(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-11
(45)【発行日】2025-04-21
(54)【発明の名称】鶏の捕獲及び籠詰め機
(51)【国際特許分類】
A01K 37/00 20060101AFI20250414BHJP
A01K 45/00 20060101ALI20250414BHJP
【FI】
A01K37/00
A01K45/00 Z
(21)【出願番号】P 2023081125
(22)【出願日】2023-04-25
【審査請求日】2024-12-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518457842
【氏名又は名称】マクロス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100073324
【氏名又は名称】杉山 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100134898
【氏名又は名称】岩田 克子
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 敏夫
【審査官】小林 直暉
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第113016664(CN,A)
【文献】欧州特許出願公開第1550373(EP,A2)
【文献】中国特許出願公開第108040921(CN,A)
【文献】特開昭63-296638(JP,A)
【文献】特開2023-004030(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K11/00-29/00
33/00-37/00
41/00-59/06
67/00
67/033-67/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項5】
前記回転ロールより後方の、前記走行台車における基台の前端に、前記回転ロールと平行するように自由回転ロールを回転自在に支承し、該自由回転ロールと前記回転ロールとの間に、それらの高さ方向に沿って、外面を凹凸形状となした複数の鶏飛び出し防止ベルトを掛け回してなる請求項1又は2記載の捕鶏機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、養鶏場の鶏舎内を走行してブロイラー等の食肉用の鶏を捕獲すると共に、捕獲した鶏を輸送籠に詰め込むことができるようになした鶏の捕獲及び籠詰め機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
養鶏場においては、ブロイラー等の食肉用の鶏を鶏舎内において多数平飼いしており、出荷時には輸送籠に鶏を所定羽数ずつ詰め込む作業が行われる。
【0003】
而して、斯かる作業は、具体的には、鶏を捕獲する作業と、捕獲した鶏を輸送籠に詰め込む作業と、更に所定羽数の鶏を詰めた輸送籠を運ぶ作業とからなっている。
【0004】
しかし、これらの各作業は、夫々人手によって行われるものであり、作業者にとっては体力的に相当な負担となり、また、作業にかなりの時間を要するものである。
【0005】
即ち、先ず、鶏を捕獲する作業については、作業者が1羽ずつ鶏を手で掴まえて捕獲することにより行われる。
【0006】
しかしながら、1羽ずつ手で掴まえて捕獲するごとに前屈みの姿勢をとらざるを得ず、体力的に相当な負担となり、また、鶏も逃げようとするため簡単に掴まえることができず、鶏舎内の多数の鶏の捕獲には多大な労力と時間を要していた。
【0007】
次に、捕獲した鶏を輸送籠に詰め込む作業については、捕獲した鶏を手で掴んで離れた場所にある輸送籠まで運ばなければならない。しかし、ブロイラーは大きなものは体重が3kgを超えるものまであり、これらの重い鶏を離れた場所にある輸送籠まで運ぶ作業は、体力的に相当な負担となるものであり、また、作業にかなりの時間を要するものである。そして、1つの輸送籠には収容羽数が7羽と決められていることから、1つの輸送籠に所定羽数の鶏を詰め込むには7往復する必要がある。
【0008】
そして更に、所定羽数の鶏を詰めた輸送籠を運ぶ作業が必要であるが、前記の通り1つの輸送籠には7羽の鶏が収容されており、したがって、全体が約20kg程度の重量になる。そして、このようにかなりの重量となった輸送籠を別の場所まで手で持って運ばなければならず、実に多大な労力と時間を要するものであった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであって、養鶏場において鶏の出荷時に必要な鶏の捕獲、捕獲した鶏の籠詰め、鶏を詰めた籠の運搬といった作業をできるだけ人手を要さずに行い、各作業に要する作業者の多大な労力を大幅に軽減することができると共に時間も大幅に短縮することができ、加えて作業者の員数を削減することもできるようになした鶏の捕獲及び籠詰め機を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
而して、本発明の要旨とするところは、基台の前部の左右夫々にモーターにより駆動する車輪を取り付けると共に後部にキャスターを取り付け、無線を利用した遠隔操作によって走行するようになした走行台車と、前記走行台車の基台の前部中央に設けた、外周に弾力性を有する材料からなり、表面を凹凸形状となした棒状体を多数放射状に植設した回転ロールの一対からなり、これら一対の回転ロールは、平行状態において垂直に支承され、モーターにより軸回りに逆方向に回転せしめられると共に、対向する部分においては棒状体の先端部同士が食い違い状になるようにしてなる捕鶏装置と、前記走行台車の基台の前記捕鶏装置の後方側に設けた、前後が開放する円筒状をなし、前記走行台車の軸方向と直交するように支承され、内側に、仕切り板をもって円周方向に沿って中心部側が解放する鶏収容空間を等間隔に形成し、モーターにより等速で低速回転する鶏搬送ドラム及び、前記走行台車の基台の前記鶏搬送ドラムの下部後方側に設けた囲い板と、前記走行台車の基台の前記鶏搬送ドラムの回転方向側の前後の側部に設けた囲い板とからなる鶏搬送装置と、前記走行台車の基台の上部に設けた、前記走行台車の軸方向に沿って延在し、前記鶏搬送ドラムの中心部を貫通する、輸送籠を載せて移動させるローラーコンベアとからなることを特徴とする鶏の捕獲及び籠詰め機にある。
【0011】
また、上記構成において、走行台車の基台のローラーコンベアの上方に、該ローラーコンベアと平行に、底板中央部に鶏の落下口を穿設した鶏受け枠を設けるようにしてもよい。
【0012】
また、上記構成において、回転ロールを、外周に放射状に多数植設した棒状体の間の、回転ロールの高さ方向における中央部に、硬質の材料からなる1本又は2本の押出し棒を植設してなる回転ロールとしてもよい。
【0013】
また、上記構成において、走行台車における基台の前端下部に、前記一対の回転ロールの下方に延び、先端側が地面側に傾斜した乗り上げガイド板を設けるようにしてもよい。
【0014】
また、上記構成において、前記回転ロールより後方の、前記走行台車における基台の前端に、前記回転ロールと平行するように自由回転ロールを回転自在に支承し、該自由回転ロールと前記回転ロールとの間に、それらの高さ方向に沿って、外面を凹凸形状となした複数の鶏飛び出し防止ベルトを掛け回すようにしてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明は上記の如き構成であるから、養鶏場において鶏の出荷時に必要な鶏の捕獲、捕獲した鶏の籠詰め、鶏を詰めた籠の運搬といった作業をできるだけ人手を要さずに行うことができるようになるものである。したがって、各作業に要する作業者の多大な労力を大幅に軽減することができると共に時間も大幅に短縮することができ、加えて作業者の員数を削減することもできるものである。
【0016】
また、走行台車の基台の前記ローラーコンベアの上方に、該ローラーコンベアと平行に、底板中央部に鶏の落下口を穿設した鶏受け枠を設けた場合には、鶏搬送ドラムの鶏収容空間から鶏が滑り落ちて輸送籠の開口から該輸送籠内に入り込むとき、例えば、先に入り込んだ鶏が邪魔になって入り込めなくなった場合に、該鶏を一時的に受け止め、その後落下口から輸送籠内に押し込むことができるようになるものである。
【0017】
また、鶏受け枠の底板中央部に穿設した鶏の落下口を、ローラーコンベアに沿った方向の長孔としておけば、該鶏受け枠の下部に、これに沿って複数の輸送籠を並べることにより、鶏受け枠に受け止められた鶏を複数の輸送籠に詰め込むことが可能となるものである。
【0018】
また、回転ロールを、外周に放射状に多数植設した棒状体の間の、回転ロールの高さ方向における中央部に、硬質の材料からなる1本又は2本の押出し棒を植設してなる回転ロールとした場合には、鶏の体の大きさや体重にかかわらず、全ての鶏をスムーズに引き込んで送り出すことができるようになるものである。
【0019】
即ち、鶏の体が平均的で体重がそれ程ない場合には、該鶏は一対の回転ロールの夫々の棒状体の間に挟まれて引き込まれ、後方に送り出されるが、体が大きく体重が3kgを超えるような場合には、該鶏は一対の回転ロールの夫々の棒状体の間に挟まれたまま動かなくなり、作業を中断せざるを得なくなる。
【0020】
斯かる場合において、回転ロールに硬質の材料からなる1本又は2本の押し出し棒を植設しておけば、回転ロールの回転に伴い押し出し棒が回転ロールの軸回りに回転し、一対の回転ロールの棒状体の間に挟まれたまま動かなくなった鶏を後方側に押し出すことができるものである。もって、作業を中断しなくても済むようになるものである。
【0021】
また、走行台車における基台の前端下部に、前記一対の回転ロールの下方に延び、先端側が地面側に傾斜した乗り上げガイド板を設けるようにした場合には、捕獲する鶏をスムーズに一対の回転ロールに送り込むことができるようになるものである。
【0022】
即ち、前記乗り上げガイド板がない場合には、一対の回転ロールと地面との間に大きな隙間があることによって段差が生じることになる。そして、この場合には回転ロールの棒状体は鶏の体の中心部ではなく、上側部分のみを擦るようになり、また、鶏がしゃがむと更に挟み込みにくくなる。
【0023】
斯かる場合において、走行台車における基台の前端下部に、前記の如く、一対の回転ロールの下方に延び、先端側が地面側に傾斜した乗り上げガイド板を設けた場合には、該乗り上げガイド板が鶏の足元を掬って鶏全体を該乗り上げガイド板上に乗せ、更に基台が前進することによって鶏を乗り上げガイド板上を上方向に押し上げることになるものである。そして、これにより鶏の体の中心部が一対の回転ロールの棒状体間にスムーズに挟み込まれるようになるものである。
【0024】
また、回転ロールより後方の、走行台車における基台の前端に、回転ロールと平行するように自由回転ロールを回転自在に支承し、該自由回転ロールと回転ロールとの間に、それらの高さ方向に沿って、外面を凹凸形状となした複数の鶏飛び出し防止ベルトを掛け回すようにした場合には、回転する回転ロールの棒状体に羽根が絡んだ鶏があるときに、該鶏を外方に飛び出さないようにすることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る鶏の捕獲及び籠詰め機の斜視図である。
【
図6】棒状体を一部切欠して示した回転ロールの下部の拡大斜視図である。
【
図8】本発明の第1実施形態に係る鶏の捕獲及び籠詰め機の作用説明図である。
【
図9】本発明の第2実施形態に係る鶏の捕獲及び籠詰め機の正面図である。
【
図12】同鶏の落下口を長孔とした場合の平面図である。
【
図13】同鶏の落下口を長孔とした場合の作用説明図である。
【
図14】鶏飛び出し防止ベルトを使用する場合の部分拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
【0027】
先ず、
図1乃至
図8に示した本発明の第1実施形態について説明する。
図中、1は鶏の捕獲及び籠詰め機である。また、該鶏の捕獲及び籠詰め機1は、後記走行台車と、捕鶏装置と、鶏搬送装置と、ローラーコンベアとからなるものである。
【0028】
2は前記鶏の捕獲及び籠詰め機1における走行台車である。また、該走行台車2は、基台3の前部の左右夫々にモーター4により駆動する車輪5、5を取り付けると共に後部にキャスター6、6を取り付け、無線を利用した遠隔操作によって走行するようになしたものである。尚、左右の車輪5、5は、左右のモーター4の正逆制御によって前進/後退を行い、左右のモーター4の回転速度を変えて方向転換をするものである。また、7は基台3に搭載した前記モーター4の電源となるバッテリー、8は基台3に搭載した無線通信機器である。
【0029】
9は前記走行台車2の基台3の前部中央に設けた捕鶏装置である。また、該捕鶏装置9は、外周に弾力性を有する材料からなり、
図6に示す如く、表面を凹凸形状となした棒状体10、10、10・・・を多数放射状に植設した回転ロール11の一対からなるものである。また、これら一対の回転ロール11、11は、平行状態において垂直に支承され、
図1及び
図4に示す如く、モーター12により軸回りに逆方向に回転せしめられると共に、
図2及び
図4に示す如く、対向する部分においては棒状体10の先端部同士が食い違い状になるようにしてなるものである。
【0030】
また、本実施形態においては、
図6その他に示す如く、前記回転ロール11、11は、外周に放射状に多数植設した棒状体10、10、10・・・の間の、回転ロール11、11の高さ方向における中央部に、硬質の材料からなる1本又は2本の押し出し棒13を植設している。
【0031】
また、本実施形態においては、
図5その他に示す如く、前記走行台車2における基台3の前端下部に、前記一対の回転ロール11、11の下方に延び、先端側が地面側に傾斜した乗り上げガイド板14を設けている。
【0032】
15は前記走行台車2の基台3の前記捕鶏装置9の後方側に設けた鶏搬送装置である。また、該鶏搬送装置15は、前後が解放する円筒状をなし、前記走行台車2の軸方向と直交するように支承され、内側に、仕切り板16、16、16・・・をもって円周方向に沿って中心部側が解放する鶏収容空間17、17、17・・・を等間隔に形成し、モーター18により等速で低速回転する鶏搬送ドラム19と、前記走行台車2の基台3の前記鶏搬送ドラム19の下部後方側に設けた網状の囲い板20と、前記走行台車2の基台3の前記鶏搬送ドラム19の回転方向側の前後の側部に設けた網状の囲い板21、21とからなるものである。
【0033】
また、本実施形態においては、前記鶏搬送ドラム19は、前記走行台車2の基台3の上部に立ち上がった支承フレーム3Aをもって支承され、該鶏搬送ドラム19の外周の前後の縁に設けたレール22、22と、該レール22、22の外側においてそれらと接触し、摩擦力によって転動する摩擦車23、23、24、24とによって回転せしめられるものである。尚、前記摩擦車23、23は、前記支承フレーム3Aの上部側に回転自在に支持され、また、前記摩擦車24、24は、前記支承フレーム3Aの下部側に支持されると共に、前記走行台車2の基台3に支持された前記モーター18をもって回転せしめられるものである。
【0034】
また、前記鶏搬送ドラム19は、その回転速度を、各鶏収容空間17、17、17・・・の夫々から1秒間に1羽ずつ落下する程度の速度とすることが望ましい。
【0035】
また、前記網状の囲い板20は、前記捕鶏装置9における一対の回転ロール11、11によって後方側に送り出された鶏を受け止め、前記鶏搬送ドラム19の鶏収容空間17内に位置せしめるためのものである。
【0036】
また、前記網状の囲い板21、21は、前記鶏搬送ドラム19が回転するときにおいて、鶏収容空間17から鶏が飛び出さないようにするためのものであり、本実施形態においては前記鶏搬送ドラム19が時計回りに回転するため、これの左側の前後に設けている。
【0037】
25は前記走行台車2の基台3の上部に設けた、前記走行台車2の軸方向に沿って延在し、前記鶏搬送ドラム19の中心部を貫通する、輸送籠を載せて移動させるローラーコンベアである。また、その他、図中26は輸送籠、27は鶏、28a、28b、28c、28dは作業者を示す。尚、前記作業者28aは走行台車2を走行させる係、28bはローラーコンベア25に空の輸送籠26を載せる係、28cは輸送籠26に鶏を詰める係、28dは鶏を詰めた輸送籠26を輸送籠移送台車(図示せず。)等に移す係である。
【0038】
次に、上記実施形態の作用について説明する。
作業者は無線を利用した遠隔操作により走行台車2を鶏舎内の鶏の群れに近付ける。そして、更に接近して該走行台車2における基台3の前端下部に設けた乗り上げガイド板14を狙った鶏に近付けると、該鶏は該乗り上げガイド板14に足元を掬われて該乗り上げガイド板14上に乗せられる。更に走行台車2が前進すると、該乗り上げガイド板14上において捕鶏装置9における一対の回転ロール11、11間に押し上げられ、該一対の回転ロール11、11に植設した多数の棒状体10、10、10・・・によって挟まれる。そして、走行台車2側に送り出されるものである。そして、このようにして送り出された鶏は、等速で低速回転する鶏搬送ドラム19の下部側に位置する鶏収容空間17内に順次入り込む。そして、該鶏は、鶏搬送ドラム19の回転に伴い、
図8に示す如く、上方に搬送され、仕切り板17が垂直近くに傾斜した状態になった位置において、鶏搬送ドラム19の中心部に向けて滑り落ちる。そして、滑り落ちた鶏は、ローラーコンベア25上において鶏の落下位置に置かれた輸送籠26の開口から該輸送籠26内に直接入り込むものである。そして、該輸送籠26に順次鶏が所定羽数入り込んだら蓋をして籠詰めが完了するものである。そして、籠詰めを完了した輸送籠26は、ローラーコンベア25によって送り出すものである。
【0039】
本実施形態は上記の如き構成であるから、養鶏場において鶏の出荷時に必要な鶏の捕獲、捕獲した鶏の籠詰め、鶏を詰めた籠の運搬といった作業をできるだけ人手を要さずに行うことができるようになるものである。したがって、各作業に要する作業者の多大な労力を大幅に軽減することができると共に時間も大幅に短縮することができ、加えて作業者の員数も削減することができる。
【0040】
また、回転ロール11を、外周に放射状に多数植設した棒状体10、10、10・・・の間の、回転ロールの高さ方向における中央部に、硬質の材料からなる1本又は2本の押出し棒13を植設してなる回転ロールとしたから、鶏の体の大きさや体重にかかわらず、全ての鶏をスムーズに引き込んで送り出すことができるようになるものである。
【0041】
また、走行台車2における基台3の前端下部に、前記一対の回転ロール11、11の下方に延び、先端側が地面側に傾斜した乗り上げガイド板14を設けているから、捕獲する鶏をスムーズに一対の回転ロールに送り込むことができるようになるものである。
【0042】
次に、
図9乃至
図13に示した本発明の第2実施形態について説明する。
【0043】
本実施形態と前記第1実施形態との相違点は、本実施形態において、前記走行台車2の基台3の前記ローラーコンベア25の上方に、該ローラーコンベア25と平行に、底板中央部に鶏の落下口29を穿設した鶏受け枠30を設けた点にある。尚、その他の構成並びに作用は前記第1実施形態と同様であるから、同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0044】
而して、本実施形態は、前記の如くなしたから、鶏搬送ドラム19の鶏収容空間17から鶏が滑り落ちて輸送籠26の開口から該輸送籠26内に入り込むとき、例えば、先に入り込んだ鶏が邪魔になって入り込めなくなった場合に、
図11に示す如く、鶏を一時的に受け止め、その後落下口29から輸送籠26内に押し込むことができるようになるものである。
【0045】
また、鶏受け枠30の底板中央部に穿設した鶏の落下口29を、
図12に示す如く、ローラーコンベア25に沿った方向の長孔としておけば、
図13に示す如く、該鶏受け枠30の下部に、これに沿って複数の輸送籠26を並べることにより、該鶏受け枠30に受け止められた鶏を複数の輸送籠に詰め込むことが可能となるものである。
【0046】
また、
図14に示す如く、前記回転ロール11より後方の、前記走行台車2における基台3の前端に、前記回転ロール11と平行するように自由回転ロール31を回転自在に支承し、該自由回転ロール31と前記回転ロール11との間に、それらの高さ方向に沿って、外面を凹凸形状となした複数の鶏飛び出し防止ベルト32、32を掛け回すようにした場合には、回転する回転ロール11の棒状体10に羽根が絡んだ鶏があるときに、該鶏を外方に飛び出さないようにすることができるものである。
【符号の説明】
【0047】
1 鶏の捕獲及び籠詰め機
2 走行台車
3 基台
3A 支承フレーム
4 モーター
5、5 車輪
6、6 キャスター
9 捕鶏装置
10、10 棒状体
11、11 回転ロール
12 モーター
13 押し出し棒
14 乗り上げガイド板
15 鶏搬送装置
16、16 仕切り板
17、17 鶏収容空間
18 モーター
19 鶏搬送ドラム
20 囲い板
21、21 囲い板
22、22 レール
23、23 摩擦車
24、24 摩擦車
25 ローラーコンベア
30 鶏受け枠
31 自由回転ロール
32、32 鶏飛び出し防止ベルト