(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-11
(45)【発行日】2025-04-21
(54)【発明の名称】表示装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0485 20220101AFI20250414BHJP
G06F 3/04817 20220101ALI20250414BHJP
【FI】
G06F3/0485
G06F3/04817
(21)【出願番号】P 2023217330
(22)【出願日】2023-12-22
(62)【分割の表示】P 2022081384の分割
【原出願日】2018-08-27
【審査請求日】2023-12-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112335
【氏名又は名称】藤本 英介
(74)【代理人】
【識別番号】100101144
【氏名又は名称】神田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100101694
【氏名又は名称】宮尾 明茂
(74)【代理人】
【識別番号】100124774
【氏名又は名称】馬場 信幸
(72)【発明者】
【氏名】原 高志
(72)【発明者】
【氏名】西川 徹
【審査官】桐山 愛世
(56)【参考文献】
【文献】特許第7411008(JP,B2)
【文献】国際公開第2014/188497(WO,A1)
【文献】特表2007-531128(JP,A)
【文献】特開2017-091243(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0485
G06F 3/04817
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作を検出する検出部と、
スクロール表示可能な第1領域と、第2領域とを含む画面を表示可能な表示部と、
前記第1領域及び前記第2領域に複数の表示要素を表示する制御を行う表示制御部と、
を備え、
前記表示制御部は、
前記第1領域における前記表示要素として、前記第1領域にのみ表示される第1表示要素、前記第1領域又は前記第2領域のいずれにも表示可能な第2表示要素、の一方又は両方を表示しており、
前記第1領域と前記第2領域が両方同時に表示されている状態から、前記検出部により前記第2領域の方向へのスクロール操作が検出された場合に、前記第1領域に表示された第1表示要素又は第2表示要素を前記第2領域の方向へスクロール表示し、
前記第1表示要素が前記第1領域で非表示のときは前記第2領域に表示せず、
前記第2表示要素の一部のみが前記第1領域に非表示のときは、当該第2表示要素の一部または全体を前記第2領域に表示せず、その後のスクロールの継続によって前記第2表示要素の全体が前記第1領域に非表示になったときに、当該第2表示要素の全体を前記第2領域に表示し、
当該第2表示要素の全体が前記第2領域に表示された後、逆方向の前記第1領域の方向へのスクロール操作を検出することにより、前記第2表示要素の全体が前記第1領域に表示される前であって、前記第2表示要素の一部が、前記第1領域に表示可能な位置にスクロールされたとき、前記第1領域に前記第2表示要素の一部を表示し、同時に前記第2領域に前記第2表示要素を非表示にする
表示装置。
【請求項2】
前記スクロール操作の前後において、前記第1領域と、前記第2領域とは、前記画面に同時に表示されている請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、
前記第1領域において、前記第2表示要素が表示される割合が小さい場合は、前記第2領域で表示された前記第2表示要素を大きく表示し、または、
前記第1領域において、前記第2表示要素が表示される割合が大きい場合は、前記第2領域で表示された前記第2表示要素を小さく表示する
請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記第2領域に前記第2表示要素が表示されている場合に、前記検出部によって前記第2表示要素以外の前記表示要素を選択する操作が検出されたときは、前記第2表示要素を前記選択する操作直前の位置から別の位置に表示する請求項1から
3の何れか一項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記第2表示要素を前記第2領域に表示する場合は、前記第2表示要素が前記第1領域に表示された形状に対して、前記第2表示要素の形状を変化して前記第2領域に表示する請求項1から
4の何れか一項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第2表示要素は、タッチ操作可能なボタンを含む請求項1から
5の何れか一項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記第2領域のみ表示する第3表示要素を更に表示する請求項1から
6の何れか一項に記載の表示装置。
【請求項8】
コンピュータに、
操作を検出する検出機能と、
スクロール表示可能な第1領域と、第2領域とを含む画面を表示可能な表示機能と、
前記第1領域及び前記第2領域に複数の表示要素を表示する制御を行う表示制御機能と、
を実現するプログラムであって、
前記表示制御機能は、
前記第1領域における前記表示要素として、前記第1領域にのみ表示される第1表示要素、前記第1領域又は前記第2領域のいずれにも表示可能な第2表示要素、の一方又は両方を表示しており、
前記第1領域と前記第2領域が両方同時に表示されている状態から、前記検出機能により前記第2領域の方向へのスクロール操作が検出された場合に、前記第1領域に表示された前記第1表示要素又は前記第2表示要素を前記第2領域の方向へスクロール表示し、
前記第1表示要素が前記第1領域で非表示のときは前記第2領域に表示せず、
前記第2表示要素の一部のみが前記第1領域に非表示のときは、当該第2表示要素の一部または全体を前記第2領域に表示せず、その後のスクロールの継続によって前記第2表示要素の全体が前記第1領域に非表示になったときに、当該第2表示要素の全体を前記第2領域に表示し、
当該第2表示要素の全体が前記第2領域に表示された後、逆方向の前記第1領域の方向へのスクロール操作を検出することにより、前記第2表示要素の全体が前記第1領域に表示される前であって、前記第2表示要素の一部が、前記第1領域に表示可能な位置にスクロールされたとき、前記第1領域に前記第2表示要素の一部を表示し、同時に前記第2領域に前記第2表示要素を非表示にする
プログラム。
【請求項9】
前記スクロール操作の前後において、前記第1領域と、前記第2領域は、前記画面に同時に表示されている請求項
8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記表示制御機能は、
前記第1領域において、前記第2表示要素が表示される割合が小さい場合は、前記第2領域で表示された前記第2表示要素を大きく表示し、または、
前記第1領域において、前記第2表示要素が表示される割合が大きい場合は、前記第2領域で表示された前記第2表示要素を小さく表示する
請求項
8又は
9に記載のプログラム。
【請求項11】
前記表示制御機能は、前記第2領域に前記第2表示要素が表示されている場合に、前記検出機能によって前記第2表示要素以外の前記表示要素を選択する操作が検出されたときは、前記第2表示要素を前記選択する操作直前の位置から別の位置に表示する請求項
8から
10の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項12】
前記表示制御機能は、前記第2表示要素を前記第2領域に表示する場合は、前記第2表示要素が前記第1領域に表示された形状に対して、前記第2表示要素の形状を変化して前記第2領域に表示する請求項
8から
11の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項13】
前記第2表示要素は、タッチ操作可能なボタンを含む請求項
8から
12の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項14】
前記表示制御機能は、前記第2領域のみ表示する第3表示要素を更に表示する請求項
8から
13の何れか一項に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、表示部を有する装置において、表示部をスクロールさせることで、表示部に表示された表示内容全体を閲覧可能にする技術が用いられている。また、このような表示において、ユーザの利便性を向上させる技術が提案されている。
【0003】
例えば、画面情報を拡大した実画面領域で、拡大鏡を使用する場合に、表示画面の範囲外に移動させる操作に応じて、表示領域の画面情報を拡大鏡に表示させ、また、拡大鏡の動きに追従して、実画面領域の画面情報をスクロールさせる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示された技術は、画面情報をスクロールすると、それまでに表示されていたユーザが操作可能なボタンが画面領域からはみ出してしまい、画面領域には表示されなくなる。その結果、スクロールされた画面情報を見ても、ユーザは、ボタンの存在が分からなくなってしまう。
【0006】
上述した課題に鑑み、本発明は、第1領域と第2領域を含む画面において、第1領域に表示される特定表示要素を、第2領域にも表示する制御を行う表示装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明の表示装置は、
操作を検出する操作検出部と、
スクロール表示可能な第1領域と、第2領域とを含む画面を表示する表示部と、
前記第1領域に、特定表示要素を含む表示要素を表示する制御を行う表示制御部と、
を備え、
前記表示制御部は、
前記操作検出部によりスクロールの操作が検出された場合には、前記第1領域に表示された表示要素をスクロール表示し、
前記スクロール表示により前記特定表示要素が、前記第2領域の方向にスクロールして表示された場合に、当該特定表示要素を当該第2領域に格納表示する、
ことを特徴とする。
【0008】
本発明の表示方法は、
操作を検出する操作検出ステップと、
スクロール表示可能な第1領域と、第2領域とを含む画面を表示する表示ステップと、
前記第1領域に、特定表示要素を含む表示要素を表示する制御を行う表示制御ステップと、
を含み、
前記表示制御ステップは、
前記操作検出ステップによりスクロールの操作が検出された場合には、前記第1領域に表示された表示要素をスクロール表示し、
前記スクロール表示により前記特定表示要素が、前記第2領域の方向にスクロールして表示された場合に、当該特定表示要素を当該第2領域に格納表示する、
ことを特徴とする。
【0009】
本発明のプログラムは、
コンピュータに、
操作を検出する操作検出機能と、
スクロール表示可能な第1領域と、第2領域とを含む画面を表示する表示機能と、
前記第1領域に、特定表示要素を含む表示要素を表示する制御を行う表示制御機能と、
を実現させ、
前記表示制御機能は、
前記操作検出機能によりスクロールの操作が検出された場合には、前記第1領域に表示された表示要素をスクロール表示し、
前記スクロール表示により前記特定表示要素が、前記第2領域の方向にスクロールして表示された場合に、当該特定表示要素を当該第2領域に格納表示する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、第1領域と第2領域とを含む画面において、第1領域に表示される表示要素のうち、特定表示要素については、第2領域には、格納表示された態様によって表示される。ここで、ユーザによる操作を受け付けるボタンを特定表示要素とすることで、ユーザは、第1領域や第2領域を確認することにより、特定表示要素であるボタンの存在を把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態の全体構成を説明するための図である。
【
図2】第1実施形態の画像形成装置の機能構成を説明するための図である。
【
図3】第1実施形態の表示制御部のメイン処理を説明するためのフロー図である。
【
図4】第1実施形態の動作例を説明するための図である。
【
図5】第1実施形態の動作例を説明するための図である。
【
図6】第1実施形態の動作例を説明するための図である。
【
図7】第2実施形態の表示制御部のメイン処理を説明するためのフロー図である。
【
図8】第2実施形態の動作例を説明するための図である。
【
図9】第3実施形態の表示制御部のメイン処理を説明するためのフロー図である。
【
図10】第3実施形態の動作例を説明するための図である。
【
図11】第3実施形態の動作例を説明するための図である。
【
図12】第4実施形態の表示制御部のメイン処理を説明するためのフロー図である。
【
図13】第4実施形態の動作例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、一例として、本発明を適用した表示装置を含む画像形成装置について説明する。
【0013】
[1.第1実施形態]
[1.1 機能構成]
まず、第1実施形態の全体構成について説明する。
図1は、本発明を適用した表示装置を含んだ画像形成装置10を表した外観斜視図であり、
図2は画像形成装置10の機能構成図である。
【0014】
画像形成装置10は、
図2に示すように、制御部100と、表示部110と、操作検出部120と、記憶部130と、画像入力部140と、画像形成部150と、画像処理部160と、通信部170とが含まれる。
【0015】
制御部100は、画像形成装置10の全体を制御するための機能部である。制御部100は、各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、例えば1又は複数の演算装置(例えば、CPU(Central Processing Unit))等により構成されている。
【0016】
また、制御部100は、後述する表示制御プログラム132を読み出して実行することにより、表示制御部102として機能する。表示制御部102は、表示部110の表示を制御する機能部である。表示制御部102は、表示部110に、1又は複数の表示要素を表示する制御を行う。ここで、表示要素とは、表示部110に表示するの画面を構成する要素である。具体的には、情報の表示を行う要素である文字列(ラベル)、アイコン、画像等や、ユーザによって操作可能な要素であるボタン、ラジオボタン、リスト、スライダー、メニュー等である。表示要素を含む領域(例えば、パネル)も表示要素としてもよい。
【0017】
表示部110に確保された所定の領域に、多くの表示要素を含める場合、一部の表示要素が所定の領域からはみ出してしまい、所定の領域に表示されなくなる。したがって、表示要素の中には、所定の領域において表示されている状態(以下、「表示状態である」という)である表示要素と、所定の領域おいて表示されていない状態(以下、「非表示状態である」という)である表示要素とが存在することとなる。
【0018】
非表示状態となっている表示要素を表示状態にするために、表示制御部102は、表示要素をスクロール表示する制御を行う。スクロール表示とは、表示部110に確保された所定の領域に表示される全ての表示要素を、一定の方向に一定の距離だけ移動させる表示制御方法である。このようにすることで、非表示状態であった表示要素の一部が表示状態となり、一方で、表示状態であった表示要素の一部が非表示状態となる。なお、スクロール表示における移動方向をスクロール方向といい、移動距離をスクロール量という。
【0019】
表示制御部102は、操作検出部120によって検出されたスクロール操作に応じてスクロール表示を実行する。スクロール操作とは、スクロール方向とスクロール量を指定する操作であり、例えば、スワイプといったタッチ操作である。この場合、指を移動させた方向がスクロール方向となり、指の移動距離がスクロール量となる。スクロール操作は、この他にも、フリック操作、マウスホイールを動かす操作、キーボードの矢印キーを選択する操作、スクロールバーに含まれるつまみを動かしたりスクロールボタンを選択したりする操作であってもよい。
【0020】
表示部110は、ユーザに各種情報を表示するための機能部であり、例えばLCD(Liquid crystal display)等により構成されている。また、操作検出部120は、ユーザによる操作を検出する機能部であり、各種キースイッチや、接触による入力を検出する装置等により構成されている。ユーザは、操作検出部120を介して、使用する機能や出力条件を設定する。
【0021】
表示部110と、操作検出部120とは別体として構成されていてもよいが、表示部110と操作検出部120とを一体に形成したタッチパネルとして構成されていてもよい。タッチパネルの入力を検出する方式は、例えば、抵抗膜方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式といった、一般的な検出方式であればよい。なお、本実施形態の画像形成装置10では、表示部110と、操作検出部120とは一体に形成され、タッチパネルとして動作することとして説明する。
【0022】
記憶部130は、画像形成装置10の動作に必要な各種プログラムや、各種データが記憶されている機能部である。記憶部130は、例えば、半導体メモリであるSSD(Solid State Drive)や、HDD(Hard Disk Drive)等により構成されている。
【0023】
また、記憶部130は、制御部100を表示制御部102として機能させるためのプログラムである表示制御プログラム132を記憶している。
【0024】
画像入力部140は、画像形成装置10に入力される画像データを読み取るための機能部である。画像入力部140は、原稿の画像を読み取る機能部である原稿読取部と接続され、原稿読取部から出力される画像データを入力する。また、画像入力部140は、通信部170を介して他の端末装置から画像データを入力してもよい。また、画像入力部140は、USB(Universal Serial Bus)メモリや、SDカード等の記憶媒体から画像データを入力してもよい。
【0025】
画像形成部150は、画像データに基づく出力データを記録媒体(例えば記録用紙)に形成するための機能部である。例えば、給紙トレイから記録用紙を給紙し、画像形成部150において記録用紙の表面に画像が形成された後に排紙トレイから排紙される。画像形成部150は、例えば電子写真方式を利用したレーザプリンタ等により構成されている。
【0026】
画像処理部160は、画像データに各種画像処理を施す機能部である。例えば、画像データの鮮鋭化処理を行ったり、色変換処理を行ったりする。
【0027】
通信部170は、画像形成装置10が他の装置と通信を行うための機能部である。例えば、有線/無線LAN(Local Area Network)で利用されるNIC(Network Interface Card)や、3G/LTE/5G回線に接続可能な通信モジュールにより実現されている。
【0028】
[1.2 処理の流れ]
つづいて、本実施形態のメイン処理について説明する。本実施形態のメイン処理は、制御部100によって表示制御プログラム132を読み出され、制御部100が表示制御部102として動作することにより実行される。
【0029】
本実施形態では、表示部110の表示領域には、2つの領域が含まれることとし、それぞれの領域をクライアント領域(第1領域)と、タイトル領域(第2領域)とする。
【0030】
クライアント領域とは、スクロール表示が可能な領域であり、特定表示要素を含む表示要素が表示される領域である。また、タイトル領域とは、クライアント領域の表示内容を表したタイトル文字列(例えば、「管理者モード」)が表示される領域である。タイトル領域は、クライアント領域の上部に確保される領域であり、タイトル文字列が表示できる程度の大きさ(高さ)である。このように、タイトル領域は、クライアント領域よりも小さい領域として確保されてもよい。
【0031】
ここで、特定表示要素とは、クライアント領域に含まれる表示要素であって、タイトル領域において格納表示される表示要素である。例えば、ボタンといった表示要素である。ボタンは、ユーザによる選択という操作を受け付けるために、画面に表示される要素である。ユーザは、ボタンが選択することにより、画像形成装置10に所定の処理の指示が可能である。
【0032】
特定表示要素は、タイトル領域において格納表示される。格納表示とは、ユーザに対して特定表示要素の存在を視認させるための表示態様として表示することであり、特定表示要素をタイトル領域の大きさに合わせて格納したように表示する。例えば、特定表示要素をボタンとした場合は、タイトル領域には、格納表示された特定表示要素として、ボタンの形を模した図形が表示される。このように、格納表示された特定表示要素は、もともとの特定表示要素の表示態様と比較して簡略化した表示を行う。格納表示されたボタンの表示態様として、ボタン上に表示された文字部分の表示を省略したり、背景色をタイトル領域の背景色と同じとしたりして、ボタンの外枠だけ残した図形として表示する。このように、特定表示要素を格納表示することで、ユーザが特定表示要素の存在を視認しやすくする。
【0033】
なお、格納表示された特定表示要素として図形を表示する場合は、その図形の背景色を、特定表示要素(例えば、ボタン)の背景色同一の色としてもよいし、特定表示要素の背景色ともタイトル領域の背景色とも異なる別の色としてもよい。また、格納表示された特定表示要素として、特定表示要素の枠や背景色を表示せず、特定表示要素に表示された文字(例えば、ボタンの表面に表示された文字)だけを表示してもよい。また、特定表示要素を格納表示した図形や文字等は、特定表示要素が表示される表示位置や、特定表示要素の幅に基づいて表示してもよい。なお、格納表示された特定表示要素は、ユーザが選択できないようにする。
【0034】
上記をまとめると、クライアント領域に表示される表示要素のうち、特定のボタンを特定表示要素としたときは、クライアント領域ではボタンとして表示され、タイトル領域では図形として表示される。ボタンとして表示されていれば、ユーザは、そのボタンを選択することで、画像形成装置10に所定の処理の指示ができる。しかし、図形として表示されていれば、ユーザはその図形を選択しても、画像形成装置10に所定の処理の指示ができない。
【0035】
クライアント領域に含まれる表示要素のうち、どの表示要素を特定表示要素とするかは、予め画像形成装置10の設計者などによって設定されていればよい。なお、画像形成装置10が特定表示要素を決定してもよい。例えば、クライアント領域の最上部等の所定の位置に表示される表示要素を特定表示要素として決定してもよいし、画面遷移を指示するための表示要素や、特定の処理を指示するための表示要素を特定表示要素として決定してもよい。
【0036】
以下、具体的な表示制御部102の処理内容について、
図3を参照して説明をする。なお、本実施形態では、クライアント領域に画像形成装置10の設定画面を表示し、設定を適用するための確定ボタンが特定表示要素であるとして説明する。
【0037】
はじめに、表示制御部102は、ユーザによるスクロール操作に応じて、クライアント領域をスクロール表示する(ステップS102)。つづいて、表示制御部102は、クライアント領域の表示要素が、タイトル領域の方向にスクロール表示することにより、クライアント領域において、特定表示要素である確定ボタンが非表示状態となったか否かを判定する(ステップS104)。
【0038】
本実施形態では、クライアント領域において、確定ボタンの一部又は全部が表示されていれば確定ボタンが表示状態とする。クライアント領域において、確定ボタンが全部表示されていない状態を非表示状態とする。確定ボタンが非表示状態かなったか否かは、例えば、表示制御部102は、クライアント領域が表示対象とする範囲に、確定ボタンを表示した領域が含まれるか否かによって判定する。クライアント領域が表示対象とする範囲に、確定ボタンを表示した領域が含まれない場合は、表示制御部102は、クライアント領域において、確定ボタンが非表示状態となったと判定する。
【0039】
クライアント領域において、確定ボタンが非表示状態となった場合は、表示制御部102は、タイトル領域に確定ボタンを格納表示する(ステップS104;Yes→ステップS106)。なお、ステップS104において、確定ボタンがクライアント領域において表示状態であると判定した場合は、ステップS102へ戻る(ステップS104;No→ステップS102)。
【0040】
つづいて、タイトル領域に格納表示された確定ボタンが表示されている状態で、表示制御部102は、スクロール操作に応じてクライアント領域に含まれる表示要素をスクロール表示する(ステップS108)。そして、表示制御部102は、クライアント領域において、確定ボタンが表示状態となったか否かを判定する(ステップS110)。クライアント領域において、確定ボタンが表示状態となった場合は、表示制御部102は、ステップS106でタイトル領域に表示した格納表示された確定ボタンを消去する(ステップS110;Yes→ステップS112)。
【0041】
なお、ステップS110で、クライアント領域において、確定ボタンが表示状態でないと判定した場合は、ステップS108へ戻る(ステップS110;No→ステップS108)。
【0042】
ステップS112の処理が完了したら、ステップS102へ戻る。このような処理により、クライアント領域において、確定ボタンが表示状態でない場合であっても、タイトル領域に、格納表示された確定ボタンを表示することができる。
【0043】
このような処理によって、クライアント領域において、確定ボタンが表示状態であれば、格納表示された確定ボタンは表示されない。一方で、クライアント領域において、確定ボタンが非表示状態であれば、格納表示された確定ボタンが表示される。したがって、特定表示要素である確定ボタンについて、クライアント領域に表示されるか、又は、タイトル領域に格納表示されて表示されるか、何れかの表示がされることとなる。
【0044】
[1.3 動作例]
つづいて、図を参照して本実施形態の動作例について説明する。はじめに、
図4を参照して、タイトル領域に格納表示された確定ボタンを表示する動作について説明する。
図4(a)は、表示部110に画像形成装置10の設定画面が表示されたときの表示例であり、
図4(b)はスクロール操作がされているときの表示例であり、
図4(c)は確定ボタンがクライアント領域において、非表示状態となった場合の表示例である。
【0045】
図4(a)に示すように、画像形成装置10の表示部110には、設定画面として、タイトル領域E100と、クライアント領域E102とを含む画面表示W100が表示される。タイトル領域E100は、クライアント領域E102の上に配置され、タイトル文字列である「管理者モード」が表示される。クライアント領域E102には、確定ボタンB100や、設定項目名を表示するラベルL102や、色選択ボタンB102といった表示要素が含まれる。
【0046】
操作検出部120によって、クライアント領域E102に対して、タイトル領域E100が表示されている上方向のスクロール操作がされたことが検出されると、表示制御部102は、クライアント領域E102に含まれる表示要素を、上方向にスクロール表示する。その結果、
図4(b)に示すように、クライアント領域E102に含まれる表示要素が上に移動した表示画面W102が、表示部110に表示される。
【0047】
クライアント領域E102に含まれる表示要素の一部は、タイトル領域E100が表示されている位置と重なる場合がある。タイトル領域E100の表示位置と重なった表示要素は、タイトル領域E100の下に隠れるように表示される。例えば、
図4(b)の例は、確定ボタンB100の一部は、タイトル領域E100の下に隠れるように表示されている状態である。
【0048】
さらに、操作検出部120によって、クライアント領域E102に対してタイトル領域E100の方向にスクロール操作がされたことが検出されると、表示制御部102は、クライアント領域E102に含まれる表示要素を、タイトル領域E100のある上方向にスクロール表示する。その結果、
図4(c)に示すような画面表示W104が、表示部110に表示される。
図4(c)は、確定ボタンB100がクライアント領域E102において、非表示状態となった場合の表示例である。この場合、表示制御部102は、タイトル領域E100に、格納表示された確定ボタンM100を表示する。
図4(c)の例は、表示制御部102が、格納表示された確定ボタンM100を、確定ボタンB100が配置された横位置と対応する位置に表示した例である。このようにすることで、ユーザは、確定ボタンB100がクライアント領域E102に含まれていることや、確定ボタンB100が表示状態となったときに表示される位置を視認することができる。
【0049】
なお、
図4(c)の状態で、操作検出部120によって、クライアント領域E102に対してタイトル領域E100の方向にスクロール操作がされたことが検出されると、表示制御部102は、クライアント領域E102に含まれる表示要素を、タイトル領域E100のある上方向にスクロール表示する。このとき、クライアント領域E102に含まれる表示要素は上方向に移動する。特定表示要素以外の表示要素は、スクロール表示により、クライアント領域E102からは非表示状態となるが、格納表示された確定ボタンM100はタイトル領域E100に表示されたままにする。
【0050】
また、
図4(c)の状態で、操作検出部120によって、クライアント領域E102に対してタイトル領域E100の方向とは逆の下方向のスクロール操作がされたことが検出されると、表示制御部102は、クライアント領域E102に含まれる表示要素を、タイトル領域E100のある方向とは逆の下方向にスクロール表示する。その結果、表示制御部102は、
図4(b)、
図4(a)に示すような画面を表示する。すなわち、ユーザによって、タイトル領域E100の方向とは逆の下方向にスクロール操作がされることにより、特定表示要素である確定ボタンB100の一部又は全部がクライアント領域E102に表示される。そして、表示制御部102は、確定ボタンB100が表示状態となった場合に、格納表示された確定ボタンM100を消去する。
【0051】
なお、ユーザによって格納表示された確定ボタンM100が選択されても、所定の処理の指示がされないこととして説明したが、その代わりに、表示制御部102は、ユーザによって格納表示された確定ボタンM100が選択された場合や、所定の操作がされた場合に、確定ボタンB100を再表示させてもよい。
【0052】
例えば、表示部110には、
図5(a)の画面表示W106ように、格納表示された確定ボタンM100がタイトル領域E100に表示されている状態であるとする。この状態のときに、タイトル領域E100の方向とは逆の下方向のスクロール操作がされた場合は、
図5(b)に示すように、表示制御部102は、確定ボタンB100を含む領域E104をクライアント領域E102に重ねた画面表示W108を表示させる。また、
図5(b)に示す状態で、タイトル領域E100の方向である上方向のスクロール操作がされた場合は、表示制御部102は、領域E104を消去し、
図5(a)の画面表示W106のような表示を行う。このようにすることで、ユーザは、確定ボタンB100を表示させたいときは、タイトル領域の方向とは逆の方向にスクロール操作をすることで、すぐに確定ボタンB100をクライアント領域E102に表示させることが可能となる。
【0053】
なお、格納表示された確定ボタンM100がタイトル領域E100に表示されている場合に、タイトル領域E100を選択する操作がされたときにも、
図5(b)のように、表示制御部102は、領域E104を表示させてもよい。また、表示制御部102は、タイトル領域B100がユーザによって選択されたら、確定ボタンB100がクライアント領域E102に表示されるように、クライアント領域E102の表示要素をスクロール表示して、
図5(c)に示す画面表示W110を表示してもよい。
【0054】
別の動作例として、格納表示された特定表示要素を表示する領域が、タイトル領域E100以外の領域であってもよい。例えば、
図6(a)に示すように、クライアント領域E102の下部に、ステータス領域E108が表示される場合は、表示制御部102は、ステータス領域E108に格納表示された特定表示要素を表示してもよい。すなわち、ステータス領域E108を第2領域とする。
【0055】
図6(b)は、ステータス領域E108の方向である逆の下方向にスクロール操作がされ、確定ボタンB100の一部がクライアント領域E102から表示されなくなった状態の画面表示W122の表示例である。また、
図6(c)は、さらにステータス領域E108の方向である下方向にスクロール操作がされて、確定ボタンB100の全部がクライアント領域E102には表示されなくなった場合の画面表示W124の表示例である。
図7(c)に示すように、表示制御部102は、確定ボタンB100の代わりに、ステータス領域E108に格納表示された確定ボタンM102を表示する。
【0056】
更に別の動作例として、クライアント領域E102の上にタイトル領域E100が、クライアント領域E102の下にステータス領域E108がそれぞれ含まれる場合は、特定表示要素が表示されなくなった方向の領域に格納表示された特定表示要素を表示してもよい。例えば、特定表示要素が、タイトル領域E100の方向にスクロール操作されて非表示状態となった場合は、タイトル領域E100に格納表示された特定表示要素を表示する。また、特定表示要素が、ステータス領域E108の方向にスクロール操作されて非表示状態となった場合は、ステータス領域E108に格納表示された特定表示要素を表示する。このようにすることで、特定表示要素を表示させる場合にスクロール操作するべき方向を、ユーザに視認させることが可能となる。
【0057】
また、特定表示要素が複数行ある場合は、表示制御部102は、タイトル領域E100には、順次、格納表示された特定表示要素を入れ替えて表示してもよい。
【0058】
上述した実施形態では、画像形成装置10の表示部110に設定画面を表示することとして説明したが、例えば、画像形成装置10に接続されたスマートフォン等の端末装置で表示制御プログラム132を実行してもよい。このようにすることで、スマートフォンといった表示領域が限られる場合であっても、タイトル領域E100に格納表示された特定表示要素を表示させることが可能となる。
【0059】
本実施形態によれば、クライアント領域において、特定表示要素が非表示状態となっても、タイトル領域に格納表示された特定表示要素が表示される。したがって、ユーザは、タイトル領域を視認することで、特定表示要素の存在を一目で把握することが可能となる。
【0060】
また、ユーザは、タイトル領域の方向とは逆の方向にスクロール操作したり、格納表示された特定表示要素を表示したタイトル領域を選択したりすることにより、必要なときに、特定表示要素(例えば、ボタン)をすぐに表示させることが可能となる。したがって、ユーザの利便性の向上が期待できる。
【0061】
さらに、特定表示要素を表示させる場合に、その特定表示要素を含んだ領域をクライアント領域に重ねるように表示させることで、表示領域が限られている場合であっても、表示領域の有効活用が可能となる。
【0062】
[2.第2実施形態]
つづいて、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、特定表示要素の一部がクライアント領域に表示されている場合においても、格納表示された特定表示要素を一部表示する実施形態である。本実施形態は、第1実施形態の
図3を
図7に置き換えたものであり、同一の機能部及び処理には同一の符号を付し、説明については省略する。なお、特定表示要素は確定ボタンであるとして説明をする。
【0063】
また、本実施形態では、クライアント領域において、確定ボタンが全て表示される状態を表示状態とし、確定ボタンが全て表示されない状態を非表示状態とする。また、クライアント領域に置いて、確定ボタンの一部が表示されている状態を、一部表示状態とする。
【0064】
[2.1 処理の流れ]
本実施形態のメイン処理の流れを、
図7を参照して説明する。ステップS104で、クライアント領域において、確定ボタンが非表示状態でないと判定した場合は、つづいて、表示制御部102は、クライアント領域において、確定ボタンが一部表示状態であるか否かを判定する(ステップS104;No→ステップS202)。
【0065】
クライアント領域において確定ボタンが一部表示状態である場合は、表示制御部102は、タイトル領域に、格納表示された確定ボタンの一部を表示する(ステップS202;Yes→ステップS204)。なお、クライアント領域において表示される確定ボタンの大きさに応じて、格納表示された確定ボタンの表示の大きさを変えてもよい。具体的には、クライアント領域において、確定ボタンが表示される割合が小さければ、格納表示された確定ボタンを大きく表示し、クライアント領域において、確定ボタンが表示される割合が大きければ、格納表示された確定ボタンを小さく表示する。
【0066】
クライアント領域において、確定ボタンが表示状態である場合は、ステップS102へ戻る(ステップS202;No→ステップS102)。
【0067】
また、ステップS110で、クライアント領域において、確定ボタンが表示状態でないと判定した場合は、つづいて、表示制御部102は、クライアント領域において、確定ボタンが一部表示状態であるか否かを判定する(ステップS110;No→ステップS206)。クライアント領域において、確定ボタンが一部表示状態である場合は、表示制御部102は、タイトル領域に、格納表示された確定ボタンの一部を表示する(ステップS206;Yes→ステップS208)。なお、クライアント領域において、確定ボタンが非表示状態である場合は、ステップS108へ戻る(ステップS206;No→ステップS108)。
【0068】
[2.2 動作例]
つづいて、図を参照して、本実施形態の動作例について説明する。はじめに、
図8を参照して、タイトル領域に格納表示された確定ボタンを表示する動作について説明する。
図8(a)は確定ボタンが表示状態である場合の表示例であり、
図8(b)は確定ボタンが一部表示状態である場合の表示例であり、
図8(c)は確定ボタンがクライアント領域において非表示状態である場合の表示例である。
【0069】
図8(a)に示すように、画像形成装置10の表示部110には、設定画面として、タイトル領域E200と、クライアント領域E202とを含む画面表示W200が表示される。クライアント領域E202には表示要素が表示され、特定表示要素である確定ボタンB200が含まれる。
【0070】
ユーザによって、クライアント領域E202が、タイトル領域E200のある方向である上方向にスクロール操作がされると、表示制御部102は、クライアント領域E202の表示要素を上方向にスクロール表示する。その結果、画像形成装置10の表示部110には、
図8(b)に示すように、確定ボタンB200が、クライアント領域E202において一部表示状態となった画面表示W202が表示される。この場合は、
図8(b)に示すように、表示制御部102は、タイトル領域E200に、格納表示された確定ボタンM200の一部を表示する。
【0071】
さらに、ユーザによってクライアント領域E202がタイトル領域E200の方向である上方向にスクロール操作がされると、確定ボタンB200の全部がクライアント領域E202から表示されなくなる。そのような場合は、表示制御部102は、タイトル領域E200に、格納表示された確定ボタンM200を表示する。
【0072】
なお、タイトル領域E200の方向とは逆方向である下方向にスクロール操作がされた場合は、クライアント領域E202において表示される確定ボタンB200の大きさに応じて、表示制御部102は、
図8(b)、
図8(a)に示すような画面を表示する。すなわち、スクロール操作がされることにより、特定表示要素である確定ボタンB200の一部がクライアント領域E202に表示された場合は、表示制御部102は、タイトル領域E200に、格納表示された確定ボタンM200の一部を表示する。また、特定表示要素である確定ボタンB200の全部がクライアント領域E202に表示された場合は、表示制御部102は、タイトル領域E200から、格納表示された確定ボタンM200を消去する。
【0073】
本実施形態によれば、スクロール操作がされた場合に、その操作によるスクロール量に合わせて、格納表示された特定表示要素の大きさを変えることが可能となる。この結果、より自然に、格納表示された特定表示要素をユーザに視認させることが可能となる。
【0074】
[3.第3実施形態]
つづいて、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、クライアント領域内に所定の領域(以下、「メニュー領域」という)を設け、メニュー領域に含まれるボタンを特定表示要素とする実施形態である。本実施形態は、第1実施形態の
図3を
図9に置き換えたものである。なお、同一の機能部及び処理には同一の符号を付し、説明については省略する。
【0075】
また、本実施形態では、クライアント領域において、メニュー領域のボタンの一部又は全部が表示されていればメニュー領域のボタンが表示状態とする。クライアント領域において、メニュー領域のボタンが全部表示されていない状態を非表示状態とする。
【0076】
[3.1 処理の流れ]
本実施形態の処理の流れを、
図9を参照して説明する。はじめに、表示制御部102は、スクロール操作に応じて、クライアント領域内の表示要素をスクロール表示する(ステップS102)。つづいて、表示制御部102は、ユーザによってタイトル領域の方向にスクロール操作がされたことにより、クライアント領域において、特定表示要素であるメニュー領域のボタンが非表示状態となったか否かを判定する(ステップS302)。
【0077】
クライアント領域において、特定表示要素であるメニュー領域のボタンが非表示状態となった場合は、表示制御部102は、タイトル領域に、メニュー領域のボタンを格納表示する(ステップS302;Yes→ステップS304)。
【0078】
表示制御部102は、メニュー領域に配置されたボタンの横位置に基づいて、メニュー領域のボタンを格納表示してもよい。このようにすることで、ユーザは、メニュー領域に含まれるボタンの位置を、タイトル領域を見ることで、素早く視認することが可能となる。なお、メニュー領域は、タイトル領域よりも大きい(高い)領域であってもよい。この場合は、表示制御部102は、メニュー領域のボタンを縮めた図形を格納表示したメニュー領域のボタンとして表示する。
【0079】
なお、クライアント領域において、メニュー領域のボタンが表示状態であれば、ステップS102へ戻る(ステップS302;No→ステップS102)。
【0080】
つづいて、タイトル領域にメニュー領域のボタンが格納表示されている状態で、表示制御部102は、スクロール操作に応じてクライアント領域内の表示要素をスクロール表示させる(ステップS108)。そして、クライアント領域において、メニュー領域のボタンが表示状態となった場合は、表示制御部102は、タイトル領域から、格納表示されたメニュー領域のボタンを消去する(ステップS306;Yes→ステップS308)。そして、ステップS102へ戻る。
【0081】
[3.2 動作例]
つづいて、図を参照して本実施形態の動作例を説明する。はじめに、
図10を参照して、タイトル領域にメニュー領域のボタンを格納表示する動作について説明する。
図10(a)は画像形成装置10の設定画面の初期状態の表示例であり、
図10(b)はタイトル領域の方向にスクロール操作がされているときの表示例であり、
図10(c)はメニュー領域のボタンが、クライアント領域において非表示状態となった場合の表示例である。
【0082】
図10(a)に示すように、画像形成装置10の表示部110には、画面表示W300として、タイトル領域E300と、クライアント領域E302とを含む表示がされる。タイトル領域E300には、画面表示W300のタイトルである「管理者モード」の文字列が表示される。クライアント領域E302にはボタン等の表示要素が含まれ、さらにメニュー領域E304が含まれる。メニュー領域E304には、ユーザが選択可能な戻るボタンB300とボタンB302とが含まれ、さらに、サブタイトルとして「基本設定」の文字列が表示される。この、戻るボタンB300と確定ボタンB302とは、特定表示要素である。
【0083】
ユーザによってクライアント領域E302がタイトル領域E300の方向である上方向にスクロール操作がされると、表示制御部102は、
図10(b)に示すような、クライアント領域E302の表示要素をスクロール表示させた画面表示W302を表示する。
図10(b)に示すように、表示制御部102は、タイトル領域E300の位置を固定したままで、クライアント領域E302に含まれる表示要素を、タイトル領域E300の下に隠れるように表示する。例えば、メニュー領域E304は、タイトル領域E300が上に重なるように表示される。
【0084】
さらに、ユーザによってクライアント領域E302がタイトル領域E300の方向である上方向にスクロール操作がされると、表示制御部102は、画像形成装置10の表示部110に
図10(c)に示すような画面表示W304を表示する。このように、スクロール量が大きくなると、メニュー領域E304は、クライアント領域E302において非表示状態となる。また、メニュー領域E304に含まれる戻るボタンB300と確定ボタンB302とも、同様に、クライアント領域E302において、非表示状態となる。
【0085】
特定表示要素である戻るボタンB300と確定ボタンB302とが、クライアント領域E302において非表示状態となったことを契機として、表示制御部102は、タイトル領域E300に、メニュー領域E304の戻るボタンB300と確定ボタンB302とを格納表示する。例えば、
図10(c)のように、タイトル領域E300に、格納表示された戻るボタンM300と、格納表示された確定ボタンM302とを表示する。このように表示することで、ユーザは、戻るボタンB300と、確定ボタンB302との存在を視認することができる。
【0086】
また、
図10(c)の状態で、タイトル領域E300の方向とは逆の下方向に、クライアント領域E302に対するスクロール操作がされた場合は、クライアント領域E302の表示の状態に応じて、表示制御部102は、
図10(b)、
図10(a)に示すような画面を表示する。すなわち、ユーザによって、タイトル領域E300の方向とは逆の下方向にスクロール操作がされることにより、特定表示要素である戻るボタンB300と、確定ボタンB302とが表示状態となった場合は、タイトル領域E300から、格納表示された戻るボタンM300と格納表示された確定ボタンM300とが消去される。
【0087】
格納表示された戻るボタンM300と格納表示された確定ボタンM302とがタイトル領域E300に表示されている場合に、ユーザの操作に応じて、特定表示要素である戻るボタンB300と確定ボタンB302とを含むメニュー領域E304をクライアント領域E302に表示させてもよい。例えば、表示部110には、
図11(a)の画面表示W306のように、格納表示された戻るボタンM300と格納表示された確定ボタンM302とが、タイトル領域E300に表示されている状態であるとする。この状態のときに、タイトル領域E300の方向とは逆の下方向のスクロール操作がされた場合は、
図11(b)に示すように、表示制御部102は、メニュー領域E304をクライアント領域E302に重ねた画面表示W308を表示する。また、
図11(b)に示す状態で、タイトル領域E300の方向である上方向にスクロール操作がされた場合は、表示制御部102は、領域E304を消去し、
図11(a)の画面表示W306のような表示を行う。このようにすることで、ユーザは、メニュー領域に含まれるボタンを表示させたいときは、タイトル領域E300の方向とは逆の方向にスクロール操作をすることで、すぐにメニュー領域に含まれるボタンを表示させることが可能となる。なお、
図11(a)の状態のときに、タイトル領域E300を選択する操作がされたときにも、表示制御部102は、メニュー領域E304をクライアント領域E302に重ねて表示してもよい。
【0088】
なお、本実施形態では、第1実施形態と同様に、クライアント領域において、特定表示要素が表示状態か、非表示状態かの何れかの状態を取ることとして説明したが、第2実施形態のように一部表示状態という状態をとるようにしてもよい。この場合は、第2実施形態と同様に、表示制御部102は、メニュー領域のボタンがクライアント領域において一部表示状態であるときに、タイトル領域にメニュー領域の格納表示されたボタンの一部を表示する。
【0089】
本実施形態によれば、特定表示要素が一定の領域を占める領域に含まれる場合であっても、その領域に含まれる特定表示要素の位置や存在を、ユーザに視認させることが可能となる。また、タイトル領域の方向とは逆の方向にスクロール操作がされたときに、特定表示要素を含む領域がすぐに表示されるため、表示領域の有効活用が可能である。
【0090】
[4.第4実施形態]
つづいて、第4実施形態について説明する。第4実施形態は、第3実施形態の動作に、更に、ユーザによって特定表示要素以外の表示要素が選択された場合にもメニュー領域を表示し、メニュー領域内の表示内容や処理内容を変更する実施形態である。本実施形態は、第3実施形態の
図9を
図12に置き換えたものである。なお、同一の機能部及び処理には同一の符号を付し、説明については省略する。
【0091】
本実施形態では、メニュー領域には特定表示要素であるボタンが含まれることとして説明する。また、ユーザによって、クライアント領域に含まれる特定表示要素以外の表示要素が選択された場合は、特定表示要素であるボタンに表示する文字列と、ボタンがユーザによって選択されたときの処理が変更されることとして説明する。このように、本来のボタンとは異なる表示をしたり、ボタンが選択された場合に、本来のボタンが選択された場合に行う処理とは異なる処理を行うように制御したりすることを、本実施形態では、役割を変更するという。役割を変更することにより、特定表示要素であるボタンについて、所定の処理を実行する指示を受け付けるボタンを、別の所定の処理を実行する指示を受け付けるボタンとして表示することができる。
【0092】
[4.1 処理の流れ]
本実施形態の処理の流れを、
図12を参照して説明する。ステップS304において、タイトル領域に、格納表示したメニュー領域のボタンを表示したら、つづいて、表示制御部102は、ユーザによってクライアント領域に含まれる特定表示要素以外の表示要素が選択されたか否かを判定する(ステップS402)。
【0093】
ユーザによって特定表示要素以外の表示要素が選択された場合は、つづいて表示制御部102は、クライアント領域にメニュー領域を表示し、メニュー領域に含まれるボタンの役割を変更する(ステップS402;Yes→ステップS404)。このとき、表示制御部102は、ボタンの役割を、ユーザによって選択された表示要素に応じて変更する。
【0094】
なお、選択された表示要素に対して、どのようにボタンの役割を変更するかに関する対応については、予め画像形成装置10の設計者などによって設定されていればよい。
【0095】
つづいて、メニュー領域に配置されたボタンが選択されたら、制御部100は、選択されたボタンに応じた処理を実行する(ステップS406;Yes→ステップS408)。そして、表示制御部102は、メニュー領域をクライアント領域から消去して、ボタンの役割を当初の役割に戻す(ステップS410)。そして、ステップS402へ戻る。
【0096】
ステップS402において、表示要素が選択されなかった場合は、制御部100は、スクロール操作がされたか否かを判定する(ステップS402;No→ステップS412)。スクロール操作がされた場合は、表示制御部102は、スクロール操作に応じて、クライアント領域をスクロール表示する(ステップS412;Yes→ステップS108)。
【0097】
クライアント領域において、メニュー領域のボタンが表示状態となった場合は、表示制御部102は、タイトル領域から、格納表示されたメニュー領域のボタンを消去する(ステップS306;Yes→ステップS308)。ステップS306において、クライアント領域において、メニュー領域のボタンが表示状態でない場合は、ステップS412へ戻る(ステップS306;No→ステップS402)。
【0098】
なお、ステップS410において、メニュー領域のボタンの役割が戻される。したがって、タイトル領域の方向とは逆の方向にスクロールさせて、メニュー領域を表示させた場合等、クライアント領域に配置されたメニュー領域のボタンを表示状態にした場合は、当初のボタンがクライアント領域に表示されることとなる。また、メニュー領域に含まれるボタンが選択された場合は、制御部100は、当初のボタンの役割に基づいて、処理を実行する。
【0099】
このようにして、特定表示要素以外の表示要素を選択することで表示されるメニュー領域のボタンと、特定表示要素以外の表示要素を選択する以外の操作によって表示されるメニュー領域のボタンとでは、ユーザは、それぞれ異なる指示を実行することが可能である。
【0100】
[4.2 動作例]
つづいて、
図13を参照して本実施形態の動作例を説明する。
図13(a)は画像形成装置10の設定画面の初期状態の表示例であり、
図13(b)は格納表示されたメニュー領域のボタンを、タイトル領域に表示している状態の表示例であり、
図13(c)はクライアント領域に含まれる特定表示要素以外の表示要素が選択された場合の表示例である。
【0101】
図13(a)に示すように、画像形成装置10の表示部110には、画面表示W400として、タイトル領域E400と、クライアント領域E402とを含む表示がされる。タイトル領域E400には、画面表示W400のタイトルである「管理者モード」の文字列が表示される。
【0102】
クライアント領域E402にはボタン等の表示要素が含まれ、さらにメニュー領域E404が配置される。メニュー領域E404には、ユーザが選択可能なボタンであるボタンB400とボタンB402とが配置されており、さらに、サブタイトルとして「基本設定」の文字列が表示されている。なお、クライアント領域には、特定表示要素ではない表示要素(例えば、キータッチ時の音量を設定するためのラベルやボタンである表示要素E406)も表示される。
【0103】
ここで、ボタンB400は、基本設定の画面において設定された内容を取消して、元の画面に戻るための「戻る」ボタンである。また、ボタンB402は、基本設定の画面において設定された内容を確定して、元の画面に戻るための「確定」ボタンである。
【0104】
図13(b)は、ユーザによってクライアント領域E402をタイトル領域E400の方向にスクロール操作がされた場合の画面表示W402の表示例である。タイトル領域E400には、格納表示されたメニュー領域E404のボタンとして、ボタンB400の格納表示M400と、ボタンB402の格納表示M402とが表示される。
【0105】
また、
図13(b)の表示要素のうち、特定表示要素ではない表示要素である表示要素E406が選択された場合に表示する画面表示W404の表示例を
図13(c)に示す。
図13(c)に示すように、画面表示W404には、クライアント領域E402の上に重なるようにメニュー領域E404が表示され、また、ユーザが選択した表示要素に基づくポップアップ領域E408が、クライアント領域E402の上に重なるように表示される。このとき、クライアント領域E402は、グレーアウト化する。
【0106】
メニュー領域E404には、ボタンB400とボタンB402とが含まれるが、ボタンB400とボタンB402とについて、ボタンの役割を変える。例えば、ボタンB400は、ポップアップ領域E408に対してユーザによってされた操作を取り消すための「クリア」ボタンに、役割を変更する。また、ボタンB402は、ポップアップ領域E408に対してユーザによってされた操作を確定するための「確定」ボタンに、役割を変更する。
【0107】
例えば、
図13(c)の例では、キータッチ時の音量を設定するためのポップアップ領域E408には、キータッチ時の音量を大きくするための「大」ボタンと、キータッチ時の音量を小さくするための「小」ボタンとが含まれる。ユーザは、「大」ボタンと「小」ボタンとを選択することで、キータッチ時の音量を設定する。また、キータッチ時の音量が設定された後、キータッチ時の音量を確定するための「確定」ボタンB402が選択された場合は、設定されたキータッチ時の音量を確定する。また、「クリア」ボタンB400が選択された場合は、設定されたキータッチ時の音量に関わらず、キータッチ時の音量を、ポップアップ領域E408が表示されたときの設定に戻す。
【0108】
また、「クリア」ボタンであるB400又は「確定」ボタンであるボタンB402の何れかがユーザによって選択された場合は、表示制御部102は、メニュー領域E404と、ポップアップ領域E408とを消去し、タイトル領域E400に格納表示されたメニュー領域のボタンを表示する。すなわち、
図13(b)に示した画面表示W402の状態に戻す。
【0109】
このように、ボタンB400とボタンB402とは、もともとは、基本設定の画面から元の画面に戻るためのボタンであったが、クライアント領域E402の表示要素が選択された場合は、ポップアップ領域に対する操作を確定するためのボタンとなる。このように、メニュー領域に配置された特定表示要素であるボタンの役割が変更される。
【0110】
本実施形態によれば、メニュー領域がクライアント領域から表示されない場合であっても、ユーザによって表示要素が選択されたことを契機にして、選択された表示要素に関する指示を入力するためのボタン等をメニュー領域に表示させることが可能となる。表示領域の有効活用が可能であるとともに、ユーザにとっても、メニュー領域を表示させる操作が不要であるため、ユーザの操作性の向上が期待できる。
【0111】
[5.変形例]
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。また、上述した実施形態は、説明の都合上、それぞれ別に説明している部分があるが、技術的に可能な範囲で組み合わせて実行してもよいことは勿論である。
【0112】
また、処理のフローについては、上述した説明以外であっても、矛盾のない範囲において、ステップの順番を変更したり、一部のステップを省略したりしても構わない。また、上述した実施形態は、それぞれの実施形態を組み合わせて実行することができることは勿論である。
【0113】
また、実施形態において各装置で動作するプログラムは、上述した実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的に一時記憶装置(例えば、RAM)に蓄積され、その後、各種ROMやHDD、SSDの記憶装置に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
【0114】
また、市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれるのは勿論である。
【符号の説明】
【0115】
10 画像形成装置
100 制御部
102 表示制御部
110 表示部
120 操作部
130 記憶部
132 表示制御プログラム
140 画像入力部
150 画像形成部
160 画像処理部
170 通信部