(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-14
(45)【発行日】2025-04-22
(54)【発明の名称】積層型キャパシタ及びその実装基板
(51)【国際特許分類】
H01G 4/30 20060101AFI20250415BHJP
【FI】
H01G4/30 513
H01G4/30 201C
(21)【出願番号】P 2021086032
(22)【出願日】2021-05-21
【審査請求日】2024-03-06
(31)【優先権主張番号】10-2020-0150593
(32)【優先日】2020-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヒュン ジョーン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヒュン ジュ
(72)【発明者】
【氏名】キム、キョウン アエ
【審査官】小林 大介
(56)【参考文献】
【文献】実開平03-039819(JP,U)
【文献】特開平09-260201(JP,A)
【文献】特開2003-282350(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0127626(US,A1)
【文献】特開2006-210590(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 4/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体層及び第1及び第2内部電極を含み、互いに対向する第1及び第2面、前記第1及び第2面と連結されて互いに対向する第3及び第4面、前記第1及び第2面と連結され、且つ前記第3及び第4面と連結されて互いに対向する第5及び第6面を有するキャパシタ本体と、
前記キャパシタ本体の第5及び第6面にそれぞれ配置される第1及び第2サイド部と、
前記キャパシタ本体の第3及び第4面にそれぞれ配置され、前記第1及び第2内部電極とそれぞれ接続される第1及び第2外部電極と、を含み、
前記第1及び第2内部電極は、前記キャパシタ本体の第5及び第6面に垂直な方向に両側端が凹凸パターンを有
し、
前記第1及び第2内部電極の凹凸パターンが、前記第1及び第2サイド部と接触する、
積層型キャパシタ。
【請求項2】
前記第1内部電極の凹凸パターンと前記第2内部電極の凹凸パターンが、前記誘電体層が積層される方向に互いにずれて形成される、請求項
1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項3】
前記第1内部電極は、前記キャパシタ本体の第5及び第6面に垂直な方向における両側端に、前記第1及び第2サイド部とそれぞれ接触するように所定間隔を置いて形成される複数の第1及び第2突出部を含み、
前記第2内部電極は、前記キャパシタ本体の第5及び第6面に垂直な方向における両側端に、前記第1及び第2サイド部とそれぞれ接触するように所定間隔を置いて形成される複数の第3及び第4突出部を含む、請求項1
又は2に記載の積層型キャパシタ。
【請求項4】
前記第1内部電極は、前記キャパシタ本体の第5及び第6面に垂直な方向における両側端に、前記キャパシタ本体の第5及び第6面からそれぞれ離隔するように所定間隔を置いて形成される複数の第1及び第2溝部を含み、
前記第2内部電極は、前記キャパシタ本体の第5及び第6面に垂直な方向における両側端に、前記キャパシタ本体の第5及び第6面からそれぞれ離隔するように所定間隔を置いて形成される複数の第3及び第4溝部を含む、請求項1~
3のいずれか一項に記載の積層型キャパシタ。
【請求項5】
前記第1及び第2溝部に前記第1内部電極から離隔して配置される第1及び第2ダミーパターンと、
前記第3及び第4溝部に前記第2内部電極から離隔して配置される第3及び第4ダミーパターンと、をさらに含む、請求項
4に記載の積層型キャパシタ。
【請求項6】
前記第1及び第2ダミーパターンが前記第1及び第2サイド部とそれぞれ接触し、
前記第3及び第4ダミーパターンが前記第1及び第2サイド部とそれぞれ接触する、請求項
5に記載の積層型キャパシタ。
【請求項7】
前記第1溝部が、前記第1内部電極において前記キャパシタ本体の第3面と第5面を連結する部分に形成され、
前記第2溝部が、前記第1内部電極において前記キャパシタ本体の第3面と第6面を連結する部分に形成され、
前記第3溝部が、前記第2内部電極において前記キャパシタ本体の第4面と第5面を連結する部分に形成され、
前記第4溝部が、前記第2内部電極において前記キャパシタ本体の第4面と第6面を連結する部分に形成される、請求項
4~
6のいずれか一項に記載の積層型キャパシタ。
【請求項8】
前記第1内部電極は、前記キャパシタ本体の第4面と隣接した両コーナーに第1切開部が形成され、
前記第2内部電極は、前記キャパシタ本体の第3面と隣接した両コーナーに第2切開部が形成される、請求項1~
7のいずれか一項に記載の積層型キャパシタ。
【請求項9】
前記キャパシタ本体は、第1及び第2内部電極が重なる活性領域と、前記活性領域の上下面にそれぞれ配置される上部及び下部カバー領域と、を含む、請求項1~
8のいずれか一項に記載の積層型キャパシタ。
【請求項10】
前記第1及び第2外部電極は、
前記キャパシタ本体の第3及び第4面にそれぞれ配置され、前記第1及び第2内部電極とそれぞれ接続される第1及び第2接続部と、
前記第1及び第2接続部から前記キャパシタ本体の第1面の一部までそれぞれ延長される第1及び第2バンド部と、をそれぞれ含む、請求項1~
9のいずれか一項に記載の積層型キャパシタ。
【請求項11】
前記第1内部電極の凹凸パターンと前記第2内部電極の凹凸パターンが、前記誘電体層が積層される方向に互いにずれて形成されており、
前記第1内部電極は、前記キャパシタ本体の第4面と隣接した両コーナーに第1切開部が形成され、
前記第2内部電極は、前記キャパシタ本体の第3面と隣接した両コーナーに第2切開部が形成される、請求項1~
10のいずれか一項に記載の積層型キャパシタ。
【請求項12】
前記第1内部電極の凹凸パターンと前記第2内部電極の凹凸パターンが、前記誘電体層が積層される方向に互いにずれて形成されており、
前記第1内部電極は、前記キャパシタ本体の第5及び第6面に垂直な方向における両側端に、前記第1及び第2サイド部とそれぞれ接触するように所定間隔を置いて形成される複数の第1及び第2突出部を含み、
前記第2内部電極は、前記キャパシタ本体の第5及び第6面に垂直な方向における両側端に、前記第1及び第2サイド部とそれぞれ接触するように所定間隔を置いて形成される複数の第3及び第4突出部を含む、請求項1~
11のいずれか一項に記載の積層型キャパシタ。
【請求項13】
前記第1内部電極は、前記キャパシタ本体の第5及び第6面に垂直な方向における両側端に、前記キャパシタ本体の第5及び第6面からそれぞれ離隔するように所定間隔を置いて形成される複数の第1及び第2溝部を含み、
前記第2内部電極は、前記キャパシタ本体の第5及び第6面に垂直な方向における両側端に、前記キャパシタ本体の第5及び第6面からそれぞれ離隔するように所定間隔を置いて形成される複数の第3及び第4溝部を含む、請求項
12に記載の積層型キャパシタ。
【請求項14】
前記第1内部電極は、前記キャパシタ本体の第4面と隣接した両コーナーに第1切開部が形成され、
前記第2内部電極は、前記キャパシタ本体の第3面と隣接した両コーナーに第2切開部が形成される、請求項
13に記載の積層型キャパシタ。
【請求項15】
前記第1内部電極は、前記キャパシタ本体の第4面と隣接した両コーナーに第1切開部が形成され、
前記第2内部電極は、前記キャパシタ本体の第3面と隣接した両コーナーに第2切開部が形成される、請求項
12~
14のいずれか一項に記載の積層型キャパシタ。
【請求項16】
一面に第1及び第2電極パッドを有する基板と、
前記第1及び第2電極パッド上に第1及び第2外部電極がそれぞれ接続されるように実装される請求項1から
15の何れか一項に記載の積層型キャパシタと、を含む、積層型キャパシタの実装基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型キャパシタ及びその実装基板に関する。
【背景技術】
【0002】
積層型キャパシタは、小型でありながらも高容量が保障され、且つ実装が容易であるという利点を有するため、コンピューター、PDA、及び携帯電話などのIT部品として広く用いられており、高信頼性及び高強度特性を有するため、電装部品としても広く用いられている。
【0003】
近年、電子機器の小型化及び多機能化に伴い、積層型キャパシタにおいても、サイズが小さいながらも容量が大きい製品が求められている。そのために、内部電極がキャパシタ本体の幅方向に露出するようにした後、サイド部を付着することで、内部電極の幅方向の面積を極大化した構造の積層型キャパシタが製造されている。
【0004】
かかる構造の積層型キャパシタは、複数の誘電体層を積層して切断してキャパシタ本体を製作した後、焼成の前段階で、キャパシタ本体の幅方向の両面にサイド部を別に付着することで、内部電極の露出した部分をサイド部が覆うようにする方法により製造される。この場合、HVS(High Voltage Shock)不良やIR(Insulation Resistance)不良を低減することができる。
【0005】
しかし、このような構造の積層型キャパシタは、積層体をキャパシタ本体毎に切断する過程で生じるバリ(Burr)により、層間ショート不良が増加するという問題がある。このような層間ショートは、HVS不良の直接的な原因になり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】韓国特許第10-1141457号公報
【文献】韓国公開特許第2009-0037099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、内部電極の面積を拡張してキャパシタの容量を増加させるとともに、製造過程において積層体をキャパシタ本体毎に切断する時に生じるバリの発生を減らし、バリが発生しても、それに伴う層間ショート不良を防止できるようにした積層型キャパシタ、及びその実装基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面は、誘電体層及び第1及び第2内部電極を含み、互いに対向する第1及び第2面、上記第1及び第2面と連結されて互いに対向する第3及び第4面、上記第1及び第2面と連結され、且つ上記第3及び第4面と連結されて互いに対向する第5及び第6面を有するキャパシタ本体と、上記キャパシタ本体の第5及び第6面にそれぞれ配置される第1及び第2サイド部と、上記キャパシタ本体の第3及び第4面にそれぞれ配置され、上記第1及び第2内部電極とそれぞれ接続される第1及び第2外部電極と、を含み、上記第1及び第2内部電極は、上記キャパシタ本体の第5及び第6面に垂直な方向に両側端が凹凸パターンを有する、積層型キャパシタを提供する。
【0009】
本発明の一実施形態において、上記第1及び第2内部電極の凹凸パターンは上記第1及び第2サイド部と接触することができる。
【0010】
本発明の一実施形態において、上記第1内部電極の凹凸パターンと上記第2内部電極の凹凸パターンは、上記誘電体層が積層される方向に互いにずれて形成されることができる。
【0011】
本発明の一実施形態において、上記第1内部電極は、上記キャパシタ本体の第5及び第6面に垂直な方向における両側端に、上記第1及び第2サイド部とそれぞれ接触するように所定間隔を置いて形成される複数の第1及び第2突出部を含むことができ、上記第2内部電極は、上記キャパシタ本体の第5及び第6面に垂直な方向における両側端に、上記第1及び第2サイド部とそれぞれ接触するように所定間隔を置いて形成される複数の第3及び第4突出部を含むことができる。
【0012】
本発明の一実施形態において、上記第1内部電極は、上記キャパシタ本体の第5及び第6面に垂直な方向における両側端に、上記キャパシタ本体の第5及び第6面からそれぞれ離隔するように所定間隔を置いて形成される複数の第1及び第2溝部を含むことができ、上記第2内部電極は、上記キャパシタ本体の第5及び第6面に垂直な方向における両側端に、上記キャパシタ本体の第5及び第6面からそれぞれ離隔するように所定間隔を置いて形成される複数の第3及び第4溝部を含むことができる。
【0013】
本発明の一実施形態において、上記積層型キャパシタは、上記第1及び第2溝部に上記第1内部電極から離隔して配置される第1及び第2ダミーパターンと、上記第3及び第4溝部に上記第2内部電極から離隔して配置される第3及び第4ダミーパターンと、をさらに含むことができる。
【0014】
本発明の一実施形態において、上記第1及び第2ダミーパターンは上記第1及び第2サイド部とそれぞれ接触することができ、上記第3及び第4ダミーパターンは上記第1及び第2サイド部とそれぞれ接触することができる。
【0015】
本発明の一実施形態において、上記第1溝部は、上記第1内部電極において上記キャパシタ本体の第3面と第5面を連結する部分に形成されることができ、上記第2溝部は、上記第1内部電極において上記キャパシタ本体の第3面と第6面を連結する部分に形成されることができ、上記第3溝部は、上記第2内部電極において上記キャパシタ本体の第4面と第5面を連結する部分に形成されることができ、上記第4溝部は、上記第2内部電極において上記キャパシタ本体の第4面と第6面を連結する部分に形成されることができる。
【0016】
本発明の一実施形態において、上記第1内部電極は、上記キャパシタの第4面と隣接した両コーナーに第1切開部が形成されることができ、上記第2内部電極は、上記キャパシタの第3面と隣接した両コーナーに第2切開部が形成されることができる。
【0017】
本発明の一実施形態において、上記キャパシタ本体は、第1及び第2内部電極が重なる活性領域と、上記活性領域の上下面にそれぞれ配置される上部及び下部カバー領域と、を含むことができる。
【0018】
上記第1及び第2外部電極は、上記キャパシタ本体の第3及び第4面にそれぞれ配置され、上記第1及び第2内部電極とそれぞれ接続される第1及び第2接続部と、上記第1及び第2接続部から上記本体の第1面の一部までそれぞれ延長される第1及び第2バンド部と、をそれぞれ含むことができる。
【0019】
本発明の他の側面は、一面に第1及び第2電極パッドを有する基板と、上記第1及び第2電極パッド上に第1及び第2外部電極がそれぞれ接続されるように実装される積層型キャパシタと、を含む、積層型キャパシタの実装基板を提供する。
【発明の効果】
【0020】
本発明の一実施形態によると、内部電極の面積が拡張されて積層型キャパシタの容量を増加させることができ、内部電極の両側端が凹凸形状を有するようにすることで、製造過程において積層体をキャパシタ本体毎に切断する時に生じるバリの発生を減少させるとともに、このようなバリによるショート不良を防止することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施形態による積層型キャパシタを示す斜視図である。
【
図3】同図(a)及び同図(b)は
図1の積層型キャパシタの第1及び第2内部電極を示した平面図である。
【
図4】
図1のII-II'線に沿った断面図である。
【
図5】
図1のIII-III'線に沿った断面図である。
【
図6】同図(a)及び同図(b)は第1及び第2内部電極の他の実施形態を示した平面図である。
【
図7】
図6(a)の第1内部電極が適用された積層型キャパシタのX-Y断面図である。
【
図8】
図6(a)及び
図6(b)の第1及び第2内部電極が適用された積層型キャパシタのY-Z断面図である。
【
図9】
図1の積層型キャパシタが実装された基板を概略的に示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)がされることがある。また、類似の機能及び作用をする部分に対しては、図面の全体にわたって同一の符号を用いる。
【0023】
なお、明細書全体において、ある構成要素を「含む」というのは、特に異なる趣旨の説明がされていない限り、他の構成要素を除外する趣旨ではなく、他の構成要素をさらに含むことができるということを意味する。
【0024】
本発明の実施形態を明確に説明するために方向を定義すると、図面に表示されたX、Y、及びZは、それぞれ積層型キャパシタの長さ方向、幅方向、及び厚さ方向を示す。
【0025】
また、ここで、Z方向は、本実施形態において、誘電体層が積層される積層方向と同一の概念で用いられることができる。
【0026】
図1は本発明の一実施形態による積層型キャパシタを示す斜視図であり、
図2は
図1のI-I'線に沿った断面図であり、
図3(a)及び
図3(b)は
図1の積層型キャパシタの第1及び第2内部電極を示した平面図であり、
図4は
図1のII-II'線に沿った断面図であり、
図5は
図1のIII-III'線に沿った断面図である。
【0027】
以下、
図1から
図5を参照して、本実施形態の積層型キャパシタ100について説明する。
【0028】
図1から
図5を参照すると、本実施形態の積層型キャパシタ100は、キャパシタ本体110と、第1及び第2サイド部141、142と、第1及び第2外部電極131、132と、を含む。
【0029】
キャパシタ本体110は、複数の誘電体層111をZ方向に積層してから焼成したものであり、キャパシタ本体110の互いに隣接する誘電体層111間の境界は、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を用いずには確認が困難なほど一体化することができる。
【0030】
また、キャパシタ本体110は、複数の誘電体層111と、上記誘電体層111を間に挟んでZ方向に交互に配置され、互いに異なる極性を有する第1及び第2内部電極121、122と、を含む。
【0031】
また、キャパシタ本体110は、キャパシタの容量形成に寄与する部分として、誘電体層111を間に挟んで第1及び第2内部電極121、122がZ方向に交互に配置されて重なる活性領域と、マージン部として、Z方向に上記活性領域の上下面にそれぞれ備えられる上部及び下部カバー領域112、113と、を含むことができる。
【0032】
また、キャパシタ本体110は、その形状に特に制限はないが、六面体形状であることができ、Z方向に互いに対向する第1及び第2面1、2と、第1及び第2面1、2と互いに連結されてX方向に互いに対向する第3及び第4面3、4と、第1及び第2面1、2と連結され、且つ第3及び第4面3、4と連結されて互いに対向する第5及び第6面5、6と、を含むことができる。この際、本実施形態では、第1面1が積層型キャパシタ100の実装面になることができる。
【0033】
誘電体層111は、セラミック粉末、例えば、BaTiO3系セラミック粉末などを含むことができる。
【0034】
また、上記BaTiO3系セラミック粉末としては、BaTiO3(BT)にCaまたはZrなどが一部固溶した(Ba1-xCax)TiO3、Ba(Ti1-yCay)O3、(Ba1-xCax)(Ti1-yZry)O3、またはBa(Ti1-yZry)O3などが挙げられるが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0035】
また、誘電体層111には、上記セラミック粉末とともに、セラミック添加剤、有機溶剤、可塑剤、結合剤、及び分散剤などがさらに添加されることができる。
【0036】
上記セラミック添加剤は、例えば、遷移金属酸化物または遷移金属炭化物、希土類元素、マグネシウム(Mg)またはアルミニウム(Al)などが含まれることができる。
【0037】
第1及び第2内部電極121、122は、互いに異なる極性が印加される電極であって、それぞれの誘電体層111上に形成され、Z方向に交互に積層されることができ、1つの誘電体層111を間に挟んでキャパシタ本体110の内部にZ方向に沿って互いに対向するように交互に配置されることができる。
【0038】
この際、第1及び第2内部電極121、122は、中間に配置された誘電体層111によって互いに電気的に絶縁されることができる。
【0039】
また、第1内部電極121は、キャパシタ本体110の第3、第5、及び第6面3、5、6を介して露出することができる。
【0040】
この際、第1内部電極121でキャパシタ本体110の第5及び第6面5、6を介して露出するY方向の両側領域が凹凸パターンを有することができる。
【0041】
そのために、第1内部電極121は、キャパシタ本体110の第5及び第6面5、6に垂直なY方向における両側端に、所定間隔を置いて複数の第1及び第2突出部121a、121bがそれぞれ形成されることができる。
【0042】
第1突出部121aは、キャパシタ本体110の第5面5を介して露出して第1サイド部141と接触し、第2突出部121bは、キャパシタ本体110の第6面6を介して露出して第2サイド部142と接触する。
【0043】
そして、第1内部電極121は、第1及び第2突出部121a、121bにより、キャパシタ本体110の第5及び第6面5、6に垂直なY方向における両側端に、所定間隔を置いて複数の第1及び第2溝部121c、121dがそれぞれ形成されることができる。
【0044】
これにより、第1溝部121cにより、第1内部電極121の一側端の一部が、キャパシタ本体110の第5面5に露出せず、キャパシタ本体110の第5面5から離隔するようになり、第2溝部121dにより、第1内部電極121の他側端の一部が、キャパシタ本体110の第6面6に露出せず、キャパシタ本体110の第6面6から離隔することができる。
【0045】
この際、第1溝部121cは、第1内部電極121においてキャパシタ本体110の第3面3と第5面5を連結する部分にも形成されることができ、第2溝部121dは、第1内部電極121においてキャパシタ本体110の第3面3と第6面6を連結する部分にも形成されることができる。
【0046】
また、第1内部電極121は、キャパシタ本体110の第4面4と隣接した両コーナーに、第1切開部121eがそれぞれ形成されることができる。
【0047】
第2内部電極122は、キャパシタ本体110の第4、第5、及び第6面4、5、6を介して露出する。
【0048】
この際、第2内部電極122において、キャパシタ本体110の第5及び第6面5、6を介して露出するY方向における両側先端が凹凸パターンを有することができる。
【0049】
そのために、第2内部電極122は、キャパシタ本体110の第5及び第6面5、6に垂直なY方向における両側端に、所定間隔を置いて複数の第3及び第4突出部122a、122bがそれぞれ形成されることができる。
【0050】
第3突出部122aは、キャパシタ本体110の第5面5を介して露出して第1サイド部141と接触し、第4突出部122bは、キャパシタ本体110の第6面6を介して露出して第2サイド部142と接触する。
【0051】
この際、第1内部電極121の凹凸パターンと第2内部電極122の凹凸パターンは、誘電体層111が積層されるZ方向に互いにずれて形成されることができる。
【0052】
すなわち、第3突出部122aは、Z方向に第1内部電極121の第1溝部121cと対応する位置に形成され、第4突出部122bは、Z方向に第1内部電極121の第2溝部121dと対応する位置に形成されることができる。
【0053】
そして、第2内部電極122は、第3及び第4突出部122a、122bにより、キャパシタ本体110の第5及び第6面5、6に垂直なY方向における両側端に、所定間隔を置いて複数の第3及び第4溝部122c、122dがそれぞれ形成されることができる。
【0054】
これに伴い、第3溝部122cにより、第2内部電極122の一側端の一部がキャパシタ本体110の第5面5に露出せず、キャパシタ本体110の第5面5から離隔するようになり、第4溝部122dにより、第2内部電極122の他側端の一部がキャパシタ本体110の第6面6に露出せず、キャパシタ本体110の第6面6から離隔することができる。
【0055】
この際、第3溝部122cは、Z方向に第1内部電極121の第1突出部121aと対応する位置に形成され、第4溝部122dは、Z方向に第1内部電極121の第2突出部121bと対応する位置に形成されることができる。
【0056】
この際、第3溝部122cは、第2内部電極122においてキャパシタ本体110の第4面4と第5面5を連結する部分にも形成されることができ、第4溝部122dは、第2内部電極122においてキャパシタ本体110の第4面4と第6面6を連結する部分にも形成されることができる。
【0057】
また、第2内部電極122は、キャパシタ本体110の第3面3と隣接した両コーナーに、第2切開部122eがそれぞれ形成されることができる。
【0058】
この際、キャパシタ本体110の第3及び第4面3、4を介して交互に露出する第1及び第2内部電極121、122の端部は、後述のキャパシタ本体110のX方向の両端部に配置される第1及び第2外部電極131、132とそれぞれ接続されて連結されることができる。
【0059】
上記のような構成により、第1及び第2外部電極131、132に所定の電圧を印加すると、第1内部電極121と第2内部電極122との間に電荷が蓄積される。
【0060】
この際、積層型キャパシタ100の静電容量は、活性領域において、Z方向に沿って互いに重なる第1及び第2内部電極121、122の重畳面積に比例する。
【0061】
本実施形態のように第1及び第2内部電極121、122を構成すると、第1及び第2内部電極121、122の基本面積が拡張されるだけでなく、上下に重なる面積も増加するため、積層型キャパシタ100の容量を増加させることができる。
【0062】
すなわち、第1及び第2内部電極121、122の互いに重なる領域の面積が極大化される場合、同一のサイズのキャパシタであっても、静電容量が極大化されることができる。
【0063】
また、内部電極の積層による段差を減少させることで、絶縁抵抗の加速寿命を向上させることができるため、容量特性に優れながらも信頼性が向上した積層型キャパシタ100を提供することができる。
【0064】
この際、第1及び第2内部電極121、122を形成する材料は特に制限されず、貴金属材料、またはニッケル(Ni)及び銅(Cu)のうち少なくとも1つ以上の物質からなる導電性ペーストを用いて形成されることができる。
【0065】
上記導電性ペーストの印刷方法としては、スクリーン印刷法またはグラビア印刷法などを用いることができ、本発明がこれに限定されるものではない。
【0066】
第1サイド部141はキャパシタ本体110の第5面5に配置され、第2サイド部142はキャパシタ本体110の第6面6に配置される。
【0067】
第1及び第2サイド部141、142は、第1及び第2内部電極121、122において、キャパシタ本体110の第5及び第6面5、6を介して露出する部分の先端をそれぞれ覆うように接するようになる。
【0068】
すなわち、本実施形態において、第1サイド部141は、第1内部電極121の第1突出部121a及び第2内部電極122の第3突出部122aと接し、第2サイド部142は、第1内部電極121の第2突出部121b及び第2内部電極122の第4突出部122bと接するようになる。
【0069】
かかる第1及び第2サイド部141、142は、キャパシタ本体110と第1及び第2内部電極121、122を外部衝撃などから保護し、キャパシタ本体110の周囲の絶縁性及び耐湿信頼性を確保する役割を果たすことができる。
【0070】
第1及び第2外部電極131、132は、互いに異なる極性の電圧が提供されるものであって、キャパシタ本体110のX方向の両端部に配置され、第1及び第2内部電極121、122においてキャパシタ本体110の第3及び第4面3、4を介して露出する部分とそれぞれ接続されて連結されることができる。
【0071】
第1外部電極131は、第1接続部131aと第1バンド部131bを含むことができる。
【0072】
第1接続部131aは、キャパシタ本体110の第3面3に配置され、第1内部電極121においてキャパシタ本体110の第3面3を介して外部に露出する端部と接触することで、第1内部電極121と第1外部電極131を互いに物理的及び電気的に連結する役割を果たす。
【0073】
第1バンド部131bは、第1接続部131aからキャパシタ本体110の第1面1の一部まで延長される部分である。
【0074】
この際、第1バンド部131bは、必要に応じて、固着強度の向上などのために、キャパシタ本体110の第2、第5、及び第6面2、5、6に向かってさらに延長され、第1及び第2サイド部141、142の一端部を覆うように形成されることができる。
【0075】
第2外部電極132は、第2接続部132aと第2バンド部132bを含むことができる。
【0076】
第2接続部132aは、キャパシタ本体110の第4面4に配置され、第2内部電極122においてキャパシタ本体110の第4面4を介して外部に露出する端部と接触することで、第2内部電極122と第2外部電極132を互いに物理的及び電気的に連結する役割を果たす。
【0077】
第2バンド部132bは、第2接続部132aからキャパシタ本体110の第1面1の一部まで延長される部分である。
【0078】
この際、第2バンド部132bは、必要に応じて、固着強度の向上などのために、キャパシタ本体110の第2、第5、及び第6面2、5、6に向かってさらに延長され、第1及び第2サイド部141、142の他端部を覆うように形成されることができる。
【0079】
また、第1及び第2外部電極131、132は、構造的信頼性、基板実装容易性、外部に対する耐久度、耐熱性、等価直列抵抗値(Equivalent Series Resistance、ESR)のうち少なくとも一部のために、めっき層をそれぞれ含むことができる。
【0080】
例えば、上記めっき層は、スパッタまたは電解めっき(Electric Deposition)により形成されることができるが、これに限定されない。
【0081】
また、上記めっき層はニッケルを最も多く含むことができるが、これに限定されず、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、または鉛(Pb)などの単独、またはこれらのうち少なくとも1つ以上の合金で実現されることができる。
【0082】
通常、積層型キャパシタは、隣接するチップとチップの間にマージンをともに設計し、内部電極を印刷して積層した後、それぞれのチップに切断する順に製造する。
【0083】
これに対し、従来のマージンのない構造の積層型キャパシタは、マージンなしに内部電極を設計し、印刷して積層した後、内部電極が幅方向に露出するようにそれぞれのチップに切断してから、内部電極が露出する積層体の幅方向の両側面にサイド部を付着して製造する。
【0084】
上記のようなマージンのある通常の積層型キャパシタには、HVS及びIRが低下するという問題があり、従来のマージンのない構造の積層型キャパシタには、マージンなしに内部電極を印刷して積層した後、ブレードを用いてそれぞれのチップに切断する過程で、積層体の露出した面にバリ(Burr)が発生するという問題がある。
【0085】
かかるバリは、上下に隣接した電極間の間隔を狭くし、これにより、HVSが低下したり、ショートが発生したりする問題が起こるようになる。
【0086】
本発明の一実施形態によると、第1及び第2内部電極121、122は、幅方向である両側端にそれぞれ凹凸パターンを有している。
【0087】
これにより、第1及び第2内部電極121、122のY方向の両側端の一部が、製造過程でキャパシタ本体110の第5及び第6面5、6を介して露出するようになるため、キャパシタ本体110の端部分の段差が減少する。
【0088】
したがって、積層型キャパシタ100を製造する工程で、積層体の圧着時にキャパシタ本体110の端部分が伸びたり反ったりする現象を抑え、製品の信頼性を向上させることができる。
【0089】
また、第1内部電極121の凹凸パターンと第2内部電極122の凹凸パターンは、Z方向に重なった際に、凸状部分と凹状部分が互いにずれるようにそれぞれ形成されることができる。
【0090】
ここで、凸状部分は、キャパシタの製造時にキャパシタ本体110の第5及び第6面5、6を介してそれぞれ露出する部分になり、凹状部分は、キャパシタ本体110の第5及び第6面5、6から離隔する部分になる。
【0091】
このような構成により、積層体の圧着後にブレードを用いてそれぞれのチップに切断する時に、従来のようなマージンのない構造の積層型キャパシタに比べてバリ(Burr)の発生が少ないだけでなく、バリが発生しても、上下に位置した第1及び第2内部電極121、122が互いに電気的に連結される現象が低減または防止されることができるため、積層型キャパシタ100のショート不良を減少させることができ、HVSの低下も防止することができる。
【0092】
図6(a)及び
図6(b)は、本発明において、第1及び第2内部電極の他の実施形態を示した平面図であり、
図7は
図6(a)の第1内部電極が適用された積層型キャパシタのX-Y断面図であり、
図8は
図6(a)及び
図6(b)の第1及び第2内部電極が適用された積層型キャパシタのY-Z断面図である。
【0093】
図6(a)から
図8を参照すると、第1内部電極121が形成された誘電体層111上において、第1溝部121cには、第1内部電極121の端から離隔するように第1ダミーパターン123が配置されることができ、第2溝部121dには、第1内部電極121の端から離隔するように第2ダミーパターン124が配置されることができる。
【0094】
この際、第1ダミーパターン123は、キャパシタ本体110の第5面5を介して露出して第1サイド部141と接触することができ、第2ダミーパターン124は、キャパシタ本体110の第6面6を介して露出して第2サイド部142と接触することができる。
【0095】
そして、第2内部電極122が形成された誘電体層111上において、第3溝部122cには、第2内部電極122の端から離隔するように第3ダミーパターン125が配置されることができ、第4溝部122dには、第2内部電極122の端から離隔するように第4ダミーパターン126が配置されることができる。
【0096】
この際、第3ダミーパターン125は、キャパシタ本体110の第5面5を介して露出して第1サイド部141と接触することができ、第4ダミーパターン126は、キャパシタ本体110の第6面6を介して露出して第2サイド部142と接触することができる。
【0097】
このような構造により、キャパシタ本体110の端部分における段差をさらに減少させることができ、積層型キャパシタ100を製造する工程で、積層体の圧着時にキャパシタ本体110の端部分が伸びたり反ったりする現象をさらに抑えることができるため、製品の信頼性をさらに向上させることができる。
【0098】
また、第1及び第3ダミーパターン123、125がキャパシタ本体110の第5面5を介して露出し、第2及び第4ダミーパターン124、126がキャパシタ本体110の第6面6を介して露出すると、内部電極を積層してからそれぞれのキャパシタ本体に切断する時に、端に向かって内部電極が崩れる現象をさらに効果的に防止することができる。
【0099】
図9は
図1の積層型キャパシタが実装された基板を概略的に示した断面図である。
【0100】
図9を参照すると、本実施形態による積層型キャパシタの実装基板は、一面に第1及び第2電極パッド221、222を有する基板210と、基板210の上面で第1及び第2外部電極131、132が第1及び第2電極パッド221、222上にそれぞれ接続されるように実装される積層型キャパシタ100と、を含む。
【0101】
本実施形態において、積層型キャパシタ100は、半田231、232により基板210に実装される様子を図示且つ説明しているが、必要に応じて、半田の代わりに導電性ペーストを用いてもよい。
【0102】
本発明は、上述の実施形態及び添付の図面により限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲により限定される。よって、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で、当技術分野における通常の知識を有する者により多様な形態の置換、変形、及び変更が可能であり、これも本発明の範囲に属するといえる。
【符号の説明】
【0103】
100 積層型キャパシタ
110 キャパシタ本体
111 誘電体層
121、122 第1及び第2内部電極
131、132 第1及び第2外部電極
131a、132a 第1及び第2接続部
131b、132b 第1及び第2バンド部
141、142 第1及び第2サイド部
210 基板
221、222 第1及び第2電極パッド
231、232 半田