(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-11
(45)【発行日】2025-04-21
(54)【発明の名称】アンテナ装置、アンテナ装置を製造する方法、レーダおよび端末
(51)【国際特許分類】
H01Q 13/20 20060101AFI20250414BHJP
H01Q 21/29 20060101ALI20250414BHJP
G01S 13/931 20200101ALI20250414BHJP
【FI】
H01Q13/20
H01Q21/29
G01S13/931
(21)【出願番号】P 2023518018
(86)(22)【出願日】2020-09-18
(86)【国際出願番号】 CN2020116271
(87)【国際公開番号】W WO2022056858
(87)【国際公開日】2022-03-24
【審査請求日】2023-04-27
(73)【特許権者】
【識別番号】524397185
【氏名又は名称】深▲ジェン▼引望智能技術有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】李 浩▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】高 翔
(72)【発明者】
【氏名】彭 杰
(72)【発明者】
【氏名】何 ▲銀▼
【審査官】北村 智彦
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108400433(CN,A)
【文献】国際公開第2019/141412(WO,A1)
【文献】特開2001-111331(JP,A)
【文献】特開2015-091108(JP,A)
【文献】特開2019-186656(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110867643(CN,A)
【文献】特開昭62-007204(JP,A)
【文献】特表2023-517391(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 13/20
H01Q 21/29
G01S 13/931
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のアンテナアレイ
を含むアンテナ装置であって、
前記第1のアンテナアレイは少なくとも1つのアンテナユニットを含み、前記少なくとも1つのアンテナユニットは第1のアンテナユニット
および第2のアンテナユニットを含み、前記第1のアンテナユニットは第1のパッチサブユニッ
ト、第1の伝送線路および第2の伝送線路、ならびに第1のフィーダサブユニットを含み、
前記第2のアンテナユニットは第3のパッチサブユニットおよび第2のフィーダサブユニットを含み、
前記第1のフィーダサブユニットは第1のフィーダおよび第2のフィーダを含み、
前記第1の伝送線路が前記第1のフィーダの第1の端部に接続されており、
前記第2の伝送線路の第1の端部が前記第1のフィーダの第2の端部に接続されており、
前記第2の伝送線路の第2の端部が前記第2のフィーダに接続されており、
前記第1のパッチサブユニット及び前記第1のフィーダが第1の方向に
隣接しており、
前記第1のパッチサブユニットが、前記第1の伝送線路を介して前記第1のフィーダに接続されており、
前記第2のアンテナユニットは、第3の伝送線路を介して前記第1のアンテナユニットの前記第2のフィーダに接続されており、
前記
第3のパッチサブユニットが、前記
第3の伝送線路を介して前記第2のフィーダに接続されており、
前記第1のパッチサブユニットと前記第1のフィーダとの間の挟角は第1の挟角θであり、0<θ<90°であり、前記第1のフィーダと前記第2のフィーダとの間の挟角は第2の挟角βであり、0<β<180°であり、
前記第1のアンテナアレイに含まれる各パッチサブユニットが、第2の方向において
前記第1のフィーダおよび前記第2のフィーダの第1の側に配置されている、アンテナ装置。
【請求項2】
前記第1のパッチサブユニットが、エネルギーを放射するか、またはエネルギーを供給するように構成されており、かつ/または、
前記第1のフィーダサブユニットが、エネルギーを放射するか、またはエネルギーを供給するように構成されている、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1のパッチサブユニットが前記第2の方向に平行であるか、または前記第1のパッチサブユニットと前記第2の方向との間の挟角が第1の角度値よりも小さい、
請求項1
または2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1のフィーダと前記第2の方向との間の挟角が第3の挟角であり、
前記第2のフィーダと前記第2の方向との間の挟角が第4の挟角であり、
前記第3の挟角と前記第4の挟角との間の差が第1の範囲よりも小さい、
請求項1から
3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記第2の方向における前記アンテナユニットの物理的開口はLであり、0.2λ≦L≦0.75λであり、λが前記アンテナ装置の動作周波数に対応する波長である、
請求項1から
4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記第2の挟角βが68°≦β≦88°を満たす、請求項1から
5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記第2のフィーダサブユニットが、第3のフィーダおよび第4のフィーダを含み、前記第3のパッチサブユニットと前記第3のフィーダとの間の物理的な挟角が第1の挟角θであり、0<θ<90°であり、前記第3のフィーダと前記第4のフィーダとの間の物理的な挟角が第2の挟角βであり、0<β<180°である、
請求項
1に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の方向における前記第1のパッチサブユニットの幅と、前記第3のパッチサブユニットの幅とが異なっている、
請求項
7に記載の装置。
【請求項9】
レーダであって、前記レーダは、請求項1から
8のいずれか一項に記載のアンテナ装置を含む、レーダ。
【請求項10】
前記レーダが制御チップをさらに含み、前記制御チップが前記アンテナ装置に接続されており、前記制御チップが、信号を送受信するように前記アンテナ装置を制御するよう構成されている、
請求項
9に記載のレーダ。
【請求項11】
検出装置であって、前記検出装置は、請求項1から
8のいずれか一項に記載のアンテナ装置を含む、検出装置。
【請求項12】
端末であって、前記端末は、請求項
9または
10に記載のレーダを含む、端末。
【請求項13】
前記端末が車両である、請求項
12に記載の端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、センサ技術の分野に関し、より具体的には、センサ技術の分野におけるアンテナ装置、アンテナ装置を製造する方法、レーダ、および端末に関する。
【背景技術】
【0002】
社会の発展に伴い、インテリジェント道路交通機器、スマートホーム機器、およびロボットなどのインテリジェント端末が、人々の日常生活に徐々に浸透しつつある。センサは、インテリジェント端末において重要な役割を果たしている。インテリジェント端末に搭載されたミリ波レーダ、レーザレーダ、カメラ、および超音波レーダなどの様々なセンサは、周囲環境を検知し、データを収集し、移動物体を識別かつ追跡し、静的シナリオ、例えば車線境界線または標識を識別し、インテリジェント端末の移動プロセスにおけるナビゲータデータおよび地図データに基づいてルートを計画する。センサは、潜在的な危険を事前に検出し、必要な回避手段をとることを支援し、またはこうした回避手段を自律的にとることさえでき、それによってインテリジェント端末の安全性や快適性を効果的に改善することができる。
【0003】
インテリジェント端末がインテリジェント道路交通機器である例では、ミリ波レーダは、比較的低コストでありながら、比較的成熟した技術であるために、無人運転システムおよび運転者支援システムのメインセンサになっている。現在、先進運転者支援システム(Advanced Driver Assistance Systems、ADAS)用に10を超える機能が開発されており、適応走行制御(Adaptive Cruise Control、ACC)、自動緊急ブレーキ(Autonomous Emergency Braking、AEB)、車線変更支援(Lane Change Assist、LCA)、および死角監視(Blind Spot Monitoring、BSD)はすべて、ミリ波レーダに依存している。
【0004】
検出シナリオおよびレーダの実装機能の観点から、レーダによって使用されるアンテナは、比較的広い3dBビーム幅を有する必要がある。この比較的広い3dBビーム幅は、水平方向に比較的広い検出角度範囲を確保することができる。
【0005】
図1は、既存のアンテナ構造の概略構造図である。既存のアンテナ構造は、直列給電方式を使用している。しかしながら、
図1に示すアンテナ構造の3dBビーム幅は比較的狭くなっている。その結果として、水平方向の検出角度範囲が比較的狭くなっている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願の実施形態は、アンテナ構造の3dBビーム幅を拡大するためのアンテナ装置、アンテナ装置を製造する方法、レーダ、および端末を提供する。
【0007】
第1の態様によれば、本出願の一実施形態は、第1のアンテナアレイを含むアンテナ装置を提供する。第1のアンテナアレイは少なくとも1つのアンテナユニットを含み、少なくとも1つのアンテナユニットは第1のアンテナユニットを含み、また、第1のアンテナユニットは第1のパッチサブユニットおよび第1のフィーダサブユニットを含む。第1のフィーダサブユニットは、第1のフィーダおよび第2のフィーダを含む。第1のパッチサブユニットと第1のフィーダとの間の挟角は、第1の挟角θであり、0<θ<90°である。第1のフィーダと第2のフィーダとの間の挟角は、第2の挟角βであり、0<β<180°である。
【0008】
第1の挟角θは、物理空間において第1のパッチサブユニットと第1のフィーダとの間に形成される鋭角の挟角である。第1のパッチサブユニットと第1のフィーダとは、物理的構造において接続されていてもよいし、または物理的構造において間接的に接続されていてもよい。第2の挟角βは、物理空間において第1のフィーダと第2のフィーダとの間に形成される鋭角の挟角または鈍角の挟角である。第1のフィーダと第2のフィーダとは、物理的構造において接続されていてもよいし、または物理的構造において間接的に接続されていてもよい。ここで、物理的構造における接続とは、実際の接続点が存在することを意味し、また物理的構造における間接的な接続とは、実際の接続点が存在しないことを意味し、その際は間接結合方式で接続が行われたり、他のケーブルを用いて接続が行われたりする。
【0009】
本出願の本実施形態では、本アンテナ装置は、信号送受信機能を有するレーダまたは別の装置で使用されてもよい。本アンテナ装置は1つ以上のアンテナアレイを含んでいてもよく、第1のアンテナアレイは1つ以上のアンテナユニットを含んでいてもよい。
【0010】
本出願の本実施形態のアンテナ装置では、第1のパッチサブユニットと第1のフィーダとが挟角θを形成しており、また第1のフィーダと第2のフィーダとが挟角βを形成しているので、第1のアンテナアレイが第2の方向により狭い物理的開口を形成している。このようにして、第1のアンテナアレイはより広い3dBビーム幅を有することができ、したがって、水平面内により広い検出角度範囲を有することができる。加えて、第1のパッチサブユニットは第1のフィーダサブユニットに直列に接続されているため、より広範囲なインピーダンス帯域幅がもたらされるため、より良好なインピーダンス特性が得られる。加えて、第1のアンテナユニットの放射素子が、第1のパッチサブユニットと第1のフィーダサブユニットとが直列に接続される方式を使用しているため、第1のアンテナユニットのエネルギーと他の隣接するアンテナユニットのエネルギーとが同じ位相で重畳され得る。そのため、入力条件が同じである場合、放射効率がより高くなり、なおかつ電磁波変換能力がより強くなる。これにより、不要なエネルギー損失が低減され得る。
【0011】
1つの可能な実施態様では、第2の挟角βは第1の挟角θの2倍であるか、または第2の挟角βと第1の挟角θの2倍との差は特定の閾値を満たしている。
【0012】
1つの可能な実施態様では、第1のパッチサブユニット、第1のフィーダ、および第2のフィーダは、第1の方向に順に配置されており、第1のフィーダは、第1の方向において第1のパッチサブユニットと第2のフィーダとの間に配置されている。
【0013】
1つの可能な実施態様では、第1のアンテナアレイは第1の誘電体層の上面に配置されており、第1の方向は、第1の誘電体層の上面における第1のアンテナアレイ内のアンテナユニットの配置および延伸方向であり、また第2の方向は、第1の誘電体層の上面が第1の方向に垂直となる方向である。
【0014】
1つの可能な実施態様では、第1のパッチサブユニットは、第1の方向に第1のフィーダに隣接している。
【0015】
1つの可能な実施態様では、第1のフィーダの第1の端部は第1のパッチサブユニットに接続されており、第1のフィーダの第2の端部は第2のフィーダに接続されている。第1のフィーダの第1の端部と第1のパッチサブユニットとは、物理的構造において接続されていてもよいし、結合方式で接続されていてもよい。
【0016】
1つの可能な実施態様では、第1のアンテナユニットは第1の伝送線路をさらに含み、第1の伝送線路は第1のパッチサブユニットに接続されており、また第1の伝送線路は第1のフィーダの第1の端部に接続されている。第1のパッチサブユニットは、第1の伝送線路を介して第1のフィーダに接続されており、また第1のパッチサブユニットは、物理的構造において第1のフィーダに間接的に接続されている。このように、第1のフィーダの長さが変化せず、第1のパッチサブユニットと第1のフィーダとの間の挟角が固定されている場合、第1のアンテナユニットは第2の方向により狭い物理的開口を形成し、その結果、第1のアンテナユニットは、水平面内により広い3dBビーム幅を有することができる。
【0017】
1つの可能な実施態様では、第1のアンテナユニットは第2の伝送線路をさらに含み、第2の伝送線路の第1の端部は第1のフィーダの第2の端部に接続されている。第2の伝送線路の第2の端部は第2のフィーダに接続されている。このように、第1のフィーダの長さおよび第2のフィーダの長さが変化せず、第1のフィーダと第2のフィーダとの間の挟角が固定されている場合、第1のアンテナユニットは第2の方向により狭い物理的開口を形成し、その結果、第1のアンテナユニットは、水平面内により広い3dBビーム幅を有することができる。
【0018】
1つの可能な実施態様では、第1のフィーダの第2の端部は第2のフィーダに接続されている。
【0019】
1つの可能な実施態様では、第1のパッチサブユニットは第2の方向に平行であるか、または第1のパッチサブユニットと第2の方向との間の挟角は第1の角度値よりも小さい。
【0020】
1つの可能な実施態様では、第1のアンテナユニットは第2のパッチサブユニットをさらに含む。
【0021】
1つの可能な実施態様では、第1の方向における第2のパッチサブユニットの幅は、第1のパッチサブユニットの幅とは異なっている。
【0022】
1つの可能な実施態様では、第2のパッチサブユニットは、第1の方向において第1のフィーダと第2のフィーダとの間に配置されている。
【0023】
1つの可能な実施態様では、第2のパッチサブユニットと第1のフィーダとの間、および第2のパッチサブユニットと第2のフィーダとの間の物理的な挟角の和は、第2の挟角βに等しい。
【0024】
1つの可能な実施態様では、第2のパッチサブユニットは第2の伝送線路に接続されている。
【0025】
1つの可能な実施態様では、第2のパッチサブユニットは第1のフィーダの第2の端部に接続されている。
【0026】
1つの可能な実施態様では、第2のパッチサブユニットおよび第1のパッチサブユニットは、第2の方向において第1のフィーダの両側に配置されている。
【0027】
1つの可能な実施態様では、第2のパッチサブユニットは第2の方向に平行であるか、または第2のパッチサブユニットと第2の方向との間の挟角は第1の角度値よりも小さい。
【0028】
1つの可能な実施態様では、第1のフィーダと第2の方向との間の挟角は第3の挟角であり、第2のフィーダと第2の方向との間の挟角は第4の挟角であり、第3の挟角と第4の挟角との間の差は第1の範囲よりも小さい。
【0029】
1つの可能な実施態様では、第3の挟角は第4の挟角と同じである。
【0030】
1つの可能な実施態様では、第1のフィーダと第2のフィーダとは、対称軸として第2の方向を使用することにより、技術的に対称をなしている。
【0031】
1つの可能な実施態様では、第2の方向におけるアンテナユニットの物理的開口はLであり、0.2λ≦L≦0.75λであり、λは本アンテナ装置の動作周波数に対応する波長である。第1のパッチサブユニットと第1のフィーダとが特定の挟角θを形成しており、また第1のフィーダと第2のフィーダとが特定の挟角βを形成しており、その結果、第1のアンテナアレイが第2の方向により狭い物理的開口Lを形成している。このようにして、第1のアンテナアレイはより広い3dBビーム幅を有することができ、したがって、水平面内により広い検出角度範囲を有することができる。
【0032】
1つの可能な実施態様では、第2の挟角βは68°≦β≦88°を満たし、その結果、第1のアンテナアレイが第2の方向により狭い物理的開口Lを形成し、第1のアンテナユニットのエネルギーと別の隣接するアンテナユニットのエネルギーとが同じ位相で重畳され得、それによって高利得要件を満たすことができる。加えて、より広いインピーダンス帯域幅がもたらされるため、より良好なインピーダンス特性が得られる。したがって、放射効率が高くなる。
【0033】
1つの可能な実施態様では、少なくとも1つのアンテナユニットは第2のアンテナユニットをさらに含み、第1のアンテナユニットは第2のアンテナユニットに接続されている。
【0034】
1つの可能な実施態様では、第2のアンテナユニットは第1のアンテナユニットと同じであるか、または第2のアンテナユニットは第1のアンテナユニットとは異なっている。
【0035】
1つの可能な実施態様では、第2のアンテナユニットは、第3のパッチサブユニットおよび第2のフィーダサブユニットを含み、第2のフィーダサブユニットは、第3のフィーダおよび第4のフィーダを含み、第3のパッチサブユニットと第3のフィーダとの間の物理的な挟角は第1の挟角θであり、0<θ<90°である。第3のフィーダと第4のフィーダとの間の物理的な挟角は、第2の挟角βであり、0<β<180°である。
【0036】
1つの可能な実施態様では、第2のアンテナユニットのケーブル接続方式および接続角度は、第1のアンテナユニットのケーブル接続方式および接続角度と同じである。
【0037】
1つの可能な実施態様では、第1のパッチサブユニットの幅と第3のパッチサブユニットの幅とが第1の方向において異なっているため、垂直面内の低サイドローブ化が実装され得、それによってランドクラッタを抑圧することができる。
【0038】
1つの可能な実施態様では、第1のフィーダサブユニットの幅と第2のフィーダサブユニットの幅とが第1の方向において異なっているため、垂直面内の低サイドローブ化が実装され得、それによってランドクラッタを抑圧することができる。
【0039】
1つの可能な実施態様では、第1のパッチサブユニットは金属パッチである。
【0040】
1つの可能な実施態様では、金属パッチは長方形パッチ、三角形パッチ、台形パッチ、V字形パッチ、または2ブランチパッチである。
【0041】
1つの可能な実施態様では、2ブランチパッチは、二重方形パッチまたは2ブランチU字形パッチである。
【0042】
1つの可能な実施態様では、第2のパッチサブユニットおよび第3のパッチサブユニットは、第1のパッチサブユニットと同じである。
【0043】
1つの可能な実施態様では、本装置は、第1の誘電体層と、第1の階層とをさらに含み、第1のアンテナアレイは第1の誘電体層の上面に配置されており、第1の階層は第1の誘電体層の下に配置されている。
【0044】
1つの可能な実施態様では、第1の誘電体層は高周波回路基板であり、第1の誘電体層の厚さはHであり、0.003λ≦H≦0.15λであり、λは本アンテナ装置の動作周波数に対応する波長である。
【0045】
1つの可能な実施態様では、高周波回路基板の誘電率は3であり、高周波回路基板の厚さは5ミルである。
【0046】
1つの可能な実施態様では、βは78°である。
【0047】
1つの可能な実施態様では、βの値は、第1の誘電体層の材料に関連付けられている。第1のアンテナアレイの異なる構造が異なる誘電体層材料に使用されているため、本アンテナ装置の3dBビーム幅、インピーダンス特性、および放射効率が最適になる。
【0048】
1つの可能な実施態様では、第1のアンテナアレイは第1のインピーダンス整合ユニットをさらに含む。
【0049】
1つの可能な実施態様では、本装置は第2のアンテナアレイをさらに含み、第2のアンテナアレイの構造は第1のアンテナアレイの構造と同じであり、第2のアンテナアレイは、第2のアンテナユニットおよび第2のインピーダンス整合ユニットを含み、第2のインピーダンス整合ユニットのインピーダンス整合性能は、第1のインピーダンス整合ユニットのインピーダンス整合性能とは異なっている。第2のアンテナアレイは、無給電ダミーアンテナアレイである。無給電ダミーアンテナ構造を付加することで、アンテナの表面波が効果的に改善され得る。このようにして、水平面内のアンテナアレイの振幅一貫性および位相一貫性が改善される。したがって、レーダの測角性能や測距性能が向上する。
【0050】
第2の態様によれば、本出願の一実施形態は、アンテナ装置を製造する方法を提供し、本方法は、第1の金属層上に第1のアンテナアレイをエッチングするステップであって、第1のアンテナアレイは少なくとも1つのアンテナユニットを含み、少なくとも1つのアンテナユニットは第1のアンテナユニットを含み、第1のアンテナユニットは第1のパッチサブユニットおよび第1のフィーダサブユニットを含み、第1のフィーダサブユニットは第1のフィーダおよび第2のフィーダを含み、第1のパッチサブユニットと第1のフィーダとの間の挟角は第1の挟角θであり、0<θ<90°であり、また、第1のフィーダと第2のフィーダとの間の挟角は第2の挟角βであり、0<β<180°である、ステップと、第1のアンテナアレイと第1の誘電体層の第1の表面とを互いに接合するステップであって、本アンテナ装置は第1の階層を介して接地される、ステップとを含む。
【0051】
1つの可能な実施態様では、第1のパッチサブユニットは、第1の方向に第1のフィーダに隣接している。
【0052】
1つの可能な実施態様では、第1のフィーダの第1の端部は第1のパッチサブユニットに接続されており、第1のフィーダの第2の端部は第2のフィーダに接続されている。
【0053】
1つの可能な実施態様では、アンテナユニットは第1の伝送線路をさらに含み、第1の伝送線路は第1のパッチサブユニットに接続されており、また第1の伝送線路は第1のフィーダの第1の端部に接続されている。
【0054】
1つの可能な実施態様では、アンテナユニットは第2の伝送線路をさらに含み、第2の伝送線路の第1の端部は第1のフィーダに接続されており、また第2の伝送線路の第2の端部は第2のフィーダに接続されている。
【0055】
1つの可能な実施態様では、第1のフィーダの第2の端部は第2のフィーダに接続されている。
【0056】
1つの可能な実施態様では、第1のアンテナユニットは第2のパッチサブユニットをさらに含む。
【0057】
1つの可能な実施態様では、第2のパッチサブユニットは、第1の方向において第1のフィーダと第2のフィーダとの間に配置されている。
【0058】
1つの可能な実施態様では、第2のパッチサブユニットは第2の伝送線路に接続されている。
【0059】
1つの可能な実施態様では、第2のパッチサブユニットは第1のフィーダの第2の端部に接続されている。
【0060】
第3の態様によれば、第1の態様または第1の態様の実施態様に係るアンテナ装置を含む、レーダが提供される。
【0061】
1つの可能な実施態様では、レーダは制御チップをさらに含み、制御チップは本アンテナ装置に接続されており、また制御チップは、信号を送受信するように本アンテナ装置を制御するよう構成されている。
【0062】
第4の態様によれば、第1の態様または第1の態様の実施態様に係るアンテナ装置を含む検出装置が提供される。
【0063】
第5の態様によれば、第3の態様または第3の態様の実施態様に係るレーダを含む端末が提供される。
【0064】
1つの可能な実施態様では、端末は車両である。
【0065】
第2の態様、第3の態様、第4の態様、第5の態様、および各態様に対応する実施態様によってもたらされる技術的効果については、第1の態様または第1の態様の実施態様の技術的効果の説明を参照されたい。詳細は再度説明されない。
【0066】
本発明の実施形態における技術的解決策をより明確に述べるために、本発明の実施形態を説明するために必要とされる添付図面について以下に簡単に述べる。以下の説明における添付図面が、本発明の一部の実施形態を示しているに過ぎないことは明らかであり、当業者であれば、創造的な努力なしに、これらの添付図面から他の添付図面をさらに導出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【
図3】本出願の一実施形態に係る、アンテナ装置100の概略構造図である。
【
図4】本出願の一実施形態に係る、アンテナ装置200の概略構造図である。
【
図5(a)】本出願の一実施形態に係る、1つの可能なアンテナ装置の概略構造図である。
【
図5(b)】本出願の一実施形態に係る、別の可能なアンテナ装置の概略構造図である。
【
図6】本出願の一実施形態に係る、さらに別の可能なアンテナ装置の概略構造図である。
【
図7】本出願の一実施形態に係る、さらに別の可能なアンテナ装置の概略構造図である。
【
図8(a)】本出願の一実施形態に係る、1つの可能なアンテナ装置における第1のパッチサブユニットの概略構造図である。
【
図8(b)】本出願の一実施形態に係る、別の可能なアンテナ装置における第1のパッチサブユニットの概略構造図である。
【
図8(c)】本出願の一実施形態に係る、さらに別の可能なアンテナ装置における第1のパッチサブユニットの概略構造図である。
【
図8(d)】本出願の一実施形態に係る、さらに別の可能なアンテナ装置における第1のパッチサブユニットの概略構造図である。
【
図8(e)】本出願の一実施形態に係る、さらに別の可能なアンテナ装置における第1のパッチサブユニットの概略構造図である。
【
図9】本出願の一実施形態に係る、さらに別の可能なアンテナ装置の概略構造図である。
【
図10】本出願の一実施形態に係る、さらに別の可能なアンテナ装置の概略構造図である。
【
図11】本出願の一実施形態に係る、さらに別の可能なアンテナ装置の概略構造図である。
【
図12】本出願の一実施形態に係る、さらに別の可能なアンテナ装置の概略構造図である。
【
図13】本出願の一実施形態に係る、さらに別の可能なアンテナ装置の概略構造図である。
【
図14(a)】本出願の一実施形態に係るシミュレーション結果の比較図である。
【
図14(b)】本出願の一実施形態に係るシミュレーション結果の別の比較図である。
【
図14(c)】本出願の一実施形態に係るシミュレーション結果のさらに別の比較図である。
【
図15】本出願の一実施形態に係る、さらに別の可能なアンテナ装置の概略構造図である。
【
図16(a)】本出願の一実施形態に係るシミュレーション結果の比較図である。
【
図16(b)】本出願の一実施形態に係るシミュレーション結果の別の比較図である。
【
図16(c)】本出願の一実施形態に係るシミュレーション結果のさらに別の比較図である。
【
図17】本出願の一実施形態に係るレーダ1700の概略構造図である。
【
図18】本出願の一実施形態に係る端末1800の概略構造図である。
【
図19】本出願の一実施形態に係る方法1900の概略フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0068】
本出願の明細書、特許請求の範囲、および添付図面において、用語「第1の(first)」、「第2の(second)」、「第3の(third)」、「第4の(fourth)」など(存在する場合)は、同様の対象を区別することを意図されており、必ずしも特定の順序または順番を示すものではない。そのように呼ばれるデータが、本明細書に記載された本出願の実施形態が、本明細書に図示または記載された順序とは異なる順序で実施され得るように、適切な状況において交換可能であることを理解されたい。さらに、「含む(include)」、「有する(have)」という用語および任意の他の変形は、非排他的な包含を網羅することを意味し、例えば、ステップまたはユニットの列挙を含むプロセス、方法、システム、製品、またはデバイスは、それらのステップまたはユニットに必ずしも限定されないが、そのようなプロセス、方法、製品、またはデバイスに明確に列挙されていないか、もしくは固有でない他のステップまたはユニットを含み得る。
【0069】
以下の説明では、当業者の理解を深める一助とすべく、本出願の実施形態におけるいくつかの用語が説明される。
【0070】
1.パッチユニットは、アンテナ構造において無線送受信機能を有するモジュールである。
【0071】
2.フィーダはケーブルとも呼ばれ、信号を送信する機能を有する。
【0072】
3.伝送線路は、伝送線路によって指定された経路に沿って、ある地点から別の地点へ情報を搬送する電磁波を伝送するために使用される。伝送線路の材料などは、本出願において特に限定されない。本明細書では、伝送線路は代替的にフィーダであってもよく、信号を送信したり、ケーブルを接続したりする機能を有する。
【0073】
4.間接的な結合とは、例えばコンデンサ、インダクタ、またはトランスなどの結合要素を介した結合である。
【0074】
5.マイクロストリップアンテナとも呼ばれるアンテナは、電磁波を送受信するために使用される。
【0075】
本明細書の本文全体にわたって「上面(upper surface)」、「下面(lower surface)」、「上端部(upper end)」、および「下端部(lower end)」などの複数の同様の表現を含むが、本明細書の「上部(upper)」および「下部(lower)」が、2つの対向する表面または2つの対向する端部を示すことを意図しているに過ぎず、特定の位置間の上下関係に何ら制限はないことにさらに留意されたい。
【0076】
本出願の一実施形態は、アンテナ装置を提供する。本アンテナ装置は第1のアンテナアレイを含み、第1のアンテナアレイは少なくとも1つのアンテナユニットを含み、少なくとも1つのアンテナユニットは第1のアンテナユニットを含む。第1のアンテナユニットは、第1のパッチサブユニットおよび第1のフィーダサブユニットを含み、第1のフィーダサブユニットは、第1のフィーダおよび第2のフィーダを含む。第1のパッチサブユニットと第1のフィーダとの間の挟角は第1の挟角θであり、0<θ<90°である一方、第1のフィーダと第2のフィーダとの間の挟角は第2の挟角βであり、0<β<180°である。
【0077】
本出願の本実施形態のアンテナ装置では、第1のパッチサブユニットと第1のフィーダとが第1の挟角θを形成しており、また第1のフィーダと第2のフィーダとが第2の挟角βを形成しているので、第1のアンテナアレイが第2の方向により狭い物理的開口を形成している。このようにして、第1のアンテナアレイはより広い3dBビーム幅を有することができ、したがって、水平面内により広い検出角度範囲を有することができる。加えて、第1のパッチサブユニットは第1のフィーダサブユニットに直列に接続されているため、より広範囲なインピーダンス帯域幅がもたらされるため、より良好なインピーダンス特性が得られる。加えて、第1のアンテナユニットは、第1のパッチサブユニットおよび第1のフィーダサブユニットを含み、第1のパッチサブユニットと第1のフィーダとが第1の挟角θを形成しており、また第1のフィーダと第2のフィーダとが第2の挟角βを形成しているので、第1のフィーダのエネルギーと他の隣接するアンテナユニットのエネルギーとが同じ位相で重畳され得る。そのため、入力条件が同じである場合、放射効率がより高くなり、なおかつ電磁波変換能力がより強くなる。これにより、不要なエネルギー損失が低減され得る。
【0078】
加えて、本出願の本実施形態における第1のパッチサブユニットおよび第1のフィーダサブユニットの両方は、エネルギーを放射したり、エネルギーを供給したりする機能を有する。したがって、本出願の本実施形態におけるアンテナ装置は、より高い放射効率を有する。
【0079】
本出願の本実施形態におけるdB(decibel、デシベル)が電力利得の単位であり、3dB帯域幅は、アンテナ構造の最大利得が3dB減少するのに対応して使用される周波数間隔であり、アンテナ構造の帯域幅の一般的定義に属することに留意されたい。本出願では、技術的問題および技術的効果を説明するために、アンテナの3dBビーム幅の例が使用される。しかしながら、本出願は、説明のために3dB帯域幅のみを使用することに限定されず、アンテナ構造の帯域幅を表すために使用される任意の他の記述が、3dB帯域幅と置き換わってもよい。3dBビーム幅がより広くなることは、アンテナ構造の検出角度がより大きくなることを意味する。
【0080】
本出願におけるアンテナ構造は、第1の方向にパッチサブユニットと、第1のフィーダサブユニットとを含み、パッチサブユニットと第1のフィーダサブユニットとは第1の方向に自由に結合され得る。本アンテナは柔軟に設計され得、より強い適応性を有し、なおかつより高い自由度を有する。
【0081】
本出願におけるパッチサブユニットはパッチユニットとも呼ばれ、アンテナユニット内の送受信モジュールである。本出願では、パッチサブユニットの名称は限定されない。
【0082】
フィーダはマイクロストリップとも呼ばれてもよく、または別の給電機能を有する他のケーブルであってもよい。第1のアンテナアレイは、第1のマイクロストリップアンテナアレイとも呼ばれてもよい。第1のパッチサブユニットは金属パッチであってもよく、または無線送受信機能を有する他のモジュールまたはケーブルであってもよい。本明細書のアンテナ装置は一体成形設計を使用してもよく、または異なる部品のケーブルまたはパッチを接続することによって形成されてもよい。これについては本明細書では限定されない。
【0083】
第1のフィーダの長さまたは幅のうちの少なくとも一方は、第2のフィーダの長さまたは幅のうちの少なくとも一方と同じであってもよいし、異なっていてもよい。これについては本明細書では限定されない。
【0084】
本アンテナ装置は1つ以上のアンテナアレイを含んでいてもよく、1つ以上のアンテナアレイは第1のアンテナアレイを含む。第1のアンテナアレイは、1つ以上のアンテナユニットを含んでいてもよい。本アンテナ装置内のアンテナアレイの数およびアンテナアレイ内のアンテナユニットの数は、本出願では限定されない。
【0085】
1つの可能な実施態様では、第1のアンテナアレイは第1の誘電体層の上面に配置されており、少なくとも1つのアンテナユニットは第1の誘電体層の上面に水平に配置されている。本出願では、第1の挟角θおよび第2の挟角βは、アンテナアレイが配置されている第1の誘電体層の上面における、第1のパッチサブユニットと第1のフィーダとの間の挟角、および第1のフィーダと第2のフィーダとの間の挟角である。前述の挟角は180°以内の角度である。挟角を形成する2つの辺は別々の第1の辺および第2の辺であり、第1の辺および第2の辺は、フィーダまたはパッチサブユニットであってもよい。第1の辺と第2の辺とは、物理的構造において接続されていてもよい。
図2(a)に示すように、物理的構造において、第1の辺と第2の辺とは交点を有する。あるいは、第1の辺と第2の辺とは、物理的構造において接続されていなくてもよい。
図2(b)に示すように、第1の辺と第2の辺とは接続線を介して接続されており、第1の辺と第2の辺との間の挟角は、第1の辺と第2の辺との延長線が交点になす挟角である。あるいは、物理的構造において第1の辺と第2の辺とが接続されていなくてもよいし、または第1の辺と第2の辺とが間接結合方式で接続されていてもよい。
図2(c)に示すように、第1の辺と第2の辺とは物理的構造において交点を有していないが、第1の辺と第2の辺との間の挟角は、第2の辺と第1の辺との延長線が交点になす挟角である。当業者であれば、第1の辺と第2の辺との間に形成される挟角が、異なる方向における鋭角の挟角または鈍角の挟角であってもよいことを認識することができる。図では、説明を行うための例示として、鋭角の挟角が使用されている。
図2(a)~
図2(c)は、挟角を形成する第1の辺および第2の辺のいくつかの可能な実施例のみを示している。挟角を形成する第1の辺および第2の辺の位置は、本出願では限定されない。
【0086】
1つの可能な実施態様では、第1のパッチサブユニットは、第1の方向に第1のフィーダに隣接している。第1のパッチサブユニット、第1のフィーダ、および第2のフィーダは、第1の方向の上方向に順に配置されており、第1のフィーダは、第1の方向において第1のパッチサブユニットと第2のフィーダとの間に配置されている。
【0087】
1つの可能な実施態様では、第1のフィーダ、第1のパッチサブユニット、および第2のフィーダは、第1の方向の上方向に順に配置されている。
【0088】
1つの可能な実施態様では、第1のパッチサブユニットは第2の方向に平行であるか、または第1のパッチサブユニットと第2の方向との間の挟角は第1の角度値よりも小さい。製造プロセスにおける制限により、第1のパッチサブユニットは第2の方向に平行でない可能性があり、また特定の範囲における誤差が製造プロセスによって発生する可能性がある。本出願では、製造プロセスによって発生する特定の範囲における誤差は無視されてもよい。
【0089】
あるいは、第1のパッチサブユニットの配置方向は、第1のパッチサブユニットと第2の方向との間の挟角が第1の角度値よりも小さくなるように設定されてもよく、また第1の角度値の値は本明細書では限定されない。
【0090】
1つの可能な実施態様では、第1のアンテナアレイは第1のインピーダンス整合ユニットをさらに含む。第1のインピーダンス整合ユニットは、伝送線路を使用して第1のアンテナアレイに接続されており、インピーダンスを整合するように構成されている。伝送線路は直線であってもよいし、屈曲線であってもよい。これについては本出願では限定されない。
【0091】
本明細書では、第1の方向はアンテナユニットの配置および延伸方向であると規定され、第2の方向は、第1のアンテナアレイの平面内で第1の方向に垂直となる方向である。以下に、添付図面を参照して具体例が示される。
【0092】
例えば、本出願は、
図3に示すような、1つの可能なアンテナ装置の概略構造図を提供する。アンテナ装置100は第1のアンテナアレイを含み、第1のアンテナアレイは少なくとも1つのアンテナユニットを含む。少なくとも1つのアンテナユニットは第1のアンテナユニットを含み、また、第1のアンテナユニットは第1のパッチサブユニット110および第1のフィーダサブユニットを含む。第1のフィーダサブユニットは、第1のフィーダ121および第2のフィーダ122を含む。第1のフィーダ121の第1の端部は、第1のパッチサブユニット110に接続されている。第2のフィーダ122には第1のフィーダ121の第2の端部が接続されており、第2のフィーダ122は、
図3の破線の通りに延在するのではなく、第1のフィーダ121の第2の端部を起点として、第1の方向の上方向に沿って延在している。
図3の破線の延在態様は、第1の方向に沿った下方への延在である。
図3は、本明細書において説明を行うための一例として使用されているため、詳細は他の添付図面に記載されていない。第1のフィーダ121の第1の端部および第1のフィーダ121の第2の端部は、それぞれ第1の方向における第1のフィーダの下端部および上端部である。
【0093】
例えば、本出願は、
図4に示すような、別の可能なアンテナ装置の概略構造図を提供する。アンテナ装置200は第1のアンテナアレイを含み、第1のアンテナアレイは少なくとも1つのアンテナユニットを含む。少なくとも1つのアンテナユニットは第1のアンテナユニットを含み、また、第1のアンテナユニットは第1のパッチサブユニット210、第1の伝送線路、第1のフィーダ221、第2の伝送線路、および第2のフィーダ222を含む。第1の伝送線路は第1のパッチサブユニット210に接続されており、第1の伝送線路は第1のフィーダ221の第1の端部に接続されている。第2の伝送線路の第1の端部は第1のフィーダ221の第2の端部に接続されており、第2の伝送線路の第2の端部は第2のフィーダ222に接続されており、また第2のフィーダ222は、第2の伝送線路の第2の端部を起点として、第1の方向の上方向に延在している。本明細書では、第1の端部および第2の端部の概念は、第1のフィーダ121の第1の端部および第2の端部の概念と同じである。第1の端部および第2の端部は、それぞれ第1の方向における下端部および上端部である。本アンテナ装置が一体的に形成される場合、第1の伝送線路、第1のフィーダ221、第2の伝送線路、および第2のフィーダ222は1つのフィーダと捉えられてもよい。本明細書では、フィーダの分割は、フィーダの特定の構造を説明するために具現化されているに過ぎず、「接続されている(connected)」とは、1つのフィーダ内の異なるセグメントの構造間の接続を指す。第1の方向における第1の伝送線路の長さと第2の伝送線路の長さとは同じであってもよいし、異なっていてもよい。第1の伝送線路および第2の伝送線路はまた、フィーダであってもよく、第1の伝送線路および第2の伝送線路の名称は本明細書では限定されない。
【0094】
第1のパッチサブユニットは、第1の伝送線路を介して第1のフィーダに接続されており、また第1のパッチサブユニットは、物理的構造において第1のフィーダに間接的に接続されている。このように、第1のフィーダの長さが変化せず、第1のパッチサブユニットと第1のフィーダとの間の挟角が固定されている場合、第1のアンテナユニットは第2の方向により狭い物理的開口を形成し、その結果、第1のアンテナユニットは、水平面内により広い3dBビーム幅を有することができる。第1のフィーダの長さおよび第2のフィーダの長さが変化せず、第1のフィーダと第2のフィーダとの間の挟角が固定されている場合、第1のアンテナユニットは第2の方向により狭い物理的開口を形成し、その結果、第1のアンテナユニットは、水平面内により広い3dBビーム幅を有することができる。
【0095】
本出願の実施形態では、「接続されている(connected)」とは、物理的構造内の接続を指していてもよく、または「接続されている(connected)」とは、間接結合方式の接続を指していてもよく、その場合は物理的構造内に交点は存在しない。
【0096】
任意選択で、第2の挟角βは第1の挟角θの2倍であるか、または第2の挟角βと第1の挟角θの2倍との差の絶対値は特定の閾値以下である。製造プロセスにおける制限により、第2の挟角βと第1の挟角θの2倍とに誤差が生じる場合がある。本出願では、製造プロセスによって発生する誤差は特定の閾値内にあり、無視されてもよい。特定の閾値の値は本出願では限定されず、製造プロセス、性能要件などに基づいて構成または定義されてもよい。
【0097】
任意選択で、第1のフィーダと第2の方向との間の挟角は第3の挟角であり、第2のフィーダと第2の方向との間の挟角は第4の挟角であり、第3の挟角と第4の挟角との間の差は第1の範囲よりも小さく、また、第1の範囲の大きさは本明細書では限定されない。
【0098】
任意選択で、第3の挟角は第4の挟角と同じであり、すなわち、第1のフィーダおよび第2のフィーダは、第2の方向を対称軸として使用することによって技術的に対称である。製造プロセスにおける制限により、第3の挟角と第4の挟角とは完全には同一でない可能性があり、また特定の範囲における誤差が製造プロセスによって発生する可能性がある。本出願では、製造プロセスによって発生する特定の範囲における誤差は無視されてもよい。
【0099】
任意選択で、第1のアンテナユニットは第2のパッチサブユニットをさらに含む。
【0100】
任意選択で、第2のパッチサブユニットは、第1の方向において第1のフィーダと第2のフィーダとの間に配置されているか、または第2のパッチサブユニットは、伝送線路を使用して第2のフィーダの第2の端部に接続されている。
【0101】
任意選択で、第2のパッチサブユニットおよび第1のパッチサブユニットは、第2の方向において第1のフィーダの両側に配置されている。
【0102】
例えば、
図5(a)に示すように、第2のパッチサブユニットは第1のフィーダの第2の端部に接続されており、第1の方向において第1のフィーダと第2のフィーダとの中間に位置している。
【0103】
例えば、
図5(b)に示すように、第2のパッチサブユニットは第2の伝送線路に接続されている。
【0104】
1つの可能な実施態様では、第2のパッチサブユニットは第2の方向に平行であるか、または第2のパッチサブユニットと第2の方向との間の挟角は第1の角度値よりも小さい。あるいは、第2のパッチサブユニットと第1のフィーダとの間、および第2のパッチサブユニットと第2のフィーダとの間の物理的な挟角の和は、第2の挟角βに等しい。
【0105】
第1の方向における第1のパッチサブユニットの幅と第2のパッチサブユニットの幅とは同じであっても異なっていてもよく、これについては本明細書では限定されない。
【0106】
1つの可能な実施態様では、第2の方向におけるアンテナユニットの物理的開口はLであり、0.2λ≦L≦0.75λであり、λは本アンテナ装置の動作周波数に対応する波長である。例えば、
図6に示すアンテナ装置構造により、第1のアンテナアレイが第2の方向により狭い物理的開口Lを形成することができ、その結果、第1のアンテナアレイはより広い3dBビーム幅を有することができ、したがって、水平面内により広い検出角度範囲を有することができる。Lおよびλの単位はミリメートルである。
【0107】
1つの可能な実施態様では、68°≦β≦88°である。したがって、第1のアンテナアレイは第2の方向においてより狭い物理的開口Lを形成しており、第1のアンテナユニットのエネルギーと他の隣接するアンテナユニットのエネルギーとが同じ位相で重畳され得、その結果、隣接するパッチサブユニットにおいて同じ方向の等価な磁気電流が生成され得、それによって高利得要件を満たすことができる。加えて、より広いインピーダンス帯域幅がもたらされるため、より良好なインピーダンス特性が得られる。したがって、放射効率が高くなる。
【0108】
1つの可能な実施態様では、少なくとも1つのアンテナユニットは第2のアンテナユニットをさらに含み、第1のアンテナユニットは第2のアンテナユニットに接続されている。
【0109】
第2のアンテナユニットは、第3のパッチサブユニットおよび第2のフィーダサブユニットを含み、第2のフィーダサブユニットは、第3のフィーダおよび第4のフィーダを含み、第3のパッチサブユニットと第3のフィーダとの間の物理的な挟角は第1の挟角θであり、0<θ<90°である。加えて、第3のフィーダと第4のフィーダとの間の物理的な挟角は、第2の挟角βであり、0<β<180°である。
【0110】
例えば、
図7に示すように、第2のアンテナユニットは、第3の伝送線路を介して第1のアンテナユニットの第2のフィーダに接続されているか、または第2のアンテナユニットは、第1のアンテナユニットの第2のフィーダに直接接続されている。第2のアンテナユニットおよび第1のアンテナユニットは、同様に配置されている。任意選択で、第2のアンテナユニットは第4の伝送線路をさらに含んでいてもよく、第4の伝送線路は、第3のフィーダと第4のフィーダとを接続するように構成されている。第1の方向における第1の伝送線路の長さと、第2の伝送線路の長さと、第3の伝送線路の長さと、第4の伝送線路の長さとは同じであってもよいし、異なっていてもよい。これについては本出願では限定されない。
図7は、第1のアンテナアレイが2つのアンテナユニットを含む例を用いて記載されているに過ぎない。第1のアンテナアレイは、第3のアンテナユニットをさらに含んでいてもよい。第3のアンテナユニットの構造は、第1のアンテナユニットまたは第2のアンテナユニットの構造と同じであってもよい。あるいは、第3のアンテナユニットの構造は、第1のアンテナユニットまたは第2のアンテナユニットの構造とは異なっていてもよい。異なるアンテナユニットの組み合わせ態様については、本出願では限定されない。アンテナアレイは、同じ構造のアンテナユニットを含んでいてもよいし、異なる構造のアンテナユニットを含んでいてもよい。
【0111】
1つの可能な実施態様では、第1のパッチサブユニットの幅と第3のパッチサブユニットの幅とが第1の方向において異なっているため、垂直面内の低サイドローブ化が実装され得、それによってランドクラッタを抑圧することができる。
【0112】
1つの可能な実施態様では、第1のフィーダサブユニットの幅と第2のフィーダサブユニットの幅とが第1の方向において異なっているため、垂直面内の低サイドローブ化が実装され得、それによってランドクラッタを抑圧することができる。
【0113】
1つの可能な実施態様では、第1の方向における第1のパッチサブユニットの幅と第3のパッチサブユニットの幅とはまた、同じであってもよい。これについては本出願では限定されない。
【0114】
前述の実施形態では、第1のパッチサブユニット、第2のパッチサブユニット、または第3のパッチサブユニットが金属パッチである場合、当該金属パッチは、長方形パッチ、三角形パッチ、台形パッチ、V字形パッチ、または2ブランチパッチであってもよい。2ブランチパッチは、2ブランチU字形パッチまたは二重方形パッチであってもよい。添付の図面を参照して、第1のパッチサブユニットを一例として使用して、パッチサブユニットの具体的な形状について以下に説明する。
【0115】
例えば、
図8(a)~
図8(e)はそれぞれ、第1のパッチサブユニットが三角形パッチ、台形パッチ、V字形パッチ、二重方形パッチ、および2ブランチU字形パッチである場合の概略図を示している。第1のパッチサブユニットの形状が
図8(a)~
図8(e)に示されているいずれかの形状である場合、上記のパッチサブユニットの幅は、パッチサブユニットの形状および寸法を表すことができる幾何学的パラメータであってもよい。
【0116】
任意選択で、第1のパッチサブユニット、第2のパッチサブユニット、または第3のパッチサブユニットのうちの少なくとも1つは、間接結合方式で第1の伝送線路に接続されていてもよい。
図9に示すように、第1のパッチサブユニット、第2のパッチサブユニット、および第3のパッチサブユニットは、間接結合方式で伝送線路に接続されている。
【0117】
1つの可能な実施態様では、
図10に示すように、アンテナ装置は、第1の誘電体層と、第1の階層とをさらに含み、第1のアンテナアレイは第1の誘電体層の上面に配置されており、第1の階層は第1の誘電体層の下に配置されており、第1の階層は、第1の誘電体層の下面に接合されている。
【0118】
任意選択で、本アンテナ装置は3層プリント回路基板(Printed Circuit Board、PCB)構造を含み、その表面層はアンテナアレイであり、第1の誘電体層は高周波回路基板または別の材料であってもよい。高周波回路基板が、電磁周波数が比較的高い特殊な回路基板であることに留意されたい。一般に高周波は、1GHzを超える周波数として定義され得る。その物理的性能、精度、技術的なパラメータに対する要求が非常に高い高周波回路基板は、自動車用衝突回避システム、衛星システム、無線システム分野などで一般的に用いられている。本アンテナ装置の動作周波数に対応する波長をλとしたとき、第1の誘電体層の厚さHは、0.003λ≦H≦0.15λを満たす。Hおよびλの単位はいずれもミリメートルである。
【0119】
任意選択で、βの値は、第1の誘電体層の材料に関連付けられている。第1の誘電体層は、誘電率3、厚さ5ミルの高周波回路基板NF30であってもよく、また、第1の階層は金属階層である。この場合、βは78°である。本アンテナ装置の3dBビーム幅、インピーダンス特性、および放射効率が最適化され得る。
【0120】
1つの可能な実施態様では、本装置は第2のアンテナアレイをさらに含み、第2のアンテナアレイは、第1のアンテナアレイの構造と同じ構造を有する第2のアンテナユニット、および第2のインピーダンス整合ユニットを含み、第2のインピーダンス整合ユニットのインピーダンス整合性能は、第1のインピーダンス整合ユニットのインピーダンス整合性能とは異なっている。第2のアンテナアレイは、無給電ダミーアンテナアレイである。
【0121】
例えば、
図11に示すように、本アンテナ装置は10個のアンテナアレイANT1~ANT10を含む。ANT4~ANT7は給電アンテナであり、具体的には、ANT4~ANT7の給電端部を介して電流入力がある。ANT4~ANT7の構造は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。ANT1~ANT3、ANT8~ANT10は無給電ダミーアンテナであり、ANT1~ANT3、およびANT8~ANT10の構造は同じであってもよいし、異なっていてもよい。本実施形態では、無給電ダミーアンテナの給電端部における処理は短絡または開放に限定されず、短絡および開放の長さも限定されない。加えて、ANT1~ANT3、およびANT8~ANT10、およびANT4~ANT7の構造は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。加えて、本実施形態では、給電アンテナの数および配置方法、ならびに無給電ダミーアンテナアレイの数および配置方法は限定されない。無給電ダミーアンテナ構造を付加することで、アンテナの表面波が効果的に改善され得る。このようにして、水平面内のアンテナアレイの振幅一貫性および位相一貫性が改善される。したがって、レーダの測角性能や測距性能が向上する。
【0122】
例えば、本出願の一実施形態における第1のアンテナアレイの構造を
図12に示す。第1のインピーダンス整合ユニットの位置は、アンテナアレイの中央にある。第1のインピーダンス整合ユニットの位置は、一例に過ぎない。あるいは、第1のインピーダンス整合ユニットは、隣接する2つのアンテナユニットの中間に位置していてもよい。これについては本出願では限定されない。
【0123】
例えば、本出願は、パッチサブユニットが同じ幅を有する、
図13に示すような第1のアンテナアレイの構造を提供する。
図13のアンテナユニットの数は一例に過ぎず、これについては本出願では限定されない。
【0124】
図13に示すアンテナ構造と
図1に示すアンテナ構造との性能比較のシミュレーション図を、
図14(a)~
図14(c)に示す。
図14(a)は、反射係数の比較結果を示す。
図13に示すアンテナ構造のインピーダンス帯域幅は、
図1に示すアンテナ構造のインピーダンス帯域幅と比較して1.3%から6.5%まで拡大している。
図14(b)は、アンテナ放射効率の比較結果を示す。
図13に示すアンテナ構造の効率は、
図1に示すアンテナ構造の効率よりも22%高くなっている。
図14(c)は、正規化された水平放射パターンでの比較結果を示す。
図13に示すアンテナ構造の3dbビーム幅は、
図1に示すアンテナ構造の3dbビーム幅よりも46度広くなっている。
【0125】
例えば、本出願は、
図15に示すような第1のアンテナアレイの構造を提供する。パッチサブユニットの中間幅が最も広くなっており、またパッチサブユニットの両側は徐々に狭くなっている。
【0126】
図15に示すアンテナ構造と
図1に示すアンテナ構造との性能比較のシミュレーション図を、
図16(a)~
図16(c)に示す。
図16(a)は、アンテナ反射係数の比較結果を示す。
図15に示すアンテナ構造のインピーダンス帯域幅は、
図1に示すアンテナ構造のインピーダンス帯域幅と比較して1.3%から7.3%まで拡大している。
図16(b)は、アンテナ放射効率の比較結果を示す。
図15に示すアンテナ構造の放射効率は、
図1に示すアンテナ構造の放射効率よりも22%高くなっている。
図16(c)は、正規化された水平放射パターンでの比較結果を示す。
図15に示すアンテナ構造の3dbビーム幅は、
図1に示すアンテナ構造の3dbビーム幅よりも52度広くなっている。
【0127】
図17は、本出願の一実施形態に係るレーダ1700の概略構造図である。レーダ1700はアンテナ装置1701を含み、アンテナ装置1701は前述の実施形態のうちのいずれかのアンテナ装置であってもよい。さらに、レーダ1700はミリ波レーダである。
【0128】
任意選択で、レーダ1700は制御チップ1702をさらに含む。制御チップ1702は本アンテナ装置に接続されており、また制御チップ1702は、信号を送受信するように本アンテナ装置を制御するよう構成されている。
【0129】
あるいは、レーダは、検出機能を有する別の検出装置であってもよい。
【0130】
図18は、本出願の一実施形態に係る端末1800を示す。端末1800は、
図17に示すレーダ1700を含む。
【0131】
任意選択で、本出願の本実施形態における端末は、レーダを使用して通信機能および/または検出機能を実装する能力を有していてもよい。これについては、本出願の本実施形態では限定されない。
【0132】
1つの可能な実施態様では、端末は、自動運転またはインテリジェント運転における車両、無人航空機、無人輸送車両、ロボットなどであってもよい。
【0133】
別の可能な実施態様では、端末は、携帯電話(mobile phone)、タブレットコンピュータ(Pad)、無線トランシーバ機能を備えたコンピュータ、仮想現実(Virtual Reality、VR)端末、拡張現実(Augmented Reality、AR)端末、産業用制御(industrial control)端末、自動運転(self driving)端末、遠隔医療(remote medical)端末、スマートグリッド(smart grid)端末、輸送安全性(transportation safety)に関係する端末、スマートシティ(smart city)端末、スマートホーム(smart home)端末などであってもよい。
【0134】
本出願は、アンテナ装置を製造する方法1900をさらに提供する。本方法は、ステップS1910~S1930を含む。
【0135】
S1910で、第1の金属層上に第1のアンテナアレイをエッチングし、第1のアンテナアレイは少なくとも1つのアンテナユニットを含み、少なくとも1つのアンテナユニットは第1のアンテナユニットを含み、第1のアンテナユニットは第1のパッチサブユニットおよび第1のフィーダサブユニットを含み、第1のフィーダサブユニットは第1のフィーダおよび第2のフィーダを含み、第1のパッチサブユニットと第1のフィーダとの間の挟角は第1の挟角θであり、0<θ<90°であり、また、第1のフィーダと第2のフィーダとの間の挟角は第2の挟角βであり、0<β<180°である。
【0136】
S1920で、本アンテナ装置の第1の表面と第1の誘電体層の第1の表面とを互いに接合する。
【0137】
S1930で、第1の誘電体層の第2の表面と第1の階層の第1の表面とを互いに接合し、本アンテナ装置は第1の階層を介して接地される。
【0138】
任意選択で、第1のパッチサブユニットは、第1の方向に第1のフィーダに隣接している。
【0139】
任意選択で、第1のフィーダの第1の端部は第1のパッチサブユニットに接続されており、第1のフィーダの第2の端部は第2のフィーダに接続されている。
【0140】
任意選択で、アンテナユニットは第1の伝送線路をさらに含み、第1の伝送線路は第1のパッチサブユニットに接続されており、また第1の伝送線路は第1のフィーダの第1の端部に接続されている。
【0141】
任意選択で、アンテナユニットは第2の伝送線路をさらに含み、第2の伝送線路の第1の端部は第1のフィーダに接続されており、また第2の伝送線路の第2の端部は第2のフィーダに接続されている。
【0142】
任意選択で、第1のフィーダの第2の端部は第2のフィーダに接続されている。
【0143】
任意選択で、第1のアンテナユニットは第2のパッチサブユニットをさらに含む。
【0144】
任意選択で、第2のパッチサブユニットは、第1の方向において第1のフィーダと第2のフィーダとの間に配置されている。
【0145】
任意選択で、第2のパッチサブユニットは第2の伝送線路に接続されている。
【0146】
任意選択で、第2のパッチサブユニットは第1のフィーダの第2の端部に接続されている。
【0147】
本出願の本実施形態の方法によって製造されるアンテナ装置によれば、第1のパッチサブユニットと第1のフィーダサブユニットとが直列に接続されており、また第1のフィーダと第2のフィーダとが挟角βを形成しているので、第1のアンテナアレイが第2の方向により狭い物理的開口を形成している。したがって、第1のアンテナアレイはより広い3dBビーム幅を有することができ、その結果、水平面内により広い検出角度範囲を有することができる。加えて、第1のパッチサブユニットは第1のフィーダサブユニットに直列に接続されているため、より広範囲なインピーダンス帯域幅がもたらされるため、より良好なインピーダンス特性が得られる。加えて、第1のアンテナユニットの放射素子が、第1のパッチサブユニットと第1のフィーダサブユニットとが直列に接続される方式を使用しているため、第1のアンテナユニットのエネルギーと他の隣接するアンテナユニットのエネルギーとが同じ位相で重畳され得る。そのため、入力条件が同じである場合、放射効率がより高くなり、なおかつ電磁波変換能力がより強くなる。これにより、不要なエネルギー損失が低減され得る。
【0148】
実施態様に関する上記の説明により、説明を簡便かつ簡潔にする目的で、上記の機能モジュールの分割が例示のための一例として使用されるに過ぎないことを、当業者が明確に理解できるようになる。実際の適用においては、前述の各機能は異なるモジュールに割り当てられて、要件に基づいて実装され得る。換言すれば、装置の内部構造は、上記で説明された機能の全部または一部を実装するために異なる機能モジュールに分割される。
【0149】
本出願で提供されるいくつかの実施形態では、開示されている装置および方法が他の方式で実装されてもよいことを理解されたい。例えば、記載の装置の実施形態は例に過ぎない。例えば、モジュールまたはユニットの分割は論理機能の分割に過ぎず、実際の実装においては他の分割があってもよい。例えば、複数のユニットまたは構成要素が別の装置に組み合わされるか、または統合されてもよく、あるいは一部の特徴が無視され、または実行されなくてもよい。加えて、表示もしくは議論された相互結合または直接的な結合もしくは通信接続は、いくつかのインターフェースを介して実装されてもよい。装置またはユニット間の間接的な結合または通信接続は、電子的形態、機械的形態、または別の形態で実施されてもよい。
【0150】
別々の部分として説明されるユニットは、物理的に分離していても分離していなくてもよく、ユニットとして表示される部分は、1つ以上の物理的ユニットであってもよく、すなわち、1つの場所に位置していてもよく、または複数の異なる場所に分散されていてもよい。ユニットの一部または全部は、実施形態の解決策の目的を達成するために実際の要件に基づいて選択されてもよい。
【0151】
また、本出願の実施形態における機能ユニットが1つの処理ユニットに統合されていてもよいし、ユニットの各々が物理的に単独で存在していてもよいし、または2つ以上のユニットが1つのユニットに統合されていてもよい。統合されたユニットは、ハードウェアの形態で実装されていてもよく、またはソフトウェア機能ユニットの形態で実装されていてよい。
【0152】
前述の説明は、本出願の実施形態の具体的な実施態様に過ぎず、本出願の実施形態の保護範囲を限定することを意図するものではない。本出願において開示されている技術的範囲内のいかなる変形または置換も、本出願の実施形態の保護範囲内に含まれるものとする。したがって、本出願の実施形態の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
【符号の説明】
【0153】
100 アンテナ装置
110 第1のパッチサブユニット
121 第1のフィーダ
122 第2のフィーダ
200 アンテナ装置
210 第1のパッチサブユニット
221 第1のフィーダ
222 第2のフィーダ
1700 レーダ
1701 アンテナ装置
1702 制御チップ
1800 端末