(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-11
(45)【発行日】2025-04-21
(54)【発明の名称】粉状物体計数装置
(51)【国際特許分類】
B65G 53/18 20060101AFI20250414BHJP
G06M 11/00 20060101ALI20250414BHJP
G06M 7/02 20060101ALI20250414BHJP
【FI】
B65G53/18
G06M11/00 A
G06M7/02
(21)【出願番号】P 2021098732
(22)【出願日】2021-06-14
【審査請求日】2024-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】522087154
【氏名又は名称】合同会社ポーラス・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110003155
【氏名又は名称】弁理士法人バリュープラス
(72)【発明者】
【氏名】蒲田 喜彦
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-011167(JP,A)
【文献】特開2018-158773(JP,A)
【文献】特開平10-236646(JP,A)
【文献】実開平02-037118(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 53/00 - 53/66
B65G 47/00 - 47/96
G06M 11/00 - 11/04
G06M 7/00 - 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
個々が極小サイズで全体が粉状のワークの個数を計数する装置であって、上流側のワーク供給位置から下流側で次工程に向けて排出されるまでの搬送路を、内部が正圧とされるチャンバーと、このチャンバー上面に設けられ、連続した複数の山部と谷部が形成されると共に一面全域に無数の空気噴出孔が形成されたポーラスプレートとから形成し、前記搬送路はワークの搬送方向下流側を下方として傾斜させ
、さらに、前記搬送路におけるワーク供給位置の直後で、前記ポーラスプレート上に、上流側下方に向けた気流を付与するエアカーテンを設けた粉状物体計数装置。
【請求項2】
前記チャンバーを搬送路の上流と下流とに分割して、下流側のチャンバーは上流側のチャンバーより圧力が高い請求項1記載の粉状物体計数装置。
【請求項3】
前記ポーラスプレートの下流端を除く、前記搬送路の周囲にガイド壁面を設けた請求項1又は2に記載の粉状物体計数装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個々が極小サイズで全体が粉状のワークの個数を計数する粉状物体計数装置に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今の電子部品は小型化が進み、厚みが数ミリ以下の基板もあり、全体としてはもはや粉状となっている。よってそのような極小のワークについては、既存の技術、設備では計数が困難となってきており、個数計数はせず、総重量から個数を算出する方式を採ることが多くなってきた。しかし、総重量から個数を算出する方式であると、精密な重量計を用いても数個の誤差が生じる。
【0003】
そこで、例えば、本出願人は、特許文献1(において粒径の極めて小さい粉状のワークを個別に分離して落下させることが非常に困難である点、搬送(落下)軌道が著しく不安定である点、全量の搬送を完了するまでに時間を要する点を改善するために、次の構成とした。
【0004】
すなわち、特許文献1は、内部中空でワークが搬送される側の面の内外を貫通した孔を介して外部に向けて空気を吹き出すことが可能とされると共に、ワークの搬送方向の上流端に対して下流端を下方に傾斜させて配置した搬送部と、この搬送部の上面に設けられ、ワークの粒径より小さい径の無数の噴出孔が形成されると共にワークの粒径に応じて搬送部に対して取替可能とされたポーラスプレートと、ワークの重さとワークの粒径とに基づいて空気噴出量と搬送部の傾斜の角度を決定する制御部と、を備えた構成である。
【0005】
特許文献1は、上記構成により、粉状のワークを単層化することはできたが、1個ずつの位置や姿勢がばらばらのワークを数えるには、不向きであった。すなわち、カメラで撮像して個数を数えようとしても、ポーラスプレート上で位置や姿勢にばらつきのあるワークが僅かながら揺動しており、形状の特定の困難さと前記揺動によって誤計数することがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする問題は、粉状のワークを単層化するだけでは、位置や姿勢がばらばらで僅かながら揺動したワークを精度よく計数することが困難な点である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の粉状物体計数装置は、個々が極小サイズで全体が粉状のワークの個数を計数する装置であって、上流側のワーク供給位置から下流側で次工程に向けて排出されるまでの搬送路を、内部が正圧とされるチャンバーと、このチャンバー上面に設けられ、連続した複数の山部と谷部が形成されると共に一面全域に無数の空気噴出孔が形成されたポーラスプレートとから形成し、前記搬送路はワークの搬送方向下流側を下方として傾斜させ、さらに、前記搬送路におけるワーク供給位置の直後で、前記ポーラスプレート上に、上流側下方に向けた気流を付与するエアカーテンを設けることとした。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、粉状のワークが、搬送路を形成するポーラスプレート上で単層化されると共に谷部において位置決めされるから、計数がしやすくなる。また、ポーラスプレートにおける山部と谷部、つまり全域からは空気が噴出してごく僅かにワークが浮遊した状態となり、これと共にワークの搬送方向下流側を下方として傾斜させているから、ワークを擦ることなく搬送が容易かつ高速となる。そして、上記のとおりワークを高速移動させても、複数列をなして一定の姿勢で搬送されるから、誤計数することがほとんどない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の計数装置の概略構成を示す斜視図である。
【
図2】本発明の計数装置の概略構成を示す
図1のA矢視図である。
【
図3】本発明の計数装置の概略構成を示す
図1のB矢視図である。
【
図4】本発明の計数装置の概略構成を示す
図1のC矢視図である。
【
図5】本発明の計数装置の搬送路におけるワークの状況を示し、(a)は上流で供給直後の状態、(b)は下流の状態、を説明するための図である。
【
図6】本発明の計数装置におけるワークの搬送状況を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、位置や姿勢がばらばらで僅かながら揺動したワークを精度よく計数するという目的を、上流側のワーク供給位置から下流側で次工程に向けて排出されるまでの搬送路を、内部が正圧とされるチャンバーと、このチャンバー上面に設けられ、連続した複数の山部と谷部が形成されると共に一面全域に無数の空気噴出孔が形成されたポーラスプレートとから形成し、前記搬送路はワークの搬送方向下流側を下方として傾斜させ、さらに、前記搬送路におけるワーク供給位置の直後で、前記ポーラスプレート上に、上流側下方に向けた気流を付与するエアカーテンを設けることで達成した。
【0012】
搬送路は、具体的に上面を除く5面が閉塞された1台のチャンバーの、該上面に山部と谷部とが連続して複数形成されたポーラスプレートを載置して、この状態で搬送方向の下流端を下方として傾斜させて構成する。
【0013】
ポーラスプレートは、山部及び谷部を含めた全面域に無数の空気噴射孔が形成されている。この空気噴射孔はワークが目詰まりすることがない極めて微細な径とされている。
【0014】
チャンバーにはポンプにより圧縮空気が送気され、内部に正圧がかかった状態になると、ポーラスプレートの空気噴射孔から空気が噴射される。ポーラスプレートの空気噴射孔からの空気は微量(よってチャンバー内の圧力も低い)であり、ワークが僅かに浮揚する程度であればよい。
【0015】
この搬送路上にワークが前工程から供給されると、上流側で例え幾重にも積層された状態となっていても、ポーラスプレート(の空気噴射孔)からの空気噴射と、傾斜により、搬送されるにしたがって、谷部に嵌り込んで、しだいに単層化される。そして、谷部に嵌り込むことでワークは姿勢が一定となり、下流位置において計数が容易となる。
【0016】
さらに、本発明は、前記搬送路におけるワーク供給位置の直後で、前記ポーラスプレート上に、上流側下方に向けた気流を付与するエアカーテンを設ける構成であるので、供給直後で、積層状態あるワーク、あるいは谷部に入り込んでいないワークがそのまま下流に搬送されることを防止でき、また、確実に、上流側で谷部にワークを嵌め込んだ状態で下流へ搬送できるようになる。
【0017】
また、本発明は、上記構成において、前記チャンバーを搬送路の上流と下流とに分割して、下流側のチャンバーは上流側のチャンバーより圧力を高くするようにしてもよい。こうすることで、個々のワークが搬送方向に接近あるいは接触していても下流側で上流側よりを多く空気噴出するから、下流側と上流側との境目で確実に個別化(搬送方向に適当な距離を有した状態とする)が可能となり、より誤計測が抑制される。
【0018】
また、本発明は、上記構成において、前記ポーラスプレートの下流端を除く、前記搬送路の周囲にガイド壁面を設けた構成としてもよい。こうすることで、搬送路にあるワークが外部気流の悪影響を受けることが防止され、また、ワークが搬送路外へ飛び出すことも防止できる。
【実施例】
【0019】
以下、
図1~
図6を参照して本発明の具体的実施形態について説明する。1は、個々が極小サイズで全体が粉状のワークWの個数を計数する計数装置であり、次のように構成されている。
【0020】
2は、上面が開放され、残りの5面が閉塞されたチャンバーである。本例では、チャンバー2は、本線とする搬送路Rとなるチャンバー2については搬送路Rの上流と下流とに分割し、上流側チャンバー2A、下流側チャンバー2Bとし、下流側チャンバー2B上流側チャンバー2Aより圧力が高くなるように構成されている。
【0021】
また、本例では、本線とする搬送路Rと平行して搬送路R2が設けられている。この搬送路R2は、計数の最終調整が必要な場合に残り数個を搬送するために用いられ、つまり全量計数の場合は用いられることがない。この搬送路R2は上面が開放され、残り5面が閉塞された調整チャンバー2Cにより構成されている。
【0022】
これら、上流側チャンバー2A、下流側チャンバー2B、調整チャンバー2Cには、それぞれポンプ2AB、2BP、2CPが配管を介して接続されている。ポンプ2AB、2BP、2CPは、各チャンバー2A,2B,2Cに対して設定された圧力で空気を送気する。
【0023】
3は、チャンバー2の開放面である上面に載置されたポーラスプレートである。このポーラスプレート3は、本線となる搬送路Rについては谷部3Aと山部3Bが複数(本例では谷部3Aが3列)連続した状態に形成されるように1枚が折り曲げられて形成されている。一方、搬送路R2については、谷部3Aが1列形成されている。
【0024】
また、ポーラスプレート3は、表裏を貫通する無数の空気噴出孔(ドットハッチングで示す:参照符号なし)が形成されている。この空気噴出孔はワークWの高さ、幅、奥行きのどの寸法よりも小さい径とされている。
【0025】
上記、チャンバー2とポーラスプレート3、及び本例では後述ガイド4により構成された搬送路R、R2は、下流を下方として傾斜させて設けられる。本例では、搬送路Rの傾斜角度は搬送路R2のそれよりも大きく、よって、搬送路Rの搬送速度が搬送路R2よりも早くなるように設定されている。
【0026】
すなわち、本発明の計数装置1は、チャンバー2内で充満した空気はポーラスプレート3から噴出し、この噴出圧でポーラスプレート3上の、例えば積層状態、あるいは複数が搬送方向や搬送方向と直交する方向に接触した状態のワークWの単層化を促して谷部3Bに嵌め込んで姿勢を一定に整えつつ、傾斜に沿って自重で下流に搬送される山部3Bに搬送する。
【0027】
4は、本例において、例えば搬送路R,R2におけるポーラスプレート3の下流端を除く周囲に設けたガイドである。このガイド4は、搬送路R,R2に供給されたワークWが飛散することを防止したり、外気流によってワークWの姿勢が乱れたりすることを防止するために設けている。
【0028】
5は、本例では、個々が極小サイズで全体が粉状のワークWを貯留して搬送路R,R2上方から該搬送路R,R2に供給するホッパーである。本例では、このホッパー5は、ボールねじ5aの回転により搬送方向と直交する方向に移動が可能とされている。
【0029】
6は、搬送路Rの下流位置に設けられて、ポーラスプレート3上に整列されて搬送されるワークWを撮像するカメラである。このカメラ6は、ボールねじ6aの回転により搬送方向と直交する方向に移動が可能とされている。さらに、カメラ6は、本例では、搬送路Rの3列の谷部3Aを1画角に収め、画像データを不図示の制御部に送る。制御部はカメラ6から出力された画像データに基づいてリアルタイムで画像処理を行ってワークWの個数を計数する。
【0030】
7は、本例において本線となる搬送路Rとは別に設けた搬送路R2の下流端の一部に設けた振動部7である。搬送路R2は、上流側と下流側とでチャンバー2を分けてなく、整列状態ではあるが、個々のワークWが分離していないこともあるから、この振動部7の振動により個別分離するようにしている。
【0031】
8は、例えば、本例において、搬送路Rにおける上流側でワークWの供給位置より下流に設けられたエアカーテンである。このエアカーテン8は、搬送路Rの上方の位置から下方(ポーラスプレート3の表面)に向けてやや上流方向の微風を送気して、供給された直後のワークWの積層状態を速やかに単層化するようにしている。
【0032】
上記構成の本例の計数装置1は、次のように動作する。本例では、例えばある一定個数、例えば1000個を計数する例で説明する。ワークWを搬送路Rに供給する前に、計数装置1は、ホッパー5及びカメラ6を搬送路R2の上方に移動させ、ポンプ2CPを駆動して調整チャンバー2C内に正圧を付与し、搬送路R2のポーラスプレート3から空気を噴出させておく。
【0033】
搬送路R2側での準備が完了したら、ホッパー5から個々が極小で全体としては粉状のワークWを搬送路R2に供給する。この段階での搬送路R2へのワークWの供給は、該搬送路R2の最下流位置にワークWが到達するまで行われる。
【0034】
搬送路R2の最下流位置にワークWが到達したことをカメラ6の撮像データから制御部が認識すると、ホッパー5は搬送路R2へのワークWの供給、ポンプ2CPによるチャンバー2C内の正圧付与を停止し、該ホッパー5とカメラ6とを搬送路Rへ移動させる。
【0035】
ホッパー5が搬送路Rの上流側上方に移動させている(カメラ6も搬送路Rの下流側上方に移動)間、あるいは上記搬送路R2にワークWを供給するのと同じタイミングで、本例では、ポンプ2APを駆動して上流側チャンバー2A内を、ポンプ2BPを駆動して下流側チャンバー2Bを、各々正圧を付与して、搬送路Rのポーラスプレート3から空気噴出させたうえ、該ホッパー5から搬送路Rへ個々が極小で全体としては粉状のワークWを供給する。
【0036】
搬送路RへワークWを供給する際、例えばホッパー5が搬送路Rの幅方向(以下、左右という)に往復動しながら供給してもよく、こうすれば、3列の谷部3Aに向けて比較的均等にワークWを分散させて供給することができる。
【0037】
また、ホッパー5からのワークWは、下流側で必要個数を計数するまで断続的に供給するようにしてもよいし、一度にまとまった量を供給するようにしてもよい。本例では、前者のようにして供給することとして説明する。
【0038】
なお、本例では、搬送路R,R2にはガイド4が設けられているので、ホッパー5からのワークWの供給時や、搬送時に、ワークWが外搬送路R,R2から飛び出すことが防止され、また、外気流の影響を受けることも防止される。
【0039】
ホッパー5から搬送路RへワークWの供給が開始されると、本例ではエアカーテン8を駆動して、搬送路Rへ供給されたワークWが速やかに谷部3Aに嵌り込むように、また、積層状態のまま下流側へ搬送されないよう、下方かつ上流向きに送気する。
【0040】
ホッパー5から搬送路RへワークWが供給された直後の状態では、
図5(a)に示すように、未だ谷部3Aにチャンバー2(上流側チャンバー2A)からポーラスプレート3を介した空気噴射と搬送路Rの傾斜により、谷部3AにあるワークWは僅かに浮上して搬送方向に自重で移動し、この移動により当該ワークW上に積層されたワークWが積層位置に残って、この下部の移動したワークWの移動後の位置(谷部3A)に嵌り込んで積層状態が解消される。
【0041】
また、本例では、
図5(a)に示すように、ホッパー5から搬送路RへワークWが供給された直後の状態で、エアカーテン8から上流側下方に向けて送気しているので、上記した積層状態の解消は迅速に促進し、搬送路Rの搬送経路長の半分を超えるあたりでは
図5(b)に示すように整列状態となる。
【0042】
そして、上流側チャンバー2Aと下流側チャンバー2Bとの境を超えると、上流側チャンバー2Aよりも若干高圧とされた該下流側チャンバー2Bの圧力差により、
図6に示すように、搬送方向に整列されたワークW同士の間隔が上流側チャンバー2Aの位置にあるときよりも広くなって完全に個別分離された状態となる。
【0043】
上記のように搬送路Rの下流に搬送される個別分離されたワークWは、カメラ6により本例では3列の谷部3Aを搬送されるワークWを撮像する。本例では、搬送路Rにおいて、カメラ6の撮像領域を通過する速度は27個/秒、つまり1秒間で27個のワークWが通過するよう、該搬送路Rの傾斜を調整してある。なお、この搬送速度は、制御部において1個を計数できる画像処理能力に依存している。
【0044】
つまり、ワークWの1個を計数する速度は37msecであり、カメラ6では3列の谷部3Aをパラレルに計数しているので、10000個を計数しようとすると、各列で約3333個を計数すればよいことになり、これに要する時間は約123秒、つまり約2分で済むことになる。
【0045】
本例の場合、9999個でも、10001個でもなく、正確に10000個を計数しようとしている。ここで、制御部は計数開始から123秒後に搬送路Rにおけるカメラ6以外のチャンバー2(上流側チャンバー2A、下流側チャンバー2B)による空気噴射、ホッパー5によるワークWの供給、エアカーテン8による送気を止めて、該搬送路RによるワークWの搬送を停止する。
【0046】
そして、制御部は、123秒経過時のワークWが、谷部2A1列につき123秒×27個=3321個なので、総計(3列分)総計9963個を計数されていることに基づいて、37個を搬送路R2により搬送して正確に10000個を計数する。
【0047】
すなわち、123秒経過し、搬送路RによるワークWの搬送を停止すると、カメラ6を搬送路R2に移動させ、ポンプ2CPを駆動して調整チャンバー2C上のポーラスプレート3から空気を噴射させ、振動部7を振動させて、搬送路R2の1列の谷部3Aから搬送されるワークWを個別分離しつつカメラ6の前を搬送する。
【0048】
搬送路R2の搬送速度は搬送路Rよりは若干遅いものの、例えば1秒あたり10個搬送するとしたならば、4秒で37個を計数できる。よって、約127秒(123秒+4秒+搬送路Rから搬送路R2への移行時間)で10000個を正確に計数できることとなる。
【0049】
なお、ホッパー5から供給されたワークWの全量を計数する場合は、搬送路R2を用いてワークWを搬送する必要はなくカメラ6でワークWが撮像されなくなるまで計数すればよい。また、一定数を計数する場合において、谷部3Aを上記では3列としたが、カメラ6で分割撮像可能で制御部の処理能力に余裕があれば列数を増やすことで、さらに多量を短時間で計数できることは言うまでもない。
【0050】
このように、従来では個々が極小サイズで全体が粉状のワークWの計数が非常に困難であったが、本発明の計数装置1を用いれば、正確で早く、計数できる。
【符号の説明】
【0051】
1 計数装置
2 チャンバー
2A 上流側チャンバー
2B 下流側チャンバー
2C 調整チャンバー
3 ポーラスプレート
3A 谷部
4A 山部
4 ガイド
6 カメラ
7 振動部
8 エアカーテン
R 搬送路(本線)
R2 搬送路
W ワーク