IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ディズニー エンタープライゼス インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特許-コンテンツの表示中の光感受性の緩和 図1
  • 特許-コンテンツの表示中の光感受性の緩和 図2
  • 特許-コンテンツの表示中の光感受性の緩和 図3
  • 特許-コンテンツの表示中の光感受性の緩和 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-11
(45)【発行日】2025-04-21
(54)【発明の名称】コンテンツの表示中の光感受性の緩和
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/431 20110101AFI20250414BHJP
   H04N 21/436 20110101ALI20250414BHJP
   H04N 21/488 20110101ALI20250414BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20250414BHJP
【FI】
H04N21/431
H04N21/436
H04N21/488
G06F3/01 560
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023183820
(22)【出願日】2023-10-26
(65)【公開番号】P2024096515
(43)【公開日】2024-07-16
【審査請求日】2024-01-23
(31)【優先権主張番号】18/092,639
(32)【優先日】2023-01-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504399716
【氏名又は名称】ディズニー エンタープライゼス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【氏名又は名称】石井 裕充
(72)【発明者】
【氏名】マーク アラナ
【審査官】大西 宏
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-527359(JP,A)
【文献】特表2023-552742(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0181291(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0036442(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2022/0182717(US,A1)
【文献】国際公開第2015/107880(WO,A1)
【文献】森田 寿哉 Toshiya MORITA,光感受性発作を防止する映像変換技術の開発,映像情報メディア学会技術報告,Vol.30 No.22,日本,(社)映像情報メディア学会,2006年03月14日,PP.33-36
【文献】Laura South,Photosensitive Accessibility for Interactive Data Visualizations,IEEE Transactions on Visualization and Computer Graphics,Volume: 29, Issue: 1,米国,IEEE,2022年09月27日,PP.374-384,https://ieeexplore.ieee.org/stamp/stamp.jsp?tp=&arnumber=9904428
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 -21/858
G06F 3/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハードウェアプロセッサと、
ソフトウェアアプリケーションを記憶するシステムメモリと
を備えるシステムにおいて、
前記ハードウェアプロセッサは、前記ソフトウェアアプリケーションを実行して、
視聴者による視聴用のコンテンツがプライマリ・ディスプレイ上に表示されている間に、前記プライマリ・ディスプレイ上に表示されようとしている前記コンテンツのタイムライン上の部分が前記視聴者による光感受性反応を誘発し得ると判定することと、
前記視聴者に対する警報であって、前記プライマリ・ディスプレイからの前記コンテンツの視聴を、セカンダリ・ディスプレイからの前記コンテンツの視聴に切り替えるように促す警報を生成することと、
前記セカンダリ・ディスプレイ上に前記コンテンツの前記部分を表示することとを行うように構成されている、システム。
【請求項2】
前記セカンダリ・ディスプレイは、前記プライマリ・ディスプレイに比べて画面のサイズが小さい、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記プライマリ・ディスプレイ上に表示されようとしている前記コンテンツの前記部分が前記光感受性反応を誘発し得るとの判定は、受信したオーディオに基づいて行われる、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記プライマリ・ディスプレイ上に表示されようとしている前記コンテンツの前記部分が前記光感受性反応を誘発し得るとの判定は、無線又は有線接続を介して受信したデータ信号に基づいて行われる、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記ハードウェアプロセッサは、前記ソフトウェアアプリケーションを実行して、前記システムメモリに記憶されたコンテンツデータベースから前記コンテンツの前記部分を取得するようにさらに構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ハードウェアプロセッサは、前記ソフトウェアアプリケーションを実行して、前記セカンダリ・ディスプレイ上に前記コンテンツの前記部分を表示した後、前記セカンダリ・ディスプレイ上における前記コンテンツの表示を中止するようにさらに構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記ハードウェアプロセッサは、前記ソフトウェアアプリケーションを実行して、前記プライマリ・ディスプレイ上に前記コンテンツを表示しているプレイアウト制御システムから前記コンテンツの前記部分を取得するようにさらに構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記システムは、スマートフォン、タブレットコンピュータ、またはウェアラブル装置のうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記セカンダリ・ディスプレイは、前記システムと一体化されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記セカンダリ・ディスプレイは、前記システムとは別個である、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
ハードウェアプロセッサと、ソフトウェアアプリケーションを記憶するシステムメモリとを備えるシステムによって使用される方法であって、
視聴者による視聴用のコンテンツがプライマリ・ディスプレイ上に表示されている間に、前記ハードウェアプロセッサによって実行される前記ソフトウェアアプリケーションによって、前記プライマリ・ディスプレイ上に表示されようとしている前記コンテンツのタイムライン上の部分が前記視聴者による光感受性反応を誘発し得ると判定することと、
前記ハードウェアプロセッサによって実行される前記ソフトウェアアプリケーションによって、前記視聴者に対する警報であって、前記プライマリ・ディスプレイからの前記コンテンツの視聴を、セカンダリ・ディスプレイからの前記コンテンツの視聴に切り替えるように促す警報を生成することと、
前記ハードウェアプロセッサによって実行される前記ソフトウェアアプリケーションによって、前記セカンダリ・ディスプレイ上に前記コンテンツの前記部分を表示することとを含む方法。
【請求項12】
前記セカンダリ・ディスプレイは、前記プライマリ・ディスプレイに比べて画面のサイズが小さい、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記プライマリ・ディスプレイ上に表示されようとしている前記コンテンツの前記部分が前記光感受性反応を誘発し得ると判定することは、受信したオーディオに基づいて行われる、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記プライマリ・ディスプレイ上に表示されようとしている前記コンテンツの前記部分が前記光感受性反応を誘発し得ると判定することは、無線又は有線接続を介して受信したデータ信号に基づいて行われる、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記システムメモリに記憶されたコンテンツデータベースから前記コンテンツの前記部分を取得することをさらに含む、請求項11記載の方法。
【請求項16】
前記セカンダリ・ディスプレイ上に前記コンテンツの前記部分を表示した後、前記セカンダリ・ディスプレイ上における前記コンテンツの表示を中止することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記プライマリ・ディスプレイ上に前記コンテンツを表示しているプレイアウト制御システムから前記コンテンツの前記部分を取得することをさらに含む、請求項11に記載の
方法。
【請求項18】
前記システムは、スマートフォン、タブレットコンピュータ、またはウェアラブル装置のうちの少なくとも1つを備える、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記セカンダリ・ディスプレイは、前記システムと一体化されている、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記セカンダリ・ディスプレイは、前記システムとは別個である、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
現代の映画および他の映画の高品質コンテンツは、見事な視覚効果を提供することができる。さらに、大型の超高精細ディスプレイ画面などのディスプレイ機能は、そのようなコンテンツを見ている視聴者の経験を増強する。現代の高解像度コンテンツの製造およびディスプレイ技術に関連する多くの審美的利点にもかかわらず、これらの技術によって可能となる急激に変化する視覚効果および鮮明な色は、一部の敏感な視聴者において、視聴条件によっては、光感受性反応を誘発し得る。そのような光感受性反応は、不快なめまい、さらには重度の空間識失調(vertigo)、不快感、片頭痛などの頭痛、またはそれらの症状の任意の組み合わせの形態をとり得る。さらに、比較的まれなケースではあるが、光感受性反応は、典型的なてんかんに罹患していない人であっても、潜在的に命の危険を及ぼす発作を含む光感受性発作の形態をとり得る。これらの光感受性反応は、大人よりも、18歳未満の視聴者により多く見られ、光感受性反応を経験するリスクを緩和するための解決策が採られないと、若い視聴者をより危険にさらす。
【図面の簡単な説明】
【0002】
図1】一実装形態に係る、コンテンツの表示中に光感受性の緩和が実行される使用環境を示す図である。
図2図2Aは、一実装形態に係る、コンテンツの表示中に光感受性の緩和を図ることができる例示的なシステムを示す図である。図2Bは、別の実装形態に係る、コンテンツの表示中に光感受性の緩和を図ることができる例示的なシステムを示す図である。図2Cは、さらに別の実装形態に係る、コンテンツの表示中に光感受性の緩和を図ることができる例示的なシステムを示す図である。
図3】一実装形態に係る、コンテンツの表示中に光感受性の緩和を図ることができるように構成されたユーザシステムのより詳細な例を示す図である。
図4】一実装形態に係る、コンテンツの表示中に光感受性の緩和を図ることができるシステムによって使用される例示的な方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0003】
以下の説明は、本開示における実装形態に関する具体的な情報を含む。当業者は、本開示内容を、本明細書において具体的に述べる方法とは異なる方法で実施することができることを認識するであろう。本願の各図面および付随する詳細な説明は、代表的な実装形態を示すためのものにすぎない。特に断りのない限り、同等または類似の構成要素については、複数の図面にわたって同等または類似の符号が付される。さらに、本願の図面および説明は、概して、一定の縮尺ではなく、また、実際の相対的寸法に一致させることを意図するものではない。
【0004】
本出願は、コンテンツの表示中に、コンテンツを視聴している人(以下、「視聴者」という。)にみられる光感受性の緩和を図るためのシステムおよび方法を開示する。上述のように、現代の高解像度コンテンツの製造およびディスプレイ技術に関連する多くの審美的利点にもかかわらず、これらの技術によって可能となる急激に変化する視覚効果および鮮明な色は、一部の敏感な視聴者において、視聴条件によっては、光感受性反応を誘発し得る。そのような光感受性反応は、不快なめまい、さらには重度の空間識失調、不快感、片頭痛などの頭痛、またはそれらの症状の任意の組み合わせの形態をとり得る。さらに、比較的まれなケースではあるが、光感受性反応は、典型的なてんかんに罹患していない人であっても、潜在的に命の危険を及ぼす発作を含む光感受性発作の形態をとり得る。これらの光感受性反応は、大人よりも、18歳未満の視聴者により多く見られ、光感受性反応を経験するリスクを緩和するための解決策が採られないと、若い視聴者をより危険にさらす。
【0005】
概要として、本開示の光感受性を緩和する解決策は、コンテンツがプライマリ・ディスプレイ上に表示されている間に、プライマリ・ディスプレイ上に表示されようとしているそのコンテンツの部分が視聴者による光感受性反応を誘発し得ると判定することと、視聴者に対し、より小さい画面サイズを有するセカンダリ・ディスプレイからコンテンツを一時的に視聴するように促す警報を生成して、視野を変更させることとを含む。本解決策は、コンテンツにおいて光感受性を潜在的に誘発する部分をセカンダリ・ディスプレイ上に表示することと、当該コンテンツ部分の表示が終了した後にセカンダリ・ディスプレイ上におけるコンテンツの表示を中止することとをさらに含み、それによって、視聴者に、プライマリ・ディスプレイからのコンテンツの視聴に戻っても安全であると有利に合図(signaling)することができる。例えば、コンテンツの視聴をセカンダリ・ディスプレイに切り替えるための警報、またはプライマリ・ディスプレイからのコンテンツの視聴に戻るための合図(signal)は、視聴者の手首に対するバズ(buzz)などの触覚(haptic)効果により行うことができる。一実装形態では、例えば、コンテンツの視聴をセカンダリ・ディスプレイに切り替えるための警報、及びプライマリ・ディスプレイからのコンテンツの視聴に戻るための合図は、複数の短いバズまたは可聴ビープ音とすることができる。上記に加えて、本発明の光感受性を緩和する解決策は、有利には、自動化されたシステムおよび方法として実施され得ることに留意されたい。
【0006】
本出願で使用される「自動化(automation)」、「自動化された(automated)」、および「自動化(automating)」の各用語は、人間のシステム操作者の参加を必要としないシステムおよびプロセスを指す。いくつかの実装形態においては、システム操作者またはシステム管理者が、自動化されたシステムの性能を検討または調整することもできるが、本明細書で説明する自動化された方法によれば、そのような人間の関与は任意である。したがって、本出願に係る各方法は、開示される自動化されたシステムのハードウェア処理構成要素の制御下で実行され得る。
【0007】
図1は、一実装形態による、コンテンツの表示中に光感受性の緩和が実行される使用環境100の図を示す。図1に示されるように、使用環境100は、コンテンツプレイアウト制御システム102を備えることができる。コンテンツプレイアウト制御システム102は、ハードウェアプロセッサ104及びメモリ106を有する。メモリ106はコンピュータ可読非一時的記憶媒体として実装されており、ソフトウェアコード120およびコンテンツデータベース110を記憶する。図1にさらに示すように、コンテンツデータベース110は、コンテンツプレイアウト制御システム102によってプライマリ・ディスプレイ152上に表示されているコンテンツ154と、コンテンツ154のコンテンツ部分112とを含む。コンテンツ部分112は、コンテンツ154の視聴者にとって潜在的な光感受性を誘発すると判定される部分である。
【0008】
図1にさらに示されるように、プライマリ・ディスプレイ152は、コンテンツ視聴環境150内に位置している。コンテンツ視聴環境150は、ユーザシステム160aおよび160bをそれぞれ保持する視聴者156aおよび156bによって使用される。いくつかの実装形態では、図1に示されるように、ユーザシステム160aおよび160bの一方または両方が、通信ネットワーク130およびネットワーク通信リンク132を介してコンテンツプレイアウト制御システム102と通信することができてもよい。図2A図2B図2C、および図3を参照して、以下でより詳細に説明するように、ユーザシステム160aおよび160bは、それぞれ、少なくとも、ハードウェアプロセッサ、システムメモリ、送受信機、およびディスプレイ(ユーザシステム160aおよび160bのいずれか一方が備えるディスプレイ、以下「セカンダリ・ディスプレイ」と呼ぶ。)を含む。
【0009】
いくつかの実装形態では、コンテンツ視聴環境150は、屋内会場の形態をとることができる。そのような屋内会場は、例えば、映画館またはホームシアターを含むことができる。あるいは、いくつかの実装形態では、コンテンツ視聴環境150は、野外スポーツアリーナもしくはスタジアム、またはドライブインシアターなどの屋外会場の形態をとり得る。
【0010】
視聴者156aおよび156bなどの視聴者による光感受性反応に関して、そのような反応は、プライマリ・ディスプレイ152上のコンテンツ154の表示中に示される画像における特定の遷移をトリガとして誘発され得ることに留意されたい。これらの遷移は、明暗のコントラストを含み得る。よって、コンテンツ視聴環境150が暗闇または暗闇に近い場合に、当該コンテンツ視聴環境150において明るいコンテンツを視聴することにより、光感受性反応の可能性が増加する場合がある。他の潜在的な光感受性反応のトリガとしては、閃光のパターン、閃光色の特定の組み合わせ、閃光または色の特定の周波数、および閃光または色の移動パターンを含む。さらに、例えば、映画館などの娯楽会場における映写スクリーンなどの大きな画面サイズを有するディスプレイ、または、85インチ(85”)、120インチ(120”)、または150インチ(150”)のディスプレイ画面を有するディスプレイなど大画面ホームシアターディスプレイ上で、上述したような視覚効果のいずれかが観察されるとき、当該視覚効果によって光感受性反応が誘発され得る可能性が増加する。
【0011】
図1によって示される例示的な実装形態によれば、視聴者156aおよび156bの一方または両方は、それぞれのユーザシステム160aおよび160bを利用して、コンテンツ154がプライマリ・ディスプレイ152上に表示されている間に、プライマリ・ディスプレイ152上に表示されようとしているコンテンツ154のコンテンツ部分112が視聴者156aおよび156bの一方または両方による光感受性反応を誘発し得ると判定することができる。コンテンツ部分112が視聴者156aおよび156bの両方にとって潜在的なトリガとなる使用事例では、ユーザシステム160aおよび160bは、警報を生成するように構成される。警報は、それぞれの視聴者156aおよび156bに対し、それぞれのユーザシステム160aおよび160bによって提供または制御され、プライマリ・ディスプレイ152よりも小さい画面サイズを有するセカンダリ・ディスプレイから、コンテンツ154のコンテンツ部分112を一時的に視聴するように促す。
【0012】
コンテンツ154のコンテンツ部分112が光感受性反応を誘発し得るとの判定は、視聴者156aおよび156bの各々に対して個別に行うことができ、視聴者156aおよび156bの嗜好、視聴者156aおよび156bのユーザプロファイル、または視聴者156aおよび156bの嗜好およびユーザプロファイルに少なくとも部分的に基づいて行うことができることに留意されたい。したがって、様々な使用事例では、コンテンツ部分112の内容によっては、視聴者156aまたは156bのいずれも、セカンダリ・ディスプレイからコンテンツ部分112を一時的に見るように警告されない場合もあれば、視聴者156aおよび156bの両方がそのように警告される場合、または視聴者156aおよび156bの両方ではなくどちらか一方が警告される場合もある。
【0013】
コンテンツ154は、例えば、音声が付随しないビデオ、または、映画、テレビ(TV)番組コンテンツ、またはビデオゲームなどの音声ビデオ(AV)コンテンツ、その他のコンテンツであってよく、または、これらを含むものでであってよい。コンテンツ154にAVコンテンツが含まれるいくつかの使用事例では、コンテンツ154の部分として含まれる音声に基づいて、プライマリ・ディスプレイ152上に表示されようとしているコンテンツ部分112が光感受性反応を誘発し得ると判定するができる。代案として、いくつかの実装形態では、プライマリ・ディスプレイ152上に表示されようとしているコンテンツ部分112が光感受性反応を誘発し得るという判定は、ユーザシステム160aおよび160bの各々にコピーとして格納されたコンテンツ154上で、ユーザシステム160aおよび160bにより実行される光感受性試験アルゴリズムに基づいて行うことができる。別の代案として、プライマリ・ディスプレイ152上に表示されようとしているコンテンツ部分112が光感受性反応を誘発し得るという判定は、通信ネットワーク130およびネットワーク通信リンク132を介してコンテンツプレイアウト制御システム102から無線データ信号を受信することに基づいて行うことができる。図1では、ユーザシステム160aおよび160bは、コンテンツプレイアウト制御システム102と無線通信しているものとして示されているが、その表現は単なる例示であることに留意されたい。いくつかの代替的な実装形態では、ユーザシステム160aおよび160bの一方または両方が、視聴者156aおよび156bの各々によって使用されるそれぞれの映画館シートに「プラグイン」されることなどによって、有線接続を介してコンテンツプレイアウト制御システムに通信可能に結合されてもよい。したがって、いくつかの実装形態では、プライマリ・ディスプレイ152上に表示されようとしているコンテンツ部分112が光感受性反応を誘発し得るという判定は、有線接続を介してコンテンツプレイアウト制御システム102からデータ信号を受信することに基づいて行うことができる。さらに、様々な使用事例において、プライマリ・ディスプレイ152上に表示されようとしているコンテンツ部分112が光感受性反応を誘発し得ると判定するための上述の手順(modalities)は、任意に組み合わせて採用してもよいことに留意されたい。
【0014】
なお、通信ネットワーク130は、例えば、インターネット等のパケット交換網であってもよい。あるいは、通信ネットワーク130は、別のタイプの広域通信網(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、または任意の種類のプライベート配信ネットワークまたは限定配信ネットワークであり得る。加えて、または代案として、いくつかの実装形態では、通信ネットワーク130は、例えば、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)またはBluetooth(商標)などの、ローカルエリアブロードキャスト(一斉同報)方法に対応し得る。さらに、いくつかの実装形態では、通信ネットワーク130は、ハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)に適した高速ネットワーク、例えば、10GigEネットワークまたはInfiniband(商標)ネットワークであり得る。
【0015】
図2A図2B、および図2Cを参照すると、これらの図は、コンテンツの表示中に光感受性を緩和することができるユーザシステムの特定の例示的な実施例を示す。図2Aに示すように、いくつかの実装形態では、ユーザシステム260aは、スマートフォンまたはタブレットコンピュータなどのハンドヘルドデバイスの形態をとることができる。これらのハンドヘルドデバイスは、ユーザシステム260aと一体化されたセカンダリ・ディスプレイ266aを含む。代案として、図2Bに示されるように、いくつかの実装形態では、ユーザシステム260bは、例えば、スマートウォッチなどのウェアラブルデバイスの形態をとり得る。ウェアラブルデバイスは、ユーザシステム260bと一体化されたセカンダリ・ディスプレイ266bを含む。別の代案として、図1と組み合わせて図2Cを参照することによって示されるように、いくつかの実装形態では、ユーザシステム260cは、ユーザシステム260cとは別個のセカンダリデバイス261と通信を行い、ユーザシステム260cおよびセカンダリデバイス261を利用する視聴者に向けて、セカンダリデバイス261のセカンダリ・ディスプレイ266cにコンテンツ部分112を表示させるように構成され得る。
【0016】
ユーザシステム260a、260b、および260cのいずれも、概して、図1のユーザシステム160aおよび160bの一方または両方に対応し得る。したがって、本開示によれば、ユーザシステム160aおよび160bは、ユーザシステム260a、260b、または260cが備える特性のいずれかを共有することができ、逆もまた同様である。すなわち、ユーザシステム160aおよび160bは、コンテンツ部分112を表示するためのセカンダリ・ディスプレイであって、ユーザシステム160aおよび160bと一体化されたセカンダリ・ディスプレイを備えることができる。あるいは、ユーザシステム160aおよび160bは、コンテンツ部分112を表示するためのセカンダリ・ディスプレイであって、ユーザシステム160aおよび160bとは別個のセカンダリ・ディスプレイを備えるセカンダリデバイス261と通信することができる。
【0017】
図3は、コンテンツの表示中に光感受性を緩和することができるユーザシステムの、別の例示的な実装形態を示す。図3に示される例示的な実装形態によれば、ユーザシステム360は、ネットワーク通信リンク332を介して、コンテンツプレイアウト制御システム302とインタラクティブに接続されている。
【0018】
図3に示されるように、ユーザシステム360は、ハードウェアプロセッサ374およびシステムメモリ376を含む。システムメモリ376は、ソフトウェアアプリケーション314を記憶するコンピュータ可読非一時的記憶媒体として実装される。図1にさらに示すように、いくつかの実装形態では、システムメモリ376は、コンテンツ354およびコンテンツ部分312の一方または両方を含むコンテンツデータベース378を任意選択で記憶することができる。コンテンツ部分312は、コンテンツ354の部分であって、コンテンツ354の視聴者にとって潜在的な光感受性のトリガとなると判定された部分である。加えて、ユーザシステム360は、送受信機362およびディスプレイ366を含み、さらに、1つ以上のカメラ364(以下、「カメラ364」)、1つ以上のポジション/ロケーションセンサ368(以下、「P/Lセンサ368」)、1つ以上の触覚アクチュエータ370(以下、「触覚アクチュエータ370」)、1つ以上のマイクロフォン338(以下、「マイクロフォン338」)、またはそれらの組み合わせを含み得る。ソフトウェアアプリケーション314により、警報316が生成されてよい。
【0019】
コンテンツ354、およびコンテンツ354のコンテンツ部分312の一方または両方が、ユーザシステム360上にローカルに記憶される実装形態では、コンテンツ354およびコンテンツ部分312は、例えば、暗号化などによって、セキュアに記憶されることに留意されたい。さらに、コンテンツ354およびコンテンツ部分312の一方または両方がユーザシステム360上に表示される実装形態では、コンテンツ354およびコンテンツ部分312は、例えば、デジタル著作権管理に従って、セキュアに表示される。いくつかの実装形態では、コンテンツ354およびコンテンツ部分312の一方または両方は、ジオロケーションロックすることができ、コンテンツ354およびコンテンツ部分312の表示を、映画館などの承認された会場に確実に限定することができることにさらに留意されたい。
【0020】
図3にさらに示されるように、コンテンツプレイアウト制御システム302は、ハードウェアプロセッサ304およびメモリ306を含む。メモリ306は、コンピュータ可読非一時的記憶媒体として実装され、ソフトウェアコード320aと、コンテンツ354と、コンテンツ354のコンテンツ部分312とを含むコンテンツデータベース310とを記憶する。コンテンツ部分312は、コンテンツ354の視聴者にとって潜在的な光感受性のトリガとなると判定された部分である。ネットワーク通信リンク332およびコンテンツプレイアウト制御システム302は、ネットワーク通信リンク132およびコンテンツプレイアウト制御システム102にそれぞれ一般に対応する。コンテンツプレイアウト制御システム302は、ハードウェアプロセッサ304と、メモリ306と、コンテンツ354およびコンテンツ部分312を含むコンテンツデータベース310とを含む。コンテンツプレイアウト制御システム102は、ハードウェアプロセッサ104と、ソフトウェアコード120を記憶するメモリ106と、コンテンツ154およびコンテンツ部分112を含むコンテンツデータベース110とを含む。したがって、本開示によれば、ネットワーク通信リンク132およびコンテンツプレイアウト制御システム102は、それぞれのネットワーク通信リンク332およびコンテンツプレイアウト制御システム302が備える特性のいずれかを共有することができ、逆もまた同様である。
【0021】
ユーザシステム360は、概して、図1図2A図2B、および図2Cにおけるユーザシステム160a/160b/260a/260b/260cのいずれにも対応することができる。したがって、ユーザシステム160a/160b/260a/260b/260cは、本開示によってユーザシステム360が備える特性のいずれをも共有することができ、逆もまた同様である。すなわち、上記のユーザシステム160a/160b/260a/260b/260cが備える特性に加えて、ユーザシステム160a/160b/260a/260b/260cは、それぞれ、ハードウェアプロセッサ374と、ソフトウェアアプリケーション314を記憶するシステムメモリ376であって、コンテンツ354およびコンテンツ部分312の一方または両方を含むコンテンツデータベース378を任意選択で記憶するシステムメモリ376と、送受信機362とを備えることができ、さらに、カメラ364、P/Lセンサ368”、触覚アクチュエータ370、およびマイクロフォン338を備えることができる。
【0022】
本出願においては、概念を明確にするために、ソフトウェアアプリケーション314および任意選択のコンテンツデータベース378について、ユーザシステム360のシステムメモリ376に記憶されるものとして説明しているが、より一般的には、システムメモリ376は、任意のコンピュータ可読非一時的記憶媒体の形態をとることができる。本出願において使用される「コンピュータ可読非一時的記憶媒体」という表現は、ユーザシステム360のハードウェアプロセッサ374に指示を与える搬送波または他の一時的信号を除いた、任意の媒体を指す。したがって、コンピュータ可読非一時的記憶媒体は、例えば、揮発性媒体および不揮発性媒体などの、様々なタイプの媒体に相当し得る。揮発性媒体は、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(ダイナミックRAM)などのダイナミックメモリを含むことができる。不揮発性メモリは、光学記憶デバイス、磁気記憶デバイス、または静電記憶装置デバイスを含むことができる。コンピュータ可読非一時的記憶媒体の一般的な形態としては、例えば、DVDなどの光ディスク、RAM、プログラマブル・リードオンリー・メモリ(PROM)、イレーサブルPROM(EPROM)、およびフラッシュメモリを挙げることができる。
【0023】
ユーザシステム360のハードウェアプロセッサ374は、例えば、1つ以上の中央処理ユニット、1つ以上のグラフィックス処理ユニット、および1つ以上のテンソル処理ユニット、1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの、複数のハードウェア処理ユニット、機械学習訓練または機械学習推論のためのカスタムハードウェア、およびAPIサーバを含み得る。本出願で使用される「中央処理ユニット」(CPU)、「グラフィックス処理ユニット」(GPU)、および「テンソル処理ユニット」(TPU)という用語は、当技術分野での慣例的な意味を有すると定義される。すなわち、CPUは、使用環境100の算術演算および論理演算を実行する算術論理ユニット(ALU)と、ソフトウェアアプリケーション314などのプログラムをシステムメモリ376から取得する制御ユニット(CU)とを含む。一方、GPUは、計算集約的グラフィックスなどの処理タスクを実行することにより、CPUの処理オーバーヘッドを低減するように実装され得る。TPUは、機械学習などのAI処理専用に構成された特定用途向け集積回路(ASIC)である。
【0024】
ユーザシステム360の送受信機362は、任意の適切な無線通信ユニットとして実装され得る。例えば、送受信機362は、第4世代(4G)無線送受信機として、または5G無線送受信機として実装され得る。加えて、または代案として、送受信機362は、ワイヤレスフィデリティ(Wi-Fi)、マイクロ波アクセスのためのワールドワイド相互運用性(WiMAX(商標))、Bluetooth(登録商標)、Bluetooth(登録商標)低エネルギー、ZigBee(登録商標)、無線自動識別(RFID)、近距離無線通信(NFC)、および60GHz無線通信方法のうちの1つ以上を使用した通信を行うように構成され得る。
【0025】
カメラ364は、1つ以上の静止画像カメラ、1つ以上のビデオカメラ、または1つ以上の静止画像カメラもしくは1つ以上のビデオカメラを含み得る。さらに、いくつかの実装形態では、カメラ364は、パノラマ画像を生成するように構成された、静止画像カメラのアレイ、ビデオカメラのアレイ、またはその両方のアレイに相当し得る。
【0026】
図2Aおよび図2Bに示すように、いくつかの実装形態では、セカンダリ・ディスプレイ266a/266bは、ユーザシステム260a/260b/360と一体化されたディスプレイの形態をとることができる。代案として、図2Cによって示されるように、いくつかの実装形態では、セカンダリ・ディスプレイ266cは、セカンダリデバイス261の機能(feature)として構成することができ、ユーザシステム260cとは別個に構成することができる。ユーザシステム360がユーザシステム260a/260b/260cのいずれかに相当する限り、ユーザシステム360のディスプレイ366(以下、「セカンダリ・ディスプレイ366」)は、概して、ディスプレイ266a/266b/266cに相当し、したがって、図3に示されるように、ユーザシステム360と一体化され得るか、またはユーザシステム360とは別個であり得る。セカンダリ・ディスプレイ266a/266b/266c/366は、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、量子ドット(QD)ディスプレイ、または信号から光への物理的変換を行う任意の他の適切なディスプレイ画面として実装され得ることに留意されたい。
【0027】
P/Lセンサ368は、例えば、1つ以上の加速度計、および/またはジャイロスコープ、および/またはGPS受信機、および/または磁力計を含むことができる。いくつかの実装形態では、P/Lセンサ368は、当技術分野で知られているように、慣性計測ユニット(IMU)として実装され得る。マイクロフォン338は、1つ以上のエレクトレットコンデンサマイクロフォンまたは他の微小電気機械システム(MEM)マイクロフォンを含み得る。触覚アクチュエータ370は、例えば、振動または誘導力などの機械的効果を生成するように構成された1つ以上の機能(feature)を含み得る。
【0028】
図3に示される例示的な実装形態によれば、ソフトウェアアプリケーション314は、ネットワーク通信リンク332を介して、コンテンツプレイアウト制御システム302またはソフトウェアアプリケーション314の第三者販売者から受信され、ユーザシステム360のシステムメモリ376内に置かれる。あるいは、ソフトウェアアプリケーション314は、ユーザシステム360の外部のコンピュータ可読非一時的記憶媒体、例えばフラッシュドライブなどから、システムメモリ376に転送され得る。ソフトウェアアプリケーション314は、例えば、ネットワーク通信リンク132/332を介してダウンロードされるなどして転送される。いったん転送されると、ソフトウェアアプリケーション314はシステムメモリ376に持続的に記憶され、ハードウェアプロセッサ374によってユーザシステム360上でローカルに実行され得る。
【0029】
図1図2A図2B図2C、および図3と組み合わせて図4を参照することにより、ソフトウェアアプリケーション314の機能性を、さらに説明する。図4は、一実装形態による、システムによって使用される例示的な方法であって、コンテンツの表示中に光感受性の緩和を図る方法を示すフローチャート480を示す。図4に概説される方法に関して、本出願における発明の特性の議論を不明瞭にしないために、特定の詳細および特性がフローチャート480から除外されていることに留意されたい。
【0030】
図1図2A図2B図2C、および図3と組み合わせて図4を参照すると、フローチャート480によって概説される方法は、視聴者による視聴用のコンテンツ154/354がプライマリ・ディスプレイ152上に表示されている間に、コンテンツ154/354の部分、すなわち、プライマリ・ディスプレイ152上に表示されようとしているコンテンツ部分112/312が、視聴者による光感受性反応を誘発し得ると判定することを含む(動作481)。上述のように、コンテンツ154/354は、例えば、音声が付随しないビデオ、または映画、TV番組コンテンツ、またはビデオゲームなどのAVコンテンツ、その他のコンテンツであってよく、またはこれらを含むものであってよい。
【0031】
プライマリ・ディスプレイ152上に表示されようとしているコンテンツ部分112/312が光感受性反応を誘発するとの判定は、コンテンツプレイアウト制御システム102/302から予め受信されたデータに基づいて行うことができる。例として、いくつかの実装形態では、コンテンツプレイアウト制御システム102は、光感受性試験の第三者プロバイダ、コンテンツプレイアウト制御システム102/302のハードウェアプロセッサ104/304、またはコンテンツ154/354の所有者もしくは配信者により、コンテンツ154/354上で光感受性試験が実行された場合に、当該光感受性試験アルゴリズムの結果を所有することができる。これらの使用事例では、これらの光感受性の結果は、コンテンツ154/354のタイムラインおよびオーディオトラックと同期させることができる。その場合、コンテンツ部分112/312の開始と実質的に整合されたフレーム番号、タイムスタンプ、またはオーディオセグメントのうちの1つ以上を、プライマリ・ディスプレイ152上においてコンテンツ154/354の表示が開始される前に、ユーザシステム160a/160b/260a/260b/260c/360に送信してよい。したがって、コンテンツ154/354がAVコンテンツを含むいくつかの使用事例では、プライマリ・ディスプレイ152上に表示されようとしているコンテンツ部分112/312が光感受性反応を誘発し得るとの判定は、コンテンツ154/354の部分として含まれるオーディオに基づいて行われてもよく、ユーザシステム160a/160b/260a/260b/260c/360のマイクロフォン338によって受信されたオーディオに基づいて行われてもよい。
【0032】
デジタルシネマパッケージ(DCP)が手話支援または他の字幕を含み、そのタイムコードをローカルネットワーク上にブロードキャストして、ユーザシステム160a/160b/260a/260b/260c/360に受信させる場合には、DCP自体により同期が行われてもよい。同期させるための別の方法は、視聴者、すなわち視聴者156aおよび156bの一方または両方に、タイムコードに一致させることができるプライマリ・ディスプレイ152に向けられたカメラを有するヘッドセットを装着させることである。さらに別の代案として、視聴者は、ユーザシステム160a/160b/260a/260b/260c/360のタイマ上で「開始」を手動で押してもよく、経過時間に基づいて警報が生成されるようにしてもよい。
【0033】
代案として、いくつかの実装形態では、プライマリ・ディスプレイ152上に表示されようとしているコンテンツ部分112/312が光感受性反応を誘発し得るとの判定は、ユーザシステム160a/160b/260a/260b/260c/360上に記憶されたコンテンツ154/354のコピー上で、ユーザシステム160a/160b/260a/260b/260c/360によって実行される同じまたは別の光感受性試験アルゴリズムに基づいて行われ得る。コンテンツ154/354のコピーがユーザシステム160a/160b/260a/260b/260c/360に記憶されている実装形態では、当該コピーは、コンテンツ154/354の無許可のコピーまたは使用を制限するための電子透かしまたは他のデジタル記号を有し得ることに留意されたい。
【0034】
別の代案として、プライマリ・ディスプレイ152上に表示されようとしているコンテンツ部分112/312が光感受性反応を誘発し得るとの判定は、プライマリ・ディスプレイ152上にコンテンツ部分112/312が表示される直前に、通信ネットワーク130およびネットワーク通信リンク132/332を介してコンテンツプレイアウト制御システム102/302から無線データ信号を受信することに基づいて行われ得る。しかしながら、上述のように、いくつかの実装形態では、ユーザシステム160aおよび160bの一方または両方は、例えば、視聴者156aおよび156bがそれぞれ座っている各映画館シートに「プラグイン」されることなどによって、有線接続を介して、コンテンツプレイアウト制御システム102/302に通信可能に接続することができる。したがって、いくつかの実装形態では、プライマリ・ディスプレイ152上に表示されようとしているコンテンツ部分112が光感受性反応を誘発し得るとの判定は、有線接続を介して、コンテンツプレイアウト制御システム102/302からデータ信号を受信することに基づいて行われ得る。さらに、様々な使用事例では、上述の、プライマリ・ディスプレイ152上に表示されようとしているコンテンツ部分112/312が光感受性反応を誘発し得るかを判定するための手順を任意に組み合わせて採用してもよいことに留意されたい。
【0035】
動作481は、ソフトウェアアプリケーション314によって実行され得る。ソフトウェアアプリケーション314は、ユーザシステム160a/160b/260a/260b/260c/360のハードウェアプロセッサ374によって実行される。上記のように、様々な実装形態では、ユーザシステム160a/160b/260a/260b/260c/360は、例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ、またはスマートウォッチなどのウェアラブル装置のうちの1つを備え得る。
【0036】
図1図2A図2B図2C、および図3と組み合わせて図4を引き続き参照すると、いくつかの実装形態では、フローチャート480は、コンテンツ部分112/312を取得すること(動作482)をさらに含み得る。動作482は任意選択であることに留意されたい。なぜなら、いくつかの実装形態では、ユーザシステム160a/160b/260a/260b/260c/360は、動作481において、コンテンツプレイアウト制御システム102/302から受信された無線データ信号の一部として、コンテンツ部分112/312を受信することができるからである。しかしながら、他の実装形態では、ユーザシステム160a/160b/260a/260b/260c/360は、コンテンツプレイアウト制御システム102/302のコンテンツデータベース110/310から、コンテンツ部分112/312を積極的に取得してもよい。あるいは、コンテンツ154/354のコピーがユーザシステム160a/160b/260a/260b/260c/360に記憶されている実装形態では、コンテンツ部分312は、ユーザシステム160a/160b/260a/260b/260c/360のコンテンツデータベース378から取得されてもよい。フローチャート480によって概説する方法に動作482が含まれる場合、動作482はソフトウェアアプリケーション314によって実行され得る。ソフトウェアアプリケーション314は、ユーザシステム160a/160b/260a/260b/260c/360のハードウェアプロセッサ374によって実行される。
【0037】
図1図2A図2B図2C、および図3と組み合わせて図4を引き続き参照すると、フローチャート480は、視聴者に対し、プライマリ・ディスプレイ152からのコンテンツ154/354の視聴から、セカンダリ・ディスプレイ266a/266b/266c/366からのコンテンツ154/354の視聴に切り替えるように促す警報316を生成することをさらに含む(動作483)。警報316は、例えば、ユーザシステム160a/160b/260a/260b/260c/360の触覚アクチュエータ370によって生成される、バズ、振動、または誘導力(directed force)の形態をとることができる。あるいは、警報316は、セカンダリ・ディスプレイ266a/266b/266c/366上に表示される点滅光または他の視覚的キューの形態、またはユーザシステム160a/160b/260a/260b/260b/260c/360により出力される音声警報の形態をとることができる。警報316は、動作483において、ソフトウェアアプリケーション314によって生成され得る。ソフトウェアアプリケーション314は、ユーザシステム160a/160b/260a/260b/260c/360のハードウェアプロセッサ374によって実行される。
【0038】
図1図2A図2B図2C、および図3と組み合わせて図4を引き続き参照すると、フローチャート480は、セカンダリ・ディスプレイ266a/266b/266c/366上にコンテンツ部分112/312を表示すること(動作484)をさらに含む。動作484を行った結果、コンテンツ部分112/312をリアルタイムで表示すること、すなわち、プライマリ・ディスプレイ152上にコンテンツ部分112/312を表示するのと同時に、セカンダリ・ディスプレイ266a/266b/266c/366上にコンテンツ部分112/312を表示することができることに留意されたい。しかしながら、例えば、家庭内利用などのいくつかの使用事例では、セカンダリ・ディスプレイ266a/266b/266c/366上のコンテンツ部分112/312の表示中に、プライマリ・ディスプレイ152上のコンテンツ154/354の表示を一時的に中断してもよい。セカンダリ・ディスプレイ266a/266b/266c/366上のコンテンツ部分112/312の表示中に、プライマリ・ディスプレイ152上のコンテンツ154/354の表示が一時的に中断されるか否かに関わらず、動作484を、プライマリ・ディスプレイ152上のコンテンツ154/354の表示に対して実質的に待ち時間なしで実行することにより、プライマリ・ディスプレイ152とセカンダリ・ディスプレイ266a/266b/266c/366との間で視聴を切り替えるときに視聴体験が途切れないようにする。
【0039】
図2Aを参照して上記で説明したように、いくつかの実装形態では、ユーザシステム160a/160b/260a/360は、スマートフォンまたはタブレットコンピュータなどのハンドヘルドデバイスの形態をとることができる。これらのハンドヘルドデバイスは、ユーザシステム160a/160b/260a/360と一体化されたセカンダリ・ディスプレイ266a/366を含む。あるいは、図2Bを参照して上述したように、いくつかの実装形態では、ユーザシステム160a/160b/260b/360は、例えば、スマートウォッチなどのウェアラブルデバイスの形態をとり得る。ウェアラブルデバイスは、ユーザシステム160a/160b/260b/360と一体化されたセカンダリ・ディスプレイ266b/366を含む。別の代替形態として、図2Cを参照して上述したように、いくつかの実装形態では、ユーザシステム160a/160b/260b/360は、セカンダリデバイス261と通信を行い、ユーザシステム160a/160b/260b/360とは別個のセカンダリデバイス261のセカンダリ・ディスプレイ266cにディスプレイコンテンツ部分112/312を表示させるように構成され得る。
【0040】
また、上述のように、プライマリ・ディスプレイ152は、例えば、映画などの娯楽会場の映写スクリーンなどの大きな画面サイズを有するディスプレイ、またさらには、例えば、85”、120”、または150”のディスプレイを有する大画面のホームシアターディスプレイであってもよい。対照的に、スマートフォン、タブレットコンピュータ、またはウェアラブルデバイスの形態であるセカンダリ・ディスプレイ266a/266b/266c/366を、プライマリ・ディスプレイ152と比較して画面サイズの小さいディスプレイとすることにより、セカンダリ・ディスプレイ266a/266b/266c/366上のコンテンツ部分112/312の視聴者において光感受性反応を引き起こす可能性を有利に低減する。
【0041】
いくつかの実装形態では、コンテンツ部分112/312は、プライマリ・ディスプレイ152上およびセカンダリ・ディスプレイ266a/266b/266c/366上に表示されるときで、同一であってもよい。これらの実施では、プライマリ・ディスプレイ152よりもセカンダリ・ディスプレイ266a/266b/266c/366が小型であることにより、セカンダリ・ディスプレイ266a/266b/266c/366上のコンテンツ部分112/312の視聴者において光感受性反応を引き起こす可能性が低減される。しかしながら、いくつかの実装形態では、コンテンツ部分112/312を修正してトリガ効果を低減してもよい。例えば、プライマリ・ディスプレイ152上に示されるときのコンテンツ部分112/312の高速の点滅周波数の代わりに、セカンダリ・ディスプレイ266a/266b/266c/366上に示されるコンテンツ部分112/312を、より小さい画面上に示するだけでなく、その点滅周波数を低減させてもよい。動作484において、セカンダリ・ディスプレイ266a/266b/266c/366上にコンテンツ部分112/312を表示させることは、ソフトウェアアプリケーション314によって実行され得る。ソフトウェアアプリケーション314は、ユーザシステム160a/160b/260a/260b/260c/360のハードウェアプロセッサ374によって実行される
【0042】
いくつかの実装形態では、フローチャート480によって概説される方法が、動作484で終了してもよい。しかしながら、他の実装形態では、図4によって示されるように、フローチャート480はコンテンツ部分112/312をセカンダリ・ディスプレイ266a/266b/266c/366上に表示した後、セカンダリ・ディスプレイ266a/266b/266c/366上にコンテンツ154/354を表示することを停止することをさらに含んでもよい(動作485)。上述のように、コンテンツ部分112/312の表示が完了した後、セカンダリ・ディスプレイ266a/266b/266c/366上におけるコンテンツ154/354の表示を中止することにより、プライマリ・ディスプレイ152からのコンテンツ154/354視聴に戻っても安全であるということが視聴者に合図される。動作485において、コンテンツ部分112/312をセカンダリ・ディスプレイ266a/266b/266c/366上に表示した後に、セカンダリ・ディスプレイ266a/266b/266c/366上におけるコンテンツ154/354の表示を中止することは、ソフトウェアアプリケーション314によって実行することができる。ソフトウェアアプリケーション314は、ユーザシステム160a/160b/260a/260b/260b/260c/360のハードウェアプロセッサ374によって実行され得る。
【0043】
フローチャート480によって概説される方法に関して、様々な実装形態では、動作481、483、および484、または動作481、483、484、および485、または動作481、482、483、および484(以下、「動作481~484、または動作481~484および485」)は人間の参加を省略可能な自動化されたプロセスで実行され得ることに留意されたい。
【0044】
したがって、本出願は、コンテンツの表示中に視聴者のための光感受性の緩和を図るためのシステムおよび方法を開示する。本発明の光感受性の緩和の解決策は、最先端を行く技術であり、コンテンツがプライマリ・ディスプレイ上に表示されている間に、プライマリ・ディスプレイ上に表示されようとしているそのコンテンツの部分が視聴者による光感受性反応を誘発することを判定し、視聴者に対し、より小さい画面サイズを有するセカンダリ・ディスプレイからコンテンツを一時的に視聴することを促す警報を生成する。本解決策は、コンテンツにおいて潜在的に光感受性を誘発する部分をセカンダリ・ディスプレイ上に表示することと、そのコンテンツ部分の表示が終了した後に、セカンダリ・ディスプレイ上におけるコンテンツの表示を中止することとをさらに含み、それによって、視聴者に、プライマリ・ディスプレイからのコンテンツ視聴に戻っても安全であると有利に合図する。
【0045】
本発明の例示的な実施例の上記の説明から、この発明の概念を実現するために発明の範囲から逸脱することなく、様々な技術を使用できることが明白である。さらに、ある実施例を特定的に参照して本発明を説明したが、当業者であれば、本発明の思想および範囲から逸脱することなく、形態および詳細において変更がなされ得ることを認識するであろう。説明された例示的な実施例は、すべての局面において説明的に考慮されるべきであり、限定的に考慮されるべきではない。また、本発明は、本明細書で説明される特定の例示的な実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲から逸脱することなく、多くの再構成、修正、および置換が可能であることも理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4