(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-08
(45)【発行日】2025-04-16
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20250409BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20250409BHJP
G06Q 30/0241 20230101ALI20250409BHJP
【FI】
G06Q30/0601 330
G06Q50/10
G06Q30/0241 446
(21)【出願番号】P 2024113723
(22)【出願日】2024-07-17
【審査請求日】2024-07-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原澤 孝明
(72)【発明者】
【氏名】茂木 信二
(72)【発明者】
【氏名】辻 恭平
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-138645(JP,A)
【文献】特開2021-163286(JP,A)
【文献】特開2014-2605(JP,A)
【文献】特開2003-91676(JP,A)
【文献】特開平9-259147(JP,A)
【文献】特開2003-9127(JP,A)
【文献】特開2007-110557(JP,A)
【文献】特表2023-510283(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが視聴可能な動画コンテンツに現れる現実空間を模して構築された仮想空間に対して、前記現実空間には存在しない物品である新規物品に対応する新規仮想物品を挿入するための挿入要求を取得する第1取得部と、
前記第1取得部が取得した前記挿入要求に基づいて、前記仮想空間に前記新規仮想物品を挿入することにより、前記仮想空間を更新する空間管理部と、
前記仮想空間をユーザに提示するための空間提示情報であって、前記空間管理部が更新された前記仮想空間に対応する前記空間提示情報を、前記ユーザが使用するユーザ端末に送信する送信部と、
前記仮想空間が提示された前記ユーザ端末から、前記ユーザが指定した前記新規仮想物品に対応する前記新規物品を特定するための物品特定情報を取得する第2取得部と、
前記第2取得部が取得した前記物品特定情報によって特定される前記新規物品を前記ユーザが購入するための購入処理を実行する購入処理部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記仮想空間には、物品の挿入を許可する許可領域が定められており、
前記第1取得部は、前記新規仮想物品を挿入する位置を示す位置情報を含む前記挿入要求を取得し、
前記空間管理部は、前記仮想空間において前記位置情報によって示される前記新規仮想物品を挿入する位置が前記許可領域内である場合に、前記新規仮想物品を挿入する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記仮想空間には、物品の種類ごとに前記仮想空間において挿入を許可する許可領域が定められており、
前記第1取得部は、前記新規仮想物品の種類を示す情報と、前記新規仮想物品を挿入する位置を示す位置情報とを含む前記挿入要求を取得し、
前記空間管理部は、前記仮想空間において前記位置情報によって示される前記新規仮想物品を挿入する位置が、前記新規仮想物品の種類に対応する前記許可領域内である場合に、前記新規仮想物品を挿入する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記現実空間には、一以上の物品が存在しており、
前記第1取得部は、前記仮想空間において前記現実空間に存在する物品に対応する既存仮想物品であって前記新規仮想物品に置換する前記既存仮想物品を示す置換情報を含む前記挿入要求を取得し、
前記空間管理部は、前記仮想空間において前記置換情報が示す前記既存仮想物品を前記新規仮想物品に置換することにより、前記仮想空間を更新する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1取得部は、前記新規仮想物品の種類を示す情報をさらに含む前記挿入要求を取得し、
前記空間管理部は、前記新規仮想物品の種類と前記置換情報が示す前記既存仮想物品の種類とが同一である場合に、前記仮想空間において前記置換情報が示す前記既存仮想物品を前記新規仮想物品に置換する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記空間管理部は、前記置換情報が示す前記既存仮想物品の外観に関する条件を前記新規仮想物品が満たす場合に、前記仮想空間において前記置換情報が示す前記既存仮想物品を前記新規仮想物品に置換する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記空間管理部は、前記置換情報が示す前記既存仮想物品の外観に関する条件を前記新規仮想物品が満たさない場合、前記既存仮想物品を前記新規仮想物品に置換することができない旨を、前記挿入要求を送信した送信者に通知する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記情報処理装置は、前記仮想空間に挿入可能な複数の仮想物品それぞれに関する情報を記憶する記憶部をさらに有し、
前記第1取得部は、前記記憶部に情報が記憶されている前記複数の仮想物品の中から選択された前記仮想物品を示す情報を、前記新規仮想物品を示す情報として含む前記挿入要求を取得する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記記憶部は、前記仮想物品に関する情報として、前記仮想物品を示す情報と、前記仮想物品の種類とを関連付けて記憶し、
前記第1取得部は、前記挿入要求を取得する前に、一以上の前記既存仮想物品の中から選択された前記既存仮想物品を示す選択情報を取得し、
前記送信部は、前記記憶部に記憶されている前記複数の仮想物品のうち、前記選択情報が示す前記既存仮想物品と同一の種類である前記仮想物品の一覧を、前記選択情報を送信した送信者の端末に送信し、
前記第1取得部は、前記仮想物品の一覧から前記送信者が選択した前記仮想物品を示す情報を、前記新規仮想物品を示す情報として含む前記挿入要求を取得する、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記送信部は、前記第1取得部が前記挿入要求を取得する前に、前記ユーザが指定した前記仮想空間に対応する前記空間提示情報を前記ユーザ端末に送信し、
前記第1取得部は、前記ユーザ端末から前記挿入要求を取得する、
請求項1から9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記第1取得部は、前記新規物品を販売する販売者が使用する販売者端末から前記挿入要求を取得する、
請求項1から9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記送信部は、前記第1取得部が前記挿入要求を取得する前に、前記販売者が指定した前記仮想空間に対応する前記空間提示情報を前記販売者端末に送信する、
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記情報処理装置は、前記動画コンテンツを示す情報と、前記新規物品に関する情報とを関連付けて記憶する記憶部をさらに有し、
前記送信部は、前記動画コンテンツに関連付けられている前記新規物品に関する情報を含む前記空間提示情報を前記ユーザ端末に送信する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記送信部は、前記仮想空間において前記動画コンテンツに出演した出演者に対応する出演者アバターを含む前記仮想空間に対応する前記空間提示情報を前記ユーザ端末に送信する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記送信部は、前記ユーザに対応するユーザアバターを含む前記仮想空間に対応する前記空間提示情報を前記ユーザ端末に送信する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記購入処理部は、前記購入処理として、前記新規物品の決済を実行する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記購入処理部は、前記購入処理として、前記第2取得部が取得した前記物品特定情報によって特定される前記新規物品が販売されているウェブサイトに前記ユーザ端末をアクセスさせる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネットで商品を売買するネットショッピングのサービスが普及している。特許文献1には、物品の売買を管理する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のネットショッピングのサービスのように、販売する物品のみを提示しても、ユーザが当該物品を購入したいという意欲を高めることができない場合があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、ユーザが物品を購入したいという意欲を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る情報処理装置は、ユーザが視聴可能な動画コンテンツに現れる現実空間を模して構築された仮想空間に対して、前記現実空間には存在しない物品である新規物品に対応する新規仮想物品を挿入するための挿入要求を取得する第1取得部と、前記第1取得部が取得した前記挿入要求に基づいて、前記仮想空間に前記新規仮想物品を挿入することにより、前記仮想空間を更新する空間管理部と、前記仮想空間をユーザに提示するための空間提示情報であって、前記空間管理部が更新された前記仮想空間に対応する前記空間提示情報を、前記ユーザが使用するユーザ端末に送信する送信部と、前記仮想空間が提示された前記ユーザ端末から、前記ユーザが指定した前記新規仮想物品に対応する前記新規物品を特定するための物品特定情報を取得する第2取得部と、前記第2取得部が取得した前記物品特定情報によって特定される前記新規物品を前記ユーザが購入するための購入処理を実行する購入処理部と、を有する。
【0007】
前記仮想空間には、物品の挿入を許可する許可領域が定められていてもよいし、前記第1取得部は、前記新規仮想物品を挿入する位置を示す位置情報を含む前記挿入要求を取得してもよいし、前記空間管理部は、前記仮想空間において前記位置情報によって示される前記新規仮想物品を挿入する位置が前記許可領域内である場合に、前記新規仮想物品を挿入してもよい。
【0008】
前記仮想空間には、物品の種類ごとに前記仮想空間において挿入を許可する許可領域が定められていてもよいし、前記第1取得部は、前記新規仮想物品の種類を示す情報と、前記新規仮想物品を挿入する位置を示す位置情報とを含む前記挿入要求を取得してもよいし、前記空間管理部は、前記仮想空間において前記位置情報によって示される前記新規仮想物品を挿入する位置が、前記新規仮想物品の種類に対応する前記許可領域内である場合に、前記新規仮想物品を挿入してもよい。
【0009】
前記現実空間には、一以上の物品が存在してもよいし、前記第1取得部は、前記仮想空間において前記現実空間に存在する物品に対応する既存仮想物品であって前記新規仮想物品に置換する前記既存仮想物品を示す置換情報を含む前記挿入要求を取得してもよいし、前記空間管理部は、前記仮想空間において前記置換情報が示す前記既存仮想物品を前記新規仮想物品に置換することにより、前記仮想空間を更新してもよい。
【0010】
前記第1取得部は、前記新規仮想物品の種類を示す情報をさらに含む前記挿入要求を取得してもよいし、前記空間管理部は、前記新規仮想物品の種類と前記置換情報が示す前記既存仮想物品の種類とが同一である場合に、前記仮想空間において前記置換情報が示す前記既存仮想物品を前記新規仮想物品に置換してもよい。
【0011】
前記空間管理部は、前記置換情報が示す前記既存仮想物品の外観に関する条件を前記新規仮想物品が満たす場合に、前記仮想空間において前記置換情報が示す前記既存仮想物品を前記新規仮想物品に置換してもよい。
【0012】
前記空間管理部は、前記置換情報が示す前記既存仮想物品の外観に関する条件を前記新規仮想物品が満たさない場合、前記既存仮想物品を前記新規仮想物品に置換することができない旨を、前記挿入要求を送信した送信者に通知してもよい。
【0013】
前記情報処理装置は、前記仮想空間に挿入可能な複数の仮想物品それぞれに関する情報を記憶する記憶部をさらに有してもよいし、前記第1取得部は、前記記憶部に情報が記憶されている前記複数の仮想物品の中から選択された前記仮想物品を示す情報を、前記新規仮想物品を示す情報として含む前記挿入要求を取得してもよい。
【0014】
前記記憶部は、前記仮想物品に関する情報として、前記仮想物品を示す情報と、前記仮想物品の種類とを関連付けて記憶してもよいし、前記第1取得部は、前記挿入要求を取得する前に、一以上の前記既存仮想物品の中から選択された前記既存仮想物品を示す選択情報を取得してもよいし、前記送信部は、前記記憶部に記憶されている前記複数の仮想物品のうち、前記選択情報が示す前記既存仮想物品と同一の種類である前記仮想物品の一覧を、前記選択情報を送信した送信者の端末に送信してもよいし、前記第1取得部は、前記仮想物品の一覧から前記送信者が選択した前記仮想物品を示す情報を、前記新規仮想物品を示す情報として含む前記挿入要求を取得してもよい。
【0015】
前記送信部は、前記第1取得部が前記挿入要求を取得する前に、前記ユーザが指定した前記仮想空間に対応する前記空間提示情報を前記ユーザ端末に送信してもよいし、前記第1取得部は、前記ユーザ端末から前記挿入要求を取得してもよい。
前記第1取得部は、前記新規物品を販売する販売者が使用する販売者端末から前記挿入要求を取得してもよい。
前記送信部は、前記第1取得部が前記挿入要求を取得する前に、前記販売者が指定した前記仮想空間に対応する前記空間提示情報を前記販売者端末に送信してもよい。
【0016】
前記情報処理装置は、前記動画コンテンツを示す情報と、前記新規物品に関する情報とを関連付けて記憶する記憶部をさらに有してもよいし、前記送信部は、前記動画コンテンツに関連付けられている前記新規物品に関する情報を含む前記空間提示情報を前記ユーザ端末に送信してもよい。
【0017】
前記送信部は、前記仮想空間において前記動画コンテンツに出演した出演者に対応する出演者アバターを含む前記仮想空間に対応する前記空間提示情報を前記ユーザ端末に送信してもよい。
【0018】
前記送信部は、前記ユーザに対応するユーザアバターを含む前記仮想空間に対応する前記空間提示情報を前記ユーザ端末に送信してもよい。
【0019】
前記購入処理部は、前記購入処理として、前記新規物品の決済を実行してもよい。
前記購入処理部は、前記購入処理として、前記第2取得部が取得した前記物品特定情報によって特定される前記新規物品が販売されているウェブサイトに前記ユーザ端末をアクセスさせてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ユーザが物品を購入したいという意欲を高めることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本実施の形態において前提となる情報処理システムの概要を説明するための図である。
【
図2】本実施の形態における情報処理システムの概要を説明するための図である。
【
図4】コンテンツ管理データベースの構成の一例を示す図である。
【
図5】空間編集画面の一例を模式的に表した図である。
【
図6】空間編集画面の一例を模式的に表した図である。
【
図7】仮想物品のリストの構成の一例を示す図である。
【
図8】コンテンツ一覧画面の一例を模式的に表した図である。
【
図9】コンテンツ再生画面の一例を模式的に表した図である。
【
図10】ユーザに提示される仮想空間の一例を模式的に表した図である。
【
図11】情報処理システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[本実施の形態において前提となる情報処理システムS1の概要]
まず、本実施の形態において前提となる情報処理システムS1の概要について説明する。
図1は、本実施の形態において前提となる情報処理システムS1の概要を説明するための図である。情報処理システムS1は、ユーザに情報処理サービスを提供するために用いられるシステムである。ユーザは、情報処理サービスの会員であってもよいし、情報処理サービスの非会員であってもよい。
【0023】
情報処理サービスは、所定の物品を、仮想空間を介してユーザに提供するためのサービスである。所定の物品は、動画コンテンツで用いられた物品であり、例えば、量産品、一点物、家具、食品等である。なお、所定の物品は、動画コンテンツで用いられた物品と類似する物品であってもよい。動画コンテンツは、ユーザが視聴可能な映像作品であり、例えば、ドラマ、映画等である。本実施の形態における仮想空間は、動画コンテンツに現れる現実空間を模して構築された仮想空間であって、現実空間に存在する一以上の物品それぞれに対応する一以上の仮想物品が存在する仮想空間である。仮想物品は、現実空間に存在する物品を模したオブジェクトである。本実施の形態における現実空間(現実空間の構造物)は、例えば、ドラマに現れる部屋等のドラマセットである。例えば、現実空間の構造物と仮想空間の構造物とは、寸法が同じである。また、例えば、現実空間に存在する物品と、仮想物品とは、寸法が同じである。
【0024】
情報処理サービスは、動画配信等のように動画コンテンツを提供するサービスと、ネットショッピング等のように商品を販売するサービスとをさらに含んでもよい。情報処理システムS1は、ユーザ端末1と、情報処理装置2とを有する。
【0025】
ユーザ端末1は、ユーザが使用する端末であり、例えば、スマートフォン、タブレットPC、パーソナルコンピュータ、VR(Virtual Reality)ゴーグル、ヘッドマウントセット等である。ユーザ端末1には、情報処理サービスを提供するための専用のアプリケーションプログラム(以下、「専用アプリ」という。)がインストールされている。ユーザは、ユーザ端末1の専用アプリを用いることにより情報処理サービスを利用することができる。なお、情報処理サービスは、専用アプリではなく、インターネットにおいて提供されてもよい。
【0026】
情報処理装置2は、情報処理サービスを管理する装置であり、例えば、サーバである。
以下、情報処理システムS1が実行する処理について説明する。
【0027】
図1に示す空間V1は、あるドラマセットを模して構築された仮想空間である。空間V1には、仮想物品である様々な仮想オブジェクトO(仮想オブジェクトO1、O2、O3)が存在する。
【0028】
この場合において、まず、ユーザがユーザ端末1に表示された専用アプリの表示画面において空間V1を表示するための操作を行うと、情報処理装置2は、空間V1に対応する空間提示情報を送信する(
図1における(1))。空間提示情報は、仮想空間をユーザに提示するための情報である。
【0029】
空間V1が提示されたユーザ端末1においてユーザが複数の仮想オブジェクトOの中から購入を希望する仮想オブジェクトO2を選択すると、ユーザ端末1は、ユーザが選択した仮想オブジェクトO2に対応する物品特定情報を情報処理装置2に送信する(
図1における(2))。物品特定情報は、ユーザが選択した仮想物品に対応する物品を特定するための情報であり、例えば、物品のID(identification)である。
【0030】
そして、情報処理装置2は、ユーザ端末1から物品特定情報を取得すると、当該物品特定情報によって特定される物品(仮想オブジェクトO2に対応するソファ)をユーザが購入するための処理を実行する(
図1における(3))。このようにすることで、情報処理システムS1は、動画コンテンツにおいて用いられた物品をユーザが入手しやすくする仕組みを提供することができる。
【0031】
[本実施の形態における情報処理システムS2の概要]
続いて、本実施の形態における情報処理システムS2の概要について説明する。
図2は、本実施の形態における情報処理システムS2の概要を説明するための図である。
【0032】
動画コンテンツを視聴したユーザは、その動画コンテンツに何らかの興味があるユーザである蓋然性が高い。動画コンテンツに興味のあるユーザであれば、その動画コンテンツのシーンやそれに対応する現実空間に対して一定の印象を持っていたり、何らかの感情移入があったりすることが考えられる。仮に、販売する物品が動画コンテンツに用いられていない物品であっても、ユーザは、物品のみが提示される場合よりも、動画コンテンツに対応する現実空間を模して構築された仮想空間において物品が提示される場合の方が、当該物品を購入したいという意欲が高まることが考えられる。そこで、情報処理システムS2は、動画コンテンツに現れる現実空間を模して構築された仮想空間において、動画コンテンツに用いられていない物品に対応する仮想物品をユーザに提示する。
【0033】
情報処理システムS2が提供する情報処理サービスには、さらに、物品を販売する販売者が仮想空間を編集するサービスが含まれる。情報処理システムS2は、さらに、販売者端末3を有する。
【0034】
販売者端末3は、販売者が使用する端末であり、例えば、スマートフォン、タブレットPC、パーソナルコンピュータ、VRゴーグル、ヘッドマウントセット等である。販売者端末3には、例えば、専用アプリがインストールされている。販売者は、ユーザ端末1の専用アプリを用いることにより情報処理サービスを利用することができる。
以下、情報処理システムS2が実行する処理について説明する。
【0035】
まず、販売者が販売者端末3に空間V1を表示させ、販売者端末3に表示された空間V1において新たな仮想オブジェクトO(例えば、絵画の仮想オブジェクトO)を挿入するための操作を行うと、販売者端末3は、新たな仮想オブジェクトOの挿入要求を情報処理装置2に送信する(
図2における(1))。新たな仮想オブジェクトOは、空間V1に存在しない仮想オブジェクトOである。また、新たな仮想オブジェクトOに対応する物品は、空間V1に対応する現実空間には存在しない物品である。
【0036】
情報処理装置2は、販売者端末3から新たな仮想オブジェクトOの挿入要求を取得すると、仮想空間を空間V1から空間V2に更新する(
図2における(2))。空間V2には、絵画の仮想オブジェクトOである仮想オブジェクトO4が存在している。
【0037】
情報処理装置2が仮想空間を更新した後において、ユーザがユーザ端末1に表示された専用アプリの表示画面においてあるドラマの仮想空間を表示するための操作を行うと、情報処理装置2は、空間V2に対応する空間提示情報を送信する(
図2における(3))。空間V2が提示されたユーザ端末1においてユーザが複数の仮想オブジェクトOの中から購入を希望する仮想オブジェクトOとして仮想オブジェクトO4を選択すると、ユーザ端末1は、ユーザが選択した仮想オブジェクトO4に対応する物品特定情報を情報処理装置2に送信する(
図2における(4))。
【0038】
そして、情報処理装置2は、ユーザ端末1から物品特定情報を取得すると、当該物品特定情報によって特定される物品(仮想オブジェクトO4に対応する絵画)であって、ドラマセットには存在しない物品をユーザが購入するための処理を実行する(
図2における(5))。このようにすることで、情報処理システムS2は、ユーザが物品を購入したいという意欲を高めることができる。
以下、情報処理装置2の構成について説明する。
【0039】
[情報処理装置2の構成]
図3は、情報処理装置2のブロック図である。
図3において、矢印は主なデータの流れを示しており、
図3に示したもの以外のデータの流れがあってもよい。
図3において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、
図3に示すブロックは単一の装置内に実装されてもよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてもよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてもよい。
【0040】
情報処理装置2は、通信部21と、記憶部22と、制御部23とを有する。情報処理装置2は、2つ以上の物理的に分離した装置が有線又は無線で接続されることにより構成されてもよい。また、情報処理装置2は、コンピュータ資源の集合であるクラウドによって構成されてもよい。
【0041】
通信部21は、ネットワークを介してユーザ端末1又は販売者端末3等の外部の装置との間でデータを送受信するための通信コントローラを有する。通信部21は、外部の装置からネットワークを介して受信したデータを制御部23に通知する。また、通信部21は、ネットワークを介して、制御部23から出力されたデータを外部の装置に送信する。
【0042】
記憶部22は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部22は、情報処理装置2の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部23との間でデータの授受を行ってもよい。記憶部22は、制御部23が実行するプログラムを予め記憶している。
【0043】
記憶部22は、ユーザに関する情報を記憶している。ユーザに関する情報は、例えば、ユーザのID、住所、クレジットカードの番号、動画コンテンツの視聴履歴、動画コンテンツのファンクラブの会員であるか否か、情報処理サービスの無料会員であるか有料会員であるか等である。ユーザに関する情報には、さらに、ユーザ生成情報が含まれてもよい。ユーザ生成情報は、仮想空間においてユーザに対応するユーザアバターを生成するための情報であり、例えば、ユーザアバターの見た目を構成するための情報を含む。ユーザ生成情報は、予め定められた情報であってもよいし、ユーザが設定した情報であってもよい。
【0044】
また、記憶部22は、販売者に関する情報を記憶している。販売者に関する情報は、例えば、販売者のID、販売者の名称等である。また、記憶部22は、動画コンテンツに関する情報を管理するコンテンツ管理データベースを記憶している。
【0045】
図4は、コンテンツ管理データベースの構成の一例を示す図である。
図4に示すコンテンツ管理データベースは、コンテンツIDと、場面IDと、空間生成情報と、物品情報(物品ID、物品生成情報、販売種別、価格、処理種別等)とを関連付けて記憶している。
【0046】
コンテンツIDは、動画コンテンツを識別するための情報である。場面IDは、動画コンテンツに含まれる場面を識別するための情報である。なお、場面IDは、場面に対応する仮想空間を識別するための情報であってもよい。空間生成情報は、仮想空間を生成するための情報であって、動画コンテンツの動画像又はドラマセット等の現実空間をスキャンしたスキャン画像に基づいて生成された情報である。空間生成情報には、例えば、壁や床等のようにドラマセットの見た目を構成するための情報が含まれる。
【0047】
物品IDは、物品を識別するための情報である。物品IDは、現実空間に存在する物品と、仮想空間に存在する仮想物品とにおいて共通に用いられる情報である。なお、コンテンツ管理データベースは、物品のIDに関連付けて仮想物品のIDをさらに記憶してもよい。物品生成情報は、仮想空間において物品に対応する仮想物品を生成するための情報であって、動画コンテンツの動画像、ドラマセット等の現実空間又は物品のみをスキャンしたスキャン画像に基づいて生成された情報である。物品生成情報には、例えば、仮想物品の形状、大きさ等の見た目を構成するための情報や仮想空間において仮想物品を配置する位置等が含まれる。販売種別は、物品が、販売される売品であるか販売されない非売品であるかを示す情報である。処理種別は、物品の代金を決済で処理するか、物品が販売されているウェブサイトにアクセスさせるかのうちの少なくともいずれかを示す情報である。処理種別が、物品が販売されているウェブサイトにアクセスさせることを示す場合(物品が情報処理サービスで販売されない物品である場合)、コンテンツ管理データベースは、さらに、当該物品が販売されているウェブサイトのURL(Uniform Resource Locator)を関連付けて記憶してもよい。
【0048】
なお、コンテンツ管理データベースに記憶される情報は、
図4に示す例に限らない。例えば、コンテンツ管理データベースは、動画コンテンツのタイトル、動画コンテンツの動画像、仮想空間のイメージを表示したサムネイル画像、場面の名称、場面が現れる動画像の期間、仮想空間のID、物品の名称、物品の種類を示す情報、物品の在庫数、物品の売れ行き(例えば、売れているか否か)を示す情報、販売者のID等をさらに記憶してもよい。また、コンテンツ管理データベースは、出演者生成情報をさらに記憶してもよい。出演者生成情報は、仮想空間において動画コンテンツに出演した出演者に対応する出演者アバターを生成するための情報であり、例えば、出演者アバターの見た目を構成するための情報を含む。
【0049】
図3に戻り、制御部23は、取得部231と、送信部232と、空間管理部233と、決定部234と、購入処理部235と、通知部236と、特定部237と、支払い処理部238と、請求管理部239とを有する。制御部23は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部22に記憶されたプログラムを実行することにより、取得部231、送信部232、空間管理部233、決定部234、購入処理部235、通知部236、特定部237、支払い処理部238及び請求管理部239として機能する。
【0050】
[編集処理]
まず、仮想空間を編集するために情報処理装置2が実行する処理について説明する。
【0051】
取得部231は、ユーザが視聴可能な動画コンテンツに現れる現実空間を模して構築された仮想空間に対して、当該現実空間には存在しない物品(以下、「新規物品」という。)に対応する仮想物品(以下、「新規仮想物品」という。)を挿入するための挿入要求を取得する第1取得部として機能する。
【0052】
取得部231は、例えば、新規物品を販売する販売者が使用する販売者端末3から新規仮想物品の挿入要求を取得する。情報処理装置2は、例えば、以下の2つのステップを実行することにより、販売者端末3から新規仮想物品の挿入要求を取得する。
【0053】
第1のステップとして、送信部232は、取得部231が新規仮想物品の挿入要求を取得する前に、販売者が指定した仮想空間を当該販売者に提示する。具体的には、送信部232は、取得部231が新規仮想物品の挿入要求を取得する前に、販売者が指定した仮想空間に対応する空間提示情報(例えば、動画コンテンツのID、動画コンテンツのID及び場面のIDの組み合わせ、又は仮想空間のID等)を販売者端末3に送信する。詳細については後述するが、送信部232は、取得部231が販売者端末3から取得した空間特定情報に基づく空間提示情報を販売者端末3に送信する。
【0054】
第2のステップとして、取得部231は、送信部232が仮想空間を提示した販売者端末3から販売者が登録した新規仮想物品の挿入要求を取得する。例えば、新規仮想物品の挿入要求には、空間特定情報と、新規仮想物品に対応する物品情報とが含まれる。
【0055】
例えば、まず、販売者が、販売者端末3の専用アプリを起動させ、指定した仮想空間を表示させるための操作を行うと、販売者端末3は、仮想空間を編集するための空間編集画面において情報処理装置2から取得した空間提示情報に基づく仮想空間を表示させる。販売者が、販売者端末3に表示された空間編集画面において、新規仮想物品に対応する物品データを読み込ませることによって表示された新規仮想物品を仮想空間の所望の位置に挿入するための操作を行うと、販売者端末3は、新規仮想物品の挿入要求を情報処理装置2に送信する。新規仮想物品に対応する物品データは、例えば、新規仮想物品の形状、大きさ等の見た目を構成するための情報である。そして、取得部231は、販売者端末3から新規仮想物品の挿入要求を取得する。
【0056】
図5は、空間編集画面の一例を模式的に表した図である。
図5に示す空間編集画面には、販売者が指定した仮想空間を表示する領域R1と、物品名等を入力する項目や新規仮想物品に対応する物品データを読み込ませるインターフェイス等が設けられた領域R2とが設けられている。
図5(a)において空間編集画面の領域R1には、編集前の仮想空間が表示されており、既存仮想物品として仮想オブジェクトO1、O2、O3が表示されている。
【0057】
この場合において、販売者が、
図5(a)に示す空間編集画面の領域R2において、物品名等を入力する操作、販売者端末3に予め記憶されている新規仮想物品(例えば、絵画)に対応する物品データを読み込ませるための操作等を行うと、販売者端末3は、
図5(b)に示す空間編集画面の領域R1の仮想空間において絵画の仮想オブジェクトOである仮想オブジェクトO4を表示させる。
【0058】
販売者が、
図5(b)に示す空間編集画面の領域R1において、表示された仮想オブジェクトO4を挿入する所望の位置に設定する操作を行い、編集した仮想空間で更新する処理を実行するためのボタンBを押下する操作を行うと、販売者端末3は、空間特定情報と、絵画に対応する物品情報とを含む挿入要求を情報処理装置2に送信する。
【0059】
空間管理部233は、取得部231が取得した新規仮想物品の挿入要求に基づいて、仮想空間に新規仮想物品を挿入することにより、仮想空間を更新する。空間管理部233は、例えば、コンテンツ管理データベースにおいて空間特定情報に関連付けて新規仮想物品に対応する物品情報を記憶させることにより、販売者が登録した新規仮想物品を挿入する。
【0060】
空間管理部233は、仮想空間を更新する場合、コンテンツ管理データベースにおいて仮想空間のバージョンを管理してもよい。例えば、コンテンツ管理データベースには、仮想空間のバージョンを示す情報がさらに記憶されている。この場合において、空間管理部233は、最新のバージョンであることを示す情報と、コンテンツ管理データベースにおいて空間特定情報に予め関連付けられている物品情報と、取得部231が取得した新規仮想物品に対応する物品情報とを関連付けてコンテンツ管理データベースに記憶させる。
【0061】
また、空間管理部233は、販売者が編集した仮想空間を、当該販売者用の仮想空間として管理してもよい。例えば、コンテンツ管理データベースには、販売者のIDがさらに記憶されている。この場合において、空間管理部233は、販売者のIDと、コンテンツ管理データベースにおいて空間特定情報に予め関連付けられている物品情報と、取得部231が取得した新規仮想物品に対応する物品情報とを関連付けてコンテンツ管理データベースに記憶させる。
【0062】
空間管理部233は、仮想空間において新規仮想物品を挿入する位置が予め定められた領域内である場合に、当該新規仮想物品を挿入してもよい。例えば、仮想空間には、物品の挿入を許可する許可領域が定められている。この場合において、情報処理装置2は、以下の2つのステップを実行することにより、新規仮想物品を挿入する。
【0063】
第1のステップとして、取得部231は、新規仮想物品を挿入する位置を示す位置情報を含む挿入要求を取得する。取得部231は、例えば、販売者が空間編集画面において設定した新規仮想物品の位置を示す情報を位置情報として含む挿入要求を取得する。
【0064】
第2のステップとして、空間管理部233は、仮想空間において位置情報によって示される新規仮想物品を挿入する位置が許可領域内である場合に、新規仮想物品を挿入する。例えば、コンテンツ管理データベースには、さらに、許可領域を示す情報(例えば、仮想空間における位置座標の範囲)が、動画コンテンツのID、動画コンテンツのID及び場面のIDの組み合わせ、又は仮想空間のID等(以下、「動画コンテンツのID等」という。)に関連付けて記憶されている。
【0065】
この場合において、まず、空間管理部233は、仮想空間において位置情報によって示される新規仮想物品を挿入する位置が、コンテンツ管理データベースにおいて空間特定情報に関連付けて記憶されている許可領域内であるか否かを判定する。そして、空間管理部233は、仮想空間において位置情報によって示される新規仮想物品を挿入する位置が許可領域内であると判定した場合に、新規仮想物品を挿入する。
【0066】
一方、空間管理部233が、仮想空間において位置情報によって示される新規仮想物品を挿入する位置が許可領域内ではないと判定した場合、送信部232は、新規仮想物品を許可領域内に挿入しなければならない旨を販売者に通知する。具体的には、空間管理部233が、仮想空間において位置情報によって示される新規仮想物品を挿入する位置が許可領域内ではないと判定した場合、送信部232は、新規仮想物品を許可領域内に挿入しなければならないことを示すメッセージを販売者端末3に送信する。
【0067】
なお、送信部232は、新規仮想物品の挿入要求を取得する前に、仮想空間において許可領域を他の領域とは異なる態様(例えば、許可領域を赤色で示す等)で表示させてもよい。このようにすることで、情報処理装置2は、仮想空間において任意の位置に新規仮想物品が挿入されることによって動画コンテンツに現れる現実空間の雰囲気が損なわれてしまう事態の発生を低減させることができる。
【0068】
空間管理部233は、仮想空間において新規仮想物品を挿入する位置が、当該新規仮想物品の種類に応じて定められた領域内である場合に、当該新規仮想物品を挿入してもよい。例えば、仮想空間には、物品の種類ごとに仮想空間において挿入を許可する許可領域が定められている。
【0069】
この場合において、まず、取得部231は、新規仮想物品の種類を示す情報と、新規仮想物品を挿入する位置を示す位置情報とを含む挿入要求を取得する。そして、空間管理部233は、仮想空間において位置情報によって示される新規仮想物品を挿入する位置が、当該新規仮想物品の種類に対応する許可領域内である場合に、新規仮想物品を挿入する。
【0070】
例えば、コンテンツ管理データベースには、許可領域を示す情報が動画コンテンツのID等と仮想物品の種類との組み合わせに関連付けて記憶されている。この場合において、空間管理部233は、仮想空間において位置情報によって示される新規仮想物品を挿入する位置が、コンテンツ管理データベースにおいて空間特定情報及び新規仮想物品の種類の組み合わせに関連付けて記憶されている許可領域内であるか否かを判定し、仮想空間において位置情報によって示される新規仮想物品を挿入する位置が許可領域内であると判定した場合に、新規仮想物品を挿入する。このようにすることで、情報処理装置2は、仮想空間において任意の位置に様々な種類の新規仮想物品が挿入されることによって動画コンテンツに現れる現実空間の雰囲気が損なわれてしまう事態の発生を低減させることができる。
【0071】
上記において、空間管理部233が、仮想空間に存在する既存仮想物品を変更せずに、新規仮想物品を挿入することにより、仮想空間を更新する例を説明したが、これに限らない。例えば、空間管理部233は、既存仮想物品を新規仮想物品に置き換えてもよい。具体的には、空間管理部233は、以下の2つのステップを実行することにより、既存仮想物品を新規仮想物品に置き換える。
【0072】
第1のステップとして、取得部231は、置換情報を含む挿入要求を取得する。置換情報は、新規仮想物品(仮想空間において現実空間には存在しない物品に対応する仮想物品)に置換する置換対象の既存仮想物品(仮想空間において現実空間に存在する物品に対応する仮想物品)を示す情報であり、例えば、既存仮想物品に対応する物品のIDである。
【0073】
図6は、空間編集画面の一例を模式的に表した図である。
図6(a)において空間編集画面の領域R1には、編集前の仮想空間が表示されており、既存仮想物品として仮想オブジェクトO1、O2、O3が表示されている。
【0074】
この場合において、販売者が、
図6(a)に示す空間編集画面において、領域R1で置換対象の仮想オブジェクトO(例えば、仮想オブジェクトO2)を選択し、領域R2において、物品名等を入力する操作、販売者端末3に予め記憶されている新規仮想物品に対応する物品データを読み込ませるための操作等を行うと、販売者端末3は、
図6(b)に示す空間編集画面を表示させる。
図6(b)に示す空間編集画面の領域R1には、仮想オブジェクトO2から仮想オブジェクトO5に置き換えられた仮想空間が表示されている。
【0075】
販売者が、
図6(b)に示す空間編集画面の領域R1において、編集した仮想空間で更新する処理を実行するためのボタンBを押下する操作を行うと、販売者端末3は、空間特定情報と、置換情報と、仮想オブジェクトO5に対応する物品情報とを含む挿入要求を情報処理装置2に送信する。
【0076】
第2のステップとして、空間管理部233は、仮想空間において置換情報が示す既存仮想物品を新規仮想物品に置換することにより、仮想空間を更新する。空間管理部233は、例えば、コンテンツ管理データベースにおいて空間特定情報及び置換情報の組み合わせに関連付けて記憶されている物品情報(仮想オブジェクトO2に対応する物品情報)を、新規仮想物品に対応する物品情報(仮想オブジェクトO5に対応する物品情報)に置き換えて記憶させる。
【0077】
また、例えば、コンテンツ管理データベースには、さらに、仮想物品ごとに仮想空間において当該仮想物品を表示させるか否かを定めるためのフラグが記憶されている。この場合において、空間管理部233は、コンテンツ管理データベースにおいて空間特定情報及び置換情報の組み合わせに関連付けて記憶されている物品情報のフラグを非表示に更新し、かつ、新規仮想物品に対応する物品情報と、表示することを示すフラグと空間特定情報及び置換情報の組み合わせに関連付けて記憶させる。このようにすることで、情報処理装置2は、仮想空間を編集しやすくさせることができる。
【0078】
空間管理部233は、置換対象の既存仮想物品と、新規仮想物品とが所定の条件を満たす場合に、既存仮想物品を新規仮想物品に置換してもよい。所定の条件は、仮想物品の種類に関する条件であり、例えば、置換対象の既存仮想物品の種類と、新規仮想物品の種類とが同一であることである。仮想物品の種類は、例えば、家具、雑貨等であってもよいし、ソファ、テーブル、観葉植物、壁飾り、時計等であってもよい。
【0079】
具体的には、まず、取得部231は、新規仮想物品の種類を示す情報をさらに含む挿入要求を取得する。そして、空間管理部233は、新規仮想物品の種類と置換情報が示す既存仮想物品の種類とが同一である場合に、仮想空間において置換情報が示す既存仮想物品を新規仮想物品に置換する。
【0080】
空間管理部233は、例えば、新規仮想物品の種類と、コンテンツ管理データベースにおいて置換情報が示す物品のIDに関連付けられている物品の種類とが同一であるか否かを判定する。そして、空間管理部233は、新規仮想物品の種類と置換情報が示す既存仮想物品の種類とが同一であると判定した場合に、仮想空間において置換情報が示す既存仮想物品を新規仮想物品に置換する。
【0081】
一方、空間管理部233が、新規仮想物品の種類と置換情報が示す既存仮想物品の種類とが同一ではないと判定した場合、送信部232は、新規仮想物品の種類が既存仮想物品の種類と同一でなければならない旨を販売者に通知する。具体的には、空間管理部233が、新規仮想物品の種類と置換情報が示す既存仮想物品の種類とが同一ではないと判定した場合、送信部232は、新規仮想物品の種類が既存仮想物品の種類と同一でなければならないことを示すメッセージを販売者端末3に送信する。このようにすることで、情報処理装置2は、仮想空間において仮想物品の種類を問わずに既存仮想物品から新規仮想物品に置き換えられることによって動画コンテンツに現れる現実空間の雰囲気が損なわれてしまう事態の発生を低減させることができる。
【0082】
所定の条件は、仮想物品の外観に関する条件であってもよい。仮想物品の外観に関する条件は、例えば、新規仮想物品の大きさが既存仮想物品の大きさを基準として所定の閾範囲(例えば、既存仮想物品の大きさを基準として前後10センチメートルの範囲等)、新規仮想物品の色が既存仮想物品と同色又は同系色であること等である。
【0083】
具体的には、まず、空間管理部233は、置換情報が示す既存仮想物品の外観に関する条件を新規仮想物品が満たすか否かを判定する。空間管理部233は、例えば、コンテンツ管理データベースにおいて置換情報に関連付けられている物品情報(置換対象の既存仮想物品に対応する物品情報)と、取得部231が取得した新規仮想物品に対応する物品情報とを比較し、新規仮想物品が既存仮想物品の外観に関する条件を満たすか否かを判定する。
【0084】
例えば、コンテンツ管理データベースには、物品(既存物品)の外観に関する情報(例えば、大きさや色等)がさらに記憶されており、取得部231が取得した新規仮想物品の挿入要求には、当該新規仮想物品に対応する新規物品の外観に関する情報が含まれている。この場合において、空間管理部233は、コンテンツ管理データベースにおいて置換情報に関連付けられている物品の外観に関する情報と、取得部231が取得した物品の外観に関する情報とを比較し、新規物品が既存物品の外観に関する条件を満たすか否かを判定することにより、新規仮想物品が既存仮想物品の外観に関する条件を満たすか否かを判定してもよい。
【0085】
そして、空間管理部233は、置換情報が示す既存仮想物品の外観に関する条件を新規仮想物品が満たすと判定した場合に、仮想空間において置換情報が示す既存仮想物品を新規仮想物品に置換する。一方、空間管理部233は、置換情報が示す既存仮想物品の外観に関する条件を新規仮想物品が満たさないと判定した場合、既存仮想物品を新規仮想物品に置換することができない旨を、新規仮想物品の挿入要求を送信した送信者に通知する。
【0086】
具体的には、空間管理部233は、置換情報が示す既存仮想物品の外観に関する条件を新規仮想物品が満たさないと判定した場合、既存仮想物品を新規仮想物品に置換することができないことを示すメッセージを販売者端末3に送信する。このようにすることで、情報処理装置2は、仮想空間において仮想物品の外観を問わずに既存仮想物品から新規仮想物品に置き換えられることによって動画コンテンツに現れる現実空間の雰囲気が損なわれてしまう事態の発生を低減させることができる。
【0087】
上記において、情報処理装置2が、販売者によって登録された新規仮想物品を挿入する例を説明したが、これに限らない。例えば、情報処理装置2は、予め記憶されている複数の仮想物品の中から販売者が選択した仮想物品を新規仮想物品として挿入してもよい。例えば、記憶部22には、仮想空間に挿入可能な複数の仮想物品それぞれに関する情報(以下、「仮想物品のリスト」という。)が記憶されている。仮想物品のリストには、例えば、情報処理装置2の管理者が設定した仮想物品であって、販売者が販売する物品に対応する仮想物品を示す情報(例えば、仮想物品に対応する物品のID)等が含まれている。
【0088】
図7は、仮想物品のリストの構成の一例を示す図である。
図7に示す例において、仮想物品のリストには、物品IDと、物品種類とが関連付けられている。なお、仮想物品のリストに含まれる情報には、
図7に示す例に限らず、コンテンツ管理データベースにおいて記憶される物品情報(物品ID、物品種類以外の他の情報)がさらに含まれてもよい。
【0089】
この場合において、取得部231は、記憶部22に情報が記憶されている仮想物品のリストから選択された仮想物品を示す情報を、新規仮想物品を示す情報として含む挿入要求を取得する。例えば、まず、送信部232は、仮想物品のリストを販売者端末3に送信する。販売者が空間編集画面に表示されて仮想物品のリストから仮想物品を新規仮想物品として選択し、当該新規仮想物品を仮想空間の所望の位置に挿入するための操作を行うと、取得部231は、新規仮想物品を示す情報と、販売者が設定した仮想空間に新規仮想物品を配置する位置を示す情報とを含む挿入要求を販売者端末3から取得する。このようにすることで、情報処理装置2は、販売者が仮想空間を編集しやすくすることができる。
【0090】
空間管理部233は、置換対象の既存仮想物品と販売者が選択した仮想物品(新規仮想物品)とが所定の条件を満たす場合に、既存仮想物品から新規仮想物品に置換してもよい。例えば、記憶部22に記憶されている仮想物品のリストには、仮想物品の種類がさらに含まれている。
【0091】
この場合において、まず、取得部231は、新規仮想物品の挿入要求を取得する前に、仮想空間において一以上の既存仮想物品の中から選択された既存仮想物品を示す選択情報を取得する。送信部232は、記憶部22に記憶されている仮想物品のリストに含まれる複数の仮想物品のうち、選択情報が示す既存仮想物品と同一の種類である仮想物品の一覧を、選択情報を送信した送信者の端末(販売者端末3)に送信する。取得部231は、送信部232が送信した仮想物品の一覧から送信者が選択した仮想物品を示す情報を、新規仮想物品を示す情報として含む挿入要求を取得する。そして、空間管理部233は、置換対象の既存仮想物品から、販売者が選択した仮想物品であって既存仮想物品と同じ種類である新規仮想物品に置換する。
【0092】
なお、空間管理部233は、置換対象の既存仮想物品と、仮想物品のリストから販売者が選択した新規仮想物品とが同じ種類であるか否かを判定し、置換対象の既存仮想物品と、仮想物品のリストから販売者が選択した新規仮想物品とが同じ種類であると判定した場合に、既存仮想物品から新規仮想物品に置換してもよい。このようにすることで、情報処理装置2は、販売者が仮想空間を編集しやすくしつつ、仮想空間において仮想物品の種類を問わずに既存仮想物品から新規仮想物品に置き換えられることによって動画コンテンツに現れる現実空間の雰囲気が損なわれてしまう事態の発生を低減させることができる。
【0093】
空間管理部233は、新規仮想物品が仮想空間の構造物に収まる場合に、仮想空間に新規仮想物品を挿入してもよい。具体的には、まず、空間管理部233は、仮想空間の構造物の寸法と、新規仮想物品の寸法とを比較し、新規仮想物品の寸法が仮想空間の構造物の寸法よりも短いかを判定する。そして、空間管理部233は、新規仮想物品の寸法が仮想空間の構造物の寸法よりも短いと判定した場合に、仮想空間に新規仮想物品を挿入する。一方、空間管理部233が、新規仮想物品の寸法が仮想空間の構造物の寸法よりも短いと判定した場合に、送信部232は、挿入する新規仮想物品が仮想空間の構造物に収まるサイズでなければならない旨を販売者に通知する。このようにすることで、情報処理装置2は、仮想空間の構造物に収まらないサイズの新規仮想物品が挿入されることによって動画コンテンツに現れる現実空間の雰囲気が損なわれてしまう事態の発生を低減させることができる。
【0094】
上記において、情報処理装置2が、販売者による新規仮想物品の挿入要求に基づいて、当該新規仮想物品を挿入する例を説明したが、これに限らない。例えば、情報処理装置2は、ユーザによる新規仮想物品の挿入要求に基づいて、当該新規仮想物品を挿入してもよい。
【0095】
具体的には、まず、送信部232は、取得部231が新規仮想物品の挿入要求を取得する前に、ユーザが指定した仮想空間に対応する空間提示情報と、仮想物品のリストとをユーザ端末1に送信する。ユーザが空間編集画面に表示されて仮想物品のリストから仮想物品を新規仮想物品として選択し、当該新規仮想物品を仮想空間の所望の位置に挿入するための操作を行うと、取得部231は、新規仮想物品を示す情報と、ユーザが設定した仮想空間に新規仮想物品を配置する位置を示す情報とを含む挿入要求をユーザ端末1から取得する。
【0096】
そして、空間管理部233は、仮想空間においてユーザが選択した新規仮想物品を挿入することにより、仮想空間を更新する。この場合、空間管理部233は、ユーザのIDに関連付けて仮想空間を更新してもよい。このようにすることで、情報処理装置2は、ユーザが選択した新規仮想物品が仮想空間に合うか否かを試しながら、新規仮想物品に対応する新規物品の購入をユーザに検討させることができる。
【0097】
[購入処理]
続いて、ユーザが物品を購入するために情報処理装置2が実行する処理について説明する。
【0098】
送信部232は、ユーザが視聴可能な動画コンテンツに現れる現実空間であって一以上の物品が存在する現実空間を模して構築された仮想空間をユーザに提示する。具体的には、送信部232は、動画コンテンツに対応する仮想空間をユーザに提示するための空間提示情報をユーザ端末1に送信することにより、仮想空間をユーザに提示する。空間提示情報は、例えば、情報処理装置2が生成した仮想空間を表示した画像である。より具体的には、送信部232は、空間管理部233が更新した仮想空間をユーザに提示するための空間提示情報をユーザ端末1に送信することにより、仮想空間をユーザに提示する。以下において、空間管理部233が更新した仮想空間を、更新仮想空間と称する場合がある。送信部232は、例えば、以下の3つのステップを実行することにより、仮想空間をユーザに提示する。
【0099】
第1のステップとして、取得部231は、ユーザに提示する仮想空間を特定するための空間特定情報を取得する。空間特定情報は、例えば、動画コンテンツのIDである。例えば、まず、ユーザが、ユーザ端末1において専用アプリを起動する操作を行うと、送信部232は、動画コンテンツに関する情報を送信する。動画コンテンツに関する情報は、動画コンテンツの一覧であり、例えば、動画コンテンツごとに当該動画コンテンツのIDと当該動画コンテンツのタイトルとが関連付けられた情報である。
【0100】
ユーザ端末1は、情報処理装置2から動画コンテンツに関する情報を取得すると、コンテンツ一覧画面を表示させる。ユーザがコンテンツ一覧画面において動画コンテンツの一覧から1つの動画コンテンツを選択する操作を行うと、ユーザ端末1は、ユーザが選択した動画コンテンツのIDを情報処理装置2に送信する。そして、取得部231は、動画コンテンツのIDを空間特定情報としてユーザ端末1から取得する。
【0101】
空間特定情報は、動画コンテンツのID及び場面のIDの組み合わせであってもよい。例えば、動画コンテンツに関する情報には、動画コンテンツに含まれる場面の一覧(例えば、場面ごとに当該場面のIDと当該場面の名称と当該場面に対応する仮想空間のサムネイル画像とが関連付けられた情報)が含まれている。
【0102】
この場合において、ユーザがコンテンツ一覧画面において動画コンテンツの一覧から1つの動画コンテンツを選択し、かつ、選択した動画コンテンツに含まれる場面の一覧から1つの場面を選択する操作を行うと、ユーザ端末1は、ユーザが選択した動画コンテンツのID及び場面のIDを情報処理装置2に送信する。そして、取得部231は、動画コンテンツのID及び場面のIDの組み合わせを空間特定情報としてユーザ端末1から取得する。
【0103】
図8は、コンテンツ一覧画面の一例を模式的に表した図である。
図8に示すコンテンツ一覧画面には、動画コンテンツであるコンテンツC(コンテンツC1、C2)ごとに、動画コンテンツの動画像である動画像M(動画像M1、M2)と、場面のサムネイル画像である画像B(画像B1、B2)とが表示されている。各場面のサムネイル画像には、動画コンテンツのID及び場面のIDの組み合わせが関連付けられている。
【0104】
この場合において、例えば、ユーザがコンテンツ一覧画面において画像B1をタップする操作を行うと、ユーザ端末1は、画像B1に関連付けられている動画コンテンツのID及び場面のIDを情報処理装置2に送信する。そして、取得部231は、動画コンテンツのID及び場面のIDの組み合わせを空間特定情報としてユーザ端末1から取得する。
【0105】
第2のステップとして、空間管理部233は、仮想空間を管理する。具体的には、空間管理部233は、取得部231が取得した空間特定情報によって特定される仮想空間を生成する。より具体的には、空間管理部233は、取得部231が取得した空間特定情報に関連付けてコンテンツ管理データベースに記憶されている空間生成情報及び一以上の物品生成情報に基づいて、一以上の仮想物品を含む仮想空間を生成する。
【0106】
なお、空間管理部233は、取得部231が空間特定情報を取得する前に仮想空間を生成してもよい。この場合、例えば、空間管理部233が生成した仮想空間には、当該仮想空間を識別するための空間識別情報(例えば、コンテンツのID、コンテンツのID及び場面のIDの組み合わせ、又は仮想空間のID)が関連付けられており、空間管理部233は、生成した一以上の仮想空間の中から、取得部231が取得した空間特定情報に対応する空間識別情報に関連付けられている仮想空間を特定する。空間管理部233は、例えば、公知の技術を用いて仮想空間を生成することができる。
【0107】
第3のステップとして、送信部232は、空間管理部233が生成(特定)した仮想空間をユーザに提示する。具体的には、送信部232は、空間管理部233が生成した仮想空間が表示された空間画像を空間提示情報としてユーザ端末1に送信する。その後、ユーザ端末1は、仮想空間を表示させるための空間表示画面において情報処理装置2から取得した空間画像を表示させることにより、仮想空間を表示させる。送信部232は、例えば、上記のステップを実行することにより、販売者に対しても仮想空間を提示する。
【0108】
情報処理装置2は、ユーザが視聴している動画コンテンツに現れた場面に対応する仮想空間をユーザに提示してもよい。具体的には、情報処理装置2は、以下の3つのステップを実行することにより、動画コンテンツに現れた場面に対応する仮想空間をユーザに提示する。
【0109】
第1のステップとして、送信部232は、コンテンツ提示情報をユーザ端末1に送信する。コンテンツ提示情報は、動画コンテンツを提示するための情報であり、例えば、動画コンテンツの動画像と、場面リストとが含まれる。場面リストは、場面ごとに、当該場面のIDと当該場面が現れる動画像の期間と当該場面に対応する仮想空間のサムネイル画像とが関連付けられた情報である。
【0110】
例えば、まず、ユーザがコンテンツ一覧画面において選択した動画コンテンツを視聴する操作を行うと、ユーザ端末1は、ユーザが選択した動画コンテンツのIDを情報処理装置2に送信する。そして、送信部232は、取得部231がユーザ端末1から取得した動画コンテンツのIDに関連付けてコンテンツ管理データベースに記憶されている動画コンテンツの動画像と場面リストと含むコンテンツ提示情報をユーザ端末1に送信する。その後、ユーザ端末1は、動画コンテンツを再生するためのコンテンツ再生画面において情報処理装置2から取得した動画コンテンツの動画像を表示させ、かつ、場面リストに基づいて再生されている動画コンテンツの動画像の期間に対応する仮想空間のサムネイル画像を表示させる。
【0111】
第2のステップとして、取得部231は、動画コンテンツが提示されているユーザ端末1から、提示されている場面を特定するための場面特定情報を取得する。場面特定情報は、例えば、場面のIDである。
【0112】
図9は、コンテンツ再生画面の一例を模式的に表した図である。
図9に示すコンテンツ再生画面には、動画コンテンツの動画像を表示する領域R3と、仮想空間のサムネイル画像を表示する領域R4とが設けられている。ユーザ端末1は、領域R3において再生されている動画コンテンツの場面(期間)に応じて、領域R4において当該場面に対応する仮想空間のサムネイル画像を表示させる。
【0113】
この場合において、ユーザがコンテンツ再生画面の領域R4において、表示されている仮想空間のサムネイル画像をタップする操作を行うと、ユーザ端末1は、タップされた仮想空間のサムネイル画像に関連付けられている場面のIDを情報処理装置2に送信する。そして、取得部231は、ユーザ端末1から場面のIDを場面特定情報として取得する。
【0114】
第3のステップとして、送信部232は、取得部231が取得した場面特定情報によって特定される場面に関連付けられている仮想空間に対応する空間提示情報をユーザ端末1に送信する。送信部232は、例えば、取得部231が取得した動画コンテンツのID及び場面のIDに関連付けてコンテンツ管理データベースに記憶されている空間生成情報に基づく空間提示情報をユーザ端末1に送信する。このようにすることで、情報処理装置2は、ユーザが視聴している動画コンテンツの場面に応じた仮想空間をユーザに提示することができる。
【0115】
情報処理装置2は、仮想空間において物品に関する情報をユーザに提示してもよい。物品に関する情報には、例えば、物品のID、物品の価格、物品の在庫数、物品の売れ行き等が含まれる。具体的には、送信部232は、動画コンテンツに関連付けられている一以上の物品に関する情報を含む空間提示情報をユーザ端末1に送信する。
【0116】
例えば、まず、空間管理部233は、取得部231が取得した空間特定情報に関連付けてコンテンツ管理データベースに記憶されている空間生成情報、物品生成情報、及び物品に関する情報に基づいて、当該物品に関する情報が関連付けられた仮想物品を含む仮想空間を生成する。そして、送信部232は、空間管理部233が生成した仮想空間が表示された空間画像を空間提示情報としてユーザ端末1に送信する。このようにすることで、情報処理装置2は、ユーザが仮想空間に表示された物品に関する情報を参照して、当該物品を購入するか否かを判断しやすくすることができる。
【0117】
情報処理装置2は、販売されている物品である売品に対応する仮想物品と、販売されていない物品である非売品に対応する仮想物品とを含む仮想空間をユーザに提示する。具体的には、送信部232は、売品に対応する仮想物品と、非売品に対応する仮想物品とを含む仮想空間に対応する空間提示情報をユーザ端末1に送信する。
【0118】
例えば、まず、空間管理部233は、コンテンツ管理データベースにおいて、取得部231が取得した空間特定情報及び売品であることを示す販売種別に関連付けられている物品生成情報に基づく仮想物品と、取得部231が取得した空間特定情報及び非売品であることを示す販売種別に関連付けられている物品生成情報に基づく仮想物品とを含む仮想空間を生成する。そして、送信部232は、空間管理部233が生成した仮想空間が表示された空間画像を空間提示情報としてユーザ端末1に送信する。このように、情報処理装置2は、物品が売品であるか非売品であるかに関わらずに仮想物品を含む仮想空間をユーザに提示することにより、動画コンテンツの場面を再現した仮想空間をユーザに提供することができる。
【0119】
なお、情報処理装置2は、ユーザが非売品を含めるか否かを設定したことに応じて仮想空間を提示してもよい。例えば、空間表示画面には、非売品を含めるか否かを設定する設定項目が設けられている。この場合において、ユーザが設定項目において非売品を含めない設定をした場合、送信部232は、コンテンツ管理データベースにおいて取得部231が取得した空間特定情報及び売品であることを示す販売種別に関連付けられている物品生成情報に基づく仮想物品のみを含む仮想空間に対応する空間提示情報をユーザ端末1に送信する。このようにすることで、情報処理装置2は、仮想空間に表示されている物品が売品であることをユーザに認識しやすくすることができる。
【0120】
情報処理装置2は、仮想空間において動画コンテンツに出演した出演者に対応する出演者アバターをユーザに提示してもよい。具体的には、送信部232は、出演者アバターを含む仮想空間に対応する空間提示情報をユーザ端末1に送信する。
【0121】
例えば、コンテンツ管理データベースには、さらに、出演者アバターを生成するための出演者生成情報が動画コンテンツのIDに関連付けて記憶されている。この場合において、まず、空間管理部233は、さらに、取得部231が取得した空間特定情報に関連付けてコンテンツ管理データベースに記憶されている出演者生成情報に基づいて、出演者アバターを含む仮想空間を生成する。
【0122】
そして、送信部232は、空間管理部233が生成した仮想空間が表示された空間画像を空間提示情報としてユーザ端末1に送信する。その後、ユーザ端末1は、空間表示画面において情報処理装置2から取得した空間提示情報に基づいて、出演者アバターを含む仮想空間を表示させる。
【0123】
情報処理装置2は、仮想空間において出演者アバターに対して所定の動作をさせてもよい。所定の動作は、予め定められた内容の動作であり、例えば、動画コンテンツの場面における出演者の演技と同じ内容の動作である。具体的には、送信部232は、所定の動作をする出演者アバターを含む仮想空間に対応する空間提示情報をユーザ端末1に送信する。
【0124】
例えば、出演者生成情報には、出演者アバターが所定の動作をするための情報が含まれている。この場合において、空間管理部233は、出演者アバターを含む仮想空間を生成した後に、出演者生成情報に基づいて出演者アバターに所定の動作をさせることにより、出演者アバターの動作を制御する。そして、送信部232は、空間管理部233が動作を制御している出演者アバターを含む仮想空間に対応する空間提示情報をユーザ端末1に送信する。このようにすることで、情報処理装置2は、仮想空間を介して動画コンテンツの場面をユーザに体験させることができる。
【0125】
情報処理装置2は、仮想空間においてユーザに対応するユーザアバターを提示してもよい。具体的には、送信部232は、仮想空間においてユーザに対応するユーザアバターを含む仮想空間に対応する空間提示情報をユーザ端末1に送信する。
【0126】
例えば、まず、空間管理部233は、記憶部22に記憶されているユーザに関する情報に含まれるユーザ生成情報に基づいて、ユーザアバターを含む仮想空間を生成する。そして、送信部232は、空間管理部233が生成したユーザアバターを含む仮想空間に対応する空間提示情報をユーザ端末1に送信する。このようにすることで、情報処理装置2は、ユーザアバターを介して動画コンテンツの場面にユーザが存在するかのような体験をユーザに提供することができる。
【0127】
情報処理装置2は、ユーザに提示する仮想空間を他のユーザ(ユーザとは異なる者)にも提示している場合、さらに、当該他のユーザに対応する他のユーザアバターを含む仮想空間をユーザに提示してもよい。具体的には、送信部232は、ユーザに対応するユーザアバターと、他のユーザに対応する他のユーザアバターとを含む仮想空間に対応する空間提示情報をユーザ端末1に送信する。
【0128】
例えば、取得部231がユーザ端末1から空間特定情報を取得する前に空間管理部233が生成した仮想空間(例えば、メタバース空間)には、他のユーザアバターが存在(ログイン)している。この場合において、まず、空間管理部233は、記憶部22に記憶されているユーザに関する情報に含まれるユーザ生成情報に基づいて、仮想空間にユーザアバターを生成する。そして、送信部232は、空間管理部233が生成したユーザアバターと、既に存在する他のユーザアバターとを含む仮想空間に対応する空間提示情報をユーザ端末1に送信する。このようにすることで、情報処理装置2は、仮想空間において動画コンテンツの特定の場面を好むユーザが集まり、ユーザ同士で活発な交流や情報交換をすることができる場所を提供することができる。これにより、情報処理装置2は、仮想空間を利用する動機づけをユーザに提供することができる。その結果、情報処理装置2は、仮想空間における物品の売り上げを向上させることができる。
【0129】
情報処理装置2は、動画コンテンツに関する所定の条件を満たすユーザに対して仮想空間を提示してもよい。所定の条件は、情報処理サービス又は動画コンテンツごとに定められた条件であり、例えば、動画コンテンツが視聴された閾回数、動画コンテンツが視聴された閾時間、映像作品のファンクラブの会員であること、情報処理サービスの有料会員であること等である。
【0130】
具体的には、送信部232は、記憶部22に記憶されているユーザに関する情報が動画コンテンツに関する所定の条件を満たす場合に、空間提示情報をユーザ端末1に送信する。例えば、まず、送信部232は、記憶部22に記憶されているユーザに関する情報を参照し、ユーザが所定の条件を満たすか否かを判定する。そして、送信部232は、ユーザが所定の条件を満たすと判定した場合に、空間提示情報をユーザ端末1に送信する。このようにすることで、情報処理装置2は、仮想空間の提供を受けるための行動をユーザに促すことができる。
【0131】
情報処理装置2は、広告オブジェクトを含む仮想空間をユーザに提示してもよい。広告オブジェクトは、動画コンテンツのスポンサに関する広告を示すオブジェクトである。具体的には、送信部232は、広告オブジェクトを含む仮想空間に対応する空間提示情報をユーザ端末1に送信する。例えば、コンテンツ管理データベースには、広告オブジェクトを生成するための広告生成情報が、コンテンツのID又は場面のIDに関連付けて記憶されている。
【0132】
この場合において、まず、空間管理部233は、さらに、取得部231が取得した空間特定情報に関連付けてコンテンツ管理データベースに記憶されている広告生成情報に基づいて、広告オブジェクトを含む仮想空間を生成する。そして、送信部232は、空間管理部233が生成した広告オブジェクトを含む仮想空間に対応する空間提示情報をユーザ端末1に送信する。
【0133】
送信部232は、動画コンテンツのスポンサが支援した金額である支援額の高低に応じて、広告オブジェクトを含む仮想空間に対応する空間提示情報をユーザ端末1に送信してもよい。具体的には、情報処理装置2は、以下の2つのステップを実行することにより、動画コンテンツのスポンサの支援額の高低に応じた広告オブジェクトを含む仮想空間に対応する空間提示情報をユーザ端末1に送信する。
【0134】
第1のステップとして、決定部234は、動画コンテンツのスポンサの支援額の高低に基づいて、広告オブジェクトのグレードを決定する。広告オブジェクトのグレードは、例えば、広告オブジェクトのサイズ、仮想空間において広告オブジェクトを表示させる位置(例えば、仮想空間においてユーザの目につきやすい位置等)、仮想空間において表示させる広告オブジェクトの数、広告オブジェクトにおいて表示させる情報量等である。
【0135】
決定部234は、例えば、動画コンテンツのスポンサの支援額が所定の閾値以上である場合、当該支援額が当該所定の閾値未満である場合よりも広告オブジェクトのグレードを高く決定する。所定の閾値は、例えば、情報処理装置2に予め定められた金額である。例えば、情報処理装置2には、第1のグレードと、第1のグレードよりも低い第2のグレードとが定められており、決定部234は、動画コンテンツのスポンサの支援額が所定の閾値以上である場合、第1のグレードに決定し、当該支援額が当該所定の閾値未満である場合、第2のグレードに決定してもよい。
【0136】
第2のステップとして、送信部232は、決定部234が決定したグレードに基づいて空間管理部233が生成した広告オブジェクトを含む仮想空間に対応する空間提示情報をユーザ端末1に送信する。このようにすることで、情報処理装置2は、動画コンテンツのスポンサの貢献度合いに応じた広告オブジェクトを仮想空間に表示させることができる。
【0137】
情報処理装置2は、例えば、ユーザアバターを含む仮想空間をユーザに提示する場合、広告オブジェクトによって示される広告の付加情報をユーザに提示してもよい。付加情報は、例えば、広告の物品を紹介するメッセージ、広告を指す矢印等の装飾、又は動画コンテンツにおいて広告の物品が現れる場面のハイライト動画等である。
【0138】
具体的には、送信部232は、ユーザアバターを含む仮想空間をユーザに提示する場合において、ユーザアバターが広告オブジェクトに接近した場合に、当該広告オブジェクトによって示される広告の付加情報をユーザに提示する。例えば、まず、空間管理部233は、仮想空間においてユーザアバターと広告オブジェクトとの距離が所定の閾値以内である場合に、仮想空間において当該広告オブジェクトに対応する付加情報を生成(表示)する。そして、送信部232は、付加情報を含む仮想空間に対応する空間提示情報をユーザ端末1に送信する。また、送信部232は、仮想空間において動画コンテンツにおけるそれぞれ異なる複数のスポンサにそれぞれ対応する複数の広告オブジェクトが存在する場合、支援額が大きいスポンサの広告オブジェクトに対応する付加情報を優先して提示してもよい。
【0139】
上記において、空間提示情報が、情報処理装置2によって生成された仮想空間を表示した画像である例を説明したが、これに限らない。例えば、空間提示情報は、ユーザ端末1が仮想空間を生成するための情報であってもよい。
【0140】
この場合、まず、送信部232は、取得部231がユーザ端末1から取得した動画コンテンツのIDに関連付けてコンテンツ管理データベースに記憶されている空間生成情報及び一以上の物品生成情報等を含む空間提示情報をユーザ端末1に送信する。そして、ユーザ端末1は、空間提示情報に基づいて仮想空間を生成し、生成した仮想空間を表示する。
【0141】
取得部231は、仮想空間が提示されたユーザ端末1から、仮想空間に存在する一以上の仮想物品であって一以上の物品それぞれに対応する一以上の仮想物品の中からユーザが選択(指定)した仮想物品に対応する物品を特定するための物品特定情報を取得する第2取得部としてさらに機能する。ユーザが指定した仮想物品は、例えば、更新仮想空間に存在する既存仮物品及び新規仮想物品のうちの少なくともいずれかである。具体的には、取得部231は、ユーザ端末1に提示された仮想空間であって、一以上の仮想物品が存在する仮想空間においてユーザが選択した仮想物品に対応する物品特定情報を取得する。物品特定情報は、例えば、物品のIDである。
【0142】
例えば、仮想空間において表示される仮想物品には、物品のIDが関連付けられている。この場合において、まず、ユーザがユーザ端末1に表示された仮想空間において、一以上の仮想物品の中から1つの仮想物品を選択する操作(例えば、ユーザ端末1に表示された仮想物品の表示領域をタップする操作等)を行うと、ユーザ端末1は、ユーザが選択した仮想物品に関連付けられている物品のIDを情報処理装置2に送信する。そして、取得部231は、ユーザ端末1から物品のIDを物品特定情報として取得する。
【0143】
物品特定情報は、仮想物品のIDであってもよい。例えば、仮想空間に表示される仮想物品には、仮想物品のIDが関連付けられている。この場合において、取得部231は、ユーザが選択した仮想物品に関連付けられている仮想物品のIDを物品特定情報として取得する。例えば、コンテンツ管理データベースには、物品のIDに関連付けて仮想物品のIDがさらに記憶されており、取得部231は、コンテンツ管理データベースにおいてユーザ端末1から習得した仮想物品のIDに関連付けられている物品のIDを特定する。取得部231は、さらに、ユーザ端末1からユーザのIDを取得してもよい。
【0144】
購入処理部235は、取得部231が取得した物品特定情報によって特定される物品(新規物品及び既存物品のうちの少なくともいずれかの物品)をユーザが購入するための購入処理を実行する。具体的には、購入処理部235は、購入処理として、取得部231が取得した物品特定情報によって特定される物品の決済を実行する。
【0145】
購入処理部235は、例えば、コンテンツ管理データベースにおいて取得部231が取得した物品のIDに関連付けて記憶されている処理種別が、物品の代金を決済で処理することを示す場合に、記憶部22において取得部231が取得したユーザのIDに関連付けられているクレジットカードの番号を用いて、取得部231が取得した物品特定情報によって特定される物品の決済を実行する。その後、情報処理装置2の管理者は、取得部231が取得したユーザのIDによって特定されるユーザの住所に物品を配送する手続きを行う。このようにすることで、情報処理装置2は、動画コンテンツにおいて用いられた物品をユーザに購入しやすくすることができる。
【0146】
購入処理部235は、購入処理として、取得部231が取得した選択情報によって特定される物品が販売されているウェブサイトにユーザ端末1をアクセスさせてもよい。購入処理部235は、例えば、コンテンツ管理データベースにおいて取得部231が取得した物品のIDに関連付けて記憶されている処理種別が、物品が販売されているウェブサイトにアクセスさせることを示す場合に、コンテンツ管理データベースにおいて取得部231が取得した物品のIDに関連付けて記憶されているURLをユーザ端末1に送信する。その後、ユーザ端末1は、情報処理装置2からURLを取得すると、当該URLが示すウェブサイトにアクセスする。このようにすることで、情報処理装置2は、動画コンテンツにおいて用いられた物品がどこで販売されているかをユーザに提示することができる。
【0147】
図10は、ユーザに提示される仮想空間の一例を模式的に表した図である。
図10(a)に示す例において、ユーザが、ドラマセットを模して構築された仮想空間である空間V3において複数の仮想オブジェクト(仮想オブジェクトO1、O3、O4、O5)の中から仮想オブジェクトO5を選択する操作を行うと、ユーザ端末1は、仮想オブジェクトO5に対応する物品特定情報を情報処理装置2に送信する。送信部232は、取得部231が物品特定情報を取得すると、当該物品特定情報によって特定される物品に関する情報をユーザ端末1に送信する。ユーザ端末1は、情報処理装置2から物品に関する情報を取得すると、
図10(b)に示す空間V3を表示させる。
【0148】
図10(b)に示す空間V3には、仮想オブジェクトO5に対応する物品に関する情報が表示された情報オブジェクトIが表示されている。また、情報オブジェクトIには、物品を購入するためのボタンB1と、物品が販売されているウェブサイトにアクセスするためのボタンB2とが設けられている。情報処理装置2は、例えば、コンテンツ管理データベースにおいてユーザが選択した仮想物品に対応する物品のIDに関連付けて記憶されている処理種別が、物品が販売されているウェブサイトにアクセスさせることを示す場合、情報オブジェクトIにボタンB1を表示させ、当該処理種別が、物品が販売されているウェブサイトにアクセスさせることを示す場合に、情報オブジェクトIにボタンB2を表示させる。
【0149】
この場合において、ユーザが
図10(b)に示す仮想空間においてボタンB1を押下する操作を行うと、ユーザ端末1は、物品の購入要求を情報処理装置2に送信する。購入処理部235は、ユーザ端末1から物品の購入要求を取得すると、当該物品の決済を実行する。また、ユーザが
図10(b)に示す仮想空間においてボタンB2を押下する操作を行うと、ユーザ端末1は、ウェブサイトへのアクセス要求を情報処理装置2に送信する。購入処理部235は、ユーザ端末1からアクセス要求を取得すると、当該物品に対応するURLをユーザ端末1に送信することにより、物品が販売されているウェブサイトにユーザ端末1をアクセスさせる。
【0150】
購入処理部235は、ユーザに関する情報が動画コンテンツに関する所定の条件を満たす場合に、購入処理を実行してもよい。例えば、まず、購入処理部235は、記憶部22に記憶されているユーザに関する情報を参照し、ユーザが所定の条件を満たすか否かを判定する。そして、購入処理部235は、ユーザが所定の条件を満たすと判定した場合に、購入処理を実行する。一方、購入処理部235は、ユーザが所定の条件を満たさないと判定した場合、購入処理を実行するための条件を示す情報(例えば、動画コンテンツをあと何回視聴したら購入することができる等)をユーザ端末1に送信する。
【0151】
このようにすることで、情報処理装置2は、物品を購買するための行動をユーザに促すことができる。購入処理部235は、物品の購入処理を実行した場合、購入処理を実行した履歴(例えば、物品のID、ユーザのID、購入された物品の数、購入処理を実行した時刻等)を記憶部22に記憶させる。
【0152】
情報処理装置2は、購入処理を実行する前に、ユーザが選択した物品(既存物品)が動画コンテンツにおいて出現する場面をユーザに提示してもよい。具体的には、送信部232は、動画コンテンツにおいて取得部231が取得した物品特定情報によって特定される物品が出現する場面を提示するための場面提示情報を、ユーザ端末1に送信する。
【0153】
例えば、コンテンツ管理データベースには、物品ごとに、動画コンテンツにおいて当該物品が出現する場面のハイライト動画が当該物品のIDに関連付けて記憶されている。この場合において、送信部232は、コンテンツ管理データベースにおいて取得部231が取得した物品特定情報によって特定される物品のIDに関連付けられているハイライト動画をユーザ端末1に送信する。その後、ユーザ端末1は、情報処理装置2から取得したハイライト動画を表示させる。このようにすることで、情報処理装置2は、ユーザが選択した物品が、動画コンテンツのどこで出現するかをユーザに認識しやすくすることができる。
【0154】
情報処理装置2は、情報処理サービスにおける物品の販売実績を、動画コンテンツを提供した事業者に提示してもよい。物品の販売実績は、例えば、当該物品を販売した数、当該物品の残りの在庫数、当該物品の売り上げ金額等である。具体的には、通知部236は、購入処理部235による購入処理に基づく物品の販売実績を、動画コンテンツを提供した事業者に通知する。
【0155】
例えば、まず、特定部237は、コンテンツ管理データベースにおいて事業者が提供した動画コンテンツのIDに関連付けられている一以上の物品のIDを特定する。特定部237は、記憶部22において特定した一以上の物品のIDを含む履歴(購入処理部235が購入処理を実行した履歴)を参照して、物品の販売実績を特定する。そして、通知部236は、特定部237が特定した物品の販売実績を、動画コンテンツを提供した事業者が使用する端末に通知する。このようにすることで、情報処理装置2は、情報処理サービスを介して物品がどのくらい売れたかを、動画コンテンツを提供した事業者に認識させることができる。
【0156】
情報処理装置2は、情報処理サービスにおける物品の販売実績に応じた報酬(対価)を対象事業者に支払う処理を実行してもよい。対象事業者は、対価の支払先として予め定められた事業者であり、例えば、動画コンテンツを提供した事業者、仮想空間を提示する事業者及び動画コンテンツにおいて物品が出現する場面のスポンサのうちの少なくともいずれかである。具体的には、情報処理装置2は、以下の2つのステップを実行することにより、ユーザが物品を購入した実績に応じた対価を対象事業者に支払う処理を実行する。
【0157】
第1のステップとして、特定部237は、購入処理部235が物品に対応する購入処理を実行した実績に基づいて、対象事業者に支払われる対価を特定する。例えば、物品1つあたりの報酬単価が定められている場合、特定部237は、記憶部22において当該物品のIDを含む履歴を参照して、当該物品を販売した数と報酬単価とを乗算することにより、対価を算出する。また、例えば、物品を販売した数の範囲に応じて対価が定められている場合、特定部237は、記憶部22において当該物品のIDを含む履歴を参照して、当該物品を販売した数を含む範囲において定められている対価を特定する。
【0158】
第2のステップとして、支払い処理部238は、特定部237が特定した対価を対象事業者に支払う処理を実行する。支払い処理部238は、例えば、特定部237が特定した対価を、物品の売り上げ金が管理されている口座から対象事業者の口座に送金するための処理を実行する。このようにすることで、情報処理装置2は、情報処理サービスにおいて物品の販売に貢献した対象事業者に対して報酬を提供することができる。
【0159】
情報処理装置2は、動画コンテンツにおいて仮想空間に対応する現実空間が現れる場面が視聴された視聴度合いに応じた広告の手数料を当該広告の広告主に請求してもよい。具体的には、情報処理装置2は、以下の2つのステップを実行することにより、動画コンテンツの場面が視聴された視聴度合いに応じた広告の手数料を当該広告の広告主に請求する。
【0160】
第1のステップとして、特定部237は、動画コンテンツにおいて仮想空間に対応する現実空間が現れる場面が視聴された視聴度合いを特定する。視聴度合い、例えば、視聴された人数(視聴率)、視聴された回数、又は視聴された期間等である。特定部237は、例えば、記憶部22に記憶されている各ユーザの動画コンテンツの視聴履歴を参照し、動画コンテンツにおいて仮想空間に対応する現実空間が現れる場面が視聴された人数、当該場面が視聴された回数又は当該場面が視聴された期間を特定する。
【0161】
第2のステップとして、請求管理部239は、特定部237が特定した視聴度合いに応じた広告の手数料を広告の広告主に請求する。請求管理部239は、広告の手数料を算出する算出部として機能する。この場合において、まず、請求管理部239は、特定部237が特定した視聴度合いに基づいて、広告の手数料を算出する。請求管理部239は、例えば、特定部237が特定した視聴度合いが大きいほど広告の手数料を高く算出し、特定部237が特定した視聴度合いが小さいほど広告の手数料を低く算出する。なお、請求管理部239は、特定部237が特定した視聴度合いが大きいほど広告の手数料を低く算出し、特定部237が特定した視聴度合いが小さいほど広告の手数料を高く算出してもよい。
【0162】
そして、請求管理部239は、算出した手数料を広告の広告主に請求する。請求管理部239は、例えば、算出した手数料を示す情報を、広告の広告主が使用する不図示の端末に送信することにより、手数料を広告の広告主に請求する。このようにすることで、情報処理装置2は、仮想化した動画コンテンツの場面の人気度に応じた手数料を広告主に請求することができる。
【0163】
[情報処理システムS2の処理]
続いて、情報処理システムS2の処理の流れについて説明する。
図11は、情報処理システムS2の処理の流れを示すシーケンス図である。本処理は、販売者端末3が新規仮想物品の挿入要求を情報処理装置2に送信したことを契機として開始する(S1)。
【0164】
空間管理部233は、取得部231が販売者端末3から取得した新規仮想物品の挿入要求に基づいて、仮想空間に新規仮想物品を挿入することにより、仮想空間を更新する(S2)。ユーザ端末1は、更新仮想空間に対応する空間特定情報を情報処理装置2に送信する(S3)。
【0165】
空間管理部233は、取得部231がユーザ端末1から空間特定情報を取得すると、当該空間特定情報によって特定される更新仮想空間を生成する(S4)。送信部232は、空間管理部233が生成した更新仮想空間に基づく空間提示情報をユーザ端末1に送信する(S5)。ユーザ端末1は、情報処理装置2から取得した空間提示情報に基づいて、更新仮想空間を表示させる(S6)。
【0166】
ユーザ端末1は、新規仮想物品に対応する物品特定情報を情報処理装置2に送信する(S7)。そして、購入処理部235は、取得部231が物品特定情報を取得すると、当該物品特定情報によって特定される新規物品をユーザが購入するための購入処理を実行する(S8)。
【0167】
[本実施の形態における効果]
以上説明したとおり、情報処理装置2は、新規仮想物品の挿入要求に基づいて更新した仮想空間に対応する空間提示情報をユーザ端末1に送信し、当該ユーザ端末1から取得した物品特定情報によって特定される物品をユーザが購入するための購入処理を実行する。このようにすることで、情報処理装置2は、ユーザが物品を購入したいという意欲を高めることができる。
【0168】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0169】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0170】
1 ユーザ端末
2 情報処理装置
21 通信部
22 記憶部
23 制御部
231 取得部
232 送信部
233 空間管理部
234 決定部
235 購入処理部
236 通知部
237 特定部
238 支払い処理部
239 請求管理部
3 販売者端末
S 情報処理システム
【要約】
【課題】ユーザが物品を購入したいという意欲を高める。
【解決手段】情報処理装置2は、ユーザが視聴可能な動画コンテンツに現れる現実空間を模して構築された仮想空間に対して新規仮想物品を挿入するための挿入要求を取得する取得部231と、取得部231が取得した挿入要求に基づいて、仮想空間に新規仮想物品を挿入することにより、仮想空間を更新する空間管理部233と、空間管理部が更新された仮想空間に対応する空間提示情報を、ユーザ端末に送信する送信部232とを有し、取得部231は、仮想空間が提示されたユーザ端末から物品特定情報を取得し、情報処理装置2は、取得部231が取得した物品特定情報によって特定される新規物品をユーザが購入するための購入処理を実行する購入処理部235をさらに有する。
【選択図】
図3