(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-11
(45)【発行日】2025-04-21
(54)【発明の名称】クロストリジウム神経毒に対して感受性の遺伝子改変された細胞
(51)【国際特許分類】
C12N 5/10 20060101AFI20250414BHJP
C12Q 1/02 20060101ALI20250414BHJP
C12N 15/09 20060101ALI20250414BHJP
【FI】
C12N5/10 ZNA
C12Q1/02
C12N15/09 Z
(21)【出願番号】P 2021572552
(86)(22)【出願日】2020-06-08
(86)【国際出願番号】 IB2020055377
(87)【国際公開番号】W WO2020245810
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2023-04-17
(32)【優先日】2019-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517340507
【氏名又は名称】イプセン バイオファーム リミテッド
【氏名又は名称原語表記】IPSEN BIOPHARM LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110000774
【氏名又は名称】弁理士法人 もえぎ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オイラー,ジョージ エー.
(72)【発明者】
【氏名】ガーツ,バリー
【審査官】斉藤 貴子
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-539477(JP,A)
【文献】特表2007-526770(JP,A)
【文献】特表2009-511070(JP,A)
【文献】特表2013-512692(JP,A)
【文献】LIU, J. et al.,Ganglioside GD3 synthase (GD3S), a novel cancer drug target,Acta Pharmaceutica Sinica B,2018年,Vol. 8, No. 5,P. 713-720
【文献】SHANER, N. C. et al.,A bright monomeric green fluorescent protein derived from Branchiostoma lanceolatum,Nature Methods(Author manuscript),2013年,Vol. 10, No. 5, P. 407-409,(Author manuscript P. 1-18)
【文献】BINDELS, D. S. et al.,mScarlet: a bright monomeric red fluorescent protein for cellular imaging,Nature Methods (ADVANCE ONLINE PUBLICATION),2017年,Vol. 14,P. 53-56
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N
C07K
C12Q
G01N
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)クロストリジウム神経毒受容体またはクロストリジウム神経毒に結合する能力を有するそのバリアントもしくは断片;(b)クロストリジウム神経毒に対して結合親和性を有するガングリオシド;および(c)クロストリジウム神経毒によって切断可能な標識された指標タンパク質を発現または過剰発現するように遺伝子改変されている細胞:ここで、
前記細胞は、前記クロストリジウム神経毒受容体またはそのバリアントもしくは断片の前記発現または過剰発現を提供する外因性核酸を含み;
前記細胞は、ガングリオシドの合成経路の酵素またはこのような酵素の触媒活性を有するそのバリアントもしくは断片の発現または過剰発現を提供する外因性核酸を含み;かつ
前記細胞は、クロストリジウム神経毒によって切断可能な標識された指標タンパク質の発現または過剰発現を提供する外因性核酸を含む。
【請求項2】
以下を含む、治療的および/または美容的使用のために、クロストリジウム神経毒製剤の活性を特性決定する、またはクロストリジウム神経毒製剤を同定するin vitro方法:
a.(i)クロストリジウム神経毒受容体またはクロストリジウム神経毒に結合する能力を有するそのバリアントもしくは断片の発現または過剰発現を提供する外因性核酸;(ii)ガングリオシドの合成経路の酵素またはこのような酵素の触媒活性を有するそのバリアントもしくは断片の発現または過剰発現を提供する外因性核酸、ここで、当該ガングリオシドはクロストリジウム神経毒に対して結合親和性を有する;および(iii)クロストリジウム神経毒によって切断可能な標識された指標タンパク質の発現または過剰発現を提供する外因性核酸を有する、細胞を提供すること;
b.前記細胞をクロストリジウム神経毒製剤と接触させること;
c.クロストリジウム神経毒製剤との接触後の指標タンパク質の切断のレベルを、クロストリジウム神経毒製剤との接触前の切断のレベルと比較すること;
d.(i)接触後の指標タンパク質の切断のレベルが増大される場合に、クロストリジウム神経毒製剤を治療的および/または美容的使用に適していると同定すること、もしくは(ii)接触後の指標タンパク質の切断のレベルが増大される場合に、活性の存在を同定すること;または
e.(i)接触後の指標タンパク質の切断のレベルが増大されない場合に、クロストリジウム神経毒製剤を治療的および/または美容的使用に適していないと同定すること、もしくは(ii)接触後の指標タンパク質の切断のレベルが増大されない場合に、活性が存在しないことを同定すること。
【請求項3】
以下を含む、クロストリジウム神経毒製剤の活性を特性決定するまたは治療的および/または美容的使用に適しているクロストリジウム神経毒製剤を同定するin vitro方法:
a.(i)クロストリジウム神経毒受容体またはクロストリジウム神経毒に結合する能力を有するそのバリアントもしくは断片の発現または過剰発現を提供する外因性核酸;(ii)ガングリオシドの合成経路の酵素またはこのような酵素の触媒活性を有するそのバリアントもしくは断片の発現または過剰発現を提供する外因性核酸、ここで、当該ガングリオシドはクロストリジウム神経毒に対して結合親和性を有する;および(iii)クロストリジウム神経毒によって切断可能な標識された指標タンパク質の発現もしくは過剰発現を提供する外因性核酸を有する、細胞を提供すること;
b.前記細胞をクロストリジウム神経毒製剤と接触させること;
c.クロストリジウム神経毒製剤との接触後の指標タンパク質の切断のレベルを、対照クロストリジウム神経毒製剤との接触後の切断のレベルと比較すること;
d.(i)接触後の指標タンパク質の切断のレベルが、対照クロストリジウム神経毒製剤との接触後の切断のレベルに対して、増大されるか、もしくは同等である場合に、クロストリジウム神経毒製剤を治療的および/または美容的使用に適していると同定すること、もしくは(ii)接触後の指標タンパク質の切断のレベルが、対照クロストリジウム神経毒製剤との接触後の切断のレベルに対して、増大されるか、もしくは同等である場合に、活性の存在を同定すること;または
e.(i)接触後の指標タンパク質の切断のレベルが、対照クロストリジウム神経毒製剤との接触後の切断のレベルに対して増大されないか、もしくは同等ではない場合に、クロストリジウム神経毒製剤を治療的および/または美容的使用に適していないと同定すること、もしくは(ii)接触後の指標タンパク質の切断のレベルが、対照クロストリジウム神経毒製剤との接触後の切断のレベルに対して増大されないか、もしくは同等ではない場合に、活性が存在しないことを同定すること。
【請求項4】
受容体およびガングリオシドを過剰発現する細胞が、クロストリジウム神経毒の天然標的
細胞と比較して、より多くの受容体およびガングリオシドを発現する、請求項
1に記載の細
胞。
【請求項5】
受容体およびガングリオシドを過剰発現する細胞が、外因性核酸を欠く細胞と比較した場合に、より多くの受容体およびガングリオシドを発現する、請求項1
又は4に記載の細
胞。
【請求項6】
細胞が、神経細胞、非神経細胞、神経内分泌細胞、胚性腎臓細胞、乳癌細胞、神経芽細胞腫細胞または神経芽細胞腫-神経膠腫ハイブリッド細胞である、請求項1
又は4~5のいずれか一項に記載の細
胞。
【請求項7】
細胞が、神経芽細胞腫細胞または神経芽細胞腫-神経膠腫細胞である、請求項1
又は4~6のいずれか一項に記載の細
胞。
【請求項8】
細胞が、神経芽細胞腫-神経膠腫細胞である、請求項1
又は4~7のいずれか一項に記載の細
胞。
【請求項9】
細胞が、NG108細胞である、請求項1
又は4~8のいずれか一項に記載の細
胞。
【請求項10】
細胞が、ガングリオシドを過剰発現するように遺伝子改変されている、請求項1
又は4~9のいずれか一項に記載の細
胞。
【請求項11】
細胞が、GM1a、GD1a、GD1b、GT1bおよび/またはGQ1bを発現または過剰発現するように遺伝子改変されている、請求項1
又は4~10のいずれか一項に記載の細
胞。
【請求項12】
細胞が、GD1a、GD1b、および/またはGT1bを発現または過剰発現するように遺伝子改変されている、請求項1
又は4~11のいずれか一項に記載の細
胞。
【請求項13】
細胞が、GD1bおよび/またはGT1bを発現または過剰発現するように遺伝子改変されている、請求項1
又は4~12のいずれか一項に記載の細
胞。
【請求項14】
細胞が、グルコシルセラミドシンターゼ、GalT-I、GalNAcT、GM3シンターゼ、GD3シンターゼ、GT3シンターゼ、ガラクトシルセラミドシンターゼ、GM4シンターゼ、GalT-II、ST-IVまたはST-Vまたはこのような酵素の触媒活性を有するそのバリアントもしくは断片を発現または過剰発現するように遺伝子改変されている、請求項1
又は4~13のいずれか一項に記載の細
胞。
【請求項15】
細胞が、GD3シンターゼまたはGD3シンターゼの触媒活性を有するそのバリアントもしくは断片を発現または過剰発現するように遺伝子改変されている、請求項1
又は4~14のいずれか一項に記載の細
胞。
【請求項16】
細胞が、GD3シンターゼを発現または過剰発現するように遺伝子改変されている、請求項1
又は4~15のいずれか一項に記載の細
胞。
【請求項17】
細胞が、クロストリジウム神経毒に結合する能力を有するタンパク質受容体またはそのバリアントもしくは断片を過剰発現するように遺伝子改変されている、請求項1
又は4~16のいずれか一項に記載の細
胞。
【請求項18】
細胞が、SV2またはシナプトタグミンまたはクロストリジウム神経毒に結合する能力を有するそのバリアントもしくは断片を発現または過剰発現するように遺伝子改変されている、請求項1
又は4~17のいずれか一項に記載の細
胞。
【請求項19】
細胞が、SV2またはクロストリジウム神経毒に結合する能力を有するそのバリアントもしくは断片を発現または過剰発現するように遺伝子改変されている、請求項1
又は4~18のいずれか一項に記載の細
胞。
【請求項20】
細胞が、SV2AまたはSV2Cまたはクロストリジウム神経毒に結合する能力を有するそのバリアントもしくは断片を発現または過剰発現するように遺伝子改変されている、請求項1
又は4~19のいずれか一項に記載の細
胞。
【請求項21】
細胞が、SV2AまたはSV2Cの第4の管腔ドメインを発現または過剰発現するように遺伝子改変されている、請求項1
又は4~20のいずれか一項に記載の細
胞。
【請求項22】
細胞が、指標タンパク質を発現または過剰発現するように遺伝子改変されている、請求項1
又は4~21のいずれか一項に記載の細
胞。
【請求項23】
細胞が、SNAREドメインを含む指標タンパク質を発現または過剰発現するように遺伝子改変されている、請求項1
又は4~22のいずれか一項に記載の細
胞。
【請求項24】
細胞が、指標タンパク質を発現または過剰発現するように遺伝子改変されており、指標タンパク質が、シンタキシン、シナプトブレビンまたはSNAP-25のアミノ酸配列、または野生型クロストリジウム神経毒のプロテアーゼ成分によるタンパク質分解に対して感受性であるそのバリアントもしくは断片を含む、請求項1
又は4~23のいずれか一項に記載の細
胞。
【請求項25】
細胞が、標識された指標タンパク質を発現または過剰発現するように遺伝子改変されている、請求項1
又は4~24のいずれか一項に記載の細
胞。
【請求項26】
細胞が、N末端標識およびC末端標識を含む指標タンパク質を発現または過剰発現するように遺伝子改変されている、請求項1
又は4~25のいずれか一項に記載の細
胞。
【請求項27】
細胞が、蛍光タンパク質標識のアミノ酸配列を含む指標タンパク質を発現または過剰発現するように遺伝子改変されている、請求項1
又は4~26のいずれか一項に記載の細
胞。
【請求項28】
細胞が、mScarletのアミノ酸配列およびNeonGreenのアミノ酸配列を含む指標タンパク質を発現または過剰発現するように遺伝子改変されている、請求項1
又は4~27のいずれか一項に記載の細
胞。
【請求項29】
細胞が、N末端標識としてmScarletを、C末端標識としてNeonGreenを含む指標タンパク質を発現または過剰発現するように遺伝子改変されている、請求項1
又は4~28のいずれか一項に記載の細
胞。
【請求項30】
細胞中に、(i)クロストリジウム神経毒受容体またはクロストリジウム神経毒に結合する能力を有するそのバリアントもしくは断片;(ii)ガングリオシドの合成経路の酵素またはこのような酵素の触媒活性を有するそのバリアントもしくは断片、ここで、当該ガングリオシドはクロストリジウム神経毒に対して結合親和性を有する;および(iii)クロストリジウム神経毒によって切断可能な標識された指標タンパク質をコードする核酸を導入することを含む、請求項1または4から29のいずれか一項に記載の細胞を生成する方法。
【請求項31】
核酸が、トランスフェクションによって導入される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
修飾または組換えクロストリジウム神経毒の活性を決定するためのアッセイであって、方法が、細胞中で野生型クロストリジウム神経毒のプロテアーゼドメインが、指標タンパク質を切断することを可能にするであろう、条件下および期間の間、請求項1または4から29のいずれか一項に記載の細胞を修飾または組換え
クロストリジウム神経毒と接触させること、ならびにこのような指標タンパク質の切断に起因する生成物の存在を決定することを含む、アッセイ。
【請求項33】
全長指標タンパク質が、細胞中で容易に分解されないが、その切断後に、結果として生じた断片のうち1つは容易に分解される、請求項32に記載のアッセイ。
【請求項34】
指標タンパク質が、C末端標識を含み、全長指標タンパク質が細胞中で容易に分解されないが、その切断後に、結果として生じたC末端断片が容易に分解され、C末端断片の分解が、C末端標識の分解をもたらす、請求項32または33に記載のアッセイ。
【請求項35】
指標タンパク質が、C末端標識を含み、全長指標タンパク質が細胞中で容易に分解されないが、その切断後に、結果として生じたC末端断片が容易に分解され、C末端断片の分解が、C末端標識の分解をもたらし、指標タンパク質の切断が、細胞を修飾または組換え
クロストリジウム神経毒と接触させた後にC末端標識からのシグナルを測定することによって決定される、請求項32から34のいずれか一項に記載のアッセイ。
【請求項36】
このような接触後に、細胞が溶解され、得られた細胞溶解物が抗体と接触され、ウエスタンブロットが実施される、請求項32に記載のアッセイ。
【請求項37】
受容体およびガングリオシドを過剰発現する細胞が、クロストリジウム神経毒の天然標的細胞と比較して、より多くの受容体およびガングリオシドを発現する、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項38】
受容体およびガングリオシドを過剰発現する細胞が、外因性核酸を欠く細胞と比較した場合に、より多くの受容体およびガングリオシドを発現する、請求項2、3又は37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
細胞が、神経細胞、非神経細胞、神経内分泌細胞、胚性腎臓細胞、乳癌細胞、神経芽細胞腫細胞または神経芽細胞腫-神経膠腫ハイブリッド細胞である、請求項2、3又は37~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
細胞が、神経芽細胞腫細胞または神経芽細胞腫-神経膠腫細胞である、請求項2、3又は37~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
細胞が、神経芽細胞腫-神経膠腫細胞である、請求項2、3又は37~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
細胞が、NG108細胞である、請求項2、3又は37~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
細胞が、ガングリオシドを過剰発現するように遺伝子改変されている、請求項2、3又は37~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
細胞が、GM1a、GD1a、GD1b、GT1bおよび/またはGQ1bを発現または過剰発現するように遺伝子改変されている、請求項2、3又は37~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
細胞が、GD1a、GD1b、および/またはGT1bを発現または過剰発現するように遺伝子改変されている、請求項2、3又は37~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
細胞が、GD1bおよび/またはGT1bを発現または過剰発現するように遺伝子改変されている、請求項2、3又は37~45のいずれか一項に記載の細胞または方法。
【請求項47】
細胞が、グルコシルセラミドシンターゼ、GalT-I、GalNAcT、GM3シンターゼ、GD3シンターゼ、GT3シンターゼ、ガラクトシルセラミドシンターゼ、GM4シンターゼ、GalT-II、ST-IVまたはST-Vまたはこのような酵素の触媒活性を有するそのバリアントもしくは断片を発現または過剰発現するように遺伝子改変されている、請求項2、3又は37~46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
細胞が、GD3シンターゼまたはGD3シンターゼの触媒活性を有するそのバリアントもしくは断片を発現または過剰発現するように遺伝子改変されている、請求項2、3又は37~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
細胞が、GD3シンターゼを発現または過剰発現するように遺伝子改変されている、請求項2、3又は37~48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
細胞が、クロストリジウム神経毒に結合する能力を有するタンパク質受容体またはそのバリアントもしくは断片を過剰発現するように遺伝子改変されている、請求項2、3又は37~49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
細胞が、SV2またはシナプトタグミンまたはクロストリジウム神経毒に結合する能力を有するそのバリアントもしくは断片を発現または過剰発現するように遺伝子改変されている、請求項2、3又は37~50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
細胞が、SV2またはクロストリジウム神経毒に結合する能力を有するそのバリアントもしくは断片を発現または過剰発現するように遺伝子改変されている、請求項2、3又は37~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
細胞が、SV2AまたはSV2Cまたはクロストリジウム神経毒に結合する能力を有するそのバリアントもしくは断片を発現または過剰発現するように遺伝子改変されている、請求項2、3又は37~52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
細胞が、SV2AまたはSV2Cの第4の管腔ドメインを発現または過剰発現するように遺伝子改変されている、請求項2、3又は37~53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
細胞が、指標タンパク質を発現または過剰発現するように遺伝子改変されている、請求項2、3又は37~54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
細胞が、SNAREドメインを含む指標タンパク質を発現または過剰発現するように遺伝子改変されている、請求項2、3又は37~55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
細胞が、指標タンパク質を発現または過剰発現するように遺伝子改変されており、指標タンパク質が、シンタキシン、シナプトブレビンまたはSNAP-25のアミノ酸配列、または野生型クロストリジウム神経毒のプロテアーゼ成分によるタンパク質分解に対して感受性であるそのバリアントもしくは断片を含む、請求項2、3又は37~56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
細胞が、標識された指標タンパク質を発現または過剰発現するように遺伝子改変されている、請求項2、3又は37~57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
細胞が、N末端標識およびC末端標識を含む指標タンパク質を発現または過剰発現するように遺伝子改変されている、請求項2、3又は37~58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
細胞が、蛍光タンパク質標識のアミノ酸配列を含む指標タンパク質を発現または過剰発現するように遺伝子改変されている、請求項2、3又は37~59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
細胞が、mScarletのアミノ酸配列およびNeonGreenのアミノ酸配列を含む指標タンパク質を発現または過剰発現するように遺伝子改変されている、請求項2、3又は37~60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
細胞が、N末端標識としてmScarletを、C末端標識としてNeonGreenを含む指標タンパク質を発現または過剰発現するように遺伝子改変されている、請求項2、3又は37~61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
クロストリジウム神経毒製剤の活性を特性決定するための、または治療的および/または美容的使用に適しているクロストリジウム神経毒製剤を同定するためのアッセイにおいて使用するのに適している細胞を改変する方法であって、当該方法は以下を含む:
a.細胞が以下を組み込むように操作すること:
i.クロストリジウム神経毒受容体またはクロストリジウム神経毒に結合する能力を有するそのバリアントもしくは断片の発現もしくは過剰発現を提供する外因性核酸;
ii.ガングリオシドの合成経路の酵素またはこのような酵素の触媒活性を有するそのバリアントもしくは断片の発現もしくは過剰発現を提供する外因性核酸、ここで、当該ガングリオシドはクロストリジウム神経毒に対して結合親和性を有する;および
iii.クロストリジウム神経毒によって切断可能な標識された指標タンパク質の発現もしくは過剰発現を提供する外因性核酸。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、クロストリジウム神経毒、例えば、ボツリヌス神経毒およびテタヌス神経毒に対して増大した感受性を有するように遺伝子改変されている細胞に関する。本発明はまた、このような細胞を作製する方法およびこのような神経毒に由来するポリペプチド、例えば、このようなクロストリジウム神経毒の修飾および組換えバージョンの活性のアッセイにおいてこのような細胞を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
嫌気性のグラム陽性菌であるクロストリジウム・ボツリヌム(Clostridium botulinum)は、ボツリヌス神経毒(BoNT)およびテタヌス神経毒(TeNT)を含む種々の異なる種類の神経毒を産生する。
【0003】
BoNTは、公知の最も強力な毒素であり、血清型に応じて0.5~5ng/kgの範囲のマウスの半致死量(LD50)値を有する。BoNTは、胃腸管において吸着され、全身循環に入った後、コリン作動性神経末端のシナプス前膜に結合し、神経伝達物質アセチルコリンの放出を妨げる。
【0004】
BoNTは、弛緩性筋肉麻痺を引き起こすその能力についてよく知られている。前記筋肉弛緩特性のために、BoNTが、眉間の線または運動過剰性の顔の線、頭痛、片側顔面痙攣、膀胱の運動亢進、多汗、ほうれい線、頸部ジストニア、眼瞼痙攣および痙縮の処置を含む、さまざまな医学的および美容的手順において使用されることとなった。
【0005】
現在、少なくとも8種の異なるクラスのBoNT、すなわち、BoNT血清型A、B、C、D、E、F、GおよびH(それぞれ、BoNT/A、BoNT/B、BoNT/C、BoNT/D、BoNT/E、BoNT/F、BoNT/GおよびBoNT/Hとして知られている)があり、そのすべては、類似の構造および作用様式を共有する。異なるBoNT血清型は、特異的中和抗血清による不活性化に基づいて区別することができ、このような血清型による分類は、アミノ酸レベルでの配列同一性パーセンテージと相関する。所与の血清型のBoNTタンパク質は、アミノ酸配列同一性パーセンテージに基づいて異なる亜型にさらにわけられる。
【0006】
BoNTの異なる血清型は、引き起こされる麻痺の重症度および持続期間に関して影響を受ける動物種が異なる。例えば、BoNT/Aは、すべての公知の生物学的物質の中で最も致死的であり、麻痺に関して、BoNT/Bよりも、ラットでは500倍より強力である。さらに、マウスにおけるBoNT/A注射後の麻痺の持続期間は、BoNT/Eの注射後の持続期間よりも10倍長い。
【0007】
天然では、クロストリジウム神経毒は、単鎖ポリペプチドとして合成され、これがタンパク質分解による切断事象によって翻訳後修飾されて、ジスルフィド結合によって一緒につなげられた2つのポリペプチド鎖を形成する。切断は、鎖間ジスルフィド結合を提供するシステイン残基間に位置する、活性化部位と呼ばれることが多い特定の切断部位で起こる。毒素の活性形態は、この二本鎖形態である。2つの鎖は、およそ100kDaの分子量を有する重鎖(H鎖)およびおよそ50kDaの分子量を有する軽鎖(L鎖)と呼ばれる。H鎖は、「標的化部分」として知られるC末端標的化成分および「転位置ドメイン」として知られるN末端転位置成分を含む。切断部位は、露出したループ領域中の、L鎖と転位置ドメイン成分の間に位置する。標的化部分のその標的ニューロンへの結合およびエンドソームによる結合された毒素の細胞への内部移行後、転位置ドメインは、L鎖をエンドソーム膜を越えてサイトゾル中に転位置する。
【0008】
L鎖は、「プロテアーゼドメイン」として知られるプロテアーゼ成分を含む。非細胞傷害性プロテアーゼ機能を有し、SNAREタンパク質として知られる細胞内輸送タンパク質をタンパク質分解性に切断することによって作用する-Gerald K (2002) “Cell and Molecular Biology” (4th edition) John Wiley & Sons, Inc.を参照されたい。頭字語SNAREは、可溶性NSF付着受容体(Soluble NSF Attachment Receptor)という用語に由来し、ここで、NSFは、N-エチルマレイミド感受性因子(N-ethylmaleimide-Sensitive Factor)を意味する。プロテアーゼドメインは、亜鉛依存性エンドペプチダーゼ活性を有し、SNAREタンパク質に対して高い基質特異性を示す。
【0009】
種々の異なるクロストリジウム神経毒は、そのそれぞれのプロテアーゼドメインによって異なるSNAREタンパク質を切断する。BoNT/B、BoNT/D、BoNT/F、BoNT/GおよびTeNTは、シナプトブレビン、別名、小胞関連膜タンパク質(VAMP)を切断する。BoNT/A、BoNT/CおよびBoNT/Eは、25kDaのシナプトソーム関連タンパク質(SNAP-25)を切断する。BoNT/Cは、シンタキシンを切断する。
【0010】
SNAREタンパク質は、分泌小胞の膜または細胞膜のいずれかと会合しており、分泌小胞の細胞膜との融合を媒介し、ひいては、小胞の内容物が細胞の外側に排出されることを可能にすることによって分子のエキソサイトーシスを促進する。このようなSNAREタンパク質の切断は、このようなエキソサイトーシスを阻害し、ひいては、このようなニューロンからの神経伝達物質の放出を阻害する。その結果として、横紋筋は麻痺し、汗腺はその分泌を停止する。
【0011】
したがって、クロストリジウム神経毒は、ひとたび所望の標的細胞に送達されると、標的細胞からの細胞性分泌を阻害可能である。
【0012】
クロストリジウム神経毒をその特性を変更するように修飾することは当技術分野で公知である。修飾は、アミノ酸修飾、例えば、アミノ酸(複数可)の付加、欠失および/もしくは置換ならびに/あるいは化学的修飾、例えば、リン酸もしくは炭水化物の付加またはジスルフィド結合の形成を含み得る。修飾はまた、クロストリジウム神経毒の成分の並べ替え、例えば、プロテアーゼ成分を転位置成分および標的化成分と隣接させることも含み得る。
【0013】
クロストリジウム由来の神経毒と遺伝的に同一であるか、または追加の、より少ない、もしくは異なるアミノ酸を含有するという点および/もしくは野生型クロストリジウム神経毒において配置されるものとは異なる順序で配置される成分を有するという点において野生型クロストリジウム神経毒とは異なる組換えクロストリジウム神経毒を生成することも当技術分野で公知である。これらの組換えクロストリジウム神経毒は、上記のように化学的に修飾され得る。
【0014】
しかし、修飾および組換えクロストリジウム神経毒と、その野生型対応物の間の相違は、神経毒の所望のSNAREタンパク質切断特性に影響を及ぼす可能性がある。そのようなものとして、このような相違が、このような活性を改善、低減または排除するか否かを決定することは重要であり得る。
【0015】
これらの修飾または組換えクロストリジウム神経毒が標的化されたSNAREタンパク質を切断する所望の活性を有するか否かを当業者が、確認することを可能にする種々の従来のアッセイが利用可能である。これらのアッセイは、SNAREタンパク質の切断の結果生じる生成物の存在について試験することを含む。例えば、細胞の、修飾または組換え神経毒との接触後、細胞が溶解され、SDS-PAGEによって分析され、切断生成物の存在を検出できる。あるいは、細胞溶解物を抗体と接触させることによって、切断生成物を検出できる。
【0016】
このようなアッセイには天然細胞を使用できるが、このような天然細胞はクロストリジウム神経毒に対する制限された感受性しか有さない場合があるので、アッセイは通常、高濃度のこのような細胞の使用を必要とする。さらに、このようなアッセイはクローン安定細胞株を使用することが望ましい。
【0017】
したがって、このようなアッセイにおいて使用するためにクロストリジウム神経毒に対する感受性が増大した遺伝子改変細胞が必要である。
【発明の概要】
【0018】
本発明は、幾分かは、クロストリジウム神経毒の受容体またはそのバリアントまたは断片を発現または過剰発現するように遺伝子改変されている細胞に関する。このような受容体は、タンパク質受容体またはガングリオシドであり得る。好ましくは、本明細書において記載される細胞(本明細書において記載される細胞自体との関連で、または本明細書において記載される細胞を含む任意の方法もしくは使用との関連でに関わらず)は、受容体および/またはガングリオシドの発現または過剰発現(好ましくは、過剰発現)を提供する外因性核酸を含み、前記外因性核酸は、構成的および/または誘導性プロモーター(好ましくは、構成的プロモーター)の制御下にある。
【0019】
本発明はまた、幾分かは、このような細胞を生成する方法に関する。方法は、細胞中に、クロストリジウム神経毒受容体もしくはクロストリジウム神経毒に結合する能力を有するそのバリアントもしくは断片、および/またはガングリオシド合成経路の酵素もしくはこのような酵素の触媒活性を有するそのバリアントもしくは断片をコードする核酸を導入することを含む。
【0020】
本発明はさらに、幾分かは、修飾または組換え神経毒の活性を決定するアッセイに関する。方法は、野生型クロストリジウム神経毒のプロテアーゼドメインが、細胞において指標タンパク質を切断することを可能にするであろう条件下および期間、上記の細胞を修飾または組換え神経毒と接触させることおよびこのような指標タンパク質の切断の結果生じた生成物の存在を決定することを含む。
【0021】
本発明は、治療的/美容的使用のためのクロストリジウム神経毒のバッチの活性を試験/評価する方法を包含する。このような方法は、有利なことに、保存の間の毒素活性モニタリングおよび活性を経時的に追跡することにおいて有用性を見出す。さらなる利点は、最適保存条件(例えば、活性レベルを下げない)を決定する能力である。方法は、組換えクロストリジウム神経毒の活性(例えば、細胞結合/SNARE切断能)を特性決定するために特に有利である。
【0022】
本発明の態様は、治療的(および/または美容的)使用のために、クロストリジウム神経毒(好ましくは、BoNT)製剤の活性を特性決定する、またはクロストリジウム神経毒(好ましくは、BoNT)製剤を同定するin vitro法を提供し、前記方法は、以下を含む:
a.クロストリジウム神経毒に対して結合親和性を有する受容体および/またはガングリオシド(好ましくは、受容体)の発現または過剰発現を提供する外因性核酸ならびにクロストリジウム神経毒によって切断可能な指標タンパク質(好ましくは、SNAREドメインを含む指標タンパク質)の発現または過剰発現を提供する外因性核酸を有する細胞(例えば、遺伝子改変細胞)を提供し、好ましくは、細胞は、前記外因性核酸の不在下で受容体および/またはガングリオシド(好ましくは、受容体)を発現しないこと;
b.前記細胞をクロストリジウム神経毒製剤と接触させること;
c.クロストリジウム神経毒製剤との接触(例えば、その投与)後の指標タンパク質の切断のレベルを、クロストリジウム神経毒製剤との接触前の切断のレベルと比較すること;
d.(i)接触後の指標タンパク質の切断のレベルが増大される場合に、クロストリジウム神経毒製剤を治療的(および/または美容的)使用に適していると同定すること、もしくは(ii)接触後の指標タンパク質の切断のレベルが増大される場合に、活性の存在を同定すること;または
e.(i)接触後の指標タンパク質の切断のレベルが増大されない場合に、クロストリジウム神経毒製剤を治療的(および/または美容的)使用に適していないと同定すること、もしくは(ii)接触後の指標タンパク質の切断のレベルが増大されない場合に、活性が存在しないことを同定すること。
【0023】
本発明の別の態様は、クロストリジウム神経毒(好ましくは、BoNT)製剤の活性を特性決定するまたは治療的(および/または美容的)使用に適しているクロストリジウム神経毒(好ましくは、BoNT)製剤を同定するin vitro法を提供し、前記方法は、以下を含む:
a.クロストリジウム神経毒に対して結合親和性を有する受容体および/もしくはガングリオシド(好ましくは、受容体)の発現もしくは過剰発現を提供する外因性核酸ならびにクロストリジウム神経毒によって切断可能な指標タンパク質(好ましくは、SNAREドメインを含む指標タンパク質)の発現もしくは過剰発現を提供する外因性核酸を組み込むように細胞(例えば、遺伝子改変細胞)を操作し、好ましくは、細胞は、前記外因性核酸の不在下で受容体および/もしくはガングリオシド(好ましくは、受容体)を発現しないこと;
b.前記細胞をクロストリジウム神経毒製剤と接触させること;
c.クロストリジウム神経毒製剤との接触(例えば、その投与)後の指標タンパク質の切断のレベルを、クロストリジウム神経毒製剤との接触前の切断のレベルと比較すること;
d.(i)接触後の指標タンパク質の切断のレベルが増大される場合に、クロストリジウム神経毒製剤を治療的(および/または美容的)使用に適していると同定すること、もしくは(ii)接触後の指標タンパク質の切断のレベルが増大される場合に、活性の存在を同定すること;または
e.(i)接触後の指標タンパク質の切断のレベルが増大されない場合に、クロストリジウム神経毒製剤を治療的(および/または美容的)使用に適していないと同定すること、もしくは(ii)接触後の指標タンパク質の切断のレベルが増大されない場合に、活性が存在しないことを同定すること。
【0024】
本発明の別の態様は、クロストリジウム神経毒(好ましくは、BoNT)製剤の活性を特性決定するための、または治療的(および/または美容的)使用に適しているクロストリジウム神経毒(好ましくは、BoNT)製剤を同定するためのin vitro法を提供し、前記方法は、を含む:
a.クロストリジウム神経毒に対して結合親和性を有する受容体および/もしくはガングリオシド(好ましくは、受容体)の発現もしくは過剰発現を提供する外因性核酸ならびにクロストリジウム神経毒によって切断可能な指標タンパク質(好ましくは、SNAREドメインを含む指標タンパク質)の発現もしくは過剰発現を提供する外因性核酸を有する細胞(例えば、遺伝子改変細胞)を提供し、好ましくは、細胞は、前記外因性核酸の不在下で受容体および/もしくはガングリオシド(好ましくは、受容体)を発現しないこと;
b.前記細胞をクロストリジウム神経毒製剤と接触させること;
c.クロストリジウム神経毒製剤との接触(例えば、その投与)後の指標タンパク質の切断のレベルを、対照クロストリジウム神経毒製剤との接触後の切断のレベルと比較すること;
d.(i)接触後の指標タンパク質の切断のレベルが、対照クロストリジウム神経毒製剤との接触後の切断のレベルに対して、増大されるか、もしくは同等である場合に、クロストリジウム神経毒製剤を治療的(および/または美容的)使用に適していると同定すること、もしくは(ii)接触後の指標タンパク質の切断のレベルが、対照クロストリジウム神経毒製剤との接触後の切断のレベルに対して増大されるか、もしくは同等である場合に、活性の存在を同定すること;または
e.(i)接触後の指標タンパク質の切断のレベルが、対照クロストリジウム神経毒製剤との接触後の切断のレベルに対して増大されないか、もしくは同等ではない場合に、クロストリジウム神経毒製剤を治療的(および/または美容的)使用に適していないと同定すること、もしくは(ii)接触後の指標タンパク質の切断のレベルが、対照クロストリジウム神経毒製剤との接触後の切断のレベルに対して増大されないか、もしくは同等ではない場合に、活性が存在しないことを同定すること。
【0025】
対照クロストリジウム神経毒製剤は、切断活性を有すると知られている、および/または治療的(および/または美容的)使用に適していると知られている(言い換えれば、対照は、陽性対照である)クロストリジウム神経毒(例えば、クロストリジウム神経毒のバッチ)の製剤である。好ましくは、(試験)クロストリジウム神経毒製剤および対照神経毒製剤は、同一種類/血清型のクロストリジウム神経毒の製剤であり、例えば、(試験)クロストリジウム神経毒製剤が、BoNT/Eの製剤である場合には、対照クロストリジウム神経毒も、好ましくは、BoNT/Eの製剤である。
【0026】
本発明の別の態様は、クロストリジウム神経毒(好ましくは、BoNT)製剤の活性を特性決定するための、または治療的(および/もしくは美容的)使用に適しているクロストリジウム神経毒(好ましくは、BoNT)製剤を同定するためのアッセイにおいて使用するのに適した細胞を改変するための方法を提供し、方法は、
【0027】
以下を組み込むように細胞を操作することを含む:
(i)クロストリジウム神経毒に対して結合親和性を有する受容体および/もしくはガングリオシドの発現もしくは過剰発現を提供する外因性核酸であって、好ましくは、前記外因性核酸の不在下で受容体および/もしくはガングリオシド(好ましくは、受容体)を発現しない、外因性核酸;ならびに
(ii)クロストリジウム神経毒によって切断可能な指標タンパク質(好ましくは、SNAREドメインを含む指標タンパク質)の発現もしくは過剰発現を提供する外因性核酸。
【0028】
以下は、本明細書において記載される本発明のいずれかの態様の任意選択の実施形態である。
【0029】
一実施形態では、細胞は普通、受容体および/またはガングリオシド(好ましくは、受容体、好ましくは、受容体はSV2Aである)を発現しない。言い換えれば、好ましい実施形態では、細胞は、前記外因性核酸の不在下では、受容体および/またはガングリオシド(好ましくは、受容体、好ましくは、受容体はSV2Aである)を発現しない。
【0030】
一実施形態では、細胞は、クロストリジウム神経毒の天然標的とは異なる細胞種のものである。言い換えれば、一実施形態では、細胞は、クロストリジウム神経毒の天然標的ではない。例えば、細胞は、BoNT/Aの天然標的ではない場合がある。さらにまたはあるいは、細胞は、BoNT/Eの天然標的ではない場合がある。
【0031】
一実施形態では、細胞は、神経細胞(例えば、ニューロン)ではない。
【0032】
有利なことに、クロストリジウム神経毒に対して結合親和性を有する受容体および/またはガングリオシドの発現または過剰発現を提供することによって、本発明の方法および細胞は、偽陰性結果(例えば、プロテアーゼドメインの低活性というよりも、アッセイにおいて使用される細胞への結合および転位置に対するクロストリジウム神経毒の低い親和性の結果として、低い切断活性が不正確に検出される場合)の低減が可能となる。さらに、本発明は、このようなアッセイにおいて使用できる広い範囲の細胞種を提供し、例えば、in vitroで培養することが困難である場合がある神経細胞(例えば、十分なレベルの受容体/ガングリオシドを天然に発現する)に対する依存を低減する。これらの利点は、無細胞系(プロテアーゼ活性のみを特性決定する)とは対照的に、細胞ベースのアッセイ(結合、転位置およびプロテアーゼ活性の特性決定を可能にする)との関連で提供される。
【0033】
「接触後の指標タンパク質の切断のレベルが増大されない場合」という用語は、切断のレベルが実質的に増大しないことを意味する。「実質的に」という用語は、「接触後の指標タンパク質の切断のレベルが増大されない場合」という用語の関連で本明細書で使用される場合、好ましくは、統計的に有意な増大はないことを意味する。前記増大(実質的ではない)は、30%、25%、20%、15%、10%、5%または1%未満の、好ましくは、20%未満の増大であり得る。前記増大(実質的ではない)は、5%、2%、1%または0.5%未満、好ましくは、0.1%未満の増大であり得る。より好ましくは、「接触後の指標タンパク質の切断のレベルが増大されない場合」という用語は、本明細書で使用される場合、接触後の指標タンパク質の切断のレベルが全く減少しない(すなわち、切断のレベルの増大は0%である)ことを意味する。
【0034】
本明細書において記載される細胞において発現される受容体および/またはガングリオシド(好ましくは、受容体)のレベルは、好ましくは、クロストリジウム神経毒の天然標的(例えば、神経細胞)において発現される受容体および/またはガングリオシド(好ましくは、受容体)のレベルと等しいか、またはそれよりも高い。例えば、本明細書において記載される細胞において発現される受容体および/またはガングリオシド(好ましくは、受容体)のレベルは、クロストリジウム神経毒の天然標的(例えば、神経細胞)において発現される受容体および/またはガングリオシド(好ましくは、受容体)のレベルに対して、≧10%、≧20%、≧30%、≧40%、≧50%、≧60%、≧70%、≧80%、≧90%または≧100%であり得る。
【0035】
本明細書において記載される細胞において発現される受容体および/またはガングリオシド(好ましくは、受容体)のレベルは、好ましくは、前記外因性核酸を欠く細胞において発現される受容体および/またはガングリオシド(好ましくは、受容体)のレベルよりも高い場合がある。例えば、本明細書において記載される細胞において発現される受容体および/またはガングリオシド(好ましくは、受容体)のレベルは、前記外因性核酸を欠く細胞(例えば、そうでなければ同等の細胞)において発現される受容体および/またはガングリオシド(好ましくは、受容体)のレベルに対して、≧10%、≧20%、≧30%、≧40%、≧50%、≧60%、≧70%、≧80%、≧90%または≧100%であり得る。
【0036】
一実施形態では、「過剰発現」という用語は、本明細書において記載される任意の態様または実施形態との関連で使用される場合、好ましくは、クロストリジウム神経毒の天然標的(例えば、神経細胞)において発現される受容体および/またはガングリオシド(好ましくは、受容体)のレベルに対して、≧10%、≧20%、≧30%、≧40%、≧50%、≧60%、≧70%、≧80%、≧90%または≧100%の発現を意味する。一実施形態では、「過剰発現」という用語は、本明細書において記載される任意の態様または実施形態との関連で使用される場合、好ましくは、前記外因性核酸を欠く細胞(例えば、そうでなければ同等の細胞)において発現される受容体および/またはガングリオシド(好ましくは、受容体)のレベルに対して、≧10%、≧20%、≧30%、≧40%、≧50%、≧60%、≧70%、≧80%、≧90%または≧100%の発現を意味する。
【0037】
一実施形態では、クロストリジウム神経毒は、BoNT/A(またはBoNT/A HCCドメインを含むBoNT)である場合があり、好ましくは、受容体は、SV2A、SV2Bおよび/またはSV2C(好ましくは、SV2A)であり得る。
【0038】
さらにまたはあるいは、クロストリジウム神経毒は、BoNT/B(またはBoNT/B HCCドメインを含むBoNT)である場合があり、好ましくは、受容体は、Syt-Iおよび/またはSyt-IIであり得る。
【0039】
さらにまたはあるいは、クロストリジウム神経毒は、BoNT/E(またはBoNT/E HCCドメインを含むBoNT)である場合があり、好ましくは、受容体は、SV2Aおよび/またはSV2B(好ましくは、SV2A)であり得る。
【0040】
さらにまたはあるいは、クロストリジウム神経毒は、BoNT/G(またはBoNT/G HCCドメインを含むBoNT)である場合があり、好ましくは、受容体は、Syt-Iおよび/またはSyt-IIであり得る。
【0041】
適した受容体/ガングリオシドに関するさらなる情報については、参照により本明細書に組み込まれる、Binz and Rummel (Journal of Neurochemistry, volume 109, Issue 6, June 2009, Pages 1584-1595)を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1A】
図1Aは、BoNT/Aを0.1nM、1nMもしくは10nMで8時間、または1nM、0.1nMもしくは0.01nMで24時間用いるN2a細胞の処置後の、抗SNAP-25抗体を使用するウエスタンブロットを表す図である。下方のバンドの存在は、切断生成物の存在を示す。
【
図1B】
図1Bは、BoNT/Aを0.1nM、1nMもしくは10nMで8時間、または1nM、0.1nMもしくは0.01nMで24時間用いるM17細胞の処置後の、抗SNAP-25抗体を使用するウエスタンブロットを表す図である。下方のバンドの存在は、切断生成物の存在を示す。
【
図1C】
図1Cは、BoNT/Aを0.1nM、1nMもしくは10nMで8時間、または1nM、0.1nMもしくは0.01nMで24時間用いるIMR-32細胞の処置後の、抗SNAP-25抗体を使用するウエスタンブロットを表す図である。下方のバンドの存在は、切断生成物の存在を示す。
【
図1D】
図1Dは、BoNT/Aを0.1nM、1nMもしくは10nMで8時間、または1nM、0.1nMもしくは0.01nMで24時間用いるNG108細胞の処置後の、抗SNAP-25抗体を使用するウエスタンブロットを表す図である。下方のバンドの存在は、切断生成物の存在を示す。
【
図2A】
図2Aは、mScarlet-SNAP25-GeNluc構築物を含有するプラスミドを用いるトランスフェクションの1日後のNG108細胞の蛍光顕微鏡写真を表す図である。
【
図2B】
図2Bは、mScarlet-SNAP25-GeNluc構築物を含有するプラスミドを用いるトランスフェクションの1日後のM17細胞の蛍光顕微鏡写真を表す図である。
【
図3】
図3は、mScarlet-SNAP25-GeNluc構築物を含有するプラズマ(plasma)を用いて安定にトランスフェクトされたピューロマイシン耐性N108細胞の蛍光顕微鏡写真を表す図である。
【
図4】
図4は、0、0.1nMまたは1nMのBoNT/Aを用いる処置後に緑色蛍光を発する細胞のHPF当たりの平均細胞数を表す棒グラフを示す図である。
【
図5A】
図5Aは、x軸に粒度/複雑度およびy軸に細胞の大きさを示す、mScarlet-SNAP-25-GeNluc構築物を安定にトランスフェクトされたNG108細胞のフローサイトメトリーデータの散布図を表す図である。
【
図5B】
図5Bは、mScarlet-SNAP-25-GeNluc構築物を安定にトランスフェクトされたNG108細胞の、525nMで測定された発光蛍光強度のヒストグラムを表す図である。
【
図5C】
図5Cは、mScarlet-SNAP-25-GeNluc構築物を安定にトランスフェクトされたNG108細胞の、585nMで測定された発光蛍光強度のヒストグラムを表す図である。
【
図5D】
図5Dは、mScarlet-SNAP-25-GeNluc構築物を安定にトランスフェクトされたNG108細胞の、617nMで測定された発光蛍光強度のヒストグラムを表す図である。
【
図5E】
図5Eは、mScarlet-SNAP-25-GeNluc構築物を安定にトランスフェクトされたNG108細胞の、665nMで測定された発光蛍光強度のヒストグラムを表す図である。
【
図5F】
図5Fは、mScarlet-SNAP-25-GeNluc構築物を安定にトランスフェクトされたNG108細胞の、785nMで測定された発光蛍光強度のヒストグラムを表す図である。
【
図5G】
図5Gは、x軸に665nMで、y軸に側方散乱(SS)で測定された、mScarlet-SNAP-25-GeNlucを安定にトランスフェクトされたNG108細胞のフローサイトメトリーデータの散布図を表す図である。
【
図6A】
図6Aは、x軸に粒度/複雑度およびy軸に細胞の大きさを示す、mScarlet-SNAP-25-GeNluc構築物を安定にトランスフェクトされたM17細胞のフローサイトメトリーデータの散布図を表す図である。
【
図6B】
図6Bは、mScarlet-SNAP-25-GeNluc構築物を安定にトランスフェクトされたM17細胞の、525nMで測定された発光蛍光強度のヒストグラムを表す図である。
【
図6C】
図6Cは、mScarlet-SNAP-25-GeNluc構築物を安定にトランスフェクトされたM17細胞の、585nMで測定された発光蛍光強度のヒストグラムを表す図である。
【
図6D】
図6Dは、mScarlet-SNAP-25-GeNluc構築物を安定にトランスフェクトされたM17細胞の、617nMで測定された発光蛍光強度のヒストグラムを表す図である。
【
図6E】
図6Eは、mScarlet-SNAP-25-GeNluc構築物を安定にトランスフェクトされたM17細胞の、665nMで測定された発光蛍光強度のヒストグラムを表す図である。
【
図6F】
図6Fは、mScarlet-SNAP-25-GeNluc構築物を安定にトランスフェクトされたM17細胞の、785nMで測定された発光蛍光強度のヒストグラムを表す図である。
【
図6G】
図6Gは、x軸に665nMで、y軸に側方散乱(SS)で測定されたmScarlet-SNAP-25-GeNlucを安定にトランスフェクトされたM17細胞のフローサイトメトリーデータの散布図を表す図である。
【
図7A】
図7Aは、mScarlet-SNAP25-GeNluc指標構築物をトランスフェクトされた対照NG108細胞の525nMで測定された発光蛍光強度のヒストグラムを表す図である。
【
図7B】
図7Bは、mScarlet-SNAP25-GeNluc指標構築物をトランスフェクトされ、0.1nM BoNT/Aを用いて処置されたNG108細胞の525nMで測定された発光蛍光強度のヒストグラムを表す図である。
【
図7C】
図7Cは、mScarlet-SNAP25-GeNluc指標構築物をトランスフェクトされ、1.0nM BoNT/Aを用いて処置されたNG108細胞の、525nMで測定された発光蛍光強度のヒストグラムを表す図である。
【
図8A】
図8Aは、mScarlet-SNAP25-GeNluc指標構築物をトランスフェクトされた対照NG108細胞の、785nMで測定された発光蛍光強度のヒストグラムを表す図である。
【
図8B】
図8Bは、mScarlet-SNAP25-GeNluc指標構築物をトランスフェクトされ、0.1nM BoNT/Aを用いて処置されたNG108細胞の、785nMで測定された発光蛍光強度のヒストグラムを表す図である。
【
図8C】
図8Cは、mScarlet-SNAP25-GeNluc指標構築物をトランスフェクトされ、1.0nM BoNT/Aを用いて処置されたNG108細胞の、785nMで測定された発光蛍光強度のヒストグラムを表す図である。
【
図9】
図9は、mScarlet-SNAP25-GeNluc指標構築物をトランスフェクトされ、毒素なし(対照)、1nMもしくは8nM BoNT/Aまたは0(対照)、1nM、10nMもしくは100nM BoNT/Eを用いて処置されたNG108細胞で実施されたウエスタンブロットを表す図である。
【
図10A】
図10Aは、mScarlet-SNAP25-GeNluc構築物をトランスフェクトされ、毒素を用いて処置されていないNG108細胞のフローサイトメトリーデータを表す図である。
【
図10B】
図10Bは、mScarlet-SNAP25-GeNluc構築物をトランスフェクトされ、10nM BoNT/Aを用いて72時間処置されたNG108細胞のフローサイトメトリーデータを表す図である。
【
図10C】
図10Cは、mScarlet-SNAP25-GeNluc構築物をトランスフェクトされ、1nM BoNT/Aを用いて72時間処置されたNG108細胞のフローサイトメトリーデータを表す図である。
【
図10D】
図10Dは、mScarlet-SNAP25-GeNluc構築物をトランスフェクトされ、0.1nM BoNT/Aを用いて72時間処置されたNG108細胞のフローサイトメトリーデータを表す図である。
【
図10E】
図10Eは、mScarlet-SNAP25-GeNluc構築物をトランスフェクトされ、10nM BoNT/Eを用いて72時間処置されたNG108細胞のフローサイトメトリーデータを表す図である。
【
図10F】
図10Fは、mScarlet-SNAP25-GeNluc構築物をトランスフェクトされ、毒素を用いて処置されていないNG108細胞の蛍光顕微鏡写真を表す図である。
【
図10G】
図10Gは、mScarlet-SNAP25-GeNluc構築物をトランスフェクトされ、10nM BoNT/Aを用いて72時間処置されたNG108細胞の蛍光顕微鏡写真を表す図である。
【
図10H】
図10Hは、mScarlet-SNAP25-GeNluc構築物をトランスフェクトされ、1nM BoNT/Aを用いて72時間処置されたNG108細胞の蛍光顕微鏡写真を表す図である。
【
図10I】
図10Iは、mScarlet-SNAP25-GeNluc構築物をトランスフェクトされ、0.1nM BoNT/Aを用いて72時間処置されたNG108細胞の蛍光顕微鏡写真を表す図である。
【
図10J】
図10Jは、mScarlet-SNAP25-GeNluc構築物をトランスフェクトされ、10nM BoNT/Eを用いて72時間処置されたNG108細胞の蛍光顕微鏡写真を表す図である。
【
図11A】
図11Aは、野生型NG108細胞のフローサイトメトリーデータを表す図である。
【
図11B】
図11Bは、指標タンパク質の高発現および1,000pMのBoNT/Aに対する感受性について選択され、BoNT/Aを用いてさらに処置されていない遺伝子改変されたNG108細胞のフローサイトメトリーデータを表す図である。
【
図11C】
図11Cは、指標タンパク質の高発現および1,000pMのBoNT/Aに対する感受性について選択され、100pM BoNT/Aを用いて48時間処置された遺伝子改変されたNG108細胞のフローサイトメトリーデータを表す図である。
【
図11D】
図11Dは、指標タンパク質の高発現および1,000pMのBoNT/Aに対する感受性について選択され、100pM BoNT/Aを用いて96時間処置された遺伝子改変されたNG108細胞のフローサイトメトリーデータを表す図である。
【
図11E】
図11Eは、指標タンパク質の高発現について選択されたが、BoNT/Aに対する感受性については選択されず、BoNT/Aを用いてさらに処置されなかった遺伝子改変されたNG108細胞のフローサイトメトリーデータを表す図である。
【
図11F】
図11Fは、指標タンパク質の高発現について選択されたが、BoNT/Aに対する感受性については選択されず、100pM BoNT/Aを用いて96時間処置された遺伝子改変されたNG108細胞のフローサイトメトリーデータを表す図である。
【
図12A】
図12Aは、指標タンパク質の高発現および100pMのBoNT/Aに対する感受性について選択され、BoNT/Aを用いてさらに処置されなかった遺伝子改変されたNG108細胞のフローサイトメトリーデータを表す図である。
【
図12B】
図12Bは、指標タンパク質の高発現および100pMのBoNT/Aに対する感受性について選択され、100pM BoNT/Aを用いて96時間処置された遺伝子改変されたNG108細胞のフローサイトメトリーデータを表す図である。
【
図13A】
図13Aは、指標タンパク質およびSV2AまたはSV2Cを発現するように遺伝子改変されたNG108細胞の、種々の濃度のBoNT/Aを用いる種々の時間の処置後の切断された指標タンパク質のパーセント量のプロットを示す図である。
【
図13B】
図13Bは、指標タンパク質およびSV2AまたはSV2Cを発現するように遺伝子改変されたNG108細胞の、種々の濃度のBoNT/Eを用いる種々の時間の処置後の切断された指標タンパク質のパーセント量のプロットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明は、本明細書に記載される実施形態に制限されないということは理解されるべきである。実際、多数の変形、変更および置換は、本発明から逸脱することなく、当業者には明らかであろう。本明細書に記載される本発明の実施形態に対する種々の代替案が、本発明を実施する際に使用され得ることがということは理解されるべきである。
【0044】
本発明の説明では、一実施形態に関してある範囲の値が提供される場合、各介在する値は実施形態内に包含されるということは理解される。
【0045】
本明細書で使用される場合、タンパク質またはポリペプチドの「バリアント」とは、参照タンパク質またはポリペプチドのアミノ酸配列と、少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%または99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するタンパク質またはポリペプチドを指す。
【0046】
「配列同一性」とは、本明細書で使用される場合、配列が、最高次の一致が得られるようにアラインされる、参照アミノ酸またはヌクレオチド配列と、クエリーアミノ酸またはヌクレオチド配列間の同一性を指し、これは、例えば、BLASTP、BLASTN、FASTA(Altschul 1990, J. Mol. Biol. 215:403)などのコンピュータプログラムで体系化された公開された技術または方法を使用して算出できる。
【0047】
本明細書で使用される場合、タンパク質またはポリペプチドの「断片」とは、タンパク質もしくはポリペプチドの末端切断型またはタンパク質もしくはポリペプチドのバリアントの末端切断型を指す。
【0048】
本発明は、幾分かは、クロストリジウム神経毒に対する増大された感受性を有するように遺伝子改変されている細胞に関する。
【0049】
クロストリジウム神経毒は、細菌クロストリジウム・ボツリヌムによって天然に産生される神経毒である。
【0050】
本発明のある特定の実施形態では、クロストリジウム神経毒は、ボツリヌス神経毒(BoNT)またはテタヌス神経毒(TeNT)である。本明細書で使用される場合、「クロストリジウム神経毒」、「BoNT」および「TeNT」という用語は、それぞれ、クロストリジウム・ボツリヌム以外の株によって産生されるものを含む野生型クロストリジウム神経毒ならびに修飾および組換えクロストリジウム神経毒を指す。
【0051】
修飾クロストリジウム神経毒は、野生型クロストリジウム神経毒と比較して、アミノ酸修飾および/または化学修飾を含む1つ以上の修飾を含有し得る。アミノ酸修飾は、1個以上のアミノ酸残基の欠失、置換または付加を含む。化学修飾は、1個以上のアミノ酸残基に行われる修飾、例えば、リン酸もしくは炭水化物の付加またはジスルフィド結合の形成を含む。
【0052】
ある特定の実施形態では、修飾は、クロストリジウム神経毒の特性を変更するように行われ得る。クロストリジウム神経毒への修飾は、その生物活性を増大または低下させ得る。
【0053】
クロストリジウム神経毒の生物活性は、少なくとも3つの別個の活性を包含する。第1の活性は、神経毒のプロテアーゼ成分中に存在する「タンパク質分解活性」であり、細胞膜融合の調節に関与する1つ以上のSNAREタンパク質のペプチド結合の加水分解を担う。第2の活性は、神経毒の転位置成分中に存在する「転位置活性」であり、エンドソーム膜を超える、および細胞質中への神経毒の輸送に関与する。第3の活性は、神経毒の標的化成分に存在する「受容体結合活性」であり、神経毒の、標的細胞上の受容体への結合に関与する。
【0054】
ある特定の実施形態では、神経毒の修飾は、クロストリジウム神経毒の末端切断成分(複数可)を含む場合があり、このような成分(複数可)の活性を依然として維持する。例えば、神経毒は、タンパク質分解活性にとって必要であるプロテアーゼ成分の部分(複数可)のみ、転位置活性にとって必要である転位置成分の部分(複数可)のみおよび/または受容体結合活性にとって必要である標的化成分の部分(複数可)のみを含むように修飾され得る。
【0055】
クロストリジウム神経毒は、不活性の単鎖ポリペプチドとして最初に産生され、その活性化部位での神経毒の切断後にその活性二本鎖形態で配置される。このような切断は、転位置および標的化成分を含む重鎖(H鎖)ならびにプロテアーゼ成分を含む軽鎖(L鎖)を有する二本鎖タンパク質をもたらす。
【0056】
ある特定の実施形態では、クロストリジウム神経毒の生物活性は、神経毒の活性化部位を修飾することによって修飾される。神経毒の、活性化される能力は、それによって増大、低下され得るか、または同一のままであり得る。ある特定の実施形態では、クロストリジウム神経毒の生物活性は、より容易に切断され、ひいては、神経毒を活性化するように活性化部位を修飾することによって、増大されるまたは引き起こされる。ある特定の環境または細胞においてのみ活性化が望まれる実施形態では、活性化部位は、このような環境または細胞中に存在するプロテアーゼによってのみ切断されるように修飾され得る。ある特定の他の環境では、あまり容易に切断されないように活性化部位を修飾することによって、神経毒の生物活性が減少されるまたは不活性化される。
【0057】
ある特定の実施形態では、クロストリジウム神経毒の生物活性は、神経毒のプロテアーゼ成分を修飾することによって修飾される。神経毒のタンパク質分解活性は、それによって増大、低下され得るか、または同一のままであり得る。ある特定の実施形態では、プロテアーゼ成分は、異なるクロストリジウム神経毒またはそのバリアントもしくは断片に由来するプロテアーゼ成分と置き換えられ得る。例えば、BoNT/Aは、そのプロテアーゼ成分をBoNT/Eのプロテアーゼ成分と置き換えることによって修飾され得る。
【0058】
ある特定の実施形態では、クロストリジウム神経毒の生物活性は、神経毒の転位置成分を修飾することによって修飾される。神経毒の転位置活性は、それによって増大、低下され得るか、または同一のままであり得る。ある特定の実施形態では、転位置成分は、異なるクロストリジウム神経毒またはそのバリアントもしくは断片に由来する転位置成分と置き換えられ得る。例えば、BoNT/Aは、その転位置成分をBoNT/Eの転位置成分と置き換えることによって修飾され得る。
【0059】
ある特定の実施形態では、クロストリジウム神経毒の生物活性は、神経毒の標的化成分を修飾することによって修飾される。神経毒の標的化能力は、それによって増大、低下され得るか、または同一のままであり得る。ある特定の実施形態では、標的化成分は、異なるクロストリジウム神経毒またはそのバリアントもしくは断片に由来する標的化成分と置き換えられ得る。例えば、BoNT/Aは、その標的化成分をBoNT/Eの標的化成分と置き換えることによって修飾され得る。ある特定の他の実施形態では、標的化成分は、非クロストリジウムポリペプチド、例えば、抗体と置き換えられ得る。
【0060】
また、修飾は、クロストリジウム神経毒の成分の並べ替え、例えば、プロテアーゼ成分を、転位置成分および標的化成分と隣接させることを含み得る。
【0061】
組換えクロストリジウム神経毒は、遺伝的に産生される。それらは野生型クロストリジウム神経毒と遺伝的に同一であるか、または追加の、より少ないもしくは異なるアミノ酸を含有するという点で野生型クロストリジウム神経毒とは異なっている場合もある。例えば、上記の修飾されたクロストリジウム神経毒のうちいずれかを反映する組換えクロストリジウム神経毒を作製できる。組換えクロストリジウム神経毒はまた、それらが野生型クロストリジウム神経毒において配置されるものとは異なる順序で配置された成分を有する場合がある。組換えクロストリジウム神経毒はまた、上記のように化学的に修飾され得る。
【0062】
ある特定の実施形態では、修飾または組換えクロストリジウム神経毒は、野生型クロストリジウム神経毒、例えば、血清型A、B、C、D、E、F、GもしくはHのBoNTまたはTeNTと少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドである。
【0063】
異なる配列を比較するための、さまざまなアルゴリズムに基づく一連のプログラムが当業者に利用可能である。これに関連して、NeedlemanおよびWunschまたはSmithおよびWatermanのアルゴリズムは、特に信頼できる結果をもたらす。配列アラインメントを実施し、本明細書において列挙された配列同一性値を算出するために、アルゴリズムClustal Wに基づいた市販のプログラムDNASTAR Lasergene MegAlignバージョン7.1.0を、以下の設定を用い、全配列領域にわたって使用した。ペアワイズアラインメントパラメータ、ギャップペナルティー、10.00、ギャップ長ペナルティー、0.10、タンパク質重み行列Gonnet 250、これは、特に断りのない限り、配列アラインメントのための標準設定として常に使用されるべきである。
【0064】
BoNT/A血清型は、少なくとも6種の亜血清型(亜型としても知られる)、BoNT/A1~BoNT/A6にわけられ、これは、少なくとも84%、最大98%のアミノ酸配列同一性を共有する。所与の亜型内のBoNT/Aタンパク質は、より高いアミノ酸配列同一性パーセンテージを共有する。
【0065】
クロストリジウム神経毒は、受容体への結合によってニューロンを標的とする。クロストリジウム神経毒の受容体は、タンパク質受容体および細胞膜ガングリオシドを含む。
【0066】
ガングリオシドは、ラクトシルセラミド由来のオリゴグリコシルセラミドであり、シアル酸残基、例えば、N-アセチルノイラミン酸(Neu5Ac)、N-グリコリル-ノイラミン酸(Neu5Gc)または3-デオキシ-D-グリセロ-D-ガラクト-ノヌロソン酸(KDN)を含有する。ガングリオシドは、細胞表面上に存在し、濃縮され、セラミド部分の2つの炭化水素鎖が細胞膜中に包埋され、オリゴ糖は細胞外表面に位置し、そこでそれらは細胞外分子または隣接細胞の表面の認識点を提示する。ガングリオシドはまた、ウイルスに、および細菌毒素、例えば、クロストリジウム神経毒に特異的に結合する。
【0067】
ガングリオシドは、M、D、TおよびQがそれぞれ、モノ-、ジ-、トリ-およびテトラシアロガングリオシドを指し、数字1、2、3などが、薄層クロマトグラフィーでのガングリオシドの泳動の順序を指す命名法システムによって定義される。例えば、モノシアロガングリオシドの泳動の順序は、GM3>GM2>GM1である。基本構造内の変動を示すために、さらなる用語が付加される、例えば、GM1a、GD1bなど。内部ガラクトースユニットに連結された0、1、2および3個のシアル酸残基を有するスフィンゴ糖脂質は、それぞれアシアロ-(または0-)、a-、b-およびc-シリーズガングリオシドと呼ばれ、一方で内部N-ガラクトサミン残基に連結されたシアル酸残基を有するガングリオシドは、a-シリーズガングリオシドとして分類される。0-、a-、b-およびc-シリーズのガングリオシドの生合成の経路は、例えば、Ledeen et al., Trends in Biochemical Sciences, 40: 407-418 (2015)に例示されるようにシアロトランスフェラーゼおよびグリコシルトランスフェラーゼの連続的な活性を含む。各シリーズの、炭水化物鎖中の異なる位置でのさらなるシアル化が起こる場合があり、ますます複雑な、不均一な範囲の生成物、例えば、内部N-アセチルガラクトサミン残基に連結されたシアル酸残基(複数可)を有するa-シリーズガングリオシドをもたらす。ガングリオシドは、小胞形成を含む輸送システムによって細胞膜の外部リーフレットに移動される。
【0068】
これまでに、脊椎動物組織において200近くのガングリオシドが同定されている。共通ガングリオシドとして、GM1、GM2、GM3、GD1a、GD1b、GD2、GD3、GT1b、GT3およびGQ1が挙げられる。
【0069】
クロストリジウム神経毒は、ガングリオシドのHCCドメイン中に2つの独立した結合領域およびニューロンタンパク質受容体を有する。BoNT/A、BoNT/B、BoNT/E、BoNT/FおよびBoNT/Gは、「E(Q)...H(K)...SXWY...G」モチーフから構成されるHCCドメイン中に保存されたガングリオシド結合部位を有するが、BoNT/CおよびBoNT/Dは、2つの独立したガングリオシド結合部位を示す。Lam et al., Progress in Biophysics and Molecular Biology, 117:225-231 (2015)。ほとんどのBoNTは、オリゴ糖コアのGal4に付着された、2,3-連結されたN-アセチルノイラミン酸残基(Sia5と表される)を有するガングリオシドにのみ結合するが、TeNT上の対応するガングリオシド結合ポケットはまた、GM1a、Sia5糖残基を欠くガングリオシドにも結合できる。BoNT/Dは、GM1aおよびGD1aに結合するとわかっている。Kroken et al., Journal of Biological Chemistry, 286:26828-26837 (2011)を参照されたい。ガングリオシド欠損マウス由来のデータおよび生化学アッセイを組み合わせると、BoNT/A、BoNT/E、BoNT/FおよびBoNT/Gは、GD1aおよびGT1b中に存在する末端NAcGal-Gal-NAcNeu部分に優先を示すが、BoNT/B、BoNT/C、BoNT/DおよびTeNTは、GD1b、GT1bおよびGQ1b中に見られるジシアリルモチーフを必要とする。したがって、大量の複雑なポリシアロガングリオシド、例えば、GD1a、GD1bおよびGT1bが、中毒の第1のステップとして神経細胞の表面にすべてのBoNT血清型およびTeNTを特異的に蓄積するために不可欠であると思われる。Rummel, Andreas, “Double receptor anchorage of botulinum neurotoxins accounts for their exquisite neurospecificity,” Botulinum Neurotoxins, Springer Berlin Heidelberg (2012) 61-90を参照されたい。
【0070】
上記を考慮して、本発明のある特定の実施形態では、細胞は、ガングリオシドを発現または過剰発現するように遺伝子改変される。特定の実施形態では、細胞は、GM1a、GD1a、GD1b、GT1bおよび/またはGQ1bを発現または過剰発現するように遺伝子改変される。ある特定の実施形態では、細胞は、GD1a、GD1bおよび/またはGT1bを発現または過剰発現するように改変されている。ある特定の実施形態では、細胞は、GD1bおよび/またはGT1bを発現または過剰発現するように改変されている。
【0071】
ガングリオシドは、セラミドから出発して合成される。セラミドから、ある経路は、グルコシルセラミドシンターゼによってグルコースユニットを付加してグルコシルセラミド(GlcCer)を形成することを含む。β1,4-ガラクトシルトランスフェラーゼI(GalT-I)は、次いで、GlcCerへのガラクトースユニットの付加を触媒して、ラクトシルセラミド(LacCer)を形成する。LacCerから、GalNAc-トランスフェラーゼ(GalNAcT)がN-アセチルガラクトサミンを付加して、GA1を形成する場合もあり、GM3シンターゼが、シアル酸を付加してGM3を形成する場合もある。GM3から、GD3シンターゼによるさらなるシアル酸の付加によってGD3が形成され得る。GT3シンターゼによるなおさらなるシアル酸の付加によって、GD3からGT3が形成され得る。別個の経路では、ガラクトースユニットは、ガラクトシルセラミドシンターゼによってLacCerに付加されて、ガラクトシルセラミド(GalCer)を形成する。次いで、GM4シンターゼによってさらなる炭水化物基が付加されて、GM4を形成する。次いで、GM3、GD3およびGT3は修飾されて、それぞれ「a」、「b」または「c」シリーズのより複雑なガングリオシドを形成し得る。このような反応は、GalNAcT、β1,3-ガラクトシルトランスフェラーゼII(GalT-II)、α2,3-シアリルトランスフェラーゼIV(ST-IV)またはα2,8-シアリルトランスフェラーゼV(ST-V)によって触媒される。例えば、GD3から、「b」シリーズガングリオシドGD1b、GT1bおよびGQ1bが形成される。
【0072】
したがって、本発明の細胞は、ガングリオシドにつながる生合成経路の酵素を発現または過剰発現するように改変されることによって、所望のガングリオシドを発現または過剰発現するように改変され得る。例えば、細胞は、このような酵素をコードする外因性核酸を含有するように改変され得る(すなわち、トランスフェクションによって)。したがって、ある特定の実施形態では、細胞は、グルコシルセラミドシンターゼ、GalT-I、GalNAcT、GM3シンターゼ、GD3シンターゼ、GT3シンターゼ、ガラクトシルセラミドシンターゼ、GM4シンターゼ、GalT-II、ST-IVおよび/またはST-Vを発現または過剰発現するように改変されている。
【0073】
当業者ならば、その所望の触媒活性を保持するこのような酵素のバリアントまたは断片が、目的のガングリオシドの合成において重要な役割を果たし得るということを理解するであろう。したがって、ある特定の実施形態では、細胞は、その酵素の能力を保持するガングリオシド合成経路の酵素のバリアントまたは断片を発現または過剰発現するように遺伝子改変されている。例えば、ある特定の実施形態では、細胞は、セラミドにグルコースを付加する能力を有するグルコシルセラミドシンターゼのバリアントまたは断片、GlcCerにガラクトースユニットを付加する能力を有するGalT-Iのバリアントもしくは断片、LacCerにN-アセチルガラクトサミンを付加する能力を有するGalNAcTのバリアントもしくは断片、LacCerにシアル酸を付加する能力を有するGM3シンターゼのバリアントもしくは断片、GM3にシアル酸を付加する能力を有するGD3シンターゼのバリアントもしくは断片、GD3にシアル酸を付加する能力を有するGT3シンターゼのバリアントもしくは断片、LacCerにガラクトースユニットを付加する能力を有するガラクトシルセラミドシンターゼのバリアントもしくは断片および/またはGalCerに炭水化物基を付加する能力を有するGM4シンターゼのバリアントを発現または過剰発現するように遺伝子改変されている。
【0074】
ある特定の実施形態では、バリアントは、ガングリオシドにつながる生合成経路の酵素のものと、少なくとも80%、85%、90%、95%、98%または99%の配列同一性を有し、このような酵素の所望の触媒活性を保持するアミノ酸配列を有するタンパク質である。ある特定のこのような実施形態では、バリアントは、グルコシルセラミドシンターゼ、GalT-I、LacCer、GalNAcT、GD3シンターゼ、GT3シンターゼ、ガラクトシルセラミド、GM4シンターゼ、GalT-II、ST-IVおよび/またはST-Vと少なくとも80%、85%、90%、95%、98%または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する、その酵素の所望の触媒活性を保持するタンパク質である。
【0075】
断片は、例えば、50個以下のアミノ酸、40個以下のアミノ酸、30個以下のアミノ酸、20個以下のアミノ酸または10個以下のアミノ酸を有し得る。
【0076】
どのバリアントまたは断片が、所望の触媒活性を有するかを決定するために使用できるアッセイは、当技術分野で公知である。例えば、当業者は、GD3シンターゼのバリアントまたは断片が、GM3にシアル酸を付加する能力を有するか否かを決定するために使用できるアッセイを承知しているであろう。
【0077】
当業者ならば、上記の酵素はまた、当技術分野で公知である保存的置換によって上記の外因性核酸とは異なる核酸によってコードされ得るということを理解するであろう。当業者ならばまた、酵素のバリアントは、例えば、野生型酵素をコードする核酸と、少なくとも80%、85%、90%、95%、98%または99%の配列同一性を有する核酸によってコードされ得るということを理解するであろう。したがって、本発明はまた、上記の酵素のうち1つをコードする核酸および/または保存的置換によってのみこのような酵素をコードする野生型核酸とは異なる核酸と、少なくとも80%、85%、90%、95%、98%または99%の配列同一性を有する外因性核酸を含有するように遺伝子改変されている細胞を企図し、コードされるタンパク質は、野生型酵素または野生型酵素の触媒活性を保持するバリアントである。
【0078】
ある特定の実施形態では、細胞は、所望のガングリオシドの生合成において律速段階であると決定されているものを触媒するために役立つ酵素またはこのような酵素の所望の触媒活性を有するそのバリアントもしくは断片を発現または過剰発現するように改変される。例えば、GD3シンターゼは、「b」シリーズガングリオシドの生合成における律速段階、具体的には、GM3へのシアル酸の付加を触媒する酵素である。したがって、GD1b、GT1bおよび/またはGQ1bの発現または過剰発現が望まれる実施形態では、細胞は、GM3にシアル酸を付加する能力を有するGD3シンターゼまたはそのバリアントもしくは断片を発現または過剰発現するように改変される。
【0079】
例えば、細胞は、GD3シンターゼをコードする核酸または上記のように、このような核酸と少なくとも80%、85%、90%、95%、98%もしくは99%の配列同一性を有する核酸、例えば、その触媒活性を保持するGD3シンターゼのバリアントをコードするものまたは保存的置換においてのみ野生型GD3シンターゼと異なっているものを用いてトランスフェクトされ得る。
【0080】
細胞へのある特定のクロストリジウム神経毒の結合はまた、タンパク質受容体への結合に依存するものであり得る。BoNT/A、BoNT/D、BoNT/E、BoNT/FおよびTeNTは、シナプス小胞タンパク質2(SV2)に結合し、BoNT/Aは、その3つのアイソフォームすべて(SV2A、SV2BおよびSV2C)に結合可能であり、BoNT/Eは、SV2AおよびSV2Bアイソフォームのみに結合可能である。BoNT/BおよびBoNT/Gは、シナプトタグミンの両アイソフォーム(IおよびII)に結合する。シナプトタグミンおよびSV2は、シナプス小胞上に局在し、小胞がシナプス前膜と融合すると、細胞外間隙に露出されるようになる。クロストリジウム神経毒がそのタンパク質受容体に結合するのは、この期間の間である。
【0081】
したがって、本発明の細胞は、所望のタンパク質受容体、例えば、SV2(例えば、SV2A、SV2BおよびSV2C)またはシナプトタグミン(例えば、シナプトタグミンIおよびシナプトタグミンII)を発現または過剰発現するように改変され得る。例えば、細胞は、このようなタンパク質受容体をコードする外因性核酸を含有するように改変され得る(例えば、トランスフェクションによって)。
【0082】
本発明はまた、このようなタンパク質受容体とは異なるが、依然として、クロストリジウム神経毒に結合する能力を保持するタンパク質を企図する。このようなタンパク質は、クロストリジウム神経毒に結合する受容体の能力を保持するこのようなタンパク質受容体のバリアントもしくは断片であり得る。したがって、ある特定の実施形態では、細胞は、BoNT/A、BoNT/D、BoNT/E、BoNT/Fおよび/またはTeNTに結合するSV2のバリアントまたは断片を発現または過剰発現するように改変されている。また、ある特定の実施形態では、細胞は、BoNT/Bおよび/またはBoNT/Gに結合するシナプトタグミンのバリアントまたは断片を発現または過剰発現するように改変されている。
【0083】
ある特定の実施形態では、バリアントは、クロストリジウム神経毒に結合するタンパク質受容体のものと、少なくとも80%、85%、90%、95%、98%または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するタンパク質である。ある特定のこのような実施形態では、バリアントは、SV2(例えば、SV2A(配列番号8)、SV2B(配列番号9)およびSV2C(配列番号10))またはシナプトタグミン(例えば、シナプトタグミンI(配列番号14)およびシナプトタグミンII(配列番号15))と、少なくとも80%、85%、90%、95%、98%または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するタンパク質である。
【0084】
断片は、例えば、50個以下のアミノ酸、40個以下のアミノ酸、30個以下のアミノ酸、20個以下のアミノ酸または10個以下のアミノ酸を有し得る。
【0085】
ある特定の実施形態では、バリアントまたは断片は、神経毒に結合する野生型タンパク質受容体のドメインを含む。例えば、バリアントまたは断片は、野生型SV2(例えば、SV2A、SV2BおよびSV2C)または野生型シナプトタグミン(例えば、シナプトタグミンIおよびシナプトタグミンII)の管腔ドメイン(複数可)を含み得る。ある特定のこのような実施形態では、バリアントもしくは断片は、野生型SV2の第4の管腔ドメイン、例えば、SV2Aの第4の管腔ドメイン(配列番号11)、SV2Bの第4の管腔ドメイン(配列番号12)またはSV2Cの第4の管腔ドメイン(配列番号13)を含み得る。
【0086】
どのバリアントまたは断片が、所望のクロストリジウム神経毒結合活性を有するかを決定するために使用できるアッセイは、当技術分野で公知である。例えば、当業者は、アッセイを、SV2Cのバリアントまたは断片が、BoNT/Aに結合する能力を有するか否かを決定するために使用できることを承知しているであろう。
【0087】
当業者ならば、上記の酵素はまた、当技術分野で公知である保存的置換によって上記の外因性核酸とは異なる核酸によってコードされ得るということを理解するであろう。当業者ならばまた、タンパク質受容体のバリアントは、例えば、野生型タンパク質受容体をコードする核酸と、少なくとも80%、85%、90%、95%、98%または99%の配列同一性を有する核酸によってコードされ得るということを理解するであろう。したがって、本発明はまた、上記のタンパク質受容体のうち1つをコードする核酸および/または保存的置換によってのみこのようなタンパク質受容体をコードする野生型核酸と異なる核酸と、少なくとも80%、85%、90%、95%、98%または99%の配列同一性を有する外因性核酸を含有するように遺伝子改変されている細胞を企図し、コードされるタンパク質は、野生型タンパク質受容体またはクロストリジウム神経毒に結合する能力を保持するバリアントである。
【0088】
SV2Cは、BoNT/Aに対して最も感受性である。そのようなものとして、BoNT/Aに対する感受性が望まれるある特定の実施形態では、細胞は、SV2CまたはBoNT/Aに結合可能であるそのバリアントもしくは断片を発現または過剰発現するように遺伝子改変される。しかし、SV2Cは、BoNT/Eには結合せず、それは代わりに、SV2AおよびSV2Bに結合する。そのようなものとして、BoNT/Eに対する感受性が望まれるある特定の実施形態では、細胞は、SV2Aおよび/またはSV2BまたはBoNT/Eに結合可能であるそのバリアントもしくは断片を発現または過剰発現するように遺伝子改変される。
【0089】
本発明は、細胞は、2つ以上のタンパク質受容体、ガングリオシド合成経路の2つ以上の酵素またはガングリオシド合成経路のタンパク質受容体(複数可)および酵素(複数可)を発現または過剰発現するように改変され得るということを企図する。例えば、細胞は、SV2AおよびSV2Cを発現または過剰発現するように改変され得る。このような細胞は、例えば、BoNT/AおよびBoNT/Eに対して増大された感受性を有し得る。また、細胞は、GD3シンターゼならびにSV2Aおよび/またはSV2Cを発現または過剰発現するように改変され得る。
【0090】
さらに、キメラ受容体は、神経毒に結合可能であるということが知られている。例えば、別の受容体、例えば、LDL受容体の膜貫通ドメインに融合された神経毒(例えば、SV2の第4の管腔ドメイン)に結合する上記のタンパク質受容体のドメインを含むキメラ受容体は、BoNTに結合し、細胞へのその内部移行を可能にすると知られている。したがって、本発明はまた、細胞を、このようなキメラ受容体を発現するように改変することを企図する。
【0091】
本発明において使用される細胞は、上記のような、ガングリオシドおよび/またはタンパク質受容体を発現可能な任意の細胞、原核生物のものまたは真核生物のものであり得る。このような細胞の例として、神経細胞、神経内分泌細胞(例えば、PC12)、胚性腎臓細胞(例えば、HEK293細胞)、乳癌細胞(例えば、MC7)、神経芽細胞腫細胞(例えば、Neuro2a(N2a)、M17、IMR-32、N18およびLA-N-2細胞)および神経芽細胞腫-神経膠腫ハイブリッド細胞(例えば、NG108細胞)が挙げられる。ある特定の実施形態では、細胞は、神経芽細胞腫または神経芽細胞腫-神経膠腫細胞である。ある特定の実施形態では、細胞は、NG108、M17またはIMR-32細胞である。特定の実施形態では、細胞は、NG108細胞である。
【0092】
クロストリジウム毒素受容体を発現または過剰発現するように改変された細胞を、定向進化を使用して増大された感受性についてさらに選択できる。このプロセスでは、細胞をクロストリジウム神経毒に対して曝露させ、他の細胞と比較して、より低い濃度のクロストリジウム神経毒に対して感受性を示す細胞(例えば、その中の指標タンパク質の切断を示すことによって決定されるような)を選択する。これらの細胞は、一般的な細胞よりも、クロストリジウム神経毒に対してより大きな感受性を有すると予想される。このプロセスは、ますます低い濃度のクロストリジウム神経毒を用いて反復でき、より低い濃度に対して感受性を示す細胞を選択する。
【0093】
各ラウンドで選択される細胞は、クロストリジウム神経毒に対して漸増する感受性を有する。
【0094】
これまでに論じたように、本発明の細胞は、ポリペプチド(例えば、修飾または組換えクロストリジウム神経毒)の活性を決定するためのアッセイにおいて使用され得る。このようなアッセイは、細胞をポリペプチドと接触させることおよび細胞におけるSNAREタンパク質の切断の結果生じる生成物(複数可)の存在について試験することを含む。
【0095】
「接触させること」という用語は、本明細書で使用される場合、物理的および/または化学的相互作用を可能にするために、細胞およびクロストリジウム神経毒を物理的に近接させることを指す。接触させることは、ポリペプチドと、野生型クロストリジウム神経毒によるタンパク質分解に対して感受性であるタンパク質(例えば、SNAREタンパク質)との相互作用を可能にするのに十分である条件下および時間の間実施される。
【0096】
ある特定の実施形態では、このような接触させることは、ポリペプチドを含有する培地中で細胞を培養することによってであり得る。ポリペプチドは、通常、0.0001nM~10,000nM、0.0001~1,000nM、0.0001~100nM、0.0001~10nM、0.0001~1nM、0.0001~0.1nM、0.0001~0.01nMまたは0.0001~0.001nMの濃度で培地中に存在する。このような培養することは、例えば、2時間以上、4時間以上、6時間以上、12時間以上、18時間以上、24時間以上、30時間以上、36時間以上、40時間以上または48時間以上であり得る。
【0097】
ある特定の他の実施形態では、このような接触することは、ポリペプチドをコードする外因性核酸を細胞にトランスフェクトすること(例えば、一時的トランスフェクション)によってであり得る。
【0098】
このようなアッセイにおける使用を可能にするために、細胞は、野生型クロストリジウム神経毒によるタンパク質分解に対して感受性であるタンパク質を含む。これらのタンパク質は、本明細書において「指標タンパク質(複数可)」と呼ばれる。指標タンパク質は、内因性(例えば、内因性SNAREタンパク質)である場合もあり、細胞が、指標タンパク質を発現または過剰発現するように遺伝子改変される場合もある。
【0099】
上記で論じたように、SNAREタンパク質、例えば、SNAP-25、シナプトブレビンおよびシンタキシンは、クロストリジウム神経毒によるタンパク質分解に対して感受性であることが知られている。例えば、BoNT/A、BoNT/CおよびBoNT/Eは、SNAP-25を切断すると知られており、BoNT/Cはまた、シンタキシンを切断すると知られており、他のBoNT血清型およびTeNTは、シナプトブレビンを切断すると知られている。したがって、本発明は、このような指標タンパク質が、このようなSNAREタンパク質のアミノ酸配列を含み得るということを企図する。本発明はまた、指標タンパク質が、このようなSNAREタンパク質のバリアントまたは断片のアミノ酸配列を代わりに含むことができ、ただし、バリアントまたは断片は、野生型クロストリジウム神経毒によるタンパク質分解に対して感受性であるということを企図する。ある特定の実施形態では、バリアントは、SNAREタンパク質と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%の配列同一性を有し得る。SNAREタンパク質またはそのバリアントもしくは断片のアミノ酸配列を有する指標タンパク質の部分は、本明細書において指標タンパク質の「SNAREドメイン」と呼ばれる。
【0100】
「タンパク質分解に対して感受性」という用語は、タンパク質が、野生型クロストリジウム神経毒のプロテアーゼ成分によってタンパク質分解性に切断可能であることを意味する。言い換えれば、このようなタンパク質は、プロテアーゼ認識および切断部位を含み、それが野生型クロストリジウム神経毒のプロテアーゼ成分によって認識および切断されることを可能にする。
【0101】
ある特定の実施形態では、指標タンパク質は標識される。例えば、Oyler et al.のUS 8,940,482には、クロストリジウム神経毒の活性を評価するための細胞ベースのアッセイが記載されており、これでは、細胞は、SNAP-25に融合された蛍光タンパク質ドメインを含む標識された融合タンパク質を発現するように改変されている。蛍光タンパク質ドメインは、SNAP-25ドメインのC末端であり、クロストリジウム神経毒によるSNAP-25の切断後に結果として生じるC末端断片の一部になる。Oylerによって記載されたアッセイでは、全長融合タンパク質は、細胞中で容易に分解されないが、得られたC末端断片は、蛍光タンパク質の分解をもたらす。これは、得られた断片のN末端で、切断によって露出される場合にのみデグロンとして役立つ残基の、SNAP-25における存在による。このような「N-デグロン」は、ユビキチンリガーゼによってタグ付けされ、従って、断片は、分解のためにプロテアソームによって標的化される。
【0102】
したがって、本発明は、細胞が、全長形態では容易に分解されない、標識された指標タンパク質を発現するように改変される、Oylerに記載されたものなどの実施形態を企図する。このような実施形態では、切断は、細胞において容易に分解される標識された断片をもたらす(例えば、N-デグロンの存在のために)。指標タンパク質は、容易に分解される断片を形成する部分で標識され、標識は断片とともに分解される。このような実施形態では、ポリペプチドの、細胞においてSNAREタンパク質を切断する能力は、細胞がポリペプチドと接触した後の標識からのシグナルの存在(またはその欠如)によって決定され得る。
【0103】
ある特定のこのような実施形態では、指標タンパク質はまた、切断後に、他の断片ほど容易に分解しない断片を形成する指標タンパク質の部分上に標識を含む。例えば、指標タンパク質は、2つの標識と、SNAREドメインに隣接する標識を有するSNAREドメインを含む融合タンパク質であり得る。細胞では全長指標タンパク質が容易に分解されないが、その切断後に、得られた断片のうち1つが容易に分解される実施形態では、SNAREタンパク質の切断は、容易に分解可能な断片上の標識から得られたシグナルを、あまり容易には分解可能ではない断片上の標識からのシグナルと比較することによって決定され得る。例えば、切断に起因するC末端断片は容易に分解可能であるが、N末端断片は容易に分解可能ではないOylerにおけるものなどの実施形態では、切断は、C末端断片上の標識から得られたシグナルを、N末端断片上の標識からのシグナルと比較することによって決定され得る。このような実施形態では、互いにより明確に識別可能である(例えば、赤色と緑色または赤色とシアン)蛍光シグナルを発する標識が選択され得る。
【0104】
「標識」という用語は、本明細書で使用される場合、検出可能なマーカーを意味し、例えば、放射性標識、抗体および/または蛍光標識を含む。試験基質および/または切断生成物の量は、例えば、少なくとも2つの標識間のエネルギー共鳴移動に基づく方法、例えば、FRETアッセイ(以下にさらに論じられる)を含む、オートラジオグラフィーまたは分光法の方法によって決定され得る。あるいは、ウエスタンブロットまたはELISAなどの免疫学的方法が、検出のために使用され得る。
【0105】
本発明の実施において使用できる標識の例として、放射性同位体、蛍光標識、リン光標識、発光標識および標識された結合パートナーに結合可能な化合物が挙げられる。蛍光標識の例として、黄色蛍光タンパク質(YFP)、青色蛍光タンパク質(BFP)、緑色蛍光タンパク質(GFP)、例えば、NeonGreen、赤色蛍光タンパク質(RFP)、例えば、mScarlet、シアン蛍光タンパク質(CFP)およびその蛍光発光突然変異体が挙げられる。発光標識の例として、発光タンパク質、ルシフェラーゼ、例えば、ホタルルシフェラーゼ、ウミシイタケおよびガウシア(Gaussia)ルシフェラーゼ、化学発光化合物および電気化学発光(ECL)化合物が挙げられる。発せられるシグナルが、互いにより容易に識別可能であるように、N末端標識およびC末端標識が選択される、上記で論じられるような実施形態では、このような標識対の例として、RFPおよびGFPおよびRFPおよびCFPを挙げることができる。例えば、mScarletなどのRFPは、N末端標識として役立つ可能性があり、NeonGreenなどのGFPまたはCFPは、C末端標識として役立つ可能性がある。
【0106】
ある特定の実施形態では、標識は、タンパク質標識、例えば、抗体、蛍光タンパク質、発光タンパク質およびルシフェラーゼである。
【0107】
本明細書で使用される場合、「N末端標識」とは、タンパク質であるか否かに関わらず、クロストリジウム神経毒切断部位のN末端である指標タンパク質の部分上に位置する標識を指し、「C末端標識」とは、タンパク質であるか否かに関わらず、クロストリジウム神経毒切断部位のC末端である指標タンパク質の部分上に位置する標識を指す。標識は、末端またはC末端標識と呼ばれるべき指標タンパク質のN末端またはC末端である必要はない。むしろ、これらの用語は、クロストリジウム神経毒切断部位に対する標識の位置を指す。本発明のある特定の実施形態では、RFP、例えば、mScarletは、N末端標識として使用され、GFP、例えば、NeonGreenまたはCFPは、C末端標識として使用される。
【0108】
別のアッセイとして、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)アッセイがある。このようなアッセイでは、指標タンパク質は、切断部位の一方の側にドナー標識を、もう一方の側にアクセプター標識を含む。ドナー標識は、エネルギーを吸収し、その後、それをアクセプター標識に移す。エネルギーの移動は、ドナー発色団の蛍光強度の低減およびアクセプター発色団の発光強度の増大をもたらす。基質の切断の結果、エネルギーの移動の成功が少なくなる。したがって、切断の成功は、この移動が起こる能力の低減に基づいて決定できる。このような実施形態では、YFPおよびCFPは、RFPおよびGFPができるように、FRET対として対を形成できる。
【0109】
本発明のある特定の実施形態では、指標タンパク質は、SNAREドメインを含む融合タンパク質である。融合タンパク質はまた、標識ドメインなどのさらなるドメインを含み得る。標識ドメインは、タンパク質標識のアミノ酸配列を有し得る。このような融合タンパク質の一例は、N末端標識ドメイン、例えば、mScarletのアミノ酸配列、SNAREドメイン、例えば、SNAP-25のアミノ酸配列およびC末端標識ドメイン、例えば、NeonGreenのアミノ酸配列を含む。
【0110】
融合タンパク質はまた、選択マーカー(以下にさらに論じられる)などの他のドメインを含み得る。このような実施形態では、選択マーカードメインは、翻訳後に選択マーカーと指標タンパク質の残部の分離を可能にするように切断され得るリンカーによって、残りのドメイン(例えば、SNAREドメインおよび標識ドメイン(複数可))を含有する融合タンパク質部分から分離され得る。リンカーは、例えば、自己切断性である場合もある(例えば、2A自己切断性ペプチド)。
【0111】
これまでに論じられたように、細胞は、指標タンパク質を発現または過剰発現するように改変され得る。当業者は、このような発現を可能にするためにどの核酸を使用できるか、およびこのような指標タンパク質を発現するようにこのような細胞を改変する方法を承知しているであろう。このような核酸の一例として、配列番号1があり、これは、N末端標識としてmScarletを、SNAREドメインとしてSNAP-25を、C末端標識としてNeonGreenを、さらなる標識ドメインとしてルシフェラーゼを、選択マーカーとしてピューロマイシン-N-アセチルトランスフェラーゼを、および2A自己切断性ペプチドを有する融合タンパク質を発現する。このような核酸の別の例として、配列番号2があり、これは、N末端標識としてmScarletを、SNAREドメインとしてSNAP-25を、C末端標識としてCFPを、さらなる標識ドメインとしてルシフェラーゼを、選択マーカーとしてピューロマイシン-N-アセチルトランスフェラーゼをおよび2A自己切断性ペプチドを有する融合タンパク質タンパク質を発現する。
【0112】
本発明はまた、幾分かは、上記の遺伝子改変細胞を作製する方法に関する。方法は、目的のタンパク質をコードする外因性核酸を細胞中に導入することを含む。目的のタンパク質は、例えば、クロストリジウム神経毒受容体もしくはクロストリジウム神経毒に結合する能力を有するそのバリアントもしくは断片、ガングリオシド合成経路の酵素もしくはこのような酵素の触媒活性を有するそのバリアントもしくは断片および/または指標タンパク質であり得る。
【0113】
ある特定の実施形態では、方法は、目的のタンパク質をコードする核酸を用いて細胞を形質転換することを含む。このような形質転換は、トランスフェクションによってである場合がある。
【0114】
ある特定の実施形態では、核酸は、2つ以上のドメインを含む融合タンパク質をコードし、各ドメインは、目的のタンパク質または融合タンパク質の他の成分のアミノ酸配列を有する。例えば、核酸は、タンパク質受容体(例えば、SV2AまたはSV2C)のアミノ酸配列およびガングリオシド合成経路の酵素(例えば、GD3シンターゼ)のアミノ酸配列を含む融合タンパク質をコードし得る。別の例では、核酸は、タンパク質受容体のアミノ酸配列、ガングリオシド合成経路の酵素のアミノ酸配列および選択マーカーのアミノ酸配列を含む融合タンパク質をコードし得る。さらに別の例では、核酸は、タンパク質受容体のアミノ酸配列、ガングリオシド合成経路の酵素のアミノ酸配列、指標タンパク質のアミノ酸配列および選択マーカーのアミノ酸配列を含む融合タンパク質をコードし得る。
【0115】
このような実施形態では、ドメインは、リンカーによって互いに分離され得る。リンカーは、例えば、細胞中で酵素によって切断可能であり得るか、または自己切断性ペプチド(例えば、2A自己切断性ペプチド)を含有し、細胞中で個々のドメインが別個のタンパク質を形成することを可能にし得る。
【0116】
核酸は、随意により、調節エレメントを含み得る。「調節エレメント」という用語は、本明細書で使用される場合、転写および翻訳を含む遺伝子発現の調節エレメントを指し、TATAボックス、プロモーター、エンハンサー、リボソーム結合部位、シャイン・ダルガノ配列、IRES領域、ポリアデニル化シグナル、末端キャップ構造などといったエレメントを含む。調節エレメントは、1つ以上の異種調節エレメントまたは1つ以上の相同調節エレメントを含み得る。「相同調節エレメント」とは、核酸分子が由来する野生型細胞の調節エレメントであり、野生型細胞において核酸分子またはポリペプチドの遺伝子発現の調節に関与する。「異種調節エレメント」は、野生型細胞において核酸分子またはポリペプチドの遺伝子発現の調節に関与しない調節エレメントである。誘導性発現の調節エレメント、例えば、誘導プロモーターも使用され得る。
【0117】
核酸分子は、例えば、hnRNA、mRNA、RNA、DNA、PNA、LNAおよび/または修飾された核酸分子であり得る。核酸分子は、環状、線状である場合があり、ゲノム中に組み込まれるか、またはエピソーム性であり得る。また、3、4、5、6、7、8、9または10のポリペプチドを含む融合タンパク質をコードする鎖状体が包含される。さらに、核酸分子は、細胞内輸送のためのシグナル配列、例えば、細胞内コンパートメント中への輸送のための、または細胞膜を越える輸送のためのシグナルをコードする配列を含有し得る。
【0118】
核酸は、宿主細胞において高レベルの発現を提供するように設計され得る。宿主細胞においてタンパク質発現を増大するように核酸分子を設計する方法は、当技術分野で公知であり、コードする核酸配列において「遅いコドン」の頻度(出現数)を減少させることを含む。
【0119】
核酸は、当技術分野で公知の任意の手段を使用して導入され得る。例えば、核酸を細胞中に導入するために使用されるベクター(例えば、プラスミド)中に含まれ得る。
【0120】
細胞において核酸の発現を可能にするために当技術分野で公知の任意のベクターが使用できる。ベクターは、目的のタンパク質のin vitroおよび/またはin vivo発現に適したものであり得る。ベクターは、一過性のおよび/または安定した遺伝子発現のためのベクターであり得る。ベクターは、調節エレメントおよび/または選択マーカーをさらに含み得る。ベクターは、例えば、人工的なもの、またはウイルス起源のもの、ファージ起源のもの、または細菌起源のものであり得る。本発明における使用のためのベクターの例として、アデノウイルスベクター、ワクシニアベクター、SV-40ウイルスベクター、レトロウイルスベクター、λ-誘導体およびプラスミドが挙げられる。本発明における使用のためのプラスミドの例として、pD2500またはpcDNA3.1骨格を有するプラスミドが挙げられる。
【0121】
細胞中に核酸を導入するためにベクターを使用する方法は、当技術分野で公知である。Laura Bonetta, “The Inside Scoop-Evaluating Gene Delivery Methods,” Nature Methods 2: 875-883 (2005)を参照されたい。
【0122】
宿主細胞は、目的のタンパク質の発現の誘導物質を含み得る。このような発現の誘導物質は、核酸分子またはポリペプチドまたは小さい化学実体を含む化学実体であり得る。発現の誘導物質は、例えば、目的のタンパク質をコードする核酸分子の転写または翻訳を増大し得る。誘導物質は、例えば、当業者に公知の組換え手段によって発現され得る。あるいは、誘導物質は、細胞、例えば、クロストリジウム細胞から単離され得る。
【0123】
ある特定の実施形態では、成功裏に形質転換されている細胞を、選択マーカーの存在を決定することによって決定できる。このような実施形態では、所望のタンパク質をコードする外因性核酸を含有するベクターはまた、選択マーカーをコードする核酸も含有し得る。
【0124】
ある特定の実施形態では、選択マーカーは、検出可能なタグである。このようなタグの例として、Hisタグ、GSTタグ、StrepタグおよびSBPタグが挙げられる。タグは、目的のタンパク質も含む融合タンパク質の一部として発現され得る。このような実施形態では、タグは、1つ以上のプロテアーゼ切断部位または自己切断性ペプチドと隣接し得る。このようなことが、タグが翻訳後にタンパク質から切断されることを可能にする。
【0125】
ある特定の他の実施形態では、選択マーカーは、抗生物質に対する耐性を付与する。このような選択マーカーの例として、ピューロマイシン-N-アセチルトランスフェラーゼ(ピューロマイシンに対する耐性)、アミノグリコシド3’f3-ホスホトランスフェラーゼ(G418に対する耐性)、ブラストサイジンSデアミナーゼ(ブラストサイジンSに対する耐性)およびハイグロマイシンBホスホトランスフェラーゼ(ハイグロマイシンBに対する耐性)が挙げられる。したがって、細胞の形質転換の成功は、細胞を関連抗生物質に曝露することによって決定できる。
【0126】
ある特定の実施形態では、ガングリオシドおよび/またはクロストリジウム神経毒に結合するタンパク質受容体を発現または過剰発現するように遺伝子改変される細胞の形質転換の成功は、このような細胞をクロストリジウム神経毒と接触させることおよびその中で指標タンパク質の切断が起こったか否かを決定することによって決定できる。
【0127】
本発明はさらに、ポリペプチド、例えば、修飾または組換えクロストリジウム神経毒の生物活性を決定するためのアッセイにおける上記の遺伝子改変された細胞の使用に関する。
【0128】
このようなポリペプチドの生物活性は、種々の試験によって測定でき、それらのすべては、当業者に公知である。
【0129】
これまでに論じられたように、アッセイは、野生型クロストリジウム神経毒のプロテアーゼドメインが細胞において指標タンパク質を切断することを可能にするであろう、条件下および期間の間、細胞をポリペプチドと接触させることならびに指標タンパク質の切断に起因する生成物の存在を決定することを含む。指標タンパク質は、細胞にとって内因性である場合も(例えば、内因性SNAREタンパク質)、またはこれまでに記載された種類の外因性指標タンパク質である場合もある。
【0130】
このようなアッセイまた、通常、指標タンパク質のその切断生成物(複数可)への変換の程度を決定するステップを含む。ポリペプチドを指標タンパク質と接触させた後に生じた1つ以上の切断生成物(複数可)の観察または切断生成物(複数可)の量の増大の観察が、ポリペプチドのタンパク質分解活性を示す。
【0131】
決定するステップは、全長指標タンパク質と切断生成物(複数可)を比較することを含み得る。比較することは、全長指標タンパク質の量および/または1つ以上の切断生成物(複数可)の量を決定することを含む場合があり、また全長指標タンパク質および切断生成物(複数可)の比を算出することを含む場合がある。さらに、タンパク質分解活性を決定するためのアッセイは、アッセイされるポリペプチドと指標タンパク質の接触後に現れる切断生成物(複数可)と、対照を比較するステップを含み得る。対照は、例えば、同一指標タンパク質を切断可能であるとわかっているクロストリジウム神経毒の接触後に現れる切断生成物(複数可)であり得る。
【0132】
ある特定の実施形態では、細胞のポリペプチドとの接触後に、細胞は溶解され、ゲル電気泳動およびウエスタンブロッティングによって分析され得る。例えば、SNAP-25のN末端に結合する抗SNAP-25抗体が、全長SNAP-25および切断されたSNAP-25(全長SNAP-25とは別個のバンドに移動するであろう)の存在を決定するためにウエスタンブロットにおいて使用され得る。
【0133】
宿主細胞、例えば、細菌細胞を溶解するために使用される方法および技術は、当技術分野で公知である。例として、超音波処理またはフレンチプレスの使用が挙げられる。
【0134】
ある特定の実施形態では、全長指標タンパク質は、細胞中で容易に分解されないが、その切断後に、結果として生じた断片のうち1つは容易に分解される。これは、例えば、得られた断片のN末端で、切断によって露出される場合にのみデグロンとして役立つ残基の存在による可能性がある。
【0135】
このような実施形態では、指標タンパク質は、切断後により容易に分解されるその部分上で標識され得る。標識は、断片の分解が生じる場合に標識も分解されるように選択されるべきである。このような実施形態では、切断が生じるか否かを、標識からのシグナルを測定することに基づいて決定できる。
【0136】
受け取られたシグナルを対照と比較できる。
【0137】
切断後に形成された別の断片が同様に容易には分解されないある特定のこのような実施形態では、指標タンパク質はまた、切断後にその断片を形成する指標タンパク質の部分上に標識を含み得る。したがって、このような実施形態では、切断が生じるか否かを、より容易に分解可能な断片上の標識からのシグナルを、対照として役立つあまり容易には分解可能ではない断片上の標識からのシグナルと比較することによって決定できる。
【0138】
標識(複数可)からのシグナル(複数可)は、蛍光活性化細胞選別(FACS)を使用して分析できる。例えば、全長指標タンパク質および切断後に形成されるそのN末端断片が細胞内では容易に分解可能ではないが、切断から得られたC末端断片は容易に分解可能であり、N末端標識がmScarletであり、C末端標識がNeonGreenである実施形態では、切断の成功後の細胞のFACS分析は、赤色発光と比較して、より低い緑色発光を示す。対照的に、切断が生じない場合には、赤色および緑色蛍光は、等しく広がるべきである。
【0139】
代替法では、細胞の蛍光顕微鏡写真を撮ることができる。上記のものなどの実施形態では、切断の成功は、プロテアーゼに曝露されていない対照細胞と比較して、細胞において発せられるより少ない緑色蛍光をもたらすであろう。対照的に、赤色蛍光は、対照と同一のままであるべきである。
【0140】
また、ある特定の実施形態では、アッセイは、FRETアッセイであり得る。これまでに論じられたように、このようなアッセイでは、指標タンパク質は、N末端標識およびC末端標識を含み、一方の標識は、ドナー標識であり、もう一方は、アクセプター標識である。ドナー標識とアクセプター標識間のエネルギーの移動は、ドナー標識の蛍光強度の低減およびアクセプター標識の発光強度の増大をもたらす。このような移動の成功は、極めて接近したままである標識に依存する。指標タンパク質の切断は、これらの標識をより遠位にする傾向があり、したがって、このような移動は、あまり成功しない。したがって、切断の成功は、エネルギーの移動が起こる能力の低減に基づいて決定できる。
【0141】
上記に加えて、切断が生じたか否かを決定するために指標タンパク質からの蛍光を分析するための当技術分野で公知の任意の他の手段を、本発明の実施において使用できる。
【0142】
ある特定の実施形態では、指標タンパク質のうち20%以上、50%以上、75%以上、80%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上または99%以上が、1分未満、5分未満、20分未満、40分未満、60分未満または120分未満で切断生成物(複数可)に変換される場合に、ポリペプチドはタンパク質分解的に活性と見なされる。
【0143】
経時的に触媒活性を追跡するために、間隔をおいて切断を測定できる。
【0144】
本明細書において引用されたすべての参考文献は、その全開示内容および本明細書において具体的に言及された開示内容に関して参照により本明細書に組み込まれる。
【0145】
【実施例】
【0146】
[実施例1] - 指標細胞株の作出のための最適親細胞株の選択
【0147】
安定トランスフェクト細胞株の開発のために最適親細胞株を選択する目的で、Neuro2A(N2a、ATCC CCL-131)、BE(2)-M17(M17、ATCC CRL-2267)、IMR-32(ATCC CCL-127)およびNG108-15[108CC15](ATCC HB-12317)細胞を研究した。
【0148】
送達時に、細胞は回復し、増殖することを可能にされた。次いで、細胞のストックを凍結し、液体窒素中に保存した。細胞ストックの十分なバイアルが作製されると、細胞を、BoNT/Aに対するその感受性についてアッセイした。
【0149】
細胞を、BoNT/A(Metabiologics、Inc.)を含有する培地中で8または24時間培養した。8時間培養した細胞を、0.1nM、1nMまたは10nM BoNT/Aを含有する培地中で培養した。24時間培養した細胞を、1nM、0.1nMまたは0.01nM BoNT/Aを含有する培地中で培養した。
【0150】
内因性SNAP-25の切断を、抗SNAP-25抗体(Sigma番号S9684)を使用するウエスタンブロットによって、標準プロトコールを用いて分析した(
図1)。NG108細胞は、BoNT/Aに対して、他の細胞よりも大きな感受性を示し、N2a細胞は、最も感受性が低かった。したがって、NG108細胞株を、安定にトランスフェクトされた指標細胞株の開発のための主要な候補として選択した。M17およびIMR-32細胞株は、試験した濃度および時間でBoNT/Aに対して類似の感受性を示した。培養の容易さおよび親密性のために、M17をNG108のバックアップとして選択した。
【0151】
[実施例2] - 指標構築物を含有するプラスミドを用いる、細胞のトランスフェクション
【0152】
ピューロマイシン(InvivoGen番号ANT-PR)およびG418(VWR番号97064-358)に対するNG108細胞およびM17細胞の感受性を決定した。細胞を約50%コンフエンシーに増殖させ、次いで、種々の濃度のピューロマイシンおよびG418とともに培養した。両細胞株は、ピューロマイシンおよびG418に対して類似の感受性を示した。
【0153】
プラスミド(pD2500、Atum)を、ピューロマイシン-N-アセチルトランスフェラーゼ(PuroR)、キメラタンパク質および2A自己切断性ペプチドをコードする核酸配列を含有するように改変した。発現された生成物では、2A自己切断性ペプチドは、PuroRとキメラタンパク質の間に位置していた。キメラタンパク質は、N末端およびC末端蛍光タンパク質およびルシフェラーゼ(C末端に位置する)の間に隣接するSNAP-25を含有していた。PuroRは、ピューロマイシンに対する耐性を与えた。蛍光タンパク質によって促進される分解の蛍光ベースの測定に加えて、ルシフェラーゼによって、分解の発光測定が可能になった。N末端蛍光タンパク質はmScarletであり、C末端蛍光タンパク質は、NeonGreen、緑色蛍光タンパク質またはシアン蛍光タンパク質(CFP)のいずれかであった。PuroR、2A自己切断性ペプチドならびにmScarlet、SNAP-25、NeonGreenおよびルシフェラーゼを含有する構築物(mScarlet-SNAP25-GeNluc)をコードする核酸を含有するプラスミド挿入物は、配列番号1のヌクレオチド配列を有していた。PuroR、2A自己切断性ペプチドならびにmScarlet、SNAP-25、CFPおよびルシフェラーゼを含有する構築物(mScarlet-SNAP25-CyanNluc)をコードする核酸を含有するプラスミド挿入物は、配列番号2のヌクレオチド配列を有していた。
【0154】
NeonGreenを、その励起/発光スペクトラムおよび強度のために選択した。指標タンパク質の切断時にNeonGreenが十分に分解しなかった場合には、CFPを、指標タンパク質が切断されると迅速に分解されることを示すこれまでのデータのために、バックアップとして選択した。
【0155】
NG108細胞およびM17細胞に、mScarlet-SNAP25-GeNluc構築物またはmScarlet-SNAP25-CyanNluc構築物のいずれかを含有するプラスミドをトランスフェクトした。トランスフェクションは、標準プロトコールを使用してLipofectamine 3000(ThermoFisher)またはポリエチレンイミンを用いて行った。
【0156】
トランスフェクションの24時間後、細胞を蛍光顕微鏡によって分析して、トランスフェクションの効率および指標タンパク質の正しい発現を確認した(
図2A~B、NeonGreenを含有する指標タンパク質を発現する細胞の例が示されている)。過剰発現のために、指標タンパク質の多くは、細胞質ゾルであった。それぞれ、指標タンパク質のN末端およびC末端を表す赤色および緑色が容易に検出され、両末端が共局在していることを示した。両細胞種において高い一過性発現が見られ、>70%のトランスフェクション効率を有していた。
【0157】
細胞が効率的にトランスフェクトされ、指標タンパク質が正しく発現されたことを確認すると、トランスフェクトされた細胞を、2.5μg/mlのピューロマイシンを用いて選択するか、または最初の高用量の20μg/mlのピューロマイシンを用いて1日間「ショックを与え」、次いで、5~10μg/mlのピューロマイシン中で培養した。両処置によって、蛍光性のピューロマイシン耐性細胞のプールを得た。
【0158】
これと同時に、両指標構築物を用いていくつかのさらなるトランスフェクションを行い、ピューロマイシン耐性の選択を実施して、蛍光性のピューロマイシン耐性細胞のさらなるプールを得た。これは、約6の蛍光性のピューロマイシン耐性NG108細胞の独立プールおよび2のピューロマイシン耐性蛍光M17細胞の独立プールを最終的にもたらした。プールを拡大し、ストックを凍結し、解凍生存力について試験した。
【0159】
ピューロマイシン耐性細胞を分析して、指標構築物の安定トランスフェクションを確認した(
図3)。NeonGreenを含有する指標構築物が安定にトランスフェクトされたNG108細胞では、mScarlet(赤色)およびNeonGreen(緑色)の両方が共局在していた。これは、全長の無傷のタンパク質が作られ、細胞内に分配されたということを示した。さらに、蛍光は、主に細胞膜で見られ、これは、タンパク質が正しく局在していることを示した(SNAP-25の存在のために)。
【0160】
[実施例3] - 指標タンパク質の切断の確認
【0161】
プラスミド(pcDNA3.1)を、BoNT/A軽鎖、CFPおよびN末端SBPタグをコードする配列番号3を含有するように改変した。BoNT/A軽鎖をコードする核酸を、DNA2.0(Atum)を使用して合成した。
【0162】
指標構築物(mScarlet-SNAP25-GeNlucまたはmScarlet-SNAP25-CyanNluc)を安定にトランスフェクトされた実施例2から得た細胞に、CFP-BoNT/A構築物を含有する発現ベクターを一過性にトランスフェクトした。トランスフェクションの24および48時間後に緑色またはシアンではなく多数の赤色細胞が実証され、これは、指標タンパク質が切断され、C末端断片が迅速に分解されたことを示した。
【0163】
[実施例4] - 指標タンパク質の切断の確認
【0164】
mScarlet-SNAP25-GeNluc指標構築物を安定にトランスフェクトされた実施例2から得たNG108細胞を、完全DMEM培地(Corning番号50-013-PB)中で96ウェル光学プレート(ThermoFisher番号165305)にプレーティングし(ウェルあたり20~30K個細胞)、4時間接着させた。次いで、培地をNeurobasal Plus(ThermoFisher番号A35829)に変更し、細胞をさらに20時間培養し、その後、培地を、BoNT/Aを0(対照)、0.1または1.0nMで含有するNeurobasal Plus培地と変更した。細胞をさらに24時間培養した。次いで、細胞をトリプシン処理し、培地で1回洗浄し、10ユニットのベンゾナーゼ(Benzonase)/mlを有するDMEM/FBS培地またはDPBSに約2×106個細胞/mlで再懸濁した。次いで、細胞を、SY3200(Sony Biotechnologies)セルソーターでNeonGreenおよびmScarletのための適当なレーザー/フィルターを使用して分析した。
【0165】
図4は、BoNT/Aを用いる24時間の処置後の、mScarlet-SNAP25-GeNlucを発現するNG108細胞のHPFあたりの緑色細胞数を表す。1nM BoNT/Aを用いて処置された細胞のプールにおいて、HPFあたりの緑色陽性細胞のおよそ25%の低減が示された。
【0166】
[実施例5] - 指標タンパク質の切断の確認
【0167】
mScarlet-SNAP25-GeNluc指標構築物を安定にトランスフェクトされた実施例2から得た代表的なNG108およびM17細胞を、トリプシン処理し、培地で1回洗浄し、10ユニットのベンゾナーゼ(Benzonase)/mlを有するDMEM/FBS培地またはDPBSに約2×106個細胞/mlで再懸濁した。次いで、細胞を、SY3200(Sony Biotechnologies)セルソーターでNeonGreenおよびmScarletのための適当なレーザー/フィルターを使用して分析した。
【0168】
NG108細胞を488nMで励起して、mScarletを最小にしか励起せずに、NeonGreenを直接励起した。蛍光発光をさまざまな波長で測定した。さらに、側方散乱および前方散乱光強度を測定して、細胞の亜集団を同定した。
図5Aは、x軸に側方散乱(SS)およびy軸に前方散乱(FS)を示す散布図を表し、分布は、細胞粒度/複雑度(SS)および細胞の大きさ(FS)の変動を例示する。
図5Bは、525nM(FITCフィルター)で測定された発光蛍光強度の細胞分布を示すヒストグラムを表す。
図5Cは、585nM(PEフィルター)で測定された発光蛍光強度の細胞分布を示すヒストグラムを表す。
図5Dは、617nM(PE-テキサスレッドフィルター)で測定された発光蛍光強度の細胞分布を示すヒストグラムを表す。
図5Eは、665nM(7AADフィルター)で測定される発光蛍光強度の細胞分布を示すヒストグラムを表す。
図5Fは、785nM(PE-Cy7フィルター)で測定された発光蛍光強度の細胞分布を示すヒストグラムを表す。
図5Gは、x軸に665nM(7AADフィルター)で、y軸に側方散乱(SS)で測定された細胞の細胞発光蛍光を示す散布図を表す。ヒストグラムは、蛍光の2つの別個のピークを示し、少ない蛍光ピークは、非発現細胞を表し、多い蛍光ピークは、指標タンパク質を発現する細胞を表す。発光読み取りのすべての波長で、蛍光は高いままである。これは、発せられた光のほとんどがFRETによるものである、785nMで発光が測定された場合(
図5F)を含んでおり、したがって、NeonGreenとmScarletの間のFRETが確認された。N108プールにおける高蛍光細胞のパーセンテージ割合は、61%~93%の範囲であった。
【0169】
M17細胞を488nMで励起して、mScarletを最小にしか励起せずに、NeonGreenを直接励起した。蛍光発光をさまざまな波長で測定した。さらに、側方散乱および前方散乱光強度を測定して、細胞の亜集団を同定した。
図6Aは、x軸に側方散乱(SS)およびy軸に前方散乱(FS)を示す散布図を表し、分布は、細胞粒度/複雑度(SS)および細胞の大きさ(FS)の変動を例示する。
図6Bは、525nM(FITCフィルター)で測定された発光蛍光強度の細胞分布を示すヒストグラムを表す。
図6Cは、585nM(PEフィルター)で測定された発光蛍光強度の細胞分布を示すヒストグラムを表す。
図6Dは、617nM(PE-テキサスレッドフィルター)で測定された発光蛍光強度の細胞分布を示すヒストグラムを表す。
図6Eは、665nM(7AADフィルター)で測定される発光蛍光強度の細胞分布を示すヒストグラムを表す。
図6Fは、785nM(PE-Cy7フィルター)で測定された発光蛍光強度の細胞分布を示すヒストグラムを表す。
図6Gは、x軸に665nM(7AADフィルター)で、y軸に側方散乱(SS)で測定された細胞の細胞発光蛍光を示す散布図を表す。ヒストグラムは、蛍光の2つの別個のピークを示し、少ない蛍光ピークは、非発現細胞を表し、多い蛍光ピークは、指標タンパク質を発現する細胞を表す。発光読み取りのすべての波長で、蛍光は高いままである。これは、発せられた光のほとんどがFRETによるものである、785nMで発光が測定された場合(
図6F)を含んでおり、したがって、NeonGreenとmScarletの間のFRETが確認された。M17プールにおける高蛍光細胞のパーセンテージ割合は、14%~24%の範囲であり、すなわち、M17細胞プールにおいて蛍光タンパク質を発現する細胞の割合は、NG108細胞プールと比較して小さかった。
【0170】
mScarlet-SNAP25-GeNluc指標構築物を安定にトランスフェクトされた実施例2から得たNG108細胞を、実施例4に記載される方法でBoNT/Aを0(対照)、0.1または1.0nMで用いて処置した。
【0171】
安定にトランスフェクトされたNG108細胞のプールからの蛍光を、SY3200(Sony Biotechnologies)アナライザーを使用して測定した。細胞を488nMで励起して、mScarletを最小にしか励起せずに、NeonGreenを直接励起した。蛍光発光を、NeonGreen蛍光を検出するが、mScarlet蛍光を検出しない530nM(FITCフィルター)で測定した。
図7Aは、525nMで測定された未処置(対照)細胞からの発光蛍光強度の分布を示すヒストグラムを表す。
図7Bは、525nMで測定された0.1nM BoNT/Aを用いて処置された細胞からの発光蛍光強度の分布を示すヒストグラムを表す。
図7Cは、525nMで測定された1nM BoNT/Aを用いて処置された細胞からの発光蛍光強度の分布を示すヒストグラムを表す。NeonGreenの蛍光は、未処置対照(
図7A)と比較して、1nM BoNT/Aを用いる処置後(
図7C)の細胞プールにおいて約15%減少し(ゲートR2中の細胞の平均蛍光)、これは、得られたNeonGreenを含有するC末端断片が切断後に分解されることを示唆した。
【0172】
FRET発光の喪失のフローサイトメトリー決定も実施した。安定にトランスフェクトされたNG108細胞のプールからの蛍光を、SY3200(Sony Biotechnologies)アナライザーを使用して測定した。細胞を488nMで励起して、mScarletを最小にしか励起せずに、NeonGreenを直接励起した。蛍光発光を、mScarlet蛍光を検出するが、NeonGreen蛍光を検出しない785nM(Cy7フィルター)で測定した。
図8Aは、785nMで測定された未処置(対照)細胞からの発光蛍光強度の分布を示すヒストグラムを表す。
図8Bは、785nMで測定された0.1nM BoNT/Aを用いて処置された細胞からの発光蛍光強度の分布を示すヒストグラムを表す。
図8Cは、785nMで測定された1nM BoNT/Aを用いて処置された細胞からの発光蛍光強度の分布を示すヒストグラムを表す。FRET強度は、未処置対照(
図8A)と比較して、1nM BoNT/Aを用いる処置後(
図8C)に16%減少し(ゲートR6中の細胞の平均蛍光)、NeonGreen分解と一致した。
【0173】
[実施例6] - 切断の確認
【0174】
mScarlet-SNAP25-GeNluc指標構築物を安定にトランスフェクトされた実施例2から得たNG108細胞でウエスタンブロットを実施し、実施例4に記載される方法で、毒素なし(対照)、1nMもしくは8nM BoNT/Aまたは1nM、10nMもしくは100nM BoNT/Eを用いて処置した(
図9)。
【0175】
標準ブロッティング技術およびウサギ抗SNAP25一次抗体を使用して、SNAP-25(内因性または外因性のいずれか)の切断について細胞株を試験した。
【0176】
M-PER試薬(ThermoFisher番号78501)を、製造業者の推奨に従って使用して細胞を溶解した。溶解物を15kgで10分間清澄化し、10μlのサンプルを、200VでMOPSバッファー(ThermoFisher番号NP0001)中でNuPage 12% Bis-Trisゲル(ThermoFisher番号NP0341BOX)で流した。タンパク質をXCell IIブロッティングシステムおよびNu-Pageトランスファープロトコールを使用してPVDFメンブレン(ThermoFisher番号LC2005)にトランスファーした。得られたブロットを1% BSA/0.05% Tween20/PBS、一次抗体1:3,000抗SNAP-25、二次抗体1:5,000アルカリホスファターゼがコンジュゲートしたヤギ抗ウサギ(ThermoFisher番号31340)中でブロッキングし、NBT/BCIP基質(ThermoFisher番号34042)中で発色させた。発色したブロットをスキャンし、ImageJを使用してデンシトメトリー算出し、MS Excelでプロットした。
【0177】
指標タンパク質は、すべての溶解物において検出された。対照サンプルでは、明らかな切断生成物は検出されなかった。BoNT/AまたはBoNT/Eのいずれかで処置した細胞は、切断生成物を生成し、より高い投与量を用いた場合に増大した。興味深いことに、細胞は、BoNT/Aに対してとほぼ同じようにBoNT/Eに対して感受性であると思われる。
【0178】
[実施例7] - 受容体構築物を用いるトランスフェクション
【0179】
プラスミド(pD2500、Atum)を受容体構築物GD3-SV2C-Sytおよびアミノグリコシド3’-ホスホトランスフェラーゼ(Neo)をコードする核酸(配列番号4)を含有するように改変した。核酸は、GD3シンターゼ、SV2CおよびシンタキシンならびにNeoを含む融合タンパク質を発現し、各ドメインは、2A自己切断性ペプチドによって互いから分離される。シンタキシンを、BoNTの他のアイソフォームとともに使用するために融合タンパク質中に改変した。Neoは、G418に対する耐性を与えた。
【0180】
mScarlet-SNAP25-GeNluc指標構築物を安定にトランスフェクトされた実施例2から得たNG108細胞を、T75フラスコ中で約60%コンフルエンシーまで増殖させた。次いで、標準プロトコールに従って5mlのOptiMem/ポリエチレンイミン中の受容体構築物を含有するプラスミド(2μg/ml)を一晩それらにトランスフェクトした。朝に、細胞を新鮮完全DMEM培地で1回洗浄し、完全DMEM培地でさらに24~48時間培養した。次いで、培地を500μg/mlのG418を有する完全DMEM培地に変更し、細胞をさらに1~2週間培養し、培地/G418は必要に応じて変更する。細胞は、G418添加の3日後までに死滅し始め、約1週間継続することが観察された(約60%の細胞死)。約2週間後に残った細胞は、G418耐性であった。
【0181】
[実施例8] - 細胞の定向進化
【0182】
実施例7から得た細胞を2回のソートに付して、指標タンパク質の最高蛍光、ひいては、最高発現を有していた細胞を単離した。
【0183】
[実施例9] - 細胞の定向進化
【0184】
実施例8において指標タンパク質の高発現について選択された細胞を、BoNT/Aについて0.1nM、1nMまたは10nMで、または10nM BoNT/Eで72時間、実施例4に記載された方法で処置した。処置後、細胞を3回洗浄し、トリプシン処理し、新鮮培地に再懸濁し、選別した。細胞のスクリーニングは、BoNT/Aに対して明確な用量感受性応答を示した(
図10A)。蛍光顕微鏡は、同レベルの赤色蛍光を維持しながら、細胞が処置の用量とともに緑色蛍光も減少したことを示した(
図10B)。結果はBoNT/A感受性の増大を明確に示したが、BoNT/Eについて類似の増大は見られなかったことが留意された。
【0185】
1,000pM(1nM)のBoNT/Aに対して感受性であった細胞が選択された。
【0186】
[実施例10] - 細胞の定向進化
【0187】
野生型NG108細胞(すなわち、レポーターまたは受容体構築物がトランスフェクトされていない)を選別した(
図11A)。これらの細胞は、緑色蛍光も赤色蛍光も示さない。
【0188】
1,000pM(1nM)のBoNT/Aに対して感受性であった実施例9から得た細胞を拡大し、これまでに論じられた方法で100pM BoNT/Aを用いて処置した、または処置しなかった(対照)。48または96時間の処置後、細胞を3回洗浄し、トリプシン処理し、新鮮培地に再懸濁し、選別した。
図11B~Dは、それぞれ、対照、100pM BoNT/Aを用いて48時間処置された細胞および100pM BoNT/Aを用いて96時間処置された細胞のフローサイトメトリーデータを表す。
【0189】
指標構築物の高発現について2回選別されたが、実施例9では1,000pMのBoNT/Aに対する感受性について選別に付されていない実施例8から得た細胞を、100pM BoNT/Aを用いて、これまでに論じられた方法で96時間処置した、または処置しなかった(対照)。
図11E~Fは、それぞれ、対照および100pM BoNT/Aを用いて96時間処置された細胞のフローサイトメトリーデータを表す。
【0190】
図11A~Fでは、ほぼ円形のゲートが、赤色蛍光も緑色蛍光も示さない細胞(すなわち、指標タンパク質を発現しない細胞)を強調し、ほぼ楕円のゲートは、赤色蛍光および緑色蛍光の両方を示す細胞(すなわち、指標タンパク質を発現し、指標タンパク質が切断されていない細胞)を強調し、四辺形のゲートは、赤色蛍光を示すが、比較的減少した緑色蛍光を示す細胞(すなわち、指標タンパク質を発現するが、指標タンパク質が切断されている細胞)を強調する。
【0191】
1nM BoNT/Aに対する感受性について以前に選択された細胞(
図11D)は、そのように選択されなかった細胞(
図11F)よりも、100pMのBoNT/Aに対して有意に高い感受性(より多くの切断)示した。
【0192】
処置の96時間後に100pMのBoNT/Aに対して感受性であった細胞(野生型NG108よりも、2対数を超えてより感受性である)を選択した。
【0193】
[実施例11] - 細胞の定向進化
【0194】
処置の96時間後に100pMのBoNT/Aに対して感受性であった実施例10から得た細胞を、拡大し、これまでに論じられた方法で10pM BoNT/Aを用いて96時間処置した、または処置しなかった(対照)。処置後、細胞を3回洗浄し、トリプシン処理し、新鮮培地で再懸濁し、選別した。
【0195】
図12A~Bはそれぞれ、対照および10pM BoNT/Aで処置した細胞のフローサイトメトリーデータを表す。より高濃度の毒素を用いた場合に見られるほど劇的ではないが、処置された細胞の蛍光において注目すべき移動があった。
【0196】
[実施例12] - BoNT/Eの受容体構築物
【0197】
BoNT/Eに対する感受性を与えるために、mScarlet-SNAP25-GeNluc指標構築物を安定にトランスフェクトされた実施例2から得たNG108細胞に、GD3-SV2A-Syt受容体構築物を含有するプラスミド(配列番号5)を実施例2に記載されたトランスフェクション手順を使用してトランスフェクトした。このプラスミドは、HiFiキット(New England Biolabs)、IDT由来のオリゴヌクレオチドおよびGeneArtによって合成されたSV2A配列を使用して、GD2-SV2C-Syt受容体構築物を含有するプラスミドを修飾することによって構築した。
【0198】
これらの細胞およびGD3-SV2C-Syt受容体構築物を発現した実施例7から得た細胞を、0(対照)、10nM、1nM、0.1nM、0.01nM、0.001nMのBoNT/Aまたは0nM(対照)BoNT/Aまたは100nM、10nM、1nM、0.1nM、0.01nMもしくは0nM(対照)のBoNT/Eのいずれかを含有する培地中で培養した。細胞を16、40、64または88時間処置した。処置後、細胞を溶解し、抗SNAP-25抗体を使用して抗SNAP-25ウエスタンブロットを実施した。ブロットからのデンシトメトリーデータを、切断されたSNAP-25のパーセントとしてプロットした(
図13)。SV2Aを発現する細胞の、BoNT/AおよびBoNT/E両方に対する感受性において、SV2Cを発現する細胞と比較して著しい増大があり、これによって、BoNT/E感受性を与えるためのSV2Aの必要性が確認された。
【0199】
配列表
【0200】
配列の説明
【0201】
配列番号1は、N末端mScarlet標識、SNAP-25、C末端NeonGreen標識およびC末端ルシフェラーゼを含む融合タンパク質をコードする核酸のヌクレオチド配列である。
【0202】
配列番号2は、N末端mScarlet標識、SNAP-25、C末端CFP標識およびC末端ルシフェラーゼを含む融合タンパク質をコードする核酸のヌクレオチド配列である。
【0203】
配列番号3は、N末端CFPおよびBoNT/Aの軽鎖を含む融合タンパク質をコードする核酸のヌクレオチド配列である。
【0204】
配列番号4は、GD3シンターゼ、SV2C、シンタキシンおよびアミノグリコシド3’-ホスホトランスフェラーゼのアミノ酸配列を有するドメインを含む融合タンパク質をコードする核酸のヌクレオチド配列である。融合タンパク質では、各ドメインは、2A自己切断性ペプチドによって互いに分離される。
【0205】
配列番号5は、GD3シンターゼ、SV2A、シンタキシンおよびアミノグリコシド3’-ホスホトランスフェラーゼのアミノ酸配列を有するドメインを含む融合タンパク質をコードする核酸のヌクレオチド配列である。融合タンパク質では、各ドメインは、2A自己切断性ペプチドによって互いに分離される。
【0206】
配列番号6は、GD3シンターゼのアミノ酸配列である。
【0207】
配列番号7は、配列番号4および5によってコードされる2A自己切断性ペプチドのアミノ酸配列である。
【0208】
配列番号8は、SV2Aのアミノ酸配列である。
【0209】
配列番号9は、SV2Bのアミノ酸配列である。
【0210】
配列番号10は、SV2Cのアミノ酸配列である。
【0211】
配列番号11は、SV2Aの第4の管腔ドメインのアミノ酸配列である。
【0212】
配列番号12は、SV2Bの第4の管腔ドメインのアミノ酸配列である。
【0213】
配列番号13は、SV2Cの第4の管腔ドメインのアミノ酸配列である。
【0214】
配列番号14は、シナプトタグミンIのアミノ酸配列である。
【0215】
配列番号15は、シナプトタグミンIIのアミノ酸配列である。
【0216】
配列番号16は、MScarletのアミノ酸配列である。
【0217】
配列番号17は、NeonGreenのアミノ酸配列である。
【0218】
配列番号18は、CFPのアミノ酸配列である。
【0219】
配列番号19は、SNAP-25のアミノ酸配列である。
【0220】
配列番号20は、アミノグリコシド3’-ホスホトランスフェラーゼ(Neo)のアミノ酸配列である。
【0221】
配列番号21は、ピューロマイシン-N-アセチルトランスフェラーゼ(PuroR)のアミノ酸配列である。
【0222】
配列番号22は、ルシフェラーゼのアミノ酸配列である。
【0223】
配列番号1
ATGGTGTCGAAGGGGGAAGCGGTGATCAAGGAGTTCATGAGGTTTAAAGTGCATATGGAGGGATCTATGAACGGACACGAGTTTGAGATCGAAGGGGAAGGAGAGGGGCGCCCATACGAAGGCACCCAGACTGCCAAGCTGAAAGTCACAAAGGGTGGACCCTTGCCCTTCTCGTGGGATATTCTGAGCCCGCAATTCATGTACGGGTCCCGGGCCTTCACCAAGCACCCTGCTGACATTCCGGATTACTATAAGCAGAGCTTCCCGGAAGGCTTCAAATGGGAGCGAGTGATGAACTTCGAGGATGGAGGCGCCGTGACCGTGACTCAGGACACTTCACTGGAAGATGGCACTCTGATCTACAAGGTCAAGCTGCGGGGCACCAACTTCCCACCGGACGGACCGGTCATGCAGAAAAAGACCATGGGATGGGAGGCCTCCACCGAGCGCCTGTACCCCGAAGATGGAGTCCTCAAGGGGGACATCAAGATGGCCCTGCGGCTCAAGGATGGTGGAAGATACCTGGCTGACTTCAAGACCACGTACAAGGCCAAGAAGCCAGTCCAGATGCCCGGCGCGTACAATGTGGATCGCAAGCTGGACATCACTTCCCACAACGAGGACTACACCGTGGTGGAGCAGTACGAACGGTCCGAGGGTCGGCACTCCACTGGTGGCATGGACGAGCTGTACAAAATGGCCGAGGATGCAGACATGAGAAACGAACTGGAAGAAATGCAGCGGAGAGCAGACCAGCTCGCGGACGAATCACTGGAATCGACCCGCCGGATGCTTCAACTGGTCGAGGAATCAAAGGACGCGGGTATCCGGACCCTTGTGATGCTGGACGAACAGGGAGAGCAGCTGGAGAGGATCGAAGAGGGAATGGACCAGATTAACAAGGACATGAAGGAAGCGGAAAAGAACCTCACCGACCTTGGAAAGTTCTGCGGGTTGTGCGTGTGTCCGTGCAACAAGCTGAAGTCCTCCGACGCCTACAAGAAGGCCTGGGGAAACAACCAGGACGGTGTCGTGGCTTCCCAACCCGCACGGGTGGTGGATGAGCGGGAACAGATGGCGATTTCCGGAGGCTTCATTAGACGCGTGACCAACGACGCCCGCGAAAACGAGATGGACGAAAACCTGGAACAAGTGTCGGGAATCATCGGAAACTTGAGACACATGGCCCTCGACATGGGCAACGAAATTGATACACAGAACCGGCAGATTGACCGGATCATGGAAAAGGCAGACTCAAACAAGACTCGGATTGACGAAGCGAACCAGAGGGCCACTAAGATGTTGGGTTCCGGGATGGTGTCAAAGGGAGAAGAAGACAACATGGCATCACTGCCCGCCACCCACGAGCTGCACATCTTCGGTTCCATCAACGGGGTCGACTTCGACATGGTCGGCCAGGGAACTGGAAACCCGAATGACGGTTATGAAGAACTGAACCTTAAATCAACCAAGGGGGACCTTCAGTTCTCGCCCTGGATTTTGGTCCCTCACATTGGATACGGATTCCATCAGTATCTGCCGTACCCCGACGGAATGAGCCCGTTCCAGGCTGCCATGGTGGACGGATCGGGATACCAGGTCCACCGCACCATGCAGTTTGAAGATGGCGCAAGCCTGACCGTGAACTACCGGTATACCTACGAGGGCTCACACATCAAGGGGGAAGCCCAAGTCAAGGGTACCGGCTTCCCGGCCGACGGACCAGTGATGACCAACTCCTTGACCGCCGCCGACTGGTGCCGCAGCAAGAAAACTTACCCCAACGATAAGACAATCATCTCCACTTTCAAGTGGTCCTACACCACGGGCAACGGCAAACGCTACCGAAGCACTGCACGGACCACCTACACTTTCGCGAAGCCTATGGCCGCCAACTACCTGAAGAACCAGCCGATGTACGTGTTCAGAAAGACGGAACTCAAGCACTCCAAAACCGAACTGAACTTTAAGGAGTGGCAGAAGGCTTTCACTGGATTCGAGGACTTTGTCGGCGACTGGCGCCAGACTGCCGGCTACAACCTGGACCAAGTGCTCGAACAGGGGGGTGTCTCCAGCCTCTTCCAAAATCTGGGCGTGTCCGTGACCCCGATCCAGCGGATCGTGCTCAGCGGGGAAAACGGCCTGAAGATCGATATCCACGTCATCATCCCGTACGAGGGACTGAGCGGCGACCAGATGGGTCAGATCGAAAAGATTTTCAAGGTGGTCTATCCCGTGGATGACCACCACTTCAAAGTGATCCTGCATTACGGGACCCTCGTGATCGACGGCGTCACCCCGAACATGATTGATTACTTCGGACGGCCTTATGAAGGGATCGCCGTGTTCGACGGCAAAAAGATCACCGTGACTGGCACCCTGTGGAACGGAAATAAGATCATTGACGAGCGGCTGATCAACCCAGACGGGTCGCTGCTGTTCCGCGTGACCATCAACGGAGTGACCGGCTGGCGGCTGTGCGAGCGCATCCTCGCCTGATAG
【0224】
配列番号2
ATGGTGTCGAAGGGGGAAGCGGTGATCAAGGAGTTCATGAGGTTTAAAGTGCATATGGAGGGATCTATGAACGGACACGAGTTTGAGATCGAAGGGGAAGGAGAGGGGCGCCCATACGAAGGCACCCAGACTGCCAAGCTGAAAGTCACAAAGGGTGGACCCTTGCCCTTCTCGTGGGATATTCTGAGCCCGCAATTCATGTACGGGTCCCGGGCCTTCACCAAGCACCCTGCTGACATTCCGGATTACTATAAGCAGAGCTTCCCGGAAGGCTTCAAATGGGAGCGAGTGATGAACTTCGAGGATGGAGGCGCCGTGACCGTGACTCAGGACACTTCACTGGAAGATGGCACTCTGATCTACAAGGTCAAGCTGCGGGGCACCAACTTCCCACCGGACGGACCGGTCATGCAGAAAAAGACCATGGGATGGGAGGCCTCCACCGAGCGCCTGTACCCCGAAGATGGAGTCCTCAAGGGGGACATCAAGATGGCCCTGCGGCTCAAGGATGGTGGAAGATACCTGGCTGACTTCAAGACCACGTACAAGGCCAAGAAGCCAGTCCAGATGCCCGGCGCGTACAATGTGGATCGCAAGCTGGACATCACTTCCCACAACGAGGACTACACCGTGGTGGAGCAGTACGAACGGTCCGAGGGTCGGCACTCCACTGGTGGCATGGACGAGCTGTACAAAATGGCCGAGGATGCAGACATGAGAAACGAACTGGAAGAAATGCAGCGGAGAGCAGACCAGCTCGCGGACGAATCACTGGAATCGACCCGCCGGATGCTTCAACTGGTCGAGGAATCAAAGGACGCGGGTATCCGGACCCTTGTGATGCTGGACGAACAGGGAGAGCAGCTGGAGAGGATCGAAGAGGGAATGGACCAGATTAACAAGGACATGAAGGAAGCGGAAAAGAACCTCACCGACCTTGGAAAGTTCTGCGGGTTGTGCGTGTGTCCGTGCAACAAGCTGAAGTCCTCCGACGCCTACAAGAAGGCCTGGGGAAACAACCAGGACGGTGTCGTGGCTTCCCAACCCGCACGGGTGGTGGATGAGCGGGAACAGATGGCGATTTCCGGAGGCTTCATTAGACGCGTGACCAACGACGCCCGCGAAAACGAGATGGACGAAAACCTGGAACAAGTGTCGGGAATCATCGGAAACTTGAGACACATGGCCCTCGACATGGGCAACGAAATTGATACACAGAACCGGCAGATTGACCGGATCATGGAAAAGGCAGACTCAAACAAGACTCGGATTGACGAAGCGAACCAGAGGGCCACTAAGATGTTGGGTTCCGGGATGGTGTCAAAGGGAGAAGAACTGTTCACTGGAGTGGTGCCCATCCTGGTGGAGCTGGATGGCGATGTGAACGGCCATAAATTCTCAGTCAGCGGAGAGGGAGAGGGCGATGCGACTTACGGAAAGCTGACTTTGAAGTTTATCTGCACTACCGGAAAGCTGCCTGTGCCATGGCCTACCCTCGTGACCACCCTGTCCTGGGGCGTCCAATGTTTCGCACGCTACCCTGACCATATGAAGCAGCACGACTTCTTCAAGTCCGCCATGCCCGAGGGCTACGTGCAGGAACGCACCATCTTCTTCAAGGACGACGGGAACTACAAAACCAGGGCTGAAGTGAAGTTCGAGGGAGACACCCTGGTCAATCGGATTGAATTGAAGGGAATCGATTTCAAGGAAGATGGAAACATCCTGGGACATAAGCTTGAGTACAACTACTTCTCCGACAACGTGTACATCACGGCCGATAAGCAGAAGAACGGAATCAAAGCTAACTTCAAGATTCGGCACAACATTGAGGACGGCGGCGTCCAGCTGGCGGACCATTATCAGCAGAATACCCCTATTGGGGATGGACCGGTGCTGCTCCCGGACAACCATTACCTGTCCACCCAATCTAAGCTGAGCAAGGACCCAAACGAGAAGCGCGATCACATGGTGCTGCTCGAGTTCGTGACTGCCGCCGGGCTTCACACACTTGAGGACTTTGTCGGCGACTGGCGCCAGACTGCCGGCTACAACCTGGACCAAGTGCTCGAACAGGGGGGTGTCTCCAGCCTCTTCCAAAATCTGGGCGTGTCCGTGACCCCGATCCAGCGGATCGTGCTCAGCGGGGAAAACGGCCTGAAGATCGATATCCACGTCATCATCCCGTACGAGGGACTGAGCGGCGACCAGATGGGTCAGATCGAAAAGATTTTCAAGGTGGTCTATCCCGTGG
【0225】
配列番号3
ATGACCATGGATGAGCAGCAATCGCAGGCTGTAGCCCCGGTATATGTCGGTGGTATGGATGAGAAAACGACTGGGTGGCGGGGTGGACACGTCGTCGAGGGCCTGGCAGGCGAACTTGAACAACTGCGGGCTCGCTTGGAGCACCACCCGCAAGGACAGCGCGAGCCGTCCATGGTGTCAAAGGGGGAGGAACTGTTTACTGGGGTCGTCCCTATCTTGGTGGAACTCGACGGGGATGTGAACGGACACAAGTTTTCGGTATCCGGGGAAGGCGAGGGGGATGCCACgTATGGAAAGCTCACACTTAAGTTCATCTGCACGACAGGGAAGCTCCCAGTGCCTTGGCCCACGTTGGTGACTACGCTCACATGGGGTGTCCAGTGCTTCGCACGGTATCCCGACCAcATGAAGCAGCATGATTTCTTTAAGTCAGCCATGCCGGAGGGATATGTACAAGAAAGGACCATCTTCTTCAAAGATGACGGTAACTACAAGACCAGAGCCGAGGTAAAGTTTGAAGGCGACACTCTCGTGAACAGGATTGAGCTGAAGGGAATTGATTTCAAAGAGGATGGGAACATCCTTGGTCACAAATTGGAGTACAATGCCATTTCGGATAACGTGTACATTACAGCGGATAAGCAGAAGAATGGGATCAAAGCGAATTTCAAAATCAGGCATAACATCGAGGACGGGTCGGTGCAGCTCGCCGACCATTACCAGCAGAATACGCCCATCGGAGATGGACCCGTACTTCTGCCCGACAATCATTATCTGTCAACGCAATCAGCGCTTAGCAAAGATCCCAATGAGAAAAGGGACCACATGGTGCTCCTCGAATTtGTGACGGCAGCGGGAATTACCCTCGGGATGGACGAACTGTACAAAAGCGGGTTGAGACTCGAGCGCTGAACTCGAGATGCCTTTTGTCAACAAGCAGTTTAACTATAAGGATCCCGTGAATGGTGTGGACATTGCCTACATCAAGATTCCAAACGCTGGACAAATGCAGCCCGTCAAGGCTTTCAAAATTCACAACAAGATCTGGGTGATCCCGGAGAGGGACACCTTTACCAATCCAGAAGAGGGCGACCTTAACCCTCCGCCAGAGGCCAAACAGGTGCCCGTGAGCTATTACGACTCAACTTATCTCTCCACCGACAACGAAAAGGACAATTACCTCAAGGGAGTCACCAAGCTGTTCGAACGGATCTACTCTACCGATCTCGGCAGGATGCTCCTGACTTCTATCGTGCGGGGCATCCCCTTCTGGGGTGGGAGCACCATTGACACCGAACTGAAGGTGATTGATACCAATTGCATCAACGTCATCCAGCCAGACGGTTCCTACCGGTCTGAGGAGCTCAATCTTGTGATTATTGGCCCGTCAGCTGATATCATCCAGTTCGAATGCAAGTCTTTCGGACACGACGTGCTTAATCTCACCCGCAATGGTTACGGAAGCACCCAGTACATCAGATTCTCTCCGGACTTTACTTTCGGATTTGAAGAGTCACTGGAAGTCGACACCAATCCTCTGCTCGGAGCCGGAAAGTTCGCCACCGACCCTGCAGTGACCCTTGCTCACGAGCTGATTCATGCAGAGCATCGCCTGTACGGGATCGCCATCAATCCTAACCGCGTGTTTAAGGTCAATACCAACGCTTACTATGAAATGAGCGGACTGGAGGTGTCCTTCGAGGAACTGCGCACCTTCGGAGGTCATGACGCTAAGTTCATCGACTCACTGCAAGAGAATGAGTTCCGGCTGTACTATTACAACAAGTTTAAGGATGTCGCCTCAACTCTGAACAAGGCCAAAAGCATCATCGGCACCACCGCCAGCCTGCAATACATGAAAAACGTGTTCAAGGAAAAGTACCTTCTTAGCGAAGATACTTCCGGGAAGTTTTCAGTCGACAAACTGAAGTTCGACAAGCTGTACAAGATGCTCACCGAAATCTACACCGAGGACAATTTTGTGAACTTCTTCAAAGTGATTAACAGAAAGACCTATCTGAACTTCGACAAAGCCGTGTTCCGGATTAACATTGTGCCCGATGAGAACTACACTATCAAGGACGGGTTCAACCTTAAGGGTGCAAATCTTTCAACTAATTTCAACGGACAGAATACTGAGATCAATTCAAGGAACTTCACTAGACTCAAGAATTTCACTGGGCTTTTCGAGTTCTATAAGCTGCTGTGTGTCCGCGGAATTATCCCCTTCAAGTGAAGCTTCGTCAATGA
【0226】
配列番号4
ATGTCCCCATGTGGACGAGCGCGCAGACAGACCTCAAGAGGAGCGATGGCCGTGCTGGCCTGGAAGTTCCCGAGGACTCGCCTGCCCATGGGAGCCTCTGCTCTGTGTGTGGTCGTGCTGTGTTGGCTGTACATCTTCCCGGTGTACCGGCTGCCTAACGAAAAGGAAATTGTGCAGGGCGTGCTCCAGCAGGGGACCGCTTGGCGGCGCAACCAGACCGCTGCGAGGGCTTTTCGGAAGCAGATGGAAGATTGTTGCGACCCCGCCCATCTTTTCGCGATGACCAAGATGAACAGCCCGATGGGAAAGTCCATGTGGTACGACGGAGAGTTCCTGTATTCCTTCACCATTGACAACAGCACTTACTCACTGTTCCCGCAAGCCACCCCCTTCCAACTGCCGCTTAAGAAGTGCGCCGTCGTGGGGAACGGCGGCATCCTCAAGAAGTCCGGATGCGGGCGCCAGATTGATGAAGCCAACTTCGTGATGCGGTGCAATCTCCCGCCACTCTCGTCCGAGTACACCAAGGACGTGGGGTCAAAGTCGCAGCTCGTCACCGCCAACCCTTCGATCATCAGACAACGGTTCCAGAACCTTCTGTGGAGCCGGAAAACATTTGTGGATAACATGAAGATCTACAACCATTCCTACATCTATATGCCTGCCTTCTCCATGAAAACTGGAACCGAACCCTCCCTGAGAGTGTACTACACCCTGTCCGACGTGGGCGCAAACCAGACCGTCCTTTTCGCCAACCCCAACTTCCTGCGCTCCATCGGAAAGTTCTGGAAGTCCAGAGGCATTCACGCGAAACGCTTGTCCACTGGATTGTTCTTGGTGTCCGCCGCTCTGGGCCTGTGCGAGGAAGTGGCCATATACGGATTCTGGCCTTTCTCCGTCAACATGCACGAGCAGCCCATCTCCCACCATTATTACGACAATGTCCTGCCTTTCTCGGGATTTCACGCGATGCCCGAGGAGTTCTTGCAACTGTGGTACCTTCACAAGATCGGTGCCCTGCGGATGCAGCTGGACCCTTGCGAGGACACCTCGCTGCAACCCACCTCGGAGCAGAAACTCATTTCCGAAGAGGATCTGAACGGGGAGCAGAAGCTCATCTCCGAGGAGGACCTGAACGGAGAACAGAAGCTGATTAGCGAAGAGGACCTGGGCAGCGGTGCCACCAATTTTTCTCTGCTCAAGCAGGCCGGAGATGTGGAAGAGAACCCGGGTCCCATGGAGGACTCCTACAAAGATCGGACTTCTCTGATGAAGGGAGCCAAGGACATCGCCAGGGAAGTGAAGAAGCAAACCGTCAAGAAGGTCAACCAGGCCGTGGACAGAGCCCAGGACGAGTACACCCAGCGGTCGTACTCGCGGTTCCAGGATGAAGAGGATGACGACGACTACTACCCTGCCGGCGAAACCTATAATGGGGAAGCCAACGATGACGAAGGCTCCAGCGAAGCCACTGAAGGACACGACGAGGACGACGAAATCTACGAAGGAGAATACCAGGGCATCCCTTCGATGAATCAGGCCAAAGATTCAATTGTGTCAGTGGGACAGCCTAAGGGCGACGAGTACAAGGACCGGAGAGAGCTCGAAAGCGAGCGGAGGGCCGACGAAGAGGAACTGGCACAACAGTACGAGCTGATCATCCAGGAGTGTGGGCACGGCCGGTTCCAGTGGGCGCTGTTCTTCGTGCTCGGAATGGCACTGATGGCCGACGGCGTGGAAGTGTTCGTGGTCGGATTCGTGCTGCCCTCGGCCGAAACCGACCTCTGCATTCCCAACTCCGGCTCGGGATGGCTGGGGTCCATCGTGTACCTGGGAATGATGGTCGGCGCCTTCTTCTGGGGTGGCCTGGCAGACAAGGTCGGCCGGAAGCAGTCCCTCTTGATCTGCATGAGCGTCAACGGATTTTTCGCCTTCCTGTCATCATTCGTGCAAGGTTACGGGTTCTTCCTTTTCTGCCGCCTGCTGTCCGGCTTTGGGATCGGCGGGGCTATTCCGACTGTGTTCTCCTACTTTGCCGAAGTGCTGGCTCGCGAAAAACGGGGCGAACACCTTTCCTGGCTGTGTATGTTCTGGATGATCGGCGGCATCTACGCCTCGGCCATGGCCTGGGCTATTATCCCGCATTATGGGTGGTCCTTCTCAATGGGAAGCGCATACCAGTTCCATTCGTGGCGGGTGTTCGTGATCGTGTGCGCCCTCCCGTGTGTGTCCTCCGTGGTGGCTCTGACATTCATGCCGGAGTCACCTCGGTTCTTGTTGGAAGTCGGGAAGCACGACGAAGCCTGGATGATTCTGAAGCTGATCCACGACACTAATATGCGGGCCCGGGGACAGCCTGAGAAAGTGTTCACCGTCAACAAGATTAAGACCCCGAAGCAAATCGATGAACTGATTGAAATTGAGTCCGACACCGGAACTTGGTACCGCCGGTGCTTCGTGCGGATTCGCACCGAGCTGTACGGAATCTGGCTCACCTTCATGCGCTGCTTCAACTACCCCGTGCGCGACAACACCATCAAGCTGACCATCGTGTGGTTCACTCTGTCTTTCGGCTACTATGGGCTGTCAGTGTGGTTCCCGGATGTCATCAAGCCGCTCCAATCCGATGAATACGCCCTGCTGACCCGCAATGTGGAGAGAGACAAATACGCCAACTTCACCATCAATTTCACCATGGAAAACCAGATTCACACCGGAATGGAGTACGACAATGGACGATTCATCGGAGTGAAGTTCAAGAGCGTGACCTTCAAGGACTCGGTGTTCAAGTCCTGTACCTTCGAGGACGTGACCAGCGTGAACACTTATTTTAAGAATTGCACCTTCATCGATACTGTGTTCGATAACACCGACTTCGAGCCCTATAAGTTCATTGACTCGGAGTTCAAGAACTGTTCATTCTTCCACAACAAGACTGGTTGCCAGATCACCTTCGATGACGACTACAGCGCCTACTGGATCTACTTTGTGAACTTTTTGGGAACTCTCGCAGTGCTTCCTGGCAACATTGTGTCCGCACTCCTGATGGATCGGATTGGCAGGCTCACGATGCTTGGGGGGTCCATGGTCCTCTCCGGGATCTCGTGCTTCTTCCTGTGGTTCGGCACCTCGGAGTCCATGATGATCGGAATGTTGTGCCTGTACAACGGTCTGACCATCAGCGCCTGGAACAGCCTCGACGTGGTCACCGTCGAGCTGTATCCTACCGACCGGCGCGCGACAGGCTTCGGATTCCTGAACGCACTGTGCAAGGCAGCCGCGGTCCTGGGAAATCTGATCTTTGGTTCGCTGGTGTCCATCACTAAGAGCATCCCTATTCTGCTCGCCTCCACGGTGCTCGTGTGTGGTGGCCTGGTCGGGCTGTGCCTGCCCGACACTCGCACCCAAGTGCTCATGGACTACAAGGATGACGATGATAAGGGAGACTACAAGGACGATGACGACAAGGGGGATTACAAGGACGACGATGACAAAGGAAGCGGCGCCACTAACTTTTCCCTGCTGAAGCAGGCCGGGGACGTCGAAGAAAACCCCGGGCCAATGCGCAACATTTTCAAGCGGAATCAGGAGCCTATCGTGGCCCCGGCCACCACTACCGCCACTATGCCTATTGGACCTGTCGACAACTCCACGGAATCAGGCGGCGCCGGCGAATCCCAAGAGGACATGTTCGCCAAGCTGAAGGAGAAACTGTTCAACGAAATCAACAAGATTCCCCTCCCGCCGTGGGCCCTGATCGCTATCGCTGTCGTCGCCGGACTGCTGCTGCTTACTTGCTGCTTCTGCATTTGCAAGAAGTGTTGTTGCAAGAAAAAGAAAAACAAGAAGGAAAAGGGGAAGGGAATGAAGAACGCCATGAATATGAAGGACATGAAGGGCGGACAGGATGATGATGATGCTGAAACTGGGCTGACTGAGGGCGAAGGAGAGGGCGAAGAGGAGAAGGAACCTGAGAACCTGGGAAAGCTCCAATTCTCCCTGGATTACGACTTCCAAGCCAACCAGCTGACTGTGGGAGTGTTGCAAGCCGCCGAGCTGCCAGCCCTGGACATGGGCGGCACCTCCGACCCCTATGTGAAGGTGTTCTTGCTGCCTGACAAGAAGAAGAAGTACGAAACCAAGGTGCACCGCAAGACCCTGAACCCCGCTTTCAACGAAACCTTCACTTTCAAAGTGCCCTACCAAGAGCTCGGGGGAAAGACTCTCGTGATGGCGATCTACGACTTCGACCGGTTCAGCAAGCACGATATCATCGGGGAGGTCAAGGTCCCGATGAACACCGTGGACCTTGGCCAACCGATTGAAGAATGGCGCGATCTCCAGGGTGGCGAAAAGGAGGAGCCCGAGAAACTGGGTGACATCTGTACATCACTGCGCTACGTGCCGACCGCCGGGAAGCTCACTGTCTGCATCCTGGAGGCCAAGAACCTGAAGAAAATGGACGTGGGCGGGCTCTCCGACCCTTACGTGAAGATCCACCTGATGCAGAACGGAAAGCGGCTGAAGAAGAAGAAAACCACTGTGAAGAAAAAGACTCTGAACCCCTACTTCAACGAGTCGTTCTCCTTCGAAATCCCGTTTGAGCAAATCCAGAAGGTCCAAGTGGTCGTGACTGTGCTTGACTACGACAAGCTCGGAAAGAACGAGGCCATTGGCAAAATCTTCGTGGGATCGAACGCAACTGGCACCGAGCTGAGACACTGGTCTGACATGCTCGCCAACCCAAGGCGGCCGATTGCTCAGTGGCACTCCTTGAAACCTGAGGAAGAAGTGGATGCCCTTCTTGGAAAGAACAAGATGTACCCCTACGACGTCCCTGATTACGCGGGATACCCGTACGATGTGCCTGACTATGCCGGCTACCCGTACGATGTGCCAGACTACGCTGGCTCCGGAGCCACGAACTTTTCGCTGCTGAAACAGGCCGGCGACGTGGAAGAAAATCCCGGTCCAATGATTGAACAAGATGGATTGCACGCTGGTTCTCCGGCCGCTTGGGTGGAGAGGCTATTCGGCTATGACTGGGCACAACAGACAATCGGCTGCTCTGATGCCGCCGTGTTCCGGCTGTCAGCGCAGGGGCGCCCGGTTCTTTTTGTCAAGACCGACCTGTCCGGTGCCCTGAATGAACTGCAGGACGAGGCAGCGCGGCTATCGTGGCTGGCCACGACGGGCGTTCCTTGCGCAGCTGTGCTCGACGTTGTCACTGAAGCGGGAAGGGACTGGCTGCTATTGGGCGAAGTGCCGGGGCAGGATCTCCTGTCATCTCACCTTGCTCCTGCCGAGAAAGTATCCATCATGGCTGATGCAATGCGGCGGCTGCATACGCTTGATCCGGCTACATGCCCATTCGACCACCAAGCGAAACATCGCATCGAGCGAGCACGTACTCGGATGGAAGCCGGTCTTGTCGATCAGGATGATCTGGACGAGGAACATCAGGGGCTCGCGCCAGCCGAACTGTTCGCCAGGCTCAAGGCGCGCATGCCCGACGGCGAGGATCTCGTCGTGACCCATGGCGATGCCTGCTTGCCGAATATCATGGTGGAAAATGGCCGCTTTTCTGGATTCATCGACTGTGGCCGGCTGGGTGTGGCGGACCGCTATCAGGACATAGCGTTGGCTACCCGTGATATTGCTGAGGAACTTGGCGGCGAATGGGCTGACCGCTTCCTCGTGCTTTACGGTATCGCCGCTCCCGATTCGCAGCGCATCGCCTTCTATCGCCTTCTTGACGAGTTCTTCTGATAG
【0227】
配列番号5
ATGTCCCCATGTGGACGAGCGCGCAGACAGACCTCAAGAGGAGCGATGGCCGTGCTGGCCTGGAAGTTCCCGAGGACTCGCCTGCCCATGGGAGCCTCTGCTCTGTGTGTGGTCGTGCTGTGTTGGCTGTACATCTTCCCGGTGTACCGGCTGCCTAACGAAAAGGAAATTGTGCAGGGCGTGCTCCAGCAGGGGACCGCTTGGCGGCGCAACCAGACCGCTGCGAGGGCTTTTCGGAAGCAGATGGAAGATTGTTGCGACCCCGCCCATCTTTTCGCGATGACCAAGATGAACAGCCCGATGGGAAAGTCCATGTGGTACGACGGAGAGTTCCTGTATTCCTTCACCATTGACAACAGCACTTACTCACTGTTCCCGCAAGCCACCCCCTTCCAACTGCCGCTTAAGAAGTGCGCCGTCGTGGGGAACGGCGGCATCCTCAAGAAGTCCGGATGCGGGCGCCAGATTGATGAAGCCAACTTCGTGATGCGGTGCAATCTCCCGCCACTCTCGTCCGAGTACACCAAGGACGTGGGGTCAAAGTCGCAGCTCGTCACCGCCAACCCTTCGATCATCAGACAACGGTTCCAGAACCTTCTGTGGAGCCGGAAAACATTTGTGGATAACATGAAGATCTACAACCATTCCTACATCTATATGCCTGCCTTCTCCATGAAAACTGGAACCGAACCCTCCCTGAGAGTGTACTACACCCTGTCCGACGTGGGCGCAAACCAGACCGTCCTTTTCGCCAACCCCAACTTCCTGCGCTCCATCGGAAAGTTCTGGAAGTCCAGAGGCATTCACGCGAAACGCTTGTCCACTGGATTGTTCTTGGTGTCCGCCGCTCTGGGCCTGTGCGAGGAAGTGGCCATATACGGATTCTGGCCTTTCTCCGTCAACATGCACGAGCAGCCCATCTCCCACCATTATTACGACAATGTCCTGCCTTTCTCGGGATTTCACGCGATGCCCGAGGAGTTCTTGCAACTGTGGTACCTTCACAAGATCGGTGCCCTGCGGATGCAGCTGGACCCTTGCGAGGACACCTCGCTGCAACCCACCTCGGAGCAGAAACTCATTTCCGAAGAGGATCTGAACGGGGAGCAGAAGCTCATCTCCGAGGAGGACCTGAACGGAGAACAGAAGCTGATTAGCGAAGAGGACCTGGGCAGCGGTGCCACCAATTTTTCTCTGCTCAAGCAGGCCGGAGATGTGGAAGAGAACCCGGGTCCCATGGAGGACTCCTACAAAGATCGGACTTCTCTGATGAAGGGAGCCAAGGACATCGCCAGGGAAGTGAAGAAGCAAACCGTCAAGAAGGTCAACCAGGCCGTGGACAGAGCCCAGGACGAGTACACCCAGCGGTCGTACTCGCGGTTCCAGGATGAAGAGGATGACGACGACTACTACCCTGCCGGCGAAACCTATAATGGGGAAGCCAACGATGACGAAGGCTCCAGCGAAGCCACTGAAGGACACGACGAGGACGACGAAATCTACGAAGGAGAATACCAGGGCATCCCTTCGATGAATCAGGCCAAAGATTCAATTGTGTCAGTGGGACAGCCTAAGGGCGACGAGTACAAGGACCGGAGAGAGCTCGAAAGCGAGCGGAGGGCCGACGAAGAGGAACTGGCACAACAGTACGAGCTGATCATCCAGGAGTGTGGGCACGGCCGGTTCCAGTGGGCGCTGTTCTTCGTGCTCGGAATGGCACTGATGGCCGACGGCGTGGAAGTGTTCGTGGTCGGATTCGTGCTGCCCTCGGCCGAAACCGACCTCTGCATTCCCAACTCCGGCTCGGGATGGCTGGGGTCCATCGTGTACCTGGGAATGATGGTCGGCGCCTTCTTCTGGGGTGGCCTGGCAGACAAGGTCGGCCGGAAGCAGTCCCTCTTGATCTGCATGAGCGTCAACGGATTTTTCGCCTTCCTGTCATCATTCGTGCAAGGTTACGGGTTCTTCCTTTTCTGCCGCCTGCTGTCCGGCTTTGGGATCGGCGGGGCTATTCCGACTGTGTTCTCCTACTTTGCCGAAGTGCTGGCTCGCGAAAAACGGGGCGAACACCTTTCCTGGCTGTGTATGTTCTGGATGATCGGCGGCATCTACGCCTCGGCCATGGCCTGGGCTATTATCCCGCATTATGGGTGGTCCTTCTCAATGGGAAGCGCATACCAGTTCCATTCGTGGCGGGTGTTCGTGATCGTGTGCGCCCTCCCGTGTGTGTCCTCCGTGGTGGCTCTGACATTCATGCCGGAGTCACCTCGGTTCTTGTTGGAAGTCGGGAAGCACGACGAAGCCTGGATGATTCTGAAGCTGATCCACGACACTAATATGCGGGCCCGGGGACAGCCTGAGAAAGTGTTCACCGTCAACAAGATTAAGACCCCGAAGCAAATCGATGAACTGATTGAAATTGAGTCCGACACCGGAACTTGGTACCGCCGGTGCTTCGTGCGGATTCGCACCGAGCTGTACGGAATCTGGCTCACCTTCATGCGCTGCTTCAACTACCCCGTGCGCGACAACACCATCAAGCTGACCATCGTGTGGTTCACTCTGTCTTTCGGCTACTATGGGCTGTCAGTGTGGTTCCCGGATGTCATCAAGCCGCTCCAATCCGATGAATACGCCCTGCTGACCCGCAATGTGGAGAGAGACAAATACGCCAACTTCACCATCAATTTCACCATGGAAAACCAGATTCACACCGGAATGGAGTACGACAATGGACGATTCATCGGAGTGAAGTTCAAGAGCGTGACCTTCAAGGACTCGGTGTTCAAGTCCTGTACCTTCGAGGACGTGACCAGCGTGAACACTTATTTTAAGAATTGCACCTTCATCGATACTGTGTTCGATAACACCGACTTCGAGCCCTATAAGTTCATTGACTCGGAGTTCAAGAACTGTTCATTCTTCCACAACAAGACTGGTTGCCAGATCACCTTCGATGACGACTACAGCGCCTACTGGATCTACTTTGTGAACTTTTTGGGAACTCTCGCAGTGCTTCCTGGCAACATTGTGTCCGCACTCCTGATGGATCGGATTGGCAGGCTCACGATGCTTGGGGGGTCCATGGTCCTCTCCGGGATCTCGTGCTTCTTCCTGTGGTTCGGCACCTCGGAGTCCATGATGATCGGAATGTTGTGCCTGTACAACGGTCTGACCATCAGCGCCTGGAACAGCCTCGACGTGGTCACCGTCGAGCTGTATCCTACCGACCGGCGCGCGACAGGCTTCGGATTCCTGAACGCACTGTGCAAGGCAGCCGCGGTCCTGGGAAATCTGATCTTTGGTTCGCTGGTGTCCATCACTAAGAGCATCCCTATTCTGCTCGCCTCCACGGTGCTCGTGTGTGGTGGCCTGGTCGGGCTGTGCCTGCCCGACACTCGCACCCAAGTGCTCATGGACTACAAGGATGACGATGATAAGGGAGACTACAAGGACGATGACGACAAGGGGGATTACAAGGACGACGATGACAAAGGAAGCGGCGCCACTAACTTTTCCCTGCTGAAGCAGGCCGGGGACGTCGAAGAAAACCCCGGGCCAATGCGCAACATTTTCAAGCGGAATCAGGAGCCTATCGTGGCCCCGGCCACCACTACCGCCACTATGCCTATTGGACCTGTCGACAACTCCACGGAATCAGGCGGCGCCGGCGAATCCCAAGAGGACATGTTCGCCAAGCTGAAGGAGAAACTGTTCAACGAAATCAACAAGATTCCCCTCCCGCCGTGGGCCCTGATCGCTATCGCTGTCGTCGCCGGACTGCTGCTGCTTACTTGCTGCTTCTGCATTTGCAAGAAGTGTTGTTGCAAGAAAAAGAAAAACAAGAAGGAAAAGGGGAAGGGAATGAAGAACGCCATGAATATGAAGGACATGAAGGGCGGACAGGATGATGATGATGCTGAAACTGGGCTGACTGAGGGCGAAGGAGAGGGCGAAGAGGAGAAGGAACCTGAGAACCTGGGAAAGCTCCAATTCTCCCTGGATTACGACTTCCAAGCCAACCAGCTGACTGTGGGAGTGTTGCAAGCCGCCGAGCTGCCAGCCCTGGACATGGGCGGCACCTCCGACCCCTATGTGAAGGTGTTCTTGCTGCCTGACAAGAAGAAGAAGTACGAAACCAAGGTGCACCGCAAGACCCTGAACCCCGCTTTCAACGAAACCTTCACTTTCAAAGTGCCCTACCAAGAGCTCGGGGGAAAGACTCTCGTGATGGCGATCTACGACTTCGACCGGTTCAGCAAGCACGATATCATCGGGGAGGTCAAGGTCCCGATGAACACCGTGGACCTTGGCCAACCGATTGAAGAATGGCGCGATCTCCAGGGTGGCGAAAAGGAGGAGCCCGAGAAACTGGGTGACATCTGTACATCACTGCGCTACGTGCCGACCGCCGGGAAGCTCACTGTCTGCATCCTGGAGGCCAAGAACCTGAAGAAAATGGACGTGGGCGGGCTCTCCGACCCTTACGTGAAGATCCACCTGATGCAGAACGGAAAGCGGCTGAAGAAGAAGAAAACCACTGTGAAGAAAAAGACTCTGAACCCCTACTTCAACGAGTCGTTCTCCTTCGAAATCCCGTTTGAGCAAATCCAGAAGGTCCAAGTGGTCGTGACTGTGCTTGACTACGACAAGCTCGGAAAGAACGAGGCCATTGGCAAAATCTTCGTGGGATCGAACGCAACTGGCACCGAGCTGAGACACTGGTCTGACATGCTCGCCAACCCAAGGCGGCCGATTGCTCAGTGGCACTCCTTGAAACCTGAGGAAGAAGTGGATGCCCTTCTTGGAAAGAACAAGATGTACCCCTACGACGTCCCTGATTACGCGGGATACCCGTACGATGTGCCTGACTATGCCGGCTACCCGTACGATGTGCCAGACTACGCTGGCTCCGGAGCCACGAACTTTTCGCTGCTGAAACAGGCCGGCGACGTGGAAGAAAATCCCGGTCCAATGATTGAACAAGATGGATTGCACGCTGGTTCTCCGGCCGCTTGGGTGGAGAGGCTATTCGGCTATGACTGGGCACAACAGACAATCGGCTGCTCTGATGCCGCCGTGTTCCGGCTGTCAGCGCAGGGGCGCCCGGTTCTTTTTGTCAAGACCGACCTGTCCGGTGCCCTGAATGAACTGCAGGACGAGGCAGCGCGGCTATCGTGGCTGGCCACGACGGGCGTTCCTTGCGCAGCTGTGCTCGACGTTGTCACTGAAGCGGGAAGGGACTGGCTGCTATTGGGCGAAGTGCCGGGGCAGGATCTCCTGTCATCTCACCTTGCTCCTGCCGAGAAAGTATCCATCATGGCTGATGCAATGCGGCGGCTGCATACGCTTGATCCGGCTACATGCCCATTCGACCACCAAGCGAAACATCGCATCGAGCGAGCACGTACTCGGATGGAAGCCGGTCTTGTCGATCAGGATGATCTGGACGAGGAACATCAGGGGCTCGCGCCAGCCGAACTGTTCGCCAGGCTCAAGGCGCGCATGCCCGACGGCGAGGATCTCGTCGTGACCCATGGCGATGCCTGCTTGCCGAATATCATGGTGGAAAATGGCCGCTTTTCTGGATTCATCGACTGTGGCCGGCTGGGTGTGGCGGACCGCTATCAGGACATAGCGTTGGCTACCCGTGATATTGCTGAGGAACTTGGCGGCGAATGGGCTGACCGCTTCCTCGTGCTTTACGGTATCGCCGCTCCCGATTCGCAGCGCATCGCCTTCTATCGCCTTCTTGACGAGTTCTTCTGATAG
【0228】
配列番号6
MSPCGRARRQTSRGAMAVLAWKFPRTRLPMGASALCVVVLCWLYIFPVYRLPNEKEIVQGVLQQGTAWRRNQTAARAFRKQMEDCCDPAHLFAMTKMNSPMGKSMWYDGEFLYSFTIDNSTYSLFPQATPFQLPLKKCAVVGNGGILKKSGCGRQIDEANFVMRCNLPPLSSEYTKDVGSKSQLVTANPSIIRQRFQNLLWSRKTFVDNMKIYNHSYIYMPAFSMKTGTEPSLRVYYTLSDVGANQTVLFANPNFLRSIGKFWKSRGIHAKRLSTGLFLVSAALGLCEEVAIYGFWPFSVNMHEQPISHHYYDNVLPFSGFHAMPEEFLQLWYLHKIGALRMQLDPCEDTSLQPTS
【0229】
配列番号7
GSGATNFSLLKQAGDVEENPGP
【0230】
配列番号8
MEEGFRDRAAFIRGAKDIAKEVKKHAAKKVVKGLDRVQDEYSRRSYSRFEEEDDDDDFPAPSDGYYRGEGTQDEEEGGASSDATEGHDEDDEIYEGEYQGIPRAESGGKGERMADGAPLAGVRGGLSDGEGPPGGRGEAQRRKEREELAQQYEAILRECGHGRFQWTLYFVLGLALMADGVEVFVVGFVLPSAEKDMCLSDSNKGMLGLIVYLGMMVGAFLWGGLADRLGRRQCLLISLSVNSVFAFFSSFVQGYGTFLFCRLLSGVGIGGSIPIVFSYFSEFLAQEKRGEHLSWLCMFWMIGGVYAAAMAWAIIPHYGWSFQMGSAYQFHSWRVFVLVCAFPSVFAIGALTTQPESPRFFLENGKHDEAWMVLKQVHDTNMRAKGHPERVFSVTHIKTIHQEDELIEIQSDTGTWYQRWGVRALSLGGQVWGNFLSCFGPEYRRITLMMMGVWFTMSFSYYGLTVWFPDMIRHLQAVDYASRTKVFPGERVEHVTFNFTLENQIHRGGQYFNDKFIGLRLKSVSFEDSLFEECYFEDVTSSNTFFRNCTFINTVFYNTDLFEYKFVNSRLINSTFLHNKEGCPLDVTGTGEGAYMVYFVSFLGTLAVLPGNIVSALLMDKIGRLRMLAGSSVMSCVSCFFLSFGNSESAMIALLCLFGGVSIASWNALDVLTVELYPSDKRTTAFGFLNALCKLAAVLGISIFTSFVGITKAAPILFASAALALGSSLALKLPETRGQVLQ
【0231】
配列番号9
MEDSYKDRTSLMKGAKDIAREVKKQTVKKVNQAVDRAQDEYTQRSYSRFQDEEDDDDYYPAGETYNGEANDDEGSSEATEGHDEDDEIYEGEYQGIPSMNQAKDSIVSVGQPKGDEYKDRRELESERRADEEELAQQYELIIQECGHGRFQWALFFVLGMALMADGVEVFVVGFVLPSAETDLCIPNSGSGWLGSIVYLGMMVGAFFWGGLADKVGRKQSLLICMSVNGFFAFLSSFVQGYGFFLFCRLLSGFGIGGAIPTVFSYFAEVLAREKRGEHLSWLCMFWMIGGIYASAMAWAIIPHYGWSFSMGSAYQFHSWRVFVIVCALPCVSSVVALTFMPESPRFLLEVGKHDEAWMILKLIHDTNMRARGQPEKVFTVNKIKTPKQIDELIEIESDTGTWYRRCFVRIRTELYGIWLTFMRCFNYPVRDNTIKLTIVWFTLSFGYYGLSVWFPDVIKPLQSDEYALLTRNVERDKYANFTINFTMENQIHTGMEYDNGRFIGVKFKSVTFKDSVFKSCTFEDVTSVNTYFKNCTFIDTVFDNTDFEPYKFIDSEFKNCSFFHNKTGCQITFDDDYSAYWIYFVNFLGTLAVLPGNIVSALLMDRIGRLTMLGGSMVLSGISCFFLWFGTSESMMIGMLCLYNGLTISAWNSLDVVTVELYPTDRRATGFGFLNALCKAAAVLGNLIFGSLVSITKSIPILLASTVLVCGGLVGLCLPDTRTQVLM
【0232】
配列番号10
MDDYKYQDNYGGYAPSDGYYRGNESNPEEDAQSDVTEGHDEEDEIYEGEYQGIPHPDDVKAKQAKMAPSRMDSLRGQTDLMAERLEDEEQLAHQYETIMDECGHGRFQWILFFVLGLALMADGVEVFVVSFALPSAEKDMCLSSSKKGMLGMIVYLGMMAGAFILGGLADKLGRKRVLSMSLAVNASFASLSSFVQGYGAFLFCRLISGIGIGGALPIVFAYFSEFLSREKRGEHLSWLGIFWMTGGLYASAMAWSIIPHYGWGFSMGTNYHFHSWRVFVIVCALPCTVSMVALKFMPESPRFLLEMGKHDEAWMILKQVHDTNMRAKGTPEKVFTVSNIKTPKQMDEFIEIQSSTGTWYQRWLVRFKTIFKQVWDNALYCVMGPYRMNTLILAVVWFAMAFSYYGLTVWFPDMIRYFQDEEYKSKMKVFFGEHVYGATINFTMENQIHQHGKLVNDKFTRMYFKHVLFEDTFFDECYFEDVTSTDTYFKNCTIESTIFYNTDLYEHKFINCRFINSTFLEQKEGCHMDLEQDNDFLIYLVSFLGSLSVLPGNIISALLMDRIGRLKMIGGSMLISAVCCFFLFFGNSESAMIGWQCLFCGTSIAAWNALDVITVELYPTNQRATAFGILNGLCKFGAILGNTIFASFVGITKVVPILLAAASLVGGGLIALRLPETREQVLM
【0233】
配列番号11
FPDMIRHLQAVDYASRTKVFPGERVEHVTFNFTLENQIHRGGQYFNDKFIGLRLKSVSFEDSLFEECYFEDVTSSNTFFRNCTFINTVFYNTDLFEYKFVNSRLINSTFLHNKEGCPLDVTGTGEGAY
【0234】
配列番号12
WFPDMIRYFQDEEYKSKMKVFFGEHVYGATINFTMENQIHQHGKLVNDKFTRMYFKHVLFEDTFFDECYFEDVTSTDTYFKNCTIESTIFYNTDLYEHKFINCRFINSTFLEQKEGCHMDLEQDNDFLIY
【0235】
配列番号13
WFPDVIKPLQSDEYALLTRNVERDKYANFTINFTMENQIHTGMEYDNGRFIGVKFKSVTFKDSVFKSCTFEDVTSVNTYFKNCTFIDTVFDNTDFEPYKFIDSEFKNCSFFHNKTGCQITFDDDYSAY
【0236】
配列番号14
MVSESHHEALAAPPVTTVATVLPSNATEPASPGEGKEDAFSKLKEKFMNELHKIPLPPWALIAIAIVAVLLVLTCCFCICKKCLFKKKNKKKGKEKGGKNAINMKDVKDLGKTMKDQALKDDDAETGLTDGEEKEEPKEEEKLGKLQYSLDYDFQNNQLLVGIIQAAELPALDMGGTSDPYVKVFLLPDKKKKFETKVHRKTLNPVFNEQFTFKVPYSELGGKTLVMAVYDFDRFSKHDIIGEFKVPMNTVDFGHVTEEWRDLQSAEKEEQEKLGDICFSLRYVPTAGKLTVVILEAKNLKKMDVGGLSDPYVKIHLMQNGKRLKKKKTTIKKNTLNPYYNESFSFEVPFEQIQKVQVVVTVLDYDKIGKNDAIGKVFVGYNSTGAELRHWSDMLANPRRPIAQWHTLQVEEEVDAMLAVKK
【0237】
配列番号15
MRNIFKRNQEPIVAPATTTATMPIGPVDNSTESGGAGESQEDMFAKLKEKLFNEINKIPLPPWALIAIAVVAGLLLLTCCFCICKKCCCKKKKNKKEKGKGMKNAMNMKDMKGGQDDDDAETGLTEGEGEGEEEKEPENLGKLQFSLDYDFQANQLTVGVLQAAELPALDMGGTSDPYVKVFLLPDKKKKYETKVHRKTLNPAFNETFTFKVPYQELGGKTLVMAIYDFDRFSKHDIIGEVKVPMNTVDLGQPIEEWRDLQGGEKEEPEKLGDICTSLRYVPTAGKLTVCILEAKNLKKMDVGGLSDPYVKIHLMQNGKRLKKKKTTVKKKTLNPYFNESFSFEIPFEQIQKVQVVVTVLDYDKLGKNEAIGKIFVGSNATGTELRHWSDMLANPRRPIAQWHSLKPEEEVDALLGKNK
【0238】
配列番号16
MVSKGEAVIKEFMRFKVHMEGSMNGHEFEIEGEGEGRPYEGTQTAKLKVTKGGPLPFSWDILSPQFMYGSRAFTKHPADIPDYYKQSFPEGFKWERVMNFEDGGAVTVTQDTSLEDGTLIYKVKLRGTNFPPDGPVMQKKTMGWEASTERLYPEDGVLKGDIKMALRLKDGGRYLADFKTTYKAKKPVQMPGAYNVDRKLDITSHNEDYTVVEQYERSEGRHSTGGMDELYK
【0239】
配列番号17
MASLPATHELHIFGSINGVDFDMVGQGTGNPNDGYEELNLKSTKGDLQFSPWILVPHIGYGFHQYLPYPDGMSPFQAAMVDGSGYQVHRTMQFEDGASLTVNYRYTYEGSHIKGEAQVKGTGFPADGPVMTNSLTAADWCRSKKTYPNDKTIISTFKWSYTTGNGKRYRSTARTTYTFAKPMAANYLKNQPMYVFRKTELKHSKTELNFKEWQKAFTGFEDFVGDWRQTAGYNLDQVLEQGGVSSLFQ
【0240】
配列番号18
LFTGVVPILVELDGDVNGHKFSVSGEGEGDATYGKLTLKFICTTGKLPVPWPTLVTTLSWGVQCFARYPDHMKQHDFFKSAMPEGYVQERTIFFKDDGNYKTRAEVKFEGDTLVNRIELKGIDFKEDGNILGHKLEYNYFSDNVYITADKQKNGIKANFKIRHNIEDGGVQLADHYQQNTPIGDGPVLLPDNHYLSTQSKLSKDPNEKRDHMVLLEFVTAAGL
【0241】
配列番号19
MAEDADMRNELEEMQRRADQLADESLESTRRMLQLVEESKDAGIRTLVMLDEQGEQLERIEEGMDQINKDMKEAEKNLTDLGKFCGLCVCPCNKLKSSDAYKKAWGNNQDGVVASQPARVVDEREQMAISGGFIRRVTNDARENEMDENLEQVSGIIGNLRHMALDMGNEIDTQNRQIDRIMEKADSNKTRIDEANQRATKMLGSG
【0242】
配列番号20
MIEQDGLHAGSPAAWVERLFGYDWAQQTIGCSDAAVFRLSAQGRPVLFVKTDLSGALNELQDEAARLSWLATTGVPCAAVLDVVTEAGRDWLLLGEVPGQDLLSSHLAPAEKVSIMADAMRRLHTLDPATCPFDHQAKHRIERARTRMEAGLVDQDDLDEEHQGLAPAELFARLKARMPDGEDLVVTHGDACLPNIMVENGRFSGFIDCGRLGVADRYQDIALATRDIAEELGGEWADRFLVLYGIAAPDSQRIAFYRLLDEFF
【0243】
配列番号21
MTEYKPTVRLATRDDVPRAVRTLAAAFADYPATRHTVDPDRHIERVTELQELFLTRVGLDIGKVWVADDGAAVAVWTTPESVEAGAVFAEIGPRMAELSGSRLAAQQQMEGLLAPHRPKEPAWFLATVGVSPDHQGKGLGSAVVLPGVEAAERAGVPAFLETSAPRNLPFYERLGFTVTADVEVPEGPRTWCMTRKPGA
【0244】
配列番号22
HTLEDFVGDWRQTAGYNLDQVLEQGGVSSLFQNLGVSVTPIQRIVLSGENGLKIDIHVIIPYEGLSGDQMGQIEKIFKVVYPVDDHHFKVILHYGTLVIDGVTPNMIDYFGRPYEGIAVFDGKKITVTGTLWNGNKIIDERLINPDGSLLFRVTINGVTGWRLCERILA
【符号の説明】
【0245】
[
図4]
Average Cell counts in HPF: HPF中の平均細胞数
Toxin concentration: 毒素濃度
[
図5、6、7、8]
FS Lin: FS線形
SS Log: SS対数
Regi...: 領域
Count: カウント
%Hist: ヒストグラム%
Mean: 平均
FITC Log: FITC対数
PE Log: PE対数
PE-Texas Red Log: PE-テキサスレッド対数
7AAD Log: 7AAD対数
PE-Cy7 Log: PE-Cy7対数
[
図7]
Contr: 対照
[
図8]
Control: 対照
[
図9]
NG108 mScarlet-SNAP25-GeNluc 2a Puro R BoNT/A and /E cleavage experiment: NG108 mScarlet-SNAP25-GeNluc 2a Puro R BoNT/Aおよび/E切断実験
Indicator with puro R: Puro R有り指標
Indicator without pro R: Puro R無し指標
Indicator N-terminal cleavage products BoNT/A: N末端切断生成物BoNT/A指標
Endogenous SNAP25 and cleavage product: 内因性SNAP25および切断生成物
Indicator N-terminal cleavage products BoNT/E: N末端切断生成物BoNT/E指標
No Toxin: 毒素なし
[
図10F~J]
Merge: 重ね合わせ
[
図13A]
Percent SNAP25 Cleavage: 切断されたSNAP25の百分率
【配列表】