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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-10
(45)【発行日】2025-04-18
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   B61C 17/00 20060101AFI20250411BHJP
【FI】
B61C17/00 E
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2024515248
(86)(22)【出願日】2022-04-13
(86)【国際出願番号】 JP2022017748
(87)【国際公開番号】W WO2023199445
(87)【国際公開日】2023-10-19
【審査請求日】2024-03-12
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100131152
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148149
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100181618
【弁理士】
【氏名又は名称】宮脇 良平
(74)【代理人】
【識別番号】100174388
【弁理士】
【氏名又は名称】龍竹 史朗
(72)【発明者】
【氏名】高林 宏和
(72)【発明者】
【氏名】増山 孝弘
【審査官】林 政道
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/199252(WO,A1)
【文献】特開2000-092819(JP,A)
【文献】特開2003-079164(JP,A)
【文献】特開2004-088845(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61C 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の屋根に設置され、鉛直方向上部に開口が形成され、通電時に発熱する複数の電子部品を収容する筐体と、
前記複数の電子部品が第1主面に取り付けられ、前記筐体の前記開口を前記第1主面で塞いだ状態で前記筐体に取り付けられる伝熱性のベースと、
前記ベースの前記第1主面と反対に位置する第2主面に取り付けられ、前記ベースを介して前記複数の電子部品から伝達される熱を周囲の空気に放熱する複数の放熱部材と、を備え、
前記第1主面の内、前記車両の屋根上における車両限界までの距離が第1閾値以上の領域である第1中心領域に取り付けられる前記電子部品の発熱量の合計は、前記第1主面の内、前記第1中心領域を前記車両の幅方向に挟んで位置し、前記車両限界までの距離が前記第1閾値未満の領域である第1端部領域に取り付けられる前記電子部品の発熱量の合計より大きく、
前記第2主面の内、前記車両限界までの距離が第2閾値以上の領域である第2中心領域に取り付けられる前記放熱部材の表面積の合計は、前記第2主面の内、前記第2中心領域を前記幅方向に挟んで位置し、前記車両限界までの距離が前記第2閾値未満の領域である第2端部領域に取り付けられる前記放熱部材の表面積の合計より大きく、
前記第1中心領域の面積と前記第1端部領域の面積の合計とは等しいとみなせる、
電子機器。
【請求項2】
前記複数の放熱部材は、前記第2主面から離れる方向に前記車両限界に含まれる長さで延伸し、前記第2主面から離れる方向に熱を伝達する複数の第1伝熱部材と、前記複数の第1伝熱部材に取り付けられる複数のフィンを有し、
前記第2中心領域に取り付けられる前記第1伝熱部材および該第1伝熱部材に取り付けられる前記フィンの表面積の合計は、前記第2端部領域に取り付けられる前記第1伝熱部材および該第1伝熱部材に取り付けられる前記フィンの表面積の合計より大きい、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記第2中心領域に取り付けられる前記第1伝熱部材の延伸方向の長さは、前記第2端部領域に取り付けられる前記第1伝熱部材の延伸方向の長さより長い、
請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記第2中心領域に取り付けられる前記第1伝熱部材に取り付けられる前記フィンの枚数は、前記第2端部領域に取り付けられる前記第1伝熱部材に取り付けられる前記フィンの枚数より多い、
請求項2に記載の電子機器。
【請求項5】
前記複数の放熱部材は、主面が前記車両の進行方向に沿う向きで、前記幅方向に並べられて前記第2主面に取り付けられる複数のフィンを備え、
前記第2中心領域に取り付けられる前記フィンの表面積は、前記第2端部領域に取り付けられる前記フィンの表面積より大きい、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
前記第1中心領域に取り付けられる前記電子部品の個数は、前記第1端部領域に取り付けられる前記電子部品の個数より多い、
請求項1から5のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記複数の電子部品は、複数の第1電子部品と発熱量が増大するタイミングが前記第1電子部品のいずれとも異なる複数の第2電子部品とで構成され、
前記第1電子部品と前記第2電子部品は、前記車両の進行方向に互いに隣接した位置で前記ベースに取り付けられる、
請求項1から5のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項8】
前記複数の第1電子部品は、供給される交流電力を直流電力に変換し、出力するコンバータが有する複数のスイッチング素子を含み、
前記複数の第2電子部品は、前記コンバータが出力する直流電力を交流電力に変換し、出力するインバータが有する複数のスイッチング素子を含む、
請求項7に記載の電子機器。
【請求項9】
前記複数の第1電子部品の一部は、前記第1中心領域の内、前記第2電子部品を前記車両の進行方向に挟む位置に取り付けられ、
前記複数の第1電子部品の他の一部は、前記第1端部領域の内、前記第2電子部品に前記車両の進行方向に隣接する位置に取り付けられる、
請求項8に記載の電子機器。
【請求項10】
前記車両の進行方向に延伸し、前記ベースに取り付けられる複数の第2伝熱部材をさらに備える、
請求項1から4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項11】
前記第2伝熱部材は、前記ベースの前記第2主面に取り付けられる、
請求項10に記載の電子機器。
【請求項12】
前記第2中心領域の面積と前記第2端部領域の面積の合計とは等しいとみなせる、
請求項1から5のいずれか1項に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両に搭載される電子機器、例えば、電力変換装置は、電子部品で生じた熱を、冷却器を介して車両の走行によって生じる走行風に放熱することで、電子部品を冷却する。この種の電子機器の一例が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示される電力変換装置は、鉄道車両の走行時に生じる走行風を冷却器の間に流すことで、電力変換装置の筐体内部に収容されている電子部品、例えば、半導体素子を冷却する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-112690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている電力変換装置において、冷却対象である半導体素子は、ベースの一方の主面に等間隔で並べて取り付けられている。電力変換装置を鉄道車両の屋根上に取り付けるためには、鉄道車両の車両限界に応じて、鉄道車両の幅方向における端部に設けられる冷却器の鉛直方向の長さを、鉄道車両の幅方向の中心に設けられる冷却器の鉛直方向の長さより短くする必要がある。この結果、鉄道車両の幅方向の端部における冷却器の冷却性能は、鉄道車両の幅方向の中心における冷却器の冷却性能より低くなる。このため、特許文献1に開示される電力変換装置を屋根上に設置した際には、鉄道車両の幅方向の端部においてベースに取り付けられる電子部品は十分に冷却されない。
【0005】
本開示は上述の事情に鑑みてなされたものであり、電子部品の冷却性能が高い電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示の電子機器は、筐体と、伝熱性のベースと、複数の放熱部材と、を備える。筐体は、車両の屋根に設置され、鉛直方向上部に開口が形成され、通電時に発熱する複数の電子部品を収容する。ベースの第1主面には、複数の電子部品が取り付けられる。ベースは、筐体の開口を第1主面で塞いだ状態で筐体に取り付けられる。複数の放熱部材は、ベースの第1主面と反対に位置する第2主面に取り付けられ、ベースを介して複数の電子部品から伝達される熱を周囲の空気に放熱する。第1主面の内、車両の屋根上における車両限界までの距離が第1閾値以上の領域である第1中心領域に取り付けられる電子部品の発熱量の合計は、第1主面の内、第1中心領域を幅方向に挟んで位置し、車両限界までの距離が第1閾値未満の領域である第1端部領域に取り付けられる電子部品の発熱量の合計より大きい。第2主面の内、車両限界までの距離が第2閾値以上の領域である第2中心領域に取り付けられる放熱部材の表面積の合計は、第2主面の内、第2中心領域を幅方向に挟んで位置し、車両限界までの距離が第2閾値未満の領域である第2端部領域に取り付けられる放熱部材の表面積の合計より大きい。第1中心領域の面積と第1端部領域の面積の合計とは等しいとみなせる。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る電子機器において、第1中心領域における電子部品の発熱量の合計は、第1端部領域における電子部品の発熱量の合計より大きい。第2中心領域における放熱部材の表面積の合計は、第2端部領域における放熱部材の表面積の合計より大きい。この結果、電子部品の冷却性能が高い電子機器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態に係る電子機器のブロック図
図2】実施の形態に係る電子機器の車両への搭載例を示す図
図3】実施の形態に係る電子機器の図2におけるIII-III線での矢視断面図
図4】実施の形態に係る電子機器の図3におけるIV-IV線での矢視断面図
図5】実施の形態に係るベースへの電子部品の取付例を示す図
図6】実施の形態に係るベースの上面図
図7】実施の形態に係る電子機器の変形例の断面図
図8】実施の形態に係るベースへの電子部品の取付の他の例を示す図
図9】実施の形態に係るベースへの電子部品の取付の他の例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態に係る電子機器について図面を参照して詳細に説明する。なお図中、同一または同等の部分には同一の符号を付す。
【0010】
電子機器の一例に、鉄道車両に搭載されて、交流電源から供給される交流電力を負荷に供給するための交流電力に変換して、変換した交流電力を負荷装置に供給する電力変換装置がある。鉄道車両の屋根に搭載され、鉄道車両の走行によって生じる鉄道車両の進行方向と反対方向に向かう空気の流れである走行風、および自然対流を利用して電子部品を冷却する電力変換装置を例にして、実施の形態に係る電子機器1について説明する。
【0011】
図1に示す電子機器1は、交流き電方式の鉄道車両に搭載され、供給される交流電力を、負荷装置の一例である電動機61に適した交流電力に変換し、変換した交流電力を電動機61に供給する。電動機61は、例えば、鉄道車両の推進力を生じさせる三相誘導電動機である。鉄道車両の走行時、具体的には、力行運転時に、電子機器1が電動機61に電力を供給することで、鉄道車両の推進力が生じる。
【0012】
電子機器1の各部について以下に説明する。電子機器1は、電源に接続される入力端子1aと、接地される入力端子1bと、を備える。電子機器1はさらに、入力端子1aに接続される電源から供給される交流電力を降圧する変圧器11と、変圧器11で降圧された交流電力を直流電力に変換するコンバータ12と、コンバータ12が出力する直流電力で充電されるコンデンサC1,C2と、コンデンサC1,C2を介して入力される直流電力を交流電力に変換するインバータ13と、を備える。
【0013】
入力端子1aは、例えば、電力供給線を介して変電所から供給される交流電力を取得する集電装置に電気的に接続される。電力供給線は、例えば、架線または第三軌条である。集電装置は、例えば、パンタグラフまたは集電靴である。入力端子1bは、図示しない接地ブラシ、接地リング、車輪等を介してレールに短絡されることで、接地される。
【0014】
変圧器11は、一端が入力端子1aに接続され、他端が入力端子1bに接続される一次巻線と、コンバータ12に接続される二次巻線と、を有する。例えば、変圧器11は、集電装置から供給される25kVの単相交流電力を1520Vの単相交流電力に降圧し、降圧した交流電力をコンバータ12に供給する。
【0015】
コンバータ12は、直列に接続された4つのスイッチング素子SW1と、直列に接続された2つのダイオードD1と、を備える。2つのダイオードD1は、4つのスイッチング素子SW1の内、中央の2つのスイッチング素子SW1に並列に接続される。4つのスイッチング素子SW1および2つのダイオードD1を含む回路をU相回路14とする。
【0016】
コンバータ12はさらに、直列に接続された4つのスイッチング素子SW2と、直列に接続された2つのダイオードD2と、を備える。2つのダイオードD2は、4つのスイッチング素子SW2の内、中央の2つのスイッチング素子SW2に並列に接続される。4つのスイッチング素子SW2および2つのダイオードD2を含む回路をV相回路15とする。
【0017】
4つのスイッチング素子SW1と4つのスイッチング素子SW2とは互いに並列に接続される。中央の2つのスイッチング素子SW1の接続点に変圧器11の二次巻線の一端が接続され、中央の2つのスイッチング素子SW2の接続点に変圧器11の二次巻線の他端が接続される。
【0018】
2つのダイオードD1の内、一方のダイオードD1のカソードは、U相回路14の上側アームに対応する2つのスイッチング素子SW1の接続点に接続される。一方のダイオードD1のアノードに他方のダイオードD1のカソードが接続される。他方のダイオードD1のアノードは、U相回路14の下側アームに対応する2つのスイッチング素子SW1の接続点に接続される。
【0019】
2つのダイオードD2の内、一方のダイオードD2のカソードは、V相回路15の上側アームに対応する2つのスイッチング素子SW2の接続点に接続される。一方のダイオードD2のアノードに他方のダイオードD2のカソードが接続される。他方のダイオードD2のアノードは、V相回路15の下側アームに対応する2つのスイッチング素子SW2の接続点に接続される。
【0020】
2つのダイオードD1の接続点および2つのダイオードD2の接続点はそれぞれ、コンデンサC1,C2の接続点に接続される。
【0021】
各スイッチング素子SW1,SW2は、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)と、アノードがIGBTのエミッタ端子に接続されて、カソードがIGBTのコレクタ端子に接続される還流ダイオードと、を有する。図示しない制御部からのゲート信号が、コンバータ12が備える各スイッチング素子SW1,SW2が有するIGBTのゲート端子に供給されて、IGBTのオンオフ、すなわち、各スイッチング素子SW1,SW2のオンオフが制御される。各スイッチング素子SW1,SW2のスイッチング動作によって、コンバータ12は、変圧器11から供給される交流電力を直流電力に変換する。
【0022】
コンデンサC1,C2は、直列に接続され、コンバータ12が出力する直流電力によって充電される。
【0023】
インバータ13は、直列に接続された4つのスイッチング素子SW3と、直列に接続された2つのダイオードD3と、を備える。2つのダイオードD3は、4つのスイッチング素子SW3の内、中央の2つのスイッチング素子SW3に並列に接続される。4つのスイッチング素子SW3および2つのダイオードD3を含む回路をU相回路16とする。
【0024】
インバータ13はさらに、直列に接続された4つのスイッチング素子SW4と、直列に接続された2つのダイオードD4と、を備える。2つのダイオードD4は、4つのスイッチング素子SW4の内、中央の2つのスイッチング素子SW4に並列に接続される。4つのスイッチング素子SW4および2つのダイオードD4を含む回路をV相回路17とする。
【0025】
インバータ13はさらに、直列に接続された4つのスイッチング素子SW5と、直列に接続された2つのダイオードD5と、を備える。2つのダイオードD5は、4つのスイッチング素子SW5の内、中央の2つのスイッチング素子SW5に並列に接続される。4つのスイッチング素子SW5および2つのダイオードD5を含む回路をW相回路18とする。
【0026】
各スイッチング素子SW3,SW4,SW5の構成は、スイッチング素子SW1,SW2と同様である。図示しない制御部からのゲート信号が、インバータ13が備える各スイッチング素子SW3,SW4,SW5が有するIGBTのゲート端子に供給されて、IGBTのオンオフ、すなわち、各スイッチング素子SW3,SW4,SW5のオンオフが制御される。各スイッチング素子SW3,SW4,SW5のスイッチング動作によって、インバータ13は、直流電力を三相交流電力に変換し、三相交流電力を電動機61に供給する。
【0027】
4つのスイッチング素子SW3と4つのスイッチング素子SW4と4つのスイッチング素子SW5とは互いに並列に接続される。中央の2つのスイッチング素子SW3の接続点、中央の2つのスイッチング素子SW4の接続点、および中央の2つのスイッチング素子SW5の接続点はそれぞれ、電動機61に接続される。
【0028】
2つのダイオードD3の内、一方のダイオードD3のカソードは、U相回路16の上側アームに対応する2つのスイッチング素子SW3の接続点に接続される。一方のダイオードD3のアノードに他方のダイオードD3のカソードが接続される。他方のダイオードD3のアノードは、U相回路16の下側アームに対応する2つのスイッチング素子SW3の接続点に接続される。
【0029】
2つのダイオードD4の内、一方のダイオードD4のカソードは、V相回路17の上側アームに対応する2つのスイッチング素子SW4の接続点に接続される。一方のダイオードD4のアノードに他方のダイオードD4のカソードが接続される。他方のダイオードD4のアノードは、V相回路17の下側アームに対応する2つのスイッチング素子SW4の接続点に接続される。
【0030】
2つのダイオードD5の内、一方のダイオードD5のカソードは、W相回路18の上側アームに対応する2つのスイッチング素子SW5の接続点に接続される。一方のダイオードD5のアノードに他方のダイオードD5のカソードが接続される。他方のダイオードD5のアノードは、W相回路18の下側アームに対応する2つのスイッチング素子SW5の接続点に接続される。
【0031】
2つのダイオードD3の接続点、2つのダイオードD4の接続点、および2つのダイオードD5の接続点はそれぞれ、コンデンサC1,C2の接続点に接続される。
【0032】
鉄道車両が走行している間は、コンバータ12およびインバータ13が動作しているため、スイッチング素子SW1,SW2,SW3,SW4,SW5はオンオフを繰り返し、すなわち、スイッチング動作を行い、発熱する。コンバータ12およびインバータ13の動作中には、ダイオードD1,D2,D3,D4,D5に電流が流れ、ダイオードD1,D2,D3,D4,D5は発熱する。そこで、電子機器1は、鉄道車両の走行時には走行風によってスイッチング素子SW1,SW2,SW3,SW4,SW5およびダイオードD1,D2,D3,D4,D5を含む電子部品を冷却し、鉄道車両の停止時には自然対流によってスイッチング素子SW1,SW2,SW3,SW4,SW5およびダイオードD1,D2,D3,D4,D5を含む電子部品を冷却するための構造を有する。
【0033】
電子機器1の構造の詳細について以下に説明する。図2に示すように、電子機器1は、車両100の屋根100aに設けられる。図2におけるIII-III線での矢視断面図である図3に示すように、電子機器1は、屋根100aに設置され、スイッチング素子SW1,SW2,SW3,SW4,SW5、およびダイオードD1,D2,D3,D4,D5を含む電子部品40を収容する筐体20を備える。電子機器1はさらに、電子部品40が第1主面21aに取り付けられ、筐体20の開口20aを塞いだ状態で筐体20に取り付けられる伝熱性のベース21を備える。電子機器1はさらに、ベース21の第2主面21bに取り付けられ、ベース21を介して電子部品40から伝達された熱を周囲の空気に放熱する複数の放熱部材22を備える。
【0034】
電子機器1は、複数の放熱部材22として、第2主面21bに取り付けられ、第2主面21bから離れる方向に延伸する複数の第1伝熱部材23と、複数の第1伝熱部材23に取り付けられる複数のフィン24と、を備える。
【0035】
放熱部材22、具体的には、第1伝熱部材23およびフィン24の破損を抑制するために、電子機器1は、第1伝熱部材23およびフィン24を覆って筐体20に取り付けられるカバー30をさらに備えることが好ましい。電子機器1はさらに、ベース21に取り付けられ、電子部品40の冷却の程度のばらつきを抑制する複数の第2伝熱部材25をさらに備えることが好ましい。
【0036】
図2および図3において、Z軸は、車両100が水平に位置している状態で、鉛直方向を示す。X軸は、車両100の進行方向を示す。Y軸は、車両100の幅方向を示す。X軸、Y軸、およびZ軸は互いに直交する。後続の図においても同様である。
【0037】
筐体20は屋根100aの鉛直方向上部に取り付けられる。筐体20は、鉄道車両の予想される最大振動を受けても変形しない程度の剛性と強度を有する。例えば、筐体20は、鉄、アルミニウム等の金属部材で形成される。筐体20の鉛直方向上部に開口20aが形成される。筐体20は、通電時に発熱する複数の電子部品40を収容する。
【0038】
ベース21は、第1主面21aが開口20aを塞ぐ向きで筐体20に取り付けられる。実施の形態では、ベース21は、熱伝導率の高い部材、例えば、鉄、アルミニウム等の金属部材、ファインセラミックス、グラファイト等で形成され、筐体20の外面に取り付けられる平板部材である。ベース21の第1主面21aに、発熱する電子部品40、具体的には、スイッチング素子SW1,SW2,SW3,SW4,SW5およびダイオードD1,D2,D3,D4,D5が取り付けられる。第1主面21aの反対に位置する第2主面21bに複数の放熱部材22が取り付けられる。車両100が水平に位置している状態で、第1主面21aおよび第2主面21bは、水平になる。
【0039】
放熱部材22に含まれる第1伝熱部材23は、第2主面21bに取り付けられ、第2主面21bから離れる方向に延伸し、第2主面21bから離れる方向に熱を伝達する。第1伝熱部材23は、周囲の空気および該第1伝熱部材23に取り付けられるフィン24に熱を伝達する。
【0040】
図3および図3におけるIV-IV線での矢視断面図である図4に示すように、Z軸方向に延びる複数の第1伝熱部材23は、X軸方向およびY軸方向に並べられている。各第1伝熱部材23は、溶接、はんだ付け等の取付方法によって第2主面21bに取り付けられる。第1伝熱部材23は、例えば、熱伝導率の高い部材、例えば、鉄、アルミニウム等の金属部材で形成されるヒートパイプである。
【0041】
図3に示すように、第1伝熱部材23のZ軸方向の長さは、車両100の進行方向に直交する断面、すなわちYZ平面における車両限界L0に含まれる長さに設定される。YZ平面において、車両限界L0は、複数の線分で示される。車両限界L0は、車両100の最大寸法を示す。実施の形態では、車両限界L0に応じて、第1伝熱部材23のZ軸方向の長さが異なる。具体的には、Y軸方向の両端部それぞれに位置する第1伝熱部材23のZ軸方向の長さは、Y軸方向の中央に位置する第1伝熱部材23のZ軸方向の長さより短い。
【0042】
放熱部材22に含まれるフィン24は、主面が第2主面21bに沿う向きで複数の第1伝熱部材23に取り付けられる。詳細には、フィン24に形成された貫通孔に各第1伝熱部材23が挿通された状態で、フィン24は複数の第1伝熱部材23に取り付けられる。第1伝熱部材23に取り付けられたフィン24は、ベース21および第1伝熱部材23を介して電子部品から伝達された熱を周囲の空気に放熱する。実施の形態では、フィン24は、熱伝導率の高い部材、例えば、鉄、アルミニウム等の金属部材、ファインセラミックス、グラファイト等で形成される平板部材である。車両100が水平に位置している状態で、フィン24の主面は水平になる。
【0043】
車両100の走行時における電子部品40の冷却性能を高めるため、フィン24の主面は、X軸に平行であることが好ましい。車両100の走行時に生じる走行風はX軸方向に流れるため、フィン24の主面をX軸に平行にすることで、フィン24からフィン24の間を流れる走行風に熱を効率よく伝達することができる。この結果、電子部品40を効率よく冷却することが可能となる。
【0044】
X軸方向に延びる複数の第2伝熱部材25がY軸方向に並べて設けられる。第2伝熱部材25は、ベース21に埋め込まれている。第2伝熱部材25は、熱伝導率の高い部材、例えば、鉄、アルミニウム等の金属部材で形成されるヒートパイプである。各第2伝熱部材25に対して複数の第1伝熱部材23が取り付けられ、連通している。第1伝熱部材23および第2伝熱部材25の内部には、常温で気液二相の状態で存在する冷媒が封入されている。冷媒は、例えば、水である。
【0045】
車両100の走行時には、車両100の進行方向の前方でフィン24から伝達された熱で暖められた走行風が車両100の進行方向の後方に流れる。このため、電子機器1において、車両100の進行方向の後方に位置する電子部品40は、車両100の進行方向の前方に位置する電子部品40と比べて十分に冷却されないことがある。上述のようにX軸方向に延びる第2伝熱部材25が設けられ、第2伝熱部材25の内部で冷媒の対流が生じることで、X軸方向に熱が分散され、X軸方向に並んで設けられる電子部品40の冷却のばらつきが抑制される。
【0046】
カバー30は、ベース21および放熱部材22を覆って、筐体20に取り付けられる。カバー30のX軸に沿う面には、外部の空気をカバー30の内部に流入させ、放熱部材22およびフィン24の近傍を流れた空気をカバー30の外部に流出させるための複数の通風孔30aが形成される。図4に示すように、カバー30のX軸に交差する面には、外部の空気をカバー30の内部に流入させ、第1伝熱部材23およびフィン24の近傍を流れた空気をカバー30の外部に流出させるための複数の通風孔30bが形成される。
【0047】
上記構成を有する電子機器1が備える電子部品40の冷却について以下に説明する。電子部品40で生じた熱は、ベース21および第2伝熱部材25を介して冷媒に伝達される。この結果、冷媒は気化する。気化した冷媒は第2伝熱部材25から第1伝熱部材23に流入し、第1伝熱部材23の内部をZ軸正方向に移動する。冷媒は、Z軸正方向に移動しながら熱を第1伝熱部材23およびフィン24を介して、放熱部材22の周囲の空気に伝達することで冷却され、液化する。液化した冷媒は第1伝熱部材23の内壁を伝ってZ軸負方向に移動し、第2伝熱部材25に戻る。上述のように冷媒が気化と液化を繰り返しながら循環することで、電子部品40で生じた熱が放熱部材22の周囲の空気に伝達され、発熱している電子部品40が冷却される。
【0048】
例えば車両100がX軸正方向に走行する場合、X軸負方向に流れる走行風が生じる。走行風は、図4に示す通風孔30bを通ってカバー30の内部に流入し、フィン24の間を通って、通風孔30bからカバー30の外部に流出する。走行風がフィン24の間を通ることで、フィン24から走行風に熱が伝達されて、電子部品40が冷却される。
【0049】
車両100の停止中は、走行風は生じない。カバー30の内部の空気はフィン24から熱を伝達されて暖められて、フィン24に沿って流れて、フィン24の間を鉛直方向上方に移動する。鉛直方向上方に移動した空気は、図3に示すカバー30の鉛直方向上方に形成された通風孔30aを通ってカバー30の外部に流出する。カバー30の内部の空気が通風孔30aを通って流出すると、図3および図4に示す通風孔30aおよび通風孔30bを通ってカバー30の外部の空気がカバー30の内部に流入する。このように自然対流を利用して、車両100の停止時にも電子部品40を冷却することが可能となる。
【0050】
電子部品40を効率よく冷却するための電子機器1の構造について以下に説明する。図3および図5に示すように、ベース21の第1主面21aを、第1主面21aのY軸方向の中心を含み、X軸方向に延びる第1中心領域41aと第1中心領域41aをY軸方向に挟んで第1主面21aのY軸方向の端部を含み、X軸方向に延びる第1端部領域41b,41cとに分ける。
【0051】
詳細には、第1主面21aにおいて、屋根上における車両限界L0までの距離が第1閾値以上の領域を第1中心領域41aとし、車両限界L0までの距離が第1閾値未満の領域を第1端部領域41b,41cとする。第1閾値を、例えば、第1主面21aの車両100の幅方向の端部から、ベース21の幅方向の長さの1/4だけ幅方向の中心に移動した位置における第1主面21aから車両限界L0までの距離とする。
【0052】
実施の形態では、第1中心領域41aの面積と第1端部領域41b,41cの面積の合計とは一致するとみなせる。面積が一致するとみなせるとは、面積比が0.95以上、かつ、1.05以下の範囲にあることを意味するものとする。
【0053】
図3に示すように、第1中心領域41aにおける第1主面21aと車両限界L0までの距離L1は、第1端部領域41bにおける第1主面21aと車両限界L0までの距離L2および第1端部領域41cにおける第1主面21aと車両限界L0までの距離L3のいずれよりも長い。
【0054】
図3および図6に示すように、ベース21の第2主面21bを、第2主面21bのY軸方向の中心を含み、X軸方向に延びる第2中心領域42aと第2中心領域42aをY軸方向に挟んで第2主面21bのY軸方向の端部を含み、X軸方向に延びる第2端部領域42b,42cとに分ける。図6において、図の複雑化を避けるため、フィン24の記載が省略されている。
【0055】
詳細には、第2主面21bにおいて、車両限界L0までの距離が第2閾値以上の領域を第2中心領域42aとし、車両限界L0までの距離が第2閾値未満の領域を第2端部領域42b,42cとする。第2閾値を、例えば、第2主面21bの車両100の幅方向の端部から、ベース21の幅方向の長さの1/4だけ幅方向の中心に移動した位置における第2主面21bから車両限界L0までの距離とする。
【0056】
実施の形態では、第2中心領域42aの面積と第2端部領域42b,42cの面積の合計とは一致するとみなせる。図3に示すように、第2中心領域42aは、ベース21に対して第1中心領域41aの反対側に位置する。同様に、第2端部領域42b,42cはそれぞれ、ベース21に対して第1端部領域41b,41cの反対側に位置する。例えば、第2中心領域42aの面積は、第1中心領域41aの面積に一致するとみなせ、第2端部領域42b,42cの面積はそれぞれ、第1端部領域41b,41cの面積に一致するとみなせる。
【0057】
第2中心領域42aに取り付けられる放熱部材22の表面積の合計は、第2端部領域42b,42cに取り付けられる放熱部材22の表面積の合計より大きい。詳細には、第2中心領域42aに取り付けられる第1伝熱部材23および該第1伝熱部材23に取り付けられるフィン24の表面積の合計は、第2端部領域42b,42cに取り付けられる第1伝熱部材23および該第1伝熱部材23に取り付けられるフィン24の表面積の合計より大きい。
【0058】
実施の形態では、第2中心領域42aにおける第1伝熱部材23のZ軸方向の長さは、第2端部領域42b,42cにおける第1伝熱部材23のZ軸方向の長さより長い。さらに、第2中心領域42aにおける第1伝熱部材23に取り付けられるフィン24の枚数は、第2端部領域42b,42cにおける第1伝熱部材23に取り付けられるフィン24の枚数より多い。
【0059】
これにより、第2中心領域42aにおける放熱部材22の表面積は、第2端部領域42b,42cにおける放熱部材22の表面積より大きくなる。このため、第2中心領域42aにおける放熱部材22の冷却性能は、第2端部領域42b,42cにおける放熱部材22の冷却性能より高い。
【0060】
電子部品40は、第1中心領域41aに取り付けられる電子部品40の発熱量の合計が、第1端部領域41b,41cに取り付けられる電子部品40の発熱量の合計より大きくなる配置で設けられる。一例として、図5に電子部品40、具体的には、U相回路14、V相回路15、U相回路16、V相回路17、およびW相回路18の配置例を示す。
【0061】
詳細には、コンバータ12に含まれるU相回路14およびV相回路15の構成要素は、第1中心領域41aにおいて、インバータ13に含まれるV相回路17の構成要素をX軸方向に挟む位置に取り付けられる。U相回路14の一部の構成要素は、第1端部領域41bにおいて、U相回路16の一部の構成要素にX軸方向に隣接する位置で第1主面21aに取り付けられる。V相回路15の一部の構成要素は、第1端部領域41cにおいて、W相回路18の一部の構成要素にX軸方向に隣接する位置に取り付けられる。
【0062】
上述のように配置することで、第1中心領域41aに取り付けられる電子部品40の個数は、第1端部領域41b,41cに取り付けられる電子部品40の個数より多くなる。この結果、第1中心領域41aに取り付けられる電子部品40の発熱量の合計が、第1端部領域41b,41cに取り付けられる電子部品40の発熱量の合計より大きくなる。
【0063】
U相回路14の内、中央の2つのスイッチング素子SW1には、コンバータ12の動作中に常時電流が流れる。このため、U相回路14の内、中央の2つのスイッチング素子SW1を第1中心領域41aに取り付けることが好ましい。同様に、V相回路15の内、中央の2つのスイッチング素子SW2には、コンバータ12の動作中に常時電流が流れる。このため、V相回路15の内、中央の2つのスイッチング素子SW2を第1中心領域41aに取り付けることが好ましい。
【0064】
放熱部材22の冷却性能が高い第2中心領域42aに対応する第1中心領域41aにおける電子部品40の発熱量を大きくすることで、放熱部材22の冷却性能を最大限に活用し、電子部品40を冷却することが可能となる。
【0065】
各電子部品40の発熱量が増大するタイミングは異なることがある。電子部品40の発熱量が増大するタイミングが異なると、一部の第1伝熱部材23に多くの熱が伝達され、他の一部の第1伝熱部材23には熱が伝達されにくいことがある。複数の電子部品40を、複数の第1電子部品と、発熱量が増大するタイミングが第1電子部品のいずれとも異なる複数の第2電子部品とに分けるものとする。例えば、複数の第1電子部品は、コンバータ12が有するU相回路14およびV相回路15の構成要素、具体的には、スイッチング素子SW1,SW2およびダイオードD1,D2を含む。複数の第2電子部品は、インバータ13が有するU相回路16、V相回路17、およびW相回路18の構成要素、具体的には、スイッチング素子SW3,SW4,SW5およびダイオードD3,D4,D5を含む。
【0066】
コンバータ12とインバータ13とでは、構成要素の発熱量が増大するタイミングが異なる。詳細には、車両100が加速を開始してから、車両100が閾値速度に至るまで、電動機61が定トルク制御されるため、車両100の速度に比例して所要電力が増大する。このため、コンバータ12の損失は、車両100の速度の増加に伴って徐々に増大する。車両100が閾値速度に到達すると、電動機61は定電力制御されるため、所要電力は速度によらず一定とみなせる。このため、コンバータ12の損失は、車両100が閾値速度に到達したときに最大となり、車両100が閾値速度以上である間は最大値で一定とみなせる。閾値速度は、例えば、車両100の最高速度の30%以上、かつ、50%以下の値である。
【0067】
電動機61が定トルク制御されると、電動機61の電流は最大となる。このため、車両100が閾値速度に至るまで、インバータ13のスイッチング周波数を例えば1kHz程度として、電動機61の回転数によらない非同期PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)制御が行われるため、インバータ13のスイッチング損失は増大する。車両100が閾値速度に到達すると、電動機61の回転数に応じたスイッチング周波数に基づく同期パルスモードでのPWM制御が行われるため、インバータ13のスイッチング損失が、非同期PWM制御の際よりも減少する。
【0068】
換言すれば、車両100が低速である場合に、インバータ13の構成要素の発熱量が増大し、車両100が高速である場合に、コンバータ12の構成要素の発熱量が増大する。図5に示すように、コンバータ12に含まれるU相回路14およびV相回路15は、第1中心領域41aにおいて、インバータ13に含まれるV相回路17を、X軸方向に挟む位置に取り付けられる。さらに、ベース21にはX軸方向に延びる第2伝熱部材25が設けられている。このため、コンバータ12とインバータ13の発熱量が増大するタイミングが異なっても、ベース21においてX軸方向に熱が拡散されてから、X軸方向に並んでいる各第1伝熱部材23に熱が伝達され、効率よく電子部品40を冷却することが可能となる。
【0069】
以上説明した通り、実施の形態に係る電子機器1において、第1中心領域41aに取り付けられる電子部品40の発熱量の合計は、第1端部領域41b,41cに取り付けられる電子部品40の発熱量の合計より大きい。第2中心領域42aに取り付けられる放熱部材22の表面積の合計は、第2端部領域42b,42cに取り付けられる放熱部材22の表面積の合計より大きい。換言すれば、冷却性能が高い放熱部材22に対応する位置に発熱量が大きい電子部品40が配置されるため、電子部品40の冷却性能が高い電子機器1が得られる。
【0070】
電子部品40の冷却性能が向上することで、電子部品40の温度上昇が抑制され、電子部品40の寿命が長くなり、電子部品40の故障率が低下する。
【0071】
発熱量が増大するタイミングが異なる電子部品40がX軸方向に並べて設けられ、X軸方向に延びる第2伝熱部材25が設けられることで、X軸方向に並んでいる各第1伝熱部材23に熱が伝達され、効率よく電子部品40を冷却することが可能となる。
【0072】
本開示は、上述の実施の形態に限られない。放熱部材22の構造は、電子部品40からベース21を介して伝達される熱を周囲の空気に放熱することができる構造であれば任意である。放熱部材の構造が異なる電子機器2の例を図7に示す。電子機器2の回路構成は、電子機器1と同様である。図7に示す電子機器2は、放熱部材として、複数のフィン26を備える。各フィン26は、ベース21の第2主面21bに、接着剤による接着、溶接、ろう付け等の取付方法によって取り付けられる。各フィン26は、熱伝導率の高い部材、例えば、鉄、アルミニウム等の金属部材、ファインセラミックス、グラファイト等で形成される平板部材である。
【0073】
第2中心領域42aに取り付けられるフィン26のZ軸方向の長さは、第2端部領域42b,42cに取り付けられるフィン26のZ軸方向の長さより長い。各フィン26のX軸方向の長さを同じ長さとすると、第2中心領域42aに取り付けられるフィン26の表面積は、第2端部領域42b,42cに取り付けられるフィン26の表面積より大きい。これにより、第2中心領域42aにおけるフィン26の冷却性能は、第2端部領域42b,42cにおけるフィン26の冷却性能より高くなる。
【0074】
他の一例として、第1伝熱部材23は、熱伝導率の高い部材、例えば、鉄、アルミニウム等の金属部材、ファインセラミックス、グラファイト等で形成される棒状部材でもよい。この場合、第2伝熱部材25は、熱伝導率の高い部材、例えば、鉄、アルミニウム等の金属部材、ファインセラミックス、グラファイト等で形成される棒状部材であればよい。第1伝熱部材23は、第2伝熱部材25に、接着剤による接着、溶接、ろう付け等の取付方法によって取り付けられればよい。
【0075】
第1伝熱部材23の形状は、上述の例に限られない。一例として、第1伝熱部材23は、一部が第2主面21bに形成された溝に挿入されるU字状、L字状のヒートパイプで形成されてもよい。
【0076】
第1中心領域41aと第1端部領域41b,41cの分け方は、上述の例に限られない。例えば、第1閾値は、幅方向の中心での第1主面21aから車両限界L0までの距離と幅方向の端部での第1主面21aから車両限界L0までの距離とに応じて定められてもよい。具体的には、幅方向の中心での第1主面21aから車両限界L0までの距離と幅方向の端部での第1主面21aから車両限界L0までの距離との平均値を第1閾値としてもよい。
【0077】
第2中心領域42aと第2端部領域42b,42cの分け方は、上述の例に限られない。例えば、第2閾値は、幅方向の中心での第2主面21bから車両限界L0までの距離と幅方向の端部での第2主面21bから車両限界L0までの距離とに応じて定められてもよい。具体的には、幅方向の中心での第2主面21bから車両限界L0までの距離と幅方向の端部での第2主面21bから車両限界L0までの距離との平均値を第2閾値としてもよい。
【0078】
電子部品40の配置例は、上述の例に限られず、放熱部材22の冷却性能が高い第2中心領域42aに対応する第1中心領域41aにおける電子部品40の発熱量が第1端部領域41b,41cにおける電子部品40の発熱量より大きければ、任意である。一例として、図8に示すように、インバータ13に含まれるU相回路16、V相回路17、およびW相回路18は、X軸正方向の端部においてY軸方向に並べられて第1主面21aに取り付けられてもよい。コンバータ12に含まれるU相回路14は、第1端部領域41bおよび第1中心領域41aに亘って第1主面21aに取り付けられる。コンバータ12に含まれるV相回路15は、第1中心領域41aおよび第1端部領域41cに亘って第1主面21aに取り付けられる。このように、第1中心領域41aに第1端部領域41b,41cよりも多くの電子部品40を取り付けることで、放熱部材22の冷却性能を最大限に活用し、電子部品40を冷却することが可能となる。
【0079】
電子機器1,2の回路構成は、上述の例に限られず、適宜変更が可能である。一例として、電子機器1,2は、コンバータ12を備えず、コンデンサC1,C2およびインバータ13のみを備えてもよい。この場合、電子機器1,2は、入力される直流電力を三相交流電力に変換する電力変換装置である。このとき、例えば、図9に示すように、U相回路16およびW相回路18は、第1主面21aのY軸方向の中心に取り付けられ、V相回路17は、第1主面21aのY軸方向の端部に分散して取り付けられてもよい。
【0080】
他の一例として、電子機器1,2は、コンデンサC1,C2に対してインバータ13に並列に接続され、他の負荷装置に電力を供給するインバータをさらに備えてもよい。該インバータは、例えば、空調機器、照明機器、ドア開閉装置等の負荷装置に電力を供給すればよい。該インバータが備える電子部品40は、コンバータ12およびインバータ13と同様に、第1主面21aに取り付けられればよい。
【0081】
コンバータ12およびインバータ13の回路構成は、上述の例に限られない。各スイッチング素子SW1,SW2,SW3,SW4,SW5の個数は、任意である。
【0082】
電子機器1,2は、車両100の屋根100aに設けられた凹部に配置されてもよい。この場合、放熱部材22の鉛直方向上端は、屋根100aよりも鉛直方向上部に設けられることが好ましい。
【0083】
筐体20の形状は、電子部品40を内部に収容し、屋根100aに取り付け可能な形状であれば、任意である。一例として、筐体20の鉛直方向上面は、車両100が水平に位置した状態で、水平面に対して傾いていてもよい。
【0084】
ベース21は、筐体20から離れる方向に突出する曲面を有する板状部材でもよい。この場合、放熱部材22は、車両100が水平に位置している状態で、鉛直方向情報に延伸すればよい。
【0085】
ベース21は、上述の実施の形態のように一枚の板状部材で形成されてもよいし、複数の板状部材を組み合わせて形成されてもよい。
【0086】
ベース21に取り付けられる電子部品は、スイッチング素子SW1,SW2,SW3,SW4,SW5およびダイオードD1,D2,D3,D4,D5に限られず、例えば、サイリスタ、ダイオード、抵抗等の電子機器1,2を構成し、筐体20の内部に収容されている任意の電子部品である。
【0087】
第1伝熱部材23および第2伝熱部材25の延伸方向に直交する断面の形状は、円形でもよいし、扁平形状でもよい。扁平形状は、円の一部の幅を元の円より狭く変形することで得られる形状であり、楕円、流線型、長円等を含む。長円は、同一の直径である2つの円の外縁を2本の直線で繋いだ形状の外形を意味する。
【0088】
フィン24を第1伝熱部材23に取り付ける向きは、上述の例に限られない。一例として、フィン24は、主面が水平面に対して傾いている向きで第1伝熱部材23に取り付けられてもよい。フィン24が第2主面21bに対して傾いていることで、フィン24から熱を伝達されて温められた空気がフィン24に沿って鉛直方向上方にスムーズに移動することができ、冷却性能が向上する。
【0089】
各フィン24は互いに同じ部材で形成されてもよいし、フィン24の少なくともいずれかは、他のフィン24と異なる部材で形成されてもよい。フィン24の少なくともいずれかを、他のフィン24と異なる部材で形成する場合、フィン24の少なくともいずれかの熱伝導率は、他のフィン24の熱伝導率と異なる。一例として、鉛直方向上部に位置するフィン24の熱伝導率は、鉛直方向下部に位置するフィン24の熱伝導率より高いことが好ましい。例えば、鉛直方向上部のフィン24を銅で形成し、鉛直方向下部のフィン24をアルミニウムで形成してもよい。
【0090】
他の一例として、第2中心領域42aに取り付けられる第1伝熱部材23に取り付けられるフィン24の熱伝導率は、第2端部領域42b,42cに取り付けられる第1伝熱部材23に取り付けられるフィン24の熱伝導率より高いことが好ましい。
【0091】
フィン24の個数、形状、および配置位置は、上述の例に限られず、任意である。一例として、フィン24は曲面を有する板状部材でもよい。他の一例として、各フィン24の形状は互いに異なってもよい。他の一例として、複数のフィン24は、X軸方向およびY軸方向のそれぞれに沿って並べられてもよい。フィン24がX軸方向に並べられることで、車両100の停止時に、フィン24から熱を伝達されて暖められ、鉛直方向に向かう空気は、X軸方向に互いに隣接しているフィン24の間を通って鉛直方向に移動することができる。この結果、電子機器1,2の自然冷却の性能が向上する。
【0092】
第2伝熱部材25は、ベース21の第2主面21bに形成された溝に挿入され、一部が露出した状態で第2主面21bに取り付けられてもよい。この場合、第1伝熱部材23は、溶接、ろう付け等によって第2伝熱部材25に取り付けられ、第2伝熱部材25を介して第2主面21bに取り付けられればよい。
【0093】
電子機器1,2はさらに、Y軸方向に延び、ベース21に埋め込まれる伝熱部材をさらに備えてもよい。これにより、ベース21においてX軸方向だけでなく、Y軸方向にも熱を拡散し、各第1伝熱部材23に熱を伝達することが可能となる。
【0094】
カバー30の形状は、放熱部材22を覆い、空気を内部に流入させることができる形状であれば任意である。一例として、カバー30は、鉛直方向上面が曲面の形状を有してもよい。また他の一例として、カバー30は、鉛直方向上面が平面の形状を有してもよい。カバー30は、車両限界内で内部のスペースを最大限にする形状を有することが好ましい。
【0095】
電子機器1,2の周囲に他の機器が設けられているとき、鉛直方向上部に位置するフィン24は、鉛直方向下部に位置するフィン24と比べて、外部から流入した空気に容易に接触することができる。同様に、フィン24の鉛直方向上部は、フィン24の鉛直方向下部と比べて、外部から流入した空気に容易に接触することができる。例えば、鉛直方向上部に位置するフィン24の熱伝導率および鉛直方向上端の位置が他のフィン24より高いフィン24の熱伝導率を高くすることで、電子機器1,2の冷却性能を向上させることが可能となる。
【0096】
電子機器1,2は、交流き電方式の鉄道車両に限られず、直流き電方式の鉄道車両に搭載されてもよい。電子機器1,2が搭載される車両は、鉄道車両に限られず、トロリーバス、路面電車等の走行風が生じる任意の移動体である。
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
車両の屋根に設置され、鉛直方向上部に開口が形成され、通電時に発熱する複数の電子部品を収容する筐体と、
前記複数の電子部品が第1主面に取り付けられ、前記筐体の前記開口を前記第1主面で塞いだ状態で前記筐体に取り付けられる伝熱性のベースと、
前記ベースの前記第1主面と反対に位置する第2主面に取り付けられ、前記ベースを介して前記複数の電子部品から伝達される熱を周囲の空気に放熱する複数の放熱部材と、を備え、
前記複数の放熱部材は、前記第2主面から離れる方向に延伸し、前記第2主面から離れる方向に熱を伝達する複数の第1伝熱部材と、前記複数の第1伝熱部材に取り付けられる複数のフィンと、を有し、
前記第1主面の内、前記車両の屋根上における車両限界までの距離が第1閾値以上の領域である第1中心領域に取り付けられる前記電子部品の発熱量の合計は、前記第1主面の内、前記第1中心領域を前記車両の幅方向に挟んで位置し、前記車両限界までの距離が前記第1閾値未満の領域である第1端部領域に取り付けられる前記電子部品の発熱量の合計より大きく、
前記第2主面の内、前記車両限界までの距離が第2閾値以上の領域である第2中心領域に取り付けられる前記第1伝熱部材および該第1伝熱部材に取り付けられる前記フィンの表面積の合計は、前記第2主面の内、前記第2中心領域を前記幅方向に挟んで位置し、前記車両限界までの距離が前記第2閾値未満の領域である第2端部領域に取り付けられる前記第1伝熱部材および該第1伝熱部材に取り付けられる前記フィンの表面積の合計より大きい、
電子機器。
(付記2)
前記複数の放熱部材として、前記第2主面に取り付けられ、前記第2主面から離れる方向に延伸し、前記第2主面から離れる方向に熱を伝達する前記複数の第1伝熱部材と、主面が前記第2主面に沿う向きで前記複数の第1伝熱部材に取り付けられる前記複数のフィンと、を備え、
前記第2中心領域に取り付けられる前記第1伝熱部材の延伸方向の長さは、前記第2端部領域に取り付けられる前記第1伝熱部材の延伸方向の長さより長い、
付記1に記載の電子機器。
(付記3)
前記第2中心領域に取り付けられる前記第1伝熱部材に取り付けられる前記フィンの枚数は、前記第2端部領域に取り付けられる前記第1伝熱部材に取り付けられる前記フィンの枚数より多い、
付記2に記載の電子機器。
(付記4)
車両の屋根に設置され、鉛直方向上部に開口が形成され、通電時に発熱する複数の電子部品を収容する筐体と、
前記複数の電子部品が第1主面に取り付けられ、前記筐体の前記開口を前記第1主面で塞いだ状態で前記筐体に取り付けられる伝熱性のベースと、
前記ベースの前記第1主面と反対に位置する第2主面に取り付けられ、前記ベースを介して前記複数の電子部品から伝達される熱を周囲の空気に放熱する複数の放熱部材と、を備え、
前記第1主面の内、前記車両の屋根上における車両限界までの距離が第1閾値以上の領域である第1中心領域に取り付けられる前記電子部品の発熱量の合計は、前記第1主面の内、前記第1中心領域を前記車両の幅方向に挟んで位置し、前記車両限界までの距離が前記第1閾値未満の領域である第1端部領域に取り付けられる前記電子部品の発熱量の合計より大きく、
前記複数の放熱部材は、主面が前記車両の進行方向に沿う向きで、前記幅方向に並べられて前記第2主面に取り付けられる複数のフィンを備え、
前記第2主面の内、前記車両限界までの距離が第2閾値以上の領域である第2中心領域に取り付けられる前記フィンの表面積は、前記第2主面の内、前記第2中心領域を前記幅方向に挟んで位置し、前記車両限界までの距離が前記第2閾値未満の領域である第2端部領域に取り付けられる前記フィンの表面積より大きい、
電子機器。
(付記5)
前記第1中心領域に取り付けられる前記電子部品の個数は、前記第1端部領域に取り付けられる前記電子部品の個数より多い、
付記1から4のいずれかに記載の電子機器。
(付記6)
前記複数の電子部品は、複数の第1電子部品と発熱量が増大するタイミングが前記第1電子部品のいずれとも異なる複数の第2電子部品とで構成され、
前記第1電子部品と前記第2電子部品は、前記車両の進行方向に互いに隣接した位置で前記ベースに取り付けられる、
付記1から5のいずれかに記載の電子機器。
(付記7)
前記複数の第1電子部品は、供給される交流電力を直流電力に変換し、出力するコンバータが有する複数のスイッチング素子を含み、
前記複数の第2電子部品は、前記コンバータが出力する直流電力を交流電力に変換し、出力するインバータが有する複数のスイッチング素子を含む、
付記6に記載の電子機器。
(付記8)
前記複数の第1電子部品の一部は、前記第1中心領域の内、前記第2電子部品を前記車両の進行方向に挟む位置に取り付けられ、
前記複数の第1電子部品の他の一部は、前記第1端部領域の内、前記第2電子部品に前記車両の進行方向に隣接する位置に取り付けられる、
付記7に記載の電子機器。
(付記9)
前記車両の進行方向に延伸し、前記ベースに取り付けられる複数の第2伝熱部材をさらに備える、
付記1から8のいずれかに記載の電子機器。
(付記10)
前記伝熱部材は、前記ベースの前記第2主面に取り付けられる、
付記9に記載の電子機器。
(付記11)
前記第1中心領域の面積と前記第1端部領域の面積の合計とは等しいとみなせる、
付記1から10のいずれかに記載の電子機器。
(付記12)
車両の屋根に設置され、鉛直方向上部に開口が形成され、通電時に発熱する複数の電子部品を収容する筐体と、
前記複数の電子部品が第1主面に取り付けられ、前記筐体の前記開口を前記第1主面で塞いだ状態で前記筐体に取り付けられる伝熱性のベースと、
前記ベースの前記第1主面と反対に位置する第2主面に取り付けられ、前記ベースを介して前記複数の電子部品から伝達される熱を周囲の空気に放熱する複数の放熱部材と、を備え、
前記第1主面の内、前記車両の屋根上における車両限界までの距離が第1閾値以上の領域である第1中心領域に取り付けられる前記電子部品の発熱量の合計は、前記第1主面の内、前記第1中心領域を前記車両の幅方向に挟んで位置し、前記車両限界までの距離が前記第1閾値未満の領域である第1端部領域に取り付けられる前記電子部品の発熱量の合計より大きく、
前記第2主面の内、前記車両限界までの距離が第2閾値以上の領域である第2中心領域に取り付けられる前記放熱部材の表面積の合計は、前記第2主面の内、前記第2中心領域を前記幅方向に挟んで位置し、前記車両限界までの距離が前記第2閾値未満の領域である第2端部領域に取り付けられる前記放熱部材の表面積の合計より大きく、
前記第1中心領域の面積と前記第1端部領域の面積の合計とは等しいとみなせる、
電子機器。
(付記13)
前記第2中心領域の面積と前記第2端部領域の面積の合計とは等しいとみなせる、
付記1から12のいずれかに記載の電子機器。
【0097】
本開示は、本開示の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この開示を説明するためのものであり、本開示の範囲を限定するものではない。すなわち、本開示の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の開示の意義の範囲内で施される様々な変形が、この開示の範囲内とみなされる。
【符号の説明】
【0098】
1,2 電子機器、1a,1b 入力端子、11 変圧器、12 コンバータ、13 インバータ、14,16 U相回路、15,17 V相回路、18 W相回路、20 筐体、20a 開口、21 ベース、21a 第1主面、21b 第2主面、22 放熱部材、23 第1伝熱部材、24,26 フィン、25 第2伝熱部材、30 カバー、30a,30b 通風孔、40 電子部品、41a 第1中心領域、41b,41c 第1端部領域、42a 第2中心領域、42b,42c 第2端部領域、61 電動機、100 車両、100a 屋根、C1,C2 コンデンサ、D1,D2,D3,D4,D5 ダイオード、L0 車両限界、L1,L2,L3 距離、SW1,SW2,SW3,SW4,SW5 スイッチング素子。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9