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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-10
(45)【発行日】2025-04-18
(54)【発明の名称】ファンユニット
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/20 20060101AFI20250411BHJP
   H01R 13/631 20060101ALI20250411BHJP
【FI】
H05K7/20 H
H01R13/631
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2024571090
(86)(22)【出願日】2024-07-31
(86)【国際出願番号】 JP2024027315
【審査請求日】2024-12-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 正宏
(72)【発明者】
【氏名】清永 浩之
(72)【発明者】
【氏名】服部 憲和
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-186648(JP,A)
【文献】特開2017-117625(JP,A)
【文献】国際公開第2018/179405(WO,A1)
【文献】国際公開第2022/148303(WO,A1)
【文献】中国実用新案第2907195(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/20
H01R 13/631
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力変換装置に実装されるファンユニットであって、
ファンと、
前記ファンに電気的に接続されたファンコネクタと、
前記ファンに装着されるファンカバーと、
前記ファンカバーに前記ファンコネクタを取り付ける取付部品と、
を備え、
前記取付部品は、前記ファンコネクタを前記ファンコネクタに嵌合される他のコネクタに誘導する誘い込み形状部を備えること、
を特徴とするファンユニット。
【請求項2】
前記誘い込み形状部は、前記他のコネクタと接触する場合に前記他のコネクタと前記ファンコネクタとが近接するように誘導する傾斜面であること、
を特徴とする請求項1に記載のファンユニット。
【請求項3】
前記ファンカバーは、前記ファンコネクタと前記他のコネクタとが嵌合された状態において前記ファンコネクタと前記他のコネクタとの嵌合を解除して前記ファンコネクタを前記他のコネクタから引き抜くための引っ掛け形状を有する引っ掛け部を備えること、
を特徴とする請求項1に記載のファンユニット。
【請求項4】
前記引っ掛け形状において、
前記ファンカバーは、前記引っ掛け部から外側に突出した突出部を有し、
前記突出部は、前記引っ掛け部よりも前記ファンカバーの厚さ方向において前記ファン側に配置された段差部を有し、
前記引っ掛け部と前記段差部との間に、棒状の工具が挿入可能な孔が形成されていること、
を特徴とする請求項3に記載のファンユニット。
【請求項5】
前記突出部における前記突出部の突出方向における端部は、前記孔に挿入される前記工具と接触する面取り部であって前記突出方向に向かうにしたがって前記突出部の内面から前記突出部の外面に向かう傾斜面を有すること、
を特徴とする請求項4に記載のファンユニット。
【請求項6】
前記ファンカバーが、
前記ファンカバーの内面から突出したアーム部と、
前記アーム部の先端に形成されたフック爪と、
を備え、
前記取付部品が、
前記フック爪が引っ掛かる取付部品孔と、
前記ファンカバーの面内方向において前記ファンコネクタの周囲を囲んで設けられた取付部品フランジ部と、
を有し、
前記フック爪が前記取付部品孔に引っ掛かることにより、前記取付部品が前記ファンカバーに固定され、
前記ファンコネクタが、前記アーム部の先端部と前記取付部品フランジ部とに挟まれることにより固定されていること、
を特徴とする請求項1に記載のファンユニット。
【請求項7】
前記取付部品が、前記ファンカバーの面内方向において前記ファンコネクタの周囲を囲んで配置されており、
前記ファンコネクタは、前記取付部品によって、前記ファンカバーの面内方向において直交する2方向における位置が位置決めされていること、
を特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載のファンユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力変換装置に実装されるファンユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
電力変換装置には、当該電力変換装置が備える構成部を冷却する機能を有するファンユニットが実装されている。ファンユニットは、当該ファンユニットのメンテナンスのために、電力変換装置から着脱可能な構造とされている。
【0003】
特許文献1には、可動端子部を有するコネクタを用いて電気機器の本体とファンユニットとを接続することができる電気機器が記載されている。特許文献1に記載されたファンユニットは、ファンと電気機器の本体とを電気接続するために、基板に実装された可動端子付きコネクタがファンユニット側に設けられ、可動端子付きコネクタを受容するコネクタが電気機器の本体側に設けられている。また、特許文献1に記載されたファンユニットは、可動端子付きコネクタを受容するコネクタの開口部にテーパー形状が形成されている。可動端子付きコネクタを受容するコネクタと可動端子付きコネクタとを接続する際にコネクタ同士の位置ずれが発生している場合には、可動端子付きコネクタを受容するコネクタの開口部に形成されたテーパー形状に可動端子付きコネクタが案内されて可動することで、可動端子付きコネクタを受容するコネクタに可動端子付きコネクタを挿入させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-191366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載された電気機器は、ファンユニット側のコネクタとして可動端子付きの特殊なコネクタが使用され、可動端子付きコネクタを受容する電気機器本体側のコネクタとして開口部にテーパーが形成された専用コネクタが使用されている。このため、特許文献1に記載された電気機器は、テーパーが形成されていないコネクタを使用した場合はコネクタ同士の嵌合時に位置ずれが発生してしまうという問題があった。
【0006】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、ファンユニットのコネクタを他のコネクタと嵌合させる際のコネクタ同士の位置ずれを解消できるファンユニットを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示にかかるファンユニットは、電力変換装置に実装されるファンユニットであって、ファンと、ファンに電気的に接続されたファンコネクタと、ファンに装着されるファンカバーと、ファンカバーにファンコネクタを取り付ける取付部品と、を備える。取付部品は、ファンコネクタをファンコネクタに嵌合される他のコネクタに誘導する誘い込み形状部を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、ファンユニットのコネクタを他のコネクタと嵌合させる際のコネクタ同士の位置ずれを解消できるファンユニットが得られる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1にかかる電力変換装置の正面図
図2】実施の形態1にかかる電力変換装置の上面図
図3】実施の形態1にかかる電力変換装置を上方から見た分解斜視図
図4】実施の形態1にかかる電力変換装置が備えるファンユニットの構成図
図5図2に示すV-V線に沿った断面図であり、基板コネクタとファンコネクタとの嵌合部を拡大して示す断面拡大図
図6図2に示すVI-VI線に沿った断面図であり、基板コネクタとファンコネクタとの嵌合部を拡大して示す断面拡大図
図7】実施の形態1にかかる電力変換装置が備えるファンユニットにおける取付部品の誘い込み形状部を下側(-Z軸方向)から見た要部斜視図
図8】実施の形態1にかかるファンユニットが備える取付部品の誘い込み形状部を前面側(+Y軸方向)から見た要部拡大図
図9図7におけるIX-IX線に沿った断面図
図10】実施の形態1にかかる電力変換装置が備えるファンカバーの引っ掛け形状を示す上面図
図11図10におけるXI-XI線に沿った断面図
図12】実施の形態1にかかる電力変換装置においてシャーシからファンユニットを取り外す方法を説明する図
図13】実施の形態1にかかる電力変換装置が備えるファンカバーに取付部品によりファンコネクタが固定された状態を高さ方向(Z軸方向)における下側(-Z軸方向)から見た拡大図
図14図13におけるXIV-XIV線に沿った断面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、実施の形態にかかるファンユニットを図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる電力変換装置の正面図である。図2は、実施の形態1にかかる電力変換装置の上面図である。図3は、実施の形態1にかかる電力変換装置を上方から見た分解斜視図である。実施の形態1にかかる電力変換装置100は、シャーシ1と、シャーシ1に取り付けられる基板2と、基板2に実装される基板コネクタ3と、シャーシ1に取り付けられる本体ケース4と、シャーシ1に取り付けられるファンユニット5と、を備える。
【0012】
電力変換装置100の幅方向は、シャーシ1、本体ケース4およびファンユニット5の幅方向に対応し、図1から図3におけるX軸方向に対応する。電力変換装置100の幅方向は、左右方向と換言できる。電力変換装置100の奥行方向は、シャーシ1、本体ケース4およびファンユニット5の奥行方向に対応し、図1から図3におけるY軸方向に対応する。電力変換装置100の高さ方向は、シャーシ1、本体ケース4およびファンユニット5の高さ方向に対応し、図1から図3におけるZ軸方向に対応する。また、電力変換装置100では、奥行方向においてファンユニット5が位置する側が背面側であり、奥行方向においてファンユニット5が位置する側と反対側が前面側である。左右方向は、電力変換装置100を前面側から見た場合の左右方向とする。X軸方向においては、右側を+X軸方向とし、左側を-X軸方向とする。Y軸方向においては、前面側を+Y軸方向とし、背面側を-Y軸方向とする。Z軸方向においては、上側を+Z軸方向とし、下側を-Z軸方向とする。また、図におけるX軸方向における矢印の方向が、+X軸方向に対応している。図におけるY軸方向における矢印の方向が、+Y軸方向に対応している。図におけるZ軸方向における矢印の方向が、+Z軸方向に対応している。
【0013】
シャーシ1は、直方体形状を有し、電力変換装置100の本体部を構成する。シャーシ1は、不図示の電子部品を有する。シャーシ1は、図3に示すように、ファンユニット5を取り付けるための空間を構成する凹部1aが+Z軸方向の上部に形成されている。凹部1aには、シャーシ1の上方(+Z軸方向)から、図3に示す矢印Aの方向にファンユニット5が組み付けられる。シャーシ1は、前面側(+Y軸方向)に基板2が組み付けられている。基板2の+Z軸方向の上部には、シャーシ1に設けられた電子部品とファンユニット5とを電気的に接続するためのコネクタであって、基板2側のコネクタである基板コネクタ3が設けられている。
【0014】
本体ケース4は、シャーシ1に組み付けられてシャーシ1を保護する。本体ケース4は、シャーシ1の前面側(+Y軸方向)から、図3に示す矢印Bの方向にシャーシ1に組み付けられる。本体ケース4は、図3に示すように、本体ケース4がシャーシ1に組み付けられた状態で基板コネクタ3を露出するための第1の切り欠き部4aが形成されている。第1の切り欠き部4aの前面側(+Y軸方向)には、当該第1の切り欠き部4aからさらに前面側(+Y軸方向)に切り欠かれた第2の切り欠き部4bが形成されている。
【0015】
図4は、実施の形態1にかかる電力変換装置が備えるファンユニットの構成図である。図5は、図2に示すV-V線に沿った断面図であり、基板コネクタとファンコネクタとの嵌合部を拡大して示す断面拡大図である。図6は、図2に示すVI-VI線に沿った断面図であり、基板コネクタとファンコネクタとの嵌合部を拡大して示す断面拡大図である。
【0016】
ファンユニット5は、ファン6と、ファンカバー7と、ファンコネクタ8と、取付部品9と、を備える。
【0017】
ファン6は、ファンユニット5の本体部を構成する。ファン6の+Z軸方向の上部には、ファンカバー7が装着されている。
【0018】
ファンカバー7は、ファン6の上側(+Z軸方向)に装着されて、ファン6を保護する。ファンカバー7は、当該ファンカバー7の面内方向において前面側(+Y軸方向)に突出した第1カバー突出部7aと、当該第1カバー突出部7aからさらに前面側(+Y軸方向)に突出した第2カバー突出部7bと、を有する。第1カバー突出部7aは、ファンカバー7の面内方向において、本体ケース4の第1の切り欠き部4aに収納される。第2カバー突出部7bは、ファンカバー7の面内方向において、本体ケース4の第2の切り欠き部4bに収納される。
【0019】
図4に示すように、第2カバー突出部7bは、第1側面部7b1と、第2側面部7b2と、底面部7b3と、を有する。第1側面部7b1は、奥行方向(Y軸方向)において第1カバー突出部7aから前面側(+Y軸方向)に突出する。第2側面部7b2は、奥行方向(Y軸方向)において第1カバー突出部7aから前面側(+Y軸方向)に突出し、幅方向(X軸方向)において第1側面部7b1と対向する。底面部7b3は、奥行方向(Y軸方向)において第1カバー突出部7aから前面側(+Y軸方向)に突出する。第2カバー突出部7bは、XZ平面において、第1側面部7b1と、底面部7b3と、第2側面部7b2と、がこの順で接続されたU形状を有する。
【0020】
底面部7b3は、高さ方向(Z軸方向)において第1カバー突出部7aよりも下側(-Z軸方向)に位置する。すなわち底面部7b3は、高さ方向(Z軸方向)においてファンカバー7の内面7cよりも下方(-Z軸方向)に配置されている。これにより、高さ方向(Z軸方向)において、第1カバー突出部7aと底面部7b3との間には、底面部7b3が第1カバー突出部7aよりも低くされた段差が構成されている。
【0021】
したがって、底面部7b3は、第1カバー突出部7aよりも下側(-Z軸方向)に位置する段差部と換言できる。
【0022】
ファンコネクタ8は、ファン6と基板2の基板コネクタ3とを電気的に接続するためのコネクタであって、ファン6側のコネクタである。ファンコネクタ8は、ファン6と電気的に接続され、取付部品9によってファンカバー7の内面7c側に取り付けられて固定されている。取付部品9は、ファンカバー7の内面7cに、高さ方向(Z軸方向)において当該内面7cから下側(-Z軸方向)に突出した状態で配置されている。ファンカバー7の内面7cは、ファンカバー7におけるシャーシ1側の面である。
【0023】
図7は、実施の形態1にかかる電力変換装置が備えるファンユニットにおける取付部品の誘い込み形状部を下側(-Z軸方向)から見た要部斜視図である。図8は、実施の形態1にかかるファンユニットが備える取付部品の誘い込み形状部を前面側(+Y軸方向)から見た要部拡大図である。図9は、図7におけるIX-IX線に沿った断面図である。
【0024】
取付部品9は、ファンカバー7にファンコネクタ8を取り付けるための部品である。取付部品9は、基板コネクタ3とファンコネクタ8とを嵌合させる際に基板コネクタ3に対してファンコネクタ8を案内する誘い込み形状部91を有する。すなわち、取付部品9は、基板コネクタ3とファンコネクタ8とを嵌合させる際に、ファンコネクタ8に対して基板コネクタ3を案内する形状を有している。したがって、取付部品9は、ファンコネクタ8を当該ファンコネクタ8に嵌合される電力変換装置100における他のコネクタである基板コネクタ3に誘導する誘い込み形状部91を備える。
【0025】
誘い込み形状部91は、第1誘い込み形状部911と、第2誘い込み形状部912と、第3誘い込み形状部913と、を備える。第1誘い込み形状部911と、第2誘い込み形状部912と、第3誘い込み形状部913とは、取付部品9における面取り部といえる。
【0026】
第1誘い込み形状部911は、ファンコネクタ8より下側(-Z軸方向)の背面側(-Y軸方向)に設けられている。第2誘い込み形状部912と第3誘い込み形状部913とは、ファンコネクタ8より下側(-Z軸方向)において、幅方向(X軸方向)においてファンコネクタ8を挟むように当該ファンコネクタ8の両側に設けられている。第2誘い込み形状部912は、前面側(+Y軸方向)から見て幅方向(X軸方向)におけるファンコネクタ8よりも左側(-X軸方向)に設けられている。第3誘い込み形状部913は、前面側(+Y軸方向)から見て幅方向(X軸方向)におけるファンコネクタ8よりも右側(+X軸方向)に設けられている。ここで、第1誘い込み形状部911と第2誘い込み形状部912と第3誘い込み形状部913とによって囲まれた領域を、誘い込み形状部91の開口部と呼ぶ。
【0027】
誘い込み形状部91は、ファンカバー7の面内方向において、U形状を有する。すなわち、第1誘い込み形状部911と第2誘い込み形状部912と第3誘い込み形状部913とは、XY平面においてU形状を有する。幅方向(X軸方向)における第2誘い込み形状部912と第3誘い込み形状部913との間の距離は、幅方向(X軸方向)における基板コネクタ3の幅よりも大きい寸法とされている。そして、第2誘い込み形状部912と第3誘い込み形状部913とは、シャーシ1へのファンユニット5の組み付け時に、高さ方向(Z軸方向)において取付部品9が基板コネクタ3に近づくにつれて、幅方向(X軸方向)における第2誘い込み形状部912と第3誘い込み形状部913との間の距離が短くなるテーパー形状とされている。
【0028】
第1誘い込み形状部911は、幅方向(X軸方向)に沿った傾斜面であり、高さ方向(Z軸方向)において上方向(+Z軸方向)に向かうにしたがって開口部の内側に向かう傾斜面、すなわち高さ方向(Z軸方向)において上方向(+Z軸方向)に向かうにしたがって前面側(+Y軸方向)に向かう傾斜面とされている。
【0029】
第2誘い込み形状部912は、奥行方向(Y軸方向)に沿った傾斜面であり、高さ方向(Z軸方向)において上方向(+Z軸方向)に向かうにしたがって開口部の内側に向かう傾斜面、すなわち高さ方向(Z軸方向)において上方向(+Z軸方向)に向かうにしたがって幅方向(X軸方向)において第3誘い込み形状部913に近づく傾斜面とされている。
【0030】
第3誘い込み形状部913は、奥行方向(Y軸方向)に沿った傾斜面であり、高さ方向(Z軸方向)において上方向(+Z軸方向)に向かうにしたがって開口部の内側に向かう傾斜面、すなわち高さ方向(Z軸方向)において上方向(+Z軸方向)に向かうにしたがって幅方向(X軸方向)において第2誘い込み形状部912に近づく傾斜面とされている。
【0031】
上記の誘い込み形状部91は、電力変換装置100における他のコネクタである基板コネクタ3と接触する場合に基板コネクタ3とファンコネクタ8とが近接するように誘導する傾斜面である。誘い込み形状部91は、ファンコネクタ8と他のコネクタである基板コネクタ3とが嵌合する嵌合方向においてファンコネクタ8から離れるにしたがってファンカバー7の面内方向においてファンコネクタ8から離れる傾斜面を有するといえる。ファンコネクタ8と他のコネクタである基板コネクタ3とが嵌合する嵌合方向は、高さ方向(Z軸方向)に沿った方向である。
【0032】
このような構成により、誘い込み形状部91の開口部は、高さ方向(Z軸方向)において上方(+Z軸方向)に向かうにしたがって開口が狭くなり、XY平面における開口面積が小さくなる。
【0033】
ファンユニット5をシャーシ1に組み付ける際には、ファンユニット5は、ユーザによって高さ方向(Z軸方向)においてシャーシ1の凹部1aに向けて手で押し込まれる。そして、ファンカバー7に設けられた嵌合部であるツメ部7hと、当該ツメ部7hが収まる嵌合部であってシャーシ1に設けられた溝部1bとが噛み合うことで、ファンユニット5がシャーシ1に固定される。
【0034】
具体的に、ファンユニット5をシャーシ1に組み付ける場合には、ユーザが、ファンカバー7の幅方向(X軸方向)における両端のそれぞれに設けられた2つの摘まみ部7iを手で摘まんで、当該摘まみ部7iをファンカバー7の面内方向における内側に向かって押しながら、ファンユニット5をシャーシ1の凹部1aにはめ込む。そして、ユーザが摘まみ部7iから手を離すと、ファンカバー7のツメ部7hがシャーシ1の溝部1bに係合することで、ファンカバー7がシャーシ1に固定される。また、ファンユニット5がシャーシ1の凹部1aにはめ込まれると同時に、ファンコネクタ8と基板コネクタ3とが嵌合する。
【0035】
また、シャーシ1へのファンユニット5の組み付け時に、基板コネクタ3の位置とファンコネクタ8の位置とがファンカバー7の面内方向においてずれていても、高さ方向(Z軸方向)において取付部品9が基板コネクタ3に近づいて、第1誘い込み形状部911と第2誘い込み形状部912と第3誘い込み形状部913との少なくとも1つに基板コネクタ3が接触することにより、ファンカバー7の面内方向においてファンコネクタ8が基板コネクタ3の位置に誘導される。これにより、電力変換装置100では、ファンコネクタ8を基板コネクタ3に容易に嵌合させることができる。
【0036】
第1誘い込み形状部911と第2誘い込み形状部912と第3誘い込み形状部913との傾斜の角度、すなわち面取りの角度は、基板コネクタ3と取付部品9との寸法に鑑みて、基板コネクタ3と取付部品9との干渉具合、または誘い込み形状部91によるファンコネクタ8の基板コネクタ3への誘い込み効果を考慮して定められればよい。
【0037】
発明者らが基板コネクタ3およびファンコネクタ8に一般的な4極JSTコネクタを用いて検証を実施した結果、第1誘い込み形状部911と第2誘い込み形状部912と第3誘い込み形状部913との傾斜の角度の一例は、45°である。第1誘い込み形状部911と第2誘い込み形状部912と第3誘い込み形状部913との傾斜の角度を45°とすることで、シャーシ1に対するファンユニット5の組み立て性、すなわち基板コネクタ3に対するファンコネクタ8の取り付け性において、有意な組立性の向上が得られた。
【0038】
電力変換装置100は、上述したように取付部品9が備える誘い込み形状部91の構造的特徴によって、ファンコネクタ8を基板コネクタ3に嵌合させる際に、XY平面においてファンコネクタ8が基板コネクタ3に適切に案内されるため、ファンコネクタ8を基板コネクタ3に容易に且つ確実に嵌合させることができる。
【0039】
電力変換装置100は、XY平面においてファンコネクタ8を基板コネクタ3に適切に案内する誘い込み形状部91の誘い込み機能により、ユーザの手作業によるシャーシ1へのファンユニット5の組付作業の際に、容易に且つ確実にファンコネクタ8を基板コネクタ3に嵌合させることができる。
【0040】
また、電力変換装置100は、誘い込み形状部91の誘い込み機能により、ファンコネクタ8と基板コネクタ3との間で安定した電気接続が得られ、電力変換装置100の製品不良を低減することができる。
【0041】
つぎに、電力変換装置100におけるファンユニット5の取り外しにかかる構造的特徴について説明する。図10は、実施の形態1にかかる電力変換装置が備えるファンカバーの引っ掛け形状を示す上面図である。図11は、図10におけるXI-XI線に沿った断面図である。上述したように、ファンカバー7の第2カバー突出部7bは、ファンカバー7の面内方向において、本体ケース4の第2の切り欠き部4bに収納される。また、上述したように、底面部7b3は、高さ方向(Z軸方向)において第1カバー突出部7aよりも下側(-Z軸方向)に位置し、高さ方向(Z軸方向)においてファンカバー7の内面7cよりも下方(-Z軸方向)に配置されている。これにより、高さ方向(Z軸方向)において、第1カバー突出部7aと底面部7b3との間には、底面部7b3が第1カバー突出部7aよりも低くされた段差が構成されている。
【0042】
電力変換装置100では、基板コネクタ3とファンコネクタ8との嵌合を解除するための引っ掛け形状7eが設けられている。
【0043】
引っ掛け形状7eは、シャーシ1に取り付けられたファンユニット5をシャーシ1から取り外すための形状であり、基板コネクタ3とファンコネクタ8との嵌合を解除するための形状である。
【0044】
第1カバー突出部7aの端部7a1における-Z軸方向の下部は、幅方向(X軸方向)に沿った傾斜面であり、高さ方向(Z軸方向)において下方向(-Z軸方向)に向かうにしたがって背面側(-Y軸方向)に向かう傾斜面7a2とされている。第1カバー突出部7aの端部7a1は、第1カバー突出部7aの一辺と換言でき、ファンカバー7の一辺と換言できる。
【0045】
第1カバー突出部7aの前面側(+Y軸方向)の端部7a1と、第2カバー突出部7bの底面部7b3との間には、孔7dが形成されている。すなわち、第1カバー突出部7aの端部7a1の傾斜面7a2と、第2カバー突出部7bの底面部7b3との間には、孔7dが形成されている。孔7dは、シャーシ1へのファンユニット5の組付方向および当該組付方向に対する垂直方向に形成されている。すなわち、孔7dは、高さ方向(Z軸方向)および奥行方向(Y軸方向)において形成されている。シャーシ1へのファンユニット5の組付方向は、高さ方向(Z軸方向)における下方向(-Z軸方向)であり、高さ方向(Z軸方向)に沿った方向である。孔7dは、棒状の工具10が挿入可能な空間とされている。
【0046】
棒状の工具10は、本体ケース4の第2の切り欠き部4bの前面側(+Y軸方向)の側壁4b1の+Z軸方向の上部を支点とし、第1カバー突出部7aの端部7a1の傾斜面7a2を作用点として、てこの原理でファンコネクタ8を引き上げ可能な形状を有している。工具10は、マイナスドライバが用いられるが、これに限定されず別の治具が用いられてもよい。
【0047】
傾斜面7a2は、第1カバー突出部7aにおける当該第1カバー突出部7aの突出方向(+Y軸方向)における端部と換言できる。そして、傾斜面7a2は、孔7dに挿入される棒状の工具10と接触する面取り部であって突出方向(+Y軸方向)に向かうにしたがって第1カバー突出部7aの内面から第1カバー突出部7aの外面に向かう傾斜面を有するといえる。
【0048】
上記のように、引っ掛け形状7eにおいては、ファンカバー7は、第1カバー突出部7aの一辺である端部7a1から外側(+Y軸方向)に突出した突出部である第2カバー突出部7bを有する。第2カバー突出部7bは、第1カバー突出部7aの端部7a1よりもファンカバー7の厚さ方向においてファン6側(-Z軸方向)に配置された段差部である底面部7b3を有する。ファンカバー7の厚さ方向は、高さ方向(Z軸方向)に沿った方向である。そして、第1カバー突出部7aの端部7a1と底面部7b3との間に、棒状の工具10が挿入可能な孔7dが形成されている。
【0049】
つぎに、電力変換装置100においてシャーシ1からファンユニット5を取り外す方法について説明する。図12は、実施の形態1にかかる電力変換装置においてシャーシからファンユニットを取り外す方法を説明する図である。図12は、図11に対応する断面図である。上述したように、電力変換装置100においては、第1カバー突出部7aの前面側(+Y軸方向)の端部7a1と、第2カバー突出部7bの底面部7b3との間には、孔7dが形成されている。
【0050】
シャーシ1からファンユニット5を取り外す場合には、ユーザは、図3を用いて説明したファンユニット5をシャーシ1に組み付ける場合の動作とは反対に、2つの摘まみ部7iを左手で摘まんで、当該摘まみ部7iをファンカバー7の面内方向における内側に向かって押してファンカバー7のツメ部7hをシャーシ1の溝部1bから外す。そして、ユーザは、左手でファンカバー7のツメ部7hをシャーシ1の溝部1bから外した状態で、右手で以下の動作を行う。
【0051】
ユーザは、シャーシ1からファンユニット5を取り外す際には、右手で孔7dに棒状の工具10を差し込む。孔7dは高さ方向(Z軸方向)および奥行方向(Y軸方向)に形成されているため、工具10はシャーシ1へのファンユニット5の組付方向に対して、斜め下方に差し込まれる。ここでの斜め下方は、背面側(-Y軸方向)および下方向(-Z軸方向)に向かう方向である。ユーザは、第2の切り欠き部4bに対して、図12に示す矢印Cの方向に、前面側(+Y軸方向)から背面側(-Y軸方向)に向かって斜め下方に工具10を差し込み、さらに工具10の先端を孔7dに差し込む。
【0052】
ここで、第1カバー突出部7aの端部7a1の傾斜面7a2の機能について説明する。第1カバー突出部7aの傾斜面7a2は、第2の切り欠き部4bに対して前面側(+Y軸方向)から背面側(-Y軸方向)に向かって斜め下方に差し込まれた工具10を孔7dに案内する機能を有する。工具10の先端の上面は、第1カバー突出部7aの傾斜面7a2に対応した傾斜面であって、工具10の先端を先細り形状とする傾斜面10aとされている。第2の切り欠き部4bに対して前面側(+Y軸方向)から背面側(-Y軸方向)に向かって斜め下方に差し込まれた工具10は、先端の傾斜面10aが第1カバー突出部7aの端部7a1の傾斜面7a2に当たることにより当該傾斜面7a2により孔7dに案内されて、先端が孔7dに差し込まれる。
【0053】
ユーザは、工具10の先端を孔7dに差し込んだ後に、工具10の長手方向における先端と反対側の端部である不図示の他端側を、図12に示す矢印Dの方向に、本体ケース4に向けて下方(-Z軸方向)に下げる。これにより、工具10は、本体ケース4の第2の切り欠き部4bの前面側(+Y軸方向)の側壁4b1の+Z軸方向の上部が支点となり、第1カバー突出部7aの端部7a1の傾斜面7a2が作用点となり、てこの原理で工具10の先端の傾斜面10aが第1カバー突出部7aの端部7a1の傾斜面7a2を上方向(+Z軸方向)に引き上げる。これにより、基板コネクタ3に嵌合していたファンコネクタ8が上方向(+Z軸方向)に引き上げられ、シャーシ1からファンユニット5が取り外される。
【0054】
すなわち、ユーザの左手によってファンカバー7のツメ部7hがシャーシ1の溝部1bから外された状態で、ユーザの右手によって工具10を用いてファンコネクタ8と基板コネクタ3との嵌合を解除してファンコネクタ8が基板コネクタ3から引き抜かれ、ユーザの左手によってファンカバー7が高さ方向(Z軸方向)において上方(+Z軸方向)に持ち上げられることにより、シャーシ1からファンユニット5が取り外される。
【0055】
ここで、第1カバー突出部7aの傾斜面7a2は、てこの原理で工具10がファンコネクタ8を引き上げる際に、工具10の先端の上面である傾斜面10aが接触する平面として機能することで、より安定してファンユニット5をシャーシ1から引き上げることができる。
【0056】
なお、上述した引っ掛け形状7eの効果を得るためには、孔7dを形成する引っ掛け形状7eと同様の構成を有する引っ掛け部が、ファンカバー7における本体ケース4と対向する少なくとも一辺に形成されればよい。すなわち、ファンカバー7は、ファンコネクタ8と他のコネクタである基板コネクタ3とが嵌合された状態においてファンコネクタ8と基板コネクタ3との嵌合を解除してファンコネクタ8を基板コネクタ3から引き抜くための引っ掛け形状7eを有する引っ掛け部を備える。引っ掛け形状7eを有する引っ掛け部は、ファンカバー7の面内方向における当該ファンカバー7の外縁部の一部といえる。
【0057】
図13は、実施の形態1にかかる電力変換装置が備えるファンカバーに取付部品によりファンコネクタが固定された状態を高さ方向(Z軸方向)における下側(-Z軸方向)から見た拡大図である。図14は、図13におけるXIV-XIV線に沿った断面図である。図14は、前面側(+Y軸方向)から見た断面図である。
【0058】
取付部品9は、図13に示すように、ファンカバー7の面内方向においてファンコネクタ8の周囲を囲んで設けられている。取付部品9は、ファンカバー7の面内方向においてファンコネクタ8の周囲を囲むことで、ファンコネクタ8の幅方向(X軸方向)および奥行方向(Y軸方向)の位置を決める機能を有する。すなわち、ファンコネクタ8は、取付部品9によって、ファンカバー7の面内方向において直交する2方向である幅方向(X軸方向)および奥行方向(Y軸方向)における位置が、位置決めされている。
【0059】
取付部品9は、図14に示すように、高さ方向(Z軸方向)におけるファンカバー7側に取付部品孔9aが形成されている。取付部品孔9aは、高さ方向(Z軸方向)における同じ位置であって、且つ幅方向(X軸方向)において対向する2箇所に2つ形成されている。取付部品9は、図14に示すように、ファンカバー7の面内方向においてファンコネクタ8の周囲を囲んで設けられた取付部品フランジ部9bを有する。取付部品9は、高さ方向(Z軸方向)におけるファンカバー7側の端部の内側に取付部品テーパー部9cが形成されている。
【0060】
ファンカバー7は、図14に示すように、高さ方向(Z軸方向)において内面7cからファン6側に向かって突出して内面7cに垂直に設けられた2つのアーム部7fを有する。アーム部7fの先端部には、取付部品9の取付部品孔9aに引っ掛かるフック爪7gが設けられている。
【0061】
ファンコネクタ8は、高さ方向(Z軸方向)におけるファンカバー7側の端部の外周部にファンコネクタフランジ部8aを有する。
【0062】
ファンカバー7のアーム部7fの先端部と、取付部品9の取付部品フランジ部9bとは、高さ方向(Z軸方向)において、ファンコネクタ8を挟んでいる。すなわち、ファンコネクタ8は、高さ方向(Z軸方向)において、ファンカバー7のアーム部7fの先端部と、取付部品9の取付部品フランジ部9bとに挟まれることにより、位置決めされて固定されている。すなわち、ファンカバー7のアーム部7fの先端部と、取付部品9の取付部品フランジ部9bとは、ファンコネクタ8の高さ方向(Z軸方向)の位置を決める機能を有する。
【0063】
そして、取付部品9は、取付部品9の取付部品孔9aにファンカバー7のアーム部7fのフック爪7gが引っ掛かることによりファンカバー7に固定されている。
【0064】
つぎに、取付部品9によるファンコネクタ8の位置固定にかかる構造的特徴について説明する。ファンカバー7に取付部品9を取り付ける際、ファンカバー7のアーム部7fが内側に撓む。すなわち、アーム部7fのフック爪7gは、ファンカバー7に取付部品9を取り付ける際、取付部品9の取付部品テーパー部9cに当たることにより、当該フック爪7gの先端のテーパー部7g1がガイドとなり、アーム部7fを内側に撓ませて取付部品孔9aと係合する。
【0065】
アーム部7fのフック爪7gが取付部品9の取付部品孔9aと係合した後にファンユニット5を高さ方向(Z軸方向)において引き上げる方向(+Z軸方向)に力が加わったとき、取付部品9の取付部品孔9aには撓み機能、すなわち外側に広がる機能はないため、取付部品9がファンカバー7のアーム部7fのフック爪7gから外れることはない。ファンユニット5を高さ方向(Z軸方向)において引き上げる方向(+Z軸方向)は、ファンコネクタ8を基板コネクタ3から抜く方向と換言できる。フック爪7gは、ファンコネクタ8と基板コネクタ3との嵌合力に対応して取付部品孔9aとの引掛量が調整されてもよい。
【0066】
上述したように、実施の形態1にかかる電力変換装置100は、図12で示したようにファンカバー7を棒状の工具10で高さ方向(Z軸方向)において引き上げると同時に、ファンコネクタ8を基板コネクタ3から一緒に取り外すことができ、ファンカバー7およびファンコネクタ8をファンユニット5の状態で取り外しが可能となる。実施の形態1においては、取付部品9は、ファンカバー7のアーム部7fのフック爪7gと取付部品9の取付部品孔9aとを係合させることによりファンカバー7に固定されるが、ファンカバー7への取付部品9の固定はねじ固定など別の方法で行われてもよい。
【0067】
上述した電力変換装置100によれば、電力変換装置に実装されるファンユニットであって、ファンと、ファンに電気的に接続されたファンコネクタと、ファンに装着されるファンカバーと、ファンカバーにファンコネクタを取り付ける取付部品と、を備え、取付部品は、ファンコネクタをファンコネクタに嵌合される他のコネクタに誘導する誘い込み形状部を備えるファンユニットが、実現される。
【0068】
上述したように、電力変換装置100では、ファンコネクタ8とは別に、当該ファンコネクタ8を基板コネクタ3と嵌合しやすくする誘い込み形状部91を有する取付部品9が設けられている。電力変換装置100は、取付部品9が備える誘い込み形状部91の誘い込み機能によって、ファンコネクタ8を基板コネクタ3に嵌合させる際に、XY平面においてファンコネクタ8が基板コネクタ3に適切に案内されるため、ファンコネクタ8を基板コネクタ3に容易に且つ確実に嵌合させることができる。
【0069】
これにより、電力変換装置100のファンユニット5では、ファンコネクタ8に専用のコネクタあるいは特殊なコネクタを用いること無く、ファンコネクタ8に一般的なファンの汎用コネクタを流用しつつ、シャーシ1にファンユニット5を組み付ける際の基板コネクタ3へのファンコネクタ8の位置ずれを補正して、基板コネクタ3とファンコネクタ8との位置ずれを解消することができる。
【0070】
また、電力変換装置100では、ユーザは、専用の工具を用意すること無く、シャーシ1にファンユニット5を容易に組み付けることができる。また、電力変換装置100では、ファンカバー7が引っ掛け形状7eを有する。これにより、ユーザは、専用の工具を用意すること無く、シャーシ1からファンユニット5を容易に取り外すことができる。すなわち、ユーザは、専用の工具を用意すること無く、基板コネクタ3とファンコネクタ8とを電気的に接続することができ、また基板コネクタ3とファンコネクタ8との電気的な接続を解除することができる。
【0071】
また、電力変換装置100では、ファンカバー7が引っ掛け形状7eを有することにより、シャーシ1からファンユニット5を取り外す際に、基板コネクタ3とファンコネクタ8との嵌合力が強い場合でも、ファンカバー7の孔7dに棒状の工具10を差し込むことにより、ファンカバー7の第1カバー突出部7aを棒状の工具10に引っ掛けて上に持ち上げることができる。これにより、電力変換装置100では、基板コネクタ3とファンコネクタ8との嵌合力が強い場合でも、基板コネクタ3からファンコネクタ8を容易に取り外すことができ、シャーシ1からファンユニット5を容易に取り外すことができる。すなわち、ユーザは、基板コネクタ3とファンコネクタ8との嵌合力が強い場合でも、ファンカバー7の引っ掛け形状7eを利用することにより、基板コネクタ3とファンコネクタ8との嵌合を容易に解除することができる。
【0072】
電力変換装置100は、上述した機能を有することにより、当該電力変換装置100の組み立てを効率化することができる。電力変換装置100は、さらに取付部品9の材料の選定を工夫することで、経済的に安価に実現することができる。
【0073】
したがって、電力変換装置100によれば、ファンユニット5のファンコネクタ8を他のコネクタである基板コネクタ3と嵌合させる際のコネクタ同士の位置ずれを解消できるファンユニットが得られる、という効果を奏する。
【0074】
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【符号の説明】
【0075】
1 シャーシ、1a 凹部、1b 溝部、2 基板、3 基板コネクタ、4 本体ケース、4a 第1の切り欠き部、4b 第2の切り欠き部、4b1 側壁、5 ファンユニット、6 ファン、7 ファンカバー、7a 第1カバー突出部、7b 第2カバー突出部、7a1 端部、7a2,10a 傾斜面、7b1 第1側面部、7b2 第2側面部、7b3 底面部、7c 内面、7d 孔、7e 引っ掛け形状、7f アーム部、7g フック爪、7g1 テーパー部、7h ツメ部、7i 摘まみ部、8 ファンコネクタ、8a ファンコネクタフランジ部、9 取付部品、9a 取付部品孔、9b 取付部品フランジ部、9c 取付部品テーパー部、10 工具、91 誘い込み形状部、100 電力変換装置、911 第1誘い込み形状部、912 第2誘い込み形状部、913 第3誘い込み形状部。
【要約】
ファンユニット(5)は、電力変換装置に実装されるファンユニット(5)であって、ファン(6)と、ファン(6)に電気的に接続されたファンコネクタ(8)と、ファン(6)に装着されるファンカバー(7)と、ファンカバー(7)にファンコネクタ(8)を取り付ける取付部品(9)と、を備える。取付部品(9)は、ファンコネクタ(8)をファンコネクタ(8)に嵌合される他のコネクタに誘導する誘い込み形状部(91)を備える。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14