(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-10
(45)【発行日】2025-04-18
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/0537 20210101AFI20250411BHJP
G08C 19/00 20060101ALI20250411BHJP
G08C 19/36 20060101ALI20250411BHJP
G16H 30/00 20180101ALI20250411BHJP
【FI】
A61B5/0537 100
G08C19/00 V
G08C19/36
G16H30/00
(21)【出願番号】P 2021058120
(22)【出願日】2021-03-30
【審査請求日】2024-02-06
(73)【特許権者】
【識別番号】524066085
【氏名又は名称】FCNT合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】辻井 洋一朗
【審査官】磯野 光司
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-138892(JP,A)
【文献】特開2014-053693(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0134521(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00- 5/01
A61B 5/0537
A61B 5/06- 5/22
G06V 30/10-30/32
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定値の数値範囲と単位との組を身体測定の測定項目に対応付ける対応関係と、身体の測定結果
と、第1の測定項目の測定値を用いて第2の測定項目の概算値を算出する概算式と、を記憶する記憶部と、
測定装置に表示された身体の測定結果を撮影した画像を取得する撮像部と、
取得された前記画像から測定値と単位の組を取得する文字取得部と、
前記対応関係に基づいて、取得した前記測定値と単位の組の測定項目を特定し、特定した前記測定項目と取得した前記測定値と単位の組とを対応付けて前記記憶部に記憶させる項目特定部と、を備
え、
前記項目特定部は、前記概算式を用いて算出した概算値と最も近い測定値と前記第2の測定項目とを対応付ける処理をさらに実行する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記記憶部は、単位が共通する測定項目間における測定値の大小関係をさらに記憶し、
前記項目特定部は、前記大小関係を基に、取得した前記測定値と測定項目とを対応付ける処理をさらに実行する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
測定装置に表示された身体の測定結果を撮影した画像を取得する処理と、
取得した前記画像から測定値と単位の組を取得する処理と、
記憶部に記憶された測定値の数値範囲と単位との組を身体測定の測定項目に対応付ける対応関係に基づいて、取得した前記測定値と単位の組の測定項目を特定する処理と、
特定した前記測定項目と取得した前記測定値と単位の組とを対応付けて前記記憶部に記憶させる処理と、を
含み、
前記記憶部に記憶させる処理は、第1の測定項目の測定値を用いて第2の測定項目の概算値を算出する概算式を用いて算出した概算値と最も近い測定値と前記第2の測定項目とを対応付ける処理をさらに含む、
コンピュータが実行する情報処理方法。
【請求項4】
測定装置に表示された身体の測定結果を撮影した画像を取得する処理と、
取得した前記画像から測定値と単位の組を取得する処理と、
記憶部に記憶された測定値の数値範囲と単位との組を身体測定の測定項目に対応付ける対応関係に基づいて、取得した前記測定値と単位の組の測定項目を特定する処理と、
特定した前記測定項目と取得した前記測定値と単位の組とを対応付けて前記記憶部に記憶させる処理と、を
含み、
前記記憶部に記憶させる処理は、第1の測定項目の測定値を用いて第2の測定項目の概算値を算出する概算式を用いて算出した概算値と最も近い測定値と前記第2の測定項目とを対応付ける処理をさらに含む、
コンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、体組成計等で測定された様々な測定値を一元管理するアプリケーションプログラムが利用されている。
【0003】
例えば、表示装置に表示された測定結果を撮影した画像からOptical character recognition(OCR)等で測定値と単位とを取得し、取得した単位を基に測定値の測定項目を判定する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
体組成計では、様々な項目について身体測定が可能であり、測定項目によっては単位が共通するものがある。そのため、測定結果の単位のみでは測定項目を正しく判定することは困難である。例えば、体重および筋肉量の単位は「kg(キログラム)」で示されることが多いため、測定値の単位が「kg(キログラム)」というだけでは、その測定値が体重であるか筋肉量であるか判定することはできない。そのため、ユーザの目視による確認が行われることになり、ユーザにとって負担となっていた。
【0006】
開示の技術の1つの側面は、様々な測定項目について測定する体組成計の測定結果を容易に管理することができる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示の技術の1つの側面は、次のような情報処理装置によって例示される。本情報処理装置は、測定値の数値範囲と単位との組を身体測定の測定項目に対応付ける対応関係と、身体の測定結果を記憶する記憶部と、測定装置に表示された身体の測定結果を撮影した画像を取得する撮像部と、取得した上記画像から測定値と単位の組を取得する文字取得部と、上記対応関係に基づいて、取得した上記測定値と単位の組の測定項目を特定し、特定した上記測定項目と取得した上記測定値と単位の組とを対応付けて上記記憶部に記憶させる項目特定部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
開示の技術によれば、様々な測定項目について測定する身体の測定装置の測定結果を容易に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係るスマートフォンのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るスマートフォンの処理ブロックの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、管理データベースに格納される数値範囲管理テーブルの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、管理データベースに格納される第1相関関係管理テーブルの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、管理データベースに格納される第2相関関係管理テーブルの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、管理データベースに格納される測定結果管理テーブルの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、体組成計の表示部に表示される測定結果の一例を示す第1の図である。
【
図8】
図8は、体組成計の表示部に表示される測定結果の一例を示す第2の図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係るスマートフォンの処理フローの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、特定部が測定結果を測定項目に対応付ける処理の処理フローの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施形態>
以下に示す実施形態の構成は例示であり、開示の技術は実施形態の構成に限定されない。実施形態に係る情報処理装置は、例えば、以下の構成を備える。本情報処理装置は、測定値の数値範囲と単位との組を身体測定の測定項目に対応付ける対応関係と、身体の測定結果を記憶する記憶部と、測定装置に表示された身体の測定結果を撮影した画像を取得する撮像部と、取得した上記画像から測定値と単位の組を取得する文字取得部と、上記対応関係に基づいて、取得した上記測定値と単位の組の測定項目を特定し、特定した上記測定項目と取得した上記測定値と単位の組とを対応付けて上記記憶部に記憶させる項目特定部と、を備える。
【0011】
体組成計によって例示される身体の測定装置では、体重、体脂肪率、体脂肪量、除脂肪体重、筋肉量、骨格筋率等の様々な測定項目について測定可能である。本情報処理装置は、このような測定項目について、測定値の数値範囲と単位との対応関係を記憶部に記憶する。そして、本情報処理装置は、測定装置に表示された測定結果を撮像部によって撮影した画像から取得した測定値と単位の組と上記対応関係とを基に、測定項目を特定する。例えば、本情報処理装置は、測定値に組み合わせられた単位に対して上記対応関係で対応付けられた測定項目を抽出する。そして、本情報処理装置は、抽出した測定項目に対応付けられた数値範囲と測定値とを比較し、測定値が数値範囲内である測定項目を特定する。本情報処理装置は、このような処理を行うことで、測定項目を測定値の単位で特定する技術と比較してより高精度に測定項目を特定することができる。そして、本情報処理装置は、特定した測定項目、測定値及び単位を対応付けて記憶部に記憶させることで、様々な測定項目について測定する身体の測定装置の測定結果を容易に管理することができる。
【0012】
以下、図面を参照して上記情報処理装置をスマートフォンに適用した実施形態についてさらに説明する。
図1は、実施形態に係るスマートフォン100のハードウェア構成の一例を示す図である。スマートフォン100は、例えば、各種測定値が表示された体組成計のディスプレイを撮影し、撮影した画像から測定値及び単位を取得し、データベースに格納する。スマートフォン100はCentral Processing Unit(CPU)101、主記憶部102、補助記憶部103及びカメラ104を備える。CPU101、主記憶部102、補助記憶部103及びカメラ104は、接続バスによって相互に接続される。
【0013】
CPU101は、マイクロプロセッサユニット(MPU)、プロセッサとも呼ばれる。CPU101は、単一のプロセッサに限定される訳ではなく、マルチプロセッサ構成であってもよい。また、単一のソケットで接続される単一のCPU101がマルチコア構成を有していてもよい。CPU101が実行する処理のうち少なくとも一部は、CPU101以外のプロセッサ、例えば、Digital Signal Processor(DSP)、Graphics Processing Unit(GPU)、数値演算プロセッサ、ベクトルプロセッサ、画像処理プロセッサ等の専用プロセッサで行われてもよい。また、CPU101が実行する処理のうち少なくとも一部は、集積回路(IC)、その他のデジタル回路によって実行されてもよい。また、CPU101の少なくとも一部にアナログ回路が含まれてもよい。集積回路は、Large Scale Integrated circuit(LSI)、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)を含む。PLDは、例えば、Field-Programmable Gate Array(FPGA)を含む。CPU101は、プロセッサと集積回路との組み合わせであってもよい。組み合わせは、例えば、マイクロコントローラユニット(MCU)、System-on-a-chip(SoC)、システムLSI、チップセットなどと呼ばれる。スマートフォン100では、CPU101が補助記憶部103に記憶されたプログラムを主記憶部102の作業領域に展開し、プログラムの実行を通じて周辺装置の制御を行う。これにより、スマートフォン100は、所定の目的に合致した処理を実行することができる。主記憶部102及び補助記憶部103は、スマートフォン100が読み取り可能な記録媒体である。
【0014】
主記憶部102は、CPU101から直接アクセスされる記憶部として例示される。主記憶部102は、Random Access Memory(RAM)及びRead Only Memory(ROM)を含む。
【0015】
補助記憶部103は、各種のプログラム及び各種のデータを読み書き自在に記録媒体に格納する。補助記憶部103は外部記憶装置とも呼ばれる。補助記憶部103には、オペレーティングシステム(Operating System、OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納される。OSは、通信部104を介して接続される外部装置等とのデータの受け渡しを行う通信インターフェースプログラムを含む。外部装置等には、例えば、コンピュータネットワーク等で接続された、他の情報処理装置及び外部記憶装置が含まれる。なお、補助記憶部103は、例えば、ネットワーク上のコンピュータ群であるクラウドシステムの一部であってもよい。
【0016】
補助記憶部103は、例えば、Erasable Programmable ROM(EPROM)、ソリッドステートドライブ(Solid State Drive、SSD)、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive、HDD)等である。
【0017】
カメラ104は、レンズ及びイメージセンサを含む撮像装置である。イメージセンサとしては、Charge-Coupled Device(CCD)イメージセンサやComplementary Metal Oxide Semiconductor(CMOS)イメージセンサを挙げることができる。カメラ104は、レンズを介して入射した光をイメージセンサが電気信号に変換する。カメラ104は、イメージセンサによって変換された電気信号を基に、静止画データや動画データを生成する。カメラ104は、生成した静止画データや動画データを補助記憶部103に記憶させる。カメラ104が静止画データや動画データを補助記憶部103に記憶させることを、カメラ104が静止画や動画を撮影するとも称する。
【0018】
スマートフォン100は、例えば、ユーザ等からの操作指示等を受け付ける入力部をさらに備えてもよい。このような入力部として、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、加速度センサあるいは音声入力装置といった入力デバイスを例示できる。
【0019】
スマートフォン100は、例えば、CPU101で処理されるデータや主記憶部102に記憶されるデータを出力する出力部を備えるものとしてもよい。このような、出力部として、Liquid Crystal Display(LCD)、Plasma Display Panel(PDP)、Electroluminescence(EL)パネルあるいは有機ELパネルといった出力デバイスを例示できる。
【0020】
<スマートフォン100の処理ブロック>
図2は、実施形態に係るスマートフォン100の処理ブロックの一例を示す図である。スマートフォン100は、撮像部11、文字取得部12、項目特定部13及び管理データベース14を備える。スマートフォン100は、主記憶部102に実行可能に展開されたコンピュータプログラムをCPU101が実行することで、上記スマートフォン100の、撮像部11、文字取得部12、項目特定部13及び管理データベース14等の各部としての処理を実行する。
【0021】
管理データベース14は、補助記憶部103に構築されるデータベースである。
図3は、管理データベース14に格納される数値範囲管理テーブル141の一例を示す図である。数値範囲管理テーブル141は、「測定項目」、「単位」及び「数値範囲」の各項目を含む。「測定項目」には、体組成計によって測定される測定項目を示す情報が格納される。「単位」には、対応付けられた測定項目の測定値に付される単位を示す情報が格納される。なお、測定値の単位は、例えば、「Kg」、「kg」、「キログラム」のように、体組成計の機種やメーカーによって表記が異なることがある。そこで、このような表記の差異を考慮して、夫々の単位を複数の表記で「単位」に登録してもよい。「数値範囲」には、対応付けられた測定項目を測定したときにおける測定値の数値範囲が格納される。このように、数値範囲管理テーブル141では、各測定項目の単位及び測定値の数値範囲が対応付けられる。なお、数値範囲管理テーブル141に登録される測定項目は、使用する体組成計の測定対象項目に応じて適宜選択されてもよい。
【0022】
図4は、管理データベース14に格納される第1相関関係管理テーブル142の一例を示す図である。第1相関関係管理テーブル142では、「第1測定項目」及び「第2測定項目」の各項目を含む。「第1測定項目」及び「第2測定項目」の夫々には、互いに同じ単位が付される測定項目を示す情報が格納される。そして、「第1測定項目」には、同一人物を測定したときにおいて「第2測定項目」よりも測定値が大きくなる測定項目が格納される。すなわち、第1相関関係管理テーブル142では、各測定項目間の大小関係が管理される。
【0023】
図5は、管理データベース14に格納される第2相関関係管理テーブル143の一例を示す図である。第1相関関係管理テーブル142では、「測定項目」及び「概算式」の各項目を含む。「測定項目」には、「概算式」に格納された式によって算出される測定項目を示す情報が格納される。「概算式」には、「測定項目」に格納された測定項目の概算値を算出する式が格納される。すなわち、第2相関関係管理テーブル143は、各測定項目間の相関関係を数式によって対応付けるテーブルである。
【0024】
図6は、管理データベース14に格納される測定結果管理テーブル144の一例を示す図である。測定結果管理テーブル144は、「日付」、「測定項目」及び「測定結果」の各項目を含む。「日付」には、測定を行った日付を示す情報が格納される。「測定項目」には、測定した測定項目を示す情報が格納される。「測定結果」には、体組成計の表示部
に表示された測定結果が格納される。測定結果管理テーブル144には、項目特定部13によって測定結果が登録される。
【0025】
撮像部11は、ユーザの操作に応じて、カメラ104を用いた静止画または動画の撮影を行う。撮像部11は、例えば、体組成計に表示された測定結果を撮影する。
図7は、体組成計の表示部500に表示される測定結果の一例を示す第1の図である。
図7の例では、各測定項目の測定結果(測定値及び単位)が表示部500に一覧表示される。このように各測定項目の測定結果が一覧表示される場合には、撮像部11は、ユーザの操作に応じて、一覧表示された表示部500の静止画または動画を撮影すればよい。
図8は、体組成計の表示部500に表示される測定結果の一例を示す第2の図である。
図8の例では、筋肉量、体脂肪率、体水分率、体重の各項目の測定結果が、この順番に切り替えながら表示部500に表示される。このように各測定項目の測定結果が順番に表示部500に表示される場合、撮像部11は、夫々の測定結果が表示された表示部500の静止画を撮影すればよい。また、撮像部11は、各測定項目の表示が切り替えられていく表示部500の動画を撮影してもよい。以下、本明細書において、「画像」は、静止画及び動画を含むものとする。
【0026】
文字取得部12は、撮像部11によって撮影された画像から体組成計が測定した測定値及び単位を取得する。文字取得部12は、例えば、OCRによって画像に含まれる測定値と単位との組を取得する。
【0027】
項目特定部13は、文字取得部12によって取得された測定値と単位との組に対応する測定項目を、管理データベース14に格納された情報に基づいて特定する。項目特定部13は、文字取得部12によって取得された測定値と単位の組を特定した測定項目に対応付けて、測定結果管理テーブル144に登録させる。
【0028】
<スマートフォン100の処理フロー>
図9は、実施形態に係るスマートフォン100の処理フローの一例を示す図である。以下、
図9を参照して、スマートフォン100の処理フローの一例について説明する。
【0029】
T1では、撮像部11は、カメラ104を用いて、体組成計の表示部500に表示された測定結果を撮影する。撮像部11は、例えば、撮影した画像を補助記憶部103に記憶させる。
【0030】
T2では、文字取得部12は、T1で撮影された画像から数値と単位の組を含む測定結果を取得する。T3では、項目特定部13は、T2で取得した測定値と単位との組に対応する測定項目を特定する。T3の詳細については、
図10を参照して説明する。T4では、項目特定部13は、測定項目と測定結果とを対応付けて、測定結果管理テーブル144に登録する。
【0031】
図10は、項目特定部13が測定結果を測定項目に対応付ける処理の処理フローの一例を示す図である。
図10の処理は、
図9のT3の処理の詳細なフローの一例を示すものである。なお、以下の処理フローでは、
図9のT2において、「30」と「Kg」の第1組、「50」と「%」の第2組、「55」と「%」の第3組、「120」と「Kg」の第4組の4つの組を測定結果として取得したものとする。また、数値範囲管理テーブル141、第1相関関係管理テーブル142及び第2相関関係管理テーブル143の夫々は、
図3、4、5に例示した内容であるものとする。以下、
図10を参照して、項目特定部13が測定結果を測定項目に対応付ける処理の処理フローの一例について説明する。
【0032】
T31では、項目特定部13は、
図9のT2で取得した測定結果に対応する測定項目を
、当該測定項目の単位を基に絞り込む。
図3に例示される数値範囲管理テーブル141において、単位「Kg」に対応する測定項目は体重と筋肉量である。そこで、項目特定部13は、単位が「Kg」である第1組及び第4組の測定項目を、体重および筋肉量に対応付ける。また、
図3に例示される数値範囲管理テーブル141において、単位「%」に対応する測定項目は体脂肪率と体水分率である。そこで、項目特定部13は、単位が「%」である第2組及び第3組の測定項目を、体脂肪率及び体水分率に対応付ける。
【0033】
T32では、項目特定部13は、T31で絞り込んだ測定項目を、測定値の数値範囲を基に対応付ける。例えば、「30」と「Kg」の第1組及び「120」と「Kg」の第4組の測定項目は、体重及び筋肉量に対応付けられた。ここで、
図3に例示される数値範囲管理テーブル141において、体重の数値範囲は「10-200」であり、筋肉量の数値範囲は「3-100」である。第1組の数値「30」は体重および筋肉量のいずれの数値範囲にも属する。また、第2組の数値「120」も体重および筋肉量のいずれの数値範囲にも属する。そのため、この段階では、項目特定部13は、第1組が示す測定結果及び第4組が示す測定結果夫々の測定項目を、体重及び筋肉量に対応付ける。
【0034】
また、例えば、「50」と「%」の第2組及び「55」と「%」の第3組の測定項目は、体脂肪率及び体水分率に対応付けられた。ここで、
図3に例示される数値範囲管理テーブル141において、体脂肪率の数値範囲は「3-40」であり、体水分率の数値範囲は「45-70」である。第2組の数値「50」は体脂肪率及び体水分率のいずれの数値範囲にも属する。また、第3組の数値「55」も体脂肪率及び体水分率のいずれの数値範囲にも属する。そのため、この段階では、項目特定部13は、第2組が示す測定結果及び第3組が示す測定結果の夫々の測定項目を、体脂肪率及び体水分率に対応付ける。
【0035】
T33では、項目特定部13は、すべての測定結果を示す組について、測定値及び単位の組をひとつの測定項目に対応付けられたか否かを判定する。ひとつの測定項目に対応付けられた場合(T33でYES)、処理は終了される。ひとつの測定項目に対応付けられない場合(T33でNO)、処理はT34に進められる。今回の例では対応付けられた測定項目が複数であるため、処理はT34に進められる。
【0036】
T34では、項目特定部13は、第1相関関係管理テーブル142に登録された測定項目間の大小関係を用いて、測定項目の対応付けを行う。上記の通り、第1組及び第4組の測定結果に対応付けられた測定項目は、体重及び筋肉量である。項目特定部13は、
図4に例示される第1相関関係管理テーブル142を参照して、筋肉量よりも体重の方が測定値が大きいことを把握する。項目特定部13は、第1組と第4組のうち、測定値の大きい第4組を体重に対応付け、測定値の小さい第1組を筋肉量に対応付ける。すなわち、この処理によって、項目特定部13は、第1組の測定項目を筋肉量と特定し、第4組の測定項目を体重と特定することができる。なお、
図4に例示される第1相関関係管理テーブル142では、体脂肪率と体水分率の大小関係は登録されていない。そのため、項目特定部13は、第2組及び第3組については、T34での処理を行わない。
【0037】
T35では、項目特定部13は、すべての測定結果を示す組について、測定値及び単位の組をひとつの測定項目に対応付けられたか否かを判定する。ひとつの測定項目に対応付けられた場合(T35でYES)、処理は終了される。ひとつの測定項目に対応付けられない場合(T35でNO)、処理はT36に進められる。今回の例の場合には第2組と第3組についてはひとつの測定項目に対応付けられていないため、処理はT36に進められる。
【0038】
T36では、項目特定部13は、第2相関関係管理テーブル143に登録された概算式を用いて、測定項目の絞り込みを行う。第2組及び第3組の夫々は、体脂肪率及び体水分
率に対応付けられており、未だひとつの測定項目に対応付けられていない。そこで、項目特定部13は、第2相関関係管理テーブル143に登録された概算式のうち、体脂肪率を算出する概算式と体水分率を算出する概算式を選択する。ここで、
図5に例示する第2相関関係管理テーブル143には、体脂肪率を算出する概算式は登録されている一方で、体水分率を算出する概算式は登録されていない。そのため、項目特定部13は、体脂肪率を算出する概算式を選択する。なお、体脂肪率を算出する概算式が第2相関関係管理テーブル143に複数登録されている場合には、項目特定部13は、すでに測定項目との対応付けが完了した測定値を用いて体脂肪率を算出できる概算式を選択すればよい。
【0039】
項目特定部13は、選択した概算式を用いて体脂肪率を算出する。概算式を用いて算出される体脂肪率を概算体脂肪率と称する。項目特定部13は、第1組を体重に対応付け、第4組を筋肉量に対応付けている。そこで、項目特定部13は、選択した概算式に体重と筋肉量とを代入して、概算体脂肪率が50%であることを算出する。項目特定部13は、第2組及び第3組の夫々の測定値のうち、概算体脂肪率に測定値が近い組を体脂肪率に対応付ける。この例の場合、第2組の測定値「50」の方が第3組の測定値「55」よりも概算体脂肪率に近い値である。そこで、項目特定部13は、第2組を体脂肪率に対応付けるとともに、残った第3組を体水分率に対応付ける。
【0040】
<実施形態の作用効果>
実施形態に係るスマートフォン100は、数値範囲管理テーブル141を参照して、測定結果の単位及び数値範囲を基に、測定結果を測定項目に対応付ける。そのため、単位のみで測定値の測定項目を特定する技術よりも高い精度で測定項目を特定することができる。
【0041】
さらに、スマートフォン100は、測定項目間の測定値の大小関係を用いたり(
図10のT34)や、概算式を用いたり(
図10のT36)することで、測定結果と測定項目との対応付けを行う。このような処理を行うことで、さらに高い精度で測定結果に対応する測定項目を特定することができる。
【0042】
<変形例>
以上説明した実施形態では、数値範囲管理テーブル141を参照して、測定結果の測定値と単位に対応する測定項目の絞り込みを行った。さらに、測定項目間の測定値の大小関係を用いた絞り込み(
図10のT34)や、概算式を用いた絞り込み(
図10のT36)が行われた。しかしながら、本実施形態は、
図10のT34の処理及びT36の処理の少なくとも一方は省略されてもよい。そのような場合でも、本実施形態に係るスマートフォン100は、単位のみで測定値の測定項目を特定する技術よりも高い精度で測定項目を特定することができる。
【0043】
以上説明した実施形態では、スマートフォン100がカメラ104を用いて表示部500を撮影した。しかしながら、スマートフォン100は、他の装置によって撮影された体組成計の表示部500の画像の入力を受け付けてもよい。このような場合、スマートフォン100は、カメラ104を備えなくともよい。
【0044】
以上で開示した実施形態や変形例はそれぞれ組み合わせることができる。
【0045】
<<コンピュータが読み取り可能な記録媒体>>
コンピュータその他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記いずれかの機能を実現させる情報処理プログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
【0046】
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、Compact Disc Read Only Memory(CD-ROM)、Compact Disc-Recordable(CD-R)、Compact Disc-ReWriterable(CD-RW)、Digital Versatile Disc(DVD)、ブルーレイディスク(BD)、Digital Audio Tape(DAT)、8mmテープ、フラッシュメモリなどのメモリカード等がある。また、コンピュータ等に固定された記録媒体としてハードディスクやROM等がある。
【符号の説明】
【0047】
100・・スマートフォン
101・・CPU
102・・主記憶部
103・・補助記憶部
104・・カメラ
11・・撮像部
12・・文字取得部
13・・項目特定部
14・・管理データベース
141・・数値範囲管理テーブル
142・・第1相関関係管理テーブル
143・・第2相関関係管理テーブル
144・・測定結果管理テーブル
500・・表示部