(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-09
(45)【発行日】2025-04-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20170101AFI20250410BHJP
G06V 40/16 20220101ALI20250410BHJP
G07C 9/37 20200101ALI20250410BHJP
G07C 9/38 20200101ALI20250410BHJP
G06F 21/32 20130101ALN20250410BHJP
【FI】
G06T7/00 510F
G06V40/16 A
G07C9/37
G07C9/38
G06F21/32
(21)【出願番号】P 2023111254
(22)【出願日】2023-07-06
(62)【分割の表示】P 2018187302の分割
【原出願日】2018-10-02
【審査請求日】2023-07-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(72)【発明者】
【氏名】前野 有美
(72)【発明者】
【氏名】西 高宏
(72)【発明者】
【氏名】梨本 裕太郎
【審査官】鈴木 圭一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-146017(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0061715(US,A1)
【文献】特開2016-157277(JP,A)
【文献】特開2016-126749(JP,A)
【文献】特開2010-128938(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00
G06V 40/16
G07C 9/37
G07C 9/38
G06F 21/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1エリアにおいて撮影された第1画像から検出された第1人物の生体情報と登録生体情報群に含まれる複数の登録者の登録生体情報との第1照合を行う第1照合部と、
前記第1照合の照合結果に基づいて、候補者の生体情報を含む第1生体情報群を、前記登録生体情報群から取得する取得部と、
前記候補者の前記第1生体情報群を記憶する記憶部と、
前記第1エリアとは異なる第2エリアにおいて撮影された第2画像から検出された第2人物の生体情報と前記第1生体情報群に含まれる前記候補者の生体情報との第2照合を行う第2照合部と、
前記第2照合の照合結果に基づいて、前記候補者に予め関連付けられた残高情報を取得する
残高情報取得部と、
前記第2照合の照合結果及び前記残高情報に基づいて、前記第2エリアから制限エリアへの前記第2人物の通行権限の有無を判定する判定部と、
前記通行権
限に基づいて、前記制限エリアと前記
第2エリアとの間に設置された通行制限装置の扉の開閉を制御する制御部と、
前記扉が開放された場合に、前記記憶部の前記第1生体情報群
のうち、前記第2人物との前記第2照合の照合結果が照合一致である前記
候補者の生体情報を削除する削除部と、
を備え
る情報処理装置。
【請求項2】
前記候補者は、前記登録者のうち前記第1照合における前記第1人物との照合スコアが所定の閾値以上の人物である、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第2画像から前記
第2人物の生体情報を検出する検出部、
をさらに備える請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記削除部は、前記記憶部への登録時刻からの経過時間が所定時間に達した前記
候補者の生体情報を削除する、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記削除部は、所定の監視エリアにおいて撮影された第3画像から検出された新たな人物の生体情報が前記
候補者の生体情報と一致するとき、前記記憶部から前記
候補者の生体情報を削除する、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記削除部は、前記記憶部に前記第1人物について複数の生体情報が存在する場合、前記記憶部への登録時刻が早い方を削除する、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
第1エリアにおいて撮影された第1画像から検出された第1人物の生体情報と登録生体情報群に含まれる複数の登録者の登録生体情報との第1照合を行うステップと、
前記第1照合の照合結果に基づいて、候補者の生体情報を含む第1生体情報群を、前記登録生体情報群から取得するステップと、
前記候補者の前記第1生体情報群を記憶装置に記憶するステップと、
前記第1エリアとは異なる第2エリアにおいて撮影された第2画像から検出された第2人物の生体情報と前記第1生体情報群に含まれる前記候補者の生体情報との第2照合を行うステップと、
前記第2照合の照合結果に基づいて、前記候補者に予め関連付けられた残高情報を取得するステップと、
前記第2照合の照合結果及び前記残高情報に基づいて、前記第2エリアから制限エリアへの前記第2人物の通行権限の有無を判定するステップと、
前記通行権
限に基づいて、前記制限エリアと前記
第2エリアとの間に設置された通行制限装置の扉の開閉を制御するステップと、
前記扉が開放された場合に、前記記憶装置の前記第1生体情報群
のうち、前記第2人物との前記第2照合の照合結果が照合一致である前記
候補者の生体情報を削除するステップと、
を備
える情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
第1エリアにおいて撮影された第1画像から検出された第1人物の生体情報と登録生体情報群に含まれる複数の登録者の登録生体情報との第1照合を行うステップと、
前記第1照合の照合結果に基づいて、候補者の生体情報を含む第1生体情報群を、前記登録生体情報群から取得するステップと、
前記候補者の前記第1生体情報群を記憶装置に記憶するステップと、
前記第1エリアとは異なる第2エリアにおいて撮影された第2画像から検出された第2人物の生体情報と前記第1生体情報群に含まれる前記候補者の生体情報との第2照合を行うステップと、
前記第2照合の照合結果に基づいて、前記候補者に予め関連付けられた残高情報を取得するステップと、
前記第2照合の照合結果及び前記残高情報に基づいて、前記第2エリアから制限エリアへの前記第2人物の通行権限の有無を判定するステップと、
前記通行権
限に基づいて、前記制限エリアと前記
第2エリアとの間に設置された通行制限装置の扉の開閉を制御するステップと、
前記扉が開放された場合に、前記記憶装置の前記第1生体情報群
のうち、前記第2人物との前記第2照合の照合結果が照合一致である前記
候補者の生体情報を削除するステップと、
を実行さ
せるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、入力された生体情報と登録ユーザの生体情報とを照合して本人確認を行う認証サーバを備え、認証サーバからの認証許可に基づいてゲートのロックを解除する入退場管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に例示されているシステムでは、認証エリアにおいて撮影された人物の顔特徴量と、データベース上に予め記憶されているN(2以上の整数)人分の登録者の顔特徴量とを順番に照合する。このため、登録者の母集団Nが大きくなると、顔認証における認証精度や認証速度が低下してしまう場合があった。
【0005】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑み、顔認証における認証精度及び認証速度を向上できる情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの観点によれば、第1エリアにおいて撮影された第1画像から検出された第1人物の生体情報と登録生体情報群に含まれる複数の登録者の登録生体情報との第1照合を行う第1照合部と、前記第1照合の照合結果に基づいて、候補者の生体情報を含む第1生体情報群を、前記登録生体情報群から取得する取得部と、前記候補者の前記第1生体情報群を記憶する記憶部と、前記第1エリアとは異なる第2エリアにおいて撮影された第2画像から検出された第2人物の生体情報と前記第1生体情報群に含まれる前記候補者の生体情報との第2照合を行う第2照合部と、前記第2照合の照合結果に基づいて、前記候補者に予め関連付けられた残高情報を取得する残高情報取得部と、前記第2照合の照合結果及び前記残高情報に基づいて、前記第2エリアから制限エリアへの前記第2人物の通行権限の有無を判定する判定部と、前記通行権限に基づいて、前記制限エリアと前記第2エリアとの間に設置された通行制限装置の扉の開閉を制御する制御部と、前記扉が開放された場合に、前記記憶部の前記第1生体情報群のうち、前記第2人物との前記第2照合の照合結果が照合一致である前記候補者の生体情報を削除する削除部と、を備える情報処理装置が提供される。
【0010】
本発明の他の観点によれば、第1エリアにおいて撮影された第1画像から検出された第1人物の生体情報と登録生体情報群に含まれる複数の登録者の登録生体情報との第1照合を行うステップと、前記第1照合の照合結果に基づいて、候補者の生体情報を含む第1生体情報群を、前記登録生体情報群から取得するステップと、前記候補者の前記第1生体情報群を記憶装置に記憶するステップと、前記第1エリアとは異なる第2エリアにおいて撮影された第2画像から検出された第2人物の生体情報と前記第1生体情報群に含まれる前記候補者の生体情報との第2照合を行うステップと、前記第2照合の照合結果に基づいて、前記候補者に予め関連付けられた残高情報を取得するステップと、前記第2照合の照合結果及び前記残高情報に基づいて、前記第2エリアから制限エリアへの前記第2人物の通行権限の有無を判定するステップと、前記通行権限に基づいて、前記制限エリアと前記第2エリアとの間に設置された通行制限装置の扉の開閉を制御するステップと、前記扉が開放された場合に、前記記憶装置の前記第1生体情報群のうち、前記第2人物との前記第2照合の照合結果が照合一致である前記候補者の生体情報を削除するステップと、を備える情報処理方法が提供される。
【0011】
本発明のさらに他の観点によれば、コンピュータに、第1エリアにおいて撮影された第1画像から検出された第1人物の生体情報と登録生体情報群に含まれる複数の登録者の登録生体情報との第1照合を行うステップと、前記第1照合の照合結果に基づいて、候補者の生体情報を含む第1生体情報群を、前記登録生体情報群から取得するステップと、前記候補者の前記第1生体情報群を記憶装置に記憶するステップと、前記第1エリアとは異なる第2エリアにおいて撮影された第2画像から検出された第2人物の生体情報と前記第1生体情報群に含まれる前記候補者の生体情報との第2照合を行うステップと、前記第2照合の照合結果に基づいて、前記候補者に予め関連付けられた残高情報を取得するステップと、前記第2照合の照合結果及び前記残高情報に基づいて、前記第2エリアから制限エリアへの前記第2人物の通行権限の有無を判定するステップと、前記通行権限に基づいて、前記制限エリアと前記第2エリアとの間に設置された通行制限装置の扉の開閉を制御するステップと、前記扉が開放された場合に、前記記憶装置の前記第1生体情報群のうち、前記第2人物との前記第2照合の照合結果が照合一致である前記候補者の生体情報を削除するステップと、を実行させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、顔認証における認証精度及び認証速度を向上できる情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1実施形態における情報処理システムの全体構成例を示す図である。
【
図2】第1実施形態における複数の認証エリアの位置関係を説明する図である。
【
図3】第1実施形態におけるセンタサーバ及び中継サーバのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【
図4】第1実施形態における情報処理システムの機能ブロック図である。
【
図5】第1実施形態におけるセンタサーバが記憶する登録者情報の一例を示す図である。
【
図6】第1実施形態における中継サーバが記憶する候補者情報の一例を示す図である。
【
図7】第1実施形態における情報処理システムの処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図8】第2実施形態における情報処理システムの全体構成例を示す図である。
【
図9】第2実施形態における情報処理システムの機能ブロック図である。
【
図10】第2実施形態における外部サーバが記憶する会員情報の一例を示す図である。
【
図11】第2実施形態における情報処理システムの処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図12】第3実施形態における情報処理システムの全体構成例を示す図である。
【
図13】第3実施形態における中継サーバの処理の一例を示すフローチャートである。
【
図14】第4実施形態における情報処理システムの全体構成例を示す図である。
【
図15】第4実施形態における中継サーバの処理の一例を示すフローチャートである。
【
図16】第5実施形態における情報処理システムの機能ブロック図である。
【
図17】第5実施形態における情報処理システムの処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図18】第6実施形態における情報処理システムの全体構成例を示す図である。
【
図19】第6実施形態における情報処理システムの処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図20】第7実施形態における情報処理装置の機能ブロック図である。
【
図21】第8実施形態における情報処理装置の機能ブロック図である。
【
図22】第9実施形態における情報処理装置の機能ブロック図である。
【
図23】第10実施形態における情報処理システムの機能ブロック図である。
【
図24】変形実施形態における中継サーバの処理の一例を示すフローチャートである。
【
図25】変形実施形態における管理サーバが記憶する情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の例示的な実施形態を説明する。図面において同様の要素又は対応する要素には同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化することがある。
【0015】
[第1実施形態]
本実施形態における情報処理システム1の構成について、
図1乃至
図6を参照しつつ説明する。本実施形態の情報処理システム1は、例えばイベント会場、テーマパーク、交通機関(鉄道や空港)、ホテル等の大規模な施設において、顔認証技術を利用して多数の人物の入退場を管理するコンピュータシステムである。
【0016】
図1は、本実施形態における情報処理システム1の全体構成例を示す図である。
図1に示すように、情報処理システム1は、センタサーバ10と、プレ認証用カメラ20と、本認証用カメラ30と、中継サーバ40と、ゲート装置50とを備える。各装置は、LAN(Local Area Network)やインターネット等のネットワークNWに接続されている。なお、
図1における破線部は、入退場の管理が行われる拠点を示している。拠点内には、センタサーバ10以外の装置が設置されている。
【0017】
センタサーバ10は、拠点の情報を一元的に管理する情報処理装置(第1サーバ)である。
図1では、拠点の数は一つのみ示されているが、拠点の数はこれに限られない。また、センタサーバ10は、本システムの利用を希望する人物(以下、「登録者」という。)の生体情報を予め記憶する登録者情報データベース11を有する。生体情報は、顔画像、指紋画像、虹彩画像、指の静脈画像、掌紋画像、手のひらの静脈画像等である。生体情報は、1つであっても複数であってもよい。
【0018】
なお、本実施形態における“生体情報”の語句は、顔画像及び顔画像から抽出される特徴量を意味するものとする。登録者の顔画像は、例えば利用者がオンライン上で会員登録をする際に、利用者から画像ファイルがアップロードされることで得られる。また、センタサーバ10及び中継サーバ40は、受信した撮影画像から人物の生体情報を検出する機能をそれぞれ備えている。顔画像から抽出される特徴量(「顔特徴量」ともいう。)は、例えば、瞳、鼻、口端といった特徴的なパーツの位置等の顔の特徴を示す量であり得る。
【0019】
図2は、本実施形態における複数の認証エリアの位置関係を説明する図である。
図1及び
図2に示すように、認証エリアは、プレ認証エリア(第1エリア)と本認証エリア(第2エリア)の2種類に大別される。プレ認証エリアは、事前認証を行うための領域であり、本認証エリアよりも制限エリアから離れた位置に設定されている。これに対し、本認証エリアは、最終的な認証を行うための領域であり、制限エリアから近い位置に設定されている。
【0020】
プレ認証用カメラ20は、プレ認証エリアを撮影して第1画像を生成する撮影装置(第1カメラ)である。
図2に示すように、プレ認証用カメラ20は、例えば、本認証エリアへ移動する際に利用者が必ず通過する通路や階段等に設置されると好適である。また、プレ認証エリアは一箇所に限られず、拠点設備の複数箇所に設定できる。同様に、プレ認証エリアにおけるプレ認証用カメラ20の台数は1台に限られない。例えば、一箇所のプレ認証エリアに複数台設置してもよい。本認証用カメラ30は、プレ認証エリアとは異なる本認証エリアを撮影して第2画像を生成する撮影装置(第2カメラ)である。
【0021】
センタサーバ10は、複数の登録者の生体情報を含む登録生体情報群と、第1画像から検出された人物(以下、「第1人物」という。)の生体情報とを照合するとともに、登録生体情報群から、第1人物の生体情報を含む第1生体情報群を特定する。そして、センタサーバ10は、登録生体情報群(登録者情報)から絞り込んだ第1生体情報群を候補者情報として中継サーバ40に送信する。
【0022】
中継サーバ40は、各拠点において人物の顔認証処理を行う情報処理装置(第2サーバ)である。中継サーバ40は、本認証エリアにおいて撮影された第2画像から検出した人物(以下、「第2人物」という。)の生体情報と、第1生体情報群に含まれる生体情報とを照合する。中継サーバ40は、センタサーバ10側から受信した候補者情報(第1生体情報群)を記憶する候補者情報データベース41を有している。ゲート装置50は、本認証エリアと制限エリアの間に設置された通行制限装置である。通行制限装置は、自動改札機等のゲート装置50に限られず、ドア装置でもよい。
【0023】
図3は、センタサーバ10及び中継サーバ40のハードウェア構成例を示すブロック図である。センタサーバ10は、演算、制御及び記憶を行うコンピュータとして、CPU(Central Processing Unit)151、RAM(Random Access Memory)152、ROM(Read Only Memory)153及びHDD(Hard Disk Drive)154を備える。また、情報処理システム1は、通信I/F(インターフェース)155、表示装置156及び入力装置157を備える。CPU151、RAM152、ROM153、HDD154、通信I/F155、表示装置156及び入力装置157は、バス158を介して相互に接続される。なお、表示装置156及び入力装置157は、これらの装置を駆動するための不図示の駆動装置を介してバス158に接続されてもよい。
【0024】
図3では、センタサーバ10を構成する各部が一体の装置として図示されているが、これらの機能の一部は外付け装置により提供されるものであってもよい。例えば、表示装置156及び入力装置157は、CPU151等を含むコンピュータの機能を構成する部分とは別の外付け装置であってもよい。
【0025】
CPU151は、ROM153、HDD154等に記憶されたプログラムに従って所定の動作を行うとともに、センタサーバ10の各部を制御する機能を有するプロセッサである。RAM152は、揮発性記憶媒体から構成され、CPU151の動作に必要な一時的なメモリ領域を提供する。ROM153は、不揮発性記憶媒体から構成され、センタサーバ10の動作に用いられるプログラム等の必要な情報を記憶する。HDD154は、不揮発性記憶媒体から構成され、処理に必要なデータ、センタサーバ10の動作用プログラム等の記憶を行う記憶装置である。
【0026】
通信I/F155は、イーサネット(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、4G等の規格に基づく通信インターフェースであり、他の装置との通信を行うためのモジュールである。表示装置156は、液晶ディスプレイ、OLEDディスプレイ等であって、画像、文字、インターフェース等の表示に用いられる。入力装置157は、キーボード、ポインティングデバイス等であって、ユーザが情報処理システム1を操作するために用いられる。ポインティングデバイスの例としては、マウス、トラックボール、タッチパネル、ペンタブレット等が挙げられる。表示装置156及び入力装置157は、タッチパネルとして一体に形成されていてもよい。
【0027】
なお、中継サーバ40が備えるCPU451、RAM452、ROM453、HDD454、通信I/F455、表示装置456、入力装置457及びバス458の機能は、センタサーバ10のCPU151、RAM152、ROM153、HDD154、通信I/F155、表示装置156、入力装置157及びバス158と同様であるため、説明を省略する。
【0028】
また、
図3に示すハードウェア構成は例示であり、これら以外の装置が追加されていてもよく、一部の装置が設けられていなくてもよい。また、一部の装置が同様の機能を有する別の装置に置換されていてもよい。さらに、本実施形態の一部の機能がネットワークを介して他の装置により提供されてもよく、本実施形態の機能が複数の装置に分散されて実現されるものであってもよい。例えば、HDD154は、半導体メモリを用いたSSD(Solid State Drive)に置換されていてもよく、クラウドストレージに置換されていてもよい。
【0029】
図4は、本実施形態における情報処理システム1の機能ブロック図である。センタサーバ10は、第1記憶部101と、第1画像取得部102と、第1特徴量算出部103と、第1照合部104と、候補者情報出力部105とを備える。また、中継サーバ40は、候補者情報取得部401と、第2記憶部402と、第2画像取得部403と、第2特徴量算出部404と、第2照合部405と、判定部406と、ゲート制御部407と、候補者情報削除部408とを備える。
【0030】
センタサーバ10のCPU151は、ROM153、HDD154等に記憶されたプログラムをRAM152にロードして実行する。これにより、センタサーバ10のCPU151は、第1画像取得部102、第1特徴量算出部103、第1照合部104及び候補者情報出力部105の機能を実現する。さらに、センタサーバ10のCPU151は、HDD154を制御することにより第1記憶部101の機能を実現する。本実施形態では、登録者情報データベース11が第1記憶部101に相当する。
【0031】
同様に、中継サーバ40のCPU451は、ROM453、HDD454等に記憶されたプログラムをRAM452にロードして実行する。これにより、中継サーバ40のCPU451は、候補者情報取得部401、第2画像取得部403、第2特徴量算出部404、第2照合部405、判定部406、ゲート制御部407及び候補者情報削除部408の機能を実現する。これらの各部で行われる処理については後述する。さらに、中継サーバ40のCPU451は、HDD454を制御することにより第2記憶部402の機能を実現する。本実施形態では、候補者情報データベース41が第2記憶部402に相当する。
【0032】
図5は、本実施形態におけるセンタサーバ10(登録者情報データベース11)が記憶する登録者情報の一例を示す図である。ここでは、登録者情報のデータ項目として、登録者ID、氏名、住所、連絡先、顔画像及び顔特徴量が挙げられている。例えば、登録者ID“00001”の登録者情報では、人物の氏名は“[氏名NM1]”、住所は“[住所A1]”、連絡先は“[連絡先C1]”である。そして、登録者ID“00001”の人物の顔画像から算出された顔特徴量(生体情報)は、“[顔特徴量D1]”であることが示されている。
【0033】
図6は、本実施形態における中継サーバ40(候補者情報データベース41)が記憶する候補者情報の一例を示す図である。ここでは、候補者情報のデータ項目として、検出SEQ、顔特徴量及びDB登録時刻が挙げられている。検出SEQは、プレ認証エリアにおける検出順序を示す。DB登録日時は、センタサーバ10から受信した候補者情報が候補者情報データベース41に登録された日時を示す。例えば、検出SEQ“00101”の候補者情報では、顔特徴量は“[顔特徴量D5]”であり、DB登録時刻が“[登録時刻t1]”のときに情報が候補者情報データベース41に登録されたことを示している。
【0034】
続いて、本実施形態における情報処理システム1の作用及び効果について
図7を参照しつつ説明する。
図7は、情報処理システム1の処理の一例を示すシーケンス図である。
【0035】
先ず、プレ認証用カメラ20は、プレ認証エリアを撮影し(ステップS101)、その撮影画像をセンタサーバ10に送信する(ステップS102)。次に、センタサーバ10の第1画像取得部102がプレ認証用カメラ20から撮影画像を受信すると、センタサーバ10の第1特徴量算出部103は、受信した撮影画像に含まれる検出人物(第1人物)の第1特徴量を算出する(ステップS103)。
【0036】
次に、センタサーバ10の第1照合部104は、検出人物の第1特徴量と登録者情報データベース11に記憶されている登録者の特徴量とを照合する(ステップS104)。次に、第1照合部104は、検出人物の第1特徴量と登録者の特徴量との照合スコアが所定の閾値(判定基準値)以上である場合、該当者の中から照合スコアが最も高い登録者を候補者として特定する(ステップS105)。なお、センタサーバ10が照合・特定する候補者は、一人には限られない。照合スコアが所定の閾値(判定基準値)以上である人物が複数人いる場合には、複数人を特定してもよい。
【0037】
次に、センタサーバ10の候補者情報出力部105は、照合処理によって登録者の中から特定された人物の候補者情報を中継サーバ40に送信する(ステップS106)。次に、中継サーバ40の候補者情報取得部401は、センタサーバ10から受信した候補者情報を第2記憶部402である候補者情報データベース41に記憶する(ステップS107)。
【0038】
本認証用カメラ30は、本認証エリアを撮影し(ステップS108)、その撮影画像を中継サーバ40に送信する(ステップS109)。次に、中継サーバ40の第2画像取得部403が、本認証用カメラ30から撮影画像を受信すると、第2特徴量算出部404は、受信した撮影画像に含まれる検出人物(第2人物)の第2特徴量を算出する(ステップS110)。そして、中継サーバ40の第2照合部405は、第2特徴量と候補者の第1特徴量とを照合する(ステップS111)。
【0039】
次に、中継サーバ40の判定部406は、検出人物の第2特徴量と候補者の第1特徴量との照合スコアが所定の閾値(判定基準値)以上であるか否かを判定する(ステップS112)。ここで、中継サーバ40の判定部406は、特徴量の照合スコアが閾値以上であると判定した場合(ステップS112:YES)には、該当する候補者の中から特徴量の照合スコアが最も高い候補者を特定し、検出人物を認証する(ステップS113)。すなわち、2つの特徴量は一致したとみなされる。次に、中継サーバ40のゲート制御部407は、ゲート制御情報をゲート装置50に送信する(ステップS114)。
【0040】
ゲート装置50は、中継サーバ40から受信したゲート制御情報に基づいてゲートを開放すると(ステップS115)、ゲート開放完了を示すステータス情報を中継サーバ40に送信する(ステップS116)。
【0041】
中継サーバ40の判定部406は、特徴量の照合スコアが閾値未満であると判定した場合(ステップS112:NO)には、検出人物(第2人物)に対して通行不可の判定を行い(ステップS118)、処理を終了する。この場合、ゲート装置50では閉鎖状態が維持される。
【0042】
ステップS117においては、中継サーバ40の候補者情報削除部408は、ゲートを通過した人物に関する候補者情報を候補者情報データベース41から削除し、処理を終了する。なお、上述の処理においては、ゲート装置50の初期状態が閉鎖状態であることを前提として説明したが、初期状態は開放状態である場合も有り得る。この場合、照合スコアが閾値未満であると判定されると、ゲート装置50を開放状態から閉鎖状態に制御すればよい。また、照合スコアが閾値未満の場合に、ゲート装置50の開閉動作を制御する代わりに、例えば音声、光、テキスト等によってアラートをゲート装置50等から出力してもよい。
【0043】
本実施形態における情報処理システム1は、プレ認証エリアの撮影画像から検出された第1人物が登録者として登録されている場合に、本認証エリアの撮影画像から検出される人物との照合処理の候補者として第1人物を複数の登録者のうちから特定し、その候補者情報はセンタサーバ10から中継サーバ40に送信されて記憶される。そして、プレ認証エリアにおいて絞り込まれた候補者と本認証エリアの撮影画像から検出された人物との間で特徴量の比較により、最終的な認証を行う。すなわち、1対N認証の母集団Nに属する人物の数を大幅に絞り込んだ後に最終認証を行う構成のため、最終認証における認証精度及び認証速度を大幅に向上させることができる。
【0044】
また、本実施形態における情報処理システム1は、本認証が完了した候補者の情報をゲート通過後に速やかに削除する構成である。このため、中継サーバ40の候補者情報データベース41に不要となった候補者情報が蓄積することを防止できる。その結果、1対N顔認証における認証精度及び認証速度の低下を防止できる。
【0045】
[第2実施形態]
以下、第2実施形態における情報処理システム2について説明する。なお、第1実施形態の図中において付与した符号と共通する符号は同一の対象を示す。このため、第1実施形態と共通する箇所の説明は省略し、異なる箇所について詳細に説明する。
【0046】
図8は、本実施形態における情報処理システム2の全体構成例を示す図である。
図8に示すように、中継サーバ40は、ネットワークNWを介して外部サーバ60に接続されている。外部サーバ60は、例えばセンタサーバ10を管理する企業とは異なる企業がサービスの提供に用いるサーバであり、会員情報データベース61を有している。
【0047】
図9は、本実施形態における情報処理システム2の機能ブロック図である。
図9に示すように、本実施形態の中継サーバ40は、外部サーバ60から会員の残高情報を取得する残高情報取得部409をさらに備えている点で第1実施形態と異なっている。
【0048】
図10は、本実施形態における外部サーバ60が記憶する会員情報の一例を示す図である。ここでは、会員情報のデータ項目の例として、会員ID、氏名、住所、連絡先、残高情報及び自動チャージが挙げられている。会員IDは、会員ごとに固有なIDである。残高情報は、会員が各種のサービスに使用可能な電子マネーの残高を示す。自動チャージは、残高が一定額を下回った場合に設定金額を自動的に加算するサービスの設定の有無を示す。なお、本実施形態では、会員IDは
図5に示す登録者IDに対応するIDであるが、登録者IDに紐付けられた別のIDでもよい。
【0049】
続いて、本実施形態における情報処理システム2の作用及び効果について
図11を参照しつつ説明する。
図11は、情報処理システム2の処理の一例を示すシーケンス図である。
【0050】
先ず、プレ認証用カメラ20は、プレ認証エリアを撮影し(ステップS201)、その撮影画像をセンタサーバ10に送信する(ステップS202)。次に、センタサーバ10の第1画像取得部102がプレ認証用カメラ20から撮影画像を受信すると、第1特徴量算出部103は、受信した撮影画像に含まれる検出人物(第1人物)の第1特徴量を算出する(ステップS203)。
【0051】
次に、センタサーバ10の第1照合部104は、第1特徴量と登録者情報データベース11に記憶されている登録者の特徴量とを照合する(ステップS204)。次に、第1照合部104は、検出人物の第1特徴量と登録者の特徴量との照合スコアが所定の閾値(判定基準値)を以上である場合、該当する登録者の中から照合スコアが最も高い人物を候補者として特定する(ステップS205)。なお、センタサーバ10が照合・特定する候補者は、一人には限られない。照合スコアが所定の閾値(判定基準値)以上である人物が複数人いる場合には、複数人を特定してもよい。
【0052】
次に、センタサーバ10の候補者情報出力部105は、照合処理によって登録者の中から特定された候補者の候補者情報を中継サーバ40に送信する(ステップS206)。次に、中継サーバ40の候補者情報取得部401は、センタサーバ10から受信した候補者情報を第2記憶部402である候補者情報データベース41に記憶する(ステップS207)。
【0053】
次に、中継サーバ40の残高情報取得部409は、特定された候補者の会員認証情報を外部サーバ60へ送信する(ステップS208)。会員認証情報は、例えば候補者情報と併せてセンタサーバ10から取得され得る。外部サーバ60は、中継サーバ40から受信した会員認証情報に基づいて、会員情報データベース61から候補者の残高情報を取得し、中継サーバ40へ返信する(ステップS209)。
【0054】
本認証用カメラ30は、本認証エリアを撮影し(ステップS210)、その撮影画像を中継サーバ40に送信する(ステップS211)。次に、中継サーバ40の第2画像取得部403が、本認証用カメラ30から撮影画像を受信すると、第2特徴量算出部404は、受信した撮影画像に含まれる検出人物(第2人物)の第2特徴量を算出する(ステップS212)。そして、中継サーバ40の第2照合部405は、第2特徴量と候補者の第1特徴量とを照合する(ステップS213)。
【0055】
次に、中継サーバ40の判定部406は、検出人物の第2特徴量と候補者の第1特徴量との照合スコアが所定の閾値(判定基準値)以上であるか否かを判定する(ステップS214)。ここで、中継サーバ40の判定部406が、特徴量の照合スコアが閾値以上であると判定した場合(ステップS214:YES)には、該当する候補者の中から特徴量の照合スコアが最も高い候補者を特定し、検出人物を認証する(ステップS215)。その後、処理はステップS216に移行する。
【0056】
中継サーバ40の判定部406が、特徴量の照合スコアが閾値未満であると判定した場合(ステップS214:NO)には、第2人物に対して通行不可の判定を行い(ステップS223)、処理を終了する。
【0057】
ステップS216において、中継サーバ40の判定部406は、第1人物の残高情報を参照し、その残高が課金金額以上であるか否かを判定する。ここで、中継サーバ40の判定部406が、残高は課金金額以上であると判定した場合(ステップS216:YES)には、中継サーバ40は課金情報を外部サーバ60に送信する(ステップS217)。この課金情報を受け、外部サーバ60は、会員情報データベース61の会員情報に含まれる残高情報を更新する(ステップS218)。
【0058】
また、ステップS217の処理と並行して、中継サーバ40のゲート制御部407は、ゲート制御情報をゲート装置50に送信する(ステップS219)。
【0059】
ゲート装置50は、中継サーバ40から受信したゲート制御情報に基づいてゲートを開放すると(ステップS220)、ゲート開放完了を示すステータス情報を中継サーバ40に送信する(ステップS221)。
【0060】
中継サーバ40の判定部406は、残高は課金金額未満である判定した場合(ステップS216:NO)には、第2人物に対して通行不可の判定を行い(ステップS223)、処理を終了する。この場合、ゲート装置50では閉鎖状態が維持される。
【0061】
ステップS222においては、中継サーバ40の候補者情報削除部408は、ゲートを通過した人物に関する候補者情報を候補者情報データベース41から削除し、処理を終了する。なお、
図11のシーケンス図では、第1特徴量と第2特徴量の照合スコアの判定処理(ステップS214)の後に、残高と課金金額の比較処理(ステップS216)を行っていたが、処理の順序はこれに限られない。例えば、登録者(候補者)の残高と課金金額との比較処理(ステップS216)は、中継サーバ40が外部サーバ60から残高情報を受信した直後に行ってもよい。この場合、中継サーバ40は、残高が課金金額未満であると判定したとき、残高不足の候補者に対応する候補者情報を候補者情報データベース41から削除する処理をさらに行うとよい。中継サーバ40から対応する候補者情報が削除されると、後続の判定処理(ステップS214に相当)においては、中継サーバ40は、照合スコアが閾値以上である候補者情報は存在しないと判定する。このため、
図11と同様に、中継サーバ40は、残高不足の登録者を通行不可にできる。
【0062】
本実施形態における情報処理システム2は、顔特徴量の照合結果だけでなく、連携先の外部サーバ60から取得された候補者の残高情報を考慮して制限エリアへの通行可否を判定する構成のため、サービスを利用可能な人物を判定できる。また、ゲート装置50の近傍に設置された本認証用カメラ30で撮影する前に、中継サーバ40は候補者の残高情報を有しているため、中継サーバ40は、本認証用カメラ30で撮影した撮影画像の第2特徴量と第1特徴量との照合スコアが閾値以上であると判定した場合には、すぐにゲートを開放することができる。
【0063】
[第3実施形態]
以下、第3実施形態における情報処理システム3について説明する。なお、第1実施形態の図中において付与した符号と共通する符号は同一の対象を示す。このため、第1実施形態と共通する箇所の説明は省略し、異なる箇所について詳細に説明する。
【0064】
図12は、情報処理システム3の全体構成例を示す図である。
図12に示すように、本実施形態はプレ認証エリアが2箇所に設定され、プレ認証エリアA、Bの各エリアに対応してプレ認証用カメラ20A、20Bが設置されている点で第1実施形態と異なっている。なお、プレ認証エリアは、3箇所以上に設定されてもよい。
【0065】
続いて、本実施形態における情報処理システム3の作用及び効果について
図13を参照しつつ説明する。
図13は、中継サーバ40の処理の一例を示すフローチャートである。
【0066】
先ず、中継サーバ40の候補者情報取得部401は、センタサーバ10から候補者情報を受信すると(ステップS301)、候補者情報データベース41(第2記憶部402)を参照し、候補者情報に含まれる第1特徴量が登録済みの特徴量であるか否かを判定する(ステップS302)。
【0067】
ここで、中継サーバ40の候補者情報取得部401が、第1特徴量は登録済みの特徴量であると判定した場合(ステップS302:YES)には、中継サーバ40の候補者情報削除部408は、登録日時が古い、登録済みの候補者情報を削除する(ステップS303)。その後、処理はステップS304に移行する。これに対し、中継サーバ40の候補者情報取得部401が、第1特徴量は未登録の特徴量であると判定した場合(ステップS302:NO)には、処理はステップS304に移行する。
【0068】
ステップS304において、候補者情報取得部401は、ステップS301で受信した候補者情報を候補者情報データベース41に登録し、処理を終了する。なお、上述のステップS302の判定処理においては、特徴量が登録済みか否かによって重複を判定したが、判定方法はこれに限られない。例えば、候補者情報データベース41において登録者IDが特徴量に紐付けられて記憶されている場合には、登録者IDに基づいて重複した候補者情報を検出し、削除できる。
【0069】
本実施形態における情報処理システム3においては、複数のプレ認証エリアA、Bにおける撮影画像から人物が検出され、候補者情報としてセンタサーバ10から中継サーバ40にそれぞれ送信される。この場合、同一人物について候補者情報が複数回送信される場合も有り得る。しかし、候補者情報データベース41には同一の特徴量が存在しないように制御されるため、不要な候補者情報が蓄積することを防止できる。その結果、1対N顔認証における認証精度及び認証速度の低下を防止できる。
【0070】
[第4実施形態]
以下、第4実施形態における情報処理システム4について説明する。なお、第1実施形態の図中において付与した符号と共通する符号は同一の対象を示す。このため、第1実施形態と共通する箇所の説明は省略し、異なる箇所について詳細に説明する。
【0071】
図14は、本実施形態における情報処理システム4の全体構成例を示す図である。
図14に示すように、情報処理システム4は、拠点内において、プレ認証用カメラ20及び本認証用カメラ30とは別に、削除用カメラ70が設置される点で第1実施形態と異なっている。削除用カメラ70は、所定の監視エリアを撮影する撮影装置(第3カメラ)である。
【0072】
図14においては、監視エリアがプレ認証エリアとは別領域である場合について例示したが、同一に設定される場合も有り得る。すなわち、削除用カメラ70は、例えば、(A)
図14に示すように、本認証エリアに対して、プレ認証エリアよりも遠い位置に設置されてもよいし、(B)本人認証エリア(本認証用カメラ30)を中心としてプレ認証用カメラ20と対向するように設置されてもよい。これにより、人物の顔の向きや進行方向に基づいて、当該人物が制限エリアに向かって移動しているのか、あるいは、制限エリアから遠ざかるように移動しているのかを容易に判定できる。そして、中継サーバ40(候補者情報削除部408)は、制限エリアから遠ざかる人物について候補者情報データベース41から候補者情報を削除する。
【0073】
続いて、本実施形態における情報処理システム4の作用及び効果について
図15を参照しつつ説明する。
図15は、本実施形態における中継サーバ40の処理の一例を示すフローチャートである。
【0074】
先ず、中継サーバ40は、削除用カメラ70から監視エリアの撮影画像(第3画像)を受信すると(ステップS401)、撮影画像に含まれる検出人物(第3人物)の第3特徴量を算出する(ステップS402)。次に、中継サーバ40は、算出した第3特徴量と候補者の第1特徴量とを照合する(ステップS403)
【0075】
次に、中継サーバ40は、候補者情報データベース41を参照し、第3特徴量が登録済みの特徴量であるか否かを判定する(ステップS404)。ここで、中継サーバ40が、第3特徴量は登録済みの特徴量であると判定した場合(ステップS404:YES)には、中継サーバ40の候補者情報削除部408は、登録済みの候補者情報を削除し(ステップS405)、処理を終了する。
【0076】
これに対し、中継サーバ40が、第3特徴量は未登録の特徴量であると判定した場合(ステップS404:NO)には、処理は終了する。監視エリアにおける撮影画像からは候補者情報の登録は行われないものとする。ただし、第3特徴量が未登録の特徴量である場合、第1特徴量と同様にセンタサーバ10に、撮影画像又は第3特徴量を送信してもよい。
【0077】
本実施形態における情報処理システム4は、所定の監視エリアの撮影画像に含まれる人物についての候補者情報が登録されている場合に、当該候補者情報を削除できる。これにより、本認証の対象外とみなせる人物の候補者情報を適宜整理できるため、不要な候補者情報が蓄積することを防止できる。その結果、1対N顔認証における認証精度及び認証速度の低下を防止できる。
【0078】
[第5実施形態]
以下、第5実施形態における情報処理システム5について説明する。なお、第1実施形態の図中において付与した符号と共通する符号は同一の対象を示す。このため、第1実施形態と共通する箇所の説明は省略し、異なる箇所について詳細に説明する。
【0079】
図16は、本実施形態における情報処理システム5の全体構成例を示す図である。
図16に示すように、情報処理システム5は、センタサーバ10及び中継サーバ40の代わりに、これらを一体化した管理サーバ80を備える点で第1実施形態とは異なっている。
【0080】
管理サーバ80は、
図4において示したセンタサーバ10及び中継サーバ40と同様の機能を備える。具体的には、管理サーバ80は、登録者情報データベース11(第1記憶部101)及び候補者情報データベース41(第2記憶部402)の両方を備えている。なお、一体化に伴って、サーバ間で情報を送受信する機能は不要となる。
【0081】
続いて、本実施形態における情報処理システム5の作用及び効果について
図17を参照しつつ説明する。
図17は、本施形態における情報処理システム5の処理の一例を示すシーケンス図である。
【0082】
先ず、プレ認証用カメラ20は、プレ認証エリアを撮影し(ステップS501)、その撮影画像(第1画像)を管理サーバ80に送信する(ステップS502)。次に、管理サーバ80は、プレ認証用カメラ20から受信した撮影画像に含まれる検出人物(第1人物)の第1特徴量を算出する(ステップS503)。
【0083】
次に、管理サーバ80は、検出人物の第1特徴量と登録者情報データベース11に記憶されている登録者の特徴量とを照合する(ステップS504)。次に、管理サーバ80は、特徴量の照合スコアが閾値以上である登録者の中から特徴量の照合スコアが最も高い人物を候補者として特定する(ステップS505)。なお、管理サーバ80が照合・特定する候補者は、一人には限られない。照合スコアが所定の閾値(判定基準値)以上である人物が複数人いる場合には、複数人を特定してもよい。
【0084】
次に、管理サーバ80は、照合処理によって登録者の中から特定された人物の候補者情報を候補者情報データベース41に記憶する(ステップS506)。
【0085】
本認証用カメラ30は、本認証エリアを撮影し(ステップS507)、その撮影画像(第2画像)を管理サーバ80に送信する(ステップS508)。次に、管理サーバ80は、本認証用カメラ30から受信した撮影画像に含まれる検出人物(第2人物)の第2特徴量を算出すると(ステップS509)、管理サーバ80は、第2特徴量と候補者の第1特徴量とを照合する(ステップS510)。
【0086】
次に、管理サーバ80は、検出人物の第2特徴量と候補者の第1特徴量との照合スコアが所定の閾値(判定基準値)以上であるか否かを判定する(ステップS511)。ここで、管理サーバ80は、特徴量の照合スコアが閾値以上であると判定した場合(ステップS511:YES)には、該当する登録者の中から照合スコアが最も高い候補者を特定し、検出人物を認証する(ステップS512)。その後、管理サーバ80はゲート制御情報をゲート装置50に送信する(ステップS513)。
【0087】
ゲート装置50は、管理サーバ80から受信したゲート制御情報に基づいてゲートを開放すると(ステップS514)、ゲート開放完了を示すステータス情報を管理サーバ80に送信する(ステップS515)。その後、処理はステップS516に移行する。
【0088】
管理サーバ80は、照合スコアが所定の閾値未満であると判定した場合(ステップS511:NO)には、第2人物に対して通行不可の判定を行い(ステップS517)、処理を終了する。
【0089】
ステップS516においては、管理サーバ80は、ゲートを通過した人物に関する候補者情報を候補者情報データベース41から削除し、処理を終了する。
【0090】
本実施形態における情報処理システム5は、上述した第1実施形態と異なり、複数のサーバの機能を管理サーバ80が備える構成であるため、上述した第1実施形態の効果に加えて、サーバ間のデータ送受信が不要となる利点がある。
【0091】
[第6実施形態]
以下、第6実施形態における情報処理システム6について説明する。なお、第2実施形態の図中において付与した符号と共通する符号は同一の対象を示す。このため、第2実施形態と共通する箇所の説明は省略し、異なる箇所について詳細に説明する。
【0092】
図18は、本実施形態における情報処理システム6の全体構成例を示す図である。
図18に示すように、センタサーバ10は、登録者情報データベース11に加えて、会員情報データベース61を有している点で第2実施形態と異なる。すなわち、本実施形態のセンタサーバ10は、第2実施形態の外部サーバ60の機能をさらに備えている。なお、本実施形態では、会員情報データベース61は
図10に示すデータ項目のすべてを有する必要はなく、登録者情報データベース11と重複するデータ項目(氏名、住所等)は省略してよい。また、登録者情報データベース11と会員情報データベース61は、一つのデータベースに統合してもよい。
【0093】
続いて、本実施形態における情報処理システム6の作用及び効果について
図19を参照しつつ説明する。
図19は、情報処理システム6の処理の一例を示すシーケンス図である。
【0094】
先ず、プレ認証用カメラ20は、プレ認証エリアを撮影し(ステップS601)、その撮影画像をセンタサーバ10に送信する(ステップS602)。次に、センタサーバ10の第1画像取得部102がプレ認証用カメラ20から撮影画像を受信すると、第1特徴量算出部103は、受信した撮影画像に含まれる検出人物(第1人物)の第1特徴量を算出する(ステップS603)。
【0095】
次に、センタサーバ10の第1照合部104は、検出人物の第1特徴量と、登録者情報データベース11に記憶されている登録者の特徴量とを照合する(ステップS604)。第1照合部104は、検出人物の第1特徴量と登録者の特徴量との照合スコアが所定の閾値(判定基準値)以上である場合、登録者の中から照合スコアが最も高い人物を候補者として特定する(ステップS605)。なお、センタサーバ10が照合・特定する候補者は、一人には限られない。照合スコアが所定の閾値(判定基準値)以上である人物が複数人いる場合には、複数人を特定してもよい。
【0096】
次に、センタサーバ10の候補者情報出力部105は、照合処理によって登録者の中から特定された候補者の特徴量(候補者情報)及び候補者の残高情報を中継サーバ40に送信する(ステップS606)。候補者の残高情報は、登録者IDを検索キーとして会員情報データベース61を検索し、候補者の登録者IDと会員IDが一致する会員情報から取得できる。次に、中継サーバ40の候補者情報取得部401は、センタサーバ10から受信した候補者情報及び残高情報を第2記憶部402である候補者情報データベース41に記憶する(ステップS607)。
【0097】
本認証用カメラ30は、本認証エリアを撮影し(ステップS608)、その撮影画像を中継サーバ40に送信する(ステップS609)。次に、中継サーバ40の第2画像取得部403が、本認証用カメラ30から撮影画像を受信すると、第2特徴量算出部404は、受信した撮影画像に含まれる検出人物(第2人物)の第2特徴量を算出する(ステップS610)。そして、中継サーバ40の第2照合部405は、第2特徴量と候補者の第1特徴量とを照合する(ステップS611)。
【0098】
次に、中継サーバ40の判定部406は、検出人物の第2特徴量と候補者の第1特徴量との照合スコアが所定の閾値(判定基準値)以上であるか否かを判定する(ステップS612)。ここで、中継サーバ40の判定部406が、特徴量の照合スコアが閾値以上であると判定した場合(ステップS612:YES)には、該当者の中から特徴量の照合スコアが最も高い候補者を特定し、検出人物を認証する(ステップS613)。その後、処理はステップS614に移行する。
【0099】
中継サーバ40の判定部406は、特徴量の照合スコアが閾値未満であると判定した場合(ステップS612:NO)には、第2人物に対して通行不可の判定を行い(ステップS621)、処理を終了する。
【0100】
ステップS614において、中継サーバ40の判定部406は、候補者情報データベース41に記憶されている第1人物の残高情報を参照し、その残高が課金金額以上であるか否かを判定する。ここで、中継サーバ40の判定部406が、残高は課金金額以上であると判定した場合(ステップS614:YES)には、中継サーバ40のゲート制御部407は、ゲート制御情報をゲート装置50に送信する(ステップS615)。
【0101】
ゲート装置50は、中継サーバ40から受信したゲート制御情報に基づいてゲートを開放すると(ステップS616)、ゲート開放完了を示すステータス情報を中継サーバ40に送信する(ステップS617)。
【0102】
また、ステップS615~S617と並行して、中継サーバ40は、課金情報をセンタサーバ10に送信する(ステップS618)。この課金情報を受け、センタサーバ10は、会員情報データベース61の会員情報に含まれる残高情報を更新する(ステップS619)。
【0103】
中継サーバ40の判定部406は、残高が課金金額未満であると判定した場合(ステップS614:NO)には、第2人物に対して通行不可の判定を行い(ステップS621)、処理を終了する。この場合、ゲート装置50では閉鎖状態(初期状態)が維持される。
【0104】
ステップS620においては、中継サーバ40の候補者情報削除部408は、ゲートを通過した人物に関する候補者情報を候補者情報データベース41から削除し、処理を終了する。なお、
図19のシーケンス図では、第1特徴量と第2特徴量の照合スコアの判定処理(ステップS612)の後に、残高と課金金額の比較処理(ステップS614)を行っていたが、処理の順序はこれに限られない。例えば、登録者(候補者)の残高と課金金額との比較処理(ステップS614)は、中継サーバ40がセンタサーバ10から受信した残高情報を候補者情報データベース41に記憶した直後に行ってもよい。この場合、中継サーバ40は、残高が課金金額未満であると判定したとき、残高不足の候補者に対応する候補者情報を候補者情報データベース41から削除する処理をさらに行うとよい。中継サーバ40から対応する候補者情報が削除されると、後続の判定処理(ステップS612に相当)においては、中継サーバ40は、照合スコアが閾値以上である候補者情報は存在しないと判定する。このため、
図19の場合と同様に、中継サーバ40は、残高不足の登録者を通行不可にできる。
【0105】
本実施形態における情報処理システム6は、顔特徴量の照合結果だけでなく、候補者の残高情報を考慮して制限エリアへの通行可否を判定する構成のため、サービスを利用可能な人物を判定できる。また、ゲート装置50の近傍に設置された本認証用カメラ30で撮影する前に、中継サーバ40は候補者の残高情報を有しているため、中継サーバ40は、本認証用カメラ30で撮影した撮影画像の第2特徴量と第1特徴量との照合スコアが閾値以上であると判定した場合には、すぐにゲートを開放することができる。さらに、本実施形態における情報処理システム6は、上述した第2実施形態と異なり、センタサーバ10は登録者情報データベース11と会員情報データベース61の両方を備える構成であるため、外部のサーバへの認証処理を行うことなく登録者の残高情報を取得できる利点もある。
【0106】
[第7実施形態]
図20は、第7実施形態における情報処理装置100の機能ブロック図である。
図20に示すように、情報処理装置100は、取得部100Aと、照合部100Bとを備える。取得部100Aは、複数の登録者の生体情報を含む登録生体情報群から、第1エリアにおいて撮影された第1画像から検出された第1人物の生体情報を含む第1生体情報群を取得する。照合部100Bは、第1エリアとは異なる第2エリアにおいて撮影された第2画像から検出された第2人物の生体情報と、第1生体情報群に含まれる生体情報とを照合する。本実施形態における情報処理装置100は、顔認証における認証精度及び認証速度を向上できる。
【0107】
[第8実施形態]
図21は、第8実施形態における情報処理装置200の機能ブロック図である。
図21に示すように、情報処理装置200は、記憶部200Aと、第1照合部200Bと、特定部200Cと、第2照合部200Dとを備える。記憶部200Aは、複数の登録者の生体情報を含む登録生体情報群を記憶する。第1照合部200Bは、第1エリアにおいて撮影された第1画像から検出された第1人物の生体情報と、登録生体情報群に含まれる生体情報とを照合する。特定部200Cは、第1照合部200Bにおける照合結果に基づいて、登録生体情報群から、第1人物の生体情報を含む第1生体情報群を特定する。第2照合部200Dと、第1エリアとは異なる第2エリアにおいて撮影された第2画像から検出された第2人物の生体情報と、第1生体情報群に含まれる生体情報とを照合する。本実施形態における情報処理装置200は、顔認証における認証精度及び認証速度を向上できる。
【0108】
[第9実施形態]
図22は、第9実施形態における情報処理装置300の機能ブロック図である。
図22に示すように、情報処理装置300は、記憶部300Aと、照合部300Bと、特定部300Cと、出力部300Dとを備える。記憶部300Aは、複数の登録者の生体情報を含む登録生体情報群を記憶する。照合部300Bは、第1エリアにおいて撮影された第1画像から検出された第1人物の生体情報と、登録生体情報群に含まれる生体情報とを照合する。特定部300Cは、照合部300Bにおける照合結果に基づいて、登録生体情報群から、第1人物の生体情報を含む第1生体情報群を特定する。出力部300Dは、第1エリアと異なる第2エリアにおいて検出される第2人物の生体情報との照合用に第1生体情報群を出力する。本実施形態における情報処理装置300は、顔認証における認証精度及び認証速度を向上できる。
【0109】
[第10実施形態]
図23は、第10実施形態における情報処理システム400の機能ブロック図である。
図23に示すように、情報処理システム400は、第1カメラ400Aと、第2カメラ400Bと、第1サーバ400Cと、第2サーバ400Dとを備える。第1カメラ400Aは、第1エリアを撮影して第1画像を生成する。第2カメラ400Bは、第1エリアとは異なる第2エリアを撮影して第2画像を生成する。第1サーバ400Cは、複数の登録者の生体情報を含む登録生体情報群と、第1画像から検出された第1人物の生体情報とを照合するとともに、登録生体情報群から、第1人物の生体情報を含む第1生体情報群を特定する。第2サーバ400Dは、第2画像から検出された第2人物の生体情報と、第1生体情報群に含まれる生体情報とを照合する。本実施形態における情報処理システム400は、顔認証における認証精度及び認証速度を向上できる。
【0110】
[変形実施形態]
本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0111】
上述の第1実施形態では、特徴量の照合結果に基づいて検出人物の通行権限の有無を判定する場合について説明したが、特徴量の照合結果と併せて所定の認証カード(例えば、セキュリティカードや交通系ICカード等)による判定結果を使用してもよい。
【0112】
図24は、変形実施形態における中継サーバ40の処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、
図7のステップS109とステップS115との間に行われる。
【0113】
先ず、中継サーバ40は、本認証エリアの撮影画像を受信すると(ステップS701)、その撮影画像に含まれる検出人物の第2特徴量を算出する(ステップS702)。次に、中継サーバ40は、算出した第2特徴量と候補者の第1特徴量とを照合する(ステップS703)。
次に、中継サーバ40は、検出人物の第2特徴量と候補者の第1特徴量との照合スコアが所定の閾値(判定基準値)以上であるか否かを判定する(ステップS704)。ここで、中継サーバ40が、照合スコアが閾値以上であると判定した場合(ステップS704:YES)には、該当する候補者の中から特徴量の照合スコアが最も高い人物を特定する(ステップS705)。これにより、特定された候補者(登録者)と検出人物は同一人物とみなされる。その後、処理はステップS709へ移行する。これに対し、中継サーバ40が、照合スコアが閾値未満であると判定した場合(ステップS704:NO)には、処理はステップS706に移行する。
【0114】
ステップS706において、中継サーバ40は、本認証エリアにおける検出人物(以下、「認証対象者」という。)からの認証カードの提示有無を判定する。ここで、中継サーバ40が認証カードの提示有りと判定した場合(ステップS706:YES)には、処理はステップS707に移行する。これに対し、中継サーバ40が認証カードの提示無しと判定した場合(ステップS706:NO)には、処理はステップS710に移行する。
【0115】
ステップS707において、中継サーバ40は、カードリーダ装置(不図示)によって認証カードから読取った認証情報に基づいてセンタサーバ10に対して認証対象者が登録者であるか否かの問い合わせを行う。次に、中継サーバ40は、センタサーバ10からの返信情報に基づいて認証対象者が登録者であるか否かを判定する(ステップS708)。ここで、中継サーバ40が、認証対象者は登録者であると判定した場合(ステップS708:YES)には、処理はステップS709に移行する。これに対し、中継サーバ40が、認証対象者は登録者ではないと判定した場合(ステップS708:NO)には、処理はステップS710に移行する。
【0116】
ステップS709において、中継サーバ40がゲート開放を指示するゲート制御情報をゲート装置50に送信すると、処理はステップS115に移行する。一方、ステップS710において、中継サーバ40がゲート閉鎖を指示するゲート制御情報をゲート装置50に送信すると、処理は終了する。このように、顔認証と認証カードによる認証とを組み合わせることにより、顔画像が登録されていない登録者にも対応可能となる。
【0117】
また、上述の第5実施形態において、管理サーバ80は、登録者情報データベース11(第1記憶部101)及び候補者情報データベース41(第2記憶部402)の両方を備えていたが、これらのデータベースは一つに統合することができる。
図25は、変形実施形態における管理サーバ80が記憶する登録者情報の一例を示す図である。ここでは、
図5に示した登録者情報のデータ項目に、候補者フラグが追加されている。候補者フラグは、初期値が“0”であり、プレ認証エリアにおける照合結果に基づいて登録者が候補者として特定された場合には“1”に更新される。そして、照合が完了すると、照合フラグは初期値の“0”に戻るものとする。すなわち、登録者情報の中で候補者情報が定義されている。これにより、候補者フラグが“1”の登録者の特徴量(第1特徴量)と、本認証エリアの撮影画像に含まれる検出人物の第2特徴量とを照合することで、上述した第5実施形態と同様の効果が得られる。
【0118】
また、上述の実施形態においては、(A)認証対象者がゲート装置50を通過した場合、(B)登録済みの特徴量に関する候補者情報が再度受信された場合、(C)監視エリアの撮影画像に含まれる人物の候補者情報が登録済みの場合、の3種類の削除条件で候補者情報を削除することを説明したが、削除条件はこれらに限られない。例えば、候補者情報の登録日時(DB登録時刻)から現在時刻までの経過時間が所定時間に達したか否かに基づいて候補者情報を削除してもよい。この場合、時間経過に伴って不要となった候補者情報が候補者情報データベース41内に残存するのを防止できる。
【0119】
また、上述の各実施形態においては、プレ認証用カメラ20及び本認証用カメラ30が撮影画像を送信する機能のみを備える場合について説明した。しかし、プレ認証用カメラ20及び本認証用カメラ30は、撮影画像の中から人物を検出し、その特徴量を算出して送信する機能をさらに備えてもよい。この場合、センタサーバ10や中継サーバ40に対して、撮影画像の代わりに特徴量のみを送信するだけで済ませることが可能となる。
【0120】
また、上述の各実施形態においては、センタサーバ10は、中継サーバ40に対して顔特徴量のみを送信する場合について説明したが、特定した候補者の顔画像を送信してもよく、特徴量や顔画像と併せて候補者のIDを送信してもよい。顔画像を送信する場合には、照合した候補者の顔画像と第2人物の顔画像を含む通行履歴情報の作成も可能となる。また、候補者のID(登録者ID)を併せて送信して中継サーバ40側で特徴量とIDを紐付けた状態で保持する場合には、特徴量の照合だけでなくIDの照合結果に基づいて、重複する候補者情報を抽出し、削除することができる。
【0121】
また、上述の第1乃至第4の実施形態においては、一つの拠点に対して中継サーバ40を1台設置する場合について説明したが、一つの拠点に対して複数台設置してもよい。例えば、利用者が極めて多い施設においては、中継サーバ40を複数台設置することで、照合処理を分散して行える利点がある。この場合、複数の中継サーバ40間で重複する候補者情報を保持しないように、データ登録を制御すると好適である。
【0122】
また、上述の各実施形態においては、プレ認証エリアにおける照合時の閾値と、本認証エリアにおける照合時の閾値とが同一の値である場合について説明したが、当該閾値はプレ認証エリアと本認証エリアとで異なってもよい。例えば、プレ認証エリアにおける照合時の閾値は、本認証エリアにおける照合時の閾値よりも低くなるように設定してもよい。これにより、プレ認証エリアにおける候補者の抽出漏れを防止できる利点がある。逆に、プレ認証エリアにおける照合時の閾値は、本認証エリアにおける照合時の閾値よりも高くなるように設定してもよい。これにより、プレ認証を厳しい条件で実行できる。また、プレ認証エリアが複数設定された場合、各プレ認証エリアにおける照合時の閾値は、本認証エリア(本認証用カメラ30)に近付くにつれて次第に高くなるように設定してもよい。これにより、各プレ認証エリアから本認証エリアまでの距離に応じて本認証エリアにおける認証対象者(候補者)を段階的に絞り込むことができる。
【0123】
さらに、上述の各実施形態においては、プレ認証エリアにおいて同一人物が複数回検出された場合でも、同一人物の候補者情報(第1特徴量)は重複登録されないものとし、検出回数については考慮しない場合について説明した。しかし、プレ認証用カメラ20が複数台設置されている場合には、同一人物が複数回撮影されることが有り得る。このため、プレ認証エリアにおいて同一人物が複数回検出された場合には、その検出回数に応じて本認証エリアにおける照合時の閾値を変更(高く又は低く)してもよい。これにより、例えば、プレ認証エリアにおいて所定の回数以上で検出された人物については、本認証エリアにおける閾値を通常よりも高くすることで、要注意人物として厳しく認証することができる。逆に、本認証エリアにおける閾値を通常よりも低くして認証することもできる。
【0124】
上述の実施形態の機能を実現するように該実施形態の構成を動作させるプログラムを記憶媒体に記録させ、記憶媒体に記録されたプログラムをコードとして読み出し、コンピュータにおいて実行する処理方法も各実施形態の範疇に含まれる。すなわち、コンピュータ読取可能な記憶媒体も各実施形態の範囲に含まれる。また、上述のプログラムが記録された記憶媒体だけでなく、そのプログラム自体も各実施形態に含まれる。また、上述の実施形態に含まれる1又は2以上の構成要素は、各構成要素の機能を実現するように構成されたASIC、FPGA等の回路であってもよい。
【0125】
該記憶媒体としては例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD(Compact Disk)-ROM、磁気テープ、不揮発性メモリカード、ROMを用いることができる。また該記憶媒体に記録されたプログラム単体で処理を実行しているものに限らず、他のソフトウェア、拡張ボードの機能と共同して、OS(Operating System)上で動作して処理を実行するものも各実施形態の範疇に含まれる。
【0126】
上述の各実施形態の機能により実現されるサービスは、SaaS(Software as a Service)の形態でユーザに対して提供することもできる。
【0127】
なお、上述の実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0128】
上述の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0129】
(付記1)
複数の登録者の生体情報を含む登録生体情報群から、第1エリアにおいて撮影された第1画像から検出された第1人物の生体情報を含む第1生体情報群を取得する取得部と、
前記第1エリアとは異なる第2エリアにおいて撮影された第2画像から検出された第2人物の生体情報と、前記第1生体情報群に含まれる生体情報とを照合する照合部と、
を備える情報処理装置。
【0130】
(付記2)
前記第2画像から前記第2人物の生体情報を検出する検出部、
をさらに備える付記1記載の情報処理装置。
【0131】
(付記3)
前記照合部の照合結果に基づいて、前記第2エリアから制限エリアへの前記第2人物の通行権限の有無を判定する判定部、
をさらに備える付記1又は2記載の情報処理装置。
【0132】
(付記4)
前記通行権限の有無に基づいて、前記制限エリアと前記第2エリアの間に設置された通行制限装置の扉の開閉を制御する制御部、
をさらに備える付記3記載の情報処理装置。
【0133】
(付記5)
前記第1人物の残高情報を取得する残高情報取得部をさらに備え、
前記判定部は、前記照合結果及び前記残高情報に基づいて、前記制限エリアに対する前記第2人物の前記通行権限の有無を判定する、
付記3又は4記載の情報処理装置。
【0134】
(付記6)
取得された前記第1生体情報群を記憶する記憶部と、
前記第1生体情報群から、所定の条件に合致する前記第1人物の生体情報を削除する削除部と、
をさらに備える付記1乃至5のいずれかに記載の情報処理装置。
【0135】
(付記7)
前記削除部は、前記記憶部への登録時刻からの経過時間が所定時間に達した前記第1人物の生体情報を削除する、
付記6記載の情報処理装置。
【0136】
(付記8)
前記削除部は、所定の監視エリアにおいて撮影された第3画像から検出された第3人物の生体情報が前記第1人物の生体情報と一致するとき、前記記憶部から前記第1人物の生体情報を削除する、
付記6又は7記載の情報処理装置。
【0137】
(付記9)
前記削除部は、前記記憶部に前記第1人物について複数の生体情報が存在する場合、前記記憶部への登録時刻が早い方を削除する、
付記6乃至8のいずれかに記載の情報処理装置。
【0138】
(付記10)
複数の登録者の生体情報を含む登録生体情報群を記憶する記憶部と、
第1エリアにおいて撮影された第1画像から検出された第1人物の生体情報と、前記登録生体情報群に含まれる生体情報とを照合する第1照合部と、
前記第1照合部における照合結果に基づいて、前記登録生体情報群から、前記第1人物の生体情報を含む第1生体情報群を特定する特定部と、
前記第1エリアとは異なる第2エリアにおいて撮影された第2画像から検出された第2人物の生体情報と、前記第1生体情報群に含まれる生体情報とを照合する第2照合部と、
を備える情報処理装置。
【0139】
(付記11)
複数の登録者の生体情報を含む登録生体情報群を記憶する記憶部と、
第1エリアにおいて撮影された第1画像から検出された第1人物の生体情報と、前記登録生体情報群に含まれる生体情報とを照合する照合部と、
前記照合部における照合結果に基づいて、前記登録生体情報群から、前記第1人物の生体情報を含む第1生体情報群を特定する特定部と、
前記第1エリアと異なる第2エリアにおいて検出される第2人物の生体情報との照合用に前記第1生体情報群を出力する出力部と、
を備える情報処理装置。
【0140】
(付記12)
第1エリアを撮影して第1画像を生成する第1カメラと、
前記第1エリアとは異なる第2エリアを撮影して第2画像を生成する第2カメラと、
複数の登録者の生体情報を含む登録生体情報群と、前記第1画像から検出された第1人物の生体情報とを照合するとともに、前記登録生体情報群から、前記第1人物の生体情報を含む第1生体情報群を特定する第1サーバと、
前記第2画像から検出された第2人物の生体情報と、前記第1生体情報群に含まれる生体情報とを照合する第2サーバと、
を備える情報処理システム。
【0141】
(付記13)
前記第1サーバにおける前記登録者の生体情報と前記第1人物の生体情報との照合において一致を判定する基準値は、前記第2サーバにおける前記第1人物の生体情報と前記第2人物の生体情報との照合において一致を判定する基準値よりも低く設定されている、
付記12記載の情報処理システム。
【0142】
(付記14)
前記第1サーバにおける前記登録者の生体情報と前記第1人物の生体情報との照合において一致を判定する基準値は、前記第2サーバにおける前記第1人物の生体情報と前記第2人物の生体情報との照合において一致を判定する基準値よりも高く設定されている、
付記12記載の情報処理システム。
【0143】
(付記15)
前記第2エリアにおける前記第1人物の生体情報と前記第2人物の生体情報との照合時の基準値は、前記第1エリアにおいて同一人物が検出された回数に応じて決定される、
付記12乃至14のいずれかに記載の情報処理システム。
【0144】
(付記16)
複数の登録者の生体情報を含む登録生体情報群から、第1エリアにおいて撮影された第1画像から検出された第1人物の生体情報を含む第1生体情報群を取得するステップと、
前記第1エリアとは異なる第2エリアにおいて撮影された第2画像から検出された第2人物の生体情報と、前記第1生体情報群に含まれる生体情報とを照合するステップと、
を備える情報処理方法。
【0145】
(付記17)
コンピュータに、
複数の登録者の生体情報を含む登録生体情報群から、第1エリアにおいて撮影された第1画像から検出された第1人物の生体情報を含む第1生体情報群を取得するステップと、
前記第1エリアとは異なる第2エリアにおいて撮影された第2画像から検出された第2人物の生体情報と、前記第1生体情報群に含まれる生体情報とを照合するステップと、
を実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0146】
1,2,3,4,5,6・・・情報処理システム
10・・・センタサーバ
11・・・登録者情報データベース
20・・・プレ認証用カメラ
30・・・本認証用カメラ
40・・・中継サーバ
41・・・候補者情報データベース
50・・・ゲート装置
60・・・外部サーバ
70・・・削除用カメラ
80・・・管理サーバ
101・・・第1記憶部
102・・・第1画像取得部
103・・・第1特徴量算出部
104・・・第1照合部
105・・・候補者情報出力部
401・・・候補者情報取得部
402・・・第2記憶部
403・・・第2画像取得部
404・・・第2特徴量算出部
405・・・第2照合部
406・・・判定部
407・・・ゲート制御部
408・・・候補者情報削除部
151,451・・・CPU
152,452・・・RAM
153,453・・・ROM
154,454・・・HDD
155,455・・・通信I/F
156,456・・・表示装置
157,457・・・入力装置
158,458・・・バス