(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-10
(45)【発行日】2025-04-18
(54)【発明の名称】電力変換装置
(51)【国際特許分類】
H02M 7/48 20070101AFI20250411BHJP
H01G 2/08 20060101ALI20250411BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
H01G2/08 A
(21)【出願番号】P 2023555008
(86)(22)【出願日】2022-09-07
(86)【国際出願番号】 JP2022033548
(87)【国際公開番号】W WO2023067932
(87)【国際公開日】2023-04-27
【審査請求日】2024-03-27
(31)【優先権主張番号】P 2021170872
(32)【優先日】2021-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】服部 憲和
(72)【発明者】
【氏名】藤井 健太
(72)【発明者】
【氏名】森 由希子
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 隆
(72)【発明者】
【氏名】角田 義一
(72)【発明者】
【氏名】白形 雄二
【審査官】今井 貞雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-116400(JP,A)
【文献】特開2021-057970(JP,A)
【文献】特開2018-038215(JP,A)
【文献】特開2019-088523(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
H01G 2/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
側壁及び底壁を有するケースと、
前記ケース内に配置されている複数の第1放熱板、複数の第2放熱板、複数の回路部品及び封止材と、
前記複数の回路部品に電気的に接続され、かつ前記ケースに取り付けられているプリント配線板とを備え、
前記底壁の内壁面の法線は、第1方向に沿っており、
前記複数の第1放熱板の各々は、前記第1方向に直交する第2方向に沿って延在し、かつ前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向において間隔を空けて並んでおり、
前記複数の第2放熱板の各々は、前記第3方向に沿って延在し、かつ前記第2方向において間隔を空けて並んでおり、
前記複数の回路部品の各々は、前記複数の第1放熱板のうちの隣り合っている2つ、前記複数の第2放熱板のうちの隣り合っている2つ及び前記底壁により画される空間内に配置されており、
前記封止材は、前記空間内に充填されており、
前記側壁は、第1側壁部と、前記第2方向において前記第1側壁部と対向している第2側壁部を有し、
前記第1側壁部の内壁面には、前記第1方向に沿って延在し、かつ前記第3方向において間隔を空けて配置されている複数の第1溝が形成されており、
前記第2側壁部の内壁面には、前記第1方向に沿って延在し、かつ前記第3方向において間隔を空けて配置されている複数の第2溝が形成されており、
前記複数の第1放熱板の各々は、前記第2方向において、第1端と、前記第1端と反対側の端である第2端とを有し、
前記複数の第1放熱板の各々の前記第1端及び前記第2端は、それぞれ、前記複数の第1溝の各々及び前記複数の第2溝の各々に挿入されている、電力変換装置。
【請求項2】
前記複数の第1放熱板の各々は、前記第1方向において、前記底壁側にある端である第3端と、前記第3端の反対側の端である第4端とを有し、
前記複数の第1放熱板の各々には、前記第4端から前記第3端側に向かって延在し、かつ前記第2方向において間隔を空けて配置されている複数の第1差し込み口が形成されており、
前記複数の第2放熱板の各々は、前記第1方向において、前記底壁側にある端である第5端と、前記第5端の反対側の端である第6端とを有し、
前記複数の第2放熱板の各々には、前記第5端から前記第6端側に向かって延在し、かつ前記第3方向において間隔を空けて配置されている複数の第2差し込み口が形成されており、
前記複数の第2放熱板は、前記複数の第2差し込み口の各々が前記複数の第1差し込み口の各々に差し込まれることにより、前記複数の第1放熱板に取り付けられている、請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記封止材は、前記底壁上に塗布されている放熱補助材と、前記複数の回路部品の各々を取り囲むように前記放熱補助材上に配置されているモールド材とを有する、請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記複数の第2放熱板の各々は、前記第3方向において、第7端と、前記第7端の反対側の端である第8端とを有し、
前記第7端と前記ケースとの間及び前記第8端と前記ケースとの間には、前記封止材が配置されている、請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記底壁の内壁面には、前記第2方向に沿って延在し、かつ前記第3方向において間隔を空けて配置されている複数の第3溝が形成されており、
前記複数の第1放熱板の各々は、前記複数の第3溝の各々に挿入されている、請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記複数の第1放熱板の各々は、前記複数の第3溝の各々に接合されている、請求項5に記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記複数の第1放熱板及び前記複数の第2放熱板のうちの少なくとも1つには、貫通穴が形成されている、請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項8】
前記複数の回路部品の各々は、電極面を有する素子本体と、前記電極面に接続されているリード線と、前記素子本体を収納している外装ケースとを有し、
前記複数の回路部品の各々は、前記電極面が前記複数の第1放熱板のうちの1つに対向するように配置されている、請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項9】
前記プリント配線板は、前記ケース側を向いている第1面と、前記第1面の反対面である第2面とを有し、
前記プリント配線板は、前記第1面にある第1配線パターンと、前記第1配線パターンと積層され、かつ前記第1配線パターンとは異なる電位が印加される第2配線パターンとを有する、請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項10】
側壁及び底壁を有するケースと、
前記ケース内に配置されている複数の第1放熱板、複数の第2放熱板、複数の回路部品及び封止材と、
前記複数の回路部品に電気的に接続され、かつ前記ケースに取り付けられているプリント配線板とを備え、
前記底壁の内壁面の法線は、第1方向に沿っており、
前記複数の第1放熱板の各々は、前記第1方向に直交する第2方向に沿って延在し、かつ前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向において間隔を空けて並んでおり、
前記複数の第2放熱板の各々は、前記第3方向に沿って延在し、かつ前記第2方向において間隔を空けて並んでおり、
前記複数の回路部品の各々は、前記複数の第1放熱板のうちの隣り合っている2つ、前記複数の第2放熱板のうちの隣り合っている2つ及び前記底壁により画される空間内に配置されており、
前記封止材は、前記空間内に充填されており、
前記複数の回路部品の各々は、電極面を有する素子本体と、前記電極面に接続されているリード線と、前記素子本体を収納している外装ケースとを有し、
前記複数の回路部品の各々は、前記電極面が前記複数の第1放熱板のうちの1つに対向するように配置されており、
前記側壁は、第1側壁部と、前記第2方向において前記第1側壁部と対向している第2側壁部を有し、
前記第1側壁部の内壁面には、前記第1方向に沿って延在し、かつ前記第3方向において間隔を空けて配置されている複数の第1溝が形成されており、
前記第2側壁部の内壁面には、前記第1方向に沿って延在し、かつ前記第3方向において間隔を空けて配置されている複数の第2溝が形成されており、
前記複数の第1放熱板の各々は、前記第2方向において、第1端と、前記第1端と反対側の端である第2端とを有し、
前記複数の第1放熱板の各々の前記第1端及び前記第2端は、それぞれ、前記複数の第1溝の各々及び前記複数の第2溝の各々に挿入されている、電力変換装置。
【請求項11】
前記プリント配線板は、前記ケース側を向いている第1面と、前記第1面の反対面である第2面とを有し、
前記プリント配線板は、前記第1面にある第1配線パターンと、前記第1配線パターンと積層され、かつ前記第1配線パターンとは異なる電位が印加される第2配線パターンとを有する、請求項
10に記載の電力変換装置。
【請求項12】
複数の絶縁ネットをさらに備え、
前記複数の回路部品の各々は、電極面を有する素子本体と、前記電極面に接続されているリード線とを有し、
前記複数の絶縁ネットの各々は、前記複数の回路部品の各々の前記素子本体を覆うように配置されている、請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項13】
側壁及び底壁を有するケースと、
前記ケース内に配置されている複数の第1放熱板、複数の第2放熱板、複数の回路部品及び封止材と、
前記複数の回路部品に電気的に接続され、かつ前記ケースに取り付けられているプリント配線板とを備え、
前記底壁の内壁面の法線は、第1方向に沿っており、
前記複数の第1放熱板の各々は、前記第1方向に直交する第2方向に沿って延在し、かつ前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向において間隔を空けて並んでおり、
前記複数の第2放熱板の各々は、前記第3方向に沿って延在し、かつ前記第2方向において間隔を空けて並んでおり、
前記複数の回路部品の各々は、前記複数の第1放熱板のうちの隣り合っている2つ、前記複数の第2放熱板のうちの隣り合っている2つ及び前記底壁により画される空間内に配置されており、
前記封止材は、前記空間内に充填されており、
前記プリント配線板は、前記ケース側を向いている第1面と、前記第1面の反対面である第2面とを有し、
前記プリント配線板は、前記第1面にある第1配線パターンと、前記第1配線パターンと積層され、かつ前記第1配線パターンとは異なる電位が印加される第2配線パターンとを有し、
前記側壁は、第1側壁部と、前記第2方向において前記第1側壁部と対向している第2側壁部を有し、
前記第1側壁部の内壁面には、前記第1方向に沿って延在し、かつ前記第3方向において間隔を空けて配置されている複数の第1溝が形成されており、
前記第2側壁部の内壁面には、前記第1方向に沿って延在し、かつ前記第3方向において間隔を空けて配置されている複数の第2溝が形成されており、
前記複数の第1放熱板の各々は、前記第2方向において、第1端と、前記第1端と反対側の端である第2端とを有し、
前記複数の第1放熱板の各々の前記第1端及び前記第2端は、それぞれ、前記複数の第1溝の各々及び前記複数の第2溝の各々に挿入されている、電力変換装置。
【請求項14】
前記複数の回路部品の各々は、電極面を有する素子本体と、前記電極面に接続されているリード線と、前記素子本体を収納している外装ケースとを有し、
前記複数の回路部品の各々は、前記電極面が前記複数の第1放熱板のうちの1つに対向するように配置されている、請求項
13に記載の電力変換装置。
【請求項15】
前記複数の第1放熱板及び前記複数の第2放熱板のうちの少なくとも1つは、前記プリント配線板に接続されている、請求項1から請求項
13のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2016-66666号公報(特許文献1)には、コンデンサが記載されている。特許文献1に記載のコンデンサは、ケースと、コンデンサ素子と、電極板と、モールド樹脂と、蓋体とを有している。コンデンサ素子及び電極板は、ケース内に収納されている。コンデンサ素子のリード端子は、電極板に電気的に接続されている。モールド樹脂は、ケース内に充填されている。これにより、コンデンサ素子及び電極板がケース内において封止されている。蓋体は、ケースの開口に取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のコンデンサでは、コンデンサ素子において発生した熱が、リード端子及び電極板を通って蓋体に伝わり、蓋体の突起から放熱される。そのため、特許文献1に記載のコンデンサは、熱抵抗が大きく、コンデンサ素子の温度上昇が大きくなる。
【0005】
本開示は、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものである。より具体的には、本開示は、回路部品の温度上昇を抑制可能な電力変換装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の電力変換装置は、側壁及び底壁を有するケースと、ケース内に配置されている複数の第1放熱板、複数の第2放熱板、複数の回路部品及び封止材と、複数の回路部品に電気的に接続され、かつケースに取り付けられているプリント配線板とを備える。底壁の内壁面の法線は、第1方向に沿っている。複数の第1放熱板の各々は、第1方向に直交する第2方向に沿って延在し、かつ第1方向及び第2方向に直交する第3方向において間隔を空けて並んでいる。複数の第2放熱板の各々は、第3方向に沿って延在し、かつ第2方向において間隔を空けて並んでいる。複数の回路部品の各々は、複数の第1放熱板のうちの隣り合っている2つ、複数の第2放熱板のうちの隣り合っている2つ及び底壁により画される空間内に配置されている。封止材は、空間内に充填されている。
【発明の効果】
【0007】
本開示の電力変換装置によると、回路部品の温度上昇を抑制可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図5】電力変換装置100が有するケース30の平面図である。
【
図6】電力変換装置100が有するプリント配線板60の底面図である。
【
図7】電力変換装置100が有する第1放熱板41の側面図である。
【
図8】電力変換装置100が有する第2放熱板42の側面図である。
【
図9】複数の電力変換装置100を接続する際の模式的な側面図である。
【
図10】電力変換装置100の変形例1が有するケース30の平面図である。
【
図11】電力変換装置100の変形例2における断面図である。
【
図12】電力変換装置100Aが有するケース30の平面図である。
【
図13】第3溝32aの近傍における電力変換装置100Aの拡大断面図である。
【
図14】第4溝32bの近傍における電力変換装置100Aの拡大断面図である。
【
図15】第3溝32aの近傍における電力変換装置100Bの拡大断面図である。
【
図16】第4溝32bの近傍における電力変換装置100Bの拡大断面図である。
【
図17】電力変換装置100Bの変形例1が有するケース30の平面図である。
【
図18】第1溝31aaの近傍における電力変換装置100Bの変形例2の拡大断面図である。
【
図19】第2溝31baの近傍における電力変換装置100Bの変形例2の拡大断面図である。
【
図20】第3溝32aの近傍における電力変換装置100Cの拡大断面図である。
【
図21】第4溝32bの近傍における電力変換装置100Cの拡大断面図である。
【
図22】底壁32の近傍における電力変換装置100Cの拡大断面図である。
【
図23】第1溝31aaの近傍における電力変換装置100Cの変形例2の拡大断面図である。
【
図24】第2溝31baの近傍における電力変換装置100Cの変形例2の拡大断面図である。
【
図26】電力変換装置100Dの変形例1の断面図である。
【
図27】電力変換装置100Dの変形例2の断面図である。
【
図28】電力変換装置100Dの変形例3の断面図である。
【
図29】電力変換装置100Dの変形例4の断面図である。
【
図30】電力変換装置100Eが有する第1放熱板41の側面図である。
【
図31】電力変換装置100Eが有する第2放熱板42の側面図である。
【
図32】電力変換装置100Fが有するプリント配線板60の分解斜視図である。
【
図33】電力変換装置100Gが有するプリント配線板60の底面図である。
【
図34】
図33のXXXIV-XXXIVにおける模式的な断面図である。
【
図35】
図33のXXXV-XXXVにおける模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施の形態の詳細を、図面を参照しながら説明する。以下の図面では、同一又は相当する部分に同一の参照符号を付し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0010】
実施の形態1.
実施の形態1に係る電力変換装置を説明する。実施の形態1に係る電力変換装置を、電力変換装置100とする。
【0011】
(電力変換装置100の構成)
以下に、電力変換装置100の構成を説明する。
【0012】
図1は、電力変換装置100の回路図である。
図1に示されるように、電力変換装置100は、周辺回路110と、スイッチング回路120とを有している。
【0013】
周辺回路110は、複数の回路部品10を有している。
図1に示される例では、複数の回路部品10が、コンデンサ10a、インダクタ10b、コンタクタ10c、放電抵抗10d及び充電抵抗10eである。コンデンサ10a、インダクタ10b及びコンタクタ10cは、直列に接続されている。インダクタ10bは、コンデンサ10aとコンタクタ10cとの間に配置されている。放電抵抗10d及び充電抵抗10eは、それぞれコンデンサ10a及びコンタクタ10cに並列に接続されている。周辺回路110は、直流供給回路130に接続されている。
【0014】
スイッチング回路120は、例えば、3相インバータ回路である。スイッチング回路120は、複数の回路部品20を有している。
図1に示される例では、複数の回路部品20が、トランジスタ20a~トランジスタ20f及びダイオード20g~ダイオード20lである。
【0015】
トランジスタ20aのドレインは、コンデンサ10aの一方の電極に電気的に接続されている。トランジスタ20aのソースは、トランジスタ20bのドレインに電気的に接続されている。トランジスタ20bのソースは、コンデンサ10aの他方の電極に電気的に接続されている。
【0016】
ダイオード20gのアノードは、トランジスタ20aのソースに電気的に接続されている。ダイオード20gのカソードは、トランジスタ20aのドレインに電気的に接続されている。ダイオード20hのアノードは、トランジスタ20bのソースに電気的に接続されている。ダイオード20hのカソードは、トランジスタ20bのドレインに電気的に接続されている。
【0017】
なお、トランジスタ20c、トランジスタ20d、ダイオード20i及びダイオード20jは、それぞれ、トランジスタ20a、トランジスタ20b、ダイオード20g及びダイオード20hと同様に接続されている。また、トランジスタ20e、トランジスタ20f、ダイオード20k及びダイオード20lは、それぞれ、トランジスタ20a、トランジスタ20b、ダイオード20g及びダイオード20hと同様に接続されている。図示されていないが、トランジスタ20a~トランジスタ20fのゲートは、制御回路に接続されている。
【0018】
スイッチング回路120は、モータ140に接続されている。モータ140は、例えば3相モータである。モータ140は、入力線141と、入力線142と、入力線143とを有している。入力線141は、トランジスタ20aのソース及びトランジスタ20bのドレインに電気的に接続されている。入力線142は、トランジスタ20cのソース及びトランジスタ20dのドレインに電気的に接続されている。入力線143は、トランジスタ20eのソース及びトランジスタ20fのドレインに電気的に接続されている。
【0019】
図2は、電力変換装置100の斜視図である。
図3は、電力変換装置100の分解斜視図である。
図4は、
図2のIV-IVにおける断面図である。
図5は、電力変換装置100が有するケース30の平面図である。
図6は、電力変換装置100が有するプリント配線板60の底面図である。
図7は、電力変換装置100が有する第1放熱板41の側面図である。
図8は、電力変換装置100が有する第2放熱板42の側面図である。
図2から
図8に示されるように、電力変換装置100は、複数の回路部品10と、ケース30と、複数の第1放熱板41及び複数の第2放熱板42と、封止材50と、プリント配線板60とを有している。
【0020】
ケース30は、側壁31と、底壁32とを有している。底壁32の内壁面の法線に沿う方向を、第1方向DR1とする。第1方向DR1に直交する方向を、第2方向DR2とする。第1方向DR1及び第2方向DR2に直交する方向を、第3方向DR3とする。
【0021】
側壁31は、平面視において、例えば矩形状である。側壁31は、第1側壁部31a及び第2側壁部31bと、第3側壁部31c及び第4側壁部31dとを有している。第1側壁部31a及び第2側壁部31bは、第2方向DR2において間隔を空けて互いに対向している。第3側壁部31c及び第4側壁部31dは、第3方向DR3において間隔を空けて互いに対向している。側壁31の内壁面における算術平均粗さは、好ましくは、6.3μm以上である。底壁32は、側壁31の下端に連なっている。
【0022】
ケース30は、剛性のある材料により形成されている。ケース30は、例えば、金属材料により形成されている。ケース30は、銅(Cu)、銅合金、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、鉄(Fe)及び鉄合金等により形成されている。ケース30は、樹脂材料により形成されていてもよい。
【0023】
第1側壁部31aの内壁面には、複数の第1溝31aaが形成されている。複数の第1溝31aaは、第3方向DR3において、間隔を空けて配置されている。第1溝31aaは、第1方向DR1に沿って延在している。第3方向DR3における第1溝31aaの両端は、それぞれ、第1側壁部31aの上端及び下端に達している。
【0024】
第2側壁部31bの内壁面には、複数の第2溝31baが形成されている。複数の第2溝31baは、第3方向DR3において、間隔を空けて配置されている。第2溝31baは、第1方向DR1に沿って延在している。第3方向DR3における第2溝31baの両端は、それぞれ、第2側壁部31bの上端及び下端に達している。第2溝31baは、第2方向DR2において、第1溝31aaに対向している。
【0025】
第1放熱板41及び第2放熱板42は、ケース30内に配置されている。より具体的には、第1放熱板41及び第2放熱板42は、側壁31及び底壁32により画されている空間内に配置されている。第1放熱板41及び第2放熱板42は、熱伝導率が高い材料により形成されている。第1放熱板41及び第2放熱板42は、例えば銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鉄合金等により形成されている。第1放熱板41及び第2放熱板42は、同一材料により形成されてもよく、異なる材料により形成されてもよい。第1放熱板41及び第2放熱板42の側面における算術平均粗さは、好ましくは、6.3μm以上である。
【0026】
第1放熱板41は、平面視において、第2方向DR2に沿って延在している。複数の第1放熱板41は、第3方向DR3において間隔を空けて並んでいる。第1放熱板41は、第2方向DR2において、第1端41aと、第2端41bとを有している。第2端41bは、第1端41aの反対側の端である。第1放熱板41は、第1端41a及び第2端41bがそれぞれ第1溝31aa及び第2溝31baに挿入されることにより、ケース30に取り付けられている。第1放熱板41は、電極面11aと対向している。
【0027】
第1放熱板41は、第1方向DR1において、第3端41cと、第4端41dとを有している。第3端41cは、底壁32側にある。第3端41cは、後述する放熱補助材51を介して底壁32に熱的に接続されている。第4端41dは、第3端41cの反対側の端である。第1放熱板41には、複数の第1差し込み口41eが形成されている。第1差し込み口41eは、第1放熱板41を厚さ方向に沿って貫通している。第1差し込み口41eは、第4端41dから第3端41c側に向かって延在している。第1差し込み口41eの数は、第2放熱板42の数以上である。
【0028】
第2放熱板42は、平面視において、第3方向DR3に沿って延在している。複数の第2放熱板42は、第2方向DR2において間隔を空けて並んでいる。第2放熱板42は、第1方向DR1において、第5端42aと、第6端42bとを有している。第5端42aは、底壁32側にある。第6端42bは、第5端42aの反対側の端である。
【0029】
第2放熱板42には、複数の第2差し込み口42cが形成されている。第2差し込み口42cは、第2放熱板42を厚さ方向に沿って貫通している。第2差し込み口42cは、第5端42aから第6端42b側に向かって延在している。なお、第2差し込み口42cの数は、第1放熱板41の数以上である。第2放熱板42は、第2差し込み口42cが第1差し込み口41eに差し込まれることにより、第1放熱板41に取り付けられている。第1放熱板41及び第2放熱板42は、平面視において、井桁状(グリッド状)に組み立てられている。
【0030】
なお、図示されていないが、第3側壁部31cの内壁面には、第1方向DR1に沿って延在し、かつ第2方向DR2において間隔を空けて配置されている複数の溝が形成されていてもよい。また、第4側壁部31dの内壁面には、第1方向DR1に沿って延在し、かつ、第2方向DR2において間隔を空けて配置されている複数の溝が形成されていてもよい。第2放熱板42は、第3方向DR3における第2放熱板42の両端がそれぞれ第3側壁部31cの内壁面に形成されている溝及び第4側壁部31dの内壁面に形成されている溝に挿入されることにより、ケース30に取り付けられてもよい。
【0031】
第2放熱板42は、第3方向DR3において、第7端42eと、第8端42fとを有している。第8端42fは、第7端42eの反対側の端である。第7端42e及び第8端42fは、それぞれ第3側壁部31cの内壁面及び第4側壁部31dの内壁面から離れていることが好ましい。このことを別の観点から言えば、第7端42eと第3側壁部31cの内壁面との間及び第8端42fと第4側壁部31dの内壁面との間には、モールド材52が配置されていることが好ましい。
【0032】
なお、電極面11aが第1放熱板41ではなく第2放熱板42に対向している場合、第1溝31aa及び第2溝31baに代えて、第3側壁部31cの内壁面に第7端42eが挿入される溝が形成されるとともに第4側壁部31dの内壁面に第8端42fが挿入される溝が形成されてもよい。
【0033】
図2から
図8に示される例では、回路部品10は、コンデンサ10aである。コンデンサ10aは、隣り合う2つの第1放熱板41、隣り合う2つの第2放熱板42及び底壁32により画されている空間内に配置されている。
【0034】
コンデンサ10aは、例えば、フィルムコンデンサである。回路部品10は、素子本体と、リード線とを有している。回路部品10がコンデンサ10aである場合、素子本体はコンデンサ素子本体11であり、リード線はリード線12である。コンデンサ10aは、さらに、外装ケース13と、封止樹脂14とを有している。
【0035】
コンデンサ素子本体11は、例えば、金属フィルム及び金属フィルム上に配置されている誘電体フィルムを巻回することにより、構成されている。コンデンサ素子本体11の両端面は、電極面11aになっている。電極面11aには、リード線12が電気的に接続されている。リード線12は、外部からの電流をコンデンサ素子本体11に流す役割を果たす。リード線12は、金属材料等の導電性の材料により形成されている。
【0036】
コンデンサ素子本体11は2つの電極面11aを有している。2つの電極面11aは、それぞれ別の2つの第1放熱板41にモールド材52を介して対向している。
【0037】
外装ケース13は、絶縁材料により形成されている。外装ケース13は、例えば樹脂材料により形成されている。コンデンサ素子本体11及びリード線12は、外装ケース13内に収納されている。但し、リード線12の一部は、外装ケース13の上面から突出している。封止樹脂14は、外装ケース13内に充填されている。
【0038】
複数のコンデンサ10aは、第1列及び第2列をなすように並んでいる。第1列及び第2列は、第2方向DR2に沿っている。第1列に属しているコンデンサ10aの電極面11aは、第2列に属しているコンデンサ10aの電極面11aに対向していることが好ましい。第1列と第2列との間には、第1放熱板41が配置されている。すなわち、第1列に属しているコンデンサ10aの電極面11aは、第1放熱板41を介して、第2列に属しているコンデンサ10aの電極面11aと対向している。
【0039】
封止材50は、ケース30内に充填されている。より具体的には、封止材50は、隣り合う2つの第1放熱板41、隣り合う2つの第2放熱板42及び底壁32により画されている空間内に充填されている。封止材50は、放熱補助材51と、モールド材52とを有している。
【0040】
放熱補助材51は、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂材料、グリス、ゲル、又は絶縁シートである。放熱補助材51は、熱伝導フィラーを含有していてもよい。熱伝導フィラーは、例えば、セラミックス又は金属材料により形成されている。放熱補助材51の熱伝導率は、例えば、1W/m・K以上数10W/m・K以下である。放熱補助材51は、底壁32上に塗布されている。より具体的には、放熱補助材51は、底壁32の内壁面上に塗布されている。図示されていないが、放熱補助材51は、第1溝31aa上及び第2溝31ba上にも塗布されていてもよい。
【0041】
モールド材52は、例えば、熱伝導率が高い樹脂材料である。モールド材52は、例えば、熱伝導フィラーを含有しているエポキシ樹脂、シリコーン樹脂又はウレタン樹脂等である。モールド材52の熱伝導率は、例えば、0.1W/m・K以上20W/m・K以下である。モールド材52のヤング率は、例えば、1MPa以上50GPa以下である。モールド材52は、放熱補助材51と同一材料であってもよい。例えば、放熱補助材51及びモールド材52は、接着剤であってもよい。
【0042】
モールド材52は、放熱補助材51上に配置されている。モールド材52は、外装ケース13の底面、側面及び頂面に接触している。すなわち、モールド材52は、コンデンサ10aを取り囲んでいる。なお、リード線12は、モールド材52から突出している。モールド材52は、側壁31の内壁面、第1放熱板41の側面及び第2放熱板42の側面にも接触している。
【0043】
プリント配線板60は、第1面60aと、第2面60bとを有している。第1面60aは、ケース30側を向いている。第2面60bは、第1面60aの反対面である。コンデンサ10aは、プリント配線板60に電気的に接続されている。より具体的には、リード線12がプリント配線板60に形成されているスルーホール(図示せず)に挿入されてはんだ付けされることにより、コンデンサ10aがプリント配線板60に接続されている。これにより、
図1に示されている周辺回路110の配線が実現されている。なお、コンデンサ10aとプリント配線板60とは、導電性接着剤を用いて接続されてもよい。
【0044】
また、プリント配線板60は、外部接続用端子60cを有している。外部接続用端子60cは、ランドにより構成されており、ブスバー(図示せず)と接触通電されることにより
図1に示されているスイッチング回路120と接続される。プリント配線板60は、側壁31の上端に取り付けられている。
【0045】
図9は、複数の電力変換装置100を接続する際の模式的な側面図である。複数の電力変換装置100のうちの1つを電力変換装置101とし、複数の電力変換装置100のうちの他の1つを電力変換装置102とする。
図9に示されるように、電力変換装置101及び電力変換装置102は、接続部材61により接続される。接続部材61は、一方端において電力変換装置101が有するプリント配線板60の外部接続用端子60cに接続されており、他方端において電力変換装置102が有するプリント配線板60の外部接続用端子60cに接続されている。接続部材61は、例えば、金属材料により形成されている圧延材料である。
【0046】
なお、
図9には、3つの電力変換装置100の数は3つであるが、接続される電力変換装置100の数は、増減可能である。また、
図9には、第1方向DR1に沿って複数の電力変換装置100を接続する例が示されているが、複数の電力変換装置100は、第2方向DR2又は第3方向DR3に沿って接続されてもよい。
【0047】
<電力変換装置100の変形例1>
図10は、電力変換装置100の変形例1が有するケース30の平面図である。
図10に示されるように、側壁31の外壁面には、複数の溝31eが形成されていてもよい。溝31eは、例えば、第1方向DR1に沿って延在している。この場合、側壁31の外壁面の表面積が増加し、ケース30と外気との間の熱抵抗が低減されるため、コンデンサ10aの温度上昇をさらに抑制することができる。
【0048】
<電力変換装置100の変形例2>
図11は、電力変換装置100の変形例2における断面図である。
図11には、
図2のIV-IVに対応する位置における断面が示されている。
図11に示されるように、封止材50は、モールド材52に代えて、シリコーンゲル53を有していてもよい。シリコーンゲル53は、粘度が低く、絶縁性が高いものであることが好ましい。
【0049】
シリコーンゲル53は、コンデンサ10a、第1放熱板41及び第2放熱板42との密着性が高いため、絶縁性の評価において、コンデンサ10a、第1放熱板41及び第2放熱板42との境界における沿面を考慮する必要がない。そのため、この場合には、沿面距離を確保するめの絶縁エリアが不要となり、コンデンサ10aの周辺における小型化が可能となる。また、この場合には、コンデンサ10aの発熱を効率よくケース30に伝達することが可能となる。さらに、シリコーンゲル53は針入度が高い、すなわち柔らかい材料である。そのため、この場合には、電力変換装置100にヒートサイクル又はパワーサイクルが加わった際の信頼性を改善することができる。なお、コンデンサ10aの位置固定はプリント配線板60のケース30への取り付けによってもなされるため、シリコーンゲル53の針入度が高くても、コンデンサ10aの位置固定に支障はない。
【0050】
(電力変換装置100の組み立て方法)
以下に、電力変換装置100の組み立て方法を説明する。
【0051】
電力変換装置100の組み立てにおいては、第1に、ケース30、複数の第1放熱板41、複数の第2放熱板42及び複数のコンデンサ10aが接続されているプリント配線板60が準備される。第2に、底壁32の内壁面上に、放熱補助材51が塗布される。この際には、放熱補助材51は、第1溝31aa上及び第2溝31ba上にも塗布されてもよい。第3に、第1放熱板41が、ケース30に取り付けられる。第1放熱板41の取り付けは、第1端41a及び第2端41bがそれぞれ第1溝31aa及び第2溝31baに挿入されることにより行われる。
【0052】
第4に、第2放熱板42が、第1放熱板41に取り付けられる。第2放熱板42の取り付けは、第2差し込み口42cを第1差し込み口41eに差し込むことにより行われる。第5に、ケース30内にモールド材52が注入される。第6に、プリント配線板60が、側壁31の上端に取り付けられる。これにより、コンデンサ10aは、隣り合う2つの第1放熱板41、隣り合う2つの第2放熱板42及び底壁32により画される空間内に配置されるとともに、モールド材52により取り囲まれる。第7に、モールド材52が硬化される。以上により、電力変換装置100の組み立てが完了する。
【0053】
<電力変換装置100の組み立て方法の変形例1>
放熱補助材51及びモールド材52が同一材料である場合、電力変換装置100の組み立てにおいて、第1放熱板41のケース30への取り付けの前に、ケース30内に封止材50が注入されてもよい。この場合には、組み立て手順が減るため、組み立てに要する時間を削減することができる。
【0054】
<電力変換装置100の組み立て方法の変形例2>
電力変換装置100の組み立てにおいては、放熱補助材51の塗布が、ケース30への第1放熱板41の取り付け及び第1放熱板41への第2放熱板42の取り付けの後であって、モールド材52の注入の前に行われてもよい。この場合には、第1放熱板41は、放熱補助材51を介さずに、底壁32に接触することになる。
【0055】
<電力変換装置100の組み立て方法の変形例3>
放熱補助材51及びモールド材52が同一材料である場合、電力変換装置100の組み立てにおいて、封止材50は、ケース30へのプリント配線板60の取り付けの後に注入されてもよい。封止材50の注入は、プリント配線板60に予め形成されている注入口から行われる。この場合には、組み立て手順が減るため、組み立てに要する時間を削減することができる。
【0056】
(電力変換装置100の効果)
以下に、電力変換装置100の効果を説明する。
【0057】
電力変換装置100が動作する際、コンデンサ10aに交流電流が流れると、コンデンサ10aの抵抗成分に起因して電力消費が生じ、コンデンサ10aに発熱が生じる。コンデンサ10aの発熱は、主として、コンデンサ素子本体11、電極面11a及びリード線12に生じる。
【0058】
電力変換装置100では、複数のコンデンサ10aが密集して配置されている。そのため、コンデンサ10aの発熱が相互に干渉し、コンデンサ10aの温度が過度に上昇してしまうと、コンデンサ10aの特性の劣化、破壊、寿命短縮が生じるおそれがある。
【0059】
しかしながら、電力変換装置100では、コンデンサ10aが、封止材50、第1放熱板41及び第2放熱板42によりケース30に熱的に接続されている。そのため、電力変換装置100によると、コンデンサ10aの発熱がケース30から外気に放熱され、コンデンサ10aの温度上昇が抑制される。コンデンサ10aの温度上昇が抑制されると、コンデンサ10aの寿命が長くなる。例えば、コンデンサ10aの温度が10℃下がると、コンデンサ10aの寿命が約2倍になる。
【0060】
なお、回路部品10がインダクタ10bである場合、インダクタ10bの温度が10℃下がることにより、インダクタ10bのエナメル被覆の寿命が約2倍となる。また、回路部品10が放電抵抗10d又は充電抵抗10eである場合、温度ディレーティングの関係上、放電抵抗10d又は充電抵抗10eの電力カテゴリのランクを下げることができ、放電抵抗10d又は充電抵抗10eの直列数又は並列数を減らすことができる。
【0061】
電力変換装置100では、コンデンサ10aの発熱がモールド材52を介して第1放熱板41に伝わる。第1放熱板41に伝わった熱は、第1端41a及び第2端41bから側壁31に伝わるとともに、第3端41cから放熱補助材51を介して底壁32に伝わる。そのため、電力変換装置100では、コンデンサ10aからケース30までの伝熱経路の面積が広く、コンデンサ10aからケース30までの熱抵抗が低減されているため、コンデンサ10aの温度上昇が抑制される。
【0062】
電極面11aには電流が集中するため、コンデンサ10aの温度上昇を抑制するためには、電極面11aに対する冷却が重要となる。電力変換装置100では、コンデンサ10aの2つの電極面11aがそれぞれ別の2つの第1放熱板41にモールド材52を介して対向しているため、コンデンサ10aの温度上昇をさらに抑制することができる。
【0063】
電力変換装置100では、第1差し込み口41eが第4端41dに形成されている。すなわち、第1差し込み口41eは、第3端41cに形成されていない。そのため、第1放熱板41と底壁32との間の伝熱面積が大きくなり、第1放熱板41と底壁32との間の熱抵抗が小さくなるため、コンデンサ10aの温度上昇をさらに抑制することができる。
【0064】
電力変換装置100は、第1放熱板41に加えて、第1放熱板41に熱的に接続されている第2放熱板42を有している。そのため、電力変換装置100では、コンデンサ10aからモールド材52を介して第1放熱板41に伝わった熱が第2放熱板42を介してケース30にも伝熱され、コンデンサ10aの温度上昇がさらに抑制される。
【0065】
電力変換装置100では、第1放熱板41が第2方向DR2に沿って延在しているとともに複数のコンデンサ10aが第2方向DR2に沿って並んでいるため、第2方向DR2に沿って並んでいる複数のコンデンサ10aの間の温度差が小さくなる。同様に、電力変換装置100では、第2放熱板42が第3方向DR3に沿って延在しているとともに複数のコンデンサ10aが第3方向DR3に沿って並んでいるため、第2方向DR2に沿って並んでいる複数のコンデンサ10aの間の温度差を小さくなる。
【0066】
コンデンサ10aの温度上昇は、配置される位置により異なる。より具体的には、電力変換装置100の中央付近に配置されるコンデンサ10aは、その周囲に配置されるコンデンサ10aの発熱の影響を受けることにより、電力変換装置100の外周付近に配置されるコンデンサ10aよりも温度が上昇しやすい。温度ディレーティングは、最も温度が高いコンデンサ10aにより決まる。上記のとおり、電力変換装置100では、第1放熱板41及び第2放熱板42により、複数のコンデンサ10aの間で温度が均一化されるため、電力変換装置100をより有効に使用することができる。また、電力変換装置100では、複数のコンデンサ10aの間で温度が均一化される結果、コンデンサ10aの直列数又は並列数を減らすことができる。
【0067】
電力変換装置100では、隣り合う2つのコンデンサ10aの間には、第1放熱板41及び第2放熱板42のいずれかが配置されている。そのため、第1放熱板41及び第2放熱板42は、防火壁として機能する。すなわち、あるコンデンサ10aの故障により放電の火花及び衝撃が発生したとしても、当該火花及び当該衝撃が第1放熱板41及び第2放熱板42により他のコンデンサ10aに到達することが抑制される。回路部品10がインダクタ10bである場合、インダクタ10bからの周囲への漏れ磁束が第1放熱板41及び第2放熱板42により遮蔽されるため、周囲に配置されるセンサ部品(例えば、ホール効果を利用した電流センサ等)の精度向上が可能となる。
【0068】
電力変換装置100では、封止材50がケース30内に充填されているため、コンデンサ10aの耐振動性が改善されている。側壁31の内壁面、第1放熱板41の側面及び第2放熱板42の側面における算術平均粗さが6.3μm以上である場合には、封止材50との間の接着性が改善されるため、電力変換装置100の機械強度が改善される。
【0069】
電力変換装置100では、第1放熱板41の数及び第2放熱板の数を増減させることにより、隣り合う2つの第1放熱板41及び隣り合う2つの第2放熱板42により井桁状に構成されている区画の数又は大きさを、コンデンサ10aの数又は大きさに合わせて増減することができる。また、電力変換装置100では、第1放熱板41及び第2放熱板42の厚さ、種類、材質等を任意に選定することが可能である。さらに、電力変換装置100では、第1放熱板41及び第2放熱板42に対して曲げ加工や凹凸プレス加工を行うことにより、第1放熱板41及び第2放熱板42の強度確保、井桁状の区画の形状の変化が可能である。このように、電力変換装置100では、様々な仕様を柔軟かつ低コストで実現することが可能である。
【0070】
コンデンサ10aの温度は、電流が集中する電極面11aにおいて上昇しやすい。電力変換装置100では、電極面11aが第1放熱板41(又は第2放熱板42)と対向しているため、電極面11aにおいて発生した熱が第1放熱板41(又は第2放熱板42)を介してケース30に伝わりやすくなり、コンデンサ10aの温度上昇をさらに抑制することができる。
【0071】
第7端42eが第3側壁部31cの内壁面から離れているとともに第8端42fが第4側壁部31dの内壁面から離れている場合、モールド材52が第7端42eと第3側壁部31cとの間及び第8端42fと第4側壁部31dとの間に充填されやすく、電力変換装置100の製造効率が改善されるとともにモールド材52を介してコンデンサ10aにおいて発生した熱がケース30に伝わりやすくなる。
【0072】
第2放熱板42は、第1放熱板41と交差することで位置決めされているため、第7端42e及び第8端42fがそれぞれ第3側壁部31cの内壁面及び第4側壁部31dの内壁面と接触する場合、第1差し込み口41e及び第2差し込み口42cの寸法公差を厳重に管理しないと第2放熱板42が撓んで折れるおそれがある。他方で、第7端42eが第3側壁部31cの内壁面から離れているとともに第8端42fが第4側壁部31dの内壁面から離れている場合、第1差し込み口41e及び第2差し込み口42cの寸法公差の管理を緩和しても、上記のような第2放熱板42の損傷を抑制することができる。
【0073】
実施の形態2.
実施の形態2に係る電力変換装置を説明する。実施の形態2に係る電力変換装置を、電力変換装置100Aとする。ここでは、電力変換装置100と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0074】
(電力変換装置100Aの構成)
以下に、電力変換装置100Aの構成を説明する。
【0075】
電力変換装置100Aは、複数の回路部品10と、ケース30と、複数の第1放熱板41及び複数の第2放熱板42と、封止材50と、プリント配線板60とを有している。この点に関して、電力変換装置100Aの構成は、電力変換装置100の構成と共通している。
【0076】
図12は、電力変換装置100Aが有するケース30の平面図である。
図13は、第3溝32aの近傍における電力変換装置100Aの拡大断面図である。
図13には、第2方向DR2に直交する拡大断面が示されている。
図14は、第4溝32bの近傍における電力変換装置100Aの拡大断面図である。
図14には、第3方向DR3に直交する拡大断面が示されている。
図12から
図14に示されるように、電力変換装置100Aでは、底壁32の内壁面に、複数の第3溝32aと、複数の第4溝32bとが形成されている。
【0077】
第3溝32aは、第2方向DR2に沿って延在している。複数の第3溝32aは、第3方向DR3において、間隔を空けて配置されている。第3溝32aには、第1放熱板41の第3端41c側が挿入されている。第4溝32bは、第3方向DR3に沿って延在している。複数の第4溝32bは、第2方向DR2において、間隔を空けて配置されている。第4溝32bには、第2放熱板42の第5端42a側が挿入されている。なお、図示されていないが、第3溝32a内及び第4溝32b内には、封止材50が充填されていてもよく、封止材50が充填されていなくてもよい。これらの点に関して、電力変換装置100Aの構成は、電力変換装置100の構成と異なっている。
【0078】
(電力変換装置100Aの効果)
以下に、電力変換装置100Aの効果を説明する。
【0079】
電力変換装置100Aでは、第1放熱板41が第3溝32aに挿入されているとともに第2放熱板42が第4溝32bに挿入されているため、第1放熱板41及び第2放熱板42と底壁32との間の伝熱面積が増加し、第1放熱板41及び第2放熱板42と底壁32との間の熱抵抗が減少する。その結果、電力変換装置100Aによると、コンデンサ10aの温度上昇をさらに抑制することができる。
【0080】
また、電力変換装置100Aでは、第1放熱板41が第3溝32aに挿入されているとともに第2放熱板42が第4溝32bに挿入されているため、第1放熱板41及び第2放熱板42の組み立て性及び位置決め精度が改善される。第1放熱板41及び第2放熱板42の位置決め精度が改善される結果、第1放熱板41及び第2放熱板42とコンデンサ10aとの間の距離を精度よく設定することができ、封止材50の厚さを小さくしてコンデンサ10aと第1放熱板41及び第2放熱板42との間の熱抵抗を低減できる。
【0081】
さらに、電力変換装置100Aでは、第1放熱板41及び第2放熱板42が底壁32に固定されることにより、隣り合う2つの第1放熱板41、隣り合う2つの第2放熱板42及び底壁32により画される空間内により確実に封止材50を充填することができる。
【0082】
実施の形態3.
実施の形態3に係る電力変換装置を説明する。実施の形態3に係る電力変換装置を、電力変換装置100Bとする。ここでは、電力変換装置100Aと異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0083】
電力変換装置100Bは、複数の回路部品10と、ケース30と、複数の第1放熱板41及び複数の第2放熱板42と、封止材50と、プリント配線板60とを有している。この点に関して、電力変換装置100Bの構成は、電力変換装置100Aの構成と共通している。
【0084】
図15は、第3溝32aの近傍における電力変換装置100Bの拡大断面図である。
図15には、第2方向DR2に直交する拡大断面が示されている。
図16は、第4溝32bの近傍における電力変換装置100Bの拡大断面図である。
図16には、第3方向DR3に直交する拡大断面が示されている。
図15及び
図16に示されるように、電力変換装置100Bでは、第1放熱板41が、第3端41c側において、第3溝32aに金属接合されている。電力変換装置100Bでは、第2放熱板42が、第5端42a側において、第4溝32bに金属接合されている。
【0085】
なお、第1放熱板41は第3溝32aに挿入されている全ての部分において第3溝32aに金属接合されていなくてもよく、第2放熱板42は第4溝32bに挿入されている全ての部分において第4溝32bに金属接合されていなくてもよい。第1放熱板41と第3溝32aとの金属接合及び第2放熱板42と第4溝32bとの間の金属接合は、例えば、ろう材33により行われる。第1放熱板41と第3溝32aとの金属接合及び第2放熱板42と第4溝32bとの間の金属接合は、溶接により行われてもよい。これらの点に関して、電力変換装置100Bの構成は、電力変換装置100Aの構成と異なっている。
【0086】
(電力変換装置100Bの効果)
以下に、電力変換装置100Bの効果を説明する。
【0087】
電力変換装置100Bでは、第1放熱板41が第3溝32aに金属接合されているとともに第2放熱板42が第4溝32bに金属接合されているため、第1放熱板41及び第2放熱板42と底壁32との間の熱抵抗が減少する。その結果、電力変換装置100Bによると、コンデンサ10aの温度上昇をさらに抑制することができる。
【0088】
また、電力変換装置100Bでは、第1放熱板41が第3溝32aに金属接合されているとともに第2放熱板42が第4溝32bに金属接合されているため、第1放熱板41及び第2放熱板42の組み立て性及び位置決め精度が改善される。第1放熱板41及び第2放熱板42の位置決め精度が改善される結果、第1放熱板41及び第2放熱板42とコンデンサ10aとの間の距離を精度よく設定することができ、封止材50の厚さを小さくしてコンデンサ10aと第1放熱板41及び第2放熱板42との間の熱抵抗を低減できる。
【0089】
さらに、電力変換装置100Bでは、第1放熱板41及び第2放熱板42が底壁32に固定されることにより、隣り合う2つの第1放熱板41、隣り合う2つの第2放熱板42及び底壁32により画される空間内により確実に封止材50を充填することができる。
【0090】
(電力変換装置100Bの変形例1)
図17は、電力変換装置100Bの変形例1が有するケース30の平面図である。
図17に示されるように、電力変換装置100Bでは、第3溝32aが第4溝32bと交差している部分において拡幅されていてもよく、第4溝32bが第3溝32aと交差している部分において拡幅されていてもよい。また、図示されていないが、電力変換装置100Bでは、第3溝32aは第2方向DR2における端部において拡幅されていてもよく、第4溝32bは第3方向DR3における端部において拡幅されていていてもよい。この場合、上記の第3溝32a及び第4溝32bの拡幅部がろう材溜まりとなり、ろう材33が第3溝32a及び第4溝32bから溢れて接合不良を生じさせることを抑制できる。
【0091】
(電力変換装置100Bの変形例2)
図18は、第1溝31aaの近傍における電力変換装置100Bの変形例2の拡大断面図である。
図19は、第2溝31baの近傍における電力変換装置100Bの変形例2の拡大断面図である。
図18及び
図19には、第1方向DR1に直交する拡大断面が示されている。
図18及び
図19に示されるように、電力変換装置100Bでは、第1放熱板41が、第1端41a側において第1溝31aaに金属接合されていてもよく、第2端41b側において第2溝31baに金属接合されていてもよい。
【0092】
第1放熱板41と第1溝31aa及び第2溝31baとの間の金属接合は、例えばろう材33により行われる。第1放熱板41と第1溝31aa及び第2溝31baとの間の金属接合は、溶接により行われてもよい。この場合、第1放熱板41と側壁31との間の熱抵抗が減少するため、コンデンサ10aの温度上昇をさらに抑制することができる。
【0093】
実施の形態4.
実施の形態4に係る電力変換装置を説明する。実施の形態4に係る電力変換装置を、電力変換装置100Cとする。ここでは、電力変換装置100Aと異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0094】
電力変換装置100Cは、複数の回路部品10と、ケース30と、複数の第1放熱板41及び複数の第2放熱板42と、封止材50と、プリント配線板60とを有している。この点に関して、電力変換装置100Cの構成は、電力変換装置100Aの構成と共通している。
【0095】
図20は、第3溝32aの近傍における電力変換装置100Cの拡大断面図である。
図20には、第2方向DR2に直交する拡大断面が示されている。
図21は、第4溝32bの近傍における電力変換装置100Cの拡大断面図である。
図21には、第3方向DR3に直交する拡大断面が示されている。
図20及び
図21に示されるように、電力変換装置100Cでは、第1放熱板41が、第3端41c側において、かしめにより第3溝32aに金属接合されている。電力変換装置100Cでは、第2放熱板42が、第5端42a側において、かしめにより第4溝32bに金属接合されている。
【0096】
より具体的には、電力変換装置100Cでは、底壁32の内壁面に、かしめ溝32ca及びかしめ溝32cbが形成されている。かしめ溝32ca及びかしめ溝32cbは、第2方向DR2に沿って延在している。第3溝32aは、第3方向DR3において、かしめ溝32ca及びかしめ溝32cbの間に配置されている。また、電力変換装置100Cでは、底壁32の内壁面に、かしめ溝32da及びかしめ溝32dbが形成されている。かしめ溝32da及びかしめ溝32dbは、第3方向DR3に沿って延在している。第4溝32bは、第2方向DR2において、かしめ溝32da及びかしめ溝32dbの間に配置されている。
【0097】
第1放熱板41が第3溝32aにかしめられる際、かしめ溝32ca及びかしめ溝32cbには、プレスツールが挿入される。これにより、かしめ溝32caと第3溝32aとの間にある底壁32の部分及びかしめ溝32cbと第3溝32aとの間にある底壁32の部分が第1放熱板41側に向かって塑性変形し、第1放熱板41が第3溝32aにかしめられる。同様にして、かしめ溝32da及びかしめ溝32dbにプレスツールを挿入することにより、第2放熱板42が第4溝32bにかしめられる。なお、第1放熱板41は第3溝32aに挿入されている全ての部分において第3溝32aにかしめられていなくてもよく、第2放熱板42は第4溝32bに挿入されている全ての部分において第4溝32bにかしめられていなくてもよい。これらの点に関して、電力変換装置100Cの構成は、電力変換装置100Aの構成と異なっている。
【0098】
(電力変換装置100Cの効果)
以下に、電力変換装置100Cの効果を説明する。
【0099】
電力変換装置100Cでは、かしめにより、第1放熱板41が第3溝32aに金属接合されているとともに第2放熱板42が第4溝32bに金属接合されているため、第1放熱板41及び第2放熱板42と底壁32との間の熱抵抗が減少する。その結果、電力変換装置100Cによると、コンデンサ10aの温度上昇をさらに抑制することができる。
【0100】
また、電力変換装置100Cでは、かしめにより、第1放熱板41が第3溝32aに金属接合されているとともに第2放熱板42が第4溝32bに金属接合されているため、第1放熱板41及び第2放熱板42の組み立て性及び位置決め精度が改善される。第1放熱板41及び第2放熱板42の位置決め精度が改善される結果、第1放熱板41及び第2放熱板42とコンデンサ10aとの間の距離を精度よく設定することができ、封止材50の厚さを小さくしてコンデンサ10aと第1放熱板41及び第2放熱板42との間の熱抵抗を低減できる。
【0101】
さらに、電力変換装置100Cでは、第1放熱板41及び第2放熱板42が底壁32に固定されることにより、隣り合う2つの第1放熱板41、隣り合う2つの第2放熱板42及び底壁32により画される空間内により確実に封止材50を充填することができる。
【0102】
(電力変換装置100Cの変形例1)
図22は、底壁32の近傍における電力変換装置100Cの拡大断面図である。
図22には、第2方向DR2に直交する拡大断面が示されている。
図22に示されるように、電力変換装置100Cでは、底壁32の外壁面に、複数の第5溝32eが形成されていてもよい。第5溝32eは、第2方向DR2に沿って延在している。複数の第5溝32eは、第3方向DR3において、間隔を空けて配置されている。なお、第5溝32eは、第3方向DR3に沿って延在していてもよい。この場合、複数の第5溝32eは、第2方向DR2において、間隔を空けて配置されている。
【0103】
電力変換装置100Cでは、底壁32の外壁面に、かしめ溝32ea及びかしめ溝32ebがさらに形成されていてもよい。かしめ溝32ea及びかしめ溝32ebは、第2方向DR2に沿って延在している。第5溝32eは、かしめ溝32ea及びかしめ溝32ebの間に配置されている。なお、第5溝32eが第3方向DR3に沿って延在している場合、かしめ溝32ea及びかしめ溝32ebは、第3方向DR3に沿って延在している。
【0104】
電力変換装置100Cは、複数の板部材34を有していてもよい。板部材34は、第5溝32eに挿入されるとともに、第5溝32eにかしめられている。板部材34の第5溝32eへのかしめは、かしめ溝32ea及びかしめ溝32ebにプレスツールを挿入することにより行われる。第5溝32eにかしめられた板部材34は冷却フィンとして機能するため、ケース30から外気への放熱性が改善され、コンデンサ10aの温度上昇をさらに抑制することができる。
【0105】
(電力変換装置100Cの変形例2)
図23は、第1溝31aaの近傍における電力変換装置100Cの変形例2の拡大断面図である。
図24は、第2溝31baの近傍における電力変換装置100Cの変形例2の拡大断面図である。
図23及び
図24には、第1方向DR1に直交する拡大断面が示されている。
図23及び
図24に示されるように、電力変換装置100Cでは、第1放熱板41が、かしめにより、第1端41a側において第1溝31aaに金属接合されていてもよく、第2端41b側において第2溝31baに金属接合されていてもよい。
【0106】
電力変換装置100Cでは、第1側壁部31aの内壁面に、かしめ溝31ab及びかしめ溝31acが形成されていてもよい。電力変換装置100Cでは、第2側壁部31bの内壁面に、かしめ溝31bb及びかしめ溝31bcが形成されていてもよい。かしめ溝31ab、かしめ溝31ac、かしめ溝31bb及びかしめ溝31bcは、第1方向DR1に沿って延在している。かしめ溝31ab及びかしめ溝31acの間には第1溝31aaが配置されており、かしめ溝31bb及びかしめ溝31bcの間には第2溝31baが配置されている。
【0107】
第1放熱板41は、プレスツールをかしめ溝31ab及びかしめ溝31acに挿入することにより第1溝31aaにかしめられ、プレスツールをかしめ溝31bb及びかしめ溝31bcに挿入することにより第2溝31baにかしめられる。この場合、第1放熱板41と側壁31との間の熱抵抗が減少するため、コンデンサ10aの温度上昇をさらに抑制することができる。
【0108】
実施の形態5.
実施の形態5に係る電力変換装置を説明する。実施の形態5に係る電力変換装置を、電力変換装置100Dとする。ここでは、電力変換装置100と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0109】
(電力変換装置100Dの構成)
以下に、電力変換装置100Dの構成を説明する。
【0110】
電力変換装置100Dは、複数の回路部品10と、ケース30と、複数の第1放熱板41及び複数の第2放熱板42と、封止材50と、プリント配線板60とを有している。この点に関して、電力変換装置100Dの構成は、電力変換装置100の構成と共通している。
【0111】
図25は、電力変換装置100Dの断面図である。
図25には、
図2のIV-IVに対応する位置における断面が示されている。
図25に示されるように、電力変換装置100Dでは、コンデンサ10aが、外装ケース13及び封止樹脂14を有していない。電力変換装置100Dは、絶縁ネット70をさらに有している。絶縁ネット70は、絶縁性の樹脂材料により形成されているネット状の部材である。絶縁ネット70は、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等により形成されている。絶縁ネット70は、可撓性及び伸縮性を有するゴム材料により形成されてもよい。
【0112】
絶縁ネット70は、コンデンサ10aを取り囲むように、隣り合う2つの第1放熱板41、隣り合う2つの第2放熱板42及び底壁32により画されている空間内に配置されている。すなわち、絶縁ネット70は、コンデンサ10aと第1放熱板41、第2放熱板42及び底壁32との間に位置している。
図25に示される例では、絶縁ネット70とコンデンサ10aとが接触していないが、絶縁ネット70は、コンデンサ10aに接触していてもよい。コンデンサ10aは、絶縁ネット70により、第1放熱板41、第2放熱板42及び底壁32に接触しないようになっていればよい。
【0113】
電力変換装置100Dでは、封止材50が、放熱補助材51とモールド材52とを有していなくてもよい。電力変換装置100Dでは、封止材50は、任意の樹脂材料をポッティングすることにより形成されていてもよい。これらの点に関して、電力変換装置100Dの構成は、電力変換装置100の構成と異なっている。
【0114】
(電力変換装置100Dの効果)
以下に、電力変換装置100Dの効果を説明する。
【0115】
電力変換装置100Dでは、コンデンサ10aが外装ケース13及び封止樹脂14を有していないため、コンデンサ10aにおける金属フィルム及び誘電体フィルムの巻き数を増加させることができ、コンデンサ10aの1個あたりの静電容量の増加が可能である。また、電力変換装置100Dでは、コンデンサ10aが外装ケース13及び封止樹脂14を有していないため、コンデンサ10aのコストを低減することが可能である。
【0116】
なお、電力変換装置100Dでは、絶縁ネット70がコンデンサ10aと第1放熱板41、第2放熱板42及び底壁32との間に配置されているため、外装ケース13及び封止樹脂14がなくても、コンデンサ10aと第1放熱板41、第2放熱板42及び底壁32との間の絶縁性を確保することができる。電力変換装置100Dでは、封止材50として封止樹脂14よりも熱伝導率の高い樹脂材料を用いることができるため、コンデンサ10aの発熱を効率よくケース30に伝熱することができる。
【0117】
(電力変換装置100Dの変形例1、変形例2及び変形例3)
図26は、電力変換装置100Dの変形例1の断面図である。
図26には、
図2のIV-IVに対応する位置における断面が示されている。
図26に示されるように、電力変換装置100Dでは、絶縁ネット70に代えて絶縁紙71が用いられてもよい。絶縁紙71は、コンデンサ10aを取り囲むように、隣り合う2つの第1放熱板41、隣り合う2つの第2放熱板42及び底壁32により画されている空間内に配置されている。
【0118】
図27は、電力変換装置100Dの変形例2の断面図である。
図27には、
図2のIV-IVに対応する位置における断面が示されている。
図27に示されるように、電力変換装置100Dでは、絶縁ネット70に代えて熱伝導絶縁シート72が用いられてもよい。熱伝導絶縁シート72は、隣り合う2つの第1放熱板41、隣り合う2つの第2放熱板42及び底壁32により画されている空間内に配置されている。
【0119】
図28は、電力変換装置100Dの変形例3の断面図である。
図28には、
図2のIV-IVに対応する位置における断面が示されている。
図28に示されるように、電力変換装置100Dでは、絶縁ネット70に代えてスペーサ73が用いられてもよい。スペーサ73は、コンデンサ10aと第1放熱板41との間、コンデンサ10aと第2放熱板42との間及びコンデンサ10aと底壁32との間に配置されている。スペーサ73は、例えば、樹脂材料により形成されている。
【0120】
これらの場合も、コンデンサ10aと第1放熱板41、第2放熱板42及び底壁32との間の接触が絶縁紙71、熱伝導絶縁シート72又はスペーサ73により防止されているため、第1放熱板41、第2放熱板42及び底壁32との間の絶縁性を確保することができる。
【0121】
(電力変換装置100Dの変形例4)
図29は、電力変換装置100Dの変形例4の断面図である。
図29には、
図2のIV-IVに対応する位置における断面が示されている。
図29に示されるように、電力変換装置100Dでは、封止材50がシリコーンゲル53であってもよい。シリコーンゲル53は、粘度が低く、絶縁性が高いものであることが好ましい。
【0122】
シリコーンゲル53は、コンデンサ10a、第1放熱板41及び第2放熱板42との密着性が高いため、絶縁性の評価において、コンデンサ10a、第1放熱板41及び第2放熱板42との境界における沿面を考慮する必要がない。そのため、この場合には、沿面距離を確保するめの絶縁エリアが不要となり、コンデンサ10aの周辺における小型化が可能となる。特に、絶縁ネット70を用いる電力変換装置100Dでは、シリコーンゲル53を用いることにより、高い絶縁性、すなわち高い沿面絶縁耐力及び貫通絶縁耐力を確保することができる。
【0123】
また、この場合には、コンデンサ10aの発熱を効率よくケース30に伝えることができる。さらに、シリコーンゲル53は針入度が高い、すなわち柔らかい材料である。そのため、この場合には、電力変換装置100にヒートサイクル又はパワーサイクルが加わった際の信頼性を改善することができる。なお、コンデンサ10aの位置固定はプリント配線板60のケース30への取り付けによってもなされるため、シリコーンゲル53の針入度が高くても、コンデンサ10aの位置固定に支障はない。
【0124】
実施の形態6.
実施の形態6に係る電力変換装置を説明する。実施の形態6に係る電力変換装置を、電力変換装置100Eとする。ここでは、電力変換装置100と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0125】
(電力変換装置100Eの構成)
以下に、電力変換装置100Eの構成を説明する。
【0126】
電力変換装置100Eは、複数の回路部品10と、ケース30と、複数の第1放熱板41及び複数の第2放熱板42と、封止材50と、プリント配線板60とを有している。この点に関して、電力変換装置100Eの構成は、電力変換装置100の構成と共通している。
【0127】
図30は、電力変換装置100Eが有する第1放熱板41の側面図である。
図30に示されるように、電力変換装置100Eでは、第1放熱板41に、複数の貫通穴41fが形成されている。貫通穴41fは、厚さ方向に沿って第1放熱板41を貫通している。複数の貫通穴41fは、第2方向DR2において間隔を空けて配置されている。貫通穴41fは、隣り合う2つの第1差し込み口41eの間に配置されている。電力変換装置100Eでは、第1差し込み口41eの第2方向DR2における幅が、第2放熱板42の厚さよりも大きい。より具体的には、電力変換装置100Eでは、第1差し込み口41eの第2方向DR2における幅が、第2放熱板42の厚さよりも0.1mm以上大きければよく、第2放熱板42の厚さよりも0.5mm以上大きいことが好ましい。
【0128】
図31は、電力変換装置100Eが有する第2放熱板42の側面図である。
図31に示されるように、電力変換装置100Eでは、第2放熱板42に、複数の貫通穴42dが形成されている。貫通穴42dは、厚さ方向に沿って第2放熱板42を貫通している。複数の貫通穴42dは、第3方向DR3において間隔を空けて配置されている。貫通穴42dは、隣り合う2つの第2差し込み口42cの間に配置されている。電力変換装置100Eでは、第2差し込み口42cの第3方向DR3における幅が、第1放熱板41の厚さよりも大きい。より具体的には、電力変換装置100Eでは、第2差し込み口42cの第3方向DR3における幅が、第1放熱板41の厚さよりも0.1mm以上大きければよく、第1放熱板41の厚さよりも0.5mm以上大きいことが好ましい。
【0129】
なお、電力変換装置100Eでは、第1放熱板41に貫通穴41fが形成されていること、第2放熱板42に貫通穴42dが形成されていること、第1差し込み口41eの第2方向DR2における幅が第2放熱板42の厚さよりも十分に大きいこと及び第2差し込み口42cの第3方向DR3における幅が第1放熱板41の厚さよりも十分に大きいことのうちの少なくともいずれかを満たしていればよい。これらの点に関して、電力変換装置100Eの構成は、電力変換装置100の構成と異なっている。
【0130】
以下に、電力変換装置100Eの効果を説明する。
電力変換装置100Eでは、第1放熱板41に貫通穴41fが形成されており、第2放熱板42に貫通穴42dが形成されている。そのため、封止材50が、隣り合う2つの第1放熱板41、隣り合う2つの第2放熱板42及び底壁32により画されている空間内に貫通穴41f及び貫通穴42dを通って注入されやすくなる。その結果、隣り合う2つの第1放熱板41、隣り合う2つの第2放熱板42及び底壁32により画されている空間内にある封止材50にボイドが発生しにくくなる。封止材50にボイドがないと、封止材50の熱抵抗が低減される。そのため、電力変換装置100Eでは、コンデンサ10aの温度上昇をさらに抑制することができる。
【0131】
電力変換装置100Eでは、封止材50が貫通穴41f内及び貫通穴42d内にも存在している。そのため、電力変換装置100Eでは、第1放熱板41及び第2放熱板42と封止材50との間の密着性をさらに改善することができる。また、電力変換装置100Eでは、貫通穴41f及び貫通穴42dが形成される結果、第1放熱板41及び第2放熱板42を形成するために用いられる材料の量が減るため、第1放熱板41及び第2放熱板42の製造コスト及び重量を減らすことができる。
【0132】
電力変換装置100Eでは、第1差し込み口41eの第2方向DR2における幅が第2放熱板42の厚さよりも十分に大きく、第2差し込み口42cの第3方向DR3における幅が第1放熱板41の厚さよりも十分に大きいため、第2放熱板42を第1放熱板41に容易に取り付けることが可能である。そのため、電力変換装置100Eによると、組み立て性を改善することができる。
【0133】
実施の形態7.
実施の形態7に係る電力変換装置を説明する。実施の形態7に係る電力変換装置を、電力変換装置100Fとする。ここでは、電力変換装置100と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0134】
(電力変換装置100Fの構成)
以下に、電力変換装置100Fの構成を説明する。
【0135】
電力変換装置100Fは、複数の回路部品10と、ケース30と、複数の第1放熱板41及び複数の第2放熱板42と、封止材50と、プリント配線板60とを有している。この点に関して、電力変換装置100Fの構成は、電力変換装置100の構成と共通している。
【0136】
図32は、電力変換装置100Fが有するプリント配線板60の分解斜視図である。
図32に示されるように、電力変換装置100Fでは、プリント配線板60が、積層されている複数の層を有している。
図32に示される例では、プリント配線板60は、4層構造であり、第1層60dと、第2層60eと、第3層60fと、第4層60gとを有している。但し、電力変換装置100Fでは、プリント配線板60が4層構造である場合に限られるものではない。なお、第1層60d、第2層60e、第3層60f及び第4層60gは、第1面60aから第2面60b側に向かってこの順で積層されている。
【0137】
電力変換装置100Fでは、プリント配線板60を構成している複数の層の各々が、配線パターンを有している。
図32に示される例では、第1層60d、第2層60e、第3層60f及び第4層60gの配線パターンが、それぞれ、配線パターン60h、配線パターン60i、配線パターン60j及び配線パターン60kである。配線パターン60h及び配線パターン60jには、配線パターン60i及び配線パターン60jとは異なる電位が印加されている。例えば、配線パターン60h及び配線パターン60jに正の電位が印加されている場合、配線パターン60i及び配線パターン60jには負の電位が印加される。なお、プリント配線板60の厚さ方向において隣り合う配線パターンの間は、互いに絶縁されている。配線パターン60hは、側壁31とプリント配線板60とが接触している部分の近くに配置されていることが好ましい。これらの点に関して、電力変換装置100Fの構成は、電力変換装置100の構成と異なっている。
【0138】
(電力変換装置100Fの効果)
以下に、電力変換装置100Fの効果を説明する。
【0139】
電力変換装置100Fでは、異なる電位の配線パターンが交互に積層されているため、層間に浮遊容量が発生する。その結果、必要となるコンデンサ10aの静電容量をプリント配線板60の浮遊容量により補うことができるため、コンデンサ10aの直列数又は並列数を減らすことができる。また、電力変換装置100Fでは、異なる電位の配線パターンが平行に配置されているため、配線パターンの間のインダクタンスを下げることができる。その結果、スイッチング回路120のスイッチングによるサージ電圧を低減することができる。
【0140】
電力変換装置100Fが動作する際にプリント配線板60に交流電流が流れると、プリント配線板60の抵抗成分により電力消費が生じ、プリント配線板60が発熱する。
図32に示される例では、配線パターン60h、配線パターン60i、配線パターン60j及び配線パターン60kが発熱する。配線パターン60hが側壁31とプリント配線板60とが接触している部分の近くに配置されている場合、配線パターン60hの温度上昇を抑制可能である。
【0141】
実施の形態8.
実施の形態8に係る電力変換装置を説明する。実施の形態8に係る電力変換装置を、電力変換装置100Gとする。ここでは、電力変換装置100と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0142】
(電力変換装置100Gの構成)
以下に、電力変換装置100Gの構成を説明する。
【0143】
電力変換装置100Gは、複数の回路部品10と、ケース30と、複数の第1放熱板41及び複数の第2放熱板42と、封止材50と、プリント配線板60とを有している。この点に関して、電力変換装置100Gの構成は、電力変換装置100の構成と共通している。
【0144】
図33は、電力変換装置100Gが有するプリント配線板60の底面図である。
図34は、
図33のXXXIV-XXXIVにおける模式的な断面図である。
図35は、
図33のXXXV-XXXVにおける模式的な断面図である。
図33から
図35に示されるように、電力変換装置100Gでは、第1放熱板41及び第2放熱板42がプリント配線板60に接続されている。第1放熱板41及び第2放熱板42のプリント配線板60への接続は、例えば、はんだ付けにより行われる。これらの点に関して、電力変換装置100Gの構成は、電力変換装置100の構成と異なっている。
【0145】
(電力変換装置100Gの組み立て方法)
以下に、電力変換装置100Gの組み立て方法を説明する。
【0146】
電力変換装置100Gの組み立てにおいては、第1に、ケース30並びに複数の第1放熱板41、複数の第2放熱板42及び複数のコンデンサ10aが接続されているプリント配線板60が準備される。第2に、ケース30内に封止材50が注入される。第3に、複数の第1放熱板41、複数の第2放熱板42及び複数のコンデンサ10aが接続されているプリント配線板60が、ケース30に取り付けられる。第4に、封止材50が硬化される。以上により、電力変換装置100Gの組み立てが完了する。
【0147】
(電力変換装置100Gの効果)
以下に、電力変換装置100Gの効果を説明する。
【0148】
電力変換装置100Gでは、第1放熱板41及び第2放熱板42が予めプリント配線板60に接続されているため、第1放熱板41及び第2放熱板42のケース30への組み立て性が改善される。また、電力変換装置100Gでは、コンデンサ10a、第1放熱板41及び第2放熱板42の位置決め精度が向上するため、封止材50の厚さを小さくしてコンデンサ10aと第1放熱板41及び第2放熱板42との間の熱抵抗を低減できる。
【0149】
さらに、電力変換装置100Gでは、第1放熱板41及び第2放熱板42がプリント配線板60に接続されているため、プリント配線板60の発熱が第1放熱板41及び第2放熱板42を介してケース30から放熱されるため、プリント配線板60の温度上昇が抑制され、電力変換装置100G全体の均熱化が可能である。
【0150】
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であり、制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の基本的な範囲は、上記の実施の形態ではなく請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0151】
100,100A,100B,100C,100D,100E,100F,100G,101,102 電力変換装置、10 回路部品、10a コンデンサ、10b インダクタ、10c コンタクタ、10d 放電抵抗、10e 充電抵抗、11 コンデンサ素子本体、11a 電極面、12 リード線、13 外装ケース、14 封止樹脂、20 回路部品、20a,20b,20c,20d,20e,20f トランジスタ、20g,20h,20i,20j,20k,20l ダイオード、30 ケース、31 側壁、31a 第1側壁部、31aa 第1溝、31ab,31ac かしめ溝、31b 第2側壁部、31ba 第2溝、31bb,31bc かしめ溝、31c 第3側壁部、31d 第4側壁部、31e 溝、32 底壁、32a 第3溝、32b 第4溝、32ca,32cb かしめ溝、32da,32db かしめ溝、32e 第5溝、32ea,32eb かしめ溝、33 ろう材、34 板部材、41 第1放熱板、41a 第1端、41b 第2端、41c 第3端、41d 第4端、41e 第1差し込み口、41f 貫通穴、42 第2放熱板、42a 第5端、42b 第6端、42c 第2差し込み口、42d 貫通穴、42e 第7端、42f 第8端、50 封止材、51 放熱補助材、52 モールド材、53 シリコーンゲル、60 プリント配線板、60a 第1面、60b 第2面、60c 外部接続用端子、60d 第1層、60e 第2層、60f 第3層、60g 第4層、60h,60i,60j,60k 配線パターン、61 接続部材、70 絶縁ネット、71 絶縁紙、72 熱伝導絶縁シート、73 スペーサ、110 周辺回路、120 スイッチング回路、130 直流供給回路、140 モータ、141,142,143 入力線、DR1 第1方向、DR2 第2方向、DR3 第3方向。