IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 京セラドキュメントソリューションズ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-画像形成装置 図1
  • 特許-画像形成装置 図2
  • 特許-画像形成装置 図3
  • 特許-画像形成装置 図4
  • 特許-画像形成装置 図5
  • 特許-画像形成装置 図6
  • 特許-画像形成装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-14
(45)【発行日】2025-04-22
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 7/12 20060101AFI20250415BHJP
【FI】
B65H7/12
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020145647
(22)【出願日】2020-08-31
(65)【公開番号】P2022040779
(43)【公開日】2022-03-11
【審査請求日】2023-07-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100141298
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 文典
(74)【代理人】
【識別番号】100187492
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 元啓
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 雄一
(74)【代理人】
【識別番号】100167830
【弁理士】
【氏名又は名称】仲石 晴樹
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】▲濱▼田 拓弥
【審査官】西藤 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-107030(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを給送する給送部と、
前記シートを搬送する搬送部と、
所定音量の送信超音波を送信する送信部と、
前記送信超音波が前記シートを反射した反射超音波を受信する反射超音波受信部と、
前記送信超音波が前記シートを透過した透過超音波を受信する透過超音波受信部と、
前記反射超音波の反射音量を検出して反射音量情報を出力し、前記透過超音波の透過音量を検出して透過音量情報を出力する音量検出部と、
前記反射音量情報が示す前記反射音量と基準反射音量との比較結果と、前記透過音量情報が示す前記透過音量と基準透過音量との比較結果とに基づいて、前記搬送部により搬送されている前記シートの厚さを判別し、かつ、前記シートが重送しているか否かを判別する判別部と
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記判別部は、前記反射音量情報が示す前記反射音量が、前記基準反射音量と等しいことを示す比較結果と、前記透過音量情報が示す前記透過音量が、前記基準透過音量と等しいことを示す比較結果とに基づいて、前記搬送部により搬送されている前記シートが普通紙であることを判別し、かつ、前記シートが重送していないことを判別する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記判別部は、前記反射音量情報が示す前記反射音量が、前記基準反射音量より大きいことを示す比較結果と、前記透過音量情報が示す前記透過音量が、前記基準透過音量より小さいことを示す比較結果とに基づいて、前記搬送部により搬送されている前記シートが厚紙であることを判別し、かつ、前記シートが重送していないことを判別する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記判別部は、前記反射音量情報が示す前記反射音量が、前記基準反射音量より小さいことを示す比較結果と、前記透過音量情報が示す前記透過音量が、前記基準透過音量より大きいことを示す比較結果とに基づいて、前記搬送部により搬送されている前記シートが薄紙であることを判別し、かつ、前記シートが重送していないことを判別する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記判別部は、前記反射音量情報が示す前記反射音量が、前記基準反射音量より小さいことを示す比較結果と、前記透過音量情報が示す前記透過音量が、前記基準透過音量より小さいことを示す比較結果とに基づいて、前記搬送部により搬送されている前記シートが重送されていることを判別する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
記シートに画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部を制御する制御部と
をさらに備え、
前記判別部は、前記反射音量情報が示す前記反射音量が、前記基準反射音量より小さいことを示す比較結果と、前記透過音量情報が示す前記透過音量が、前記基準透過音量より小さいことを示す比較結果とに基づいて、前記搬送部により搬送されている前記シートが薄紙であることを判別し、かつ、前記搬送部により搬送されている前記シートが重送されていることを判別し、
前記制御部は、前記判別部の判別結果に基づいて、前記画像形成部の駆動を停止する、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
記シートに記載された画像を読み取る読取部と、
前記読取部を制御する制御部と
をさらに備え、
前記判別部は、前記反射音量情報が示す前記反射音量が、前記基準反射音量より小さいことを示す比較結果と、前記透過音量情報が示す前記透過音量が、前記基準透過音量より小さいことを示す比較結果とに基づいて、前記搬送部により搬送されている前記シートが薄紙であることを判別し、かつ、前記搬送部により搬送されている前記シートが重送されていることを判別し、
前記制御部は、前記判別部の判別結果に基づいて、前記読取部の駆動を停止する、請求項5に記載の画像形成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、厚紙検知用のセンサーと、重送検知用のセンサーとを独立に配置することにより、搬送経路において紙ジャムが発生することを抑制する画像読取装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-161292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、1組の送信部と受信部とが原稿の搬送路を挟んで対向して配置されている。そのため、通常厚の原稿1枚の正常搬送と、薄い原稿の重送とを判別できないことがあった。また、通常厚の原稿の重送と、厚い原稿1枚の正常搬送とを判別できないことがあった。
【0005】
本発明は、普通紙、厚紙、薄紙が搬送されているのか、重送が発生しているのかを判別することにより、重送が発生していないにも関わらず、重送が発生していると誤判別することを抑制できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る画像形成装置は、給送部と、搬送部と、送信部と、反射超音波受信部と、透過超音波受信部と、音量検出部と、判別部とを備える。前記給送部は、シートを給送する。前記搬送部は、前記シートを搬送する。前記送信部は、所定音量の送信超音波を送信する。前記反射超音波受信部は、前記送信超音波が前記シートを反射した反射超音波を受信する。前記透過超音波受信部は、前記送信超音波が前記シートを透過した透過超音波を受信する。前記音量検出部は、前記反射超音波の反射音量を検出して反射音量情報を出力し、前記透過超音波の透過音量を検出して透過音量情報を出力する。前記判別部は、前記反射音量情報が示す前記反射音量と基準反射音量との比較結果と、前記透過音量情報が示す前記透過音量と基準透過音量との比較結果とに基づいて、前記搬送部を搬送されている前記シートの厚さを判別し、かつ、前記シートが重送しているか否かを判別する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の画像形成装置によれば、普通紙、厚紙、薄紙が搬送されているのか、重送が発生しているのかを判別することができるため、重送が発生していないにも関わらず、重送が発生していると誤判別することを抑制できる。
【0008】
また、本発明の画像形成装置によれば、厚紙が搬送されているのか、重送が発生しているのかを判別することができるため、厚紙が正常搬送されているにも関わらず、重送が発生していると誤判別することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置を示す図である。
図2】本実施形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
図3】本実施形態に係る画像形成装置の構成を簡略に示す図である。
図4】(a)~(d)は、送信超音波に対する反射超音波および透過超音波の関係を示す図である。
図5】記憶部に記憶されたテーブルを示す図である。
図6】本実施形態に係る画像形成装置による情報処理を示すフローチャートである。
図7】本実施形態に係る画像形成装置による情報処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。尚、図中、同一または相当部分については、同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0011】
まず、図1を参照して、画像形成装置10を説明する。図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置10を示す図である。
【0012】
図1において、画像形成装置10は、読取部11と、操作部13と、画像形成部16とを備える。画像形成装置10の具体例は、プリンター、ファックス、複合機である。
【0013】
読取部11は、自動原稿給紙装置(ADF:Auto Document Feeder)と、スキャナーとを含む。
【0014】
読取部11は、さらに、給送トレイ12を有する。給送トレイ12に載置された図示しない原稿(シート)は、読取部11の図示しない搬送機構により、図示しない原稿読取面に搬送され、図示しない読取部に読み取られて、画像データに変換される。
【0015】
操作部13は、表示部14と、入力部15とを有する。
【0016】
操作部13は、ユーザーからの操作を受け付ける。
【0017】
表示部14は、ユーザーに情報を表示し、または、ユーザーが入力した情報を、図2で説明する制御部20に出力する。表示部14は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)のようなディスプレーを含み、種々の画像を表示する。また、ディスプレーは、タッチパネル機能を有し、タッチセンサーを含んでもよい。タッチパネル機能を有するディスプレーは、入力部15の一部を構成する。入力部15は、情報を入力可能な複数のハードウェアボタンを含んでもよい。
【0018】
入力部15には、数字、記号等が付される。ユーザーは、入力部15を操作して、数値、記号等を入力することができる。
【0019】
ユーザーは、表示部14を操作して、例えば、画像形成指示、画像形成設定、データ送受信指示、データ送受信設定、画像読取指示、画像読取設定を行うことができる。
【0020】
画像形成部16は、給送部17と、排出部18とを有する。
【0021】
画像形成部16の内部には、図示しない印字機構として、例えば、給送機構、搬送機構、画像形成機構、または、排出機構が配置される。
【0022】
給送部17は、画像形成部16から引き出し可能であり、給送部17に載置された図示しないシートは、給送機構、搬送機構により給送される。
【0023】
例えば、電子写真方式の場合、給送機構により給送されたシートは、画像形成部16の帯電機構、露光機構、現像機構、および転写機構により、トナーなどの着色剤、色材で画像形成され、排出機構に搬送される。例えば、インクジェット方式の場合、シートは、画像形成部16のインクカートリッジ、インクヘッドにより、インクなどの着色剤、色材で画像形成され、排出機構に搬送される。
【0024】
シートは、排出機構により、排出部18に排出される。
【0025】
次に、図1に加え、図2図5を参照して、本実施形態に係る画像形成装置10の具体的態様を説明する。
【0026】
図2は、本実施形態に係る画像形成装置10の構成を示すブロック図である。図3は、本実施形態に係る画像形成装置10の構成を簡略に示す図である。図2は、画像形成装置10の画像形成部16における搬送機構を示す場合がある。図2は、画像形成装置10の読取部11における搬送機構を示す場合がある。
【0027】
図4(a)~(d)は、送信超音波に対する反射超音波および透過超音波の関係を示す図である。図5は、記憶部70に記憶されたテーブルを示す図である。
【0028】
本実施形態に係る画像形成装置10は、給送部17と、搬送部32と、送信部50と、反射超音波受信部52と、透過超音波受信部54と、音量検出部60と、判別部80とを備える。給送部17は、シートを給送する。搬送部32は、シートを搬送する。送信部50は、所定音量の送信超音波を送信する。反射超音波受信部52は、送信超音波がシートを反射した反射超音波を受信する。透過超音波受信部54は、送信超音波がシートを透過した透過超音波を受信する。音量検出部60は、反射超音波の反射音量(P1、P2、P3)を検出して反射音量情報を出力し、透過超音波の透過音量(Q1、Q2、Q3)を検出して透過音量情報を出力する。判別部80は、反射音量情報が示す反射音量(P1、P2、P3)と基準反射音量P2との比較結果と、透過音量情報が示す透過音量(Q1、Q2、Q3)と基準透過音量Q2との比較結果とに基づいて、搬送部32により搬送されているシートの厚さを判別し、かつ、シートが重送しているか否かを判別する。
【0029】
図2に示す制御部20、駆動部22、送信部50、反射超音波受信部52、透過超音波受信部54、音量検出部60、記憶部70、および、判別部80は、一例として、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)により実現される。
【0030】
送信部50、反射超音波受信部52、透過超音波受信部54は、一例として、CODEC(Coder/Decoder)により実現される。
【0031】
図2に示す制御部20は、駆動部22を制御する。
【0032】
駆動部22は、制御部20の指示に従って、画像形成部16および読取部11を駆動する。駆動部22は、画像形成部16および読取部11を駆動する際、ピックアップローラー30、および、搬送部32を駆動する。
【0033】
給送部17は、給送トレイ12にストックされたシートを給送する。
【0034】
ピックアップローラー30は、給送部17の給送トレイ12からシートをピックアップして、搬送部32に向けてシートを搬送する。
【0035】
搬送部32は、シートを搬送する。搬送部32は、搬送ローラーと、リタードローラーとを含んでよい。リタードローラーは、シートの搬送タイミングを調節する。
【0036】
制御部20は、送信部50を制御する。
【0037】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)のようなプロセッサーを含む。制御部20は、他の構成要素が統合されたSoC(System-on-a-Chip)等の集積回路であってもよい。
【0038】
具体的には、制御部20は、記憶部70に記憶されているデータを必要に応じて参照する。制御部20は、記憶部70に記憶されているプログラムに含まれる命令を実行して、各構成要素を制御することによって各種機能を実現する。
【0039】
送信部50は、制御部20の指示に従って、所定音量Pの送信超音波を送信する。
【0040】
反射超音波受信部52は、送信超音波がシートを反射した反射超音波を受信する。反射超音波の反射音量(P1、P2、P3)は、シートの厚さに応じて変化する。反射超音波の反射音量(P1、P2、P3)は、シートが重送しているか否かに応じて変化する。
【0041】
音量検出部60は、反射超音波の反射音量(P1、P2、P3)を検出して、反射音量情報を出力する。
【0042】
透過超音波受信部54は、送信超音波がシートを透過した透過超音波を受信する。透過超音波の透過音量(Q1、Q2、Q3)は、シートの厚さに応じて変化する。透過超音波の透過音量(Q1、Q2、Q3)は、シートが重送しているか否かに応じて変化する。
【0043】
シートは、画像が形成された原稿であってもよい。シートは、本実施形態では、普通紙、厚紙、または、薄紙を含む。普通紙の具体例は、コピー用紙である。普通紙の厚さは、一例として、0.09mmである。厚紙の具体例は、はがき用紙である。厚紙の厚さは、0.09mmよりも大きい。薄紙の厚さは、一例として、0.09mmよりも小さい。薄紙の具体例は、新聞紙である。
【0044】
音量検出部60は、透過超音波の透過音量(Q1、Q2、Q3)を検出して、透過音量情報を出力する。
【0045】
記憶部70は、基準反射音量P2と、基準透過音量Q2とを記憶する。
【0046】
判別部80は、反射音量情報が示す反射音量(P1、P2、P3)と基準反射音量P2との比較結果と、透過音量情報が示す透過音量(Q1、Q2、Q3)と基準透過音量Q2との比較結果とに基づいて、搬送部32により搬送されているシートの厚さを判別し、かつ、シートが重送しているか否かを判別する。
【0047】
本実施形態において、反射音量P1は基準反射音量P2よりも大きい。反射音量P3は基準反射音量P2よりも小さい。また、透過音量Q1は基準透過音量Q2よりも大きい。透過音量Q3は基準透過音量Q2よりも小さい。
【0048】
図4(a)および図5に示すように、搬送路34を普通紙が搬送されている場合、反射超音波受信部52は、基準反射音量P2と等しい反射音量P2の反射超音波を受信し、透過超音波受信部54は、基準透過音量Q2と等しい透過音量Q2の透過超音波を受信する。
【0049】
図4(b)および図5に示すように、搬送路34を厚紙が搬送されている場合、反射超音波受信部52は、基準反射音量P2よりも大きい反射音量P1の反射超音波を受信し、透過超音波受信部54は、基準透過音量Q2よりも小さい透過音量Q3の透過超音波を受信する。
【0050】
図4(c)および図5に示すように、搬送路34を薄紙が搬送されている場合、反射超音波受信部52は、基準反射音量P2よりも小さい反射音量P3の反射超音波を受信し、透過超音波受信部54は、基準透過音量Q2よりも大きい透過音量Q1の透過超音波を受信する。
【0051】
図4(c)および図5に示すように、シートが搬送路34を重送されている場合、反射超音波受信部52は、基準反射音量P2よりも小さい反射音量P3の反射超音波を受信し、透過超音波受信部54は、基準透過音量Q2よりも小さい透過音量Q3の透過超音波を受信する。
【0052】
制御部20は、判別情報に基づいて、駆動部22を駆動するよう制御し、または、駆動を停止するよう制御する。
【0053】
駆動部22は、画像形成部16、または、読取部11を駆動し、または、駆動を停止する。
【0054】
画像形成部16は、シートに画像形成する。
【0055】
読取部11は、シート(原稿)に記載された画像を読み取る。
【0056】
排出部18は、シート(原稿)を排出する。
【0057】
本実施形態に係る画像形成装置10によれば、普通紙、厚紙、薄紙が搬送されているのか、重送が発生しているのかを判別することができるため、重送が発生していないにも関わらず、重送が発生していると誤判別することを抑制できる。
【0058】
また、本実施形態に係る画像形成装置10によれば、厚紙が搬送されているのか、重送が発生しているのかを判別することができるため、厚紙が正常搬送されているにも関わらず、重送が発生していると誤判別することを抑制できる。
【0059】
次に、図1図3に加え、さらに、図4(a)および図5を参照して、搬送路34に普通紙が搬送されている場合の実施形態について、さらに詳細に説明する。図4(a)は、送信超音波に対する反射超音波および透過超音波の関係を示す図である。図5は、記憶部70に記憶されたテーブルを示す図である。
【0060】
本実施形態に係る画像形成装置10において、判別部80は、反射音量情報が示す反射音量P2が、基準反射音量P2と等しいことを示す比較結果と、透過音量情報が示す透過音量Q2が、基準透過音量Q2と等しいことを示す比較結果とに基づいて、搬送部32により搬送されているシートが普通紙であることを判別し、かつ、シートが重送していないことを判別する。
【0061】
本実施形態では、送信部50が、制御部20の指示に従って、所定音量Pの送信超音波を送信するところまでは、先述した実施形態と同じであるので、重複した説明を省略する。
【0062】
図2および図3に示すように、反射超音波受信部52は、送信超音波がシートを反射した反射超音波を受信する。
【0063】
音量検出部60は、送信超音波がシートを反射した反射超音波の反射音量P2を検出して、反射音量情報を出力する。搬送部32により搬送されるシートが普通紙である場合、図4(a)および図5に示すように、反射超音波の反射音量P2は、基準反射音量P2とほぼ同じである。音量検出部60は、反射超音波受信部52が反射音量P2を受信したことを検出して、透過音量情報を出力する。
【0064】
透過超音波受信部54は、送信超音波がシートを透過した透過超音波を受信する。
【0065】
音量検出部60は、送信超音波がシートを透過した透過超音波の透過音量Q2を検出して、透過音量情報を出力する。搬送部32により搬送されるシートが普通紙である場合、図4(a)および図5に示すように、透過超音波の透過音量Q2は、基準透過音量Q2である。音量検出部60は、透過超音波受信部54が透過音量Q2を受信したことを検出して、透過音量情報を出力する。
【0066】
記憶部70は、基準透過音量Q2と、基準反射音量P2とを記憶する。
【0067】
判別部80は、反射音量情報が示す反射音量P2と基準反射音量P2との比較結果と、透過音量情報が示す透過音量Q2と基準透過音量Q2との比較結果とに基づいて、搬送部32により搬送されているシートが普通紙であることを判別し、かつ、シートが重送していないことを判別する。
【0068】
別言すれば、反射音量情報が示す反射音量P2が、基準反射音量P2と等しいことを示す比較結果と、透過音量情報が示す透過音量Q2が、基準透過音量Q2と等しいことを示す比較結果とに基づいて、搬送部32により搬送されているシートが普通紙であることを判別し、かつ、シートが重送していないことを判別する。
【0069】
制御部20は、判別情報に基づいて、駆動部22を制御する。
【0070】
駆動部22は、画像形成部16、または、読取部11を駆動する。
【0071】
画像形成部16は、シートに画像形成する。
【0072】
読取部11は、シート(原稿)に記載された画像を読み取る。
【0073】
排出部18は、シート(原稿)を排出する。
【0074】
本実施形態に係る画像形成装置10によれば、普通紙が搬送されているのか、重送が発生しているのかを判別することができるため、重送が発生していないにも関わらず、重送が発生していると誤判別することを抑止できる。
【0075】
また、本実施形態に係る画像形成装置10によれば、普通紙が搬送されているのか、重送が発生しているのかを判別することができるため、普通紙が正常搬送されているにも関わらず、重送が発生していると誤判別することを抑制できる。
【0076】
次に、図1図3に加え、さらに、図4(b)および図5を参照して、搬送路34に厚紙が搬送されている場合の実施形態について説明する。
【0077】
本実施形態に係る画像形成装置10において、判別部80は、反射音量情報が示す反射音量P1が、基準反射音量P2より大きいことを示す比較結果と、透過音量情報が示す透過音量Q3が、基準透過音量Q2より小さいことを示す比較結果とに基づいて、搬送部32により搬送されているシートが厚紙であることを判別し、かつ、シートが重送していないことを判別する。
【0078】
本実施形態では、送信部50が、制御部20の指示に従って、所定音量Pの送信超音波を送信するところまでは、先述した実施形態と同じであるので、重複した説明を省略する。
【0079】
図2および図3に示すように、反射超音波受信部52は、送信超音波がシートを反射した反射超音波を受信する。
【0080】
音量検出部60は、搬送部32により搬送されるシートが厚紙である場合、図4(b)および図5に示すように、反射超音波の反射音量P1は、基準反射音量P2より大きい反射音量P1である。音量検出部60は、反射超音波受信部52が反射音量P1を受信したことを検出して、透過音量情報を出力する。
【0081】
透過超音波受信部54は、送信超音波がシートを透過した透過超音波を受信する。
【0082】
音量検出部60は、搬送部32により搬送されるシートが厚紙である場合、図4(b)および図5に示すように、透過超音波の透過音量Q3は、基準透過音量Q2より小さい透過音量Q3である。音量検出部60は、透過超音波受信部54が透過音量Q3を受信したことを検出して、透過音量情報を出力する。
【0083】
記憶部70は、基準反射音量P2と、基準透過音量Q2とを記憶する。
【0084】
判別部80は、反射音量情報が示す反射音量P1と基準反射音量P2との比較結果と、透過音量情報が示す透過音量Q3と基準透過音量Q2との比較結果とに基づいて、搬送部32により搬送されているシートが厚紙であることを判別し、かつ、シートが重送していないことを判別する。
【0085】
別言すれば、判別部80は、反射音量情報が示す反射音量P1が、基準反射音量P2より大きいことを示す比較結果と、透過音量情報が示す透過音量Q3が、基準透過音量Q2より小さいことを示す比較結果とに基づいて、搬送部32により搬送されているシートが厚紙であることを判別し、かつ、シートが重送していないことを判別する。
【0086】
制御部20は、判別情報に基づいて、駆動部22を制御する。
【0087】
駆動部22は、画像形成部16、または、読取部11を駆動する。
【0088】
画像形成部16は、シートに画像形成する。
【0089】
読取部11は、シート(原稿)に記載された画像を読み取る。
【0090】
排出部18は、シート(原稿)を排出する。
【0091】
本実施形態に係る画像形成装置10によれば、厚紙が搬送されているのか、重送が発生しているのかを判別することができるため、重送が発生していないにも関わらず、重送が発生していると誤判別することを抑制できる。
【0092】
また、本実施形態に係る画像形成装置10によれば、厚紙が搬送されているのか、重送が発生しているのかを判別することができるため、厚紙が正常搬送されているにも関わらず、重送が発生していると誤判別することを抑制できる。
【0093】
次に、図1図3に加え、さらに、図4(c)および図5を参照して、搬送路34に薄紙が搬送されている場合の実施形態について説明する。
【0094】
本実施形態に係る画像形成装置10において、判別部80は、反射音量情報が示す反射音量P3が、基準反射音量P2より小さいことを示す比較結果と、透過音量情報が示す透過音量Q3が、基準透過音量Q2より大きいことを示す比較結果とに基づいて、搬送部32により搬送されているシートが薄紙であることを判別し、かつ、シートが重送していないことを判別する。
【0095】
本実施形態では、送信部50が、制御部20の指示に従って、所定音量Pの送信超音波を送信するところまでは、先述した実施形態と同じであるので、重複した説明を省略する。
【0096】
図2および図3に示すように、反射超音波受信部52は、送信超音波がシートを反射した反射超音波を受信する。
【0097】
音量検出部60は、搬送部32により搬送されるシートが薄紙である場合、図4(c)および図5に示すように、反射超音波の反射音量P3は、基準反射音量P2より小さい反射音量P3である。音量検出部60は、反射超音波受信部52が反射音量P3を受信したことを検出して、透過音量情報を出力する。
【0098】
透過超音波受信部54は、送信超音波がシートを透過した透過超音波を受信する。
【0099】
音量検出部60は、搬送部32により搬送されるシートが薄紙である場合、図4(c)および図5に示すように、透過超音波の透過音量Q1は、基準透過音量Q2より大きい透過音量Q1である。音量検出部60は、透過超音波受信部54が透過音量Q1を受信したことを検出して、透過音量情報を出力する。
【0100】
記憶部70は、基準反射音量P2と、基準透過音量Q2とを記憶する。
【0101】
判別部80は、反射音量情報が示す反射音量P3と基準反射音量P2との比較結果と、透過音量情報が示す透過音量Q1と基準透過音量Q2との比較結果とに基づいて、搬送部32により搬送されているシートが薄紙であることを判別し、かつ、シートが重送していないことを判別する。
【0102】
別言すれば、判別部80は、反射音量情報が示す反射音量P3が、基準反射音量P2より小さいことを示す比較結果と、透過音量情報が示す透過音量Q1が、基準透過音量Q2より大きいことを示す比較結果とに基づいて、搬送部32により搬送されているシートが薄紙であることを判別し、かつ、シートが重送していないことを判別する。
【0103】
制御部20は、判別情報に基づいて、駆動部22を制御する。
【0104】
駆動部22は、画像形成部16、または、読取部11を駆動する。
【0105】
画像形成部16は、シートに画像形成する。
【0106】
読取部11は、シート(原稿)に記載された画像を読み取る。
【0107】
排出部18は、シート(原稿)を排出する。
【0108】
次に、図1図3に加え、さらに、図4(d)および図5を参照して、搬送路34搬送されているシートが重送されている場合の実施形態について説明する。
【0109】
本実施形態に係る画像形成装置10によれば、薄紙が搬送されているのか、重送が発生しているのかを判別することができるため、重送が発生していないにも関わらず、重送が発生していると誤判別することを抑制できる。
【0110】
また、本実施形態に係る画像形成装置10によれば、薄紙が搬送されているのか、重送が発生しているのかを判別することができるため、薄紙が正常搬送されているにも関わらず、重送が発生していると誤判別することを抑制できる。
【0111】
本実施形態に係る画像形成装置10において、判別部80は、反射音量情報が示す反射音量P3が、基準反射音量P2より小さいことを示す比較結果と、透過音量情報が示す透過音量Q3が、基準透過音量Q2より小さいことを示す比較結果とに基づいて、搬送部32により搬送されているシートが重送されていることを判別する。
【0112】
さらに、本実施形態に係る画像形成装置10は、画像形成部16と、制御部20とをさらに備える。画像形成部16は、シートに画像を形成する。制御部20は、画像形成部を制御する。制御部20は、判別部80の判別結果に基づいて、画像形成部16の駆動を停止する。
【0113】
さらに、本実施形態に係る画像形成装置10は、読取部11と、制御部20とをさらに備える。読取部11は、シートに記載された画像を読み取る。制御部20は、読取部11を制御する。制御部20は、判別部80の判別結果に基づいて、読取部11の駆動を停止する。
【0114】
本実施形態では、送信部50が、制御部20の指示に従って、所定音量Pの送信超音波を送信するところまでは、先述した実施形態と同じであるので、重複した説明を省略する。
【0115】
図2および図3に示すように、反射超音波受信部52は、送信超音波がシートを反射した反射超音波を受信する。
【0116】
音量検出部60は、反射超音波の反射音量を検出して反射音量情報を出力する。搬送部32により搬送されるシートが重送を起こしている場合、図4(d)および図5に示すように、反射超音波の反射音量は、基準反射音量P2より小さい反射音量P3である。音量検出部60は、反射超音波受信部52が反射音量P3を受信したことを検出して、透過音量情報を出力する。
【0117】
透過超音波受信部54は、送信超音波がシートを透過した透過超音波を受信する。
【0118】
音量検出部60は、透過超音波の透過音量Qを検出して透過音量情報を出力する。搬送部32により搬送されるシートが重送を起こしている場合、図4(d)および図5に示すように、透過超音波の透過音量Qは、基準透過音量Q2より小さい透過音量Q3である。音量検出部60は、透過超音波受信部54が透過音量Q3を受信したことを検出して、透過音量情報を出力する。
【0119】
記憶部70は、基準反射音量P2と、基準透過音量Q2とを記憶する。
【0120】
判別部80は、反射音量情報が示す反射音量P3と基準反射音量P2との比較結果と、透過音量情報が示す透過音量Q3と基準透過音量Q2との比較結果とに基づいて、搬送部32により搬送されているシートが重送されていることを判別する。
【0121】
別言すれば、判別部80は、反射音量情報が示す反射音量P3が、基準反射音量P2より小さいことを示す比較結果と、透過音量情報が示す透過音量Q3が、基準透過音量Q2より小さいことを示す比較結果とに基づいて、搬送部32により搬送されているシートが重送されていることを判別する。
【0122】
制御部20は、判別情報に基づいて、駆動部22を制御する。
【0123】
駆動部22は、画像形成部16、または、読取部11の駆動を停止する。
【0124】
本実施形態に係る画像形成装置10によれば、普通紙、厚紙、または、薄紙が1枚正常搬送されているのではなく、重送が発生していることを判別することができるため、重送が発生しているにも関わらず、例えば、厚紙が1枚正常搬送されていると誤判別することを抑制できる。
【0125】
また、本実施形態に係る画像形成装置10によれば、普通紙、厚紙、または、薄紙が搬送されているのか、重送が発生しているのかを判別することができるため、重送が発生しているにも関わらず、普通紙、厚紙、または、薄紙が正常搬送されていると誤判別することを抑制できる。
【0126】
また、本実施形態に係る画像形成装置10によれば、重送が発生していることが判別された場合のみ、画像形成部16、または、読取部11の駆動が停止されるため、重送の誤判定による、画像形成部16、または、読取部11の駆動の誤停止を抑制することができる。
【0127】
次に、図6および図7を参照して、本実施形態に係る画像形成装置10による情報処理を説明する。図6および図7は、本実施形態に係る画像形成装置10による情報処理を示すフローチャートである。
【0128】
図6および図7に示すように、フローチャートは、ステップS10からステップS32を含む。具体的には次の通りである。
【0129】
図6に示すステップS10において、給送部17は、給送トレイ12にストックされたシートを給送する。処理は、ステップS12に進む。
【0130】
ステップS12において、搬送部32は、シートを搬送する。処理は、ステップS14に進む。
【0131】
ステップS14において、送信部50は、制御部20の指示に従って、所定音量Pの送信超音波を送信する。処理は、ステップS16に進む。
【0132】
ステップS16において、反射超音波受信部52は、送信超音波がシートを反射した反射超音波を受信する。処理は、ステップS18に進む。
【0133】
ステップS18において、音量検出部60は、反射超音波の反射音量(P1、P2、P3)を検出して、反射音量情報を出力する。処理は、ステップS20に進む。
【0134】
ステップS20において、透過超音波受信部54は、送信超音波がシートを透過した透過超音波を受信する。
【0135】
ステップS22において、音量検出部60は、透過超音波の透過音量(Q1、Q2、Q3)を検出して、透過音量情報を出力する。処理は、ステップS24に進む。
【0136】
図7に示すステップS24において、判別部80は、反射音量情報が示す反射音量P2が、基準反射音量P2と等しいか、または、反射音量情報が示す反射音量P1が、基準反射音量P2より大きいかを判別する。等しい場合、処理は、ステップS26に進む。大きい場合、処理は、ステップS30に進む。
【0137】
ステップS24において、Yesの場合、ステップS26において、判別部80は、透過音量情報が示す透過音量Q2が、基準透過音量Q2と等しいか、または、透過音量情報が示す透過音量Q3が、基準透過音量Q2より小さいかを判別する。
【0138】
等しい場合(ステップS26において、Yes)、シートは普通紙であると判別されて、処理は、ステップS28に進む。小さい場合(ステップS26において、No)、シートは厚紙であると判別されて、処理は、ステップS28に進む。
【0139】
ステップS28において、画像形成部16は、シートに画像形成する。読取部11は、シート(原稿)に記載された画像を読み取る。そして、処理は、終了する。
【0140】
次に、ステップS24において、Noの場合、ステップS30において、透過音量情報が示す透過音量Q1が、基準透過音量Q2より大きいか否かを判別する。大きい場合(ステップS30において、Yes)、処理は、ステップS28に進む。小さい場合(ステップS30において、No)、処理は、ステップS32に進む。
【0141】
ステップS30において、Yesの場合、搬送部32により搬送されているシートが薄紙であり、かつ、シートが重送していないことを判別し、ステップS28において、画像形成部16は、シートに画像形成する。読取部11は、シート(原稿)に記載された画像を読み取る。そして、処理は、終了する。
【0142】
ステップS30において、Noの場合、シートが重送されていることを判別し、ステップS32において、駆動部22は、画像形成部16、または、読取部11の駆動を停止する。そして、処理は終了する。
【0143】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質や形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0144】
本発明は、画像形成装置の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0145】
10 画像形成装置
11 読取部
12 給送トレイ
13 操作部
14 表示部
15 入力部
16 画像形成部
17 給送部
18 排出部
20 制御部
22 駆動部
30 ピックアップローラー
32 搬送部
34 搬送路
50 送信部
52 反射超音波受信部
54 透過超音波受信部
60 音量検出部
70 記憶部
80 判別部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7