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特許7664591判定装置、判定方法及びコンピュータープログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-10
(45)【発行日】2025-04-18
(54)【発明の名称】判定装置、判定方法及びコンピュータープログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20250411BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023183315
(22)【出願日】2023-10-25
【審査請求日】2023-10-25
(73)【特許権者】
【識別番号】593197271
【氏名又は名称】株式会社ジンテック
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100181788
【弁理士】
【氏名又は名称】角田 実華
(72)【発明者】
【氏名】塩見 泰彦
(72)【発明者】
【氏名】比留間 茂晴
(72)【発明者】
【氏名】森山 和広
(72)【発明者】
【氏名】才村 亮介
【審査官】松浦 かおり
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-225716(JP,A)
【文献】特開2022-037332(JP,A)
【文献】特開2022-088047(JP,A)
【文献】特開2005-142789(JP,A)
【文献】特開2022-053791(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
問い合わせ対象の電話番号である対象電話番号について、その時点で割り当てられているキャリアである実態キャリアを問い合わせ、前記対象電話番号に初期状態として割り当てられている初期キャリアと前記実態キャリアとが異なる場合には、前記対象電話番号の契約がその時点で有効であると判定する制御部、
を備え
前記制御部は、初期キャリアと前記実態キャリアとが一致する場合には、前記対象電話番号の契約状態に関する情報である契約情報を問い合わせ、得られた契約情報に基づいて前記対象電話番号の契約状態を判定する、判定装置。
【請求項2】
前記制御部は、初期キャリアと前記実態キャリアとが異なる場合には、実態キャリアが前記対象電話番号に割り当てられているキャリアであると判定する、請求項1に記載の判定装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記実態キャリアを返すAPIサービスに対して前記実態キャリアを問い合わせる請求項1に記載の判定装置。
【請求項4】
コンピューターが、問い合わせ対象の電話番号である対象電話番号について、その時点で割り当てられているキャリアである実態キャリアを問い合わせる第一問い合わせステップと、
コンピューターが、前記対象電話番号に初期状態として割り当てられている初期キャリアと前記実態キャリアとが異なる場合には、前記対象電話番号の契約がその時点で有効であると判定する第一判定ステップと、
初期キャリアと前記実態キャリアとが一致する場合には、前記対象電話番号の契約状態に関する情報である契約情報を問い合わせる第二問い合わせステップと、
前記第二問い合わせステップにおいて得られた契約情報に基づいて前記対象電話番号の契約状態を判定する第二判定問い合わせステップと、
を有する判定方法。
【請求項5】
問い合わせ対象の電話番号である対象電話番号について、その時点で割り当てられているキャリアである実態キャリアを問い合わせ、前記対象電話番号に初期状態として割り当てられている初期キャリアと前記実態キャリアとが異なる場合には、前記対象電話番号の契約がその時点で有効であると判定する制御部、
を備え
前記制御部は、初期キャリアと前記実態キャリアとが一致する場合には、前記対象電話番号の契約状態に関する情報である契約情報を問い合わせ、得られた契約情報に基づいて前記対象電話番号の契約状態を判定する判定装置、としてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話番号の現在の契約状態に係る情報を取得する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な業種において個人情報の確認の重要性が増している。例えば、新たな口座を開設する場合や、新規の会員登録を行う場合等に、本人確認の一環として提示された個人情報が正しいか否か確認することが行われている。このような流れを受けて、本人確認をより正確に行うための技術も提案されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-038443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、現状では、ユーザーから提示された個人情報に関して不正利用されている可能性の高いものか否か必ずしも精度よく判定できていない。特に、電話番号については、その後の連絡手段ともなり得るため、不正利用されている可能性の高いものでないか精度良く判定する必要がある。電話番号に関して不正利用されているか否かを判定する際には、提示された電話番号の現在の契約状態がどのような状態であるかを正確に把握する必要がある。また、不正利用か否かの判定のみならず、電話番号の現在の契約状態を把握することは他の用途でも必要になることがある。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、判定対象の電話番号に関して現在の契約状態をより精度よく判定することができる技術の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、問い合わせ対象の電話番号である対象電話番号について、その時点で割り当てられているキャリアである実態キャリアを問い合わせ、前記対象電話番号に初期状態として割り当てられている初期キャリアと前記実態キャリアとが異なる場合には、前記対象電話番号の契約がその時点で有効であると判定する制御部、を備える判定装置である。
【0007】
本発明の一態様は、上記の判定装置であって、前記制御部は、初期キャリアと前記実態キャリアとが異なる場合には、実態キャリアが前記対象電話番号に割り当てられているキャリアであると判定する。
【0008】
本発明の一態様は、上記の判定装置であって、前記制御部は、初期キャリアと前記実態キャリアとが一致する場合には、前記対象電話番号の契約状態に関する情報である契約情報を問い合わせ、得られた契約情報に基づいて前記対象電話番号の契約状態を判定する。
【0009】
本発明の一態様は、上記の判定装置であって、前記制御部は、前記実態キャリアを返すAPIサービスに対して前記実態キャリアを問い合わせる。
【0010】
本発明の一態様は、コンピューターが、問い合わせ対象の電話番号である対象電話番号について、その時点で割り当てられているキャリアである実態キャリアを問い合わせる問い合わせステップと、コンピューターが、前記対象電話番号に初期状態として割り当てられている初期キャリアと前記実態キャリアとが異なる場合には、前記対象電話番号の契約がその時点で有効であると判定する判定ステップと、を有する判定方法である。
【0011】
本発明の一態様は、問い合わせ対象の電話番号である対象電話番号について、その時点で割り当てられているキャリアである実態キャリアを問い合わせ、前記対象電話番号に初期状態として割り当てられている初期キャリアと前記実態キャリアとが異なる場合には、前記対象電話番号の契約がその時点で有効であると判定する制御部、を備える判定装置、としてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、判定対象の電話番号に関して現在の契約状態をより精度よく判定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の判定システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。
図2】端末装置10の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。
図3】判定装置30の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。
図4】判定装置30の処理の流れの具体例を示すフローチャートである。
図5】端末装置10に表示される画面の具体例を示す図である。
図6】端末装置10に表示される他の画面の具体例を示す図である。
図7】本実施形態に適用される情報処理装置90のハードウェア構成例の概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明の判定システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。判定システム100は、端末装置10と情報提供装置20と判定装置30とを含む。端末装置10と判定装置30とは、ネットワーク70を介して通信可能に接続される。情報提供装置20と判定装置30とは、ネットワーク70を介して通信可能に接続される。判定装置30が端末装置10と通信する際に使用されるネットワーク70と、判定装置30が情報提供装置20と通信する際に使用されるネットワーク70とは、同じネットワークであってもよいし異なるネットワークであってもよい。ネットワーク70は、無線通信を用いたネットワークであってもよいし、有線通信を用いたネットワークであってもよい。ネットワーク70は、例えばインターネットを用いて構成されてもよいし、ローカルエリアネットワーク(LAN)を用いて構成されてもよい。ネットワーク70は、複数のネットワークが組み合わされて構成されてもよい。
【0015】
図2は、端末装置10の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。端末装置10は、例えばスマートフォン、タブレット、パーソナルコンピューター、専用機器などの情報機器を用いて構成される。端末装置10は、通信部11、入力部12、出力部13、記憶部14及び制御部15を備える。
【0016】
通信部11は、通信機器である。通信部11は、例えばネットワークインターフェースとして構成されてもよい。通信部11は、制御部15の制御に応じて、ネットワーク70を介して他の装置とデータ通信する。通信部11は、無線通信を行う装置であってもよいし、有線通信を行う装置であってもよい。
【0017】
入力部12は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン、タッチパネル等の既存の入力装置を用いて構成される。入力部12は、ユーザーの指示を端末装置10に入力する際にユーザーによって操作される。入力部12は、入力装置を端末装置10に接続するためのインターフェースであっても良い。この場合、入力部12は、入力装置においてユーザーの入力に応じ生成された入力信号を端末装置10に入力する。入力部12は、マイク及び音声認識装置を用いて構成されてもよい。この場合、入力部12はユーザーの発話によって生じた音響信号を取得し、ユーザーによって発話された文言を音声認識し、認識結果の文字列情報を端末装置10に入力する。音声認識処理は制御部15によって実行されてもよい。入力部12は、ユーザーの指示を端末装置10に入力可能な構成であればどのように構成されてもよい。
【0018】
出力部13は、情報をユーザーが認知可能な形で出力する。出力部13は、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の画像表示装置であってもよい。出力部13は、画像表示装置を端末装置10に接続するためのインターフェースであっても良い。この場合、出力部13は、画像データを表示するための映像信号を生成し、自身に接続されている画像表示装置に映像信号を出力する。出力部13は、スピーカー等の音響を出力する装置であってもよい。出力部13は、スピーカーやヘッドホン等の音響出力装置を端末装置10に接続するためのインターフェースであってもよい。この場合、出力部13は、音響データを再生するための音響信号を生成し、自身に接続されている音響出力装置に音響信号を出力する。なお、出力部13は、入力部12と一体のタッチパネルとして構成されてもよい。
【0019】
記憶部14は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部14は、制御部15によって使用されるデータを記憶する。記憶部14は、制御部15が処理を行う際に必要となるデータを記憶する。
【0020】
制御部15は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーとメモリー(主記憶装置)とを用いて構成される。制御部15は、プロセッサーがプログラムを実行することによって機能する。なお、制御部15の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD:Solid State Drive)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0021】
制御部15は、例えば自装置(端末装置10)にインストールされたアプリケーションを実行してもよい。このようなアプリケーションの具体例として、判定システム100の専用アプリケーションとして端末装置10に提供されるアプリケーションがある。このようなアプリケーションの他の具体例として、WEBブラウザーのアプリケーションがある。このようなアプリケーションは、予め端末装置10にインストールされていてもよいし、判定処理を実行する際にその都度ダウンロードされてもよい。例えばWEBブラウザーのアプリケーションとして実装される場合には、特定のWEBサーバーに端末装置10が接続することに応じてWEBサーバーによって指定された装置(例えばWEBサーバーそのものでもよいし他のサーバーでもよい)から端末装置10がアプリケーションをダウンロードして実行してもよい。制御部15は、実行中のアプリケーションのプログラムにしたがって動作する。
【0022】
制御部15は、ユーザーの操作や判定装置30から受信される情報に応じて端末装置10を制御する。例えば、制御部15は、ユーザーが入力部12を操作することによって入力された情報を、通信部11を用いることによって判定装置30へ送信する。例えば、制御部15は、判定装置30から送信された情報がネットワーク70を介して通信部11で受信されると、受信された情報に基づいて画面データを生成し、出力部13に画面データを表示させる。このような画面データには、判定装置30から送信された情報を示す画像や文字が含まれる。例えば、制御部15は、判定装置30から送信された情報がネットワーク70を介して通信部11で受信されると、受信された情報に基づいて音声データを生成し、出力部13から音声データを出力させる。
【0023】
情報提供装置20は、パーソナルコンピューターやサーバー装置等の情報処理装置を用いて構成される。情報提供装置20は、電話番号に関する情報を記憶した記憶装置を備えている。情報提供装置20は、電話番号に関する情報の問い合わせに対して、問い合わせ対象の電話番号に関して記憶している情報の一部又は全部を提供する。情報提供装置20は、例えば問い合わせ対象の電話番号の現在のキャリアに関する情報(以下「キャリア情報」という。)を提供してもよい。情報提供装置20は、例えば問い合わせ対象の電話番号のMNP(番号ポータビリティ)の有無に関する情報を提供してもよい。情報提供装置20は、例えば問い合わせ対象の電話番号の現在の契約状態に関する情報(以下「契約情報」という。)を提供してもよい。なお、情報提供装置20は、提供対象となる情報を必ずしも記憶しておく必要は無い。例えば、情報提供装置20は、問い合わせを受ける度に、リアルタイムに問い合わせ対象となる情報を取得し、取得された情報を問い合わせ元に提供してもよい。
【0024】
情報提供装置20は、特定の情報処理装置からの問い合わせに対してのみ情報を提供してもよい。例えば、情報提供装置20は、予め登録されているグローバルIPを有する情報処理装置のみからの問い合わせに対してのみ情報を提供してもよい。このようなグローバルIPは、例えば有償での情報提供に関する契約が締結される際に特定されてもよい。判定システム100において、判定装置30は情報提供装置20からキャリア情報及び契約情報の提供を受けることが可能である。例えば、判定装置30のグローバルIPは、問い合わせ可能な装置のグローバルIPとして情報提供装置20において登録されている。一方で、端末装置10は情報提供装置20からキャリア情報及び契約情報の提供を受けることができない。例えば、端末装置10のグローバルIPは、問い合わせ可能な装置のグローバルIPとして情報提供装置20において登録されている。
【0025】
情報提供装置20は、各問い合わせに対する情報の提供を有償で行ってもよい。例えば、情報提供装置20は、問い合わせの回数に応じて情報提供先(例えば判定装置30の管理者)に対して費用を発生させてもよい。費用の総額は、問い合わせの回数に応じて増加する。例えば、1回当たりの問い合わせ費用に対して問い合わせ回数を乗算することによって費用の総額が決定されてもよい。このとき、1回当たりの問い合わせの費用は、所定期間の問い合わせ回数に伴って変化してもよい。
【0026】
このような情報提供装置20は、例えば現在のキャリア(実態キャリア)を返すサービス(以下「第一サービス」という。)をAPIで実行する情報処理装置がある。また、情報提供装置20はさらに、電波塔への接続状況や契約有無に関する情報を返すサービス(以下「第二サービス」という。)をAPIで実行する情報処理装置として実装されてもよい。情報提供装置20は、例えば現在のキャリア情報(実態キャリア)と、MNPの有無に関する情報と、を提供する装置として用いられてもよい。情報提供装置20は、例えば電波塔への接続状況や契約情報(例えば契約有無に関する情報)を提供するサービスを実行する装置として用いられてもよい。第一サービスを提供する装置が、キャリア情報と、MNPの有無に関する情報と、を提供した場合、問い合わせに応じた回数に応じて費用が増加してもよい。第二サービスを提供する装置が、契約情報を提供した場合、問い合わせに応じた回数に応じて費用が増加してもよい。第一サービスと第二サービスとでは、上記費用がそれぞれ別個に発生してもよい。第二サービスに要する費用は、第一サービスに要する費用に比べて高額に設定されてもよい。
【0027】
図3は、判定装置30の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。判定装置30は、例えばパーソナルコンピューターやサーバー装置などの情報処理装置を用いて構成される。判定装置30は、通信部31、記憶部32及び制御部33を備える。
【0028】
通信部31は、通信機器である。通信部31は、例えばネットワークインターフェースとして構成されてもよい。通信部31は、制御部33の制御に応じて、ネットワーク70を介して他の装置とデータ通信する。通信部31は、無線通信を行う装置であってもよいし、有線通信を行う装置であってもよい。
【0029】
記憶部32は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部32は、制御部33によって使用されるデータを記憶する。
【0030】
制御部33は、CPU等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部33は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、応答部331、問い合わせ部332及び判定部333として機能する。なお、制御部33の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0031】
応答部331は、端末装置10から送信される問い合わせに対して応答処理を行う。応答部331は、例えば端末装置10から送信される問い合わせの情報を受信する。応答部331は、問い合わせの情報に含まれる判定対象の電話番号(以下「対象電話番号」という。)を判定部333に渡す。応答部331は、判定部333から対象電話番号に関する判定結果を取得する。応答部331は、問い合わせ元の端末装置10に対し、対象電話番号に関する判定結果を示す情報を送信する。応答部331は、端末装置10に対する対応ではなく、外部システムにより駆動されるAPIとして動作してもよい。この場合、応答部331は、外部システムから問い合わせの情報を受信し、対象電話番号に関する判定結果を示す情報を外部システムに返しても良い。
【0032】
問い合わせ部332は、対象電話番号に関する問い合わせを情報提供装置20に対して行う。問い合わせ部332は、まず対象電話番号のキャリア情報について情報提供装置20に問い合わせる。その後に判定部333の指示に応じて、対象電話番号の契約状態について情報提供装置20に問い合わせる。問い合わせ部332は、問い合わせによって得られた情報を判定部333に出力する。
【0033】
判定部333は、問い合わせ部332によって得られた情報に基づいて、対象電話番号の現在の契約状態について判定する。判定部333は、判定結果を示す情報を応答部331に出力する。
【0034】
図4は、判定装置30の処理の流れの具体例を示すフローチャートである。応答部331は、端末装置10から特定の電話番号(対象電話番号)の現在の契約状態について問い合わせを受けると、対象電話番号のキャリア情報の問い合わせの実行を問い合わせ部332に指示する。問い合わせ部332は、情報提供装置20に対して対象電話番号のキャリア情報を問い合わせる(ステップS101)。問い合わせ部332は、情報提供装置20から受けたキャリア情報を、判定部333に出力する。
【0035】
判定部333は、対象電話番号に初期状態として割り当てられているキャリア(以下「初期キャリア」という。)と、情報提供装置20から提供されたキャリア情報が示すキャリア(以下「実態キャリア」という。)と、を比較する(ステップS102)。実態キャリアは、対象電話番号に対してその時点で割り当てられているキャリアを示す。初期キャリアと実態キャリアとが異なる場合(ステップS102-NO)、判定部333は、対象電話番号の現在の契約状態として、キャリアは実態キャリアであり、契約は有効な状態であると判定する(ステップS103)。キャリア情報の問い合わせの結果としてエラー情報が取得された場合には(ステップS102-エラー)、判定部333は、対象電話番号の現在の契約状態として、キャリアは不明であり、契約は不明な状態であると判定する(ステップS104)。
【0036】
初期キャリアと実態キャリアとが同じである場合(ステップS102-YES)、判定部333は、対象電話番号の契約情報の問い合わせの実行を問い合わせ部332に指示する。問い合わせ部332は、情報提供装置20に対して対象電話番号の契約情報を問い合わせる(ステップS105)。問い合わせ部332は、情報提供装置20から受けた契約情報を、判定部333に出力する。
【0037】
問い合わせの結果得られた契約情報が、対象電話番号についての契約があることを示している場合(ステップS106-契約あり)、判定部333は、対象電話番号の現在の契約状態として、キャリアは実態キャリアであり、契約は有効な状態であると判定する(ステップS103)。問い合わせの結果得られた契約情報が、対象電話番号についての契約がないことを示している場合(ステップS106-契約なし)、判定部333は、対象電話番号の現在の契約状態として、キャリアは初期キャリアであり、契約は無効な状態であると判定する(ステップS107)。契約状態の問い合わせの結果としてエラー情報が取得された場合には(ステップS106-エラー)、判定部333は、対象電話番号の現在の契約状態として、キャリアは実態キャリアであるが、契約状態は不明であると判定する(ステップS108)。
【0038】
図5は、端末装置10に表示される画面の具体例を示す図である。図5に示される画面は、例えば端末装置10において判定装置30に対象電話番号に関する問い合わせを行う際に表示される画面である。画面には、対象電話番号を入力するための入力欄(電話番号1という文字列の右側に表示される四角形)が表示される。ユーザーは端末装置10に表示された入力欄に、対象電話番号を入力し、その後に検索ボタンを操作する。この操作に応じて、端末装置10は判定装置30に対して対象電話番号に関する問い合わせを行う。
【0039】
図6は、端末装置10に表示される他の画面の具体例を示す図である。図6に示される画面は、例えば端末装置10において判定装置30から判定結果を受信した場合に表示される画面である。画面には、判定結果を示す情報が表示される。例えば、判定対象電話番号が“電話番号”という欄に表示され、現在の契約のキャリア名が“キャリア”という欄に表示され、現在の契約の状態が有効か無効かを示す情報が“状態”という欄に表示される。さらに、図6に示されるように対象電話番号が契約されている国名や、契約に関する情報が、それぞれ“国名”、“メッセージ”という欄に表示されてもよい。なお、図5及び図6に記載された表示を用いた本システムの活用方法は具体例の一つに過ぎない。例えば、本システムは、API連携によるSMS送信時のキャリア判定や契約状態判定として活用されてもよい。
【0040】
図7は、本実施形態に適用される情報処理装置90のハードウェア構成例の概略を示す図である。情報処理装置90は、プロセッサー91、主記憶装置92、通信インターフェース93、補助記憶装置94、入出力インターフェース95及び内部バス96を備える。プロセッサー91、主記憶装置92、通信インターフェース93、補助記憶装置94及び入出力インターフェース95は、内部バス96を介して互いに通信可能に接続される。情報処理装置90は、例えば判定装置30に適用されてもよい。この場合、例えば通信部31は通信インターフェース93を用いて構成されてもよい。例えば記憶部32は補助記憶装置94を用いて構成されてもよい。また、制御部33は、プロセッサー91及び主記憶装置92を用いて構成されてもよい。
【0041】
このように構成された判定システム100では、判定対象の電話番号に関して現在の契約状態をより精度よく判定することが可能となる。具体的には以下の通りである。判定システム100の判定装置30は、まず対象電話番号の現在のキャリアに関する情報(キャリア情報)を情報提供装置20に問い合わせる。対象電話番号の現在のキャリア(実態キャリア)が、その対象電話番号に対して初期状態としてとして割り当てられているキャリア(初期キャリア)でない場合には、対象電話番号においてMNPが実施されていることがわかる。一般的に、ある電話番号においてMNPが実施されて初期キャリアとは異なるキャリアで使用されたとしても、その電話番号の契約が解約されると、その電話番号に対して割り当てられるキャリア(実態キャリア)は初期状態の初期キャリアに戻る。そのため、問い合わせによって得られた実態キャリアが初期キャリアと異なっている場合には、MNPが実施され且つ解約されていないことを示す。したがって、対象電話番号の実態キャリアが初期キャリアと異なる場合には、契約情報について問い合わせを行わなくても、その時点で契約が有効であることがわかる。このように、情報提供装置20に対する問い合わせ回数を削減しながら精度よく契約状態を判定することが可能となる。
【0042】
このように情報提供装置20に対する問い合わせ回数を削減することによって、コストを削減することも可能となる。削減できるのは、費用面でのコストと、システムリソースとしてのコストである。すなわち、上述したように情報提供装置20への問い合わせの回数に応じて費用が増加する構成である場合には、問い合わせ回数の削減によって問い合わせに要するコストを削減することが可能となる。また、第一サービスよりも、第二サービスの方が、1回当たりの問い合わせに要する費用が高い場合がある。このような場合は、特に上述したようにコストの削減の効果が顕著となる。また、問い合わせ回数の削減によって、問い合わせに要する処理の回数を削減することにより、問い合わせに要するシステムのリソースを削減することが可能となる。このように、情報提供装置20への問い合わせにおいて、第二サービスを実行させることなく第一サービスの実行のみによって判定を行うことが可能である場合があるため、上述したようにコストを削減することが可能となる。
【0043】
また、対象電話番号の現在のキャリア(実態キャリア)が初期キャリアと同じである場合には、対象電話番号がMNPを行わずに契約中であるのか、契約が終了したことに伴って実態キャリアが初期キャリアに戻っただけなのかが不明である。この場合、判定装置30は情報提供装置20に対して契約状態の問い合わせを実施する。そのため、判定装置30は、問い合わせ結果に基づいて、精度よく契約状態を判定することが可能となる。
【0044】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0045】
100…判定システム, 10…端末装置, 11…通信部, 12…入力部, 13…出力部, 14…記憶部, 15…制御部, 20…情報提供装置, 30…判定装置, 31…通信部, 32…記憶部, 33…制御部, 331…応答部, 332…問い合わせ部, 333…判定部
【要約】
【課題】判定対象の電話番号に関して現在の契約状態をより精度よく判定すること。
【解決手段】問い合わせ対象の電話番号である対象電話番号について、その時点で割り当てられているキャリアである実態キャリアを問い合わせ、前記対象電話番号に初期状態として割り当てられている初期キャリアと前記実態キャリアとが異なる場合には、前記対象電話番号の契約がその時点で有効であると判定する制御部、を備える判定装置である。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7