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特許7663623エンドエフェクターを供給するための器具、システム、及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-08
(45)【発行日】2025-04-16
(54)【発明の名称】エンドエフェクターを供給するための器具、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20250409BHJP
   B25J 15/00 20060101ALI20250409BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B25J15/00 Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023061726
(22)【出願日】2023-04-05
(62)【分割の表示】P 2017234355の分割
【原出願日】2017-12-06
(65)【公開番号】P2023092532
(43)【公開日】2023-07-03
【審査請求日】2023-04-28
(31)【優先権主張番号】15/370,125
(32)【優先日】2016-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514073570
【氏名又は名称】ジャビル インク
(74)【代理人】
【識別番号】110003579
【氏名又は名称】弁理士法人山崎国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100118647
【弁理士】
【氏名又は名称】赤松 利昭
(74)【代理人】
【識別番号】100123892
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169993
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 千裕
(74)【代理人】
【識別番号】100173978
【弁理士】
【氏名又は名称】朴 志恩
(72)【発明者】
【氏名】ボスブーム、ジェローエン
(72)【発明者】
【氏名】ナデリ、ババク
(72)【発明者】
【氏名】ムンロ、リチャード
(72)【発明者】
【氏名】メイジャー、タチアナ・パンコヴァ
【審査官】柴垣 俊男
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-199229(JP,A)
【文献】特開2009-026859(JP,A)
【文献】特開平09-172050(JP,A)
【文献】特開平11-011631(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0229526(US,A1)
【文献】実開平07-015285(JP,U)
【文献】特開2014-086472(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
B25J 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンドエフェクターであって、
ウエハーサポートと、
少なくとも1つのロボット要素と連結することが可能であり、一方の端部で前記ウエハーサポートを少なくとも部分的に支えることができる支持アームと、
半導体ウエハーと物理的に連結するための、前記ウエハーサポート上の基端及び先端にある複数のサポートパッドであって、少なくとも先端にある前記サポートパッドは、最先端部にウエハー端を止めるために隆起させたうねを有することを特徴とするサポートパッドと、
少なくとも部分的に前記支持アームによりもたらされた平面に沿って双方向に動く移動クランプと、
を具備し、
記移動クランプは、角(屈曲部)のある接触面を有し、前記移動クランプの外側端部にローラーを具備し、前記移動クランプの角(屈曲部)の中央の点に設けられた回転軸を中心に回動することができ、
記移動クランプは、前記半導体ウエハーの近接端に向かって、前記角(屈曲部)のある接触面に進退自在に力を加え、前記半導体ウエハーと前記先端にある複数のサポートパッド上の前記うねの少なくとも低部とを物理的に連結させることを特徴とするエンドエフェクター。
【請求項2】
前記ウエハーサポートは、フォークを具備することを特徴とする請求項1に記載のエンドエフェクター。
【請求項3】
記移動クランプは、少なくとも200mm及び300mmを含む様々な大きさのウエハーを収納することが可能であることを特徴とする請求項1に記載のエンドエフェクター。
【請求項4】
前記移動クランプを双方向に駆動する双方向駆動部は、少なくとも1つの移動クランプモーターを具備することを特徴とする請求項1に記載のエンドエフェクター。
【請求項5】
前記移動クランプモーターと係合する低摩擦真空シリンダをさらに具備することを特徴とする請求項4に記載のエンドエフェクター。
【請求項6】
前記真空シリンダは、前記移動クランプ小さい把持力を供給することを特徴とする請求項5に記載のエンドエフェクター。
【請求項7】
前記双方向駆動部により前記移動クランプを作動させた後、前記移動クランプの後退を止めるための少なくとも1つの後退停止器をさらに具備することを特徴とする請求項4に記載のエンドエフェクター。
【請求項8】
前記少なくとも1つの後退停止器は、負圧作動及び/ 又はばね駆動であることを特徴とする請求項7に記載のエンドエフェクター。
【請求項9】
前記双方向駆動部により駆動される前記移動クランプの走行を止めるための少なくとも1つの走行停止器をさらに具備することを特徴とする請求項4に記載のエンドエフェクター。
【請求項10】
記移動クランプは、力を加えるための長方形の接触面を具備することを特徴とする請求項1に記載のエンドエフェクター。
【請求項11】
前記ウエハーサポートは、前記半導体ウエハーを把持するための少なくとも1つの真空孔をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載のエンドエフェクター。
【請求項12】
前記ウエハーサポートは、光ファイバーウエハー存在検出器をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載のエンドエフェクター。
【請求項13】
前記角(屈曲部)のある接触面は、前記回転軸を中心に回動することを特徴とする請求項1に記載のエンドエフェクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体ウエハーのような品物を移送することに関し、詳細にはこのようなウ
エハーを把持するエンドエフェクター、及びこのエンドエフェクターを用いてこのような
ウエハーを取り扱い、そして移送する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ロボットを利用することは、特に、人が取り扱うことが効率的でなく及び/又は好まし
くないアプリケーションにおける製造方法として十分確立されたものである。このような
状態にあるものの1つは半導体技術であり、ロボットが種々の処理ステップにおいてウエ
ハーを扱うために用いられている。そのような処理ステップには、一例として、化学的機
械的平坦化(CMP)、エッチング、蒸着、表面安定化処理、及び、密封され及び/又は
汚染が生じることを制限し確実に種々の特別な処理状態に適合させるための「クリーン」
環境を保持しなければならない種々の処理を含めることができる。
【0003】
これらのウエハーをロボットにより扱う半導体技術における現行の手法には、集積場所
から半導体ウエハーを、先に一例として説明したような処理ステップに対応する種々の処
理ポートに移す、ロボットに動作可能に取り付けられたエンドエフェクターの使用がしば
しば含まれる。ロボットは、関連する処理室での処理の前及び/又は後で、特定のポート
又は集積場からウエハーを取り出すためにエンドエフェクターを配置するために採用され
る。このようにウエハーは、エンドエフェクターと接続されたロボットによりさらなる処
理を行うために次のポートとの往復を行うことができる。ウエハー処理段階が完了すると
、次にロボットは、処理済みの半導体ウエハーを集積ポートに戻すことができ、エンドエ
フェクターを再び用いて、システムで処理するために次のウエハーを取り出すことができ
る。いくつかの半導体ウエハーは、各処理の動作中にエンドエフェクターを用いるこの方
法で処理されるのが一般的である。
【0004】
一般的なエンドエフェクターは、エンドエフェクターに設けられた真空引き孔による裏
面吸引力を用いて、底部でウエハーを保持する。ウエハーに直接他の機械的力を加えるの
は一般的でなく、この理由の1つとして、機械的力を加えることは、ウエハーを損傷させ
たり汚染したりする可能性が高いと考えられていることが挙げられる。
【0005】
従って、ウエハーを損傷させたり汚染したりすることなく、好ましくは種々の大きさの
ウエハーを複数の処理ステップにより非常に薄いウエハーを容易に取り扱い、そして移送
することのできるエンドエフェクターのニーズが存在する。
【発明の概要】
【0006】
いくつかの実施の形態はエンドエフェクターを供給するための器具、システム、及び方
法であり、そしてこれらを含むものである。前記エンドエフェクターは、様々な大きさの
半導体ウエハーに対応することができ、ウエハーサポートと、少なくとも1つのロボット
要素と連結することが可能であり、一方の端部で前記ウエハーサポートを少なくとも部分
的に支えることができる支持アームと、前記半導体ウエハーの1つと物理的に連結するた
めの、前記ウエハーサポート上の複数のサポートパッドと、少なくとも部分的に前記支持
アームによりもたらされた平面に沿って双方向に動く低摩擦移動クランプと、を含み、前
記低摩擦移動クランプは、前記半導体ウエハーと前記複数のサポートパッドとの物理的な
連結を行うために前記半導体ウエハーの近接端に進退自在に力を加えることを特徴とする
【0007】
ウエハーサポートはフォーク部とすることができるか又はフォーク部を含むことができ
る。ウエハーサポートは、ウエハーの存在検出を含むこともできる。前記ウエハーサポー
トにより保持された種々の大きさのウエハーには、非限定的な例として、200mmウエ
ハー及び300mmウエハーを含めることができる。
【0008】
前記双方向駆動部には、少なくとも移動クランプモーターを含めることができる。低摩
擦真空シリンダは、前記移動クランプモーターと係合することができる。前記真空シリン
ダは、グラファイトピストンを有するシールレスガラスチューブで構成することができる
【0009】
エンドエフェクターにはまた、前記双方向駆動部により前記低摩擦移動クランプを作動
させた後、前記低摩擦移動クランプの進退を止めるための少なくとも1つの進退停止器を
含めることができる。前記少なくとも1つの進退停止器は負圧作動とすることができる。
前記少なくとも1つの進退停止器は、例えば、飛び出し型「ボタン」停止器とすることが
できる。
【0010】
前記低摩擦移動クランプには、前記ウエハーに力を加えるための角のある接触面を含め
ることができる。前記ウエハーと最適に結合させるために実質的に中央回転軸に沿って角
のある接触面は回動することができる。前記低摩擦移動クランプにはさらに、その最外沿
で前記力を実質的に前記ウエハー端部に与えることのできる斜めになった2つのローラー
を含めることができる。
【0011】
複数のサポートパッドには、少なくとも4個のサポートパッドを含めることができ、前
記4個のサポートパッドのうちの少なくとも2個は前記支持アームの基端にあり、前記4
個のサポートパッドのうちの少なくとも2個は前記支持アームの先端にある。前記少なく
とも2個の先端にあるサポートパッドにはそれぞれ前記半導体ウエハーの中心軸に対して
斜めになった中心軸を有する傾斜部及びローラー部を含めることができる。前記少なくと
も2個の基端にあるサポートパッドもまた傾斜部を含めることができる。前記基端にある
サポートパッド及び/又は先端にあるサポートパッドには付加的に盛り上がったうね部を
含めることができる。
【0012】
従って、本開示では、ウエハーを損傷又は汚染させることなく、種々のウエハーの大き
さの非常に薄い半導体ウエハーを複数の処理ステップを行うために容易に取り扱い移送す
ることのできる器具、システム、及びエンドエフェクターを供給する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
例示的な構成、システム、及び方法を、添付図を参照して以下に説明する。これらは非
限定的例示としてのみ示される。
図1】開示した実施の形態によるウエハー取扱システムを示す。
図2】開示した実施の形態によるエンドエフェクターを示す。
図3】開示した実施の形態によるエンドエフェクターを示す。
図4】開示した実施の形態によるエンドエフェクターを示す。
図5】開示した実施の形態によるウエハーサポートパッドを示す。
図6】開示した実施の形態によるウエハーサポートパッドを示す。
図7】開示した実施の形態によるエンドエフェクターを示す。
図8】開示した実施の形態による移動クランプを示す。
図9】開示した実施の形態によるウエハーサポートパッドを示す。
図10】開示した実施の形態によるエンドエフェクターを示す。
図11】開示した実施の形態によるエンドエフェクターを示す。
図12】開示した実施の形態によるウエハーサポートパッドを示す。
図13】開示した実施の形態による移動クランプモーターを示す。
図14】開示した実施の形態による移動クランプモーターを示す。
図15】開示した実施の形態による移動クランプモーターを示す。
図16】開示した実施の形態による処理システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここに提示した図及び説明は、ここに記載した器具、システム、及び方法を明確に理解
するのに適切な特徴を示す一方、一般的な同様の装置、システム、及び方法に見ることの
できる他の特徴は、分かり易くする目的で省略している。当業者であれば、従って、他の
要素及び/又は操作が、ここに説明した装置、システム、及び方法を実行するために好ま
しいこと、及び/又は、必要であることを認識することができる。しかし、そのような要
素及び操作はこの技術分野で知られていること、及び本発明の理解を容易にするわけでも
ない事から、説明を簡潔にするため、そのような要素及び操作はここに記載されないこと
もある。しかしながら、本開示では、当業者に知られている記載された特徴に、そのよう
なすべての要素、変更、修正、を含めるものとみなす。
【0015】
実施の形態は、この開示により十分詳述がなされ、開示された実施の形態の範囲をすべ
て当業者に伝達するように提示される。具体的な構成要素、装置、及び方法の例として、
開示した実施の形態を十分理解してもらうために多くの特有の内容が記述される。しかし
ながら、当業者であれば、開示した特定の詳細内容は採用する必要がなく、そして実施の
形態は他の形態で実施することが可能であることは明らかであろう。従って、開示した実
施の形態は、本開示の範囲を限定するものと解釈すべきではない。上述したように、いく
つかの実施形態では、よく知られた処理、よく知られた装置構成、及びよく知られた技術
については詳述していない。
【0016】
ここで使われる専門用語は特定の実施の形態を説明することのみを目的とし、限定する
ことを意図するものではない。例えば、単数形であっても、文脈から明らかでない限り、
複数の形状を含むことがある。「具備する」「具備している」「含む」「有する」の語は
、包括的であり、従って、特徴、数値、ステップ、操作、要素、及び/又は、部品、を記
載しているが、1以上の他の特徴、数値、ステップ、操作、要素、及び/又は、それらの
グループの存在又は付加を除外していない。ここに記載したステップ、処理、及び操作は
、好ましい又は必要な実行順序として特に記載されていない限り、記載した又は図示した
特定の順序でそれぞれ実行しなければならないものと解釈するべきものではない。また、
開示した特徴に代えて又は加えて、追加の又は代替的なステップを採用することもできる
【0017】
他に明確に記載ない場合は、要素又は層が他の要素又は層に「取り付けられる」「接続
される」又は「連結される」とき、直接「取り付けられる」「接続される」又は「連結さ
れる」こともあり、又は間に要素又は層が存在することもある。一方、要素又は層が他の
要素又は層に「直接取り付けられる」「直接接続される」又は「直接連結される」とき、
間に要素又は層が存在しないことがある。要素同士の関係を説明するために使われる他の
言葉も同様に解釈すべきである(例えば、「間に」対「直接間に」、「隣接して」対「直
接隣接して」、等)。さらに、ここで用いられているように、用語「及び/又は」には、
1以上の関連する列挙したアイテムのいくつかまたはすべてを含む。
【0018】
さらに、ここで種々の要素、部品、領域、層、及び/又は部分を説明するために第1の
、第2の、第3の、等が使われていても、これらの要素、部品、領域、層、及び/又は部
分は、これらの用語に限定されるべきものではない。これらの用語は1つの要素、部品、
領域、層、又は部分を他の要素、部品、領域、層、又は部分から区別するためだけに用い
ることができる。従って、「第1の」「第2の」その他の数値の用語は、ここで用いられ
るとき、文脈から明らかに示されていない限り順序又は順番を意味するものではない。従
って、以下に説明する第1の要素、部品、領域、層、又は部分は、実施の形態による教示
から逸脱することなく、第2の要素、部品、領域、層、又は部分と称することができる。
【0019】
図1は、様々な半径、構成、及び物理的特性のシリコンウエハーのような半導体ウエハ
ー又は基板102を精密に取り扱うのに適切な自動化されたウエハー取扱システム100
を示す。この取扱システム100は、迅速な、順序づけられ連続したウエハー処理にウエ
ハー102を提供する能力を有することができる。供給されたウエハー102に対しては
、このような様々な場所での処理のための操作又は移送を行うのに適した端部把持エンド
エフェクター106を装備したロボットアーム104のようなロボットにより、様々な場
所と場所の間での操作又は移送を行うことができる。
【0020】
非限定的実施例として、ロボットアーム104及びエンドエフェクター106は協調し
て、ウエハー102を、ウエハー加工、1以上のウエハー露光装置、及び1以上のウエハ
ーカセットへ配置したり、これらから除去したりする。そのために、エンドエフェクター
106には、1以上の真空孔108を含めることができ、ウエハーの処理時に対象となる
ウエハー102を垂直に、水平に、及び逆向きに保持することができることに加えて、こ
こで説明する種々のウエハー把持のための機能を提供又は補うことができる。
【0021】
このように、図1の例では、ここに開示された例示的エンドエフェクター106を動作
させることができるシステム100が示されている。要するに、以下に説明する様々な形
式のエンドエフェクター106の代表として示された端部把持エンドエフェクター106
は、露光処理、及び/又はそれに続く種々のウエハー処理を伴う取り出したウエハーの計
時のため、1以上のカセットからウエハー102を取り出すことができる。より詳しくは
、一定の実施の形態に供給される種々の形式のエンドエフェクターとして、様々なウエハ
ー処理がなされる異なる直径のウエハーに単一のエンドエフェクター106を用いること
ができる。
【0022】
半導体ウエハーは直径が変化するだけでなく、一般に、直径を含む他の寸法の許容範囲
の中で、その上で装置を受け取る面は1.5ミクロン以下の平面度のような、実質的平面
であることが要求される標準仕様に従い製造される。さらに、一例として、200mmシ
リコンウエハーは、例えば、200±0.2mmの標準直径と675±25ミクロンのよ
うな標準厚さを有する。一般的な処理後のウエハー厚さは約500ミクロンから約700
ミクロンの範囲とすることが出来る。加えて、シリコンウエハーはアラインメント及び/
又は結晶方向の表示のために用いられる明確な面又はノッチが設けられることがある。従
って、ウエハーとエンドエフェクター106との間で相互に作用している間ウエハーの平
面度を維持することは、ウエハーの処理及び廃棄についての許容レベルを維持するための
鍵となる。
【0023】
特定の集積回路アプリケーション、特に処理後にさらに極小の厚さが必要なアプリケー
ションでは、薄いウエハーがとりわけ有用となることがある。しかし、ウエハーの処理で
は、許容平面度を越える反りや曲がりが生じることがあり、ウエハーによっては、処理す
る前から要求レベルを超える反りや曲がりを有することがある。さらに、反りや曲がりは
、先に述べたアラインメント用面又はノッチの不適切な配置又はアラインメントの原因と
なることがある。このような場合、ウエハーの処理は、反りや曲がりにより悪影響を受け
る場合があり、これらの悪影響は、エンドエフェクター106により生じる反りや曲がり
によりさらに増加することがある。
【0024】
反り及び曲がりの結果生じる前述の問題は、薄いウエハーではさらに悪化することがあ
る。平面度が許容量を超える原因について、最近のウエハーの処理において顕著な問題と
なり、平面度が許容量を超える原因は、ウエハーの処理のために異なるウエハーの大きさ
を許容するウエハーの固さにおいてさらに顕著かつ複雑となる。従って、エンドエフェク
ターのウエハー平面度に対する相互作用の影響を最小化し、ウエハーの反りを修正するこ
ともできるようなエンドエフェクター106を提供することは、開示した実施の形態にお
いて大きな利点となる。
【0025】
図2は、開示した実施の形態による例示的な端部把持エンドエフェクター106を示す
図2に示したように、エンドエフェクター106には、シリコンウエハー102を乗せ
るフォーク部202、及び、図1に示したロボットアームのような1以上のロボットとイ
ンターフェースを行うことのできる支持アーム204が含まれる。フォーク部202は、
非限定的例示として、H900条件で熱処理した17.4pHステンレス鋼で構成される
。ここでの説明全体において、フォーク部202は、支持アーム204が少なくとも部分
的に支持することができるウエハーサポートの例示にすぎないことに注意すべきである。
すなわち、一例としてヘラタイプ又はリングタイプのような他のタイプのウエハーサポー
トを、特定の実施の形態で用いられることがある。
【0026】
支持アーム204には、例えば、フォーク部202をウエハー102と物理的に結び付
けるような、支持アーム204内又は支持アーム204上の1以上の電気機械的要素を作
動させるための電子回路を含めることができる。支持アーム204には、さらに、検知器
、処理機能、コンピュータメモリ、無線接続できるようなネットワーク機能、(RFID
のような)固有識別、プロセスカウンター、ロボットアーム104との電気的相互作用、
高密度再充電可能バッテリーのようなバッテリー、等を含めることができる。
【0027】
フォーク部202とウエハー102との間で物理的な相互作用を行わせるための支持ア
ーム204と関連付けられた電気機械的要素は、移動クランプ210とすることができる
。移動クランプには、ウエハー102と突き当たるような部分に、移動クランプ210と
ウエハー102との間で相互作用による力を最小限にするための1以上のパッドを含める
ことができる。移動クランプ210は、直接的に又は間接的に、1以上の負圧アクチュエ
ータ、空気圧アクチュエータ、又はモーターアクチュエータにより、電気機械的に動かす
ことができ、又は、ばねによる動作により、フォーク部202と物理的に結び付けるため
にシリコンウエハー102を、把持し、動かし、又は整列させるために、支持アーム20
4からフォーク部202に向けて伸ばすために、機械的に動かすことができる。
【0028】
さらに図2に示されているのは、シリコンウエハー102をフォーク部202と物理的
に結び付け、移動クランプ210に取り付けるための、4個のパッド212a~dのよう
な、複数のパッドである。図において、サポートパッド212a~dは、パッド212a
~dがシリコンウエハー102の中心に向かって下がっていくような傾きの傾斜をつける
こともでき、又は、ウエハー102がパッド212a~dと物理的に結び付けられたとき
、ウエハー102を保持し停止させるような、隆起とすることができる。サポートパッド
212a~dは、表面に沿って滑り易くする、又は、少し摩擦力があるようにする、又は
、強く摩擦力が働くようにすることができ、このような異なる表面状態の間で変化させる
ことができる。図示の実施の形態において、移動クランプ210近傍のサポートパッド2
12a~bは、少なくともサポートパッド212c~dの先端はクランプパッドの役割を
果たす点で、フォーク部202の先端にあるパッド212c~dとは異なる。すなわち、
特定のパッド212c~dにとって、移動クランプ210から最も遠いパッド端に関する
高くなった/隆起した部分は、フォーク部202においてウエハー102の最も遠い周囲
部分に圧力を加えることができる。説明したとおり、これは、移動クランプ210に最も
近いフォーク部202の根元にある単純な傾斜のあるサポートパッド212a~bとは違
っていてもよい。
【0029】
図3は、端部把持エンドエフェクター106の実施の形態を示す。図において、代替的
タイプの移動クランプ210が示され、そこでフォーク部202の根元にあるクランプエ
マージェンススロット302は、代替的形状の移動クランプ210の前進及び後退を許容
するために拡がっている。さらに、図3の例示において、近くのサポートパッド212a
~bには、ウエハー102の動きを止めるために、ウエハーの中心に対して先端部にうね
が含まれる。さらに、移動クランプ210からみてフォーク部202の最も先端部にある
サポートパッド212c~dには、ウエハーに損傷を与える可能性を最小限にするために
、フォーク部202に対してウエハー102との物理的な相互作用及びウエハー102に
停止作用をうまく行うために、図示のローラーチップ306を含めることができる。
【0030】
ローラーチップ306は、対応するウエハー102をうまく把持するために傾斜をつけ
ても付けなくてもよい。傾斜型ローラーチップ306は、特に、加工された又は厚いウエ
ハーの扱いを改善することができ、従って、移動クランプ210の近く及び/又は移動ク
ランプ210の遠くに設けることができる。ローラーチップ306は、例えば、ステンレ
ス鋼で作られ、フォーク部202に対して特に薄いウエハーの物理的中心寄せを改善する
ことができる。
【0031】
図4は、エンドエフェクター106の実施の形態を示す。図4の例は、図3の例に類似
するが、図3の支持アーム204の上に支持アームカバー312が含まれていない。図4
において、ローラーチップサポートパッド212c~d及び隆起した近端のサポートパッ
ド212a~bは、フォーク部202に含まれる。図4に追加して示されているのはウエ
ハー検出システム404であり、非限定的例示として、フォーク部202の最遠端に示さ
れている。このようなウエハー検出システム404は、非限定的例示として、フォーク部
202に物理的に関連付けられたウエハー102の存在及び/又は特性を検出する光ファ
イバービームとするか又はこのようなビームを含めることができる。
【0032】
図4には、動作時、支持アームハウジング312内の出現スロット302から出現する
、角のある移動クランプ210の形状の移動クランプも示されている。この角のあるクラ
ンプ210は、図示したように、アクチュエータ420のようなもので電気機械的に駆動
され、角のある移動クランプ210の可能な直線移動距離を制限する駆動長さ制限を受け
ることがある。
【0033】
図5は、さらに、フォーク部202の先端にある例示的なローラーパッド212c~d
を示したものである。図において、ローラー部306を有する例示的な先端サポートパッ
ド212c~dであるだけでなく、さらに、これらの例示的なサポートパッド212c~
dは、フォーク部202に関連付けられたシリコンウエハー102の中心に向かって下が
ってゆくような傾きの傾斜を有することが明らかである。
【0034】
当然のことながら、角のある又は曲がったサポートパッドには、ウエハーが角にぶつか
りそれにより把持するのに十分な面を持たないということがないよう、ウエハーを受け入
れるための2つの面領域を含む。この角度又は曲率は、非限定的例示において、内側角が
小さく外側角を大きくすることができる。さらに、サポートパッド全般についての傾斜設
計により、フォーク部202のボトミングからの底部ウエハー機能を除外することで把持
を改善することができる。
【0035】
ローラー部306を有する先端サポートパッド212c~dを、図6に示した。図6
、傾斜及びローラー部602、306を有する先端サポートパッド212cの断面を示し
、移動クランプ210により先端部周辺606にて係合しているとき、シリコンウエハー
102の先端部周辺606が先端サポートパッド212cのローラー部306に突き当た
っている。係合している角のある移動クランプ210は、非限定的例示において、図4
示した移動クランプ210とすることができる。
【0036】
図4、5、及び6について、エンドエフェクターフォーク部202は、可能な範囲で、
物理的に関連付けられたウエハー102の底部と接触を避けることが最善の状態であるこ
とに特に注意すべきである。この機能は、ローラー306を有する先端のサポートパッド
212c~dと関連するような、さらに、フォーク部202の曲がり又は傾きを付加的に
含むような、サポートパッド212a~dの傾斜特性によりもたらされる。さらなる例と
して、フォーク部202の突起630は、突起630の中央に向けて少し傾くよう曲げる
ことができる。すなわち、支持アームの近傍でフォーク部202に1つ以上の曲がり、傾
斜、又は上向きまたは下向きの勾配が含まれ、このような実施の形態において、フォーク
部の突起630には、先端サポートパッド212c~dに向かう勾配、曲がり、又は傾斜
が含まれることも含まれないこともある。
【0037】
図7は、例示的な角のある移動クランプ210を示す。図7の実施の形態において、角
のあるクランプ210には、移動クランプ210の接触面に関してウエハー102の芯出
しを改善するために、クランプの角θがその周りを回動する第1の回転軸702が含まれ
る。さらに、非限定的例示として、図7の角のある移動クランプ210には、角のある移
動クランプ210の外側端部に、傾斜したローラー706a~bを含めることができる。
これらのローラー706a~bは、特定の実施の形態において傾斜させることも傾斜させ
ないこともでき、ウエハー102をサポートパッド212a~dの傾斜部、隆起部、及び
/又はローラー部に押し付けること等により、穏やかにウエハー102の端部に圧力を加
えるようにすることができる。
【0038】
図8は、例示的な角のある移動クランプ210を示す。図8の実施の形態において、非限定的例示として、移動クランプ210の回転軸702は、クランプの角θの実質的に中央の点に設けられる。角のある移動クランプ210の回転軸702から実質的に最も外側で1以上のローラー706a~bを収容するための第2の回転軸802a~bが設けられる。このようなローラー706a~bは、図7に示した例示的な傾斜したローラーと同様に傾斜させてピボット802a~bに受け入れても受け入れなくてもよい。


【0039】
図9は、根元又は先端のサポートパッド又はパッド212a~dとして用いることので
きるような、サポートパッド902を例示的に示すものである。図9の例において、傾斜
906の最も高い所にサポートパッド902はうね904が設けられ、設けられたうね9
04は、その上面に角部又は曲線部910のような区分可能な2つの平面部を有すること
ができる。さらに、そして非限定的例示として、図9のサポートパッド902の傾斜部9
06には、付加的に1以上のうね又は識別面912を含めることができる。角部又は曲線
部を含むような、上部のうねは、特定の実施の形態において、フォーク部202に関わる
ウエハー102の位置決めを改善することができる。隆起した傾斜902により、フォー
ク部202に関わるウエハー102との接触及び芯出しを改善することができる。
【0040】
図10は、図2に関連して図示した例示的実施の形態のような、長方形の移動クランプ
210が支持アーム204に沿うスロット1002に沿ってフォーク部202に向かって
動き、図示のように、2以上の異なるタイプのウエハー102a、102bをフォーク部
202に物理的に結び付けることができるような、実施の形態を示す。より具体的にそし
て非限定的例示として、図10の実施の形態において、移動クランプ210は、フォーク
部202と物理的に結び付けて、200mmウエハー又は300mmウエハーを収納する
ことが配置的に可能なように示されている。さらに、図10においてフォーク部202の
最も先端に示したのは、図9に示したような先端サポートパッド902a~bであり、幾
何学的に異なる直径を有するウエハーとの接触を改善するために用いられる。もちろん、
参照された他のタイプのサポートパッド212a~dを、図10の実施の形態に、及び/
又は、ここに説明した他の実施の形態とともに、用いることができる。
【0041】
図11は、長方形の移動クランプ210よりむしろ、角のある移動クランプ210を採
用した、図10に類似する実施の形態を示す。図11の角のあるクランプ210は、角の
あるクランプ210の最も先端の角部にローラーチップ706a~bがある。さらに、こ
の特定の図において、先端のサポートパッド212c~dにもローラーチップ306が含
まれる。
【0042】
図12は、サポートパッド212cの先端のローラーチップの実施の形態を示す。図示
した先端のローラーサポートパッド212cは、非限定的例示として図11に示す実施の
形態で説明したような、特定の実施の形態で用いるために取り付けることができる。図1
2に示したように、ローラー1140には傾斜があり、フォーク部202に結び付いたウ
エハー102の中央に向かって傾いている。このようなローラーチップ1140は、例え
ば、50μm~150μmの端面厚さを有するウエハーのような、薄いナイフのような端
面を持つウエハーの端面摩擦を特に防止することができる。また、図12に断面的に描い
たのはローラー傾斜の調整部1144、及び、フォーク部202と結び付けられたウエハ
ー102を位置決めするためのローラーチップ1140と結び付けられた位置決め機構1
146である。
【0043】
図13は、説明したような、支持アーム204上にあって、ウエハー102と結び付け
るためのフォーク部202の先端部に向かって外側にクランプを動かすよう移動クランプ
210を動作させる例示的なクランプモーター1210を示す。図13に示すように、長
方形の移動クランプ210が示されているが、当然のことながら、ここでの説明に照らし
て、角のある移動クランプ210を代わりに図13の実施の形態に用いることができる。
【0044】
非限定的な例示として示されているのは、移動クランプ210に結合させるための、真
空シリンダのような、低摩擦アクチュエータ1212である。この低摩擦真空シリンダ1
212は、ウエハー102への損傷を防止又は最小限にするため小さい把持力を可能とす
ることができる。一般に、特定の実施の形態での移動クランプは、低摩擦機構を用いて動
作することができる。一例として、低摩擦駆動は、非限定的例示において、121mmス
トロークのような長ストローク駆動とすることができるが、ストローク長はどのような長
さにすることもできる。
【0045】
さらに特定の、そして非限定的例示において、移動クランプアクチュエータ1212は
、シールレス設計のガラス管とグラファイトピストンの真空シリンダ(すなわち、エアポ
ット)とすることができる。このようなアクチュエータ1212は、2oz(56.7g
)以下のような非常に低い把持荷重も可能にすることができる。もちろん、低摩擦移動ク
ランプアクチュエータ1212と連動する(図14のスライド1226のような)低摩擦
ローラースライドも予想されるウエハーへの損傷をさらに限定することができる。とはい
うものの、当然のことながら、電動機のような他の駆動方法1212をこの実施の形態に
採用することもできる。
【0046】
移動クランプ210の把持力及び把持速度は、図13に示すように調整制御部1222
により調整される。この調整制御部1222は、さらに、フォーク部202と結び付けら
れたウエハー102への損傷を最小限にすることができる。これにより、把持速度を制御
するために真空シリンダ1212への空気を測る正確な流量制御を行うような、高精度制
御部1222を移動クランプのストロークのために取り付けることができる。
【0047】
位置検出器1220はまた、特定の実施の形態において、移動クランプ210の動きに
関して取り付けることができる。移動クランプ210の位置は、クランプ210の実際の
位置ではなく、フォーク部202へ向かって移動クランプ210をスライドさせるために
用いる低摩擦ローラースライド1226の位置を判断することにより、直接的に又は間接
的に位置検出器1220により判断することができる。低摩擦スライド1226に沿って
又は他のトラックに沿っての移動クランプ210の動きにより事実上低摩擦になり、少な
くとも摩擦を最小限にすることでフォーク部202に結び付けられたウエハー102への
予想される損傷を最低限にすることができる。
【0048】
図14は、ここに説明する特定の実施の形態に用いる2位置クランプモーター1210
のさらなる実施の形態を示す。図13と同様に、図14の特定の実施の形態には、低摩擦
ローラースライド1226、移動クランプ210を駆動するための1以上の低摩擦真空シ
リンダ1212、及び、ウエハーの損傷の可能性を最小限にするための把持速度制御部1
222が含まれる。
【0049】
図14はまた、移動クランプ210の位置を検出するための複数の位置検出器1220
a、b、cを示している。非限定的例示として、第1の位置検出器1220aは、移動ク
ランプ210が完全に後退していることを示すことができる。第2の位置移動検知器12
20bは、移動クランプ210が300mmウエハー102aのような、第1の大きなウ
エハーと結び付いていることを示すことができる。第3の位置検出器1220cは、移動
クランプ210が最大限度の移動距離に到達していて、200mmウエハー102bのよ
うな、フォーク部と結び付くことができる最小の大きさのウエハーと結び付いていること
を示すことができる。
【0050】
図14はまた、200mmウエハー102bのような、小さなウエハーサイズに対する
後退の可能性を制限するための後退停止器1240を示す。後退停止器1240は、ここ
での説明に照らして理解できるように、後退停止器というよりむしろ走行停止器として使
われる。後退停止器1240は、非限定的例示として、負圧作動及び/又はばね駆動とす
ることができる。さらに、複数の後退停止器又は走行停止器を、各々、走行停止器又は後
退停止器と関連付けられた、移動クランプの異なるストローク距離を有する様々なウエハ
ータイプを支えるために含めることができる。
【0051】
図15は、図14と同様であるが、後退停止器1240が伸びている。図示の通り、2
00mmウエハー102のような大きさの小さいウエハーがフォーク部202と物理的に
結び付いているときに、後退停止器1240を伸ばすことで、支持アームハウジング21
2へクランプを後退させる機能を制限することでクランプサイクルの距離を縮めるとがで
きる。これにより、大きさの小さいウエハーのサイクル時間を節約することができる。上
述のように、異なる大きさのウエハーのサイクル時間を節約するために、1以上の停止器
1240を含めることができることに注目すべきである。
【0052】
従って、本開示は、複数の、例えば2つの大きさのウエハーを、エンドエフェクターの
交換を必要とせずに取扱うことができるようにすることを提示している。この能力は、一
つには、移動クランプを動作させることによりもたらされる。移動クランプは、真空パワ
ー、モーター、ばね駆動、等により駆動される。移動クランプと一体となった低摩擦ピス
トン駆動及び/又は低摩擦スライドのような、低摩擦ウエハークランピングの例示的な使
用なので、特定の実施の形態における使用で、正確な速度と低負荷が可能となり、それに
より摩擦を最小限にし、従って、ウエハーの把持を改善するにもかかわらず予測されるウ
エハーの損傷を最小限にする。
【0053】
前述の器具、システム、及び方法にはまた、言及した種々のロボット機能の制御装置が
含まれる。このような制御装置には、非限定的例示として、ここで説明したロボット及び
システムと結び付けられたソフトウェアコードで実行する命令をユーザが入力できるよう
にするためのコントローラ、キーボード、マウス、タッチスクリーン、等のような1以上
のユーザインタフェースを用いたマニュアル制御装置を含めることができる。加えて、ま
た当業者によく知られているように、システム制御装置は、手動でのユーザによる操作は
、「始動」及び基準機能をプログラムするためだけになるような、すなわち、ユーザは、
説明した所定の動作及び操作手順を実行するための初期プログラム又は計算機コードのア
ップロードのみ行えばいいような、全自動とすることができる。手動による実施の形態又
は自動による実施の形態のいずれにおいても、或いはこれらの組み合わせにおいて、制御
装置は、例えば、ウエハー、支持アーム、フォーク部、その他の周知の位置に関し、プロ
グラムしておくことができる。
【0054】
図16は、ここで説明した実施の形態で動作可能に採用することができ、ロボット制御
のプログラムが含まれ、従って説明した処理及びロジックを実行することができるコンピ
ュータ処理システム1400の例示的実施の形態を示す。すなわち、この例示的コンピュ
ータシステム1400は、ここで説明したシステム及び方法で使用することのできるシス
テムのほんの一例である。
【0055】
コンピュータシステム1400は、オペレーティングシステム(OS)及び1以上のコ
ンピュータアプリケーション1490のようなソフトウェアを実行することができる。ソ
フトウェアは、同様に、前記アプリケーション1490を用いて、入出力(I/O)のよ
うなハードウェアを操作及び/又は監視するのに適していることがある。
【0056】
例示的コンピュータシステム1400の動作は、ハードディスクドライブ(HDD)1
415、CDやDVDのような光ディスク(不図示)、USB「サムドライブ」のような
半導体ドライブ(不図示)、その他のような、コンピュータ読み取り可能記憶媒体に記憶
された命令のような、主としてコンピュータ読み取り可能な命令により制御される。この
ような命令は、コンピュータシステム1400に開示された動作を行わせるために、中央
演算処理装置(CPU)1410内で実行することができる。多くの既知のコンピュータ
サーバ、ワークステーション、PLC、パーソナルコンピュータ、携帯装置、その他にお
いて、CPU1410は、処理装置と呼ばれる集積回路に組み込まれる。
【0057】
ここに開示した実施の形態に関して説明した種々のロジック、ロジックブロック、モジ
ュール及びエンジンは、それぞれCPU1410として動作する、汎用CPU、ディジタ
ル信号処理装置(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマ
ブルゲートアレイ(FPGA)その他のプログラマブルロジック装置、ディスクリートゲ
ート又はトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア部品、又はこれらの組み合
わせのいずれかに組み込むことができ又はこれらにより実行することができる。汎用処理
装置は、マイクロプロセッサとすることができるが、代替的に、この処理装置は、どのよ
うな従来型処理装置、コントローラ、マイクロコントローラ、又は状態機械であってもよ
い。処理装置は、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロ
プロセッサ、DSPコアと結合した1以上のマイクロプロセッサ、又は他のこのような構
成のような、コンピュータ装置の組み合わせとして実施することもできる。
【0058】
当然のことながら、コンピュータシステム1400は、1つのCPU1410を具備す
るように示されているが、このような記載は単なる例示であり、コンピュータシステム1
400は、複数のCPU1410を具備することができる。加えて、コンピュータシステ
ム1400は、例えば、ローカル又はリモート通信ネットワーク1470その他のデータ
通信手段を介して、遠隔CPU又は並列CPU(不図示)の資源を活用することができる
【0059】
動作中、CPU1410は、HDD1415のようなコンピュータ読み取り可能記憶媒
体から命令を取り出し、解読し、実行する。このような命令は、オペレーティングシステ
ム(OS)、実行可能なプログラム/アプリケーション、等のようなソフトウェアに含め
ることができる。コンピュータ命令及びその他のコンピュータ読み取り可能データのよう
な、情報は、システムの主データ伝達経路を介してコンピュータシステム1400の要素
間で伝達される。主データ伝達経路は、シリアル通信経路を通じて装置間でデータの通信
を行うために、シリアライザとデシリアライザとクロスバースイッチとを用いる構造のよ
うな、他のコンピュータ構造(不図示)を用いることもできるが、システムバス構造14
05を用いることも可能である。
【0060】
システムバス1405には、データを送信するためのデータライン、アドレスを送信す
るためのアドレスライン、割り込みを送信するため及びシステムバスを動作させるための
制御ラインを含めることができる。いくつかのバスは、拡張カード、制御装置、及びCP
U1410からのアクセスを調整するバスアービトレーションを行う。バスに取り付けら
れバスへのアクセスを裁定する装置はバスマスタと呼ばれる。バスマスタサポートはまた
、処理装置及びサポートチップを有するバスマスタアダプタを追加することで、バスのマ
ルチプロセッサ構造を作ることができる。
【0061】
システムバス1405に接続されたメモリ装置には、ランダムアクセスメモリ(RAM
)425及びリードオンリーメモリ(ROM)1430を含めることができる。このよう
なメモリには、情報を記憶し取り出すことのできる回路が含まれる。ROM1430は、
一般に修正することのできない記憶されたデータを有する。RAM1425に記憶された
データは、一般に、CPU1410その他の通信ハードウェア装置により読み取り又は変
更することができる。RAM1425及び/又はROM1430へのアクセスはメモリ制
御装置1420により制御することができる。メモリ制御装置1420は、命令を実行し
たとき、仮想アドレスを物理アドレスに変換するアドレス変換機能を提供することができ
る。メモリ制御装置1420はまた、システム内の処理を分離し、ユーザの処理からシス
テム処理を分離するメモリ保護機能も提供することができる。このように、ユーザモード
で走らせたプログラムは、通常、自分自身の処理による仮想アドレススペースでマッピン
グしたメモリにのみアクセスでき、他の処理による仮想アドレススペース内のメモリには
、処理間のメモリ共有がセットアップされていない限りアクセスすることができない。
【0062】
ここに開示した特徴に関連して記載したステップ及び/又は動作は、メモリ制御装置1
420と通信して、性能を達成するのに必要な命令を得るために、直接ハードウェアとし
て、又は処理装置が実行するソフトウェアモジュールとして、又はこれらの組み合わせと
して実施することができる。すなわち、機能を実行しここで説明した指令を行うために記
述されたソフトウェアは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROM
メモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD
-ROM、又は当業者に知られた他の形式の記憶媒体に記憶させることができる。これら
の例示的な記憶媒体の1以上を処理装置1410に接続することができ、処理装置がこの
記憶媒体から情報を読み出しこの記憶媒体に情報を記憶させることができる。代替的に、
記憶媒体を処理装置に組み込むこともできる。さらに、いくつかの局面では、処理装置及
び記憶媒体は、ASIC内に入れることもできる。加えて、いくつかの局面では、ステッ
プ及び/又は動作は、「フラッシュ」ドライブのようなI/Oポート1485を介して組
み込むことができる外部機械読み取り可能媒体及び/又はコンピュータ読み取り可能媒体
上の命令の1つ又は組み合わせ又は命令のセットとして駐在させることができる。
【0063】
加えて、コンピュータシステム400には、プリンタ1440、キーボード1445、
及びマウス1450のような、周辺ハードウェアその他のハードウェアにCPU1410
からのペリフェラルバスを用いて命令を通信する役割を担うペリフェラル制御装置143
5を含めることができる。ペリフェラルバスの一例がペリフェラルコンポーネントインタ
ーコネクト(PCI)バスである。
【0064】
1以上のハードウェア入/出力(I/O)装置1485がハードウェア制御装置149
0と通信することができる。このハードウェアとの通信及び制御は、種々の方法で実行す
ることができ、1以上のコンピュータバス及び/又はブリッジ及び/又はルータを含むこ
とができる。制御されるI/O装置には、任意の形式のポートベースのハードウェアを含
むことができ(そして、付加的にソフトウェア、ファームウェア、その他を含むことがで
き)、そして、コンピュータシステム1400がここに開示したような目的でデータの送
受信をそこから行うことができるネットワークアダプタ及び/又は大容量記憶装置も含む
ことができる。コンピュータシステム1400は、従って、I/O装置1485を介して
、及び/又は、通信ネットワーク1470を介して、インターネット又は他のネットワー
ク装置/PLCと通信することができる。
【0065】
ディスプレイ制御装置1455により制御されるディスプレイ1460は、コンピュー
タシステム1400により生じた視覚的出力を表示するために任意的に用いることができ
る。ディスプレイ制御装置1455はまた、ディスプレイを制御、さもなくばディスプレ
イと通信することができる。視覚的出力として、例えば、テキスト、グラフィック、アニ
メ化されたグラフィック、及び/又はビデオを含めることができる。ディスプレイ146
0は、CRTによるビデオディスプレイ、LCDによるディスプレイ、ガスプラズマによ
るディスプレイ、タッチパネル、その他として導入することができる。ディスプレイ制御
装置1455には、表示するために送られたビデオ信号を生成するために必要な電子部品
が含まれる。
【0066】
さらに、コンピュータシステム1400は、インターネットを含み又はインターネット
とアクセスすることができ、従ってここで説明した処理データを追跡及びアクセスするこ
とができる外部通信ネットワーク1470とコンピュータシステム1400とを接続する
ために使うことのできる、ネットワークアダプタ1465を具備することができる。通信
ネットワーク1470は、ソフトウェア及び情報を電子的に通信及び伝達する手段を有し
、又は、PSTN又は携帯ネットワーク1480のようなものを介して、コンピュータシ
ステム1400と間接的に接続することができる手段により、コンピュータシステム14
00にアクセスすることができる。加えて、通信ネットワーク1470は、いくつかのコ
ンピュータを巻き込み、ワークロードを分担し又はタスクの実行を協同して行う、分散処
理を行うことができる。当然のことながら、図示したネットワーク接続は例示的なもので
あり、複数のコンピュータシステム1400間で通信リンクを確立する他の手段を用いる
こともできる。
【0067】
当然のことながら、例示的コンピュータシステム1400は、説明したシステム及び方
法を動作させるコンピュータ環境を示すだけであり、異なる要素及び構成を持つコンピュ
ータ環境で、ここで説明したシステム及び方法を実行することを制限するものではない。
すなわち、ここで説明した概念は種々の要素及び構成を用いる様々なコンピュータ環境で
実行することができる。
【0068】
さらに、本開示における説明は、当業者が開示された実施の形態を作り又は使用するこ
とができるようにするために提示されたものである。当業者は、本開示内容に対して様々
な変更を容易に行うことができることは明らかであり、ここで明確にした一般的な原理を
適用して、本開示内容の技術的思想又は範囲から逸脱することなく様々な変形を行うこと
ができる。従って、本開示は、ここに説明した実施例及び設計に限定することを意図する
ものではなく、ここに開示された原理及び新規な特徴と呼応する最も広い範囲とすること
を意図するものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16