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特許7665959接続シール構造、粉体供給装置および粉体利用装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-14
(45)【発行日】2025-04-22
(54)【発明の名称】接続シール構造、粉体供給装置および粉体利用装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20250415BHJP
【FI】
G03G15/08 348Z
G03G15/08 340
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020193006
(22)【出願日】2020-11-20
(65)【公開番号】P2022081822
(43)【公開日】2022-06-01
【審査請求日】2023-10-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137752
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 岳行
(74)【代理人】
【識別番号】100085040
【弁理士】
【氏名又は名称】小泉 雅裕
(74)【代理人】
【識別番号】100108925
【弁理士】
【氏名又は名称】青谷 一雄
(74)【代理人】
【識別番号】100087343
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 智廣
(72)【発明者】
【氏名】安西 尭
(72)【発明者】
【氏名】石井 聡
(72)【発明者】
【氏名】市来 幸裕
【審査官】山下 清隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-203101(JP,A)
【文献】特開2014-232299(JP,A)
【文献】特開2001-005286(JP,A)
【文献】特開2014-010218(JP,A)
【文献】特開平05-113717(JP,A)
【文献】特開2002-341650(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0341610(US,A1)
【文献】中国実用新案第207318944(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
G03G 15/00
G03G 21/16
G03G 21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿抜可能に接続させる接続部を有する第1構造体と、前記接続部が挿入されて接続されるとともに当該接続部と向き合う少なくとも一部分に弾性層を含む弾性部材が取り付けられた被接続部を有する第2構造体と、を備える接続シール構造であって、
前記第1構造体と前記第2構造体との間において、前記弾性部材は、前記被接続部に挿入されるときの前記接続部と向き合う端部が前記弾性層も含めて挿抜時の当該接続部と接触しない方向に曲げられた状態にされ、
前記接続シール構造は、前記被接続部に、前記弾性部材の曲げられた端部の曲げ状態が維持される維持手段を備え、
前記維持手段は、前記弾性部材の曲げられた端部を前記接続部が挿入される方向から前記被接続部の一部に押し付けるバネ部材で構成されており、
前記バネ部材は、前記被接続部に収縮された状態で配置されており、前記挿入される接続部の一部に押されて更に収縮した状態になる接続シール構造。
【請求項2】
挿抜可能に接続させる接続部を有する第1構造体と、前記接続部が挿入されて接続されるとともに当該接続部と向き合う少なくとも一部分に弾性層を含む弾性部材が取り付けられた被接続部を有する第2構造体と、を備える接続シール構造であって、
前記第1構造体と前記第2構造体との間において、前記弾性部材は、前記被接続部に挿入されるときの前記接続部と向き合う端部が前記弾性層も含めて挿抜時の当該接続部と接触しない方向に曲げられた状態にされ、
前記接続シール構造は、前記被接続部に、前記弾性部材の曲げられた端部の曲げ状態が維持される維持手段を備え、
前記維持手段は、前記弾性部材の曲げられた端部を前記被接続部の一部に連結される部材で構成されている接続シール構造。
【請求項3】
前記弾性層の曲げられた部分は、前記被接続部の一部に接着されている請求項1又は2に記載の接続シール構造。
【請求項4】
挿抜可能に接続させる接続部と、前記接続部に設けられて供給する粉体を排出させる排出口を有する粉体供給構造体と、
前記接続部が挿入されて接続される被接続部と、前記被接続部に設けられ前記排出口と向き合って排出される粉体を受け入れる受入口を有する粉体受容構造体と、
前記粉体供給構造体のうち前記接続部を有する第1構造体と、前記粉体受容構造体のうち前記被接続部と前記被接続部の前記受入口の周囲を少なくとも覆う部分に取り付けられて前記接続部との間で粉体の漏れを防止する弾性層を含む弾性部材とを有する第2構造体と、を備えた接続シール構造と、
を備え、
前記接続シール構造が、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の接続シール構造で構成されている粉体供給装置
【請求項5】
前記接続シール構造が請求項1に記載の接続シール構造で構成されている場合、
前記被接続部に、前記接続部の挿抜の動作に連動して移動するよう取り付けられて前記受入口を開閉する開閉蓋と、前記受入口よりも前記接続部が挿入される方向と反対方向の下流側に配置されて当該開閉蓋を当該接続部が挿入される方向と反対方向に付勢して閉じた状態に保持するバネ部材とが設けられ、
前記バネ部材は、前記被接続部と向き合う端部が、前記弾性部材の曲げられた端部に接触して当該曲げられた端部を前記被接続部の一部に押し付けるよう配置されている請求項に記載の粉体供給装置
【請求項6】
粉体を被付着物に付着させる粉体付着装置と、
前記粉体付着装置に粉体を供給する粉体供給装置と、
を備え、
前記粉体供給装置が、請求項4又は5に記載の粉体供給装置を含めて構成されている粉体利用装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、接続シール構造、粉体供給装置および粉体利用装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、トナーボトルが挿抜可能に装着されるトナー供給装置における送出口カバーのケーシングに設けたトナー排出口の周りのシール材として、弾性材料からなる基層と、現像部の剤収容部のトナー受入口のシール材と摺擦する側の面に貼り付けられるシート材からなる摺擦層とを有するシール材を用い、その摺擦層を、トナー供給装置が複写機本体にスライド挿入される際の当該摺擦層を有するシール材の移動方向における先端側部分が上記基層の先端よりも突出するように長くするとともに、その突出する摺擦層の先端側部分を基層の先端を軸にして上記ケーシングの側面に向けて曲げて当該側面に貼り付けたシール構造や、そのシール構造を用いた現像剤供給装置および画像形成装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第3919467号公報(段落0063-0067、図8-10等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、挿抜可能に接続させる接続部が挿入されて接続される被接続部のうち当該接続部と向き合う少なくとも一部分に取り付けた弾性部材の一部が当該接続部の挿抜により破損することを、弾性部材の曲げられた端部の曲げ状態を維持する維持手段を備えていない場合に比べて抑制することができる接続シール構造、粉体供給装置および粉体利用装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明(1)は、
挿抜可能に接続させる接続部を有する第1構造体と、前記接続部が挿入されて接続されるとともに当該接続部と向き合う少なくとも一部分に弾性層を含む弾性部材が取り付けられた被接続部を有する第2構造体と、を備える接続シール構造であって
前記第1構造体と前記第2構造体との間において、前記弾性部材は、前記被接続部に挿入されるときの前記接続部と向き合う端部が前記弾性層も含めて挿抜時の当該接続部と接触しない方向に曲げられた状態にされ、
前記接続シール構造は、前記被接続部に、前記弾性部材の曲げられた端部の曲げ状態が維持される維持手段を備え、
前記維持手段は、前記弾性部材の曲げられた端部を前記接続部が挿入される方向から前記被接続部の一部に押し付けるバネ部材で構成されており、
前記バネ部材は、前記被接続部に収縮された状態で配置されており、前記挿入される接続部の一部に押されて更に収縮した状態になる接続シール構造である。
【0007】
この発明()は、
挿抜可能に接続させる接続部を有する第1構造体と、前記接続部が挿入されて接続されるとともに当該接続部と向き合う少なくとも一部分に弾性層を含む弾性部材が取り付けられた被接続部を有する第2構造体と、を備える接続シール構造であって、
前記第1構造体と前記第2構造体との間において、前記弾性部材は、前記被接続部に挿入されるときの前記接続部と向き合う端部が前記弾性層も含めて挿抜時の当該接続部と接触しない方向に曲げられた状態にされ、
前記接続シール構造は、前記被接続部に、前記弾性部材の曲げられた端部の曲げ状態が維持される維持手段を備え、
前記維持手段は、前記弾性部材の曲げられた端部を前記被接続部の一部に連結される部材で構成されている接続シール構造である。
【0008】
この発明()は、上記発明(1)又は(2)の接続シール構造において、
前記弾性層の曲げられた部分は、前記被接続部の一部に接着されている接続シール構造である。
【0009】
また、この発明()は、
挿抜可能に接続させる接続部と、前記接続部に設けられて供給する粉体を排出させる排出口を有する粉体供給構造体と、
前記接続部が挿入されて接続される被接続部と、前記被接続部に設けられ前記排出口と向き合って排出される粉体を受け入れる受入口を有する粉体受容構造体と、
前記粉体供給構造体のうち前記接続部を有する第1構造体と、前記粉体受容構造体のうち前記被接続部と前記被接続部の前記受入口の周囲を少なくとも覆う部分に取り付けられて前記接続部との間で粉体の漏れを防止する弾性層を含む弾性部材とを有する第2構造体と、を備えた接続シール構造と、
を備え、
前記接続シール構造が、上記発明(1)から()のいずれかの接続シール構造で構成されている粉体供給装置である。
【0010】
この発明()は、上記発明()の粉体供給装置において、前記接続シール構造が上記発明(1)の接続シール構造で構成されている場合、
前記被接続部に、前記接続部の挿抜の動作に連動して移動するよう取り付けられて前記受入口を開閉する開閉蓋と、前記受入口よりも前記接続部が挿入される方向と反対方向の下流側に配置されて当該開閉蓋を当該接続部が挿入される方向と反対方向に付勢して閉じた状態に保持するバネ部材とが設けられ、
前記バネ部材は、前記被接続部と向き合う端部が、前記弾性部材の曲げられた端部に接触して当該曲げられた端部を前記被接続部の一部に押し付けるよう配置されている粉体供給装置である。
【0011】
さらに、この発明()は、
粉体を被付着物に付着させる粉体付着装置と、
前記粉体付着装置に粉体を供給する粉体供給装置と、
を備え、
前記粉体供給装置が、上記発明()又は()の粉体供給装置を含めて構成されている粉体利用装置である。
【発明の効果】
【0012】
上記発明(1)の接続シール構造によれば、挿抜可能に接続される接続部が挿入されて接続される被接続部のうち当該接続部と向き合う少なくとも一部分に取り付けた弾性部材の一部が当該接続部の挿抜により破損することを、弾性部材の曲げられた端部の曲げ状態が維持される維持手段を有しない場合に比べて抑制することができる。
また、上記発明(1)によれば、維持手段が弾性部材の曲げられた端部を接続部が挿入される方向から被接続部の一部に押し付けるバネ部材で構成されていない場合に比べて、弾性層を有した弾性部材をバネ部材の付勢力で押して弾性部材の曲げ状態を維持でき、もって弾性部材の一部が接続部の挿抜により破損することを抑制できる。
【0014】
上記発明()の接続シール構造によれば、挿抜可能に接続される接続部が挿入されて接続される被接続部のうち当該接続部と向き合う少なくとも一部分に取り付けた弾性部材の一部が当該接続部の挿抜により破損することを、弾性部材の曲げられた端部の曲げ状態が維持される維持手段を有しない場合に比べて抑制することができる。
また、上記発明()によれば、維持手段が弾性部材の曲げられた端部を被接続部の一部と連結させる部材で構成されていない場合に比べて、弾性部材の一部が接続部の挿抜により破損することを抑制できる。
【0015】
上記発明()によれば、弾性層の曲げられた部分が被接続部の一部に接着されていない場合に比べて、弾性部材の曲げ状態をより維持できるとともに、弾性部材と被接続部との間における隙間をより塞ぐことができる。
【0016】
上記発明()の粉体供給装置によれば、接続シール構造において弾性部材の曲げられた端部の曲げ状態が維持される維持手段を備えない場合に比べて、挿抜可能に接続される接続部が挿入されて接続される被接続部のうち当該接続部と向き合う少なくとも一部分に取り付けた弾性層を有した弾性部材の一部が当該接続部の挿抜により破損することが抑制され、粉体の漏れを防止する機能が保たれやすくなる。
【0017】
上記発明()によれば、接続シール構造における押し付ける部材として被接続部の受入口を開閉する開閉蓋を閉じた状態に保つよう付勢するバネ部材を利用し、そのバネ部材を、被接続部と向き合う端部が弾性部材の曲げられた端部に接触して当該曲げられた端部を被接続部の一部に押し付けるよう配置していない場合に比べて、弾性部材の一部が当該接続部の挿抜により破損することを部品点数の増加を招くことなく抑制することができる。
【0018】
上記発明()の粉体利用装置によれば、粉体供給装置の接続シール構造において弾性部材の曲げられた端部の曲げ状態が維持される維持手段を備えない場合に比べて、挿抜可能に接続される接続部が挿入されて接続される被接続部のうち当該接続部と向き合う少なくとも一部分に取り付けた弾性部材の一部が当該接続部の挿抜により破損することが抑制され、粉体供給装置において粉体の漏れを防止する機能が保たれやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】(A)は実施の形態1に係る接続シール構造等における非接続時の状態を模式的に示す概要図、(B)は(A)の接続シール構造等における接続時の状態を模式的に示す概要図である。
図2】実施の形態1に係る接続シール構造を備えた粉体供給装置の非接続時の状態を一部断面で示す概要図である。
図3図2の接続シール構造を備えた粉体供給装置の接続時の状態を一部断面で示す概要図である。
図4】(A)は図2の接続シール構造における被接続部の受入口が開閉蓋で閉じられた状態にあるときの状態を示す斜視図、(B)は(A)の被接続部の受入口が開閉蓋で開けられた状態にあるときの状態を示す斜視図である。
図5】(A)は実施の形態1に係る接続シール構造における比較参照の構成例を一部断面で示す概要図、(B)は(A)の構成例の接続時における状態を一部断面で示す概要図である。
図6】(A)は実施の形態2に係る接続シール構造等における非接続時の状態を模式的に示す概要図、(B)は(A)の接続シール構造等における接続時の状態を模式的に示す概要図である。
図7】(A)は実施の形態3に係る接続シール構造等における非接続時の状態を模式的に示す概要図、(B)は(A)の接続シール構造等における接続時の状態を模式的に示す概要図である。
図8】(A)は実施の形態の変形例に係る接続シール構造等における非接続時の状態を模式的に示す概要図、(B)は(A)の接続シール構造等における接続時の状態を模式的に示す概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明を実施するための形態(本明細書では単に「実施の形態」という。)について図面を参照しながら説明する。
【0021】
実施の形態1.
図1には、実施の形態1に係る接続シール構造5とその接続シール構造5を用いた粉体供給装置7および粉体利用装置1が模式的に示されている。図1(A)には主に接続シール構造5の非接続時の状態が示されており、図1(B)には主に接続シール構造5Aの接続時の状態が示されている。
【0022】
<接続シール構造の構成>
接続シール構造5は、挿抜可能に接続させる接続部52を有する第1構造体51と、接続部52が挿入されて接続される被接続部55を有する第2構造体54とを備え、被接続部55のうち接続部52と向き合う少なくとも一部分に、弾性層571を含む弾性部材57が取り付けられている。
この接続シール構造5は、例えば、接続部52と被接続部55との間で粉体を移動させる場合、その粉体が接続部52と被接続部55の接続部分から漏れることを防止することが可能なシール構造である。
【0023】
第1構造体51は、例えば、供給する粉体を収容する装置又は構造物である。図1に示される第1構造体51は、供給する粉体を収容する粉体容器である。
【0024】
このような第1構造体51における接続部52は、供給する粉体を搬出する構造部分として構成されている。また接続部52は、例えば、供給する粉体を搬送する通路空間が形成された筒状の本体と、本体の通路空間内で粉体を搬送する搬送部材とを備えた構造部分になる。さらに接続部52は、その本体の一部分に粉体を排出させる排出口53を有している。
【0025】
一方、第2構造体54は、例えば、第1構造体51から供給される粉体を受け入れて使用する装置又は構造物である。図1に示される第2構造体54は、第1構造体51を着脱可能に装着する装置又は構造物である。
【0026】
このような第2構造体54における被接続部55は、接続部52が接続されたときに接続部52から排出されて供給される粉体を受け入れる構造部分として構成されている。また被接続部55は、挿入される接続部52が挿入されて接続される部分と受け入れた粉体を搬送する通路空間が形成された本体と、通路空間内で粉体を搬送する搬送部材とを備えた構造部分になる。さらに被接続部55は、その一部(本体の一部分)に粉体を受け入れる受入口56を有している。受入口56は、接続部52が挿入されて被接続部55と接続されたときに、接続部52にある排出口53と向き合うように配置されている。
【0027】
弾性部材57は、接続部52と被接続部55の間に存在して両者の接続部分における隙間から粉体等の物質が漏れることを防止するために取り付けられる部材である。
【0028】
この弾性部材57は、基層の弾性層571と、弾性層571の接続部52と対峙する側の表面を被覆するよう設けられる被覆層572とを有している。弾性層571は、ウレタンフォーム、軟質発泡体等の材料で構成される。被覆層572は、フェルト等の材料で構成される。
また、弾性部材57は、被接続部55に取り付ける手段として例えば接着手段を用いる場合、弾性層571の被覆層572とは反対の面に接着層(粘着テープ、接着剤層など)が設けられる。
【0029】
弾性部材57は、被接続部55のうち接続部52と向き合う少なくとも一部分に取り付けられる。
被接続部55のうち接続部52と向き合う少なくとも一部分とは、例えば、接続部52における上記排出口53と接続時に向き合うことになる上記受入口56の周囲部分等である。また、弾性部材57は、上記被覆層572を有している場合、被接続部55に取り付ける際、その被覆層572が表面側になる状態で取り付けられる。これにより、被接続部55に取り付けられた弾性部材57では、その弾性層571の表面が被覆層572で覆われて外部から隠蔽された状態になる。
【0030】
また、この接続シール構造5では、弾性部材57は、被接続部55との接続の際に挿入されるときの接続部52と向き合う側の端部57aが、挿抜されるときの接続部52と接触しない方向に曲げられている。
【0031】
上記弾性部材57の接続部52と向き合う側の端部57aは、挿入されるときの接続部52が最初に接近して対峙することになる端部である。図1における符号57mは、弾性部材57の曲げられた端部57aにおける実際に曲げられた範囲(曲げ領域)を示している。図1に示す弾性部材57の曲げられた端部57aは、例えば、重力方向の下方になる斜め下方に曲げられている。
【0032】
また、上記接続部52と接触しない方向とは、接続部52が挿入されるときの方向(挿入方向)D1から遠ざかる側に向く方向である。換言すると、接続部52と接触しない方向は、接続部52の挿入される方向D1と少なくとも交差する方向である。
これにより、弾性部材57の曲げられた端部57aの曲げ領域57mは、接続部52が被接続部55に対して挿抜されるとき、その接続部52が接触することがない。
【0033】
そして、この接続シール構造5においては、弾性部材57の曲げられた端部の曲げ状態が維持される維持手段60を備えている。
曲げ状態を維持するとは、弾性部材57の曲げられた状態が、挿抜されるときの接続部52の影響を受けて接続部52に接近する方向に変動することがない状態に保つことをいう。
【0034】
実施の形態1における維持手段60は、弾性部材57の曲げられた端部57aを接続部52が挿入される方向D1から被接続部55の一部55dに押し付け部材61で構成されている。
被接続部55の一部55dは、例えば、弾性部材57の曲げられた端部57aの曲げ領域57mに最も近い位置に存在する側面等の既存の部位が使用される。また、被接続部55の一部55dは、新たに設けたものであってもよい。
この押し付け部材61で構成される維持手段60の詳細については、後述する。
【0035】
この押し付け部材61で構成される維持手段60を備えた接続シール構造5(以下、この構成からなるときの接続シール構造は、接続シール構造5Aとして示す)は、例えば、接続部52と被接続部55との間で粉体を移動させる場合、その粉体が接続部52と被接続部55の接続部分から漏れることを、接続部52の挿抜が繰り返されることがあっても防止することができる有効なシール構造になる。
【0036】
<接続シール構造を備えた粉体供給装置の構成>
また、実際の形態1に係る接続シール構造5(5A)は、図1に示されるように粉体供給装置7における接続シール構造として適用されている。
粉体供給装置7は、挿抜可能に接続させる接続部72と接続部72に設けられて供給する粉体を排出させる排出口73を有する粉体供給構造体71と、接続部72が挿入されて接続される被接続部75と被接続部75に設けられ排出口73と向き合って排出される粉体を受け入れる受入口76を有する粉体受容構造体74と、被接続部75のうち受入口76の周囲を少なくとも覆う部分に取り付けられて接続部72との間で粉体の漏れを防止する弾性層571を含む弾性部材57を有する接続シール構造5とを備えている。
【0037】
このうち接続シール構造5は、上記した構成からなる接続シール構造5Aで構成されている。
【0038】
粉体供給構造体71は、接続シール構造5Aにおける第1構造体51と対応するもののなかで粉体を供給する用途を有した構造体になる。この粉体供給構造体71は、交換して使用される容器に限らず、例えば固定して設置されるホッパ等の構造物を含むものである。固定型の粉体供給構造体71である場合、その接続部72は固定されたものでも、あるいは可動式のものであってもよい。
粉体供給構造体71における接続部72は、接続シール構造5Aにおける接続部52に対応するものである。また、接続部72に設けられる排出口73は、接続シール構造5Aにおける排出口53に対応するものである。
【0039】
粉体受容構造体74は、接続シール構造5Aにおける第2構造体54とほぼ対応するもののなかで粉体を受け入れる用途を有した構造体になる。この粉体受容構造体74は、受け入れる粉体を使用する機能を有するものであってもよく、例えば粉体を付着させる機能を有した装置等も含まれる。また粉体受容構造体74は、受け入れる粉体を更に先に搬送する機能を有するものであってもよく、例えば粉体を搬送する中継部になる搬送装置等も含まれる。
粉体受容構造体74における被接続部75は、接続シール構造5Aにおける被接続部55に対応するものである。また、被接続部75に設けられる受入口76は、接続シール構造5Aにおける受入口56に対応するものである。
【0040】
次に、押し付け部材61で構成される維持手段60を適用した接続シール構造5Aとその接続シール構造5を備える粉体供給装置7について、図2図3等を参照しながら詳細に説明する。
図2には、接続シール構造5Aと粉体供給装置7の非接続時の状態が示されている。また図3には、接続シール構造5Aと粉体供給装置7の接続時の状態が示されている。
【0041】
図2および図3に示される接続シール構造5Aと粉体供給装置7の一部は、その第1構造体51および粉体供給構造体71として、供給される粉体を収容する粉体容器15を適用している。また、接続シール構造5Aにおける第2構造体54としては、粉体容器15を着脱可能に装着する容器装着構造部又は装置を適用している。粉体供給装置7における粉体受容構造体74としては、供給される粉体を受け入れて使用する装置を適用している。
ここで、粉体の一例として現像剤を使用する場合、粉体供給装置7は現像剤供給装置7Aになり、また粉体受容構造体74は、例えば、潜像を現像剤により現像して可視像にする現像装置24が適用される。
【0042】
粉体容器15は、粉体を収容する粉体収容部151を有している。粉体容器15が収容する粉体は、粉体受容構造体74が上記した現像装置24である場合には現像剤(トナー等)になる。また、粉体容器15は、接続部52として、粉体収容部151内の粉体を供給先に排出するよう構成された接続部72を有している。
【0043】
接続部72は、例えば粉体収容部151の下部に配置された構造部分である。この接続部72は、図2等に示されるように、粉体の搬送空間を有する円筒状の本体721と、本体721の搬送空間内で粉体を回転して搬送するスクリューオーガ等の搬送部材722とで構成されている。また、接続部72は、粉体受容構造体74である現像装置24における被接続部75と接続時に向き合う位置に、搬送部材722にて搬送される粉体を排出する排出口73が設けられている。図2における符号153は、接続部72を挿抜する際に挿抜方向Dに沿って案内する溝等の案内部分である。
【0044】
粉体受容構造体74の一例としての現像装置24は、図1に模式的に示される粉体利用装置1の一例である画像形成装置1Aにおける粉体付着装置2の一例としての像形成装置2Aが備える現像装置である。像形成装置2Aは、電子写真方式等により現像剤で構成される画像を形成する装置である。
また、現像装置24は、粉体容器15に収容されている粉体の現像剤を補給する必要があるため、粉体容器15を着脱可能に装着する容器装着構造部を関連部分として備えている。容器装着構造部は、図1に示されるように、画像形成装置1Aの筐体10の一側面部に構造部分(第2構造体54)として設けられている。
【0045】
さらに、現像装置24は、粉体容器15の接続部72が挿入されて接続される被接続部75を有している。被接続部75は、図1に示されるように、現像装置24の一端部から粉体容器15の容器装着構造部に至るよう設けられている。図1中の符号24dは、被接続部75で受け入れた現像剤を現像装置24内に送り込む補給搬送路部を示す。
【0046】
被接続部75は、図2等に示されるように、現像剤の搬送空間を有する円筒状の本体751と、本体751の搬送空間内で現像剤を回転して搬送するスクリューオーガ等の搬送部材752とで構成されている。また、被接続部75は、粉体容器15における接続部72の排出口73と接続時に向き合う位置に、その排出口73から排出される現像剤を受け入れる受入口76が設けられている。
【0047】
実施の形態1における被接続部75の本体751は、受入口76より外側に位置する先端部が先細りするよう傾斜した斜面部751bを有する形状になっている。また、本体751は、その先細りした先端の中央部から更に外側に突出する円柱状の突出部751cが設けられている。また、本体751は、斜面部751bと突出部751cとの間が、ほぼ垂直方向に沿う面からなる側壁面部751dとして形成されている。突出部751cは、その内部に搬送部材752の回転軸の軸受け部が設けられている。
【0048】
また、被接続部75には、図2図4等に示されるように、受入口76を開閉する開閉蓋(シャッター)77が設けられている。
【0049】
開閉蓋77は、受入口76を覆って閉じる本体部77aを有した形状および構造で構成されている。また、開閉蓋77は、被接続部75の本体751の外周部において粉体容器15の接続部72の挿抜方向Dに沿う方向にかつ限定された範囲内で移動可能に取り付けられている。
また、開閉蓋77は、図2図4(A)に示されるように、受入口76よりも接続部72が挿入される方向D1と反対方向D2の下流側になる位置に配置されたバネ部材62により、当該反対方向D2に付勢されて閉じた状態が保たれるようになっている。
上記接続部72が挿入される方向D1と反対方向D2は、接続部72が引き抜かれるときの方向(引き抜き方向)に該当する。バネ部材62としては、例えば、コイルバネ(コイルスプリング)を用いている。
【0050】
実施の形態1におけるコイルバネからなるバネ部材62は、図2に示されるように、そのコイル部を被接続部75の本体751における突出部571cに差し込んで保持させている。そのうえで、バネ部材62は、その一方の端部62aが開閉蓋77の手前側の端部77bに設けられた円筒状のバネ収容部77cに収容されて接触する状態になり、その他方の端部62bが被接続部75の本体751における上記側壁面部751dに接触し得る状態になるよう取り付けられている。
【0051】
また、このバネ部材62は、被接続部75に接続部72が接続されていないときは、バネ収容部77cと側壁面部751dとの間でわずかに縮んだ状態に保持されて開閉蓋77を矢印D2で示す方向にバネ力F1で付勢する。これにより、バネ部材62は、受入口76を閉じた状態に保つ(受入口76を閉じる位置に止まらせる)よう機能する。
【0052】
さらに、開閉蓋77は、接続部72の挿抜の動作に連動して移動するよう構成されており、挿入されるときの接続部72の先端部72aが突き当たって開ける方向(矢印D1で示す方向)の作用を受ける受け部78が設けられている。
【0053】
受け部78は、開閉蓋77の本体部77aの上面部において上方に突出するとともに接続部72の先端部72aを受け入れるようアーチ状の形状からなる構造部分として形成されている。また、受け部78は、接続部72の先端部72aを受け入れる内部に、接続部72の先端部72aが突き当たる内壁面部78aが形成されている。
【0054】
弾性部材57は、図2に示されるように、上記した弾性層571および被覆層572を有する部材であり、被接続部75における受入口76の周囲となる部分に、例えば図示しない両面粘着テープを介して取り付けられている。
弾性部材57は、図2図4(B)に示されるように、平面が長方形等の形状からなる部材であり、受入口76と向き合う部分に貫通した開口部を設けている。
【0055】
また、弾性部材57は、被接続部75に挿入されるときの接続部72と向き合う側の端部57aが、挿抜されるときの接続部72と接触しない方向に曲げられている。実施の形態1における弾性部材57は、図2に示されるように、接続部72と向き合う側の端部57aを、被接続部75の本体751における先端部の斜面部751bに沿うように折り曲げた後、更に斜面部751bの傾斜先端の端部からほぼ垂直方向に延びる側壁面部751dに沿うように折り曲げた状態にしている。
【0056】
<押し付ける部材で構成される維持手段>
そして、この接続シール構造5Aにおける維持手段60は、図2図4(A)に示されるように、弾性部材57の曲げられた端部57aを接続部72の挿入される方向D1から被接続部75の一部75dに押し付ける押し付け部材61で構成されており、また、その押し付け部材61が上記バネ部材62にて構成されている。
【0057】
この押し付け部材61の一例としてのバネ部材62は、被接続部の一部75dである側壁面部751dに接触させる端部62bを、弾性部材57の曲げられた端部57aに接触させたうえで、その曲げられた端部57aを側壁面部751dに押し付ける状態になるよう配置されている。
この際、バネ部材62の端部62aは、弾性部材57の曲げられた端部57aの曲げ領域57mのうち側壁面部751dに接触している部分に接触させている。また、このときのバネ部材62の端部62aは、弾性部材57の被覆層572に接触している。
【0058】
これにより、この接続シール構造5Aにおいては、弾性部材57の曲げられた端部57aが、バネ部材62により被接続部の一部75dである側壁面部751dにバネ力F1の力で押し付けられた状態になり、その結果として弾性部材57の曲げられた端部57aは、その曲げ状態が維持されるようになっている。このときの弾性部材57における弾性層571は、バネ部材62の端部62bにより押し付けられた部分がその端部62bと被接続部の側壁面部751dとの間で圧縮された状態になる。
【0059】
また、この接続シール構造5Aでは、弾性部材57の弾性層571を、被接続部の側壁面部751dと向き合う範囲まで存在させている。また、この接続シール構造5Aでは、弾性部材57の曲げられた端部57aの曲げ領域57m(弾性層571)が、被接続部75の本体751における斜面部751bおよび側壁面部751dと接触しているとともに、その斜面部751bおよび側壁面部751dに図示しない両面テープにより接着されている。
【0060】
弾性部材57の曲げられた端部57aの曲げ領域57mは、その斜面部751bおよび側壁面部751dに接着させず接触させるだけであってもよい。
しかし、弾性部材57の曲げ状態をより確実に維持できることや、被接続部75の本体751における斜面部751bおよび側壁面部751dと弾性部材57との間の隙間を解消しやすくなることの観点からすると、弾性部材57の曲げられた端部57aの曲げ領域57mは、斜面部751bおよび側壁面部751dに接触させるだけにとどまらず接着させることが好ましい。
【0061】
<接続部の被接続部への接続>
この接続シール構造5を適用した粉体供給装置7(現像剤供給装置7A)は、以下のようにして、粉体容器15における接続部72が現像装置24における被接続部75に接続される。
【0062】
すなわち、粉体供給装置7では、その接続部72を挿入する方向D1に移動させて被接続部75に接近させる。
このときの接続部72は、案内手段153に案内されて被接続部75に向けて進んだ後、その先端部72bが被接続部75における受け部78の内部に侵入して内壁面部78aに突き当たった状態で進む。これにより、被接続部75における開閉蓋77は、図4(B)に示されるように、バネ部材62のバネ力F1に抗して接続部72の挿入される方向D1に接続部72と共に移動させられて、最後に被接続部75における受入口76を開けた状態になる。この際、バネ部材62は、開閉蓋77の矢印D1の方向への移動に伴って移動するバネ収容部77cによって矢印D1の方向に押されて収縮された状態になる(図3)。
【0063】
この結果、粉体供給装置7では、図3に示されるように、接続部72における排出口73と被接続部75における受入口76とが対峙して連通した状態になり、接続部72が被接続部75に接続される。接続部72が被接続部75に接続された段階では、接続部72が被接続部75に対して停止して固定された状態に保たれるようになっている。
ちなみに、接続部72の本体721の内部には、排出口73を開閉する図示しない開閉蓋が配置されている。また、その開閉蓋は、接続部72が被接続部75に接続される際に排出口73を開けた状態になるよう構成されている。
【0064】
そして、接続部72が被接続部75に接続されたときの粉体供給装置7は、図3に示されるように、接続シール構造5の被接続部75における弾性部材57が、接続部72の排出口73の周囲になる外周部に接触した状態になる。これにより、粉体供給装置7では、接続部72の排出口73の周囲の部分と被接続部75の排出口の周囲の部分との間に生じる隙間が、接続シール構造5の弾性部材57によって塞がれた状態になる。
【0065】
また、この粉体供給装置7では、接続部72が被接続部75に接続される際、接続部72の下部が被接続部75の上面側に取り付けられた弾性部材57に接触しながら通過する。
このときの弾性部材57における曲げられた端部57aは、その曲げ領域57mが挿入されるときの接続部72の下部が接触することがない。
その一方で、このときの弾性部材57の曲げ領域57m以外の部分は、挿入される接続部72の下部との接触により矢印D1の方向に擦られて外力を受けることになる。しかし、このときの弾性部材57の曲げられた端部57aの曲げ領域57mは、維持手段60の押し付け部材61であるバネ部材62が被接続部75の一部である側壁面部751dに押し付けられているので、その外力により曲げ状態が乱されることがなく維持される。
【0066】
またこのときの弾性部材57の曲げられた端部57aの曲げ領域57mは、収縮したバネ部材62から復元する大きいバネ力F2(>F1)を受けるため、バネ部材62の端部62bで被接続部75の側壁面部751dに押し付けられている部分の弾性層571が他の部分に比べて強く圧縮された状態になり、弾性部材57の曲げ領域57mが側壁面部751dに圧着されて隙間が塞がれやすくなる。
【0067】
<接続部の被接続部からの取り外し>
また、この接続シール構造5を適用した粉体供給装置7(現像剤供給装置7A)は、以下のようにして、粉体容器15における接続部72が現像装置24における被接続部75と接続されていた状態から離間させられる。
【0068】
すなわち、粉体供給装置7では、その接続部72を引き抜き方向D2に移動させて被接続部75から引き離す。
このときの接続部72は、案内手段153に案内されて被接続部75から離れるように進んだ後、その先端部72bが被接続部75における受け部78の内部の内壁面部78aから抜き出されるように進む。これにより、被接続部75における開閉蓋77は、図4(A)に示されるように、収縮していたバネ部材62のバネ力F2を受けながら接続部72の引き抜き方向D2に接続部72と共に移動させられて、最後に被接続部75における受入口76を閉じた状態になる。この際、バネ部材62は、開閉蓋77の矢印D2の方向への移動に伴って移動するバネ収容部77cによって矢印D2の方向に復元するよう伸びて収縮の程度が少なくなる(図2図4(A))。
【0069】
この結果、粉体供給装置7では、図2に示されるように、接続部72が被接続部75から離れて接続が解除された状態(非接続の状態)になり、粉体容器15が現像装置24から取り外される。
ちなみに、接続部72の本体721の内部に配置された図示しない上記開閉蓋は、接続部72が被接続部75から離れた際に排出口73を閉じた状態になるようになっている。
【0070】
そして、接続部72が被接続部75から接続解除されて引き離されたときの粉体供給装置7では、接続部72が被接続部75から引き抜かれる際、接続部72の下部が被接続部75の上面側に取り付けられた弾性部材57に接触しながら通過する。
このときの弾性部材57における曲げられた端部57aも、その曲げ領域57mが挿入されるときの接続部72の下部が接触することがない。
その一方で、このときの弾性部材57の曲げ領域57m以外の部分は、引き抜かれる接続部72の下部との接触により矢印D2の方向に擦られて外力を受けることになる。しかし、このときの弾性部材57の曲げられた端部57aの曲げ領域57mも、維持手段60の押し付け部材61であるバネ部材62が被接続部75の一部である側壁面部751dに押し付けられているので、その外力により曲げ状態が乱されることがなく維持される。
【0071】
したがって、この接続シール構造5Aを備えた粉体供給装置7(現像剤供給装置7A)では、粉体受容構造体74の一例である現像装置24における被接続部75のうち粉体供給構造体71の一例である粉体容器15の接続部72と向き合う少なくとも一部分に取り付けた弾性部材57の一部が接続部72の挿抜により破損してしまうことが、弾性部材57の曲げられた端部57aの曲げ状態が維持される維持手段60(バネ部材62からなる押し付け部材61)を有していない場合に比べると抑制される。
【0072】
つまり、この接続シール構造5Aでは、弾性部材57の曲げられた端部57aの曲げ状態が維持される維持手段60を有していないと、例えば、弾性部材57の曲げられた端部57aが、挿抜されるときの接続部72と接触して生じる外力を受けて被接続部75における斜面部751b又は側壁面部751dから浮き上がって変動して、弾性層571が接続部72と直接接触することや被覆層572を介して外力が及ぶことになり、その結果、弾性層571が破断する等の破損が生じることがある。しかし、押し付け部材61で構成された維持手段60を備えた接続シール構造5Aであれば、そのような弾性層571が破損してしまうことが抑制される。
【0073】
また、この接続シール構造5Aでは、押し付け部材61が被接続部75に配置されるバネ部材62で構成されていない場合に比べると、弾性部材57がバネ部材62のバネ力(付勢力)で押されることになるので弾性部材57の曲げ状態が維持されやすくなる。
【0074】
ちなみに、この接続シール構造5Aでは、弾性部材57の曲げられた端部57aが弾性層571も曲げられて被接続部の一部75dである側壁面部751dに接触している構成でない場合に比べると、弾性部材57と被接続部の側壁面部751dとの間における隙間が塞がれやすくなる。
この点、接続シール構造5Aにおいて、図5(A)に示されるように、弾性部材57の弾性層571が被接続部の一部75dである側壁面部751dに接触するまで設けられていない場合は、側壁面部751dに弾性部材57の被覆層572のみが接触するだけとなり、弾性部材57と被接続部の側壁面部751dとの間における隙間を十分に塞ぐことができない。
【0075】
また、接続シール構造5Aにおいて弾性部材57による粉体の現像剤が漏れることを良好に防止するには、例えば、被接続部75における受入口76から弾性部材57の弾性層571の端部(57a,57bなど)までの長さL1,L2と、弾性部材57における弾性層571の取り付け先の被接続部75の密着度(圧縮率)が十分であることが重要である。
【0076】
この点、上記接続シール構造5Aでは、弾性部材57の曲げられた端部57aの末端までで被接続部の側壁面部751dに至って接触する弾性層571が設けられている(図2)。このため、この接続シール構造5Aでは、その弾性層571が弾性部材57の曲げられた端部57aの途中まで被接続部75の側壁面部751dに至っていない構成(図5)に比べると、その端部57aに対する長さL2を長くすることができており、現像剤の漏れに対して有利な状態が得られる。
【0077】
また、この接続シール構造5Aでは、弾性部材57の曲げられた端部57a(弾性層571)が、維持手段60を構成する押し付け部材61のバネ部材62により被接続部75の側壁面部751dに収縮したバネ部材62のバネ力F2d(図3)で押し付けられて確実に圧縮された状態になる(図3)。このため、この接続シール構造5Aでは、弾性部材57の曲げられた端部57aが維持手段60を構成する押し付け部材61のバネ部材62により押し付けられない構成に比べると、弾性部材57の曲げられた端部57aの弾性層571のうち維持手段60の押し付け部材61で押し付けられている部分が、十分に圧縮されて被接続部75の側壁面部751dに密着した状態に保たれる。これによっても接続シール構造5Aでは、現像剤の漏れに対して有利な状態が得られる。
【0078】
実施の形態2.
図6には、実施の形態2に係る接続シール構造5Bが模式的に示されている。
この接続シール構造5Bは、維持手段60を構成する押し付け部材61のバネ部材62に代えて、接続部52に配置されて接続部52の被接続部55への接続時に接触する接触部材63を適用して変更した以外は実施の形態1における接続シール構造5,5Aとほぼ同じ構成からなるものである。図6では、被接続部55における受入口56を開閉する開閉蓋の図示を省略している。
【0079】
維持手段60を構成する押し付け部材61の接触部材63は、図6(A)に示されるように、接続部52を挿入して被接続部55に接続したときに被接続部55における弾性部材57の曲げられた端部57aの曲げ領域57mに接触して被接続部55の一部55dに押し付ける接触部63aを有する形状からなる部材である。
この接触部材63は、接続部52の外周部において挿抜方向Dに沿うとともに限定された範囲内で移動できるよう取り付けられている。また、接触部材63は、接続部52に配置したバネ部材等の付勢部材64により挿入する方向D1に所要の付勢力F6で付勢されている。
実施の形態2における接触部材63は、接続部52の挿入時の途上において接触部63aが弾性部材57の曲げられた端部57aの曲げ領域57mに接触した後、接続部52が被接続部55に接続されるまで矢印Dの方向に付勢部材64の付勢力F6に抗して移動するように構成されている。
【0080】
この接触部材63からなる押し付け部材61で構成された維持手段60を備えた接続シール構造5Bや粉体供給装置7では、以下のようにして、第1構造体51における接続部52が第2構造体54における被接続部55に接続される。
【0081】
すなわち、接続シール構造5Bでは、その接続部52を挿入する方向D1に移動させて被接続部55に接近させる。
このときの接続部52は、被接続部55に接近して挿入する方向D1に移動する途上で、接触部材63の接触部63aが被接続部55に取り付けられた弾性部材57の曲げられた端部57aの曲げ領域57mに接触する。
引き続き、接続部52は、被接続部55と接続される位置まで移動する。この際、接触部材63は、接続部52の挿入される方向D1と反対方向D2に後退するよう付勢部材64の付勢力F6に抗して接続部52上で移動する。
【0082】
そして、この接続シール構造5Bでは、図6(B)に示されるように、接続部52における排出口53と被接続部55における受入口56とが対峙して連通した状態になって接続部52が被接続部55に接続されると、押し付け部材61の他の例としての接触部材63の接触部63aが、弾性部材57の曲げられた端部57aの曲げ領域57mを被接続部55の一部55dに押し付ける。このときの接触部材63は、付勢部材64がコイルバネ等のバネ部材の場合は、接触部材63の矢印D2の方向への移動によりバネ部材が収縮するのでバネ力F7で押し付ける。
これにより、弾性部材57の曲げられた端部57aの曲げ状態が接触部材63の押し付けにより維持される。なお、弾性部材57については、実施の形態1における弾性部材57と同様に、弾性層571と被覆層572を有する部材である。また、被接続部55の一部55dは、実施の形態1における被接続部55の一部55dと同様に、被接続部55の先細りした先端における側壁面部になる。
【0083】
また、接続部52が被接続部55に接続されたときの接続シール構造5Bでは、接続部52が被接続部55に接続される際、接続部52の下部が被接続部55の上面側に取り付けられた弾性部材57に接触しながら通過する。
このときの弾性部材57における曲げられた端部57aは、その曲げ領域57mが挿入されるときの接続部52の下部が接触することがない。
その一方で、このときの弾性部材57の曲げ領域57m以外の部分は、挿入される接続部52の下部との接触により矢印D1の方向に擦られて外力を受けることになる。しかし、このときの弾性部材57の曲げられた端部57aの曲げ領域57mは、押し付け部材61である接触部材63が被接続部55の一部55dに押し付けられているので、その外力により曲げ状態が乱されることがなく維持される。
【0084】
またこのときの弾性部材57の曲げられた端部57aの曲げ領域57mは、接触部材63を付勢する付勢部材64がコイルバネであった場合は、接触部材63が接続部52において矢印D2の方向に移動することで収縮した状態になるので、その付勢部材64から復元する大きいバネ力F7(>F6)を受けるため、接触部材63の接触部63aで被接続部55の一部55dに押し付けられている部分の弾性層571が他の部分に比べて強く圧縮された状態になり、弾性部材57の曲げ領域57mが被接続部55の一部55dに圧着されて隙間が塞がれやすくなる。
【0085】
また、この接続シール構造5Bは、以下のようにして、接続部52が被接続部55と接続されていた状態から離間させられる。
【0086】
すなわち、接続シール構造5Bでは、その接続部52を引き抜き方向D2に移動させて被接続部55から引き離す。
このときの接続部52は、被接続部55から離れるように進む。この際、接触部材63は、接続部52の引き抜き方向D2への移動に連動して付勢部材64の復元力を受けつつ矢印D1方向に戻されるよう移動し始める。また、接触部材63は、接続部52において非接続時における停止位置まで移動すると、接触部63aが弾性部材57の曲げられた端部57aの曲げ領域57mから離れた状態になる。
この結果、接続シール構造5Bでは、図6(A)に示されるように、接続部52が被接続部55から離れて接続が解除された状態(非接続の状態)になり、第1構造体51が第2構造体54から取り外される。
【0087】
そして、接続部52が被接続部55から接続解除されて引き離されたときの接続シール構造5Bでは、接続部52が被接続部55から引き抜かれる際、接続部52の下部が被接続部55の上面側に取り付けられた弾性部材57に接触しながら通過する。
このときの弾性部材57における曲げられた端部57aも、その曲げ領域57mが挿入されるときの接続部52の下部が接触することがない。
その一方で、このときの弾性部材57の曲げ領域57m以外の部分は、引き抜かれる接続部52の下部との接触により矢印D2の方向に擦られて外力を受けることになる。しかし、このときの弾性部材57の曲げられた端部57aの曲げ領域57mも、維持手段60の押し付け部材61である接触部材63が被接続部55の一部55dにある段階まで押し付けられているので、その外力により曲げ状態が乱されることがなく維持される。
【0088】
したがって、この接続シール構造5Bやこれを備えた粉体供給装置7では、第2構造体54(粉体受容構造体74)における被接続部55(75)のうち第1構造体51(粉体供給構造体71)の接続部52(72)と向き合う少なくとも一部分に取り付けた弾性部材57の一部が接続部52(72)の挿抜により破損してしまうことが、弾性部材57の曲げられた端部57aの曲げ状態が維持される維持手段60(接触部材63からなる押し付け部材61)を有していない場合に比べると抑制される。
【0089】
また、この接続シール構造5Bでは、押し付け部材61が接触部材63で構成されていない場合に比べると、接続部52の非接続時に弾性層571を含む弾性部材57が接触部材63により押し付けられた状態が一時的に開放される。これにより、弾性部材57の弾性層571は、接触部材63の押し付けにより圧縮されていた状態から開放されて復元するので、その弾性が保持される。
【0090】
実施の形態3.
図7には、実施の形態3に係る接続シール構造5Cが模式的に示されている。
この接続シール構造5Cは、押し付け部材61で構成された維持手段60に代えて、弾性部材57の曲げられた端部57aを被接続部55の一部55dと連結させる部材65で構成された維持手段60に変更した以外は実施の形態1における接続シール構造5,5Aとほぼ同じ構成からなるものである。図7においても、被接続部55における受入口56を開閉する開閉蓋の図示を省略している。
【0091】
維持手段60を構成する連結させる部材65は、図7(A)に示されるように、弾性部材57の曲げられた端部57aを被接続部の一部55dと連結させる部材である。ここでいう被接続部の一部55dは、被接続部55に既に存在する部分(実施の形態1における側壁面部751d等)であっても、あるいは、新たに設けた取付け部分59であってもよい。実施の形態3では、新たに設けた突出部等の取付け部分59を代表例として説明する。また、実施の形態3では、被接続部の一部55dは、弾性部材57の曲げられた端部57aを接触させる部分とする。
【0092】
連結させる部材65は、例えば、一端に弾性部材57の曲げられた端部57aを掴んで保持する端部保持部を備え、他端に被接続部55の取付け部分59に固定する固定部を備えており、その端部保持部と固定部をつないで一体物にするつなぎ部とを有した部材である。
また、連結させる部材65は、弾性部材57の曲げられた端部57aが被接続部の一部55dに接触した状態になるよう固定部を被接続部55の取付け部分59に固定させ、これにより弾性部材57の曲げられた端部57aを取付け部分59に連結させた状態に保つようにしている。この際、連結させる部材65は、弾性部材57の曲げられた端部57aの曲げ状態を十分に維持する観点からすると、緩み(弛み)がほとんどない状態で取り付けることが好ましい。これにより、弾性部材57の曲げられた端部57aが被接続部の一部55dに接触した状態にも維持される。なお、この場合でも、弾性部材57の曲げられた端部57aは被接続部の一部55dに接着させることが好ましい。
【0093】
この連結させる部材65からなる維持手段60を適用した接続シール構造5Cでは、その接続部52が挿入される方向D1に移動して被接続部55に接続される際、図7(B)に示されるように、接続部52の下部が被接続部55の上面側に取り付けられた弾性部材57に接触しながら通過する。
【0094】
このときの弾性部材57における曲げられた端部57aは、その曲げ領域57mが挿入されるときの接続部52の下部が接触することがない。
その一方で、このときの弾性部材57の曲げ領域57m以外の部分は、挿入される接続部52の下部との接触により矢印D1の方向に擦られて外力を受けることになる。しかし、このときの弾性部材57の曲げられた端部57aの曲げ領域57mは、押し付け部材61である連結させる部材65により被接続部55の取付け部分59に連結されているので、その外力により曲げ状態が乱されることがなく維持される。
【0095】
また、接続シール構造5Cでは、その接続部52が引き抜き方向D2に移動して被接続部55から接続を解除して取り外す際にも、接続部52の下部が被接続部55の上面側に取り付けられた弾性部材57に接触しながら通過する。
【0096】
このときの弾性部材57における曲げられた端部57aも、その曲げ領域57mが挿入されるときの接続部52の下部が接触することがない。
その一方で、このときの弾性部材57の曲げ領域57m以外の部分は、引き抜かれる接続部52の下部との接触により矢印D2の方向に擦られて外力を受けることになる。しかし、このときの弾性部材57の曲げられた端部57aの曲げ領域57mも、維持手段60の連結させる部材65により被接続部55の取付け部分59に連結されているので、その外力により曲げ状態が乱されることがなく維持される。
【0097】
したがって、この接続シール構造5Cやこれを備えた粉体供給装置7では、第2構造体54(粉体受容構造体74)における被接続部55(75)のうち第1構造体51(粉体供給構造体71)の接続部52(72)と向き合う少なくとも一部分に取り付けた弾性部材57の一部が接続部52(72)の挿抜により破損してしまうことが、弾性部材57の曲げられた端部57aの曲げ状態が維持される維持手段60(連結させる部材65)を有していない場合に比べると抑制される。
【0098】
<他の変形例>
実施の形態1-3では、接続シール構造5A,5B,5Cを備えた粉体供給装置7として、粉体の一例である現像剤を供給する現像剤供給装置7Aを例示したが、その粉体供給装置7としては、これに限定されず、他の粉体を供給する他の粉体供給装置であってもよい。
【0099】
他の粉体供給装置7としては、例えば、粉体が粉体塗料である場合には、図8に示されるように、粉体塗料を供給する粉体塗料供給装置7Bであってもよい。粉体塗料供給装置7Bは、粉体供給構造体71が粉体塗料を収容する構造体になり、粉体受容構造体74が粉体供給構造体71から供給される粉体塗料を受け入れて使用する構造体になる。
この粉体塗料供給装置7Bの場合にあっては、接続シール構造5A,5B,5Cが維持手段60を備えていない場合に比べると、接続シール構造5A,5B,5Cにおける接続部分での粉体塗料の漏れを、粉体供給構造体71の挿抜が繰り返されることがあっても抑制することができる。
【0100】
実施の形態1-3では、接続シール構造5A,5B,5Cを備えた粉体供給装置7を備えた粉体利用装置1として、粉体の一例である現像剤を利用する画像形成装置1Aを例示したが、その粉体利用装置1としては、これに限定されず、他の粉体を利用する他の粉体利用装置であってもよい。
【0101】
他の粉体利用装置1としては、例えば、粉体が粉体塗料である場合には、図8に示されるように、粉体塗料を被付着物(例えば金属製シート)に付着させる粉体付着装置2を備えた粉体塗装装置1Bであってもよい。この粉体塗装装置1Bでは、粉体付着装置2が粉体塗料を被付着物に付着させる粉体塗料付着装置2Bになる。粉体塗料付着装置2Bは、例えば、粉体塗料を保持して被付着物に所要の量およびパターンで付着させる粉体塗料付着ロールを備えた装置である。
この粉体塗装装置1Bの場合には、上記粉体塗料供給装置7Bにおける接続シール構造5A,5B,5Cが維持手段60を備えていない場合に比べると、その接続シール構造5A,5B,5Cにおける接続部分での粉体塗料の漏れを、粉体塗料供給装置7Bにおける粉体供給構造体71の挿抜が繰り返されることがあっても抑制することができる。
【符号の説明】
【0102】
1A…画像形成装置(粉体利用装置の一例)
1B…粉体塗装装置(粉体利用装置の一例)
2 …粉体付着装置
2A…像形成装置(粉体付着装置の一例)
2B…粉体塗料付着装置(粉体付着装置の一例)
5A,5B,5C…接続シール装置
7 …粉体供給装置
7A…現像剤供給装置(粉体供給装置の一例)
7B…粉体塗料供給装置(粉体供給装置の一例)
51…第1構造体
52,72…接続部
53,73…排出口
54…第2構造体
55,75…被接続部
55d,75d…被接続部の一部
56,76…受入口
57…弾性部材
57a…挿入されるときの接続部と向き合う端部(曲げられた端部)
571…弾性層
55d,75d…被接続部の一部
59…取付け部分(被接続部の一部の他の例)
60…維持手段
61…押し付け部材
62…バネ部材
62b…被接続部と向き合う端部
63…接触部材
65…連結させる部材
71…粉体供給構造体
74…粉体受容構造体
751d…側壁面部(被接続部の一部の一例)
D …挿抜方向
D1…挿入される方向
D2…引き抜き方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8