(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-08
(45)【発行日】2025-04-16
(54)【発明の名称】緩衝化された口腔用組成物
(51)【国際特許分類】
A24B 13/00 20060101AFI20250409BHJP
A24B 15/42 20060101ALI20250409BHJP
A24B 15/30 20060101ALI20250409BHJP
【FI】
A24B13/00
A24B15/42
A24B15/30
(21)【出願番号】P 2022534738
(86)(22)【出願日】2020-12-04
(86)【国際出願番号】 IB2020061550
(87)【国際公開番号】W WO2021116867
(87)【国際公開日】2021-06-17
【審査請求日】2023-11-20
(32)【優先日】2019-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホルトン・ジュニア,ダレル・ユージーン
(72)【発明者】
【氏名】ハッチェンス,ロナルド・ケイ
(72)【発明者】
【氏名】ケラー,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】プール,トーマス・エイチ
(72)【発明者】
【氏名】ビーソン,ドゥエイン・ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】セント・チャールズ,フランク・ケリー
【審査官】竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0326454(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0074856(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24B 13/00
A24B 15/42
A24B 15/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性剤;
充填剤成分;及び
緩衝剤を含む口腔用組成物であって、
口腔用組成物が唾液と接触したときに口腔用組成物のpHが約6.5~約8であるように構成され
、
口腔用組成物はニコチン成分が存在する場合このニコチン成分以外のタバコ材料を実質的に含まず、および
充填剤成分が多孔質材料である、口腔用組成物。
【請求項2】
口腔用組成物が、パウチ内に配置されている、請求項1に記載の口腔用組成物。
【請求項3】
活性剤が、ニコチン成分、ボタニカル、刺激剤、アミノ酸、ビタミン、カンナビノイド、カンナビミメティクス、テルペン、ニュートラシューティカル及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の口腔用組成物。
【請求項4】
緩衝剤が、1種以上のアミノ酸又はその塩を含む、請求項1に記載の口腔用組成物。
【請求項5】
1種以上のアミノ酸又はその塩が、グリシン及びその塩のうちの1つ又は両方を含む、請求項4に記載の口腔用組成物。
【請求項6】
緩衝剤が、リン酸緩衝剤を含む、請求項1に記載の口腔用組成物。
【請求項7】
リン酸緩衝剤が、リン酸ナトリウム及びリン酸カリウムのうちの1つ又は両方を含む、請求項6に記載の口腔用組成物。
【請求項8】
緩衝剤が、口腔用組成物の総重量に基づいて約0.5重量%~約5重量%の量で存在する、請求項1に記載の口腔用組成物。
【請求項9】
口腔用組成物が、1種以上の香味剤をさらに含む、請求項1~8のいずれかに記載の口腔用組成物。
【請求項10】
1種以上の香味剤が、炭素-炭素二重結合、炭素-酸素二重結合又はその両方を有する化合物を含む、請求項9に記載の口腔用組成物。
【請求項11】
1種以上の香味剤が、1種以上のアルデヒド、ケトン、エステル、テルペン、テルペノイド又はこれらの組み合わせを含む、請求項9に記載の口腔用組成物。
【請求項12】
1種以上の香味剤が、エチルバニリン、シンナムアルデヒド、サビネン、リモネン、γ-テルピネン、β-ファルネセン、シトラール、サリチル酸メチル、サリチル酸エチル、メントール、スペアミント、ペパーミント、その他のミント植物種及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項9に記載の口腔用組成物。
【請求項13】
充填剤成分が、セルロース材料を含む、請求項
1に記載の口腔用組成物。
【請求項14】
口腔用組成物が、1種以上の塩、1種以上の甘味料、1種以上の結合剤、1種以上の保湿剤、1種以上のガム、タバコ材料又はこれらの組み合わせをさらに含む、請求項1~8のいずれかに記載の口腔用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ヒトの使用を意図した風味製品に関する。製品は、口腔での使用のために構成され、使用中に香料及び/又は活性成分などの物質を送達する。このような製品は、タバコ若しくはタバコに由来する製品を含んでもよく、タバコを含まない代替品であってもよい。
【背景技術】
【0002】
たばこは、いわゆる「無煙」形態で楽しむことができる。特に人気のある無煙たばこ製品は、何らかの形態の加工タバコ又はタバコ含有配合物を使用者の口に入れることによって使用される。このような無煙たばこ製品の従来の形態としては、モイストスナッフ、スヌース及び噛みたばこが挙げられる。これらは通常、ほぼ完全に粒子状、顆粒状又は刻みタバコで形成され、使用者によって取り分けられるか又は使い捨てパウチ若しくはサッシェなどのポーションで使用者に提供されるかのいずれかである。その他の従来における無煙製品の形態としては、プラグ、タブレット又はペレットなどの圧縮又は凝集形態が挙げられる。タバコ含有ガム並びにタバコとその他の植物材料との混合物などの代替製品形態も知られている。例えば、それぞれが参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第1,376,586号(Schwartz);米国特許第4,513,756号(Pittmanら);米国特許第4,528,993号(Sensabaugh,Jr.ら);米国特許第4,624,269号(Storyら);米国特許第4,991,599号(Tibbetts);米国特許第4,987,907号(Townsend);米国特許第5,092,352号(Sprinkle,IIIら);米国特許第5,387,416号(Whiteら);米国特許第6,668,839号(Williams);米国特許第6,834,654号(Williams);米国特許第6,953,040号(Atchleyら);米国特許第7,032,601号(Atchleyら);米国特許第7,694,686号(Atchleyら);米国特許出願公開第2004/0020503号(Williams);米国特許出願公開第2005/0115580号(Quinterら);米国特許出願公開第2006/0191548号(Stricklandら);米国特許出願公開第2007/0062549号(Holton,Jr.ら);米国特許出願公開第2007/0186941号(Holton,Jr.ら);米国特許出願公開第2007/0186942号(Stricklandら);米国特許出願公開第2008/0029110号(Dubeら);米国特許出願公開第2008/0029116号(Robinsonら);米国特許出願公開第2008/0173317号(Robinsonら);米国特許出願公開第2008/0209586号(Neilsenら);米国特許出願公開第2009/0065013号(Essenら);米国特許出願公開第2010/0282267号(Atchley);及びWO2004/095959(Arnarpら)に記載された無煙たばこの配合、成分及び加工方法の種類を参照のこと。
【0003】
タバコ材料をさまざまな結合剤及び充填剤と組み合わせる無煙たばこ製品の構成が近年提案されてきており、製品形式の例にはロゼンジ、香錠、ゲル、押出形などが含まれる。例えば、それぞれが参照により本明細書に組み込まれている、米国特許出願公開第2008/0196730号(Engstromら);米国特許出願公開第2008/0305216号(Crawfordら);米国特許出願公開第2009/0293889号(Kumarら);米国特許出願公開第2010/0291245号(Gaoら);米国特許出願公開第2011/0139164号(Muaら);米国特許出願公開第2012/0037175号(Cantrellら);米国特許出願公開第2012/0055494号(Huntら);米国特許出願公開第2012/0138073号(Cantrellら);米国特許出願公開第2012/0138074号(Cantrellら);米国特許出願公開第2013/0074855号(Holton,Jr.);米国特許出願公開第2013/0074856号(Holton,Jr.);米国特許出願公開第2013/0152953号(Muaら);米国特許出願公開第2013/0274296号(Jacksonら);米国特許出願公開第2015/0068545号(Moldoveanuら);米国特許出願公開第2015/0101627号(Marshallら);米国特許出願公開第2015/0230515号(Lampeら)に記載された製品の種類を参照のこと。
【0004】
オールホワイトなスヌースポーションは人気が高まっており、従来のスヌースとは別の審美的に好ましい代替物を提供する。このような現代のパウチ付き「ホワイト」製品は、漂白されたタバコを挙げることができ又はタバコを含まなくてよい。この種類の製品は、製品の変色及び/又は望ましくない官能特性をもたらす可能性のある製品安定性の低さなど、特定の欠点がある場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第1,376,586号明細書
【文献】米国特許第4,513,756号明細書
【文献】米国特許第4,528,993号明細書
【文献】米国特許第4,624,269号明細書
【文献】米国特許第4,991,599号明細書
【文献】米国特許第4,987,907号明細書
【文献】米国特許第5,092,352号明細書
【文献】米国特許第5,387,416号明細書
【文献】米国特許第6,668,839号明細書
【文献】米国特許第6,834,654号明細書
【文献】米国特許第6,953,040号明細書
【文献】米国特許第7,032,601号明細書
【文献】米国特許第7,694,686号明細書
【文献】米国特許出願公開第2004/0020503号明細書
【文献】米国特許出願公開第2005/0115580号明細書
【文献】米国特許出願公開第2006/0191548号明細書
【文献】米国特許出願公開第2007/0062549号明細書
【文献】米国特許出願公開第2007/0186941号明細書
【文献】米国特許出願公開第2007/0186942号明細書
【文献】米国特許出願公開第2008/0029110号明細書
【文献】米国特許出願公開第2008/0029116号明細書
【文献】米国特許出願公開第2008/0173317号明細書
【文献】米国特許出願公開第2008/0209586号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0065013号明細書
【文献】米国特許出願公開第2010/0282267号明細書
【文献】国際公開第2004/095959号
【文献】米国特許出願公開第2008/0196730号明細書
【文献】米国特許出願公開第2008/0305216号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0293889号明細書
【文献】米国特許出願公開第2010/0291245号明細書
【文献】米国特許出願公開第2011/0139164号明細書
【文献】米国特許出願公開第2012/0037175号明細書
【文献】米国特許出願公開第2012/0055494号明細書
【文献】米国特許出願公開第2012/0138073号明細書
【文献】米国特許出願公開第2012/0138074号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0074855号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0074856号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0152953号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0274296号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0068545号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0101627号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0230515号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
(簡単な要旨)
本開示は、一般に、オールホワイトなスヌースポーションを含むがこれに限定されない、口腔での使用のために構成された製品及び組成物を提供する。口腔用組成物は、活性剤、担体、緩衝剤を含み、口腔用組成物は、唾液と接触したときに口腔用組成物のpHが約6.5~約8であるように構成されている。製品は、口腔での使用時に味を付与するように構成されてもよく、付加的又は代替的に、ニコチンなどの活性成分を消費者に送達してもよい。特に、本開示の製品及び方法は、徐放性などの制御された放出速度で消費者に1種以上の物質をもたらすように適合又は構成されてもよい。
【0007】
一実施形態において、口腔用組成物は、パウチ内に配置されている。いくつかの実施形態において、活性成分は、ニコチン成分、ボタニカル、刺激剤、アミノ酸、ビタミン、カンナビノイド、ニュートラシューティカル及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。特定の実施形態において、緩衝剤は、1種以上のアミノ酸又はその塩を含む。いくつかの実施形態において、緩衝剤は、リン酸緩衝剤を含む。特定の実施形態において、緩衝剤は、口腔用組成物の総重量に基づいて約0.5重量%~約5重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、口腔用組成物は、1種以上の香味剤をさらに含む。その他の実施形態において、口腔用組成物は、粒子状充填剤をさらに含む。特定の実施形態において、口腔用組成物は、1種以上の塩、1種以上の甘味料、1種以上の結合剤、1種以上の保湿剤、1種以上のガム、タバコ材料又はこれらの組み合わせをさらに含む。
【0008】
本開示は以下の実施形態を含むが、これらに限定されない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態1:活性剤、担体及び緩衝剤を含む口腔用組成物であって、口腔用組成物が唾液と接触したときに口腔用組成物のpHが約6.5~約8であるように構成された、口腔用組成物。
【0010】
実施形態2:口腔用組成物が、パウチ内に配置されていてもよい、実施形態1に記載の口腔用組成物。
【0011】
実施形態3:活性成分が、ニコチン成分、ボタニカル、刺激剤、アミノ酸、ビタミン、カンナビノイド、カンナビミメティクス、テルペン、ニュートラシューティカル及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい、実施形態1又は2のいずれか1つに記載の口腔用組成物。
【0012】
実施形態4:緩衝剤が、1種以上のアミノ酸又はその塩を含み得る、実施形態1~3のいずれか1つに記載の口腔用組成物。
【0013】
実施形態5:1種以上のアミノ酸又はその塩が、グリシン及びその塩のうちの1つ又は両方を含み得る、実施形態1~4のいずれか1つに記載の口腔用組成物。
【0014】
実施形態6:緩衝剤が、リン酸緩衝剤を含み得る、実施形態1~5のいずれか1つに記載の口腔用組成物。
【0015】
実施形態7:緩衝剤が、リン酸ナトリウム及びリン酸カリウムのうちの1つ又は両方を含み得る、実施形態1~6のいずれか1つに記載の口腔用組成物。
【0016】
実施形態8:緩衝剤が、口腔用組成物の総重量に基づいて約0.5重量%~約5重量%の量で存在し得る、実施形態1~7のいずれか1つに記載の口腔用組成物。
【0017】
実施形態9:口腔用組成物が、1種以上の香味剤をさらに含み得る、実施形態1~8のいずれか1つに記載の口腔用組成物。
【0018】
実施形態10:1種以上の香味剤が、炭素-炭素二重結合、炭素-酸素二重結合又はその両方を有する化合物を含み得る、実施形態1~9のいずれか1つに記載の口腔用組成物。
【0019】
実施形態11:1種以上の香味剤が、1種以上のアルデヒド、ケトン、エステル、テルペン、テルペノイド又はこれらの組み合わせを含み得る、実施形態1~10のいずれか1つに記載の口腔用組成物。
【0020】
実施形態12:1種以上の香味剤が、エチルバニリン、シンナムアルデヒド、サビネン、リモネン、γ-テルピネン、β-ファルネセン、シトラール、サリチル酸メチル、サリチル酸エチル、メントール、スペアミント、ペパーミント、その他のミント植物種及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態1~11のいずれか1つに記載の口腔用組成物。
【0021】
実施形態13:口腔用組成物が、粒子状充填剤をさらに含み得る、実施形態1~12のいずれか1つに記載の口腔用組成物。
【0022】
実施形態14:粒子状充填剤が、セルロース材料を含み得る、実施形態1~13のいずれか1つに記載の口腔用組成物。
【0023】
実施形態15:口腔用組成物が、1種以上の塩、1種以上の甘味料、1種以上の結合剤、1種以上の保湿剤、1種以上のガム、タバコ材料又はこれらの組み合わせをさらに含み得る、実施形態1~14のいずれか1つに記載の口腔用組成物。
【0024】
実施形態16:唾液と接触したときにpHが約6.5~約8である口腔用組成物を提供するための、口腔用組成物における緩衝剤の使用。
【0025】
実施形態17:緩衝剤が、1種以上のアミノ酸又はその塩を含み得る、実施形態16に記載の使用。
【0026】
実施形態18:1種以上のアミノ酸又はその塩が、グリシン及びその塩のうちの1つ又は両方を含み得る、実施形態16又は17のいずれか1つに記載の使用。
【0027】
実施形態19:緩衝剤が、リン酸緩衝剤を含み得る、実施形態16~18のいずれか1つに記載の使用。
【0028】
実施形態20:緩衝剤が、リン酸ナトリウム及びリン酸カリウムのうちの1つ又は両方を含み得る、実施形態16~19のいずれか1つに記載の使用。
【0029】
実施形態21:緩衝剤が、口腔用組成物の総重量に基づいて約0.5重量%~約5重量%の量で存在し得る、実施形態16~20のいずれか1つに記載の使用。
【0030】
本開示の、これらの並びに他の特徴、態様及び利点は、以下において簡単に説明される添付図面と一緒に以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。本発明は、上述の実施形態の2つ、3つ、4つ又はそれ以上の任意の組み合わせを含み、本開示に記載された任意の2つ、3つ、4つ又はそれ以上の特徴又は要素の組み合わせを、このような特徴又は要素が本明細書における特定の実施形態の説明において明示的に組み合わされているかどうかにかかわらず、含む。本開示は、開示された発明のさまざまな態様及び実施形態のいずれかにおける任意の分離可能な特徴又は要素が、文脈上特に明記されていない限り組み合わせ可能であることを意図していると見なされるべきであるように、全体的に読まれることを意図している。
【0031】
このように、前述の一般的な用語で本開示の態様を説明してきたが、次いで、添付の図面(必ずしも縮尺通りに描かれていない)を参照されたい。図面は単に例示的なものであり、本開示を限定するものとして解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】口腔での使用のための組成物が少なくとも部分的に詰められたパウチ又はフリースを含む、本開示の例示的な実施形態によるパウチ製品の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本開示は、組成物及び該組成物から形成される製品を提供し、組成物及び製品は、特に口腔での使用のために構成される。組成物及び製品は、1種以上の活性成分を組み込んでいてもよく、また、唾液と接触したときに組成物が所望のpH範囲を有するように、1種以上の緩衝成分を含んでもよい。
【0034】
次いで本開示は、その例示的な実施形態を参照して、以下においてより完全に説明される。これらの例示的な実施形態は、本開示が十分かつ完全であり、当業者に本開示の範囲を完全に伝えるように記載されている。実際、本開示は、多くの異なる形態で実施され得、本明細書に記載された実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用される法的要件を満たすように提供される。本明細書及び特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈上特に明記されていない限り、複数のものを含むものとする。「乾燥重量%」又は「乾燥重量基準」への言及は、乾燥成分(すなわち、水を除く全ての成分)を基準にした重量を指す。「湿重量」への言及は、水を含む混合物の重量を指す。特に指示がない限り、混合物の「重量%」への言及は、混合物の総湿重量(すなわち、水を含む)を反映する。
【0035】
本開示は、組成物及び該組成物を含み得る製品を提供する。より詳細には、組成物は、活性剤、担体/充填剤及び緩衝剤を含み得る。好ましくは、組成物及び製品は、唾液と接触したときに組成物のpHが約6.5~約8であり得るように構成されてもよい。記載されたように、組成物は、さまざまな形態で提供されてもよく、本明細書でさらに記載されたように、詳細には、粒子、繊維などの集合体などの実質的に固体の形態で提供されてもよい。したがって、いくつかの実施形態において、製品は、組成物自体を含んでもよく、パウチ、フリースなどのユニット構造(unitizing structure)内に配置された組成物を含んでもよい。いくつかの実施形態において、本明細書に記載された製品は、通常少なくとも1種の担体及び/又は充填剤、並びに少なくとも1種の香味剤及び/又は活性成分を含む成分の混合物を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、1種以上の塩、1種以上の甘味料、1種以上の結合剤、1種以上の保湿剤、1種以上のガム、有機酸、タバコ材料、タバコ由来材料又はこれらの組み合わせをさらに含む。組成物中のさまざまな成分の相対量は多様であり得、通常、口腔用製品に所望の官能特性及び性能特性をもたらすように選択される。特に、組成物の1種以上の成分は、組成物が消費者の口腔内に配置されたときに、放出可能物質が制御された手法及び/又は徐放性の手法で放出されるように適合又は構成されるような手法で組み合わされてもよい。組成物の例示的な個々の成分は、本明細書において以下に記載されている。
【0036】
担体/充填剤成分
本明細書に記載された組成物は、担体成分及び/又は充填剤成分であると特徴付けることができる少なくとも1種の成分を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、担体及び充填剤の両方を含んでもよく、さまざまな材料が担体及び充填剤の両方の機能を果たすことができる。本開示による担体成分は、好ましくは、本明細書に記載された少なくとも1種の放出可能物質を保持するように適合又は構成されてもよく、いくつかの実施形態において、組成物の追加成分の実質的に全てを保持してもよい。充填剤成分は、触感及び口当たりなどの特定の官能的性質を高めること、製品の凝集性又は圧縮性を高めることなど、複数の機能を果たすことができる。いくつかの実施形態において、充填剤成分は、多孔質粒子状物質である。いくつかの実施形態において、本組成物は、担体を含み得る。さらなる実施形態において、本組成物は、担体及び充填剤を含み得る。
【0037】
いくつかの実施形態において、担体成分及び/又は充填剤成分は、セルロース系材料であり得る。例えば、好適な粒子状成分は、任意の非タバコ植物材料又はその誘導体であり、このような供給源に由来するセルロース材料を含む。セルロース系非タバコ植物材料の例としては、穀物、ブラン及びデンプン誘導体(例えば、トウモロコシ、オート麦、大麦、ライ麦、ソバなど)、テンサイ(例えば、International Fiber Corporationから入手可能なFIBREX(登録商標)ブランドの充填剤)、ブラン繊維及びこれらの混合物が挙げられる。非タバコ植物材料の誘導体の非限定的な例としては、デンプン(例えば、ジャガイモ、小麦、米、トウモロコシ由来)、天然セルロース及び変性セルロース系材料が挙げられる。あり得る粒子状担体及び/又は充填剤成分のさらなる例としては、マルトデキストリン、デキストロース、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、ラクトース、マンニトール、キシリトール及びソルビトールが挙げられる。また、材料の組み合わせも使用することができる。
【0038】
本明細書で使用する場合、「デンプン」は、任意の供給源由来の純粋なデンプン、加工デンプン又はデンプン誘導体を指す場合がある。デンプンは、ほとんど全ての緑色植物及びさまざまなタイプの植物組織及び器官(例えば、種子、葉、根茎、根、塊茎、芽、果実、穀物及び茎)において、通常顆粒状で存在する。デンプンはその組成だけでなく、顆粒の形や大きさも多様であり得る。多くの場合、異なる供給源由来のデンプンは異なる化学的及び物理的特性を有する。具体的なデンプンは、デンプン材料が組成物に特定の官能的性質を付与する能力に基づいて、混合物に含むために選択されてもよい。さまざまな供給源に由来するデンプンを使用することができる。例えば、デンプンの主要な供給源としては、穀物(例えば、米、小麦及びトウモロコシ)並びに根菜類(例えば、ジャガイモ及びキャッサバ)が挙げられる。デンプン源のその他の例としては、ドングリ、アロールート、アラカチャ、バナナ、大麦、豆(例えば、空豆、レンズマメ、ヤエナリ、エンドウ、ヒヨコマメ)、パンノキ、ソバ、カンナ、クリ、サトイモ、カタクリ、クズ、マランガ、キビ、オート麦、オウカ、ポリネシアン・アロールート(Polynesian arrowroot)、サゴ、サトウモロコシ、サツマイモ、キヌア、ライ麦、タピオカ、タロイモ、タバコ、シログワイ及びヤムイモが挙げられる。特定のデンプンは、加工デンプンである。加工デンプンは1種以上の構造的な加工を受けたもので、多くの場合、高温特性を変化させように設計されている。一部のデンプンは遺伝子組み換えによって開発されたものであり、「遺伝子組み換え」デンプンと見なされる。その他のデンプンは入手され、その後、化学的、酵素的又は物理的手段によって加工される。例えば、加工デンプンは、エステル化、エーテル化、酸化、酸触媒による若しくは塩基存在下での酸化による解重合(低粘稠化)、漂白、グリコシル基転移及び解重合(例えば、触媒存在下でのデキストリン化)、架橋、アセチル化、ヒドロキシプロピル化及び/又は部分加水分解などの化学反応を受けたデンプンであり得る。酵素処理としては、天然デンプンを酵素単離物又は濃縮物、微生物酵素及び/又は植物材料固有酵素に供すること、例えば、トウモロコシ穀粒に存在するアミラーゼに供して、コーンスターチを加工することが挙げられる。
【0039】
その他のデンプンは、プレゼラチン化、デキストリン化及び/又は冷水膨潤処理などの熱処理によって加工される。特定の加工デンプンとしては、モノスターチリン酸、ジスターチグリセロール、トリメタリン酸ナトリウムでエステル化したジスターチリン酸、リン酸ジスターチリン酸、アセチル化ジスターチリン酸、無水酢酸でエステル化した酢酸デンプン、酢酸ビニルでエステル化した酢酸デンプン、アセチル化ジスターチアジペート、アセチル化ジスターチグリセロール、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシプロピルジスターチグリセロール、オクテニルコハク酸デンプンナトリウムが挙げられる。
【0040】
いくつかの実施形態において、担体成分及び/又は充填剤成分は、セルロース材料又はセルロース誘導体であり得る。本明細書に記載された製品に使用するための特に好適な1つの材料は、微結晶セルロース(「MCC」)である。MCCは、合成若しくは半合成であってもよく、完全に天然セルロースから得られてもよい。MCCは、AVICEL(登録商標)グレードPH-100、PH-102、PH-103、PH-105、PH-112、PH-113、PH-200、PH-300、PH-302、VIVACEL(登録商標)グレード101、102、12、20及びEMOCEL(登録商標)グレード50M及び90Mなど、並びにこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。一実施形態において、本明細書に記載された組成物は、粒子状充填剤成分として及び/又は担体成分としてMCCを含み得る。本明細書に記載された組成物中に存在するMCCの量は、所望の性質に従って多様であり得る。いくつかの実施形態において、セルロース誘導体又はこのような誘導体の組み合わせは特に、異なる担体成分と組み合わせて使用されてもよく、これは特に、セルロースエーテル(カルボキシアルキルエーテルを含む)などのセルロース誘導体を含み得る。セルロース誘導体とは、セルロース構造における1つ以上のヒドロキシル基の水素がアルキル、ヒドロキシアルキル又はアリール基で置換されたセルロースポリマーを意味する。このようなセルロース誘導体の非限定的な例としては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(「HPC」)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(「HPMC」)、ヒドロキシエチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース(「CMC」)が挙げられる。一実施形態において、セルロース誘導体は、メチルセルロース、HPC、HPMC、ヒドロキシエチルセルロース及びCMCのうちの1種以上である。一実施形態において、セルロース誘導体はHPCである。
【0041】
組成物中に存在する担体成分及び充填剤成分の総量は多様であり得るが、通常、組成物の総重量に基づいて、最大で組成物の約75重量%である。組成物中の担体及び/又は充填剤成分の総量の典型的な範囲は、組成物の総重量の約10~約75%、例えば、約10、約15、約20、約25又は約30~約35、約40、約45又は約50重量%(例えば、約20~約50重量%又は約25~約45重量%)であり得る。特定の実施形態において、担体/充填剤成分の総量は、組成物の総重量に基づいて、少なくとも約10重量%、例えば、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%又は少なくとも約40%である。
【0042】
1つ以上の実施形態において、担体成分は、組成物の追加成分を実質的に取り囲む又は包むように適合又は構成されてもよい。例えば、担体は、パケット、パウチ、フリースなどとして構成されてもよく、このような構造は、本明細書でさらに説明される。用語「フリース」は、特に本明細書において、このような構造の一般用語として使用される場合があり、構造の性質を限定すると見なされるべきではない。
【0043】
好適なフリースは、例えば、複数の繊維で形成されていてもよい。本明細書で使用する場合、用語「繊維」は、特に指示がない限り、従来のステープルファイバー及びナノファイバーなどの長さが有限である繊維、並びに連続フィラメントなどの実質的に連続した構造体の両方を含む。繊維は、実質的に丸形若しくは円形断面又は非円形断面(例えば、楕円形、長方形、多葉状など)を有してもよい。繊維は、さまざまな構成で提供されてもよく、繊維は、特に、多成分繊維を含み得る。
【0044】
活性成分
組成物及び製品は、活性成分(本明細書では活性剤とも呼ばれる。)を含み得る。例えば、本組成物及び製品は、単一の活性成分又は複数の活性成分を含み得る。所望により、1種以上の活性成分は充填剤の一部に保持されてもよく、1種以上の活性成分は、追加の充填剤に結合されている又はユニット形態で存在する(例えば、ペレット化活性成分)など、組成物及び/又は製品に別の方法で保持されてもよい。
【0045】
本明細書で使用される場合、「活性成分」は、以下のカテゴリーのいずれかに属する1種以上の物質を指す:API(医薬品活性成分)、食品添加剤、天然薬物及びヒトに影響を与え得る天然由来の物質。活性成分の例としては、薬理活性若しくは病気の診断、治療、緩和、処置、予防においてその他の直接的な効果をもたらす成分又はヒトの身体の構造若しくは任意の機能に影響を与える成分(例えば、中枢神経系への刺激作用、精力増強作用、解熱・鎮痛作用、若しくは身体への別の有用作用をもたらす)など、生体内の1つ以上の生体機能に影響を与えることが知られている任意の成分が挙げられる。いくつかの実施形態において、活性成分は、一般に栄養補助食品、ニュートラシューティカル、「ファイトケミカル」又は「機能性食品」と呼ばれるタイプのものであり得る。これらの種類の添加剤は、1つ以上の有利な生物学的効果(例えば、健康増進、疾病予防又はその他の薬効)をもたらすが、医薬品として分類又は規制されていない、天然に存在する供給源(例えば、ボタニカル材料)から通常入手可能な物質を包含するものとして当該技術分野で定義されている場合がある。
【0046】
活性成分の非限定的な例としては、ボタニカル成分、刺激剤、アミノ酸、ニコチン成分及び/又は医薬、ニュートラシューティカル及び薬用成分(例えば、A、B3、B6、B12及びCなどのビタミン並びに/又はテトラヒドロカンナビノール(THC)及びカンナビジール(CBD)などのカンナビノイド)のカテゴリーに属するものが挙げられる。これらの各カテゴリーは、本明細書において以下においてさらに説明される。活性成分の特定の選択は、特定の製品における所望の風味、触感及び所望の特性に応じて多様である。
【0047】
特定の実施形態において、活性成分は、カフェイン、タウリン、GABA、テアニン、ビタミンC、レモンバーム抽出物、人参、シチコリン、ヒマワリレシチン及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。例えば、活性成分は、カフェイン、テアニン及び任意選択的に人参の組み合わせを含み得る。別の実施形態において、活性成分は、テアニン、γ-アミノ酪酸(GABA)及びレモンバーム抽出物の組み合わせを含む。さらなる実施形態において、活性成分は、テアニン、テアニン及びトリプトファン又はテアニン及び1種以上のビタミンB群(例えば、ビタミンB6若しくはB12)を含む。さらなる実施形態において、活性成分は、カフェイン、タウリン及びビタミンCの組み合わせを含む。
【0048】
存在する活性成分の特定の百分率は、特定の製品における所望の特性に応じて多様である。通常、活性成分又はその組み合わせは、組成物の少なくとも約0.001重量%、例えば約0.001%~約20%の範囲の総濃度で存在する。いくつかの実施形態において、活性成分又はその組み合わせは、組成物の全重量に基づいて、例えば、約0.5重量%~約10重量%、約1重量%~約10重量%、約1重量%~約5重量%などの、約0.1重量%~約10重量%の濃度で存在する。いくつかの実施形態において、活性成分又は活性成分の組み合わせは、約0.001重量%、約0.01重量%、約0.1重量%又は約1重量%~最大で約20重量%の濃度で存在する。例えば、組成物の総重量に基づいて、約0.001重量%、約0.002重量%、約0.003重量%、約0.004重量%、約0.005重量%、約0.006重量%、約0.007重量%、約0.008重量%、約0.009重量%、約0.01重量%、約0.02重量%、約0.03重量%、約0.04重量%、約0.05重量%、約0.06重量%、約0.07重量%、約0.08重量%、約0.09重量%、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%又は約0.9重量%~約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%又は約20重量%の濃度で存在する。特定の活性成分に関するさらなる好適な範囲は、本明細書において以下に示される。
【0049】
ボタニカル
いくつかの実施形態において、活性成分はボタニカル成分を含む。本明細書で使用される場合、用語「ボタニカル成分」又は「ボタニカル」は、天然形態の植物材料及び天然植物材料由来の植物材料、例えば植物材料からの抽出物若しくは単離物又は処理済み植物材料(例えば、熱処理、発酵、漂白又は材料の物理的及び/若しくは化学的性質を変化させることができるその他の処理プロセスを受けた植物材料)を含む任意の植物材料又は真菌由来材料を指す。本開示の目的のために、「ボタニカル」は、「ハーブ材料」を含むが、これに限定されない。ハーブ材料とは、持続性の木質組織を発達させず、薬効特性又は官能特性(例えば、茶又はチザン)が多くの場合評価される種子植物(seed-producing plant)を指す。「非タバコ」としてのボタニカル材料への言及は、タバコ材料を除外することを意図している(すなわち、任意のニコチアナ属種(Nicotiana species)を含まない)。いくつかの実施形態において、本明細書に開示されている組成物は、任意のタバコ材料を含まないものとして特徴付けることができる(例えば、本明細書に開示されている任意の実施形態は、任意のタバコ材料を完全に又は実質的に含まない場合がある)。「実質的に含まない」とは、タバコ材料が意図的に添加されていないことを意味する。例えば、特定の実施形態は、0.001重量%未満のタバコ又は0.0001重量%未満、あるいは0重量%のタバコを有すると特徴付けることができる。
【0050】
存在する場合、ボタニカルは通常、組成物の総重量に基づいて、約0.01重量%~約10重量%の濃度、例えば、約0.01重量%、約0.05重量%、約0.1重量%又は約0.5重量%~約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%又は約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%又は約15重量%の濃度である。
【0051】
本開示において有用なボタニカル材料は、本明細書に記載された化合物及び供給源のいずれか(これらの混合物を含む)を含み得るが、これらに限定されない。この種類の特定のボタニカル材料は、栄養補助食品、ニュートラシューティカル、「ファイトケミカル」又は「機能性食品」と呼ばれる場合がある。植物材料又はその抽出物としての特定のボタニカルは、伝統的な漢方薬における使用を見出されてきたものであり、本明細書においてさらに説明される。ボタニカル又はボタニカル由来材料の非限定的な例としては、アシュワガンダ、バコパ・モニエラ(Bacopa monniera)、バオバブ、バジル、センテラ・アジアティカ(Centella asiatica)、チャイフー、カモミール、サクラ、クロロフィル、シナモン、シトラス、クローブ、ココア、ノムシタケ属、クルクミン、ダミアナ、ドルステニア・アリフォリア(Dorstenia arifolia)、ドルステニア・オドラタ(Dorstenia odorata)精油、ユーカリ、フェンネル、ガルフィミア・グラウカ(Galphimia glauca)、ショウガ、イチョウ、人参(例えば、パナックス・ジンセン(Panax ginseng))、緑茶、グリフォニア・シンプリシフォリア(Griffonia simplicifolia)、ガラナ、大麻、ヘンプ、ホップ、ジャスミン、ケンプフェリア・パルビフロラ(タイ人参)、カワ、ラベンダー、レモンバーム、レモングラス、カンゾウ、ルテイン、マカ、抹茶、ナルドスタキュス・シネンシス(Nardostachys chinensis)、ニオイスミレの油性抽出液、ペパーミント、ケルセチン、レスベラトロール、リゾマ・ガストロディアエ(Rhizoma gastrodiae)、ロディオラ、ルイボス、ローズ精油、ローズマリー、セレチウム・トルトゥオサム(Sceletium tortuosum)、シサンドラ、スカルキャップ、スペアミント抽出物、スピケナード、テルペン、チザン、ターメリック、ターネラ・アフロディシアカ(Turnera aphrodisiaca)、カノコソウ、トウグワ及びイェルバ・マテが挙げられる。
【0052】
いくつかの実施形態において、活性成分はレモンバームを含む。レモンバーム(メリッサ・オフィシナリス(Melissa officinalis))は、ミントと同じ科(ラミアセア(Lamiaceae))のマイルドなレモンの香りがするハーブである。該ハーブは、ヨーロッパ、北アフリカ及び西アジアを原産とする。レモンバームの茶並びに精油及び抽出物は、伝統薬及び代替医療で使用されている。いくつかの実施形態において、活性成分は、レモンバーム抽出物を含む。いくつかの実施形態において、レモンバーム抽出物は、組成物の総重量に基づいて、約1~約4重量%の量で存在する。
【0053】
いくつかの実施形態において、活性成分は人参を含む。人参は、パナックス属の植物の根であり、特有のステロイドサポニンファイトケミカル(ジンセノサイド)及びジントニンの存在によって特徴付けられる。人参は、エネルギードリンク又はハーブティーの栄養補助食品として及び伝統薬として使用されている。栽培種としては、高麗人参(P.ジンセン(P.ginseng))、南中国人参(P.ノトジンセン(P.notoginseng))及びアメリカ人参(P.クインクエフォリウス(P.quinquefolius))が挙げられる。アメリカ人参及び高麗人参は、存在するさまざまなジンセノシドの種類及び量が異なる。いくつかの実施形態において、人参は、アメリカ人参又は高麗人参である。特定の実施形態において、活性成分は、高麗人参を含む。いくつかの実施形態において、人参は、組成物の総重量に基づいて、約0.4~約0.6重量%の量で存在する。
【0054】
刺激剤
いくつかの実施形態において、活性成分は1種以上の刺激剤を含む。本明細書で使用される場合、用語「刺激剤」は、中枢神経系及び/又は身体の活動を増大させる材料、例えば、焦点、認知、活力、気分、覚醒などを増強する材料を指す。刺激剤の非限定的な例としては、カフェイン、テアクリン、テオブロミン及びテオフィリンが挙げられる。テアクリン(1,3,7,9-テトラメチル尿酸)は、カフェインと構造的に関連するプリンアルカロイドであり、興奮作用、鎮痛作用、抗炎症作用を有する。本発明の刺激剤は、天然物、天然物由来又は完全合成物であり得る。例えば、特定のボタニカル材料(ガラナ、茶、コーヒー、ココアなど)は、例えばカフェイン又は関連するアルカロイドの存在によって刺激剤作用を有する場合があり、したがって「天然」刺激剤である。「天然由来」とは、刺激剤(例えば、カフェイン、テアクリン)が、その天然(例えば、ボタニカル)マトリックスの外にある、精製された形態であることを意味する。例えば、カフェインは、ボタニカル供給源(例えば、茶)から抽出及び精製することによって得ることができる。「完全合成」とは、刺激剤が化学合成によって得られたことを意味する。いくつかの実施形態において、活性成分はカフェインを含む。いくつかの実施形態において、カフェインはカプセル化された形態で存在する。カプセル化されたカフェインの一例は、Balchem Corp.,52 Sunrise Park Road,New Hampton,NY,10958から入手可能なVitashure(登録商標)である。
【0055】
存在する場合、刺激剤又は刺激剤の組み合わせ(例えば、カフェイン、テアクリン及びこれらの組み合わせ)は通常、組成物の総重量に基づいて、約0.1重量%~約15重量%の濃度、例えば約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%又は約0.9重量%~約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%又は約15%重量の濃度である。いくつかの実施形態において、組成物は、組成物の総重量に基づいて、約1.5~約6重量%の量のカフェインを含む。
【0056】
アミノ酸
いくつかの実施形態において、活性成分はアミノ酸を含む。本明細書で使用される場合、用語「アミノ酸」は、各アミノ酸に固有の側鎖(R基)と共に、アミン(-NH2)及びカルボキシル(-COOH)又はスルホン酸(SO3H)官能基を含有する有機化合物を指す。アミノ酸は、タンパク質構成アミノ酸であってもよく、非タンパク質構成アミノ酸であってもよい。「タンパク質構成」とは、該アミノ酸が、タンパク質に含まれる20種類の天然アミノ酸のうちの1種であることを意味する。タンパク質構成アミノ酸としては、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン及びバリンが挙げられる。「非タンパク質構成」とは、該アミノ酸が天然でタンパク質中に含まれない又は細胞機構によって直接産生されない(例えば、翻訳後修飾の生成物である)ことを意味する。非タンパク質構成アミノ酸の非限定的な例としては、γ-アミノ酪酸(GABA)、タウリン(2-アミノエタンスルホン酸)、テアニン(L-γ-グルタミルエチルアミド)、ヒドロキシプロリン及びβ-アラニンが挙げられる。いくつかの実施形態において、活性成分は、テアニンを含む。いくつかの実施形態において、活性成分は、GABAを含む。いくつかの実施形態において、活性成分は、テアニン及びGABAの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、活性成分は、テアニン、GABA及びレモンバームの組み合わせである。いくつかの実施形態において、活性成分は、カフェイン、テアニン及び人参の組み合わせである。いくつかの実施形態において、活性成分は、タウリンを含む。いくつかの実施形態において、活性成分は、カフェイン及びタウリンの組み合わせである。
【0057】
存在する場合、アミノ酸又はアミノ酸の組み合わせ(例えば、テアニン、GABA及びこれらの組み合わせ)は通常、組成物の総重量に基づいて、約0.1重量%~約15重量%の濃度、例えば約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%又は約0.9重量%~約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%又は約15%重量の濃度である。
【0058】
ビタミン
いくつかの実施形態において、活性成分は、ビタミン又はビタミンの組み合わせを含む。本明細書で使用される場合、用語「ビタミン」は、哺乳動物における代謝の適切な機能に必要な必須微量栄養素である有機分子(又は関連する一連の分子)を指す。ヒトの代謝に必要なビタミンは13種類あり、それは以下の通りである。ビタミンA(オールトランスレチノール、オールトランスレチニルエステル、オールトランスβ-カロテン及びその他のプロビタミンAカロテノイドとして)、ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB3(ナイアシン)、ビタミンB5(パントテン酸)、ビタミンB6(ピリドキシン)、ビタミンB7(ビオチン)、ビタミンB9(葉酸又は葉酸塩)、ビタミンB12(コバラミン)、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンD(カルシフェロール)、ビタミンE(トコフェロール及びトコトリエノール)、ビタミンK(キノン)。いくつかの実施形態において、活性成分は、ビタミンCを含む。いくつかの実施形態において、活性成分は、ビタミンC、カフェイン及びタウリンの組み合わせである。
【0059】
存在する場合、ビタミン又はビタミンの組み合わせ(例えば、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンE、ビタミンC又はこれらの組み合わせ)は通常、組成物の総重量に基づいて、約0.01重量%~約6重量%の濃度、例えば、約0.01重量%、約0.02重量%、約0.03重量%、約0.04重量%、約0.05重量%、約0.06重量%、約0.07重量%、約0.08重量%、約0.09重量%又は約0.1重量%~約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、約0.9重量%、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%又は約6重量%の濃度である。
【0060】
抗酸化剤
いくつかの実施形態において、活性成分は1種以上の抗酸化剤を含む。本明細書で使用される場合、用語「抗酸化剤」は、フリーラジカル反応を終了させることによって酸化を防止又は抑制し、ある種類の細胞損傷を遅延又は防止し得る物質を指す。抗酸化剤は、天然に存在するものであってもよく、合成されたものであってもよい。天然に存在する抗酸化剤としては、食品及びボタニカル材料に含まれるものが挙げられる。抗酸化剤の非限定的な例としては、特定のボタニカル材料、ビタミン、ポリフェノール及びフェノール誘導体が挙げられる。
【0061】
酸化防止特性を伴うボタニカル材料の例としては、アサイベリー、アルファルファ、オールスパイス、アナトーシード、アプリコット油、バジル、ビーバーム、ワイルドベルガモット、ブラックペッパー、ブルーベリー、ボラージシードオイル、ムラサキセンダイハギ、カカオ、カラマスルート、チクマハッカ、カツアバ、カイエンペッパー、チャーガマッシュルーム、チャービル、シナモン、ダークチョコレート、ポテトピール、グレープシード、人参、ギンコ・ビロバ(gingko biloba)、セントジョーンズワート、ノコギリパルメット、緑茶、紅茶、ブラックコホッシュ、カイエン、カモミール、クローブ、ココア粉、クランベリー、タンポポ、グレープフルーツ、ハニーブッシュ、エキナシア、ニンニク、イブニングプリムローズ、ナツシロギク、ショウガ、ヒドラスチス、サンザシ、ハイビスカス花、アマチャヅル、カワ、ラベンダー、カンゾウ、マジョラム、ミルクシスル、ミント(ハッカ)、ウーロン茶、ビートルート、オレンジ、オレガノ、パパイア、ペニーロイヤル、ペパーミント、ムラサキツメクサ、ルイボス(レッド又はグリーン)、ローズヒップ、ローズマリー、セージ、クラリセージ、セイボリ、スペアミント、スピルリナ、ニレ樹皮、高タンニンソルガムブラン、高タンニンソルガムグラン、スマックブラン、ヒレハリソウ葉及び根、クコの実、ツボクサ、タイム、ターメリック、ウワウルシ(uva ursi)、カノコソウ、ワイルドヤムルート、ウィンターグリーン、ヤーコンルート、イエロードック、イェルバ・マテ、イェルバ・サンタ、オトメアゼナ、アシュワガンダ、ヤマブシタケ並びにシリバム・マリアナム(silybum marianum)が挙げられるが、これらに限定されない。このようなボタニカル材料は、新鮮な形態又は乾燥した形態、精油で提供されてもよく、抽出物の形態であってもよい。ボタニカル材料(及びその抽出物)としては多くの場合、ミネラル、ビタミン、イソフラボン、フィトステロール、アリルスルフィド、ジチオールチオン、イソチオシアネート、インドール、リグナン、フラボノイド、ポリフェノール及びカロテノイドなどの酸化防止作用をもたらすことが知られているさまざまなクラスの化合物が挙げられる。植物抽出物又は油に含まれる化合物の例としては、アスコルビン酸、ピーナッツエンドカーブ、レスベラトロール、スルフォラファン、β-カロテン、リコピン、ルテイン、コエンザイムQ、カルニチン、ケルセチン、ケンペロールなどが挙げられる。例えば、参照により本明細書に組み込まれている、Santhoshら、Phytomedicine、12(2005)216-220を参照のこと。
【0062】
その他の好適な抗酸化剤の非限定的な例としては、クエン酸、ビタミンE又はその誘導体、トコフェロール、エピカテコール、エピガロカテコール、エピガロカテコールガレート、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、4-ヘキシルレゾルシノール、テアフラビン、テアフラビンモノガレートA又はB、テアフラビンジガレート、フェノール酸、グリコシド、クエルシトリン、イソクエルシトリン、ヒペロシド、ポリフェノール、カテコール、レスベラトロール、オレウロペイン、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、tert-ブチルヒドロキノン(TBHQ)及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0063】
存在する場合、抗酸化剤は通常、組成物の総重量に基づいて、約0.001重量%~約10重量%の濃度、例えば、約0.001重量%、約0.005重量%、約0.01重量%、約0.05重量%、約0.1重量%又は約0.5重量%~約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%又は約10重量%の濃度である。
【0064】
ニコチン成分
特定の実施形態において、活性成分はニコチン成分を含む。「ニコチン成分」とは、存在するニコチンの少なくとも一部の経口吸収をもたらすためのニコチンの任意の好適な形態(例えば、遊離塩基又は塩)を意味する。通常、ニコチン成分は、ニコチン遊離塩基及びニコチン塩からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、ニコチン成分は、遊離塩基形態のニコチンであり、これは、例えば、微結晶セルロース材料に容易に吸着して、微結晶セルロース-ニコチン担体複合体を形成することができる。例えば、参照により本明細書に組み込まれている、米国特許出願公開第2004/0191322号(Hansson)における遊離塩基形態のニコチンに関する記述を参照のこと。
【0065】
いくつかの実施形態において、ニコチン成分の少なくとも一部は、塩の形態で使用することができる。ニコチン塩は、参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第2,033,909号(Coxら)及びPerfetti, Beitrage Tabakforschung Int., 12:43-54(1983)に記載されたタイプの成分及び技術を使用して得ることができる。さらに、ニコチン塩は、Pfaltz and Bauer, Inc.及びK&K Laboratories, Division of ICN Biochemicals, Inc.などの供給源から入手可能である。通常、ニコチン成分は、ニコチン遊離塩基、塩酸塩、二塩酸塩、酒石酸塩、酒石酸水素塩、硫酸塩、サリチル酸塩及び塩化亜鉛ニコチン(nicotine zinc chloride)などのニコチン塩からなる群から選択される。
【0066】
いくつかの実施形態において、ニコチンの少なくとも一部は、例えばAmberlite IRP64、Purolite C115HMR又はDoshion P551などのポリメタクリル酸に結合したニコチンであるニコチンポラクリレックスなど、ニコチンがイオン交換樹脂に結合した、ニコチン樹脂複合体の形態であり得る。例えば、参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第3,901,248号(Lichtneckertら)を参照のこと。別の例は、Carbopol 974Pなどの、ニコチン-ポリアクリルカルボマー複合体である。いくつかの実施形態において、ニコチンは、ニコチン-ポリアクリル複合体の形態で存在し得る。
【0067】
通常、存在する場合、ニコチン成分(遊離塩基として計算)は、組成物の少なくとも約0.001重量%、例えば約0.001重量%~約10重量%の範囲の濃度である。いくつかの実施形態において、ニコチン成分は、遊離塩基として計算し、組成物の総重量に基づいて、約0.1重量%~約10重量%の濃度、例えば、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%又は約0.9重量%~約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%又は約10重量%の濃度で存在する。いくつかの実施形態において、ニコチン成分は、遊離塩基として計算し、組成物の総重量に基づいて、約0.1重量%~約3重量%の濃度、例えば、約0.1重量%~約2.5重量%、約0.1重量%~約2.0重量%、約0.1重量%~約1.5重量%又は約0.1重量%~約1重量%の濃度で存在する。
【0068】
いくつかの実施形態において、本開示の製品又は組成物は、任意のニコチン成分を含まないものとして特徴付けることができる(例えば、本明細書に開示されている任意の実施形態は、任意のニコチン成分を完全に又は実質的に含まない場合がある)。「実質的に含まない」とは、例えばボタニカル材料に天然に存在し得る微量を超えて、ニコチンが意図的に添加されていないことを意味する。例えば、特定の実施形態は、遊離塩基として計算して、0.001重量%未満のニコチン又は0.0001重量%未満、あるいは0重量%のニコチンを有すると特徴付けることができる。
【0069】
いくつかの実施形態において、活性成分はニコチン成分を含む(例えば、本開示の任意の製品又は組成物は、本明細書に開示されている任意の活性成分又は活性成分の組み合わせを含むことに加えて、ニコチン成分をさらに含み得る)。
【0070】
カンナビノイド
いくつかの実施形態において、活性成分は、1種以上のカンナビノイドを含む。本明細書で使用される場合、用語「カンナビノイド」は、エンドカンナビノイド系としても知られる、脳内の神経伝達物質放出を変化させる細胞内のカンナビノイド受容体に作用する多様な化合物の一群を指す。該受容体タンパク質のリガンドとしては、動物の体内において天然に産生されるエンドカンナビノイド、大麻に含まれるフィトカンナビノイド及び人工的に製造される合成カンナビノイドが挙げられる。大麻に含まれるカンナビノイドとしては、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビノール(CBN)、カンナビノジオール(CBDL)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビバリン(CBV)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロメバリン(CBCV)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)、カンナビネロール酸、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビノールプロピル変異体(CBNV)、カンナビトリオール(CBO)、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)及びテトラヒドロカンナビバリン酸(THCVA)が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態において、カンナビノイドは、大麻の主要な精神活性化合物であるテトラヒドロカンナビノール(THC)及び該植物の別の主要成分であるが精神活性を有しないカンナビジオール(CBD)から選択される。上記の化合物は全て、植物材料からの単離物の形態で使用してもよく、合成的に誘導してもよい。
【0071】
あるいは、活性成分はカンナビミメティックであり得る。カンナビミメティックは、カンナビノイドと同じくエンドカンナビノイド系に生物学的効果を有する、大麻以外の植物から得られる化合物の一群である。例としては、ヤンゴニン、α-アミリン又はβ-アミリン(テルペンにも分類される)、シアニジン、クルクミン(ターメリック)、カテキン、ケルセチン、サルビノリンA、N-アシルエタノールアミン及びN-アルキルアミド脂質が挙げられる。
【0072】
存在する場合、カンナビノイド(例えば、CBD)又はカンナビミメティックは通常、組成物の総重量に基づいて、組成物の少なくとも約0.1重量%の濃度である。例えば、約0.1重量%~約30重量%の範囲、例えば、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%又は約0.9重量%~約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%又は約30重量%の範囲の濃度である。
【0073】
テルペン
本開示での使用に好適な活性成分は、テルペンとして分類される場合もあり、その多くは、鎮静効果などの生物学的効果を伴う。テルペンは、(C5H8)nの一般式を有し、モノテルペン、セスキテルペン及びジテルペンを含むと理解される。テルペンは、非環式、単環式、二環式の構造であり得る。一部のテルペンは、カンナビノイド又はカンナビミメティックスと組み合わせて使用することで、アントラージュ効果をもたらす。例としては、β-カリオフィレン、リナロール、リモネン、β-シトロネロール、酢酸リナリル、ピネン(α又はβ)、ゲラニオール、カルボン、ユーカリプトール、メントン、イソメントン、ピペリトン、ミルセン、β-ブルボネン及びゲルマクレンが挙げられ、単独で又は組み合わせて使用されてもよい。
【0074】
医薬成分
いくつかの実施形態において、活性成分は、医薬品活性成分(API)を含む。APIは、治療的、予防的又は診断的使用に適合された任意の既知の薬剤であり得る。APIとしては、例えば合成有機化合物、タンパク質及びペプチド、多糖類及びその他の糖、脂質、リン脂質、無機化合物(例えば、マグネシウム、セレン、亜鉛、硝酸塩)、神経伝達物質又はその前駆体(例えば、セロトニン、5-ヒドロキシトリプトファン、オキシトリプタン、アセチルコリン、ドーパミン、メラトニン)及び治療的、予防的又は診断的活性を有する核酸配列を挙げることができる。APIの非限定的な例としては、鎮痛剤及び解熱剤(例えば、アセチルサリチル酸、アセトアミノフェン、3-(4-イソブチルフェニル)プロパン酸)、ホスファチジルセリン、ミオイノシトール、ドコサヘキサエン酸(DHA、オメガ-3)、アラキドン酸(AA、オメガ-6)、S-アデノシルメチオニン(SAM)、β-ヒドロキシ-β-メチルブチレート(HMB)、シチコリン(シチジン-5’-二リン酸コリン)及びコチニンが挙げられる。いくつかの実施形態において、活性成分は、シチコリンを含む。いくつかの実施形態において、活性成分は、シチコリン、カフェイン、テアニン及び人参の組み合わせである。いくつかの実施形態において、活性成分は、ヒマワリレシチンを含む。いくつかの実施形態において、活性成分は、ヒマワリレシチン、カフェイン、テアニン及び人参の組み合わせである。
【0075】
APIの量は多様であり得る。例えば、存在する場合、APIは通常、組成物の総重量に基づいて、約0.001重量%~約10重量%の濃度、例えば、約0.01重量%、約0.02重量%、約0.03重量%、約0.04重量%、約0.05重量%、約0.06重量%、約0.07重量%、約0.08重量%、約0.09重量%、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、約0.9重量%又は約1重量%~約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%又は約10重量%の濃度である。
【0076】
いくつかの実施形態において、組成物は、任意のAPIを実質的に含まない。「任意のAPIを実質的に含まない」とは、組成物が、任意の病状を治療することを意図した食品医薬品局(FDA)認可の治療薬など、本明細書に定義されている任意のAPIの存在を含有しないこと及び明確に排除していることを意味する。
【0077】
香味剤
いくつかの実施形態において、組成物及び製品は、1種以上の香味剤を含み得る。本明細書で使用される場合、「香味剤」又は「風味剤」は、口腔用製品に伴う官能特性を変化させることができる任意の風味豊かな物質又は芳香物質である。香味剤によって変化させることができる官能特性の例としては、味、口当たり、しっとり感、冷たさ/熱さ及び/又は香り/香気が挙げられる。香味剤は、天然又は合成であり得、香味剤によって付与される風味の特徴は、新鮮、甘味、ハーブ、菓子、フローラル、フルーティ又はスパイシーと表現することができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、放出可能物質は、単一の香味剤を含んでもよく、複数の香味剤を含んでもよい。所望により、1種以上の香味剤は、担体又は充填剤の一部に保持されてもよく、1種以上の香味剤は、さらなる担体又は充填剤に結合されるなど、組成物及び/又は製品に別の方法で保持されてもよい。
【0078】
本明細書において放出可能物質として使用することができる香味剤並びに/又は本組成物及び/若しくは製品中に別の方法で含まれ得る(例えば、多孔質アルミナによって保持されない場合)香味剤の非限定的な例としては、バニラ、コーヒー、チョコレート/ココア、クリーム、ミント、スペアミント、メントール、ペパーミント、ウィンターグリーン、ユーカリ、ラベンダー、カルダモン、ナツメグ、シナモン、クローブ、カスカリラ、サンダルウッド、蜂蜜、ジャスミン、ショウガ、アニス、セージ、リコリス、レモン、オレンジ、リンゴ、桃、ライム、サクランボ、イチゴ、三叉神経感覚剤(trigeminal sensate)、テルペン及びこれらの任意の組み合わせを挙げることができる。また、参照により本明細書に組み込まれている、Leffingwellら、Tobacco Flavoring for Smoking Products,R.J.Reynolds Tobacco Company(1972)も参照のこと。香味剤は、テルペン、テルペノイド、アルデヒド、ケトン、エステルなどの成分を含み得る。
【0079】
いくつかの実施形態において、香味剤は三叉神経感覚剤(trigeminal sensate)である。本明細書で使用される場合、「三叉神経感覚剤」は、三叉神経に影響を与え、温感、冷感、ヒリヒリ感などを含む感覚を生じさせる香味剤を指す。三叉神経感覚香味剤の非限定的な例としては、カプサイシン、クエン酸、メントール、四川ボタン(Sichuan button)、エリスリトール及びクベボールが挙げられる。香料はまた、ユーカリなどの保湿剤、冷感剤又は平滑剤と考えられる成分を含み得る。これらの香料は、ニート(すなわち、単独)又は複合で提供されてもよく、濃縮物又は香料パッケージ(例えば、スペアミント及びメントール、オレンジ及びシナモン;ライム、パイナップルなど)として使用されてもよい。代表的な成分の種類は、それぞれが参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第5,387,416号(Whiteら);米国特許出願公開第2005/0244521号(Stricklandら);及び国際公開番号WO05/041699(Quinterら)にも記載されている。場合によっては、香味剤は、噴霧乾燥形態又は液体形態で提供され得る。
【0080】
香味剤は一般に、少なくとも1種の揮発性風味成分を含む。本明細書で使用される場合、「揮発性」は、周囲温度で容易に蒸気を形成する化学物質(すなわち、所定の温度で非揮発性物質と比較して高い蒸気圧を有する化学物質)を指す。いくつかの実施形態において、揮発性風味成分は、約400Da未満の分子量を有し、多くの場合少なくとも1つの炭素-炭素二重結合、炭素-酸素二重結合又はその両方を含む。その他の実施形態において、少なくとも1種の揮発性風味成分は、1種以上のアルコール、アルデヒド、芳香族炭化水素、ケトン、エステル、テルペン、テルペノイド又はこれらの組み合わせを含む。アルデヒドの非限定的な例としては、バニリン、エチルバニリン、p-アニスアルデヒド、ヘキサナール、フルフラール、イソバレルアルデヒド、クミンアルデヒド、ベンズアルデヒド及びシトロネラールが挙げられる。ケトンの非限定的な例としては、1-ヒドロキシ-2-プロパノン及び2-ヒドロキシ-3-メチル-2-シクロペンテノン-1-オンが挙げられる。エステルの非限定的な例としては、ヘキサン酸アリル、ヘプタン酸エチル、ヘキサン酸エチル、酢酸イソアミル及び酢酸3-メチルブチルが挙げられる。テルペンの非限定的な例としては、サビネン、リモネン、γ-テルピネン、β-ファルネセン、ネロリドール、ツジョン、ミルセン、ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、リナロール及びユーカリプトールが挙げられる。一実施形態において、少なくとも1種の揮発性風味成分は、エチルバニリン、シンナムアルデヒド、サビネン、リモネン、γ-テルピネン、β-ファルネセン又はシトラールのうちの1種以上を含む。一実施形態において、少なくとも1種の揮発性風味成分は、エチルバニリンを含む。特定の実施形態において、香味剤は、サリチル酸メチル、サリチル酸エチル、メントール、スペアミント、ペパーミント又はその他のミント植物種若しくはミント植物誘導体である。
【0081】
混合物で利用される香味剤の量は多様であり得るが、通常混合物の総重量に基づいて、最大で約10重量%であり、特定の実施形態は、少なくとも約0.1重量%の香味剤含量、例えば約0.5~約10重量%、約1~約6重量%又は約2~約5重量%の香味剤含量によって特徴付けられる。
【0082】
タバコ材料
いくつかの実施形態において、本組成物及び/又は製品は、タバコ材料を含み得る。タバコ材料の種、タイプ及び形態は多様であり得る。一般に、タバコ材料は、ニコチアナ属種の収穫された植物から得られる。例示的なニコチアナ属種としては、N.タバカム(N.tabacum)、N.ラスティカ(N.rustica)、N.アラタ(N.alata)、N.アレントシ(N.arentsii)、N.エクセルシオル(N.excelsior)、N.フォルゲチアナ(N.forgetiana)、N.グラウカ(N.glauca)、N.グルチノサ(N.glutinosa)、N.ゴッセイ(N.gossei)、N.カワカミイ(N.kawakamii)、N.ナイティアナ(N.knightiana)、N.ラングスドルフィー(N.langsdorffi)、N.オトフォラ(N.otophora)、N.セトケリ(N.setchelli)、N.シルベストリス(N.sylvestris)、N.トメントサ(N.tomentosa)、N.トメントシホルミス(N.tomentosiformis)、N.アンドゥラタ(N.undulata)、N.サンデラエ(N.xsanderae)、N.アフリカナ(N.africana)、N.アムプレキシカウリス(N.amplexicaulis)、N.ベナビデシ(N.benavidesii)、N.ボナリエンシス(N.bonariensis)、N.デブネイ(N.debneyi)、N.ロンギフロラ(N.longiflora)、N.マリティナ(N.maritina)、N.メガロシホン(N.megalosiphon)、N.オシデンタリス(N.occidentalis)、N.パニクラタ(N.paniculata)、N.プルムバギニフォリア(N.plumbaginifolia)、N.ライモンジ(N.raimondii)、N.ロスラタ(N.rosulata)、N.シムランス(N.simulans)、N.ストクトニ(N.stocktonii)、N.スアベオレンス(N.suaveolens)、N.アンブラチカ(N.umbratica)、N.ベルチナ(N.velutina)、N.ウィガンジオイデス(N.wigandioides)、N.アカウリス(N.acaulis)、N.アクミナタ(N.acuminata)、N.アテヌアタ(N.attenuata)、N.ベンサミアナ(N.benthamiana)、N.カビコラ(N.cavicola)、N.クレベランジ(N.clevelandii)、N.コルジフォリア(N.cordifolia)、N.コリンボサ(N.corymbosa)、N.フラグランス(N.fragrans)、N.グッドスピーディ(N.goodspeedii)、N.リネアリス(N.linearis)、N.ミエルシ(N.miersii)、N.ヌジカウリス(N.nudicaulis)、N.オブツシフォリア(N.obtusifolia)、N.オシデンタリス亜種ヘスペリス(N.occidentalis subsp.Hersperis)、N.パウシフロラ(N.pauciflora)、N.ペツニオイデス(N.petunioides)、N.クアドリバルビス(N.quadrivalvis)、N.レパンダ(N.repanda)、N.ロツンジホリア(N.rotundifolia)、N.ソラニフォリア(N.solanifolia)、N.スペガジニ(N.spegazzinii)が挙げられる。その他のさまざまなニコチアナ属種植物の代表的な種類は、それぞれが参照により本明細書に組み込まれている、Goodspeed, The Genus Nicotiana,(Chonica Botanica)(1954);米国特許第4,660,577号(Sensabaugh,Jr.ら);米国特許第5,387,416号(Whiteら);米国特許第7,025,066号(Lawsonら);米国特許第7,798,153号(Lawrence,Jr.)及び米国特許第8,186,360号(Marshallら)に記載されている。さまざまなタイプのタバコ、栽培方法及び収穫方法の説明は、参照により本明細書に組み込まれている、Tobacco Production, Chemistry and Technology, Davisら(Eds.)(1999)に記載されている。
【0083】
好適なタバコ材料を得ることができるニコチアナ属種は、遺伝子組み換え又は異種交配技術を使用して得ることができる(例えば、タバコ植物は、成分、特性又は属性の発現を増加又は減少させるために遺伝子組み換え又は異種交配させることができる)。例えば、米国特許第5,539,093号(Fitzmauriceら);米国特許第5,668,295号(Wahabら);米国特許第5,705,624号(Fitzmauriceら);米国特許第5,844,119号(Weigl);米国特許第6,730,832号(Dominguezら);米国特許第7,173,170号(Liuら);米国特許第7,208,659号(Colliverら);米国特許第7,230,160号(Benningら);米国特許出願公開第2006/0236434号(Conklingら);及びPCT WO2008/103935(Nielsenら)に記載された植物の遺伝子組み換えの種類を参照のこと。それぞれが参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第4,660,577号(Sensabaugh,Jr.ら);米国特許第5,387,416号(Whiteら);米国特許第6,730,832号(Dominguezら)に記載されたタバコの種類も参照のこと。
【0084】
ニコチアナ属種は、いくつかの実施形態において、該種に存在するさまざまな化合物の含量に対して選択されてもよい。例えば、植物は、該植物が、該植物から単離される所望の1種以上の化合物を比較的多量に生成することに基づいて選択されてもよい。特定の実施形態において、ニコチアナ属種植物(例えば、ガルパオ・コムンタバコ(Galpao commun tobacco))は、特にその豊富な葉表面化合物のために栽培される。タバコ植物は、温室、グロースチャンバー若しくは屋外の畑で栽培する又は水耕で栽培することができる。
【0085】
ニコチアナ属種植物のさまざまな部分又は一部を、本明細書に開示されている混合物中に含むことができる。例えば、実質的に植物の全て(例えば、植物全体)を収穫することができ、そのように使用することができる。あるいは、植物のさまざまな部分又は断片を収穫する又は収穫後さらなる使用のために分離することができる。例えば、花、葉、茎、軸(stalk)、根、種子及びこれらのさまざまな組み合わせは、さらなる使用又は処理のために分離することができる。いくつかの実施形態において、タバコ材料は、タバコ葉(ラミナ)を含む。本明細書に開示されている混合物は、加工タバコ部分又は断片、本質的に天然のラミナ及び/又は茎の形態の硬化及び熟成タバコ、タバコ抽出物、抽出タバコパルプ(例えば、溶媒として水を使用)又は前述の混合物(例えば、抽出タバコパルプ及び顆粒状の乾燥及び熟成天然タバコラミナを組み合わせた混合物)を含み得る。
【0086】
特定の実施形態において、タバコ材料は、ラミナ及び茎からなる群から選択される固体タバコ材料を含む。混合物に使用されるタバコは、最も好ましくは、タバコラミナ又はタバコラミナ及び茎の混合物(このうち少なくとも一部は煙処理されている(smoke-treated)。)を含む。混合物中のタバコの一部は、加工されたタバコ茎(例えば、裁断圧延(cut-rolled)茎若しくは裁断圧延膨化(cut-rolled-expanded)茎又はカットパフ(cut-puffed)茎)、体積膨化タバコ(例えば、ドライアイス膨化タバコ(DIET)などのパフタバコ)などの加工形態を有してもよい。例えば、全て参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第4,340,073号(Burdeら);米国特許第5,259,403号(Guyら);米国特許第5,908,032号(Poindexterら);及び米国特許第7,556,047号(Poindexterら)に記載されたタバコ膨化プロセスを参照のこと。さらに、混合物は任意選択的に、発酵させたタバコを組み込んでいてもよい。参照により本明細書に組み込まれているPCT WO2005/063060(Atchleyら)に記載されたタバコ加工技術の種類も参照のこと。
【0087】
タバコ材料は、通常、粒子状(すなわち、刻み、粉状、顆粒化又は粉末形態)と表現できる形態で使用される。タバコ材料が微粒子状又は粉末状の形態で提供される手法は、多様であり得る。好ましくは、植物の部分又は断片は、粉砕、製粉などのための装置及び技術を使用して、粒子状形態に粉末化、粉砕又は微粉化される。最も好ましくは、植物材料は、ハンマーミル、カッターヘッド、空気制御ミル(air control mill)などの装置を使用する粉砕又は製粉の間、比較的乾燥した形態である。例えば、タバコの部分又は断片は、その水分含量が約15重量%未満又は約5重量%未満である場合、粉砕又は製粉され得る。最も好ましくは、タバコ材料は、1.4mm~250μmの平均粒子径を有する部分又は断片の形態で使用される。場合によっては、タバコ粒子は、必要な粒子径範囲が得られるようにふるい目を通過するサイズであり得る。所望により、所望のサイズ又は所望のサイズ範囲である、小さなサイズのタバコ粒子を確実に収集できるように、空気分級機が使用されてもよい。所望により、異なるサイズの粒状タバコを一緒に混合してもよい。
【0088】
タバコが微粒子状又は粉末状の形態で提供される手法は、多様であり得る。好ましくは、タバコの部分又は断片は、粉砕、製粉などのための装置及び技術を使用して、粉末状形態に粉末化、粉砕又は微粉化される。最も好ましくは、タバコは、ハンマーミル、カッターヘッド、空気制御ミルなどの装置を使用する粉砕又は製粉の間、比較的乾燥した形態である。例えば、タバコの部分又は断片は、その水分含量が約15重量%未満~約5重量%未満である場合、粉砕又は製粉され得る。例えば、タバコ植物又はその一部を個々の部分又は断片に分離することができる(例えば、葉を茎から除去してもよく、並びに/又は茎及び葉を軸から除去してもよい)。収穫された植物又は個々の部分若しくは断片は、さらに部分又は断片へと細分化することができる(例えば、葉は、充填剤型断片、顆粒、粒子又は微粉末として特徴付けることができる部分又は断片に刻み、切断、粉末化、微粉化、製粉又は粉砕されてもよい)。植物又はその部分は、(例えば、プレスされる又はロール処理を受けることによって)外力又は圧力を受けてもよい。このような加工条件を実施する場合、植物又はその一部は、その自然含水率(例えば、収穫直後の含水率)に近似する含水率、植物若しくはその一部に水分を加えることによって得られる含水率又は植物若しくはその一部を乾燥させて得られる含水率を有し得る。例えば、粉末化、微粉化、粉砕又は製粉による植物の断片又はその一部は、約25重量%未満、多くの場合約20重量%未満、しばしば約15重量%未満の水分含量を有し得る。
【0089】
口腔用製品の調製のために、収穫されたニコチアナ属種植物は通常、乾燥プロセスを受ける。本明細書に開示されている製品中に含むための混合物中に組み込まれるタバコ材料は、適切に乾燥及び/又は熟成されたものである。さまざまなタイプのタバコのためのさまざまなタイプの乾燥プロセスの説明は、Tobacco Production, Chemistry and Technology, Davisら(Eds.)(1999)に記載されている。黄色種タバコを乾燥させるための技術及び条件の例は、参照により本明細書に組み込まれている、Nestorら、Beitrage Tabakforsch. Int., 20, 467-475(2003)及び米国特許第6,895,974号(Peele)に記載されている。タバコを空気乾燥させるための代表的な技術及び条件は、参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第7,650,892号(Grovesら);Rotonら、Beitrage Tabakforsch. Int., 21, 305-320(2005)及びStaafら、Beitrage Tabakforsch. Int., 21, 321-330(2005)に記載されている。特定の種類のタバコは、火力乾燥又は日干し乾燥など、別の種類の乾燥処理を受けてもよい。
【0090】
特定の実施形態において、使用され得るタバコ材料としては、黄色種又はVirginia(例えば、K326)、burley、日干し乾燥(例えば、Katerini、Prelip、Komotini、Xanthi及びYambolタバコを含むIndian Kurnool及びOrientalタバコ)、Maryland、暗色、暗色火力乾燥、暗色空気乾燥(例えば、Madole、Passanda、Cubano、Jatin及びBezukiタバコ)、明色空気乾燥(例えば、North Wisconsin及びGalpaoタバコ)、Indian空気乾燥、Red Russian及びRusticaタバコ、並びにその他のさまざまな希少又は特殊タバコ及び前述されたいずれかのタバコのさまざまなブレンドが挙げられる。
【0091】
タバコ材料は、いわゆる「ブレンド」された形態を有してもよい。例えば、タバコ材料は、黄色種、burley(例えば、Malawi burleyタバコ)並びに(例えば、タバコラミナで構成される若しくはタバコラミナに由来するタバコ又はタバコラミナ及びタバコ茎の混合物として)Orientalタバコの部分又は断片の混合物を含み得る。例えば、代表的なブレンドは、乾燥重量基準で、約30~約70部のburleyタバコ(例えば、ラミナ又はラミナ及び茎)及び約30~約70部の黄色種タバコ(例えば、茎、ラミナ又はラミナ及び茎)を組み込んでいてもよい。その他の例示的なタバコブレンドは、乾燥重量基準で、約75部の黄色種タバコ、約15部のburleyタバコ及び約10部のOrientalタバコ;又は約65部の黄色種タバコ、約25部のburleyタバコ及び約10部のOrientalタバコ;又は約65部の黄色種タバコ、約10部のburleyタバコ及び約25部のOrientalタバコを組み込んでいる。その他の例示的なタバコブレンドは、乾燥重量基準で、約20~約30部のOrientalタバコ及び約70~約80部の黄色種タバコを組み込んでいる。
【0092】
本開示で使用されるタバコ材料は、例えば、発酵、漂白などを受けてもよい。所望により、タバコ材料は、例えば、照射、低温殺菌又は別の方法で制御された熱処理を受けてもよい。このような処理プロセスは、例えば、参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第8,061,362号(Muaら)に詳述されている。特定の実施形態において、タバコ材料は、水及びタバコ材料の加熱時にアクリルアミドを形成するアスパラギンの反応を抑制することができる添加剤(例えば、リジン、グリシン、ヒスチジン、アラニン、メチオニン、システイン、グルタミン酸、アスパラギン酸、プロリン、フェニルアラニン、バリン、アルギニン、2価及び3価カチオンを組み込んだ組成物、アスパラギナーゼ、特定の非還元糖類、特定の還元剤、フェノール化合物、少なくとも1つの遊離チオール基又は官能基を有する特定の化合物、酸化剤、酸化触媒、天然植物抽出物(例えば、ローズマリー抽出物)及びこれらの組み合わせからなる群から選択される添加剤)で処理されてもよい。例えば、全て参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第8,434,496号、米国特許第8,944,072号及び米国特許第8,991,403号(Chenら)に記載された処理プロセスの種類を参照のこと。特定の実施形態において、この種類の処理は、元のタバコ材料が前述のプロセスにおいて熱にさらされる場合に有用である。
【0093】
いくつかの実施形態において、タバコ材料の種類は、最初の状態で他のタバコ材料よりもある程度視覚的に明るい色であるように選択される(例えば、白色化又は漂白されている)。タバコパルプは、特定の実施形態において、当該技術分野において既知の任意の手段に従って白色化することができる。例えば、さまざまな漂白剤又は酸化剤及び酸化触媒を使用したさまざまな白色化方法によって製造された漂白タバコ材料を使用することができる。例示的な酸化剤としては、過酸化物(例えば、過酸化水素)、亜塩素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、次亜塩素酸塩、オゾン、アンモニア、過マンガン酸カリウム及びこれらの組み合わせが挙げられる。例示的な酸化触媒は、二酸化チタン、二酸化マンガン及びこれらの組み合わせである。タバコを漂白剤で処理するプロセスは、例えば、全て参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第787,611号(Daniels,Jr.);米国特許第1,086,306号(Oelenheinz);米国特許第1,437,095号(Delling);米国特許第1,757,477号(Rosenhoch);米国特許第2,122,421号(Hawkinson);米国特許第2,148,147号(Baier);米国特許第2,170,107号(Baier);米国特許第2,274,649号(Baier);米国特許第2,770,239号(Pratsら);米国特許第3,612,065号(Rosen);米国特許第3,851,653号(Rosen;);米国特許第3,889,689号(Rosen);米国特許第3,943,940号(Minami);米国特許第3,943,945号(Rosen);米国特許第4,143,666号(Rainer);米国特許第4,194,514号(Campbell);米国特許第4,366,823号(Rainerら);米国特許第4,366,824号(Rainerら);米国特許第4,388,933号(Rainerら);米国特許第4,641,667号(Schmekelら);米国特許第5,713,376号(Berger);米国特許第9,339,0586号(ByrdJr.ら);米国特許第9,420,825号(Beesonら);米国特許第9,950,858号(ByrdJr.ら);並びに米国特許出願公開第2012/0067361号(Bjorkholmら);米国特許出願公開第2016/0073686号(Crooks);米国特許出願公開第2017/0020183号(Bjorkholm);及び米国特許出願公開第2017/0112183号(Bjorkholm);及び国際公開番号WO1996/031255(Giolvas)及びWO2018/083114(Bjorkholm)に記述されている。
【0094】
いくつかの実施形態において、白色化タバコ材料は、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%又は少なくとも約80%のISO白色度を有し得る。いくつかの実施形態において、白色化タバコ材料は、約50%~約90%、約55%~約75%又は約60%~約70%の範囲のISO白色度を有し得る。ISO白色度は、ISO 3688:1999又はISO 2470-1:2016に従って測定することができる。
【0095】
いくつかの実施形態において、白色化タバコ材料は、未処理のタバコ材料と比較して色が明るくなった(例えば、「白色化した」)と特徴付けることができる。白色は、多くの場合、国際照明委員会(CIE)の色度図を参照して定義される。白色化タバコ材料は、特定の実施形態において、未処理のタバコ材料よりも色度図において純白に近いと特徴付けることができる。
【0096】
さまざまな実施形態において、タバコ材料は、該材料からタバコ材料の可溶性成分を抽出するために処理されてもよい。本明細書で使用される場合、「タバコ抽出物」は、抽出処理においてタバコ材料と接触させられる溶媒によって固体タバコパルプから抽出される、タバコ材料の単離された成分を指す。タバコ抽出物及びタバコ固体材料をもたらすために、タバコ材料のさまざまな抽出技術を使用することができる。例えば、参照により本明細書に組み込まれている、米国特許出願公開第2011/0247640号(Beesonら)に記載された抽出プロセスを参照のこと。タバコの成分を抽出するその他の例示的な技術は、全て参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第4,144,895号(Fiore);米国特許第4,150,677号(Osborne,Jr.ら);米国特許第4,267,847号(Reid);米国特許第4,289,147号(Wildmanら);米国特許第4,351,346号(Brummerら);米国特許第4,359,059号(Brummerら);米国特許第4,506,682号(Muller);米国特許第4,589,428号(Keritsis);米国特許第4,605,016号(Sogaら);米国特許第4,716,911号(Pouloseら);米国特許第4,727,889号(Niven,Jr.ら);米国特許第4,887,618号(Bernasekら);米国特許第4,941,484号(Clappら);米国特許第4,967,771号(Faggら);米国特許第4,986,286号(Robertsら);米国特許第5,005,593号(Faggら);米国特許第5,018,540号(Grubbsら);米国特許第5,060,669号(Whiteら);米国特許第5,065,775号(Fagg);米国特許第5,074,319号(Whiteら);米国特許第5,099,862号(Whiteら);米国特許第5,121,757号(Whiteら);米国特許第5,131,414号(Fagg);米国特許第5,131,415号(Munozら);米国特許第5,148,819号(Fagg);米国特許第5,197,494号(Kramer);米国特許第5,230,354号(Smithら);米国特許第5,234,008号(Fagg);米国特許第5,243,999号(Smith);米国特許第5,301,694号(Raymondら);米国特許第5,318,050号(Gonzalez-Parraら);米国特許第5,343,879号(Teague);米国特許第5,360,022号(Newton);米国特許第5,435,325号(Clappら);米国特許第5,445,169号(Brinkleyら);米国特許第6,131,584号(Lauterbach);米国特許第6,298,859号(Kierulffら);米国特許第6,772,767号(Muaら);米国特許第7,337,782号(Thompson)に記載されている。
【0097】
タバコ材料の典型的な含有範囲は、タバコ材料の性質及び種類、並びに最終混合物に対する意図された効果に応じて多様であり得、例示的な範囲は、混合物の総重量に基づいて、最大で約30重量%(又は最大で約20重量%、最大で約10重量%若しくは最大で約5重量%)、(例えば、約0.1~約15重量%)である。いくつかの実施形態において、本開示の製品は、タバコ材料を(活性成分としての精製ニコチン以外)完全に含まない又は実質的に含まないものとして特徴付けることができる。例えば、特定の実施形態は、1重量%未満、0.5重量%未満若しくは0.1重量%未満のタバコ材料を有する又は0重量%のタバコ材料を有すると特徴付けることができる。いくつかの実施形態において、本開示の組成物又は製品は、存在する任意のニコチン成分以外に、混合物の総重量に基づいて約10重量%以下のタバコ材料を含み得る。
【0098】
追加の添加剤
いくつかの実施形態において、1種以上の追加の添加剤が、開示されている組成物及び/又は製品に含まれてもよい。例えば、組成物は、その他の材料又は成分と加工、ブレンド、配合、組み合わせ及び/又は混合することができる。添加剤は人工的なものであってもよく、ハーブ若しくは生物学的供給源から得られる又はハーブ若しくは生物学的供給源に由来するものであってもよい。含まれ得る追加の添加剤における特定の種類は、以下においてさらに記載されている。
【0099】
いくつかの実施形態において、組成物及び製品は、水を含有し得る。製品の消費者による使用前の、製品中の組成物の水分含量は、所望の性質に従って多様であり得る。通常、使用者の口に入れる前の製品中に存在する組成物は、60重量%未満、50重量%未満、40重量%未満、30重量%未満、20重量%未満、10重量%未満又は5重量%未満の水を含み得る。例えば、組成物及び/又は製品中の総水分含量は、水が約0.1重量%~約60重量%、約1重量%~約50重量%、約1.5重量%~約40重量%又は約2重量%~約25重量%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、組成物及び製品は、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%又は少なくとも20重量%の水を含み得る。
【0100】
いくつかの実施形態において、組成物及び製品は、1種以上の有機酸を含有し得る。本明細書で使用される場合、用語「有機酸」は、酸性の性質を特徴とする有機(すなわち、炭素系)化合物を指す。通常、有機酸は、カルボン酸(-CO2H)又はスルホン酸(-SO2OH)などの比較的弱い酸(すなわち、水の存在下で完全に解離しない)である。本明細書で使用される場合、有機酸への言及は、意図的に添加される有機酸を意味する。この点で、有機酸は、単に別の成分の構成成分としてもともと存在する(例えば、タバコ材料などの成分中にもともと存在し得る少量の有機酸)のとは対照的に、特定の成分として意図的に添加され得る。いくつかの実施形態において、1種以上の有機酸は、ニート(すなわち、遊離酸、未処理の(native)固体若しくは液体の形態で)又は例えば水溶液として添加される。いくつかの実施形態において、1種以上の有機酸は、本明細書において以下に記載されたように、塩の形態で添加される。
【0101】
いくつかの実施形態において、有機酸はアルキルカルボン酸である。アルキルカルボン酸の非限定的な例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などが挙げられる。いくつかの実施形態において、有機酸は、アルキルスルホン酸である。アルキルスルホン酸の非限定的な例としては、プロパンスルホン酸及びオクタンスルホン酸が挙げられる。いくつかの実施形態において、アルキルカルボン酸又はスルホン酸は、1つ以上のヒドロキシル基で置換されている。非限定的な例としては、グリコール酸、4-ヒドロキシ酪酸及び乳酸が挙げられる。いくつかの実施形態において、有機酸は、2つ以上のカルボン酸基又は2つ以上のスルホン酸基(例えば、2つ、3つ又はそれ以上のカルボン酸基)を含み得る。非限定的な例としては、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸及びグルタル酸が挙げられる。複数のカルボン酸(例えば、2~4つのカルボン酸基)を含有する有機酸において、1つ以上のカルボン酸基がエステル化されていてもよい。非限定的な例としては、コハク酸モノエチルエステル、フマル酸モノメチル、クエン酸モノメチル又はクエン酸ジメチルなどが挙げられる。
【0102】
いくつかの実施形態において、有機酸は、2つ以上のカルボン酸基及び1つ以上のヒドロキシル基を含み得る。このような酸の非限定的な例としては、酒石酸、クエン酸などが挙げられる。いくつかの実施形態において、有機酸は、アリールカルボン酸又はアリールスルホン酸である。アリールカルボン酸及びスルホン酸の非限定的な例としては、安息香酸、トルイル酸、サリチル酸、ベンゼンスルホン酸及びp-トルエンスルホン酸が挙げられる。いくつかの実施形態において、有機酸は、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、オクタン酸、安息香酸、トルイル酸、サリチル酸又はこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、有機酸は安息香酸である。いくつかの実施形態において、有機酸はクエン酸である。別の実施形態において、有機酸の一部、あるいは全部が、アルカリ成分を有する塩の形態で添加されてもよく、これはニコチンを含み得るが、これに限定されない。例えばニコチンの好適な塩の非限定的な例としては、ホルメート、アセテート、プロピオネート、イソブチレート、ブチレート、α-メチルブチレート、イソバレレート、β-メチルバレレート、カプロエート、2-フロエート、フェニルアセテート、ヘプタノエート、オクタノエート、ノナノエート、オキサレート、マロネート、グリコレート、ベンゾエート、タータレート、レブリネート、アスコルベート、フマレート、シトレート、マレート、ラクテート、アスパルテート、サリチレート、トシレート、サクシネート、ピルベートなどが挙げられる。
【0103】
組成物中に存在する有機酸の量は、多様であり得る。一般に、組成物は、混合物の総重量に基づいて0~約10重量%の、1種以上の有機酸として存在する有機酸を含み得る。
【0104】
いくつかの実施形態において、組成物は、通常、組成物及び製品に所望の官能属性をもたらすのに十分な量で使用される塩(例えば、アルカリ金属塩)をさらに含み得る。好適な塩の非限定的な例としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、小麦粉塩(flour salt)などが挙げられる。存在する場合、塩の代表的な量は、約0.5重量%以上、約1.0重量%以上又は約1.5重量%以上であるが、通常、組成物又は製品の総重量の約10%以下、約7.5%以下又は約5%以下(例えば、約0.5~約5重量%)を構成する。
【0105】
組成物及び製品はまた、1種以上の甘味料を含み得る。甘味料は、天然若しくは人工の形態で又は天然甘味料及び人工甘味料の組み合わせとして、任意の甘味料又は甘味料の組み合わせであり得る。天然甘味料の例としては、フルクトース、スクロース、グルコース、マルトース、マンノース、ガラクトース、イソマルチュロース、ラクトース、ステビア、蜂蜜などが挙げられる。人工甘味料の例としては、スクラロース、マルトデキストリン、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムK、ネオテームなどが挙げられる。いくつかの実施形態において、甘味料は、1種以上の糖アルコールを含む。糖アルコールは、部分的又は完全に水素化された形態を有する、単糖類又は二糖類から誘導されたポリオールである。糖アルコールは、例えば、約4~約20個の炭素原子を有し、エリスリトール、アラビトール、リビトール、イソマルト、マルチトール、ダルシトール、イジトール、マンニトール、キシリトール、ラクチトール、ソルビトール及びこれらの組み合わせ(例えば、加水分解水添デンプン)を含む。存在する場合、甘味料の代表的な量は、組成物又は製品の総重量に基づいて、重量基準で組成物の約0.1~約20重量%以上、例えば、重量基準で組成物又は製品の約0.1~約1重量%、約1~約5重量%、約5~約10重量%又は約10~約20重量%を構成してもよい。
【0106】
いくつかの実施形態において、組成物及び製品は、1種以上の結合剤を含み得る。特定の実施形態において、組成物に所望の物理的属性及び物理的一体性をもたらすのに十分な量の結合剤(又は結合剤の組み合わせ)が使用されてもよく、結合剤は、多くの場合増粘剤又はゲル化剤として機能する。典型的な結合剤は、有機若しくは無機又はこれらの組み合わせであり得る。代表的な結合剤としては、ポビドン、アルギン酸ナトリウム、デンプン系結合剤、ペクチン、カラギーナン、プルラン、ゼイン、変性セルロースなど及びこれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態において、結合剤は、ペクチン若しくはカラギーナン又はこれらの組み合わせを含む。利用される結合剤の量は多様であり得るが、通常、組成物又は製品の総重量に基づいて、最大で約30重量%であり、特定の実施形態は、少なくとも約0.1重量%の結合剤含量、例えば約1~約30重量%又は約5~約10重量%の結合剤含量によって特徴付けられる。
【0107】
特定の実施形態において、結合剤は、例えば天然ガムなどのガムを含む。本明細書で使用される場合、天然ガムは、結合性を有し、増粘剤又はゲル化剤としても有用な天然由来の多糖類材料を指す。通常ある程度水溶性である植物由来の代表的な天然ガムとしては、キサンタンガム、グアーガム、アラビアガム、ガティガム、トラガカントガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、ジェランガム及びこれらの組み合わせが挙げられる。存在する場合、天然ガム結合剤材料は、通常、組成物又は製品の総重量に基づいて、最大で約5重量%の量、例えば、約0.1、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9又は約1重量%~約2、約3、約4又は約5重量%の量で存在する。
【0108】
特定の実施形態において、1種以上の保湿剤が組成物中で使用され得る。保湿剤の例としては、グリセリン、プロピレングリコールなどが挙げられるが、これらに限定されない。含まれる場合、保湿剤は、通常、組成物に所望の水分属性(moisture attributes)をもたらすのに十分な量で提供される。さらに、場合によっては、保湿剤は、型に堆積させるのに望ましい流動特性を組成物に付与し得る。存在する場合、保湿剤は、通常、組成物又は製品の重量の約5%以下(例えば、約0.5~約5重量%)を構成する。存在する場合、保湿剤の代表的な量は、組成物又は製品の総重量に基づいて約0.1重量%~約1重量%又は約1重量%~約5重量%である。
【0109】
特定の実施形態において、本開示の組成物は、pH調整剤又は緩衝剤を含み得る。pH調整剤又は緩衝剤は、組成物又は製品の使用中に、高いpHで使用者の唾液に一時的な緩衝をもたらすように適合又は構成されてもよい。ヒトの唾液のpHは、通常中性レベル(すなわち、約7のpH)に近いため、いくつかの実施形態において、組成物及び製品の使用中に一時的なpH上昇をもたらすように適合又は構成され得る組成物及び製品を提供することが望ましい場合がある。使用後、pHは次いで、通常の値に戻る。
【0110】
本開示によれば、さまざまなpH調整剤及び緩衝剤を使用することができる。例としては、金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物)並びに金属炭酸塩(例えば、炭酸カリウム若しくは炭酸ナトリウム)又は炭酸水素ナトリウムなどの金属重炭酸塩などの他のアルカリ金属緩衝剤などが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、好適な緩衝剤は、1種以上のアミノ酸又はその塩を含み得る。アミノ酸の構造における酸性基及び塩基性基の両方の存在、並びに他の緩衝剤に付随し得る不快な味の発生の低減を考慮すると、アミノ酸緩衝剤の使用は有益であり得る。特定の実施形態において、1種以上のアミノ酸又はその塩は、グリシン及びその塩のうちの1つ又は両方を含む。グリシンなどのアミノ酸の使用は、ニコチンなどの1種以上の活性成分を吸収する能力を向上させるのに有益であり得る。多くのニコチン製品の緩衝化のために、ジペプチド及びトリペプチドが特に好適であり得る。特定のアミノ酸及び/又はそのペプチドは、特に所望される緩衝点をもたらすように選択されてもよい。
【0111】
いくつかの実施形態において、さらなる好適な緩衝剤は、1種以上のリン酸緩衝剤を含み得る。例えば、好適なリン酸緩衝剤は、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸カルシウム及びリン酸マグネシウムのうちの1つ又はこれらの組み合わせを含み得る。その他のリン酸塩形態も利用することができる。例えば、ポリリン酸及び/又は環状リン酸塩を利用することができる。さらなる好適な緩衝剤の非限定的な例としては、アルカリ金属酢酸塩、グリシネート、グリセロリン酸塩、クエン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、ホウ酸塩又はこれらの混合物が挙げられる。
【0112】
緩衝剤は、本組成物及び製品においてさまざまな濃度で存在してもよく、正確な濃度は、含まれる活性剤、組成物中におけるその他の成分の存在及び使用されている特定の緩衝剤に基づいて多様であり得る。例示的な実施形態において、緩衝剤は、組成物又は製品の重量に基づいて約5%以下の量で存在し得る。さらなる実施形態において、例えば、緩衝剤は、組成物又は製品の総重量に基づいて約0.5重量%~約5重量%、例えば、約0.75重量%~約4重量%、約0.75重量%~約3重量%又は約1重量%~約2重量%の量で存在し得る。配合物中の緩衝剤及びpH調整剤の量は、口腔内の唾液中で約6.5~約9.0のpHをもたらすように適合又は構成されてもよい。例えば、pH調整剤及び/又は緩衝剤は、唾液中で約6.5~約8.5又は約7.0~約8.0のpHをもたらすのに十分な量で存在し得る。
【0113】
いくつかの実施形態において、組成物及び製品は、1種以上の着色剤を含み得る。着色剤は、組成物又は製品に所望の物理的属性をもたらすのに十分な量で使用されてもよい。着色剤の例としては、カラメル色素及び二酸化チタンなど、さまざまな染料及び顔料が挙げられる。組成物又は製品に利用される着色剤の量は多様であり得るが、存在する場合、通常、組成物又は製品の総重量に基づいて、最大で約3重量%、例えば約0.1重量%、約0.5重量%又は約1重量%~約3重量%である。
【0114】
本組成物及び製品に使用することができる添加剤のさらなる種類の例としては、増粘剤又はゲル化剤(例えば、フィッシュゼラチン)、乳化剤、口腔ケア添加剤(例えば、タイム油、ユーカリ油及び亜鉛)、保存料(例えば、ソルビン酸カリウムなど)、崩壊助剤、水溶性が高い組成物用に比較的水溶性であるように選択された亜鉛又はマグネシウム塩(例えば、グルコン酸マグネシウム若しくはグルコン酸亜鉛)、若しくは水溶性が低い組成物用に比較的水不溶性であるように選択された亜鉛又はマグネシウム塩(例えば、酸化マグネシウム若しくは酸化亜鉛)又はこれらの組み合わせが挙げられる。例えば、それぞれが参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第9,237,769号(Muaら)、米国特許第7,861,728号(Holton,Jr.ら)、米国特許出願公開第2010/0291245号(Gaoら)及び米国特許出願公開第2007/0062549号(Holton,Jr.ら)に記載された、これらの代表的な成分、成分の組み合わせ、各成分の相対量及びこれらの成分を使用する手法及び方法を参照のこと。このような追加の添加剤の典型的な含有範囲は、添加剤の性質及び機能、並びに最終混合物に対する意図された効果に応じて多様であり得、例示的な範囲は、混合物の総重量に基づいて、最大で約10重量%(例えば、約0.1~約5重量%)である。
【0115】
前述の添加剤は、一緒に(例えば、添加配合物として)又は別々に使用されてもよい(例えば、個々の添加剤成分は、最終混合物の調製に関与する異なる段階で添加されてもよい。)。さらに、前述の種類の添加剤は、最終製品又は混合物中に供給されるようにカプセル化されてもよい。例示的なカプセル化された添加剤は、例えば、既に参照により本明細書に組み込まれている、WO2010/132444(Atchley)に記載されている。
【0116】
粒子
いくつかの実施形態において、本明細書に記載された充填剤成分、タバコ材料及び口腔用製品全体のうち任意の1種以上は、粒子状物質として記載され得る。本明細書で使用される場合、用語「粒子」は、個々の粒子が複数ある形態の材料を指し、そのうちの一部は複数の粒子の粒塊である形態であってもよく、粒子の平均長さと幅との比は2:1未満、例えば1.5:1未満、例えば約1:1である。さまざまな実施形態において、粒子状物質の粒子は、実質的に球状又は顆粒状と表現することができる。
【0117】
粒子状物質の粒子径は、ふるい分析によって測定することができる。当業者なら容易に理解できるように、ふるい分析(別称、グラデーション試験)は、粒子状物質の粒度分布を測定するために使用される方法である。通常、ふるい分析では、組ふるいカラム(nested column of sieves)を使用する。これは、好ましくは金網布の形態であるふるいを備える。あらかじめ秤量した試料を、ふるい目開き又はメッシュサイズが最も大きい(すなわち、ふるいの孔径が最も大きい)、カラムの一番上又は最上のふるいに投入してもよい。カラム下部の各ふるいは、上のふるいよりも徐々にふるい目開き又はメッシュサイズが小さくなっている。通常、ふるいカラムの底部には、カラムの底部又は最下部の(最も小さいふるい目開き又はメッシュサイズを有する)ふるいの、ふるい目開きサイズ又はメッシュサイズより小さい粒子径を有する任意の粒子を収集する受け部がある。
【0118】
いくつかの実施形態において、ふるいカラムは機械撹拌器の上又は中に置かれる場合がある。撹拌器は、カラム内の各ふるいを振動させる。機械撹拌器は、全ての粒子が正しいふるいに収集されることを確実にするために、あらかじめ決められた時間だけ作動させてもよい。いくつかの実施形態において、ふるいカラムは、0.5分~10分、例えば1分~10分、例えば1分~5分、例えば約3分の間、撹拌される。カラム内のふるいの撹拌が完了したら、各ふるいに収集された材料の重量を測定する。次いで、各ふるい上に保持された量の百分率を得るために、各ふるい上の各試料の重量を総重量で除算してもよい。当業者が容易に理解するように、ふるい分析に使用されるカラム内の各ふるいの、ふるい目開きサイズ又はメッシュサイズは、分析される試料の粒度又は既知の最大/最小粒子径に基づいて選択されてもよい。いくつかの実施形態において、ふるいカラムであって、カラムが2~20個のふるい、例えば5~15個のふるいを備えるふるいカラムが、ふるい分析のために使用されてもよい。いくつかの実施形態において、ふるいカラムであって、カラムが10個のふるいを備えるふるいカラムが、ふるい分析のために使用されてもよい。いくつかの実施形態において、ふるい分析のために使用されるふるいの、最も大きいふるい目開き又はメッシュサイズは、1,000μm、例えば500μm、例えば400μm、例えば300μmであり得る。
【0119】
いくつかの実施形態において、本明細書で言及された任意の粒子状物質(例えば、充填剤成分、タバコ材料及び口腔用製品全体)は、ふるい分析によって測定された粒子径が約1,000μm以下、例えば約500μm以下、例えば約400μm以下、例えば約350μm以下、例えば約300μm以下の粒子を少なくとも50重量%有するものとして特徴付けることができる。いくつかの実施形態において、本明細書で言及された任意の粒子状物質における粒子のうち少なくとも60重量%は、ふるい分析によって測定した際に、約1,000μm以下、例えば約500μm以下、例えば約400μm以下、例えば約350μm以下、例えば約300μm以下の粒子径を有する。いくつかの実施形態において、本明細書で言及された任意の粒子状物質における粒子のうち少なくとも70重量%は、ふるい分析によって測定した際に、約1,000μm以下、例えば約500μm以下、例えば約400μm以下、例えば約350μm以下、例えば約300μm以下の粒子径を有する。いくつかの実施形態において、本明細書で言及された任意の粒子状物質における粒子のうち少なくとも80重量%は、ふるい分析によって測定した際に、約1,000μm以下、例えば約500μm以下、例えば約400μm以下、例えば約350μm以下、例えば約300μm以下の粒子径を有する。いくつかの実施形態において、本明細書で言及された任意の粒子状物質における粒子のうち少なくとも90重量%は、ふるい分析によって測定した際に、約1,000μm以下、例えば約500μm以下、例えば約400μm以下、例えば約350μm以下、例えば約300μm以下の粒子径を有する。いくつかの実施形態において、本明細書で言及された任意の粒子状物質における粒子のうち少なくとも95重量%は、ふるい分析によって測定した際に、約1,000μm以下、例えば約500μm以下、例えば約400μm以下、例えば約350μm以下、例えば約300μm以下の粒子径を有する。いくつかの実施形態において、本明細書で言及された任意の粒子状物質における粒子のうち少なくとも99重量%は、ふるい分析によって測定した際に、約1,000μm以下、例えば約500μm以下、例えば約400μm以下、例えば約350μm以下、例えば約300μm以下の粒子径を有する。いくつかの実施形態において、本明細書で言及された任意の粒子状物質における粒子のうち約100重量%は、ふるい分析によって測定した際に、約1,000μm以下、例えば約500μm以下、例えば約400μm以下、例えば約350μm以下、例えば約300μm以下の粒子径を有する。
【0120】
いくつかの実施形態において、本明細書で言及された任意の粒子状物質における粒子のうち少なくとも50重量%、例えば少なくとも60重量%、例えば少なくとも70重量%、例えば少なくとも80重量%、例えば少なくとも90重量%、例えば少なくとも95重量%、例えば少なくとも99重量%は、ふるい分析によって測定した際に、約0.01μm~約1,000μm、例えば約0.05μm~約750μm、例えば約0.1μm~約500μm、例えば約0.25μm~約500μmの粒子径を有する。いくつかの実施形態において、本明細書で言及された任意の粒子状物質における粒子のうち少なくとも50重量%、例えば少なくとも60重量%、例えば少なくとも70重量%、例えば少なくとも80重量%、例えば少なくとも90重量%、例えば少なくとも95重量%、例えば少なくとも99重量%は、ふるい分析によって測定した際に、約10μm~約400μm、例えば約50μm~約350μm、例えば約100μm~約350μm、例えば約200μm~約300μmの粒子径を有する。
【0121】
調製
本組成物のさまざまな成分が組み合わされる手法は多様であり得る。このように、例えば粉末状の混合成分を有するさまざまな成分の混合物全体は、比較的均一な性質を有し得る。液体又は乾燥固体の形態であり得る上記成分は、混合物の残りにおける任意の成分と混合する前に前処理ステップで混和してもよく、単に他の全ての液体若しくは乾燥成分と一緒に混合してもよい。さまざまな成分は、当該技術分野で既知の任意の混合技術又は装置を使用して、一緒に接触、組み合わせ又は混合されてもよい。混合成分を密接に接触させる任意の混合方法を使用することができ、例えば、インペラ又は撹拌可能な他の構造を特徴とする混合装置を使用することができる。混合装置の例としては、ケーシングドラム、コンディショニングシリンダー又はドラム、液体スプレー装置、円錐型ブレンダー、リボンブレンダー、Littleford Day, Inc.のFKM130、FKM600、FKM1200、FKM2000、FKM3000、Plough Share型の混合機シリンダー、Hobart混合機などの利用可能な混合機が挙げられる。また、例えば、それぞれが参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第4,148,325号(Solomonら);米国特許第6,510,855号(Korteら);米国特許第6,834,654号(Williams)に記載された方法の種類も参照のこと。いくつかの実施形態において、混合物を形成する成分は、該混合物が、混合物を形成するためのデンプン成形プロセスにおいて使用され得るように調製される。混合物を配合するための手法及び方法は、当業者には明らかであろう。例えば、それぞれが参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第4,148,325号(Solomonら);米国特許第6,510,855号(Korteら);米国特許第6,834,654号(Williams)、米国特許第4,725,440号(Ridgwayら)及び米国特許第6,077,524号(Bolderら)に記載された方法の種類を参照のこと。
【0122】
口腔での使用のために構成
本明細書で提供されるのは、口腔での使用のために構成された製品である。本明細書で使用される場合、用語「口腔での使用のために構成された」は、製品が、使用中に、使用者の口内の唾液によって、混合物の1種以上の成分(例えば、香味剤及び/又はニコチン)が使用者の口内を通過するような形態で提供されることを意味する。特定の実施形態において、製品は、使用者の口内の粘膜を通して使用者に放出可能成分を送達するように適合される。場合によっては、放出可能成分は、製品が使用されるときに口内の粘膜を通して吸収され得る活性成分(例えば、ニコチンを含むが、これに限定されない)である。
【0123】
本明細書に記載された、口腔での使用のために構成された製品は、ゲル、香錠、ガム、ロゼンジ、粉末及びパウチを含む、さまざまな形態を取ることができる。ゲルは、ソフト又はハードであり得る。口腔での使用のために構成された特定の製品は、香錠の形態である。本明細書で使用される場合、用語「香錠」は、液体又はゲル混合物を固化して、最終製品がある程度固まった固体ゲルになるようにして作製された、溶解可能な口腔用製品を指す。ゲルの剛性は非常に多様である。本開示の特定の製品は、固体の形態である。特定の製品は、例えば、クリスピー、顆粒状、噛みごたえがある、シロップ状、ペースト状、ふわふわ、滑らか及び/又はクリーム状の特性のうち1種以上を示し得る。特定の実施形態において、所望の触感性質は、粘着性、凝集性、密度、乾燥性、破砕性、粒状性、ガム性、硬度、重さ、吸湿性、放湿性、口当たり、粗さ、滑り性、滑らかさ、粘度、湿度及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0124】
本開示の混合物を含む製品は、溶解可能であり得る。本明細書で使用される場合、用語「溶解する(dissolve)」、「溶解する(dissolving)」及び「溶解可能」は、口腔内の水分と相互作用して溶液に入り、それによって製品の緩やかな消費が起こる水溶性成分を有する混合物を指す。一態様によれば、溶解可能な製品は、完全に溶解するまで、所定期間、使用者の口内で持続することが可能である。溶解速度は、約1分以下~約60分の広い範囲にわたって変化し得る。例えば、速放性混合物は、通常約2分以下、多くの場合約1分以下(例えば、約50秒以下、約40秒以下、約30秒以下又は約20秒以下)で活性物質を溶解及び/又は放出する。溶解は、溶融、機械的破壊(例えば、咀嚼)、酵素的若しくはその他の化学的分解又は混合物の成分間における相互作用の中断など、任意の手段によって起こり得る。いくつかの実施形態において、製品は、例えば、米国特許出願公開第2012/0037175号(Cantrellら)に記述されているように溶融可能であり得る。その他の実施形態において、製品は、使用者の口内に製品が滞留している間に溶解しない。
【0125】
一実施形態において、本開示の組成物を含む製品は、透湿性容器(例えば、透水性パウチ)内に配置された混合物の形態である。このような透水性パウチ形式の混合物は、通常、混合物を含有する1つのパウチをヒト対象者/使用者の口内に入れることによって使用される。一般に、パウチは、モイストスナッフ製品が一般に使用されるのと同じ方法で、使用者の口腔内のどこか、例えば、唇の下に置かれる。パウチは、好ましくは、噛んだり飲み込んだりされない。その後、唾液にさらされることにより、中にある混合物成分の一部(例えば、香味剤及び/又はニコチンなどの活性成分)が、例えば、透水性パウチを通過し、使用者に風味及び満足感をもたらす。使用者は、混合物の任意の一部を吐き出す必要はない。使用/享受の約10分~約60分後、通常約15分~約45分後には、相当量の混合物がヒト対象者により摂取されており、パウチは処分のためヒト対象者の口から取り出されてもよい。
【0126】
したがって、特定の実施形態において、本明細書に開示されている混合物及び上記任意の他の成分は、混合物を使用するための容器として機能する透湿性パケット又はパウチ内で組み合わされ、口腔での使用のために構成されたパウチ製品を提供する。開示の特定の実施形態は、図を参照して説明され、これらの説明された実施形態は、外側パウチを有し、本明細書に記載された混合物を含有するスヌースタイプ製品を含む。以下においてより詳細に説明するように、このような実施形態は例としてのみ示され、本開示のパウチ製品は、その他の形態で組成物を含み得る。図に示されている実施形態における容器パウチ102などの、このようなパケット又はパウチの混合物/構成は、多様であり得る。図を参照すると、パウチ製品100の第1の実施形態が示されている。パウチ製品100は、本明細書に記載された組成物を含む材料104を含有する、パウチ102の形態の透湿性容器を含む。パウチ製品100は、記載された組成物から少なくとも一部が形成された、本明細書に記載された製品の一例であり得る。
【0127】
無煙たばこ製品の製造に使用されるタイプの好適なパケット、パウチ又は容器は、商標名CatchDry、Ettan、General、Granit、Goteborgs Rape、Grovsnus White、Metropol Kaktus、Mocca Anis、Mocca Mint、Mocca Wintergreen、Kicks、Probe、Prince、Skruf及びTreAnkrareで入手可能である。混合物は、従来のスヌースタイプ製品の製造に使用される手法及び成分の種類を使用してパウチに入れられ、包装され得る。パウチは、ティーバッグの構造に使用されるメッシュ状タイプの材料と同様の特性を有すると考えられ得るタイプの液体透過性容器を提供する。混合物の成分は、パウチを通して使用者の口内に容易に拡散する。
【0128】
パウチの好適なタイプの非限定的な例は、例えば、それぞれが参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第5,167,244号(Kjerstad)及び米国特許第8,931,493号(Sebastianら);並びに米国特許出願公開第2016/0000140号(Sebastianら);米国特許出願公開第2016/0073689号(Sebastianら);米国特許出願公開第2016/0157515号(Chapmanら);及び米国特許出願公開第2016/0192703号(Sebastianら)に記載されている。パウチは、個々のパウチとして提供されてもよく、複数のパウチ(例えば、2、4、5、10、12、15、20、25又は30個のパウチ)が、単一のパウチ又は個々のポーションが、パウチの一体型ストランド又はマトリックスから使用のために容易に取り外すことができるように、(例えば、端と端をつなぐ手法で)一緒に接続又は結合されていてもよい。
【0129】
例示的なパウチは、使用者による使用中に、パウチが制御された分散又は溶解を受けるような材料から、そのような手法で製造することができる。このようなパウチ材料は、メッシュ、スクリーン、穴あき紙(perforated paper)、通気布などの形態を有していてもよい。例えば、ライスペーパーのメッシュ状形態又は穴のあいたライスペーパーから製造されたパウチ材料は、使用者の口内で溶解し得る。その結果、パウチ及び混合物のそれぞれは、通常の使用条件下において使用者の口内で完全な分散を受ける場合があり、したがって、パウチ及び混合物の両方が使用者によって摂取され得る。パウチ材料の他の例は、水分散性フィルム形成材料(例えば、アルギン酸塩、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム、プルランなどの結合剤)並びにこれらの材料及び粉砕セルロース化合物(例えば、微粒子径木材パルプ)などの材料の組み合わせを使用して製造され得る。好ましいパウチ材料は、水分散性又は溶解性であるが、通常の使用条件下で、パウチがその物理的一体性の喪失を受ける時間より前に、相当量の混合内容物がパウチ材料を透過するように設計及び製造され得る。所望により、風味成分、崩壊助剤及びその他所望の成分をパウチ材料に組み込んでもよく、塗布してもよい。
【0130】
各製品ユニット(例えば、パウチ)内に含有される材料の量は多様であり得る。いくつかの実施形態において、各パウチ内の混合物の重量は、少なくとも約50mg、例えば、約50mg~約2g、約100ng~約1.5g又は約200~約700mgである。いくつかのより小さい実施形態において、各パウチ内の混合物の重量は、約100mg~約300mgであり得る。より大きい実施形態の場合、各パウチ内の材料の重量は、約300mg~約700mg、約700mg~約1g又は約1g~約2gであり得る。所望により、その他の成分が各パウチ内に含有されてもよい。例えば、風味付きの水分散性又は水溶性材料(例えば、口臭予防の食用フィルムタイプの材料)の、少なくとも1つの風味付きストリップ、ピース又はシートを、少なくとも1つのカプセルと一緒に又はカプセルなしで各パウチ内に配置してもよい。このようなストリップ又はシートは、パウチ内に容易に組み込まれるように、折り畳まれる又はくしゃくしゃにされてもよい。例えば、参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第6,887,307号(Scottら)、米国特許第6,923,981号(Leungら);及びEFSA Journal(2004)85,1-32に記載された材料及び技術の種類を参照のこと。
【0131】
本明細書に記載されたパウチ製品は、任意の好適な内側包装材料及び/又は外側容器内で包装することができる。また、例えば、参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第7,014,039号(Hensonら);米国特許第7,537,110号(Kutschら);米国特許第7,584,843号(Kutschら);米国特許第8,397,945号(Gelardiら);米国特許第D592,956号(Thiellier);米国特許第D594,154号(Patelら);米国特許第D625,178号(Baileyら);米国特許出願公開第2008/0173317号(Robinsonら);米国特許出願公開第2009/0014343号(Clarkら);米国特許出願公開第2009/0014450号(Bjorkholm);米国特許出願公開第2009/0250360号(Bellamahら);米国特許出願公開第2009/0266837号(Gelardiら);米国特許出願公開第2009/0223989号(Gelardi);米国特許出願公開第2009/0230003号(Thiellier);米国特許出願公開第2010/0084424号(Gelardi);米国特許出願公開第2010/0133140号(Baileyら);米国特許出願公開第2010/0264157号(Baileyら);及び米国特許出願公開第2011/0168712号(Baileyら)に記載された無煙タイプ製品用のさまざまなタイプの容器も参照のこと。
【0132】
本開示による組成物及び製品は、組成物及び製品に備わる放出可能物質の1種以上に関連して所望の放出性をもたらすように適合又は構成されてもよい。いくつかの実施形態において、所望の放出速度は、特に風味物質に関連する場合がある。その他の実施形態において、所望の放出速度は、特に活性剤に関連する場合がある。
【0133】
担体材料及び放出可能物質の組み合わせは、固体製品から徐放されるように構成されてもよい。一実施形態において、徐放性は、固体製品が消費者の口腔内に配置された後10分以内に、放出可能物質の少なくとも一部であるが50%以下の放出可能物質が固体製品から放出されることによって定義される。この百分率は、固体製品の総重量に基づく重量で決定される。別の実施形態において、徐放性は、固体製品が消費者の口腔内に配置された後15分~約45分で放出可能物質の約25%~90%が固体製品から放出されることによって定義される。この百分率は、固体製品の総重量に基づく重量で決定される。
【0134】
前述の説明で提示された教示の利益を有する本発明が属する技術分野の当業者には、本発明の多くの変更及び他の実施形態が思い浮かぶであろう。したがって、本発明は開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、変更及び他の実施形態は添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されていることを理解すべきである。本明細書において特定の用語が使用されているが、これらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用されており、限定を目的とするものではない。