(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-11
(45)【発行日】2025-04-21
(54)【発明の名称】基板処理システム、及び群管理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/02 20060101AFI20250414BHJP
G05B 19/418 20060101ALI20250414BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
G05B19/418 Z
(21)【出願番号】P 2021155058
(22)【出願日】2021-09-24
【審査請求日】2024-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】木村 隆一
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 稔久
(72)【発明者】
【氏名】松井 浩彬
【審査官】庄司 一隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-282386(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0177273(US,A1)
【文献】特開2020-205338(JP,A)
【文献】特開2002-055711(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2001/0051886(US,A1)
【文献】特開2001-102425(JP,A)
【文献】特開2003-100576(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0055522(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/02
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する複数の基板処理装置と、前記複数の基板処理装置を管理する群管理装置とを備える基板処理システムであって、
前記複数の基板処理装置はそれぞれ、
処理液を使用するタイミングと前記処理液の流量とを示す計画を作成する計画作成部と、
前記群管理装置と通信し、前記群管理装置に前記計画を送信する第1通信部と
を備え、
前記複数の基板処理装置には共通の用力設備から前記処理液が供給され、
前記群管理装置は、
前記用力設備から供給される前記処理液の流量に対する閾値を記憶する記憶部と、
前記複数の基板処理装置と通信し、前記複数の基板処理装置の各々から前記計画を受信する第2通信部と、
前記第2通信部が受信した前記計画に基づいて、前記複数の基板処理装置が使用する前記処理液の総流量を取得し、前記総流量が前記閾値を超えるか否かを判定する処理部と
を備え、
前記処理部は、前記総流量が前記閾値を超えると判定したことに応じて、前記複数の基板処理装置のうちのいずれかに、前記第2通信部を介して前記計画の調整を指示し、
前記複数の基板処理装置のうち、前記計画の調整を指示された基板処理装置である指示対象装置の前記計画作成部は、前記総流量が前記閾値以下となる前記計画を作成する、基板処理システム。
【請求項2】
前記処理部は、前記計画の調整を指示する際に、前記複数の基板処理装置の前記計画又は前記処理液の総流量を、前記第2通信部を介して前記指示対象装置に送信し、
前記指示対象装置の前記計画作成部は、前記複数の基板処理装置の前記計画又は前記処理液の総流量に基づいて、前記総流量が前記閾値以下となる前記計画を作成する、請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項3】
前記処理部は、前記複数の基板処理装置の前記計画又は前記処理液の総流量に基づいて、前記総流量を前記閾値以下にする調整量を示す調整量情報を生成し、前記計画の調整を指示する際に、前記第2通信部を介して前記指示対象装置に前記調整量情報を送信し、
前記指示対象装置の前記計画作成部は、前記調整量情報に基づいて、前記総流量が前記閾値以下となる前記計画を作成する、請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項4】
前記指示対象装置の前記計画作成部は、処理を開始する前の前記基板に対応する前記計画を調整する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の基板処理システム。
【請求項5】
前記処理部は、前記複数の基板処理装置が前記群管理装置に前記計画を送信したタイミングである送信タイミングに基づいて前記指示対象装置を決定する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の基板処理システム。
【請求項6】
前記処理部は、前記複数の基板処理装置のうち、前記送信タイミングが最も遅い基板処理装置を前記指示対象装置に決定する、請求項5に記載の基板処理システム。
【請求項7】
前記計画は、前記基板処理装置の外部から内部に前記基板が搬入されてから、前記基板処理装置の前記外部に前記基板が搬出されるまでの時間である基板処理時間を示し、
前記処理部は、前記基板処理時間に基づいて前記指示対象装置を決定する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の基板処理システム。
【請求項8】
前記処理部は、前記複数の基板処理装置のうち、前記基板処理時間が最も短い基板処理装置を前記指示対象装置に決定する、請求項7に記載の基板処理システム。
【請求項9】
前記計画は、前記基板の処理が終了する処理終了タイミング、又は前記基板が前記基板処理装置の外部に搬出される基板搬出タイミングを示し、
前記処理部は、前記処理終了タイミング又は前記基板搬出タイミングに基づいて前記指示対象装置を決定する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の基板処理システム。
【請求項10】
前記処理部は、前記複数の基板処理装置のうち、前記処理終了タイミング又は前記基板搬出タイミングが最も遅い基板処理装置を前記指示対象装置に決定する、請求項9に記載の基板処理システム。
【請求項11】
前記計画は、前記基板の処理が開始する処理開始タイミング、又は前記基板が前記基板処理装置の外部から内部に搬入される基板搬入タイミングを示し、
前記処理部は、前記処理開始タイミング又は前記基板搬入タイミングに基づいて前記指示対象装置を決定する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の基板処理システム。
【請求項12】
前記処理部は、前記複数の基板処理装置のうち、前記処理開始タイミング又は前記基板搬入タイミングが最も遅い基板処理装置を前記指示対象装置に決定する、請求項11に記載の基板処理システム。
【請求項13】
基板を処理する複数の基板処理装置を管理する群管理装置であって、
前記複数の基板処理装置にはそれぞれ、共通の用力設備から処理液が供給され、
前記群管理装置は、
前記用力設備から供給される前記処理液の流量に対する閾値を記憶する記憶部と、
前記複数の基板処理装置と通信し、前記複数の基板処理装置の各々から、前記処理液を使用するタイミングと前記処理液の流量とを示す計画を受信する通信部と、
前記通信部が受信した前記計画に基づいて、前記複数の基板処理装置が使用する前記処理液の総流量を取得し、前記総流量が前記閾値を超えるか否かを判定する処理部と
を備え、
前記処理部は、前記総流量が前記閾値を超えると判定したことに応じて、前記複数の基板処理装置のうちのいずれかに、前記通信部を介して前記計画の調整を指示する、群管理装置。
【請求項14】
前記処理部は、前記複数の基板処理装置の前記計画又は前記処理液の総流量に基づいて、前記総流量を前記閾値以下にする調整量を示す調整量情報を生成し、前記計画の調整を指示する際に、前記通信部を介して、前記計画の調整を指示する基板処理装置に前記調整量情報を送信する、請求項13に記載の群管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理システム、及び群管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
処理液を用いて基板を処理する基板処理装置が知られている。基板処理装置は、工場のクリーンルーム内に設置される。処理液は、工場に設置されている用力設備から基板処理装置に供給される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に工場内には複数の基板処理装置が設置される。したがって、複数の基板処理装置が同時に基板を処理した場合、工場の用力設備から複数の基板処理装置に同時に処理液が供給される。しかしながら、この場合、複数の基板処理装置が使用する処理液の総流量が、用力設備から供給可能な処理液の最大流量を超えることがある。複数の基板処理装置が使用する処理液の総流量が用力設備の最大流量を超えると、複数の基板処理装置から警報が発出されて、複数の基板処理装置が停止する。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の基板処理装置が使用する処理液の総流量が、用力設備から供給可能な処理液の最大流量を超えることを抑制できる基板処理システム、及び群管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面によれば、基板処理システムは、基板を処理する複数の基板処理装置と、前記複数の基板処理装置を管理する群管理装置とを備える。前記複数の基板処理装置はそれぞれ、計画作成部と、第1通信部とを備える。前記計画作成部は、処理液を使用するタイミングと前記処理液の流量とを示す計画を作成する。前記第1通信部は、前記群管理装置と通信し、前記群管理装置に前記計画を送信する。前記複数の基板処理装置には共通の用力設備から前記処理液が供給される。前記群管理装置は、記憶部と、第2通信部と、処理部とを備える。前記記憶部は、前記用力設備から供給される前記処理液の流量に対する閾値を記憶する。前記第2通信部は、前記複数の基板処理装置と通信し、前記複数の基板処理装置の各々から前記計画を受信する。前記処理部は、前記第2通信部が受信した前記計画に基づいて、前記複数の基板処理装置が使用する前記処理液の総流量を取得し、前記総流量が前記閾値を超えるか否かを判定する。前記処理部は、前記総流量が前記閾値を超えると判定したことに応じて、前記複数の基板処理装置のうちのいずれかに、前記第2通信部を介して前記計画の調整を指示する。前記複数の基板処理装置のうち、前記計画の調整を指示された基板処理装置である指示対象装置の前記計画作成部は、前記総流量が前記閾値以下となる前記計画を作成する。
【0007】
ある実施形態において、前記処理部は、前記計画の調整を指示する際に、前記複数の基板処理装置の前記計画又は前記処理液の総流量を、前記第2通信部を介して前記指示対象装置に送信する。前記指示対象装置の前記計画作成部は、前記複数の基板処理装置の前記計画又は前記処理液の総流量に基づいて、前記総流量が前記閾値以下となる前記計画を作成する。
【0008】
ある実施形態において、前記処理部は、前記複数の基板処理装置の前記計画又は前記処理液の総流量に基づいて、前記総流量を前記閾値以下にする調整量を示す調整量情報を生成し、前記計画の調整を指示する際に、前記第2通信部を介して前記指示対象装置に前記調整量情報を送信する。前記指示対象装置の前記計画作成部は、前記調整量情報に基づいて、前記総流量が前記閾値以下となる前記計画を作成する。
【0009】
ある実施形態において、前記指示対象装置の前記計画作成部は、処理を開始する前の前記基板に対応する前記計画を調整する。
【0010】
ある実施形態において、前記処理部は、前記複数の基板処理装置が前記群管理装置に前記計画を送信したタイミングである送信タイミングに基づいて前記指示対象装置を決定する。
【0011】
ある実施形態において、前記処理部は、前記複数の基板処理装置のうち、前記送信タイミングが最も遅い基板処理装置を前記指示対象装置に決定する。
【0012】
ある実施形態において、前記計画は、前記基板処理装置の外部から内部に前記基板が搬入されてから、前記基板処理装置の前記外部に前記基板が搬出されるまでの時間である基板処理時間を示す。前記処理部は、前記基板処理時間に基づいて前記指示対象装置を決定する。
【0013】
ある実施形態において、前記処理部は、前記複数の基板処理装置のうち、前記基板処理時間が最も短い基板処理装置を前記指示対象装置に決定する。
【0014】
ある実施形態において、前記計画は、前記基板の処理が終了する処理終了タイミング、又は前記基板が前記基板処理装置の外部に搬出される基板搬出タイミングを示す。前記処理部は、前記処理終了タイミング又は前記基板搬出タイミングに基づいて前記指示対象装置を決定する。
【0015】
ある実施形態において、前記処理部は、前記複数の基板処理装置のうち、前記処理終了タイミング又は前記基板搬出タイミングが最も遅い基板処理装置を前記指示対象装置に決定する。
【0016】
ある実施形態において、前記計画は、前記基板の処理が開始する処理開始タイミング、又は前記基板が前記基板処理装置の外部から内部に搬入される基板搬入タイミングを示す。前記処理部は、前記処理開始タイミング又は前記基板搬入タイミングに基づいて前記指示対象装置を決定する。
【0017】
ある実施形態において、前記処理部は、前記複数の基板処理装置のうち、前記処理開始タイミング又は前記基板搬入タイミングが最も遅い基板処理装置を前記指示対象装置に決定する。
【0018】
本発明の他の局面によれば、群管理装置は、基板を処理する複数の基板処理装置を管理する。前記複数の基板処理装置にはそれぞれ、共通の用力設備から処理液が供給される。当該群管理装置は、記憶部と、通信部と、処理部とを備える。前記記憶部は、前記用力設備から供給される前記処理液の流量に対する閾値を記憶する。前記通信部は、前記複数の基板処理装置と通信し、前記複数の基板処理装置の各々から、前記処理液を使用するタイミングと前記処理液の流量とを示す計画を受信する。前記処理部は、前記通信部が受信した前記計画に基づいて、前記複数の基板処理装置が使用する前記処理液の総流量を取得し、前記総流量が前記閾値を超えるか否かを判定する。前記処理部は、前記総流量が前記閾値を超えると判定したことに応じて、前記複数の基板処理装置のうちのいずれかに、前記通信部を介して前記計画の調整を指示する。
【0019】
ある実施形態において、前記処理部は、前記複数の基板処理装置の前記計画又は前記処理液の総流量に基づいて、前記総流量を前記閾値以下にする調整量を示す調整量情報を生成し、前記計画の調整を指示する際に、前記通信部を介して、前記計画の調整を指示する基板処理装置に前記調整量情報を送信する。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る基板処理システム及び群管理装置によれば、複数の基板処理装置が使用する処理液の総流量が、用力設備から供給可能な処理液の最大流量を超えることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施形態に係る基板処理システムを示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る基板処理システムを示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る基板処理システムを示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る基板処理システムを示す図である。
【
図6】基板処理装置のコンピューターの構成を示すブロック図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る群管理装置の構成を示すブロック図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る群管理装置が備える処理部が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【
図9】基板処理装置が備えるコンピューターの制御部が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【
図16】基板処理装置の制御部が作成するタイムスケジュールの一例を示す図である。
【
図17】基板処理装置の制御部が作成する調整後のタイムスケジュールの一例を示す図である。
【
図18】基板処理装置の制御部が作成するタイムスケジュールの一例を示す図である。
【
図19】基板処理装置の制御部が作成する調整後のタイムスケジュールの一例を示す図である。
【
図20】本発明の他の実施形態に係る基板処理装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面(
図1~
図20)を参照して本発明の基板処理システム及び群管理装置に係る実施形態を説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合がある。また、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0023】
本発明の実施形態における「基板」には、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、及び光磁気ディスク用基板などの各種基板を適用可能である。以下では主として、円盤状の半導体ウエハの処理に用いられる基板処理システム及び群管理装置を例に本発明の実施形態を説明するが、上に例示した各種の基板の処理にも同様に適用可能である。また、基板の形状についても各種のものを適用可能である。
【0024】
まず、
図1~
図4を参照して、本実施形態の基板処理システム100及び群管理装置2を説明する。
図1は、本実施形態の基板処理システム100を示す図である。
図1に示すように、基板処理システム100は、複数の基板処理装置1と、群管理装置2とを備える。
【0025】
複数の基板処理装置1はそれぞれ、処理液を用いて基板W(
図5参照)を処理する。群管理装置2は、複数の基板処理装置1を管理する。具体的には、群管理装置2は、ネットワークNW(
図6参照)を介して複数の基板処理装置1と通信可能に接続されており、複数の基板処理装置1から種々の情報を受信して、複数の基板処理装置1を管理する。群管理装置2は、例えば、ホストコンピューター又はサーバーである。
【0026】
詳しくは、群管理装置2は、複数のエリアAに分けて複数の基板処理装置1を管理する。複数のエリアAにはそれぞれ複数の基板処理装置1が設置されている。
【0027】
複数のエリアAの各々に設置されている複数の基板処理装置1には、共通の用力設備PFから共通のラインLを介して処理液が供給される。群管理装置2は、共通の用力設備PFから処理液が供給される複数の基板処理装置1単位でエリアAを設定して、エリアAごとに複数の基板処理装置1を管理する。
【0028】
本実施形態では、群管理装置2は、第1エリアA1に設置されている複数の基板処理装置1と、第2エリアA2に設置されている複数の基板処理装置1とを管理する。なお、本実施形態ではエリアAの数は2つであるが、エリアAの数は特に限定されない。エリアAの数は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0029】
用力設備PFは、第1用力設備PF1と、第2用力設備PF2とを含む。第1用力設備PF1は、第1エリアA1に設置されている複数の基板処理装置1に第1ラインL1を介して純水DIWを供給する。同様に、第2用力設備PF2は、第2エリアA2に設置されている複数の基板処理装置1に第2ラインL2を介して純水DIWを供給する。純水DIWは、例えば、脱イオン水(Deionzied Water)である。以下では、同一のエリアAに設置されている複数の基板処理装置1に共通の用力設備PFから純水DIWが供給される場合を例に、本発明の実施形態を説明する。純水DIWは、「処理液」の一例である。
【0030】
続いて、
図2を参照して、本実施形態の基板処理システム100を説明する。
図2は、本実施形態の基板処理システム100を示す図である。但し、説明の簡略化のため、
図2では、
図1に示す第1エリアA1に設置されている複数の基板処理装置1を示している。以下では、第1エリアA1に設置されている複数の基板処理装置1を例に本発明の実施形態を説明する。
【0031】
図2に示すように、本実施形態では、複数の基板処理装置1は、4つの基板処理装置1A~基板処理装置1Dを含む。基板処理装置1A~基板処理装置1Dは、第1エリアA1(同一のエリアA)に設置されており、第1用力設備PF1(
図1参照)から純水DIWが供給される。基板処理装置1A~基板処理装置1Dは、「同一のエリアAに設置される基板処理装置1」の一例である。以下では、基板処理装置1A~基板処理装置1Dを例に本発明の実施形態を説明する。
【0032】
なお、本実施形態では、第1エリアA1に設置される基板処理装置1の数は4つであるが、同一のエリアAに設置される基板処理装置1の数は、複数である限り特に限定されない。同一のエリアAに設置される基板処理装置1の数は2つ又は3つであってもよいし、5つ以上であってもよい。
【0033】
基板処理装置1はそれぞれ、ネットワークNW(
図6参照)を介して群管理装置2に純水DIWの使用計画を送信する。以下、純水DIWの使用計画を、「DIW使用計画」と記載する場合がある。DIW使用計画は、基板処理装置1が純水DIWを使用するタイミングと、純水DIWの単位時間当たりの流量とを示す。具体的には、DIW使用計画は、基板処理装置1が純水DIWを使用するタイミングを時系列に沿って示す。つまり、DIW使用計画は、基板処理装置1が純水DIWを使用する時刻を示す。純水DIWの単位時間当たりの流量は、基板処理装置1が単位時間当たりに使用する純水DIWの使用量を示す。以下、純水DIWの単位時間当たりの流量を、「純水DIWの流量」と記載する場合がある。
【0034】
詳しくは、DIW使用計画は、現在の時刻よりも後の計画において純水DIWを使用するタイミングと、純水DIWの流量とを示す。各基板処理装置1は、例えば、自機のロードポートLP(
図5参照)に新たな基板Wが載置される度にDIW使用計画を作成して群管理装置2に送信する。
【0035】
本実施形態では、基板処理装置1はそれぞれ、自機の各構成要素のタイムスケジュールPを作成して群管理装置2に送信する。基板処理装置1の各構成要素は、例えば、
図5を参照して後述する投入部3、払出部7、バッファユニットBU、搬送機構CV、及び処理ユニットSPを含む。タイムスケジュールPは、各構成要素の動作の開始予定時刻と各構成要素の動作の終了予定時刻とを示す。タイムスケジュールPには、純水DIWを使用するタイミングと、純水DIWの流量とが含まれる。
【0036】
図2に示すように、群管理装置2は、基板処理装置1A~基板処理装置1Dから送信されたDIW使用計画(タイムスケジュールP)に基づいて、基板処理装置1A~基板処理装置1Dが使用する純水DIWの単位時間当たりの総流量を時系列に沿って示す総流量情報AFRを生成する。以下、純水DIWの単位時間当たりの総流量を、「純水DIWの総流量」又は「DIW総流量」と記載する場合がある。DIW総流量は、同一のエリアAに設置されている複数の基板処理装置1によって使用される単位時間当たりの純水DIWの使用量の合計を示す。総流量情報AFRは、時間軸に沿ってDIW総流量を示す。詳しくは、総流量情報AFRは、現在の時刻よりも後に計画されているDIW総流量を示す。
【0037】
具体的には、群管理装置2は、基板処理装置1A~基板処理装置1Dから送信されたDIW使用計画(タイムスケジュールP)を纏めた管理情報ASCを生成し、管理情報ASCに基づいて基板処理装置1A~基板処理装置1Dを管理する。更に、群管理装置2は、管理情報ASCに基づいて、総流量情報AFRを生成する。
【0038】
図3は、本実施形態の基板処理システム100を示す図である。
図3に示すように、群管理装置2は、総流量情報AFRに基づいて、DIW総流量が閾値THを超えるか否かを判定する。ここで、閾値THは、用力設備PF(
図1参照)から供給される純水DIWの流量に対する閾値を示す。例えば、閾値THは、用力設備PF(
図1参照)から供給可能な純水DIWの単位時間当たりの最大流量に対する閾値を示してもよい。以下、純水DIWの総流量が閾値THを超えるか否かを判定する処理を、「閾値判定処理」と記載する場合がある。また、純水DIWの単位時間当たりの最大流量を、「純水DIWの最大流量」と記載する場合がある。なお、閾値THは、用力設備PFごとに設定される。
【0039】
群管理装置2は、閾値判定処理の結果、DIW総流量が閾値THを超えると判定した場合、基板処理装置1A~基板処理装置1Dのうちのいずれかに、DIW使用計画の調整を指示する再調整命令RAを送信する。以下、純水DIWの使用計画の調整を指示された基板処理装置1を、「指示対象装置」と記載する場合がある。
【0040】
具体的には、群管理装置2は、管理情報ASCに基づいて、DIW総流量が閾値THを超える時間帯に純水DIWを使用する基板処理装置1を特定する。そして、DIW総流量が閾値THを超えるタイミングで純水DIWを使用する基板処理装置1のうちの1つを指示対象装置に決定する。以下、指示対象装置を決定する処理を「決定処理」と記載する場合がある。
【0041】
図3に示す例において、群管理装置2は、再調整命令RAを基板処理装置1Bに送信している。以下では、基板処理装置1Bが指示対象装置である場合を例に、本発明の実施形態を説明する。
【0042】
図4は、本実施形態の基板処理システム100を示す図である。但し、説明の簡略化のため、
図4では、指示対象装置である基板処理装置1Bと、群管理装置2とを示している。
【0043】
図4に示すように、本実施形態では、群管理装置2は、
図2を参照して説明した管理情報ASCを基板処理装置1B(指示対象装置)に送信する。基板処理装置1B(指示対象装置)は、管理情報ASCを参照してDIW使用計画(タイムスケジュールP)を調整する。詳しくは、基板処理装置1Bは、第1エリアA1に設置されている他の基板処理装置1(基板処理装置1A、1C、及び1D)のDIW使用計画(タイムスケジュールP)を参照して、自機のDIW使用計画(タイムスケジュールP)を調整する。
【0044】
基板処理装置1Bは、調整後のDIW使用計画(タイムスケジュールP)を群管理装置2に送信する。群管理装置2は、基板処理装置1BのDIW使用計画(タイムスケジュールP)を調整後のDIW使用計画(タイムスケジュールP)に更新して、
図3を参照して説明した閾値判定処理を再度実施する。その結果、DIW総流量が閾値THを超えると判定した場合、群管理装置2は、再調整命令RAを基板処理装置1B(指示対象装置)に送信する。つまり、群管理装置2は、DIW総流量が閾値THを超えなくなるまで、再調整命令RAを基板処理装置1B(指示対象装置)に送信する。したがって、本実施形態によれば、複数の基板処理装置1が使用する純水DIWの総流量が、用力設備PFから供給可能な純水DIWの最大流量を超えることを抑制することができる。
【0045】
続いて、
図5~
図19を参照して、本実施形態の基板処理システム100及び群管理装置2を更に説明する。まず、
図5を参照して、基板処理装置1の構成を説明する。
図5は、基板処理装置1を示す模式的平面図である。
図5に示すように、本実施形態において、基板処理装置1はバッチ式であり、複数の基板Wを一括して処理する。具体的には、基板処理装置1は、ロット単位で基板Wを処理する。ロットは複数の基板Wからなる。例えば、1ロットは25枚の基板Wからなる。本実施形態では、基板処理装置1は、各ロットの基板Wに対して、前処理、洗浄処理、エッチング処理、及び乾燥処理を実行する。
【0046】
図5に示すように、基板処理装置1は、投入部3と、払出部7と、バッファユニットBUと、搬送機構CVと、処理ユニットSPと、コンピューターCM1とを備える。
【0047】
処理ユニットSPは複数の槽TAを含む。本実施形態において、複数の槽TAは、2つの第1薬液槽CHB1、CHB2と、4つの第2薬液槽ONB1~ONB4と、2つの乾燥槽LPD1、LPD2とを含む。すなわち、本実施形態において、処理ユニットSPは、8つの槽TAを含む。なお、槽TAの数は8つに限定されるものではなく、1つ~7つのうちのいずれかであってもよいし、9つ以上であってもよい。
【0048】
搬送機構CVは、第1搬送機構CTCと、第2搬送機構WTRとを含む。更に、搬送機構CVは、副搬送機構LF1と、副搬送機構LF2と、副搬送機構LF3と、副搬送機構LF4と、副搬送機構LF5と、副搬送機構LF6とを含む。副搬送機構の数は、槽TAの数に応じて変更される。
【0049】
コンピューターCM1は、複数の収容部10、投入部3、払出部7、バッファユニットBU、搬送機構CV、及び処理ユニットSPを制御する。
【0050】
複数の収容部10の各々は、複数の基板Wを収容する。各基板Wは水平姿勢で収容部10に収容される。具体的には、収容部10はそれぞれ、1ロットの基板Wを収容する。収容部10は、例えば、FOUP(Front Opening Unified Pod)である。
【0051】
未処理の基板Wを収納する収容部10は、投入部3に載置される。具体的には、投入部3は複数のロードポートLPを含む。未処理の基板Wを収納する収容部10は、投入部3のロードポートLPに載置される。
【0052】
処理済みの基板Wを収納する収容部10は、払出部7に載置される。具体的には、払出部7は複数のロードポートLPを含む。処理済みの基板Wを収納する収容部10は、払出部7のロードポートLPに載置される。
【0053】
バッファユニットBUは、投入部3及び払出部7に隣接して配置される。バッファユニットBUは、投入部3に載置された収容部10を内部に取り込む。バッファユニットBUの内部には、棚(不図示)が設置されており、バッファユニットBUは、投入部3に載置された収容部10を棚に載置する。バッファユニットBUは、棚に載置された収容部10から未処理の基板Wを取り出して、搬送機構CVに受け渡す。
【0054】
また、バッファユニットBUは、払出部7に載置された収容部10を内部に取り込み、棚に載置する。バッファユニットBUは、搬送機構CVから処理済みの基板Wを受け取り、棚に載置された収容部10に収納する。更に、バッファユニットBUは、処理済みの基板Wを収納した収容部10を払出部7に払い出す。
【0055】
詳しくは、バッファユニットBUは、受け渡し機構11を有する。受け渡し機構11は、投入部3及び払出部7と棚との間で収容部10の受け渡しを行う。また、受け渡し機構11は、搬送機構CVと棚との間で基板Wの受け渡しを行う。具体的には、受け渡し機構11は、棚に載置された2つの収容部10から未処理の基板Wを取り出して、搬送機構CVに渡す。つまり、受け渡し機構11は、2ロット分の未処理の基板Wを一組にして搬送機構CVに渡す。また、受け渡し機構11は、2ロット分の処理済み基板Wを搬送機構CVから受け取り、棚に載置された2つの収容部10のそれぞれに処理済み基板Wをロット単位で収容する。以下、2ロット分の基板Wを、「一組の基板W」と記載する場合がある。一組の基板Wは、例えば、50枚の基板Wからなる。
【0056】
搬送機構CVは、処理ユニットSPに一組の基板Wを搬入する。また、搬送機構CVは、処理ユニットSPから一組の基板Wを搬出する。具体的には、搬送機構CVは、処理ユニットSPの槽TAの各々に一組の基板Wを搬入する。また、搬送機構CVは、処理ユニットSPの槽TAの各々から一組の基板Wを搬出する。処理ユニットSPは、一組の基板Wに対して、前処理、洗浄処理、エッチング処理、及び乾燥処理を実行する。前処理、洗浄処理、エッチング処理、及び乾燥処理は、「基板処理」の一例である。
【0057】
より詳しくは、受け渡し機構11は、第1搬送機構CTCとの間で一組の基板Wの受け渡しを行う。第1搬送機構CTCは、受け渡し機構11から受け取った一組の基板Wの姿勢を水平姿勢から垂直姿勢に変換した後、第2搬送機構WTRに一組の基板Wを受け渡す。また、第1搬送機構CTCは、第2搬送機構WTRから処理済みの一組の基板Wを受け取った後、一組の基板Wの姿勢を垂直姿勢から水平姿勢へと変換して、受け渡し機構11に受け渡す。
【0058】
第2搬送機構WTRは、副搬送機構LF1と、副搬送機構LF2と、副搬送機構LF3と、副搬送機構LF4と、副搬送機構LF5と、副搬送機構LF6との間で一組の基板Wの受け渡しを行う。また、第2搬送機構WTRは、乾燥槽LPD1、LPD2へ一組の基板Wを搬入し、乾燥槽LPD1、LPD2から一組の基板Wを搬出する。
【0059】
副搬送機構LF1は、第2薬液槽ONB1へ一組の基板Wを搬入し、第2薬液槽ONB1から一組の基板Wを搬出する。副搬送機構LF2は、第1薬液槽CHB1へ一組の基板Wを搬入し、第1薬液槽CHB1から一組の基板Wを搬出する。副搬送機構LF3は、第2薬液槽ONB2へ一組の基板Wを搬入し、第2薬液槽ONB2から一組の基板Wを搬出する。副搬送機構LF4は、第1薬液槽CHB2へ一組の基板Wを搬入し、第1薬液槽CHB2から一組の基板Wを搬出する。副搬送機構LF5は、第2薬液槽ONB3へ一組の基板Wを搬入し、第2薬液槽ONB3から一組の基板Wを搬出する。副搬送機構LF6は、第2薬液槽ONB4へ一組の基板Wを搬入し、第2薬液槽ONB4から一組の基板Wを搬出する。
【0060】
第1薬液槽CHB1、CHB2は、一組の基板Wに対して、薬液による前処理を行う。前処理とは、エッチング処理(具体的にはウェットエッチング処理)よりも前に行われる薬液による処理のことである。本実施形態において、前処理は、自然酸化膜を基板Wから除去する処理である。この場合、薬液は、例えば、希フッ酸(DHF:Diluted hydrofluoric acid)であり得る。
【0061】
具体的には、第1薬液槽CHB1、CHB2はそれぞれ、薬液を貯留する処理槽を含む。副搬送機構LF2は、第1薬液槽CHB1の内部に一組の基板Wを搬入して、処理槽内に貯留されている薬液に一組の基板Wを浸漬させる。この結果、一組の基板Wに対して前処理が行われる。その後、副搬送機構LF2は、処理槽内の薬液から一組の基板Wを引き上げて、第1薬液槽CHB1の外部に一組の基板Wを搬出する。副搬送機構LF4も同様に動作する。
【0062】
第1薬液槽CHB1、CHB2は、超音波発生器を更に含む。超音波発生器は、超音波を発生して、処理槽に貯留されている薬液を振動させる。これにより、自然酸化膜を基板Wから効率的に除去することができる。
【0063】
詳しくは、超音波発生器は、処理槽の外部に配置される。超音波発生器と処理槽との間に、超音波を処理槽に伝搬するための純水DIWが流通される。以下、超音波を伝搬するための純水DIWを、「伝搬水DIW」と記載する場合がある。本実施形態において、
図2を参照して説明したDIW使用計画は、第1薬液槽CHB1、CHB2における伝搬水DIWの使用タイミングと、第1薬液槽CHB1、CHB2における伝搬水DIWの流量とを示す。すなわち、
図2を参照して説明したタイムスケジュールPは、第1薬液槽CHB1、CHB2における伝搬水DIWの使用タイミングと、第1薬液槽CHB1、CHB2における伝搬水DIWの流量とを示す。ここで、伝搬水DIWの使用タイミングは、伝搬水DIWの流通を開始する時刻と、伝搬水DIWの流通を終了する時刻とを示す。すなわち、伝搬水DIWの使用タイミングは、伝搬水DIWの流通を開始してから終了するまでの期間を示す。
【0064】
なお、第1薬液槽CHB1、CHB2の処理槽内の薬液は、適宜交換される。薬液の交換時には、洗浄のために純水DIWが処理槽に導入される。
図2を参照して説明したDIW使用計画は、第1薬液槽CHB1、CHB2の洗浄時に使用される純水DIWの使用タイミングと、第1薬液槽CHB1、CHB2の洗浄時に使用される純水DIWの流量とを更に示してもよい。ここで、純水DIWの使用タイミングは、処理槽への純水DIWの導入を開始する時刻と、処理槽への純水DIWの導入を終了する時刻とを示す。すなわち、純水DIWの使用タイミングは、処理槽への純水DIWの導入を開始してから終了するまでの期間を示す。
【0065】
第2薬液槽ONB1~第2薬液槽ONB4は、一組の基板Wに対して、リンス液による洗浄処理と、エッチング液によるエッチング処理とを行う。具体的には、第2薬液槽ONB1~第2薬液槽ONB4はそれぞれ、シャワーノズルと、処理槽とを含む。
【0066】
シャワーノズルは、処理槽の上方に位置する一組の基板Wに向けてリンス液の液滴を吐出する。この結果、一組の基板Wに対して、リンス液による洗浄処理が行われる。リンス液は純水DIWを含有する。リンス液は、例えば、純水DIW、オゾン水、窒素水、又は温純水である。オゾン水は、純水DIWにオゾンを混合させたリンス液である。窒素水は、純水DIWに窒素を混合させたリンス液である。温純水は、純水DIWを加熱して温めたリンス液である。
【0067】
処理槽は、エッチング液を貯留する。一組の基板Wは、処理槽内のエッチング液に浸漬される。この結果、一組の基板Wに対して、エッチング液によるエッチング処理が行われる。エッチング液は純水DIWを含有する。エッチング液は、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)を含む水溶液、トリメチル-2ヒドロキシエチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMY)を含む水溶液、又は、水酸化アンモニウム(アンモニア水)である。
【0068】
副搬送機構LF1は、第2薬液槽ONB1の内部に一組の基板Wを搬入して、処理槽の上方に一組の基板Wを移動させる。シャワーノズルは、副搬送機構LF1に保持されている一組の基板Wに向けてリンス液の液滴を吐出して、一組の基板Wをリンス液によって洗浄する。この結果、処理槽内にリンス液が溜まる。リンス液による洗浄後、処理槽内のリンス液が排出される。
【0069】
リンス液の排出後、処理槽内にエッチング液が供給される。この結果、処理槽内にエッチング液に貯留される。副搬送機構LF1は、処理槽内にエッチング液が貯留されると、一組の基板Wを処理槽内に移動させる。この結果、一組の基板Wが処理槽内のエッチング液に浸漬されて、一組の基板Wがエッチング処理される。その後、副搬送機構LF1は、処理槽内のエッチング液から一組の基板Wを引き上げて、第2薬液槽ONB1の外部に一組の基板Wを搬出する。処理槽内のエッチング液は、一組の基板Wがエッチング液から引き上げられた後に処理槽から排出される。
【0070】
第2薬液槽ONB2~第2薬液槽ONB4及び副搬送機構LF3、LF5、LF6は、第2薬液槽ONB1及び副搬送機構LF1と同様に動作するため、その説明は割愛する。
【0071】
本実施形態において、
図2を参照して説明したDIW使用計画は、第2薬液槽ONB1~第2薬液槽ONB4におけるリンス液の吐出タイミング(シャワーノズルの使用タイミング)と、リンス液の吐出時に使用される純水DIWの流量とを示す。すなわち、
図2を参照して説明したタイムスケジュールPは、第2薬液槽ONB1~第2薬液槽ONB4におけるシャワーノズルの使用タイミングと、リンス液の吐出時に使用される純水DIWの流量とを示す。ここで、リンス液の吐出タイミングは、リンス液の吐出を開始する時刻と、リンス液の吐出を終了する時刻とを示す。すなわち、リンス液の吐出タイミングは、リンス液の吐出を開始してから終了するまでの期間を示す。
【0072】
また、
図2を参照して説明したDIW使用計画は、第2薬液槽ONB1~第2薬液槽ONB4の処理槽にエッチング液を供給するタイミングと、エッチング液の供給時に使用される純水DIWの流量とを示す。すなわち、
図2を参照して説明したタイムスケジュールPは、第2薬液槽ONB1~第2薬液槽ONB4の処理槽にエッチング液を供給するタイミングと、エッチング液の供給時に使用される純水DIWの流量とを示す。ここで、エッチング液を供給するタイミングは、処理槽へのエッチング液の供給を開始する時刻と、処理槽へのエッチング液の供給を終了する時刻とを示す。すなわち、エッチング液を供給するタイミングは、処理槽へのエッチング液の供給を開始してから終了するまでの期間を示す。
【0073】
第2薬液槽ONB1~第2薬液槽ONB4は、第1薬液槽CHB1、CHB2と同様に、超音波発生器を更に含む。本実施形態において、
図2を参照して説明したDIW使用計画は、第2薬液槽ONB1~第2薬液槽ONB4における伝搬水DIWの使用タイミングと、第2薬液槽ONB1~第2薬液槽ONB4における伝搬水DIWの流量とを示す。すなわち、
図2を参照して説明したタイムスケジュールPは、第2薬液槽ONB1~第2薬液槽ONB4における伝搬水DIWの使用タイミングと、第2薬液槽ONB1~第2薬液槽ONB4における伝搬水DIWの流量とを示す。
【0074】
乾燥槽LPD1、LPD2は、一組の基板Wに対して乾燥処理を行う。詳しくは、乾燥槽LPD1、LPD2は、ガスノズルと、処理槽とを含む。
【0075】
ガスノズルは、処理槽の上方に位置する一組の基板Wに向けて有機溶剤の蒸気を吐出する。この結果、一組の基板Wを乾燥させることができる。有機溶剤の蒸気は、例えば、イソプロピルアルコール(IPA)の蒸気である。処理槽は純水DIWを貯留する。処理槽内の純水DIWに一組の基板Wが浸漬されて、一組の基板Wがリンスされる。
【0076】
第2搬送機構WTRは、乾燥槽LPD1の内部に一組の基板Wを搬入して、処理槽内に貯留されている純水DIWに一組の基板Wを浸漬させる。この結果、一組の基板Wがリンスされる。その後、第2搬送機構WTRは、処理槽内の純水DIWから一組の基板Wを引き上げる。処理槽内の純水DIWから一組の基板Wを引き上げると、処理槽から純水DIWが排出される。処理槽から純水DIWが排出された後、ガスノズルから有機溶剤の蒸気が吐出される。この結果、一組の基板Wが乾燥される。第2搬送機構WTRは、乾燥後の一組の基板Wを乾燥槽LPD1の外部に搬出する。
【0077】
乾燥槽LPD2の動作と、第2搬送機構WTRの乾燥槽LPD2に対する動作とは、乾燥槽LPD1の動作と、第2搬送機構WTRの乾燥槽LPD1に対する動作と同様であるため、その説明は割愛する。
【0078】
乾燥槽LPD1、LPD2の処理槽には、第2搬送機構WTRが乾燥槽LPD1、LPD2の内部に一組の基板Wを搬入する前に純水DIWが供給される。本実施形態において、
図2を参照して説明したDIW使用計画は、乾燥槽LPD1、LPD2の処理槽に純水DIWを供給するタイミングと、乾燥槽LPD1、LPD2の処理槽へ供給する純水DIWの流量とを示す。すなわち、
図2を参照して説明したタイムスケジュールPは、乾燥槽LPD1、LPD2の処理槽に純水DIWを供給するタイミングと、乾燥槽LPD1、LPD2の処理槽へ供給する純水DIWの流量とを示す。ここで、純水DIWを供給するタイミングは、処理槽への純水DIWの供給を開始する時刻と、処理槽への純水DIWの供給を終了する時刻とを示す。すなわち、純水DIWを供給するタイミングは、処理槽への純水DIWの供給を開始してから終了するまでの期間を示す。
【0079】
続いて、
図5を参照して、基板処理装置1を更に説明する。
図5に示すように、基板処理装置1は、洗浄槽CHCLを更に備える。洗浄槽CHCLは、第2搬送機構WTRを洗浄する。本実施形態では、洗浄槽CHCLにおいて、第2搬送機構WTRのハンドが純水DIWによって水洗処理される。したがって、基板処理装置1は、第2搬送機構WTRの洗浄時に純水DIWを使用する。
【0080】
本実施形態において、
図2を参照して説明したDIW使用計画は、第2搬送機構WTRを洗浄するタイミングと、第2搬送機構WTRの洗浄時に使用される純水DIWの流量とを示す。すなわち、
図2を参照して説明したタイムスケジュールPは、第2搬送機構WTRを洗浄するタイミングと、第2搬送機構WTRの洗浄時に使用される純水DIWの流量とを示す。
【0081】
より詳しくは、洗浄槽CHCLは、シャワーノズルと、処理槽とを含む。シャワーノズルは、処理槽の上方に位置する第2搬送機構WTRのハンドに向けて純水DIWの液滴を吐出する。処理槽は、純水DIWを貯留する。第2搬送機構WTRのハンドは、処理槽内の純水DIWに浸漬される。
図2を参照して説明したDIW使用計画は、洗浄槽CHCLにおける純水DIWの吐出タイミング(シャワーノズルの使用タイミング)と、純水DIWの吐出時に使用される純水DIWの流量とを示す。また、
図2を参照して説明したDIW使用計画は、洗浄槽CHCLの処理槽に純水DIWを供給するタイミングと、純水DIWの供給時に使用される純水DIWの流量とを示す。
【0082】
続いて、
図6を参照して、基板処理装置1のコンピューターCM1を説明する。
図6は、基板処理装置1のコンピューターCM1の構成を示すブロック図である。
図6に示すように、コンピューターCM1は、通信部51と、記憶部52と、制御部53とを備える。以下、基板処理装置1の通信部51を、「第1通信部51」と記載する場合がある。また、基板処理装置1の記憶部52を、「第1記憶部52」と記載する場合がある。
【0083】
第1通信部51は、有線又は無線でネットワークNWに接続される。ネットワークNWは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、及び公衆電話網を含む。第1通信部51は、通信機であり、例えば、ネットワークインターフェースコントローラーである。第1通信部51は、ネットワークNWに接続された群管理装置2と通信を行う。
【0084】
第1通信部51は、
図2を参照して説明したDIW使用計画を群管理装置2に送信する。本実施形態では、第1通信部51は、
図2を参照して説明したタイムスケジュールPを群管理装置2に送信する。また、第1通信部51は、
図3を参照して説明した再調整命令RAを群管理装置2から受信する。更に、第1通信部51は、
図4を参照して説明したように、群管理装置2から管理情報ASCを受信する。
【0085】
第1記憶部52は、各種のデータ及び各種のコンピュータプログラムを記憶する。各種のデータは、レシピデータを含む。レシピデータは、複数のレシピを示す。複数のレシピの各々は、例えば、基板Wの処理内容及び処理手順を規定する。例えば、複数のレシピの各々は、処理ユニットSPによる基板処理の際の処理液の使用タイミングと、処理液の単位時間当たり流量とを規定する。処理液の使用タイミングは、処理液の使用を開始する時刻と、処理液の使用を終了する時刻とを示す。すなわち、処理液の使用タイミングは、処理液の使用を開始してから終了するまでの期間を示す。処理液の単位時間当たり流量は、処理液の単位時間当たりの使用量を示す。
【0086】
第1記憶部52は、主記憶装置を有する。主記憶装置は、例えば、半導体メモリである。第1記憶部52は、補助記憶装置を更に有する。補助記憶装置は、例えば、半導体メモリ及びハードディスクドライブの少なくも一方を含む。第1記憶部52はリムーバブルメディアを含んでいてもよい。
【0087】
制御部53は、プロセッサーを含む。制御部53は、例えば、プロセッサーとして、CPU(Central Processing Unit)、又は、MPU(Micro Processing Unit)を含む。制御部53は、第1記憶部52に記憶されているコンピュータプログラム及びデータに基づいて、基板処理装置1の各部の動作を制御する。
【0088】
更に、制御部53は、第1記憶部52に記憶されているレシピデータに基づいて、
図2を参照して説明したDIW使用計画を作成する。そして、作成したDIW使用計画を第1通信部51に送信させる。本実施形態では、制御部53は、レシピデータに基づいて、
図2を参照して説明したタイムスケジュールPを作成し、第1通信部51にタイムスケジュールPを送信させる。制御部53は、「計画作成部」の一例である。
【0089】
また、制御部53は、第1通信部51を介して再調整命令RAと管理情報ASCとを受信すると、管理情報ASCを参照して、DIW総流量が閾値TH以下となるDIW使用計画(タイムスケジュールP)を作成する。詳しくは、
図4を参照して説明したように、制御部53は、同一のエリアAに設置されている他の基板処理装置1のDIW使用計画(タイムスケジュールP)を参照して、自機のDIW使用計画(タイムスケジュールP)を調整する。また、
図4を参照して説明したように、制御部53は、DIW使用計画(タイムスケジュールP)の更新(調整)を繰り返して、DIW総流量が閾値TH以下となるDIW使用計画(タイムスケジュールP)を作成する。
【0090】
続いて、
図7を参照して、群管理装置2を説明する。
図7は、本実施形態の群管理装置2の構成を示すブロック図である。
図7に示すように、群管理装置2は、通信部201と、記憶部202と、処理部203とを備える。以下、群管理装置2の通信部201を、「第2通信部201」と記載する場合がある。また、群管理装置2の記憶部202を、「第2記憶部202」と記載する場合がある。
【0091】
第2通信部201は、有線又は無線でネットワークNWに接続される。第2通信部201は、通信機であり、例えば、ネットワークインターフェースコントローラーである。第2通信部201は、ネットワークNWに接続された複数の基板処理装置1と通信を行う。
【0092】
第2通信部201は、複数の基板処理装置1の各々から、
図2を参照して説明したDIW使用計画を受信する。本実施形態において、第2通信部201は、複数の基板処理装置1の各々から、
図2を参照して説明したタイムスケジュールPを受信する。また、第2通信部201は、
図3を参照して説明した再調整命令RAを指示対象装置に送信する。更に、第2通信部201は、
図4を参照して説明したように、管理情報ASCを指示対象装置に送信する。
【0093】
第2記憶部202は、各種のデータ及び各種のコンピュータプログラムを記憶する。各種のデータは、
図3を参照して説明した閾値THを含む。より具体的には、第2記憶部202は、用力設備PFごとに閾値THを記憶する。第2記憶部202は、主記憶装置を有する。主記憶装置は、例えば、半導体メモリである。第2記憶部202は、補助記憶装置を更に有する。補助記憶装置は、例えば、半導体メモリ及びハードディスクドライブの少なくも一方を含む。第2記憶部202は、リムーバブルメディアを含んでいてもよい。
【0094】
処理部203は、プロセッサーを含む。処理部203は、例えば、プロセッサーとして、CPU又はMPUを含む。処理部203は、第2記憶部202に記憶されているコンピュータプログラム及びデータに基づいて、各種の処理を実行する。具体的には、処理部203は、
図2を参照して説明した総流量情報AFR及び管理情報ASCを生成する。また、処理部203は、
図3を参照して説明した閾値判定処理及び決定処理を実行する。更に、処理部203は、
図3及び
図4を参照して説明したように、第2通信部201を介して、再調整命令RA及び管理情報ASCを指示対象装置に送信する。
【0095】
続いて、
図8を参照して、群管理装置2の処理部203が実行する処理を説明する。
図8は、本実施形態の群管理装置2が備える処理部203が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
図8に示す処理は、第2通信部201がDIW使用計画(タイムスケジュールP)を受信したことに応じて開始する。以下では、理解を容易にするために、
図1~
図4を参照して説明した基板処理装置1A~基板処理装置1Dを例に、
図8に示す処理を説明する。
【0096】
図8に示すように、第2通信部201が基板処理装置1A~基板処理装置1DのいずれかのDIW使用計画を受信すると、処理部203は、基板処理装置1A~基板処理装置1Dから受信したDIW使用計画に基づいて第1エリアA1のDIW総流量を取得して、第1エリアA1の総流量情報AFRを生成する(ステップS1)。より具体的には、処理部203は、基板処理装置1A~基板処理装置1DのDIW使用計画(タイムスケジュールP)を纏めて、第1エリアA1の管理情報ASCを生成する。そして、管理情報ASCに基づいて、第1エリアA1の総流量情報AFRを生成する。
【0097】
第1エリアA1の総流量情報AFRを生成すると、処理部203は、総流量情報AFRと閾値THとに基づいて、第1エリアA1のDIW総流量が閾値THを超えるか否かを判定する(ステップS2)。
【0098】
処理部203は、第1エリアA1のDIW総流量が閾値THを超えないと判定した場合(ステップS2のNo)、
図8に示す処理を終了する。一方、処理部203は、第1エリアA1のDIW総流量が閾値THを超えると判定した場合(ステップS2のYes)、基板処理装置1A~基板処理装置1Dのうちのいずれかを指示対象装置に決定する(ステップS3)。そして、第2通信部201を介して指示対象装置にDIW使用計画の調整を指示して(ステップS4)、
図8に示す処理を終了する。
【0099】
より具体的には、処理部203は、管理情報ASCに基づいて、DIW総流量が閾値THを超える時間帯に純水DIWを使用する基板処理装置1を特定する。そして、所定の条件に基づいて、DIW総流量が閾値THを超えるタイミングで純水DIWを使用する基板処理装置1のうちの1つを指示対象装置に決定する(決定処理)。決定処理の実行後、処理部203は、指示対象装置に対し、第2通信部201を介して再調整命令RAを送信する。
【0100】
本実施形態では、再調整命令RAを送信する際に、処理部203が、第2通信部201を介して、第1エリアA1(指示対象装置が設置されているエリアA)の管理情報ASCを指示対象装置に送信する。この結果、第1エリアA1(指示対象装置が設置されているエリアA)に設置されている他の基板処理装置1のDIW使用計画(タイムスケジュールP)が、指示対象装置に送信される。
【0101】
続いて、
図9を参照して、基板処理装置1が備えるコンピューターCM1の制御部53が実行する処理を説明する。
図9は、基板処理装置1が備えるコンピューターCM1の制御部53が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
図9に示す処理は、第1通信部51が再調整命令RAを受信したことに応じて開始する。すなわち、
図9に示す処理は、指示対象装置の制御部53が実行する処理の流れを示す。以下では、理解を容易にするために、
図1~
図4を参照して説明した基板処理装置1Bが指示対象装置に決定された場合を例に、
図9に示す処理を説明する。
【0102】
図9に示すように、制御部53は、第1通信部51が再調整命令RAを受信すると、DIW使用計画(タイムスケジュールP)を調整する(ステップS11)。本実施形態において、制御部53は、管理情報ASCを参照して、DIW使用計画(タイムスケジュールP)を調整する。具体的には、第1エリアA1に設置されている他の基板処理装置1(基板処理装置1A、1C、1D)のDIW使用計画(タイムスケジュールP)を参照して、基板処理装置1BのDIW使用計画(タイムスケジュールP)を調整する。
【0103】
DIW使用計画(タイムスケジュールP)を調整すると、制御部53は、第1通信部51を介して、調整後のDIW使用計画(タイムスケジュールP)を群管理装置2に送信して(ステップS12)、
図9に示す処理を終了する。なお、群管理装置2の処理部203は、調整後のDIW使用計画(タイムスケジュールP)を受信すると、
図8を参照して説明した処理を開始する。
【0104】
続いて、
図10~
図15を参照して、群管理装置2の処理部203が実行する決定処理(
図8のステップS3)を説明する。以下では、理解を容易にするために、
図1~
図4を参照して説明した基板処理装置1A~基板処理装置1Dを例に、決定処理を説明する。
【0105】
図10は、決定処理の第1例を示す図である。決定処理の第1例では、処理部203は、基板処理装置1が群管理装置2にDIW使用計画(タイムスケジュールP)を送信したタイミングに基づいて指示対象装置を決定する。以下、基板処理装置1が群管理装置2にDIW使用計画(タイムスケジュールP)を送信したタイミングを、「送信タイミング」と記載する場合がある。
【0106】
具体的には、
図10に示すように、処理部203は、第1エリアA1のDIW総流量が閾値THを超えると判定した場合(
図8のステップS2のYes)、第2通信部201が基板処理装置1A~基板処理装置1DからDIW使用計画を受信した受信時刻を取得する(ステップS301)。詳しくは、処理部203は、第2通信部201がDIW使用計画(タイムスケジュールP)を受信すると、DIW使用計画(タイムスケジュールP)の受信時刻を第2記憶部202に記憶させる。処理部203は、第2記憶部202から受信時刻を取得する。
【0107】
処理部203は、基板処理装置1A~基板処理装置1DからDIW使用計画を受信した受信時刻に基づいて、基板処理装置1A~基板処理装置1Dのうちの1つを指示対象装置に決定する(ステップS302)。この結果、
図10に示す処理が終了する。
【0108】
例えば、処理部203は、基板処理装置1A~基板処理装置1Dのうち、送信タイミングが最も遅い基板処理装置1を指示対象装置に決定してもよい。具体的には、処理部203は、基板処理装置1A~基板処理装置1Dうち、DIW使用計画を受信した受信時刻が最も遅い基板処理装置1を指示対象装置に決定してもよい。この結果、基板処理装置1A~基板処理装置1Dのうち、タイムスケジュールPを作成したタイミングが比較的早い基板処理装置1による基板処理を優先して実行させることができ、タイムスケジュールPを作成したタイミングが比較的早い基板処理装置1のスループットの低下を抑制することができる。
【0109】
あるいは、処理部203は、基板処理装置1A~基板処理装置1Dのうち、送信タイミングが最も早い基板処理装置1を指示対象装置に決定してもよい。具体的には、処理部203は、基板処理装置1A~基板処理装置1Dのうち、DIW使用計画を受信した受信時刻が最も早い基板処理装置1を指示対象装置に決定してもよい。この結果、基板処理装置1A~基板処理装置1Dのうち、タイムスケジュールPを作成したタイミングが比較的遅い基板処理装置1のスループットの低下を抑制して、指示対象装置が設置されているエリアA全体のスループットを均一化させることができる。
【0110】
図11は、決定処理の第2例を示す図である。決定処理の第2例では、処理部203は、基板処理時間に基づいて指示対象装置を決定する。基板処理時間は、基板処理装置1の外部から内部に基板Wが搬入されてから、基板処理装置1の外部に基板Wが搬出されるまでの時間を含む。詳しくは、基板処理時間は、基板処理装置1のロードポートLPに載置された基板Wが基板処理装置1の内部に搬送されてから、基板処理装置1の内部で処理された後、基板処理装置1の他のロードポートLPに載置されるまでの時間を含む。
【0111】
図5に示す基板処理装置1において、基板処理時間は、投入部3からバッファユニットBUの内部に2つの収容部10が搬入されてから、2つの収容部10から取り出された未処理の基板W(一組の基板W)が処理ユニットSPによって処理された後、処理済みの基板W(一組の基板W)が2つの収容部10に収容されて、処理済みの基板Wを収容した2つの収容部10が払出部7に払い出されるまでの時間を示す。
【0112】
具体的には、
図11に示すように、処理部203は、第1エリアA1のDIW総流量が閾値THを超えると判定した場合(
図8のステップS2のYes)、基板処理装置1A~基板処理装置1DのタイムスケジュールP(管理情報ASC)から基板処理時間を算出する(ステップS311)。そして、処理部203は、基板処理時間に基づいて、基板処理装置1A~基板処理装置1Dのうちの1つを指示対象装置に決定する(ステップS312)。この結果、
図11に示す処理が終了する。
【0113】
例えば、処理部203は、基板処理装置1A~基板処理装置1Dのうち、基板処理時間が最も短い基板処理装置1を指示対象装置に決定してもよい。この結果、指示対象装置が設置されているエリアA全体のスループットを均一化させることができる。
【0114】
あるいは、処理部203は、基板処理装置1A~基板処理装置1Dのうち、基板処理時間が最も長い基板処理装置1を指示対象装置に決定してもよい。この結果、基板処理装置1A~基板処理装置1Dのうち、基板処理時間が比較的短い基板処理装置1による基板処理を優先して実行させることができ、基板処理時間が比較的短い基板処理装置1のスループットの低下を抑制することができる。
【0115】
図12は、決定処理の第3例を示す図である。決定処理の第3例では、処理部203は、基板Wの処理が終了する処理終了タイミングに基づいて指示対象装置を決定する。
図5に示す基板処理装置1において、処理終了タイミングは、処理ユニットSPによって処理された後の一組の基板Wが2つの収容部10に収容されるタイミングを示す。
【0116】
具体的には、
図12に示すように、処理部203は、第1エリアA1のDIW総流量が閾値THを超えると判定した場合(
図8のステップS2のYes)、基板処理装置1A~基板処理装置1DのタイムスケジュールP(管理情報ASC)から、処理終了時刻を取得する(ステップS321)。
図5に示す基板処理装置1において、処理終了時刻は、処理ユニットSPによって処理された後の一組の基板Wが2つの収容部10に収容される時刻を示す。
【0117】
処理部203は、処理終了時刻に基づいて、基板処理装置1A~基板処理装置1Dのうちの1つを指示対象装置に決定する(ステップS322)。この結果、
図12に示す処理が終了する。
【0118】
例えば、処理部203は、基板処理装置1A~基板処理装置1Dのうち、処理終了タイミング(処理終了時刻)が最も遅い基板処理装置1を指示対象装置に決定してもよい。この結果、基板処理装置1A~基板処理装置1Dのうち、処理終了タイミング(処理終了時刻)が比較的早い基板処理装置1による基板処理を優先して実行させることができ、処理終了タイミング(処理終了時刻)が比較的早い基板処理装置1のスループットの低下を抑制することができる。
【0119】
あるいは、処理部203は、基板処理装置1A~基板処理装置1Dのうち、処理終了タイミング(処理終了時刻)が最も早い基板処理装置1を指示対象装置に決定してもよい。この結果、指示対象装置が設置されているエリアA全体のスループットを均一化させることができる。
【0120】
図13は、決定処理の第4例を示す図である。決定処理の第4例では、処理部203は、基板処理装置1の外部に基板Wが搬出されるタイミングである基板搬出タイミングに基づいて指示対象装置を決定する。詳しくは、基板搬出タイミングは、基板処理装置1のロードポートLPに処理済みの基板Wが載置されるタイミングを示す。
図5に示す基板処理装置1において、基板搬出タイミングは、処理ユニットSPによって処理された後の一組の基板Wを収容した2つの収容部10が払出部7に払い出されるタイミングを示す。
【0121】
具体的には、
図13に示すように、処理部203は、第1エリアA1のDIW総流量が閾値THを超えると判定した場合(
図8のステップS2のYes)、基板処理装置1A~基板処理装置1DのタイムスケジュールP(管理情報ASC)から基板搬出時刻を取得する(ステップS331)。
図5に示す基板処理装置1において、基板搬出時刻は、処理ユニットSPによって処理された後の一組の基板Wを収容した2つの収容部10が払出部7に払い出される時刻を示す。
【0122】
処理部203は、基板搬出時刻に基づいて、基板処理装置1A~基板処理装置1Dのうちの1つを指示対象装置に決定する(ステップS332)。この結果、
図13に示す処理が終了する。
【0123】
例えば、処理部203は、基板処理装置1A~基板処理装置1Dのうち、基板搬出タイミング(基板搬出時刻)が最も遅い基板処理装置1を指示対象装置に決定してもよい。この結果、基板処理装置1A~基板処理装置1Dのうち、基板搬出タイミング(基板搬出時刻)が比較的早い基板処理装置1による基板処理を優先して実行させることができ、基板搬出タイミング(基板搬出時刻)が比較的早い基板処理装置1のスループットの低下を抑制することができる。
【0124】
あるいは、処理部203は、基板処理装置1A~基板処理装置1Dのうち、基板搬出タイミング(基板搬出時刻)が最も早い基板処理装置1を指示対象装置に決定してもよい。この結果、指示対象装置が設置されているエリアA全体のスループットを均一化させることができる。
【0125】
図14は、決定処理の第5例を示す図である。決定処理の第5例では、処理部203は、基板Wの処理が開始する処理開始タイミングに基づいて指示対象装置を決定する。
図5に示す基板処理装置1において、処理開始タイミングは、2ロット分の未処理の基板Wを組み合わせて一組にする処理を開始するタイミングを示す。
【0126】
具体的には、
図14に示すように、処理部203は、第1エリアA1のDIW総流量が閾値THを超えると判定した場合(
図8のステップS2のYes)、基板処理装置1A~基板処理装置1DのタイムスケジュールP(管理情報ASC)から、処理開始時刻を取得する(ステップS341)。
図5に示す基板処理装置1において、処理開始時刻は、2ロット分の未処理の基板Wを組み合わせて一組にする処理を開始する時刻を示す。
【0127】
処理部203は、処理開始時刻に基づいて、基板処理装置1A~基板処理装置1Dのうちの1つを指示対象装置に決定する(ステップS342)。この結果、
図14に示す処理が終了する。
【0128】
例えば、処理部203は、基板処理装置1A~基板処理装置1Dのうち、処理開始タイミング(処理開始時刻)が最も遅い基板処理装置1を指示対象装置に決定してもよい。この結果、基板処理装置1A~基板処理装置1Dのうち、処理開始タイミング(処理開始時刻)が比較的早い基板処理装置1による基板処理を優先して実行させることができ、処理開始タイミング(処理開始時刻)が比較的早い基板処理装置1のスループットの低下を抑制することができる。
【0129】
あるいは、処理部203は、基板処理装置1A~基板処理装置1Dのうち、処理開始タイミング(処理開始時刻)が最も早い基板処理装置1を指示対象装置に決定してもよい。この結果、指示対象装置が設置されているエリアA全体のスループットを均一化させることができる。
【0130】
図15は、決定処理の第6例を示す図である。決定処理の第6例では、処理部203は、基板処理装置1の外部から内部に基板Wが搬入されるタイミングである基板搬入タイミングに基づいて指示対象装置を決定する。詳しくは、基板搬入タイミングは、基板処理装置1のロードポートLPに載置された基板Wが基板処理装置1の内部に搬送されるタイミングを示す。
図5に示す基板処理装置1において、基板搬入タイミングは、投入部3からバッファユニットBUの内部に収容部10が投入されるタイミングを示す。詳しくは、一組の基板Wに組み合わせる予定の基板Wを収容する2つの収容部10の投入タイミングのうち、より早い投入タイミングが基板搬入タイミングに対応する。
【0131】
具体的には、
図15に示すように、処理部203は、第1エリアA1のDIW総流量が閾値THを超えると判定した場合(
図8のステップS2のYes)、基板処理装置1A~基板処理装置1DのタイムスケジュールP(管理情報ASC)から基板搬入時刻を取得する(ステップS351)。
図5に示す基板処理装置1において、基板搬入時刻は、投入部3からバッファユニットBUの内部に収容部10が投入される時刻を示す。詳しくは、一組の基板Wに組み合わせる予定の基板Wを収容する2つの収容部10の投入時刻のうち、より早い投入時刻が基板搬入時刻に対応する。
【0132】
処理部203は、基板搬入時刻に基づいて、基板処理装置1A~基板処理装置1Dのうちの1つを指示対象装置に決定する(ステップS352)。この結果、
図15に示す処理が終了する。
【0133】
例えば、処理部203は、基板処理装置1A~基板処理装置1Dのうち、基板搬入タイミング(基板搬入時刻)が最も遅い基板処理装置1を指示対象装置に決定してもよい。この結果、基板処理装置1A~基板処理装置1Dのうち、基板搬入タイミング(基板搬入時刻)が比較的早い基板処理装置1による基板処理を優先して実行させることができ、基板搬入タイミング(基板搬入時刻)が比較的早い基板処理装置1のスループットの低下を抑制することができる。
【0134】
あるいは、処理部203は、基板処理装置1A~基板処理装置1Dのうち、基板搬入タイミング(基板搬入時刻)が最も早い基板処理装置1を指示対象装置に決定してもよい。この結果、指示対象装置が設置されているエリアA全体のスループットを均一化させることができる。
【0135】
続いて、
図16及び
図17を参照して、基板処理装置1の制御部53が作成するタイムスケジュールPについて、基板処理装置1Bを例に説明する。
図16は、基板処理装置1Bの制御部53が作成するタイムスケジュールPの一例を示す図である。
図17は、基板処理装置1Bの制御部53が作成する調整後のタイムスケジュールPの一例を示す図である。
図16及び
図17において、縦軸はリソースを示し、横軸は時間tを示す。リソースは制御部53による制御対象を示す。
図16及び
図17に示すタイムスケジュールPは、タイムスケジュールP1~P5を含む。
【0136】
図16及び
図17は更に、群管理装置2の処理部203が生成する総流量情報AFRの一例を示す。
図16及び
図17において、縦軸はDIW総流量を示し、横軸は時間tを示す。
【0137】
タイムスケジュールP1~タイムスケジュールP5はそれぞれ一組の基板Wに対する処理の流れを示す。具体的には、タイムスケジュールP1~タイムスケジュールP3、及びタイムスケジュールP5は、一組の基板Wが第1薬液槽CHB2、第2薬液槽ONB2、第2薬液槽ONB4、乾燥槽LPD2をこの順に経由する計画を示す。タイムスケジュールP4は、一組の基板Wが第1薬液槽CHB1、第2薬液槽ONB1、第2薬液槽ONB3、乾燥槽LPD1をこの順に経由する計画を示す。タイムスケジュールP1~タイムスケジュールP5で規定される処理の流れは、この順に開始する。
【0138】
図16に示す例では、時刻t11から時刻t12にかけて、タイムスケジュールP3で規定される処理の一部と、タイムスケジュールP4で規定される処理の一部とが同時に実行されて、DIW総流量が閾値THを超える。また、時刻t13から時刻t14にかけて、タイムスケジュールP3で規定される処理の一部と、タイムスケジュールP4で規定される処理の一部と、タイムスケジュールP5で規定される処理の一部とが同時に実行されて、DIW総流量が閾値THを超える。基板処理装置1Bが指示対象装置に決定されると、基板処理装置1Bの制御部53はタイムスケジュールPを調整する。
【0139】
図17に示す例において、基板処理装置1Bの制御部53は、タイムスケジュールPを調整して、タイムスケジュールP4、P5を遅延させる。具体的には、時刻t11から時刻t12にかけて、タイムスケジュールP3で規定される処理のみが実行されるように、タイムスケジュールP4、P5を遅延させる。また、基板処理装置1Bの制御部53は、時刻t13から時刻t14にかけて、タイムスケジュールP3で規定される処理のみが実行されるように、タイムスケジュールP4、P5を遅延させる。この結果、
図17に示すように、DIW総流量が全時刻において閾値TH以下となる。
【0140】
ここで、
図16及び
図17を参照して、基板処理装置1の制御部53が実行する調整量算出処理について、基板処理装置1Bを例に説明する。基板処理装置1Bの制御部53は、管理情報ASCに基づいて、時刻t11から時刻t12の期間のDIW総流量が閾値THとなるように、タイムスケジュールP4及びタイムスケジュールP5の調整量を算出する。調整量は、時間軸に沿ったタイムスケジュールP(DIW使用計画)の移動量を示す。基板処理装置1Bの制御部53は、調整量に基づいて、タイムスケジュールP4及びタイムスケジュールP5を調整する。つまり、基板処理装置1Bの制御部53は、タイムスケジュールP4及びタイムスケジュールP5を調整量だけ時間軸に沿って移動させる。
【0141】
具体的には、基板処理装置1Bの制御部53は、調整量として、タイムスケジュールP4の開始時刻を時刻t12以降にする遅延量(遅延時間)を算出する。そして、遅延量に基づいてタイムスケジュールP4及びタイムスケジュールP5を遅延させたタイムスケジュールPを作成し、群管理装置2へ送信する。その後、制御部53は、群管理装置2から再調整命令RA及び管理情報ASCを再度取得して、タイムスケジュールP4の開始時刻が時刻t14以降となる遅延量を算出する。そして、遅延量に基づいてタイムスケジュールP4及びタイムスケジュールP5を遅延させたタイムスケジュールPを作成する。その結果、
図16及び
図17に示すように、タイムスケジュールPが調整される。
【0142】
続いて、
図18及び
図19を参照して、基板処理装置1の制御部53が作成するタイムスケジュールPについて、基板処理装置1Bを例に説明する。
図18は、基板処理装置1Bの制御部53が作成するタイムスケジュールPの一例を示す図である。
図19は、基板処理装置1Bの制御部53が作成する調整後のタイムスケジュールPの一例を示す図である。
図18及び
図19において、縦軸はリソースを示し、横軸は時間tを示す。
図18及び
図19に示すタイムスケジュールPは、タイムスケジュールP1~タイムスケジュールP3を含む。なお、「-」の後は、処理工程の番号を表す。
【0143】
図18及び
図19に示すようにタイムスケジュールP1は、2つのロット1、2に対する処理の流れを示す。タイムスケジュールP2は、2つのロット3、4に対する処理の流れを示す。タイムスケジュールP3は、2つのロット5、6に対する処理の流れを示す。
【0144】
タイムスケジュールP1は、処理工程P1-1~処理工程P1-6を含む。タイムスケジュールP2は、処理工程P2-1~処理工程P2-6を含む。タイムスケジュールP3は、処理工程P3-1~処理工程P3-6を含む。タイムスケジュールP1~タイムスケジュールP3で規定される処理の流れは、この順に開始する。
【0145】
図18及び
図19に示すように、タイムスケジュールP1は、純水DIWの使用計画を示す。具体的には、タイムスケジュールP1は、処理工程P1-3~処理工程P1-5において純水DIWを使用することを示す。詳しくは、タイムスケジュールP1は、純水DIWの使用を使用する期間を示す。タイムスケジュールP2、P3も同様に純水DIWの使用計画を示す。
【0146】
処理工程P1-1は、バッファユニットBUにおいてロット1、2の基板Wを一組に組み合わせる処理の工程を示す。処理工程P1-2は、第1薬液槽CHB2による前処理工程を示す。処理工程P1-3は、第2薬液槽ONB2による洗浄処理工程とエッチング処理工程とを示す。処理工程P1-4は、第2薬液槽ONB4による洗浄処理工程とエッチング処理工程とを示す。処理工程P1-5は、乾燥槽LPD2による乾燥処理工程を示す。処理工程P1-6は、バッファユニットBUにおいて一組の基板Wをロット1、2に分離する処理の工程を示す。
【0147】
処理工程P2-1は、バッファユニットBUにおいてロット3、4の基板Wを一組に組み合わせる処理の工程を示す。処理工程P2-2は、第1薬液槽CHB1による前処理工程を示す。処理工程P2-3は、第2薬液槽ONB1による洗浄処理工程とエッチング処理工程とを示す。処理工程P2-4は、第2薬液槽ONB3による洗浄処理工程とエッチング処理工程とを示す。処理工程P2-5は、乾燥槽LPD1による乾燥処理工程を示す。処理工程P2-6は、バッファユニットBUにおいて一組の基板Wをロット3、4に分離する処理の工程を示す。
【0148】
処理工程P3-1は、バッファユニットBUにおいてロット5、6の基板Wを一組に組み合わせる処理の工程を示す。処理工程P3-2は、第1薬液槽CHB2による前処理工程を示す。処理工程P3-3は、第2薬液槽ONB2による洗浄処理工程とエッチング処理工程とを示す。処理工程P3-4は、第2薬液槽ONB4による洗浄処理工程とエッチング処理工程とを示す。処理工程P3-5は、乾燥槽LPD1による乾燥処理工程を示す。処理工程P3-6は、バッファユニットBUにおいて一組の基板Wをロット5、6に分離する処理の工程を示す。
【0149】
図18に示す例において、タイムスケジュールP3で規定される処理は、時刻ts1から開始する。つまり、処理工程P3-1が時刻ts1から開始する。したがって、時刻ts1は、タイムスケジュールP3で規定される処理の開始時刻を示す。また、タイムスケジュールP3で規定される処理は、時刻t
E1で終了する。つまり、処理工程P3-6が時刻t
E1で終了する。したがって、時刻t
E1は、タイムスケジュールP3で規定される処理の終了時刻を示す。以下、タイムスケジュールP3で規定される処理の開始時刻を、「タイムスケジュールP3の処理開始時刻」と記載する場合がある。また、タイムスケジュールP3で規定される処理の終了時刻を、「タイムスケジュールP3の処理終了時刻」と記載する場合がある。
【0150】
図18に示す例では、時刻tcが現在時刻である。以下、時刻tcを、「現在時刻tc」と記載する場合がある。現在時刻tcにおいて、タイムスケジュールP1、P2で規定される処理は既に開始しており、タイムスケジュールP3で規定される処理は未だ開始していない。
【0151】
図18に示す例では、時刻t21から時刻t22にかけて、処理工程P2-4と処理工程P3-4とが同時に実行されて、DIW総流量が閾値THを超える。基板処理装置1Bが指示対象装置に決定されると、基板処理装置1Bの制御部53はタイムスケジュールPを調整する。
【0152】
基板処理装置1Bの制御部53は、タイムスケジュールP1~タイムスケジュールP3のうち、現在時刻tcにおいて処理が開始していないタイムスケジュールPを調整する。つまり、基板処理装置1Bの制御部53は、未処理の基板Wに対応するタイムスケジュールPを調整する。
図18に示す例において、現在時刻tcにおいて処理が開始していないタイムスケジュールPは、タイムスケジュールP3である。したがって、
図19に示すように、基板処理装置1Bの制御部53は、タイムスケジュールP3を遅延させる。
【0153】
具体的には、処理工程P3-4において純水DIWが使用される時刻が、処理工程P2-4において純水DIWが使用される時刻と異なる時刻になるように、タイムスケジュールP3を遅延させる。この結果、DIW総流量が全時刻において閾値TH以下となる。また、タイムスケジュールP3を遅延させた結果、タイムスケジュールP3の処理開始時刻が時刻ts1から時刻ts2に遅延し、タイムスケジュールP3の処理終了時刻が時刻tE1から時刻tE2に遅延する。
【0154】
ここで、
図18及び
図19を参照して、基板処理装置1の制御部53が実行する調整量算出処理について、基板処理装置1Bを例に説明する。基板処理装置1Bの制御部53は、管理情報ASCに基づいて、時刻t21から時刻t22の期間のDIW総流量が閾値THとなるように、タイムスケジュールP3の調整量を算出する。そして、調整量に基づいて、タイムスケジュールP3を調整する。具体的には、基板処理装置1Bの制御部53は、処理工程P3-4の開始時刻が時刻t22以降となる遅延量を算出する。あるいは、基板処理装置1Bの制御部53は、処理工程P3-4の開始時刻が処理工程P2-4の終了時刻以降となる遅延量を算出する。そして、遅延量に基づいてタイムスケジュールP3を遅延させたタイムスケジュールPを作成する。その結果、
図18及び
図19に示すように、タイムスケジュールPが調整される。
【0155】
以上、図面(
図1~
図19)を参照して本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、又は、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
【0156】
図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0157】
例えば、
図1~
図19を参照して説明した実施形態では、用力設備PFから供給される純水DIWの総流量が閾値TH以下となるようにDIW使用計画(タイムスケジュールP)を調整する構成を説明したが、制御対象は純水DIWの総流量に限定されない。例えば、用力設備から供給される薬液の総流量が制御されてもよい。
【0158】
また、
図1~
図19を参照して説明した実施形態において、基板処理装置1(指示対象装置)の制御部53は、管理情報ASCを参照してDIW使用計画(タイムスケジュールP)を調整したが、基板処理装置1(指示対象装置)の制御部53は、DIW総流量を参照してDIW使用計画(タイムスケジュールP)を調整してもよい。この場合、群管理装置2の処理部203は、第2通信部201を介して、再調整命令RAと共に総流量情報AFRを指示対象装置に送信する。
【0159】
また、
図1~
図19を参照して説明した実施形態では、基板処理装置1(指示対象装置)の制御部53がDIW使用計画(タイムスケジュールP)の調整量(遅延量)を算出したが、群管理装置2の処理部203が管理情報ASC又はDIW総流量に基づいてDIW使用計画(タイムスケジュールP)の調整量(遅延量)を算出してもよい。この場合、群管理装置2の処理部203は、第2通信部201を介して、DIW使用計画(タイムスケジュールP)の調整量(遅延量)を示す調整量情報を、再調整命令RAと共に指示対象装置に送信する。その結果、指示対象装置の制御部53が、調整量情報に基づいて、DIW総流量が閾値TH以下となるDIW使用計画(タイムスケジュールP)を作成する。
【0160】
また、
図1~
図19を参照して説明した実施形態において、基板処理装置1はバッチ式であったが、基板処理装置1は枚葉式であってもよい。以下、
図20を参照して、他の実施形態の基板処理装置1を説明する。
図20は、他の実施形態の基板処理装置1の模式図である。詳しくは、
図20は、他の実施形態の基板処理装置1の模式的な平面図である。以下、
図20に示す基板処理装置1を、「基板処理装置1E」と記載する場合がある。基板処理装置1Eは、基板Wを処理する。より具体的には、基板処理装置1Eは、枚葉式であり、基板Wごとに基板処理を実行する。
【0161】
図20に示すように、基板処理装置1Eは、複数の処理ユニット301と、流体キャビネット302と、複数の流体ボックス303と、複数のロードポートLPと、インデクサーロボットIRと、センターロボットCRと、コンピューターCM2とを備える。
【0162】
ロードポートLPの各々には基板Wが載置される。より具体的には、ロードポートLPの各々には、
図5を参照して説明した収容部10が載置される。インデクサーロボットIRは、ロードポートLPとセンターロボットCRとの間で基板Wを搬送する。より具体的には、インデクサーロボットIRは、ロードポートLPに載置された収容部10とセンターロボットCRとの間で基板Wを搬送する。センターロボットCRは、インデクサーロボットIRと処理ユニット301との間で基板Wを搬送する。なお、インデクサーロボットIRとセンターロボットCRとの間に、基板Wを一時的に載置する載置台(パス)を設けて、インデクサーロボットIRとセンターロボットCRとの間で載置台を介して間接的に基板Wを受け渡しする装置構成としてもよい。
【0163】
複数の処理ユニット301は、複数のタワーTW(
図20では4つのタワーTW)を形成している。複数のタワーTWは、平面視においてセンターロボットCRを取り囲むように配置される。各タワーTWは、上下に積層された複数の処理ユニット301(
図20では3つの処理ユニット301)を含む。
【0164】
流体キャビネット302は、処理液を収容する。流体ボックス303はそれぞれ、複数のタワーTWのうちの1つに対応している。流体キャビネット302内の処理液は、いずれかの流体ボックス303を介して、流体ボックス303に対応するタワーTWに含まれる全ての処理ユニット301に供給される。
【0165】
処理ユニット301の各々は、処理液を基板Wに供給して基板Wを処理する。処理液には、純水DIW及び薬液が含まれる。
【0166】
コンピューターCM2は、基板処理装置1Eの各部の動作を制御する。例えば、コンピューターCM2は、ロードポートLP、インデクサーロボットIR、センターロボットCR、及び処理ユニット301を制御する。
【0167】
コンピューターCM2は、
図1~
図19を参照して説明したコンピューターCM1と同様に、DIW使用計画(タイムスケジュールP)を作成して、群管理装置2に送信する。また、コンピューターCM2は、
図1~
図19を参照して説明したコンピューターCM1と同様に、群管理装置2から再調整命令RAと管理情報ASCとを受信すると、管理情報ASCを参照して、DIW総流量が閾値TH以下となるDIW使用計画(タイムスケジュールP)を作成する。コンピューターCM2の構成、及びコンピューターCM2が実行する処理は、
図1~
図19を参照して説明したコンピューターCM1と同様であるため、その詳しい説明は割愛する。
【0168】
なお、基板処理装置1が枚葉式の場合、
図11を参照して説明した基板処理時間は、基板処理装置1のロードポートLPに載置された未処理の基板WがインデクサーロボットIRによって基板処理装置1の内部に搬送されてから、処理ユニット301によって処理された後、インデクサーロボットIRによって基板処理装置1の他のロードポートLPに載置されるまでの時間を含む。より具体的には、基板処理時間は、基板処理装置1のロードポートLPに載置された収容部10に収容されている未処理の基板WがインデクサーロボットIRによって基板処理装置1の内部に搬送されてから、処理ユニット301によって処理された後、インデクサーロボットIRによって、基板処理装置1の他のロードポートLPに載置されている収容部10に収容されるまでの時間を含む。
【0169】
また、基板処理装置1が枚葉式の場合、処理終了タイミングは基板搬出タイミングである。つまり、処理終了タイミングは、処理済みの基板WがインデクサーロボットIRによってロードポートLPに載置されるタイミングを示す。より具体的には、処理終了タイミングは、ロードポートLPに載置されている収容部10に処理済みの基板Wが収容されるタイミングを示す。同様に、基板処理装置1が枚葉式の場合、処理開始タイミングは基板搬入タイミングである。つまり、処理開始タイミングは、ロードポートLPに載置されている未処理の基板WがインデクサーロボットIRによって基板処理装置1の内部に搬送されるタイミングを示す。より具体的には、処理開始タイミングは、未処理の基板Wが、インデクサーロボットIRによって、ロードポートLPに載置されている収容部10から基板処理装置1の内部に搬送されるタイミングを示す。
【産業上の利用可能性】
【0170】
本発明は、基板を処理する分野に有用である。
【符号の説明】
【0171】
1 :基板処理装置
2 :群管理装置
51 :第1通信部
52 :第1記憶部
53 :制御部
100 :基板処理システム
201 :第2通信部
202 :第2記憶部
203 :処理部
AFR :総流量情報
CM1 :コンピューター
CM2 :コンピューター
P :タイムスケジュール
PF :用力設備
RA :再調整命令
W :基板