(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-10
(45)【発行日】2025-04-18
(54)【発明の名称】飛行支援システム、飛行支援装置、及び飛行支援方法
(51)【国際特許分類】
G08G 5/00 20250101AFI20250411BHJP
G08G 5/32 20250101ALI20250411BHJP
G08G 5/76 20250101ALI20250411BHJP
【FI】
G08G5/00 A
G08G5/32
G08G5/76
(21)【出願番号】P 2024508869
(86)(22)【出願日】2022-03-23
(86)【国際出願番号】 JP2022013366
(87)【国際公開番号】W WO2023181147
(87)【国際公開日】2023-09-28
【審査請求日】2024-04-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【氏名又は名称】片岡 央
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100188891
【氏名又は名称】丹野 拓人
(72)【発明者】
【氏名】小沢 英之
(72)【発明者】
【氏名】信江 一輝
(72)【発明者】
【氏名】今城 勝治
【審査官】佐々木 淳
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-113467(JP,A)
【文献】特開2022-001840(JP,A)
【文献】特許第6950117(JP,B1)
【文献】中国特許出願公開第113204247(CN,A)
【文献】特開2019-121405(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
G05D 1/00 - 1/87
B64B 1/00 - 1/70
B64C 1/00 - 99/00
B64D 1/00 - 47/08
B64F 1/00 - 5/60
B64G 1/00 - 99/00
B64U 10/00 - 80/86
G06Q 10/00 - 10/30
G06Q 30/00 - 30/08
G06Q 50/00 - 50/20
G06Q 50/26 - 99/00
G16Z 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
風況検出装置が検出した風向及び風速を含む風況を収集し、収集した前記風況及び気象情報の少なくとも一方に基づいて、将来の前記風況を解析し、時刻情報と、位置情報と、前記位置情報に対応する将来の前記風況とを含む風況情報を生成する風況収集部と、
出発地点の場所を示す出発地点情報と、到着地点の場所を示す到着地点情報と、飛行体が前記出発地点の場所から前記到着地点の場所に向かって飛行した場合に予め設定された飛行経路とを対応付けた
複数の経路情報を記憶する飛行経路記憶部と、
複数の前記到着地点情報を含む飛行情報と、前記風況収集部が生成した前記風況情報と、前記飛行経路記憶部が記憶する前記
複数の経路情報とに基づいて、前記飛行体の飛行計画を最適化する最適化処理部と
を備え、
前記飛行経路記憶部は、前記到着地点の場所を前記出発地点の場所とした、複数の前記到着地点の場所間の前記経路情報を含む複数の前記経路情報を記憶し、
前記最適化処理部は、
前記風況情報と、前記経路情報とに基づいて、前記飛行情報に対応する前記到着地点の場所を巡回する飛行順序を示す飛行順序パターンを決定し、
前記飛行順序パターンの飛行の開始時刻を変更して、前記飛行順序パターンと、前記風況情報と、前記経路情報とに基づく最適化指標により、前記開始時刻及び前記飛行順序パターンを含む前記飛行計画を最適化する
飛行支援システム。
【請求項2】
前記最適化指標には、消費電力が含まれ、
前記最適化処理部は、前記消費電力が最小になるように、前記飛行計画を最適化する
請求項1に記載の飛行支援システム。
【請求項3】
前記最適化指標には、飛行時間が含まれ、
前記最適化処理部は、前記飛行時間が最小になるように、前記飛行計画を最適化する
請求項1に記載の飛行支援システム。
【請求項4】
前記最適化指標には、危険のレベルを示す危険度レベルが含まれ、
前記最適化処理部は、前記危険度レベルが閾値レベル以下になるように、前記飛行計画を最適化する
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の飛行支援システム。
【請求項5】
前記最適化指標には、消費電力と、飛行時間と、危険のレベルを示す危険度レベルとが含まれ、
前記最適化処理部は、利用者の要求に応じて、前記消費電力と、前記飛行時間と、前記危険度レベルとの最適化の優先順位を変更する
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の飛行支援システム。
【請求項6】
前記最適化処理部は、前記最適化指標に基づいて、前記飛行順序パターンを決定する
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の飛行支援システム。
【請求項7】
前記位置情報は、緯度、経度、及び高度の3次元位置情報であり、
前記風況収集部は、前記時刻情報と、前記3次元位置情報と、前記風況とを対応付けた前記風況情報を生成する
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の飛行支援システム。
【請求項8】
前記飛行経路は、緯度及び経度の2次元位置情報を含み、
前記最適化処理部は、飛行高度を変更して、前記飛行計画を最適化する
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の飛行支援システム。
【請求項9】
出発地点の場所を示す出発地点情報と、到着地点の場所を示す到着地点情報と、飛行体が前記出発地点の場所から前記到着地点の場所に向かって飛行した場合に予め設定された飛行経路とを対応付けた
複数の経路情報を記憶する飛行経路記憶部と、
複数の前記到着地点情報を含む飛行情報と、風況検出装置が検出した風向及び風速を含む風況及び気象情報の少なくとも一方に基づいて解析した将来の前記風況と、時刻情報と、位置情報とを含む風況情報と、前記飛行経路記憶部が記憶する前記
複数の経路情報とに基づいて、前記飛行体の飛行計画を最適化する最適化処理部と
を備え、
前記飛行経路記憶部は、前記到着地点の場所を前記出発地点の場所とした、複数の前記到着地点の場所間の前記経路情報を含む複数の前記経路情報を記憶し、
前記最適化処理部は、
前記風況情報と、前記経路情報とに基づいて、前記飛行情報に対応する前記到着地点の場所を巡回する飛行順序を示す飛行順序パターンを決定し、
前記飛行順序パターンの飛行の開始時刻を変更して、前記飛行順序パターンと、前記風況情報と、前記経路情報とに基づく最適化指標により、前記開始時刻及び前記飛行順序パターンを含む前記飛行計画を最適化する
飛行支援装置。
【請求項10】
出発地点の場所を示す出発地点情報と、到着地点の場所を示す到着地点情報と、飛行体が前記出発地点の場所から前記到着地点の場所に向かって飛行した場合に予め設定された飛行経路とを対応付けた
複数の経路情報を記憶する飛行経路記憶部を備える飛行支援システムの飛行支援方法であって、
風況収集部が、風況検出装置が検出した風向及び風速を含む風況を収集し、収集した前記風況及び気象情報の少なくとも一方に基づいて、将来の前記風況を解析し、時刻情報と、位置情報と、前記位置情報に対応する将来の前記風況とを含む風況情報を生成し、
最適化処理部が、
複数の前記到着地点情報を含む飛行情報と、前記風況収集部が生成した前記風況情報と、前記飛行経路記憶部が記憶する前記
複数の経路情報とに基づいて、前記飛行体の飛行計画を最適化する最適化処理を実行し、
前記飛行経路記憶部は、前記到着地点の場所を前記出発地点の場所とした、複数の前記到着地点の場所間の前記経路情報を含む複数の前記経路情報を記憶しており、
前記最適化処理部は、前記最適化処理において、
前記風況情報と、前記経路情報とに基づいて、前記飛行情報に対応する前記到着地点の場所を巡回する飛行順序を示す飛行順序パターンを決定し、
前記飛行順序パターンの飛行の開始時刻を変更して、前記飛行順序パターンと、前記風況情報と、前記経路情報とに基づく最適化指標により、前記開始時刻及び前記飛行順序パターンを含む前記飛行計画を最適化する
飛行支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、飛行支援システム、飛行支援装置、及び飛行支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ドローンなどの飛行体を、様々なサービスに活用する試みが行われている。飛行体をサービスに活用するためには、安全で飛行効率の良い運航を行う必要があり、最適な飛行経路を生成する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来技術では、現在の環境情報を考慮した最適な飛行経路を生成するものであった。そのため、上述した従来技術では、飛行体の飛行運航において、例えば、時間経過を含む風況の変化に対応した最適な飛行計画を生成することは困難であった。
【0005】
本開示は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、飛行体の飛行運航において、最適な飛行計画を提供することができる飛行支援システム、飛行支援装置、及び飛行支援方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、本開示の一態様は、風況検出装置が検出した風向及び風速を含む風況を収集し、収集した前記風況及び気象情報の少なくとも一方に基づいて、将来の前記風況を解析し、時刻情報と、位置情報と、前記位置情報に対応する将来の前記風況とを含む風況情報を生成する風況収集部と、出発地点の場所を示す出発地点情報と、到着地点の場所を示す到着地点情報と、飛行体が前記出発地点の場所から前記到着地点の場所に向かって飛行した場合に予め設定された飛行経路とを対応付けた複数の経路情報を記憶する飛行経路記憶部と、複数の前記到着地点情報を含む飛行情報と、前記風況収集部が生成した前記風況情報と、前記飛行経路記憶部が記憶する前記複数の経路情報とに基づいて、前記飛行体の飛行計画を最適化する最適化処理部とを備え、前記飛行経路記憶部は、前記到着地点の場所を前記出発地点の場所とした、複数の前記到着地点の場所間の前記経路情報を含む複数の前記経路情報を記憶し、前記最適化処理部は、前記風況情報と、前記経路情報とに基づいて、前記飛行情報に対応する前記到着地点の場所を巡回する飛行順序を示す飛行順序パターンを決定し、前記飛行順序パターンの飛行の開始時刻を変更して、前記飛行順序パターンと、前記風況情報と、前記経路情報とに基づく最適化指標により、前記開始時刻及び前記飛行順序パターンを含む前記飛行計画を最適化する飛行支援システムである。
【0007】
また、本開示の一態様は、出発地点の場所を示す出発地点情報と、到着地点の場所を示す到着地点情報と、飛行体が前記出発地点の場所から前記到着地点の場所に向かって飛行した場合に予め設定された飛行経路とを対応付けた複数の経路情報を記憶する飛行経路記憶部と、複数の前記到着地点情報を含む飛行情報と、風況検出装置が検出した風向及び風速を含む風況及び気象情報の少なくとも一方に基づいて解析した将来の前記風況と、時刻情報と、位置情報とを含む風況情報と、前記飛行経路記憶部が記憶する前記複数の経路情報とに基づいて、前記飛行体の飛行計画を最適化する最適化処理部とを備え、前記飛行経路記憶部は、前記到着地点の場所を前記出発地点の場所とした、複数の前記到着地点の場所間の前記経路情報を含む複数の前記経路情報を記憶し、前記最適化処理部は、前記風況情報と、前記経路情報とに基づいて、前記飛行情報に対応する前記到着地点の場所を巡回する飛行順序を示す飛行順序パターンを決定し、前記飛行順序パターンの飛行の開始時刻を変更して、前記飛行順序パターンと、前記風況情報と、前記経路情報とに基づく最適化指標により、前記開始時刻及び前記飛行順序パターンを含む前記飛行計画を最適化する飛行支援装置である。
【0008】
また、本開示の一態様は、出発地点の場所を示す出発地点情報と、到着地点の場所を示す到着地点情報と、飛行体が前記出発地点の場所から前記到着地点の場所に向かって飛行した場合に予め設定された飛行経路とを対応付けた複数の経路情報を記憶する飛行経路記憶部を備える飛行支援システムの飛行支援方法であって、風況収集部が、風況検出装置が検出した風向及び風速を含む風況を収集し、収集した前記風況に及び気象情報の少なくとも一方基づいて、将来の前記風況を解析し、時刻情報と、位置情報と、前記位置情報に対応する将来の前記風況とを含む風況情報を生成し、最適化処理部が、複数の前記到着地点情報を含む飛行情報と、前記風況収集部が生成した前記風況情報と、前記飛行経路記憶部が記憶する前記複数の経路情報とに基づいて、前記飛行体の飛行計画を最適化する最適化処理を実行し、前記飛行経路記憶部は、前記到着地点の場所を前記出発地点の場所とした、複数の前記到着地点の場所間の前記経路情報を含む複数の前記経路情報を記憶しており、前記最適化処理部は、前記最適化処理において、前記風況情報と、前記経路情報とに基づいて、前記飛行情報に対応する前記到着地点の場所を巡回する飛行順序を示す飛行順序パターンを決定し、前記飛行順序パターンの飛行の開始時刻を変更して、前記飛行順序パターンと、前記風況情報と、前記経路情報とに基づく最適化指標により、前記開始時刻及び前記飛行順序パターンを含む前記飛行計画を最適化する飛行支援方法である。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、飛行体の飛行運航において、最適な飛行計画を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態による飛行支援システムの主要なハードウェア構成例を示す図である。
【
図2】本実施形態による飛行支援システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態における風況情報の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態における飛行情報記憶部のデータ例を示す図である。
【
図5】本実施形態における飛行経路記憶部のデータ例を示す図である。
【
図6】本実施形態における飛行順序記憶部のデータ例を示す図である。
【
図7】本実施形態における飛行計画記憶部のデータ例を示す図である。
【
図8】本実施形態における飛行順序パターンの一例を示す第1の図である。
【
図9】本実施形態における飛行順序パターンの一例を示す第2の図である。
【
図10】本実施形態における時刻情報を変更した最適化の一例を示す第1の図である。
【
図11】本実施形態における時刻情報を変更した最適化の一例を示す第2の図である。
【
図12】本実施形態における時刻情報を変更したドローンの飛行イメージの一例を示す第1の図である。
【
図13】本実施形態における時刻情報を変更したドローンの飛行イメージの一例を示す第1の図である。
【
図14】本実施形態における時刻情報を変更した分析処理の一例を示す図である。
【
図15】本実施形態における飛行支援システムの最適化処理の一例を示すフローチャートである。
【
図16】本実施形態における飛行支援システムの分析処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の一実施形態による飛行支援システム、飛行支援装置、及び飛行支援方法について、図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本実施形態による飛行支援システム1の主要なハードウェア構成例を示す図である。
図1に示すように、飛行支援システム1は、飛行支援装置10と、ドップラーライダー20と、風況収集サーバ30と、利用者端末(API含む)40とを備える。
【0013】
ドップラーライダー20は、レーザを空間に照射して、ドップラー効果を利用して、風向及び風速を含む風況を検出する。ドップラーライダー20は、風況検出装置の一例である。ドップラーライダー20は、例えば、ネットワークNW1に接続可能であり、検出した風況を、ネットワークNW1を介して、風況収集サーバ30に送信する。
【0014】
なお、
図1に示す飛行支援システム1では、説明の都合上、1つのドップラーライダー20を図示しているが、飛行支援システム1は、複数のドップラーライダー20を備えるようにしてもよい。
【0015】
風況収集サーバ30は、例えば、サーバ装置であり、ネットワークNW1に接続可能である。風況収集サーバ30は、ドップラーライダー20が検出した風況を収集し、収集した風況に基づいて、風況を解析する。風況収集サーバ30は、NW(ネットワーク)アダプタH31と、メモリH32と、プロセッサH33とを備える。
【0016】
NWアダプタH31は、例えば、LAN(Local Area Network)カード、等のネットワークNW1に接続可能な通信装置である。
メモリH32は、例えば、RAM(Random access memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、等の記憶装置であり、風況収集サーバ30が利用する各種情報、及びプログラムを記憶する。
【0017】
プロセッサH33は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を含む処理回路である。プロセッサH33は、メモリH32に記憶されているプログラムを実行させることで、風況収集サーバ30の各種処理を実行する。
【0018】
飛行支援装置10は、例えば、サーバ装置であり、ネットワークNW1に接続可能である。飛行支援装置10は、ドローンの飛行計画を最適化し、ドローンの飛行運航を支援する。なお、本実施形態において、飛行体の一例として、ドローンである場合の一例について説明する。ここで、ドローンは、例えば、無人飛行体であるものとする。
また、飛行支援装置10は、NWアダプタH11と、メモリH12と、プロセッサH13とを備える。
【0019】
NWアダプタH11は、例えば、LANカード、等のネットワークNW1に接続可能な通信装置である。
メモリH12は、例えば、RAM、フラッシュメモリ、HDD、等の記憶装置であり、飛行支援装置10が利用する各種情報、及びプログラムを記憶する。
【0020】
プロセッサH13は、例えば、CPUを含む処理回路である。プロセッサH13は、メモリH12に記憶されているプログラムを実行させることで、飛行支援装置10の各種処理を実行する。
【0021】
利用者端末(API含む)40は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末、等であり、飛行支援システム1を利用する利用者が使用する端末装置である。利用者端末40は、例えば、ドローンを利用した荷物の配送サービスにおいて、受注した配送の依頼の情報である飛行情報を飛行支援装置10に送信し、飛行支援装置10が生成したドローンの飛行計画を受信する。なお、飛行支援システム1における利用者端末40の各種処理は、例えば、APIを用いることで実現される。
【0022】
利用者端末40は、NWアダプタH41と、メモリH42と、プロセッサH43と、入力デバイスH44と、ディスプレイH45とをそなえる。
【0023】
NWアダプタH41は、例えば、LANカード、無線LANカード、移動体通信デバイス、等のネットワークNW1に接続可能な通信装置である。
メモリH42は、例えば、RAM、フラッシュメモリ、HDD、等の記憶装置であり、利用者端末40が利用する各種情報、及びプログラムを記憶する。
【0024】
プロセッサH43は、例えば、CPUを含む処理回路である。プロセッサH43は、メモリH42に記憶されているプログラムを実行させることで、利用者端末40の各種処理を実行する。
【0025】
入力デバイスH44は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチセンサ、等である。入力デバイスH44は、飛行支援システム1を利用する際に、利用者による各種情報の入力を受け付ける。
【0026】
ディスプレイH45は、例えば、液晶ディスプレイ、等の表示装置である。ディスプレイH45は、飛行支援システム1を利用する際に、各種情報を表示する。ディスプレイH45は、例えば、後述する飛行支援装置10が生成したドローンの飛行計画、等を表示する。
【0027】
次に、
図2を参照して、本実施形態による飛行支援システム1の機能構成について説明する。
図2は、本実施形態による飛行支援システム1の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0028】
図2に示すように、飛行支援システム1は、飛行支援装置10と、ドップラーライダー20と、風況収集サーバ30と、利用者端末40とを備える。
【0029】
ドップラーライダー20は、レーザを空間に照射して、ドップラー効果を利用して、風向及び風速を含む風況を検出する。ドップラーライダー20は、レーザを照射した空間の3次元位置情報(例えば、緯度、経度、及び高度)に対応する風況(風向及び風速)を検出する。ドップラーライダー20は、検出した風況と、位置情報(例えば、3次元位置情報)と、時刻情報とを対応付けた風況情報を、ネットワークNW1を介して、風況収集サーバ30に送信する。ここで、
図3を参照して、ドップラーライダー20が出力する風況情報について説明する。
【0030】
図3は、本実施形態における風況情報の一例を示す図である。
図3に示すように、ドップラーライダー20が出力する風況情報は、各3次元位置における風向及び風速を検出した情報である。風況情報は、時刻情報と、位置情報と、ドップラーライダー20が検出した風況(風向及び風速)とを対応付けた情報である。
図3では、各位置の風向及び風速を楔形の向き及び長さにより表している。
【0031】
図2の説明に戻り、風況収集サーバ30は、ドップラーライダー20が検出した風向及び風速を含む風況を収集する。また、風況収集サーバ30は、収集した風況に基づいて、将来の風況を解析し、時刻情報と、位置情報と、位置情報に対応する将来の風況とを含む風況情報を生成する。なお、風況収集サーバ30は、飛行支援システム1において、風況収集部の一例である。
風況収集サーバ30は、NW通信部31と、サーバ記憶部32と、サーバ制御部33とを備える。
【0032】
NW通信部31は、NWアダプタH31により実現される機能部であり、ネットワークNW1と接続して、外部装置(例えば、ドップラーライダー20及び飛行支援装置10)との間でデータ通信を行う。
【0033】
サーバ記憶部32は、メモリH32により構成され、風況収集サーバ30が利用する各種情報を記憶する。サーバ記憶部32は、例えば、
図3に示すような、風況情報を記憶する。なお、サーバ記憶部32は、ドップラーライダー20が出力した過去の風況情報と、後述する風況解析処理部332が解析した将来の時刻の風況情報(解析風況情報)とを含む風況情報を記憶する。
【0034】
サーバ制御部33は、メモリH32が記憶するプログラムを、プロセッサH33に実行させることで実現される機能部である。サーバ制御部33は、風況情報収集部331と、風況解析処理部332とを備える。
【0035】
風況情報収集部331は、ドップラーライダー20から出力される風況情報を、ネットワークNW1を介して収集する。すなわち、風況情報収集部331は、ドップラーライダー20が検出した風向及び風速を含む風況を収集する。風況情報収集部331は、例えば、ドローンが飛行する全エリアの風況情報を収集し、収集した風況情報をサーバ記憶部32に記憶させる。
【0036】
風況解析処理部332は、風況情報収集部331が収集した風況に基づいて、将来の風況を解析する。風況解析処理部332は、収集した過去の風況情報に基づいて、将来の風況情報を解析する。風況解析処理部332は、時刻情報と、位置情報と、位置情報に対応する将来の風況とを含む風況情報を、解析風況情報として生成する。なお、風況解析処理部332は、解析風況情報として、例えば、10分単位の風況の変化を、24時間後(1日後)まで解析する。
【0037】
風況解析処理部332は、解析風況情報を、サーバ記憶部32に記憶させる。また、風況解析処理部332は、例えば、飛行支援装置10からの要求に応じて、指定された位置情報に対応する解析風況情報を、サーバ記憶部32から読み出して、NW通信部31を介して、飛行支援装置10に送信する。
なお、風況解析処理部332は、ドップラーライダー20が検出した風況の代わりに、又は風況と併せて、各国の気象機関又は民間気象会社から提供される気象情報を用いて、将来の風況情報を解析してもよい。
【0038】
利用者端末40は、NW通信部41と、入力部42と、表示部43と、端末記憶部44と、端末制御部45とを備える。
NW通信部41は、NWアダプタH41により実現される機能部であり、ネットワークNW1と接続して、例えば、飛行支援装置10との間でデータ通信を行う。
【0039】
入力部42は、入力デバイスH44により実現される機能部であり、例えば、飛行情報、及び分析処理の分析条件などの入力情報を受け付ける。
【0040】
表示部43は、ディスプレイH45により実現される機能部であり、例えば、利用者が、飛行情報、及び分析処理の分析条件などを入力する際のメニュー画面、飛行支援装置10から受信したドローンの飛行計画及び分析結果、等を表示する。
【0041】
端末記憶部44は、メモリH42により構成され、利用者端末40が利用する各種情報を記憶する。
【0042】
端末制御部45は、メモリH42が記憶するプログラムを、プロセッサH43に実行させることで実現される機能部である。端末制御部45は、利用者端末40による各種処理を実行する。端末制御部45は、例えば、飛行情報を入力するメニュー画面を表示部43に表示させ、入力部42が受け付けた飛行情報を、NW通信部41を介して、飛行支援装置10に送信する。
【0043】
また、端末制御部45は、例えば、NW通信部41を介して飛行支援装置10からドローンの飛行計画を受信し、ドローンの飛行計画を表示部43に表示させる。
【0044】
また、端末制御部45は、例えば、入力部42が受け付けた飛行計画の分析条件をNW通信部41を介して、飛行支援装置10に送信する。端末制御部45は、例えば、NW通信部41を介して飛行支援装置10から分析結果を受信し、分析結果を表示部43に表示させる。
【0045】
飛行支援装置10は、利用者端末40から、ネットワークNW1を介して受信した飛行情報に応じて、ドローンによる荷物の配送の最適化した飛行計画を生成する。飛行支援装置10は、生成した飛行計画を、ネットワークNW1を介して利用者端末40に送信する。また、飛行支援装置10は、利用者端末40からの要求に応じて、飛行計画の最適化に関する分析処理を実行し、分析処理の実行結果を、ネットワークNW1を介して利用者端末40に送信する。
飛行支援装置10は、NW通信部11と、記憶部12と、制御部13とを備える。
【0046】
NW通信部11は、NWアダプタH11により実現される機能部であり、ネットワークNW1と接続して、例えば、風況収集サーバ30、及び利用者端末40との間でデータ通信を行う。
【0047】
記憶部12は、メモリH12により構成され、飛行支援装置10が利用する各種情報を記憶する。記憶部12は、飛行情報記憶部121と、飛行経路記憶部122と、飛行順序記憶部123と、風況情報記憶部124と、飛行計画記憶部125とを備える。
【0048】
飛行情報記憶部121は、ドローンによる配送依頼(配送ミッション)を示す飛行情報を記憶する。飛行情報には、少なくとも到着地点の場所を示す到着地点情報が含まれ、飛行情報は、NW通信部11を介して、例えば、利用者端末40から受信した情報である。ここで、
図4を参照して、飛行情報記憶部121のデータ例について説明する。
【0049】
図4は、本実施形態における飛行情報記憶部121のデータ例を示す図である。
図4に示すように、飛行情報記憶部121は、配送IDと、到着地点と、配送個数とを対応付けて記憶する。
【0050】
図4において、配送IDは、配送依頼の識別情報である。また、到着地点は、到着地点の場所名を示している。到着地点は、到着地点情報の一例である。また、配送個数は、ドローンで配送の依頼を受けた荷物の個数を示している。
【0051】
図4に示す例では、配送IDが“D0001”の配送(ミッション)は、到着地点が“○○駅”であり、配送個数が“1個”であることを示している。また、配送IDが“D0002”の配送(ミッション)は、到着地点が“××ビル”であり、配送個数が“2個”であることを示している。また、配送IDが“D0003”の配送(ミッション)は、到着地点が“〇×駅”であり、配送個数が“1個”であることを示している。
【0052】
再び、
図2の説明に戻り、飛行経路記憶部122は、ドローンの飛行経路を記憶する。ここでの飛行経路は、ドローンが出発地点の場所から到着地点の場所に向かって飛行した場合に、予め設定された飛行経路である。飛行経路記憶部122は、出発地点の場所を示す出発地点情報と、到着地点の場所を示す到着地点情報と、飛行経路とを対応付けた経路情報を記憶する。ここで、
図5を参照して、飛行経路記憶部122のデータ例について説明する。
【0053】
図5は、本実施形態における飛行経路記憶部122のデータ例を示す図である。
図5に示すように、飛行経路記憶部122は、経路IDと、出発地点と、到着地点と、緯度と、経度と、高度とを対応付けた経路情報を記憶する。
【0054】
図5において、経路IDは、飛行経路を識別する識別情報である。また、出発地点は、出発地点の場所名であり、出発地点の場所を示す出発地点情報の一例である。また、到着地点は、到着地点の場所名であり、到着地点の場所を示す到着地点情報の一例である。また、緯度、経度、及び高度は、飛行経路を示す位置情報の一例である。
【0055】
飛行経路を示す位置情報は、出発地点から到着地点に向かってドローンが通る位置を順番に記憶されている。なお、
図5に示す例では、位置情報は、緯度、経度、及び高度の3次元位置情報であるが、高度を含まない緯度及び経度の2次元位置情報であってもよい。
【0056】
例えば、
図5に示す例では、経路IDが“RT001”の経路情報は、出発地点が“○○駅”であり、到着地点が“〇×駅”であることを示している。また、この経路情報の飛行経路は、(緯度“XXX”,経度“YYY”,高度“10”)の位置、(緯度“XX1”,経度“YY2”,高度“15”)の位置、・・・の順に移動する経路であることを示している。なお、高度の単位は、m(メートル)とする。
【0057】
再び、
図2の説明に戻り、飛行順序記憶部123は、到着地点の場所を巡回する飛行順序を示す飛行順序パターンを記憶する。ここで、
図6を参照して、飛行順序記憶部123のデータ例について説明する。
【0058】
図6は、本実施形態における飛行順序記憶部123のデータ例を示す図である。
図6に示すように、飛行順序記憶部123は、フライトIDと、飛行順序パターンとを対応付けて記憶する。
【0059】
図6において、フライトIDは、飛行順序パターンを識別する識別情報である。また、飛行順序パターンは、到着地点の場所名を飛行順に示している。
例えば、
図6に示す例では、フライトIDが“FT001”の飛行順序パターンは、“○○駅”→“〇×駅”→“××駅”の順序で飛行するパターンであることを示している。
【0060】
また、フライトIDが“FT002”の飛行順序パターンは、“○○駅”→“〇×駅”→“××駅”の順序で飛行するパターンであることを示している。
【0061】
再び、
図2の説明に戻り、風況情報記憶部124は、風況収集サーバ30から受信した風況情報を記憶する。風況情報記憶部124は、例えば、
図3に示すような風況情報を将来の時刻情報(又は日時情報)と対応付けて、記憶する。すなわち、風況情報記憶部124は、時刻情報(又は日時情報)と、位置情報(例えば、緯度、経度、及び高度3次元位置情報)と、風況(風向及び風速)とを対応付けて記憶する。
風況情報記憶部124は、例えば、18時間後までの風況情報を記憶する。
【0062】
飛行計画記憶部125は、飛行支援装置10が生成したドローンの飛行計画であって、最適化された飛行計画を記憶する。飛行計画は、上述した飛行順序パターンによる飛行順に各到着地点への飛行経路に、時刻情報(タイムスタンプ)を付加した情報である。ここで、
図7を参照して、飛行支援装置10のデータ例について説明する。
【0063】
図7は、本実施形態における飛行計画記憶部125のデータ例を示す図である。
図7に示すように、飛行計画記憶部125は、フライトIDと、出発時刻と、経路IDと、時刻と、緯度、経度、及び高度とを対応付けて記憶する。
【0064】
図7において、出発時刻は、ドローンによる配送(飛行)の出発時刻を示している。また、緯度、経度、及び高度は、飛行経路上の位置情報であり、時刻は、当該位置情報の位置を通過予定の時刻を示している。
【0065】
例えば、
図7に示す例では、フライトID“FT001”の飛行計画では、まず、経路ID“RT001”の飛行経路(“○○駅”→“〇×駅”)の飛行を“8:50”(8時50分)に出発する計画であることを示している。また、飛行経路(“○○駅”→“〇×駅”)では、時刻“8:51”に(緯度“XXX”,経度“YYY”,高度“10”)、・・・の順に飛行する計画であることを示している。
【0066】
また、フライトIDが“FT001”の飛行計画では、経路ID“RT001”の飛行経路(“○○駅”→“〇×駅”)の飛行の次に、経路ID“RT001”の飛行経路(“〇×駅”→“△△駅”)の飛行を“9:00”に出発する計画であることを示している。また、飛行経路(“〇×駅”→“△△駅”)では、時刻“9:05”に(緯度“XX1”,経度“YY2”,高度“15”)、・・・の順に飛行する計画であることを示している。
【0067】
再び、
図2の説明に戻り、制御部13は、メモリH12が記憶するプログラムを、プロセッサH13に実行させることで実現される機能部である。制御部13は、飛行支援装置10による各種処理を実行する。制御部13は、NW通信部11を介して、例えば、飛行情報を受信し、飛行情報を、飛行情報記憶部121に記憶させる。
また、制御部13は、最適化処理部131と、飛行計画指示部132と、分析処理部133とを備える。
【0068】
最適化処理部131は、利用者端末40から受信した飛行情報と、風況収集サーバ30が生成した風況情報と、飛行経路記憶部122が記憶する経路情報とに基づいて、ドローンの飛行計画を最適化する。最適化処理部131は、まず、風況情報と、経路情報とに基づいて、飛行順序パターンを決定する。
【0069】
最適化処理部131は、飛行情報に含まれる到着地点情報から、飛行順序の組合せの分の複数の飛行順序パターンを生成する。最適化処理部131は、生成した飛行順序パターンを、例えば、
図6に示すように、飛行順序記憶部123に記憶させる。
【0070】
また、最適化処理部131は、飛行順序パターンに含まれる移動経路に対応する風況情報(解析風況情報を含む)を、NW通信部11を介して、風況収集サーバ30から取得する。最適化処理部131は、生成した複数の飛行順序パターンのうちから、風況情報に基づいて、最適な飛行順序パターンを選択する。
【0071】
最適化処理部131は、例えば、消費電力、飛行時間、及び危険度レベルなどの最適化指標に基づいて、最適な飛行順序パターンを決定する。すなわち、最適化処理部131は、風況情報を用いて、各飛行順序パターンの消費電力、飛行時間、及び危険度レベルなどの最適化指標の値を生成し、最適化指標の値を比較して、最適な飛行順序パターンを決定する。
【0072】
ここで、
図8及び
図9を参照して、飛行順序パターンを決定する処理の具体例について説明する。
図8及び
図9は、本実施形態における飛行順序パターンの一例を示す図である。
【0073】
図8及び
図9に示す図は、風速を色の濃淡により可視化したヒートマップ図である。ヒートマップ図の縦軸は、海抜高度を示し、横軸は、平面の位置及び時刻を示している。また、ヒートマップ図内の矢印は、風向を示している。
【0074】
また、各ドローンのマークは、飛行経路に従ったドローンの位置を示している。
なお、
図8及び
図9では、概念的に理解し易いように、緯度及び経度の2次元位置情報を1次元化して簡略化している。
【0075】
図8は、“○○駅”→“〇×駅”→“××ビル”の順に飛行する飛行順序パターンに一例を示している。また、
図9は、“○○駅”→“××ビル”→“〇×駅”の順に飛行する飛行順序パターンに一例を示している。
【0076】
最適化処理部131は、例えば、
図8に示す飛行順序パターンにおけるドローンの消費電力と、
図9に示す飛行順序パターンにおけるドローンの消費電力とを、算出し、消費電力の小さい方の飛行順序パターンを決定する。
なお、最適化処理部131は、飛行順序パターンを決定する際に、開始時刻(出発時刻)を変更して、飛行計画を最適化する場合よりも長い期間(例えば、18時間後までの期間)の解析風況情報を使用する。
【0077】
また、最適化処理部131は、消費電力の代わりに、ドローンの移動に要する飛行時間を用いてもよいし、風況情報及び位置情報から算出される危険度レベルを用いてもよい。ここで、危険度レベルは、例えば、風速値が大きい程、危険度レベルが高く、例えば、人流が多い位置を飛行する程、危険度レベルが高くなるものとする。すなわち、最適化処理部131は、最適化指標が最小になるように、又は、閾値以下になるように、飛行順序パターンを決定してもよい。
【0078】
また、最適化処理部131は、飛行経路が緯度及び経度の2次元位置情報を含み、高度情報を含まない場合に、高度情報を変更して、飛行順序パターンを決定してもよい。
【0079】
再び、
図2の説明に戻り、次に、最適化処理部131は、飛行順序パターンの飛行の開始時刻(出発時刻)を変更して、飛行順序パターンと、風況情報と、経路情報とに基づく最適化指標により、開始時刻及び飛行順序パターンを含む飛行計画を最適化する。ここでの最適化指標は、上述した消費電力、飛行時間、及び危険度レベルなどである。
【0080】
最適化処理部131は、例えば、最適化指標が、消費電力である場合に、飛行の開始時刻(出発時刻)をずらして、消費電力が最小になるように、又は、消費電力が閾値電力以下になるように、飛行計画を最適化する。
【0081】
最適化処理部131は、例えば、最適化指標が、飛行時間である場合に、飛行の開始時刻(出発時刻)をずらして、飛行時間が最小になるように、又は、飛行時間が閾値期間以下になるように、飛行計画を最適化する。
【0082】
最適化処理部131は、例えば、最適化指標が、危険のレベルを示す危険度レベルである場合に、飛行の開始時刻(出発時刻)をずらして、危険度レベルが最小になるように、又は、危険度レベルが閾値レベル以下になるように、飛行計画を最適化する。
【0083】
なお、最適化処理部131は、複数の最適化指標を組み合わせて飛行計画を最適化してもよい。また、利用者端末40から受信した利用者の要求に応じて、消費電力と、飛行時間と、危険度レベルとの最適化の優先順位を変更するようにしてもよい。
【0084】
また、最適化処理部131は、飛行経路が緯度及び経度の2次元位置情報を含み、高度情報を含まない場合に、飛行の開始時刻(出発時刻)とともに、高度情報を変更して、飛行計画を最適化するようにしてもよい。
【0085】
また、最適化処理部131は、開始時刻(出発時刻)を変更して、飛行計画を最適化する場合に、飛行順序パターンを決定する場合よりも短い期間(例えば、3時間後までの期間)の解析風況情報を使用する。
【0086】
ここで、
図10、
図11、
図12、及び
図13を参照して、本実施形態における時刻情報を変更した最適化処理について説明する。
図10及び
図11は、本実施形態における時刻情報を変更した最適化処理の一例を示す図である。
【0087】
図10及び
図11に示す図は、風速を色の濃淡により可視化したヒートマップ図である。ヒートマップ図の縦軸は、海抜高度を示し、横軸は、平面の位置及び時刻を示している。また、ヒートマップ図内の矢印は、風向を示している。
【0088】
また、
図10と
図11とでは、同一の飛行順序パターンであり、時刻情報の変更として、飛行の開始時刻をずらしている。
最適化処理部131は、飛行の開始時刻(出発時刻)をずらして、
図10及び
図11のそれぞれの飛行順序パターンの消費電力を算出し、消費電力が小さい方の飛行の開始時刻(出発時刻)を採用する。
【0089】
最適化処理部131は、このような処理を、複数回、飛行の開始時刻(出発時刻)をずらして実行し、消費電力が最小になるように、ドローンの飛行計画を最適化する。
最適化処理部131は、最適化したドローンの飛行計画を、例えば、
図7に示すように、飛行計画記憶部125に記憶させる。
【0090】
また、
図12及び
図13は、本実施形態における時刻情報を変更したドローンの飛行イメージの一例を示す図である。
図12及び
図13は、飛行の開始時刻(出発時刻)をずらした場合のドローンの飛行イメージを示している。ここでは、ドローンDRは、左側から右側に向かって飛行しているものとする。
【0091】
図12及び
図13において、飛行順序パターンの開始時刻(出発時刻)がずれているため、
図12と
図13とでは、ドローンDRの飛行位置が異なる。
図12に示すドローンDRが、移動方向に対して順風で、比較的弱風の空域を飛行しているのに対して、
図13に示すドローンDRは、移動方向に対して逆風で、強風の空域を飛行している。この場合、
図13に示す場合の方が、
図12に示す場合より、消費電力が大きくなる。
【0092】
再び、
図2の説明に戻り、飛行計画指示部132は、最適化処理部131が生成したドローンの飛行計画を、NW通信部11を介して、外部装置に送信する。飛行計画指示部132は、飛行計画記憶部125が記憶するドローンの飛行計画を、NW通信部11を介して、利用者端末40に送信して、利用者端末40の表示部43に表示させる。
【0093】
また、飛行計画指示部132は、飛行計画を、ドローンの不図示の操縦装置(例えば、リモコン装置)に送信してもよい。また、ドローンが、オートパイロット可能(自動操縦可能)である場合には、飛行計画指示部132は、ドローンの制御部に、飛行計画を送信してもよい。
【0094】
分析処理部133は、NW通信部11を介して、利用者端末40から受信した分析条件に応じて、飛行計画に分析処理を実行し、分析結果を、利用者端末40に送信する。分析処理部133は、例えば、分析条件として、飛行順序パターンの飛行の開始時刻を指定して、最適化指標を算出して、
図14に示すように、算出結果を比較した画像データを生成し、利用者端末40の表示部43に表示させるようにしてもよい。
【0095】
図14は、本実施形態における時刻情報を変更した分析処理の一例を示す図である。
図14に示すように、分析処理部133は、分析条件として、飛行順序パターンの飛行の開始時刻を指定して、予測消費電力、CO2(二酸化炭素)の排出量、危険度レベル(安全性)、配送期間(飛行時間)を算出して、算出結果を比較する画像G1を生成し、利用者端末40に送信する。利用者端末40の端末制御部45は、画像G1を、表示部43に表示する。
【0096】
なお、画像G1において、画像G11及び画像G12は、時刻情報を変更したヒートマップ図であり、画像G11及び画像G12を表示することで、視覚的に、分析結果を比較可能である。
【0097】
また、画像G1には、予測消費電力、CO2(二酸化炭素)の排出量、危険度レベル(安全性)、及び配送期間(飛行時間)の分析結果の表示とともに、例えば、“実績消費電力:220wh(80kwh節約)”のように、消費電力の実績結果、及び、実際の節約結果を表示するようにしてもよい。
【0098】
また、分析処理部133は、例えば、画像G11に示すようなヒートマップ図において、画像上で、飛行順序パターンの開始時刻をスライドさせて、開始時刻に応じた、予測消費電力、CO2(二酸化炭素)の排出量、危険度レベル(安全性)、配送期間(飛行時間)、等を算出して、表示部43に表示させるようにしてもよい。
【0099】
次に、図面を参照して、本実施形態による飛行支援システム1の動作について説明する。
図15は、本実施形態における飛行支援システム1の最適化処理の一例を示すフローチャートである。
【0100】
図15に示すように、飛行支援システム1の飛行支援装置10は、飛行情報を取得する(ステップS101)。飛行支援装置10の制御部13は、NW通信部11を介して、利用者端末40から、飛行情報を取得する。制御部13は、取得した飛行情報を、例えば、
図4に示すように、飛行情報記憶部121に記憶させる。
【0101】
次に、制御部13は、解析データ(解析風況情報)を含む風況情報を取得する(ステップS102)。制御部13は、NW通信部11を介して、風況収集サーバ30から、風況情報を取得し、取得した風況情報を、風況情報記憶部124に記憶させる。
【0102】
次に、制御部13の最適化処理部131は、飛行情報、風況情報、及び飛行経路に基づいて、飛行順序パターンを決定する(ステップS103)。最適化処理部131は、飛行情報に含まれる到着地点情報から、飛行順序の組合せの分の複数の飛行順序パターンを生成する。また、最適化処理部131は、最適化指標(例えば、消費電力)が最小になる最適な飛行順序パターンを決定する。
【0103】
次に、最適化処理部131は、飛行順序パターンの出発時刻をずらして最適化した飛行計画を生成する(ステップS104)。最適化処理部131は、飛行順序パターンの出発時刻をずらした場合の最適化指標(例えば、消費電力)の値を算出し、最適化指標(例えば、消費電力)の値が最小になるドローンの飛行計画を決定する。最適化処理部131は、最適化した飛行計画を、飛行計画記憶部125に記憶させる。
【0104】
次に、制御部13の飛行計画指示部132は、飛行計画を出力する(ステップS105)。飛行計画指示部132は、飛行計画記憶部125が記憶するドローンの飛行計画を、NW通信部11を介して、例えば、利用者端末40に送信して、利用者端末40の表示部43に表示させる。ステップS105の処理後に、制御部13は、最適化処理を終了する。
【0105】
なお、上述した
図15に示す例では、最適化指標に消費電力を用いる例を説明したが、飛行時間、及び危険度レベルを用いた場合も同様である。
【0106】
次に、
図16を参照して、本実施形態による飛行支援システム1の分析処理について説明する。
【0107】
図16に示すように、飛行支援装置10の分析処理部133は、分析モード要求を受信したか否かを判定する(ステップS201)。分析処理部133は、NW通信部11を介して、利用者端末40から分析モードを要求する分析モード要求を受信したか否かを判定する。分析処理部133は、分析モード要求を受信した場合(ステップS201:YES)に、処理をステップS202に進める。また、分析処理部133は、分析モード要求を受信していない場合(ステップS201:NO)に、処理をステップS201に戻す。
【0108】
ステップS202において、分析処理部133は、分析条件を取得する。分析処理部133は、NW通信部11を介して、利用者端末40から分析条件(例えば、飛行の開始時刻の指定、比較対象の指定など)を受信する。
【0109】
次に、分析処理部133は、分析条件に基づいて、最適化指標の値である最適化指標値を算出する(ステップS203)。分析処理部133は、例えば、予測消費電力、危険度レベル(安全性)、配送期間(飛行時間)などを算出する。
【0110】
次に、分析処理部133は、分析結果を出力する(ステップS204)。分析処理部133は、例えば、
図14の画像G1のような出力結果を、NW通信部11を介して、利用者端末40に送信し、例えば、利用者端末40の表示部43に表示させる。
【0111】
次に、分析処理部133は、分析モードを終了するか否かを判定する(ステップS205)。分析処理部133は、NW通信部11を介して、利用者端末40から分析モードの終了要求を受信したか否かで、分析モードを終了するか否かを判定する。分析処理部133は、分析モードを終了する場合(ステップS205:YES)に、分析処理を終了する。また、分析処理部133は、分析モードを終了しない場合(ステップS205:NO)に、処理をステップS202に戻す。
【0112】
以上説明したように、本実施形態による飛行支援システム1は、風況収集サーバ30(風況収集部)と、飛行経路記憶部122と、最適化処理部131とを備える。風況収集サーバ30は、ドップラーライダー20(風況検出装置)が検出した風向及び風速を含む風況を収集し、収集した風況及び気象情報の少なくとも一方に基づいて、将来の風況を解析し、時刻情報と、位置情報と、位置情報に対応する将来の風況とを含む風況情報を生成する。飛行経路記憶部122は、出発地点の場所を示す出発地点情報と、到着地点の場所を示す到着地点情報と、ドローン(飛行体)が出発地点の場所から到着地点の場所に向かって飛行した場合に予め設定された飛行経路とを対応付けた経路情報を記憶する。最適化処理部131は、到着地点情報を含む飛行情報と、風況収集サーバ30が生成した風況情報と、飛行経路記憶部122が記憶する経路情報とに基づいて、ドローンの飛行計画を最適化する。最適化処理部131は、風況情報と、経路情報とに基づいて、飛行情報に対応する到着地点の場所を巡回する飛行順序を示す飛行順序パターンを決定する。最適化処理部131は、飛行順序パターンの飛行の開始時刻を変更して、飛行順序パターンと、風況情報と、経路情報とに基づく最適化指標(例えば、消費電力、飛行時間、危険度レベルなど)により、開始時刻及び飛行順序パターンを含む飛行計画を最適化する。
【0113】
これにより、本実施形態による飛行支援システム1は、ドローンの飛行運航において、例えば、最適化指標を用いて、時間経過を含む風況の変化に対応した最適な飛行計画を生成するができ、ドローンの飛行運航において、最適な飛行計画を提供することができる。よって、本実施形態による飛行支援システム1は、ドローンの飛行運航の効率を向上させることができる。
【0114】
また、本実施形態による飛行支援システム1は、飛行経路が予め設定されており、飛行順序パターンの飛行の開始時刻を変更して、最適化するため、最適化処理を簡略化することができ、最適化処理の処理量(計算量)を低減することができる。
【0115】
また、本実施形態では、最適化指標には、消費電力が含まれる。最適化処理部131は、消費電力が最小になるように、飛行計画を最適化する。また、最適化処理部131は、消費電力が閾値電力以下になるように、飛行計画を最適化してもよい。
【0116】
これにより、本実施形態による飛行支援システム1は、ドローンの運航において、消費電力を低減することができるため、消費電力を低減した効率の良いドローンの運航を行うことができる。
【0117】
また、本実施形態では、最適化指標には、飛行時間が含まれる。最適化処理部131は、飛行時間が最小になるように、飛行計画を最適化する。また、最適化処理部131は、飛行時間が閾値期間以下になるように、飛行計画を最適化してもよい。
【0118】
これにより、本実施形態による飛行支援システム1は、飛行時間を低減することができるため、飛行時間を低減した効率の良いドローンの運航を行うことができる。
【0119】
また、本実施形態では、最適化指標には、危険のレベルを示す危険度レベルが含まれる。最適化処理部131は、危険度レベルが閾値レベル以下になるように、飛行計画を最適化する。
【0120】
これにより、本実施形態による飛行支援システム1は、危険度レベルを低減することができるため、安全で安定した効率の良いドローンの運航を行うことができる。
【0121】
また、本実施形態では、最適化指標には、消費電力と、飛行時間と、危険のレベルを示す危険度レベルとが含まれてもよい。最適化処理部131は、利用者の要求に応じて、消費電力と、飛行時間と、危険度レベルとの最適化の優先順位を変更してもよい。
【0122】
これにより、本実施形態による飛行支援システム1は、利用者の要求に応じて、優先すべき最適化指標を変更することができ、例えば、通常は、消費電力を優先し、繁忙期に飛行時間を優先するなど、柔軟、且つ、効率よくドローンの運航を行うことができる。
【0123】
また、本実施形態では、最適化処理部131は、最適化指標に基づいて、飛行順序パターンを決定する。
これにより、本実施形態による飛行支援システム1は、最適な飛行順序パターンの決定することができ、さらに効率の良いドローンの運航を行うことができる。
【0124】
また、本実施形態では、位置情報は、緯度、経度、及び高度の3次元位置情報である。風況収集サーバ30は、時刻情報と、3次元位置情報と、風況とを対応付けた風況情報を生成する。
【0125】
これにより、本実施形態による飛行支援システム1は、3次元位置情報による高精度の風況情報を用いることができ、飛行計画の最適化の精度を向上させることができる。
【0126】
また、本実施形態では、飛行経路は、緯度及び経度の2次元位置情報を含むものであってもよい。この場合、最適化処理部131は、開始時刻の変更の他に、飛行高度を変更して、飛行順序パターンの決定、及び飛行計画を最適化するようにしてもよい。
これにより、本実施形態による飛行支援システム1は、飛行高度を含めてより柔軟に、飛行計画を最適化することができる。
【0127】
また、本実施形態による飛行支援装置10は、飛行経路記憶部122と、最適化処理部131とを備える。飛行経路記憶部122は、出発地点の場所を示す出発地点情報と、到着地点の場所を示す到着地点情報と、ドローン(飛行体)が出発地点の場所から到着地点の場所に向かって飛行した場合に予め設定された飛行経路とを対応付けた経路情報を記憶する。最適化処理部131は、到着地点情報を含む飛行情報と、ドップラーライダー20が検出した風向及び風速を含む風況に基づいて解析した将来の風況と、時刻情報と、位置情報とを含む風況情報と、飛行経路記憶部122が記憶する経路情報とに基づいて、ドローンの飛行計画を最適化する。最適化処理部131は、風況情報と、経路情報とに基づいて、飛行情報に対応する到着地点の場所を巡回する飛行順序を示す飛行順序パターンを決定する。最適化処理部131は、飛行順序パターンの飛行の開始時刻を変更して、飛行順序パターンと、風況情報と、経路情報とに基づく最適化指標(例えば、消費電力、飛行時間、危険度レベルなど)により、開始時刻及び飛行順序パターンを含む飛行計画を最適化する。
【0128】
これにより、本実施形態による飛行支援装置10は、上述した飛行支援システム1と同様の効果を奏し、ドローンの飛行運航において、最適な飛行計画を提供することができ、ドローンの飛行運航の効率を向上させることができる。
【0129】
また、本実施形態による飛行支援方法は、上述した飛行経路記憶部122を備える飛行支援システム1の飛行支援方法である。本実施形態による飛行支援方法では、風況収集サーバ30が、ドップラーライダー20が検出した風向及び風速を含む風況を収集し、収集した風況に基づいて、将来の風況を解析し、時刻情報と、位置情報と、位置情報に対応する将来の風況とを含む風況情報を生成し、最適化処理部131が、到着地点情報を含む飛行情報と、風況収集サーバ30が生成した風況情報と、飛行経路記憶部122が記憶する経路情報とに基づいて、ドローン(飛行体)の飛行計画を最適化する最適化処理を実行する。また、最適化処理部131は、最適化処理において、風況情報と、経路情報とに基づいて、飛行情報に対応する到着地点の場所を巡回する飛行順序を示す飛行順序パターンを決定し、飛行順序パターンの飛行の開始時刻を変更して、飛行順序パターンと、風況情報と、経路情報とに基づく最適化指標により、開始時刻及び飛行順序パターンを含む飛行計画を最適化する。
【0130】
これにより、本実施形態による飛行支援方法は、上述した飛行支援システム1と同様の効果を奏し、ドローンの飛行運航において、最適な飛行計画を提供することができ、ドローンの飛行運航の効率を向上させることができる。
【0131】
なお、本開示は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記の実施形態において、風況検出装置の一例として、ドップラーライダー20を用いる例を説明したが、これに限定されるものではない。風況検出装置は、例えば、ドップラーレーダー、又はドップラーソーダーなどの他の装置を用いてもよい。
【0132】
また、上記の実施形態において、飛行体がドローンである例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、eVTOL(electric Vertical Take-Off and Landing)など有人飛行体でもよい。また、ドローンは、オートパイロット可能な無人飛行体であってもよい。
【0133】
また、上記の実施形態において、飛行支援システム1は、風況情報を用いて飛行計画を最適化する例を説明したが、これに限定されるものではない。飛行支援システム1は、例えば、風況情報の他に、雨、雪、雷、霧などの気象情報を組み合わせて用いてもよい。
【0134】
また、上記の実施形態において、危険度レベルの算出要素として、人流、及び風速度を用いる例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、列車、飛行機の運航時間帯、繁忙期、閑散期、気象情報、等を用いてもよい。
【0135】
また、上記の実施形態において、風況収集サーバ30が、飛行支援装置10と異なる装置として備える構成例を説明したが、これに限定されるものではなく、飛行支援装置10が、風況収集サーバ30の機能を備えるようにしてもよい。
【0136】
また、上記の実施形態において、飛行支援装置10が備える記憶部12の一部、又は全部の構成を、飛行支援装置10の外部に備えるようにしてもよい。また、飛行支援装置10は、複数の装置(サーバ装置)により構成されてもよい。
【0137】
また、上記の実施形態において、最適化処理部131は、1つの飛行順序パターンを決定した後に、開始時刻を変更して、飛行計画を最適化する例を説明したが、これに限定されるものではない。最適化処理部131は、例えば、飛行情報に含まれる再送先の全ての組合せの飛行順序パターンを決定し、全ての組合せの飛行順序パターンに対して、開始時刻を変更して、最適な飛行順序パターンを決定し、最適な飛行順序パターンによる飛行計画を生成するようにしてもよい。
【0138】
また、上記の実施形態において、最適化処理部131は、生成した飛行計画の予測値(例えば、消費電力、及び飛行時間)と、実績値(例えば、消費電力、及び飛行時間)とに差分がある場合に、予測値と実績値との差分に基づいて、補正を行うようにしてもよい。これにより、ドローンの飛行計画の生成精度をさらに向上させることができる。
【0139】
また、最適化処理部131は、定期的に、最新の風況情報を取得して、定期的に、飛行計画の見直しを行うようにしてもよい。
【0140】
また、最適化に使用されるアルゴリズムは、例えば、下記の(1)~(5)などのアルゴリズムを使用してもよい。
(1)線形計画法用に設計されたシンプレックスアルゴリズム
(2)二次計画法および一次分数プログラミング用に設計された拡張シンプレックスアルゴリズム
(3)ネットワークの最適化に特に適したシンプレックスアルゴリズムのバリエーション
(4)組み合わせアルゴリズム
(5)量子最適化アルゴリズム
【0141】
また、上記の実施形態において、風況収集サーバ30は、ドップラーライダー20が検出した風況を収集して解析する例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、各国の気象機関又は民間気象会社から提供される情報を用いてもよい。
【0142】
なお、上述した飛行支援システム1が備える各構成は、内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した飛行支援システム1が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述した飛行支援システム1が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS及び周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0143】
また、「コンピュータシステム」は、インターネット、WAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0144】
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に飛行支援システム1が備える各構成で合体される構成、又は分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバ又はクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0145】
1…飛行支援システム、10…飛行支援装置、11,31,41…NW通信部、12…記憶部、13…制御部、20…ドップラーライダー、30…風況収集サーバ、32…サーバ記憶部、33…サーバ制御部、40…利用者端末(API含む)、42…入力部、43…表示部、44…端末記憶部、45…端末制御部、121…飛行情報記憶部、122…飛行経路記憶部、123…飛行順序記憶部、124…風況情報記憶部、125…飛行計画記憶部、131…最適化処理部、132…飛行計画指示部、133…分析処理部、331…風況情報収集部、332…風況解析処理部、DR…ドローン、H11,H31,H41…NWアダプタ、H12,H32,H42…メモリ、H13,H33,H43…プロセッサ、H44…入力デバイス、H45…ディスプレイ