(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-11
(45)【発行日】2025-04-21
(54)【発明の名称】電流変換器
(51)【国際特許分類】
G01R 15/20 20060101AFI20250414BHJP
【FI】
G01R15/20 C
(21)【出願番号】P 2024505599
(86)(22)【出願日】2022-07-19
(86)【国際出願番号】 EP2022070270
(87)【国際公開番号】W WO2023011916
(87)【国際公開日】2023-02-09
【審査請求日】2024-03-13
(32)【優先日】2021-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】520011360
【氏名又は名称】レム・インターナショナル・エスエイ
(74)【代理人】
【識別番号】100101890
【氏名又は名称】押野 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100098268
【氏名又は名称】永田 豊
(72)【発明者】
【氏名】トロンベルト・ステファン
【審査官】島田 保
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/076114(WO,A1)
【文献】特開2015-068824(JP,A)
【文献】特開2018-189504(JP,A)
【文献】特開2013-228315(JP,A)
【文献】特開2000-283999(JP,A)
【文献】特開2021-139886(JP,A)
【文献】特開2021-148636(JP,A)
【文献】英国特許出願公告第00825137(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流変換器(1)であって、
ハウジング(2)と、磁性コアと、磁場検出システムと、を含み、
前記磁性コアは、中を通して一次導体(30)を受容するための一次導体通路(4)を囲み、
前記磁性コアは、第1の磁気回路ギャップ(17a)および第2の磁気回路ギャップ(17b)を形成するように前記ハウジング内に組み立てられた第1の部品(15)および第2の部品(16)を含み、
前記磁場検出システムは、前記第1の磁気回路ギャップ(17a)に位置付けられた第1の磁場検出器(18a)と、前記第2の磁気回路ギャップ(17b)に位置付けられた第2の磁場検出器(18b)と、を含み、
前記第1の磁気回路ギャップおよび前記第2の磁気回路ギャップは、
前記磁性コアの両側に配置され、
前記第1の部品および前記第2の部品の各々は、橋渡し分岐(15b、16b)によって接合された一対の側方分岐(15a、16a)を含み、
前記
第1の部品および前記
第2の部品の前記側方分岐は、前記磁性コアの前記第1の部品(15)の前記側方分岐(15a)が前記磁性コアの前記第2の部品(16)の前記側方分岐(16a)の内側に隣接して位置付けられるように重なっており、前記第1の磁気回路ギャップおよび前記第2の磁気回路ギャップは、前記第1の部品の前記側方分岐の外側と
前記第2の部品の前記側方分岐の内側との間に形成されていることを特徴とする、電流変換器。
【請求項2】
前記磁性コアの
前記第1の部品および
前記第2の部品は共にU字形状である、請求項1に記載の電流変換器。
【請求項3】
前記ハウジングは、ベースハウジング(5)と、前記一次導体(30)が前記一次導体通路(4)内に配置され得る開放位置から、前記磁性コアが前記一次導体通路(4)を完全に囲む、閉鎖およびロック位置まで、前記ベースハウジングに対して移動可能なカバーハウジング(8)と、を含み、前記磁性コアの前記第1の部品および前記第2の部品の一方は前記ベース
ハウジングに装着され、前記磁性コアの前記第1の部品および前記第2の部品の他方は前記カバー
ハウジングに装着されている、請求項1に記載の電流変換器。
【請求項4】
前記カバーハウジング(8)は、前記ベースハウジング(5)にヒンジ式に結合されている、請求項
3に記載の電流変換器。
【請求項5】
前記カバーハウジング(8)は、前記ベースハウジング(5)に取り外し可能に結合されている、請求項
3に記載の電流変換器。
【請求項6】
前記磁性コアの
前記第1の部品(15)の前記側方分岐(15a)は、前記ベースハウジングの対応するキャビティに受容され、前記
第1の磁場検出器
および前記第2の磁場検出器は、
同じ前記キャビティに装着されている、請求項
3に記載の電流変換器。
【請求項7】
前記ベースハウジングの磁性コア受容部分(6)は、前記閉鎖
およびロック位置に
ある前記カバーハウジング上の側方分岐のための相補的なガイド壁をガイドする外面(11)を有する、側方分岐のための外側ガイド壁(7)を含む、請求項6に記載の電流変換器。
【請求項8】
前記ガイド壁は、テーパー状である、請求項7に記載の電流変換器。
【請求項9】
前記磁性コアの前記第1の部品は、前記ベースハウジング(5)内に位置付けられ、前記磁性コアの前記第2の部品(16)は、前記カバーハウジング(8)内に位置付けられている、請求項
3に記載の電流変換器。
【請求項10】
前記
第1の磁場検出器
(18a)および前記第2の磁場検出器(18b)は、前記ベースハウジング(5)内に装着された電子回路の回路基板(19)上に装着されたASICの形態である、請求項9に記載の電流変換器。
【請求項11】
前記ASICは、前記磁性コアの前記第1の部品の対応する前記側方分岐に対して隣接して前記
ベースハウジングの対応するキャビティ内に位置付けられたとき、前記回路基板(19)から直交して直立して配置されている、請求項10に記載の電流変換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つ以上の一次導体を受容するように構成された中央通路を囲む磁性コアを備え、前記1つ以上の導体に流れる電流を測定するための電流変換器に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のタイプの電流変換器は、一次導体に流れる電流によって発生する磁場を測定するためにホール効果センサのような磁場検出器が位置付けられるエアギャップを有する磁性コアを含む。このような変換器は開ループ型または閉ループ型のものであってよく、後者は一般に、測定される一次電流によって発生する磁場を打ち消そうとする二次電流を発生させる補償コイルを有する。
【0003】
一部の電流変換器では、2つのエアギャップと、各エアギャップに1つずつ設けられた、2つの磁場検出器と、がある。エアギャップと磁場検出器は通常、対称配置で磁気回路の向かい合う側面に設けられる。一対のエアギャップを設ける利点の1つは、磁性コアを2つの部品、典型的には2つのU字型部品で設けることであり、この2つの部品は、一緒に組み立てられたときに磁性コアに囲まれた中央通路内に一次導体を位置付けることができるように、分離され得る。
【0004】
磁場検出器が位置付けられるエアギャップが1つしかない2部品磁性コアも知られているが、磁性物質の飽和が低減された、より高い測定感度と精度は、それぞれが磁場検出器を備えた2つのエアギャップを有する2部品磁性コアで達成可能である。
【0005】
一対の磁場検出器とそれに対応するエアギャップを有する従来の変換器では、エアギャップの長さの差によって変換器の精度が悪影響を受ける。このような差は、特に、磁性コアの開閉に必要な遊びの量に起因して、一次導体を中央通路に抜き差しできるようにした変換器の配置において生じる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の点に鑑み、本発明の目的は、特に、磁性コアの中央通路内での一次導体の位置付けを可能にするように磁気回路が開かれ得る用途のための、正確で経済的に製造できる2部品磁性コアを備えた電流変換器を提供することである。
【0007】
製造公差および可動部品による位置公差による測定精度のばらつきが低減された前述の種類の電流変換器を提供することが有利である。
【0008】
コンパクトな電流変換器を提供することが有利である。
【0009】
設置および使用が簡単な電流変換器を提供することが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の目的は、請求項1に記載の電流変換器を提供することによって達成された。
【0011】
本明細書には、ハウジングと、磁性コアと、磁場検出システムと、を含む電流変換器が開示され、磁性コアは、中を通して一次導体を受容するための一次導体通路を囲んでいる。磁性コアは、第1の磁気回路ギャップおよび第2の磁気回路ギャップを形成するようにハウジング内に組み立てられた第1の部品および第2の部品を含み、磁場検出システムは、第1の磁気回路ギャップに位置付けられた第1の磁場検出器と、第2の磁気回路ギャップに位置付けられた第2の磁場検出器と、を含む。第1および第2の磁気回路ギャップは、磁性コアの両側に配置され、第1および第2の部品の各々は、橋渡し分岐によって接合された一対の側方分岐を含む。第1および第2の磁性コア部品の側方分岐は、磁性コアの第1の部品の側方分岐が磁性コアの第2の部品の側方分岐の内側に隣接して位置付けられるように重なっており、前記第1および第2の磁気回路ギャップは、第1の部品の側方分岐の外側と第2の部品の側方分岐の内側との間に形成されている。
【0012】
有利な実施形態では、磁性コアの第1の部品および第2の部品は共にU字形状である。
【0013】
有利な実施形態では、ハウジングは、ベースハウジングと、一次導体が一次導体通路内に配置され得る開放位置から、磁性コアが一次導体通路を完全に囲む、閉鎖およびロック位置まで、ベースハウジングに対して移動可能なカバーハウジングと、を含み、磁性コアの第1および第2の部品の一方はベースに装着され、磁性コアの第1および第2の部品の他方はカバーに装着される。
【0014】
有利な実施形態では、カバーハウジングは、ベースハウジングにヒンジ式に結合されている。
【0015】
代替的な実施形態では、カバーハウジングは、ベースハウジングに取り外し可能に結合されている。
【0016】
有利な実施形態では、磁性コアの第1の部品の側方分岐は、ベースハウジングの対応するキャビティに受容され、磁場検出器は、前記同じキャビティに装着される。
【0017】
有利な実施形態では、磁性コア受容部分は、閉鎖位置においてカバーハウジング上の側方分岐のための相補的なガイド壁をガイドする外面を有する、側方分岐のための外側ガイド壁を含む。
【0018】
有利な実施形態では、ガイド壁はテーパー状である。
【0019】
有利な実施形態では、磁性コアの第1の部品はベースハウジング内に位置付けられ、磁性コアの第2の部品はカバーハウジング内に位置付けられる。
【0020】
有利な実施形態では、磁場検出器は、ベースハウジング内に装着された電子回路の回路基板上に装着されたASICの形態である。
【0021】
有利な実施形態では、ASICは、磁性コアの第1の部品の対応する側方分岐に対して隣接してハウジングの対応するキャビティ内に位置付けられたとき、回路基板から直交して直立して配置される。
【0022】
本発明のさらなる目的および有利な特徴は、特許請求の範囲、詳細な説明および添付図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1a】本発明の一実施形態による電流変換器の上面図である。
【
図1b】
図1aの線1b-1bを通る断面図である。
【
図1d】磁性コアの中央通路に一次導体を挿入するための開放位置にある磁性コアを示す、
図1cと同様の図である。
【
図2】本発明の一実施形態による電流変換器の斜視分解組立図である。
【
図3】本発明の一実施形態による電流変換器の磁性コアおよび磁場検出器を通る概略断面図である。
【
図4】中央通路内の種々の位置にある一次導体の磁力線を示す、本発明の一実施形態による磁気回路の概略図である。
【
図5】本発明の一実施形態による磁性コアの概略図であり、製造公差および位置公差によるエアギャップの対称性を(誇張して)示している。
【
図6】第2の磁性コアに対する第1の磁性コアのオフセットに応じたエアギャップの長さの関数としての第1および第2のエアギャップ内の磁場強度のプロットである。
【
図7】
図6のオフセットによる第1および第2の磁場検出器の合成出力を示すプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図を参照すると、1つ以上の一次導体3における電流を測定するための電流変換器1は、ハウジング2と、磁性コア15、16と、磁場検出システム18a、18bと、ハウジング内に装着された電子回路21と、を含む。ハウジング2は、中を通して1つ以上の一次導体を受容するための一次導体通路4を画定する一次導体受容部分を有する。
【0025】
磁性コアは、第1の部品15と第2の部品16とを含み、これらは、磁性コアの第1の部品15と第2の部品16との間に第1の磁気回路ギャップ17aおよび第2の磁気回路ギャップ17bを画定する。磁場検出システムは、第1の磁気回路ギャップ内に装着された第1の磁場検出器18aと、第2の磁気回路ギャップ17b内に装着された第2の磁場検出器18bと、を含む。磁気回路ギャップは、空気以外の非磁性材料で満たされ得るが、一般に「エアギャップ」としても知られている。
【0026】
磁場検出器は、ホール効果検出器、フラックスゲート検出器、または当技術分野でそれ自体周知の他の形態の磁場検出器であってもよい。磁場検出器は、有利には、電子回路21の回路基板19に装着され接続されるASIC(特定用途向け集積回路)の形態で提供され得る。
【0027】
電子回路は、使用時に変換器が接続される外部回路に電気的に接続するためのコネクタ20をさらに含み得る。電子回路は、磁場検出器18a、18bからの信号を処理し、これらに電力を供給するために、回路基板19上のさらなる回路構成要素を含み得る。このような機能はそれ自体周知であり、本明細書でさらに説明する必要はない。
【0028】
ハウジングはベースハウジング5を含み、その中に、電子回路21および磁性コアの第1の部品15が受容される。ハウジング2はカバーハウジング8をさらに含み、その中に、磁性コアの第2の部品16が装着され、カバーハウジング8はベースハウジング5に結合されている。
【0029】
ベースハウジング5は、第1のハウジング部材5aと、第2のハウジング部材5bと、を含み、これらは、一緒に組み立てられ、その中に1つ以上のキャビティを形成して、電子回路および磁性コアの第1の部品15を受容し収容する。第2のハウジング部材5bは、特に、磁性コアの第1の部品15の側方分岐15aを収容して位置付けるためのキャビティを有する磁性コア受容部分6を含む。収容するキャビティ内部には、磁場検出器18a、18bもまた、側方分岐15aの外側に隣接して受容される。
【0030】
磁性コアの第1の部品15および第2の部品16は、概ねU字形状であってよく、橋渡し分岐15bによって相互接続された側方分岐15a、16aを含む。第1の部品15の側方分岐15aは、第2の部品の側方分岐16aよりも間隔が小さく、第1の部品の側方分岐は、第2の部品の側方分岐16間に形成される空間内に位置付けられ得る。したがって、第1の部品の側方分岐15aの外側と第2の部品の側方分岐16aの内側との間にエアギャップ17aが形成される。
【0031】
第1および第2の部品のU字形状は、間に中央通路を形成するように対向して配置され、側方分岐は、それぞれの分岐の外側側面と内側側面との間にエアギャップを形成するように、互いに重なり合っている。したがって、第1の部品が第2の部品に対して横方向にずれると、エアギャップのうちの一方は、短くなった長さG1を有し、他方のエアギャップは、長くなった長さG2を有する。したがって、エアギャップG1とG2の合計は、一定のままである。この構成の重要な利点は、鏡面対称に配置された側方分岐の対向する端部間にエアギャップが設けられた従来の変換器と比較して、第1および第2の磁場検出器の出力を合計する際の磁場の測定における変動が低減されることである。このような先行技術の構成では、第1の磁性コア部品と第2の磁性コア部品との間の位置がずれると、両方のエアギャップの長さが変化し得る。このため、磁性コア部品の位置のばらつきによる不正確さが、緩和効果なしに存在する。
【0032】
ベースハウジング5の磁性コア受容部分6は、有利には、第2の部品の側方分岐16aとまたは磁性コアの第1の部品の側方分岐15の外側に第2の部品16の側方分岐16aを位置付けるためのカバーハウジング8上のガイド壁と協働する外側側面上のガイド面11を形成する、受容キャビティ22の外側側面上におけるガイド壁7を含み得る。ガイド壁7は、有利には、カバーが閉鎖位置に旋回される際にカバーをガイドして位置付けるために、上方端部にテーパー状のガイド面11を有することができる。
【0033】
カバーハウジング8は、例えばカバーハウジングのピボット突起13の相補的な孔に受容されるピン14を含む、ピボット連結器を介してベースハウジング5に結合され得、カバーハウジングは、
図1dで最もよく分かるように、一次導体通路4内に一次導体を受容するために旋回可能に開放されることが可能になる。その後、カバーハウジングは、旋回されて閉鎖位置に戻ることができ、閉鎖位置では、ラッチ12が例えばベースハウジング5にクリップ留めされて、
図1cで最もよく分かるような閉鎖位置でカバーハウジングをベースハウジングに固定する。
【0034】
中央通路に一次導体を位置付けることを可能にする分割型磁性コアでそれ自体既知であるように、他の様々な固定機構を設けてもよい。例えば、カバーハウジングは、ピボット機構を有する代わりに、ベースハウジングから完全に取り外し可能で、一対のラッチで一体に固定されていてもよい。一次導体を中央通路に位置付けるために中央通路を開くための、カバーハウジングとベースハウジングの分解および組立のための他の結合機構を設けてもよい。
【0035】
側方分岐が重なり合って2つのエアギャップを形成する本発明の構成の重要な利点は、相対的な横方向の位置付けの不正確さの影響が低減されるだけでなく、コア部品間の間隔の不正確さの影響も低減されることであり、それは、橋渡し分岐が近いか離れているかにかかわらず、エアギャップのサイズに変化がないためである。
【0036】
図6のプロットで最もよく分かるように、磁性コアの第2の部品に対して第1の部品が横方向にずれると、一方のエアギャップの長さG1は他方のエアギャップの長さG2に逆比例して変化するが、G1+G2の合計は一定のままである。その結果、第1および第2の磁性コア部品の位置付けの不正確さが、磁場検出器の出力に与える影響が低減される。この配置は、
図4に示されるような、中心から外れた一次導体30の影響を低減することも可能にする。
【0037】
〔使用した参照符号のリスト〕
電流変換器1
ハウジング2
一次導体受容部分3
一次導体通路4
ベースハウジング5
第1のハウジング部材(ベース)5a
第2のハウジング部材5b
磁性コア受容部分6
側方分岐のためのガイド壁7
ガイド面11
カバーハウジング8
第3のハウジング部材8a
磁性コア受容部分9
キャビティ10
ラッチ12
ピボット突起13
第4のハウジング部材8b
ピボット連結器
ピン14
磁性コア
第1の部品15
側方分岐15a
橋渡し分岐15b
第2の部品16
側方分岐16a
橋渡し分岐16b
第1の磁気回路ギャップ(エアギャップ)17a
第2の磁気回路ギャップ(エアギャップ)17b
磁場検出システム
第1の磁場検出器18a
第2の磁場検出器18b
電子回路21
回路基板19
コネクタ20
回路構成要素
第1のエアギャップ長さG1
第2のエアギャップ長さG2
【0038】
〔実施の態様〕
(1) 電流変換器(1)であって、
ハウジング(2)と、磁性コアと、磁場検出システムと、を含み、
前記磁性コアは、中を通して一次導体(30)を受容するための一次導体通路(4)を囲み、
前記磁性コアは、第1の磁気回路ギャップ(17a)および第2の磁気回路ギャップ(17b)を形成するように前記ハウジング内に組み立てられた第1の部品(15)および第2の部品(16)を含み、
前記磁場検出システムは、前記第1の磁気回路ギャップ(17a)に位置付けられた第1の磁場検出器(18a)と、前記第2の磁気回路ギャップ(17b)に位置付けられた第2の磁場検出器(18b)と、を含み、
前記第1の磁気回路ギャップおよび前記第2の磁気回路ギャップは、磁性コアの両側に配置され、
前記第1の部品および前記第2の部品の各々は、橋渡し分岐(15b、16b)によって接合された一対の側方分岐(15a、16a)を含み、
前記第1の磁性コア部品および前記第2の磁性コア部品の前記側方分岐は、前記磁性コアの前記第1の部品(15)の前記側方分岐(15a)が前記磁性コアの前記第2の部品(16)の前記側方分岐(16a)の内側に隣接して位置付けられるように重なっており、前記第1の磁気回路ギャップおよび前記第2の磁気回路ギャップは、前記第1の部品の前記側方分岐の外側と第2の部品の前記側方分岐の内側との間に形成されていることを特徴とする、電流変換器。
(2) 前記磁性コアの第1の部品および第2の部品は共にU字形状である、実施態様1に記載の電流変換器。
(3) 前記ハウジングは、ベースハウジング(5)と、前記一次導体(30)が前記一次導体通路(4)内に配置され得る開放位置から、前記磁性コアが前記一次導体通路(4)を完全に囲む、閉鎖およびロック位置まで、前記ベースハウジングに対して移動可能なカバーハウジング(8)と、を含み、前記磁性コアの前記第1の部品および前記第2の部品の一方は前記ベースに装着され、前記磁性コアの前記第1の部品および前記第2の部品の他方は前記カバーに装着されている、実施態様1に記載の電流変換器。
(4) 前記カバーハウジング(8)は、前記ベースハウジング(5)にヒンジ式に結合されている、実施態様1に記載の電流変換器。
(5) 前記カバーハウジング(8)は、前記ベースハウジング(5)に取り外し可能に結合されている、実施態様1に記載の電流変換器。
【0039】
(6) 前記磁性コアの第1の部品(15)の前記側方分岐(15a)は、前記ベースハウジングの対応するキャビティに受容され、前記磁場検出器は、前記同じキャビティに装着されている、実施態様1に記載の電流変換器。
(7) 前記磁性コア受容部分(6)は、前記閉鎖位置において前記カバーハウジング上の側方分岐のための相補的なガイド壁をガイドする外面(11)を有する、側方分岐のための外側ガイド壁(7)を含む、実施態様6に記載の電流変換器。
(8) 前記ガイド壁は、テーパー状である、実施態様7に記載の電流変換器。
(9) 前記磁性コアの前記第1の部品は、前記ベースハウジング(5)内に位置付けられ、前記磁性コアの前記第2の部品(16)は、前記カバーハウジング(8)内に位置付けられている、実施態様1に記載の電流変換器。
(10) 前記磁場検出器(18a、18b)は、前記ベースハウジング(5)内に装着された電子回路の回路基板(19)上に装着されたASICの形態である、実施態様9に記載の電流変換器。
【0040】
(11) 前記ASICは、前記磁性コアの前記第1の部品の対応する前記側方分岐に対して隣接して前記ハウジングの対応するキャビティ内に位置付けられたとき、前記回路基板(19)から直交して直立して配置されている、実施態様10に記載の電流変換器。