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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-09
(45)【発行日】2025-04-17
(54)【発明の名称】電子式電力量計
(51)【国際特許分類】
   G01R 22/06 20060101AFI20250410BHJP
   H01H 9/54 20060101ALI20250410BHJP
【FI】
G01R22/06 130B
G01R22/06 130Z
H01H9/54 H
H01H9/54 J
H01H9/54 A
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021084472
(22)【出願日】2021-05-19
(65)【公開番号】P2022177995
(43)【公開日】2022-12-02
【審査請求日】2024-04-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000205661
【氏名又は名称】大崎電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100104204
【弁理士】
【氏名又は名称】峯岸 武司
(72)【発明者】
【氏名】倉田 尚明
(72)【発明者】
【氏名】渡部 哲平
(72)【発明者】
【氏名】高橋 直矢
【審査官】永井 皓喜
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-203790(JP,A)
【文献】特開2011-237259(JP,A)
【文献】特開平3-156820(JP,A)
【文献】特開2016-90539(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0341032(US,A1)
【文献】特開2001-135205(JP,A)
【文献】米国特許第5644463(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 21/06
G01R 31/327
G01R 31/333
H01H 9/00
H01H 33/00
H01H 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
需要家に供給される電圧を測定する電圧測定部と、
需要家に供給される電流を測定する電流測定部と、
前記電圧測定部で測定される電圧および前記電流測定部で測定される電流をそれぞれAD変換するAD変換部と、
前記AD変換部でAD変換された電流および電圧から需要家で消費される電力を演算する演算部と、
前記AD変換部でAD変換される電圧値から需要家に供給される電圧のゼロクロス時点を検出する電圧ゼロクロス時点検出部と、
前記AD変換部でAD変換される電流値から、または前記演算部で演算される有効電力および無効電力によって算出される瞬時力率から需要家に供給される電流のゼロクロス時点を検出する電流ゼロクロス時点検出部と、
需要家に供給される電流を断続する開閉器の開閉を前記開閉器に出力する制御信号によって制御する開閉器制御部と、
前記開閉器制御部から前記制御信号が出力されて前記開閉器が機械的に動作するまでの動作時間を前記AD変換部でAD変換される電流値から計測する動作時間計測部と、
需要家に設置される負荷の種類にかかわらず、前記開閉器の閉時は前記電圧ゼロクロス時点検出部によって検出される電圧の前記ゼロクロス時点よりも前記動作時間計測部によって計測される前記動作時間の前であって、前記開閉器に越流電流が流れなくなるタイミングに、前記開閉器の開時は前記電流ゼロクロス時点検出部によって検出される電流の前記ゼロクロス時点よりも前記動作時間計測部によって計測される前記動作時間の前であって、前記開閉器にアークを発生させなくするタイミングに、前記開閉器制御部から前記制御信号を出力させて、前記開閉器の接点自体の劣化を抑制させる制御信号出力タイミング調整部と
を備える電子式電力量計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、負荷電流を断続する開閉器の開閉を制御する開閉器制御部を備える電子式電力量計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の電子式電力量計としては、例えば、特許文献1に開示された電力量計がある。
【0003】
この電力量計は、電路を開閉する複数の開閉器と、電流検出部と、演算部と、開閉器制御部とを備える。演算部は、各開閉器の閉状態から開状態への駆動前または駆動中に電流検出部によって検出される電流に基づいて、各開閉器の劣化度を演算する。開閉器制御部は、各開閉器の劣化度に基づいて、複数の開閉器のうち最初に閉状態から開状態へ駆動する開閉器を決定し、決定結果に基づいて複数の開閉器を駆動する。
【0004】
この電力量計によれば、複数の開閉器における接点の劣化のばらつきを抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-203790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の電子式電力量計では、複数の開閉器における接点の劣化のばらつきは抑制できるが、接点自体の劣化を抑制することは困難である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、
需要家に供給される電圧を測定する電圧測定部と、
需要家に供給される電流を測定する電流測定部と、
電圧測定部で測定される電圧および電流測定部で測定される電流をそれぞれAD変換するAD変換部と、
AD変換部でAD変換された電流および電圧から需要家で消費される電力を演算する演算部と、
AD変換部でAD変換される電圧値から需要家に供給される電圧のゼロクロス時点を検出する電圧ゼロクロス時点検出部と、
AD変換部でAD変換される電流値から、または演算部で演算される有効電力および無効電力によって算出される瞬時力率から需要家に供給される電流のゼロクロス時点を検出する電流ゼロクロス時点検出部と、
需要家に供給される電流を断続する開閉器の開閉を開閉器に出力する制御信号によって制御する開閉器制御部と、
開閉器制御部から制御信号が出力されて開閉器が機械的に動作するまでの動作時間をAD変換部でAD変換される電流値から計測する動作時間計測部と、
需要家に設置される負荷の種類にかかわらず、開閉器の閉時は電圧ゼロクロス時点検出部によって検出される電圧のゼロクロス時点よりも動作時間計測部によって計測される動作時間の前であって、開閉器に越流電流が流れなくなるタイミングに、開閉器の開時は電流ゼロクロス時点検出部によって検出される電流のゼロクロス時点よりも動作時間計測部によって計測される動作時間の前であって、開閉器にアークを発生させなくするタイミングに、開閉器制御部から制御信号を出力させて、開閉器の接点自体の劣化を抑制させる制御信号出力タイミング調整部と
を備えて、電子式電力量計を構成した。
【0008】
本構成によれば、制御信号出力タイミング調整部により、開閉器の閉時に、電圧ゼロクロス時点検出部で検出される電圧のゼロクロス時点よりも動作時間計測部によって計測される動作時間の前に、開閉器制御部から開閉器へ制御信号が出力させられる。したがって、開閉器の接点間が閉じる閉時に、電子式電力量計に接続される負荷に電圧が印加されなくなる。このため、開閉器の閉時にその接点間に越流電流が流れなくなり、越流電流に起因して開閉器の接点が溶着しなくなる。
【0009】
また、制御信号出力タイミング調整部により、開閉器の開時に、電流ゼロクロス時点検出部で検出される電流のゼロクロス時点よりも動作時間計測部によって計測される動作時間の前に、開閉器制御部から開閉器へ制御信号が出力させられる。したがって、開閉器は、その開時に、開閉器の接点間に電流が流れていない状態で、接点間を開く。このため、開閉器は、その開時に接点が電流を遮断しないので、電流遮断時に接点間に生じるアークを発生させることなく、接点間を開く。よって、アークによる接点自体の損傷および接点周囲の機構部品へのアーク熱による損傷を招くことなく、開閉器を動作させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、接点自体の劣化を抑制することが可能な電子式電力量計を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態による電子式電力量計のブロック構成図である。
図2図1に示す電子式電力量計を構成するAD変換部でAD変換される電流値から動作時間計測部によって算出される開閉器の動作時間を説明するためのグラフである。
図3】一実施形態による電子式電力量計の外部に設けられて、開閉器の動作時間を計測する外部計測装置と電子式電力量計とのブロック構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明による電子式電力量計を実施するための形態について説明する。
【0017】
図1は、負荷電流Iを断続する開閉器1を内蔵する、本発明の一実施形態による電子式電力量計(以下、スマートメータと記す)2のブロック構成図である。本実施形態では、スマートメータ2を単相2線式として図示しているが、スマートメータ2の相線式は単相2線式に限定されず、単相3線式や三相3線式等であってもよい。
【0018】
開閉器1は、スマートメータ2から需要家の負荷4に供給される負荷電流Iを断続する接点1a,1bを有している。スマートメータ2は、交流電源3が接続される電源端子1S,2S、および、電気温水器等の負荷4が接続される負荷端子1L,2Lを備える。開閉器1は、電源端子1Sおよび負荷端子1L間におけるスマートメータ2の内部にあり、開閉器1および負荷4に流れる負荷電流Iは電流センサ5によって検出される。電流センサ5によって検出される負荷電流Iは、中央制御回路6における電流測定部7に入力されて、電流測定部7で測定される。
【0019】
また、交流電源3から電源端子1S,2Sに印加されて、需要家の負荷4に供給される電圧は、保護回路8および降圧回路9を介して、中央制御回路6における電圧測定部10に入力される。保護回路8はサージ電圧等から中央制御回路6を保護し、降圧回路9は、交流電源3から出力される交流電圧を電圧測定部10における電圧測定に適した大きさに降圧する。電圧測定部10は、降圧されたこの電圧から、需要家の負荷4に供給される電圧を測定する。
【0020】
中央制御回路6では、AD変換部11により、電圧測定部10で測定される電圧および電流測定部7で測定される電流がそれぞれAD変換されて、アナログ信号からデジタル信号に変換される。演算部12は、AD変換部11でAD変換されたデジタル値の電流および電圧から、需要家の負荷4で消費される電力を演算する。本実施形態では、この演算部12において有効電力および無効電力等が算出され、図示しない表示部に表示される。
【0021】
開閉器1の開閉は、開閉器制御部を構成する開閉器制御回路13が開閉器1に出力する制御信号sによって制御される。中央制御回路6における動作時間計測部14は、開閉器制御回路13から制御信号sが出力されて開閉器1が機械的に動作するまでの動作時間を、AD変換部11でAD変換される電流値から計測する。具体的には、動作時間計測部14は、開閉器制御回路13から制御信号sが出力されてから、開閉器1の接点1a,1bを開閉する開閉機構がその作動を完了して、接点1a,1b間が機械的に閉じるまでの動作時間T1と、開くまでの動作時間T2とを、AD変換部11でAD変換される電流値から計測する。
【0022】
図2(a)および(b)に示す各グラフは、AD変換部11でAD変換される電流値をプロットして得られる負荷電流Iの電流波形を示す。同グラフの横軸は時間tの経過を図示しないデジタル値で表し、縦軸は電流値Iの大きさを図示しないデジタル値で表している。また、同図(a)に示すグラフは、開閉器1の接点1a,1b間が開いたオープン状態から接点1a,1b間が閉じたクローズ状態に遷移するときにおける負荷電流Iの電流波形変化を示す。同図(b)に示すグラフは、開閉器1のクローズ状態からオープン状態への遷移時における負荷電流Iの電流波形変化を示している。
【0023】
また、各グラフにおける時間t0は、開閉器制御回路13から制御信号sが出力されるタイミングを示し、同図(a)のグラフにおける時間t1は、接点1a,1b間が機械的に閉じて開閉器1に電流が流れ始めるタイミングを示している。したがって、同図(a)のグラフにおける時間t0~t1の期間T1は、開閉器制御回路13から開閉器1へ制御信号sが出力されてから、開閉器1の接点1a,1b間が機械的に閉じるまでの動作時間T1を表す。
【0024】
また、同図(b)のグラフにおける時間t2は、接点1a,1b間が機械的に開いて開閉器1に流れる電流が遮断されるタイミングを示している。したがって、同図(b)のグラフにおける時間t0~t2の期間T2は、開閉器制御回路13から開閉器1へ制御信号sが出力されてから、開閉器1の接点1a,1b間が機械的に開くまでの動作時間T2を表す。
【0025】
中央制御回路6には情報を記憶する記憶部16があり、動作時間計測部14により計測されるこれらの動作時間T1,T2は、動作時間計測部14によって記憶部16に記憶させられる。スマートメータ2の運用中、動作時間計測部14は、負荷電流Iおよび負荷電圧の位相状態および周波数を監視し、開閉器制御回路13によって開閉器1の開閉が制御されるたびに動作時間T1,T2を自動的に計測し、計測されるたびに得られる新たな動作時間T1,T2を、記憶部16に記憶させる。スマートメータ2の製造時には、スマートメータ2に負荷電流Iを流した状態で開閉器1が開閉されて、動作時間計測部14により動作時間T1,T2が自動的に計測されて、記憶部16に記憶される。
【0026】
本実施形態では、開閉器制御回路13から制御信号sが出力されるタイミングt0は、制御信号出力タイミング調整部15によって調整される。制御信号出力タイミング調整部15は、開閉器1の閉(クローズ)時は、電圧ゼロクロス時点検出部17で検出される電圧のゼロクロス時点よりも記憶部16に記憶される動作時間T1の前に、開閉器制御回路13から開閉器1へ制御信号sを出力させる。また、開閉器1の開(オープン)時は、電流ゼロクロス時点検出部18で検出される電流のゼロクロス時点よりも記憶部16に記憶される動作時間T2の前に、開閉器制御回路13から開閉器1へ制御信号sを出力させる。
【0027】
電圧ゼロクロス時点検出部17は、AD変換部11でAD変換される電圧値から需要家の負荷4に供給される電圧のゼロクロス時点を検出する。電流ゼロクロス時点検出部18は、AD変換部11でAD変換される電流値から、需要家の負荷4に供給される負荷電流Iのゼロクロス時点を検出する。または、演算部12で演算される有効電力および無効電力によって算出される瞬時力率から、電流位相の電圧位相に対する遅れを算出し、この遅れから、需要家の負荷4に供給される負荷電流Iのゼロクロス時点を検出する。スマートメータ2が三相3線式等である場合には、電圧および電流のゼロクロス時点が各相毎に検出され、各相毎に上記の動作時間T1,T2が計測されて記憶部16に記憶される。この際、瞬時力率から電流位相の遅れを見る場合には、演算部12で演算される相毎の有効電力および無効電力によって算出される瞬時力率から、電流位相の電圧位相に対する遅れが各相毎に算出される。
【0028】
このような本実施形態のスマートメータ2によれば、上記のように、制御信号出力タイミング調整部15により、開閉器1の閉時に、電圧ゼロクロス時点検出部17で検出される電圧のゼロクロス時点よりも記憶部16に記憶される動作時間T1の前に、開閉器制御回路13から開閉器1へ制御信号sが出力させられる。スマートメータ2が三相3線式等である場合には、各相毎に設けられた開閉器1へ各相毎にこの制御信号sが出力させられる。したがって、開閉器1の接点1a,1b間が閉じる閉時に、スマートメータ2に接続される負荷4に電圧が印加されなくなる。このため、開閉器1の閉時にその接点1a,1b間に越流電流が流れなくなり、越流電流に起因して開閉器1の接点1a,1bが溶着しなくなる。
【0029】
また、制御信号出力タイミング調整部15により、開閉器1の開時に、電流ゼロクロス時点検出部18で検出される電流のゼロクロス時点よりも記憶部に記憶される動作時間T2の前に、開閉器制御回路13から開閉器1へ制御信号sが出力させられる。この場合にも、スマートメータ2が三相3線式等である場合には、各相毎に設けられた開閉器1へ各相毎にこの制御信号sが出力させられる。したがって、開閉器1は、その開時に、接点1a,1b間に電流が流れていない状態で、接点1a,1b間を開く。このため、開閉器1は、その開時に接点1a,1bが電流を遮断しないので、電流遮断時に接点1a,1b間に生じるアークを発生させることなく、接点1a,1b間を開く。よって、アークによる接点1a,1b自体の損傷および接点1a,1b周囲の機構部品へのアーク熱による損傷を招くことなく、開閉器1を動作させることができる。
【0030】
この結果、接点1a,1b自体の劣化を生じさせることなく、開閉器1の開閉制御を行うことができる、スマートメータ2を提供することができる。
【0031】
また、本実施形態のスマートメータ2では、上記のように、動作時間計測部14が、開閉器制御回路13によって開閉器1の開閉が制御されるたびに動作時間T1,T2を計測し、計測するたびに得られる新たな動作時間T1,T2を記憶部16に記憶させる。制御信号出力タイミング調整部15は、記憶部16に記憶される新たな動作時間T1,T2を基に、開閉器制御回路13から制御信号sを出力させる。
【0032】
したがって、記憶部16に記憶される開閉器1の動作時間T1,T2は、スマートメータ2の継続使用による開閉器1の経時変化や、スマートメータ2の周囲温度等の外部環境変化による開閉器1への影響に応じた、最新のものに更新される。このため、制御信号出力タイミング調整部15によって開閉器制御回路13に対して行われる制御信号sの出力タイミングの調整は、常に、スマートメータ2の運用時点、および、スマートメータ2が置かれる外部環境に応じて、最適に行われる。このため、開閉器1の接点1a,1bの開閉が常に最適なタイミングで行われて、接点1a,1b自体の劣化の抑制が効果的に行われる。
【0033】
なお、上記の実施形態では、スマートメータ2の内部で開閉器1の動作時間を計測する場合について説明したが、スマートメータ2の工場出荷前に、図3のブロック構成図に示す製造設備としての動作時間外部計測装置20をスマートメータ2に接続して、スマートメータ2の外部でも、開閉器1の動作時間を計測するようにしてもよい。なお、図3において図1と同一または相当する部分には同一符号を付してその説明は省略する。
【0034】
この場合、外部計測装置20にも、スマートメータ2に内蔵されるものと同様な電流測定部7’、電圧測定部10’、AD変換部11’、演算部12’、動作時間計測部14’、電圧ゼロクロス時点検出部17’、および電流ゼロクロス時点検出部18’を備える。電圧測定部10’には降圧回路9’で負荷4に供給される電圧を降圧して与え、電流測定部7’にはスマートメータ2内の電流センサ5で検出される電流を与える。そして、動作時間計測部14’にスマートメータ2の開閉器制御回路13が出力する制御信号sを与え、スマートメータ2と同様にして動作時間計測部14’で計測される開閉器の動作時間T1,T2をスマートメータ2の記憶部16に記憶させる。電圧ゼロクロス時点検出部17’、および電流ゼロクロス時点検出部18’を備えることで、演算部12’の演算によって負荷4の電圧波形および電流波形を確認することができる。
【0035】
このような動作時間外部計測装置20を製造設備として備えることで、動作時間外部計測装置20を構成する電流測定部7’、電圧測定部10’、AD変換部11’、演算部12’、動作時間計測部14’、電圧ゼロクロス時点検出部17’、および電流ゼロクロス時点検出部18’を精度の高いものにすることができ、動作時間計測部14’によって開閉器1の動作時間を詳細に精度高く計測できる。したがって、記憶部16に記憶される精度の高い動作時間T1,T2を基に、制御信号出力タイミング調整部15によって開閉器制御回路13から制御信号sをより正確なタイミングに出力させることができる。
【0036】
また、上記の実施形態によるスマートメータ2は、開閉器1を内蔵する場合について説明したが、開閉器1はスマートメータ2の外部に設けられてもよい。このように開閉器1がスマートメータ2の外部に設けられる場合においても、上記の実施形態と同様な作用効果が奏され、開閉器1が設けられる設置箇所にかかわらず、開閉器1の接点1a,1b自体の劣化を抑制することができる。
【0037】
また、開閉器1の制御装置を構成する動作時間計測部14、制御信号出力タイミング調整部15、電圧ゼロクロス時点検出部17、および、電流ゼロクロス時点検出部18等は、コンピュータプログラムによるソフトウエアの制御処理、および、電子回路のハードウエア構成のいずれによっても、構成することができる。
【符号の説明】
【0038】
1…開閉器
1a,1b…接点
2…電子式電力量計(スマートメータ)
3…交流電源
4…負荷
5…電流センサ
6…中央制御回路
7…電流測定部
10…電圧測定部
11…AD変換部
12…演算部
13…開閉器制御回路(開閉器制御部)
14…動作時間計測部
15…制御信号出力タイミング調整部
16…記憶部
17…電圧ゼロクロス時点検出部
18…電流ゼロクロス時点検出部
20…動作時間外部計測装置
図1
図2
図3