(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-08
(45)【発行日】2025-04-16
(54)【発明の名称】ゲーム装置、ゲーム装置の動作制御方法およびゲームプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 9/30 20060101AFI20250409BHJP
【FI】
A63F9/30 502C
(21)【出願番号】P 2023189012
(22)【出願日】2023-11-06
【審査請求日】2024-07-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511242904
【氏名又は名称】株式会社マーベラス
(74)【代理人】
【識別番号】100137095
【氏名又は名称】江部 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】土手 真悟
(72)【発明者】
【氏名】駒形 直規
【審査官】池田 剛志
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-319308(JP,A)
【文献】特開平06-319869(JP,A)
【文献】特開2010-142445(JP,A)
【文献】特開2010-279561(JP,A)
【文献】特開2002-113259(JP,A)
【文献】韓国公開実用新案第20-2015-0001545(KR,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/00- 9/20,
9/26-11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の駆動部を有する本体と、前記本体の下方に設けられた回転体とを有し、景品を把持するための把持装置であって、
前記本体は、前記回転体と接続するスリップリング部を有し、
前記回転体は、前記景品を把持するアームユニットを有し、
前記回転体は、前記第1の駆動部の駆動により、前記スリップリング部の中心軸を中心に回動するように構成されていることを特徴とする把持装置。
【請求項2】
前記回転体は、前記スリップリング部の前記中心軸を中心に360°回動するように構成されている請求項1に記載の把持装置。
【請求項3】
前記アームユニットは、複数のアームユニットを含み、
前記複数のアームユニットは、前記中心軸回りに配置されている請求項1に記載の把持装置。
【請求項4】
前記アームユニットは、前記第1の駆動部と異なる第2の駆動部を有する可動ユニットと、前記可動ユニットに接続されたアーム部とを含む請求項1に記載の把持装置。
【請求項5】
前記アーム部は、その基端から先端に沿って配置された照明装置を有する請求項4に記載の把持装置。
【請求項6】
前記アームユニットは、複数のアームユニットを含み、
前記複数のアームユニットのそれぞれの前記アーム部は、前記第2の駆動部の駆動により、その基端を中心に独立して回動するように構成されている請求項4に記載の把持装置。
【請求項7】
ゲーム空間にある景品を景品取出空間に開口を介して移行させるゲーム装置に使用される移動機構であって、
駆動部と、
前記駆動部に接続された支持部と、
前記支持部に接続され、前記駆動部の駆動により前記支持部に沿って移動可能な第1の可動部と、
前記第1の可動部に設けられ
た景品把持部と、を有し、
前記支持部は、前記開口と直交する第1の方向に沿って設けられていることを特徴とする移動機構。
【請求項8】
前記移動機構は、前記開口の近傍に設けられている請求項7に記載の移動機構。
【請求項9】
前記第1の可動部は、前記支持部から前記第1の方向と直交する第2の方向に延在する請求項7に記載の移動機構。
【請求項10】
前記第1の可動部は、前記景品把持部を受けるための受け部を有し、
前記受け部は、前記開口の直上に位置する請求項7に記載の移動機構。
【請求項11】
前記支持部に接続され、前記支持部に沿って移動可能な第2の可動部をさらに有し、
前記第2の可動部は、前記第2の方向で、前記第1の可動部とは反対の方向に延在する請求項9に記載の移動機構。
【請求項12】
前記景品把持部は、請求項1ないし6のいずれかに記載の把持装置である請求項7に記載の移動機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、景品を獲得するゲーム装置、そのゲーム装置の動作制御方法およびゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、景品を獲得するゲーム装置として、アミューズメント施設に配置されるクレーンゲーム装置が知られている(例えば、特許文献1)。このようなクレーンゲーム装置では、クレーンアームが、景品収納部に載置された景品を把持し、開口の上方までゲーム空間内を水平方向に移動する。そのため、クレーンゲーム装置は、クレーンアームが水平方向に移動する空間を必要としていた。したがって、クレーンゲーム装置は必然的に大型化し、アミューズメント施設はそれを設置するためのスペースを必要とした。
【0003】
一方、近年のゲーム装置の分野においては、限られたスペースに多くのゲーム装置を配置できるように、ゲーム装置の小型化が求められている。このような状況において、従来のクレーンゲーム装置は、小型化の要請に応えることは構造上困難であった。したがって、ゲーム装置を小型化しつつ、これまでにはない興奮感をプレイヤに与えることができるゲーム装置が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ゲーム装置を小型化し、プレイヤに興奮感を与えることができるゲーム装置に用いられる移動機構を提供することにある。また、本発明の別の目的は、そのような移動機構に用いられる景品把持装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
また、上記目的は、下記(1)~(12)の本発明により達成されることができる。
【0007】
(1)第1の駆動部を有する本体と、前記本体の下方に設けられた回転体とを有し、景品を把持するための把持装置であって、
前記本体は、前記回転体と接続するスリップリング部を有し、
前記回転体は、前記景品を把持するアームユニットを有し、
前記回転体は、前記第1の駆動部の駆動により、前記スリップリング部の中心軸を中心に回動するように構成されていることを特徴とする把持装置。
【0008】
(2)前記回転体は、前記スリップリング部の前記中心軸を中心に360°回動するように構成されている上記(1)に記載の把持装置。
【0009】
(3)前記アームユニットは、複数のアームユニットを含み、
前記複数のアームユニットは、前記中心軸回りに配置されている上記(1)に記載の把持装置。
【0010】
(4)前記アームユニットは、前記第1の駆動部と異なる第2の駆動部を有する可動ユニットと、前記可動ユニットに接続されたアーム部とを含む上記(1)に記載の把持装置。
【0011】
(5)前記アーム部は、その基端から先端に沿って配置された照明装置を有する上記(4)に記載の把持装置。
【0012】
(6)前記アームユニットは、複数のアームユニットを含み、
前記複数のアームユニットのそれぞれの前記アーム部は、前記第2の駆動部の駆動により、その基端を中心に独立して回動するように構成されている上記(4)に記載の把持装置。
【0013】
(7)ゲーム空間にある景品を景品取出空間に開口を介して移行させるゲーム装置に使用される移動機構であって、
駆動部と、
前記駆動部に接続された支持部と、
前記支持部に接続され、前記支持部に沿って移動可能な第1の可動部と、
前記第1の可動部に設けられる景品把持部と、を有し、
前記支持部は、前記開口と直交する第1の方向に沿って設けられることを特徴とする移動機構。
【0014】
(8)前記移動機構は、前記開口の近傍に設けられている上記(7)に記載の移動機構。
【0015】
(9)前記第1の可動部は、前記支持部から前記第1の方向と直交する第2の方向に延在する上記(7)に記載の移動機構。
【0016】
(10)前記第1の可動部は、前記景品把持部を受けるための受け部を有し、
前記受け部は、前記開口の直上に位置する上記(7)に記載の移動機構。
【0017】
(11)前記支持部に接続され、前記支持部に沿って移動可能な第2の可動部をさらに有し、
前記第2の可動部は、前記第2の方向で、前記第1の可動部とは反対の方向に延在する上記(9)に記載の移動機構。
【0018】
(12)前記景品把持部は、上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の把持装置である請求項7に記載の移動機構。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、装置を小型化し、プレイヤに興奮感を与えることができるゲーム装置に用いられる移動機構を提供することができる。また、本発明によれば、そのような移動機構に用いられる景品把持装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態のゲーム装置を模式的に示す斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1実施形態のゲーム装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1実施形態のゲーム装置の移動機構を模式的に示す拡大斜視図である。
【
図4】
図4は、本発明の第1実施形態のゲーム装置の移動機構を模式的に示す側面図である。
【
図5】
図5は、本発明の第1実施形態のゲーム装置の景品把持部を模式的に示す斜視図である。
【
図6】
図6は、本発明の第1実施形態のゲーム装置の景品把持部を模式的に示す分解斜視図である。
【
図7】
図7は、本発明の第1実施形態のゲーム装置の景品把持部の内部構成を模式的に示す正面図である。
【
図8】
図8は、本発明の第1実施形態のゲーム装置の景品把持部の接続状態を模式的に示す斜視図である。
【
図9】
図9は、本発明の第1実施形態のゲーム装置の景品把持部の内部構成を模式的に示す斜視図である。
【
図10】
図10は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置のゲームフィールドを模式的に示す斜視図である。
【
図11】
図11は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置のゲームフィールドを模式的に示す拡大斜視図である。
【
図12】
図12は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置のゲームフィールドを模式的に示す拡大斜視図である。
【
図13】
図13は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の補助フィールドを模式的に示す拡大斜視図である。
【
図14】
図14は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の入力部を模式的に示す斜視図である。
【
図15】
図15は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の景品補充装置を模式的に示す拡大斜視図である。
【
図16】
図16は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の景品補充ユニットを模式的に示す拡大斜視図である。
【
図17】
図17は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の景品補充ユニットの内部構成を模式的に示す拡大斜視図である。
【
図18】
図18は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の景品補充ユニットの内部構成を模式的に示す拡大斜視図である。
【
図19】
図19は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の景品補充ユニットの内部構成を模式的に示す拡大斜視図である。
【
図20】
図20は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の景品補充ユニットの内部構成を模式的に示す拡大斜視図である。
【
図21】
図21は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図22】
図22は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の景品補充装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図23】
図23は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の動作を説明するための図である。
【
図24】
図24は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の景品補充装置の動作を説明するための図である。
【
図25】
図25は、本発明の第3実施形態にかかるゲーム装置のゲームフィールドを模式的に示す斜視図である。
【
図26】
図26は、本発明の第4実施形態にかかるゲーム装置の移動機構を模式的に示す斜視図である。
【
図27】
図27は、本発明の第5実施形態にかかるゲーム装置の移動機構を模式的に示す斜視図である。
【
図28】
図28は、本発明の第6実施形態にかかるゲーム装置のゲームフィールドを模式的に示す斜視図である。
【
図29】
図29は、本発明の第7実施形態にかかるゲーム装置のゲームフィールドを模式的に示す斜視図である。
【
図30】
図30は、本発明の第8実施形態にかかるゲーム装置を模式的に示す斜視図である。
【
図31】
図31は、本発明の第9実施形態にかかるゲーム装置の移動機構を模式的に示す斜視図である。
【
図32】
図32は、本発明の第10実施形態にかかるゲーム装置のゲームフィールドを模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明のゲーム装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。説明の都合上、図中の上側を「上」、下側を「下」、左側を「左」、右側を「右」、紙面手前側を「前」、紙面奥側を「後」として説明する。
【0022】
<<第1実施形態>>
1.ゲーム装置
図1は、本発明の第1実施形態のゲーム装置を模式的に示す斜視図、
図2は、本発明の第1実施形態のゲーム装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本発明のゲーム装置1は、2人のプレイヤが同時プレイを実行できる2プレイタイプのゲーム装置である。しかし、ゲーム装置1は、1人のプレイヤがプレイする1プレイタイプのゲーム装置であってもよい。
【0023】
本発明のゲーム装置1は、互いに隣接して設けられた、景品獲得ゲーム装置1Aと、景品獲得ゲーム装置1Bとを有する。景品獲得ゲーム装置1A、1Bの数は特に限定されず、3つ以上の複数であってもよい。このような景品獲得ゲーム装置1A、1Bは、ゲーム空間215から景品取出空間223に景品を移行させるゲーム装置である。以下、景品獲得ゲーム装置1A、1Bの各部の構成を説明するが、景品獲得ゲーム装置1A、1Bは、互いに同じ構成であるから、景品獲得ゲーム装置1Aの各部を代表して説明する。
【0024】
景品獲得ゲーム装置1A(以下、単に「ゲーム装置1」ともいう)は、筺体2と、操作部3と、移動機構4と、ゲームフィールド5と、景品補充装置6と、入力部7と、記憶部8と、制御部9とを有する。以下、各部の構成を説明する。
【0025】
<筐体>
筺体2は、箱状に形成され、ゲーム装置1の各部材を設置または収納する機能を有する。筐体2の形状は、特に限定されず、三角柱状、楕円柱状、円柱状などに変更できる。筐体2は、筐体上部21と、筐体下部22とで構成されている。
【0026】
(筐体上部)
筐体上部21は、ほぼ角柱状に形成されている。筐体上部21の前面および側面は、適宜透明部材で構成されているので、ゲーム装置1の内部を外から視認することができる。そして、筐体上部21で画成された空間が、ゲーム空間215となっている。
【0027】
(筐体下部)
筐体下部22は、その上部で筐体上部21と接続されている。筐体下部22は、記憶部8や制御部9を収納するために用いられる。また、筐体下部22は、景品取出口221と、景品取出板222と、景品取出空間223とを有する。そして、筐体下部22で画成された空間が、景品取出空間223となっている。
【0028】
景品取出口221は、筐体下部22の前面に設けられている。景品取出口221は、景品取出空間223から景品を取り出す機能を有し、矩形の形状に形成されている。景品取出板222は、景品取出口221を塞ぐように、景品取出口221の上部に設けられている。景品取出板222は、景品取出口221に対応して矩形状に形成されている。景品取出空間223は、落下した景品を保持する機能を有し、ゲームフィールド5を介してゲーム空間215と連通する。
【0029】
<操作部>
操作部3は、プレイヤからの入力情報を受ける機能を有する。操作部3は、
図1に示すように、円柱状の押ボタンと、ジョイスティックとを含む。これらは、筐体下部22の前面上部に設けられている。押ボタンが押圧されると、移動機構4が駆動し、景品把持部46が鉛直下方に移動する。ジョイスティックが操作されると、景品把持部46が鉛直軸(Z軸)を中心に回転する。
【0030】
押ボタンの数は特に限定されず、2以上の複数であってもよい。ジョイスティックは、存在しなくてもよい。この場合、ゲーム開始前の待機状態で、景品把持部46は常に回転している。そして、押ボタンが押圧されると、景品把持部46の回転が止まるように構成されている。また、操作部3は、ゲーム装置1の構成に応じて、回転ボタンやダイヤル、タッチパネルで構成された表示画面でも良い。
【0031】
<移動機構>
図3は、本発明の第1実施形態のゲーム装置の移動機構を模式的に示す拡大斜視図、
図4は、本発明の第1実施形態のゲーム装置の移動機構を模式的に示す側面図である。
【0032】
移動機構4は、従来のクレーンゲーム装置と異なり、景品把持部46の側部で連結し、景品把持部46を鉛直方向(Z軸方向)に移動させる機能を有する。そのため、移動機構4は、筐体下部22の上部から立設して、長尺状に形成されている。移動機構4が設置される位置は特に限定されず、筐体上部21の背面側や側面側に設けられてもよい。ゲームの進行を妨害しないという観点から、移動機構4は、ゲームフィールド5の外側に設けられることが好ましい。本実施形態では、移動機構4は、ゲーム装置1の中央付近、具体的には、景品獲得ゲーム装置1Aと景品獲得ゲーム装置1Bとの間で、ゲームフィールド5と隣接して設けられる。
【0033】
ゲーム装置1は2つの景品獲得ゲーム装置1A、1Bを有するため、移動機構4は、景品獲得ゲーム装置1A用の第1のセットと、景品獲得ゲーム装置1B用の第2のセットとを有する。これにより、1つの移動機構4で2つの景品獲得ゲーム装置1A、1Bを実行できるので、ゲーム装置1の全体の大きさをコンパクトにすることができる。移動機構4の第1のセットおよび第2のセットは同じ構成であるので、以下、景品獲得ゲーム装置1A用の第1のセットを説明する。第1のセットは、駆動部41と、軸42と、停止機構43と、ガイドレール44と、可動部45と、景品把持部46と、検知装置47と、配線48とを有する。なお、軸42単体、または軸42およびガイドレール44を併せて支持部ともいう。
【0034】
(駆動部)
駆動部41は、可動部45を移動させるための動力源として機能する。駆動部41は、景品獲得ゲーム装置1Aと景品獲得ゲーム装置1Bとの間の筐体下部22の上部に設けられている。駆動部41は、軸42を回転または可動部45を移動させることができる限り、特に限定されない。本実施形態では、駆動部41は、モーター411と、モーター411を収容する本体412とを含んで構成されている。
【0035】
(軸)
軸42は、駆動部41に接続されている。軸42は、モーター411の回転軸から立設し、鉛直上方に延びている。軸42の形状は、特に限定されず、棒状、角柱状、長尺状、プレート状などであってもよい。また、軸42は、その表面上にネジ様の溝または螺旋状の凸条を有する。これらは、Z軸に対して所定の角度に角度付けされている。そのため、軸42の回転により、可動部45をZ軸方向に昇降させることができる。したがって、軸42は、可動部45を移動させる機能を有する。
【0036】
(停止機構)
停止機構43は、可動部45の移動を停止させるための制動装置として機能する。停止機構43は、軸42の先端に設けられる。したがって、停止機構43は、景品獲得ゲーム装置1Aと景品獲得ゲーム装置1Bとの間で、筐体2の上方に設けられている。停止機構43の構成は、軸42の回転または可動部45の移動を停止させることができる限り、特に限定されない。本実施形態では、停止機構43は、制動装置431と、制動装置431を取り付けるプレート432とを含んで構成されている。停止機構43のプレート432は、駆動部41の本体412と対向している。
【0037】
(ガイドレール)
ガイドレール44は、可動部45の移動をガイドする機能を有する。ガイドレール44は、駆動部41の本体412から立設し、Z軸方向に沿って停止機構43のプレート432まで延びている。ガイドレール44は、軸42と平行に、軸42よりもゲーム空間215の奥側に(Y軸方向に離間して)設けられている。ガイドレール44の形状は、特に限定されず、角柱状、棒状、長尺状、円柱状であってもよい。本実施形態では、ガイドレール44は、角柱状に形成されている。これにより、可動部45と確実に嵌合するため、可動部45を鉛直方向に確実にガイドすることができる。
【0038】
(可動部)
可動部45は、景品把持部46を移動させる機能を有する。可動部45は、軸42からゲーム装置1の水平(X軸)方向に突出するように、軸42に設けられている。そして、可動部45は、ゲームフィールド5の直上までX軸方向に延在する。このような可動部45は、基部451と、受け部452と、基部451と受け部452とを接続する接続部453とを有する。
【0039】
基部451は、軸42と接続している。基部451は、軸42に嵌合する貫通孔と、ガイドレール44に嵌合する切り欠きと、を有する。貫通孔および切り欠きは、水平(Y軸)方向に沿って隣接して設けられている。これにより、基部451が軸42およびガイドレール44と確実に嵌合し、可動部45を安定して移動させることができる。
【0040】
受け部452は、景品把持部46を受ける機能を有する。受け部452の形状は、特に限定されず、箱状、プレート状、縦断面で略U字状であってもよい。本実施形態では、受け部452は、底面のない箱状に形成されている。そして、受け部452は、その上面に景品把持部46の所定の部材を配置している。受け部452は、接続部453の先端に設けられ、ゲームフィールド5と対向している。これにより、景品把持部46をゲームフィールド5と対向させることができるので、景品把持部46がゲームフィールド5上の景品を確実に把持することができる。なお、受け部452は、景品把持部46と接続される。
【0041】
接続部453は、基部451と、受け部452とを接続する機能を有する。接続部453の形状は、景品把持部46の重量に耐えることできる限り、特に限定されない。接続部453は、棒状、箱状、方形状などに形成されてもよい。接続部453の長さは、特に限定されないが、受け部452がゲームフィールド5と直面するような長さであることが好ましい。換言すると、接続部453の長さは、景品把持部46の中心付近と、ゲームフィールド5の中心付近と結ぶ仮想線がZ軸と平行となるように、設定されることが好ましい。これにより、景品把持部46がゲームフィールド5上の景品を確実に把持することができる。
【0042】
(景品把持部)
景品把持部46は、景品を把持する機能を有する。景品把持部46は、受け部452と接続され、可動部45の先端に設けられている。景品把持部46の形状は、球状、角柱状、俵状など特に限定されない。景品把持部46の詳細は、後述する。
【0043】
(検知装置)
検知装置47は、景品把持部46の移動範囲を規定する機能を有する。検知装置47は、Z軸方向に互いに離間した第1の検知装置群471と、第2の検知装置群472とを有する。第1の検知装置群471は、移動機構4の下方に位置する。第2の検知装置群472は、移動機構4の上方に位置する。
【0044】
第1の検知装置群471は、小アーム用の下限センサー471aと、大アーム用の下限センサー471bと、それらを設置する第1の設置部471cとを有する。第1の設置部471cは、第1のセットの軸42と第2のセットの軸42との間で、駆動部41の本体412から鉛直上方に立設する。2つの下限センサー471a、471bは、Z軸に沿って、所定の距離離間して第1の設置部471cに設けられる。そして、2つの下限センサー471a、471bは、第1の設置部471cからX軸方向に突出するように設けられ、各軸42と対向している。これにより、軸42に接続された可動部45を検出することができるので、景品把持部46のアーム部405がゲームフィールド5に衝突することを防止することができる。
【0045】
小アーム用の下限センサー471aは、小型のアームを有する景品把持部46が移動できる下限を検知する。大アーム用の下限センサー471bは、大型のアームを有する景品把持部46が移動できる下限を検知する。小アーム用の下限センサー471aは、アーム部が小さいため、大アーム用の下限センサー471bよりも下方に設けられている。所定の間隔は、景品把持部46の大きさによって異なるが、5~10cm程度が好ましい。
【0046】
一方、第2の検知装置群472は、ホームポジション用のセンサー472aと、上限センサー472bと、それらを設置する第2の設置部472cとを有する。第2の設置部472cは、第1のセットの軸42と第2のセットの軸42との間で、停止機構43のプレート432から鉛直下方に立設する。ホームポジション用センサー472aと、上限センサー472bとは、Z軸方向に沿って、所定の距離離間して第2の設置部472cに設けられる。そして、ホームポジション用センサー472aと、上限センサー472bとは、第2の設置部472cからX軸方向に突出するように設けられ、各軸42と対向している。これにより、軸42に接続された可動部45を検出することができるので、景品把持部46のアーム部405が筐体上部21の天井や入力部7に衝突することを防止することができる。また、景品把持部46を確実にホームポジションに配置することができる。
【0047】
ホームポジション用センサー472aは、ゲームを開始するときに景品把持部46がいるべき位置(ホームポジション)を検知する。上限センサー472bは、景品把持部46が移動できる上限を検知する。ホームポジション用センサー472aは、上限センサー472bよりも下方に設けられている。所定の間隔は、景品把持部46の大きさによって異なるが、5~10cm程度が好ましい。
【0048】
なお、検知装置47は、上述した4つのセンサーを有するが、これに限定されない。下限センサー471a、bの数は1つであってもよく、下限センサー471a、bおよび上限センサー472bの数は3つ以上であってもよい。また、検知装置47は、存在しなくてもよい。また、検知装置群の数は、限定されず、1つだけであってもよい。この場合、長尺状のセンサーが、軸42にわたって配置されてもよい。これにより、可動部45の動きを常に把握できるため、景品把持部46の動きをリアルタイムで検出することができる。
【0049】
上述したように、移動機構4は、景品獲得ゲーム装置1Aと景品獲得ゲーム装置1Bとの間に設けられている。そして、移動機構4の第1のセットと、第2のセットとは、ゲーム装置1のX軸方向に沿って、互いに隣接して配置されている。そのため、第1のセットの可動部45は、景品獲得ゲーム装置1Aに向けてX軸方向に延在する。一方、第2のセットの可動部45は、景品獲得ゲーム装置1Bに向けてX軸方向に延在する。すなわち、第1のセットの可動部45および第2のセットの可動部45は、互いに反対方向に突出する。これにより、1つの移動機構4で、景品獲得ゲーム装置1Aと景品獲得ゲーム装置1Bの2つのゲーム装置1に利用される景品把持部46を昇降させることができる。
【0050】
(配線)
配線48は、景品把持部46を回転させる動力を伝達する機能、景品把持部46のアーム部405を開閉させる動力を伝達する機能する。配線48の基端は、図示しない動力源に接続される。一方、配線48の先端は、可動部45の接続部453に接続される。そして、可動部45内を経由して、景品把持部46の機構に電力が供給される。そのため、景品把持部46は、後述するように、電気的に回転、駆動、照光することができる。なお、配線48の位置は、景品把持部46に電力を供給できる限り、特に限定されない。配線48は、筐体下部22に収納されていてもよい。
【0051】
以上のように、本発明のゲーム装置1は、従来のクレーンゲーム装置と異なり、ゲーム空間215の上部に構造物がないため、景品把持部46を筐体2の天井付近まで昇降させることができる。そのため、プレイヤの視線を上から下に幅広く移すことができ、プレイ意欲を高めることができる。また、移動機構4がX軸およびY軸方向に景品把持部46を移動させないので、ゲーム装置1を小型化することができる。
【0052】
<景品把持部>
次に、景品把持部46を詳細に説明する。
図5は、本発明の第1実施形態のゲーム装置の景品把持部を模式的に示す斜視図、
図6は、本発明の第1実施形態のゲーム装置の景品把持部を模式的に示す分解斜視図、
図7は、本発明の第1実施形態のゲーム装置の景品把持部の内部構成を模式的に示す正面図、
図8は、本発明の第1実施形態のゲーム装置の景品把持部の接続状態を模式的に示す斜視図、
図9は、本発明の第1実施形態のゲーム装置の景品把持部の内部構成を模式的に示す斜視図である。なお、
図5は、アーム部が開いた状態(開状態)を示し、
図7は、一方のアーム部が閉じた状態(閉状態)を示している。
【0053】
景品把持部46は、
図5に示すように、本体49と、本体49の下端に取り付けられた回転体40とを有する。また、景品把持部46は、
図5に示されていないが、後述するようなセンサー装置を有する。以下、各部を詳細に説明する。
【0054】
[本体]
本体49は、移動機構4の可動部45と側部で接続されている。すなわち、可動部45の受け部452が、本体49側部から挿入され、本体49と接続している。したがって、可動部45がZ軸方向に移動することにより、景品把持部46もZ軸方向に移動する。本体49は、従来のクレーンゲーム装置と異なり、その上部に構造物を有さない。そのため、外観上、景品把持部46が強調され、プレイヤに視覚的効果を与えることができる。また、ゲーム空間215の上側を有効活用することができる。このような本体49は、スリップリング部491と、モーター492と、それらを覆うカバー部材493とを有する。
【0055】
(スリップリング部)
スリップリング部491は、プーリー4911と、スリップリング4912と、シャフト4913とを有する。スリップリング4912は、シャフト4913に固定された図示しない内筒部と、可動部45の受け部452に固定された図示しない外筒部とを有する。そして、プーリー4911が回転することで、シャフト4913とスリップリング4912の内筒部も回転する。回転しているスリップリング4912の内筒部は外筒部上をすべる。これにより、回転体40に対して電力と電気信号を伝達することができる。なお、シャフト4913は、
図7に示すように、回転体40の回転軸Rとなっている。
【0056】
シャフト4913が回転体40の回転軸Rとなっているため、スリップリング4912は、本体49内の中心に配置されている。そして、スリップリング4912は、受け部452の上面上で、先端側に設けられている。スリップリング4912を用いているため、配線などが絡むことなく、スムーズに回転体40を回転させることができる。なお、スリップリング4912は、特に限定されず、市販のものを用いることができる。
【0057】
(モーター)
モーター(駆動部)492は、回転体40を回転させる機能を有する。具体的に、モーター492は、その先端のプーリーと、プーリー4911とを接続する図示しないベルトによって、回転体40を回転させる。モーター492の構成は特に限定されないが、本実施形態では回転モーターで構成されている。モーター492は、受け部452の上面上で、基端側に設けられている。すなわち、モーター492およびスリップリング部491は、受け部452の基端から先端に向かって、その順番で受け部452上に配置されている。しかしながら、モーター492およびスリップリング4912の配置関係はこれに限定されず、スリップリング4912およびモーター492は、受け部452の基端から先端に向かって、その順番で受け部452上に配置されていてもよい。
【0058】
(カバー部材)
カバー部材493は、スリップリング4912やモーター492を覆うことができる限り特に限定されない。本実施形態では、カバー部材493は、略半球状に形成されている。カバー部材493は、後述する回転体40のカバー部材403と一体的に形成されていてもよい。
【0059】
[回転体]
回転体40は、本体49に対して鉛直下方に設けられている。回転体40は、モーター492の駆動により、回転するように構成されている。すなわち、回転体40は、回転軸Rを中心軸に水平方向に360°回転するように構成されている。これにより、景品がどのような姿勢でゲームフィールド5に配置されていても、景品に対して適切な角度にアーム部405を配置することができる。なお、回転体40の回転方向は、特に限定されず、時計回りであっても、半時計回りであってもよい。これは、制御部9が任意に設定することができる。このような回転体40は、フランジ401と、フランジ401に設けられたアームユニット402と、これらを収容するカバー部材403とを有する。
【0060】
(フランジ)
フランジ401は、円板状に形成され、回転体40の上部に位置している。そのため、フランジ401は、回転体40と本体49とを仕切る機能を有する。フランジ401は、その中心で、スリップリング4912のシャフト4913と接続している。これにより、シャフト4913の回転により、回転体40が回転するように構成されている。
【0061】
(アームユニット)
アームユニット402は、回転軸Rを中心に、回転軸R周りに設けられる。アームユニット402の数は特に限定されないが、本実施形態では2つのアームユニット402が設けられている。2つのアームユニット402は、回転軸Rに対して対向して設けられている。これにより、後述するアーム部405が回転軸Rに直交する方向に整列するため、アーム部405が景品を効果的に把持することができる。なお、複数のアームユニット402を設ければ、回転体40が複数のアーム部405を有することになるので、より確実に景品を把持することができる。このようなアームユニット402は、可動ユニット404と、可動ユニット404に接続されたアーム部405とを有する。
【0062】
可動ユニット404は、フランジ401の直下に設けられ、フランジ401ともに回転する。可動ユニット404は、アーム部405を可動させる機能を有する。可動ユニット404は、駆動モーター(駆動部)4041と、回転手段4042と、カム4043と、固定軸4044と、接続手段4045と、付勢手段4046とを有する。
【0063】
駆動モーター4041は、回転手段4042に回転力を付与するように駆動する。そのため、駆動モーター4041の軸が回転手段4042に接続されている。駆動モーター4041が駆動すると、その軸が回転し、これにより回転手段4042も回転する。回転手段4042は、カム4043と接触している。カム4043は、接続手段4045に固定軸4044で接続されている。そして、カム4043は、扇状に形成されている。そのため、カム4043の弧または弧を構成する中心角がアーム部405の回転角度に対応している。したがって、回転手段4042が回転すると、固定軸4044を中心にカム4043もその弧の距離に対応する角度の範囲で回転する。
【0064】
接続手段4045は、アーム部405を受ける機能、すなわちソケットとしての機能を有する。そのため、接続手段4045は、アーム部405の基端の形状と対応する形状に形成されている。これにより、アーム部405を容易に着脱することができる。接続手段4045は、カム4043とともに固定軸4044で固定されているため、カム4043の回転により、接続手段4045も回転し、結果としてアーム部405が固定軸4044を中心に回転する。なお、接続手段4045を設けずに、アーム部405の基端を直接固定軸4044に固定してもよい。
【0065】
接続手段4045は、アーム部405を着脱可能に構成されている。そのため、接続手段4045は、アーム部405を着脱したか、どのようなアーム部405(アーム部405の種類)を着脱したかを判別するためのスイッチを設けてもよい。スイッチは、アーム部405を接続手段4045に装着したときに、ON状態になるように構成されている。逆に、スイッチは、アーム部405を接続手段4045から除去したときに、OFF状態になるように構成されている。そのため、スイッチは、接続手段4045の内側に設けられている。これにより、制御部9または後述する駆動制御部は、アーム部405の有無を識別するので、アームユニット402を個別に制御することができる。
【0066】
付勢手段4046は、
図7に示すように、可動ユニット404の外面と接続手段4045とに設けられている。これにより、付勢手段4046は、可動ユニット404に対して接続手段4045を付勢し、結果としてアーム部405を開状態に付勢する。
【0067】
アーム部405は、可動ユニット404の接続手段4045に接続される。これにより、アーム部405は、接続手段4045に着脱可能に取り付けられる。アーム部405の形状は、特に限定されず、L字、V字、U字、J字などであってもよい。このうち、アーム部405の形状は、L字であることが好ましい。これにより、アーム部405の先端側が景品を抱えるように景品の下部に入り込み、景品を把持できる可能性を高めることができる。
【0068】
アーム部405は、その外側かつ内部に発光装置(図示しない)を有してもよい。しかしながら、発光装置の位置は、特に限定されず、アーム部405の内側かつ内部やアーム部405の表面上に設けられていてもよい。発光装置の数も限定されず、1つでも2以上の複数であってもよい。複数の発光装置が用いられる場合、複数の発光装置は、アーム部405の基端から先端に向かって連続して配置されることが好ましい。これにより、筐体2による電飾効果や宣伝効果以外に、景品把持部46による電飾効果や宣伝効果を発揮することができる。
【0069】
複数の発光装置は、アーム部405の内部に互いに間欠的に設けられても、長尺状に結合されて1つの発光装置となるように設けられていてもよい。また、複数の発光装置は、発光色の異なる発光装置を含んでいてもよいし、異なる発光色の発光装置を交互に配置してもよい。さらに、各発光色を1つのグループとしてグループ化し、各発光色の各グループを交互に設けてもよい。このような発光装置は、LEDなどで構成される。これにより、ゲームプレイ中やゲーム待機中に、発光装置を点灯、点滅させることができ、アーム部405による電飾効果と宣伝効果とを提供することができる。
【0070】
上述したように、本体49と回転体40は、シャフト4913と、フランジ401とが接続されることにより構成されている。スリップリング4912からの配線がフランジ401を介して可動ユニット404に接続される。これにより、可動ユニット404に電力が供給され、可動ユニット404の可動および発光装置の発光を可能とする。
【0071】
また、モーター492の駆動により、回転体40が回転する。この時、配線がフランジ401の貫通孔(図示しない)を介して可動ユニット404に接続されているため、配線が巻かれるおそれはない。このように、回転体40は、モーター492が駆動している限り回転し続ける。これにより、従来のクレーンゲーム装置に搭載されるX-Y軸に移動する移動機構を有していなくても、景品の配置状況に応じて、Z軸対して適切な角度にアーム部405を配置することができる。
【0072】
また、景品把持部46はスリップリング部491を有していることから、回転体40に電力供給ができるうえ、従来の景品把持部のような複雑な機械的部品を必要としない。そのため、アーム部405の発光装置が点灯するため、アーム部405は電飾効果を発揮する。また、可動ユニット404でアーム部405を回転させることができるから、機械的部品の数を低減させ、簡単な構成の景品把持部46を提供することができる。
【0073】
さらに、スリップリング部491と制御部9とが接続されているので、制御部9は、発光装置の発光状態、各アーム部405の把持力、各可動ユニット404の駆動状態などを一括して管理することができる。これにより、複雑な機械的構成を必要とせず、把持力、発光状態、駆動状態などの変更を簡単に設定することができる。
【0074】
制御部9の制御に代えて、本体49および/または回転体40は、駆動制御部を有していてもよい。駆動制御部は、受け部452の上面および/またはアームユニット402の近傍に設けられている。駆動制御部は、スリップリング部491と、モーター492との駆動を制御する。また、駆動制御部は、発光装置の発光状態、各アーム部405の回転、各アーム部405の把持力、各可動ユニット404の駆動状態などを管理することができる。これにより、制御部9から独立して、アーム部405、スリップリング部491、モーター492などから各種のデータを取得、管理、設定をすることができる。
【0075】
(カバー部材)
カバー部材403は、フランジ401やアームユニット402を収納する機能を有する。カバー部材403の形状は、それらを収納できるかぎり、特に限定されない。例えば、カバー部材403の形状は、円筒状、角柱状、円錐台状などが挙げられる。カバー部材403は、本体49のカバー部材493と一体的に形成されていてもよい。
【0076】
[センサー装置]
景品把持部46は、図示しない第1のセンサー装置と、第1のセンサー装置とは異なる第2のセンサー装置とを有する。第1のセンサー装置は、
図5~7で示される回転体40の下部(景品把持部46の腹部)に設けられている。第1のセンサー装置は、アーム部405が景品を把持しているか否かを検知する。そのため、第1のセンサー装置は、感圧センサー、定圧センサー、赤外線センサー、光電センサー等の各種センサーで構成される。
【0077】
第2のセンサー装置は、シャフト4913とフランジ401との間に位置する。第2のセンサー装置は、アーム部405が景品に接触したか否かを検知する。アーム部405が景品に接触した際に、フランジ401は、回転軸Rに対して傾くように構成されている。そのため、第2のセンサー装置は、感圧センサー、押圧センサー等によって接触を認識する。第2のセンサー装置がアーム部405と景品との接触を検知すると、景品把持部46の降下が停止される。
【0078】
以上のような景品把持部46は、従来のクレーンゲーム装置の景品把持部と異なり、電力が供給される。そのため、景品把持部46は、機械的な構成だけでなく、電気的な構成も含む。したがって、従来の景品把持部と比較して、景品把持部46の構造を簡易にすることができる。また、制御部9による景品把持部46の種々の機能の管理、景品把持部46自体に電飾効果を持たせることができる。また、回転体40は、ゲーム開始前に常に回転していても、プレイヤからの操作部3への入力で回転してもよい。このように、回転体40の回転により、遊戯性を高めることもできる。
【0079】
<ゲームフィールド>
図10は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置のゲームフィールドを模式的に示す斜視図、
図11は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置のゲームフィールドを模式的に示す拡大斜視図、
図12は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置のゲームフィールドを模式的に示す拡大斜視図、
図13は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の補助フィールドを模式的に示す拡大斜視図である。なお、
図11は、ゲームフィールドが閉じた状態(閉状態)を示し、
図12は、ゲームフィールドが開いた状態(開状態)を示している。
【0080】
ゲームフィールド5は、ゲームに使用される景品を載置する機能を有する。ゲームフィールド5は、筐体2内のゲーム空間215と、景品取出空間223との間に設けられている。これにより、ゲーム空間215は、ゲームフィールド5を介して、景品取出空間223と連通する。ゲームフィールド5は、所定のトリガーが発動された時、ゲーム空間215と景品取出空間223と連通させ、開口216を形成するように構成されている。このようなゲームフィールド5は、
図10、13に示すように、シャッター機構51と、補助フィールド52と、センサー装置53とを有する。
【0081】
[シャッター機構]
シャッター機構51は、筐体下部22の上面または上部に設けられている。例えば、筐体下部22内の上部に、筐体下部22の両側面に沿って形成され、かつX軸方向に突出した2つの配置領域225が形成される。シャッター機構51は、この配置領域225に配置されることができる。シャッター機構51は、開閉することにより、景品を支持または落下させることができる。すなわち、シャッター機構51が開くことにより、ゲームフィールド5上に開口216が形成される(
図12)。この開口216の大きさは、筐体2の横断面の大きさに対応するものである。また、開口216の形状は、シャッター機構51の形状に対応する形状となっている。このようなシャッター機構51は、
図11に示すように、駆動部511と、可動部512と、シャッター部(載置部)513とを有する。なお、駆動部511および可動部512を併せて駆動機構ともいう。
【0082】
(駆動部)
駆動部511は、可動部512を可動させる機能を有し、モーターで構成されている。駆動部511の設置位置は、シャッター機構51の各部の動作に影響を与えない限り、特に限定されない。本実施形態では、駆動部511は、シャッター機構51の側部前方に設けられている。駆動部511は、景品を把持した景品把持部46がホームポジションに到達したとき、制御部9の指示により駆動する。これに限定されず、プレイヤが操作部3を操作することにより、駆動部511は駆動してもよい。
【0083】
(可動部)
可動部512は、シャッター部513を開閉させる機能を有する。そのため、可動部512は、シャッター部513の側部に沿って長尺状に形成されている。また、可動部512は、駆動部511により可動するため、駆動部511と隣接して設けられている。そして、可動部512が可動することで、シャッター部513が移動し、開口216が形成される。このような可動部512は、1対のプーリー5121と、環状のベルト5122と、移動部5123と、ガイドレール5124とを有する。
【0084】
1対のプーリー5121の一方のプーリー5121aは、モーターの回転軸と接続し、回転するように構成されている。他方のプーリー5121bは、一方のプーリー5121aと所定の距離離間して設けられている。所定の距離は、シャッター部513の長さよりも長く設定されている。ベルト5122は、1対のプーリー5121に懸架されている。これにより、1対のプーリー5121の周りを回転するようになっている。
【0085】
移動部5123は、シャッター部513を移動させる機能を有する。移動部5123は、一方の側面で、ベルト5122の上部に取り付けられる。そのため、ベルト5122の回転により、移動部5123は、1対のプーリー5121間を直線移動する。また、移動部5123は、他方の側面で、シャッター部513に取り付けられている。そのため、移動部5123の直線移動により、シャッター部513は、移動部5123の移動範囲内で移動する。
【0086】
移動部5123の形状は、ベルト5122に沿って移動する限り、円筒状や角柱状など特に限定されない。また、移動部5123の長さも特に限定されない。シャッター部513を安定かつ確実に開閉するために、移動部5123の長さは、5~15cm程度が好ましい。なお、移動部5123は、ガイドレール5124を受けるための貫通孔を有している。
【0087】
ガイドレール5124は、移動部5123の移動をガイドする機能を有する。そのため、ガイドレール5124は、長尺の棒状に形成されている。ガイドレール5124は、ベルト5122と、シャッター部513との間に、移動部5123の移動方向(Y軸方向)に沿って、設けられている。そして、ガイドレール5124は、移動部5123と貫通嵌合している。これにより、移動部5123の移動を確実にガイドすることができる。
【0088】
(シャッター部)
シャッター部513は、景品を載置する支持体として機能する。シャッター部513は、筐体2の横断面に対応する大きさに形成され、配置領域225に配置されている。また、シャッター部513は、その側部一端で移動部5123に接続されている。これにより、移動部5123の移動に伴って、シャッター部513が移動する。この時、筐体下部22の奥側には、配置領域225が存在しない。すなわち、配置領域225は、Y軸方向に沿って、筐体下部22の前面から後面までの途中まで形成されている。そのため、シャッター部513がY軸方向に移動すると、この配置領域225がなくなるので、シャッター部513は、Z軸方向に向けて移動するようになる(
図12)。これにより、シャッター部513の一部がZ軸に垂れ下がるため、スペースを有効活用でき、筐体2を小型化することができる。
【0089】
シャッター部513が移動して開くと、開口216が形成される。これにより、ゲーム空間215と景品取出空間223が連通する。そして、シャッター部513に配置されていた景品は、景品取出空間223に落下する。シャッター部513は、可動部512により開閉するため、可動部512と隣接して設けられている。このようなシャッター部513は、長尺状の複数のパネル5131と、それらに設けられた車輪5132とで構成されている。
【0090】
長尺状の複数のパネル5131は、移動部5123と直交するように配置され、ガイドレール5124に沿ってY軸方向に連続して配置されている。これにより、複数のパネル5131の間に隙間がないため、景品を確実に載置することができる。各パネル5131の幅(Y軸方向の長さ)は、3~10cm程度が好ましい。また、各パネル5131の長さ(X軸方向の長さ)は、開口216の大きさに対応し、30~100cm程度が好ましい。このような大きさにより、複数のパネル5131がスムーズに移動することができる。
【0091】
複数のパネル5131の数は、特に限定されないが、5~15枚程度が好ましい。これにより、シャッター部513がフレキシブルに屈曲するので、シャッター部513の開閉操作をスムーズに行うことができる。また、シャッター部513をZ軸下方にスムーズに移動させることができるので、筐体2のスペースを有効活用でき、筐体2を小型化することができる。
【0092】
複数のパネル5131は、互いに一部が重なって配置されても、所定の間隔を置いて間欠的に配置されてもよい。複数のパネル5131が一部重なって配置される場合、シャッター部513をよりフレキシブルに屈曲することができる。また、複数のパネル5131が間欠的に配置される場合、開口216が露出するので、アーム部405が景品を把持できなかったとしても、アーム部405が景品に接触することで、景品が景品取出空間223に落下するような印象をプレイヤに与えることができる。この場合における複数のパネル5131同士の間隔は、パネル5131の1枚分の幅または2枚を含む複数枚分の幅に相当していてもよい。
【0093】
景品がシャッター部513に配置されればよいので、シャッター部513は、例えば、3枚や4枚などの少数のパネル5131で構成されていてもよい。なお、複数のパネル5131は、棒状部材や板状部材であってもよい。また、複数のパネル5131は、開口216にわたって設けられていなくても、開口216より短い長さに形成され、開口216が露出してもよい。さらに、複数のパネル5131は、可動部512側から開口216上に延びるように配置された第1のグループと、可動部512とは反対側から開口216上に延びるように配置された第2のグループとを有していてもよい。これにより、シャッター部513から露出する開口216の面積が大きくなるため、プレイヤにゲームを実行するインセンティブを与えることができる。
【0094】
車輪5132は、複数のパネル5131の両端部に、Z軸方向に僅かに突出するように設けられる。これにより、車輪5132は、複数のパネル5131の一方の端部に設けられた第1車輪列と、他方の端部に設けられた第2車輪列とを構成する。第1車輪列は、可動部512側に設けられた配置領域(第1の配置領域)225に配置される。また、第2車輪列は、可動部512と反対側に設けられた配置領域(第2の配置領域)225に配置される。これらの車輪5132は、移動部5123の移動方向に沿って整列している。
【0095】
したがって、移動部5123の移動により、車輪5132はスムーズに配置領域225上を移動し、シャッター部513の開閉を行うことができる。車輪5132の数は特に限定されない。移動部5123がシャッター部513の一端と接続しているため、第1車輪列の車輪の数は、第2車輪列の車輪の数よりも少なくてもよい。なお、シャッター部513は、
図11、12の左側がゲーム装置1の前方に来るように、筐体2内に設置される。
【0096】
[補助フィールド]
補助フィールド52は、景品をゲームフィールド5の中央にガイドする機能を有する。補助フィールド52は、枠状に形成され、シャッター機構51の外周に沿ってシャッター機構51上に設けられている。補助フィールド52の設置される位置や形状は、これに限定されない。補助フィールド52は、シャッター機構51の上方であっても、筐体下部22上に設定されてもよい。また、補助フィールド52は、単なるプレート部材や突起部材で構成されていてもよい。このような補助フィールド52は、枠状部521と、傾斜部522と、開口523とを有する。
【0097】
(枠状部)
枠状部521は、略角筒状に形成され、Z軸方向に立設する。枠状部521の大きさは、シャッター機構51の大きさに略対応している。
【0098】
(傾斜部)
傾斜部522は、補助フィールド52の内周面を構成し、景品をシャッター部513の中央にガイドする。傾斜部522は、枠状部521(Z軸)に対して所定の角度で傾斜している。所定の角度は、10~60°程度が好ましい。これにより、景品をシャッター部513に確実にガイドすることができる。
【0099】
また、傾斜部522は、傾斜角度が互いに異なる、急傾斜部5221と、緩傾斜部5222との2段階で構成されている。急傾斜部5221の枠状部521に対する傾斜角度は、緩傾斜部5222の枠状部521に対する傾斜角度よりも大きい。具体的に、急傾斜部5221の傾斜角度は、35~65°であることが好ましい。また、緩傾斜部5222の傾斜角度は、5~35°程度であることが好ましい。また、急傾斜部5221は、緩傾斜部5222の下側に配置される。すなわち、急傾斜部5221は、開口523と隣接するように円環状に形成されている。この形状により、開口523が規定される。
【0100】
このように、傾斜部522の多段階構成により、大型の景品を緩傾斜部5222でシャッター部513にガイドすることができ、小型の景品を急傾斜部5221でシャッター部513にガイドすることができる。また、景品の大きさによらず、緩傾斜部5222で景品をある程度シャッター部513にガイドしつつ、急傾斜部5221で確実にシャッター部513にガイドすることができる。これにより、景品をシャッター部513の中心に留めることができる。
【0101】
なお、急傾斜部5221および緩傾斜部5222の角度や急傾斜部5221および緩傾斜部5222の配置関係は、上述した構成に限定されない。緩傾斜部5222は、開口523に隣接して設けられていてもよい。また、傾斜部522は、2段階構成に限らず、多段階構成であってもよい。この場合、傾斜角度は、開口523側から、徐々に大きくしても、徐々に小さくしても、ランダムに設定してもよい。
【0102】
(開口)
開口523は、シャッター部513が開いた時、ゲーム空間215と景品取出空間223とを連通させる。これにより、開口523は、開口216と重なる。また、開口523は、補助フィールド52の中央に形成される。開口523の形状は、特に限定されないが、円形、四角形、楕円形、三角形などであってもよい。これらのうち、開口523の形状は円形であることが好ましい。これにより、傾斜部522の全周方向から景品をシャッター部513の中央にガイドすることができる。
【0103】
なお、ゲームフィールド5の構成は上述した構成に限定されず、景品を景品取出空間223に移行させることができる限り、いかなる構成であってもよい。例えば、シャッター機構51が補助フィールド52を有していてもよい。また、補助フィールド52は、存在しなくてもよい。
【0104】
[センサー装置]
センサー装置53は、シャッター部513上に景品が存在するかを検知する。センサー装置53は、
図13に示すように、補助フィールド52の緩傾斜部5222の表面に設けられた貫通孔に設けられる。センサー装置53は、特に限定されないが、カメラ、重量センサー、感圧センサー、定圧センサー、赤外線センサー、光電センサー等の各種センサーで構成される。本実施形態では、センサー装置53は、発光部と受光部とを含む1対の光電センサーで構成されている。1対の光電センサーは、緩傾斜部5222の対向する位置に設けられた貫通孔に設けられる。
【0105】
以上のように、ゲーム装置1は、ゲームフィールド5自体が開閉し、開口216を形成するように構成されている。すなわち、開口216とゲームフィールド5とが一体的またはZ軸方向に重なって形成されているので、従来のクレーンゲーム装置とは異なり、筐体2の小型化を実現することができる。また、補助フィールド52により、景品を常にゲームフィールド5の中心にガイドすることができるので、景品がゲームフィールド5に散らばることを防止することができる。
【0106】
<入力部>
次に、
図2に戻って、入力部7を説明する。
図14は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の入力部を模式的に示す斜視図である。入力部7は、景品把持部46から単に入力を受けるまたは入力情報を受ける機能を有する。入力部7が景品把持部46から単に入力を受ける場合、入力部7は、景品把持部46と接触するまたは押圧されるだけである。そのため、入力部7は、単なる装飾部材として機能する(
図14)。一方、入力部7が入力情報を受ける場合、入力部7は、シャッター部513を開くことができる情報(トリガー情報)を入力情報として受ける機能を有する。
【0107】
入力部7の形状は、特に限定されず、ドーム状、半球状、円柱状、楕円柱状、角柱状、棒状などであってもよい。本実施形態では、入力部7は、ドーム状のボタンで形成されている。入力部7は、ゲーム空間215内における筐体2の上面に設けられている。より具体的に、景品把持部46が移動する経路の延長線と交差する筐体2の上面に設けられている。これにより、景品把持部46の上昇により、景品把持部46は、入力部7を確実に押圧または接触することができる。なお、入力部7の位置は、特に限定されず、ゲーム装置1の構成に応じて、筐体2の側面や背面に設けられていてもよい。また、入力部7の数は特に限定されず、2以上の複数であってもよい。
【0108】
(トリガー情報)
ところで、ゲームフィールド5は、所定のトリガーが発動されると、ゲーム空間215と景品取出空間223とを連通させる。具体的には、制御部9がトリガー情報を受けると、制御部9は、シャッター部513を開くよう駆動部511を制御する。このトリガー情報は、特に限定されないが、入力部7への入力情報、操作部3への操作入力情報、ホームポジション用センサー472aからのホームポジション情報、上限センサー472bからの上限情報、景品把持部46のセンサー装置からの情報、ゲームフィールド5のセンサー装置53、景品把持部46がホームポジションに到達した後の所定の時間情報、などを含む。
【0109】
トリガー情報が入力部7への入力情報である場合、制御部9は、シャッター機構51の駆動部511を制御する。このトリガーの発動により、シャッター部513が開き、開口216が形成される。また、トリガー情報が上限情報またはホームポジション情報などである場合、制御部9は、同様に、駆動部511を制御する。この場合、入力部7は単なる装飾部材として機能するので、存在しなくてもよい。
【0110】
このように、シャッター部513は、制御部9が所定のトリガー情報を取得したとき、開くように構成されているので、景品が意図せず景品取出空間223に落下することがない。また、制御部9は、トリガー情報を種々の情報に変更できるので、シャッター部513を開くトリガーを変更できる。これにより、プレイヤに種々の遊び方を提供することができる。
【0111】
<景品補充装置>
図15は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の景品補充装置を模式的に示す拡大斜視図、
図16は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の景品補充ユニットを模式的に示す拡大斜視図、
図17~20は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の景品補充ユニットの内部構成を模式的に示す拡大斜視図である。
【0112】
景品補充装置6は、景品を陳列する機能と、陳列されている景品をゲームフィールド5に補充する機能とを有する。
図15に示すように、景品補充装置6は、景品把持部46と接触することがないように、筐体上部21の後面側に設けられている。すなわち、景品補充装置6は、ゲーム空間215内で、ゲームフィールド5と隣接して設けられている。しかし、景品補充装置6は、景品把持部46の動作を妨害しない限り、筐体上部21の上面または側面に設けられても、一部がゲームフィールド5上にあってもよい。このような景品補充装置6は、
図15、16示すように、基台60と、複数の景品補充ユニット61と、ガイド部62とを有する。
【0113】
[基台]
基台60は、景品補充ユニット61を設置する機能を有する。基台60は、筐体上部21の背面に設けられる。基台60は、筐体上部21の背面の両側に立設する2つの支柱601と、2つの支柱601を連結する連結部材602とで構成される。これにより、基台60は、略H型に形成される。支柱601は、ゲーム空間215にZ軸方向にわたって設けられているが、これに限定されない。支柱601は、筐体上部21の半分の高さであってもよい。
【0114】
連結部材602は、景品補充ユニット61を取り付ける。連結部材602の数は、特に限定されず、1つであっても、3つ以上であってもよい。これにより、複数段に景品補充ユニット61を設置することができる。連結部材602は、ゲーム空間215にX軸方向にわたって設けられているが、これに限定されない。連結部材602は、筐体上部21の半分の幅であってもよい。本実施形態では、連結部材602は、Z軸に離間して2つの連結部材602を含んでいるが、これに限定されない。
【0115】
[景品補充ユニット]
景品補充ユニット61は、景品を展示するとともに、景品をゲームフィールド5に提供する。景品補充ユニット61は、基台60の連結部材602に上下2段で設置されている。上段の連結部材(第1の支持部材)602に2つの景品補充ユニット61が、下段の連結部材(第2の支持部材)602に2つの景品補充ユニット61が嵌合されている。しかし、景品補充ユニット61の数は特に限定されない。例えば、上段の連結部材602に設置される景品補充ユニット61の数は、下段の連結部材602に設置される景品補充ユニット61の数よりも多くても少なくてもよい。下段の連結部材602の景品補充ユニット61が多いと、景品を確実に補充できる。一方、上段の連結部材602の景品補充ユニット61が多いと、どのような景品を取得できるかプレイヤに宣伝できる。
【0116】
これら複数の景品補充ユニット61には、例えば、識別番号が割り当てられ、記憶部8に記憶されている。これにより、制御部9は、後述する変位部616が変位した情報と併せて、どの景品補充ユニット61が景品を補充したかを識別することができる。特に、本実施形態の景品補充装置6は、景品を補充したとき、他の景品補充ユニット61上の景品に悪影響を与えないように、下段の連結部材602の景品補充ユニット61を上段の連結部材602の景品補充ユニット61よりも先に動作させる。これにより、他の景品補充ユニット61の動作による景品の意図しない落下を防止することができる。
【0117】
このような景品補充ユニット61は、
図16~20に示すように、本体611と、駆動部612と、動力伝達部613と、動力付与部614と、係止部615と、変位部616と、手動機構617と、載置部618とを有する。景品補充ユニット61は、変位部616がその姿勢を変化させることにより、載置部618上の景品をゲームフィールド5に補充する。
【0118】
(本体)
本体611は、箱状に形成されている。本体611は、景品補充ユニット61の各部を収容する機能を有する。本体611は、駆動部612および動力伝達部613を収容する第1の空間と、動力付与部614および係止部615を収容する第2の空間と、変位部616および手動機構617を収容する第3の空間とを有する。第1の空間および第2の空間は、互い隣接し、第3の空間とも隣接する。第3の空間は、景品補充ユニット61の前面(ゲームフィールド5側の面)を構成する位置に配置される。第1の空間および第2の空間は、第3の空間よりも後面側に配置される。これにより、本体611をコンパクトにすることができ、連結部材602に簡単に嵌め込むことができる。
【0119】
(駆動部)
駆動部612は、変位部616を変位させるための動力を提供する機能を有する。駆動部612は、例えば、モーターで構成されている。駆動部612は、第1の空間の下部に第3の空間と隣接して設けられている。駆動部612は、制御部9からの指示により駆動し続ける。
【0120】
(動力伝達部)
動力伝達部613は、駆動部612からの動力を動力付与部614に伝達する機能を有する。動力伝達部613は、第1の空間の後方に駆動部612と隣接して設けられる。このような動力伝達部613は、回転子6131と、車輪6132と、シャフト6133と、歯車6134と、突出部6135とを有する。
【0121】
回転子6131は、その軸で駆動部612の軸と接続される。これにより、回転子6131は、回転するように構成されている。回転子6131の表面には、図示しない溝または凸条が形成されている。溝または凸条は、回転子6131の回転方向に対して所定の角度傾斜するように形成されている。すなわち、溝または凸条は、回転子6131の周方向に対して斜めに形成されている。
【0122】
車輪6132は、回転子6131上に、回転子6131の回転方向と直交して設けられる。車輪6132の表面には、図示しない溝または凸条が形成されている。溝または凸条は、車輪6132の回転方向に対して所定の角度傾斜するように形成されている。そして、これらの溝または凸条は、回転子6131の溝または凸状と嵌合する。これにより、回転子6131の回転により、車輪6132も回転するように構成されている。
【0123】
シャフト6133は、車輪6132の回転軸として機能する。シャフト6133の基端は車輪6132の中心に接続され、その先端は第2の空間に向かって延びている。これにより、車輪6132の回転により、シャフト6133も回転するように構成されている。また、シャフト6133の先端には、図示しない溝または凸条が形成されている。これらの溝または凸条は、シャフト6133の長手方向に沿って形成されている。
【0124】
歯車6134は、シャフト6133の先端の溝または凸条と嵌合するように、シャフト6133の先端上に設けられる。これにより、シャフト6133の回転により、歯車6134も回転するように構成されている。歯車6134は、動力付与部614に動力を伝達する。歯車6134は、その側面に、円周に沿って設けられた突出部6135を有する。突出部6135は、歯車6134と、車輪6132との間で、シャフト6133と接するように設けられる。このような突出部6135は、半円状に形成される。
【0125】
ここで、景品補充ユニット61は、本体611の第1の空間内に、図示しない1対のセンサーを有する。1対のセンサーは、歯車6134と車輪6132との間で、第1の空間の上下に離間して設けられている。そして、このセンサーは、発光と受光とを絶えず行っている。突出部6135は、歯車6134の回転により、このセンサーの光を切断する機能を有する。歯車6134が回転すると、突出部6135も回転し、1対のセンサーの光を遮断する。これにより、制御部9は、駆動部612の動力が動力付与部614に伝達されたと判断し、駆動部612を停止するように制御する。
【0126】
(動力付与部)
動力付与部614は、係止部615に動力を付与する機能を有する。動力付与部614は、本体611の第2の空間に配置され、歯車6134に軸で接続される。これにより、歯車6134の回転により、動力付与部614も回転するように構成されている。動力付与部614は、その側面の外周側に突起6141を有する。突起6141は、動力付与部614の回転により、係止部615と接するように設けられる。
【0127】
(係止部)
係止部615は、変位部616を係止する機能を有する。係止部615は、第2の空間内で動力付与部614および変位部616に隣接して設けられる。このような係止部615は、動力受け部6151と、姿勢維持部6152と、付勢手段6153とを有する。動力受け部6151は、動力付与部614からの動力を受ける。動力受け部6151は、動力付与部614に隣接し、略三角形状に形成されている。そして、動力付与部614が回転すると、突起6141も回転し、動力受け部6151の斜辺を押圧する。これにより、動力受け部6151は、その基端を中心に、変位部616側に回動する。
【0128】
姿勢維持部6152は、その先端で変位部616を係止する。これにより、変位部616の姿勢を維持することができる。姿勢維持部6152は、その基端で動力受け部6151の基端に接続される。これにより、係止部615は、全体で略L字状を形成する。動力受け部6151の回動により、その基端を中心に姿勢維持部6152も回動する。すなわち、係止部615の全体が、動力受け部6151の基端を中心に、第3の空間側に回動する。これにより、姿勢維持部6152と変位部616との係止が解除され、変位部616が変位する。
【0129】
付勢手段6153は、姿勢維持部6152を本体611の底面に付勢する。付勢手段6153は、姿勢維持部6152の基端と、本体611の底面とを接続する。これにより、変位部616が係止部615に係止されていない状態でも、係止部615は、変位部616が係止部615に係止されているときの姿勢を維持する(標準状態)。
【0130】
(変位部)
変位部616は、景品をゲームフィールド5に提供する機能を有する。変位部616は、本体611の第3の空間に、係止部615と隣接して設けられる。このような変位部616は、
図20に示されるように、回転部6161と、当接部6162と、嵌合部6163とを有する。回転部6161は、本体611の前面に沿って、第3の空間の上部に設けられている。回転部6161は、長尺の円筒状に形成されている。そして、回転部6161は、長手方向の軸を中心に、ゲームフィールド5側に回動するように構成されている。
【0131】
当接部6162は、回転部6161の端部から下方に延びるように設けられる。当接部6162は、ストリップ状に形成されている。そして、当接部6162の先端で、姿勢維持部6152の先端に当接している。これにより、当接部6162は、Z軸に平行な姿勢を維持する。嵌合部6163は、載置部618と嵌合する機能を有する。嵌合部6163は、当接部6162と直交する方向に突出するように、回転部6161に設けられている。当接部6162の姿勢が維持されると、嵌合部6163は、Y軸に平行な姿勢を維持する。これにより、嵌合部6163は、本体611からY軸方向に突出し、載置部618を水平に保つことができる(姿勢維持状態)。
【0132】
(載置部)
載置部618は、補充用景品を載置する機能を有する。載置部618は、
図16に示すように、変位部616の嵌合部6163に嵌合する。載置部618の形状は、特に限定されず、例えば、棒状、三角形状、長尺状、長方形状、平板状、プレート状、半円状、円状などいずれの形状であってもよい。載置部618の大きさも、特に限定されずないが、本体611の上面よりも大きいことが好ましい。そのため、載置部618は、姿勢維持状態で、本体611の上面を覆う大きさとなっている(
図16)。これにより、大型の景品も載置することができる。なお、載置部618は、その表面に景品が安定して載置されるよう滑り止め部材を設けていてもよい。
【0133】
(手動機構)
景品補充ユニット61は、係止部615と変位部616との係止を手動で解除するための手動機構617を有していてもよい。手動機構617は、例えば、変位部616が係止部615に係止された姿勢維持状態を解除する場合に使用される。手動機構617は、ガイド部6171と、解除部6172とを有する。ガイド部6171は、姿勢維持部6152の先端に固定される。そのため、ガイド部6171は、係止部615とともに動作するようになっている。
【0134】
解除部6172は、L字状に形成されている。解除部6172の基端は、ガイド部6171に連結される。解除部6172の先端は、本体611の前面から突出している。解除部6172は、L字の角部を中心に回動するように構成される。例えば、
図19は、姿勢維持状態を示している。この状態で、解除部6172の先端を上方に押し上げると、解除部6172は、角部を中心に回動し、その基端が本体611の前面側に移動する。これに伴い、ガイド部6171が係止部615に固定されているので、係止部615が回動し、ガイド部6171が下方に移動する。これにより、姿勢維持部6152と当接部6162との係止が解除される。
【0135】
なお、変位部616を係止部615に係止する場合は、手動で嵌合部6163を姿勢維持状態にする。具体的に、嵌合部6163を手動で上方に上げると、当接部6162の先端が姿勢維持部6152の上面に当接する。そして、当接部6162は、姿勢維持部6152の上面を滑るように、姿勢維持部6152の先端側に移動することで、姿勢支持部6152に力を加える。この時、係止部615が姿勢支持部6152の基端を中心に変位部616側に回動する。その結果、当接部6162が姿勢支持部6152の先端面に当接する。これにより、当接部6162は、係止部615に係止される。
【0136】
[ガイド部]
ガイド部62は、景品をゲームフィールド5にガイドする機能を有する。ガイド部62は、景品補充ユニット61と、ゲームフィールド5との間で、ゲームフィールド5と隣接して基台60に設けられている。ガイド部62は、傾斜板で構成されている。ガイド部62は、これに限定されず、格子板で構成されてもよく、存在していなくてもよい。ガイド部62があれば、景品補充ユニット61から落下した景品が、ガイド部62により確実にゲームフィールド5にガイドされる。加えて、ガイド部62と補助フィールド52の傾斜部522とにより、シャッター部513に景品を確実にガイドすることができる。
【0137】
このような景品補充装置6は、景品を展示する状態(展示状態)と、景品をゲームフィールド5に補充する状態(補充状態)との間で状態を変化させる。
図15に示すように、景品補充ユニット61の載置部618が姿勢維持状態(展示状態)である場合において、補充すべき景品が展示される。これにより、プレイヤは、取得したい景品がゲームフィールド5に補充された時を見計らって、当該ゲーム装置1をプレイすることができる。また、
図24に示すように、その展示状態から
図24(b)の状態(補充状態)に変化すると、載置部618に載置された景品は、ゲームフィールド5に落下する(
図24(c))。この場合、ゲーム装置1の管理者がいなくても、景品を自動的にゲームフィールド5に補充することができる。したがって、ゲーム管理者の手間を省くことができるとともに、景品展示による広告宣伝効果も発揮することができる。また、簡単な装置構成で、ゲームフィールド5の意図した位置に景品を確実に補充することができる。
【0138】
<検知部>
ゲーム装置1は、上述した構成に加え、検知部を有していてもよい。検知部は、ゲーム装置1の各部材の動作を検知する機能を有する。検知部は、特に限定されないが、カメラ、加速度センサー、重量センサー、感圧センサー、定圧センサー、赤外線センサー、光電センサー等の各種センサーで構成される。本実施形態のゲーム装置1では、例えば、検知部は、景品取出空間223を構成する側面に設けられる。そして、検知部は、発光部と受光部とを含む光電センサーで構成されている。これにより、景品が筐体下部22の景品取出空間223に存在するか否を検知することができる。
【0139】
【0140】
<記憶部>
記憶部8は、CPUが実行するゲームプログラムなどを保存するROMと、CPUが実行する演算結果を一時的に記憶するRAMとを備えている。具体的に、記憶部8は、移動機構4の可動部45が昇降する速さや距離、回転体40の回転速さおよび回転角度、アーム部405の把持力、アーム部405の照明装置の照度、シャッター機構51の可動部512が移動する速さや距離などを示すデータ、ゲーム実行回数、景品が景品取出空間に移行した回数、載置部618が回動した回動情報、景品補充ユニット61の識別番号など全てのデータを記憶する。
【0141】
<制御部>
制御部9は、ゲームプログラムを実行するCPUを含み、ゲーム装置1全体を制御する。制御部9は、情報取得部91と、情報処理部92と、動作制御部93と、情報設定部94とを有する。以下、制御部9の各部の構成を説明する。
【0142】
(情報取得部)
情報取得部91は、操作部3からの入力情報、入力部7からの入力情報、検知部が検知した情報(例えば、景品の位置情報)、各センサー装置および検知装置47が検知した情報などを取得する。取得された情報は、情報処理部92に提供される。
【0143】
(情報処理部)
情報処理部92は、ゲーム全体を処理する機能を有する。特に、情報処理部92は、情報取得部91が取得した情報を処理して、動作制御部93に指示する機能を有している。具体的に、情報処理部92は、回転体40、駆動部511および駆動部41などを動作させるよう、操作部3からの入力情報を動作制御部93に提供する。また、情報処理部92は、駆動部41、アーム部405、景品補充ユニット61および駆動部511等を動作させるよう、センサー装置53、センサー装置や検知部などからの情報を動作制御部93に提供する。
【0144】
(動作制御部)
動作制御部93は、移動機構4、ゲームフィールド5および景品補充装置6の動作を制御する機能を有する。動作制御部93は、プレイヤが操作部3を操作した場合、駆動部41を駆動するよう制御する。次に、景品把持部46が景品に接触した場合およびホームポジションに到達した場合、動作制御部93は、景品把持部46のアームユニット402の駆動モーター4041を動作させ、アーム部405を開閉させるように制御する。
【0145】
また、動作制御部93は、景品把持部46がホームポジションに到達したという情報を受信したとき、駆動部511を作動させ、シャッター部513を開くように制御する。さらに、動作制御部93は、景品が景品取出空間223に存在する情報を取得したとき、景品補充ユニット61の駆動部612を作動させ、載置部618を回転させるよう制御する。
【0146】
なお、動作制御部93は、景品把持部46が景品を把持したか否かに関わらず、一定期間経過後にシャッター部513を開閉するように、シャッター機構51を制御してもよい。この場合、シャッター部513を全開や半開、段階的に開閉してもよい。また、動作制御部93は、シャッター部513に重量変化があった場合に、シャッター部513を開閉するようにシャッター機構51を制御してもよい。
【0147】
(情報設定部)
情報設定部94は、記憶部8に記憶されている情報に基づいて、回転体40の回転速さおよび回転角度、アーム部405の把持力、アーム部405の照明装置の照度などの設定情報を設定する。すなわち、情報設定部94は、操作部3からの操作入力に基づいて、またはランダムに、上記設定情報を更新する。更新された設定情報は記憶部8に記憶される。これにより、動作制御部93は、更新された設定情報に基づいて、各部を制御することができる。
【0148】
その他、制御部9は、シャッター機構51の開閉や景品把持部46による景品の把持を妨害する妨害する妨害手段を有していてもよい。例えば、妨害手段は、移動機構4の駆動部41を一時停止するよう動作制御部93に指示してもよい。また、妨害手段は、図示しない揺動機構により景品把持部46を揺らすよう動作制御部93に指示してもよい。さらに、妨害手段は、景品把持部46の昇降中に回転体40を回転させるよう、またはシャッター部513の開閉を途中で止めるように動作制御部93に指示してもよい。このような手段により、景品獲得が困難になり、ゲームの難易度が向上する。
【0149】
2.ゲーム装置の動作方法
次に、本実施形態のゲーム装置の動作方法について詳細に説明する。
図21は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の動作を説明するためのフローチャート、
図23は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の動作を説明するための模式図である。
【0150】
まず、プレイヤは、プレイしたい景品獲得ゲーム装置1A、1Bのコイン投入口(図示しない)にコインを投入する。これにより、ゲームがスタートする。この時、景品把持部46は、
図1左側に示すように、ホームポジションに位置している(初期位置)。また、景品把持部46の回転体40は、Z軸を中心に回転している。この状態で、プレイヤは、アーム部405が景品を把持する場所を想定して、操作部3を押圧する。これにより、操作部3は、プレイヤからの入力を受ける(S1)。なお、回転体40の回転は、操作部3のジョイスティックで操作してもよい。
【0151】
操作部3が入力を受けると、制御部9は、景品把持部46のモーター492を停止させる。これにより、回転体40の回転が停止する(S2)。次に、制御部9は、移動機構4の駆動部41を駆動させ、可動部45が降下する。これに伴い、景品把持部46も降下する(S3)。次に、制御部9は、アーム部405が景品に接触したか否か判断する(S4)。制御部9は、景品把持部46のセンサー装置からアーム部405と景品とが接触した情報(接触情報)を取得しないと、アーム部405が景品に接触していないと判断する。これにより、処理はステップ(S3)に戻る。一方、制御部9は、センサー装置から当該接触情報を取得すると、駆動部41の動作を停止させる。これにより、景品把持部46の降下が停止される(S5)。なお、以上のような動作は、
図23に模式的に示される。
【0152】
次に、制御部9は、アームユニット402の駆動モーター4041を動作させる。これにより、アーム部405がその基端を中心に回動し、アーム部405が閉じる(S6)。その後、制御部9は、移動機構4の駆動部41を再び駆動させる。これにより、可動部45が上昇し、景品把持部46も上昇する(S7)。上昇は、プレイヤによる操作部3への連続した入力で行われてもよい。次に、制御部9は、移動機構4の第2の検知装置群472により、景品把持部46(可動部45)がホームポジションに位置したか判断する(S8)。制御部9は、第2の検知装置群472からの情報(ホームポジション情報)を取得しないと、景品把持部46がホームポジションに到達していないと判断する。これにより、処理はステップS7に戻り、景品把持部46の上昇が継続される。なお、以上のような動作は、
図23に模式的に示される。
【0153】
一方、ステップS8において、制御部9は、第2の検知装置群472からのホームポジション情報を取得すると、景品把持部46がホームポジションに到達したと判断する。これにより、処理はステップS9に進む。ステップS9において、制御部9は、景品把持部46のセンサー装置からの情報(把持情報)およびゲームフィールド5のセンサー装置53からの情報(景品情報)により、アーム部405が景品を把持しているか否か判断する(S9)。制御部9はアーム部405が景品を把持していると判断すると、制御部9は、景品把持部46がゴールポジションに到達したと判断する(S10)。これにより、制御部9は、駆動部41の動作を停止し、景品把持部46の上昇を停止する(S11)。
【0154】
制御部9は、把持情報を取得した場合および/または景品情報を取得しない場合、アーム部405が景品を把持していると判断する。そして、制御部9は、シャッター機構51の駆動部511を動作せる。これにより、移動部5123が移動して、シャッター部513が開く(S12)。これにより、
図12に示すように、開口216が形成され、ゲーム空間215と景品取出空間223とが連通する。そして、制御部9は、アームユニット402の駆動モーター4011を動作させる。これにより、アーム部405が基端を中心に回動する(S13)。
【0155】
そして、景品が景品把持部46から開口216を通過して景品取出空間223に落下する(S14)。その後、制御部9は、シャッター機構51の駆動部511を動作させる。これにより、移動部5123の移動により、シャッター部513が閉じる(S15)。以上より、ゲームは終了する。
【0156】
一方、ステップS9において、制御部9は、把持情報を取得しない場合および/または景品情報を取得した場合、アーム部405が景品を把持していないと判断する。これにより、制御部9は、駆動部41の動作を停止し、景品把持部46の上昇を停止する(S16)。そして、制御部9は、アームユニット402の駆動モーター4011を動作させる。これにより、アーム部405が基端を中心に回動する(S17)。これにより、ゲームは終了する。
【0157】
3.景品補充装置の動作方法
次に、本実施形態のゲーム装置の景品補充装置の動作方法について詳細に説明する。
図22は、本発明の第1実施形態に係るゲーム装置の景品補充装置の動作を説明するためのフローチャート、
図24は、本発明の第1実施形態に係るゲーム装置の景品補充装置の動作を説明するための図である。なお、景品補充装置6は、プレイヤによるプレイが終了した後に動作する。すなわち、景品補充装置6は、
図21で説明したゲーム装置1の動作が終了した後に動作する。
【0158】
まず、ゲームフィールド5のセンサー装置53は、シャッター部513上の景品を検知する。制御部9は、センサー装置53から、景品情報を取得したか否か判断する(S21)。これにより、制御部9は、景品がシャッター部513に存在するか否か判断する。制御部9は、景品情報を取得すると、景品がシャッター部513に存在すると判断し、処理は終了する。一方、ステップS21において、制御部9は、景品情報を取得しないと、景品がシャッター部513に存在しないと判断する。その後、処理はステップS22に進む。なお、制御部9は、景品情報に加え、筐体下部22の検知部が景品取出空間223内の景品を検知したか否かの情報も含めて、景品の存在を判断してもよい。
【0159】
ステップS22において、制御部9は、景品補充装置6の下側景品補充ユニット61に景品があるか否か判断する(S22)。下側景品補充ユニット61の載置部618が回動した情報(回動情報)は記憶部8に記憶されているので、制御部9は、記憶部8を参照し、回動情報があるか否か判断する。制御部9は、回動情報がないと判断すると、下側景品補充ユニット61に景品があると判断する。そして、処理は、ステップS23に進む。
【0160】
制御部9は、下側景品補充ユニット61の駆動部612を動作させ、載置部618を回動させる(S23)。これにり、景品が載置部618から落下し、景品がゲームフィールド5に補充される(S24)。以上のような動作は、
図24(a)~(c)に示される。このような動作により、景品補充動作は終了する。
【0161】
一方、ステップS22において、制御部9は、回動情報があると判断すると、下側景品補充ユニット61に景品がないと判断する。そして、処理は、ステップS25に進む。次に、制御部9は、景品補充装置6の上側景品補充ユニット61に景品があるか否か判断する(S25)。上側景品補充ユニット61の載置部618が回動した情報(回動情報)は記憶部8に記憶されているので、制御部9は、記憶部8を参照し、回動情報があるか否か判断する。制御部9は、回動情報がないと判断すると、上側景品補充ユニット61に景品があると判断する。そして、処理は、ステップS26に進む。
【0162】
制御部9は、上側景品補充ユニット61の駆動部612を動作させ、載置部618を回動させる(S26)。これにり、景品が載置部618から落下し、景品がゲームフィールド5に補充される(S24)。以上のような動作は、
図24(a)~(c)に示される。このような動作により、景品補充動作は終了する。一方、ステップS25において、制御部9は、回動情報があると判断すると、上側景品補充ユニット61に景品がないと判断する。これにより、処理は終了する。以上のような動作は、景品補充装置6に景品がなくなるまで繰り返される。
【0163】
以上、前述の処理方法は、コンピュータで実行されるプログラムで作成可能である。このようなプログラムは、CPU(central processing unit)、マイクロプロセッサ(micro processor)、GPU(graphic processing unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などによって実現される。
【0164】
<<第2実施形態>>
次に、本発明のゲーム装置の第2実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0165】
以下、第2実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
【0166】
本実施形態のゲーム装置1は、移動機構4がZ軸を中心に回転する点以外は、前記第1実施形態のゲーム装置1と同様である。具体的に、本実施形態のゲーム装置1は、
図3に示す移動機構4の下またはその周辺に回転機構(図示しない)を有する。回転機構は、移動機構4の中心軸周りに移動機構4全体を回転させる。回転機構の構成は、移動機構4を回転できる限り、特に限定されない。
【0167】
移動機構4は、中心軸を中心に、時計回りまたは反時計回りに360°回転する。その結果、景品獲得ゲーム装置1Aの景品把持部46は、景品獲得ゲーム装置1Bのゲーム空間215に移動することができる。これにより、景品獲得ゲーム装置1Aの景品把持部46は、景品獲得ゲーム装置1Bの景品把持部46として使用される。
【0168】
このように、本実施形態のゲーム装置1は、移動機構4が回転するため、移動機構4の第2のセットを省略することができ、ゲーム装置1をさらに小型化することができる。また、景品獲得ゲーム装置1Aに景品がなくなっても、景品把持部46を景品獲得ゲーム装置1Bに移動できるので、景品を補充する頻度を少なくすることができる。
【0169】
なお、本実施形態では、移動機構4の第1のセットと第2のセットがある場合を説明したが、第1のセットと第2のセットのいずれかがない場合であってもよい。また、本実施形態のゲーム装置1は、移動機構4が回転するから、複数の景品獲得ゲーム装置で構成されてもよい。
【0170】
<<第3実施形態>>
次に、本発明のゲーム装置の第3実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図25は、本発明の第3実施形態にかかるゲーム装置のゲームフィールドを模式的に示す拡大斜視図である。
【0171】
以下、第3実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付してある。
【0172】
本実施形態のゲーム装置1は、ゲームフィールド5の構成が異なる以外は、前記第1実施形態のゲーム装置1と同様である。具体的に、第3実施形態のゲームフィールド5は、Z軸を中心に時計回りまたは反時計回りに回転するように構成されている。このようなゲームフィールド5は、シャッター機構55と、隔壁56とを有する。
【0173】
<シャッター機構>
シャッター機構55は、図示しない駆動部と、可動部552と、シャッター部553とを有する。
(駆動部)
駆動部は、可動部552を回転可動させる機能を有し、例えば、回転モーターで構成されている。駆動部は、可動部552の下部で、筐体下部22内に設けられている。
【0174】
(可動部)
可動部552は、シャッター部553を回転させる機能を有する。そのため、可動部552は、シャッター部553の中心に円柱状に形成されている。可動部552は、その下部に設けられた駆動部と接続されている。そのため、駆動部の回転駆動により、可動部552は、回転するようになっている。また、可動部552は、その側面に、シャッター部553を受けるための開口部(図示しない)を有する。
【0175】
(シャッター部)
シャッター部553は、第1実施形態の景品補充装置6の景品補充ユニット61で構成されている。景品補充ユニット61は、その本体611が可動部552の前記開口部に嵌合され、載置部618のみが図示されている。載置部(「支持体」ともいう)618は、景品を支持し、棒状または長尺状に形成されている。景品補充ユニット61の数は、特に限定されず、1つでも2以上の複数であってもよい。景品補充ユニット61の数を少なくする場合、開口216の露出面積を減らすために、載置部618を平板状や扇状にすることもできる。これにより、載置部618の面積を大きくすることができる。
【0176】
載置部618は、その基端で嵌合部6163に接続され、本体611から突出するように開口216の径方向に沿って水平に設けられている。景品補充ユニット61の係止部615と変位部616との係止が解除されることで、載置部618はその基端を中心に回動し、鉛直下方に変位する。これにより、ゲーム空間215と景品取出空間223が連通するようになる。そして、載置部618に配置されていた景品は、景品取出空間223に落下する。
【0177】
<隔壁>
隔壁56は、可動部552の側面から突出するように、開口216にわたって、複数の支持体554の間に設けられる。そのため、隔壁56は、開口216を複数の領域に仕切る機能を有する。本実施形態では、
図25に示すように、隔壁56は、開口216を等間隔に4つの第1~第4の領域に仕切る。これにより、複数の景品補充ユニット61が、第1~第4の領域に分けられる。また、景品の種類や大きさに分けて、第1~第4の領域に景品を配置することができる。なお、隔壁56の数は特に限定されず、0、1または2以上の複数であってもよい。
【0178】
本実施形態のゲーム装置1は、景品把持部46が景品を把持し、ホームポジションに戻ると、例えば、第1の領域216aの複数の載置部618aが変位する。この時、全ての載置部618aが一度に変位しても、順を追って変位してもよい。また、1プレイ毎に1つの載置部618aが変位しても、景品把持部46が景品を把持した状態でホームポジションに戻った時に1つの載置部618aが変位してもよい。これらの変位は、制御部9によって制御される。
【0179】
本実施形態では、可動部552が回転するため、載置部618が変位したとしても、ホームポジションから落下した景品が確実に景品取出空間223に移行するとは限らない。具体的に、第1の領域216aの複数の載置部618aが変位し、景品が落下した位置が第1の領域216aと一致した場合、景品は第1の領域216aを介して景品取出空間223に落下する。しかし、景品が落下した位置が第1の領域216aと一致しない場合、景品は他の第2~第4の領域に落下する。この場合、景品は、第2~第4の複数の載置部618に支持される。また、景品は、第2~第4の複数の載置部618でバウンドして、第1の領域216aから落下することもある。このような構成により、本実施形態のゲーム装置1は、景品獲得の困難さを提供するとともに、プレイヤに興奮感を与えることができる。
【0180】
本実施形態のゲームフィールド5は回転するので、ゲームフィールド5は、景品獲得ゲーム装置1Aおよび1Bのための1つのゲームフィールド5として使用されてもよい。この場合、例えば、
図25の可動部552上に
図1の移動機構4が設置される。これにより、1つのゲーム装置1で多種類の景品を獲得できる。また、ゲームフィールド5の回転による景品の位置と、景品把持部46の下降の位置とを合わせなければならないため、プレイヤに景品獲得の困難さを提供することができる。
【0181】
<<第4実施形態>>
次に、本発明のゲーム装置の第4実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図26は、本発明の第4実施形態にかかるゲーム装置の移動機構を模式的に示す拡大斜視図である。
【0182】
以下、第4実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付してある。
【0183】
本実施形態のゲーム装置1では、移動機構4の可動部45の構成が異なる以外は、前記第1実施形態のゲーム装置1と同様である。具体的に、第4実施形態の移動機構4の可動部45は、受け部452と接続部453との間に連結部(回動部)454を有する。連結部454は、軸42と直交するX軸を中心に、景品把持部46を回動させる機能を有する。連結部454は、図示しない回転モーター(例えば、景品把持部46の回転モーター)により、回動する。
【0184】
これにより、景品把持部46のアーム部405を景品補充装置6側に向けることができる。そのため、アーム部405は、景品補充装置6の載置部618上の景品を把持することができる。これにより、景品補充装置6が可動しなくても、景品把持部46で景品をゲームフィールド5に落下させることができる。このように、本実施形態のゲーム装置1は、景品把持部46で景品をゲームフィールド5に補充することができるので、景品補充装置6の特別の機構を必要としない。すなわち、景品補充装置6は、単なる景品棚として機能することができる。
【0185】
なお、アーム部405が景品を把持した後、連結部454は、再び可動し、景品把持部46を元の状態に戻す。また、ゲームフィールド5上の景品の配置状態に応じて、連結部454を可動させ、景品把持部46自体をZ軸に対して角度をつけてもよい。これにより、景品の配置状態によっては、景品を把持できる可能性を高めることができる。
【0186】
<<第5実施形態>>
次に、本発明のゲーム装置の第5実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図27は、本発明の第5実施形態にかかるゲーム装置の移動機構を模式的に示す拡大斜視図である。
【0187】
以下、第5実施形態について説明するが、前述した第1、第4実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付してある。
【0188】
本実施形態のゲーム装置1では、移動機構4の可動部45の構成が異なる以外は、前記第1および第4実施形態のゲーム装置1と同様である。具体的に、本実施形態の可動部45は、連結部(延伸部)454がX軸方向に延伸するように構成されている。例えば、操作部3からの入力情報を受けると、動作制御部93は、連結部454をX軸方向に延伸させるよう駆動部41を制御する。これにより、可動部45の先端に設けられた景品把持部46がX軸方向に移動することになる。
【0189】
このような延伸は、1段階でも、2段階以上の多段階で実行されてもよい。本実施形態では、
図27に示すように、延伸は2段階で実行される。具体的に、連結部454は、接続部453よりも径の小さい第1の延伸部と、第1の延伸部よりも径の小さい第2の延伸部とを有する。第2の延伸部は第1の延伸部に、第1の延伸部は接続部453に収容される。そのため、第1の延伸部が接続部453から延び、第2の延伸部が第1の延伸部から更に延びることができる。これにより、ゲームフィールド5のどのような位置に景品が配置されていても、景品把持部46を景品の直上に配置することができる。
【0190】
このように、本実施形態のゲーム装置1では、連結部454の延伸により景品把持部46がX軸方向に移動するので、ゲームフィールド5から離れた位置に移動機構4を配置することができる。そのため、第1実施形態と異なり、移動機構4を筐体上部21の側面側に配置することができる。これにより、景品獲得ゲーム装置1Aと1Bとの間のスペースを他の用途に有効活用することができる。
【0191】
また、景品把持部46が水平方向に移動できるため、アーム部405が景品を把持した状態で、景品獲得ゲーム装置1Aから景品獲得ゲーム装置1Bのゲームフィールド5に景品を移動させることができる。これにより、ホームポジションから景品を落下させることなく、景品を景品獲得ゲーム装置1Bの景品取出空間223に移行させることができる。したがって、衝撃に弱い景品であっても、損傷することなく景品を景品取出空間223に移行させることができる。また、景品把持部46を吊るし部材で受け部452に吊るしてもよい。
【0192】
<<第6実施形態>>
次に、本発明のゲーム装置の第6実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図28は、本発明の第6実施形態にかかるゲーム装置のゲームフィールドを模式的に示す拡大斜視図である。
【0193】
以下、第6実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付してある。
【0194】
本実施形態のゲーム装置1は、シャッター機構51およびセンサー装置53の構成が異なる点以外は、前記第1実施形態のゲーム装置1と同様である。具体的に、シャッター機構51のシャッター部513は、2枚の扉で構成され、開き扉として機能する。シャッター部513の形状は、すり鉢状、凸状、半球状、湾曲凹状などが挙げられる。本実施形態では、シャッター部513の形状は、すり鉢状や湾曲凹状が好ましい。これにより、景品を確実にシャッター部513に保持することができる。シャッター機構51の移動部5123は、シャッター部513の2枚の扉に直接または図示しない部材を介して間接的に接続される。これにより、シャッター部513は、移動部5123の移動により開閉する。
【0195】
シャッター部513の2枚の扉の一端はそれぞれ、例えば、筐体下部22の配置領域225にヒンジ接続されている。そして、2枚の扉の他端は、互いに対向してする。すなわち、シャッター部513は、2枚の扉の一端(Y軸)を中心に、水平面から鉛直下面の間をほぼ90°回動する。また、シャッター部513の2枚の扉は、それらの他端が互いに対向したとき、1対の貫通孔5132が形成されるように、切り欠きが形成されている。シャッター部513はすり鉢状に形成されているため、シャッター部513が閉じた状態で、シャッター部513をY軸方向に見たとき、1対の貫通孔5132は、重なっている。これにより、後述するセンサー装置53aからの光を通すことができる。
【0196】
センサー装置53は、筐体下部22に設けられたセンサー装置53aを有する。センサー装置53aは、シャッター部513の開閉方向と直行する方向(Y軸方向)に離間して設けられた1対の光電センサーで構成されている。1対の光電センサーの発光部から発光された光は、1対の貫通孔5132を通って、受光部に到達する。これにより、制御部9は、景品がシャッター部513に存在するか否かを判断することができる。
【0197】
<<第7実施形態>>
次に、本発明のゲーム装置の第7実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図29は、本発明の第7実施形態にかかるゲーム装置のゲームフィールドを模式的に示す拡大斜視図である。
【0198】
以下、第7実施形態について説明するが、前述した第1、第3実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第1、第3実施形態と同様の構成には、同一の符号を付してある。
【0199】
本実施形態のゲーム装置1は、ゲームフィールド5の構成が異なり、ゲームフィールド5が回転しない点以外は、前記第1、第3実施形態のゲーム装置1と同様である。具体的に、シャッター機構51は、シャッター部513のみで構成されている。このようなシャッター部513は、第3実施形態と同様に、景品補充ユニット61で構成されている。景品補充ユニット61の嵌合部6163は、筐体下部22の図示しない開口部(図示しない)に嵌合接続されている。そのため、
図29に示されるように、複数の載置部618は、筐体下部22側から突出するように開口216の中心に向けて延びている。
【0200】
本実施形態のゲーム装置1では、景品把持部46が景品を把持し、ホームポジションに戻ると、例えば、複数の載置部618の全てを変位させても、一部のみ変位させてもよい。これらの変位は、制御部9によって制御される。制御部9が複数の載置部618の一部を変位させる場合、景品が載置部618に落下しても、景品が景品取出空間223に移行しない場合がある。そのため、プレイヤに景品獲得の困難さを提供するとともに、興奮感を与えることができる。このような場合、景品は、変位していない載置部618に支持される。そのため、次のゲームプレイで、載置部618の変位により、景品の姿勢が変わり、景品取出空間223に落下することがある。これにより、景品を獲得できるイメージをプレイヤに与えることができる。
【0201】
なお、本実施形態のゲームフィールド5は、第3実施形態と同様、回転してもよい。これにより、第3実施形態のゲーム装置1と同様の効果を発揮する。また、複数の載置部618の外周に、複数の載置部618と対応するように、発光装置が設けられてもよい。これにより、ゲーム装置1の装飾的効果を発揮することができる。さらに、制御部9、操作部3への入力情報を受けることにより、点灯した発光装置に対応する載置部618のみを変位させるよう制御することもできる。
【0202】
<<第8実施形態>>
次に、本発明のゲーム装置の第実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図30は、本発明の第8実施形態にかかるゲーム装置を模式的に示す斜視図である。以下、第8実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付してある。
【0203】
本実施形態のゲーム装置1は、景品把持部46および入力部7の構成が異なる点以外は、前記第1実施形態のゲーム装置1と同様である。まず、景品把持部46は、本体49の上部に押圧部494を有する。押圧部494の形状は、特に限定されないが、棒状に形成れている。押圧部494は、本体49の中心軸から径方向に所定の距離離れた位置に配置されている。所定の距離は、特に限定されず、後述する入力部7のスイッチング手段71と重なるように設けられる。
【0204】
入力部7は、その下部にスイッチング手段71を有する。スイッチング手段71は、シャッター部513を開くためのトリガーとして機能する。スイッチング手段71は、1つでも、2以上の複数であってもよい。スイッチング手段71は、入力部7の中心軸(Z軸)周りに所定の間隔をおいて配置される。また、スイッチング手段71は、凹状あっても、ボタン状であっても、孔状に形成されていてもよい。複数のスイッチング手段71は、入力部7の周方向に沿って、円環状に配置される。このようなスイッチング手段71は、中心軸を中心に、時計回りまたは反時計回りに回転している。
【0205】
景品把持部46が上昇すると、押圧部494がスイッチング手段71に到達する。この時、スイッチング手段71は回動しているため、押圧部494とスイッチング手段71との位置が合うと、スイッチング手段71は、押圧部494に押圧される。これにより、制御部9は、入力部7から入力情報を取得し、シャッター機構51の駆動部511を駆動さる。これにより、シャッター部513が開き、景品が開口216を介して景品取出空間223に落下する。
【0206】
本実施形態のゲーム装置1では、押圧部494がスイッチング手段71を押圧しないとシャッター部513が開かない。そのため、ゲーム装置1に更なるゲーム性を付与することができる。また、スイッチング手段71を操作部3への操作入力で停止させることもできる。すなわち、操作部3への入力情報を情報取得部91が受けると、動作制御部93は、スイッチング手段71の回動を停止させることもできる。この場合、プレイヤの操作によりスイッチング手段71が止まるため、より趣向性の高いゲームをプレイヤに提供できる。
【0207】
なお、スイッチング手段71は、停止していてもよい。また、スイッチング手段71は、第1実施形態のゲーム装置1と同様、トリガーとして機能せず、単なる装飾として機能することもできる。さらに、スイッチング手段71が回転する代わりに、景品把持部46の本体49が回転するようにしてもよい。
【0208】
<<第9実施形態>>
次に、本発明のゲーム装置の第9実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図31は、本発明の第9実施形態にかかるゲーム装置の移動機構を模式的に示す斜視図である。以下、第9実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付してある。
【0209】
本実施形態のゲーム装置1は、移動機構4の可動部45の構成が異なる点以外は、前記第1実施形態のゲーム装置1と同様である。具体的に、本実施形態のゲーム装置1は、第2実施形態と同様に、
図31に示す移動機構4の下またはその周辺に回転機構(図示しない)を有する。回転機構は、可動部45の基部451を軸42周りに回転させる。本実施形態の可動部45は、軸42を中心軸として、ゲームフィールド5に対して平行に回転するように構成されている。
【0210】
基部451は、軸42を中心に、時計回りまたは反時計回りに360°回転する。その結果、受け部452に連結した景品把持部46も軸42を中心に回転する。これにより、景品獲得ゲーム装置1Aの景品把持部46は、景品獲得ゲーム装置1Bの景品把持部46として使用されることができる。
【0211】
このように、本実施形態のゲーム装置1は、基部451が回転するため、移動機構4の第2のセットを省略することができ、ゲーム装置1をさらに小型化することができる。また、景品獲得ゲーム装置1Aに景品がなくなっても、景品把持部46を景品獲得ゲーム装置1Bに移動できるので、景品を補充する頻度を少なくすることができる。さらに、景品把持部46が軸42を中心に回転するので、複数のゲームフィールド5を有するゲーム装置に使用することができる。
【0212】
なお、本実施形態では、移動機構4の第2のセットがあるため、第2のセットの軸42と接触しないよう、基部451は300~340°の範囲で回転してもよい。また、基部451を回転させる駆動機構が基部451内に設けられていてもよい。この場合、配線48により、駆動機構に電力が供給される。さらに、第2実施形態と組み合わせて使用してもよい。
【0213】
<<第10実施形態>>
次に、本発明のゲーム装置の第10実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図32は、本発明の第10実施形態にかかるゲーム装置のゲームフィールドを模式的に示す斜視図である。以下、第10実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付してある。
【0214】
本実施形態のゲーム装置1は、移動機構4およびゲームフィールド5の構成が異なる点以外は、前記第1実施形態のゲーム装置1と同様である。具体的に、本実施形態のゲーム装置1は、移動機構4が第1セットのみで構成され、4つのゲームフィールド5を有している。換言すると、本実施形態のゲーム装置1は、景品獲得ゲーム装置1A~1Dが移動機構4の1つのセットを含んで構成されている。複数のゲームフィールド5は、第2、3実施形態と同様に、図示しない回転機構により、軸42を中心軸に回転する。
【0215】
これにより、移動機構4の第2のセットを省略することができ、ゲーム装置1をさらに小型化することができる。また、景品獲得ゲーム装置1Aのゲームフィールド5に景品がなくなっても、景品獲得ゲーム装置1Bのゲームフィールド5が回転するので、景品把持部46の直下に景品を配置することができる。さらに、複数のゲームフィールド5が存在するので、景品を補充する頻度を少なくすることができ、ゲーム管理者の負担を軽減することができる。
【0216】
なお、本実施形態では、ゲームフィールド5が固定され、第9実施形態のように、景品把持部46が回転する構成であってもよい。また、本実施形態は、第2、3実施形態と組み合わせて使用してもよい。
【0217】
<<その他の形態>>
その他、第1実施形態では、1つの景品獲得ゲーム装置1Aが1つのゲームフィールド5と、移動機構4の第1セットとを有するとして説明した。しかしながら、1つの景品獲得ゲーム装置1Aが複数のゲームフィールド5を有していてもよい。この場合、移動機能4の第2のセットの可動部45を第1のセットの可動部45に対して角度付けして配置してもよい。また、景品把持部46がホームポジションに位置したとき、ゲームフィールド5が上昇するように構成してもよい。
【0218】
以上、本発明のゲーム装置を、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の手段または構成物が付加されていてもよい。また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。さらに、本発明の景品把持部はシャベル型でも棒型であってもよい。
【符号の説明】
【0219】
1…ゲーム装置 1A、1B…景品獲得ゲーム装置 2…筺体 21…筐体上部 215…ゲーム空間 216…開口 22…筐体下部 221…景品取出口 222…景品取出板 223…景品取出空間 225…配置領域 3…操作部 4…移動機構 41…駆動部 411…モーター 412…本体 42…軸 43…停止機構 431…制動装置 432…プレート 44…ガイドレール 45…可動部 451…基部 452…受け部 453…接続部 454…連結部 46…景品把持部 47…検知装置 471…第1の検知装置群 471a、b…下限センサー 471c…第1の設置部 472…第2の検知装置群 472a…ホームポジション用センサー 472b…上限センサー 472c…第2の設置部 48…配線 49…本体 491…スリップリング部 493…カバー部材 492…モーター 40…回転体 401…フランジ 402…アームユニット 403…カバー部材 404…可動ユニット 405…アーム部 494…押圧部 5…ゲームフィールド 51、55…シャッター機構 511…駆動部 512、552…可動部 513、553…シャッター部 52…補助フィールド 521…枠状部 522…傾斜部 523…開口 53…センサー装置 56…隔壁 6…景品補充装置 60…基台 601…支柱 602…連結部材 61…景品補充ユニット 611…本体 612…駆動部 613…動力伝達部 614…動力付与部 615…係止部 616…変位部 617…手動機構 618…載置部 62…ガイド部 7…入力部 71…スイッチング手段 8…記憶部 9…制御部 91…情報取得部 92…情報処理部 93…動作制御部 94…情報設定部
【要約】
【課題】ゲーム装置を小型化し、プレイヤに興奮感を与えることができるゲーム装置に用いられる移動機構およびそれに用いられる把持装置を提供すること。
【解決手段】第1の駆動部を有する本体と、本体の下方に設けられた回転体とを有し、景品を把持するための把持装置が提供される。本体は、回転体と接続するスリップリング部を有する。回転体は、景品を把持するアームユニットを有し、第1の駆動部の駆動により、スリップリング部の中心軸を中心に回動するように構成されている。また、ゲーム空間にある景品を景品取出空間に開口を介して移行させるゲーム装置に使用される移動機構が提供される。移動機構は、駆動部と、駆動部に接続された支持部と、支持部に接続され、支持部に沿って移動可能な第1の可動部と、第1の可動部に設けられる景品把持部とを有する。
【選択図】
図3