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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-11
(45)【発行日】2025-04-21
(54)【発明の名称】伝送制御方法および関連装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 60/04 20090101AFI20250414BHJP
   H04W 76/27 20180101ALI20250414BHJP
   H04W 4/20 20180101ALI20250414BHJP
   H04W 76/30 20180101ALI20250414BHJP
   H04W 48/08 20090101ALI20250414BHJP
【FI】
H04W60/04
H04W76/27
H04W4/20 110
H04W76/30
H04W48/08
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2024503571
(86)(22)【出願日】2022-07-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-14
(86)【国際出願番号】 CN2022106522
(87)【国際公開番号】W WO2023001149
(87)【国際公開日】2023-01-26
【審査請求日】2024-02-20
(31)【優先権主張番号】202110897870.3
(32)【優先日】2021-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110822924.X
(32)【優先日】2021-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100132481
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 克豪
(74)【代理人】
【識別番号】100115635
【弁理士】
【氏名又は名称】窪田 郁大
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 梦晨
(72)【発明者】
【氏名】徐 海博
(72)【発明者】
【氏名】ジャグディープ シング アルワリア
【審査官】望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110740484(CN,A)
【文献】CATT,Consideration on CP issues[online],3GPP TSG RAN WG2 #114-e R2-2105281,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_114-e/Docs/R2-2105281.zip>,2021年05月11日,[検索日 2024.12.03]
【文献】Samsung,Control Plane Common Aspects of RACH and CG based SDT[online],3GPP TSG RAN WG2 #114-e R2- 2104785,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_114-e/Docs/R2-2104785.zip>,2021年05月10日,[検索日 2024.12.03]
【文献】Lenovo, Motorola Mobility,Analysis on RA selection and RNAU[online],3GPP TSG RAN WG2 #112-e R2- 2009873,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_112-e/Docs/R2-2009873.zip>,2020年10月23日,[検索日 2024.12.03]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00-H04W99/00
H04B7/24-H04B7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非無線リソース制御(RRC)接続状態にある装置によって実行される方法であって、
第一のプリセット条件が満たされると、無線アクセス・ネットワークベースの通知エリア更新RNAU(RNAU)用であるRRC接続再開手順を実行するステップを備え、
前記第一のプリセット条件は、第二のタイマーが期限切れになっていることと、第一のタイマーが作動していないこととを含むか、または
前記第一のプリセット条件は、前記装置が第一のサービングセルのシステム情報ブロック1(SIB1)を受信することであって、前記第一のサービングセルが、構成済みの無線アクセス・ネットワークベース通知エリア(RNA)に属していない、ことと、第一のタイマーが作動していないこととを含み、かつ
前記装置がスモールデータ伝送SDT用であるRRC接続再開手順を開始すると、前記第一のタイマーは始動され、前記装置が前記第二のタイマーの継続時間を含むRRC解除メッセージを受信すると、前記第二のタイマーは始動される、
方法。
【請求項2】
前記第一のタイマーが作動しているときに、RRC拒否メッセージが受信された場合、前記第一のタイマーを停止するステップと、
前記第二のタイマーが作動していない場合、第一の変数を第一の値に設定するステップであって、前記第一の変数が前記第一の値であることは、保留中のRNA更新手順が存在することを示す、ステップと
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第一のタイマーが作動しているときに、RRC拒否メッセージが受信された場合、前記第一のタイマーを停止するステップと、
前記第二のタイマーが作動していない場合、前記RNAU用である前記RRC接続再開手順を実行するステップと
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第一のタイマーが作動しているときに、RRC拒否メッセージが受信された場合、前記第一のタイマーを停止するステップと、
前記第二のタイマーが作動していない場合、第三のタイマーを始動するステップと、
前記第三のタイマーが期限切れになっている場合、前記第一のタイマーが作動していない場合、前記RNAU用である前記RRC接続再開手順を実行するステップと
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第一のタイマーが期限切れになっているときに、前記第二のタイマーが作動していない場合、第一の変数を第一の値に設定するステップであって、前記第一の変数が前記第一の値であることは、保留中のRNA更新手順が存在することを示す、ステップ
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第一のタイマーが期限切れになっているときに、前記第二のタイマーが作動していない場合、前記RNAU用である前記RRC接続再開手順を実行するステップ
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第一のタイマーが作動しているときに、セル再選択が発生した場合、前記第一のタイマーを停止するステップと、
第二のサービングセルのSIB1を受信するステップであって、前記第二のサービングセルは、前記装置上に発生する前記セル再選択を通じて得られるサービングセルである、ステップと
前記第二のサービングセルの前記SIB1を受信しているときに、前記第二のサービングセルが前記構成済みのRNAに属し、前記第二のタイマーが作動していない場合、第一の変数を第一の値に設定するステップであって、前記第一の変数が前記第一の値であることは、保留中のRNA更新手順が存在することを示す、ステップと
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第一のタイマーが作動しているときに、セル再選択が発生した場合、前記第一のタイマーを停止するステップと
二のサービングセルのSIB1を受信するステップであって、前記第二のサービングセルは、前記装置上に発生するセル再選択を通じて得られるサービングセルである、ステップと
前記第二のサービングセルの前記SIB1が受信されるときに、前記第二のサービングセルが前記構成済みのRNAに属し、前記第二のタイマーが作動していない場合、前記RNAU用である前記RRC接続再開手順を実行するステップと
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第一のタイマーが作動しているときに、セル再選択が発生した場合、前記第一のタイマーを停止するステップと
第二のサービングセルのSIB1を受信するステップであって、前記第二のサービングセルは、前記装置上に発生するセル再選択を通じて得られたサービングセルである、ステップと、
前記第二のサービングセルの前記SIB1が受信されるときに、前記第二のサービングセルが前記構成済みのRNAに属し、前記第二のタイマーが作動していない場合、第三のタイマーを始動するステップと、
前記第三のタイマーが期限切れになっているときに、前記第一のタイマーが作動していない場合、前記RNAU用である前記RRC接続再開手順を実行するステップと
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記非RRC接続状態は、RRC非アクティブ状態を含み、前記装置上にセル再選択が発生した後、前記装置は、前記RRC非アクティブ状態にある、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
第一の変数を第一の値に設定する前記ステップの後、
アクセス禁止が緩和され、上位層がRRC層にRRC接続再開の実行を要求しない場合、かつ、前記第一の変数が前記第一の値である場合、前記RNAU用である前記RRC接続再開手順を実行するステップ
をさらに備える、請求項2に記載の方法。
【請求項12】
前記非RRC接続状態は、RRC非アクティブ状態を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
装置であって、前記装置は、請求項1ないし12の何れか一つに記載の方法を実装するように構成される、装置。
【請求項14】
コンピュータ記憶媒体であって、前記コンピュータ記憶媒体は、コンピュータプログラムを格納し、前記コンピュータプログラムが実行されると、請求項1ないし12の何れか一つに記載の方法が実装される、コンピュータ記憶媒体。
【請求項15】
コンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムが実行されると、請求項1ないし12の何れか一つに記載の方法が実装される、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、通信技術の分野に関し、特に、データ伝送方法および関連装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2021年7月21日に中国国家知識産権局に出願された「通信方法、端末、およびネットワーク機器」という名称の中国特許出願第202110822924.X号、および2021年8月5日に中国国家知識産権局に出願された「伝送制御方法および関連装置」という名称の中国特許出願第202110897870.3号に対する優先権を主張しており、両特許出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
[背景]
通信システムでは、端末およびネットワーク機器の間における通信プロトコルスタックは、無線リソース制御(RRC)層を含むことがある。現在、端末の三つのRRC状態が存在する。すなわち、RRCアイドル(RRC IDLE)状態、RRC非アクティブ(RRC INACTIVE)状態、およびRRC接続(RRC CONNECTED)状態である。RRC INACTIVE状態にある端末は、ネットワーク機器との間で、RRC接続再開手順を通じてスモールデータ(small data)の伝送を実行し得て、この伝送は、スモールデータ伝送(SDT)と呼ばれることがある。端末がRRC INACTIVE状態にある場合、無線アクセスネットワーク(RAN)は、RANベースの通知エリア(RNA)を管理し得る。例えば、端末は、RNA更新(RNAU)をトリガーし、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行して、端末が現在位置するRNAのネットワーク機器に通知し得る。
【0004】
端末がSDTを実行すると、RNAUの実行がトリガーされることがある。この場合、端末は、現在実行中のSDTを停止し、RNAUを実行し得て、これは、スモールデータの伝送に影響を与える。例えば、その後に端末が再びSDTを開始する場合、伝送遅延が増加し、電力消費量およびシグナリング・オーバーヘッドも増加する。
【発明の概要】
【0005】
本出願の実施形態は、スモールデータの伝送に対する影響を回避し、不必要な電力消費およびシグナリング・オーバーヘッドを回避するために、伝送制御方法および関連装置を開示する。
【0006】
第一の態様によれば、本出願の一実施形態は、非無線リソース制御RRC接続状態にある端末に適用される伝送制御方法を提供し、本方法は以下のことを含む。すなわち、第一のプリセット条件が満たされると、無線アクセス・ネットワークベースの通知エリア更新RNAU用であるRRC接続再開手順を実行するステップであって、第一のプリセット条件は、第二のタイマーが期限切れになり、第一のタイマーが作動していないことを含むか、または、第一のプリセット条件は、端末が第一のサービングセルのシステム情報ブロックSIB1を受信し、第一のサービングセルが構成された無線アクセス・ネットワークベースの通知エリアRNAに属することなく、第一のタイマーが作動していないことを含み、第一のタイマーは、端末がスモールデータ伝送SDT用であるRRC接続再開手順を開始したときに始動され、第二のタイマーは、端末が第二のタイマーの継続時間を含むRRC解除メッセージを受信したときに始動される、ステップ。
【0007】
幾つかの実施形態では、RNAU用であるRRC接続再開手順は、RRC要求メッセージを送信するステップであって、RRC要求メッセージにおける再開原因情報要素resumeCause IEは、RNA更新である、ステップを含む。
【0008】
例えば、第二のタイマーは、T380である。
【0009】
本出願では、第一のタイマーが作動していないと(換言すると、SDT手順が実行されていると)、RNAUは実行されない。SDTが実行されると、ネットワーク機器は、端末が位置するRNAを取得し得る。RNAUを実行しないことは、ネットワーク機器による端末のステータスの取得に影響を与えることなく、SDT手順で伝送が実行されるスモールデータに対する影響を回避することができ、例えば、伝送遅延における増加か回避され、その後にSDTを再開することによって増加する不必要なシグナリング・オーバーヘッドおよび電力消費が回避される。
【0010】
可能な実装では、第一のタイマーが作動していないことは、以下を意味する。すなわち、第一のタイマーが始動されていないこと。
【0011】
幾つかの実施形態では、第一のタイマーが始動されていないことは、SDT用である要件が存在しないことを示す。
【0012】
可能な実装では、第一のプリセット条件が満たされると、無線アクセス・ネットワークベースの通知エリア更新RNAU用である無線リソース制御RRC接続再開手順を実行する前に、本方法は、以下をさらに含む。すなわち、SDT用であるRRC接続再開手順を開始するステップ、第一のタイマーを始動するステップ。および、セル再選択が発生すると、第一のタイマーを停止するステップ。ここで、第一のプリセット条件は、第一のタイマーが作動していることなく、端末のサービングセルが構成されたRNAに属さないことと、第一のタイマーが作動していないことが、第一のタイマーが停止されることであることとであり、端末のサービングセルは、端末上に発生するセル再選択を通して得られるサービングセルである。
【0013】
幾つかの実施形態では、SDT用であるRRC接続再開手順は、RRC要求メッセージを送信するステップを含み、RRC要求メッセージのresumeCause IEは、mo-dataである。
【0014】
可能な実装では、第一のプリセット条件は、以下をさらに含む。すなわち、端末がRRC非アクティブ状態にあること、および/または端末がサービングセルにおいてSDT手順を実行することができないこと。
【0015】
幾つかの実施形態では、端末がサービングセルにおいてSDT手順を実行することができないことは、以下のことを含む。すなわち、端末がサービングセルにおいて以前のSDT手順を継続することができないこと。幾つかの実施形態では、端末がサービングセルにおいてSDT手順を実行することができないことは、以下のことを含む。すなわち、端末は、サービングセルにおいて新しいSDT手順を開始することができないこと。
【0016】
可能な実装では、本方法は、以下をさらに含む。すなわち、第一のタイマーが作動しているときに、RRC拒否メッセージが受信された場合、第一のタイマーを停止するステップ。および、第二のタイマーが作動していない場合、第一の変数を第一の値に設定するステップであって、第一の変数が第一の値であることは、保留中のRNA更新手順が存在することを示す、ステップ。
【0017】
本出願では、第一のタイマーが作動しているときに(換言すると、SDT手順が実行されているときに)、第二のタイマーが期限切れになった場合、端末は、現在実行されているSDT手順に対する影響を回避するように、RNAUを実行することもなく、第一の変数を第一の値に設定することもない。SDT手順が異常終了し(例えば、第一のタイマーが停止または期限切れになったとき)、第二のタイマーが作動していないとき、端末は、第一の変数を第一の値に設定し得ることにより、その後にRNAUを正常に実行することができる。
【0018】
可能な実装では、本方法は、以下をさらに含む。すなわち、第一のタイマーが作動しているとき、RRC拒否メッセージが受信された場合、第一のタイマーを停止するステップ。および、第二のタイマーが作動していない場合、RNAU用である無線リソース制御RRC接続再開手順を実行するステップ。
【0019】
本出願では、第一のタイマーが作動しているとき(換言すると、SDT手順が実行されているとき)に、第二のタイマーが期限切れになった場合、端末は、現在実行されているSDT手順に対する影響を回避するように、RNAUを実行することはない。SDT手順が異常終了し(例えば、第一のタイマーが停止または期限切れになったとき)、第二のタイマーが作動していない場合、端末は、RNAUを実行して、RNAUの正常な実行を保証する。
【0020】
可能な実装では、本方法は、以下をさらに含む。すなわち、第一のタイマーが作動しているときに、RRC拒否メッセージが受信された場合、第一のタイマーを停止するステップ。第二のタイマーが作動していない場合、第三のタイマーを始動するステップ。および、第三のタイマーが期限切れになったときに、第一のタイマーが作動していない場合、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行するステップ。
【0021】
可能な実装では、第三のタイマーの継続時間は、第二のタイマーの継続時間と同じである。
【0022】
可能な実装では、第三のタイマーの継続時間は、第二のタイマーの継続時間とは異なる。
【0023】
可能な実装では、非無線リソース制御RRC接続状態は、RRC非アクティブ状態であり、端末がRRC拒否メッセージを受信した後、端末は、RRC非アクティブ状態になる。
【0024】
本出願では、第一のタイマーが作動しているとき(換言すると、SDT手順が実行されているとき)に、第二のタイマーが期限切れになった場合、端末は、現在実行されているSDT手順に対する影響を回避するために、RNAUを実行することもなく、第三のタイマーを始動することもない。SDT手順が異常終了し(例えば、第一のタイマーが停止または期限切れになったとき)、第二のタイマーが作動していない場合、端末は、第三のタイマーを始動し得る。第三のタイマーが期限切れになり、第一のタイマーが作動していない場合、端末は、RNAU用である無線リソース制御RRC接続再開手順を実行して、RNAUの正常な実行を保証する。
【0025】
可能な実装では、本方法は、以下をさらに含む。すなわち、第一のタイマーが期限切れになったときに、第二のタイマーが作動していない場合、第一の変数を第一の値に設定するステップであって、第一の変数が第一の値であることは、保留中のRNA更新手順が存在することを示す、ステップ。
【0026】
可能な実装において、本方法は、以下をさらに含む。すなわち、第一のタイマーが期限切れになったときに、第二のタイマーが作動してない場合、RNAU用である無線リソース制御RRC接続再開手順を実行するステップ。
【0027】
可能な実装では、本方法は、以下をさらに含む。すなわち、第一のタイマーが期限切れになったときに、第二のタイマーが作動していない場合、第三のタイマーを始動するステップ。および、第三のタイマーが期限切れになったときに、第一のタイマーが作動していない場合、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行するステップ。
【0028】
可能な実装では、第三のタイマーの継続時間は、第二のタイマーの継続時間と同じである。
【0029】
可能な実装では、第三のタイマーの持続時間は、第二のタイマーの持続時間とは異なる。
【0030】
可能な実装では、非無線リソース制御RRC接続状態は、RRC非アクティブ状態であり、第一のタイマーが期限切れになった後、端末は、RRC非アクティブ状態になる。
【0031】
可能な実装では、本方法は、以下をさらに含む。すなわち、第一のタイマーが作動しているときに、セル再選択が発生した場合、第二のサービングセルのSIB1を受信するステップであって、第二のサービングセルは、端末に発生するセル再選択を通して得られるサービングセルである、ステップ。および、第二のサービングセルのSIB1が受信されたときに、第二のサービングセルが構成されたRNAに属し、第二のタイマーが作動していない場合、第一の変数を第一の値に設定するステップであって、第一の変数が第一の値であることは、保留中のRNA更新手順が存在することを示す、ステップ。
【0032】
可能な実装では、本方法は、以下をさらに含む。すなわち、第一のタイマーが作動しているときに、セル再選択が発生した場合、第一のタイマーを停止するステップ。第二のサービングセルのSIB1を受信するステップであって、第二のサービングセルは、端末に発生するセル再選択を通じて得られるサービングセルである、ステップ。および、第二のサービングセルのSIB1が受信されたときに、第二のサービングセルが構成されたRNAに属し、第二のタイマーが作動していない場合、RNAU用である無線リソース制御RRC接続再開手順を実行するステップ。
【0033】
可能な実装では、本方法は、以下をさらに含む。すなわち、第一のタイマーが作動しているときに、セル再選択が発生した場合、第二のサービングセルのSIB1を受信するステップであって、第二のサービングセルが、端末上に発生するセル再選択を通して得られるサービングセルである、ステップ。第二のサービングセルのSIB1が受信されときに、第二のサービングセルが構成されたRNAに属し、第二のタイマーが作動していない場合、第三のタイマーを始動するステップ。および、第三のタイマーが期限切れになったときに、第一のタイマーが作動していない場合、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行するステップ。
【0034】
可能な実装では、第三のタイマーの継続時間は、第二のタイマーの継続時間と同じである。
【0035】
可能な実装では、第三のタイマーの継続時間は、第二のタイマーの継続時間とは異なる。
【0036】
可能な実装では、非無線リソース制御RRC接続状態は、RRC非アクティブ状態であり、端末上にセル再選択が発生した後、端末は、RRC非アクティブ状態にある。
【0037】
可能な実装では、第一の変数を第一の値に設定するステップの後、本方法は、以下をさらに含む。すなわち、アクセス禁止が緩和され、非アクセスNAS層がRRC接続再開を実行するようにRRC層に要求しない場合、かつ、第一の変数が第一の値である場合、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行するステップ。
【0038】
可能な実装では、非無線リソース制御RRC接続状態は、RRC非アクティブ状態である。
【0039】
第二の態様によれば、本出願の一実施形態は、非RRC接続状態にある端末に適用される、別の伝送制御方法を提供し、本方法は、以下のことを含む。すなわち、第一のプリセット条件が満たされる場合、第一の変数を第一の値に設定するステップであって、第一の変数は第一の値であることは、保留中のRNA更新手順が存在することを示し、第一のプリセット条件は、第一のタイマーが作動していないことを含み、第一のタイマーは、端末が第一のタイマーの持続時間を含むRRC解除メッセージを受信したときに始動される、ステップ。
【0040】
例えば、第一のタイマーは、T380である。
【0041】
可能な実装では、第一のプリセット条件は、第二のタイマーが作動しているときに、端末がRRC拒否メッセージを受信することと、端末がSDT用であるRRC接続再開手順を開始するときに、第二のタイマーが始動されることと、端末がRRC拒否メッセージを受信するときに、第二のタイマーが停止されることをさらに含む。
【0042】
可能な実装では、第一のプリセット条件は、第二のタイマーが期限切れになることと、端末がSDT用であるRRC接続再開手順を開始するときに、第二のタイマーが始動されることをさらに含む。
【0043】
可能な実装では、非RRC接続状態は、RRC非アクティブ状態であり、第二のタイマーが期限切れになった後、端末は、RRC非アクティブ状態にある。
【0044】
可能な実装では、第一のプリセット条件は、以下をさらに含む。すなわち、端末は、第一のサービングセルのSIB1を受信し、第一のサービングセルは、構成されたRNAに属すること。および、第一のプリセット条件が満たされると、第一の変数を第一の値に設定するステップの前に、本方法は、以下をさらに含むこと。すなわち、第二のタイマーが作動しているときに、セル再選択が発生した場合、第二のタイマーを停止するステップであって、端末がSDT用であるRRC接続再開手順を開始したときに、第二のタイマーが始動される、ステップ。および、第一のサービングセルのSIB1を受信するステップであって、第一のサービングセルは、端末に発生するセル再選択を通じて得られるサービングセルである、ステップ。
【0045】
可能な実装では、第一の変数を第一の値に設定するステップの後、本方法は、以下をさらに含む。すなわち、アクセス禁止が緩和され、非アクセスNAS層がRRC接続再開を実行するようにRRC層に要求しない場合、かつ、第一の変数が第一の値である場合、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行するステップ。
【0046】
可能な実装では、非RRC接続状態は、RRC非アクティブ状態である。
【0047】
本出願では、第二のタイマーが作動しているとき(換言すると、SDT手順が実行されているとき)に、第一のタイマーが期限切れになった場合、端末は、現在実行されているSDT手順に対する影響を回避するように、RNAUを実行することもなく、第一の変数を第一の値に設定することもない。SDT手順が異常終了し(例えば、第二のタイマーが停止または期限切れになり)、第一のタイマーが作動していない場合、端末は、第一の変数を第一の値に設定し得て、これにより、その後にRNAUを正常に実行することができる。
【0048】
第三の態様によれば、本出願の一実施形態は、非RRC接続状態にある端末に適用される、さらに別の伝送制御方法を提供する。本方法は、以下のことを含む。すなわち、第一のタイマーを始動するステップ。SDT用であるRRC接続再開手順を開始するステップ。下位層によって、SDT用であるRRC接続再開手順において上位層に第一の情報を指示するステップであって、第一の情報は、SDT用であるRRC接続再開手順が成功することを示す、ステップ。および、第一の情報に基づいて、第一のタイマーを停止するステップ。
【0049】
幾つかの実施形態では、端末は、第一のタイマーの継続時間を含むRRC解除メッセージを受信すると、第一のタイマーを始動する。例えば、第一のタイマーは、T380である。
【0050】
本出願では、SDT手順を実行すると、端末は、第一のタイマーが期限切れになると、RNAUがトリガーされることを防止するように、第一のタイマーを停止し得る。SDTが実行されると、ネットワーク機器は、端末が位置するRNAを取得し得て、RNAUをトリガーしないことは、ネットワーク機器による端末のステータスの取得に影響を与えないだけでなく、SDT手順におけるスモールデータの伝送に対する影響を回避することができる。
【0051】
可能な実装では、SDT用であるRRC接続再開手順を開始するステップは、以下のことを含む。すなわち、端末がネットワーク機器にRRC要求メッセージを送信すること。および、端末の下位層は、RRC要求メッセージに応答して、ネットワーク機器によって送信された第一の応答メッセージを受信すること。下位層によって、上位層に第一の情報を指示するステップは、以下のことを含む。すなわち、下位層は、第一の応答メッセージに基づいて、第一の情報を上位層に指示すること。
【0052】
可能な実装では、SDT用であるRRC接続再開手順は、以下のことを含む。すなわち、端末は、ランダムアクセス手順においてRRC要求メッセージをネットワーク機器に送信すること。下位層によって、第一の情報を上位層に指示するステップは、以下のことを含む。すなわち、メディアアクセス制御MAC層は、第一の情報をRRC層に指示することであって、第一の情報は、競合解消が成功していることを示す、こと。第一の情報に基づいて第一のタイマーを停止するステップは、以下のことを含む。すなわち、RRC層は、MAC層によって示された第一の情報を受信した後、第一のタイマーを停止すること。
【0053】
可能な実装では、端末がRRC要求メッセージをネットワーク機器に送信することは、以下のことを含む。すなわち、端末は、ランダムアクセス手順においてRRC要求メッセージをネットワーク機器に送信することであって、第一の応答メッセージは、競合解消が成功していることを示す、こと。
【0054】
例えば、第一の応答メッセージは、競合解消メッセージである。
【0055】
可能な実装では、SDT用であるRRC接続再開手順は、以下のことを含む。すなわち、端末は、事前に構成されたアップリンクリソースに基づいて、RRC要求メッセージをネットワーク機器に送信することであって、第一の情報は、RRC要求メッセージが成功裏に送信されたことを示す、こと。
【0056】
可能な実装では、下位層によって、第一の情報を上位層に指示するステップは、以下のことを含む。すなわち、メディアアクセス制御MAC層は、第一の情報をRRC層に指示すること。第一の情報に基づいて第一のタイマーを停止するステップは、以下のことを含む。すなわち、RRC層は、MAC層によって指示された第一の情報を受信した後、第一のタイマーを停止すること。あるいは、下位層によって、第一の情報を上位層に指示するステップは、以下のことを含む。すなわち、物理層が第一の情報をRRC層に指示すること。および、第一の情報に基づいて第一のタイマーを停止するステップは、以下のことを含む。すなわち、RRC層は、物理層によって指示された第一の情報に基づいて、第一のタイマーを停止すること。あるいは、下位層によって、第一の情報を上位層に指示するステップの前に、本方法は、以下をさらに含む。すなわち、物理層は、第二の情報をMAC層に指示することであって、第二の情報は、RRC要求メッセージが成功裏に送信されたことを示す、こと。下位層によって、第一の情報を上位層に指示するステップは、以下のことを含む。すなわち、MAC層は、物理層によって指示された第二の情報を受信し、第一の情報をRRC層に指示すること。第一の情報に基づいて第一のタイマーを停止するステップは、以下のことを含む。すなわち、RRC層は、MAC層によって指示された第一の情報を受信した後、第一のタイマーを停止すること。
【0057】
可能な実装では、端末がRRC要求メッセージをネットワーク機器に送信するステップは、以下のことを含む。すなわち、端末は、事前に構成されたアップリンクリソースに基づいて、RRC要求メッセージをネットワーク機器に送信することであって、第一の応答メッセージは、RRC要求メッセージが成功裏に送信されたことを示す、こと。
【0058】
可能な実装では、SDT用であるRRC接続再開手順を開始するステップは、以下のことを含む。すなわち、SDT用であるRRC接続再開手順を開始するステップ。および、第二のタイマーを始動するステップ。
【0059】
可能な実装では、第一のタイマーを停止するステップの後、本方法は、以下をさらに含む。すなわち、第二のタイマーが作動しているときに、RRC拒否メッセージが受信された場合、第二のタイマーを停止するステップ。および、第一のタイマーが作動していない場合、第一の変数を第一の値に設定するステップであって、第一の変数が第一の値であることは、保留中のRNA更新手順が存在することを示す、ステップ。
【0060】
本出願では、SDT手順において第一のタイマーが停止された場合、端末は、SDT手順が異常終了すると(例えば、第二のタイマーが停止または期限切れになると)、第一の変数を第一の値に設定し得て、これにより、その後、RNAUが依然としてトリガーされて、RNAUの正常な実行を保証し得る。
【0061】
可能な実装では、第一のタイマーを停止するステップの後、本方法は、以下をさらに含む。すなわち、第二のタイマーが作動しているときに、RRC拒否メッセージが受信された場合、第二のタイマーを停止するステップ。および、第一のタイマーが作動していない場合、RNAU用である無線リソース制御RRC接続再開手順を実行するステップ。
【0062】
本出願では、SDT手順において第一のタイマーが停止される場合、端末は、SDT手順が異常終了する(例えば、第二のタイマーが停止または期限切れになる)と、RNAUを実行して、RNAUの正常な実行を保証し得る。
【0063】
可能な実装では、第一のタイマーを停止するステップの後、本方法は、以下をさらに含む。すなわち、第二のタイマーが作動しているときに、RRC拒否メッセージが受信された場合、第二のタイマーを停止するステップ。第一のタイマーが作動していない場合、第三のタイマーを始動するステップ。および、第三のタイマーが期限切れになるときに、第二のタイマーが作動していない場合、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行するステップ。
【0064】
可能な実装では、第三のタイマーの継続時間は、第一のタイマーの継続時間と同じである。
【0065】
可能な実装では、第三のタイマーの継続時間は、第一のタイマーの継続時間とは異なる。
【0066】
可能な実装では、非無線リソース制御RRC接続状態は、RRC非アクティブ状態であり、端末がRRC拒否メッセージを受信した後、端末は、RRC非アクティブ状態になる。
【0067】
本出願では、SDT手順において第一のタイマーが停止される場合、端末は、SDT手順が異常終了する(例えば、第二のタイマーが停止または期限切れになる)と、第三のタイマーを始動し、第三のタイマーが期限切れになり、第二のタイマーが作動していないと、RNAUを実行して、RNAUの正常な実行を保証し得る。
【0068】
可能な実装では、本方法は、以下をさらに含む。すなわち、第二のタイマーが期限切れになったときに、第一のタイマーが作動していない場合、第一の変数を第一の値に設定するステップであって、第一の変数が第一の値であることは、保留中のRNA更新手順が存在することを示す、ステップ。
【0069】
可能な実装では、本方法は、以下をさらに含む。すなわち、第二のタイマーが期限切れになったときに、第一のタイマーが作動していない場合、RNAU用である無線リソース制御RRC接続再開手順を実行するステップ。
【0070】
可能な実装では、本方法は、以下をさらに含む。すなわち、第二のタイマーが期限切れになったときに、第一のタイマーが作動していない場合、第三のタイマーを始動するステップ。および、第三のタイマーが期限切れになったときに、第二のタイマーが作動していない場合、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行するステップ。
【0071】
可能な実装では、第三のタイマーの継続時間は、第一のタイマーの継続時間と同じである。
【0072】
可能な実装では、第三のタイマーの継続時間は、第一のタイマーの継続時間とは異なる。
【0073】
可能な実装では、非無線リソース制御RRC接続状態は、RRC非アクティブ状態であり、第一のタイマーが期限切れになった後、端末は、RRC非アクティブ状態にある。
【0074】
可能な実装では、本方法は、以下をさらに含む。すなわち、第二のタイマーが作動しているときに、セル再選択が発生した場合、第二のタイマーを停止するステップ。第一のサービングセルのSIB1を受信するステップであって、第一のサービングセルは、端末に発生するセル再選択によって得られるサービングセルである、ステップ。および、第一のサービングセルのSIB1が受信されるときに、第一のサービングセルが構成されたRNAに属し、第一のタイマーが作動していない場合、第一の変数を第一の値に設定するステップであって、第一の変数が第一の値であることは、保留中のRNA更新手順が存在することを示す、ステップ。
【0075】
可能な実装では、本方法は、以下をさらに含む。すなわち、第二のタイマーが作動しているときに、セル再選択が発生した場合、第二のタイマーを停止するステップ。第一のサービングセルのSIB1を受信するステップであって、第一のサービングセルは、端末に発生するセル再選択によって得られるサービングセルである、ステップ。および、第一のサービングセルのSIB1が受信されるときに、第一のサービングセルが構成されたRNAに属し、第一のタイマーが作動していない場合、RNAU用である無線リソース制御RRC接続再開手順を実行するステップ。
【0076】
可能な実装では、本方法は、以下をさらに含む。すなわち、第二のタイマーが作動しているときに、セル再選択が発生した場合、第二のタイマーを停止するステップ。第一のサービングセルのSIB1を受信するステップであって、第一のサービングセルは、端末に発生するセル再選択によって得られるサービングセルである、ステップ。第一のサービングセルのSIB1が受信されるときに、第一のサービングセルが構成されたRNAに属し、第一のタイマーが作動していない場合、第三のタイマーを始動するステップ。および、第三のタイマーが期限切れになるときに、第二のタイマーが作動していない場合、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行するステップ。
【0077】
可能な実装では、第三のタイマーの継続時間は、第二のタイマーの継続時間と同じである。
【0078】
可能な実装では、第三のタイマーの継続時間は、第二のタイマーの継続時間とは異なる。
【0079】
可能な実装では、非無線リソース制御RRC接続状態は、RRC非アクティブ状態であり、端末上にセル再選択が発生した後、端末は、RRC非アクティブ状態にある。
【0080】
可能な実装では、第一の変数を第一の値に設定するステップの後、本方法は、以下をさらに含む。すなわち、アクセス禁止が緩和され、非アクセスNAS層がRRC接続再開を実行するようにRRC層に要求しない場合、かつ、第一の変数が第一の値である場合、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行するステップ。
【0081】
可能な実装では、非RRC接続状態は、RRC非アクティブ状態である。
【0082】
第四の態様によれば、本出願の実施形態は、送受信機、プロセッサ、およびメモリを含む端末を提供する。メモリは、コンピュータプログラムコードを格納するように構成され、コンピュータプログラムコードは、コンピュータ命令を含み、プロセッサは、そのコンピュータ命令を呼び出し、これにより、上述するユーザー装置は、本出願の実施形態における第一の態様ないし第三の態様の何れか一つに提供される伝送制御方法、および第一の態様ないし第三の態様の実装を実行する。
【0083】
第五の局面によれば、本出願の一実施形態は、通信装置を提供する。本装置は、端末または端末内のチップであり得る。本通信装置は、処理ユニットを含む。この処理ユニットは、本出願の実施形態における第一の態様ないし第三の態様の何れか一つに提供される伝送制御方法、および第一の態様ないし第三の態様の実装を実行するように構成される。
【0084】
第六の態様によれば、本出願の一実施形態は、コンピュータ記憶媒体を提供する。本コンピュータ記憶媒体は、コンピュータプログラムを格納し、そのコンピュータプログラムは、プログラム命令を含み、そのプログラム命令がプロセッサによって実行されると、本出願の実施形態における第一の態様ないし第三の態様の何れか一つに提供される伝送制御方法、および第一の態様ないし第三の態様の実装が実行される。
【0085】
第七の態様によれば、本出願の一実施形態は、コンピュータプログラム製品を提供する。本コンピュータプログラム製品が通信機器上で実行されると、その通信装置は、本出願の実施形態における第一の態様ないし第三の態様の何れか一つに提供される伝送制御方法、および第一の態様ないし第三の態様の実装を実行することが可能になる。
【0086】
第八の態様によれば、本出願の一実施形態は、電子機器を提供する。本電子機器は、本出願の任意の実施形態における方法を実行するための装置を含む。本電子機器は、例えば、チップである。
【図面の簡単な説明】
【0087】
以下、本出願の実施形態に使用される添付図面について説明する。
【0088】
図1】本出願の一実施形態による、通信システムのアーキテクチャを示す模式図である。
図2】新無線NRにおけるユーザープレーン通信プロトコルスタックのアーキテクチャを示す模式図である。
図3】NRにおける制御プレーン通信プロトコルスタックのアーキテクチャを示す模式図である。
図4】ユーザー装置UEの無線リソース制御RRC状態間の切替えを示す模式図である。
図5】本出願の実施形態による、スモールデータ伝送SDTを示す幾つかの模式的フローチャートである。
図6】本出願の実施形態による、スモールデータ伝送SDTを示す幾つかの模式的フローチャートである。
図7】本出願の実施形態による、スモールデータ伝送SDTを示す幾つかの模式的フローチャートである。
図8】本出願の実施形態による、スモールデータ伝送SDTを示す幾つかの模式的フローチャートである。
図9】本出願の実施形態による、スモールデータ伝送SDTを示す幾つかの模式的フローチャートである。
図10】本出願の実施形態による、スモールデータ伝送SDTを示す幾つかの模式的フローチャートである。
図11】本出願の一実施形態による、伝送制御方法を示す模式的フローチャートである。
図12】本出願の実施形態による、シーケンス図である。
図13】本出願の実施形態による、他の伝送制御方法を示す模式的フローチャートである。
図14】本出願の実施形態による、他の伝送制御方法を示す模式的フローチャートである。
図15】本出願の実施形態による、他の伝送制御方法を示す模式的フローチャートである。
図16】本出願の実施形態による、他の伝送制御方法を示す模式的フローチャートである。
図17】本出願の実施形態による、他の伝送制御方法を示す模式的フローチャートである。
図18】本出願の実施形態による、別のシーケンス図である
図19】本出願の実施形態による、別の伝送制御方法を示す模式的フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0089】
本出願の実施形態による技術的解決策について、添付図面を参照して、以下に明確に説明する。なお、本出願の実施形態の実装に使用される用語は、単に本出願の特定の実施形態を説明するために使用されるだけであり、本出願を限定することを意図していない。
【0090】
最初に、本出願に関連する関連装置および通信システムについて説明する。
【0091】
本出願の実施形態では、ネットワーク機器は、情報を送信または受信するように構成された機器であり得る。幾つかの実施形態では、ネットワーク機器は、アクセスネットワーク機器であり、例えば、基地局、ユーザー装置(UE)、無線アクセスポイント(AP)、送信受信ポイント(TRP)、中継器、または基地局の機能を有する別のネットワーク機器であるが、これらに限定されない。基地局は、無線通信機能を提供するために無線アクセスネットワーク(RAN)に配置される機器である。異なる無線アクセスシステムでは、基地局の名称は、例えば、以下のように異なることがあるが、これらに限定されない。すなわち、グローバル移動通信システム(GSM)または符号分割多元接続(CDMA)における基地局(BTS)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)におけるNodeB(NB)、 ロングタームエボリューション(LTE)における進化型基地局(eNodeB)、第五世代移動通信技術(5G)の次世代基地局(gNodeB、gNB)、すなわち新無線アクセス(NR)、または別の将来のネットワークシステムにおける基地局。
【0092】
本出願の実施形態では、端末は、無線通信機能を有する機器であり得る。幾つかの実施形態では、端末は、UEである。幾つかの実施形態では、端末は、移動局、アクセス端末、またはユーザーエージェントなどとも呼ばれこともある。例えば、端末は、ハンドヘルド機器、ウェアラブル機器、コンピューティング機器、ポータブル機器、または車載機器などの形態にある端末である。例えば、端末は、具体的には、携帯電話、スマートフォン、スマートグラス、ラップトップコンピュータ、携帯情報端末、またはコードレス電話などの機器である。以下の実施形態では、端末がUEである例が、説明のために使用される。
【0093】
図1は、本出願の一実施形態による、通信システムのアーキテクチャを示す模式図である。この通信システムは、GSM、CDMA、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)、時分割符号分割多元接続(TD-CDMA)、ユニバーサル移動通信システム(UMTS)、LTE、NR、または別の将来のネットワークシステムであってよいが、これらに限定されない。
【0094】
図1に示されるように、通信システムは、コアネットワーク110、ネットワーク機器120、およびUE130を含み得る。コアネットワーク110は、少なくとも一つのネットワーク機器120に接続され得て、ネットワーク機器120は、少なくとも一つのUE130に向けて無線通信サービスを提供し得て、UE130は、エアインターフェースを介して、少なくとも一つのネットワーク機器120に接続され得る。コアネットワーク110は、通信システムにおける重要な制御ノードであり、例えば、アクセス制御、モビリティ管理、およびセッション管理などの機能を実装することに限定されないが、主にシグナリング処理機能を担当する。幾つかの実施形態では、ネットワーク機器120は、基地局である。NRでは、コアネットワーク110は、5Gコアネットワーク(5GCore、5GC)110と呼ばれることがあり、ネットワーク機器120は、gNB120と呼ばれることがある。幾つかの実施形態では、少なくとも一つの基地局は、次世代無線アクセスネットワーク(NB-RAN)ノードを形成し得る。NG-RANノードは、NGインターフェースを介して、5GC110に接続される、少なくとも一つのgNB120を含み得て、NG-RANノードにおける少なくとも一つのgNB120は、Xn-Cインターフェースを介して、相互に接続され、通信し得る。UE130は、Uuインターフェースを介して、gNB120に接続され得る。
【0095】
コアネットワーク110は、ネットワーク機器120を介して、UE130にダウンリンクデータを送信し得るか、またはUE130は、接続されたネットワーク機器120を介して、コアネットワーク110にアップリンクデータを送信し得る。図1に示されるコアネットワーク110、ネットワーク機器120、およびUE130の形態および数量は、単に例として使用されていることは、留意されるべきである。これは、本出願の実施形態に限定されない。
【0096】
理解を容易にするために、本出願の実施形態は、適用される通信システムがLTEおよび/またはNRであり、ネットワーク機器が基地局であり、一つのNG-RANが少なくとも一つの基地局を含む、一例を用いることによって、主に説明される。
【0097】
以下に、説明のためにNR通信プロトコルスタックの一例を説明する。
【0098】
図2は、NRにおけるユーザープレーン・プロトコルスタックのアーキテクチャを示す模式図である。ユーザープレーン・プロトコルスタックは、物理(PHY)層、メディアアクセス制御(MAC)層、無線リンク制御(RLC)層、パケットデータ収束プロトコル(PDCP)層、およびサービスデータ適応プロトコル(SDAP)層を含み得る。
【0099】
図3は、NRにおける制御プレーン・プロトコルスタックのアーキテクチャを示す模式図である。制御プレーン・プロトコルスタックは、PHY層、MAC層、RLC層、PDCP層、無線リソース制御(RRC)層、および非アクセス層(NAS)を含み得る。
【0100】
LTEにおけるユーザープレーン・プロトコルスタックと比較して、NRにおけるユーザープレーン・プロトコルスタックには、SDAP層が新たに追加されている。ただし、他の層のアーキテクチャは一貫しており、具体的な記述も類似している。LTEは、比較的発達しており、詳細な説明については省略する。
【0101】
図2および図3に示されるように、PDCP層の下位層には、RLC層が含まれる。PDCP層は、制御プレーンであるRRCメッセージを処理することができる。PDCP層は、IPパケットヘッダを圧縮して、無線インターフェースを介して伝送が実行されるビット数を削減することができる。PDCP層は、制御プレーンの暗号化および送信データの完全性保護を担当し得る。受信側では、PDCP層は、対応する復号化操作および解凍操作を実行する。各無線ベアラに対して、一つのPDCPエンティティが構成され得る。RLC層は、分割/連結、再送制御、および反復検出などを担当する。RLC層は、PDCP層にサービスを提供し、各無線ベアラについてRLCエンティティを構成し得る。MAC層は、論理チャネルの多重化、ハイブリッド自動再送要求の再送信、ならびにアップリンクおよびダウンリンクのスケジューリングなどを制御する。MAC層は、論理チャネルの形態においてRLC層にサービスを提供する。PHY層は、符号化/復号化、変調/復調、マルチアンテナマッピング、および他種類の物理層機能の管理を担当する。PHY層は、トランスポートチャネルの形態においてMAC層にサービスを提供する。
【0102】
図2および図3に示されるように、MAC層は、論理チャネル(LCH)を介して上位層(例えば、RLC層など)にサービスを提供し得る。送信される情報の種類に基づいて、論理チャネルは、制御プレーンにおける制御情報の送信用である制御チャネルと、ユーザープレーンにおけるユーザーデータの送信用であるトラフィックチャネルとに分類され得る。制御チャネルは、共通制御チャネル(CCCH)および専用制御チャネル(DCCH)を含み得るが、これらに限定されない。トラフィックチャネルは、専用トラフィックチャネル(DTCH)を含むが、これに限定されない。CCCHは、常に存在し得て、RANノードへのRRC接続を有しないUEも、CCCHを使用して、情報伝送を実行し得る。DCCHは、UEおよびRANノード間の専用制御情報の伝送用であり得る。DTCHは、UEおよびRANノードの間のユーザーデータの伝送用であり得る。一般に、DCCHおよびDTCHは、常に存在するわけではなく、UEに接続された基地局がUEコンテキスト(UE context)を再開した後にのみ、UEおよび基地局の間の通信に使用することができる。UEコンテキストには、端末の識別子、無線ベアラ(RB)関連の構成、完全性保護および暗号化セキュリティ関連の構成、およびサービス品質関連の構成などが含まれるが、これらに限定されない。
【0103】
RBは、UEおよびRANノードの間に設定される接続フォーマットであり得て、物理チャネル、トランスポートチャネル、および論理チャネルの関連する構成を含み得る。RBは、制御プレーンにおいて制御情報を伝送するためのシグナリング無線ベアラ(SRB)と、ユーザープレーンにおいてユーザーデータを伝送するためのデータ無線ベアラ(DRB)とに分類されることがある。DRBは、PDCP層エンティティ(略してPDCPエンティティ)、RLC層エンティティ(略してRLCエンティティ)、および論理チャネルを含み得る。
【0104】
図3に示されるように、RRC層は、UEおよび基地局の間でRRCメッセージを伝送するためのものであり得る。RRCメッセージは、例えば、NRにあり、基地局に対するデータ送信を実行するように、中断されたRRC接続の再開を要求するために、UEによって使用され得るRRC再開要求(RRCResumeRequest)であるが、これに限定されない。RRC層は、アクセス層(AS)に属する。
【0105】
RRC層について、現在、UEにおける三つのRRC状態、すなわち、RRCアイドル(RRC IDLE)状態、RRC非アクティブ(RRC INACTIVEE)状態、およびRRC接続(RRC CONNECTED)状態が存在する。異なるRRC状態におけるUEによって実行される操作は、ほとんど異なる。三つの状態および遷移手順に関する詳細については、図4における例を参照されたい。
【0106】
図4に示されるように、UEがRRC CONNECTED状態にあると、UEおよび基地局の間にRRC接続が設定される。幾つかの実施形態では、UEがRRC CONNECTED状態にあると、UEにおけるユーザープレーン接続および制御プレーン接続が、5GCおよびNG-RANの間に設定され得る。NG-RANおよびUEは、AS層のUEコンテキストを保持し得る。NG-RANは、UEが属するセルを取得し得て、UEは、ユニキャストデータを送信または受信し得て、ネットワーク(例えば、NG-RANなど)は、UEのモビリティを制御し得る。例えば、UEは、UEおよび基地局の間のチャネルを測定し、測定結果を基地局に報告し得る。基地局は、測定結果に基づいて、UEが属するセルを切り替えるか否かを判定し得る。換言すると、RRC CONNECTED状態では、UEおよび基地局は、通常、データ送信を実行することができ、基地局は、UEを管理することができる。幾つかの実施形態では、RRC CONNECTED状態にあるUEが基地局にアップリンクデータを送信する必要がある場合、UEは、タイミングアドバンス(TA)に基づいて基地局に対する同期を維持する必要がある。RRC CONNECTED状態にあるUEがアップリンク同期を取得しない場合、UEは、基地局へのランダムアクセス(RA)を開始することができる。UEのアップリンク・アドバンス・タイマー(TAT)が作動し続けている場合、UEは、アップリンク同期を維持する。UEのTATが期限切れになると、UEのアップリンク同期は失敗する。UEが再び基地局にアップリンクデータを送信する必要がある場合、UEは、RAを開始する必要があり、RAを通じて新しいTAが取得される。幾つかの実施形態では、UEがRRC CONNECTED状態にあると、基地局は、UEに構成グラント(CG)リソースを割り当て得る。UEがデータ送信要件を有する場合、UEは、CGリソースを使用することによって、基地局にアップリンクデータを送信し得る。幾つかの実施形態では、基地局は、RRCメッセージを通じてUE用のCGリソースを構成し得て、構成情報は、時間-周波数位置および周期性を含み得る。送信リソースの動的スケジューリングの方式と比較して、CGリソースの使用によるデータ伝送におけるこの方式は、シグナリング・オーバーヘッドおよび伝送遅延を低減することができる。
【0107】
アップリンクリソースが無いが、基地局への送信対象のアップリンクデータが存在する場合、RRC CONNECTED状態にあるUEは、バッファ・ステータス・レポート(BSR)の報告をトリガーして、基地局にアップリンクリソースのスケジューリングを要求し得る。BSRは、UEのデータバッファ(buffer)における現在送信予定のデータ量を示し得る。データ量は、異なる時点で異なることがある。例えば、UEがスマートフォンである場合、ユーザーは、UEにインストールされたソーシャル・アプリケーションを通じて、別のユーザーにメッセージを送信し得る。ただし、異なる時点にユーザーによって送信されるメッセージの種類および量は、異なることがある。時には、送信されるメッセージは、テキスト・メッセージのみとすることがあり、時には、送信されるメッセージは、複数のビデオを含むことがある。したがって、異なる時点にUEによって基地局に送信されるBSRのサイズも、異なることがある。BSRを基地局に送信するために、UEによって使用されるリソース(略してBSRリソース)は、基地局によってUEに対して動的にスケジューリングされ得る。
【0108】
UEがRRC IDLE状態にある場合、UEおよび基地局の間にRRC接続は設定されない。幾つかの実施形態では、UEがRRC IDLE状態にある場合、UEは、公衆陸上移動ネットワーク(PLMN)を選択し得て、UEは、基地局によってブロードキャストされるシステム情報を受信し得て、UEにおいてセル再選択(cell reselection)が発生し得て、UEは、ダウンリンク送信のために、5GCによって開始される呼出しページング(Paging)を実行し得て、UEは、コアネットワーク・ページングなどのためにNAS層によって構成される不連続受信(DRX)を実行し得る、などである。
【0109】
RRC INACTIVE状態は、NRにおいて新たに追加されたRRC状態である。幾つかの実施形態では、データ送信を頻繁に実行しないUEについて、基地局は、通常、UEをRRC INACTIVE状態に維持する。幾つかの実施形態では、UEがRRC INACTIVE状態にある場合、UEは、PLMNを選択し得て、UEは、基地局によってブロードキャストされたシステム情報を受信し得て、UEにおいてセル再選択が発生し得る。NG-RANは、呼び出されたページング(Paging)を開始し、NG-RANは、RANベースの通知エリア(RNA)を管理する。例えば、UEは、RNA更新(RNAU)をトリガーして、UEが現在位置するRNAの基地局に通知し、NG-RANは、RANページング用であるDRXを構成する。UEにおけるユーザープレーンおよび制御プレーンの接続は、5GCおよびNG-RANの間に設定され得る。NG-RANおよびUEは、AS層のUEコンテキストを保持し得て、NG-RANは、UEが位置するRNAを取得し得る。幾つかの実施形態では、UEおよび基地局がRRC接続を設定した後、UEは、RRC CONNECTED状態に移行する。RRC CONNECTED状態にあるUEがプリセット時間内に基地局に対してデータ送信を実行する必要がない場合、基地局は、UEにRRC INACTIVE状態に移行するように指示し得る。例えば、基地局は、UEにサスペンド指示付きRRC解除(サスペンド指示付きRRCRelease)メッセージを送信し得る。サスペンド指示付きRRCReleaseメッセージを受信した後、UEは、UEのコンテキストを保持し、RRC INACTIVE状態に移行する。
【0110】
RRC層における上述した三つの状態は、相互に切り替えられ得る。図4に示されるように、幾つかの実施形態では、UEがRRC IDLE状態またはRRC INACTIVE状態(非RRC接続状態と総称されることがある)にあるときに、データ送信を実行する必要がある場合、RRC接続設定手順またはRRC接続再開手順が実行され得る。例えば、RRC IDLE状態にあるUEは、基地局に対してRRC設定要求(RRCSetupRequest)メッセージを送信し、その後、基地局によって送信されたRRCセットアップ(RRCSetup)メッセージを受信し得る。RRCSetupメッセージを受信した後、UEは、基地局に対するRRC接続を設定し、RRC CONNECTED状態に移行し得る。例えば、RRC INACTIVE状態にあるUEは、基地局にRRCResumeRequestメッセージを送信し、その後、基地局によって送信されたRRC再開(RRCResume)メッセージを受信し得る。RRCResumeメッセージを受信した後、UEは、RRC CONNECTED状態に移行し得る。他の幾つかの実施形態では、UEが非RRC接続状態にある場合、UEは、基地局のページングメッセージに応答して、RRC接続設定手順またはRRC接続再開手順も実行し得る。例えば、UEに対して伝送が実行されるデータが存在する場合、コアネットワークは、ページングメッセージをUEに送信するように基地局に指示し得る。
【0111】
幾つかの実施形態では、UEは、基地局の指示に基づいて、RRC CONNECTED状態からRRC INACTIVE状態またはRRC IDLE状態に移行し得る。幾つかの実施形態では、その後にUEがデータ送信を実行する必要がない場合、基地局は、UEを解放し得て、これにより、UEがRRC INACTIVE状態またはRRC IDLE状態に移行する。具体例は、以下の通りである。
【0112】
例1:UEは、基地局の指示に基づいて、RRC CONNECTED状態からRRC INACTIVE状態に移行する。具体的には、基地局は、UEに対して、サスペンド指示付き解除メッセージ、例えば、サスペンド指示付きRRCReleaseメッセージなどを送信し得て、これにより、UEは、RRC INACTIVE状態に移行する。この場合、UEおよび基地局の間のRRC接続は中断されるが、少なくとも一つのRANノードは、UEのUEコンテキストを保留する。
【0113】
例2:UEは、基地局の指示に基づいて、RRC CONNECTED状態からRRC IDLE状態に移行する。具体的には、基地局は、解除メッセージ、例えば、RRC解除(RRCRelease)メッセージなどをUEに送信し得て、これにより、UEは、RRC IDLE状態に移行する。この場合、UEおよび基地局の間のRRC接続は停止され、RANノードは、UEのUEコンテキストを削除する。
【0114】
幾つかの実施形態では、UEは、基地局の指示に基づいて、RRC INACTIVE状態からRRC IDLE状態に選択的に移行し得る。例えば、RRC INACTIVE状態にあるUEがRRC接続再開要求を送信した後、基地局は、UEを解放し、これにより、UEは、RRC IDLE状態に移行する。RRC IDLE状態からRRC CONNECTED状態に移行する速度と比較すると、UEがRRC INACTIVE状態からRRC CONNECTED状態に移行する速度の方が速いと理解され得る。
【0115】
幾つかの実施形態では、RRC IDLE状態またはRRC INACTIVE状態にあるUEがデータ送信を実行する必要がある場合、UEは、RRC接続設定手順またはRRC接続再開手順を実行して、データ送信を実行するために、RRC CONNECTED状態に移行するように要求し得る。RRC IDLE状態またはRRC INACTIVE状態にあるUEは、RRCSetupRequestメッセージまたは RRCResumeRequestメッセージを送信するためのリソースを有しない場合、UEは、ランダムアクセス(RA)手順を開始する必要がある。以下に、例を使用することによって、RAについて説明する。
【0116】
幾つかの実施形態では、UEは、基地局によってブロードキャストされたシステム情報から現在のセルのRA構成を取得し得る。例えば、その構成は、利用可能なランダムアクセス・プリアンブル(RAndoMACCEss preamble)と、ランダムアクセス・プリアンブルを送信するためのRAリソースとを含む。例えば、ランダムアクセス・プリアンブルを送信するためのRAリソースは、ランダムアクセス・プリアンブルを送信するために、UEによって使用される時間-周波数リソースであり、ランダムアクセス・チャネル機会(RO)と呼ばれこともある。幾つかの実施形態では、RAは、4ステップ・ランダムアクセス(略して4-step RA)および2ステップ・ランダムアクセス(略して2-step RA)を含み得る。基地局は、システムメッセージにおいて、4-step RAに対応するRA構成と、2-step RAに対応するRA構成とをブロードキャストしてもよいし、またはシステムメッセージにおいて、4-step RAに対応するRA構成のみをブロードキャストしてもよいし、またはシステムメッセージにおいて、2-step RAに対応するRA構成のみをブロードキャストしてもよい。
【0117】
幾つかの実施形態では、基地局は、システムメッセージにおいて、4-step RAに対応するRA構成、および2-step RAに対応するRA構成をブロードキャストし得る。UEがコンテンションフリー・ランダムアクセス(CFRA)リソースを用いて構成されていない場合、UEは、現在測定された基準信号受信電力(RSRP)およびプリセットRSRP閾値の相対値に基づいて、4-step RAまたは2-step RAを開始することを決定し得る。例えば、現在測定されたRSRPがプリセットRSRP閾値以上である場合、UEは、2-step RAを開始し得る。現在測定されたRSRPがプリセットRSRP閾値未満である場合、UEは、4-step RAを開始し得る。
【0118】
4-step RAのステップ3において、UEによって基地局に送信されるメッセージは、メッセージ3(略してmsg3)と呼ばれることがある。2-step RAのステップ1において、UEによって基地局に送信されるメッセージは、メッセージA(略してmsgA)と呼ばれることがある。幾つかの実施形態では、「msg3」または「msgA」には、RRCメッセージが含まれ得る。RRCメッセージは、UEが異なるRRC状態にある場合、および異なるサービスシナリオにある場合、異なり得る。例えば、RRC INACTIVE状態にあるUEは、基地局への送信対象のデータを有する場合、UEによって基地局へ送信されるmsg3には、中断されたRRC接続を再開し、RRC CONNECTED状態に移行して、基地局に対してデータ送信を実行するように要求するために、RRCResumeRequestメッセージが含まれ得る。
【0119】
一般に、非RRC接続状態にあるUEが基地局への送信対象のアップリンクデータを有するか、または基地局によって送信されるページング(Paging)メッセージを受信する場合、ここで、ページングメッセージは、基地局によって、UEへの送信対象のダウンリンクデータが存在することを示すために使用されるが、UEは、再びRRC接続を設定するか、またはRRC接続を再開してRRC CONNECTED状態に移行し、その後、RRC CONNECTED状態にある基地局に対してデータ送信を実行する必要があると理解され得る。ただし、上述する方法は、UEおよび基地局の間で伝送するデータ量が多い場合に比較的に適用可能である。送信中のデータパケットが小さい場合、この種類のデータパケットは、スモールデータ(small data)と呼ばれることがあり、UEの状態切替え手順に必要とされるシグナリングは、スモールデータよりもさらに大きくなり、UEの不必要な電力消費およびシグナリング・オーバーヘッドを引き起こす。そのため、UEが非RRC接続状態にある場合、基地局に対してスモールデータの送信を実行する必要がある。例えば、RRC INACTIVE状態にあるUEが、アップリンク・スモールデータの送信要求を有する場合、UEは、基地局に対してアップリンク・スモールデータの送信を実行し得る。
【0120】
本出願の実施形態では、スモールデータは、データ量がプリセット閾値(基地局によって指示されるトランスポートブロックサイズなど)未満であるデータパケット、データラベルがスモールデータであるデータパケット、およびデータタイプがスモールデータに属するデータパケットなどを含み得るが、これらに限定されない。スモールデータ以外のデータパケットは、大容量データと呼ばれることがあり、データ量がプリセット閾値以上であるデータパケット、データラベルが大容量データであるデータパケット、およびデータタイプが大容量データに属するデータパケットなどを含むが、これらに限定されない。データラベルおよび/またはデータタイプは、UEおよびネットワーク機器によって共同でネゴシエートを受けることがある。例えば、データラベルは、大容量データおよびスモールデータを含み得る。例えば、データタイプがハートビート・パケットであるデータは、スモールデータであり、データタイプがファイル、ビデオ、またはオーディオであるデータは、大容量データである。例えば、スモールデータは、UEのアプリケーション(APP)のインスタントメッセージング・メッセージ、APPのハートビート・パケット、またはAPPのプッシュメッセージなどであり、スモールデータは、ウェアラブル機器の周期データなどであり、スモールデータは、モノのインターネット(IoT)機器のサービスデータなどである。
【0121】
幾つかの実施形態では、非RRC接続状態にあるUEが基地局に対してスモールデータの送信を実行することは、以下のことを含み得る。すなわち、UEがRRC CONNECTED状態に移行した後にスモールデータの送信を実行する代わりに、UEは、RA手順においてスモールデータの送信を実行すること。上述する送信手順は、RAベースのスモールデータ送信(SDT)(略してRA-SDT)と呼ばれることがある。幾つかの実施形態では、RAは、4-step RAおよび2-step RAを含み得て、SDTは、4-step RAに基づくSDT(略して4-step SDT)および2-step RAに基づくSDT(略して2-step SDT)も含み得る。4-step SDTの手順の一例については、図5および図6を参照されたい、2-step SDTの手順の一例については、図7および図8を参照されたい。RA-SDTの実装は、RAの実装と同様である。例えば、UEは、基地局によってブロードキャストされたシステム情報からRA-SDTの構成を取得し得て、UEは、現在測定されたRSRPおよびプリセットRSRPの閾値の相対値に基づいて、4-step SDTまたは2-step SDTを開始することを決定し得る。
【0122】
他の幾つかの実施形態では、非RRC接続状態にあるUEが基地局に対してスモールデータの送信を実行することは、以下のことをさらに含み得る。すなわち、UEは、最初に、RRC CONNECTED状態に移行してから、スモールデータの送信を実行するのではなく、事前に割り当てられたCGリソース、または事前に構成されたアップリンクリソース(PUR)を介して、スモールデータの送信を実行すること。上述する送信手順は、CGベースのSDT(略してCG-SDT)と呼ばれることがある。具体的な手順の例については、図9および図10を参照されたい。
【0123】
幾つかの実施形態では、SDTは、複数の異なるアプリケーションシナリオを有し、アプリケーションシナリオに基づいて、RA-SDTまたはCG-SDTなどの、異なる実装のSDTが使用され得る。具体例は、以下の通りである。
【0124】
例1:CG-SDTでは、CG-SDTの構成によって示されるリソース(例えば、CGリソースまたはPURなど)は、専用の制御シグナリングを通じて基地局によってUEに配信される。そのため、CG-SDTの構成は、基地局によってカバーされるセルにあるUEに適用され、一方のセルに提供されたCG-SDTの構成を、他方のセルにあるUEによって再利用することはできない。UEが別のネットワーク機器のカバレッジに移動した場合、CG-SDTの構成によって示されるリソースを使用することはできない。このような機能は、例えば、次のようなシナリオに適用され得る。すなわち、IoTアプリケーションについては、UEの移動性が制限され、一般に、データを送信するために全ての接続が同一のセルに設定され、セルが変更されることはほとんど無いため、IoT分野におけるUEは、CG-SDTを優先的に使用し得る。
【0125】
例2:RA-SDTの構成に関連するRA構成は、基地局によって送信されるシステム情報によって提供され得る。UEが新しいセルへの選択を実行する度に、UEは、システム情報によってブロードキャストされた構成を読み取り、適用し得る。このような機能は、例えば、次のようなシナリオに適用され得る。すなわち、スマートフォンのインスタントメッセージング・メッセージなどのアプリケーションについては、UEの移動性が比較的高く、UEは、一方の基地局のカバレッジから他方の基地局のカバレッジに移動することがある。UEが基地局Aのカバレッジから基地局Bのカバレッジに移動し、基地局Bのカバレッジにおいて、移動前に基地局Aによって送信されたCG-SDTに属する構成によって示されるリソースを使用することによって、SDTを実行する場合、データ送信を実行することはできない。RA-SDTでは、ランダムアクセス・プリアンブルを送信するためのリソースが基地局によってリアルタイムにブロードキャストされるため、高い移動性を有するUEは、RA-SDTを優先的に使用し得る。
【0126】
確かに、UEがCG-SDTまたはRA-SDTの何れを使用するか否かも、シナリオによって制限されないことがあり、SDTを実行するために使用される方式は、UEの実装に基づいて判定され得る。
【0127】
例えば、CG-SDTを実行するためのリソースは、UE用に基地局によって特別に構成されるため、UEによるCG-SDTの実行の成功率は高い。ネットワーク機器によってRA-SDTのランダムアクセス・リソースがブロードキャストされ、ブロードキャストメッセージを受信することができる全てのUEは、ランダムアクセス・リソース上でRA-SDTを開始し得る。複数のUEがリソースを競合し、これは、競合の失敗を引き起こすことがある。そのため、RA-SDTの成功率は、CG-SDTの成功率よりも高くなく、CG-SDTは、RA-SDTよりも効果的になり得る。一般に、UEは、優先的にCG-SDTを選択し、UEは、CG-SDTを選択するための条件も満たす必要がある。この条件が満たされない場合、UEは、RA-SDTを選択し得る。例えば、CG-SDTの構成によって示されるリソースが、UEが現在位置する、通常のアップリンク(NUL)搬送波または補足的なアップリンク(SUL)搬送波のカバレッジに存在するか否かが判定される。CG-SDTの構成によって示されるリソースが存在し、CG-SDTの構成によって示されるリソースに有効なリソースが存在する場合、UEは、CG-SDTを選択し得て、そうでない場合、UEは、RA-SDTを選択する。
【0128】
基地局は、最初に、UE用に、データを搬送するために使用されるDRBを構成し得て、UEは、コンテキスト(DRBを含む)を再開した後にのみ、データ送信を実行することができると理解され得る。幾つかの実施形態では、UE用に基地局によって構成されるDRBは、スモールデータを伝送するために使用されるDRB(略してSDT DRB)と、大容量データを伝送するために使用されるDRB(略して非SDT DRB(non-SDT DRB))とを含み得る。UEは、SDT DRBによって搬送されるスモールデータが到着した場合にのみ、SDTを開始することができる。non-SDT DRBによって搬送される大容量データが到着した場合、UEは、SDTを開始することはできない。UEがSDTを開始すると、UEコンテキストを再開する必要があり、UEコンテキストは、SDT DRBを含み得る。
【0129】
幾つかの実施形態では、SDTのステータスは、第一のタイマーのステータスに基づいて決定され得る。第一のタイマーは、T3XXとして表現されることがあり、Xは10未満の非負整数である。第一のタイマーは、SDT障害検出タイマー(SDT failure detection timer)と呼ばれることがあり、第一のタイマーは、RRC層におけるタイマーとし得る。
【0130】
幾つかの実施形態では、SDT用であるRRC接続再開手順を開始すると、UEは、第一のタイマーを始動し得る。幾つかの実施形態では、UEがSDT用であるRRC接続再開手順を開始すると、UEは、SDT用であるRRC接続再開手順を初期化し、第一のタイマーを始動し得る。他の幾つかの実施形態では、UEがSDT用であるRRC接続再開手順を開始する場合、UEは、SDT用であるRRC接続再開手順を開始するためのRRC要求メッセージを基地局に送信すると、第一のタイマーを始動し得る。幾つかの実施形態では、第一のタイマーを始動するための条件は、以下のことを含む。すなわち、SDT用であるRRC接続再開手順を初期化するステップ。他の幾つかの実施形態では、第一のタイマーを始動するための条件は、以下のことを含む。すなわち、SDT用であるRRC接続再開手順を開始するためのRRC要求メッセージを送信するステップ。例えば、RRC要求メッセージは、RA-SDTに基づいて、UEによって基地局に送信されるmsg3またはmsgAにおけるRRC要求メッセージである。別の例として、RRC要求メッセージは、CG-SDTに基づいて、UEによって基地局に送信されるRRC要求メッセージである。
【0131】
幾つかの実施形態では、UEは、UEがRRC応答メッセージを受信すると、またはUEにセル再選択が実行されると、第一のタイマーを停止し得る。幾つかの実施形態では、第一のタイマーを停止するための条件は、RRC応答メッセージを受信すること、またはセル再選択が発生することを含み得る。RRC応答メッセージは、例えば、RRCResumeメッセージ、RRCSetupメッセージ、RRCReleaseメッセージ、サスペンド指示付きRRCReleaseメッセージ、RRC拒否(RRCReject)メッセージ、または同じ機能を有するが、第三世代パートナーシップ・プロジェクト(3GP)に標準化されていない別のRRCメッセージである。UEがRRCReleaseメッセージ、サスペンド指示付きRRCReleaseメッセージ、または同じ機能を有するが、3GPに標準化されていない別のRRCメッセージを受信すると、UEは、SDTが成功していると見做し、第一のタイマーを停止し得る。UEがRRCResumeメッセージ、RRCSetupメッセージ、または同じ機能を有するが、3GPに標準化されていない別のRRCメッセージを受信すると、UEは、SDTが成功していると見做し、第一のタイマーを停止し得るか、またはUEは、UEがRRC CONNECTED状態に移行した後に、SDTが成功していると見做し、データ送信の実行を継続し、第一のタイマーを停止し得る。UEがRRCRejectメッセージ、または同じ機能を有するが、3GPに標準化されていない別のRRCメッセージを受信すると、UEは、SDTが失敗していると見做し、第一のタイマーを停止し得る。
【0132】
幾つかの実施形態では、第一のタイマーが始動された時刻から、第一のタイマーが期限切れになる時刻までの期間に、UEが基地局によって送信された任意の応答メッセージ、例えば、競合解消(contention resolution)メッセージ、RRC応答メッセージ、または別の応答メッセージを受信しない場合、UEは、SDTが失敗していると見做し、SDTを自動的に終了し得る。UEが基地局に要求メッセージまたはデータを送信した後、基地局が長時間UEに応答しない場合を回避するために、第一のタイマーが使用され得ると理解され得る。
【0133】
以下に、SDT送信手順の一例について説明する。
【0134】
図5は、ユーザープレーンにおける4-step SDT手順を示す模式的フローチャートの一例である。図5に示される手順は、以下のステップを含み得るが、これらに限定されない。
【0135】
S111:UEは、ランダムアクセス・プリアンブルを基地局に送信する。
【0136】
幾つかの実施形態では、基地局は、UEにブロードキャストメッセージを送信し得て、ブロードキャストメッセージは、第一のリソース構成情報を含み、第一のリソース構成情報は、ランダムアクセス・プリアンブルの送信用であるランダムアクセス・リソースを示す。任意選択で、第一のリソース構成情報は、通常のランダムアクセスの開始用である第一のランダムアクセス・リソースを具体的に示し得る。任意選択で、第一のリソース構成情報は、RA-SDT手順におけるランダムアクセス・プリアンブルの送信用である第二のランダムアクセス・リソースを具体的に示し得る。ランダムアクセス・プリアンブルは、特定の規則に従ってUEによって生成され得るが、基地局は、UEによって生成されたランダムアクセス・プリアンブルを識別することができる。
【0137】
幾つかの実施形態では、RA-SDTを実行するためにUEによって送信されるランダムアクセス・プリアンブルは、RA-SDTを実行することなく、通常のRAを開始するためにUEによって送信されるランダムアクセス・プリアンブルとは異なり得る。換言すると、基地局は、異なるランダムアクセス・プリアンブルを使用することによって、UEの意図を識別し得る。例えば、UEの意図は、RA-SDTを実行すること、またはRAを開始することである。
【0138】
他の幾つかの実施形態では、RA-SDTを実行するためにUEによって送信されるランダムアクセス・プリアンブルは、代替的に、RA-SDTを実行することなく、通常のRAを開始するためにUEによって送信されるランダムアクセス・プリアンブルと同じであり得る。
【0139】
幾つかの実施形態では、第一のリソース構成情報が、RA-SDT手順において、通常のランダムアクセスの開始用である第一のランダムアクセス・リソースと、ランダムアクセス・プリアンブルの送信用である第二のランダムアクセス・リソースとを、具体的に示す場合、UEは、異なる意図に基づいて、異なるランダムアクセス・リソース上でランダムアクセス・プリアンブルを送信し得る。このようにして、基地局は、ランダムアクセス・プリアンブルの受信に異なるリソースを使用することによって、UEの意図を識別し得る。例えば、UEがRAの開始を意図している場合、UEは、第一のランダムアクセス・リソース上でランダムアクセス・プリアンブルを送信する。第一のランダムアクセス・リソースを介してランダムアクセス・プリアンブルを受信すると、基地局は、UEの意図がRAの開始であると判定し得る。UEがRA-SDTの実行を意図している場合、UEは、第二のランダムアクセス・リソース上でランダムアクセス・プリアンブルを送信する。第二のランダムアクセス・リソースを介してランダムアクセス・プリアンブルを受信すると、基地局は、UEの意図がRA-SDTの実行であると判定し得る。
【0140】
他の幾つかの実施形態では、RA-SDTを実行するためにUEによって送信されるランダムアクセス・プリアンブルのランダムアクセス・リソースは、代替的に、RA-SDTを実行することなく、通常のRAを開始するためにUEによって使用されるランダムアクセス・リソースと同じであってもよい。
【0141】
S112:基地局は、ランダムアクセス・プリアンブルに応答して、ランダムアクセス応答(RAR)をUEに送信する。
【0142】
具体的には、基地局にランダムアクセス・プリアンブルを送信した後、UEは、基地局によって送信されたRARを受信するために、RAR時間ウィンドウにおいて物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を監視し得る。RAR時間ウィンドウにおいて、UEが基地局によって送信されたRARを受信しなかった場合、UEは、今回のRAが失敗していると判定し得る。RARは、UEがRARによってスケジュールされたリソース上で(S113におけるRRC要求メッセージを含む)msg3を送信し得るように、UEに対してアップリンクグラント(UL grant)をスケジューリングするためのものである。
【0143】
幾つかの実施形態では、RARは、一時セル無線ネットワーク一時識別子(TC-RNTI)およびタイミングアドバンス(TA)のうちの少なくとも一つをさらに含み得る。TAは、アップリンク同期を知覚するために、UEによって使用される。
【0144】
S113:UEは、RARを介して割り当てられたリソース上でアップリンク・スモールデータおよびRRC要求メッセージを基地局に送信する。
【0145】
幾つかの実施形態では、RRC要求メッセージは、意図情報を搬送し得る。意図情報は、RRC要求メッセージを送信するためのUEの意図を示す。例えば、UEの意図は、RA-SDTの実行、またはRAの開始である。例えば、RA-SDTを開始するためにUEによって送信されたランダムアクセス・プリアンブルが、RA-SDTを実行することなく、通常のRAを開始するためにUEによって使用されたランダムアクセス・プリアンブルと同じであるか、またはランダムアクセス・プリアンブルの送信用であり、RA-SDTを開始するためにUEによって使用されるランダムアクセス・リソースが、ランダムアクセス・プリアンブルの送信用であり、RA-SDTを実行することなく、通常のRAを開始するためにUEによって使用されたランダムアクセス・リソースと同じである場合、RA-SDTを実行するためにUEによって送信されたRRC要求メッセージは、意図情報を搬送し得て、この意図情報は、通常のRAを開始するのではなく、RA-SDTを開始するためのUEの意図を示す。
【0146】
他の幾つかの実施形態では、UEは、基地局にmsg3を送信すると、BSRを送信し、基地局は、UEによって送信されたBSRを介して、UEの意図を取得し得る。例えば、UEの意図は、RA-SDTの実行、またはRAの開始である。例えば、RA-SDTを実行するためにUEによって送信されるランダムアクセス・プリアンブルは、RA-SDTを実行することなく、通常のRAを開始するためにUEによって送信されるランダムアクセス・プリアンブルと同じであるか、またはランダムアクセス・プリアンブルの送信用であり、RA-SDTを実行するためにUEによって使用されるランダムアクセス・リソースは、RA-SDTを実行することなく、通常のRAを開始するためにUEによって使用されるランダムアクセス・リソースと同じである。UEがRA-SDTを実行する必要がある場合、UEは、基地局にmsg3を送信すると、BSRを送信し得て、BSRは、スモールデータのデータ量を示し、基地局は、受信されたBSRを通じて、UEの意図が通常のRAの開始ではなく、RA-SDTの開始であることを確認し得る。
【0147】
幾つかの実施形態では、msg3におけるRRC要求メッセージは、UEが異なるRRC状態にあり、異なるサービスシナリオにある場合、異なり得る。例えば、RRC IDLE状態において、UEによって送信されるRRC要求メッセージ(任意選択で、この場合、UEは、アップリンク・スモールデータを暗号化するための鍵を含み得る構成情報などの、UEコンテキストを格納し得るか、または端末は、端末のコンテキストを格納し得ることはない)には、RRC接続要求(RRCConnectionRequest)メッセージ、RRC接続再開要求(RRCConnectionResumeRequest)メッセージ、RRC早期データ要求(RRCEarlyDataRequest)メッセージ、RRCResumeRequestメッセージ、RRCResumeRequest1メッセージ、RRCSetupRequestメッセージ、または同一の機能を有するが、3GPPに標準化されていない別のRRCメッセージを含み得る。RRC INACTIVE状態にあるUEによって送信されるRRC要求メッセージは、RRCConnectionRequestメッセージ、RRCConnectionResumeRequestメッセージ、RRCEarlyDataRequestメッセージ、RRCResumeRequestメッセージ、RRCResumeRequest1メッセージ、RRCSetupRequestメッセージ、または同じ機能を有するが、3GPPに標準化されていない別のRRCメッセージであり得る。
【0148】
幾つかの実施形態では、UEは、4-step SDT用であるRRC接続再開手順を開始するために、アップリンク・スモールデータおよびRRC要求メッセージを基地局に送信し得る。幾つかの実施形態では、4-step SDT用であるRRC接続再開手順を開始するためのRRC要求メッセージは、再開原因(resumeCause)情報要素(IE)を含み、ResumCause IEは、mo-dataに設定され得る。
【0149】
幾つかの実施形態では、UEは、最初に、SDT用であるRRC接続再開手順を初期化し、次いで、4-step SDTに基づいて、RRC要求メッセージを基地局に送信する。幾つかの実施形態では、UEは、SDT用であるRRC接続再開手順を初期化すると、第一のタイマーを始動する。他の幾つかの実施形態では、UEは、4-step SDTに基づいて、アップリンク・スモールデータおよびRRC要求メッセージを基地局に送信すると、第一のタイマーを始動する。
【0150】
幾つかの実施形態では、msg3は、UEの識別子、例えば、コアネットワークにおけるUEの一意的な識別子を含み得る。幾つかの実施形態では、msg3は、UEに以前接続された基地局の関連情報、例えば、非アクティブ無線ネットワーク一時識別子(I-RNTI)を含み得る。幾つかの実施形態では、msg3は、暗号化および完全性保護に使用される情報を含み得る。
【0151】
幾つかの実施形態では、アップリンク・スモールデータの送信は、DTCH上で実行され得て、RRCメッセージの送信は、CCCH上で実行され得る。スモールデータおよびRRC要求メッセージは、MAC層においてカプセル化され、PHY層を介して基地局に送信され得る。
【0152】
S114:RRC要求メッセージを受信した後、基地局は、UEに競合解消メッセージを送信する。
【0153】
幾つかの実施形態では、アップリンク・スモールデータおよびRRC要求メッセージを受信した後、基地局は、UEコンテキストを再開し、受信されたアップリンク・スモールデータをコアネットワークに送信し得る。
【0154】
幾つかの実施形態では、競合解消メッセージは、実際には、競合解消アイデンティティメディアアクセス制御要素(競合解消Identity MAC CE)であり、競合解消アイデンティティMAC CEは、競合解消が成功していることをUEに示し得る。幾つかの実施形態では、UEは、競合解消Identity MAC CEによって送信されたmsg3が、S113において送信されたmsg3と一致するか否かを判定し、msg3が一致する場合、現在のRA-SDT手順に対応する競合解消が成功していると判定するか、または現在のRA-SDT手順が成功していると判定し得る。
【0155】
S115:基地局は、RRC応答メッセージをUEに送信する。
【0156】
幾つかの実施形態では、コアネットワークがUEへの送信対象のダウンリンク・スモールデータを有する場合、コアネットワークは、ダウンリンク・スモールデータを基地局に送信し得る。その後、基地局は、RRC応答メッセージと共に、ダウンリンク・スモールデータをUEに送信し得る。ダウンリンク・スモールデータの送信は、DTCH上で実行され得て、ダウンリンク・スモールデータは、MAC層において、送信がDCCH上で実行されるRRC応答メッセージを用いて多重化される。
【0157】
幾つかの実施形態では、UEは、RRC応答メッセージに基づいて、アップリンク・スモールデータの送信が成功しているか否かを判定し得る。具体例は、以下の通りである。
【0158】
例1:基地局によって送信されるRRC応答メッセージは、RRC接続解除(RRCConnectionRelease)メッセージ、RRC接続再開(RRCConnectionResume)メッセージ、RRC接続設定(RRCConnectionSetup)メッセージ、RRCReleaseメッセージ、RRCResumeメッセージ、RRCSetupメッセージ、または同じ機能を有するが、3GPPに標準化されていない別のRRCメッセージである。RRC応答メッセージを受信すると、UEは、SDT送信が今回成功していると判定し、第一のタイマーを停止し得る。
【0159】
例2:基地局によって送信されたRRC応答メッセージは、RRC接続拒否(RRCConnectionReject)メッセージ、RRCRejectメッセージ、または同一の機能を有するが、3GPPに標準化されていない別のRRCメッセージである。RRC応答メッセージを受信すると、UEは、SDT送信が今回失敗していると判定し、第一のタイマーを停止し得る。
【0160】
幾つかの実施形態では、UEは、RRC応答メッセージに基づいて、現在のRRC状態を維持するか、または別のRRC状態に移行し得る。具体例は、以下の通りである。
【0161】
例 1:コアネットワークがさらなるデータ送信の要求を有しない場合、基地局によって送信されるRRC応答メッセージは、RRC早期データ完了(RRCEarlyDataComplete)メッセージ、RRCConnectionReleaseメッセージ、サスペンド構成付きRRCReleaseメッセージ、RRCReleaseメッセージ、または同じ機能を有するが、3GPPに標準化されていない別のRRCメッセージである。RRC応答メッセージを受信すると、UEは、SDT送信手順が今回成功していると見做し、第一のタイマーを停止し得る。さらに、UEは、RRC応答メッセージに応答して、現在の非RRC接続状態を保持し得る。任意選択で、RRC応答メッセージ(例えば、RRCReleaseメッセージなど)には、UEが次回SDTを開始するときに、UEによってスモールデータを暗号化するためのネクストホップ連鎖数(NCC)が含まれ得る。
【0162】
例2:コアネットワークがさらなるデータ送信の要件を有する場合、コアネットワークは、接続設定指示手順をトリガーし得て、基地局によって送信されるRRC応答メッセージは、RRCConnectionSetupメッセージ、RRCConnectionResumeメッセージ、RRCSetupメッセージ、RRCResumeメッセージ、または同一の機能を有するが、3GPPに標準化されていない別のRRCメッセージである。RRC応答メッセージを受信すると、UEは、SDT送信手順が今回成功していると見做し、第一のタイマーを停止し得る。さらに、UEは、RRC応答メッセージに応答して、RRC CONNECTED状態に移行し得る。
【0163】
幾つかの実施形態では、UEがS115においてRRC応答メッセージを受信しない場合、UEは、S113におけるスモールデータの送信が失敗していると見做す。例えば、第一のタイマーが期限切れになったときに、UEが依然としてRRC応答メッセージを受信しない場合、UEは、S113におけるスモールデータの送信が失敗していると見做す。S115においてUEがRRC応答メッセージを受信した場合、UEは、S113におけるスモールデータの送信が成功していると見做す。すなわち、UEは、RRC応答メッセージを受信したか否かに応じて、S113におけるスモールデータの送信が成功しているか否かを判定し得る。
【0164】
コアネットワークがさらなるデータ送信の要件を有するか否かが、S115における基地局によるダウンリンク・スモールデータの送信用である要件を含まないことは、留意されるべきである。
【0165】
図6は、制御プレーンにおける4-step SDT手順を示す模式的フローチャートの一例である。図6に示される手順は、以下のステップを含み得るが、これらに限定されない。
【0166】
S121:UEは、基地局にランダムアクセス・プリアンブルを送信する。
【0167】
S122:基地局は、ランダムアクセス・プリアンブルに応答して、RARをUEに送信する。
【0168】
具体的には、S121およびS122は、図5におけるS111およびS112と同様であり、詳細については、改めて説明しない。
【0169】
S123:UEは、RARを介して割り当てられたリソース上の基地局に対して、アップリンク・スモールデータを搬送するRRC要求メッセージを送信する。
【0170】
具体的には、S123は、図5におけるS113と同様であり、相違点は、アップリンク・スモールデータがMAC層においてmsg3にてカプセル化された後に送信されることなく、msg3にて搬送されて送信される点にある。幾つかの実施形態では、アップリンク・スモールデータは、msg3において搬送され得て、アップリンク・スモールデータの送信は、CCCH上で実行される。例えば、アップリンク・スモールデータは、RRCEarlyDataRequestメッセージに含まれるNAS層関連IE(例えば、専用情報NAS(dedicatedInfoNAS)IE)にて搬送され得て、アップリンク・スモールデータの送信は、CCCH上で実行される。
【0171】
S124:RRC要求メッセージを受信した後、基地局は、競合解消メッセージをUEに送信する。
【0172】
具体的には、S124は、図5におけるS114と同様であり、相違点は、基地局によって受信されたRRC要求メッセージがアップリンク・スモールデータを含む点にある。幾つかの実施形態では、基地局は、アップリンク・スモールデータを搬送するmsg3を通じて、アップリンク・スモールデータをコアネットワークに送信し得る。例えば、基地局は、msg3に含まれるNAS関連IEを転送することによって、アップリンク・スモールデータをコアネットワークに送信し得る。
【0173】
S125:基地局は、RRC応答メッセージをUEに送信する。
【0174】
具体的には、S125は、図5におけるS115と同様であり、詳細については、改めて説明しない。
【0175】
図5および図6は、UEがアップリンク・スモールデータを基地局に送信するときに、換言すると、UEがスモールデータ送信手順を能動的に開始するときに、S111および/またはS121が実行される例を使用することによって、説明されている。しかしながら、具体的な実装では、基地局の指示、例えば、LTEにおける移動終端(MT)EDT(略してMT-EDT)に基づいて、UEが受動的にスモールデータ送信手順を開始するケースがさらに存在する。この場合における送信手順は、図5および図6に示される送信手順と同様であり、相違点は、具体的に説明すると、以下の通りである。
【0176】
S111の前に、コアネットワークがUEへの送信対象のダウンリンク・スモールデータを有する場合、コアネットワークは、ページングメッセージを基地局に送信し得る。幾つかの実施形態では、ページングメッセージは、ダウンリンク・スモールデータのデータ量情報を搬送し得る。幾つかの実施形態では、基地局は、ページングメッセージをUEに送信し得て、UEは、現在測定されたRSRPおよびプリセットRSRP閾値の相対値に基づいて、4-step SDTを開始することを決定する。例えば、基地局は、ページングメッセージに基づいて、MT-EDTをトリガーし、MT-EDT指示を搬送するページングメッセージを送信し、これにより、UEは、MT-EDT用であるMO-EDTをトリガーする。UEがスモールデータ送信手順を積極的に開始する上述した場合とは異なり、S113において、UEは、RRCメッセージのみを基地局に送信し得て、アップリンク・スモールデータを送信することはない。任意選択で、RRCメッセージは、MT-EDTをトリガーする原因情報をさらに搬送し得る。これに対応して、基地局は、コアネットワークによって送信されたダウンリンク・スモールデータを受信し得て、S115において、基地局は、RRC応答メッセージおよびダウンリンク・スモールデータをUEに送信し得る。
【0177】
同様に、S121の前に、コアネットワークがUEへの送信対象のダウンリンク・スモールデータを有する場合、コアネットワークは、ページングメッセージを基地局に送信し得る。幾つかの実施形態では、ページングメッセージは、ダウンリンク・スモールデータのデータ量情報を搬送し得る。幾つかの実施形態では、基地局は、ページングメッセージをUEに送信し得て、UEは、現在測定されたRSRPおよびプリセットRSRP閾値の相対値に基づいて、4-step SDTを開始することを決定する。UEがスモールデータ送信手順を積極的に開始する上述した場合とは異なり、S123においてUEによって基地局に送信されるRRCメッセージは、アップリンク・スモールデータを搬送し得ることなく、任意選択で、MT-EDTをトリガーする原因情報をさらに搬送し得る。これに対応して、基地局は、コアネットワークによって送信されたダウンリンク・スモールデータを受信し得る。S125において基地局によってUEに送信されるRRC応答メッセージは、ダウンリンク・スモールデータを搬送し得る。
【0178】
図7は、ユーザープレーンにおける2-step SDT手順を示す模式的フローチャートの一例である。図7に示される手順は、以下のステップを含み得るが、これらに限定されない。
【0179】
S211:UEは、ランダムアクセス・プリアンブル、RRC要求メッセージ、およびアップリンク・スモールデータを基地局に送信する。
【0180】
幾つかの実施形態では、UEによってS211を実行するための送信リソースは、基地局によってブロードキャストされる情報に基づいて取得され得る。例えば、UEは、基地局によってブロードキャストされたRAリソースを使用することによって、ランダムアクセス・プリアンブルを送信し得て、UEは、基地局によってブロードキャストされたPUSHリソースを使用することによって、RRC要求メッセージを送信し得る。
【0181】
幾つかの実施形態では、基地局は、異なるランダムアクセス・プリアンブルを使用することによって、UEの意図を識別し得る。他の幾つかの実施形態では、基地局は、ランダムアクセス・プリアンブルを受信するために、異なるリソースを使用することによって、UEの意図を識別し得る。他の幾つかの実施形態では、基地局は、UEによって送信されたBSRに基づいて、UEの意図を取得し得る。他の幾つかの実施形態では、RRC要求メッセージは、意図情報を搬送し得て、意図情報は、RRC要求メッセージを送信するためのUEの意図を示し、例えば、UEの意図は、RA-SDTの実行またはRAの開始である。詳細については、図5におけるS111およびS113の例を参照されたい。詳細については、改めて説明しない。
【0182】
幾つかの実施形態では、UEが異なるRRC状態にあり、異なるサービスシナリオにある場合、msgAにおけるRRC要求メッセージは、異なり得る。詳細については、図5において、msg3におけるRRC要求メッセージの例を参照されたい。詳細については、改めて説明しない。
【0183】
幾つかの実施形態では、RRC要求メッセージおよびアップリンク・スモールデータは、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)転送にて搬送され得る。アップリンク・スモールデータの送信は、DTCH上で実行され得て、RRCメッセージの送信は、CCCH上で実行され得る。スモールデータおよびRRC要求メッセージは、MAC層においてカプセル化され、PHY層を介して基地局に送信され得る。
【0184】
幾つかの実施形態では、UEは、アップリンク・スモールデータおよびRRC要求メッセージを基地局に送信して、2-step SDT用であるRRC接続再開手順を開始し得る。幾つかの実施形態では、2-step SDT用であるRRC接続再開手順を開始するためのRRC要求メッセージにおいて、resumeCause IEは、mo-dataに設定され得る。
【0185】
幾つかの実施形態では、UEは、最初に、SDT用であるRRC接続再開手順を初期化し、次いで、2-step SDTに基づいて、RRC要求メッセージを基地局に送信する。幾つかの実施形態では、UEは、SDT用であるRRC接続再開手順を初期化すると、第一のタイマーを始動する。他の幾つかの実施形態では、UEは、2-step SDTに基づいて、アップリンク・スモールデータおよびRRC要求メッセージを基地局に送信すると、第一のタイマーを始動する。
【0186】
RRC要求メッセージおよびアップリンク・スモールデータの説明については、図5において、S113におけるRRC要求メッセージおよびアップリンク・スモールデータの説明を参照されたい。詳細については、改めて説明しない。
【0187】
S212:RRC要求メッセージを受信した後、基地局は、メッセージBをUEに送信する。
【0188】
幾つかの実施形態では、アップリンク・スモールデータおよびRRC要求メッセージを受信した後、基地局は、UEコンテキストを再開し、受信されたアップリンク・スモールデータをコアネットワークに送信し得る。
【0189】
幾つかの実施形態では、2-step RAのステップ2において基地局によってUEに送信されるメッセージは、メッセージB(message B)(略してmsgB)と呼ばれることがある。例えば、msgBには、成功RAR(successRAR)またはフォールバックRAR(fallbackRAR)が含まれる。
【0190】
幾つかの実施形態では、msgBは、successRARを含み、successRARは、競合解消フィールド、例えば、競合解消MAC CEに含まれるコンテンツを含む。successRARを受信すると、UEは、現在のRA-SDT手順に対応する競合解消が成功していると判定するか、または現在のRA-SDT手順が成功していると判定する。任意選択で、successRARにおける競合解消フィールドは、競合解消が成功していることをUEに示し得る。任意選択で、UEは、successRARにおける競合解消フィールドが、S211において送信されたmsgAと一致するか否かを判定し得る。successRARにおける競合解消フィールドがS211において送信されたmsgAと一致する場合、UEは、現在のRA-SDT手順に対応する競合解消が成功していると判定するか、または現在のRA-SDT手順が成功していると判定する。他の幾つかの実施形態では、msgBは、fallbackRARを含む。UEは、fallbackRARを受信した後、msg3およびアップリンク・スモールデータを再び基地局に送信する。
【0191】
S213:基地局は、RRC応答メッセージをUEに送信する。
【0192】
幾つかの実施形態では、コアネットワークがUEへの送信対象のダウンリンク・スモールデータを有する場合、コアネットワークは、ダウンリンク・スモールデータを基地局に送信し得る。その後、基地局は、RRC応答メッセージと共に、ダウンリンク・スモールデータをUEに送信し得る。
【0193】
RRC応答メッセージの説明については、図5において、S115におけるRRC応答メッセージの説明を参照されたい。詳細については、改めて説明しない。
【0194】
図8は、制御プレーンにおいて2-step SDT手順を示す模式的フローチャートの一例である。図8に示される手順は、以下のステップを含み得るが、これらに限定されない。
【0195】
S221:UEは、基地局に対して、ランダムアクセス・プリアンブルと、アップリンク・スモールデータを搬送するRRC要求メッセージとを送信する。
【0196】
具体的には、S221は、図7におけるS211と同様であり、相違点は、アップリンク・スモールデータがmsgAにおいてRRC要求メッセージと共に送信されることなく、msgAにおいてRRC要求メッセージにて搬送される点にある。幾つかの実施形態では、アップリンク・スモールデータを搬送するRRC要求メッセージは、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)転送にて搬送され得て、RRC要求メッセージの送信は、CCCH上で実行され得る。
【0197】
S222:RRC要求メッセージを受信した後、基地局は、msgBをUEに送信する。
【0198】
具体的には、S222は、図7におけるS212と同様であり、相違点は、基地局によって受信されたRRC要求メッセージがアップリンク・スモールデータを含む点にある。幾つかの実施形態では、基地局は、アップリンク・スモールデータを搬送するRRC要求メッセージを通じて、アップリンク・スモールデータをコアネットワークに送信し得る。例えば、基地局は、アップリンク・スモールデータを搬送するRRCResumeRequestメッセージを転送することによって、アップリンク・スモールデータをコアネットワークに送信し得る。
【0199】
S223:基地局は、RRC応答メッセージをUEに送信する。
【0200】
具体的には、S223は、図7におけるS213と同様であり、詳細については、改めて説明しない。
【0201】
図7および図8は、UEがアップリンク・スモールデータを基地局に送信すると、換言すると、UEがスモールデータ送信手順を能動的に開始すると、S211および/またはS221が実行される例を使用することによって説明されている。しかしながら、具体的な実装では、基地局の指示に基づいて、UEが受動的にスモールデータ送信手順を開始するケースがさらに存在する。この場合における送信手順は、図7および図8に示される送信手順と同様であり、相違点については、具体的に説明すると、以下の通りである。
【0202】
S211の前に、コアネットワークがUEへの送信対象のダウンリンク・スモールデータを有する場合、コアネットワークは、ページングメッセージを基地局に送信し得る。幾つかの実施形態では、ページングメッセージは、ダウンリンク・スモールデータのデータ量情報を搬送し得る。幾つかの実施形態では、基地局は、ページングメッセージをUEに送信し得て、UEは、現在測定されたRSRPおよびプリセットRSRP閾値の相対値に基づいて、2-step SDTを開始することを決定する。例えば、基地局は、ページングメッセージに基づいて、MT-EDTをトリガーし、UEに対して、MT-EDT指示を搬送するページングメッセージを送信し得て、これにより、UEは、MT-EDT用であるMO-EDTをトリガーする。UEがスモールデータ送信手順を積極的に開始する上述した場合とは異なり、S211において、UEは、ランダムアクセス・プリアンブルおよびRRC要求メッセージのみを基地局に送信し得て、アップリンク・スモールデータを送信することはない。任意選択で、RRC要求メッセージは、MT-EDTをトリガーする原因情報をさらに搬送し得る。これに対応して、基地局は、コアネットワークによって送信されたダウンリンク・スモールデータを受信し得て、S213において、基地局は、RRC応答メッセージおよびダウンリンク・スモールデータをUEに送信し得る。
【0203】
同様に、S221の前に、コアネットワークがUEへの送信対象のダウンリンク・スモールデータを有する場合、コアネットワークは、ページングメッセージを基地局に送信し得る。幾つかの実施形態では、ページングメッセージは、ダウンリンク・スモールデータのデータ量情報を搬送し得る。幾つかの実施形態では、基地局は、ページングメッセージをUEに送信し得て、UEは、現在測定されたRSRPおよびプリセットRSRP閾値の相対値に基づいて、2-step SDTを開始することを決定する。UEがスモールデータ送信手順を積極的に開始する上述した場合とは異なり、S221においてUEによって基地局に送信されるRRCメッセージは、アップリンク・スモールデータを搬送しないことがあり、任意選択で、MT-EDTをトリガーする原因情報をさらに搬送し得る。これに対応して、基地局は、コアネットワークによって送信されたダウンリンク・スモールデータを受信し得る。S223において基地局によってUEに送信されるRRC応答メッセージは、ダウンリンク・スモールデータを搬送し得る。
【0204】
これは、上述した例に限定されない。他の幾つかの実施形態では、基地局は、msgBおよびRRC応答メッセージを共にUEに送信し得る。
【0205】
幾つかの実施形態では、RA-SDTを開始した後、UEは、msg3またはmsgAを一度だけ送信して、スモールデータの送信を完了することができることはなく、UEは、後続送信(subsequent transmission)を通じてスモールデータの送信を完了し得る。この後続送信は、UEが競合解消を受信した後、基地局がRRC応答メッセージをUEに送信する前に、例えば、図5におけるS114およびS115の間、ならびに図7におけるS212およびS213の間に実行され得る。具体例は、以下の通りである。
【0206】
例1:UEによって現在開始されているRA-SDTは、一つのスモールデータ(例えば、一つのインスタントメッセージング・メッセージ)の送信用である。UEが4-step SDTを開始する場合、基地局によってRARにおいて指示されたULグラントのサイズが、スモールデータおよびRRC要求メッセージの送信用リソースのサイズの合計未満であるか、またはUEが2-step SDTを開始する場合、UEによってブロードキャストメッセージから取得される送信リソースのサイズが、ランダムアクセス・プリアンブル、スモールデータ、およびRRC要求メッセージの送信用リソースのサイズの合計未満である。この場合、UEは、最初に、msg3またはmsgAを介して、スモールデータの一部のデータを送信し、次いで、後続送信を通して、スモールデータの残りのデータの送信を実行し得る。例えば、競合解消をUEに送信した後、基地局は、UEが後続送信を実行するためのアップリンクリソースを動的にスケジューリングし得る。
【0207】
例2:UEによって現在開始されているRA-SDTは、複数個のスモールデータの送信用である。スモールデータが到着した後、UEは、4-step SDTまたは2-step SDTを開始し、msg3またはmsgAを介して、スモールデータの送信を実行し得る。ただし、今回のSDT手順では、UEは、新しいスモールデータを取得し、UEは、後続送信を通して、新しいスモールデータの送信を実行し得る。例えば、競合解消をUEに送信した後、基地局は、UEが後続送信を実行するためのアップリンクリソースを動的にスケジューリングし得る。
【0208】
図9は、ユーザープレーンにおけるCG-SDT手順を示す模式的フローチャートの一例である。図9に示される手順は、以下のステップを含み得るが、これらに限定されない。
【0209】
S311:UEは、事前に構成されたリソース上でRRC要求メッセージおよびアップリンク・スモールデータを基地局に送信する。
【0210】
例えば、事前に構成されたリソースは、構成されたグラントリソースタイプ1(CG Type 1)またはPURである。CG TYPE 1は、RRC層によって直接構成されるアップリンクリソースであり得て、アップリンクリソースにおける時間-周波数リソース位置およびリソース周期性を含み得るが、これらに限定されない。
【0211】
幾つかの実施形態では、基地局およびUEの両方がCG-SDTをサポートし、UEがCG-SDTを使用するための条件を満たす場合、UEは、RAを実行することなく、S311を実行し得る。CG-SDTを使用するための条件には、例えば、UEが非RRC接続状態にあること、UEがアップリンク・スモールデータを送信するための要件を有すること、UEが事前に構成されたリソースを有すること、UEがRSRP条件を満たすこと、およびUEが有効なTAを有することが含まれる。
【0212】
幾つかの実施形態では、UEがCG-SDTの使用を決定するための条件は、以下の条件のうちの少なくとも一つを含む。
【0213】
条件1:TATが作動しており、具体的には、UEのTAが有効であり、UEおよび基地局がアップリンク同期状態にあり、これは、CG-SDTが有効であることを表し得て、そうでない場合、CG-SDTは無効である。
【0214】
条件2:TATが作動しているとき、UEにおける現在のRSRPは、プリセットされた第一のRSRP閾値(略してRSRP 1)を超えており、これは、CG-SDTが有効であることを表し得る。任意選択で、RSRP 1は、UEがSDT送信を開始することができるRSRPであり得る。具体的には、UEにおける現在のRSRPがプリセットRSRP 1を超えている場合、UEが基地局の近くにあり、チャネル品質が良好であることを示す。CG-SDTが実行された場合、成功率は高くなり、CG-SDTは有効である。UEにおける現在のRSRPがプリセットRSRP 1以下である場合、UEが基地局から遠く離れており、チャネル品質が悪いことを示す。CG-SDTが実行された場合、成功率は低くなる。RSRP 1は、CG-SDTおよびRA-SDTの両方に対して、基地局によって設定され得る。
【0215】
条件3:TAが前回有効であるプリセット時間期間において、UEにおけるRSRPの増分または減分が、プリセットされた第二のRSRP閾値(略してRSRP 2)以下であり、これは、CG-SDTが有効であることを表し得る。すなわち、UEが移動するか否かは、UEにおけるRSRPの増分または減分に基づいて判定され得る。RSRPの増分または減分がRSRP 2以上である場合、TAが前回有効であった時間期間にあるUE位置に比べて、UEが移動するか、または移動距離が長いことを示す。CG-SDTが実行された場合、成功率が低くなり、CG-SDTは無効である。RSRPの増分または減分がRSRP 2未満である場合、TAが前回有効であった時間期間にあるUE位置に比べて、UEが移動しないか、移動距離が小さいことを示す。CG-SDTが実行された場合、成功率が高くなり、CG-SDTが有効である。
【0216】
条件4:基地局がSULおよび/またはNULにCG-SDTを構成する場合、UEは、SULに設定されたCG-SDTが有効であるか、またはNULに設定されたCG-SDTが有効であるかを判定するために、現在のRSRPを、基地局によってプリセットされた第三のRSRP閾値(略してRSRP 3)と比較する必要がある。任意選択で、CG-SDTがSULおよびNULの両方に構成されていると想定すると、UEは、現在のRSRPおよびRSRP 3を比較する。現在のRSRPがRSRP 3未満である場合、UEは、SULにあるCG-SDTを選択する。現在のRSRPがRSRP 3以上である場合、UEは、NULにあるCG-SDTを選択する。具体的には、基地局がSULおよびNULの両方にCG-SDTを構成するときに、UEにおける現在のRSRPがRSRP 3未満である場合、UEが基地局から遠く離れていることを示し、SULに構成されたCG-SDTを使用する必要がある。すなわち、SULにあるCG-SDTは有効であり、NULにあるCG-SDTは無効である。UEにおける現在のRSRPがRSRP 3以上である場合、UEが基地局に比較的近くにあることを示し、NUL上に構成されたCG-SDTを使用する必要がある。すなわち、NUL上にあるCG-SDTは有効であり、SULにあるCG-SDTは無効である。任意選択で、基地局がSULにのみCG-SDTを構成することを想定すると、UEは、現在のRSRPをRSRP 3と比較する。現在のRSRPがRSRP 3未満である場合、UEは、SULにあるCG-SDTを選択する。この場合、CG-SDTは有効である。現在のRSRPがRSRP 3以上である場合、UEは、CG-SDTを使用することができることはなく、換言すると、SULにあるCG-SDTは無効である。すなわち、基地局は、SULにあるCG-SDTを構成し、UEが基地局から遠く離れている場合、UEは、SULにあるCG-SDTを使用することができ、そうでない場合、SULにあるCG-SDTは無効である。任意選択で、基地局がNULにのみCG-SDTを構成することを想定すると、UEは、現在のRSRPをRSRP 3と比較する。現在のRSRPがRSRP 3未満である場合、UEは、CG-SDTを使用することができない。現在のRSRPがRSRP 3以上である場合、UEは、NULにあるCG-SDTを選択し、換言すると、NULにあるCG-SDTは有効である。すなわち、基地局は、NULにあるCG-SDTを構成し、UEが基地局の近くにある場合、UEは、NULにあるCG-SDTを使用することができ、そうでない場合、NULにあるCG-SDTは無効である。
【0217】
条件5:UEが基地局のカバレッジ内にあり、基地局が、UEに対して、CG-SDT用であるCGリソースを構成している。
【0218】
幾つかの実施形態では、S311の前に、UEは、CG-SDTを開始するために使用される事前に構成されたリソースを構成するように基地局にさらに要求し得る。例えば、RRC CONNECTED状態にあるUEは、CG-SDTリソース要求メッセージを基地局に送信する。CG-SDTリソース要求メッセージは、基地局にCG-SDTの構成を要求するために使用される。例えば、LTEでは、UEは、PUR構成要求情報(PURConfigurationRequestメッセージ)を基地局に送信する。
【0219】
任意選択で、RRC CONNECTED状態にあるUEは、任意の時点で、CG-SDTリソース要求メッセージを基地局に送信し得る。任意選択で、RRC CONNECTED状態にあるUEは、将来スモールデータがあり得ると判定し、CG-SDTリソース要求メッセージを基地局に送信し得る。任意選択で、UEは、RRC CONNECTED状態にあり、UEは、プリセット時間期間内に基地局に対してデータ送信を実行する必要はない。UEは、UEが非RRC接続状態に移行しようとしていると判定する。UEが非RRC接続状態にある場合、スモールデータの送信を実行するために、UEは、CG-SDTリソース要求メッセージを基地局に送信し得る。
【0220】
幾つかの実施形態では、基地局が構成要求情報(例えば、CG-SDTリソース要求メッセージまたはPURConfigurationRequestメッセージなど)を受信した後、基地局がUEに対してRRC CONNECTED状態から非RRC CONNECTED状態への切り替えを指示する場合、基地局によってUEに送信されるRRC応答メッセージは、CG-SDTの詳細構成情報を搬送し得る。例えば、基地局がUEに対してRRC CONNECTED状態からRRC INACTIVE状態への切替えを指示する場合、RRC応答メッセージは、RRCReleaseメッセージであり、RRCReleaseメッセージは、CGリソースの詳細設定情報を搬送し得る。例えば、基地局がUEに対してRRC CONNECTED状態からRRC IDLE状態への切替えを指示する場合、RRC応答メッセージは、RRCReleaseメッセージであり、RRCReleaseメッセージは、PURの詳細設定情報を搬送し得る。
【0221】
これは、上述した列挙された場合に限定されない。他の幾つかの実施形態では、UE用にCG-SDTを構成した後、基地局は、構成されたCG-SDTを解放するように、解除指示情報を搬送するRRC応答メッセージをUEに送信し得る。例えば、RRCReleaseメッセージは、CGリソースの解除指示情報を搬送し得る。例えば、RRCConnectionReleaseメッセージは、PURの解除指示情報を搬送し得る。
【0222】
他の幾つかの実施形態では、UEは、CG-SDTリソース要求メッセージをネットワーク機器に送信しないことがあり、ネットワーク機器は、UE用にCG-SDTリソースを直接構成することがある。例えば、ネットワーク機器は、UEの過去の通信サービス状況に基づいて、UE用にCG-SDTリソースを構成し得る。
【0223】
幾つかの実施形態では、UEは、アップリンク・スモールデータおよびRRC要求メッセージを基地局に送信して、CG-SDT用であるRRC接続再開手順を開始し得る。幾つかの実施形態では、CG-SDT用であるRRC接続再開手順を開始するためのRRC要求メッセージにおいて、resumeCause IEは、mo-dataに設定され得る。
【0224】
幾つかの実施形態では、UEは、最初に、SDT用であるRRC接続再開手順を初期化し、次いで、CG-SDTに基づいて、RRC要求メッセージを基地局に送信する。幾つかの実施形態では、UEは、SDT用であるRRC接続再開手順を初期化すると、第一のタイマーを始動する。他の幾つかの実施形態では、UEは、CG-SDTに基づいて、アップリンク・スモールデータおよびRRC要求メッセージを基地局に送信すると、第一のタイマーを始動する。
【0225】
これは、上述した例示的な場合に限定されない。他の幾つかの実施形態では、UEは、CG-SDT手順においてスモールデータのみを送信し得る。例えば、CG-SDT構成によって示されるリソースが、ネットワーク機器によってUE用に構成された専用リソースであり、共有リソースではない場合、UEは、CG-SDT手順において、CG-SDT構成によって示されるリソースにおけるスモールデータのみを送信し得る。このようにして、ネットワーク機器は、スモールデータを受信するためのリソースに基づいて、スモールデータを送信するUEを識別し得る。別の例として、CG-SDT構成によって示されるリソースが、複数のUE用にネットワーク機器によって構成される共有リソースである場合、UEは、SDT手順において、CG-SDT構成によって示されるリソース上であるスモールデータおよびRRC要求メッセージを送信し得る。このようにして、ネットワーク機器は、RRCメッセージを使用することによって、UEを識別し得る。
【0226】
RRC要求メッセージおよびアップリンク・スモールデータの説明については、図5において、S113におけるRRC要求メッセージおよびアップリンク・スモールデータの説明を参照されたい。詳細については、改めて説明しない。
【0227】
S312:基地局は、フィードバック応答メッセージをUEに送信する。
【0228】
幾つかの実施形態では、基地局は、UEによって送信されたRRC要求メッセージに応答して、フィードバック応答メッセージをUEに送信する。幾つかの実施形態では、フィードバック応答メッセージは、RRC要求メッセージの送信が成功していることを示す。幾つかの実施形態では、フィードバック応答メッセージは、RRC要求メッセージ、およびRRC要求メッセージと共に送信されたアップリンク・スモールデータの送信が成功していることを示す。幾つかの実施形態では、フィードバック応答メッセージは、アップリンク・スモールデータの送信が成功していることを示す。
【0229】
幾つかの実施形態では、フィードバック応答メッセージは、層1確認応答(Layer 1 Ack)メッセージ、すなわち、物理層ACKである。
【0230】
幾つかの実施形態では、フィードバック応答メッセージは、ダウンリンクフィードバック情報(DFI)、すなわち、CG-DFIである。
【0231】
幾つかの実施形態では、フィードバック応答メッセージは、MAC層におけるMAC CEである。
【0232】
幾つかの実施形態では、フィードバック応答メッセージは、RRC層におけるRRCメッセージである。
【0233】
S313:基地局は、RRC応答メッセージをUEに送信する。
【0234】
幾つかの実施形態では、コアネットワークがUEへの送信対象のダウンリンク・スモールデータを有する場合、コアネットワークは、ダウンリンク・スモールデータを基地局に送信し得る。その後、基地局は、RRC応答メッセージと共にダウンリンク・スモールデータをUEに送信し得る。
【0235】
RRC応答メッセージの説明については、図5において、S115におけるRRC応答メッセージの説明を参照されたい。詳細については、改めて説明しない。
【0236】
幾つかの実施形態では、RRC応答メッセージは、CG-SDT構成を含み得る。例えば、S311におけるCG-SDT構成は、S311においてスモールデータの送信を実行するために、UEによって使用され、S313におけるRRC応答メッセージによって示されるCG-SDT構成は、次回スモールデータの送信を実行するために、UEによって使用される。
【0237】
幾つかの実施形態では、S312におけるフィードバック応答メッセージがRRC層においてRRCメッセージである場合、S312におけるフィードバック応答メッセージ、およびS313におけるRRC応答メッセージは、同一のメッセージであり得る。すなわち、フィードバック応答メッセージは、RRC応答メッセージであり得て、換言すると、S312およびS313は、同一のステップである。
【0238】
図10は、制御プレーンにおけるCG-SDT手順を示す模式的フローチャートの一例である。図10に示される手順は、以下のステップを含み得るが、これらに限定されない。
【0239】
S321:UEは、事前に構成されたリソース上にある基地局に対して、アップリンク・スモールデータを搬送するRRC要求メッセージを送信する。
【0240】
具体的には、S321は、図9におけるS311と同様であり、相違点は、アップリンク・スモールデータがRRC要求メッセージと共に送信されることなく、RRC要求メッセージにて搬送されて送信される点にある。
【0241】
S322:基地局は、フィードバック応答メッセージをUEに送信する。
【0242】
S323:基地局は、RRC応答メッセージをUEに送信する。
【0243】
具体的には、S322およびS323は、図9におけるS312およびS313と同様であり、詳細については、改めて説明しない。
【0244】
図9および図10は、UEがアップリンク・スモールデータを基地局に送信すると、換言すると、UEがスモールデータ送信手順を能動的に開始すると、S311および/またはS321が実行される例を使用することによって説明される。しかしながら、具体的な実装では、基地局の指示に基づいて、UEが受動的にスモールデータ送信手順を開始するケースがさらに存在する。この場合における送信手順は、図9および図10に示される送信手順と同様であり、相違点は、具体的に説明すると、以下の通りである。
【0245】
S311の前に、コアネットワークがUEへの送信対象のダウンリンク・スモールデータを有する場合、コアネットワークは、ページングメッセージを基地局に送信し得る。幾つかの実施形態では、ページングメッセージは、ダウンリンク・スモールデータのデータ量情報を搬送し得る。幾つかの実施形態では、基地局は、ページングメッセージをUEに送信し得て、これにより、UEは、CG-SDTを開始する。UEが積極的にスモールデータ送信手順を開始する上述した場合とは異なり、S311では、UEは、RRC要求メッセージのみを基地局に送信し得て、アップリンク・スモールデータを送信することはない。任意選択で、RRC要求メッセージは、MT-EDTをトリガーする原因情報をさらに搬送し得る。これに対応して、基地局は、コアネットワークによって送信されたダウンリンク・スモールデータを受信し得て、S313において、基地局は、RRC応答メッセージおよびダウンリンク・スモールデータをUEに送信し得る。
【0246】
同様に、S321の前に、コアネットワークがUEへの送信対象のダウンリンク・スモールデータを有する場合、コアネットワークは、ページングメッセージを基地局に送信し得る。幾つかの実施形態では、ページングメッセージは、ダウンリンク・スモールデータのデータ量情報を搬送し得る。幾つかの実施形態では、基地局は、ページングメッセージをUEに送信し得て、これにより、UEは、CG-SDTを開始する。UEが積極的にスモールデータ送信手順を開始する上述した場合とは異なり、S321においてUEによって基地局に送信されるRRCメッセージは、アップリンク・スモールデータを搬送しないことがあり、任意選択で、MT-EDTをトリガーする原因情報をさらに搬送し得る。これに対応して、基地局は、コアネットワークによって送信されたダウンリンク・スモールデータを受信し得る。S323において基地局によってUEに送信されるRRC応答メッセージは、ダウンリンク・スモールデータを搬送し得る。
【0247】
NG-RANは、RRC INACTIVE状態にあるUEのRNAを管理し、NG-RANは、UEが位置するRNAを取得し得ると理解され得る。
【0248】
幾つかの実施形態では、一つのRNAが、RRC INACTIVE状態にあるUE用に、以前のサービング基地局によって構成され得る。一つのRNAは、一つまたは複数のセルをカバーし得て、RNAは、コアネットワーク登録エリアに含まれ得る。幾つかの実施形態では、同一のRNAにおける基地局間に、Xn接続が存在する。
【0249】
幾つかの実施形態では、基地局は、UEに送信されたRRC応答メッセージ(例えば、RRCReleaseメッセージなど)におけるRAN通知エリア情報(RAN-NotificationAreaInfo)IEに基づいて、UE用にRNA関連情報、例えば、セルリストまたはRANエリア(RAN area)リストを構成し得る。
【0250】
以下に、例を使用することによって、二つのRNA構成ケースを説明する。
【0251】
ケース1:基地局は、UE用にセルリストを構成する。幾つかの実施形態では、基地局は、セルリストをUEに明示的に示し、セルリストに含まれる一つまたは複数のセルは、基地局によってUE用に構成されたRNAを構成する。
【0252】
ケース2:基地局は、UE用にRANエリアリストを構成する。幾つかの実施形態では、RANエリアリストに含まれる一つまたは複数のRANエリアが、UE用に基地局によって構成されるRNAを構成する。幾つかの実施形態では、基地局は、UE用にRANエリア識別子(ID)(RANエリアID)を構成する。各RANエリアは、コアネットワーク(core network)追跡エリア(CN tracking area)のサブセットであるか、またはCN追跡エリアと等しい。各RANエリアは、RANエリアIDによって識別され、各RANエリアは、追跡エリアコード(TAC)を含む。TACは、RANエリアが属する追跡エリアを識別する。幾つかの実施形態では、各RANエリアは、RANエリアコード(RAN area code)を含み得て、RANエリアコードは、追跡エリアの範囲におけるRANエリアの領域を識別するために使用され得る。幾つかの実施形態では、各セルおよび対応する基地局は、システム情報において一つまたは複数のRANエリアIDをブロードキャストし得る。
【0253】
RRC INACTIVE状態にあるUEは、RNA更新(RNAU)をトリガーし得ると理解され得る。任意選択で、RNAを用いて構成された後、UEは、RNAUをトリガーして、端末の現在RNA状態、例えば、端末が現在位置するRNA、端末がUE用に基地局によって構成されたRNAにあるか否か、またはUEが現在位置するセルなどの、UEのモビリティ関連状態をネットワーク機器に通知し得る。
【0254】
以下に、例を使用することによって、RNAUをトリガーする二つのケースについて説明する。
【0255】
ケース1:UEは、定期的にRNAUをトリガーし得て、RNAUのトリガーは、第二のタイマーによって制御され得る。例えば、第二のタイマーは、3GPPプロトコルにおける38.321に規定されたT380であり、T380は、期限切れになると、RNAUをトリガーする。幾つかの実施形態では、第一のRRC応答メッセージをUEに送信する際、基地局は、UEに対して第二のタイマーを設定する。UEが第一のRRC応答メッセージを受信すると、UEは、第二のタイマーを始動する。幾つかの実施形態では、第二のタイマーの始動条件には、UEが第一のRRC応答メッセージを受信することが含まれ、第一のRRC応答メッセージは、例えば、RRCReleaseメッセージ、サスペンド構成付きRRCリリース(RRCRelease with suspend config)メッセージ、または同一の機能を有するが、3GPPに標準化されていない別のRRCメッセージである。幾つかの実施形態では、第二のタイマーが期限切れになると、UEは、RNAUをトリガーする。幾つかの実施形態では、UEが基地局によって送信された第二のRRC応答メッセージを受信すると、UEは、第二のタイマーを停止する。幾つかの実施形態では、第二のタイマーの停止条件は、UEが第二のRRC応答メッセージを受信することを含む。第二のRRC応答メッセージは、例えば、RRCResumeメッセージ、RRCSetupメッセージ、RRCReleaseメッセージ、または同一の機能を有するが、3GPPで標準化されていない別のRRCメッセージである。
【0256】
ケース2:RNAUは、システム情報ブロック(SIB)1によってトリガーされ、トリガーされたRNAUは、UE用に基地局によって構成されたRNAに関連する。幾つかの実施形態では、UEのサービングセルが構成済みのRNAに属さない場合、UEは、RNAUをトリガーし得る。例えば、UEに発生したセル再選択を通して得られたサービングセルが構成済みのRNAに属さない場合、UEは、RNAUをトリガーし得る。例えば、端末が移動し、セル再選択が発生する。幾つかの実施形態では、UEがサービングセル(例えば、セル再選択によって得られる新しいサービングセルなど)においてSIB1を読み取った後、SIB1によって提供されるセルが、UE用に基地局によって構成されるセルリストに属さないか、またはSIB1によって提供されるRANエリアが、UE用に基地局によって構成されるRANエリアリストに属さない場合、UEは、RNAUをトリガーし得る。例えば、SIB1からUEによって読み取られたセルIDが、UE用に基地局によって構成され、RAN-NotificationAreaInfo IEに含まれるセルリストに含まれるセルIDに属さない場合、UEは、RNAUをトリガーし得る。例えば、SIB1からUEによって読み取られたセルのTACが、UE用に基地局によって構成され、RAN-NotificationAreaInfo IEにあるRANエリアリストに含まれるTACに属さない場合、UEは、RNAUをトリガーし得る。
【0257】
以下に、一例を使用することによって、RNAUを実行するための実装について説明する。
【0258】
幾つかの実施形態では、UEがRNAUをトリガーすると、UEは、RNAU用であるRRC接続再開手順を開始し得る。幾つかの実施形態では、UEがRNAU用であるRRC接続再開手順を開始することは、以下を含み得る。すなわち、UEのRRC層が、中断されたRRC接続の再開を要求する手順(requiring the Resume of a suspended RRC connection)を開始すること。幾つかの実施形態では、UEがRNAU用であるRRC接続再開手順を開始することは、以下を含み得る。すなわち、UEは、例えば、RRCResumeRequestメッセージまたはRRCResumeRequest1などの、RRC再開要求メッセージを基地局に送信し、RRC要求メッセージにおけるresumeCause IEは、rna-Updateに設定され得ること。
【0259】
幾つかの実施形態では、UEがRNAU用であるRRC接続再開手順を開始することは、RRC接続再開手順を初期化するステップをさらに含み得て、具体的には、以下を含み得る。すなわち、緊急サービスが現在実行されている場合、UEは、アクセスカテゴリ(Access Category)を2として選択して、RRC接続再開手順において送信されるRRC要求メッセージにおけるresumeCause IEを緊急(emergency)に設定し得ること。緊急サービスが現在実行されていない場合、UEは、アクセスカテゴリを8として選択し得る。アクセスカテゴリは、アクセス禁止チェック(access barring check)に使用することができる。各アクセス要求をアクセスカテゴリと関連付けることができ、これにより、基地局がUEのアクセス要求を制御することができる。幾つかの実施形態では、アクセス要求は、UEによって開始されるRRC接続再開要求であり得る。
【0260】
幾つかの実施形態では、RRC接続再開手順の初期化中に、UEは、アクセスカテゴリを選択する。次いで、UEは、統一アクセス制御(UAC)手順を実行し、その後、アクセス試行が禁止されているか否かを判定し得る。例えば、各アクセス試行は、アクセスカテゴリに対応する。例えば、アクセス試行は、RNAU用であるRRC接続再開手順を開始するためのものである。この場合、アクセスカテゴリは2であるか、またはアクセスカテゴリは8である。アクセス試行が禁止されている場合、UEは、RNAU用であるRRC接続再開手順を開始することができない。アクセス試行が禁止されていない場合、UEは、RNAU用であるRRC接続再開手順を開始することができる。具体的なケースは、次の通りである。
【0261】
任意選択で、アクセス試行が禁止されている場合、UEは、第一の変数を第一の値に設定し、アクセス試行を停止し得る。
【0262】
任意選択で、アクセス試行が禁止されている場合、UEは、タイマーT390を始動し得る。例えば、UEは、禁止されたアクセス試行に対応するアクセスカテゴリのためにタイマーT390を始動する。アクセスカテゴリのタイマーT390が作動すると、UEは、アクセス試行が禁止されていると見做す。アクセス試行のタイマーT390が期限切れになると、例えば、アクセス試行のタイマーT390が作動していない場合、UEは、アクセスカテゴリに対応する禁止が緩和されていると見做す。例えば、アクセスカテゴリは2であるか、またはアクセスカテゴリは8である。
【0263】
第一の変数の値は、第一の値または第二の値である。例えば、第一の変数は、保留中のRNA更新(pendingRNA-Update)があるか否かを示し、第一の値は真(true)であり、第二の値は偽(false)である。幾つかの実施形態では、第一の変数の値が第一の値である場合、保留中のRNA更新手順が存在することを示し得る。幾つかの実施形態では、第一の変数の値が第二の値である場合、保留中のRNA更新手順が存在しないことを示し得る。幾つかの実施形態では、第一の変数の値が第一の値である場合、RNAUがトリガーされたが、成功裏に実行されていない(これは、RNAU用であるRRC接続再開手順が成功裏に実行されていないと理解され得る)ことを示し得る。
【0264】
アクセス試行が禁止されていない場合、UEは、例えば、デフォルトの物理層構成、デフォルトのSRB1構成、およびデフォルトのMAC層構成を適用するなど、RRC接続再開手順に関連する初期化の実行を継続し、UEは、第一の変数を第二の値に設定し得る。その後、UEは、RRC要求メッセージの送信を開始し、例えば、RRC構成を再格納し、SRB1のPDCPエンティティを再構成し、SRB1を再開し得て、UEは、UEの最下層(最下層は、RRC層に対して相対的であり、例えば、MAC層または物理層である)へのRRC要求メッセージの送信を実行し得る。例えば、UEのRRC層が上述した初期化手順を実行した後、RRC層は、MAC層へのRRC要求メッセージの送信を実行し、その後、MAC層は、RRC要求メッセージを送信する。幾つかの実施形態では、非RRC接続状態にあるUEに対しては、送信リソースが設定されていない。RRC層によって送信された送信要求を受信すると、MAC層は、RNAU用であるRRC要求メッセージを送信するために、RAを開始し得て、例えば、上述したmsg3または上述したmsgAにおけるRRC要求メッセージを送信する。他の幾つかの実施形態では、非RRC接続状態にあるUEは、例えば、CGリソースまたはPURなどの、事前に構成されたリソースを有する。事前に構成されたリソースの説明は、図9および図10における事前に構成済されたリソースの説明と同様である。上位層によって送信された送信要求を受信すると、下位層は、事前に構成されたリソース上で、RNAU用であるRRC要求メッセージを送信し得る。例えば、下位層はMAC層であり、上位層はRRC層である。例えば、下位層は物理層であり、上位層はRRC層である。例えば、下位層は物理層であり、上位層はMAC層である。RRC層によって送信された送信要求を受信した後、MAC層は、物理層に送信要求を指示する。RNAU用であるRRC要求メッセージにおけるresumeCause IEは、rna-Updateに設定される。幾つかの実施形態では、基地局は、RNAU用であり、UEによって送信されるRRC要求メッセージを受信し、UEの現在ステータス、例えば、移動ステータスなどを知覚するように、UEがRNAUを現在要求していることを確認し得る。
【0265】
幾つかの実施形態では、基地局は、RNAU用であり、UEによって送信されたRRC要求メッセージを成功裏に受信する。基地局は、競合解消が成功した後(例えば、UEに競合解消メッセージを送信した後)、第三のRRC応答メッセージをUEに送信し得る。第三のRRC応答メッセージは、例えば、RRCReleaseメッセージ、サスペンド指示付きRRCReleaseメッセージ、RRCResumeメッセージ、または同一の機能を有するが、3GPPに標準化されていない他のRRCメッセージである。任意選択で、第三のRRC応答メッセージを受信すると、UEは、RNAUが成功していると見做し得る。具体例は、次の通りである。
【0266】
例1:UEは、現在の基地局(新基地局と呼ばれることがある)によってサービスを提供されていると、RNAUを実行するが、UEのコンテキストは、以前の基地局(旧基地局と呼ばれることがある)に格納されている。旧基地局は、Xnインターフェースを介してUEのコンテキストを新基地局に送信し得る。UEのコンテキストを取得した後、新基地局は、UEに対してRRC応答メッセージを送信し、例えば、UEがRRC IDLE状態に移行することを可能にするために、RRCReleaseメッセージを送信したり、UEがRRC INACTIVE状態に移行することを可能にするために、サスペンド指示付きRRCReleaseメッセージを送信したり、またはUEがRRC CONNECTED状態に移行することを可能にするために、RRCResumeメッセージを送信したりし得る。
【0267】
例2:UEは、現在の基地局(新基地局と呼ばれることがある)によってサービスを提供されていると、RNAUを開始するが、UEのコンテキストは、以前の基地局(旧基地局と呼ばれることがある)に格納憶されている。旧基地局は、UEのコンテキストを新基地局に送信することはない。この場合、UEのRRC状態は、旧基地局によって制御され、旧基地局は、Xnインタフェース・メッセージに基づいて、間接的にRRC応答メッセージをUEに送信し得て、具体的には、RRC応答メッセージは、新基地局に送信され、その後、新基地局は、RRC応答メッセージを転送し、例えば、UEがRRC IDLE状態に移行することを可能にするために、RRCReleaseメッセージを転送し、またはUEがRRC INACTIVE状態に移行することを可能にするために、サスペンド指示付きRRCReleaseメッセージを転送する。
【0268】
他の幾つかの実施形態では、基地局は、第四のRRC応答メッセージをUEに送信する。例えば、基地局が、RNAU用であり、UEによって送信されたRRC要求メッセージを受信することに失敗した場合、基地局は、競合解消が成功した後に、第四のRRC応答メッセージをUEに送信し得る。第四のRRC応答メッセージは、例えば、RRCConnectionRejectメッセージ、RRCRejectメッセージ、または同じ機能を有するが、3GPPに標準化されていない他のRRCメッセージである。任意選択で、第四のRRC応答メッセージを受信した後、UEは、RRC INACTIVE状態に戻り得る。任意選択で、UEが第四のRRC応答メッセージを受信すると、UEは、RNAU用であるRRC再開要求が拒否されたと見做し、第一の変数を第一の値に設定し得る。
【0269】
幾つかの実施形態では、UEが第四のRRC応答メッセージを受信した後、第四のRRC応答メッセージにおいて待ち時間(wait time)が構成される場合、UEは、タイマーT302を始動し、タイマーT302の継続時間は、待ち時間に等しい。タイマーT302が作動していて、アクセスカテゴリが2または0でない場合、UEは、アクセス試行が禁止されていると見做す。タイマーT302が期限切れになったときに、アクセスカテゴリに対応するT390が作動していない場合、UEは、そのアクセスカテゴリに対応する禁止が緩和されていると見做す。タイマーT302は、UEの要求を禁止し、UEのアクセスカテゴリを識別しないことは、留意されるべきである。
【0270】
幾つかの実施形態では、UEは、現在、RNAU用であるRRC接続再開手順を開始し、アクセスカテゴリを8として選択する。RNAU用であるRRC接続再開手順が初期化されたときに、アクセス試行が禁止されていない場合、UEは、アクセスカテゴリ8に対応するT390を始動することなく、UEは、RRC接続再開手順に関連する初期化の実行を継続し、RNAU用であるRRC接続再開手順に対応するRRC要求メッセージを送信し得る。基地局が、UEに対して、待ち時間が構成される第四のRRC応答メッセージを送信する場合、UEは、タイマーT302を始動する。タイマーT302が期限切れになったときに、アクセスカテゴリ8に対応するT390が作動していない場合、UEは、アクセスカテゴリ8に対応する禁止が緩和されていると見做す。
【0271】
幾つかの実施形態では、UEは、現在のRNAUがトリガーされたが、成功裏に実行されない場合、RNAUの実行を継続するために第一の変数を第一の値に設定し得る。例えば、UEがRNAUをトリガーした後、アクセス試行が禁止されているか、またはRNAU用であるRRC接続再開手順において第四のRRC応答メッセージ(例えば、RRCRejectメッセージなど)が受信された場合、UEは、第一の変数を第一の値に設定し得る。幾つかの実施形態では、第一の変数が第一の値に設定されると、UEは、RNAU用であるRRC接続再開手順を開始する試行を継続し得る。幾つかの実施形態では、アクセスカテゴリ8またはアクセスカテゴリ2に対応する禁止が緩和され、上位層(例えば、NAS層など)がRRC接続の再開を要求することなく、例えば、上位層(例えば、NAS層など)がデータ送信用であるRRC接続の再開を要求することなく、第一の変数が第一の値に設定される場合、UEは、RNAU用であるRRC接続再開手順の開始を継続し得る。
【0272】
現在、非RRC接続状態にあるUE、および基地局がSDTを実行すると、RNAUがトリガーされ得る。この場合、端末は、現在実行されているSDTを停止し、RNAUを実行し得る。その結果、SDTのスモールデータの送信に影響が生じる。具体例は、次の通りである。
【0273】
例1:UEおよび基地局がRA-SDTを実行する前に、UEは、基地局によって送信されたRRCReleaseメッセージを受信し、第二のタイマー(例えば、T380など)を始動する。その後、UEは、SDT用であるRRC接続再開手順、例えば、図5および図6に示される4-step SDT、または図7および図8に示される2-step SDTを開始し、UEがランダムアクセス・プリアンブルを送信する前に、第二のタイマーは、始動される。UEが基地局によって送信された競合解消メッセージを受信する前に、第二のタイマーが期限切れになった場合、換言すると、UEが基地局によって送信された競合解消メッセージを受信する前に、RNAUがトリガーされる場合、このケースは、SDT用である現在のRA実行手順において、RNAU用である新しいRAがトリガーされると理解され得る。この場合、RNAUを実行するか否かは、UEの実装に依存し、具体的には、UEの実装は、SDT用である現在のRA手順を継続するか、またはRNAU用である新しいRAを実行するかを決定する。UEがRNAU用である新しいRAを実行する場合、例えば、msg3またはmsgAと共に送信されるアップリンク・スモールデータ、およびRRC応答メッセージと共に送信されるダウンリンク・スモールデータなど、アップリンク・スモールデータおよびダウンリンク・スモールデータが送信されないか、送信に失敗することがある。UEが基地局によって送信された競合解消メッセージを受信した後に、第二のタイマーが期限切れになった場合、換言すると、UEが基地局によって送信された競合解消メッセージを受信した後に、RNAUがトリガーされる場合、UEは、現在実行中のRA-SDT手順を破棄し、RNAU用であるRRC接続再開手順を開始する必要がある。このようにして、アップリンク・スモールデータおよびダウンリンク・スモールデータは、例えば、後続送信において送信を実行する必要があるアップリンク・スモールデータおよび/またはダウンリンク・スモールデータ、ならびにRRC応答メッセージと共に送信されるダウンリンク・スモールデータが、送信されないか、または送信に失敗することがある。
【0274】
例2:UEおよび基地局がCG-SDTを実行する前に、UEは、基地局によって送信されたRRCReleaseメッセージを受信し、第二のタイマー(例えば、T380など)を始動する。その後、UEは、SDT用であるRRC接続再開手順、例えば、図9および図10に示されるCG-SDTを開始し、第二のタイマーは、UEがRRC要求メッセージおよび/またはアップリンク・スモールデータを送信する前に、始動し得る。第二のタイマーが期限切れになった場合、UEは、現在実行中のCG-SDT手順を破棄し、RNAU用であるRRC接続再開手順を開始する必要がある。このようにして、アップリンク・スモールデータおよびダウンリンク・スモールデータは、例えば、後続送信において送信を実行する必要があるアップリンク・スモールデータおよび/またはダウンリンク・スモールデータ、ならびにRRC応答メッセージと共に送信されるダウンリンク・スモールデータが、送信されないか、または送信に失敗することがある。
【0275】
本出願の一実施形態は、通信システムに適用され得る伝送制御方法を提供する。本通信システムは、例えば、端末およびネットワーク機器を含む。端末およびネットワーク機器がSDTを実行する場合、スモールデータの伝送への影響を回避するために、RNAUがトリガーされないことがある。例えば、その影響には、伝送遅延が増加すること、ならびにその後にSDTが再び開始されるときに、消費電力およびシグナリング・オーバーヘッドも増加することが含まれる。端末およびネットワーク機器がSDTを実行する場合、ネットワーク機器は、端末が位置するRNAを取得し得て、端末の現在ステータスをネットワーク機器に通知するために、RNAUを追加実行する必要はない。
【0276】
以下に、端末およびネットワーク装置がSDTを実行する際に、端末が位置するRNAを、ネットワーク装置が取得する例を説明する。例1:端末が今回SDTを開始する基地局は、端末が前回RRCReleaseメッセージを受信した基地局と同じである。換言すると、端末は、同じ基地局によってサービスを受けている場合、RRCReleaseメッセージを受信し、SDT用であるRRC接続再開手順を開始する。任意選択で、端末が前回RRCReleaseメッセージを受信した基地局は、端末用にRNAを構成する基地局であり得て、その基地局は、RRCReleaseメッセージを通じて端末用にRNAの関連情報を構成し得て、すなわち、端末は、RNAによって構成され、同一の基地局によってサービスを受けている場合、SDTを開始する。基地局は、端末のコンテキストを保存する。基地局は、端末が位置するRNAを知覚し得る。例えば、基地局は、端末のものであり、基地局によって保存されるコンテキストに基づいて、端末用に以前構成されたRNAを確認し得る。この場合、SDTを開始する端末は、構成済みのRNAの範囲を超えて移動することはない。そのため、基地局は、端末が位置するRNAが構成済みのRNAであることを確認し得る。
【0277】
例2:端末が今回SDTを開始する基地局(新基地局と呼ばれることがある)は、端末が前回RRCReleaseメッセージを受信した基地局(旧基地局と呼ばれることがある)とは異なる。換言すると、端末は、新基地局によってサービスを受けると、SDT用であるRRC接続再開手順を開始する。任意選択で、端末が前回RRCReleaseメッセージを受信した旧基地局は、端末用にRNAを構成する基地局であり得て、旧基地局は、RRCReleaseメッセージを通じて、端末用にRNAの関連情報を構成し得る。新基地局は、端末が位置するRNAを知覚し得る。例えば、新基地局は、旧基地局から端末のコンテキストを取得し得て、新基地局は、その取得された端末のコンテキストおよび/または旧基地局に関する情報に基づいて、端末が旧基地局によって端末用に構成されたRNAの範囲を超えて移動するか否かを確認し得る。例えば、新基地局によって端末のコンテキストから取得されたRNA構成が、新基地局に対応するRNAリストまたはセルリストを含まない場合、新基地局は、端末が構成済みのRNAの範囲を超えて移動していることを確認し得て、そうでない場合、新基地局は、端末が構成済みのRNAの範囲を超えて移動していないことを確認し得る。別の例として、新基地局に対応するRNAリストが旧基地局に対応するRNAリストを含まないか、または新基地局に対応するセルリストが旧基地局に対応するセルリストを含まない場合、新基地局は、端末が構成済みのRNAの範囲を超えて移動していることを確認し得て、そうでない場合、新基地局は、端末が構成済みのRNAの範囲を超えて移動していないことを確認し得る。
【0278】
以下に、上述した説明に基づいて、本出願の実施形態に提供される伝送制御方法を説明する。本方法は、図1に示される通信システムに適用され得る。本方法におけるネットワーク機器および端末は、図1に示されるネットワーク機器120およびUE130であり得る。
【0279】
以下の実施形態では、ユーザープレーン・プロトコルスタックに基づく送信手順の例を使用することによって説明する。以下の実施形態における第一のタイマーおよび第二のタイマーについては、上述した第一のタイマーおよび第二のタイマーの説明を参照されたい。
【0280】
可能な実装では、端末が非RRC接続状態にある場合、第一のプリセット条件が満たされると、端末は、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行する。RNAU用であるRRC接続再開手順の説明については、RNAUを実行する上述した実装における、RNAU用であるRRC接続再開手順の開始の説明を参照されたい。
【0281】
幾つかの実施形態では、第一のプリセット条件は、第二のタイマーが期限切れになり、第一のタイマーが作動していないことを含む。具体例を図11に示す。第一のプリセット条件は、図11における第一の条件である。幾つかの実施形態では、第一のプリセット条件は、端末が第一のサービングセルのSIB1を受信し、第一のサービングセルが構成済みのRNAに属することなく、第一のタイマーが作動していないことを含む。具体例を図13に示す。第一のプリセット条件は、図13における第二の条件である。上述した説明の例は、次の通りである。
【0282】
例1:端末がRRC INACTIVE状態にある場合、第一のタイマー(例えば、T3XXなど)が作動していることなく、第二のタイマー(例えば、T380など)が期限切れになる場合、または第一のタイマー(例えば、T3XXなど)が作動していることなく、端末のサービングセルが構成済みのRNAに属さない場合、端末は、RRC接続再開手順を開始し、RRC接続再開手順を開始するためのRRC要求メッセージにあるresumeCause IEをrna-Updateに設定し得る。
【0283】
例2:端末がRRC INACTIVE状態にある場合、第二のタイマー(例えば、T380など)が期限切れになるか、または端末のサービングセルが構成済みのRNAに属さない場合、かつ、第一のタイマー(例えば、T3XXなど)が作動していない場合、端末は、RRC接続再開手順を開始し、RRC接続再開手順を開始するためのRRC要求メッセージにあるresumeCause IEをrna-Updateに設定し得る。
【0284】
任意選択で、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行するステップは、以下を含み得る。すなわち、RRC接続再開手順を開始するステップ。および、RRC接続再開手順を開始するためのRRC要求メッセージにあるresumeCause IEをrna-Updateに設定するステップ。
【0285】
図11は、本出願の一実施形態による、伝送制御方法を示す模式的フローチャートである。本方法は、以下のステップを含むが、これらに限定されない。
【0286】
S401:端末は、第二のタイマーを始動する。
【0287】
幾つかの実施形態では、S401は、任意選択のステップである。
【0288】
幾つかの実施形態では、端末は、第一のRRC応答メッセージを受信し、第二のタイマーを始動する。幾つかの実施形態では、第一のRRC応答メッセージは、第二のタイマーを含む。幾つかの実施形態では、第一のRRC応答メッセージは、第二のタイマーの継続時間を含む。第一のRRC応答メッセージは、例えば、RRCReleaseメッセージ、サスペンド構成付きRRCReleaseメッセージ、または同一の機能を有するが、3GPPに標準化されていない別のRRCメッセージである。
【0289】
S402: 端末は、第一の条件が満たされると、RNAUをトリガーする。
【0290】
幾つかの実施形態では、端末が非RRC接続状態にある場合、端末は、第一の条件が満たされると、RNAUをトリガーする。任意選択で、非RRC接続状態は、RRC INACTIVE状態である。
【0291】
幾つかの実施形態では、第一の条件は、端末がRRC INACTIVE状態にあることを含む。
【0292】
幾つかの実施形態では、RNAUをトリガーするステップは、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行するステップである。任意選択で、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行すると、端末は、ネットワーク機器にRRC要求メッセージを送信し得て、RRC要求メッセージにおけるresumeCause IEは、rna-Updateである。
【0293】
具体的には、第一の条件は、第二のタイマーが期限切れになり、第一のタイマーが作動していないことを含む。任意選択で、第一のタイマーが作動していないことは、以下のことを意味する。すなわち、第一のタイマーが始動されないこと。
【0294】
幾つかの実施形態では、第二のタイマーが期限切れになると、端末は、第一のタイマーが作動しているか否かを判定し得る。第一のタイマーが作動している場合、端末は、RNAUをトリガーすることはない。第一のタイマーが作動していない場合、端末は、RNAUをトリガーする。
【0295】
幾つかの実施形態では、第二のタイマーが期限切れになり、第二のタイマーが作動していないときに、端末がSDT要件を有しない場合、端末は、RNAUをトリガーし得る。任意選択で、第一のタイマーが作動していないことは、以下のことを表し得る。すなわち、端末はSDT要件を有しないこと。任意選択で、第二のタイマーが作動していると、第一のタイマーは作動していない。具体例を図12に示す。
【0296】
図12は、シーケンス図の一例を示している。
【0297】
図12に示されるように、横軸は、時間軸(t)である。第一の時点tにおいて、第二のタイマーが始動され(例えば、第一のRRC応答メッセージを受信したとき)、第二の時点tにおいて、第二のタイマーが期限切れになる。t<tである。第二のタイマーは、第一の時点および第二の時点の間に実行され、第一のタイマーは、第一の時点および第二の時点の間には実行されることはなく、第一のタイマーは、第一の時点および第二の時点の間では始動されることはない。第二の時点において、第二のタイマーは、期限切れになり、第一のタイマーは、作動していない。この場合、端末は、RNAUをトリガーし得る。
【0298】
任意選択で、SDT用である上述したRRC接続再開手順は、以下のことを含む。すなわち、RRC接続再開手順を開始するステップ。および、RRC接続再開手順を開始するためのRRC要求メッセージにあるresumeCause IEをmo-dataに設定するステップ。
【0299】
図13は、本出願の一実施形態による、別の伝送制御方法を示す模式的フローチャートである。本方法は、以下のステップを含むが、これに限定されない。
【0300】
S501:端末は、第一のタイマーを始動する。
【0301】
幾つかの実施形態では、S501は、任意選択のステップである。
【0302】
幾つかの実施形態では、SDT用であるRRC接続再開手順を開始すると、端末は、第一のタイマーを始動する。任意選択で、端末は、RRC要求メッセージおよび/またはアップリンク・スモールデータをネットワーク機器に送信すると、第一のタイマーを始動する。例えば、図5ないし図8に示される手順では、端末は、RA-SDTに基づいて、msg3またはmsgAをネットワーク機器に送信すると、第一のタイマーを始動する。また、例えば、図9および図10に示される手順では、端末は、CG-SDTに基づいて、RRC要求メッセージおよび/またはアップリンク・スモールデータをネットワーク機器に送信すると、第一のタイマーを始動する。
【0303】
S502:端末においてセル再選択が発生する。
【0304】
幾つかの実施形態では、S502は、任意選択のステップである。
【0305】
幾つかの実施形態では、セル再選択は、端末およびネットワーク機器がSDT手順を実行しているときに発生する。幾つかの実施形態では、第一のタイマーが実行していると、端末においてセル再選択が発生し、端末は、第一のタイマーを停止する。
【0306】
幾つかの実施形態では、セル再選択は、端末において発生し、端末は、第一のセルから第二のセルに切り替える。換言すると、端末上で発生するセル再選択によって得られるサービングセルは、第二のセルであり、以後、第一のサービングセルと呼ばれる。幾つかの実施形態では、端末の第一のサービングセルは、構成済みのRNAに属することなく、RNAは、端末においてセル再選択が発生する前に、端末用にネットワーク機器によって構成される。
【0307】
幾つかの実施形態では、セル再選択が発生した後、端末は、現在のサービングセルのSIB1を受信し、そのSIB1に基づいて第一のサービングセルを決定し、SIB1は、第一のサービングセルを示す。幾つかの実施形態では、端末は、SIB1に基づいて、第一のサービングセルが構成済みのRNAに属さないことを判定し、RNAは、端末においてセル再選択が発生する前に、端末用にネットワーク機器によって構成される。具体例は、次の通りである。
【0308】
例1:端末は、SIB1から第一のサービングセルのセルIDを読み取り、第一のサービングセルにおける読み取られたセルIDが、端末用にネットワーク機器によって構成されたセルリストに含まれ、RAN-NotificationAreaInfo IEにあるセルIDに属さない場合、端末は、第一のサービングセルが構成済みのRNAに属さないと判定する。
【0309】
例2:端末は、SIB1から第一のサービングセルのTACを読み取り、第一のサービングセルにおける読み取られたTACが、端末用にネットワーク機器によって構成されたRANエリアリストに含まれ、RAN-NotificationAreaInfo IEにあるTACに属さない場合、端末は、第一のサービングセルが構成済みのRNAに属さないと判定する。
【0310】
幾つかの実施形態では、端末上にセル再選択が発生した後、端末は、非RRC接続状態にある。任意選択で、非RRC接続状態は、RRC INACTIVE状態である。
【0311】
S503: 端末は、第二の条件が満たされる場合、RNAUをトリガーする。
【0312】
幾つかの実施形態では、端末が非RRC接続状態にある場合、端末は、第二の条件が満たされると、RNAUをトリガーする。任意選択で、非RRC接続状態は、RRC INACTIVE状態である。
【0313】
幾つかの実施形態では、第二の条件は、端末上にセル再選択が発生した後に、端末がRRC INACTIVE状態にあることを含む。
【0314】
幾つかの実施形態では、RNAUをトリガーするステップは、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行するステップである。任意選択で、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行すると、端末は、RRC要求メッセージをネットワーク機器に送信し得て、RRC要求メッセージにおけるresumeCause IEは、rna-Updateである。
【0315】
任意選択で、第二の条件は、端末が第一のサービングセルのSIB1を受信し、第一のサービングセルが構成済みのRNAに属することなく、第一のタイマーが作動していないことを含む。幾つかの実施形態では、第一のサービングセルは、端末において発生するセル再選択を通じて得られるサービングセルである。幾つかの実施形態では、第一のサービングセルは、端末上にセル再選択が発生した後に、端末によって受信されたSIB1によって示されるセルである。その端末は、第一のサービングセルのSIB1に基づいて、第一のサービングセルが構成済みのRNAに属していないことを判定する。具体例については、S502を参照されたい。
【0316】
幾つかの実施形態では、セル再選択は、端末がSDT要件を有しないときに発生する。任意選択で、第二の条件における第一のタイマーが作動していないことは、以下のことを意味する。すなわち、第一のタイマーが始動されないこと。任意選択で、第一のタイマーが作動していないことは、以下のことを表し得る。すなわち、端末が、SDT要件を有することがないこと。
【0317】
他の幾つかの実施形態では、セル再選択は、端末がSDT手順を実行しているときに発生する。任意選択で、端末によって実行されるSDT手順では、第一のタイマーが作動しており、第一のタイマーが作動しているときにセル再選択が発生する。任意選択で、第二の条件における第一のタイマーが作動していないことは、以下を意味する。すなわち、第一のタイマーが停止していること。任意選択で、端末上にセル再選択が発生すると、第一のタイマーは停止する。任意選択で、端末においてセル再選択が発生した後、端末は、RRC INACTIVE状態になる。
【0318】
幾つかの実施形態では、第二の条件は、端末が第一のサービングセルにおいてSDT手順を実行することができないことをさらに含む。任意選択で、端末が第一のサービングセルにおいてSDT手順を実行することできないことは、以下のことを意味する。すなわち、端末が、第一のサービングセルにおいて以前のSDT手順を継続することができないこと。例えば、セル再選択が発生した後、端末は、SDT用であり、S501において開始されたRRC接続再開手順を継続することができない。任意選択で、端末が第一のサービングセルにおいてSDT手順を実行することができないことは、以下のことを意味する。すなわち、端末が、第一のサービングセルにおいて新しいSDT手順を開始することができないこと。例えば、セル再選択が発生した後、端末は、SDT用であり、S501において開始されたRRC接続再開手順のための新しいSDT手順の開始を継続することができないか、または新しく取得されたスモールデータのための新しいSDT手順を開始することができない。任意選択で、端末が第一のサービングセルにおいてSDT手順を実行することができないことは、以下のことを意味する。すなわち、端末が、第一のサービングセルにおいてSDT関連構成情報を有しないこと。例えば、第一のサービングセルは、SDTをサポートすることはない。任意選択で、第一のサービングセルがSDTをサポートすることはないことは、以下のことを含む。すなわち、SDT関連構成が、第一のサービングセルにおいて、システム情報にてブロードキャストされていないこと。別の例として、第一のサービングセルは、RA-SDTおよび/またはCG-SDTをサポートすることはない。
【0319】
幾つかの実施形態では、端末がセル再選択後に現在のサービングセルのSIB1を受信し、SIB1によって示される第一のサービングセルが構成済みのRNAに属さない場合、端末は、第一のタイマーが作動している否かを判定し得る。第一のタイマーが作動している場合、端末は、RNAUをトリガーすることはなく、SDTの実行を継続する。任意選択で、第一のタイマーが作動しているということは、第一のタイマーが作動し続けることである。端末は、サービングセルにおいて以前のSDT手順を継続し得る。例えば、端末においてセル再選択が発生した後、第一のタイマーは作動し続け、端末は、サービングセルにおいて、SDT用であり、S501において開始されたRRC接続再開手順を継続し得る。任意選択で、第一のタイマーが作動しているということは、第一のタイマーが始動していることである。端末は、サービングセルにおいて、SDT用である新しいRRC接続再開手順を開始し得る。例えば、セル再選択が発生した後、端末は、SDT用である新しいRRC接続再開手順を開始し、第一のタイマーを始動する。第一のタイマーが作動していない場合、端末は、RNAUをトリガーする。任意選択で、RNAUは、SIB1によってトリガーされる。
【0320】
幾つかの実施形態では、端末がSDTを実行すると、第二のタイマーが期限切れになり、端末は、第一のタイマーが作動しているか否かを判定し得る。第一のタイマーが作動している場合、端末は、RNAUをトリガーすることなく、SDT手順の実行を継続する。第二のタイマーが期限切れになると、端末においてセル再選択が発生し、端末は、第一のタイマーを停止し、端末は、RRC INACTIVE状態になる。第二の条件が満たされる場合、端末は、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行し得る。
【0321】
他の幾つかの実施形態では、セル再選択が発生した後に、端末がRRC IDLE状態にある場合、端末は、RNAUをトリガーすることはない。他の幾つかの実施形態では、セル再選択が発生した後、端末は、第一のサービングセルにおいてSDT手順を実行し得る。この場合、端末は、RNAUをトリガーすることなく、SDT手順を実行する。任意選択で、端末が第一のサービングセルにおいてSDT手順を実行し得るケースは、端末が第一のサービングセルにおいてSDT手順を実行することができないケースとは逆である。詳細については、上述した説明を参照されたい。
【0322】
RNAUをトリガーする上述した二つのケースの例と比較して、本出願の実施形態は、第一のタイマーが作動していないというトリガー条件を付加していると理解され得る。具体的には、端末がSDT要件を有しない場合、または実行されたSDT手順が終了した後にのみ、端末は、RNAUをトリガーすることができる。第一のタイマーが作動していると(例えば、SDT手順が実行されていると)、RNAUはトリガーされることはない。SDTが実行されると、ネットワーク機器は、端末が位置するRNAを取得し得て、RNAUを実行しないことは、ネットワーク機器による端末のステータスの取得に影響を与えないだけでなく、SDT手順におけるスモールデータの送信への影響を回避し、例えば、送信遅延における増加を回避し、その後、SDTを再始動することによって増加される不必要なシグナリング・オーバーヘッドおよび電力消費を回避する。
【0323】
可能な実装では、端末は、RRC拒否メッセージを受信する。第二のタイマーが作動していない場合、端末は、第一の変数を第一の値に設定し得る。第一の変数が第一の値であることは、以下のことを示す。すなわち、保留中のRNAUが存在すること。任意選択で、第一の変数の値は、第一の値または第二の値である。例えば、第一の変数は、保留中のRNAU-Updateが存在するか否かを示し、第一の値は真であり、第二の値は偽である。第一の変数および第一の値の説明については、RNAUを実行する上述した実装における第一の変数および第一の値の説明を参照されたい。具体例については、以下の図14に示す。
【0324】
図14は、本出願の実施形態による、別の伝送制御方法を示す模式的フローチャートである。本方法は、以下のステップを含むが、これに限定されない。
【0325】
S601:端末は、第二のタイマーを始動する。
【0326】
幾つかの実施形態では、S601は、任意選択のステップであり、S601は、図11におけるS401と同様である。
【0327】
S602:端末は、第一のタイマーを始動する。
【0328】
幾つかの実施形態では、S602は、任意選択のステップであり、S602は、図13におけるS501と同様である。
【0329】
幾つかの実施形態では、S601およびS602の実行順序は、S601がS602の前に実行されることであってもよく、またはS602がS601の前に実行されることであってもよい。
【0330】
S603:ネットワーク機器は、RRCRejectメッセージを端末に送信する。
【0331】
幾つかの実施形態では、S603は、任意選択のステップである。
【0332】
幾つかの実施形態では、第一のタイマーが作動すると、端末は、RRCRejectメッセージを受信し、第一のタイマーは停止する。
【0333】
幾つかの実施形態では、端末がRRCRejectメッセージを受信した後、端末は、RRC INACTIVE状態にある。
【0334】
幾つかの実施形態では、端末がネットワーク機器に対して、SDT用であるRRC接続再開手順を開始すると、端末は、RRC要求メッセージをネットワーク機器に送信し、RRCRejectメッセージは、RRC要求メッセージに応答して、ネットワーク機器によって送信される。RRC要求メッセージは、例えば、RRCResumeRequestメッセージまたはRRCResumeRequest1などの、RRC再開要求メッセージである。
【0335】
S604:第二のタイマーが作動していない場合、端末は、第一の変数を第一の値に設定する。
【0336】
幾つかの実施形態では、端末がRRCRejectメッセージを受信した後、端末は、非RRC接続状態になる。任意選択で、非RRC接続状態は、RRC INACTIVE状態である。
【0337】
幾つかの実施形態では、端末がRRCRejectメッセージを受信した後、端末は、SDT手順が今回失敗している(拒否されている)と見做し、端末は、RRC INACTIVE状態になる。端末は、依然として定期的なRNAUを実行する必要がある。ただし、この場合、第二のタイマーは作動していないため、端末は、第一の変数を第一の値に設定し得る。
【0338】
幾つかの実施形態では、端末がRRCRejectメッセージを受信した後に、RRC INACTIVE状態にあり、第二のタイマーが作動していない場合、端末は、第一の変数を第一の値に設定し得る。
【0339】
幾つかの実施形態では、端末は、RRCRejectメッセージを受信し、待ち時間は、RRCRejectメッセージに構成されている。この場合、端末は、タイマーT302を始動し得る。任意選択で、タイマーT302が作動すると、UEのRRC接続再開手順が禁止される。タイマーT302が期限切れになると、UEの禁止されたRRC接続再開手順が緩和される。この場合、上位層(例えば、NAS層など)がRRC接続の再開を要求しない場合、UEは、RRC接続再開手順を再始動し得る。例えば、上位層(例えば、NAS層など)がデータ送信用であるRRC接続の再開を要求することなく、第一の変数が第一の値に設定される場合、UEは、RNAU用であるRRC接続再開手順の開始を継続し得る。
【0340】
幾つかの実施形態では、端末がSDT手順を実行しているとき(例えば、端末がRRCRejectメッセージを受信する前)に、第二のタイマーが期限切れになった場合、端末は、第一のタイマーが作動しているか否かを判定し得る。第一のタイマーが作動している場合、端末は、RNAUをトリガーすることなく、SDT手順の実行を継続する。第二のタイマーが期限切れになった後、かつ、端末がRRCRejectメッセージを受信した後、端末は、第一のタイマーを停止し、RRC INACTIVE状態になる。第二のタイマーが作動していない場合、端末は、第一の変数を第一の値に設定し得る。任意選択で、第二のタイマーが作動していないことは、以下のことを意味する。すなわち、第二のタイマーが期限切れになった後、第二のタイマーは作動していないこと。
【0341】
幾つかの実施形態では、端末がRRCRejectメッセージを受信した後、端末がRRC IDLE状態にある場合、端末は、RNAUをトリガーすることもなく、第一の変数を第一の値に設定することもない。
【0342】
端末によって受信されるメッセージは、図14に示されるRRC拒否メッセージに限定されない。他の幾つかの実施形態では、RRCRejectメッセージは、代替的に、RRCConnectionRejectメッセージ、または同一の機能を有するが、3GPPに標準化されていない他のRRCメッセージであり得る。
【0343】
これは、図14に示される例に限定されない。他の幾つかの実施形態では、端末がRRC拒否メッセージを受信した後、第二のタイマーが作動していない場合、端末は、RNAU用であるRRC接続再開手順を直接的に実行し得る。具体例は、図14におけるものと同様である。相違点は、図14における「第一の変数を第一の値に設定する」ことが「RNAU用であるRRC接続再開手順を実行する」ことに置き換えられる点にある。例えば、端末のRRC層は、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行する。任意選択で、端末は、RRCRejectメッセージを受信し、RRCRejectメッセージに待ち時間が構成されていない。この場合、端末は、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行する。例えば、端末のRRC層は、RNAU用であるRRC接続再開手順を直接的に実行する。
【0344】
幾つかの他の実施形態では、端末は、最初に、第一の変数を第一の値に設定し得て、その後、端末は、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行する。例えば、端末のRRC層は、RNAU用であるRRC接続再開手順を直接的に実行する。
【0345】
幾つかの他の実施形態では、端末がRRC拒否メッセージを受信した後、第二のタイマーが作動していない場合、端末は、第三のタイマーを始動し得る。第三のタイマーが期限切れになると、第一のタイマーが作動していない場合、端末は、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行する。具体例は、図14におけるものと同様であり、相違点は、図14における「第一の変数を第一の値に設定する」ことが「第三のタイマーを始動する」ことに置き換えられる点にある。任意選択で、本方法は、以下をさらに含む。すなわち、第三のタイマーが期限切れになったときに、第一のタイマーが作動していない場合、端末は、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行すること。
【0346】
任意選択で、第三のタイマーは、第二のタイマーと同じである。例えば、第三のタイマーの継続時間は、第二のタイマーの継続時間と等しい。例えば、第三のタイマーは、T380である。
【0347】
任意選択で、第三のタイマーは、第二のタイマーとは異なる。例えば、第三のタイマーの継続時間は、第二のタイマーの継続時間と等しくない。例えば、第三のタイマーの継続時間は、第二のタイマーの継続時間未満である。例えば、第三のタイマーの継続時間の単位は、ミリ秒または秒である。
【0348】
任意選択で、第三のタイマーの実行中に、端末は、NAS層上にデータ送信要件が存在するか否か、例えば、NASが接続再開手順を開始するようにRRC層をトリガーするか否かを待機し得る。NAS層上にデータ送信要件が存在し、NAS層が接続再開手順を開始するようにRRC層をトリガーした場合、端末は、データ送信用であるRRC接続再開手順を開始し、RNAU用であるRRC接続再開手順は実行することはない。データ送信用であるRRC接続再開手順には、SDT用であるRRC接続再開手順と、非SDT用であるRRC接続再開手順とが含まれる。
【0349】
幾つかの実施形態では、以下の通りである。
【0350】
1> RRCResumeRequestまたはRRCResumeRequest1に応答して、RRCRejectが受信された場合、
【0351】
2> SDT手順に起因してレジュームがトリガーされた場合、および
【0352】
2> T380が期限切れになった場合、
【0353】
3> 変数pendingRNA-Updateを真に設定する。
【0354】
幾つかの実施形態では、端末がRRCResumeRequestメッセージまたはRRCResumeRequest1メッセージに応答して、RRCRejectメッセージを受信し、SDT手順に基づいて再開するステップがトリガーされ、第二のタイマーが期限切れになる場合、端末は、第一の変数を第一の値に設定し得て、端末は、RRCResumeRequestメッセージまたはRRCResumeRequest1メッセージを送信することによって、再開するステップを要求し得る。任意選択で、再開するステップは、SDT用であるRRC接続再開手順である。
【0355】
可能な実装では、第一のタイマーが期限切れになったときに、第二のタイマーが作動していない場合、端末は、第一の変数を第一の値に設定し得る。第一の変数が第一の値であることは、以下のことを示す。すなわち、保留中のRNAUが存在すること。第一の変数および第一の値の説明については、RNAUを実行する上述した実装における第一の変数および第一の値の説明を参照されたい。具体例を以下の図15に示す。
【0356】
図15は、本出願の実施形態による、別の伝送制御方法を示す模式的フローチャートである。本方法は、以下のステップを含むが、これらに限定されない。
【0357】
S701:端末は、第二のタイマーを始動する。
【0358】
幾つかの実施形態では、S701は、任意選択のステップであり、S701は、図11におけるS401と同様である。
【0359】
S702:端末は、第一のタイマーを始動する。
【0360】
幾つかの実施形態では、S702は、任意選択のステップであり、S702は、図13におけるS501と同様である。
【0361】
幾つかの実施形態では、S701およびS702の実行順序は、S701がS702の前に実行されることであってもよいし、またはS702がS701の前に実行されることであってもよい。
【0362】
S703:第一のタイマーが期限切れになるときに、第二のタイマーが作動していない場合、端末は、第一の変数を第一の値に設定する。
【0363】
幾つかの実施形態では、第一のタイマーが期限切れになった後、端末は非RRC接続状態になる。任意選択で、非RRC接続状態は、RRC INACTIVE状態である。幾つかの実施形態では、端末がRRC INACTIVE状態にある場合、端末は、ネットワーク機器に対して、SDT用であるRRC接続再開手順を開始し、第一のタイマーを始動する。第一のタイマーが期限切れになった後、端末は、依然として、RRC INACTIVE状態にある。
【0364】
幾つかの実施形態では、第一のタイマーが期限切れになった後、端末は、RRC INACTIVE状態になる。端末は、依然として、定期的なRNAUを実行する必要がある。ただし、この場合、第二のタイマーが作動していないため、端末は、第一の変数を第一の値に設定し得る。
【0365】
幾つかの実施形態では、第一のタイマーが期限切れになった後、端末がRRC INACTIVE状態になり、第二のタイマーが作動していない場合、端末は、第一の変数を第一の値に設定する。
【0366】
幾つかの実施形態では、端末がSDT手順を実行しているとき(例えば、第一のタイマーが期限切れになる前)に、第二のタイマーが期限切れになった場合、端末は、第一のタイマーが作動しているか否かを判定し得る。第一のタイマーが作動している場合、端末は、RNAUをトリガーすることなく、SDT手順の実行を継続する。第二のタイマーが期限切れになった後、第一のタイマーが期限切れになった場合、端末は、RRC INACTIVE状態になる。第二のタイマーが作動していない場合、端末は、第一の変数を第一の値に設定し得る。任意選択で、第二のタイマーが作動していないことは、以下のことを意味する。すなわち、第二のタイマーが期限切れになった後、第二のタイマーが作動していないこと。
【0367】
他の幾つかの実施形態では、第一のタイマーが期限切れになった後に、端末がRRC IDLE状態にある場合、端末は、RNAUをトリガーすることなく、第一の変数を第一の値に設定することはない。
【0368】
これは、図15に示される例に限定されない。他の幾つかの実施形態では、第一のタイマーが期限切れになったときに、第二のタイマーが作動していない場合、端末は、RNAU用であるRRC接続再開手順を直接的に実行し得る。具体例は、図15におけるものと同様である。相違点は、図15における「第一の変数を第一の値に設定する」ことが「RNAU用であるRRC接続再開手順を実行する」ことに置き換えられる点にある。例えば、端末のRRC層は、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行する。
【0369】
幾つかの他の実施形態では、端末は、最初に、第一の変数を第一の値に設定し得て、その後、端末は、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行する。例えば、端末のRRC層は、RNAU用であるRRC接続再開手順を直接的に実行する。
【0370】
幾つかの他の実施形態では、第一のタイマーが期限切れになったときに、第二のタイマーが作動していない場合、端末は、第三のタイマーを始動し得る。第三のタイマーが期限切れになったときに、第一のタイマーが作動していない場合、端末は、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行する。具体例は、図15におけるものと同様であり、相違点は、図15における「第一の変数を第一の値に設定する」ことが「第三のタイマーを始動する」ことに置き換えられる点にある。任意選択で、本方法は、以下をさらに含む。すなわち、第三のタイマーが期限切れになったときに、第一のタイマーが作動していない場合、端末は、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行すること。
【0371】
任意選択で、第三のタイマーは、第二のタイマーと同じである。例えば、第三のタイマーの継続時間は、第二のタイマーの継続時間と等しい。例えば、第三のタイマーは、T380である。
【0372】
任意選択で、第三のタイマーは、第二のタイマーとは異なる。例えば、第三のタイマーの継続時間は、第二のタイマーの継続時間と等しくない。例えば、第三のタイマーの継続時間は、第二のタイマーの継続時間未満である。例えば、第三のタイマーの継続時間の単位は、ミリ秒または秒である。
【0373】
任意選択で、第三のタイマーの実行中に、端末は、NAS層上にデータ送信要件があるか否か、例えば、NASが接続再開手順を開始するようにRRC層をトリガーするか否かを待機し得る。NAS層上にデータ送信要件があり、NAS層が接続再開手順を開始するようにRRC層をトリガーする場合、端末は、データ送信用であるRRC接続再開手順を開始し、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行することはない。データ送信用であるRRC接続再開手順には、SDT用であるRRC接続再開手順と、非SDT用であるRRC接続再開手順とが含まれる。
【0374】
可能な実装では、第二のサービングセルのSIB1が受信されたときに、第二のサービングセルが構成済みのRNAに属し、第二のタイマーが作動していない場合、端末は、第一の変数を第一の値に設定し得る。第一の変数が第一の値であることは、以下のことを示す。すなわち、保留中のRNAUが存在すること。第一の変数および第一の値の説明については、RNAUを実行する上述した実装における第一の変数および第一の値の説明を参照されたい。具体例を以下の図16に示す。
【0375】
図16は、本出願の実施形態による、別の伝送制御方法を示す模式的フローチャートである。本方法は、以下のステップを含むが、これらに限定されない。
【0376】
S801:端末は、第二のタイマーを始動する。
【0377】
幾つかの実施形態では、S801は、任意選択のステップであり、S801は、図11におけるS401と同様である。
【0378】
S802:端末は、第一のタイマーを始動する。
【0379】
幾つかの実施形態では、S802は、任意選択のステップであり、S802は、図13におけるS501と同様である。
【0380】
幾つかの実施形態では、S801およびS802の実行順序は、S801がS802の前に実行されることであってもよく、またはS802がS801の前に実行されることであってもよい。
【0381】
S803:端末上にセル再選択が発生する。
【0382】
幾つかの実施形態では、S803は、任意選択のステップである。
【0383】
幾つかの実施形態では、セル再選択は、端末およびネットワーク機器がSDT手順を実行中であるときに発生する。幾つかの実施形態では、第一のタイマーが作動していると、端末上にセル再選択が発生し、端末は、第一のタイマーを停止する。
【0384】
幾つかの実施形態では、セル再選択は端末に発生し、端末は、第三のセルから第四のセルに切り替える。換言すると、端末に発生するセル再選択を通して得られるサービングセルは、第四のセルであり、以後、第二のサービングセルと呼ばれる。幾つかの実施形態では、端末の第二のサービングセルは、構成済みのRNAに属し、RNAは、端末上にセル再選択が発生する前に、端末用にネットワーク機器によって構成される。
【0385】
幾つかの実施形態では、セル再選択が発生した後、端末は、現在のサービングセルのSIB1を受信し、SIB1に基づいて第二のサービングセルを決定し、SIB1は、第二のサービングセルを示す。幾つかの実施形態では、端末は、SIB1に基づいて、第二のサービングセルが構成済みのRNAに属することを決定し、RNAは、端末上にセル再選択が発生する前に、端末用にネットワーク機器によって構成される。具体例は、図11におけるS502と同様であり、詳細については、改めて説明しない。
【0386】
幾つかの実施形態では、端末上にセル再選択が発生した後、端末は、非RRC接続状態にある。任意選択で、非RRC接続状態は、RRC INACTIVE状態である。
【0387】
S804:第二のサービングセルが構成済みのRNAに属し、第二のタイマーが作動していない場合、端末は、第一の変数を第一の値に設定する。
【0388】
幾つかの実施形態では、端末上にセル再選択が発生した後、端末は、非RRC接続状態にある。任意選択で、非RRC接続状態は、RRC INACTIVE状態である。幾つかの実施形態では、端末がRRC INACTIVE状態にあると、端末は、ネットワーク機器に対して、SDT用であるRRC接続再開手順を開始し、第一のタイマーを始動する。セル再選択は、第一のタイマーが作動しており、端末が依然としてRRC INACTIVE状態にあるときに発生する。
【0389】
幾つかの実施形態では、端末上に発生するセル再選択の後に、端末がRRC INACTIVE状態にあり、第二のサービングセルが構成済みのRNAに属し、第二のタイマーが作動していない場合、端末は、第一の変数を第一の値に設定し得る。
【0390】
幾つかの実施形態では、端末がRRC INACTIVE状態にあるときに、第二のサービングセルが構成済みのRNAに属し、第二のタイマーが作動することなく、端末が第二のサービングセルにおいてSDT手順を実行できない場合、端末は、第一の変数を第一の値に設定し得る。任意選択で、端末が第二のサービングセルにおいてSDT手順を実行することができないとは、以下のことを意味する。すなわち、端末は、第二のサービングセルにおいて以前のSDT手順を継続することができないこと。例えば、セル再選択が発生した後、端末は、SDT用であり、S802において開始されたRRC接続再開手順を継続することができない。任意選択で、端末が第二のサービングセルにおいてSDT手順を実行することができないことは、以下のことを意味する。すなわち、端末は、第二のサービングセルにおいて新しいSDT手順を開始することができないこと。例えば、セル再選択が発生した後、端末は、SDT用であり、S802において開始されたRRC接続再開手順用である新しいSDT手順の開始を継続することができないか、または新しく取得されたスモールデータのための新しいSDT手順を実行することができない。任意選択で、端末が第二のサービングセルにおいてSDT手順を実行することができないことは、以下のことを意味する。すなわち、端末は、第二のサービングセルにおいてSDT関連構成情報を有しないこと。例えば、第二のサービングセルは、SDTをサポートしていない。任意選択で、第二のサービングセルがSDTをサポートしていないことは、以下のことを含む。すなわち、SDT関連構成は、第二のサービングセルにおけるシステム情報にブロードキャストされていないこと。別の例として、第二のサービングセルは、RA-SDTおよび/またはCG-SDTをサポートすることはない。
【0391】
幾つかの実施形態では、端末上にセル再選択が発生した後、端末は、RRC INACTIVE状態にある。端末は、依然として、定期的なRNAUを実行する必要がある。ただし、この場合、第二のタイマーが作動していないため、端末は、第一の変数を第一の値に設定し得る。
【0392】
幾つかの実施形態では、端末がSDT手順を実行しているとき(例えば、セル再選択が発生する前)に、第二のタイマーが期限切れになった場合、端末は、第一のタイマーが作動しているか否かを判定し得る。第一のタイマーが作動している場合、端末は、RNAUをトリガーすることなく、SDT手順の実行を継続する。任意選択で、第一のタイマーが作動しているということは、第一のタイマーが作動し続けているということであり、端末は、第二のサービングセルにおいて以前のSDT手順を継続し得る。任意選択で、第一のタイマーが作動していることは、第一のタイマーが始動されていることであり、端末は、第二のサービングセルにおいて、SDT用である新しいRRC接続再開手順を開始し得る。第二のタイマーが期限切れになった後、端末上にセル再選択が発生し、端末は、第一のタイマーを停止し、端末は、RRC INACTIVE状態になる。第二のタイマーが作動していない場合、端末は、第一の変数を第一の値に設定し得る。任意選択で、第二のタイマーが作動していないことは、以下のことを意味する。すなわち、第二のタイマーが期限切れになった後、第二のタイマーが作動していないこと。
【0393】
他の幾つかの実施形態では、端末上に発生したセル再選択後に、端末がRRC IDLE状態にある場合、端末は、RNAUをトリガーすることなく、第一の変数を第一の値に設定することはない。他の幾つかの実施形態では、端末上に発生したセル再選択の後、端末は、第二のサービングセルにおいてSDT手順を実行し得て、端末は、RNAUをトリガーすることもなく、第一の変数を第一の値に設定することもない。
【0394】
これは、図16に示される例に限定されない。他の幾つかの実施形態では、第二のサービングセルのSIB1が受信されたときに、第二のサービングセルが構成済みのRNAに属し、第二のタイマーが作動していない場合、端末は、RNAU用であるRRC接続再開手順を直接的に実行し得る。具体例は、図16におけるものと同様である。相違点は、図16における「第一の変数を第一の値に設定する」ことが「RNAU用であるRRC接続再開手順を実行する」ことに置き換えられる点にある。例えば、端末のRRC層は、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行する。
【0395】
他の幾つかの実施形態では、端末は、最初に、第一の変数を第一の値に設定し得て、その後、端末は、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行する。例えば、端末のRRC層は、RNAU用であるRRC接続再開手順を直接的に実行する。
【0396】
幾つかの他の実施形態では、第二のサービングセルのSIB1が受信されたときに、第二のサービングセルが構成済みのRNAに属し、第二のタイマーが作動していない場合、端末は、第三のタイマーを始動する。具体例は、図16におけるものと同様であり、相違点は、図16における「第一の変数を第一の値に設定する」ことが「第三のタイマーを始動する」ことに置き換えられる点にある。任意選択で、本方法は、以下をさらに含む。すなわち、第三のタイマーが期限切れになったときに、第一のタイマーが作動していない場合、端末は、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行すること。
【0397】
任意選択で、第三のタイマーは、第二のタイマーと同じである。例えば、第三のタイマーの継続時間は、第二のタイマーの継続時間と等しい。例えば、第三のタイマーは、T380である。
【0398】
任意選択で、第三のタイマーは、第二のタイマーとは異なる。例えば、第三のタイマーの継続時間は、第二のタイマーの継続時間と等しくない。例えば、第三のタイマーの継続時間は、第二のタイマーの継続時間未満である。例えば、第三のタイマーの継続時間の単位は、ミリ秒または秒である。
【0399】
任意選択で、第三のタイマーの実行中、端末は、NAS層上にデータ送信要件があるか否か、例えば、NASが接続再開手順を開始するようにRRC層をトリガーするか否かを待機し得る。NAS層上にデータ送信要件が存在し、NAS層が接続再開手順を開始するようにRRC層をトリガーする場合、端末は、データ送信用であるRRC接続再開手順を開始し、RNAU用であるRRC接続再開手順は実行することはない。データ送信用であるRRC接続再開手順には、SDT用であるRRC接続再開手順と、非SDT用であるRRC接続再開手順とが含まれる。
【0400】
幾つかの実施形態では、以下の通りである。
【0401】
1> T319もしくはT302、またはT3XXが作動している間に、セル再選択が発生した場合、
【0402】
2> T380がSDT手順中に期限切れになるか、またはSDT手順中に期限切れになっている場合、
【0403】
3> 変数pendingRNA-Updateを真に設定する。
【0404】
幾つかの実施形態では、タイマーT319、タイマーT302、または第一のタイマーT3XXが作動しているときに、端末上にセル再選択が発生した場合、かつ、第二のタイマーT380がSDT手順において期限切れになるか、または期限切れになっている場合、端末は、変数pendingRNA-Updateを真に設定し得る。
【0405】
可能な実装では、端末の完全性チェックが失敗したときに、第二のタイマーが作動していない場合、端末は、第一の変数を第一の値に設定し得る。第一の変数が第一の値であることは、以下のことを示す。すなわち、保留中のRNAUが存在すること。第一の変数および第一の値の説明については、RNAUを実行する上述した実施形態における第一の変数および第一の値の説明を参照されたい。具体例を以下の図17に示す。
【0406】
図17は、本出願の実施形態による、別の伝送制御方法を示す模式的フローチャートである。本方法は、以下のステップを含むが、これらに限定されない。
【0407】
S901:端末は、第二のタイマーを始動する。
【0408】
幾つかの実施形態では、S901は、任意選択のステップであり、S901は、図11におけるS401と同様である。
【0409】
S902:端末は、第一のタイマーを始動する。
【0410】
幾つかの実施形態では、S902は、任意選択のステップであり、S902は、図13におけるS501と同様である。
【0411】
幾つかの実施形態では、S901およびS902の実行順序は、S901がS902の前に実行されることであってもよく、またはS902がS901の前に実行されることであってもよい。
【0412】
S903:端末の完全性チェックが失敗したときに、第二のタイマーが作動していない場合、端末は、第一の変数を第一の値に設定する。
【0413】
幾つかの実施形態では、第一のタイマーが作動していると、端末の完全性チェックは失敗する。幾つかの実施形態では、端末の完全性チェックが失敗することは、以下の通りである。すなわち、端末のRRC層が、RRC層の最下層によって示される完全性チェックの失敗を受信することであり、RRC層の最下層は、例えば、PDCP層である。
【0414】
幾つかの実施形態では、端末の完全性チェックが失敗した後、端末は、RRC INACTIVE状態になる。幾つかの実施形態では、端末がRRC INACTIVE状態にあると、端末は、ネットワーク機器に対して、SDT用であるRRC接続再開手順を開始し、第一のタイマーを始動する。第一のタイマーか実行していると、端末の整合性チェックが失敗した後、端末は、依然として、RRC INACTIVE状態にある。
【0415】
幾つかの実施形態では、端末の完全性チェックが失敗した後、端末は、RRC INACTIVE状態になる。端末は、依然として、定期的なRNAUを実行する必要がある。ただし、この場合、第二のタイマーが作動していないため、端末は、第一の変数を第一の値に設定し得る。
【0416】
幾つかの実施形態では、端末がSDT手順を実行しているとき(例えば、端末の完全性チェックが失敗する前)に、第二のタイマーが期限切れになった場合、端末は、第一のタイマーが作動しているか否かを判定し得る。第一のタイマーが作動している場合、端末は、RNAUをトリガーすることなく、SDT手順の実行を継続する。第二のタイマーが期限切れになった後、端末の完全性チェックが失敗している場合、端末は、RRC INACTIVE状態になる。第二のタイマーが作動していない場合、端末は、第一の変数を第一の値に設定し得る。任意選択で、第二のタイマーが作動していないことは、以下のことを意味する。すなわち、第二のタイマーが期限切れになった後、第二のタイマーが作動していないこと。
【0417】
幾つかの実施形態では、端末の完全性チェックが失敗した後、端末がRRC IDLE状態にある場合、端末は、RNAUをトリガーすることもなく、第一の変数を第一の値に設定することもない。
【0418】
これは、図17に示される例に限定されない。他の幾つかの実施形態では、端末の完全性チェックが失敗したときに、第二のタイマーが作動していない場合、端末は、RNAU用であるRRC接続再開手順を直接的に実行し得る。具体例は、図17におけるものと同様である。相違点は、図17における「第一の変数を第一の値に設定する」ことが「RNAU用であるRRC接続再開手順を実行する」ことに置き換えられる点にある。例えば、端末のRRC層は、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行する。
【0419】
幾つかの他の実施形態では、端末は、最初に、第一の変数を第一の値に設定し得て、その後、端末は、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行する。例えば、端末のRRC層は、RNAU用であるRRC接続再開手順を直接的に実行する。
【0420】
幾つかの他の実施形態では、端末の完全性チェックが失敗したときに、第二のタイマーが作動していない場合、端末は、第三のタイマーを始動し得る。第三のタイマーが期限切れになったときに、第一のタイマーが作動していない場合、端末は、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行する。具体例は、図17におけるものと同様であり、相違点は、図17における「第一の変数を第一の値に設定する」ことが「第三のタイマーを始動する」ことに置き換えられる点にある。任意選択で、本方法は、以下をさらに含む。すなわち、第三のタイマーが期限切れになったときに、第一のタイマーが作動していない場合、端末は、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行する。
【0421】
任意選択で、第三のタイマーは、第二のタイマーと同じである。例えば、第三のタイマーの継続時間は、第二のタイマーの継続時間と等しい。例えば、第三のタイマーは、T380である。
【0422】
任意選択で、第三のタイマーは、第二のタイマーとは異なる。例えば、第三のタイマーの継続時間は、第二のタイマーの継続時間と等しくない。例えば、第三のタイマーの継続時間は、第二のタイマーの継続時間未満である。例えば、第三のタイマーの継続時間の単位は、ミリ秒または秒である。
【0423】
任意選択で、第三のタイマーの実行中に、端末は、NAS層上にデータ送信要件があるか否か、例えば、NASが接続再開手順を開始するようにRRC層をトリガーするか否かなどを待機し得る。NAS層上にデータ送信要件が存在し、NAS層が接続再開手順を開始するようにRRC層をトリガーする場合、端末は、データ送信用であるRRC接続再開手順を開始し、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行することはない。データ送信用であるRRC接続再開手順には、SDT用であるRRC接続再開手順と、非SDT用であるRRC接続再開手順とが含まれる。
【0424】
本出願では、SDT手順が実行されるとき、RNAUはトリガーされないと理解され得る。SDTが実行されると、ネットワーク機器は、端末が位置するRNAを取得し得て、RNAUを実行しないことは、ネットワーク機器による端末のステータスの取得に影響を与えないだけでなく、SDT手順におけるスモールデータの送信への影響を回避することができる。
【0425】
また、SDTが異常終了する場合(例えば、第四のRRC応答メッセージが受信されるとき、セル再選択が発生したとき、第一のタイマーが期限切れになったとき、または端末の完全性チェックが失敗したとき)について、第二のタイマーが作動していない(例えば、第二のタイマーが期限切れになった後、第二のタイマーが作動していない)場合、端末は、第一の変数を第一の値に設定し得て、これにより、UEは、その後も定期的にRNAUのトリガーを継続することができ、RNAUの正常な実行は、影響を受けることはない。
【0426】
可能な実装では、SDT手順において第一の変数が第一の値に設定されている場合、端末は、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行し得る。幾つかの実施形態では、SDT手順において第一の変数が第一の値に設定され、上位層(例えば、NAS層など)がRRC接続の再開を要求しない場合、端末は、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行する。幾つかの実施形態では、端末のアクセスカテゴリ2または8の禁止が緩和され、上位層(例えば、NAS層など)がRRC接続の再開を要求することなく、第一の変数が第一の値に設定される場合、端末は、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行する。幾つかの実施形態では、SDT手順において端末のアクセスカテゴリの禁止が緩和され、上位層(例えば、NAS層など)がRRC接続の再開を要求することなく、第一の変数が第一の値に設定される場合、端末は、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行する。幾つかの実施形態では、アクセス禁止が緩和され、(NAS層のような)上位層がRRC層にRRC接続再開を要求しない場合、かつ、第一の変数が第一の値である場合、端末は、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行し得る。
【0427】
図18は、別のシーケンス図の一例を示している。
【0428】
図18に示されるように、横軸は、時間軸(t)である。第三の時点tにおいて、(例えば、第一のRRC応答メッセージが受信されると、)第二のタイマーが始動される。第四の時点tにおいて、(例えば、RRC要求メッセージが送信されると、)第一のタイマーが始動される。第五の時点tにおいて、第二のタイマーが期限切れになる。t<t<t<tである。第二のタイマーは、第三の時点および第五の時点の間で作動し、第一のタイマーは、第四の時点および第六の時点の間で作動し、端末は、第四の時点および第六の時点の間でSDT手順を実行する。第五の時点において、端末がSDT手順を実行すると、第二のタイマーは期限切れになり、端末は、RNAUをトリガーすることはない。換言すると、第二のタイマーが期限切れになり、第一のタイマーが作動している場合、端末は、RNAUをトリガーすることはない。
【0429】
幾つかの実施形態では、第六の時点において、端末上にセル再選択が発生し、第一のタイマーは停止し、端末は、RRC INACTIVE状態になる。セル再選択を通して得られた端末のサービングセルが構成済みのRNAに属することなく、端末がサービングセルにおいてSDT手順を実行することができない場合、端末は、RNAUをトリガーし得る。任意選択で、RNAUをトリガーするステップは、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行するステップである。詳細については、図13における説明を参照されたい。
【0430】
他の幾つかの実施形態では、第六の時点において、端末は、第四のRRC応答メッセージを受信し、第一のタイマーは停止し、端末は、RRC INACTIVE状態になる。第二のタイマーが動作しない場合、端末は、RNAUをトリガーし得る。任意選択で、RNAUをトリガーするステップは、第一の変数を第一の値に設定するステップであり得る。詳細については、図14における説明を参照されたい。
【0431】
他の幾つかの実施形態では、第六の時点において、第一のタイマーが期限切れになり、端末は、RRC INACTIVE状態になる。第二のタイマーが作動していない場合、端末は、RNAUをトリガーし得る。任意選択で、RNAUをトリガーするステップは、第一の変数を第一の値に設定するステップであり得る。詳細については、図15における説明を参照されたい。
【0432】
他の幾つかの実施形態では、第六の時点において、端末上にセル再選択が発生し、第一のタイマーが停止し、端末は、RRC INACTIVE状態になる。セル再選択を通して得られた端末のサービングセルが構成済みのRNAに属する場合、端末は、サービングセルにおいてSDT手順を実行することができることなく、この場合、第二のタイマーは作動することなく、端末は、RNAUをトリガーし得る。任意選択で、RNAUをトリガーするステップは、第一の変数を第一の値に設定するステップであり得る。詳細については、図16における説明を参照されたい。
【0433】
他の幾つかの実施形態では、第六の時点において、端末の完全性チェックが失敗し、第一のタイマーが停止し、端末は、RRC INACTIVE状態になる。第二のタイマーが作動していない場合、端末は、RNAUをトリガーし得る。任意選択で、RNAUをトリガーするステップは、第一の変数を第一の値に設定するステップであり得る。詳細については、図17における説明を参照されたい。
【0434】
可能な実装では、SDT手順を実行するとき、端末は、第二のタイマーを停止し得る。具体例を以下の図19に示す。
【0435】
図19は、本出願の実施形態による、別の伝送制御方法を示す模式的フローチャートである。本方法は、以下のステップを含むが、これに限定されない。
【0436】
S1001:端末は、RRC要求メッセージをネットワーク機器に送信する。
【0437】
幾つかの実施形態では、S1001は、任意選択のステップである。
【0438】
幾つかの実施形態では、端末がSDT要件を有する場合、端末は、SDT用であるRRC接続再開手順を開始し得る。RRC接続再開手順は、以下のことを含み得る。すなわち、端末は、SDTに基づいてRRC要求メッセージをネットワーク機器に送信すること。
【0439】
幾つかの実施形態では、端末がSDT要件を有する場合、端末は、4-step SDT用であるRRC接続再開手順を開始し得る。手順については、図5および図6に示される手順を参照されたい。RRC接続再開手順において端末によって送信されるRRC要求メッセージは、4-step SDTに基づいて送信され、RRC要求メッセージは、msg3に含まれることがある。
【0440】
幾つかの実施形態では、端末がSDT要件を有する場合、端末は、2-step SDT用であるRRC接続再開手順を開始し得る。手順については、図7および図8に示される手順を参照されたい。RRC接続再開手順において端末によって送信されるRRC要求メッセージは、2-step SDTに基づいて送信され、RRC要求メッセージは、msgAにふくまれることがある。
【0441】
幾つかの実施形態では、端末がSDT要件を有する場合、端末は、CG-SDT用であるRRC接続再開手順を開始し得る。手順については、図9および図10に示される手順を参照されたい。RRC接続再開手順において端末によって送信されるRRC要求メッセージは、CG-SDTに基づいて送信される。
【0442】
幾つかの実施形態では、ネットワーク機器にRRC要求メッセージを送信すると、端末は、アップリンク・スモールデータを共に送信する。具体例については、図5図7、および図9に示される手順を参照されたい。
【0443】
S1002:ネットワーク機器は、第一の応答メッセージを端末に送信する。
【0444】
幾つかの実施形態では、S1002は、任意選択のステップである。
【0445】
幾つかの実施形態では、端末によって送信されたRRC要求メッセージを受信した後、ネットワーク機器は、第一の応答メッセージを端末に送信し得る。幾つかの実施形態では、端末によって送信されるRRC要求メッセージおよびアップリンク・スモールデータを受信した後、ネットワーク機器は、第一の応答メッセージを端末に送信し得る。
【0446】
幾つかの実施形態では、端末は、RA-SDTを開始し、ネットワーク機器は、RA-SDTに基づいて端末によって送信されたRRC要求メッセージを受信し、第一の応答メッセージを端末に送信し得る。任意選択で、第一の応答メッセージは、競合解消が成功していることを示し得る。任意選択で、第一の応答メッセージは、ランダムアクセス手順が成功裏に完了していることを示し得る。任意選択で、端末は、第一の応答メッセージを受信し、競合解消が成功していると判定する。任意選択で、端末は、第一の応答メッセージを受信し、ランダムアクセス手順が成功裏に完了していると判定する。任意選択で、第一の応答メッセージは、図5ないし図8に示される競合解消メッセージである。
【0447】
幾つかの実施形態では、端末は、CG-SDTを開始し、ネットワーク機器は、CG-SDTに基づいて端末によって送信されたRRC要求メッセージを受信し、第一の応答メッセージを端末に送信し得る。任意選択で、第一の応答メッセージは、S1001において送信されたRRC要求メッセージおよび/またはアップリンク・スモールデータに固有であり得る。任意選択で、第一の応答メッセージは、RRC要求メッセージが成功裏に送信されていることを示し得る。任意選択で、第一の応答メッセージは、アップリンク・スモールデータが成功裏に送信されていることを示し得る。任意選択で、第一の応答メッセージは、図9および図10に示されるフィードバック応答メッセージである。任意選択で、第一の応答メッセージは、再送をスケジューリングするためのダウンリンク制御情報(DCI)であり得る。任意選択で、第一の応答メッセージは、新たな送信をスケジューリングするためのDCIであり得る。
【0448】
S1003:端末の下位層は、第一の情報を上位層に示す。
【0449】
幾つかの実施形態では、S1003は、任意選択のステップである。
【0450】
具体的には、端末は、複数の層を含み得る。具体例としては、図2および図3に示されるユーザープレーン・プロトコルスタックまたは制御プレーン・プロトコルスタックに含まれる層を参照されたい。S1003における最下層および上位層は、相対的な概念であると理解され得る。幾つかの実施形態では、S1003における端末の最下層は、第一の層であり、第一の層は、ユーザープレーン・プロトコルスタックまたは制御プレーン・プロトコルスタックにおける層である。幾つかの実施形態では、第一の層は、ネットワーク機器によって送信された第一の応答メッセージを受信する層である。幾つかの実施形態では、S1003において、上位層は第二の層であり、第二の層は、第一の層の上位にある層である。
【0451】
例えば、第一の層はMAC層であり、第二の層はRRC層である。
【0452】
例えば、第一の層は物理層であり、第二の層はMAC層である。
【0453】
例えば、第一の層は物理層であり、第二の層はRRC層である。
【0454】
S1004:端末は、第二のタイマーを停止する。
【0455】
幾つかの実施形態では、端末の第三の層は、第三の層の下位層によって示される第一の情報を受信し、第二のタイマーを停止する。任意選択で、第三の層はRRC層である。任意選択で、第三の層の下位層は、MAC層である。任意選択で、第三の層の下位層は、物理層である。
【0456】
幾つかの実施形態では、RA-SDT手順において、端末のMAC層は、ネットワーク機器によって送信された第一の応答メッセージを受信し、MAC層は、MAC層の上位にあるRRC層に第一の情報を指示する。任意選択で、第一の情報は、競合解消が成功していることを指示し、任意選択で、第一の指示情報は、ランダムアクセス手順が成功裏に完了していることを指示する。RRC層は、MAC層によって示された第一の情報を受信し、第二のタイマーを停止する。任意選択で、S1003において、下位層はMAC層であり、上位層はRRC層であり、S1004において、第二のタイマーは、RRC層において停止される。
【0457】
幾つかの実施形態では、CG-SDT手順において、端末のMAC層は、ネットワーク機器によって送信された第一の応答メッセージを受信し、MAC層は、MAC層の上位にあるRRC層に第一の情報を示し、第一の情報は、RRC要求メッセージおよび/またはアップリンク・スモールデータが成功裏に送信されていることを示し、RRC層は、MAC層によって示された第一の情報を受信し、第二のタイマーを停止する。任意選択で、S1003において、下位層はMAC層であり、上位層はRRC層であり、S1004において、第二のタイマーは、RRC層において停止される。
【0458】
幾つかの実施形態では、CG-SDT手順において、端末の物理層は、ネットワーク機器によって送信された第一の応答メッセージを受信し、物理層は、物理層の上位のRRC層に第一の情報を示し、第一の情報は、RRC要求メッセージおよび/またはアップリンク・スモールデータが成功裏に送信されていることを示し、RRC層は、物理層によって指示された第一の情報を受信し、第二のタイマーを停止する。任意選択で、S1003において、下位層は物理層であり、上位層はRRC層であり、S1004において、第二のタイマーは、RRC層において停止される。
【0459】
幾つかの実施形態では、CG-SDT手順において、端末の物理層は、ネットワーク機器によって送信された第一の応答メッセージを受信し、物理層は、物理層の上位にあるMAC層に第二の情報を指示し、第二の情報は、RRC要求メッセージおよび/またはアップリンク・スモールデータが成功裏に送信されていることを示す。MAC層は、物理層によって示された第二の情報を受信し、MAC層の上位にあるRRC層に第一の情報を指示し、第一の情報は、RRC要求メッセージおよび/またはアップリンク・スモールデータが成功裏に送信されていることを示し、RRC層は、MAC層によって指示された第一の情報を受信し、第二のタイマーを停止する。任意選択で、S1003において、最下層はMAC層であり、上位層はRRC層であり、S1004において、第二のタイマーは、RRC層において停止される。
【0460】
幾つかの実施形態では、端末が第二のタイマーを停止する前に、第二のタイマーは、オン状態にある。例えば、SDT用のRRC接続再開手順を開始する前に(例えば、S1001など)、端末は、第二のタイマーを始動する。
【0461】
幾つかの実施形態では、第二のタイマーを停止した後、端末は、今度はSDT手順に基づいて後続送信を実行し得る。詳細については、図5ないし図10における後続送信の説明を参照されたい。第二のタイマーは停止され、期限切れになることはない。そのため、RNAUはトリガーされることなく、SDT手順におけるスモールデータの送信は影響を受けることはない。
【0462】
幾つかの実施形態では、第二のタイマーを停止した後、端末は、ネットワーク機器によって送信されたRRC応答メッセージを受信し得る。詳細については、図5ないし図10におけるRRC応答メッセージに関する上述した説明を参照されたい。幾つかの実施形態では、第二のタイマーを停止した後、端末は、ネットワーク機器によって送信された第一のRRC応答メッセージ、例えば、RRCReleaseメッセージ、サスペンド構成付きRRCReleaseメッセージ、または同一の機能を有するが、3GPPに標準化されていない別のRRCメッセージを受信し、端末は、第二のタイマーを始動し得る。
【0463】
上述した実施形態における第二のタイマーを始動するステップは、複数の場合を含むと理解され得る。以下に、例として二つのケースを示す。
【0464】
ケース1:SDTを実行する場合、端末は、第一のRRC応答メッセージを受信し、第一のタイマーを停止し、第二のタイマーを始動する。例えば、最初に、端末がSDT要求を有する場合、端末は、SDT用であるRRC接続再開手順を開始し、第一のタイマーを始動する。その後、第二のタイマーが期限切れになるも、第一のタイマーが作動状態にある場合、端末は、RNAUをトリガーすることなく、SDTの実行を継続する。最後に、端末が第一のRRC応答メッセージを受信した後、端末は、今回のSDTが成功していると見做し、第一のタイマーを停止し、非RRC接続状態を維持する。さらに、第一のRRC応答メッセージを受信した後、端末は、第二のタイマーを始動し、これにより、RNAUは、その後も定期的にトリガーされ続けることがある。
【0465】
ケース2:SDTを実行する場合、端末は、第五のRRC応答メッセージを受信し、第一のタイマーを停止する。その後、第一のRRC応答メッセージを受信すると、端末は、次いで、第二のタイマーを始動し、第五のRRC応答メッセージは、例えば、RRCResumeメッセージ、RRCSetupメッセージ、または同一の機能を有するが、3GPPに標準化されていない別のRRCメッセージである。例えば、最初に、端末がSDT要件を有する場合、端末は、SDT用であるRRC接続再開手順を開始し、第一のタイマーを始動する。次いで、第二のタイマーが期限切れになるも、第一のタイマーが作動状態にある場合、端末は、RNAUをトリガーすることなく、SDTを実行し続ける。次いで、端末が第五のRRC応答メッセージを受信した後、端末は、今回のSDTが成功していると見做し、第一のタイマーを停止し、非RRC接続状態からRRC接続状態に移行し得る。その後、端末は、第一のRRC応答メッセージを受信し、RRC CONNECTED状態から非RRC CONNECTED状態に移行し、第二のタイマーを始動し、これにより、RNAUは、その後も周期的にトリガーされ続けることがある。
【0466】
可能な実装では、端末がRRC拒否メッセージを受信した後、第二のタイマーが作動していない場合、端末は、第一の変数を第一の値に設定し得る。具体例は、図14におけるものと同様である。相違点は、図14における「第二のタイマーが期限切れになる」ことが「第二のタイマーが停止する」ことに置き換えられる必要がある点にある。なお、第二のタイマーの停止の説明については、上記の図19を参照されたい。
【0467】
可能な実装では、端末がRRC拒否メッセージを受信した後、第二のタイマーが作動していない場合、端末は、RNAU用であるRRC接続再開手順を直接的に実行し得る。具体例は、図14におけるものと同様である。相違点は、S604が次のように変更され得る点にある。すなわち、第二のタイマーが作動していない場合、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行することであり、図14における「第二のタイマーが期限切れになる」ことが「第二のタイマーが停止する」ことに置き換えられる必要がある。なお、第二のタイマーの停止の説明については、上記の図19を参照されたい。
【0468】
可能な実装では、端末がRRC拒否メッセージを受信した後、第二のタイマーが作動していない場合、端末は、第三のタイマーを始動し得る。第三のタイマーが期限切れになったときに、第一のタイマーが作動していない場合、端末は、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行する。具体例は、図14におけるものと同様である。相違点は、S604が次のように変更され得る点にある。第二のタイマーが作動していない場合、第三のタイマーを始動すること。S604の後、本方法は、以下をさらに含む。すなわち、第三のタイマーが期限切れになったときに、第一のタイマーが作動していない場合、端末は、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行し、図14における「第二のタイマーが期限切れになる」ことが「第二のタイマーが停止する」ことに置き換えられる必要がある。第二のタイマーの停止の説明については、上記の図19を参照されたい。
【0469】
可能な実装では、第一のタイマーが期限切れになったときに、第二のタイマーが作動していない場合、端末は、第一の変数を第一の値に設定し得る。具体例は、図15におけるものと同様である。相違点は、図15における「第二のタイマーが期限切れになる」ことが「第二のタイマーが停止する」ことに置き換えられる必要がある点にある。なお、第二のタイマーの停止については、上記の図19を参照されたい。
【0470】
可能な実装では、第一のタイマーが期限切れになったときに、第二のタイマーが作動していない場合、端末は、RNAU用であるRRC接続再開手順を直接的に実行し得る。具体例は、図15におけるものと同様である。相違点は、S703が次のように変更され得る点にある。すなわち、第一のタイマーが期限切れになったときに、第二のタイマーが作動していない場合、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行することであり、図15における「第二のタイマーが期限切れになる」ことが「第二のタイマーが停止する」ことに置き換えられる必要がある。なお、第二のタイマーの停止の説明については、上記の図19を参照されたい。
【0471】
可能な実装では、第一のタイマーが期限切れになったときに、第二のタイマーが作動していない場合、端末は、第三のタイマーを始動し得る。第三のタイマーが期限切れになったときに、第一のタイマーが作動していない場合、端末は、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行する。具体例は、図15におけるものと同様である。相違点は、S703を次のように変更され得る点にある。すなわち、第一のタイマーが期限切れになったときに、第二のタイマーが作動していない場合、第三のタイマーを始動すること。S703の後、本方法は、以下をさらに含む。すなわち、第三のタイマーが期限切れになったときに、第一のタイマーが作動していない場合、端末は、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行することであり、図15における「第二のタイマーが期限切れになる」ことが「第二のタイマーが停止する」ことに置き換えられる必要がある。なお、第二のタイマーの停止の説明については、上記の図19を参照されたい。
【0472】
可能な実装では、第二のサービングセルのSIB1が受信されたときに、第二のサービングセルが構成済みのRNAに属し、第二のタイマーが作動していない場合、端末は、第一の変数を第一の値に設定し得る。具体例は、図16におけるものと同様である。相違点は、図16における「第二のタイマーが期限切れになる」ことが「第二のタイマーが停止する」ことに置き換えられる必要がある点にある。なお、第二のタイマーの停止の説明については、上記の図19を参照されたい。
【0473】
可能な実装では、第二のサービングセルのSIB1が受信されたときに、第二のサービングセルが構成済みのRNAに属し、第二のタイマーが作動していない場合、端末は、RNAU用であるRRC接続再開手順を直接的に実行し得る。具体例は、図15におけるものと同様である。相違点は、S804が次のように変更され得る点にある。すなわち、第二のサービングセルが構成済みのRNAに属し、第二のタイマーが動作していない場合、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行することであり、図16における「第二のタイマーが期限切れになる」ことが「第二のタイマーが停止する」ことに置き換えられる必要がある。なお、第二のタイマーの停止については、上記の図19を参照されたい。
【0474】
可能な実装において、第二のサービングセルのSIB1が受信されたときに、第二のサービングセルが構成済みのRNAに属し、第二のタイマーが作動していない場合、端末は、第三のタイマーを始動する。具体例は、図16におけるものと同様である。相違点は、S804が次のように変更され得る点にある。すなわち、第二のサービングセルが構成済みのRNAに属し、第二のタイマーが作動しない場合、端末は、第三のタイマーを始動する。S804の後、本方法は、以下をさらに含む。すなわち、第三のタイマーが期限切れになったとき、第一のタイマーが作動していない場合、端末は、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行することであり、図16における「第二のタイマーが期限切れになる」ことが「第二のタイマーが停止する」ことに置き換えられる必要がある。なお、第二のタイマーの停止の説明については、上記の図19を参照されたい。
【0475】
可能な実装では、端末の完全性チェックが失敗したときに、第二のタイマーが作動していない場合、端末は、第一の変数を第一の値に設定し得る。具体例は、図17におけるものと同様である。相違点は、図17における「第二のタイマーが期限切れになる」ことが「第二のタイマーが停止する」ことに置き換えられる必要がある点である。なお、第二のタイマーの停止の説明については、上記の図19を参照されたい。
【0476】
可能な実装では、端末の完全性チェックが失敗したときに、第二のタイマーが作動していない場合、端末は、RNAU用であるRRC接続再開手順を直接的に実行し得る。具体例は、図17におけるものと同様である。相違点は、S903が次のように変更され得る点にある。すなわち、整合性チェックが失敗し、第二のタイマーが動作していない場合、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行することであり、図17における「第二のタイマーが期限切れになる」ことが「第二のタイマーが停止する」ことに置き換えられる必要がある。なお、第二のタイマーの停止の説明については、上記の図19を参照されたい。
【0477】
可能な実装では、端末の完全性チェックが失敗したときに、第二のタイマーが作動していない場合、端末は、第三のタイマーを始動し得る。具体例は、図17におけるものと同様である。相違点は、S903が次のように変更され得ることである。すなわち、完全性チェックが失敗し、第二のタイマーが作動していない場合、第三のタイマーを始動すること。S903の後、本方法は、以下をさらに含む。すなわち、第三のタイマーが期限切れになったときに、第一のタイマーが作動していない場合、端末は、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行することであり、図17における「第二のタイマーが期限切れになる」ことが「第二のタイマーが停止する」ことに置き換えられる必要がある。なお、第二のタイマーの停止については、上述した図19を参照されたい。
【0478】
可能な実装では、端末がSDT手順において第一の変数を第一の値に設定した後、アクセス禁止が緩和され、非アクセスNAS層がRRC接続再開を実行するようにRRC層に要求することない場合、かつ、第一の変数が第一の値である場合、端末は、RNAU用であるRRC接続再開手順を実行し得る。
【0479】
本出願におけるSDT手順(例えば、図5ないし図10に示されるSDT手順)は、SDT用である上述したRRC接続再開手順を含むことがあると理解され得る。任意選択で、送信されたRRC要求メッセージにおけるresumeCause IEは、mo-dataである。本出願におけるRNAU(例えば、RNAUを実行する実装中の上述した例)は、RNAU用である上述したRRC接続再開手順を含み得る。任意選択で、送信されたRRC要求メッセージにおけるresumeCause IEは、rna-Updateである。
【0480】
これは、上述に列挙した場合に限定されない。他の幾つかの実施形態では、端末がRRC IDLE状態にあると、RNAUが実行される必要があり得る。具体的な実装は、RRC INACTIVE状態にあるUEの実装と同様であるが、説明が異なることがある。例えば、RNAU用であるRRC接続再開手順は、RNAU用であるRRC接続設定手順に置き換えられ得る。
【0481】
端末によって受信されるメッセージは、上述した例におけるSIB1に限定されない。他の幾つかの実施形態では、端末は、別のメッセージを受信し、そのメッセージに基づいて、サービングセルが構成済みのRNAに属するか否かを判定し得る。例えば、端末は、メッセージからセルIDを読み取り、読み取られたセルIDが、UE用に基地局によって構成されたセルリストに含まれ、RAN-NotificationAreaInfo IEにあるセルIDに属するか否かを判定する。別の例としては、端末は、メッセージからセルのTACを読み取り、その読み取られたTACが、UE用に基地局によって構成されたRANエリアリストに含まれ、RAN-NotificationAreaInfo IEにあるTACに属するか否かを判定する。サービングセルが構成済みのRNAに属するか否かを判定する方式は、本出願において限定されない。
【0482】
幾つかの実施形態では、T380が期限切れになった後、またはUEの現在のRNA外のセルにおいてUEがSIB1を受信した後、RRC INACTIVE状態にあるUEは、RNAU用であるRRC接続再開手順をトリガーする必要がある。ただし、ネットワーク機器はSDTデータ送信を実行しているUEのセル位置を知覚することができるため、実際には、UEは、RNAUを実行する必要がない。そのため、SDT手順では、RNAUのトリガーを回避する必要がある。
【0483】
幾つかの実施形態では、T380は、SDT手順において停止される。例えば、SDT手順が開始した後、ネットワーク機器から、UEのRRC要求メッセージに対応する第一の応答メッセージを受信すると、UEは、T380を停止する。例えば、UEは、RA-SDTの競合解消MAC CEを受信すると、またはCG-SDTにおいて送信されたRRCResumeRequestに応答して、ACKを受信すると、T380を停止する。
【0484】
幾つかの実施形態では、追加の条件が、以下のように導入される。すなわち、RNAUは、SDT障害検出タイマーが作動していないとき、すなわち、第一のタイマーが作動していることなく、T380が期限切れになった場合にのみ、トリガーすることができること。SDT障害検出タイマーは、UEがSDT用であるRRC接続再開手順を開始すると、始動される。換言すると、SDT障害検出タイマーが作動していると、UEは、SDT手順を実行している。そのため、T380が期限切れになると、周期的なRNAUがトリガーされることを回避するために、周期的なRNAUをトリガーするための現在の条件に追加条件が追加され得る。
【0485】
本出願において説明される通信システムアーキテクチャおよびサービスシナリオは、本出願における技術的解決策をより明確に説明することを意図しているが、本出願に提供される技術的解決策に対する制約を構成していないと理解され得る。当業者であれば、通信システムアーキテクチャの進化、および新たなサービスシナリオの出現に伴い、本出願に提供される技術的解決策も同様の技術的問題に適用可能であると認識し得る。
【0486】
当業者であれば、上述した実施形態における方法の手順の全部または一部が、コンピュータプログラムに関連するハードウェアを指示するコンピュータプログラムによって実装され得ると理解し得る。コンピュータプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に格納され得る。コンピュータプログラムが実行されると、上述した方法の実施形態における手順が含まれ得る。記憶媒体には、読取専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク、または光ディスクなどの、コンピュータプログラムコードを保存することができる任意の媒体が含まれる。
図1
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