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特許7663849情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-09
(45)【発行日】2025-04-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07C 9/37 20200101AFI20250410BHJP
   G07C 9/38 20200101ALI20250410BHJP
【FI】
G07C9/37
G07C9/38
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023126700
(22)【出願日】2023-08-03
(62)【分割の表示】P 2022511402の分割
【原出願日】2020-03-31
(65)【公開番号】P2023143979
(43)【公開日】2023-10-06
【審査請求日】2023-08-03
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(72)【発明者】
【氏名】川瀬 伸明
【審査官】中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107909683(CN,A)
【文献】国際公開第2020/026367(WO,A1)
【文献】特開2007-079656(JP,A)
【文献】特開2001-331605(JP,A)
【文献】特開平10-188056(JP,A)
【文献】特開2002-163691(JP,A)
【文献】特開2017-010269(JP,A)
【文献】国際公開第2012/073301(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07C 9/00- 9/38
G07B 15/00-15/06
E05B 49/00
G06T 1/00
G06Q 50/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の搭乗ゲートのうちの第1ゲートで取得された利用者の生体情報と前記第1ゲートに係る搭乗予定者の第1登録生体情報群とを照合する第1モードと、前記生体情報と前記利用者が搭乗する航空機の運行予定日における前記複数の搭乗ゲートに係る搭乗予定者の第2登録生体情報群とを照合する第2モードを有する照合部と、
前記第1モードでの照合結果が照合一致の場合には前記利用者に対して前記第1ゲートの通行を許可し、前記第1モードでの照合結果が照合一致ではない場合には、前記照合部において前記第2モードによる照合処理を実行させ、前記第2モードでの照合結果が照合一致の場合には、前記第2登録生体情報群のうちの前記生体情報と照合一致の登録生体情報に関連付けられている第2ゲートに向けて前記利用者を誘導する誘導情報を、前記利用者の搭乗予約情報に予め関連付けされているユーザ端末および前記第1ゲートに設けられた表示端末の少なくとも1つに対して出力する制御部と、
を備え
前記誘導情報は、前記第1ゲートから前記第2ゲートへの前記搭乗ゲートの変更を示す情報を含む、情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第2ゲートに関連付けられた業務端末に対して、前記第1ゲートの通行を拒否された前記利用者の情報を出力する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報は、前記利用者の前記生体情報を含む、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記誘導情報は、少なくとも前記第1ゲートと前記第2ゲートの位置関係を示す地図情報を含む、
請求項1乃至のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記誘導情報は、前記第1ゲートから前記第2ゲートまで移動する場合の所要時間の情報を含む、
請求項1乃至のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記誘導情報は、前記第1ゲートから前記第2ゲートまでの経路情報を含む、
請求項1乃至のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記誘導情報は、前記第2ゲートにおける搭乗開始時刻の情報を含む、
請求項1乃至のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記第1登録生体情報群及び前記第2登録生体情報群にそれぞれ含まれる前記登録生体情報に対して前記利用者の国籍情報がさらに関連付けられており、
前記制御部は、前記生体情報との照合結果が照合一致の前記登録生体情報に関連付けられた前記国籍情報に基づいて前記誘導情報の表示言語を変更する、
請求項1乃至のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記誘導情報を画面に表示するための表示データを生成する、
請求項1乃至のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記誘導情報を紙媒体に出力するための印刷データを生成する、
請求項1乃至のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記生体情報は、顔画像である、
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
コンピュータが、複数の搭乗ゲートのうちの第1ゲートで取得された利用者の生体情報と前記第1ゲートに係る搭乗予定者の第1登録生体情報群とを照合する第1モードを実行するステップと、
前記コンピュータが、前記生体情報と前記利用者が搭乗する航空機の運行予定日における前記複数の搭乗ゲートに係る搭乗予定者の第2登録生体情報群とを照合する第2モードを実行するステップと、
前記コンピュータが、前記第1モードでの照合結果が照合一致の場合には前記利用者に対して前記第1ゲートの通行を許可し、前記第1モードでの照合結果が照合一致ではない場合には、前記第2モードによる照合処理を実行させ、前記第2モードでの照合結果が照合一致の場合には、前記第2登録生体情報群のうちの前記生体情報と照合一致の登録生体情報に関連付けられている第2ゲートに向けて前記利用者を誘導する誘導情報を、前記利用者の搭乗予約情報に予め関連付けされているユーザ端末および前記第1ゲートに設けられた表示端末の少なくとも1つに対して出力するステップと、
を備え
前記誘導情報は、前記第1ゲートから前記第2ゲートへの前記搭乗ゲートの変更を示す情報を含む、情報処理方法。
【請求項13】
コンピュータに、
複数の搭乗ゲートのうちの第1ゲートで取得された利用者の生体情報と前記第1ゲートに係る搭乗予定者の第1登録生体情報群とを照合する第1モードを実行するステップと、
前記生体情報と前記利用者が搭乗する航空機の運行予定日における前記複数の搭乗ゲートに係る搭乗予定者の第2登録生体情報群とを照合する第2モードを実行するステップと、
前記第1モードでの照合結果が照合一致の場合には前記利用者に対して前記第1ゲートの通行を許可し、前記第1モードでの照合結果が照合一致ではない場合には、前記第2モードによる照合処理を実行させ、前記第2モードでの照合結果が照合一致の場合には、前記第2登録生体情報群のうちの前記生体情報と照合一致の登録生体情報に関連付けられている第2ゲートに向けて前記利用者を誘導する誘導情報を、前記利用者の搭乗予約情報に予め関連付けされているユーザ端末および前記第1ゲートに設けられた表示端末の少なくとも1つに対して出力するステップと、
を実行させ
前記誘導情報は、前記第1ゲートから前記第2ゲートへの前記搭乗ゲートの変更を示す情報を含む、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、旅客の生体情報(顔画像)を用いて、複数のチェックポイント(チェックインロビー、保安検査場、搭乗ゲート等)において顔認証により手続を行うチケットレス搭乗システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-79656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されているような生体認証を用いた搭乗システムにおいて、利用者が利用可能な搭乗ゲートとは異なる搭乗ゲートを通過しようとすることがあり得る。この場合、利用者の通行は拒否される。しかし、現状のシステムでは、ある搭乗ゲートにおいて通行を拒否された利用者は、多数の搭乗ゲートのうち、どの搭乗ゲートに向かえばよいのかを迅速に判断することは困難であった。
【0005】
そこで、本発明は、上述の問題に鑑み、利用者を適切な搭乗ゲートへ誘導できる情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの観点によれば、複数の搭乗ゲートのうちの第1ゲートで取得された利用者の生体情報と前記第1ゲートに係る搭乗予定者の第1登録生体情報群とを照合する第1モードと、前記生体情報と前記利用者が搭乗する航空機の運行予定日における前記複数の搭乗ゲートに係る搭乗予定者の第2登録生体情報群とを照合する第2モードを有する照合部と、前記第1モードでの照合結果が照合一致の場合には前記利用者に対して前記第1ゲートの通行を許可し、前記第1モードでの照合結果が照合一致ではない場合には、前記照合部において前記第2モードによる照合処理を実行させ、前記第2モードでの照合結果が照合一致の場合には、前記第2登録生体情報群のうちの前記生体情報と照合一致の登録生体情報に関連付けられている第2ゲートに向けて前記利用者を誘導する誘導情報を、前記利用者の搭乗予約情報に予め関連付けされているユーザ端末および前記第1ゲートに設けられた表示端末の少なくとも1つに対して出力する制御部と、を備え、前記誘導情報は、前記第1ゲートから前記第2ゲートへの前記搭乗ゲートの変更を示す情報を含む、情報処理装置が提供される。
【0007】
本発明の他の観点によれば、コンピュータが、複数の搭乗ゲートのうちの第1ゲートで取得された利用者の生体情報と前記第1ゲートに係る搭乗予定者の第1登録生体情報群とを照合する第1モードを実行するステップと、前記コンピュータが、前記生体情報と前記利用者が搭乗する航空機の運行予定日における前記複数の搭乗ゲートに係る搭乗予定者の第2登録生体情報群とを照合する第2モードを実行するステップと、前記コンピュータが、前記第1モードでの照合結果が照合一致の場合には前記利用者に対して前記第1ゲートの通行を許可し、前記第1モードでの照合結果が照合一致ではない場合には、前記第2モードによる照合処理を実行させ、前記第2モードでの照合結果が照合一致の場合には、前記第2登録生体情報群のうちの前記生体情報と照合一致の登録生体情報に関連付けられている第2ゲートに向けて前記利用者を誘導する誘導情報を、前記利用者の搭乗予約情報に予め関連付けされているユーザ端末および前記第1ゲートに設けられた表示端末の少なくとも1つに対して出力するステップと、を備え、前記誘導情報は、前記第1ゲートから前記第2ゲートへの前記搭乗ゲートの変更を示す情報を含む、情報処理方法が提供される。
【0008】
本発明のさらに他の観点によれば、コンピュータに、複数の搭乗ゲートのうちの第1ゲートで取得された利用者の生体情報と前記第1ゲートに係る搭乗予定者の第1登録生体情報群とを照合する第1モードを実行するステップと、前記生体情報と前記利用者が搭乗する航空機の運行予定日における前記複数の搭乗ゲートに係る全搭乗予定者の第2登録生体情報群とを照合する第2モードを実行するステップと、前記第1モードでの照合結果が照合一致の場合には前記利用者に対して前記第1ゲートの通行を許可し、前記第1モードでの照合結果が照合一致ではない場合には、前記第2モードによる照合処理を実行させ、前記第2モードでの照合結果が照合一致の場合には、前記第2登録生体情報群のうちの前記生体情報と照合一致の登録生体情報に関連付けられている第2ゲートに向けて前記利用者を誘導する誘導情報を、前記利用者の搭乗予約情報に予め関連付けされているユーザ端末および前記第1ゲートに設けられた表示端末の少なくとも1つに対して出力するステップと、を実行させ、前記誘導情報は、前記第1ゲートから前記第2ゲートへの前記搭乗ゲートの変更を示す情報を含む、プログラムが提供される。
【0009】
本発明のさらに他の観点によれば、表示端末で取得された利用者の生体情報と搭乗ゲートから乗物に搭乗する人物に係る登録生体情報とを照合する照合部と、前記生体情報との照合結果が照合一致の前記登録生体情報に対して前記搭乗ゲートの変更情報が関連付けられている場合に、前記表示端末に対して前記搭乗ゲートの変更を示す情報を表示させる制御部と、を備える情報処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、利用者を適切な搭乗ゲートへ誘導できる情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態に係る情報処理システムの全体構成の一例を示す概略図である。
図2】第1実施形態に係る搭乗予約情報DBが記憶する情報の一例を示す図である。
図3】第1実施形態に係る利用者情報DBが記憶する情報の一例を示す図である。
図4】第1実施形態に係る日別搭乗者情報DBが記憶する情報の一例を示す図である。
図5】第1実施形態に係るゲート別搭乗者情報DBが記憶する情報の一例を示す図である。
図6】第1実施形態に係る管理サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図7】第1実施形態に係る搭乗ゲート装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図8】第1実施形態に係る情報処理システムにおける搭乗予約情報の取得処理の一例を示すシーケンスチャートである。
図9】第1実施形態に係る管理サーバにおける日別搭乗者情報DBへの登録処理の一例を示すフローチャートである。
図10】第1実施形態に係る情報処理システムにおけるチェックイン手続時の処理の一例を示すシーケンスチャートである。
図11】第1実施形態に係る管理サーバにおけるゲート別搭乗者情報DBへの登録処理の一例を示すフローチャートである。
図12】第1実施形態に係る管理サーバにおけるゲート別搭乗者情報DBの更新処理の一例を示すフローチャートである。
図13】第1実施形態に係る情報処理システムの搭乗ゲートにおける処理の一例を示すシーケンスチャートである。
図14】第1実施形態に係る搭乗ゲート装置に表示される画面の一例を示す図である。
図15】第1実施形態に係る業務端末に表示される画面の一例を示す図である。
図16】第2実施形態に係る情報処理システムの全体構成の一例を示す概略図である。
図17】第2実施形態に係る情報処理システムの搭乗ゲートへの誘導処理の一例を示すシーケンスチャートである。
図18】第2実施形態に係るサイネージ端末に表示される画面の一例を示す図である。
図19】第3実施形態に係る情報処理装置の機能ブロック図である。
図20】第4実施形態に係る情報処理装置の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の例示的な実施形態を説明する。図面において同様の要素又は対応する要素には同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化することがある。
【0013】
<第1実施形態>
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の全体構成の一例を示す概略図である。本実施形態による情報処理システム1は、例えば、航空機で第1国の空港DAから第1国を出国して第1国とは異なる第2国の空港から第2国に入国する予定の利用者(渡航者)Uについて、第1国及び第2国でそれぞれ行われる一連の手続を支援するコンピュータシステムである。情報処理システム1は、例えば、入出国の管理局等の公的機関又はその機関から業務の委託を受けた受託者により運用される。
【0014】
図1に示すように、情報処理システム1は、管理サーバ10と、チェックイン端末20と、自動手荷物預け機30と、保安検査装置40と、自動化ゲート装置50と、搭乗ゲート装置60と、業務端末62と、カメラ70とを備える。管理サーバ10は、航空会社の予約システム2とネットワークNW1を介して接続されている。また、管理サーバ10は、ネットワークNW2を介して空港DA内の各装置とそれぞれ接続されている。ネットワークNW1及びNW2は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、移動体通信網等により構成されている。接続方式は、有線方式に限らず、無線方式でもよい。
【0015】
管理サーバ10は、利用者Uの入出国時における各種の審査手続を管理する情報処理装置である。管理サーバ10は、例えば、空港DAを運営する空港会社、航空会社等の施設内に設置されている。なお、管理サーバ10は、単一のサーバである必要はなく、複数のサーバを含むサーバ群として構成されたものであってもよい。例えば、管理サーバ10の一部の機能を担うサーバが第1国に設置され、管理サーバ10の残部の機能を担う他のサーバが第2国に設置されていてもよい。
【0016】
管理サーバ10は、記憶部11と、情報取得部12と、データベース管理部13と、照合部14と、制御部15とを備える。
【0017】
記憶部11は、管理サーバ10の各部で用いられる情報を記憶する。記憶部11は、例えば、搭乗予約情報DB11aと、利用者情報DB11bと、日別搭乗者情報DB11cと、ゲート別搭乗者情報DB11dとを備える。
【0018】
搭乗予約情報DB11aは、航空会社の予約システム2からそれぞれ送信された搭乗予約情報を集約して記憶するデータベースである。
【0019】
図2は、搭乗予約情報DB11aが記憶する情報の一例を示す図である。搭乗予約情報DB11aは、予約番号、便番号、エアラインコード、搭乗者名、出発地、目的地、運行年月日、シート番号、国籍、旅券番号、姓、名、生年月日及び性別をデータ項目としている。なお、これらのデータ項目は一例であり、他のデータ項目をさらに含んでいてもよい。予約番号は、搭乗予約情報を一意に識別する識別子である。エアラインコードは、航空会社を一意に識別する識別子である。
【0020】
利用者情報DB11bは、チェックイン手続を完了した利用者Uに関する情報を記憶するデータベースである。
【0021】
図3は、利用者情報DB11bが記憶する情報の一例を示す図である。利用者情報DB11bは、利用者ID、登録顔画像、特徴量、搭乗者名、予約番号、出発地、目的地、運行年月日、エアラインコード、便番号、シート番号、国籍、旅券番号、姓、名、生年月日、性別及びステータスをデータ項目としている。なお、これらのデータ項目は一例であり、他のデータ項目をさらに含んでいてもよい。
【0022】
利用者IDは、利用者Uを一意に識別する識別子である。本実施形態では、利用者IDは、チェックイン手続において旅券を所持する利用者Uを撮影した顔画像と旅券から読み取られた旅券顔画像との照合結果が照合一致であることを条件として発行されるものとする。本実施形態において、“照合一致”の語句は、利用者Uの生体情報と登録者の登録生体情報との類似度を示す照合スコアが所定の閾値以上であることを意味する。また、“照合不一致”の語句は、照合スコアが所定の閾値未満であることを意味する。
【0023】
登録顔画像は、利用者Uについて登録された顔画像である。本実施形態では、登録顔画像は、チェックイン手続時に登録される。登録顔画像は、出国時に行われる一連の手続業務のうち、最初に行われる手続業務において登録されてもよい。登録顔画像は、利用者Uからの同意に基づいて登録され、所定のタイミングで削除されると好適である。特徴量は、生体情報(登録顔画像)から抽出される値である。
【0024】
本実施形態における登録顔画像は、利用者IDと同様に、最初の手続業務(チェックイン手続)において旅券を所持する利用者Uを撮影した顔画像と旅券から読み取られた旅券顔画像との照合結果が照合一致であることを条件として登録される。
【0025】
また、登録顔画像としては、現地での最初の手続業務で撮影した顔画像を用いるものとする。その理由としては、最初の手続業務で撮影した顔画像は旅券顔画像よりも新しく、かつ、その後の認証プロセスで撮影した画像と品質(容姿)が旅券顔画像よりも近くなるからである。ただし、対象顔画像(撮影顔画像)の代わりに、旅券顔画像を登録顔画像(登録生体情報)に設定してもよい。
【0026】
管理サーバ10は、自動手荷物預け機30、保安検査装置40、自動化ゲート装置50、搭乗ゲート装置60において撮影された顔画像(生体情報)と、利用者情報DB11bに記憶された登録顔画像とをそれぞれ照合することによって、利用者Uが適切な搭乗券を所有している人物か否かの本人確認を行う。詳細については、後述する。
【0027】
なお、本実施形態における生体情報の語句は、顔画像及び顔画像から抽出される特徴量を意味するものとするが、生体情報は顔画像及び顔特徴量に限られない。すなわち、利用者Uの生体情報として、虹彩画像、指紋画像、掌紋画像及び耳介画像等を用いて生体認証を行ってもよい。
【0028】
日別搭乗者情報DB11cは、運行予定日(運行年月日)ごとに搭乗者情報を記憶するデータベースである。日別搭乗者情報DB11cは、空港DAの複数の搭乗ゲートのいずれかを通過して航空機に搭乗する予定の全ての利用者(搭乗予定者)Uの情報を記憶している。
【0029】
図4は、日別搭乗者情報DB11cが記憶する情報の一例を示す図である。日別搭乗者情報DB11cは、便番号、エアラインコード、搭乗者名、出発地、目的地、出発予定時刻、搭乗ゲートID、登録顔画像、特徴量及び予約番号をデータ項目としている。なお、これらのデータ項目は一例であり、他のデータ項目をさらに含んでいてもよい。搭乗ゲートIDは、搭乗ゲートを一意に特定する識別情報である。
【0030】
ゲート別搭乗者情報DB11dは、搭乗ゲートごとに搭乗者情報を記憶するデータベースである。本実施形態では、ゲート別搭乗者情報DB11dは、N箇所の搭乗ゲートにそれぞれ対応して設けられているものとする。
【0031】
図5は、ゲート別搭乗者情報DB11dが記憶する情報の一例を示す図である。ゲート別搭乗者情報DB11dは、便番号、エアラインコード、搭乗者名、出発地、目的地、出発予定時刻、登録顔画像、特徴量及び予約番号をデータ項目としている。なお、これらのデータ項目は一例であり、他のデータ項目をさらに含んでいてもよい。
【0032】
情報取得部12は、予約システム2及び各タッチポイントの装置から情報を取得する。データベース管理部13は、記憶部11のデータベースに対する登録処理、更新処理、検索処理を行う。
【0033】
照合部14は、複数の搭乗ゲートのうちの第1ゲートで取得された利用者Uの生体情報と第1ゲートに係る搭乗予定者の第1登録生体情報群とを照合する第1モードと、利用者Uの生体情報と複数の搭乗ゲートに係る全搭乗予定者の第2登録生体情報群とを照合する第2モードによる照合処理の少なくとも1つを実行する。本実施形態では、第1登録生体情報群は、ゲート別搭乗者情報DB11dに記憶されている複数の顔画像である。また、第2登録生体情報群は、日別搭乗者情報DB11cに記憶されている複数の顔画像である。
【0034】
制御部15は、第1モードでの照合結果が照合一致の場合には利用者に対して第1ゲートの通行を許可し、第2モードでの照合結果が照合一致の場合には、第2登録生体情報群のうちの生体情報と照合一致の登録生体情報に関連付けられている第2ゲートに向けて利用者を誘導する誘導情報を出力する。
【0035】
チェックイン端末20は、第1国(出発国)の空港DA内のチェックインロビーやチェックインカウンタに設置されている。以下、チェックイン端末20が設置されている手続エリアを「タッチポイントP1」という。チェックイン端末20は、利用者Uが自身で操作することによって、チェックイン手続(搭乗手続)を行うためのセルフ端末である。利用者Uは、タッチポイントP1におけるチェックイン手続を完了すると、手荷物の預け場所あるいは保安検査場へ移動する。
【0036】
自動手荷物預け機30は、空港DA内の手荷物カウンタ(有人カウンタ)の隣接領域あるいはチェックイン端末20の近傍領域に設置されている。以下、自動手荷物預け機30が設置されている手続エリアを「タッチポイントP2」という。自動手荷物預け機30は、利用者Uが自身で操作することにより、客室内には持ち込まない又は持ち込めない手荷物を預け入れる手続を行うためのセルフ端末である。利用者Uは、手荷物預け入れ手続を完了すると、保安検査場へ移動する。預ける手荷物がない利用者Uの場合には、タッチポイントP2での手続は省略される。
【0037】
保安検査装置40は、空港DA内の保安検査場(以下、「タッチポイントP3」という。)に設置されている。本実施形態における“保安検査装置”の語句は、利用者Uについて金属探知機により危険物となりうる金属類を身につけているか否かを確認する金属探知機、X線を用いて機内持ち込みの手荷物等の中の危険物の有無を確認するX線検査装置、保安検査場の出入口において利用者Uの通過可否を判定する通行制御装置等も全て含む意味で使用する。利用者Uは、タッチポイントP3において保安検査装置40による保安検査手続を完了すると、出国審査場へ移動する。
【0038】
自動化ゲート装置50は、空港DA内の出国審査場(以下、「タッチポイントP4」という。)に設置されている。自動化ゲート装置50は、利用者Uの出国審査手続を自動的に行う装置である。利用者Uは、タッチポイントP4における出国審査手続を完了すると、免税店や搭乗ゲートが設けられている出国エリアへ移動する。
【0039】
搭乗ゲート装置60は、出国エリアの搭乗ゲート(以下、「タッチポイントP5」という。)ごとに設置されたゲート装置である。搭乗ゲート装置60は、利用者Uが搭乗ゲートから搭乗可能な航空機の搭乗者であることを確認する。利用者Uは、タッチポイントP5における手続を完了すると、航空機に搭乗し、第2国へ向けて出国する。
【0040】
業務端末62は、航空会社等の係員SがタッチポイントP5における業務に使用する端末である。業務端末62は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等である。なお、本実施形態では、説明の便宜上、タッチポイントP5に配される係員Sが使用する業務端末62のみが図示されているが、他のタッチポイントP1~P4にも同様に業務端末が設置される。
【0041】
カメラ70は、例えばデジタルカメラであり、各タッチポイントP1~P5に設置されている。カメラ70は、利用者Uの顔や全身を撮影できるように、例えば天井、壁、支柱等に取り付けられる。カメラ70のタイプは、固定式及び可動式のどちらでもよい。カメラ70は、撮影した撮影画像を管理サーバ10に逐次送信する。管理サーバ10は、利用者Uの顔認証や空港DA内における監視等の目的に撮影画像を利用できる。
【0042】
続いて、図面を参照しながら、情報処理システム1を構成する各機器のハードウェア構成例を説明する。なお、図6及び図7において同一名称であって符号のみが異なる機器については、同等の機能を備える機器であるため、後続の図面においては詳細な説明を省略するものとする。
【0043】
図6は、管理サーバ10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図6に示すように、管理サーバ10は、演算、制御及び記憶を行うコンピュータとして、CPU(Central Processing Unit)101と、RAM(Random Access Memory)102と、ROM(Read Only Memory)103と、ストレージ104と、通信I/F(Interface)105と、表示装置106と、入力装置107とを備える。各装置は、バス、配線、駆動装置等を介して相互に接続される。
【0044】
CPU101は、ROM103又はストレージ104に記憶されたプログラムに従って所定の動作を行うとともに、管理サーバ10の各部を制御する機能を有するプロセッサである。RAM102は、揮発性記憶媒体から構成され、CPU101の動作に必要な一時的なメモリ領域を提供する。
【0045】
ROM103は、不揮発性記憶媒体から構成され、管理サーバ10の動作に用いられるプログラム等の必要な情報を記憶する。ストレージ104は、不揮発性記憶媒体から構成され、管理サーバ10の動作用プログラムやデータを記憶する。ストレージ104は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)により構成される。
【0046】
通信I/F105は、イーサネット(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、4G等の規格に基づく通信インターフェースであり、他の装置との通信を行うためのモジュールである。
【0047】
表示装置106は、動画、静止画、文字等を表示する液晶ディスプレイ、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ等であって、ユーザへの情報の提示に用いられる。
【0048】
入力装置107は、キーボード、ポインティングデバイス、ボタン等であって、ユーザによる操作を受け付ける。表示装置106及び入力装置107は、タッチパネルとして一体に形成されていてもよい。
【0049】
CPU101は、ROM103、ストレージ104等に記憶されたプログラムをRAM102にロードして実行することで、所定の演算処理を行う。また、CPU101は、当該プログラムに基づいて、通信I/F105等の管理サーバ10の各部を制御する。これらにより、CPU101は、記憶部11、情報取得部12、データベース管理部13、照合部14、制御部15等の機能を実現する。
【0050】
図7は、搭乗ゲート装置60のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図7に示すように、搭乗ゲート装置60は、CPU601と、RAM602と、ROM603と、ストレージ604と、通信I/F605と、表示装置606と、入力装置607と、生体情報取得装置608と、媒体読取装置609と、ゲート610とを備える。各装置は、バス、配線、駆動装置等を介して相互に接続される。
【0051】
生体情報取得装置608は、利用者Uの生体情報として利用者Uの顔画像を取得する装置である。生体情報取得装置608は、例えば、搭乗ゲート装置60の前に立つ利用者Uの顔を撮影するデジタルカメラであり、利用者Uの顔を撮影してその顔画像を取得する。
【0052】
媒体読取装置609は、利用者Uの携帯する媒体に記録されている情報を読み取る装置である。媒体読取装置609としては、例えば、コードリーダ、イメージスキャナ、非接触IC(Integrated Circuit)リーダ、OCR(Optical Character Reader)装置等が挙げられる。また、記録媒体としては、例えば、紙の航空券、eチケットの控えを表示する携帯端末等が挙げられる。
【0053】
ゲート610は、搭乗ゲート装置60における利用者Uの本人確認に成功した場合に、利用者Uの通行を遮る待機時の閉鎖状態から、利用者Uの通行を許可する開放状態に移行する。ゲート610の方式は、特に限定されるものではなく、例えば、通路の片側又は両側から設けられたフラッパーが開閉するフラッパーゲート、3本バーが回転するターンスタイルゲート等である。
【0054】
なお、図6及び図7に示されているハードウェア構成は一例であり、これら以外の装置が追加されていてもよく、一部の装置が設けられていなくてもよい。また、一部の装置が同様の機能を有する別の装置に置換されていてもよい。また、本実施形態の一部の機能がネットワークNWを介して他の装置により提供されてもよく、本実施形態の機能が複数の装置に分散されて実現されてもよい。このように、図6及び図7に示されているハードウェア構成は適宜変更可能である。
【0055】
続いて、図面を参照しながら、本実施形態に係る情報処理システム1における装置の動作を説明する。
【0056】
[搭乗予約情報の取得処理]
図8は、情報処理システム1における搭乗予約情報の取得処理の一例を示すシーケンスチャートである。この処理は、航空会社の予約システム2と管理サーバ10との間で実行される。
【0057】
先ず、航空会社の予約システム2は、フライトごとに搭乗予約情報を取得すると(ステップS101)、その搭乗予約情報を管理サーバ10に送信する(ステップS102)。
【0058】
管理サーバ10は、予約システム2から搭乗予約情報を受信すると、搭乗予約情報DB11aに搭乗予約情報を登録する(ステップS103)。
【0059】
ステップS101~ステップS103の処理は、各航空会社の予約システム2から管理サーバ10に搭乗予約情報が送信されるたびに実行される。これにより、搭乗予約情報DB11aには、複数の航空会社における搭乗予約情報が一元的に記憶される。
【0060】
[日別搭乗者情報DBへの登録処理]
図9は、管理サーバ10における日別搭乗者情報DB11cへの登録処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、例えば管理サーバ10において所定時間に基づいて毎日実行される。図9では、一日の終わりに翌日分の搭乗予約情報を記憶する日別搭乗者情報DB11cを生成する場合について説明する。
【0061】
先ず、管理サーバ10は、現在時刻が日別搭乗者情報DB11cへの登録処理の実行時刻か否かを判定する(ステップS201)。
【0062】
ここで、管理サーバ10は、現在時刻が登録処理の実行時刻であると判定した場合には(ステップS201、YES)、処理はステップS202へ移行する。これに対し、管理サーバ10は、現在時刻が登録処理の実行時刻ではないと判定した場合には(ステップS201、NO)、待機状態が維持される。
【0063】
次に、管理サーバ10は、搭乗予約情報DB11aの中から、運行予定日が翌日の搭乗予約情報を抽出する(ステップS202)。
【0064】
次に、管理サーバ10は、ステップS202において抽出された搭乗予約情報に対して、便ごとに搭乗ゲートを割り当てる(ステップS203)。
【0065】
そして、管理サーバ10は、便ごとに搭乗ゲートが割り当てられた搭乗予約情報を日別搭乗者情報DB11cに登録し(ステップS204)、処理を終了する。これにより、運行予定日が翌日である全ての航空機に関する搭乗者の情報(搭乗者情報)を管理する日別搭乗者情報DB11cが生成される。
【0066】
[チェックイン手続]
図10は、情報処理システム1におけるチェックイン手続時の処理の一例を示すシーケンスチャートである。この処理は、利用者Uがチェックイン端末20を用いてチェックイン手続を行う際に実行される。
【0067】
先ず、チェックイン端末20は、搭乗券等の航空券媒体が媒体読取装置(不図示)の読取部にかざされたとき、航空券媒体から利用者Uの搭乗予約情報を取得する(ステップS301)。
【0068】
次に、チェックイン端末20は、旅券が媒体読取装置(不図示)の読取部にかざされたとき、旅券から利用者Uの旅券情報を取得する(ステップS302)。取得された旅券情報には、利用者Uの旅券顔画像、本人確認情報、旅券番号、旅券発行国の情報等が含まれる。
【0069】
次に、チェックイン端末20は、生体情報取得装置(不図示)により撮影した利用者Uの顔を撮影し(ステップS303)、顔画像、搭乗予約情報、旅券情報及び照合要求を管理サーバ10へ送信する(ステップS304)。なお、チェックイン端末20は、顔画像を撮影する前に、利用者Uの同意を得るための画面を表示すると好適である。
【0070】
管理サーバ10は、チェックイン端末20から情報を受信すると、チェックイン端末20で撮影された顔画像(以下、「対象顔画像」という。)と、利用者Uの旅券に記録された顔画像(以下、「旅券顔画像」という。)とを1対1で照合する(ステップS305)。
【0071】
次に、管理サーバ10は、対象顔画像と旅券顔画像との照合処理の照合結果をチェックイン端末20へ送信する(ステップS306)。
【0072】
次に、チェックイン端末20は、管理サーバ10から受信した照合結果に基づいて、利用者Uのチェックイン手続を実行できるか否かを判定する(ステップS307)。
【0073】
ここで、チェックイン端末20は、管理サーバ10から受信した照合結果が照合一致であり、利用者Uのチェックイン手続を実行できると判定した場合(ステップS307、YES)、処理はステップS308へ移行する。
【0074】
これに対し、チェックイン端末20は、管理サーバ10から受信した照合結果が照合不一致であり、利用者Uのチェックイン手続を実行できないと判定した場合(ステップS307、NO)、利用者Uに対してエラーメッセージを通知する(ステップS309)。その後、処理は終了する。
【0075】
ステップS308において、チェックイン端末20は、利用者Uからの入力操作に基づいて旅程の確認や座席の選択等のチェックイン手続を実行する。次に、チェックイン端末20は、管理サーバ10に対して利用者情報の登録要求を送信する(ステップS310)。登録要求には、チェックイン手続を完了したことを示すステータス情報や、搭乗予約情報を特定する予約番号等が含まれる。
【0076】
次に、管理サーバ10は、チェックイン端末20から登録要求を受信すると、利用者IDを発行する(ステップS311)。利用者IDは、例えば処理時の日時やシーケンス番号に基づいて固有な値に設定される。
【0077】
次に、管理サーバ10は、対象顔画像を登録顔画像とする利用者情報を利用者情報DB11bへ登録する(ステップS312)。利用者情報には、搭乗予約情報及び旅券情報が含まれる。
【0078】
次に、管理サーバ10は、利用者情報DB11bに登録された利用者情報に含まれる予約番号をキーとして、日別搭乗者情報DB11cを更新する(ステップS313)。具体的には、日別搭乗者情報DB11cの搭乗者情報に対して利用者Uの顔画像、利用者ID等を追加する。
【0079】
次に、管理サーバ10は、日別搭乗者情報DB11cの搭乗者情報に基づいて、利用者Uに対する案内情報を作成する(ステップS314)。次に、管理サーバ10は、案内情報をチェックイン端末20に送信する(ステップS315)。案内情報には、搭乗する航空機の便名(便番号)、出発予定時刻、現時点で割り当てられている搭乗ゲートの番号が含まれる。
【0080】
そして、チェックイン端末20は、管理サーバ10から案内情報を受信すると、その案内情報を搭乗券に印刷し(ステップS316)、処理を終了する。利用者Uは、搭乗券に印刷された案内情報を参照することにより、現時点で割り当てられている搭乗ゲートを判断することができる。なお、搭乗券及び案内情報は、紙媒体に印刷する方法以外で利用者Uに提供されてもよい。例えば、搭乗券及び案内情報は、利用者Uが所持するスマートフォンのアプリケーション等に電子チケットとして利用者Uに提供されてもよい。
【0081】
本実施形態において、現地で撮影した顔画像(対象顔画像)を登録顔画像とする理由としては、撮影画像はその後の認証プロセスで撮影した画像と品質(容姿)が旅券顔画像よりも近くなること等が挙げられる。ただし、対象顔画像(撮影顔画像)の代わりに、旅券顔画像を登録顔画像(登録生体情報)に設定してもよい。
【0082】
[ゲート別搭乗者情報DB11dへの登録処理]
図11は、管理サーバ10におけるゲート別搭乗者情報DB11dへの登録処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、例えば搭乗ゲートに関連付けられている航空機が空港DAを出発したタイミングで実行される。
【0083】
先ず、管理サーバ10は、日別搭乗者情報DB11cあるいは航空機のフライト情報を記憶するデータベース(不図示)を参照し、出発予定時刻まで所定時間以内の便があるか否かを判定する(ステップS401)。
【0084】
ここで、管理サーバ10が出発予定時刻まで所定時間以内の便があると判定した場合(ステップS401、YES)には、処理はステップS402へ移行する。これに対し、管理サーバ10が出発予定時刻まで所定時間以内の便はないと判定した場合(ステップS401、NO)には、待機状態が維持される。
【0085】
ステップS402において、管理サーバ10は、対象の便に対して割り当て済みの搭乗ゲートを特定する。
【0086】
次に、管理サーバ10は、日別搭乗者情報DB11cから対象の便の搭乗者情報を取得する(ステップS403)。例えば、14時に出発する予定のNH03便に搭乗する全ての乗客の搭乗者情報を取得する。
【0087】
そして、管理サーバ10は、ステップS402において特定された搭乗ゲートに係るゲート別搭乗者情報DB11dに対して、ステップS403で取得された搭乗者情報を登録し(ステップS404)、処理を終了する。
【0088】
[ゲート別搭乗者情報DB11dの更新処理]
図12は、管理サーバ10におけるゲート別搭乗者情報DB11dの更新処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、例えば日別搭乗者情報DB11cに記憶されている搭乗ゲートが変更されたときに実行される。
【0089】
先ず、管理サーバ10は、日別搭乗者情報DB11cにおいて搭乗ゲートが変更された便があるか否かを判定する(ステップS501)。
【0090】
ここで、管理サーバ10が、搭乗ゲートが変更された便があると判定した場合(ステップS501、YES)には、処理はステップS502へ移行する。これに対し、管理サーバ10が、搭乗ゲートが変更された便はないと判定した場合(ステップS501、NO)には、処理は終了する。
【0091】
ステップS502において、管理サーバ10は、搭乗ゲートが変更された便は変更後の搭乗ゲートから次に出発する便であるか否かを判定する。
【0092】
ここで、管理サーバ10が、搭乗ゲートが変更された便が次に出発する便であると判定した場合(ステップS502、YES)には、処理はステップS503へ移行する。これに対し、搭乗ゲートが変更された便が次に出発する便ではないと判定した場合(ステップS502、NO)には、処理は終了する。
【0093】
ステップS503において、管理サーバ10は、日別搭乗者情報DB11cから、変更後の搭乗ゲートから次に出発する便に関する搭乗者情報を取得する。
【0094】
そして、管理サーバ10は、ステップS503で取得された搭乗者情報によって、変更後の搭乗ゲートに係るゲート別搭乗者情報DB11dを更新し(ステップS504)、処理を終了する。このように、ある便に対応する搭乗ゲートが変更された場合には、その搭乗ゲートに対応するゲート別搭乗者情報DB11dが逐次更新される。
【0095】
[搭乗ゲートにおける本人確認及び正しい搭乗ゲートへの誘導]
図13は、情報処理システム1の搭乗ゲートにおける処理の一例を示すシーケンスチャートである。この処理は、利用者Uが搭乗ゲートを通過しようとする際に実行される。
【0096】
先ず、搭乗ゲート装置60は、搭乗ゲート装置60の前を生体情報取得装置608により常時又は定期的に撮影し、撮影した画像中に搭乗ゲート装置60の前に立つ利用者Uの顔画像を対象顔画像として取得する(ステップS601)。
【0097】
次に、搭乗ゲート装置60は、生体情報取得装置608により撮影された利用者Uの対象顔画像を照合要求とともに管理サーバ10へ送信する(ステップS602)。これにより、搭乗ゲート装置60は、生体情報取得装置608により撮影された利用者Uの対象顔画像と、管理サーバ10のデータベースに登録された複数の登録顔画像とを1対Nで照合することを管理サーバ10に対して要求する。
【0098】
次に、管理サーバ10は、搭乗ゲート装置60から対象顔画像及び照合要求を受信すると、利用者Uの対象顔画像と、ゲート別搭乗者情報DB11dに記憶された登録顔画像との1対N照合を行う(ステップS603)。
【0099】
次に、管理サーバ10は、ステップS603における照合処理の照合結果が照合一致であるか否かを判定する(ステップS604)。
【0100】
ここで、管理サーバ10が、照合結果は照合一致であると判定した場合(ステップS604、YES)には、管理サーバ10は照合一致の照合結果を搭乗ゲート装置60へ送信し(ステップS605)、処理はステップS613に移行する。
【0101】
これに対し、管理サーバ10が、照合結果は照合不一致であると判定した場合(ステップS604、NO)には、処理はステップS606に移行する。
【0102】
ステップS606において、管理サーバ10は、利用者Uの対象顔画像と、日別搭乗者情報DB11cに記憶された登録顔画像との1対N照合を行う。
【0103】
次に、管理サーバ10は、ステップS606における照合処理の照合結果が照合一致であるか否かを判定する(ステップS607)。
【0104】
ここで、管理サーバ10が、照合結果は照合一致であると判定した場合(ステップS607、YES)には、処理はステップS608に移行する。
【0105】
これに対し、管理サーバ10が、照合結果は照合不一致であると判定した場合(ステップS607、NO)、管理サーバ10は照合不一致の照合結果を搭乗ゲート装置60へ送信し(ステップS612)、処理はステップS613に移行する。
【0106】
ステップS608において、管理サーバ10は、誘導先の搭乗ゲート、すなわち、利用者Uが利用可能な搭乗ゲートを特定する。次に、管理サーバ10は、利用者Uに対する誘導情報及び他の搭乗ゲートの係員Sに対する業務連絡情報をそれぞれ作成する(ステップS609)。
【0107】
次に、管理サーバ10は、照合要求を行った搭乗ゲート装置60に対して照合結果及び誘導情報を送信する(ステップS610)。また、管理サーバ10は、ステップS608において特定された搭乗ゲートに対応する業務端末62に対して業務連絡情報を送信する(ステップS611)。その後、処理はステップS618へ移行する。
【0108】
ステップS613において、搭乗ゲート装置60は、管理サーバ10から受信した照合結果に基づいて、利用者Uの通行を許可するか否かを判定する。
【0109】
ここで、搭乗ゲート装置60が、利用者Uの通行を許可すると判定した場合(ステップS613、YES)には、ゲート610を開放する(ステップS614)。タッチポイントP5を通過した利用者Uは、航空機に搭乗する。その後、処理はステップS616へ移行する。
【0110】
これに対し、搭乗ゲート装置60が、利用者Uの通行を許可しないと判定した場合(ステップS613、NO)には、処理はステップS615へ移行する。
【0111】
ステップS615において、搭乗ゲート装置60は、管理サーバ10から受信した誘導情報を表示装置606に表示し、処理を終了する。
【0112】
図14は、搭乗ゲート装置60に表示される画面の一例を示す図である。ここでは、利用者Uを正しい搭乗ゲートに誘導するためのメッセージ(「搭乗ゲートが違います。No.8の搭乗ゲートに向かってください。」)、利用者Uが通過を拒否された搭乗ゲート(第1ゲート)と利用者Uが利用可能な搭乗ゲート(第2ゲート)との位置関係を示す地図を表示する誘導用の画面が示されている。
【0113】
また、図14の画面には、利用者Uが搭乗する航空機のフライト情報(便名/目的地/搭乗開始時刻/出発予定時刻)、利用者Uの現在位置、移動距離、予想される所要時間、現在時刻及び到着予定時刻の情報も表示されている。移動距離は、例えば搭乗ゲート間の位置関係を記録したデータテーブル(不図示)から取得される。所要時間は、移動距離と、人間の平均的な歩行速度から自動的に算出される。到着予定時刻は、現在時刻と所要時間から算出される。
【0114】
ステップS616において、搭乗ゲート装置60は、利用者Uに関するステータス更新要求を管理サーバ10に送信する。
【0115】
管理サーバ10は、搭乗ゲート装置60からステータス更新要求を受信すると、利用者Uについて利用者情報DB11bの利用者情報を更新し(ステップS617)、処理を終了する。これに伴い、利用者Uの生体情報(登録顔画像)を削除してもよい。
【0116】
ステップS618において、業務端末62は、管理サーバ10から業務連絡情報を受信すると、業務連絡情報を画面に表示し、処理を終了する。
【0117】
図15は、業務端末62に表示される画面の一例を示す図である。ここでは、利用者Uが搭乗ゲートを間違えて入場しようとした場合に、正しい搭乗ゲート側に設置されている業務端末62に表示される業務連絡画面が示されている。図15の業務連絡画面には、業務連絡のメッセージ(「搭乗ゲートを間違えたお客様がいらっしゃいます。現在の場所(搭乗ゲートNo.1)から搭乗ゲートNo.8に誘導しますので、お客様が到着しましたら対応してください。」)と、利用者情報とが含まれている。
【0118】
本実施形態によれば、利用者Uが利用可能な搭乗ゲートとは異なる搭乗ゲートを通過しようとした場合でも、利用者を適切な搭乗ゲートへ誘導できる。また、搭乗ゲートにおいて通行を拒否された利用者は、本システムにより提供される誘導情報に基づいて、多数の搭乗ゲートのうち、どの搭乗ゲートに向かえばよいのかを迅速に判断できる。これにより、空港DAを利用する利用者Uの利便性が向上し、かつ、航空機の円滑な運行にも寄与できる。
【0119】
<第2実施形態>
以下、本実施形態に係る情報処理システム1について説明する。なお、第1実施形態の図中において付与した符号と共通する符号は同一の対象を示す。第1実施形態と共通する箇所の説明は省略し、異なる箇所について詳細に説明する。
【0120】
本実施形態の管理サーバ10は、利用者Uごとに搭乗ゲートが変更されたか否かを判定する機能と、空港DAの出発エリアに設置されているサイネージ端末80において搭乗ゲートの変更情報を表示させる機能とをさらに備える点で第1実施形態とは異なる。
【0121】
図16は、本実施形態に係る情報処理システム3の全体構成例を示すブロック図である。図16に示すように、本実施形態の管理サーバ10は、サイネージ端末80にネットワークNW2を介して接続されている。管理サーバ10は、サイネージ端末80において撮影された顔画像(生体情報)と、利用者情報DB11bに記憶された登録顔画像とをそれぞれ照合することによって、利用者Uが適切な搭乗券を所持している人物か否かの本人確認を行う。
【0122】
また、管理サーバ10は、利用者Uが搭乗する予定の航空機に係る搭乗ゲートが変更されたか否かを判定する判定部16をさらに備える。判定部16は、例えば、利用者Uがチェックイン手続を完了したときに割り当てられていた搭乗ゲートと、日別搭乗者情報DB11cにおいて航空機に関連付けられている最新の搭乗ゲートとを比較することで搭乗ゲートの変更の有無を判定する。本実施形態の利用者情報DB11bは、利用者Uが利用する便に対してチェックイン手続の完了時点において割り当て済みの搭乗ゲートを示す搭乗ゲートIDをデータ項目に含むものとする。なお、搭乗ゲートの変更を判定する手法はこれに限られない。
【0123】
図17は、情報処理システム3における誘導処理の一例を示すシーケンスチャートである。この処理は、例えば利用者Uがサイネージ端末80の前に立っているときに実行される。
【0124】
先ず、サイネージ端末80は、サイネージ端末80の前を生体情報取得装置(不図示)により常時又は定期的に撮影し、撮影した画像中にサイネージ端末80の前に立つ利用者Uの顔画像を対象顔画像として取得する(ステップS701)。
【0125】
次に、サイネージ端末80は、利用者Uの対象顔画像を照合要求とともに管理サーバ10へ送信する(ステップS702)。これにより、サイネージ端末80は、撮影された利用者Uの対象顔画像と、管理サーバ10のデータベースに登録された複数の登録顔画像とを1対Nで照合することを管理サーバ10に対して要求する。
【0126】
次に、管理サーバ10は、サイネージ端末80から対象顔画像及び照合要求を受信すると、利用者Uの対象顔画像と、日別搭乗者情報DB11cに記憶された登録顔画像との1対N照合を行う(ステップS703)。
【0127】
次に、管理サーバ10は、照合結果が照合一致であるか否かを判定する(ステップS704)。ここで、管理サーバ10が、照合結果は照合一致であると判定した場合(ステップS704、YES)には、処理はステップS705に移行する。
【0128】
これに対し、管理サーバ10が、照合結果は照合不一致であると判定した場合(ステップS704、NO)には、照合不一致の照合結果をサイネージ端末80に送信し(ステップS707)、処理はステップS712に移行する。
【0129】
ステップS705において、管理サーバ10は、照合処理により特定された利用者Uが利用する便に対して割り当て済みの搭乗ゲートを特定する。すなわち、現時点において利用者Uが利用可能な搭乗ゲートを特定する。
【0130】
次に、管理サーバ10は、利用者情報DB11bを参照し、利用者Uが搭乗する便に対してチェックイン手続の完了時点において割り当てられていた搭乗ゲートを特定する(ステップS706)。その後、処理はステップS708へ移行する。
【0131】
ステップS708において、管理サーバ10は、利用者Uが搭乗する便に対応する搭乗ゲートが変更されたか否かを判定する。ここで、管理サーバ10が、搭乗ゲートが変更されたと判定した場合(ステップS708、YES)には、処理はステップS709へ移行する。
【0132】
これに対し、管理サーバ10が、搭乗ゲートは変更されていないと判定した場合(ステップS708、NO)には、照合一致の照合結果及び搭乗ゲート情報をサイネージ端末80に送信し(ステップS711)、処理はステップS712に移行する。
【0133】
ステップS709において、管理サーバ10は、ゲート変更情報を作成する。次に、管理サーバ10は、照合一致の照合結果及びゲート変更情報をサイネージ端末80に送信し(ステップS710)。その後、処理はステップS712に移行する。
【0134】
ステップS712において、サイネージ端末80は、管理サーバ10から照合結果を受信すると、利用者Uが特定されたか否かを判定する。具体的には、管理サーバ10が、利用者Uの生体情報と利用者情報DB11bに記憶されているN人の登録者R-1~R-Nの登録生体情報とを1対N照合したとき、登録者R-xとの照合結果が照合一致であった場合には、管理サーバ10は照合一致の照合結果をサイネージ端末80へ出力する。この場合、サイネージ端末80は、管理サーバ10において利用者Uは特定されたと判定する。
【0135】
また、管理サーバ10が、利用者Uの生体情報と登録者R-1~R-Nの登録生体情報とを1対N照合したとき、一致する人物が存在しない場合には、管理サーバ10は照合不一致の照合結果をサイネージ端末80へ出力する。この場合、サイネージ端末80は、管理サーバ10において利用者Uは特定されていないと判定する。
【0136】
ここで、サイネージ端末80が、管理サーバ10において利用者Uが特定されたと判定した場合(ステップS712、YES)には、処理はステップS713へ移行する。
【0137】
これに対し、サイネージ端末80が、管理サーバ10において利用者Uが特定されていないと判定した場合(ステップS712、NO)には、エラー情報を表示し(ステップS714)、処理を終了する。
【0138】
ステップS713において、サイネージ端末80は、管理サーバ10から受信した情報にゲート変更情報があるか否かを判定する。ここで、サイネージ端末80は、ゲート変更情報があると判定した場合(ステップS713、YES)には、ゲート変更情報を表示し(ステップS715)、処理を終了する。
【0139】
これに対し、サイネージ端末80は、ゲート変更情報はないと判定した場合(ステップS713、NO)には、搭乗ゲート情報を表示し(ステップS716)、処理を終了する。
【0140】
図18は、サイネージ端末80に表示される画面の一例を示す図である。ここでは、サイネージ端末80を介して管理サーバ10において認証された利用者Uに対して、搭乗ゲートの変更を案内するメッセージ(「お客様がご搭乗予定の便につきましては、搭乗ゲートが変更されております。搭乗ゲートをお間違えにならないよう、ご注意ください。」)と、利用者Uが搭乗する航空機のフライト情報(便名/目的地/搭乗開始時刻/出発予定時刻)とを表示する画面が示されている。なお、サイネージ端末80に表示する情報は、これらに限られない。例えば、上述した図14のように、現在地から変更後の搭乗ゲートへの経路を含む地図や、現在時刻及び到着予定時刻等も表示してもよい。
【0141】
本実施形態によれば、利用者Uは搭乗予定の航空機に対して割り当てられていた搭乗ゲートに向かう前に、搭乗ゲートが変更されたことを把握できる。これにより、空港DAを利用する利用者Uの利便性が向上し、かつ、航空機の円滑な運行にも寄与できる。
【0142】
<第3実施形態>
図19は、本実施形態に係る情報処理装置の機能ブロック図である。情報処理装置100は、照合部100Aと、制御部100Bとを備える。照合部100Aは、複数の搭乗ゲートのうちの第1ゲートで取得された利用者の生体情報と第1ゲートに係る搭乗予定者の第1登録生体情報群とを照合する第1モードと、生体情報と複数の搭乗ゲートに係る全搭乗予定者の第2登録生体情報群とを照合する第2モードを有する。制御部100Bは、第1モードでの照合結果が照合一致の場合には利用者に対して第1ゲートの通行を許可し、第2モードでの照合結果が照合一致の場合には、第2登録生体情報群のうちの生体情報と照合一致の登録生体情報に関連付けられている第2ゲートに向けて利用者を誘導する誘導情報を出力する。
【0143】
本実施形態によれば、利用者を適切な搭乗ゲートへ誘導できる情報処理装置100が提供される。
【0144】
<第4実施形態>
図20は、本実施形態に係る情報処理装置の機能を示すブロック図である。情報処理装置200は、照合部200Aと、制御部200Bとを備える。照合部200Aは、表示端末で取得された利用者の生体情報と搭乗ゲートから乗物に搭乗する人物に係る登録生体情報とを照合する。制御部200Bは、生体情報との照合結果が照合一致の登録生体情報に対して搭乗ゲートの変更情報が関連付けられている場合に、表示端末に対して搭乗ゲートの変更を示す情報を表示させる。
【0145】
本実施形態によれば、利用者を適切な搭乗ゲートへ誘導できる情報処理装置200が提供される。
【0146】
<変形実施形態>
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。本発明の構成及び詳細には本発明の要旨を逸脱しない範囲で、当業者が理解し得る様々な変形が可能である。例えば、いずれかの実施形態の一部の構成を、他の実施形態に追加した実施形態、あるいは他の実施形態の一部の構成と置換した実施形態も本発明を適用し得る実施形態であると理解されるべきである。
【0147】
また、上述した実施形態では、搭乗ゲートの変更情報の通知先は空港に設置されている装置に限られていたが、通知先はこれに限られない。例えば、利用者Uの搭乗予約情報に利用者Uの所持するユーザ端末の連絡先を関連付けておくことにより、ユーザ端末に搭乗ゲートの変更情報を通知する構成にしてもよい。
【0148】
また、上述した実施形態では、照合処理の実行モードが自動的に切り換わる構成について説明したが、切換方法はこれに限られない。管理サーバ10は、搭乗ゲート装置60における外部からの入力操作に基づいて管理サーバ10(照合部14)における照合処理の実行モードを第1モード又は第2モードの一方に設定するように構成してもよい。すなわち、係員Sの手動での操作により、利用者Uの顔画像との照合先のデータベースをゲート別搭乗者情報DB11d又は日別搭乗者情報DB11cの一方に設定できる。
【0149】
また、第1モードと第2モードのどちらで照合処理を実行しているのかを係員S等の管理者あるいは利用者Uが外部から確認できるように構成してもよい。具体的には、第1モードでの照合中の画面表示と第2モードでの照合中の画面表示とを変えられる構成にすると好適である。例えば、搭乗ゲート装置60の画面上に「***便の搭乗予定者と照合しています。」、「本日の搭乗予定者と照合しています。」等のメッセージを表示してもよい。また、第1モードでの照合結果が照合不一致である場合には、搭乗ゲート装置60の画面上に、例えば、「もうしばらくお待ちください。」等のメッセージを表示してもよい。
【0150】
また、利用者Uの生体情報と、データベースに登録されている登録生体情報との照合処理によって利用者Uの属性情報を取得し、その属性情報を誘導情報の提供方法に利用してもよい。例えば、誘導情報の表示言語を利用者Uの母国語に変更する構成にしてもよい。ゲート別搭乗者情報DB11d(第1登録生体情報群)及び日別搭乗者情報DB11c(第2登録生体情報群)にそれぞれ含まれる登録顔画像(登録生体情報)に対して利用者の国籍情報がさらに関連付けられる場合には、管理サーバ10は、登録生体情報に関連付けられた利用者Uの国籍情報に基づいて誘導情報の表示言語を変更するように構成してもよい。
【0151】
また、上述の実施形態では、利用者Uに対する誘導情報は画面に表示される場合について説明したが、誘導情報の提供方法はこれに限られない。例えば、管理サーバ10は、誘導情報を紙媒体に出力するための印刷データを生成してもよい。
【0152】
また、図1及び図16に示されるカメラ70は、各タッチポイントP1~P5の装置(チェックイン端末20、自動手荷物預け機30、保安検査装置40、自動化ゲート装置50、搭乗ゲート装置60)に備えられてもよい。
【0153】
また、搭乗ゲートを間違えた利用者(乗客)Uが複数人いる場合には、その総数を画面に表示してもよい。さらに、搭乗ゲートを間違えた利用者Uの総数を表示している画面にタブなどの選択ボタンを設けることにより、管理者が図15に示すような各利用者Uの情報を選択できるように構成してもよい。
【0154】
上述の実施形態の機能を実現するように該実施形態の構成を動作させるプログラムを記録媒体に記録させ、該記録媒体に記録されたプログラムをコードとして読み出し、コンピュータにおいて実行する処理方法も各実施形態の範疇に含まれる。すなわち、コンピュータ読取可能な記録媒体も各実施形態の範囲に含まれる。また、上述のプログラムが記録された記録媒体はもちろん、そのプログラム自体も各実施形態に含まれる。
【0155】
該記録媒体としては例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、磁気テープ、不揮発性メモリカード等を用いることができる。また該記録媒体に記録されたプログラム単体で処理を実行しているものに限らず、他のソフトウェア、拡張ボードの機能と共同して、OS上で動作して処理を実行するものも各実施形態の範疇に含まれる。
【0156】
上述の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0157】
(付記1)
複数の搭乗ゲートのうちの第1ゲートで取得された利用者の生体情報と前記第1ゲートに係る搭乗予定者の第1登録生体情報群とを照合する第1モードと、前記生体情報と前記複数の搭乗ゲートに係る全搭乗予定者の第2登録生体情報群とを照合する第2モードによる照合処理の少なくとも1つを実行する照合部と、
前記第1モードでの照合結果が照合一致の場合には前記利用者に対して前記第1ゲートの通行を許可し、前記第2モードでの照合結果が照合一致の場合には、前記第2登録生体情報群のうちの前記生体情報と照合一致の登録生体情報に関連付けられている第2ゲートに向けて前記利用者を誘導する誘導情報を出力する制御部と、
を備える情報処理装置。
【0158】
(付記2)
前記制御部は、前記第1モードでの照合結果が照合一致ではない場合に、前記照合部において前記第2モードによる照合処理を実行させる、
付記1に記載の情報処理装置。
【0159】
(付記3)
前記制御部は、外部からの入力操作に基づいて前記照合部における照合処理の実行モードを前記第1モード又は前記第2モードの一方に設定する、
付記1に記載の情報処理装置。
【0160】
(付記4)
前記制御部は、前記第2ゲートに関連付けられた業務端末に対して、前記第1ゲートの通行を拒否された前記利用者の情報を出力する、
付記1乃至3のいずれかに記載の情報処理装置。
【0161】
(付記5)
前記情報は、前記利用者の前記生体情報を含む、
付記4に記載の情報処理装置。
【0162】
(付記6)
前記誘導情報は、少なくとも前記第1ゲートと前記第2ゲートの位置関係を示す地図情報を含む、
付記1乃至5のいずれかに記載の情報処理装置。
【0163】
(付記7)
前記誘導情報は、前記第1ゲートから前記第2ゲートまで移動する場合の所要時間の情報を含む、
付記1乃至6のいずれかに記載の情報処理装置。
【0164】
(付記8)
前記誘導情報は、前記第1ゲートから前記第2ゲートまでの経路情報を含む、
付記1乃至7のいずれかに記載の情報処理装置。
【0165】
(付記9)
前記誘導情報は、前記第2ゲートにおける搭乗開始時刻の情報を含む、
付記1乃至8のいずれかに記載の情報処理装置。
【0166】
(付記10)
前記第1登録生体情報群及び前記第2登録生体情報群にそれぞれ含まれる前記登録生体情報に対して前記利用者の国籍情報がさらに関連付けられており、
前記制御部は、前記生体情報との照合結果が照合一致の前記登録生体情報に関連付けられた前記国籍情報に基づいて前記誘導情報の表示言語を変更する、
付記1乃至9のいずれかに記載の情報処理装置。
【0167】
(付記11)
前記制御部は、前記誘導情報を画面に表示するための表示データを生成する、
付記1乃至10のいずれかに記載の情報処理装置。
【0168】
(付記12)
前記制御部は、前記誘導情報を紙媒体に出力するための印刷データを生成する、
付記1乃至11のいずれかに記載の情報処理装置。
【0169】
(付記13)
前記生体情報は、顔画像である、
付記1乃至12のいずれかに記載の情報処理装置。
【0170】
(付記14)
複数の搭乗ゲートのうちの第1ゲートで取得された利用者の生体情報と前記第1ゲートに係る搭乗予定者の第1登録生体情報群とを照合する第1モードによる照合処理と、前記生体情報と前記複数の搭乗ゲートに係る全搭乗予定者の第2登録生体情報群とを照合する第2モードによる照合処理の少なくとも1つを実行するステップと、
前記第1モードでの照合結果が照合一致の場合には前記利用者に対して前記第1ゲートの通行を許可し、前記第2モードでの照合結果が照合一致の場合には、前記第2登録生体情報群のうちの前記生体情報と照合一致の登録生体情報に関連付けられている第2ゲートに向けて前記利用者を誘導する誘導情報を出力するステップと、
を備える情報処理方法。
【0171】
(付記15)
コンピュータに、
複数の搭乗ゲートのうちの第1ゲートで取得された利用者の生体情報と前記第1ゲートに係る搭乗予定者の第1登録生体情報群とを照合する第1モードによる照合処理と、前記生体情報と前記複数の搭乗ゲートに係る全搭乗予定者の第2登録生体情報群とを照合する第2モードによる照合処理の少なくとも1つを実行するステップと、
前記第1モードでの照合結果が照合一致の場合には前記利用者に対して前記第1ゲートの通行を許可し、前記第2モードでの照合結果が照合一致の場合には、前記第2登録生体情報群のうちの前記生体情報と照合一致の登録生体情報に関連付けられている第2ゲートに向けて前記利用者を誘導する誘導情報を出力するステップと、
を実行させるためのプログラムが記録された記録媒体。
【0172】
(付記16)
表示端末で取得された利用者の生体情報と搭乗ゲートから乗物に搭乗する人物に係る登録生体情報とを照合する照合部と、
前記生体情報との照合結果が照合一致の前記登録生体情報に対して前記搭乗ゲートの変更情報が関連付けられている場合に、前記表示端末に対して前記搭乗ゲートの変更を示す情報を表示させる制御部と、
を備える情報処理装置。
【符号の説明】
【0173】
NW1、NW2・・・ネットワーク
U・・・利用者
S・・・係員
1、3・・・情報処理システム
10・・・管理サーバ
11・・・記憶部
11a・・・搭乗予約情報DB
11b・・・利用者情報DB
11c・・・日別搭乗者情報DB
11d・・・ゲート別搭乗者情報DB
12・・・情報取得部
13・・・データベース管理部
14・・・照合部
15・・・制御部
16・・・判定部
20・・・チェックイン端末
30・・・自動手荷物預け機
40・・・保安検査装置
50・・・自動化ゲート装置
60・・・搭乗ゲート装置
62・・・業務端末
70・・・カメラ
80・・・サイネージ端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15
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