(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-09
(45)【発行日】2025-04-17
(54)【発明の名称】ロータリーキルン
(51)【国際特許分類】
F27B 7/36 20060101AFI20250410BHJP
F27B 7/06 20060101ALI20250410BHJP
F27D 7/06 20060101ALI20250410BHJP
【FI】
F27B7/36
F27B7/06
F27D7/06 B
(21)【出願番号】P 2021147105
(22)【出願日】2021-09-09
【審査請求日】2024-06-12
(73)【特許権者】
【識別番号】390008431
【氏名又は名称】高砂工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115646
【氏名又は名称】東口 倫昭
(74)【代理人】
【識別番号】100115657
【氏名又は名称】進藤 素子
(74)【代理人】
【識別番号】100196759
【氏名又は名称】工藤 雪
(72)【発明者】
【氏名】大島 士月
(72)【発明者】
【氏名】土井 理成
(72)【発明者】
【氏名】西川 雅之
【審査官】松田 長親
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0286193(US,A1)
【文献】特開2020-159590(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F27B 7/36
F27B 7/06
F27D 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向一端に開口する上流側開口と、軸方向他端に開口する下流側開口と、を有し、自身の軸周りに回転可能な回転筒部と、
上流側から前記上流側開口を覆い、上流側給排口を有する上流側フードと、
下流側から前記下流側開口を覆い、下流側給排口を有する下流側フードと、
前記回転筒部、前記上流側フード、前記下流側フードの内部に区画される炉内空間と、
前記上流側給排口、前記下流側給排口に連通可能であって、前記炉内空間に所定のガスを供給可能なガス供給部と、
前記上流側給排口、前記下流側給排口に連通可能であって、前記炉内空間を減圧可能な減圧部と、
前記ガス供給部を前記上流側給排口に連通させ、前記減圧部を前記下流側給排口に連通させ、前記炉内空間において、前記ガスを上流側から下流側に向かって流動させる並行流モードと、前記ガス供給部を前記下流側給排口に連通させ、前記減圧部を前記上流側給排口に連通させ、前記炉内空間において、前記ガスを下流側から上流側に向かって流動させる対向流モードと、に前記炉内空間の気流を切換可能な気流切換部と、
を備え
、
さらに、
前記回転筒部の上流側に配置され、前記上流側フードを有し、前記回転筒部に被処理物を供給する供給部と、
前記回転筒部の下流側に配置され、前記下流側フードを有し、前記回転筒部から前記被処理物を排出する排出部と、
置換用ガス供給部と、
置換用減圧部と、
雰囲気置換部と、
を備え、
前記供給部および前記排出部のうち少なくとも一方は、
シュートと、前記シュートに着脱可能であって前記被処理物が収容される被処理物容器と、を有し、
前記シュートは、前記被処理物が流動する流路を開閉可能な第一バルブを有し、
前記被処理物容器は、前記被処理物が流動する流路を開閉可能な第二バルブを有し、
流路を遮断する閉状態の前記第一バルブと、流路を遮断する閉状態の前記第二バルブと、の間には密閉空間が区画され、
前記置換用ガス供給部は、前記密閉空間に連通し、前記密閉空間に所定のガスを供給可能であり、
前記置換用減圧部は、前記密閉空間に連通し、前記密閉空間を減圧可能であり、
前記シュートに前記被処理物容器を取り付ける前、前記第一バルブは前記閉状態であり、前記第二バルブは前記閉状態であり、
前記シュートに前記被処理物容器を取り付けた後、前記第一バルブと前記第二バルブとの間には前記密閉空間が区画され、前記雰囲気置換部は、前記置換用ガス供給部、前記置換用減圧部を前記密閉空間に連通させ、前記密閉空間の雰囲気を、前記置換用ガス供給部が供給するガスに、置換可能であるロータリーキルン。
【請求項2】
前記気流切換部は、さらに、
前記ガス供給部が前記上流側給排口、前記下流側給排口から遮断され、前記減圧部が前記上流側給排口に連通し、前記炉内空間を減圧する上流側減圧モードと、
前記ガス供給部が前記上流側給排口、前記下流側給排口から遮断され、前記減圧部が前記下流側給排口に連通し、前記炉内空間を減圧する下流側減圧モードと、
に前記炉内空間の気流を切換可能である請求項1に記載のロータリーキルン。
【請求項3】
前記置換用ガス供給部が前記密閉空間に供給するガスと、前記ガス供給部が前記炉内空間に供給するガスと、は同じである請求項1または請求項2に記載のロータリーキルン。
【請求項4】
前記置換用ガス供給部と前記ガス供給部、前記置換用減圧部と前記減圧部のうち、少なくとも一方は、共用化される請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のロータリーキルン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、医薬品、電池材料などの被処理物に対して熱処理を施すロータリーキルンに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、外熱式のロータリーキルンが開示されている。ロータリーキルンのキルン本体の軸方向両端には、窯前部と窯尻部とが配置されている。窯前部には、ガス供給部が連なっている。窯尻部には、排気ファン、固気分離部が連なっている。
【0003】
被処理物は、キルン本体内部を、窯尻部から窯前部に向かって、流動する。この際、被処理物には、所定の熱処理が施される。これに対して、雰囲気ガスは、ガス供給部から窯前部に供給される。供給された雰囲気ガスは、キルン本体内部を、窯前部から窯尻部に向かって、流動する。すなわち、雰囲気ガスは、キルン本体内部を、被処理物の搬送方向と逆方向に流動する。流動後の雰囲気ガスは、排気ファン、固気分離部を介して、外部に放出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
同文献記載のロータリーキルンの場合、キルン本体内部における、雰囲気ガスの流動方向が、窯前部から窯尻部に向かう方向、つまり被処理物の流動方向における下流側から上流側に向かう方向に、固定されている。このため、雰囲気ガスの流動方向を変更することができない。
【0006】
例えば、被処理物に施される熱処理の内容、被処理物の種類(材質、特性、形状、大きさなど)などによっては、雰囲気ガスを、上流側から下流側に向かう方向に、流動させたい場合もある。この場合、同文献記載のロータリーキルンでは、雰囲気ガスの流動方向を切り換えることができない。そこで、本発明は、ガスの流動方向を切換可能なロータリーキルンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明のロータリーキルンは、軸方向一端に開口する上流側開口と、軸方向他端に開口する下流側開口と、を有し、自身の軸周りに回転可能な回転筒部と、上流側から前記上流側開口を覆い、上流側給排口を有する上流側フードと、下流側から前記下流側開口を覆い、下流側給排口を有する下流側フードと、前記回転筒部、前記上流側フード、前記下流側フードの内部に区画される炉内空間と、前記上流側給排口、前記下流側給排口に連通可能であって、前記炉内空間に所定のガスを供給可能なガス供給部と、前記上流側給排口、前記下流側給排口に連通可能であって、前記炉内空間を減圧可能な減圧部と、前記ガス供給部を前記上流側給排口に連通させ、前記減圧部を前記下流側給排口に連通させ、前記炉内空間において、前記ガスを上流側から下流側に向かって流動させる並行流モードと、前記ガス供給部を前記下流側給排口に連通させ、前記減圧部を前記上流側給排口に連通させ、前記炉内空間において、前記ガスを下流側から上流側に向かって流動させる対向流モードと、に前記炉内空間の気流を切換可能な気流切換部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
ここで、「上流側」とは、回転筒部の軸方向両側のうち、被処理物が供給される側をいう。「下流側」とは、回転筒部の軸方向両側のうち、「上流側」の反対側であって、被処理物が排出される側をいう。
【発明の効果】
【0009】
本発明のロータリーキルンは、気流切換部を備えている。気流切換部は、炉内空間の気流を、並行流モードと、対向流モードと、に切換可能である。このため、炉内空間におけるガスの流動方向を、順方向(被処理物の流動方向)と、逆方向(被処理物の流動方向に対して逆方向)と、に切り換えることができる。したがって、被処理物に施される熱処理の内容、被処理物の種類(材質、特性、形状、大きさなど)などに応じて、適宜、ガスの流動方向を切り換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態であるロータリーキルンの軸方向断面図である。
【
図5】
図5は、同ロータリーキルンの排出シュート付近の、使用済みの排出容器が排出シュートから取り外された後の状態における、軸方向断面図である。
【
図6】
図6は、同ロータリーキルンの排出シュート付近の、未使用の排出容器を排出シュートに取り付ける前の状態における、軸方向断面図である。
【
図7】
図7は、同ロータリーキルンの排出シュート付近の、未使用の排出容器を排出シュートに取り付けた後の状態における、軸方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明のロータリーキルンの実施の形態について説明する。
【0012】
[ロータリーキルンの構成]
まず、本実施形態のロータリーキルンの構成について説明する。以降の図において、左側は上流側(供給側)に、右側は下流側(排出側)に、各々対応している。
図1に、本実施形態のロータリーキルンの軸方向断面図を示す。
図2に、
図1の枠II内の拡大図を示す。
図3に、
図1の枠III内の拡大図を示す。
図4に、
図1の枠IV内の拡大図を示す。
【0013】
図1~
図4に示すように、ロータリーキルン1は、主に、回転筒部2と、回転支持部3と、供給部4と、熱処理部5と、排出部6と、ガス供給部70と、減圧部71と、供給側置換用ガス供給部72と、供給側置換用減圧部73と、排出側置換用ガス供給部74と、排出側置換用減圧部75と、気流切換部80と、供給側雰囲気置換部81と、排出側雰囲気置換部82と、を備えている。
【0014】
このうち、供給側置換用ガス供給部72、排出側置換用ガス供給部74は、本発明の「置換用ガス供給部」の概念に含まれる。供給側置換用減圧部73、排出側置換用減圧部75は、本発明の「置換用減圧部」の概念に含まれる。供給側雰囲気置換部81、排出側雰囲気置換部82は、本発明の「雰囲気置換部」の概念に含まれる。
【0015】
(回転支持部3)
架台9は、駆動機構(図略。例えば電動ジャッキ、油圧シリンダなど)により、左側が上昇し右側が下降する方向に、傾動可能である。回転支持部3は、架台9に配置されている。回転支持部3は、一対の上流側ローラー30と、一対の下流側ローラー31と、上流側摺動シール部32と、下流側摺動シール部33と、を備えている。上流側ローラー30は、後述する熱処理部5の左側に配置されている。一対の上流側ローラー30は、前後方向(炉幅方向)に並んで配置されている。下流側ローラー31は、熱処理部5の右側に配置されている。一対の下流側ローラー31は、前後方向に並んで配置されている。上流側摺動シール部32は、上流側ローラー30の左側に配置されている。下流側摺動シール部33は、下流側ローラー31の右側に配置されている。
【0016】
(回転筒部2)
回転筒部2は、回転支持部3により、回転可能に支持されている。回転筒部2は、外筒20と、連結筒21と、内筒22と、を備えている。外筒20は、外筒本体200と、上流側タイヤ201と、下流側タイヤ202と、スプロケット203と、を備えている。
【0017】
外筒本体200は、回転軸Aを中心とする円筒状を呈している。外筒本体200は、左右方向に延在している。外筒本体200の右端付近は、下流側摺動シール部33に摺接している。
【0018】
上流側タイヤ201は、外筒本体200の左端付近に環装されている。上流側タイヤ201は、環状を呈している。上流側タイヤ201は、一対の上流側ローラー30に、転動可能に載置されている。下流側タイヤ202は、外筒本体200の右端付近に環装されている。下流側タイヤ202は、環状を呈している。下流側タイヤ202は、一対の下流側ローラー31に、転動可能に載置されている。
【0019】
スプロケット203は、上流側タイヤ201の左側に併設されている。スプロケット203には、駆動力伝達用のチェーン(図略)が巻装されている。駆動装置(図略)からの駆動力は、チェーンを介して、スプロケット203に伝達される。当該駆動力により、外筒本体200つまり外筒20は、上流側ローラー30、下流側ローラー31上で、回転軸A(外筒本体200の径方向中心軸)の軸周りに、正方向および逆方向(正方向に対して反対方向)に回転可能である。
【0020】
連結筒21は、外筒本体200の左側に連結されている。連結筒21は、回転軸Aを中心とする円筒状を呈している。連結筒21の左端(軸方向一端)開口は、上流側開口21aである。連結筒21は、上流側摺動シール部32に摺接している。連結筒21は、外筒20と共に、回転軸Aの軸周りに、正方向および逆方向に回転可能である。
【0021】
内筒22は、外筒20の径方向内側に配置されている。内筒22は、外筒20および連結筒21と共に、回転軸Aの軸周りに、正方向および逆方向に回転可能である。内筒22は、内筒本体220と、上流側送りフィン221と、下流側送りフィン222と、複数の掻き上げフィン223と、を備えている。
【0022】
内筒本体220は、回転軸Aを中心とする円筒状を呈している。内筒本体220は、左右方向に延在している。内筒本体220の内部(後述する熱処理部5の断熱材51、ヒーター52の径方向内側)には、熱処理帯Bが設定されている。熱処理帯Bにおいては、被処理物Wに、所定の熱処理が施される。内筒本体220の右端(軸方向他端)開口は、下流側開口220bである。外筒本体200に対して、内筒本体220は着脱可能である。
【0023】
上流側送りフィン221は、内筒本体220の内周面に配置されている。上流側送りフィン221は、熱処理帯Bの左端付近に配置されている。上流側送りフィン221は、螺旋状を呈している。上流側送りフィン221は、回転軸Aを中心に、540°(1.5回転)の範囲に亘って延在している。下流側送りフィン222は、内筒本体220の内周面に配置されている。下流側送りフィン222は、熱処理帯Bの右端付近に配置されている。下流側送りフィン222は、螺旋状を呈している。下流側送りフィン222は、回転軸Aを中心に、540°(1.5回転)の範囲に亘って延在している。上流側送りフィン221の螺旋巻回方向と、下流側送りフィン222の螺旋巻回方向と、は互いに反対である。例えば、左側から見て、上流側送りフィン221は時計回りに巻回されている。他方、下流側送りフィン222は反時計回りに巻回されている。
【0024】
内筒22が正方向に回転する場合、被処理物Wは、上流側送りフィン221により、右側に送られる。また、被処理物Wは、下流側送りフィン222により、左側に送られる。すなわち、被処理物Wは、熱処理帯Bに近接する方向に送られる。内筒22が逆方向に回転する場合、被処理物Wは、上流側送りフィン221により、左側に送られる。また、被処理物Wは、下流側送りフィン222により、右側に送られる。すなわち、被処理物Wは、熱処理帯Bから離間する方向に送られる。
【0025】
複数の掻き上げフィン223は、内筒本体220の内周面に配置されている。掻き上げフィン223は、上流側送りフィン221と下流側送りフィン222との間に配置されている。掻き上げフィン223は、熱処理帯Bに配置されている。
【0026】
(熱処理部5)
熱処理部5は、架台9に配置されている。熱処理部5は、ハウジング50と、断熱材51と、ヒーター(熱源)52と、を備えている。回転筒部2は、熱処理部5を左右方向に貫通している。回転筒部2の左右方向中間部分は、熱処理部5に収容されている。ハウジング50は円筒状を呈している。断熱材51は、ハウジング50の内面に積層されている。ヒーター52は、断熱材51に埋設されている。ヒーター52の内周面は、外筒本体200の外周面に、径方向に対向している。
【0027】
(供給部4)
供給部4は、回転筒部2の左側に配置されている。供給部4は、供給フード40と、供給シュート41と、供給容器42と、供給フィーダー43と、を備えている。供給フード40は、本発明の「上流側フード」の概念に含まれる。供給シュート41は、本発明の「シュート」の概念に含まれる。供給容器42は、本発明の「被処理物容器」の概念に含まれる。
【0028】
供給フード40は、回転筒部2の左端つまり上流側開口21aを、左側から覆っている。供給フード40の上壁には、上流側給排口400が開設されている。回転筒部2、供給フード40、後述する排出フード60の内部には、炉内空間Dが区画されている。上流側給排口400は、当該炉内空間Dに連通している。供給フィーダー43は、スクリューフィーダーである。供給フィーダー43は、左右方向に延在している。供給フィーダー43は、供給フード40を貫通している。供給フィーダー43の右端は、内筒本体220に挿入されている。
【0029】
供給シュート41は、供給フィーダー43の左端の上側に連結されている。供給シュート41は、上下方向に延在している。
図3に示すように、供給シュート41は、下側から上側に向かって、シュート本体410と、第一バルブアセンブリ411と、容器接続筒412と、を備えている。シュート本体410は、上下方向に延在する直管状を呈している。第一バルブアセンブリ411は、第一バルブ411aと、第一バルブケース411bと、を備えている。第一バルブケース411bは、筒状を呈している。第一バルブ411aは、第一バルブケース411bに装着されている。第一バルブ411aは、スライドバルブである。第一バルブ411aは、第一バルブケース411bの内部空間(つまり被処理物Wの流路)を開放、遮断可能である。容器接続筒412の筒壁には、ガス供給口412aと、減圧口412bと、が開設されている。容器接続筒412の上端には、フランジ状の第一接続端412cが配置されている。
【0030】
供給容器42は、供給シュート41の上側に連結されている。供給容器42には、熱処理前の被処理物Wが貯留される。供給容器42は、供給シュート41に対して、着脱可能である。
図3に示すように、供給容器42は、上側から下側に向かって、容器本体420と、第二バルブアセンブリ421と、を備えている。容器本体420は、下向きに開口する有底筒状を呈している。第二バルブアセンブリ421は、第二バルブ421aと、第二バルブケース421bと、を備えている。第二バルブケース421bは、筒状を呈している。第二バルブ421aは、第二バルブケース421bに装着されている。第二バルブ421aは、バタフライバルブである。第二バルブ421aは、第二バルブケース421bの内部空間(つまり被処理物Wの流路)を開放、遮断可能である。第二バルブケース421bの下端には、フランジ状の第二接続端421cが配置されている。第二接続端421cは、第一接続端412cに、接続部材(図略)を介して、着脱可能である。
【0031】
第二接続端421cが第一接続端412cに装着された状態、かつ第一バルブ411aおよび第二バルブ421aが閉状態において、第一バルブ411aと第二バルブ421aとの間には、密閉空間(図略)が区画される。
【0032】
(排出部6)
排出部6は、回転筒部2の右側に配置されている。排出部6は、排出フード60と、排出シュート61と、排出容器62と、を備えている。排出フード60は、本発明の「下流側フード」の概念に含まれる。排出シュート61は、本発明の「シュート」の概念に含まれる。排出容器62は、本発明の「被処理物容器」の概念に含まれる。
【0033】
排出フード60は、回転筒部2の右端つまり下流側開口220bを、右側から覆っている。排出フード60の上壁には、下流側給排口600が開設されている。下流側給排口600は、炉内空間Dに連通している。排出シュート61は、排出フード60の下側(下流側)に連結されている。排出シュート61は、上下方向に延在している。
図4に示すように、排出シュート61は、上側から下側に向かって、シュート本体610と、第一バルブアセンブリ611と、容器接続筒612と、を備えている。
図1に示すように、シュート本体610は、上側から下側に向かって尖る、テーパ筒状を呈している。シュート本体610は、蛇腹部610aを備えている。蛇腹部610aは、架台9傾動時の排出フード60の移動量に応じて、変形可能である。
図4に示すように、第一バルブアセンブリ611は、第一バルブ611aと、第一バルブケース611bと、を備えている。第一バルブケース611bは、筒状を呈している。第一バルブ611aは、第一バルブケース611bに装着されている。第一バルブ611aは、スライドバルブである。第一バルブ611aは、第一バルブケース611bの内部空間(つまり被処理物Wの流路)を開放、遮断可能である。容器接続筒612の筒壁には、ガス供給口612aと、減圧口612bと、が開設されている。容器接続筒612の下端には、フランジ状の第一接続端612cが配置されている。
【0034】
排出容器62は、排出シュート61の下側に連結されている。排出容器62には、熱処理後の被処理物Wが貯留される。排出容器62は、排出シュート61に対して、着脱可能である。
図4に示すように、排出容器62は、下側から上側に向かって、容器本体620と、第二バルブアセンブリ621と、を備えている。容器本体620は、上向きに開口する有底筒状を呈している。第二バルブアセンブリ621は、第二バルブ621aと、第二バルブケース621bと、を備えている。第二バルブケース621bは、筒状を呈している。第二バルブ621aは、第二バルブケース621bに装着されている。第二バルブ621aは、バタフライバルブである。第二バルブ621aは、第二バルブケース621bの内部空間(つまり被処理物Wの流路)を開放、遮断可能である。第二バルブケース621bの上端には、フランジ状の第二接続端621cが配置されている。第二接続端621cは、第一接続端612cに、接続部材(図略)を介して、着脱可能である。
【0035】
第二接続端621cが第一接続端612cに装着された状態、かつ第一バルブ611aおよび第二バルブ621aが閉状態(流路を遮断した状態)において、第一バルブ611aと第二バルブ621aとの間には、密閉空間(図略)が区画される。当該密閉空間については後述する。
【0036】
(ガス供給部70、減圧部71)
ガス供給部70は、ガス供給源(例えばガスタンク、ガス配管など)700と、MFC(マスフローコントローラー)701と、を備えている。MFC701は、ガス供給源700の下流側(ガスの流動方向における下流側)に接続されている。MFC701は、後述する気流切換部80により、上流側給排口400、下流側給排口600に連通可能である。MFC701は、炉内空間Dに、所定のガスを供給可能である。
【0037】
減圧部71は真空ポンプ711を備えている。真空ポンプ711は、後述する気流切換部80により、上流側給排口400、下流側給排口600に連通可能である。真空ポンプ711は、炉内空間Dを減圧可能である。
【0038】
(気流切換部80)
気流切換部80は、減圧用上流側バルブV1と、減圧用下流側バルブV2と、ガス用上流側バルブV3と、ガス用下流側バルブV4と、減圧用上流側配管L1と、減圧用下流側配管L2と、ガス用上流側配管L3と、ガス用下流側配管L4と、共用上流側配管L5と、共用下流側配管L6と、を備えている。
【0039】
共用上流側配管L5の一端は、上流側給排口400に接続されている。共用上流側配管L5の他端には、減圧用上流側配管L1と、ガス用上流側配管L3と、が分岐接続されている。減圧用上流側配管L1は、共用上流側配管L5と真空ポンプ711とを連結している。ガス用上流側配管L3は、共用上流側配管L5とMFC701とを連結している。
【0040】
共用下流側配管L6の一端は、下流側給排口600に接続されている。共用下流側配管L6の他端には、減圧用下流側配管L2と、ガス用下流側配管L4と、が分岐接続されている。減圧用下流側配管L2は、共用下流側配管L6と真空ポンプ711とを連結している。ガス用下流側配管L4は、共用下流側配管L6とMFC701とを連結している。
【0041】
減圧用上流側バルブV1は減圧用上流側配管L1に、減圧用下流側バルブV2は減圧用下流側配管L2に、ガス用上流側バルブV3はガス用上流側配管L3に、ガス用下流側バルブV4はガス用下流側配管L4に、各々配置されている。各バルブ(減圧用上流側バルブV1、減圧用下流側バルブV2、ガス用上流側バルブV3、ガス用下流側バルブV4)は、符号中の数字部分が一致する各配管(減圧用上流側配管L1、減圧用下流側配管L2、ガス用上流側配管L3、ガス用下流側配管L4)の流路を開放、遮断可能である。
【0042】
(供給側置換用ガス供給部72、供給側置換用減圧部73)
図3に示すように、供給側置換用ガス供給部72は、前述のガス供給部70のガス供給源700と、MFC721と、を備えている。MFC721は、ガス供給源700の下流側(ガスの流動方向における下流側)に接続されている。MFC721は、後述する供給側雰囲気置換部81により、供給シュート41のガス供給口412aに連通可能である。MFC721は、第一バルブ411aと第二バルブ421aとの間に区画される密閉空間に、所定のガスを供給可能である。
【0043】
供給側置換用減圧部73は、真空ポンプ710を備えている。真空ポンプ710は、後述する供給側雰囲気置換部81により、供給シュート41の減圧口412bに連通可能である。真空ポンプ710は、第一バルブ411aと第二バルブ421aとの間に区画される密閉空間を減圧可能である。
【0044】
(供給側雰囲気置換部81)
供給側雰囲気置換部81は、減圧用バルブV7と、ガス用バルブV8と、減圧用配管L7と、ガス用配管L8と、を備えている。減圧用配管L7は、減圧口412bと真空ポンプ710とを連結している。ガス用配管L8は、ガス供給口412aとMFC721とを連結している。減圧用バルブV7は減圧用配管L7に、ガス用バルブV8はガス用配管L8に、各々配置されている。減圧用バルブV7は減圧用配管L7の流路を、ガス用バルブV8はガス用配管L8の流路を、開放、遮断可能である。
【0045】
(排出側置換用ガス供給部74、排出側置換用減圧部75)
図4に示すように、排出側置換用ガス供給部74は、前述のガス供給部70のガス供給源700と、MFC741と、を備えている。MFC741は、ガス供給源700の下流側(ガスの流動方向における下流側)に接続されている。MFC741は、後述する排出側雰囲気置換部82により、排出シュート61のガス供給口612aに連通可能である。MFC741は、第一バルブ611aと第二バルブ621aとの間に区画される密閉空間に、所定のガスを供給可能である。
【0046】
排出側置換用減圧部75は、真空ポンプ710を備えている。すなわち、真空ポンプ710は、供給側置換用減圧部73と排出側置換用減圧部75とで共用化されている。真空ポンプ710は、後述する排出側雰囲気置換部82により、排出シュート61の減圧口612bに連通可能である。真空ポンプ710は、第一バルブ611aと第二バルブ621aとの間に区画される密閉空間を減圧可能である。
【0047】
(排出側雰囲気置換部82)
排出側雰囲気置換部82は、減圧用バルブV9と、ガス用バルブV10と、減圧用配管L9と、ガス用配管L10と、を備えている。減圧用配管L9は、減圧口612bと真空ポンプ710とを連結している。ガス用配管L10は、ガス供給口612aとMFC741とを連結している。減圧用バルブV9は減圧用配管L9に、ガス用バルブV10はガス用配管L10に、各々配置されている。減圧用バルブV9は減圧用配管L9の流路を、ガス用バルブV10はガス用配管L10の流路を、開放、遮断可能である。
【0048】
[熱処理方法]
次に、本実施形態のロータリーキルンによる熱処理方法について説明する。熱処理方法は、供給工程と、熱処理工程と、片寄せ工程と、排出工程と、を有している。熱処理方法の際、気流切換部80は、所定のモード(並行流モード、対向流モード、上流側減圧モード、下流側減圧モード)を、択一的に(時系列的に並行しないように)実行する。各モードについては、後で詳しく説明する。
【0049】
(供給工程)
本工程においては、まず、架台9つまり外筒20、内筒22を水平に配置する。次に、外筒20、内筒22を正方向に回転させる。また、供給フィーダー43を駆動する。また、熱処理部5のヒーター52に通電し、外筒本体200の径方向外側から、内筒本体220内部の熱処理帯Bを所定の温度まで加熱する。続いて、供給容器42から、供給シュート41、供給フィーダー43を介して、内筒本体220の内部つまり熱処理帯Bに、被処理物Wを供給する。その後、供給フィーダー43を停止する。
【0050】
(熱処理工程)
本工程においては、内筒22を正方向に回転させたまま、かつ内筒22を水平に保持したまま、所定の温度パターン(温度一定の場合を含む)で、所定の時間だけ、熱処理帯Bの被処理物Wに、熱処理を施す。熱処理中、被処理物Wは、内筒22の回転に伴い、揺動する。また、被処理物Wは、複数の掻き上げフィン223により掻き上げられ、自重により流下する。
【0051】
ここで、内筒22は正方向に回転している。このため、上流側送りフィン221付近の被処理物Wは、上流側送りフィン221により、下流側(熱処理帯B側)に送られる。並びに、下流側送りフィン222付近の被処理物Wは、下流側送りフィン222により、上流側(熱処理帯B側)に送られる。したがって、被処理物Wは熱処理帯Bに滞留する。
【0052】
(片寄せ工程)
本工程においては、内筒22を正方向に回転させたまま、架台9つまり外筒20、内筒22を、左側から右側に向かって下降するように、傾動させる。内筒22の傾動により、熱処理帯Bにおいて、被処理物Wは下流側に寄せられる。すなわち、被処理物Wは、上流側送りフィン221から離間し、下流側送りフィン222に近接するように、内筒本体220内部を流下する。
【0053】
(排出工程)
本工程においては、外筒20および内筒22の回転方向を反転させる。すなわち、外筒20および内筒22を逆方向に回転させる。このため、被処理物Wは、下流側送りフィン222により、熱処理帯Bから下流側に送られる。被処理物Wは、排出シュート61を介して、排出容器62に貯留される。
【0054】
[気流切換方法]
次に、本実施形態のロータリーキルンによる炉内空間の気流切換方法について説明する。炉内空間Dの気流は、気流切換部80により、並行流モードと、対向流モードと、上流側減圧モードと、下流側減圧モードと、に切り換えられる。表1に、各モードにおける、バルブの開閉パターンを示す。表1中、○は開状態を、×は閉状態を、各々示す。
【表1】
【0055】
(並行流モード)
本モードは、前述の熱処理方法の熱処理工程において実行される。表1、
図2に示すように、本モードにおいては、気流切換部80の減圧用上流側バルブV1を閉状態に切り換え、減圧用上流側配管L1の流路を遮断する。また、減圧用下流側バルブV2を開状態に切り換え、減圧用下流側配管L2の流路を開放する。また、ガス用上流側バルブV3を開状態に切り換え、ガス用上流側配管L3の流路を開放する。また、ガス用下流側バルブV4を閉状態に切り換え、ガス用下流側配管L4の流路を遮断する。すなわち、ガス供給部70を上流側給排口400に連通させ、減圧部71を下流側給排口600に連通させる。
【0056】
続いて、ガス供給源700から、MFC701、ガス用上流側配管L3、共用上流側配管L5、上流側給排口400を介して、炉内空間Dに、所定のガスを供給する。並びに、真空ポンプ711により、共用下流側配管L6、減圧用下流側配管L2を介して、炉内空間Dを減圧する。すなわち、ガス供給源700から炉内空間Dへのガスの供給と、炉内空間Dから炉外へのガスの排出と、を並行して実行する。このため、
図2に矢印Y1で示すように、炉内空間Dにおいて、ガスを、左側から右側に向かって、順方向に流動させることができる。
【0057】
(対向流モード)
本モードは、前述の熱処理方法の熱処理工程において実行される。表1、
図2に示すように、本モードにおいては、気流切換部80の減圧用上流側バルブV1を開状態に切り換え、減圧用上流側配管L1の流路を開放する。また、減圧用下流側バルブV2を閉状態に切り換え、減圧用下流側配管L2の流路を遮断する。また、ガス用上流側バルブV3を閉状態に切り換え、ガス用上流側配管L3の流路を遮断する。また、ガス用下流側バルブV4を開状態に切り換え、ガス用下流側配管L4の流路を開放する。すなわち、ガス供給部70を下流側給排口600に連通させ、減圧部71を上流側給排口400に連通させる。
【0058】
続いて、ガス供給源700から、MFC701、ガス用下流側配管L4、共用下流側配管L6、下流側給排口600を介して、炉内空間Dに、所定のガスを供給する。並びに、真空ポンプ711により、共用上流側配管L5、減圧用上流側配管L1を介して、炉内空間Dを減圧する。すなわち、ガス供給源700から炉内空間Dへのガスの供給と、炉内空間Dから炉外へのガスの排出と、を並行して実行する。このため、
図2に矢印Y2で示すように、炉内空間Dにおいて、ガスを、右側から左側に向かって、逆方向に流動させることができる。
【0059】
(上流側減圧モード)
本モードは、前述の熱処理方法の供給工程の前に実行される。また、本モードは、熱処理工程において、炉内空間Dの圧力に応じて実行される。表1、
図2に示すように、本モードにおいては、気流切換部80の減圧用上流側バルブV1を開状態に切り換え、減圧用上流側配管L1の流路を開放する。また、減圧用下流側バルブV2を閉状態に切り換え、減圧用下流側配管L2の流路を遮断する。また、ガス用上流側バルブV3を閉状態に切り換え、ガス用上流側配管L3の流路を遮断する。また、ガス用下流側バルブV4を閉状態に切り換え、ガス用下流側配管L4の流路を遮断する。すなわち、減圧部71を上流側給排口400に連通させる。続いて、真空ポンプ711により、共用上流側配管L5、減圧用上流側配管L1を介して、炉内空間Dを減圧する。このため、
図2に矢印Y2で示すように、炉内空間Dにおいて、ガス(ガス供給部70からのガスではなく、炉内空間Dの残留ガス)を、右側から左側に向かって、逆方向に流動させることができる。
【0060】
(下流側減圧モード)
本モードは、前述の熱処理方法の供給工程の前に実行される。また、本モードは、熱処理工程において、炉内空間Dの圧力に応じて実行される。表1、
図2に示すように、本モードにおいては、気流切換部80の減圧用上流側バルブV1を閉状態に切り換え、減圧用上流側配管L1の流路を遮断する。また、減圧用下流側バルブV2を開状態に切り換え、減圧用下流側配管L2の流路を開放する。また、ガス用上流側バルブV3を閉状態に切り換え、ガス用上流側配管L3の流路を遮断する。また、ガス用下流側バルブV4を閉状態に切り換え、ガス用下流側配管L4の流路を遮断する。すなわち、減圧部71を下流側給排口600に連通させる。続いて、真空ポンプ711により、共用下流側配管L6、減圧用下流側配管L2を介して、炉内空間Dを減圧する。このため、
図2に矢印Y1で示すように、炉内空間Dにおいて、ガス(ガス供給部70からのガスではなく、炉内空間Dの残留ガス)を、左側から右側に向かって、順方向に流動させることができる。
【0061】
[容器交換方法]
次に、本実施形態のロータリーキルンの供給容器、排出容器の交換方法について説明する。供給容器42、排出容器62の交換方法は同じである。以下、代表して排出容器62の交換方法について説明する。当該交換方法は、任意のバッチ処理(前述の熱処理方法)の排出工程後であって、次のバッチ処理の供給工程前に実行される。
【0062】
図4に示す排出容器62は、排出シュート61に対して着脱可能である。
図5に、本実施形態のロータリーキルンの排出シュート付近の、使用済みの排出容器が排出シュートから取り外された後の状態における、軸方向断面図を示す。
図6に、同ロータリーキルンの排出シュート付近の、未使用の排出容器を排出シュートに取り付ける前の状態における、軸方向断面図を示す。
図7に、同ロータリーキルンの排出シュート付近の、未使用の排出容器を排出シュートに取り付けた後の状態における、軸方向断面図を示す。なお、
図5~
図7は
図4に対応している。
【0063】
まず、使用済み(被処理物W貯留済み)の排出容器62を、排出シュート61から取り外す。具体的には、まず、排出シュート61の第一バルブ611aを、
図4に示す開状態から
図5に示す閉状態に、切り換える。
図2に示す炉内空間Dには、前述の熱処理工程において使用したガスが封入される。同様に、排出容器62の第二バルブ621aを、
図4に示す開状態から
図5に示す閉状態に、切り換える。容器本体620の内部空間には、ガス(炉内空間Dに封入されているガス)が封入される。
【0064】
次に、接続部材を取り外すことにより、第一接続端612cから第二接続端621cを分離させる。このようにして、使用済みの排出容器62を、排出シュート61から取り外す。第二バルブ621aが閉状態であるため、排出容器62内の被処理物Wは外気に曝されない。
【0065】
続いて、未使用の排出容器62を、排出シュート61に取り付ける。具体的には、まず、未使用の排出容器62にガスを充填し、第二バルブ621aを
図6に示す閉状態に切り換える。なお、当該ガスは、排出側置換用ガス供給部74のガス供給源700に貯留されているガスと、同じものである。また、当該ガスは、炉内空間Dに封入されているガスと、同じものである。
【0066】
それから、排出シュート61の第一接続端612cに、排出容器62の第二接続端621cを、下側から突き合わせる。その後、第一接続端612cと第二接続端621cとを、接続部材により合体させる。
【0067】
ここで、
図7に点線ハッチングで示すように、排出容器62を排出シュート61に取り付けた後の状態においては、閉状態の第一バルブ611aと閉状態の第二バルブ621aとの間に、密閉空間Eが区画されている。密閉空間Eには、外気(空気)が封入されている。このままの状態で第一バルブ611aを開状態に切り換えると、炉内空間Dに外気が流入してしまう。同様に、このままの状態で第二バルブ621aを開状態に切り換えると、容器本体620の内部空間に外気が流入してしまう。そこで、排出側雰囲気置換部82により、密閉空間Eの雰囲気を置換する。
【0068】
具体的には、排出側雰囲気置換部82の減圧用バルブV9を開状態に切り換え、減圧用配管L9の流路を開放する。また、ガス用バルブV10を開状態に切り換え、ガス用配管L10の流路を開放する。すなわち、排出側置換用ガス供給部74をガス供給口612aに連通させ、排出側置換用減圧部75を減圧口612bに連通させる。
【0069】
続いて、ガス供給源700から、MFC741、ガス用配管L10を介して、密閉空間Eに、所定のガスを供給する。並びに、真空ポンプ710により、減圧用配管L9を介して、密閉空間Eを減圧する。すなわち、ガス供給源700から密閉空間Eへのガスの供給と、密閉空間Eから炉外への外気の排出と、を並行して実行する。密閉空間Eの雰囲気は、外気からガスに置換される。その後、減圧用バルブV9、ガス用バルブV10を閉状態に切り換え、第一バルブ611a、第二バルブ621aを開状態に切り換える。
【0070】
なお、表1の上流側減圧モード、下流側減圧モード同様に、ガス供給源700からのガスの供給を行わずに、真空ポンプ710により、減圧用配管L9を介して、密閉空間Eを減圧することもできる。この場合、密閉空間Eから外気を排出し、密閉空間Eを真空にすることができる。
【0071】
図3に示す供給容器42も、
図4~
図7に示す排出容器62と同様に交換される。供給容器42、排出容器62の交換が完了したら、前述の熱処理方法の供給工程が実行される。このように、炉内空間Dの雰囲気を確保したまま、供給容器42、排出容器62の交換は実行される。
【0072】
[作用効果]
次に、本実施形態のロータリーキルンの作用効果について説明する。
図2に示すように、本実施形態のロータリーキルン1は、気流切換部80を備えている。気流切換部80は、炉内空間Dの気流を、表1に示す並行流モード、対向流モードに切換可能である。このため、炉内空間Dにおけるガスの流動方向を、矢印Y1で示す順方向(被処理物Wの流動方向)と、矢印Y2で示す逆方向(被処理物Wの流動方向に対して逆方向)と、に切り換えることができる。したがって、被処理物Wに施される熱処理の内容、被処理物Wの種類(材質、特性、形状、大きさなど)などに応じて、適宜、ガスの流動方向を切り換えることができる。よって、複数種類の被処理物Wに対して、ロータリーキルン1を共用化することができる。このように、本実施形態のロータリーキルン1は、少量多品種の被処理物Wに用いるのに、好適である。
【0073】
また、並行流モード、対向流モードにおいては、ガス供給源700から炉内空間Dへのガスの供給と、炉内空間Dから炉外へのガスの排出と、を並行して実行する。このため、簡単に、炉内空間Dに気流を設定することができる。また、迅速に、炉内空間Dに、所定の雰囲気を設定することができる。また、ガス供給部70は、MFC701を備えている。このため、ガスの流量を制御することができる。
【0074】
また、並行流モードにおいては、気流により、被処理物Wが、左側から右側に飛散しやすい。反対に、対向流モードにおいては、気流により、被処理物Wが、右側から左側に飛散しやすい。このように、並行流モード、対向流モードにおいては、被処理物Wが飛散しやすい。
【0075】
この点、並行流モード、対向流モードは、熱処理工程において用いられる。熱処理工程においては、内筒22は正方向に回転している。このため、上流側送りフィン221付近の被処理物Wは、上流側送りフィン221により、下流側(熱処理帯B側)に送られる。並びに、下流側送りフィン222付近の被処理物Wは、下流側送りフィン222により、上流側(熱処理帯B側)に送られる。したがって、並行流や対向流によって飛散する被処理物Wを、熱処理帯Bに滞留させやすい。よって、被処理物Wに対して均質な熱処理を施しやすい。
【0076】
気流切換部80は、炉内空間Dの気流を、上述の並行流モード、対向流モードに加えて、表1に示す上流側減圧モード、下流側減圧モードに切換可能である。このため、炉内空間Dにガスを供給することなく、炉内空間Dを減圧することができる。したがって、被処理物Wに施される熱処理の内容、被処理物Wの種類などに応じて、炉内空間Dを真空(大気圧よりも低い圧力の雰囲気)にすることができる。よって、複数種類の被処理物Wに対して、ロータリーキルン1を共用化することができる。このように、本実施形態のロータリーキルン1は、少量多品種の被処理物Wに用いるのに、好適である。
【0077】
図4~
図7に示すように、排出シュート61に対して、排出容器62は着脱可能である。
図5に示すように、排出シュート61から排出容器62を取り外す前、第一バルブ611a、第二バルブ621aは閉状態である。このため、排出シュート61から排出容器62を取り外した後、炉内空間D、容器本体620の内部空間が外気に曝されるのを抑制することができる。供給容器42についても同様である。
【0078】
図6~
図7に示すように、排出シュート61に排出容器62を取り付けた後、第一バルブ611aと第二バルブ621aとの間には、密閉空間Eが区画されている。密閉空間Eには、外気が封入されている。このままの状態で第一バルブ611a、第二バルブ621aを開状態に切り換えると、炉内空間D、容器本体620の内部空間に外気が流入してしまう。この点、本実施形態のロータリーキルン1は、排出側置換用ガス供給部74、排出側置換用減圧部75、排出側雰囲気置換部82を備えている。このため、密閉空間Eの雰囲気を、所定の雰囲気(ガス雰囲気、真空雰囲気など)に置換することができる。供給側置換用ガス供給部72、供給側置換用減圧部73、供給側雰囲気置換部81についても同様である。
【0079】
排出側置換用ガス供給部74が密閉空間Eに供給するガスと、ガス供給部70が炉内空間Dに供給するガスと、は同じである。このため、炉内空間Dに別のガス(所望のガス以外のガス)が混入するのを、抑制することができる。供給側置換用ガス供給部72についても同様である。供給容器42と排出容器62とは構成が同一である。このため、容器を共用化することができる。
【0080】
[その他]
以上、本発明のロータリーキルンの実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
【0081】
上流側給排口400、下流側給排口600の位置は特に限定しない。上流側給排口400と下流側給排口600との間(左右方向間隔)に、少なくとも熱処理帯Bが含まれていればよい。
【0082】
気流切換部80のバルブの配置数は特に限定しない。減圧用上流側バルブV1とガス用上流側バルブV3とを、三方弁として共用化してもよい。この場合、当該三方弁は、減圧用上流側配管L1、ガス用上流側配管L3、共用上流側配管L5の合流点に配置すればよい。同様に、減圧用下流側バルブV2とガス用下流側バルブV4とを、三方弁として共用化してもよい。この場合、当該三方弁は、減圧用下流側配管L2、ガス用下流側配管L4、共用下流側配管L6の合流点に配置すればよい。
【0083】
第二接続端421cを第一接続端412cに接続する接続部材、第二接続端621cを第一接続端612cに接続する接続部材の種類は特に限定しない。クランプ(NWフランジ同士を接続するNWクランプなど)、ボルトなどであってもよい。
【0084】
熱処理工程中における気流の向きは特に限定しない。工程中、並行流モードだけを用いてもよい。また、工程中、対向流モードだけを用いてもよい。工程の途中で気流の向きを変更してもよい。例えば、熱処理工程の途中で、並行流モードから対向流モードに切り換えてもよい。反対に、対向流モードから並行流モードに切り換えてもよい。また、並行流モードと対向流モードとを、複数回切り換えてもよい。また、並行流モード、対向流モードにおけるガスの流量(質量流量、体積流量)は、熱処理工程の間、一定であってもよい。また、当該ガスの流量は、熱処理工程の途中で変化させてもよい。
【0085】
供給工程の前や熱処理工程において、両側減圧モード(上流側減圧モードと下流側減圧モードとを並行して実行するモード)を実行してもよい。この場合、表1、
図2に示す減圧用上流側バルブV1を開状態に、減圧用下流側バルブV2を開状態に、ガス用上流側バルブV3を閉状態に、ガス用下流側バルブV4を閉状態に、各々切り換える。こうすると、被処理物Wの飛散を抑制することができる。また、
図2に示す真空ポンプ(減圧用上流側配管L1、減圧用下流側配管L2共用の真空ポンプ)711の代わりに、減圧用上流側配管L1に当該配管専用の真空ポンプを、減圧用下流側配管L2に当該配管専用の真空ポンプを、各々接続してもよい。
【0086】
供給工程の前や熱処理工程において、両側加圧モードを実行してもよい。この場合、表1、
図2に示す減圧用上流側バルブV1を閉状態に、減圧用下流側バルブV2を閉状態に、ガス用上流側バルブV3を開状態に、ガス用下流側バルブV4を開状態に、各々切り換える。
【0087】
気流切換部80は、操作部と、制御部(コンピューター、PLC(プログラマブルロジックコントローラー)など)と、を備えていてもよい。制御部の演算部は、各バルブ(減圧用上流側バルブV1、減圧用下流側バルブV2、ガス用上流側バルブV3、ガス用下流側バルブV4)を自動的に開閉可能である。また、制御部の演算部は、ガス供給部70、減圧部71を自動的に駆動可能である。制御部の記憶部には、表1に示す各モードにおけるバルブの開閉パターンが格納されている。作業者は、操作部(タッチパネル、ボタンなど)を介して、モードを選択する。制御部は、選択されたモードに応じて、ガス供給部70、減圧部71、各バルブを駆動する。こうすると、作業者の指示に応じて、自動的に各モードを実行することができる。
【0088】
ガス供給部70、供給側置換用ガス供給部72、排出側置換用ガス供給部74のうち、少なくとも二つを共用化してもよい。例えば、ガス供給部70と供給側置換用ガス供給部72、ガス供給部70と排出側置換用ガス供給部74、供給側置換用ガス供給部72と排出側置換用ガス供給部74のうち、いずれかを共用化してもよい。また、ガス供給部70、供給側置換用ガス供給部72、排出側置換用ガス供給部74を共用化してもよい。
【0089】
また、上述の共用化と同様に、ガス供給部70、供給側置換用ガス供給部72、排出側置換用ガス供給部74の構成部品の一部だけを、共用化してもよい。例えば、ガス供給部70のガス供給源700を、ガス供給部70、供給側置換用ガス供給部72、排出側置換用ガス供給部74で共用化してもよい。反対に、ガス供給部70、供給側置換用ガス供給部72、排出側置換用ガス供給部74を、各々独立して配置してもよい。
【0090】
減圧部71、供給側置換用減圧部73、排出側置換用減圧部75のうち、少なくとも二つを共用化してもよい。例えば、減圧部71と供給側置換用減圧部73、減圧部71と排出側置換用減圧部75、供給側置換用減圧部73と排出側置換用減圧部75のうち、いずれかを共用化してもよい。また、減圧部71、供給側置換用減圧部73、排出側置換用減圧部75を共用化してもよい。
【0091】
また、上述の共用化と同様に、減圧部71、供給側置換用減圧部73、排出側置換用減圧部75の構成部品の一部だけを、共用化してもよい。例えば、減圧部71の真空ポンプ711を、減圧部71、供給側置換用減圧部73、排出側置換用減圧部75で共用化してもよい。反対に、減圧部71、供給側置換用減圧部73、排出側置換用減圧部75を、各々独立して配置してもよい。
【0092】
また、
図2に示す共用上流側配管L5を撤去してもよい。この場合、上流側給排口400を二つ配置し、一方の上流側給排口400に減圧用上流側配管L1を接続し、他方の上流側給排口400にガス用上流側配管L3を接続すればよい。同様に、
図2に示す共用下流側配管L6を撤去してもよい。この場合、下流側給排口600を二つ配置し、一方の下流側給排口600に減圧用下流側配管L2を接続し、他方の下流側給排口600にガス用下流側配管L4を接続すればよい。
【0093】
ガス供給源700の種類は特に限定しない。ガスタンク、配管、コンプレッサ、ポンプなどであってもよい。MFC701、721、741は配置しなくてもよい。真空ポンプ710、711の種類は特に限定しない。ドライポンプ(回転式真空ポンプ)、ルーツポンプ、メカニカルブースターポンプ、油回転ポンプ、エゼクタポンプ、油拡散ポンプ、クライオポンプ、ターボ分子ポンプなどであってもよい。単一の減圧部71における真空ポンプの配置数は特に限定しない。単一であっても複数であってもよい。供給側置換用減圧部73、排出側置換用減圧部75についても同様である。真空ポンプ710、711の代わりに、送風機(ブロア)を配置してもよい。
【0094】
炉内空間D用の「ガス供給部70、減圧部71、気流切換部80」と、密閉空間E用の「置換用ガス供給部(供給側置換用ガス供給部72、排出側置換用ガス供給部74)、置換用減圧部(供給側置換用減圧部73、排出側置換用減圧部75)、置換用切換部(供給側雰囲気置換部81、排出側雰囲気置換部82)」と、をロータリーキルン1が併有していなくてもよい。例えば、ロータリーキルン1が、炉内空間D用の「ガス供給部70、減圧部71、気流切換部80」だけを備えていてもよい。また、ロータリーキルン1が、密閉空間E用の「置換用ガス供給部、置換用減圧部、置換用切換部」だけを備えていてもよい。
【0095】
バルブ(第一バルブ411a、611a、第二バルブ421a、621a、減圧用上流側バルブV1、減圧用下流側バルブV2、ガス用上流側バルブV3、ガス用下流側バルブV4、減圧用バルブV7、ガス用バルブV8、減圧用バルブV9、ガス用バルブV10)の種類は特に限定しない。バタフライバルブ、ゲートバルブ(スライドバルブ)、グローブバルブ、ボールバルブ、ニードルバルブ、ダイヤフラムバルブ、電磁バルブなどであってもよい。また、バルブの制御方法は、手動であっても、自動であってもよい。
【0096】
外筒20、内筒22の材質は特に限定しない。金属、セラミックス、カーボン、ガラスなどであってもよい。外筒20は、一体物であっても、複数の部材から構成されていてもよい。複数の部材から構成されている場合、各部材の材質は、同一であっても、異なっていてもよい。内筒22についても同様である。外筒本体200、内筒本体220の径方向断面形状は特に限定しない。円筒状、多角形(四角形、六角形、八角形など)筒状などであってもよい。
【0097】
回転筒部2の構成は特に限定しない。外筒20、内筒22を備える二重筒式であっても、内筒22だけの単筒式であってもよい。単筒式の場合、内筒22の外周面に、上流側タイヤ201、下流側タイヤ202、スプロケット203が配置される。上流側送りフィン221、下流側送りフィン222、掻き上げフィン223の位置、形状、長さ等は特に限定しない。これらのフィンは、配置しても、配置しなくてもよい。供給フィーダー43の種類は特に限定しない。例えば、スクリューフィーダー、気流搬送式フィーダーなどであってもよい。
【0098】
ロータリーキルン1の種類は特に限定しない。内筒本体220の内部の熱処理帯Bを、内筒本体220の筒壁を介して、内筒本体220の外部から間接的に加熱する外熱式のロータリーキルンであってもよい。内筒本体220の内部の熱処理帯Bを、内筒本体220の内部から直接加熱する内熱式のロータリーキルンであってもよい。被処理物Wの処理方法は特に限定しない。バッチ式であっても流動式であってもよい。
【0099】
炉内空間Dの雰囲気は特に限定しない。ガス供給部70から炉内空間Dに供給されるガスは、空気、アンモニア、不活性ガス(ヘリウム、アルゴン、窒素、二酸化炭素など)、還元性ガス(水素、一酸化炭素、炭化水素など)、酸化性ガス(酸素、水蒸気、燃焼ガスなど)などであってもよい。置換用ガス供給部(供給側置換用ガス供給部72、排出側置換用ガス供給部74)から密閉空間Eに供給されるガスについても同様である。また、ガス供給部70から炉内空間Dに供給されるガスと、置換用ガス供給部から密閉空間Eに供給されるガスと、は同一であっても異なっていてもよい。また、炉内空間Dの雰囲気は、空気、真空であってもよい。
【0100】
被処理物Wの種類(材質、特性、形状、大きさなど)は特に限定しない。材質は、有機物、無機物、金属などであってもよい。形状は、粉状物、粒状物、塊状物などであってもよい。具体的には、医薬品、電池材料(正極材、負極材、電解質)、食品、廃棄物などであってもよい。
【0101】
並行流モードを用いるのが好ましい被処理物Wとしては、吸着や熱変化を目的とする被処理物Wが挙げられる。その理由は、並行流モードによると、吸着温度や吸着量の制御が容易だからである。また、並行流モードを用いるのが好ましい被処理物Wとしては、回収率を向上させたい被処理物Wが挙げられる。その理由は、並行流モードによると、排気吸引により被処理物Wが吸引されるおそれが小さいからである。
【0102】
下流側減圧モードを用いるのが好ましい被処理物Wとしては、ガスが発生しやすい被処理物Wが挙げられる。その理由は、炉内空間Dが大気圧の場合は当該ガスの吸引が困難であるのに対して、下流側減圧モードによると当該ガスの吸引が容易だからである。また、下流側減圧モードを用いるのが好ましい被処理物Wとしては、吸着を目的とする被処理物W(上述の並行流モードと比較して、より薄い吸着膜の形成を目的とする被処理物W)が挙げられる。その理由は、吸着対象物(被処理物Wに吸着させる物)と、被処理物Wから発生したガスの流れと、の制御が容易だからである。また、下流側減圧モードを用いるのが好ましい被処理物Wとしては、回収率を向上させたい被処理物Wが挙げられる。その理由は、下流側減圧モードによると、排気吸引により被処理物Wが吸引されるおそれが小さいからである。
【0103】
対向流モードを用いるのが好ましい被処理物Wとしては、ガスや水分などが発生しやすい被処理物Wが挙げられる。その理由は、対向流モードによると、被処理物Wから発生したガスや水分が、下流側開口220bから被処理物Wが排出される前に、被処理物Wに再付着してしまうことを、抑制できるからである。
【0104】
上流側減圧モードを用いるのが好ましい被処理物Wとしては、乾燥処理を目的とする被処理物Wが挙げられる。その理由は、炉内空間Dを減圧し、水の沸点を下げることにより、低温で被処理物Wを乾燥させることができるからである。また、被処理物Wから発生した水分が、下流側開口220bから被処理物Wが排出される前に、被処理物Wに再付着してしまうことを、抑制できるからである。
【符号の説明】
【0105】
1:ロータリーキルン、2:回転筒部、20:外筒、200:外筒本体、201:上流側タイヤ、202:下流側タイヤ、203:スプロケット、21:連結筒、21a:上流側開口、22:内筒、220:内筒本体、220b:下流側開口、221:上流側送りフィン、222:下流側送りフィン、223:掻き上げフィン、3:回転支持部、30:上流側ローラー、31:下流側ローラー、32:上流側摺動シール部、33:下流側摺動シール部、4:供給部、40:供給フード(上流側フード)、400:上流側給排口、41:供給シュート(シュート)、410:シュート本体、411:第一バルブアセンブリ、411a:第一バルブ、411b:第一バルブケース、412:容器接続筒、412a:ガス供給口、412b:減圧口、412c:第一接続端、42:供給容器(被処理物容器)、420:容器本体、421:第二バルブアセンブリ、421a:第二バルブ、421b:第二バルブケース、421c:第二接続端、43:供給フィーダー、5:熱処理部、50:ハウジング、51:断熱材、52:ヒーター、6:排出部、60:排出フード(下流側フード)、600:下流側給排口、61:排出シュート(シュート)、610:シュート本体、610a:蛇腹部、611:第一バルブアセンブリ、611a:第一バルブ、611b:第一バルブケース、612:容器接続筒、612a:ガス供給口、612b:減圧口、612c:第一接続端、62:排出容器(被処理物容器)、620:容器本体、621:第二バルブアセンブリ、621a:第二バルブ、621b:第二バルブケース、621c:第二接続端、70:ガス供給部、700:ガス供給源、701:MFC、71:減圧部、710:真空ポンプ、711:真空ポンプ、72:供給側置換用ガス供給部(置換用ガス供給部)、721:MFC、73:供給側置換用減圧部(置換用減圧部)、74:排出側置換用ガス供給部(置換用ガス供給部)、741:MFC、75:排出側置換用減圧部(置換用減圧部)、80:気流切換部、81:供給側雰囲気置換部(雰囲気置換部)、82:排出側雰囲気置換部(雰囲気置換部)、9:架台
A:回転軸、B:熱処理帯、D:炉内空間、E:密閉空間、L1:減圧用上流側配管、L2:減圧用下流側配管、L3:ガス用上流側配管、L4:ガス用下流側配管、L5:共用上流側配管、L6:共用下流側配管、L7:減圧用配管、L8:ガス用配管、L9:減圧用配管、L10:ガス用配管、V1:減圧用上流側バルブ、V2:減圧用下流側バルブ、V3:ガス用上流側バルブ、V4:ガス用下流側バルブ、V7:減圧用バルブ、V8:ガス用バルブ、V9:減圧用バルブ、V10:ガス用バルブ、W:被処理物