステム30の詳細構成を示す左側面図である。
図63は、ラックシステム30の詳細構成を示す右側面図である。
図64は、ラックシステム30の詳細構成を示す平面図である。
図65は、設備3のうち、4つのラック(ラック300A、ラック300B、ラック300C、ラック300D)を除く構成を示す概略構成図である。ラックシステム30の詳細構成を示す正面図及び背面図については、
図50及び
図51と同様であるため省略する。
【0299】
ラック300Aの前には、通路Aが存在しない。ラック300Aは、第1ラックである。ラック300Bの前及びラック300Bの後には、通路Aが存在しない。ラック300Bは、第1ラックである。ラック300Cの前には、通路Aが存在する。ラック300Cは、第2ラックである。ラック300Dの後には、通路Aが存在する。ラック300Dは、第2ラックである。
【0300】
ラック300Aからラック300Bまでの最短距離は0cm以上5cm以下の値であるが、これに限定されない。ラック300Bからラック300Cまでの最短距離は0cm以上5cm以下の値であるが、これに限定されない。ラック300Cからラック300Dまでの最短距離は、通路Aの奥行き以上である。
【0301】
ラック300Aと、ラック300Bと、ラック300Cと、ラック300Dとは、開口O2に対面しない。ラック300Aと、ラック300Cと、ラック300Dとは、開口O1に対面しない。ラック300Bは、開口O1に対面する。
【0302】
ラック300B及びラック300Cから、左側壁12まで通路Aの奥行き以上の最短距離が確保されるため、通路Aから出入口121までの道も確保されている。
【0303】
(2-2)制御装置
制御装置39の詳細構成について説明する。
図66は、制御装置39の機能ブロック図である。制御装置39は、受信部390と、受付部391と、移動制御部392と、記憶部393とを主に備える。
【0304】
(2-2-1)受信部
受信部390は、センサーY1及びセンサーY2から、検知情報を受信する。
【0305】
(2-2-2)受付部
受付部391は、入力装置(図示せず)を介して、人又は装置から作業情報と、開始情報と、終了情報とを受け付ける。開始情報とは、第1作業の開始される時刻である開始時刻及び第1作業の対象のラック、を示す情報である。受付部391は、受け付けた開始情報を記憶部393に記録する。
【0306】
なお、受付部391は、ネットワークを介してサーバー又はクラウドから、作業情報と、終了情報と、開始情報との少なくとも何れかを受け付けてもよい。なお、開始情報は、年月日と、月日と、日と、曜日との少なくとも何れかを、開始時刻と関連付けた情報を含んでもよい。
【0307】
(2-2-3)移動制御部
移動制御部392は、作業情報に基づいて、ラック300B及びラック300Cが前壁11に対して略垂直方向に移動されるように制御する。移動制御部392は、開始時刻の前に、ラック300B及びラック300Cが前壁11に対して略垂直方向に移動されて、第1作業の対象のラックに対する通路Aを確保するように制御する。移動制御部392は、終了情報に基づいて、ラック300Aと、ラック300Bと、ラック300Cと、ラック300Dとが開口O1及び開口O2に対面しないように、ラック300B及びラック300Cが前壁11に対して略垂直方向に移動されるように制御する。移動制御部392は、受信部390が検知情報を受信した場合、ラック300B及びラック300Cが前壁11に対して略垂直方向に移動されないように制御する。
【0308】
以下、移動制御部392の制御について、作業情報に基づく制御と、開始情報に基づく制御と、終了情報に基づく制御と、検知情報に基づく制御とに分けて説明する。
【0309】
(2-2-3-1)作業情報に基づく制御
第1作業の対象がラック300A又は300Bであることを示す作業情報が受け付けられた場合、移動制御部392は、
図56から
図60までのラックシステム30の態様が実現されるように、ラック300B及びラック300Cを制御する。
【0310】
図47及び
図50から
図55までのラックシステム30の態様である場合、移動制御部392は、ラック300B及びラック300Cを略X方向に移動させる。これにより、第1ラックである、ラック300A及びラック300Bは、第2ラックに変わる。ラック300C及びラック300Dは、第1ラックであるまま変わらない。
【0311】
図56から
図60までのラックシステム30の態様が既に実現されている場合、移動制御部392は、ラック300B及びラック300Cを移動させない。ラック300C及びラック300Dは、第1ラックのまま変わらない。ラック300A及びラック300Bは、第2ラックのまま変わらない。
【0312】
図61から
図65までのラックシステム30の態様である場合、移動制御部392は、ラック300B及びラック300Cを略X方向に移動させる。これにより、第1ラックである、ラック300A及びラック300Bは、第2ラックに変わる。第2ラックである、ラック300C及びラック300Dは、第1ラックに変わる。
【0313】
第1作業の対象がラック300C又は300Dであることを示す作業情報が受け付けられた場合、移動制御部392は、
図61から
図65までのラックシステム30の態様が実現されるように、ラック300B及びラック300Cを制御する。
【0314】
図47及び
図50から
図55までのラックシステム30の態様である場合、移動制御部392は、ラック300B及びラック300Cを略マイナスX方向に移動させる。これにより、第1ラックである、ラック300C及びラック300Dは、第2ラックに変わる。ラック300A及びラック300Bは、第1ラックであるまま変わらない。
【0315】
図56から
図60までのラックシステム30の態様である場合、移動制御部392は、ラック300B及びラック300Cを略マイナスX方向に移動させる。これにより、第1ラックである、ラック300C及びラック300Dは、第2ラックに変わる。第2ラックである、ラック300A及びラック300Bは、第1ラックに変わる。
【0316】
図61から
図65までのラックシステム10の態様が既に実現されている場合、移動制御部392は、ラック300B及びラック300Cを移動させない。ラック300A及びラック300Bは、第1ラックのまま変わらない。ラック300C及びラック300Dは、第2ラックのまま変わらない。
【0317】
ラックシステム30においては、可動ラック(ラック300B、ラック300C)がどこに移動されても、常に、第1ラックが存在する。なお、ラックシステム30の態様は、
図47及び
図50から
図65までのラックシステム30の態様に限定されない。第1車輪181Aと、第1車輪181Bと、第1車輪181Cと、第1車輪181Dと、第2車輪182Aと、第2車輪182Bと、第2車輪182Cと、第2車輪182Dが回転されることにより、可動ラックが移動されて様々な態様が実現され得る。
【0318】
(2-2-3-2)開始情報に基づく制御
移動制御部392は、記憶部393の開始情報を読み込む。移動制御部392は、開始情報に基づいて、開始時刻と、第1作業の対象のラックとを特定する。移動制御部392は、開始時刻の前に、ラック300B及びラック300Cが前壁11に対して略垂直方向に移動されて、第1作業の対象のラックに対する通路Aを確保するように制御する。開始時刻の前の例としては、開始時刻の30秒以上5分以下の時刻が挙げられるが、これに限定されない。
【0319】
開始情報における第1作業の対象がラック300A又はラック300Bである場合、移動制御部392は、開始時刻までに、
図56から
図60までのラックシステム30の態様が実現されるように、ラック300B及びラック300Cを制御する。開始情報における第1作業の対象がラック300C又はラック300Dである場合、移動制御部392は、開始時刻までに、
図61から
図65までのラックシステム30の態様が実現されるように、ラック300B及びラック300Cを制御する。
【0320】
(2-2-3-3)終了情報に基づく制御
終了情報が受け付けられた場合、移動制御部392は、
図47及び
図50から
図55までのラックシステム30の態様が実現されるように、ラック300B及びラック300Cを前壁11に対して略垂直方向に移動させる。言い換えると、移動制御部392は、第1作業が終了された後に、
図47及び
図50から
図55までのラックシステム30の態様が実現されるように、ラック300B及びラック300Cを前壁11に対して略垂直方向に移動させる。ラック300Aと、ラック300Bと、ラック300Cと、ラック300Dとは、開口O1及び開口O2に対面しなくなる。
【0321】
図47及び
図50から
図55までのラックシステム30の態様が既に実現されている場合、移動制御部392は、ラック300B及びラック300Cを移動させない。
図56から
図60までのラックシステム30の態様である場合、移動制御部392は、ラック300B及びラック300Cを略マイナスX方向に移動させる。
図61から
図65までのラックシステム30の態様である場合、移動制御部392は、ラック300B及びラック300Cを略X方向に移動させる。
【0322】
(2-2-3-4)検知情報に基づく制御
受信部390が検知情報を受信した場合、移動制御部392は、ラック300B及びラック300Cが移動しないように制御する。検知情報に基づく制御は、他の制御より優先的に行われる。言い換えると、検知情報に基づく制御は、作業情報に基づく制御と、開始情報に基づく制御と、終了情報に基づく制御とにより優先的に行われる。そのため、通路Aに人又は装置が存在する場合、移動制御部392は、作業情報に基づく制御と、開始情報に基づく制御と、終了情報に基づく制御とを行わず、ラック300B及びラック300Cが移動しないように制御する。
【0323】
(2-2-4)記憶部
記憶部393は、開始情報を記憶する。記憶部393の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などが挙げられる。
【0324】
(3)動作
人又は装置が第1作業を行う場合における、設備3の動作について説明する。開始情報は、記憶部393に予め記録されている。開始情報は、開始時刻が8時であり、第1作業の対象がラック300Aであることを示す。第1作業は、ラック300A、ラック300B、ラック300C、ラック300Dの順で行われる。
図67は、設備3の動作を示すフローチャートである。ラックシステム30の態様は、
図47及び
図50から
図55までのラックシステム30の態様である。
【0325】
開口O1及び開口O2から暖められた空気が内部I1に供給されている。そのため、内部I1は、植物工場1000の外部より高い温度を維持している。内部I1は、植物Pの栽培に適する環境になっている。
【0326】
移動制御部392は、記憶部393の開始情報を読み込む。移動制御部392は、開始時刻が8時であり、第1作業の対象がラック300Aであることを特定する。
【0327】
開始時刻の3分前の時刻である7時57分になると、移動制御部392は、ラック300B及びラック300Cを略X方向に移動させる(ステップS31)。これにより、移動制御部392は、
図56から
図60までのラックシステム30の態様を実現させる。なお、ステップS31は、開始時刻までに第1作業の対象のラックの通路Aを確保できる時刻に行われればよく、開始時刻の3分前の時刻に限定されない。
【0328】
人又は装置は、開始時刻(8時)になると、ラック300Aの通路Aが予め確保されているため、通路Aによりラック300Aの前に移動できる。人又は装置は、ラック300Aに対する第1作業を開始する。ラック300Aに対する第1作業が終了された後、ラック300Bの通路Aも確保されているため、人又は装置は、ラック300Bに対する第1作業を開始する。ラック300Bに対する第1作業が終了された後、人又は装置は通路Aから離れる。
【0329】
人又は装置は、第1作業の対象がラック300Cであることを示す作業情報を制御装置39に入力する。受付部391は、第1作業の対象がラック300Cであることを示す作業情報を受け付ける。移動制御部392は、ラック300B及びラック300Cを略マイナスX方向に移動させる(ステップS32)。
【0330】
人又は装置は、通路Aによりラック300Cの前に移動する。人又は装置は、ラック300Cに対する第1作業を開始する。ラック300Cに対する第1作業が終了された後、ラック300Dの通路Aも確保されているため、人又は装置は、ラック300Dに対する第1作業を開始する。ラック300Dに対する第1作業が終了された後、人又は装置は通路Aから離れる。
【0331】
人又は装置は、終了情報を制御装置39に入力する。受付部391は、終了情報を受け付ける。移動制御部392は、ラック300B及びラック300Cを略X方向に移動させる(ステップS33)。これにより、移動制御部392は、
図47及び
図50から
図55までのラックシステム30の態様を実現させる。開口O1及び開口O2は、4つのラック(ラック300A、ラック300B、ラック300C、ラック300D)と対面しなくなる。
【0332】
(4)特徴
(4-1)
ラックシステム30は、可動ラックには、他の構造物の床Fに接する、第1車輪181Aと第1車輪181Bと第1車輪181Cと第1車輪181Dとが付いている。可動ラックは、第1車輪181Aと第1車輪181Bと第1車輪181Cと第1車輪181Dとが回転されることにより、第1縦壁に対して略垂直方向に移動される。
【0333】
可動ラックがガイドレールで移動されるためには、予めガイドレールが設けられる必要がある。ラックシステム30の可動ラックは、第1車輪181Aと第1車輪181Bと第1車輪181Cと第1車輪181Dとが回転されることにより移動される。ラックシステム30は、予めガイドレールを設けなくても、可動ラックを移動させることができる。
【0334】
(4-2)
ラックシステム30は、第1車輪181Aと第1車輪181Bと第1車輪181Cと第1車輪181Dとの回転軸が、第1縦壁に対して略平行である。
【0335】
第1車輪181Aと第1車輪181Bと第1車輪181Cと第1車輪181Dとは、前壁11に対して略平行である回転軸を軸に回転される。可動ラックは、前壁11に対して略垂直方向に移動される。そのため、可動ラックが受ける力が分散されず、可動ラックは、前壁11に対して略垂直方向に効率よく移動される。これにより、ラックシステム30は、ラックに対する通路Aをより容易に確保する。
【0336】
(4-3)
ラックシステム30は、可動ラックには、他の構造物の天井15に接する、第2車輪182Aと第2車輪182Bと第2車輪182Cと第2車輪182Dとがさらに付いている。可動ラックは、第1車輪181Aと、第1車輪181Bと、第1車輪181Cと、第1車輪181Dと、第2車輪182Aと、第2車輪182Bと、第2車輪182Cと、第2車輪182Dとが回転されることにより、第1縦壁に対して略垂直方向に移動される。
【0337】
縦方向のスペースを活用するため、高さの高い可動ラックが用いられる。高さの高い可動ラックは、移動時に構造的に不安定な場合がある。ラックシステム30は、天井15に接する、第2車輪182Aと第2車輪182Bと第2車輪182Cと第2車輪182Dとにより可動ラックを移動させる。ラックシステム30は、縦方向のスペースの活用を容易にし、植物Pの栽培にかかる省スペース及び省エネルギーを実現できる。
【0338】
(4-4)
制御装置39は、移動制御部392が、第1作業の開始される時刻である開始時刻の前に、可動ラックが第1縦壁に対して略垂直方向に移動されて、3つ以上のラックのうち、第1作業の対象のラック、に対する通路Aを確保するようにさらに制御する。
【0339】
可動ラックの移動には時間を要する。そのため、可動ラックの移動のため、第1作業が遅延する場合がある。制御装置39は、開始時刻の前に、第1作業の対象のラック、に対する通路Aを確保するように制御する。これにより、制御装置39は、可動ラックの移動にかかる時間を短縮でき、第1作業を効率化できる。
【0340】
(4-5)
制御装置39は、通路Aにおける人又は装置の存在を検知するセンサーY1及びセンサーY2から、通路Aにおける人又は装置の存在を示す検知情報を受信する受信部390、をさらに備える。移動制御部392は、検知情報を受信した場合、可動ラックが第1縦壁に対して略垂直方向に移動されないようにさらに制御する。
【0341】
通路に人又は装置が存在する場合に可動ラックが移動されると、人の怪我又は装置の損傷が発生する場合がある。制御装置39は、検知情報を受信した場合、可動ラックが移動されないように制御する。そのため、制御装置39は、人又は装置の安全を確保できる。
【0342】
(4-6)
制御装置39は、他の構造物には、複数の開口(開口O1及び開口O2)が存在する。移動制御部392は、第1作業が終了された後に、3つ以上のラックが複数の開口に対面しないように、可動ラックが第1縦壁に対して略垂直方向に移動されるようにさらに制御する。
【0343】
ラックが密集して設けられる場合、気流が形成されにくくなり、温度ムラ又は湿度ムラが生じる場合がある。他の構造物には、開口O1及び開口O2が存在する。制御装置39は、第1作業が終了された後に、開口O1及び開口O2に対面しないように、可動ラックが移動されるように制御する。そのため、制御装置39は、複数の開口からの気流により、温度ムラ又は湿度ムラの発生可能性を低くすることができ、内部I1を植物Pの栽培により適する環境にすることができる。
【0344】
(5)変形例
第3実施形態の変形例について、第3実施形態と同様な点については説明を省略して、第3実施形態との相違点を中心に説明する。
【0345】
(5-1)変形例3A
受付部391は、入力装置(図示せず)を介して、人又は装置から移動情報を受け付けてもよい。なお、受付部391は、ネットワークを介してサーバー又はクラウドから、移動情報を受け付けてもよい。
【0346】
(5-2)変形例3B
設備3は、制御装置39を備えなくてもよい。この場合、可能ラックは人力により、前壁11に対して略垂直方向に移動される。
【0347】
(5-3)変形例3C
設備3は、植物工場1000の代わりに、ビニールハウス2000を備えてもよい。なお、設備3は、ビニールハウス2000の代わりに、温室(ガラス温室、プラスチックフィルム温室など)を備えてもよい。なお、ビニールハウス2000は、建築物であっても、建築物でなくてもよい。
【0348】
ビニールハウス2000の内部I2には、ラックシステム30が主に設けられる。ラックシステム30は、第3実施形態と、変形例3Aの実施形態と、変形例3Bの実施形態との何れかのラックシステム30と同様である。
【0349】
ビニールハウス2000は、前壁11と、左側壁12と、右側壁13と、後壁14と、天井15と、一つ又は複数の照明(図示せず)とを主に有する。ビニールハウス2000の構成要素の構造及び機能については、天井15の形状を除き、第3実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0350】
(5-4)変形例3D
設備3は、植物工場1000の代わりに、キノコ栽培施設3000を備えてもよい。キノコ栽培施設3000の内部I3には、ラックシステム30が主に設けられる。ラックシステム30は、ラックで植物Pの代わりにキノコMが栽培される点を除き、第3実施形態と、変形例3Aの実施形態と、変形例3Bの実施形態との何れかのラックシステム30と同様である。
【0351】
キノコ栽培施設3000は、前壁11と、左側壁12と、右側壁13と、後壁14と、天井15と、一つ又は複数の照明(図示せず)とを主に有する。キノコ栽培施設3000の構成要素の構造及び機能については、第3実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0352】
4つのラック(ラック300A、ラック300B、ラック300C、ラック300D)には、菌糸瓶Bが置かれる。菌糸瓶BでキノコMが栽培される。なお、キノコMは、菌糸瓶Bの代わりに菌床バッグで栽培されてもよい。なお、キノコMは、菌糸瓶Bの代わりに木で栽培されてもよい。第1作業とは、キノコMに対する人又は装置によるキノコ作業である。
【0353】
(5-5)変形例3E
設備3は、植物工場1000の代わりに、倉庫4000を備えてもよい。倉庫4000の内部I4には、ラックシステム30が主に設けられる。ラックシステム30は、ラックで植物Pが栽培される点の代わりに商品Gが保管される点を除き、第3実施形態と、変形例3Aの実施形態と、変形例3Bの実施形態との何れかのラックシステム30と同様である。なお、商品Gとは、段ボール箱などにより包装された商品を含む。
【0354】
倉庫4000は、前壁11と、左側壁12と、右側壁13と、後壁14と、天井15と、一つ又は複数の照明(図示せず)とを主に有する。倉庫4000の構成要素の構造及び機能については、第3実施形態と同様であるため説明を省略する。第1作業とは、商品Gに対する人又は装置(ロボット、車両など)よる倉庫作業である。
【0355】
<ハードウェア構成>
上述の各実施形態(第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態)における制御装置(制御装置19、制御装置29、制御装置39)、を実現するためのハードウェア構成の一例について説明する。
図68は、各実施形態におけるハードウェア構成の一例を示す図である。
【0356】
各実施形態における制御装置(制御装置19、制御装置29、制御装置39)は、プロセッサ91と、メモリ92と、記憶/再生装置93と、通信I/F(通信Interface)94と、IOI/F(Input Output Interface)95の各ハードウェアを備えたコンピュータ9を備える。
【0357】
プロセッサ91は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。メモリ92は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の記録媒体である。 記憶/再生装置93は、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、フラッシュメモリ等の外部メディアへプログラム、データ等を記憶したり、外部メディアのプログラム、データ等を再生したりするための装置である。通信I/F94は、インターネット、専用通信回線等の通信回線を介して、コンピュータ9と他の装置との間で通信を行うインターフェースである。IOI/F95は、ソースプログラムの入力、コンピュータ9と他の装置との間で情報等の入出力等を行うためのインターフェースである。
【0358】
<コンピュータプログラム>
上述の各実施形態における制御装置(制御装置19、制御装置29、制御装置39)の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶して、この記録媒体に記憶されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。
【0359】
コンピュータシステムは、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含む。また、コンピュータシステムは、WWW(World Wide Web)システムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含む。
【0360】
コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信回線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するものを含む。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合のサーバーやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含む。
【0361】
例えば、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現してもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記憶されているプログラムとの組み合わせで実現してもよい。
【0362】
<付記>
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0363】
(付記1)
植物又はキノコが栽培されるか、商品が保管される、3つ以上のラック、を備えるラックシステムであって、
前記ラックは、他の構造物の内部に存在し、且つ、前記他の構造物の第1縦壁に対して略平行であり、
前記3つ以上のラック、のうち少なくとも何れかのラックは、前記第1縦壁に対して略垂直方向に移動できるラックである可動ラックであり、
前記可動ラックが前記第1縦壁に対して略垂直方向に移動されても、常に、前記3つ以上のラック、のうち少なくとも何れかのラックは、
前記植物と、前記キノコと、前記商品と、の何れかに対する人又は装置の作業である第1作業、が行われる場合に前記人又は前記装置に用いられる通路であって、前記第1縦壁に対して略平行である通路、
が確保されていないラックである第1ラックであり、
前記可動ラックが前記第1縦壁に対して略垂直方向に移動されることにより、前記3つ以上のラックのうち、1つ以上の前記第1ラックが、前記通路が確保されているラックである前記第2ラックに変わる、
ラックシステム。
【0364】
(付記2)
植物又はキノコが栽培されるか、商品が保管される、3つ以上のラック、の設置方法であって、
前記ラックは、他の構造物の内部に存在し、且つ、前記他の構造物の第1縦壁に対して略平行であり、
前記3つ以上のラック、のうち少なくとも何れかのラックは、前記第1縦壁に対して略垂直方向に移動できるラックである可動ラックであり、
前記可動ラックが前記第1縦壁に対して略垂直方向に移動されても、前記3つ以上のラック、のうち少なくとも何れかのラックは、
前記植物と、前記キノコと、前記商品と、の何れかに対する人又は装置の作業である第1作業、が行われる場合に前記人又は前記装置に用いられる通路であって、前記第1縦壁に対して略平行である通路、
が確保されていないラックである第1ラックであり、
前記可動ラックが前記第1縦壁に対して略垂直方向に移動されることにより、前記3つ以上のラックのうち、1つ以上の前記第1ラックが、前記通路が確保されているラックである前記第2ラックに変わる、
設置方法。
【0365】
(付記3)
前記可動ラックが前記第1縦壁に対して略垂直方向に移動されることにより、前記3つ以上のラックのうち、1つ以上の前記第1ラックが前記第2ラックに変わる場合、前記3つ以上のラックのうち、1つ以上の前記第2ラックが前記第1ラックに変わる、
付記2に記載の設置方法。
【0366】
(付記4)
前記他の構造物の床に固定され、前記第1縦壁に対して略垂直方向に伸びる、第1ガイドレール、
をさらに備え、
前記可動ラックは、前記第1ガイドレールにガイドされてスライドされることにより、前記第1縦壁に対して略垂直方向に移動される、
付記2又は付記3に記載の設置方法。
【0367】
(付記5)
前記他の構造物の天井に固定され、前記第1縦壁に対して略垂直方向に伸びる、第2ガイドレール、
をさらに備え、
前記可動ラックは、前記第1ガイドレール及び前記第2ガイドレールにガイドされてスライドされることにより、前記第1縦壁に対して略垂直方向に移動される、
付記4に記載の設置方法。
【0368】
(付記6)
前記可動ラックには、前記他の構造物の床に接する第1車輪が付いており、
前記可動ラックは、前記第1車輪が回転されることにより、前記第1縦壁に対して略垂直方向に移動される、
付記2又は付記3に記載の設置方法。
【0369】
(付記7)
前記第1車輪の回転軸は、前記第1縦壁に対して略平行である、
付記6に記載の設置方法。
【0370】
(付記8)
前記可動ラックには、前記他の構造物の天井に接する第2車輪がさらに付いており、
前記可動ラックは、前記第1車輪及び前記第2車輪が回転されることにより、前記第1縦壁に対して略垂直方向に移動される、
付記6又は付記7に記載の設置方法。
【0371】
(付記9)
前記第1縦壁から、前記第1縦壁に対して略垂直方向に最短距離に存在するラックは、前記可動ラックではなく、
前記第1縦壁に対向する、前記他の構造物の第2縦壁から、前記第2縦壁に対して略垂直方向に最短距離に存在するラックは、前記可動ラックではない、
付記2から付記8の何れかの付記に記載の設置方法。
【0372】
(付記10)
前記第1縦壁から、前記第1縦壁に対して略垂直方向に最短距離に存在するラックと、
前記第1縦壁に対向する、前記他の構造物の第2縦壁から、前記第2縦壁に対して略垂直方向に最短距離に存在するラックと、
は、
前記3つ以上のラックのうち、前記第1縦壁に対して略垂直方向に最短距離に存在するラック及び前記第2縦壁に対して略垂直方向に最短距離に存在するラック、以外のラック、
より、前記第1縦壁が伸びる略水平方向に長い、
付記2から付記9の何れかの付記に記載の設置方法。
【0373】
(付記11)
前記可動ラックのうち、少なくとも1つのラックは、
前記第1縦壁側と、前記第1縦壁に対向する、前記他の構造物の第2縦壁側と、の両側から、前記通路を要するラックである第3ラック、
である、
付記2から付記10の何れかの付記に記載の設置方法。
【0374】
(付記12)
前記第1縦壁から、前記第1縦壁に対して略垂直方向に最短距離に存在するラックは、前記第3ラックではなく、
前記第2縦壁から、前記第2縦壁に対して略垂直方向に最短距離に存在するラックは、前記第3ラックではない、
付記11に記載の設置方法。
【0375】
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0376】
10 ラックシステム
15 天井
19 制御装置
20 ラックシステム
29 制御装置
30 ラックシステム
39 制御装置
100A ラック
100B ラック
100C ラック
100D ラック
100E ラック
171A 第1ガイドレール
171B 第1ガイドレール
171C 第1ガイドレール
171D 第1ガイドレール
172A 第2ガイドレール
172B 第2ガイドレール
181A 第1車輪
181B 第1車輪
181C 第1車輪
181D 第1車輪
182A 第2車輪
182B 第2車輪
182C 第2車輪
182D 第2車輪
192 移動制御部
200A ラック
200B ラック
200C ラック
200D ラック
292 移動制御部
300A ラック
300B ラック
300C ラック
300D ラック
390 受信部
392 移動制御部
A 通路
F 床
G 商品
I1 内部
I2 内部
I3 内部
I4 内部
M キノコ
O 開口
O1 開口
O2 開口
P 植物
Y1 センサー
Y2 センサー
【要約】
【課題】 植物などの栽培又は商品の保管にかかる省スペースを実現する。
【解決手段】 ラックシステムは、植物又はキノコが栽培されるか、商品が保管される3つ以上のラックを備える。ラックは、他の構造物の内部に存在し、他の構造物の第1縦壁に略平行である。3つ以上のラックのうち少なくとも何れかのラックは、第1縦壁に対して略垂直方向に移動できる可動ラックである。可動ラックが移動されても、3つ以上のラックのうち少なくとも何れかのラックは、植物と、キノコと、商品と、の何れかに対する作業が行われる場合の通路が確保されていない第1ラックである。可動ラックが移動されて、第1ラックが、通路が確保されている第2ラックに変わる。
【選択図】
図1