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特許7663633セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステム及び環境に優しいリサイクル方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-08
(45)【発行日】2025-04-16
(54)【発明の名称】セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステム及び環境に優しいリサイクル方法
(51)【国際特許分類】
   C04B 7/60 20060101AFI20250409BHJP
   B09B 5/00 20060101ALI20250409BHJP
   B09B 3/80 20220101ALI20250409BHJP
【FI】
C04B7/60
B09B5/00 N ZAB
B09B3/80
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023125207
(22)【出願日】2023-08-01
(65)【公開番号】P2024028151
(43)【公開日】2024-03-01
【審査請求日】2023-08-01
(31)【優先権主張番号】10-2022-0103546
(32)【優先日】2022-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】523292038
【氏名又は名称】チョン ジェウク
【氏名又は名称原語表記】JEONG, Jae Muk
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100173473
【弁理士】
【氏名又は名称】高井良 克己
(72)【発明者】
【氏名】チョン ジェウク
【審査官】田中 永一
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2019-0037038(KR,A)
【文献】特開2001-106557(JP,A)
【文献】特開2001-129513(JP,A)
【文献】特開2003-225633(JP,A)
【文献】特開2011-148646(JP,A)
【文献】特開2003-211129(JP,A)
【文献】国際公開第2011/101948(WO,A1)
【文献】特開2007-105692(JP,A)
【文献】特開2000-001349(JP,A)
【文献】特開2019-127421(JP,A)
【文献】特開2009-106853(JP,A)
【文献】特開2023-080949(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 7/00 - 7/60
B09B 3/00 - 3/80
B09B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムであって、
セメント塩素バイパスダストが投入され、前記セメント塩素バイパスダストが水、酸性水溶液及び塩化カリウム沈殿槽160の沈殿槽上澄液のうちから選択された少なくともいずれかに溶解されて、スラリーを形成する、1個以上の溶解攪拌機120;
前記溶解攪拌機で溶解されたスラリーをスラッジケーキと脱水濾液に分離するスラリー脱水機130;及び
前記脱水濾液が移送されて、塩化カリウム結晶の析出と沈降によって塩化カリウムが回収される、1個以上の塩化カリウム沈殿槽160;を含み、
前記溶解攪拌機120から前記スラリー脱水機130にスラリーが移送されるとき、ローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングドされるものを含み、
前記1個以上の溶解攪拌機120は、前記溶解攪拌機120の上端部が地面と水平になるように地下化し、
前記1個以上の溶解攪拌機120の上部でスラリーがポンピングされ、
前記1個以上の溶解攪拌機120に塩化カリウム乾燥機170の乾燥機凝縮水がさらに投入され、前記セメント塩素バイパスダストは、前記塩化カリウム乾燥機170の乾燥機凝縮水に溶解されることを特徴とする、
セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステム。
【請求項2】
前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムは、
前記スラッジケーキが移送されたスラッジケーキ保管場140;
前記スラッジケーキ保管場のスラッジケーキを乾燥させて、セメント原料として用いられる、塩素濃度の低下したスラッジを形成する、1個以上のスラッジケーキ乾燥機150;
前記脱水濾液が乾燥して、塩化カリウムが回収される、前記1個以上の塩化カリウム乾燥機170;又は
前記塩化カリウム沈殿槽160で沈殿した沈降物が移送されて乾燥し、塩化カリウムが回収される、前記1個以上の塩化カリウム乾燥機170;をさらに含むことを特徴とする、
請求項1に記載のセメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステム。
【請求項3】
前記スラッジケーキ保管場140は、
前記スラリー脱水機130の側面下部に地下化して、脱水したスラッジケーキが脱水機の側面下部の保管場に落下、保管又は移送されることを特徴とする、
請求項2に記載のセメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステム。
【請求項4】
前記スラッジケーキ保管場140は、
前記スラッジケーキ保管場140に水、酸性水溶液、前記スラッジケーキ乾燥機150の凝縮水、及び前記塩化カリウム乾燥機170の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかが投入されるように構成して、
スラッジケーキに水、酸性水溶液、前記スラッジケーキ乾燥機150の凝縮水、及び前記塩化カリウム乾燥機170の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかが混合されて、スラリーを作り、前記溶解攪拌機120に前記ローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングして移送されることを特徴とする、
請求項2に記載のセメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステム。
【請求項5】
前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムは、
1回目溶解として、1号溶解攪拌機120において、前記セメント塩素バイパスダストが水、酸性水溶液、前記塩化カリウム沈殿槽160の沈殿槽上澄液、及び前記塩化カリウム乾燥機170の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかに溶解されて、スラリーが製造される工程;
1回目脱水として、前記スラリーは、前記スラリー脱水機130によって脱水して、1回目スラッジケーキが製造された後、前記1回目スラッジケーキは、前記スラッジケーキ保管場に落下した後、前記1回目スラッジケーキが水、酸性水溶液、前記スラッジケーキ乾燥機150の凝縮水、及び前記塩化カリウム乾燥機170の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかに混合されて、1回目再生スラリーが製造される工程;
前記1回目再生スラリーを2号溶解攪拌機120にローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングして移送する工程;
2回目溶解として、前記2号溶解攪拌機120に移送された1回目再生スラリーが水、酸性水溶液、前記塩化カリウム沈殿槽160の沈殿槽上澄液、及び前記塩化カリウム乾燥機170の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかに溶解されて、スラリーが製造される工程;及び
2回目脱水として、前記スラリーは、前記スラリー脱水機130によって脱水して、2回目スラッジケーキが製造された後、前記2回目スラッジケーキは、前記スラッジケーキ保管場140に落下した後、前記2回目スラッジケーキが水、酸性水溶液、前記スラッジケーキ乾燥機150の凝縮水、及び前記塩化カリウム乾燥機170の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかに混合されて、2回目再生スラリーが製造される工程を含む、
請求項に記載のセメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステム。
【請求項6】
前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムは、
溶解又は脱水工程を1回以上の部分繰り返し工程及び連続循環工程で行うとき、
繰り返される溶解又は脱水工程回数が多くなるほど、溶解時間は、短くなることを特徴とする、
請求項1に記載のセメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステム。
【請求項7】
前記塩化カリウム沈殿槽160は、底及び側面に熱線又はスチームラインの常時又は随時発熱装置を備えることを特徴とする、
請求項1に記載のセメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステム。
【請求項8】
前記塩化カリウム沈殿槽160には凝集剤を投入することができ、
前記凝集剤は、無機電解質として消石灰(水酸化カルシウム)、明礬、塩化アルミニウム、酸化鉄(III)、及び硫酸鉄(II)のうちから選択された少なくともいずれか、又は
有機高分子化合物として澱粉類又はポリアクリルアマイドと、その誘導体を含むことを特徴とする、
請求項1に記載のセメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステム。
【請求項9】
セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法であって、
セメント塩素バイパスダストは、1個以上の溶解攪拌機120に投入され、前記セメント塩素バイパスダストが水、酸性水溶液、及び塩化カリウム沈殿槽160の沈殿槽上澄液のうちから選択された少なくともいずれかに溶解されて、スラリーを形成するステップ(S110);
前記溶解攪拌機120で溶解されたスラリーは、スラリー脱水機130に移送されて、スラッジケーキと脱水濾液に分離されるステップ(S120);及び
前記脱水濾液は、1個以上の前記塩化カリウム沈殿槽160に移送されて、塩化カリウム結晶の析出と沈降によって塩化カリウムを回収するステップ(S130);を含み、
前記溶解攪拌機120から前記スラリー脱水機130にスラリーが移送されるとき、ローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングされるものを含み、
前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法は、前記ローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングされることによって、配管内スケールを防止し、溶解又は脱水工程は、1回以上の部分繰り返し工程又は連続循環工程で行われることを特徴とし、
前記1個以上の溶解攪拌機120は、前記溶解攪拌機120の上端部が地面と水平になるように地下化し、
前記1個以上の溶解攪拌機120の上部でスラリーがポンピングされ、
前記1個以上の溶解攪拌機120に塩化カリウム乾燥機170の乾燥機凝縮水がさらに投入され、前記セメント塩素バイパスダストは、前記塩化カリウム乾燥機170の乾燥機凝縮水に溶解されることを特徴とする、
セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法。
【請求項10】
前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法は、
前記スラリー脱水機130で分離された脱水濾液は、1個以上の塩化カリウム乾燥機170に移送されて乾燥し、塩化カリウムを回収するステップ(S140);又は
前記塩化カリウム沈殿槽160で沈殿した沈殿槽沈降物は、1個以上の塩化カリウム乾燥機170に移送されて乾燥し、塩化カリウムを回収するステップ(S150);をさらに含むことを特徴とする、
請求項9に記載のセメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法。
【請求項11】
前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法は、
前記スラッジケーキがスラッジケーキ保管場140に移送されて、焼成炉原料用スラッジに製造されるステップ(S160);又は
前記スラッジケーキがスラッジケーキ乾燥機150に移送されて、セメント補助材用乾燥スラッジに製造されるステップ(S170);をさらに含むことを特徴とする、
請求項9に記載のセメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法。
【請求項12】
前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法は、
前記塩化カリウム沈殿槽160の沈殿槽上澄液又は塩化カリウム乾燥機170の乾燥機凝縮水を、水又は酸性水溶液と共に前記溶解攪拌機120に投入するステップ(S180);又は
前記塩化カリウム乾燥機170の乾燥機凝縮水又はスラッジケーキ乾燥機150の乾燥機凝縮水は、スラッジケーキ保管場140に投入され、前記スラッジケーキ保管場140のスラッジケーキに水、酸性水溶液、前記スラッジケーキ乾燥機150の凝縮水、及び前記塩化カリウム乾燥機170の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかが投入されて、再生スラリーが製造された後、前記再生スラリーが前記溶解攪拌機120に移送されるステップ(S190);をさらに含むことを特徴とする、
請求項9に記載のセメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法。
【請求項13】
前記塩化カリウム沈殿槽160には凝集剤を投入することができ、
前記凝集剤は、無機電解質として消石灰(水酸化カルシウム)、明礬、塩化アルミニウム、酸化鉄(III)、及び硫酸鉄(II)のうちから選択された少なくともいずれか、又は
有機高分子化合物として澱粉類又はポリアクリルアマイド、その誘導体を含むことを特徴とする、
請求項9に記載のセメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セメント工程の副産物である塩素バイパスダストのリサイクル時、配管内スケールを防止し、溶解又は脱水工程は、1回以上の部分繰り返し工程及び連続循環工程で行われる、セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステム及び環境に優しいリサイクル方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、塩素バイパスダストは、セメント製造の際、予熱器の閉塞などの問題を引き起こす塩素成分を一部追加して、バイパスさせることによって残る塩化カリウム(KCl)、生石灰(CaO)又は無水石膏(CaSO)を含む工程副産物である。
【0003】
特に、塩素バイパスダストは、セメント生産工場の約2,000℃の高温で稼動されるクリンカー製造焼成炉の円滑な稼動のため、塩素を含む揮発物質を除去するために、焼成炉の約1,000℃前後の温度部位で強制抽出されるホットガス内に含まれている無機物であって、塩化カリウムのほか、1,000℃の高温によって既に脱水、脱炭酸した無水石膏と生石灰が含まれている。
【0004】
セメント工場で発生する塩素バイパスダストは、アルカリ、特に、カリウム、塩素、重金属などの含量が高い指定廃棄物であって、ほとんど単に埋め立てられていたが、近年、埋立費用の増大により、省コストの次元で、セメント工場内に別途リサイクル工程を構成して、塩化カリウムの回収及びセメント原料用スラッジの利用によるリサイクル方法について研究並びに実際工程への適用が開始されている。
【0005】
上記リサイクル方法は、主に、塩化カリウムの回収によるリサイクル製品化のため、塩化カルシウムの純度向上、収率増大、重金属低減又は回収費用の節減、並びにセメント原料用スラッジを処理する目的のリサイクル工程の開発及び技術の改善がほとんどであり、商業的に普遍化してはいない。
【0006】
また、上記リサイクル方法は、下記のような致命的な短所がある。
【0007】
第一、上記リサイクル方法は、部分工程の繰り返しかつ全体工程の連続稼動が不可能である短所がある。
【0008】
すなわち、前段工程において、水又は酸性水溶液での溶解工程が先行される必要があり、塩素バイパスダストの溶解液又は水分含量約60%程のスラッジ状態で、分離、脱水、乾燥などの後段工程のための移送過程が行われる。
【0009】
このとき、移送物の状態によって、ベルトコンベアの移送或いは配管を介するポンプの圧送で移送される。
【0010】
しかし、塩素バイパスダストは、セメント生産工場の約2,000℃の高温で稼動されるクリンカー製造焼成炉の円滑な稼動のため、塩素を含む揮発物質を除去するために、焼成炉の約1,000℃前後の温度部位で強制抽出されるホットガス内に含まれている無機物であって、多量のアルカリと塩素のみならず、カルシウム(Ca)と硫酸(SO 2-)イオンが相当量含まれており、水又は酸性水溶液との接触後、ベルトコンベアの移送又は配管ポンプの圧送時、塩化カリウム(KCl)のみならず、炭酸カルシウム(CaCO)と石膏(CaSO)を生成させて、ベルトコンベアや配管にスケールが必然的に発生して、移送物の部分積載又は詰まりにより、部分必須工程の繰り返し及び全体工程の一定時間以上の連続稼動が不可能であり、塩化カリウムの収率上向の限界及び工程運営費の加重など、経済性の低下だけでなく、基本的な設備運営が制限される問題に繋がる。
【0011】
第二、上記リサイクル方法は、スラッジの高付加価値化が不可能である短所がある。
【0012】
すなわち、塩素バイパスダストの水又は酸性水溶液で溶解されて、分離、脱水により、水分含量約60%程のスラッジが発生するものの、工程移送過程において、コンベヤベルトや配管に必然的に発生する塩化カリウム、炭酸カルシウムと石膏のスケールが必然的に生成されて、部分積載又は詰まりにより、一部の必須工程の繰り返し及び連続運営が不可能であることから、スラッジに含有されている塩素含量を一定含量以下に除去することが不可能であり、単に安価のセメント原料としてセメント焼成炉に制限的に再度投入されており、高付加価値へのリサイクルに限界がある。
【0013】
第三、上記リサイクル方法は、廃水の発生及び処理に問題が発生する短所がある。
【0014】
塩素バイパスダストの水又は酸性水溶液での溶解、分離、脱水、乾燥等の工程において、溶解液又は水分約60%前後のスラッジ状態で、廃水の発生は必然であり、廃水発生量によって、廃棄物処理、浄化処理、乾燥蒸発などに繋がるものの、それぞれ廃棄物処理費用、浄化処理薬品にかかる費用、乾燥電力、LNGなどのエネルギー費用の発生によって、運営及び経済性の観点から望ましくない。
【0015】
第四、上記リサイクル方法は、乾燥効率が低下する短所がある。
【0016】
すなわち、既存のロータリードライヤやスプレードライヤといった一般乾燥方式の乾燥機を主に使用していることから、乾燥効率の低下による乾燥電力、LNGなどのエネルギー費用の過多によって経済性が低下する問題がある。
【0017】
よって、本出願人は、長い間、大変な努力の末に、部分工程の繰り返し及び全体工程の連続稼動不可、スラッジの高付加価値化不可、廃水の発生及び処理の問題、並びに乾燥効率が低下する問題点を解決するために、セメント工程の副産物である塩素バイパスダストのリサイクル時、配管内スケールを防止し、溶解又は脱水工程は、1回以上の部分繰り返し工程及び連続循環工程で行われる、セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステム及び環境に優しいリサイクル方法を獲得して、本発明を完成することになった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
韓国登録特許第10-1561637号(特許登録日:2015年10月13日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
よって、本発明の目的は、セメント工程の副産物である塩素バイパスダストのリサイクル時、配管内スケールを防止し、溶解又は脱水工程は、1回以上の部分繰り返し工程及び連続循環工程で行われる、セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムを提供することにある。
【0020】
また、本発明の目的は、セメント工程の副産物である塩素バイパスダストのリサイクル時、配管内スケールを防止し、溶解又は脱水工程は、1回以上の部分繰り返し工程及び連続循環工程で行われる、セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法を提供することにある。
【0021】
また、本発明の目的は、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムで回収された、塩化カリウムを提供することにある。
【0022】
また、本発明の目的は、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムで製造された、塩素濃度の低下したスラッジを提供することにある。
【0023】
また、本発明の目的は、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法で回収された、塩化カリウムを提供することにある。
【0024】
また、本発明の目的は、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法で製造された、塩素濃度の低下したスラッジを提供することにある。
【0025】
本発明が解決しようとする課題は、以上で言及した課題に限らず、言及していないさらに他の課題は、以下の記載から当業者にとって明確に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0026】
上記課題を解決するために本発明の一側面によれば、
セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムであって、
セメント塩素バイパスダストが投入され、前記セメント塩素バイパスダストが水、酸性水溶液、及び塩化カリウム沈殿槽160の沈殿槽上澄液のうちから選択された少なくともいずれかに溶解されて、スラリーを形成する、1個以上の溶解攪拌機120;
前記溶解攪拌機で溶解されたスラリーをスラッジケーキと脱水濾液に分離するスラリー脱水機130;及び
前記脱水濾液が移送されて、塩化カリウム結晶の析出と沈降によって塩化カリウムが回収される、1個以上の塩化カリウム沈殿槽160;を含み、
前記溶解攪拌機120から前記スラリー脱水機130にスラリーが移送されるとき、ローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングされるものを含み、
前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムは、前記ローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングされることによって、配管内スケールを防止し、溶解又は脱水工程は、1回以上の部分繰り返し工程又は連続循環工程で行われることを特徴とする、
セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムを提供する。
【0027】
本発明の一実施例によれば、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムは、
前記スラッジケーキが移送されたスラッジケーキ保管場140;
前記スラッジケーキ保管場のスラッジケーキを乾燥させて、セメント原料として用いられる、塩素濃度の低下したスラッジを形成する、1個以上のスラッジケーキ乾燥機150;
前記脱水濾液が乾燥して、塩化カリウムが回収される、1個以上の塩化カリウム乾燥機170;又は
前記塩化カリウム沈殿槽160で沈殿した沈降物が移送されて乾燥し、塩化カリウムが回収される、前記1個以上の塩化カリウム乾燥機170;をさらに含むことができる。
【0028】
本発明の一実施例によれば、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムは、
前記1個以上の溶解攪拌機120は、前記溶解攪拌機120の上端部が地面と水平になるように地下化し、
前記1個以上の溶解攪拌機120の上部でスラリーがポンピングされ、
前記1個以上の溶解攪拌機120に、前記塩化カリウム乾燥機170の乾燥機凝縮水がさらに投入され、前記セメント塩素バイパスダストは、前記塩化カリウム乾燥機170の乾燥機凝縮水に溶解されてもよい。
【0029】
本発明の一実施例によれば、前記スラッジケーキ保管場140は、
前記スラリー脱水機130の側面下部に地下化して、脱水したスラッジケーキを脱水機の側面下部の保管場に落下、保管又は移送することができる。
【0030】
本発明の一実施例によれば、前記スラッジケーキ保管場140は、
前記スラッジケーキ保管場140に水、酸性水溶液、前記スラッジケーキ乾燥機150の凝縮水、及び前記塩化カリウム乾燥機170の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかが投入されるように構成して、
スラッジケーキに水、酸性水溶液、前記スラッジケーキ乾燥機150の凝縮水、及び前記塩化カリウム乾燥機170の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかが混合されて、スラリーを作り、前記溶解攪拌機120に前記ローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングして移送することができる。
【0031】
本発明の一実施例によれば、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムは、
1回目溶解として、1号溶解攪拌機120において、前記セメント塩素バイパスダストが水、酸性水溶液、前記塩化カリウム沈殿槽160の沈殿槽上澄液、及び前記塩化カリウム乾燥機170の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかに溶解されて、スラリーが製造される工程;
1回目脱水として、前記スラリーは、前記スラリー脱水機130によって脱水して、1回目スラッジケーキが製造された後、前記1回目スラッジケーキは、前記スラッジケーキ保管場に落下した後、前記1回目スラッジケーキが水、酸性水溶液、前記スラッジケーキ乾燥機150の凝縮水、及び前記塩化カリウム乾燥機170の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかに混合されて、1回目再生スラリーが製造される工程;
前記1回目再生スラリーを2号溶解攪拌機120にローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングして移送される工程;
2回目溶解として、前記2号溶解攪拌機120に移送された1回目再生スラリーが水、酸性水溶液、前記塩化カリウム沈殿槽160の沈殿槽上澄液、及び前記塩化カリウム乾燥機170の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかに溶解されて、スラリーが製造される工程;及び
2回目脱水として、前記スラリーは、前記スラリー脱水機130によって脱水して、2回目スラッジケーキが製造された後、前記2回目スラッジケーキは、前記スラッジケーキ保管場140に落下した後、前記2回目スラッジケーキが水、酸性水溶液、前記スラッジケーキ乾燥機150の凝縮水、及び前記塩化カリウム乾燥機170の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかに混されて、2回目再生スラリーが製造される工程を含み、
前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムの配管内スケールを防止し、溶解又は脱水工程を1回以上の部分繰り返し工程及び連続循環工程で行うことができる。
【0032】
本発明の一実施例によれば、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムは、
溶解又は脱水工程を1回以上の部分繰り返し工程及び連続循環工程で行うとき、
繰り返される溶解又は脱水工程回数が多くなるほど、溶解時間は、短くなり得る。
【0033】
本発明の一実施例によれば、前記塩化カリウム沈殿槽160は、底及び側面に熱線又はスチームラインの常時又は随時発熱装置を備えることができる。
【0034】
本発明の一実施例によれば、前記塩化カリウム沈殿槽160には凝集剤を投入することができ、
前記凝集剤は、無機電解質として消石灰(水酸化カルシウム)、明礬、塩化アルミニウム、酸化鉄(III)、及び硫酸鉄(II)のうちから選択された少なくともいずれか、又は
有機高分子化合物として澱粉類又はポリアクリルアマイドと、その誘導体を含むことができる。
【0035】
本発明の一実施例によれば、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムは、
前記塩化カリウム沈殿槽160における塩化カリウム結晶の析出時間を短縮するために、
前記塩化カリウム沈殿槽160に移送された脱水濾液における塩化カリウム結晶の析出と沈降が行われつつ、沈殿槽上澄液が発生する時点で、ローラ真空型自吸式のホースポンプ又は水中ポンプを用いて、前記塩化カリウム沈殿槽160の沈殿槽上澄液をポンピングして移送し、前記溶解攪拌機120の溶解用混合水として用いることができる。
【0036】
本発明の一実施例によれば、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムは、
廃水の発生を根本的に無くすために、
前記スラッジケーキ乾燥機150の凝縮水又は前記塩化カリウム乾燥機170の凝縮水を移送して、前記溶解攪拌機120の溶解用混合水及びスラッジケーキ保管場140のスラッジケーキの再生スラリー製造用混合水として用いることができる。
【0037】
本発明の一実施例によれば、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムは、
水又は水溶液とスラッジの分離、脱水の繰り返し過程において、スラリー脱水機で発生するスラッジケーキは、スラリー脱水機の側面下部の地下保管場に移送された後、後続移送ラインは、スラッジケーキ乾燥機150と製品スラッジ保管場180の2つのラインからさらに構成されており、個別又は同時に移送することができる。
【0038】
本発明の一実施例によれば、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムは、
水又は水溶液とスラッジの分離、脱水の繰り返し過程において、スラリー脱水機で発生するスラッジケーキは、スラリー脱水機の側面下部の地下保管場に移送された後、スラッジケーキ乾燥機に移送されて、水分含量を5%以下に減少させることによって、高付加価値のセメント補助材用乾燥スラッジに製造することができる。
【0039】
本発明の他の一側面によれば、
セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法であって、
セメント塩素バイパスダストは、1個以上の溶解攪拌機120に投入され、前記セメント塩素バイパスダストが水、酸性水溶液、及び塩化カリウム沈殿槽160の沈殿槽上澄液のうちから選択された少なくともいずれかに溶解されて、スラリーを形成するステップ(S110);
前記溶解攪拌機120で溶解されたスラリーは、スラリー脱水機130に移送されて、スラッジケーキと脱水濾液に分離されるステップ(S120);及び
前記脱水濾液は、1個以上の前記塩化カリウム沈殿槽160に移送されて、塩化カリウム結晶の析出と沈降によって塩化カリウムを回収するステップ(S130);を含み、
前記溶解攪拌機120から前記スラリー脱水機130にスラリーが移送されるとき、ローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングされるものを含み、
前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法は、前記ローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングされることによって、配管内スケールを防止し、溶解又は脱水工程は、1回以上の部分繰り返し工程又は連続循環工程で行われることを特徴とする、
セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法を提供することができる。
【0040】
本発明の一実施例によれば、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法は、
前記スラリー脱水機130で分離された脱水濾液は、1個以上の塩化カリウム乾燥機170に移送されて乾燥し、塩化カリウムを回収するステップ(S140);又は
前記塩化カリウム沈殿槽160で沈殿した沈殿槽沈降物は、1個以上の塩化カリウム乾燥機170に移送されて乾燥し、塩化カリウムを回収するステップ(S150);をさらに含むことができる。
【0041】
本発明の一実施例によれば、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法は、
前記スラッジケーキがスラッジケーキ保管場140に移送されて、焼成炉原料用スラッジに製造されるステップ(S160);又は
前記スラッジケーキがスラッジケーキ乾燥機150に移送されて、セメント補助材用乾燥スラッジに製造されるステップ(S170);をさらに含むことができる。
【0042】
本発明の一実施例によれば、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法は、
前記塩化カリウム沈殿槽160の沈殿槽上澄液又は塩化カリウム乾燥機170の乾燥機凝縮水を、水又は酸性水溶液と共に前記溶解攪拌機120に投入するステップ(S180);又は
前記塩化カリウム乾燥機170の乾燥機凝縮水又はスラッジケーキ乾燥機150の乾燥機凝縮は、スラッジケーキ保管場140に投入され、前記スラッジケーキ保管場140のスラッジケーキに水、酸性水溶液、前記スラッジケーキ乾燥機150の凝縮水、及び前記塩化カリウム乾燥機170の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかが投入されて、再生スラリーが製造された後、前記再生スラリーが前記溶解攪拌機120に移送されるステップ(S190);をさらに含むことができる。
【0043】
本発明の一実施例によれば、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法は、
前記1個以上の溶解攪拌機120は、前記溶解攪拌機120の上端部が地面と水平になるように地下化し、
前記1個以上の溶解攪拌機120の上部でスラリーがポンピングされ、
前記1個以上の溶解攪拌機120に塩化カリウム乾燥機170の乾燥機凝縮水がさらに投入され、前記セメント塩素バイパスダストは、前記塩化カリウム乾燥機170の乾燥機凝縮水に溶解することができる。
【0044】
本発明の一実施例によれば、前記塩化カリウム沈殿槽160には凝集剤を投入することができ、
前記凝集剤は、無機電解質として消石灰(水酸化カルシウム)、明礬、塩化アルミニウム、酸化鉄(III)、及び硫酸鉄(II)のうちから選択された少なくともいずれか、又は
有機高分子化合物として澱粉類又はポリアクリルアマイド、その誘導体を含むことができる。
【0045】
本発明の一実施例によれば、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法は、
前記塩化カリウム沈殿槽160における塩化カリウム結晶の析出時間を短縮するために、
前記塩化カリウム沈殿槽160に移送された脱水濾液における塩化カリウム結晶の析出と沈降が行われつつ、沈殿槽上澄液が発生する時点で、ローラ真空型自吸式のホースポンプ又は水中ポンプを用いて、前記塩化カリウム沈殿槽160の沈殿槽上澄液をポンピングして移送し、前記溶解攪拌機120の溶解用混合水として用いることができる。
【0046】
本発明の一実施例によれば、前記スラッジケーキ保管場140は、
前記スラリー脱水機130の側面下部に地下化して、脱水したスラッジケーキを脱水機の側面下部の保管場に落下、保管又は移送することができる。
【0047】
本発明の一実施例によれば、前記スラッジケーキ保管場140は、
前記スラッジケーキ保管場140に水、酸性水溶液、前記スラッジケーキ乾燥機150の凝縮水、及び前記塩化カリウム乾燥機170の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかが投入されるように構成して、
スラッジケーキに水、酸性水溶液、前記スラッジケーキ乾燥機150の凝縮水、及び前記塩化カリウム乾燥機170の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかが混合されて、スラリーを作り、前記溶解攪拌機120に前記ローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングして移送することができる。
【0048】
本発明の一実施例によれば、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法は、
1回目溶解として、1号溶解攪拌機120において、前記セメント塩素バイパスダストが水、酸性水溶液、前記塩化カリウム沈殿槽160の沈殿槽上澄液、及び前記塩化カリウム乾燥機170の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかに溶解されて、スラリーが製造される工程;
1回目脱水として、前記スラリーは、前記スラリー脱水機130によって脱水して、1回目スラッジケーキが製造された後、前記1回目スラッジケーキは、前記スラッジケーキ保管場に落下した後、前記1回目スラッジケーキが水、酸性水溶液、前記スラッジケーキ乾燥機150の凝縮水、及び前記塩化カリウム乾燥機170の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかに混合されて、1回目再生スラリーが製造される工程;
前記1回目再生スラリーを2号溶解攪拌機120にローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングして移送される工程;
2回目溶解として、前記2号溶解攪拌機120に移送された1回目再生スラリーが水、酸性水溶液、前記塩化カリウム沈殿槽160の沈殿槽上澄液、及び前記塩化カリウム乾燥機170の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかに溶解されて、スラリーが製造される工程;及び
2回目脱水として、前記スラリーは、前記スラリー脱水機130によって脱水して、2回目スラッジケーキが製造された後、前記2回目スラッジケーキは、前記スラッジケーキ保管場140に落下した後、前記2回目スラッジケーキが水、酸性水溶液、前記スラッジケーキ乾燥機150の凝縮水、及び前記塩化カリウム乾燥機170の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかに混合されて、2回目再生スラリーが製造される工程を含み、
配管内スケールを防止し、溶解又は脱水工程を1回以上の部分繰り返し工程及び連続循環工程で行うことができる。
【0049】
本発明の一実施例によれば、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法は、
溶解又は脱水工程を1回以上の部分繰り返し工程及び連続循環工程で行うとき、
繰り返される溶解又は脱水工程回数が多くなるほど、溶解時間は、短くなり得る。
【0050】
本発明の一実施例によれば、前記塩化カリウム沈殿槽160は、底及び側面に熱線又はスチームラインの常時又は随時発熱装置を備えることができる。
【0051】
本発明の一実施例によれば、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法は、
廃水の発生を根本的に無くすために、
前記スラッジケーキ乾燥機150の凝縮水又は前記塩化カリウム乾燥機170の凝縮水を移送して、前記溶解攪拌機120の溶解用混合水及びスラッジケーキ保管場140のスラッジケーキの再生スラリー製造用混合水として用いることができる。
【0052】
本発明の一実施例によれば、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法は、
水又は水溶液とスラッジの分離、脱水の繰り返し過程において、スラリー脱水機で発生するスラッジケーキは、スラリー脱水機の側面下部の地下保管場に移送された後、後続移送ラインは、スラッジケーキ乾燥機150と、製品スラッジ保管場180の2つのラインからさらに構成されており、個別又は同時に移送することができる。
【0053】
本発明の一実施例によれば、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法は、
水又は水溶液とスラッジの分離、脱水の繰り返し過程において、スラリー脱水機で発生するスラッジケーキは、スラリー脱水機の側面下部の地下保管場に移送された後、スラッジケーキ乾燥機に移送されて、水分含量を5%以下に減少させることによって、高付加価値のセメント補助材用乾燥スラッジに製造することができる。
【0054】
本発明の他の一側面によれば、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムで回収された、塩化カリウムを提供する。
【0055】
本発明の他の一側面によれば、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムで製造された、塩素濃度の低下したスラッジを提供する。
【0056】
本発明の他の一側面によれば、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法で回収された、塩化カリウムを提供する。
【0057】
本発明の他の一側面によれば、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法で製造された、塩素濃度の低下したスラッジを提供する。
【発明の効果】
【0058】
本発明によれば、セメント工程の副産物である塩素バイパスダストのリサイクル時、配管内スケールを防止し、溶解又は脱水工程は、1回以上の部分繰り返し工程又は連続循環工程で行われる、セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムを提供するため、リサイクル効率に優れる。
【0059】
また、本発明は、セメント工程の副産物である塩素バイパスダストのリサイクル時、配管内スケールを防止し、溶解又は脱水工程は、1回以上の部分繰り返し工程又は連続循環工程で行われる、セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法を提供するため、工程安定性が著しくて、経済的である。
【0060】
また、本発明は、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムで回収された、塩化カリウムを提供するため、経済的である。
【0061】
また、本発明は、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムで製造された、塩素濃度の低下したスラッジを提供するため、経済的である。
【0062】
また、本発明は、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法で回収された、塩化カリウムを提供するため、経済的である。
【0063】
また、本発明は、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法で製造された、塩素濃度の低下したスラッジを提供するため、経済的である。
【0064】
本発明の効果は、上記の効果に限定されるものではなく、本発明の詳細な説明又は特許請求の範囲に記載した発明の構成から推論可能なすべての効果を含むものと理解しなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0065】
図1】本発明の一実施例によるセメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムの概略的なブロック図である。
図2】本発明の一実施例によるセメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法の工程流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0066】
以下、添付の図面を参照して、本発明による好ましい実施例を詳説することとする。
【0067】
本発明の利点及び特徴、並びにそれを達する方法は、添付の図面と共に詳細に後述する実施例を参照すれば明確になる。
【0068】
しかし、本発明は、以下で開示の実施例によって限定されるものではなく、相異する様々な形態に具現されるものである。但し、本実施例は、本発明の開示を完全なものにして、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範疇によって定義されるだけである。
【0069】
また、本発明を説明するにあたり、関連する公知の技術などが本発明の要旨を曖昧にすると判断される場合、それに関する詳説は省略することとする。
【0070】
以下、本発明を詳説する。
【0071】
[セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステム]
本発明は、セメント工程の副産物である塩素バイパスダストのリサイクル時、配管内スケールを防止し、溶解又は脱水工程は、1回以上の部分繰り返し工程及び連続循環工程で行われる、セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムを提供する。
【0072】
本発明は、セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムであって、
セメント塩素バイパスダストが投入され、前記セメント塩素バイパスダストが水、酸性水溶液、及び塩化カリウム沈殿槽160の沈殿槽上澄液のうちから選択された少なくともいずれかに溶解されて、スラリーを形成する、1個以上の溶解攪拌機120;
前記溶解攪拌機で溶解されたスラリーをスラッジケーキと脱水濾液に分離するスラリー脱水機130;及び
前記脱水濾液が移送されて、塩化カリウム結晶の析出と沈降によって塩化カリウムが回収される、1個以上の塩化カリウム沈殿槽160;を含み、
前記溶解攪拌機120から前記スラリー脱水機130にスラリーが移送されるとき、ローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングされるものを含み、
前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムは、前記ローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングされることによって、配管内スケールを防止し、溶解又は脱水工程は、1回以上の部分繰り返し工程又は連続循環工程で行うことができる。
【0073】
本発明は、セメント工程の副産物である塩素バイパスダストのリサイクル時、配管内スケールを防止し、溶解又は脱水工程は、1回以上の部分繰り返し工程又は連続循環工程で行われる、セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムを提供するため、リサイクル効率に優れる。
【0074】
そして、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムは、
前記スラッジケーが移送されたスラッジケーキ保管場140;
前記スラッジケーキ保管場のスラッジケーキを乾燥させて、セメント原料として用いられる、塩素濃度の低下したスラッジを形成する、1個以上のスラッジケーキ乾燥機150;
前記脱水濾液が乾燥して、塩化カリウムが回収される、1個以上の塩化カリウム乾燥機170;又は
前記塩化カリウム沈殿槽160で沈殿した沈降物が移送されて乾燥し、塩化カリウムが回収される、前記1個以上の塩化カリウム乾燥機170;をさらに含むことができる。
【0075】
通常、塩素バイパスダストは、セメント製造の際、予熱器の閉塞などの問題を引き起こす塩素成分を一部追加して、バイパスさせることによって残る塩化カリウム(KCl)、生石灰(CaO)又は無水石膏(CaSO)を含む工程副産物である。
【0076】
特に、塩素バイパスダストは、セメント生産工場の約2,000℃の高温で稼動されるクリンカー製造焼成炉の円滑な稼動のため、塩素を含む揮発物質を除去するために、焼成炉の約1,000℃前後の温度部位で強制抽出されるホットガス内に含まれている無機物であって、塩化カリウムのほか、1,000℃の高温によって既に脱水、脱炭酸した無水石膏と生石灰が含まれている。
【0077】
セメント工場で発生する塩素バイパスダストは、アルカリ、特に、カリウム、塩素、重金属などの含量が高い指定廃棄物であって、ほとんど単に埋め立てられていたが、近年、埋め立て費用の増大により、省コストの次元で、セメント工場内に別途リサイクル工程を構成して、塩化カリウムの回収及びセメント原料用スラッジの利用によるリサイクル方法について研究及び実際工程への適用が開始されている。
【0078】
上記リサイクル方法は、主に塩化カリウムの回収によるリサイクル製品化のため、塩化カルシウムの純度向上、収率増大、重金属低減又は回収コストの節減、並びにセメント原料用スラッジを処理する目的のリサイクル工程の開発及び技術の改善がほとんどであり、商業的には普遍化していない。
【0079】
また、上記リサイクル方法は、下記のような致命的な短所がある。
【0080】
第一、上記リサイクル方法は、部分工程の繰り返し及び全体工程の連続稼動が不可能である短所がある。
【0081】
すなわち、前段工程において、水又は酸性水溶液での溶解工程を先行しなければならず、塩素バイパスダストの溶解液又は水分含量約60%程のスラッジ状態で、分離、脱水、乾燥などの後段工程のための移送過程が行われる。
【0082】
このとき、移送物の状態によって、ベルトコンベアの移送又は配管を介するポンプの圧送で移送される。
【0083】
しかし、塩素バイパスダストは、セメント生産工場の約2,000℃の高温で稼動されるクリンカー製造焼成炉の円滑な稼動のため、塩素を含む揮発物質を除去するために、焼成炉の約1,000℃前後の温度部位で強制抽出されるホットガス内に含まれている無機物であって、多量のアルカリと塩素のみならず、カルシウム(Ca)と硫酸(SO 2-)イオンが相当量含まれており、水又は酸性水溶液との接触後、ベルトコンベアの移送又は配管ポンプの圧送時、塩化カリウム(KCl)のみならず、炭酸カルシウム(CaCO)と石膏(CaSO)を生成させて、ベルトコンベアや配管にスケールが必然的に発生し、移送物の部分積載又は詰まりによって、部分必須工程の繰り返し及び全体工程の一定時間以上の連続稼動が不可能であり、塩化カリウムの収率上昇の限界及び工程運営費の加重など、経済性低下のみならず、基本的な設備運営が制限される問題に繋がる。
【0084】
第二、上記リサイクル方法は、スラッジの高付加価値化が不可能である短所がある。
【0085】
すなわち、塩素バイパスダストの水又は酸性水溶液で溶解されて、分離、脱水により、水分含量約60%程のスラッジが発生するものの、工程移送過程において、コンベヤベルトや配管に必然的に発生する塩化カリウム、炭酸カルシウムと石膏のスケールが必然的に生成されて、部分積載又は詰まりにより、一部の必須工程の繰り返し及び連続運営が不可能であることから、スラッジに含有されている塩素含量を一定含量以下に除去不可であり、単に安価のセメント原料としてセメント焼成炉に制限的に再度投入されており、高付加価値へのリサイクルに限界がある。
【0086】
第三、上記リサイクル方法は、廃水の発生及び処理に問題が発生する短所がある。
【0087】
塩素バイパスダストの水又は酸性水溶液での溶解、分離、脱水、乾燥等の工程において、溶解液又は水分約60%前後のスラッジ状態で、廃水の発生は必然であり、廃水発生量によって、廃棄物処理、浄化処理、乾燥蒸発などに繋がるが、それぞれ廃棄物処理費用、浄化処理薬品にかかる費用、乾燥電力、LNGなどのエネルギー費用の発生によって、運営及び経済性の観点から望ましくない。
【0088】
第四、上記リサイクル方法は、乾燥効率が低下する短所がある。
【0089】
すなわち、既存のロータリードライヤやスプレードライヤといった一般乾燥方式の乾燥機を主に使用していることから、乾燥効率の低下による乾燥電力、LNGなどのエネルギー費用の過多によって経済性が低下する問題がある。
【0090】
よって、本出願人は、長い間、大変の努力の末に、部分工程の繰り返し及び全体工程の連続稼動不可、スラッジの高付加価値化不可、廃水の発生及び処理問題、及び乾燥効率が低下する問題点を解決するために、セメント工程の副産物である塩素バイパスダストのリサイクル時、配管内スケールを防止し、溶解又は脱水工程は、1回以上の部分繰り返し工程及び連続循環工程で行われる、セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステム及び環境に優しいリサイクル方法を獲得して、本発明を完成することになった。
【0091】
図1は、本発明の一実施例による、セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムの概略的なブロック図である。
【0092】
図1を参照すると、塩素バイパスダスト保管場100と、塩素バイパスダストを搬出して投入する塩素バイパスダスト投入装置110とを含む。
【0093】
そして、セメント塩素バイパスダストが投入され、前記セメント塩素バイパスダストが水、酸性水溶液、塩化カリウム沈殿槽160の沈殿槽上澄液、及び塩化カリウム乾燥機170の乾燥機凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかに溶解されて、スラリーを形成する、1個以上の溶解攪拌機120を含む。
【0094】
また、前記溶解攪拌機で溶解されたスラリーをスラッジケーキと脱水濾液に分離するスラリー脱水機130と、前記スラッジケーキが移送されたスラッジケーキ保管場140とを含む。
【0095】
そして、前記スラッジケーキ保管場のスラッジケーキを乾燥させて、セメント原料として用いられる、塩素濃度の低下したスラッジを形成する、1個以上のスラッジケーキ乾燥機150を含む。
【0096】
また、前記脱水濾液が移送されて、塩化カリウム結晶の析出及び沈降によって塩化カリウムが回収される、1個以上の塩化カリウム沈殿槽160と、前記脱水濾液が乾燥して、塩化カリウムが回収される、1個以上の塩化カリウム乾燥機170と、前記塩化カリウム沈殿槽で沈殿した沈降物が移送されて乾燥し、塩化カリウムが回収される、前記1個以上の塩化カリウム乾燥機170と、を含む。
【0097】
そして、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムは、配管内スケールを防止し、溶解、脱水又は乾燥工程を1回以上の部分繰り返し工程又は連続循環工程で行うことができる。
【0098】
ここで、前記1回以上の部分繰り返し工程は、1回~6回であってもよい。
【0099】
このとき、前記部分繰り返し工程の繰り返し回数が増加するほど、前記セメント塩素バイパスダストのリサイクル効率は、増加し得る。
【0100】
そして、前記連続循環工程は、溶解、脱水又は乾燥工程が1回以上の数回連続して循環する工程であってもよい。
【0101】
このとき、前記溶解攪拌機120から前記スラリー脱水機130にスラリーが移送されるとき、ローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングすることができ、前記溶解攪拌機120の上部でスラリーをポンピングすることができる。
【0102】
また、前記塩素バイパスダスト内には、多量のアルカリと塩素のみならず、カルシウム(Ca)と硫酸(SO 2-)イオンが相当量含まれており、水又は酸性水溶液との接触後、コンベヤベルトの移送又は配管ポンプの圧送時、塩化カリウム(KCl)のみならず、炭酸カルシウム(CaCO)と石膏(CaSO)を生成させて、ベルトコンベアや配管にスケールが必然的に生成し得る。
【0103】
ここで、前記ローラ真空型自吸式のホースポンプは、膨張及び収縮する高圧真空チューブと、正方向及び逆方向に移送可能な状態の圧縮ローとによって、スラリー及び再生スラリーを吸入口と吐出口を介して吐出することができる。
【0104】
よって、前記ローラ真空型自吸式のホースポンプは、ベルトコンベアや配管に形成されたスケールによって発生する、移送過程の固形物の部分積載又は詰まり現象を根本的に遮断するため、部分又は全体工程の繰り返し及び全体工程の一定時間以上の連続稼動を可能にすることができる。
【0105】
また、前記スラッジケーキ乾燥機150は、垂直円筒型連続式乾燥機を含むことができる。
【0106】
前記スラッジケーキ乾燥用の垂直円筒型連続式乾燥機は、垂直円筒の全体面が乾燥断面であり、前記垂直円筒型連続式乾燥機内に投入されたスラッジケーキは、遠心力によって、垂直円筒型連続式乾燥機の全体面に薄膜形態に付着するとともに乾燥し、これによって、スラッジが薄膜形態に乾燥し得る。
【0107】
ここで、前記スラッジケーキ乾燥用の垂直円筒型連続式乾燥機は、熱効率が既存のロータリードライヤやスプレードライヤに比べて約1倍以上に優れ、蒸発する蒸気は、凝縮して凝縮水の形状に全量回収し、凝縮水は、追って混合水として用いられるため、廃水の発生がなく、工程運営の経済性が非常に向上する。
【0108】
また、前記塩化カリウム乾燥機170は、垂直円筒型連続式乾燥機を含むことができる。
【0109】
前記塩化カリウム乾燥用の垂直円筒型連続式乾燥機は、垂直円筒の全体面が乾燥断面であり、前記垂直円筒型連続式乾燥機内に投入されたスラッジケは、遠心力によって、垂直円筒型連続式乾燥機の全体面に薄膜形態に付着するとともに乾燥し、これによって、スラッジが薄膜形態に乾燥し得る。
【0110】
ここで、 前記塩化カリウム乾燥用の垂直円筒型連続式乾燥機は、熱効率が既存のロータリードライヤやスプレードライヤに比べて約1倍以上に優れ、蒸発する蒸気は、凝縮して凝縮水の形状に全量回収し、凝縮水は、追って混合水として用いられるため、廃水の発生がなく、工程運営の経済性が非常に向上する。
【0111】
そして、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムは、
前記1個以上の溶解攪拌機120は、前記溶解攪拌機120の上端部が地面と水平になるように地下化し、
前記1個以上の溶解攪拌機120の上部でスラリーがポンピングされ、
前記1個以上の溶解攪拌機120に前記塩化カリウム乾燥機170の乾燥機凝縮水がさらに投入され、前記セメント塩素バイパスダストは、前記塩化カリウム乾燥機170の乾燥機凝縮水に溶解することができる。
【0112】
また、前記溶解攪拌機120から前記スラリー脱水機130にスラリーが移送されるとき、前記ローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングすることができ、前記溶解攪拌機120の上部でスラリーを移送ラインにポンピングすることができる。
【0113】
そして、前記スラッジケーキ保管場140は、
前記スラリー脱水機130の側面下部に地下化して、脱水したスラッジケーキを脱水機の側面下部の保管場に落下、保管又は移送することができる。
【0114】
また、前記スラッジケーキ保管場140は、
前記スラッジケーキ保管場140に水、酸性水溶液、前記スラッジケーキ乾燥機150の凝縮水、及び前記塩化カリウム乾燥機170の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかが投入されるように構成して、
スラッジケーキに水、酸性水溶液、前記スラッジケーキ乾燥機150の凝縮水、及び前記塩化カリウム乾燥機170の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかが混合されて、スラリーを作り、前記溶解攪拌機120に前記ローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングして移送することができる。
【0115】
ここで、塩素バイパスダストの水又は酸性水溶液での溶解のため、溶解攪拌機は、上端部が地面と水平になるように地下化して構成することができる。これは、スラリー脱水機で発生するスラッジケーキ保管場は、スラリー脱水機の側面下部に地下化して構成されており、その後、スラッジケーキが水又は酸性水溶液との混合によってスラッジケーキスラリー化して、次回の溶解攪拌機に移送時、スラッジケーキ保管場の下部と溶解攪拌機の上端部との高低差を最小化して、移送容易性及び稼動率向上を増大させるためである。
【0116】
そして、塩素バイパスダストの水又は酸性水溶液での溶解のため、溶解攪拌機で攪拌した後、スラリーを移送するときの移送ラインは、溶解攪拌機の上部でスラリーをポンピングすることによって構成することができる。これは、スラリーを下部でポンピングする場合、攪拌機下部のスラリー濃度が高くて、良く発生する配管詰まり現象を除去するためである。
【0117】
ここで、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムは、
1回目溶解として、1号溶解攪拌機120において、前記セメント塩素バイパスダストが水、酸性水溶液、前記塩化カリウム沈殿槽160の沈殿槽上澄液、及び前記塩化カリウム乾燥機170の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかに溶解されて、スラリーが製造される工程;
1回目脱水として、前記スラリーは、前記スラリー脱水機130によって脱水して、1回目スラッジケーキが製造された後、前記1回目スラッジケーキは、前記スラッジケーキ保管場に落下した後、前記1回目スラッジケーキが水、酸性水溶液、前記スラッジケーキ乾燥機150の凝縮水、及び前記塩化カリウム乾燥機170の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかに混合されて、1回目再生スラリーが製造される工程;
前記1回目再生スラリーが2号溶解攪拌機120にローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングして移送される工程;
2回目溶解として、前記2号溶解攪拌機120に移送された1回目再生スラリーが水、酸性水溶液、前記塩化カリウム沈殿槽160の沈殿槽上澄液、及び前記塩化カリウム乾燥機170の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかに溶解されて、スラリーが製造される工程;及び
2回目脱水として、前記スラリーは、前記スラリー脱水機130によって脱水して、2回目スラッジケーキが製造された後、前記2回目スラッジケーキは、前記スラッジケーキ保管場140に落下した後、前記2回目スラッジケーキが水、酸性水溶液、前記スラッジケーキ乾燥機150の凝縮水、及び前記塩化カリウム乾燥機170の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかに混合されて、2回目再生スラリーが製造される工程を含み、
前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムの配管内スケールを防止し、溶解又は脱水工程を1回以上の部分繰り返し工程及び連続循環工程で行うことができる。
【0118】
ここで、前記1回以上の連続循環工程又は部分繰り返し工程は、1回~6回であってもよい。
【0119】
このとき、前記連続循環工程又は部分繰り返し工程の繰り返し回数が増加するほど、前記セメント塩素バイパスダストのリサイクル効率は、増加し得る。
【0120】
また、溶解-脱水-乾燥の1回工程は、セメント塩素バイパスダストを溶解攪拌機に投入し、前記セメント塩素バイパスダストを水、酸性水溶液、塩化カリウム沈殿槽の沈殿槽上澄液、及び塩化カリウム乾燥機の乾燥機凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかに溶解させて、スラリーを形成することができる。
【0121】
その後、前記溶解攪拌機で溶解されたスラリーをスラリー脱水機で脱水させて、スラッジケーキと脱水濾液に分離することができる。
【0122】
このとき、前記溶解攪拌機から前記スラリー脱水機にスラリーが移送されるとき、ローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングすることができ、前記溶解攪拌機の上部でスラリーを移送ラインにポンピングすることができる。
【0123】
その後、前記スラッジケーキをスラッジケーキ保管場に移送させて、焼成炉原料用スラッジを製造することができる。
【0124】
そして、前記スラッジケーキをスラッジケーキ乾燥機に移送させて、セメント原料として用いられる、塩素濃度の低下したセメント補助材用乾燥スラッジを製造することができる。
【0125】
その後、前記脱水濾液を塩化カリウム沈殿槽に移送して、塩化カリウムを析出、沈降させ、塩化カリウムを回収することができる。
【0126】
また、前記脱水濾液を塩化カリウム乾燥機に移送して、塩化カリウムを乾燥させ、塩化カリウムを回収することができる。
【0127】
そして、前記塩化カリウム沈殿槽で沈殿した沈降物を塩化カリウム乾燥機に移送して乾燥させ、塩化カリウムを回収することができる。
【0128】
このとき、移送ラインは、ほとんど塞がず、廃水は、ほとんど発生しない。
【0129】
そして、溶解-脱水の2回部分繰り返し工程は、
1回目溶解として、セメント塩素バイパスダストを1号溶解攪拌機に投入し、前記セメント塩素バイパスダストを水、酸性水溶液、塩化カリウム沈殿槽の沈殿槽上澄液、及び塩化カリウム乾燥機の乾燥機凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかに溶解させて、スラリーを形成することができる。
【0130】
その後、1回目脱水として、前記1号溶解攪拌機で溶解されたスラリーをスラリー脱水機で脱水させて、1回目スラッジケーキと1回目脱水濾液に分離することができる。
【0131】
このとき、前記1号溶解攪拌機から前記スラリー脱水機にスラリーが移送されるとき、ローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングすることができ、前記1号溶解攪拌機の上部でスラリーを移送ラインにポンピングすることができる。
【0132】
その後、前記1回目スラッジケーキを前記スラッジケーキ保管場に落下させた後、前記1回目スラッジケーキを水、酸性水溶液、前記スラッジケーキ乾燥機の凝縮水、及び前記塩化カリウム乾燥機の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかに混合させて、1回目再生スラリーを製造することができる。
【0133】
このとき、前記1回目再生スラリーを2号溶解攪拌機にローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングして移送することができる。
【0134】
その後、2回目溶解として、前記2号溶解攪拌機に移送された1回目再生スラリーを水、酸性水溶液、前記塩化カリウム沈殿槽の沈殿槽上澄液、及び前記塩化カリウム乾燥機の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかに溶解させて、スラリーを製造することができる。
【0135】
その後、2回目脱水として、前記2号溶解攪拌機で溶解されたスラリーをスラリー脱水機で脱水させて、2回目スラッジケーキと2回目脱水濾液に分離することができる。
【0136】
その後、前記2回目スラッジケーキを前記スラッジケーキ保管場に落下させた後、焼成炉原料用スラッジを製造することができる。
【0137】
そして、前記2回目スラッジケーキをスラッジケーキ乾燥機に移送させて、セメント原料として用いられる、塩素濃度の低下したセメント補助材用乾燥スラッジを製造することができる。
【0138】
このとき、前記1回目脱水濾液及び前記2回目脱水濾液を塩化カリウム沈殿槽に移送して、塩化カリウムを析出、沈降させ、塩化カリウムを回収することができる。
【0139】
また、前記1回目脱水濾液及び前記2回目脱水濾液を塩化カリウム乾燥機に移送して、塩化カリウムを乾燥させ、塩化カリウムを回収することができる。
【0140】
そして、前記塩化カリウム沈殿槽で沈殿した沈降物を塩化カリウム乾燥機に移送して乾燥させ、塩化カリウムを回収することができる。
【0141】
このとき、移送ラインは、ほとんど塞がず、廃水は、ほとんど発生しない。
【0142】
また、溶解-脱水の3回部分繰り返し工程は、
1回目溶解として、セメント塩素バイパスダストを1号溶解攪拌機に投入し、前記セメント塩素バイパスダストを水、酸性水溶液、前記塩化カリウム沈殿槽の沈殿槽上澄液、及び前記塩化カリウム乾燥機の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかに溶解させて、スラリーを形成することができる。
【0143】
その後、1回目脱水として、前記1号溶解攪拌機で溶解されたスラリーをスラリー脱水機で脱水させて、1回目スラッジケーキと1回目脱水濾液に分離することができる。
【0144】
このとき、前記1号溶解攪拌機から前記スラリー脱水機にスラリーが移送されるとき、ローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングすることができ、前記1号溶解攪拌機の上部でスラリーを移送ラインにポンピングすることができる。
【0145】
その後、前記1回目スラッジケーキを前記スラッジケーキ保管場に落下させた後、前記1回目スラッジケーキを水、酸性水溶液、前記スラッジケーキ乾燥機の凝縮水、及び前記塩化カリウム乾燥機の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかに混合させて、1回目再生スラリーを製造することができる。
【0146】
このとき、前記1回目再生スラリーを2号溶解攪拌機にローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングして移送することができる。
【0147】
その後、2回目溶解として、前記2号溶解攪拌機に移送された1回目再生スラリーを水、酸性水溶液、前記塩化カリウム沈殿槽の沈殿槽上澄液、及び前記塩化カリウム乾燥機の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかに溶解させて、スラリーを製造することができる。
【0148】
その後、2回目脱水として、前記2号溶解攪拌機で溶解されたスラリーをスラリー脱水機で脱水させて、2回目スラッジケーキと2回目脱水濾液に分離することができる。
【0149】
その後、前記2回目スラッジケーキを前記スラッジケーキ保管場に落下させた後、前記2回目スラッジケーキを水、酸性水溶液、前記スラッジケーキ乾燥機の凝縮水、及び前記塩化カリウム乾燥機の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかに混合させて、2回目再生スラリーを製造することができる。
【0150】
このとき、前記2回目再生スラリーを3号溶解攪拌機にローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングして移送することができる。
【0151】
その後、3回目溶解として、前記3号溶解攪拌機に移送された2回目再生スラリーを水、酸性水溶液、前記塩化カリウム沈殿槽の沈殿槽上澄液、及び前記塩化カリウム乾燥機の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかに溶解させて、スラリーを製造することができる。
【0152】
その後、3回目脱水として、前記3号溶解攪拌機で溶解されたスラリーをスラリー脱水機で脱水させて、3回目スラッジケーキと3回目脱水濾液に分離することができる。
【0153】
その後、前記3回目スラッジケーキを前記スラッジケーキ保管場に落下させた後、焼成炉原料用スラッジを製造することができる。
【0154】
そして、前記3回目スラッジケーキをスラッジケーキ乾燥機に移送させて、セメント原料として用いられる、塩素濃度の低下したセメント補助材用乾燥スラッジを製造することができる。
【0155】
このとき、前記1回目脱水濾液、前記2回目脱水濾液、及び前記3回目脱水濾液を塩化カリウム沈殿槽に移送して、塩化カリウムを析出、沈降させ、塩化カリウムを回収することができる。
【0156】
また、前記1回目脱水濾液、前記2回目脱水濾液、及び前記3回目脱水濾液を塩化カリウム乾燥機に移送して、塩化カリウムを乾燥させ、塩化カリウムを回収することができる。
【0157】
そして、前記塩化カリウム沈殿槽で沈殿した沈降物は、塩化カリウム乾燥機に移送して乾燥させ、塩化カリウムを回収することができる。
【0158】
このとき、移送ラインは、ほとんど塞がず、廃水は、ほとんど発生しない。
【0159】
そして、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムは、
溶解又は脱水工程を1回以上の部分繰り返し工程及び連続循環工程で行うとき、
繰り返される溶解又は脱水工程回数が多くなるほど、溶解時間は、短くなり得る。
【0160】
また、前記塩化カリウム沈殿槽160は、底及び側面に熱線又はスチームラインの常時又は随時発熱装置を備えることができる。
【0161】
そして、前記塩化カリウム沈殿槽160には凝集剤を投入することができ、
前記凝集剤は、無機電解質として消石灰(水酸化カルシウム)、明礬、塩化アルミニウム、酸化鉄(III)、及び硫酸鉄(II)のうちから選択された少なくともいずれか、又は
有機高分子化合物として澱粉類又はポリアクリルアマイド、その誘導体を含むことができる。
【0162】
また、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムは、
前記塩化カリウム沈殿槽160における塩化カリウム結晶の析出時間を短縮するために、
前記塩化カリウム沈殿槽160に移送された脱水濾液における塩化カリウム結晶の析出と沈降が行われつつ、沈殿槽上澄液が発生する時点で、ローラ真空型自吸式のホースポンプ又は水中ポンプを用いて、前記塩化カリウム沈殿槽160の沈殿槽上澄液をポンピングして移送し、前記溶解攪拌機120の溶解用混合水として用いることができる。
【0163】
ここで、塩素バイパスダストの水又は酸性水溶液での溶解→水又は水溶液とスラッジの分離、脱水の繰り返し過程において、スラリー脱水機で発生する脱水濾液の後続移送ラインは、脱水回数を問わず、塩化カリウム沈殿槽と塩化カリウム乾燥機の2つのラインから構成されており、個別又は同時に移送できるように構成することができる。
【0164】
また、塩素バイパスダストの水又は酸性水溶液での溶解→水又は水溶液とスラッジの分離、脱水の繰り返し過程において、スラリー脱水機で発生する脱水濾液は、塩化カリウム沈殿槽に移送することができる。これは、塩化カリウム乾燥機の運営工程を最小化するか、乾燥効率の向上による経済性極大化を達するためである。
【0165】
そして、塩化カリウム沈殿槽は、水分蒸発を容易にするために、底及び側面に熱線、スチームラインなどの常時又は随時発熱装置を備えることができる。これは、発熱装置を稼動するか否かによって、脱水濾液の水分蒸発による塩化カリウムの過飽和度にかかる時間の変化に応じて、塩化カリウムの結晶析出時間を調節するためである。
【0166】
また、塩化カリウム結晶析出時間をさらに短縮するために、前記塩化カリウム沈殿槽に移送された脱水濾液に前記凝集剤を投入して、量を調節することができる。これは、液体中の結晶析出した塩化カリウム粒子の沈降速度を速くして、沈降を促進させるためである。
【0167】
そして、塩化カリウム結晶析出時間をさらに短縮するために、塩化カリウム沈殿槽に移送された脱水濾液における塩化カリウム結晶の析出と沈降が行われつつ、沈殿槽上澄液が発生する時点で、ローラ真空型自吸式のホースポンプを用いて、上澄液をポンピングして移送し除去するか、溶解攪拌機に移送して溶解用混合水として用いることができる。
【0168】
ここで、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムは、
廃水の発生を根本的に無くすために、
前記スラッジケーキ乾燥機150の凝縮水又は前記塩化カリウム乾燥機170の凝縮水を移送して、前記溶解攪拌機120の溶解用混合水及びスラッジケーキ保管場140のスラッジケーキの再生スラリー製造用混合水として用いることができる。
【0169】
そして、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムは、
水又は水溶液とスラッジの分離、脱水の繰り返し過程において、スラリー脱水機で発生するスラッジケーキは、スラリー脱水機の側面下部の地下保管場に移送された後、スラッジケーキ乾燥機に移送されて、水分含量を5%以下に減少させることによって、高付加価値のセメント補助材用乾燥スラッジに製造することができる。
【0170】
ここで、水又は水溶液とスラッジの分離、脱水の繰り返し過程において、スラリー脱水機で発生するスラッジケーキは、スラリー脱水機の側面下部の地下保管場に移送された後、後続移送ラインは、スラッジケーキ乾燥機と製品スラッジ保管場の2つのラインから構成されており、個別又は同時に移送できるように構成することができる。
【0171】
[セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法]
本発明は、セメント工程の副産物である塩素バイパスダストのリサイクル時、配管内スケールを防止し、溶解又は脱水工程は、1回以上の部分繰り返し工程及び連続循環工程で行われる、セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法を提供する。
【0172】
本発明は、セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法であって、
セメント塩素バイパスダストは、1個以上の溶解攪拌機120に投入され、前記セメント塩素バイパスダストが水、酸性水溶液、及び塩化カリウム沈殿槽160の沈殿槽上澄液のうちから選択された少なくともいずれかに溶解されて、スラリーを形成するステップ(S110);
前記溶解攪拌機120で溶解されたスラリーは、スラリー脱水機130に移送されて、スラッジケーキと脱水濾液に分離されるステップ(S120);及び
前記脱水濾液は、1個以上の前記塩化カリウム沈殿槽160に移送され、塩化カリウム結晶の析出と沈降によって塩化カリウムを回収するステップ(S130);を含み、
前記溶解攪拌機120から前記スラリー脱水機130にスラリーが移送されるとき、ローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングされるものを含み、
前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法は、前記ローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングされることによって、配管内スケールを防止し、溶解又は脱水工程は、1回以上の部分繰り返し工程又は連続循環工程で行うことができる。
【0173】
本発明は、セメント工程の副産物である塩素バイパスダストのリサイクル時、配管内スケールを防止し、溶解又は脱水工程は、1回以上の部分繰り返し工程又は連続循環工程で行われる、セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法を提供するため、工程安定性が著しくて、経済的である。
【0174】
また、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法は、
前記スラリー脱水機130で分離された脱水濾液は、1個以上の塩化カリウム乾燥機170に移送されて乾燥し、塩化カリウムを回収するステップ(S140);又は
前記塩化カリウム沈殿槽160で沈殿した沈殿槽沈降物は、1個以上の塩化カリウム乾燥機170に移送されて乾燥し、塩化カリウムを回収するステップ(S150);をさらに含むことができる。
【0175】
そして、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法は、
前記スラッジケーキは、スラッジケーキ保管場140に移送されて、焼成炉原料用スラッジに製造されるステップ(S160);又は
前記スラッジケーキは、スラッジケーキ乾燥機150に移送されて、セメント補助材用乾燥スラッジに製造されるステップ(S170);をさらに含むことができる。
【0176】
また、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法は、
前記塩化カリウム沈殿槽160の沈殿槽上澄液又は塩化カリウム乾燥機170の乾燥機凝縮水を、水又は酸性水溶液と共に前記溶解攪拌機120に投入するステップ(S180);又は
前記塩化カリウム乾燥機170の乾燥機凝縮水又はスラッジケーキ乾燥機150の乾燥機凝縮水は、スラッジケーキ保管場140に投入され、前記スラッジケーキ保管場140のスラッジケーキに水、酸性水溶液、前記スラッジケーキ乾燥機150の凝縮水、及び前記塩化カリウム乾燥機170の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかが投入されて、再生スラリーが製造された後、前記再生スラリーは、前記溶解攪拌機120に移送されるステップ(S190);をさらに含むことができる。
【0177】
図2は、本発明の一実施例によるセメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法の工程流れ図である。
【0178】
図2を参照すると、セメント塩素バイパスダスは、1個以上が溶解攪拌機120に投入され、前記セメント塩素バイパスダストが水、酸性水溶液、塩化カリウム沈殿槽160の沈殿槽上澄液、及び塩化カリウム乾燥機170の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかに溶解されて、スラリーを形成する(S110)。
【0179】
その後、前記溶解攪拌機120で溶解されたスラリーは、スラリー脱水機130で脱水して、スラッジケーキと脱水濾液に分離される(S120)。
【0180】
その後、前記脱水濾液は、1個以上の前記塩化カリウム沈殿槽160に移送されて、塩化カリウム結晶の析出と沈降によって塩化カリウムを回収する(S130)。
【0181】
または、前記脱水濾液は、1個以上の前記塩化カリウム乾燥機170に移送されて乾燥し、塩化カリウムが回収される(S140)。
【0182】
または、前記塩化カリウム沈殿槽160で沈殿した沈降物は、1個以上の塩化カリウム乾燥機170に移送されて乾燥し、塩化カリウムが回収される(S150)。
【0183】
また、前記スラッジケーキは、スラッジケーキ保管場140に移送されて、焼成炉原料用スラッジに製造される(S160)。
【0184】
その後、前記スラッジケーキは、スラッジケーキ乾燥機150に移送されて、セメント原料として用いられる、塩素濃度の低下したセメント補助材用乾燥スラッジに製造される(S170)。
【0185】
そして、前記塩化カリウム沈殿槽160の沈殿槽上澄液又は前記塩化カリウム乾燥機170の乾燥機凝縮水を、水又は酸性水溶液と共に前記溶解攪拌機120に投入する(S180)。
【0186】
最後に、前記塩化カリウム乾燥機170の乾燥機凝縮水又は前記スラッジケーキ乾燥機150の乾燥機凝縮水は、前記スラッジケーキ保管場140に投入され、前記スラッジケーキ保管場140のスラッジケーキに水、酸性水溶液、前記スラッジケーキ乾燥機150の凝縮水、及び前記塩化カリウム乾燥機170の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかが投入されて、再生スラリーが製造された後、前記再生スラリーは、前記溶解攪拌機120に移送される(S190)。
【0187】
ここで、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法は、配管内スケールを防止し、溶解又は脱水工程は、1回以上の部分繰り返し工程及び連続循環工程で行うことができる。
【0188】
ここで、前記1回以上の部分繰り返し工程は、1回~6回であってもよい。
【0189】
このとき、前記部分繰り返し工程の繰り返し回数が増加するほど、前記セメント塩素バイパスダストのリサイクル効率は、増加し得る。
【0190】
そして、前記連続循環工程は、溶解、脱水又は乾燥工程が1回以上、複数回連続的に循環する工程であってもよい。
【0191】
このとき、前記溶解攪拌機120から前記スラリー脱水機130にスラリーが移送されるとき、ローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングすることができ、前記溶解攪拌機120の上部でスラリーをポンピングすることができる。
【0192】
また、前記塩素バイパスダスト内には、多量のアルカリと塩素のみならず、カルシウム(Ca)と硫酸(SO 2-)イオンが相当量含まれており、水又は酸性水溶液との接触後、コンベヤベルトの移送又は配管ポンプの圧送時、塩化カリウム(KCl)のみならず、炭酸カルシウム(CaCO)と石膏(CaSO)を生成させて、ベルトコンベアや配管にスケールが必然的に生成し得る。
【0193】
ここで、前記ローラ真空型自吸式のホースポンプは、膨張及び収縮する高圧真空チューブと、正方向及び逆方向に移送可能な状態の圧縮ローとによって、スラリー及び再生スラリーは、吸入口と吐出口を介して吐出し得る。
【0194】
よって、前記ローラ真空型自吸式のホースポンプは、ベルトコンベアや配管に形成されたスケールによって発生する移送過程の固形物の部分積載又は詰まり現象を根本的に遮断するため、部分又は全体工程の繰り返し及び全体工程の一定時間以上の連続稼動を可能にすることができる。
【0195】
また、前記スラッジケーキ乾燥機150は、垂直円筒型連続式乾燥機を含むことができる。
【0196】
前記スラッジケーキ乾燥用の垂直円筒型連続式乾燥機は、垂直円筒の全体面が乾燥断面であり、前記垂直円筒型連続式乾燥機内に投入されたスラッジケーキは、遠心力によって、垂直円筒型連続式乾燥機の全体面に薄膜形態に付着するとともに乾燥し、これによって、スラッジは、薄膜形態に乾燥し得る。
【0197】
ここで、前記スラッジケーキ乾燥用の垂直円筒型連続式乾燥機は、熱効率が既存のロータリードライヤやスプレードライヤに比べて約1倍以上に優れ、蒸発する蒸気は、凝縮して凝縮水の形状に全量回収し、凝縮水は、追って混合水として用いられるため、廃水の発生がなく、工程運営の経済性が非常に向上する。
【0198】
また、前記塩化カリウム乾燥機170は、垂直円筒型連続式乾燥機を含むことができる。
【0199】
前記塩化カリウム乾燥用の垂直円筒型連続式乾燥機は、垂直円筒の全体面が乾燥断面であり、前記垂直円筒型連続式乾燥機内に投入されたスラッジケーキは、遠心力によって、垂直円筒型連続式乾燥機の全体面に薄膜形態に付着するとともに乾燥し、これによって、スラッジは、薄膜形態に乾燥し得る。
【0200】
ここで、 前記塩化カリウム乾燥用の垂直円筒型連続式乾燥機は、熱効率が既存のロータリードライヤやスプレードライヤに比べて約1倍以上に優れ、蒸発する蒸気は、凝縮して凝縮水の形状に全量回収し、凝縮水は、追って混合水として用いられるため、廃水の発生がなく、工程運営の経済性が非常に向上する。
【0201】
そして、前記1個以上の溶解攪拌機120は、前記溶解攪拌機120の上端部が地面と水平になるように地下化し、
前記1個以上の溶解攪拌機120の上部でスラリーがポンピングされ、
前記1個以上の溶解攪拌機120に塩化カリウム乾燥機170の乾燥機凝縮水がさらに投入され、前記セメント塩素バイパスダストは、前記塩化カリウム乾燥機170の乾燥機凝縮水に溶解し得る。
【0202】
また、前記溶解攪拌機120から前記スラリー脱水機130にスラリーが移送されるとき、前記ローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングすることができ、前記溶解攪拌機120の上部でスラリーを移送ラインにポンピングすることができる。
【0203】
そして、前記スラッジケーキ保管場140は、
前記スラリー脱水機130の側面下部に地下化して、脱水したスラッジケーキは、脱水機の側面下部の保管場に落下、保管又は移送することができる。
【0204】
また、前記スラッジケーキ保管場140は、
前記スラッジケーキ保管場140に水、酸性水溶液、前記スラッジケーキ乾燥機150の凝縮水、及び前記塩化カリウム乾燥機170の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかが投入されるように構成して、
スラッジケーキに水、酸性水溶液、前記スラッジケーキ乾燥機150の凝縮水、及び前記塩化カリウム乾燥機170の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかが混合されて、スラリーを作り、前記溶解攪拌機120に前記ローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングして移送することができる。
【0205】
ここで、塩素バイパスダストの水又は酸性水溶液での溶解のため、溶解攪拌機は、上端部が地面と水平になるように、地下化して構成することができる。これは、スラリー脱水機で発生するスラッジケーキ保管場は、スラリー脱水機の側面下部で地下化して構成されており、その後、スラッジケーキが水又は酸性水溶液との混合によってスラッジケーキスラリー化して、次回の溶解攪拌機に移送時、スラッジケーキ保管場の下部と溶解攪拌機の上端部との高低差を最小化して、移送容易性及び稼動率向上を増大させるためである。
【0206】
そして、塩素バイパスダストの水又は酸性水溶液での溶解のため、溶解攪拌機で攪拌された後、スラリーを移送するときの移送ラインは、溶解攪拌機の上部でスラリーをポンピングすることによって構成することができる。これは、スラリーを下部でポンピングする場合、攪拌機の下部のスラリー濃度が高くて、良く発生する配管詰まり現象を除去するためである。
【0207】
そして、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法は、
1回目溶解として、1号溶解攪拌機120において、前記セメント塩素バイパスダストが水、酸性水溶液、前記塩化カリウム沈殿槽160の沈殿槽上澄液、及び前記塩化カリウム乾燥機170の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかに溶解されて、スラリーが製造される工程;
1回目脱水として、前記スラリーは、前記スラリー脱水機130によって脱水して、1回目スラッジケーキが製造された後、前記1回目スラッジケーキは、前記スラッジケーキ保管場に落下した後、前記1回目スラッジケーキが水、酸性水溶液、前記スラッジケーキ乾燥機150の凝縮水、及び前記塩化カリウム乾燥機170の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかに混合されて、1回目再生スラリーが製造される工程;
前記1回目再生スラリーを2号溶解攪拌機120にローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングして移送する工程;
2回目溶解として、前記2号溶解攪拌機120に移送された1回目再生スラリーが水、酸性水溶液、前記塩化カリウム沈殿槽160の沈殿槽上澄液、及び前記塩化カリウム乾燥機170の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかに溶解されて、スラリーが製造される工程;及び
2回目脱水として、前記スラリーは、前記スラリー脱水機130によって脱水して、2回目スラッジケーキが製造された後、前記2回目スラッジケーキは、前記スラッジケーキ保管場140に落下した後、前記2回目スラッジケーキが水、酸性水溶液、前記スラッジケーキ乾燥機150の凝縮水、及び前記塩化カリウム乾燥機170の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかに混合されて、2回目再生スラリーが製造される工程を含み、
前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムの配管内スケールを防止し、溶解又は脱水工程を1回以上の部分繰り返し工程及び連続循環工程で行うことができる。
【0208】
ここで、前記1回以上の連続循環工程又は部分繰り返し工程は、1回~6回であってもよい。
【0209】
このとき、前記連続循環工程又は部分繰り返し工程の繰り返し回数が増加するほど、前記セメント塩素バイパスダストのリサイクル効率は、増加し得る。
【0210】
また、溶解-脱水-乾燥の1回工程は、セメント塩素バイパスダストを溶解攪拌機に投入し、前記セメント塩素バイパスダストを水、酸性水溶液、塩化カリウム沈殿槽の沈殿槽上澄液、及び塩化カリウム乾燥機の乾燥機凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかに溶解させて、スラリーを形成することができる。
【0211】
その後、前記溶解攪拌機で溶解されたスラリーをスラリー脱水機で脱水させて、スラッジケーキと脱水濾液に分離することができる。
【0212】
このとき、前記溶解攪拌機から前記スラリー脱水機にスラリーが移送されるとき、ローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングすることができ、前記溶解攪拌機の上部でスラリーを移送ラインにポンピングすることができる。
【0213】
その後、前記スラッジケーキをスラッジケーキ保管場に移送させて、焼成炉原料用スラッジを製造することができる。
【0214】
そして、前記スラッジケーキをスラッジケーキ乾燥機に移送させて、セメント原料として用いられる、塩素濃度の低下したセメント補助材用乾燥スラッジを製造することができる。
【0215】
その後、前記脱水濾液を塩化カリウム沈殿槽に移送して、塩化カリウムを析出、沈降させ、塩化カリウムを回収することができる。
【0216】
また、前記脱水濾液を塩化カリウム乾燥機に移送して、塩化カリウムを乾燥させ、塩化カリウムを回収することができる。
【0217】
そして、前記塩化カリウム沈殿槽で沈殿した沈降物を塩化カリウム乾燥機に移送して乾燥させ、塩化カリウムを回収することができる。
【0218】
このとき、移送ラインは、ほとんど塞がず、廃水は、ほとんど発生しない。
【0219】
そして、溶解-脱水の2回部分繰り返し工程は、
1回目溶解として、セメント塩素バイパスダストを1号溶解攪拌機に投入し、前記セメント塩素バイパスダストを水、酸性水溶液、塩化カリウム沈殿槽の沈殿槽上澄液、及び塩化カリウム乾燥機の乾燥機凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかに溶解させて、スラリーを形成することができる。
【0220】
その後、1回目脱水として、前記1号溶解攪拌機で溶解されたスラリーをスラリー脱水機で脱水させて、1回目スラッジケーキと1回目脱水濾液に分離することができる。
【0221】
このとき、前記1号溶解攪拌機から前記スラリー脱水機にスラリーが移送されるとき、ローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングすることができ、前記1号溶解攪拌機の上部でスラリーを移送ラインにポンピングすることができる。
【0222】
その後、前記1回目スラッジケーキを前記スラッジケーキ保管場に落下させた後、前記1回目スラッジケーキを水、酸性水溶液、前記スラッジケーキ乾燥機の凝縮水、及び前記塩化カリウム乾燥機の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかに混合させて、1回目再生スラリーを製造することができる。
【0223】
このとき、前記1回目再生スラリーを2号溶解攪拌機にローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングして移送することができる。
【0224】
その後、2回目溶解として、前記2号溶解攪拌機に移送された1回目再生スラリーを水、酸性水溶液、前記塩化カリウム沈殿槽の沈殿槽上澄液、及び前記塩化カリウム乾燥機の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかに溶解させて、スラリーを製造することができる。
【0225】
その後、2回目脱水として、前記2号溶解攪拌機で溶解されたスラリーをスラリー脱水機で脱水させて、2回目スラッジケーキと2回目脱水濾液に分離することができる。
【0226】
その後、前記2回目スラッジケーキを前記スラッジケーキ保管場に落下させた後、焼成炉原料用スラッジを製造することができる。
【0227】
そして、前記2回目スラッジケーキをスラッジケーキ乾燥機に移送させて、セメント原料として用いられる、塩素濃度の低下したセメント補助材用乾燥スラッジを製造することができる。
【0228】
このとき、前記1回目脱水濾液及び前記2回目脱水濾液を塩化カリウム沈殿槽に移送して、塩化カリウムを析出、沈降させ、塩化カリウムを回収することができる。
【0229】
また、前記1回目脱水濾液及び前記2回目脱水濾液を塩化カリウム乾燥機に移送して、塩化カリウムを乾燥させ、塩化カリウムを回収することができる。
【0230】
そして、前記塩化カリウム沈殿槽で沈殿した沈降物を塩化カリウム乾燥機に移送して乾燥させ、塩化カリウムを回収することができる。
【0231】
このとき、移送ラインは、ほとんど塞がず、廃水は、ほとんど発生しない。
【0232】
また、溶解-脱水の3回部分繰り返し工程は、
1回目溶解として、セメント塩素バイパスダストを1号溶解攪拌機に投入し、前記セメント塩素バイパスダストを水、酸性水溶液、前記塩化カリウム沈殿槽の沈殿槽上澄液、及び前記塩化カリウム乾燥機の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかに溶解させて、スラリーを形成することができる。
【0233】
その後、1回目脱水として、前記1号溶解攪拌機で溶解されたスラリーをスラリー脱水機で脱水させて、1回目スラッジケーキと1回目脱水濾液に分離することができる。
【0234】
このとき、前記1号溶解攪拌機から前記スラリー脱水機にスラリーが移送されるとき、ローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングすることができ、前記1号溶解攪拌機の上部でスラリーを移送ラインにポンピングすることができる。
【0235】
その後、前記1回目スラッジケーキを前記スラッジケーキ保管場に落下させた後、前記1回目スラッジケーキを水、酸性水溶液、前記スラッジケーキ乾燥機の凝縮水、及び前記塩化カリウム乾燥機の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかに混合させて、1回目再生スラリーを製造することができる。
【0236】
このとき、前記1回目再生スラリーを2号溶解攪拌機にローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングして移送することができる。
【0237】
その後、2回目溶解として、前記2号溶解攪拌機に移送された1回目再生スラリーを水、酸性水溶液、前記塩化カリウム沈殿槽の沈殿槽上澄液、及び前記塩化カリウム乾燥機の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかに溶解させて、スラリーを製造することができる。
【0238】
その後、2回目脱水として、前記2号溶解攪拌機で溶解されたスラリーをスラリー脱水機で脱水させて、2回目スラッジケーキと2回目脱水濾液に分離することができる。
【0239】
その後、前記2回目スラッジケーキを前記スラッジケーキ保管場に落下させた後、前記2回目スラッジケーキを水、酸性水溶液、前記スラッジケーキ乾燥機の凝縮水、及び前記塩化カリウム乾燥機の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかに混合させて、2回目再生スラリーを製造することができる。
【0240】
このとき、前記2回目再生スラリーを3号溶解攪拌機にローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングして移送することができる。
【0241】
その後、3回目溶解として、前記3号溶解攪拌機に移送された2回目再生スラリーを水、酸性水溶液、前記塩化カリウム沈殿槽の沈殿槽上澄液、及び前記塩化カリウム乾燥機の凝縮水のうちから選択された少なくともいずれかに溶解させて、スラリーを製造することができる。
【0242】
その後、3回目脱水として、前記3号溶解攪拌機で溶解されたスラリーをスラリー脱水機で脱水させて、3回目スラッジケーキと3回目脱水濾液に分離することができる。
【0243】
その後、前記3回目スラッジケーキを前記スラッジケーキ保管場に落下させた後、焼成炉原料用スラッジを製造することができる。
【0244】
そして、前記3回目スラッジケーキをスラッジケーキ乾燥機に移送させて、セメント原料として用いられる、塩素濃度の低下したセメント補助材用乾燥スラッジを製造することができる。
【0245】
このとき、前記1回目脱水濾液、前記2回目脱水濾液、及び前記3回目脱水濾液を塩化カリウム沈殿槽に移送して、塩化カリウムを析出、沈降させ、塩化カリウムを回収することができる。
【0246】
また、前記1回目脱水濾液、前記2回目脱水濾液、及び前記3回目脱水濾液を塩化カリウム乾燥機に移送して、塩化カリウムを乾燥させ、塩化カリウムを回収することができる。
【0247】
そして、前記塩化カリウム沈殿槽で沈殿した沈降物は、塩化カリウム乾燥機に移送して乾燥させ、塩化カリウムを回収することができる。
【0248】
このとき、移送ラインは、ほとんど塞がず、廃水は、ほとんど発生しない。
【0249】
そして、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法は、
溶解又は脱水工程を1回以上の部分繰り返し工程及び連続循環工程で行うとき、
繰り返される溶解又は脱水工程回数が多くなるほど、溶解時間は、短くなり得る。
【0250】
また、前記塩化カリウム沈殿槽160は、底及び側面に熱線又はスチームラインの常時又は随時発熱装置を備えることができる。
【0251】
そして、前記塩化カリウム沈殿槽160には凝集剤を投入することができ、
前記凝集剤は、無機電解質として消石灰(水酸化カルシウム)、明礬、塩化アルミニウム、酸化鉄(III)、及び硫酸鉄(II)のうちから選択された少なくともいずれか、又は
有機高分子化合物として澱粉類又はポリアクリルアマイドと、その誘導体を含むことができる。
【0252】
また、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法は、
前記塩化カリウム沈殿槽160における塩化カリウム結晶の析出時間を短縮するために、
前記塩化カリウム沈殿槽160に移送された脱水濾液における塩化カリウム結晶の析出と沈降が行われつつ、沈殿槽上澄液が発生する時点で、ローラ真空型自吸式のホースポンプ又は水中ポンプを用いて、前記塩化カリウム沈殿槽160の沈殿槽上澄液をポンピングして移送し、前記溶解攪拌機120の溶解用混合水として用いることができる。
【0253】
ここで、塩素バイパスダストの水又は酸性水溶液での溶解→水又は水溶液とスラッジの分離、脱水の繰り返し過程において、スラリー脱水機で発生する脱水濾液の後続移送ラインは、脱水回数を問わず、塩化カリウム沈殿槽と塩化カリウム乾燥機の2つのラインから構成されており、個別又は同時に移送できるように構成することができる。
【0254】
また、塩素バイパスダストの水又は酸性水溶液での溶解→水又は水溶液とスラッジの分離、脱水の繰り返し過程において、スラリー脱水機で発生する脱水濾液を塩化カリウム沈殿槽に移送することができる。これは、塩化カリウム乾燥機の運営工程を最小化するか、乾燥効率の向上による経済性極大化を達するためである。
【0255】
そして、塩化カリウム沈殿槽は、水分蒸発を容易にするために、底及び側面に熱線、スチームラインなどの常時又は随時発熱装置を備えることができる。これは、発熱装置が稼動するか否かによって、脱水濾液の水分蒸発による塩化カリウムの過飽和度にかかる時間の変化に応じて、塩化カリウムの結晶析出時間を調節するためである。
【0256】
また、塩化カリウム結晶析出時間をさらに短縮するために、前記塩化カリウム沈殿槽に移送された脱水濾液に前記凝集剤を投入して、量を調節することができる。これは、液体中の結晶析出した塩化カリウム粒子の沈降速度を速くして、沈降を促進させるためである。
【0257】
そして、塩化カリウム結晶析出時間をさらに短縮するため、塩化カリウム沈殿槽に移送された脱水濾液における塩化カリウム結晶の析出と沈降が行われつつ、沈殿槽上澄液が発生する時点で、ローラ真空型自吸式のホースポンプを用いて上澄液をポンピングして移送し除去するか、溶解攪拌機に移送して、溶解用混合水として用いることができる。
【0258】
そして、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法は、
廃水の発生を根本的に無くすために、
前記スラッジケーキ乾燥機150の凝縮水又は前記塩化カリウム乾燥機170の凝縮水を移送して、前記溶解攪拌機120の溶解用混合水及びスラッジケーキ保管場140のスラッジケーキの再生スラリー製造用混合水として用いることができる。
【0259】
また、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法は、
水又は水溶液とスラッジの分離、脱水の繰り返し過程において、スラリー脱水機で発生するスラッジケーキは、スラリー脱水機の側面下部の地下保管場に移送された後、スラッジケーキ乾燥機に移送されて、水分含量を5%以下に減少させることによって、高付加価値のセメント補助材用乾燥スラッジに製造することができる。
【0260】
ここで、水又は水溶液とスラッジの分離、脱水の繰り返し過程において、スラリー脱水機で発生するスラッジケーキは、スラリー脱水機の側面下部の地下保管場に移送された後、後続移送ラインは、スラッジケーキ乾燥機と製品スラッジ保管場の2つのラインから構成されており、個別又は同時に移送できるように構成することができる。
【0261】
[セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムで回収された、塩化カリウム]
本発明は、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムで回収された、塩化カリウムを提供する。
【0262】
本発明は、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムで回収された、塩化カリウムを提供するため、経済的である。
【0263】
[セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムで製造された、塩素濃度の低下したスラッジ]
本発明は、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムで製造された、塩素濃度の低下したスラッジを提供する。
【0264】
本発明は、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムで製造された、塩素濃度の低下したスラッジを提供するため、経済的である。
【0265】
[セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法で回収された、塩化カリウム]
本発明は、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法で回収された、塩化カリウムを提供する。
【0266】
本発明は、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法で回収された、塩化カリウムを提供するため、経済的である。
【0267】
[セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法で製造された、塩素濃度の低下したスラッジ]
本発明は、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法で製造された、塩素濃度の低下したスラッジを提供する。
【0268】
本発明は、前記セメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクル方法で製造された、塩素濃度の低下したスラッジを提供するため、経済的である。
【0269】
以下では、本発明を実施例によってより詳説する。しかし、下記の実施例は、本発明をさらに具体的に説明するためのものであり、本発明の範囲は、下記の実施例によって限定されるものではない。下記の実施例は、本発明の範囲内で当業者にとって適宜修正、変更することができる。
【0270】
<実施例>
<実施例1>塩素含量が189,000ppmであるセメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムを用いた、2時間の溶解-脱水-沈殿の1回工程の環境に優しいリサイクル方法
塩素含量が189,000ppmであるセメント塩素バイパスダストを溶解攪拌機に投入し、前記セメント塩素バイパスダストを水、酸性水溶液、及び塩化カリウム沈殿槽の沈殿槽上澄液に2時間溶解させて、スラリーを形成した。
【0271】
その後、前記溶解攪拌機で溶解されたスラリーをスラリー脱水機で脱水させて、スラッジケーキと脱水濾液に分離した。
【0272】
このとき、前記溶解攪拌機から前記スラリー脱水機にスラリーが移送されるとき、ローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングしており、前記溶解攪拌機の上部でスラリーを移送ラインにポンピングした。
【0273】
その後、前記脱水濾液を凝集剤として消石灰(水酸化カルシウム)が入っている塩化カリウム沈殿槽に移送して、塩化カリウム結晶の析出と沈降によって塩化カリウムを回収した。
【0274】
ここで、前記2時間の溶解-脱水-沈殿の1回工程の環境に優しいリサイクル方法で回収した、塩化カリウムの回収率は75.5%であった。
【0275】
また、移送ラインは、ほとんど塞がず、廃水は、ほとんど発生していない。
【0276】
<実施例2>塩素含量が189,000ppmであるセメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムを用いた、2時間の溶解-脱水-沈殿-乾燥の1回工程の環境に優しいリサイクル方法
塩素含量が189,000ppmであるセメント塩素バイパスダストを溶解攪拌機に投入し、前記セメント塩素バイパスダストを水、酸性水溶液、塩化カリウム沈殿槽の沈殿槽上澄液、及び塩化カリウム乾燥機の凝縮水に2時間溶解させて、スラリーを形成した。
【0277】
その後、前記溶解攪拌機で溶解されたスラリーをスラリー脱水機で脱水させて、スラッジケーキと脱水濾液に分離した。
【0278】
このとき、前記溶解攪拌機から前記スラリー脱水機にスラリーが移送されるとき、ローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングしており、前記溶解攪拌機の上部でスラリーを移送ラインにポンピングした。
【0279】
その後、前記スラッジケーキをスラッジケーキ保管場に移送させて、焼成炉原料用スラッジを製造した。
【0280】
その後、前記スラッジケーキをスラッジケーキ乾燥機に移送させて、セメント原料として用いられる、塩素濃度の低下したセメント補助材用乾燥スラッジを製造した。
【0281】
その後、前記脱水濾液を凝集剤として消石灰(水酸化カルシウム)が入っている塩化カリウム沈殿槽に移送して、塩化カリウム結晶の析出と沈降によって塩化カリウムを回収した。
【0282】
その後、前記塩化カリウム沈殿槽で沈殿した沈降物を垂直円筒型連続式乾燥機である塩化カリウム乾燥機に移送して乾燥させ、塩化カリウムを回収した。
【0283】
ここで、前記2時間の溶解-脱水-沈殿-乾燥の1回工程の環境に優しいリサイクル方法で回収した、塩化カリウムの回収率は77.5%であった。
【0284】
また、移送ラインは、ほとんど塞がず、廃水は、ほとんど発生していない。
【0285】
<実施例3>塩素含量が189,000ppmであるセメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムを用いた、3時間の溶解-脱水-沈殿-乾燥の1回工程の環境に優しいリサイクル方法
塩素含量が189,000ppmであるセメント塩素バイパスダストを溶解攪拌機に投入し、前記セメント塩素バイパスダストを水、酸性水溶液、塩化カリウム沈殿槽の沈殿槽上澄液、及び塩化カリウム乾燥機の凝縮水に3時間溶解させて、スラリーを形成することを除いては、上記実施例2と同じ方法で行った。
【0286】
ここで、前記3時間の溶解-脱水-沈殿-乾燥の1回工程の環境に優しいリサイクル方法で回収した、塩化カリウムの回収率は81.5%であった。
【0287】
また、移送ラインは、ほとんど塞がず、廃水は、ほとんど発生していない。
【0288】
<実施例4>塩素含量が189,000ppmであるセメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムを用いた、2時間の溶解-脱水-乾燥の1回工程の環境に優しいリサイクル方法
塩素含量が189,000ppmであるセメント塩素バイパスダストを溶解攪拌機に投入し、前記セメント塩素バイパスダストを水、酸性水溶液、塩化カリウム沈殿槽の沈殿槽上澄液、及び塩化カリウム乾燥機の凝縮水に2時間溶解させて、スラリーを形成した。
【0289】
その後、前記溶解攪拌機で溶解されたスラリーをスラリー脱水機で脱水させて、スラッジケーキと脱水濾液に分離した。
【0290】
このとき、前記溶解攪拌機から前記スラリー脱水機にスラリーが移送されるとき、ローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングしており、前記溶解攪拌機の上部でスラリーを移送ラインにポンピングした。
【0291】
その後、前記スラッジケーキをスラッジケーキ保管場に移送させて、焼成炉原料用スラッジを製造した。
【0292】
その後、前記スラッジケーキをスラッジケーキ乾燥機に移送させて、セメント原料として用いられる、塩素濃度の低下したセメント補助材用乾燥スラッジを製造した。
【0293】
その後、前記脱水濾液を垂直円筒型連続式乾燥機である塩化カリウム乾燥機に移送して、塩化カリウムを乾燥させ、塩化カリウムを回収した。
【0294】
ここで、前記2時間の溶解-脱水-乾燥の1回工程の環境に優しいリサイクル方法で回収した、塩化カリウムの回収率は75.5%であった。
【0295】
また、移送ラインは、ほとんど塞がず、廃水は、ほとんど発生していない。
【0296】
<実施例5>塩素含量が189,000ppmであるセメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムを用いた、2時間の溶解-脱水-沈殿-乾燥の2回の溶解-脱水の部分繰り返し工程の環境に優しいリサイクル方法
1回目溶解として、塩素含量が189,000ppmであるセメント塩素バイパスダストを1号溶解攪拌機に投入し、前記セメント塩素バイパスダストを水、酸性水溶液、及び塩化カリウム乾燥機の凝縮水に2時間溶解させて、スラリーを形成した。
【0297】
その後、1回目脱水として、前記1号溶解攪拌機で溶解されたスラリーをスラリー脱水機で脱水させて、1回目スラッジケーキと1回目脱水濾液に分離した。
【0298】
このとき、前記1号溶解攪拌機から前記スラリー脱水機にスラリーが移送されるとき、ローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングしており、前記1号溶解攪拌機の上部でスラリーを移送ラインにポンピングした。
【0299】
その後、前記1回目スラッジケーキを前記スラッジケーキ保管場に落下させた後、前記1回目スラッジケーキを水、酸性水溶液、前記スラッジケーキ乾燥機の凝縮水、及び前記塩化カリウム乾燥機の凝縮水に混合させて、1回目再生スラリーを製造した。
【0300】
このとき、前記1回目再生スラリーを2号溶解攪拌機にローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングして移送させた。
【0301】
その後、2回目溶解として、前記2号溶解攪拌機に移送された1回目再生スラリーを水、酸性水溶液、前記塩化カリウム沈殿槽の沈殿槽上澄液、及び前記塩化カリウム乾燥機の凝縮水に溶解させて、スラリーを製造した。
【0302】
その後、2回目脱水として、前記2号溶解攪拌機で溶解されたスラリーをスラリー脱水機で脱水させて、2回目スラッジケーキと2回目脱水濾液に分離した。
【0303】
その後、前記2回目スラッジケーキを前記スラッジケーキ保管場に落下させた後、焼成炉原料用スラッジを製造した。
【0304】
そして、前記2回目スラッジケーキをスラッジケーキ乾燥機に移送させて、セメント原料として用いられる、塩素濃度の低下したセメント補助材用乾燥スラッジを製造した。
【0305】
このとき、前記1回目脱水濾液及び前記2回目脱水濾液は、凝集剤としてポリアクリルアマイドが入っている塩化カリウム沈殿槽に移送して、塩化カリウム結晶の析出と沈降によって塩化カリウムを回収した。
【0306】
そして、前記塩化カリウム沈殿槽で沈殿した沈降物は、垂直円筒型連続式乾燥機である塩化カリウム乾燥機に移送して乾燥させ、塩化カリウムを回収した。
【0307】
ここで、前記2時間の溶解-脱水-沈殿-乾燥の2回の溶解-脱水の部分繰り返し工程の環境に優しいリサイクル方法で回収した、塩化カリウムの回収率は88.6%であった。
【0308】
また、移送ラインは、ほとんど塞がず、廃水は、ほとんど発生していない。
【0309】
<実施例6>塩素含量が189,000ppmであるセメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムを用いた、3時間の溶解-脱水-沈殿-乾燥の2回の溶解-脱水の部分繰り返し工程の環境に優しいリサイクル方法
塩素含量が189,000ppmであるセメント塩素バイパスダストを溶解攪拌機に投入し、前記セメント塩素バイパスダストを水、酸性水溶液、塩化カリウム沈殿槽の沈殿槽上澄液、及び塩化カリウム乾燥機の凝縮水に3時間溶解させて、スラリーを形成することを除いては、上記実施例5と同じ方法で行った。
【0310】
ここで、前記3時間の溶解-脱水-沈殿-乾燥の2回の溶解-脱水の部分繰り返し工程の環境に優しいリサイクル方法で回収した、塩化カリウムの回収率は96.5%であった。
【0311】
また、移送ラインは、ほとんど塞がず、廃水は、ほとんど発生していない。
【0312】
<実施例7>塩素含量が189,000ppmであるセメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムを用いた、2時間の溶解-脱水-乾燥の2回の溶解-脱水の部分繰り返し工程の環境に優しいリサイクル方法
1回目溶解として、塩素含量が189,000ppmであるセメント塩素バイパスダストを1号溶解攪拌機に投入し、前記セメント塩素バイパスダストを水、酸性水溶液、及び塩化カリウム乾燥機の凝縮水に2時間溶解させて、スラリーを形成した。
【0313】
その後、1回目脱水として、前記1号溶解攪拌機で溶解されたスラリーをスラリー脱水機で脱水させて、1回目スラッジケーキと1回目脱水濾液に分離した。
【0314】
このとき、前記1号溶解攪拌機から前記スラリー脱水機にスラリーが移送されるとき、ローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングしており、前記1号溶解攪拌機の上部でスラリーを移送ラインにポンピングした。
【0315】
その後、前記1回目スラッジケーキを前記スラッジケーキ保管場に落下させた後、前記1回目スラッジケーキを水、酸性水溶液、前記スラッジケーキ乾燥機の凝縮水、及び前記塩化カリウム乾燥機の凝縮水に混合させて、1回目再生スラリーを製造した。
【0316】
このとき、前記1回目再生スラリーを2号溶解攪拌機にローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングして移送させた。
【0317】
その後、2回目溶解として、前記2号溶解攪拌機に移送された1回目再生スラリーを水、酸性水溶液、前記塩化カリウム沈殿槽の沈殿槽上澄液、及び前記塩化カリウム乾燥機の凝縮水に溶解させて、スラリーを製造した。
【0318】
その後、2回目脱水として、前記2号溶解攪拌機で溶解されたスラリーをスラリー脱水機で脱水させ、2回目スラッジケーキと2回目脱水濾液に分離した。
【0319】
その後、前記2回目スラッジケーキを前記スラッジケーキ保管場に落下させた後、焼成炉原料用スラッジを製造した。
【0320】
そして、前記2回目スラッジケーキをスラッジケーキ乾燥機に移送させて、セメント原料として用いられる、塩素濃度の低下したセメント補助材用乾燥スラッジを製造した。
【0321】
このとき、前記1回目脱水濾液及び前記2回目脱水濾液を垂直円筒型連続式乾燥機である塩化カリウム乾燥機に移送して、塩化カリウムを乾燥させ、塩化カリウムを回収した。
【0322】
ここで、前記2時間の溶解-脱水-乾燥の2回の溶解-脱水の部分繰り返し工程の環境に優しいリサイクル方法で回収した、塩化カリウムの回収率は85.6%であった。
【0323】
また、移送ラインは、ほとんど塞がず、廃水は、ほとんど発生していない。
【0324】
<実施例8>塩素含量が189,000ppmであるセメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムを用いた、2時間の溶解-脱水-沈殿-乾燥の3回の溶解-脱水の部分繰り返し工程の環境に優しいリサイクル方法
1回目溶解として、塩素含量が189,000ppmであるセメント塩素バイパスダストを1号溶解攪拌機に投入し、前記セメント塩素バイパスダストを水、酸性水溶液、塩化カリウム沈殿槽の沈殿槽上澄液、及び塩化カリウム乾燥機の凝縮水に2時間溶解させて、スラリーを形成した。
【0325】
その後、1回目脱水として、前記1号溶解攪拌機で溶解されたスラリーをスラリー脱水機で脱水させて、1回目スラッジケーキと1回目脱水濾液に分離した。
【0326】
このとき、前記1号溶解攪拌機から前記スラリー脱水機にスラリーが移送されるとき、ローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングしており、前記1号溶解攪拌機の上部でスラリーを移送ラインにポンピングした。
【0327】
その後、前記1回目スラッジケーキを前記スラッジケーキ保管場に落下させた後、前記1回目スラッジケーキを水、酸性水溶液、前記スラッジケーキ乾燥機の凝縮水、及び前記塩化カリウム乾燥機の凝縮水に混合させて、1回目再生スラリーを製造した。
【0328】
このとき、前記1回目再生スラリーを2号溶解攪拌機にローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングして移送させた。
【0329】
その後、2回目溶解として、前記2号溶解攪拌機に移送された1回目再生スラリーを水、酸性水溶液、前記塩化カリウム沈殿槽の沈殿槽上澄液、及び前記塩化カリウム乾燥機の凝縮水に溶解させて、スラリーを製造した。
【0330】
その後、2回目脱水として、前記2号溶解攪拌機で溶解されたスラリーをスラリー脱水機で脱水させて、2回目スラッジケーキと2回目脱水濾液に分離した。
【0331】
その後、前記2回目スラッジケーキを前記スラッジケーキ保管場に落下させた後、前記2回目スラッジケーキを水、酸性水溶液、前記スラッジケーキ乾燥機の凝縮水、及び前記塩化カリウム乾燥機の凝縮水に混合させて、2回目再生スラリーを製造した。
【0332】
このとき、前記2回目再生スラリーを3号溶解攪拌機にローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングして移送させた。
【0333】
その後、3回目溶解として、前記3号溶解攪拌機に移送された2回目再生スラリーを水、酸性水溶液、前記塩化カリウム沈殿槽の沈殿槽上澄液、及び前記塩化カリウム乾燥機の凝縮水に溶解させて、スラリーを製造した。
【0334】
その後、3回目脱水として、前記3号溶解攪拌機で溶解されたスラリーをスラリー脱水機で脱水させて、3回目スラッジケーキと3回目脱水濾液に分離した。
【0335】
その後、前記3回目スラッジケーキを前記スラッジケーキ保管場に落下させた後、焼成炉原料用スラッジを製造した。
【0336】
そして、前記3回目スラッジケーキをスラッジケーキ乾燥機に移送させて、セメント原料として用いられる、塩素濃度の低下したセメント補助材用乾燥スラッジを製造した。
【0337】
このとき、前記1回目脱水濾液、前記2回目脱水濾液、及び前記3回目脱水濾液は、凝集剤として塩化アルミニウムが入っている塩化カリウム沈殿槽に移送して、塩化カリウム結晶の析出と沈降によって塩化カリウムを回収した。
【0338】
そして、前記塩化カリウム沈殿槽で沈殿した沈降物は、垂直円筒型連続式乾燥機である塩化カリウム乾燥機に移送して乾燥させ、塩化カリウムを回収した。
【0339】
ここで、前記2時間の溶解-脱水-沈殿-乾燥の3回の溶解-脱水の部分繰り返し工程の環境に優しいリサイクル方法で回収した、塩化カリウムの回収率は97.6%であった。
【0340】
また、移送ラインは、ほとんど塞がず、廃水は、ほとんど発生していない。
【0341】
<実施例9>塩素含量が189,000ppmであるセメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムを用いた、3時間の溶解-脱水-沈殿-乾燥の3回の溶解-脱水の部分繰り返し工程の環境に優しいリサイクル方法
塩素含量が189,000ppmであるセメント塩素バイパスダストを溶解攪拌機に投入し、前記セメント塩素バイパスダストを水、酸性水溶液、及び塩化カリウム沈殿槽の沈殿槽上澄液に3時間溶解させて、スラリーを形成することを除いては、上記実施例8と同じ方法で行った。
【0342】
ここで、前記3時間の溶解-脱水の3回の溶解-脱水の部分繰り返し工程の環境に優しいリサイクル方法で回収した、塩化カリウムの回収率は98.3%であった。
【0343】
また、移送ラインは、ほとんど塞がず、廃水は、ほとんど発生していない。
【0344】
<実施例10>塩素含量が189,000ppmであるセメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムを用いた、2時間の溶解-脱水-乾燥の3回の溶解-脱水の部分繰り返し工程の環境に優しいリサイクル方法
1回目溶解として、塩素含量が189,000ppmであるセメント塩素バイパスダストを1号溶解攪拌機に投入し、前記セメント塩素バイパスダストを水、酸性水溶液、塩化カリウム沈殿槽の沈殿槽上澄液、及び塩化カリウム乾燥機の凝縮水に2時間溶解させて、スラリーを形成した。
【0345】
その後、1回目脱水として、前記1号溶解攪拌機で溶解されたスラリーをスラリー脱水機で脱水させて、1回目スラッジケーキと1回目脱水濾液に分離した。
【0346】
このとき、前記1号溶解攪拌機から前記スラリー脱水機にスラリーが移送されるとき、ローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングしており、前記1号溶解攪拌機の上部でスラリーを移送ラインにポンピングした。
【0347】
その後、前記1回目スラッジケーキを前記スラッジケーキ保管場に落下させた後、前記1回目スラッジケーキを水、酸性水溶液、前記スラッジケーキ乾燥機の凝縮水、及び前記塩化カリウム乾燥機の凝縮水に混合させて、1回目再生スラリーを製造した。
【0348】
このとき、前記1回目再生スラリーを2号溶解攪拌機にローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングして移送させた。
【0349】
その後、2回目溶解として、前記2号溶解攪拌機に移送された1回目再生スラリーを水、酸性水溶液、前記塩化カリウム沈殿槽の沈殿槽上澄液、及び前記塩化カリウム乾燥機の凝縮水に溶解させて、スラリーを製造した。
【0350】
その後、2回目脱水として、前記2号溶解攪拌機で溶解されたスラリーをスラリー脱水機で脱水させて、2回目スラッジケーキと2回目脱水濾液に分離した。
【0351】
その後、前記2回目スラッジケーキを前記スラッジケーキ保管場に落下させた後、前記2回目スラッジケーキを水、酸性水溶液、前記スラッジケーキ乾燥機の凝縮水、及び前記塩化カリウム乾燥機の凝縮水に混合させて、2回目再生スラリーを製造した。
【0352】
このとき、前記2回目再生スラリーを3号溶解攪拌機にローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングして移送させた。
【0353】
その後、3回目溶解として、前記3号溶解攪拌機に移送された2回目再生スラリーを水、酸性水溶液、前記塩化カリウム沈殿槽の沈殿槽上澄液、及び前記塩化カリウム乾燥機の凝縮水に溶解させて、スラリーを製造した。
【0354】
その後、3回目脱水として、前記3号溶解攪拌機で溶解されたスラリーをスラリー脱水機で脱水させて、3回目スラッジケーキと3回目脱水濾液に分離した。
【0355】
その後、前記3回目スラッジケーキを前記スラッジケーキ保管場に落下させた後、焼成炉原料用スラッジを製造した。
【0356】
そして、前記3回目スラッジケーキをスラッジケーキ乾燥機に移送させて、セメント原料として用いられる、塩素濃度の低下したセメント補助材用乾燥スラッジを製造した。
【0357】
このとき、前記1回目脱水濾液、前記2回目脱水濾液、及び前記3回目脱水濾液を垂直円筒型連続式乾燥機である塩化カリウム乾燥機に移送して、塩化カリウムを乾燥させ、塩化カリウムを回収した。
【0358】
ここで、前記3時の溶解-脱水-乾燥の3回の溶解-脱水の部分繰り返し工程の環境に優しいリサイクル方法で回収した、塩化カリウムの回収率は95.6%であった。
【0359】
また、移送ラインは、ほとんど塞がず、廃水は、ほとんど発生していない。
【0360】
<実施例11>塩素含量が220,000ppmであるセメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムを用いた、2時間の溶解-脱水-沈殿の1回工程の環境に優しいリサイクル方法
塩素含量が220,000ppmであるセメント塩素バイパスダストを溶解攪拌機に投入し、前記セメント塩素バイパスダストを水、酸性水溶液、及び塩化カリウム沈殿槽160の沈殿槽上澄液に2時間溶解させて、スラリーを形成した。
【0361】
その後、前記溶解攪拌機で溶解されたスラリーをスラリー脱水機で脱水させて、スラッジケーキと脱水濾液に分離した。
【0362】
このとき、前記溶解攪拌機から前記スラリー脱水機にスラリーが移送されるとき、ローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングしており、前記溶解攪拌機の上部でスラリーを移送ラインにポンピングした。
【0363】
その後、前記脱水濾液を凝集剤としてポリアクリルアマイドが入っている塩化カリウム沈殿槽に移送して、塩化カリウム結晶の析出と沈降によって塩化カリウムを回収した。
【0364】
ここで、前記2時間の溶解-脱水-沈殿の1回工程の環境に優しいリサイクル方法で製造された、焼成炉原料用スラッジの塩素含量は45,000ppmであった。
【0365】
また、移送ラインは、ほとんど塞がず、廃水は、ほとんど発生していない。
【0366】
<実施例12>塩素含量が220,000ppmであるセメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムを用いた、2時間の溶解-脱水-沈殿-乾燥の1回工程の環境に優しいリサイクル方法
塩素含量が220,000ppmであるセメント塩素バイパスダストを溶解攪拌機に投入し、前記セメント塩素バイパスダストを水、酸性水溶液、及び塩化カリウム乾燥機の凝縮水に2時間溶解させて、スラリーを形成した。
【0367】
その後、前記溶解攪拌機で溶解されたスラリーをスラリー脱水機で脱水させて、スラッジケーキと脱水濾液に分離した。
【0368】
このとき、前記溶解攪拌機から前記スラリー脱水機にスラリーが移送されるとき、ローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングしており、前記溶解攪拌機の上部でスラリーを移送ラインにポンピングした。
【0369】
その後、前記スラッジケーキをスラッジケーキ保管場に移送させて、焼成炉原料用スラッジを製造した。
【0370】
その後、前記スラッジケーキをスラッジケーキ乾燥機に移送させて、セメント原料として用いられる、塩素濃度の低下したセメント補助材用乾燥スラッジを製造した。
【0371】
その後、前記脱水濾液を凝集剤としてポリアクリルアマイドが入っている塩化カリウム沈殿槽に移送して、塩化カリウム結晶の析出と沈降によって塩化カリウムを回収した。
【0372】
その後、前記塩化カリウム沈殿槽で沈殿した沈降物、垂直円筒型連続式乾燥機である塩化カリウム乾燥機に移送して乾燥させ、塩化カリウムを回収した。
【0373】
ここで、前記2時間の溶解-脱水-沈殿-乾燥の1回工程の環境に優しいリサイクル方法で製造された、焼成炉原料用スラッジの塩素含量は43,000ppmであった。
【0374】
また、移送ラインは、ほとんど塞がず、廃水は、ほとんど発生していない。
【0375】
<実施例13>塩素含量が220,000ppmであるセメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムを用いた、3時間の溶解-脱水-沈殿-乾燥の1回工程の環境に優しいリサイクル方法
塩素含量が220,000ppmであるセメント塩素バイパスダストを溶解攪拌機に投入し、前記セメント塩素バイパスダストを水、酸性水溶液、塩化カリウム沈殿槽の沈殿槽上澄液、及び塩化カリウム乾燥機の凝縮水に3時間溶解させて、スラリーを形成することを除いては、上記実施例12と同じ方法で行った。
【0376】
ここで、前記3時間の溶解-脱水-沈殿-乾燥の1回工程の環境に優しいリサイクル方法で製造された、焼成炉原料用スラッジの塩素含量は26,000ppmであった。
【0377】
また、移送ラインは、ほとんど塞がず、廃水は、ほとんど発生していない。
【0378】
<実施例14>塩素含量が220,000ppmであるセメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムを用いた、2時間の溶解-脱水-沈殿-乾燥の2回の溶解-脱水の部分繰り返し工程の環境に優しいリサイクル方法
1回目溶解として、塩素含量が220,000ppmであるセメント塩素バイパスダストを1号溶解攪拌機に投入し、前記セメント塩素バイパスダストを水、酸性水溶液、塩化カリウム沈殿槽の沈殿槽上澄液、及び塩化カリウム乾燥機の凝縮水に2時間溶解させて、スラリーを形成した。
【0379】
その後、1回目脱水として、前記1号溶解攪拌機で溶解されたスラリーをスラリー脱水機で脱水させて、1回目スラッジケーキと1回目脱水濾液に分離した。
【0380】
このとき、前記1号溶解攪拌機から前記スラリー脱水機にスラリーが移送されるとき、ローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングしており、前記1号溶解攪拌機の上部でスラリーを移送ラインにポンピングした。
【0381】
その後、前記1回目スラッジケーキを前記スラッジケーキ保管場に落下させた後、前記1回目スラッジケーキを水、酸性水溶液、前記スラッジケーキ乾燥機の凝縮水、及び前記塩化カリウム乾燥機の凝縮水に混合させて、1回目再生スラリーを製造した。
【0382】
このとき、前記1回目再生スラリーを2号溶解攪拌機にローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピンして移送させた。
【0383】
その後、2回目溶解として、前記2号溶解攪拌機に移送された1回目再生スラリーを水、酸性水溶液、前記塩化カリウム沈殿槽の沈殿槽上澄液、及び前記塩化カリウム乾燥機の凝縮水に溶解させて、スラリーを製造した。
【0384】
その後、2回目脱水として、前記2号溶解攪拌機で溶解されたスラリーをスラリー脱水機で脱水させて、2回目スラッジケーキと2回目脱水濾液に分離した。
【0385】
その後、前記2回目スラッジケーキを前記スラッジケーキ保管場に落下させた後、焼成炉原料用スラッジを製造した。
【0386】
そして、前記2回目スラッジケーキをスラッジケーキ乾燥機に移送させて、セメント原料として用いられる、塩素濃度の低下したセメント補助材用乾燥スラッジを製造した。
【0387】
このとき、前記1回目脱水濾液及び前記2回目脱水濾液は、凝集剤として明礬が入っている塩化カリウム沈殿槽に移送して、塩化カリウム結晶の析出と沈降によって塩化カリウムを回収した。
【0388】
そして、前記塩化カリウム沈殿槽で沈殿した沈降物は、垂直円筒型連続式乾燥機である塩化カリウム乾燥機に移送して乾燥させ、塩化カリウムを回収した。
【0389】
ここで、前記2時間の溶解-脱水-沈殿-乾燥の2回の溶解-脱水の部分繰り返し工程の環境に優しいリサイクル方法で製造された、焼成炉原料用スラッジの塩素含量は21,000ppmであった。
【0390】
また、移送ラインは、ほとんど塞がず、廃水は、ほとんど発生していない。
【0391】
<実施例15>塩素含量が220,000ppmであるセメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムを用いた、3時間の溶解-脱水-沈殿-乾燥の2回の溶解-脱水の部分繰り返し工程の環境に優しいリサイクル方法
塩素含量が220,000ppmであるセメント塩素バイパスダストを溶解攪拌機に投入し、前記セメント塩素バイパスダストを水、酸性水溶液、及び塩化カリウム沈殿槽の沈殿槽上澄液に3時間溶解させて、スラリーを形成することを除いては、上記実施例14と同じ方法で行った。
【0392】
ここで、前記3時間の溶解-脱水-沈殿-乾燥の2回の溶解-脱水の部分繰り返し工程の環境に優しいリサイクル方法で製造された、焼成炉原料用スラッジの塩素含量は4,200ppmであった。
【0393】
また、移送ラインは、ほとんど塞がず、廃水は、ほとんど発生していない。
【0394】
<実施例16>塩素含量が220,000ppmであるセメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムを用いた、2時間の溶解-脱水-沈殿-乾燥の3回の溶解-脱水の部分繰り返し工程の環境に優しいリサイクル方法
1回目溶解として、塩素含量が220,000ppmであるセメント塩素バイパスダストを1号溶解攪拌機に投入し、前記セメント塩素バイパスダストを水、酸性水溶液、塩化カリウム沈殿槽の沈殿槽上澄液、及び塩化カリウム乾燥機の凝縮水に2時間溶解させて、スラリーを形成した。
【0395】
その後、1回目脱水として、前記1号溶解攪拌機で溶解されたスラリーをスラリー脱水機で脱水させて、1回目スラッジケーキと1回目脱水濾液に分離した。
【0396】
このとき、前記1号溶解攪拌機から前記スラリー脱水機にスラリーが移送されるとき、ローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングしており、前記1号溶解攪拌機の上部でスラリーを移送ラインにポンピングした。
【0397】
その後、前記1回目スラッジケーキを前記スラッジケーキ保管場に落下させた後、前記1回目スラッジケーキを水、酸性水溶液、前記スラッジケーキ乾燥機の凝縮水、及び前記塩化カリウム乾燥機の凝縮水に混合させて、1回目再生スラリーを製造した。
【0398】
このとき、前記1回目再生スラリーを2号溶解攪拌機にローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングして移送させた。
【0399】
その後、2回目溶解として、前記2号溶解攪拌機に移送された1回目再生スラリーを水、酸性水溶液、前記塩化カリウム沈殿槽の沈殿槽上澄液、及び前記塩化カリウム乾燥機の凝縮水に溶解させて、スラリーを製造した。
【0400】
その後、2回目脱水として、前記2号溶解攪拌機で溶解されたスラリーをスラリー脱水機で脱水させて、2回目スラッジケーキと2回目脱水濾液に分離した。
【0401】
その後、前記2回目スラッジケーキを前記スラッジケーキ保管場に落下させた後、前記2回目スラッジケーキを水、酸性水溶液、前記スラッジケーキ乾燥機の凝縮水、及び前記塩化カリウム乾燥機の凝縮水に混合させて、2回目再生スラリーを製造した。
【0402】
このとき、前記2回目再生スラリーを3号溶解攪拌機にローラ真空型自吸式のホースポンプでポンピングして移送させた。
【0403】
その後、3回目溶解として、前記3号溶解攪拌機に移送された2回目再生スラリーを水、酸性水溶液、前記塩化カリウム沈殿槽の沈殿槽上澄液、及び前記塩化カリウム乾燥機の凝縮水に溶解させて、スラリーを製造した。
【0404】
その後、3回目脱水として、前記3号溶解攪拌機で溶解されたスラリーをスラリー脱水機で脱水させて、3回目スラッジケーキと3回目脱水濾液に分離した。
【0405】
その後、前記3回目スラッジケーキを前記スラッジケーキ保管場に落下させた後、焼成炉原料用スラッジを製造した。
【0406】
そして、前記3回目スラッジケーキをスラッジケーキ乾燥機に移送させて、セメント原料として用いられる、塩素濃度の低下したセメント補助材用乾燥スラッジを製造した。
【0407】
このとき、前記1回目脱水濾液、前記2回目脱水濾液、及び前記3回目脱水濾液は、凝集剤として消石灰(水酸化カルシウム)が入っている塩化カリウム沈殿槽に移送して、塩化カリウム結晶の析出と沈降によって塩化カリウムを回収した。
【0408】
そして、前記塩化カリウム沈殿槽で沈殿した沈降物は、垂直円筒型連続式乾燥機である塩化カリウム乾燥機に移送して乾燥させ、塩化カリウムを回収した。
【0409】
ここで、前記2時間の溶解-脱水-沈殿-乾燥の3回の溶解-脱水の部分繰り返し工程の環境に優しいリサイクル方法で製造された、焼成炉原料用スラッジの塩素含量は4,400ppmであった。
【0410】
また、移送ラインは、ほとんど塞がず、廃水は、ほとんど発生していない。
【0411】
<実施例17>塩素含量が220,000ppmであるセメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステムを用いた、3時間の溶解-脱水-沈殿-乾燥の3回の溶解-脱水の部分繰り返し工程の環境に優しいリサイクル方法
塩素含量が220,000ppmであるセメント塩素バイパスダストを溶解攪拌機に投入し、前記セメント塩素バイパスダストを水、酸性水溶液、塩化カリウム沈殿槽の沈殿槽上澄液、及び塩化カリウム乾燥機の凝縮水に3時間溶解させて、スラリーを形成することを除いては、上記実施例16と同じ方法で行った。
【0412】
ここで、前記3時間の溶解-脱水-沈殿-乾燥の3回の溶解-脱水の部分繰り返し工程の環境に優しいリサイクル方法で製造された、焼成炉原料用スラッジの塩素含量は2,200ppmであった。
【0413】
また、移送ラインは、ほとんど塞がず、廃水は、ほとんど発生していない。
【0414】
<比較例1>塩素バイパスダストのリサイクル方法
塩素バイパスダストの溶解液、スラリー又は水分含量約60%程のスラッジ状態で、分離、脱水、乾燥工程のため、配管を介するポンプの圧送で移送した。そして、乾燥工程におけるロータリードライヤで乾燥させた。
【0415】
このとき、移送ラインの詰まりが非常に良く発生しており、廃水発生量も一日、数十トン単位で発生した。
【0416】
<比較例2>塩素バイパスダストのリサイクル方法
塩素バイパスダストの溶解液、スラリー又は水分含量約60%程のスラッジ状態で、分離、脱水、乾燥工程のため、配管を介するポンプの圧送で移送した。そして、乾燥工程におけるスプレードライヤで乾燥させた。
【0417】
このとき、移送ラインの積載が非常に良く発生しており、廃水発生量も一日、数十トン単位で発生した。
【0418】
今まで、本発明によるセメント塩素バイパスダストの環境に優しいリサイクルシステム及び環境に優しいリサイクル方法に関する具体的な実施例について説明したが、本発明の範囲から外れない限り内では、様々な実施の変形が可能であることは自明である。
【0419】
よって、本発明の範囲は、前述した実施例に限って定まってはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等なものによって定まるべきである。
【0420】
すなわち、前述した実施例は、すべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならず、本発明の範囲は、詳細な説明よりは、後述する特許請求の範囲によって示され、その特許請求の範囲の意味及び範囲、並びにその等価概念から想到するすべての変更又は変形した形態は、本発明の範囲に含まれるものと解釈しなければならない。
図1
図2